JP2019187033A - 回転子、モータ及び回転子の製造方法 - Google Patents

回転子、モータ及び回転子の製造方法 Download PDF

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佑哉 岩崎
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Abstract

【課題】回転子の周方向の質量の偏りを容易に調整でき、回転子の製造上の歩留まりを高めることができる構造を提供することにある。【解決手段】回転子は、回転軸と、回転軸に固定され、軸方向に延伸する複数の孔部が形成されたコア部と、コア部に固定された磁石部と、複数の孔部のうちの少なくとも1つの孔部内に設けられ、回転子の周方向の質量の偏りを調整するバランスウェイトとを備える。回転子の製造方法は、回転軸と、回転軸に固定され、軸方向に延伸する複数の孔部が形成されたコア部と、コア部に固定された磁石部とを用意する段階と、回転子の周方向の質量の偏りを測定する段階と、回転子の周方向の質量の偏りに基づいて、回転子の周方向の質量の偏りを調整するために、複数の孔部のうちの少なくとも1つの孔部内にバランスウェイトを設ける段階とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、回転子、モータ及び回転子の製造方法に関する。
従来、様々な装置や製品の駆動源としてモータが用いられている。例えば、自動車等の電装系において多くのモータが使用される。電装系においても、ブラシレスモータが広い範囲で使用され得る。電装系においては、特に、振動やノイズに関して高い信頼性が望まれる場合がある。
従来、永久磁石を回転子のコア部材の表面に固定してブラシレスモータの回転子を形成する技術が知られている。例えば、永久磁石片とコア部材とを接着材で接着固定する技術や、永久磁石としてボンド磁石を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1 国際公開第2012/132357号公報
例えば、特許文献1に記載の回転子においては、例えばコア部材の偏芯により、周方向の質量の偏りが大きくなる場合がある。このようなアンバランス質量が大きいと、モータの回転に伴って大きな振動やノイズが生じる。
特許文献1に記載の回転子のように、コア部材の表面に永久磁石が固定されている場合、コア部材を削ることが困難であるため、コア部材を削ることでアンバランス質量を削減することが容易でない。コア部材を削ることに代えて永久磁石を削ると、モータの性能が悪化する。また、永久磁石を削る工程で永久磁石が割れる可能性があるため、製造歩留まりが悪化する。また、アンバランス質量をパテにより調整する方式は、比較的に大きなスペースが必要となるため、小型のモータには適用することが容易でない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転子の周方向の質量の偏りを容易に調整でき、回転子の製造歩留まりを高めることができる構造を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、回転子が提供される。回転子は、回転軸を備えてよい。回転子は、回転軸に固定され、軸方向に延伸する複数の孔部が形成されたコア部を備えてよい。回転子は、コア部に固定された磁石部を備えてよい。回転子は、複数の孔部のうちの少なくとも1つの孔部内に設けられ、回転子の周方向の質量の偏りを調整するバランスウェイトを備えてよい。
この態様によると、バランスウェイトを孔部に設けることで、回転子の周方向の質量の偏りを調整することができる。そのため、アンバランス質量を調整するために、コア部材や磁石を削る必要がない。また、アンバランス質量をパテにより調整する必要がなく、小型モータのアンバランス質量を調整することが容易である。したがって、振動やノイズを低減することができる。
複数の孔部は、軸方向にコア部を貫通してよい。これにより、バランスウェイトの軸方向の位置を比較的自由に変えることが可能になる。そのため、1つのバランスウェイトでアンバランス質量を微調整し易い。
複数の孔部は、回転子の周方向に、予め定められた間隔で設けられてよい。これにより、様々なアンバランス角に対応することができる。
バランスウェイトは、複数の孔部のうち、回転子の質量の周方向のアンバランス角に基づく位置に形成されている孔部内に設けられてよい。これにより、様々なアンバランス角に対応することができる。
複数の孔部のうちバランスウェイトが設けられる孔部、及び、当該孔部内においてバランスウェイトが設けられる軸方向の位置は、回転子の一方の端部における質量の周方向のアンバランス量及びアンバランス角と、回転子の他方の端部における質量の周方向のアンバランス量及びアンバランス角とに基づいてよい。これにより、様々なアンバランス角及びアンバランス量に対応することができる。
孔部内においてバランスウェイトが設けられる軸方向の位置は、回転子の一方の端部における質量の周方向のアンバランス量、及び、回転子の他方の端部における質量の周方向のアンバランス量に基づいてよい。これにより、バランスウェイトの軸方向の位置を調整することで様々なアンバランス量に対応することができる。
孔部内においてバランスウェイトが設けられる軸方向の位置は、一方の端部におけるアンバランス量と他方の端部におけるアンバランス量との比に基づいてよい。これにより、バランスウェイトの軸方向の位置調整によりアンバランス量の修正量を調整することができる。
コア部は、複数の孔部を形成する複数の第1の孔、及び、回転軸が挿入される軸孔を形成する第2の孔が形成された複数の板材を積層して形成されてよい。第1の孔及び第2の孔は、複数の板材の材料となる板部材を打ち抜くことによって形成されてよい。バランスウェイトは、板部材において第2の孔が形成される部分から打ち抜かれた1以上の板片により形成されてよい。これにより、バランスウェイトを形成する板片とコア部を形成する板材とを同じ材料から共取りすることができるので、バランスウェイトのコストを削減することができる。
バランスウェイトを形成する板片の数は、回転子の質量の周方向のアンバランス量に基づいてよい。これにより、バランスウェイトの枚数でアンバランス量の修正量を調整することができる。
本発明の第2の態様によると、上記の回転子を備えるモータが提供される。これにより、第1の態様に関連して説明した回転子により得られる効果と同様の効果が得られる。
本発明の第3の態様によると、回転子の製造方法が提供される。製造方法は、回転軸と、回転軸に固定され、軸方向に延伸する複数の孔部が形成されたコア部と、コア部に固定された磁石部とを用意する段階を備えてよい。製造方法は、回転体の周方向の質量の偏りを測定する段階を備えてよい。製造方法は、回転体の周方向の質量の偏りに基づいて、回転子の周方向の質量の偏りを調整するために、複数の孔部のうちの少なくとも1つの孔部内にバランスウェイトを設ける段階を備えてよい。この態様によれば、第1の態様に関連して説明した回転子により得られる効果と同様に、アンバランス質量を調整するために、コア部材や永久磁石を削る必要がない。また、アンバランス質量をパテにより調整する必要がなく、小型モータのアンバランス質量を調整することが容易である。
製造方法は、板部材から板片を打ち抜く段階を備えてよい。製造方法は、板部材に、複数の孔部を形成する複数の第1の孔と、回転軸が挿入される軸孔を形成する第2の孔とを形成する段階であって、回転軸が挿入される軸孔は、板部材において板片が打ち抜かれる部分を含む領域を打ち抜くことにより形成される、段階を備えてよい。製造方法は、板部材から、複数の第1の孔及び第2の孔を含む板材を打ち抜く段階を備えてよい。製造方法は、複数の板材を積層することによりコア部を形成する段階を備えてよい。製造方法は、1以上の板片により、バランスウェイトを形成する段階を備えてよい。これにより、バランスウェイトを形成する板片とコア部を形成する板材とを同じ材料から共取りすることができるので、バランスウェイトのコストを削減することができる。
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。これらの特徴群のサブコンビネーションも発明となりうる。
一実施形態に係るモータが備える回転子10の斜視図を模式的に示す。 回転子10を備えるモータ200の断面図を模式的に示す。 バランスウェイト40の配置を説明するための図である。 異なるバランス状態におけるバランスウェイト40の配置を説明するための図である。 異なるバランス状態におけるバランスウェイト40の配置を説明するための図である。 異なるバランス状態におけるバランスウェイト40の配置を説明するための図である。 バランスウェイト40を形成する板片720を製造する工程700を説明する図である。 コア部30を形成する板材を製造するための一工程800を説明する図である。 コア部30を形成する板材を製造するための一工程900を説明するための図である。 コア部30を形成する板材1020を製造するための一工程1000を説明する図である。 モータ200の製造方法に係る工程を示すフローチャートである。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一実施形態に係るモータが備える回転子10の斜視図を模式的に示す。回転子10は、ブラシレスモータ用の回転子である。具体的には、回転子10は、インナーロータ型のブラシレスモータ用の回転子である。
本実施形態の説明において、特に断らない限り、回転子10の回転中心に沿う方向のことを「軸方向」と呼ぶ。また、「周方向」及び「径方向」の中心は、モータの中心軸AXであるとする。
回転子10は、表面磁石型の回転子である。回転子10は、回転軸20と、コア部30と、磁石部32とを備える。コア部30、磁石部32、及び回転軸20は、略同軸に設けられる。コア部30は、回転軸20に固定されている。具体的には、コア部30は、回転軸20の外周面に固定されている。磁石部32は、コア部30に固定されている。磁石部32は、コア部30の外周を覆うように設けられる。
コア部30には、軸方向に延伸する複数の孔部34が形成されている。複数の孔部34は、回転子の周方向に、予め定められた間隔で形成されている。複数の孔部34は、コア部30を軸方向に貫通する。
複数の孔部34のうちの少なくとも一つの孔部34内に、バランスウェイト40が設けられる。バランスウェイト40は、回転子10の周方向の質量の偏りを調整する。具体的には、バランスウェイト40は、回転軸20、コア部30及び磁石部32を含む部材の周方向の質量の偏りを調整する。回転子10がバランスウェイト40を備えることにより、回転子10がバランスウェイト40を備えない場合に比べて、回転子10の周方向の偏りを小さくすることができる。
図2は、回転子10を備えるモータ200の断面図を模式的に示す。モータ200は、回転子10と、固定子210と、センサ基板220と、ケース280とを備える。
固定子210は、筒状の部材である。回転子10は、固定子210の内側に配置される。固定子210の中心の位置は、モータ200の中心軸AXの位置となる。具体的には、モータにおいて、回転子10は、回転軸20の中心が固定子210の中心と実質的に一致するようにケース280に組み付けられる。回転軸20は、モータ200の出力軸となる。回転軸20は、前方に設けられた軸受部250及び後方に設けられた軸受部260により支持される。
なお、本実施形態において、特に断らない限り、「前方」はモータ200の出力側を意味し、「後方」はモータ200の出力側とは反対側を意味するものとする。同様に、本実施形態において、特に断らない限り、「前端部」はモータ200の出力側の端部を意味し、「後端部」はモータ200の出力側とは反対側の端部を意味する。一例として、本実施形態における前端部は、軸方向における一方の端部に対応し、後端部は、軸方向における他方の端部に対応する。
回転子10の後端部において、磁石部32は、センサ基板220の近傍まで延出する。センサ基板220にはホール素子222が設けられている。ホール素子222は、軸方向に延出した磁石部32の磁場を検出することにより、回転子10の回転角を検出する。
バランスウェイト40は、孔部34に設けられる。バランスウェイト40は、軸方向において孔部34の前端部に設けられる。なお、後述するように、図2に示すバランスウェイト40の位置は、回転子10の前端部におけるアンバランス量が大きく、後端部におけるアンバランス量が小さい場合に適用できる。
図3は、バランスウェイト40の配置を説明するための図である。図3は、回転子10の断面図、回転子10の正面図、及び回転子10の背面図を、回転子10の前端部におけるアンバランス量及びアンバランス角を示す矢印UFと共に概略的に示す。
図3において、正面図に対応づけられた矢印UFの長さは、回転子10の前端部におけるアンバランス量を示す。矢印UFの向きは、前端部におけるアンバランス角を示す。なお、矢印UFの向きは、質量が軽い方向を示し、矢印UFの長さは回転子10の質量の軽さを示すものとする。
アンバランス量及びアンバランス角は、例えば、バランスウェイト40が装着されていない状態における回転子10の回転バランス試験により得られる。アンバランス量は、回転子10の外径部におけるアンバランス質量として測定される。アンバランス角は、予め定められた基準軸からの中心軸AXまわりの角度として測定される。本実施形態においては、分かり易く説明するために、アンバランス量を示す矢印の方向は、回転子10の質量が軽い角度を示し、矢印の長さは質量の軽さを示すものとする。
図3は、回転子10の前端部のアンバランス角がθ1であり、回転子10の後端部では実質的にバランスが取れている状態を示す。図3において、孔部34aの中心と中心軸AXとを結ぶ線がアンバランス角の基準軸となす角は、アンバランス角θ1と一致する。そのため、バランスウェイト40は、孔部34aに挿入される。なお、複数の孔部34のうち、アンバランス角に対応する孔部34が存在しない場合、中心と中心軸AXとを結ぶ線が基準軸となす角がアンバランス角に最も近い孔部34にバランスウェイト40を挿入してよい。
図3の例では、回転子10の後端部では実質的にバランスが取れているため、バランスウェイト40は、軸方向において孔部34aの前端部に設けられる。バランスウェイト40の質量は、前端部におけるアンバランス量に基づいて算出される。例えば、回転子10の外径が14.3mmであり、孔部34の中心が直径5.7mmの円周上にある回転子10において、前端部におけるアンバランス量が10mgであった場合、バランスウェイト40の質量は、10×14.3/5.7により、25.09mgと算出される。
図4は、図3とは異なるバランス状態におけるバランスウェイト40の配置を説明するための図である。図4は、回転子10の断面図、回転子10の正面図、及び回転子10の背面図を、アンバランス量及びアンバランス角を示す矢印UF及び矢印URと共に概略的に示す。図4の矢印UFが示す情報は、図3の矢印UFが示す情報と同じであるので、説明を省略する。図4において、後面図に対応づけられた矢印URの長さは、回転子10の後端部におけるアンバランス量を示す。矢印URの向きは、後端部におけるアンバランス角を示す。
図4において、回転子10の前端部におけるアンバランス角及び回転子10の後端部におけるアンバランス角は同じθ1である。また、回転子10の前端部におけるアンバランス量は、回転子10の後端部におけるアンバランス量と一致する。したがって、バランスウェイト40は、図3の配置例と同様に、アンバランス角θ1に対応する孔部34aに挿入される。
前端部におけるアンバランス量と後端部におけるアンバランス量とは一致するため、バランスウェイト40はコア部30の軸方向における中心位置に設けられる。バランスウェイト40の質量は、前端部における回転子10の外径でのアンバランス量に寄与する質量と、後端部における回転子10の外径でのアンバランス量に寄与する質量とに基づいて、算出される。
なお、磁石部32が回転子10の後端部においてコア部30より軸方向に延出しているため、回転子10の質量は軸方向に均一ではない。そのため、バランスウェイト40の質量及び孔部34内の軸方向の位置は、詳細には、回転子10のアンバランス量が最小化されるように、計算によって決定される。
図5は、図3及び図4とは異なるバランス状態におけるバランスウェイト40の配置を説明するための図である。図5は、回転子10の断面図、回転子10の正面図、及び回転子10の背面図を、アンバランス量及びアンバランス角を示す矢印UF及び矢印URと共に概略的に示す。図5における矢印UF及び矢印URの意味は、図4における矢印UF及びURと同じであるので、説明を省略する。
図5において、回転子10の前端部におけるアンバランス角及び回転子10の後端部におけるアンバランス角は同じθ1である。したがって、バランスウェイト40は、アンバランス角θ1に対応する孔部34aに挿入される。
一方、回転子10の前端部におけるアンバランス量は、回転子10の後端部におけるアンバランス量より大きい。軸方向におけるバランスウェイト40の位置は、前端部におけるアンバランス量と後端部におけるアンバランス量との比に基づいて決定される。例えば、後端部におけるアンバランス量に対する前端部におけるアンバランス量との比が2の場合、バランスウェイト40は、回転子10の前端部からの距離に対する回転子10の後端部からの距離の比が2となる位置を占めるように設けられる。例えば、コア部30の軸方向の長さをLとした場合、回転子10の前端部からバランスウェイト40の軸方向の中心までの距離がL/3になるように、バランスウェイト40を設けてよい。
なお、上述したように、回転子10の質量は軸方向に均一ではないため、バランスウェイト40の質量及び孔部34内の軸方向の位置は、詳細には、回転子10のアンバランス量が最小化されるように、計算によって決定される。
図6は、図3、図4及び図5とは異なるバランス状態におけるバランスウェイト40の配置を説明するための図である。図6は、回転子10の断面図、回転子10の正面図、及び回転子10の背面図を、アンバランス量及びアンバランス角を示す矢印UF及び矢印URと共に概略的に示す。図6における矢印UF及び矢印URの意味は、図4における矢印UF及び矢印URと同じであるので、説明を省略する。
図6において、回転子10の前端部におけるアンバランス角及びアンバランス量は、回転子10の後端部におけるアンバランス角及びアンバランス量と異なる。この場合、バランスウェイト40は、前端部におけるアンバランス角θ2と後端部におけるアンバランス角θ3との間の角度範囲内にある孔部34aに設けられる。詳細には、バランスウェイト40が設けられる孔部34、バランスウェイト40の質量及び軸方向の位置は、回転子10のアンバランス量を最小化するように計算によって決定される。
以上に説明したように、バランスウェイト40は、複数の孔部34のうち、回転子10の質量の周方向のアンバランス角に基づく位置に形成されている孔部34内に設けられる。具体的には、複数の孔部34のうちバランスウェイト40が設けられる孔部34、及び、当該孔部34内においてバランスウェイト40が設けられる軸方向の位置は、回転子10の一方の端部における質量の周方向のアンバランス量及びアンバランス角と、回転子10の他方の端部における質量の周方向のアンバランス量及びアンバランス角とに基づいて決定される。例えば、孔部34内においてバランスウェイト40が設けられる軸方向の位置は、回転子10の一方の端部における質量の周方向のアンバランス量、及び、回転子10の他方の端部における質量の周方向のアンバランス量に基づいて決定される。一例として、孔部34内においてバランスウェイト40が設けられる軸方向の位置は、一方の端部におけるアンバランス量と他方の端部におけるアンバランス量との比に基づく。
このように、バランスウェイト40を孔部34内に挿入することによってバランス調整を行うので、質量の偏りを大きく修正することができる。例えば、孔部34の全長にわたるバランスウェイト40を挿入することで、質量の偏りを大きく修正することができる。また、バランスウェイト40の質量やバランスウェイト40の軸方向の位置を変えることで、両端部における質量の偏りの修正量を微調整することができる。
図7は、バランスウェイト40を形成する板片720を製造する工程700を説明する図である。板部材710は、バランスウェイト40の材料となるとともに、コア部30を形成する板材の材料となる。すなわち、バランスウェイト40を形成する板片720及びコア部30は、同じ板部材から共取りされる。
工程700において、板片720は、板部材710を打ち抜くことによって製造される。後述するように、板片720は、コア部30において回転軸20が挿通される軸穴に対応する部分から打ち抜かれる。打ち抜かれた板片720は、廃棄されずに保持される。後述するように、質量の偏りを調整する工程において、保持された板片720の中から、質量の偏りを調整するために必要な数の板片720が選択されて孔部34に圧入される。具体的には、回転子10の質量の周方向のアンバランス量に基づいてバランスウェイト40として必要な質量が算出され、算出された質量に適合する数の板片720が選択されて、孔部34に圧入される。
図8は、コア部30を形成する板材を製造するための一工程800を説明する図である。工程800において、板部材710には、バランスウェイト40が挿入される孔部34に対応する複数の第1の孔810が、打ち抜き加工により同心円状に形成される。工程800で打ち抜かれた部材820は廃棄されてよい。
図9は、コア部30を形成する板材を製造するための一工程900を説明するための図である。工程900において、板部材710には、回転軸20が挿入される軸孔に対応する第2の孔910が形成される。工程900で打ち抜かれた部材920は廃棄されてよい。
図10は、コア部30を形成する板材1020を製造するための一工程1000を説明する図である。工程1000において、板部材710を打ち抜くことにより、コア部30を形成する板材1020が製造される。コア部30は、板部材710から打ち抜かれた複数の板材1020を積層することによって形成される。
このように、コア部30は、複数の孔部34を形成する複数の第1の孔810、及び、回転軸20が挿入される軸孔を形成する第2の孔910が形成された複数の板材1020を積層して形成される。第1の孔810及び第2の孔910は、複数の板材1020の材料となる板部材710を打ち抜くことによって形成される。ここで、バランスウェイト40は、板部材710において第2の孔910が形成される部分から打ち抜かれた1以上の板片720により形成される。
このように、バランスウェイト40を形成する板片720及びコア部30を同じ板部材から共取りする。そのため、バランスウェイト40の製造コストを低減することができる。例えば、バランスウェイト40を製造するための金型を不要とすることができる。また、バランスウェイト40を形成する板片70の数を変えることで、バランスウェイト40の質量を調整することができる。そのため、アンバランス質量を細かく調整することができる。また、バランスウエイト40は、1枚の重さから板材1020の積層枚数分と同じ枚数の重さまでの間で形成することができる。そのため、複数の回転子のアンバランス質量のばらつきが大きい場合でも、夫々の回転子に適したアンバランス量が調整できる。
図11は、モータ200の製造方法に係る工程を示すフローチャートである。S1100において、コア部30を形成する板材1020及びバランスウェイト40を形成する板片720を製造する。具体的には、図7から図10にかけて説明した工程により製造する。
S1102において、複数の板材1020を積層して、コア部30を製造する。
S1104において、回転軸20、コア部30、及び磁石部32を組み付けて、回転子10の本体を製造する。
S1106において、回転子10の本体の質量の偏りを測定する。具体的には、回転子10の本体のアンバランス角及びアンバランス量を、回転バランス試験により測定する。
S1108において、質量の偏りが基準値を超える場合、S1104で測定された質量の偏りに基づいて、バランスウェイト40の重さ、バランスウェイト40を挿入する孔部34、及び、孔部34内のバランスウェイト40の軸方向の位置を決定する。具体的には、アンバランス量が最小化されるように、バランスウェイト40の重さ、バランスウェイト40を挿入する孔部34、及び、孔部34内のバランスウェイト40の軸方向の位置を算出する。例えば、バランスウエイト40の重さを算出する際、回転子10の外径が14.3mmであり、孔部34の中心が直径5.7mmの円周上にある回転子10において、アンバランス量が10mgであった場合、バランスウェイト40の質量は、10×14.3/5.7により、25.09mgと算出される。
S1110において、S1108で決定した孔部34に板片720を挿入する。具体的には、S1108で決定したバランスウェイト40の重さに基づいて、バランスウェイト40として用いる板片720の枚数を決定する。そして、決定した枚数の板片720を、S1108で決定した孔部34に圧入する。これにより、質量の偏りが調整された回転子10が製造される。例えば、バランスウエイト40の重さが25.09mgと算出され、1枚の板片720が3.02mgの場合、8枚の板片720を孔部34に圧入する。
S1112において、回転子10、ケース280、及び固定子210を組み付けて、モータ200を製造する。
なお、以上の説明において、バランスウェイト40を形成する板片720及びコア部30を形成する板材1020を同じ板部材から共取りする形態を説明したが、共取りの形態に限られない。バランスウェイト40を形成する板片は、コア部30を形成する板材1020とは別の部材から形成されてよい。また、積層された複数の板片からバランスウェイト40を形成せずに、棒状の部材をバランスウェイト40として適用してよい。
また、バランスウエイト40が、コア部30と同一材料で形成されてもよい。例えば、バランスウエイト40とコア部30とが、同一のケイ素鋼板で形成されてもよい。この場合、両方が同じ熱膨張係数を有するため、種々の温度環境下で、バランスウエイト40とコア部30との間の熱膨張の差異による位置ずれや応力発生を抑制することができる。なお、バランスウエイト40は、コア部30と同一材料に限らず、例えば、コア部30の熱膨張係数に基づいて選択された材料で形成してもよい。
以上に説明したように、本実施形態によれば、回転子10の本体が製造された段階で質量の偏りを測定して、質量の偏りが基準値を超える場合に、バランスウェイトをコア部30の孔部に挿入することで、周方向の質量の偏りが低減された回転子を得ることができる。これにより、製造された回転子の質量の偏りが基準値を外れていた場合でも、製造後にバランスウェイトをコア部に挿入して質量の偏りを低減することができるので、回転子の製造歩留まりを高めることができる。また、質量の偏りを調整するための複雑な工程や部材を追加する必要もない。例えば、コア部材や磁石を削ったり、パテを用いたりして質量の偏りを調整する必要がない。そのため、小型モータの質量の偏りを調整することが容易である。また、モータの回転時において回転子の質量の偏りにより生じる1次振動を低減することができる。
特に、モータの小径化や高性能化のためにコア部を長軸化すると、コア部の積層枚数が増加したり、回転軸や磁石部の長軸化による偏芯誤差等によって、周方向の質量の偏りが積算的に大きくなる。質量の偏りが大きくなると振動・ノイズが増加するので、例えば電装系等のように振動やノイズに対する基準が厳しい用途への適用が困難になる。また、製造歩留まりも低下する。これに対し、本実施形態によれば、回転子の本体部を製造した後にバランスウェイトを挿入する工程を追加することで質量の偏りを抑制でき、ひいては、振動・ノイズの増加を抑制することができる。これにより、電装系等の用途への適用が容易となり、製造歩留まりの低下を抑制することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 回転子
20 回転軸
30 コア部
32 磁石部
34 孔部
40 バランスウェイト
200 モータ
210 固定子
220 センサ基板
222 ホール素子
250、260 軸受部
280 ケース
700、800、900、1000 工程
710 板部材
720 板片
810 孔
820 部材
910 孔
920 部材
1020 板材

Claims (12)

  1. 回転子であって、
    回転軸と、
    前記回転軸に固定され、軸方向に延伸する複数の孔部が形成されたコア部と、
    前記コア部に固定された磁石部と、
    前記複数の孔部のうちの少なくとも1つの孔部内に設けられ、前記回転子の周方向の質量の偏りを調整するバランスウェイトと
    を備える回転子。
  2. 前記複数の孔部は、軸方向に前記コア部を貫通する
    請求項1に記載の回転子。
  3. 前記複数の孔部は、前記回転子の周方向に、予め定められた間隔で設けられる
    請求項1又は2に記載の回転子。
  4. 前記バランスウェイトは、前記複数の孔部のうち、前記回転子の質量の周方向のアンバランス角に基づく位置に形成されている孔部内に設けられる
    請求項3に記載の回転子。
  5. 前記複数の孔部のうち前記バランスウェイトが設けられる孔部、及び、当該孔部内において前記バランスウェイトが設けられる軸方向の位置は、前記回転子の一方の端部における質量の周方向のアンバランス量及びアンバランス角と、前記回転子の他方の端部における質量の周方向のアンバランス量及びアンバランス角とに基づく
    請求項1から4のいずれか一項に記載の回転子。
  6. 前記孔部内において前記バランスウェイトが設けられる軸方向の位置は、前記回転子の一方の端部における質量の周方向のアンバランス量、及び、前記回転子の他方の端部における質量の周方向のアンバランス量に基づく
    請求項1から4のいずれか一項に記載の回転子。
  7. 前記孔部内において前記バランスウェイトが設けられる軸方向の位置は、前記一方の端部におけるアンバランス量と前記他方の端部における前記アンバランス量との比に基づく請求項6に記載の回転子。
  8. 前記コア部は、前記複数の孔部を形成する複数の第1の孔、及び、前記回転軸が挿入される軸孔を形成する第2の孔が形成された複数の板材を積層して形成され、
    前記複数の第1の孔及び前記第2の孔は、前記複数の板材の材料となる板部材を打ち抜くことによって形成されており、
    前記バランスウェイトは、前記板部材において前記第2の孔が形成される部分から打ち抜かれた1以上の板片により形成される
    請求項1から7のいずれか一項に記載の回転子。
  9. 前記バランスウェイトを形成する前記板片の数は、前記回転子の質量の周方向のアンバランス量に基づく
    請求項8に記載の回転子。
  10. 請求項1から9の何れか一項に記載の回転子を備えるモータ。
  11. 回転子の製造方法であって、
    回転軸と、前記回転軸に固定され、軸方向に延伸する複数の孔部が形成されたコア部と、前記コア部に固定された磁石部とを用意する段階と、
    前記回転子の周方向の質量の偏りを測定する段階と、
    前記回転子の周方向の質量の偏りに基づいて、前記回転子の周方向の質量の偏りを調整するために、前記複数の孔部のうちの少なくとも1つの孔部内にバランスウェイトを設ける段階と
    を備える製造方法。
  12. 板部材から板片を打ち抜く段階と、
    前記板部材に、前記複数の孔部を形成する複数の第1の孔と、前記回転軸が挿入される軸孔を形成する第2の孔とを形成する段階であって、前記回転軸が挿入される軸孔は、前記板部材において前記板片が打ち抜かれる部分を含む領域を打ち抜くことにより形成される、段階と、
    前記板部材から、前記複数の第1の孔及び前記第2の孔を含む板材を打ち抜く段階と、
    複数の前記板材を積層することにより前記コア部を形成する段階と、
    1以上の前記板片により、前記バランスウェイトを形成する段階と
    を備える請求項11に記載の製造方法。
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