以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の無線通信システム、および無線ネットワークについて説明する。
LTE(およびLTE−A Pro)とNRは、異なるRATとして定義されてよい。また、NRとDual connectivityで接続可能なLTEは、例えばeLTEとして、従来のLTEと区別されてもよい。本実施形態はNR、LTEおよび他のRATに適用されてよい。以下の説明では、LTEおよびNRに関連する用語を用いて説明するが、他の用語を用いる他の技術において適用されてもよい。
図1は、本実施形態の無線通信システムの概念図である。図1において、無線通信システムは、端末装置2および基地局装置3を具備する。
端末装置2は、ユーザ端末、移動局装置、通信端末、移動機、端末、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)とも称される。基地局装置3は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(Node B)、eNB(evolved Node B)、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)、NR NB(NR Node B)、NNB、TRP(Transmission and Reception Point)、gNBとも称される。基地局装置3は、コアネットワーク装置を含んでも良い。また、基地局装置3は、1または複数の送受信点4(transmission rece
ption point:TRP)を具備してもよい。基地局装置3は、基地局装置3によって制御される通信可能範囲(通信エリア)を1つまたは複数のセルとして端末装置2をサーブしてもよい。基地局装置3は、コアネットワーク装置を含んでもよい。また、基地局装置3は、1または複数の送受信点4によって制御される通信可能範囲(通信エリア)を1つまたは複数のセルとして端末装置2をサーブしてもよい。また、NRでは1つのセルを複数の部分領域(Beamed area、またはBeamed cellとも称する)にわけ、それぞれの部分領域において端末装置2をサーブしてもよい。ここで、部分領域は、ビ−ムフォーミングで使用されるビ−ムのインデックス、クワジコロケ−ションのインデックス、後述するフレーム内(またはフレームの半分の時間長であるハーフフレーム)における時間位置を示すインデックス、あるいはプリコ−ディングのインデックスに基づいて識別されてもよい。
基地局装置3がカバーする通信エリアは周波数毎にそれぞれ異なる広さ、異なる形状であっても良い。また、カバーするエリアが周波数毎に異なっていてもよい。また、基地局装置3の種別やセル半径の大きさが異なるセルが、同一の周波数または異なる周波数に混在して1つの通信システムを形成している無線ネットワークのことを、ヘテロジニアスネットワークと称する。
基地局装置3から端末装置2への無線通信リンクを下りリンクと称する。端末装置2から基地局装置3への無線通信リンクを上りリンクと称する。端末装置2から他の端末装置2への直接無線通信リンクをサイドリンクと称する。
図1において、端末装置2と基地局装置3の間の無線通信および/または端末装置2と他の端末装置2の間の無線通信では、サイクリックプレフィックス(CP: Cyclic Prefix)を含む直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、シングルキャリア周波数多重(SC−FDM: Single−Carrier Frequency Division Multiplexing)、離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT−S−OFDM: Discrete Fourier Transform Spread OFDM)、マルチキャリア符号分割多重(MC−CDM: Multi−Carrier Code Division Multiplexing)が用いられてもよい。
また、図1において、端末装置2と基地局装置3の間の無線通信および/または端末装置2と他の端末装置2の間の無線通信では、ユニバーサルフィルタマルチキャリア(UFMC: Universal−Filtered Multi−Carrier)、フィルタOFDM(F−OFDM: Filtered OFDM)、窓関数が乗算されたOFDM(Windowed OFDM)、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC: Filter−Bank Multi−Carrier)が用いられてもよい。
なお、本実施形態ではOFDMを伝送方式としてOFDMシンボルで説明するが、上述の他の伝送方式の場合を用いた場合も本発明に含まれる。例えば、本実施形態におけるOFDMシンボルはSC−FDMシンボル(SC−FDMA(Single−Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルと称される場合もある)であってもよい。
また、図1において、端末装置2と基地局装置3の間の無線通信および/または端末装置2と他の端末装置2の間の無線通信では、CPを用いない、あるいはCPの代わりにゼロパディングをした上述の伝送方式が用いられてもよい。また、CPやゼロパディングは前方と後方の両方に付加されてもよい。
端末装置2は、セルの中を通信エリアとみなして動作する。端末装置2は、非無線接続時(アイドル状態、RRC_IDLE状態とも称する)において、セル再選択手順によって別の適切なセルへ移動してもよい。端末装置2は、無線接続時(コネクティッド状態、RRC_CONNECTED状態とも称する)において、ハンドオ−バ手順によって別のセルへ移動してもよい。適切なセルとは、一般的に、基地局装置3から示される情報に基づいて端末装置2のアクセスが禁止されていないと判断されるセルであって、かつ、下りリンクの受信品質が所定の条件を満たすセルのことを示す。また、端末装置2は、不活動状態(インアクティブ状態とも称する)において、セル再選択手順によって別の適切なセルへ移動してもよい。端末装置2は、不活動状態において、ハンドオ−バ手順によって別のセルへ移動してもよい。
端末装置2がある基地局装置3と通信可能であるとき、その基地局装置3のセルのうち、端末装置2との通信に使用されるように設定されているセルを在圏セル(Serving cell、サービングセル)と称して、その他の通信に使用されないセルは周辺セル(Neighboring cell)と称してよい。また、サービングセルにおいて必要となるシステム情報の一部あるいは全部は、端末装置2に対して、別のセルで報知または通知される場合もある。
本実施形態では、端末装置2に対して1つまたは複数のサービングセルが設定される。複数のサービングセルが端末装置2に対して設定された場合、設定された複数のサービングセルは、1つのプライマリセルと1つまたは複数のセカンダリセルとを含んでよい。プライマリセルは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャが行なわれたサービングセル、コネクション再確立(connection re−establishment)プロシージャを開始したサービングセル、または、ハンドオ−バプロシージャにおいてプライマリセルと指示されたセルでもよい。RRC(Radio Resource Control)接続が確立された時点、または、RRC接続が確立された後に、1つまたは複数のセカンダリセルが設定されてもよい。また、プライマリセル(PCell)を含む1つまたは複数のサービングセルで構成されるセルグループ(マスターセルグループ(MCG)とも称する)と、プライマリセルを含まず、少なくともランダムアクセス手順が実施可能であり非活性状態とならないプライマリセカンダリセル(PSCell)を含む1つまたは複数のサービングセルで構成される1つまたは複数のセルグループ(セカンダリセルグループ(SCG)とも称する)とが端末装置2に対して設定されてもよい。マスターセルグループは1つのプライマリセルと0個以上のセカンダリセルで構成される。セカンダリセルグループは1つのプライマリセカンダリセルと0個以上のセカンダリセルで構成される。また、MCGとSCGの何れかはLTEのセルで構成されるセルグループであってもよい。MCGとSCGが異なるノードと関連付けられたセルグループである場合、MCGに関連付けられるノードをマスターノード(MN)、SCGに関連付けられるノードをセカンダリノード(SN)と称してもよい。マスターノードとセカンダリノードは、必ずしも物理的に異なるノード(基地局装置3)である必要はなく、同一の基地局装置3が兼ねてもよい。また、マスターノードとセカンダリノードが、同一のノード(基地局装置3)であるか異なるノード(基地局装置3)であるかを端末装置2は識別しなくてもよい。
本実施形態の無線通信システムは、TDD(Time Division Duplex)および/またはFDD(Frequency Division Duplex)が適用されてよい。複数のセルの全てに対してTDD(Time Division Duplex)方式またはFDD(Frequency Division Duplex)方式が適用されてもよい。また、TDD方式が適用されるセルとFDD方式が適用されるセルが集約されてもよい。
下りリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアを下りリンクコンポーネントキャリア(あるいは下りリンクキャリア)と称する。上りリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアを上りリンクコンポーネントキャリア(あるいは上りリンクキャリア)と称する。サイドリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアをサイドリンクコンポーネントキャリア(あるいはサイドリンクキャリア)と称する。下りリンクコンポーネントキャリア、上りリンクコンポーネントキャリア、および/またはサイドリンクコンポーネントキャリアを総称してコンポーネントキャリア(あるいはキャリア)と称する。
本実施形態の物理チャネルおよび物理信号について説明する。ただし、下りリンク物理チャネルおよび/または下りリンク物理信号を総称して、下りリンク信号と称してもよい。上りリンク物理チャネルおよび/または上りリンク物理信号を総称して、上りリンク信号と称してもよい。下りリンク物理チャネルおよび/または上りリンク物理チャネルを総称して、物理チャネルと称してもよい。下りリンク物理信号および/または上りリンク物理信号を総称して、物理信号と称してもよい。
図1において、端末装置2と基地局装置3の下りリンク無線通信では、以下の下りリンク物理チャネルが用いられる。下りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PBCH(Physical Broadcast CHannel)
・PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)
・PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)
PBCHは、端末装置2が必要とする重要なシステム情報(Essential information)を含む重要情報ブロック(MIB:Master Information Block、EIB:Essential Information Block)を基地局装置3が報知するために用いられる。ここで、1つまたは複数の重要情報ブロックは、重要情報メッセージとして送信されてもよい。例えば、重要情報ブロックにはフレーム番号(SFN:System Frame Number)の一部あるいは全部を示す情報(例えば、複数のフレームで構成されるスーパーフレーム内における位置に関する情報)が含まれてもよい。例えば、無線フレーム(10ms)は、1msのサブフレームの10個で構成され、無線フレームは、フレーム番号で識別される。フレーム番号は、1024で0に戻る(Wrap around)。また、セル内の領域ごとに異なる重要情報ブロックが送信される場合には領域を識別できる情報(例えば、領域を構成する基地局送信ビームの識別子情報)が含まれてもよい。ここで、基地局送信ビームの識別子情報は、基地局送信ビーム(プリコーディング)のインデックスを用いて示されてもよい。また、セル内の領域ごとに異なる重要情報ブロック(重要情報メッセージ)が送信される場合にはフレーム内の時間位置(例えば、当該重要情報ブロック(重要情報メッセージ)が含まれるサブフレーム番号)を識別できる情報が含まれてもよい。すなわち、異なる基地局送信ビームのインデックスが用いられた重要情報ブロック(重要情報メッセージ)の送信のそれぞれが行われるサブフレーム番号のそれぞれを決定するための情報が含まれてもよい。例えば、重要情報には、セルへの接続やモビリティのために必要な情報が含まれてもよい。また、重要情報メッセージはシステム情報メッセージの一部であってもよい。また、重要情報メッセージの一部あるいは全部が、最少システム情報(Minimum
SI)と称されてもよい。あるセルにおける有効な最少システム情報のすべてが取得できない場合に、端末装置2は、そのセルをアクセスが禁止されたセル(Barred Cell)とみなしてもよい。また、最少システム情報の一部のみがPBCHで報知され、
残りの最少システム情報が後述するPDSCHで送信されてもよい。
また、PBCHは、PBCHと、後述するPSSとSSSとを含んで構成されるブロック(SS/PBCHブロックとも称する)の周期内の時間インデックスを報知するために用いられてよい。ここで、時間インデックスは、セル内の同期信号およびPBCHのインデックスを示す情報である。例えば、3つの送信ビーム(送信フィルタ設定、受信空間パラメータに関する擬似同位置(QCL:Quasi Co−Location)、または空間ドメイン送信フィルタと称される場合もある)の想定を用いてSS/PBCHブロックを送信する場合、予め定められた周期内または設定された周期内の時間順を示してよい。また、端末装置は、時間インデックスの違いを送信ビームの違いと認識してもよい。
PDCCHは、下りリンクの無線通信(基地局装置3から端末装置2への無線通信)において、下りリンク制御情報(Downlink Control Information:DCI)を送信するために用いられる。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、1つまたは複数のDCI(DCIフォーマットと称してもよい)が定義される。すなわち、下りリンク制御情報に対するフィールドがDCIとして定義され、情報ビットへマップされる。
例えば、DCIとして、スケジューリングされたPDSCHに対するHARQ−ACKを送信するタイミング(例えば、PDSCHに含まれる最後のシンボルからHARQ−ACK送信までのシンボル数)示す情報を含むDCIが定義されてもよい。
例えば、DCIとして、1つのセルにおける1つの下りリンクの無線通信PDSCH(1つの下りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングのために用いられるDCIが定義されてもよい。
例えば、DCIとして、1つのセルにおける1つの上りリンクの無線通信PUSCH(1つの上りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングのために用いられるDCIが定義されてもよい。
ここで、DCIには、PDSCHあるいはPUSCHのスケジューリングに関する情報が含まれる。ここで、下りリンクに対するDCIを、下りリンクグラント(downlink grant)、または、下りリンクアサインメント(downlink assignment)とも称する。ここで、上りリンクに対するDCIを、上りリンクグラント(uplink grant)、または、上りリンクアサインメント(Uplink assignment)とも称する。
PDSCHは、媒介アクセス(MAC:Medium Access Control)からの下りリンクデータ(DL−SCH:Downlink Shared CHannel)の送信に用いられる。また、システム情報(SI:System Information)やランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)などの送信にも用いられる。
ここで、基地局装置3と端末装置2は、上位層(higher layer)において信号をやり取り(送受信)する。例えば、基地局装置3と端末装置2は、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層において、RRCシグナリング(RRC message:Radio Resource Control message、RRC information:Radio Resource C
ontrol informationとも称される)を送受信してもよい。また、基地局装置3と端末装置2は、MAC(Medium Access Control)層に
おいて、MACコントロールエレメントを送受信してもよい。ここで、RRCシグナリング、および/または、MACコントロールエレメントを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。ここでの上位層は、物理層から見た上位層を意味するため、MAC層、RRC層、RLC層、PDCP層、NAS層などの一つまたは複数を含んでもよい。例えば、MAC層の処理において上位層とは、RRC層、RLC層、PDCP層、NAS層などの一つまたは複数を含んでもよい。
PDSCHは、RRCシグナリング、および、MACコントロールエレメントを送信するために用いられてもよい。ここで、基地局装置3から送信されるRRCシグナリングは、セル内における複数の端末装置2に対して共通のシグナリングであってもよい。また、基地局装置3から送信されるRRCシグナリングは、ある端末装置2に対して専用のシグナリング(dedicated signalingとも称する)であってもよい。すなわち、端末装置固有(UEスペシフィック)な情報は、ある端末装置2に対して専用のシグナリングを用いて送信されてもよい。
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられてもよい。PRACHは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャ、ハンドオーバプロシージャ、コネクション再確立(connection re−establishment)プロシージャ、上りリンク送信に対する同期(タイミング調整)、およびPUSCH(UL−SCH)リソースの要求を示すために用いられてもよい。
図1において、下りリンクの無線通信では、以下の下りリンク物理信号が用いられる。ここで、下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するために使用されないが、物理層によって使用される。
・同期信号(Synchronization signal:SS)
・参照信号(Reference Signal:RS)
同期信号は、端末装置2が下りリンクの周波数領域および時間領域の同期をとるために用いられる。同期信号は、プライマリ同期信号(PSS:Primary Synchronization Signal)およびセカンダリ同期信号(Second Synchronization Signal)を含んでよい。また、同期信号は、端末装置2がセル識別子(セルID:Cell Identifier、PCI:Physical Cell Identifierとも称する)を特定するために用いられてもよい。また、同期信号は、下りリンクビームフォーミングにおいて基地局装置3が用いる基地局送信ビームおよび/または端末装置2が用いる端末受信ビームの選択/識別/決定に用いられてよい。すなわち、同期信号は、基地局装置3によって下りリンク信号に対して適用された基地局送信ビームのインデックスを、端末装置2が選択/識別/決定するために用いられてもよい。NRにおいて用いられる同期信号、プライマリ同期信号およびセカンダリ同期信号をそれぞれSS、PSS、SSSと称してもよい。また、同期信号は、セルの品質を測定するために用いられてもよい。例えば同期信号の受信電力(SS−RSRPまたは参照信号受信電力と同様にRSRPと称してもよい)や受信品質(SS−RSRQまたは参照信号受信品質と同様にRSRQと称してもよい)が測定に用いられてよい。また、同期信号は、一部の下りリンク物理チャネルの伝搬路補正を行なうために用いられてもよい。
下りリンクの参照信号(以下、本実施形態では単に参照信号とも記載する)は、用途等に基づいて複数の参照信号に分類されてよい。例えば、参照信号には以下の参照信号の1つまたは複数が用いられてよい。
・DMRS(Demodulation Reference Signal)
・CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)
・PTRS(Phase Tracking Reference Signal)
・MRS(Mobility Reference Signal)
DMRSは、受信した変調信号の復調時の伝搬路補償に用いられてよい。DMRSは、PDSCHの復調用、PDCCHの復調用、および/またはPBCHの復調用のDMRSを総じてDMRSと称してもよいし、それぞれ個別に定義されてもよい。
CSI−RSは、チャネル状態測定に用いられてよい。PTRSは、端末の移動等により位相をトラックするために使用されてよい。MRSは、ハンドオーバのための複数の基地局装置からの受信品質を測定するために使用されてよい。
また、参照信号には、位相雑音を補償するための参照信号が定義されてもよい。
ただし、上記複数の参照信号の少なくとも一部は、他の参照信号がその機能を有してもよい。
また、上記複数の参照信号の少なくとも1つ、あるいはその他の参照信号が、セルに対して個別に設定されるセル固有参照信号(CRS:Cell−specific reference signal)、基地局装置3あるいは送受信点4が用いる送信ビーム毎のビーム固有参照信号(BRS:Beam−specific reference signal)、および/または、端末装置2に対して個別に設定される端末固有参照信号(URS:UE−specific reference signal)として定義されてもよい。
また、参照信号の少なくとも1つは、無線パラメータやサブキャリア間隔などのヌメロロジーやFFTの窓同期などができる程度の細かい同期(Fine synchronization)に用いられてよい。
また、参照信号の少なくとも1つは、無線リソース測定(RRM:Radio Resource Measurement)に用いられてよい。また、参照信号の少なくとも1つは、ビームマネジメントに用いられてよい。無線リソース測定のことを以下では単に測定とも称する。
また、参照信号の少なくとも1つに、同期信号が含まれてもよい。
図1において、端末装置2と基地局装置3の上りリンク無線通信(端末装置2から基地局装置3の無線通信)では、以下の上りリンク物理チャネルが用いられる。上りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)
・PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)
・PRACH(Physical Random Access CHannel)
PUCCHは、上りリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)を送信するために用いられる。ここで、上りリンク制御情報には、下りリンクのチャネルの状態を示すために用いられるチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)が含まれてもよい。また、上りリンク制
御情報には、UL−SCHリソースを要求するために用いられるスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、HARQ−ACK(Hybrid Automatic Repeat request ACKnowledgement)が含まれてもよい。HARQ−ACKは、下りリンクデータ(Transport block,MAC PDU:Medium Access Control Protocol Data Unit,DL−SCH:Downlink−Shared Channel)に対するHARQ−ACKを示してもよい。
PUSCHは、媒介アクセス(MAC:Medium Access Control)からの上りリンクデータ(UL−SCH:Uplink Shared CHannel)の送信に用いられる。また、上りリンクデータと共にHARQ−ACKおよび/またはCSIを送信するために用いられてもよい。また、CSIのみ、または、HARQ−ACKおよびCSIのみを送信するために用いられてもよい。すなわち、UCIのみを送信するために用いられてもよい。
PUSCHは、RRCシグナリング、および、MACコントロールエレメントを送信するために用いられてもよい。ここで、PUSCHは、上りリンクに置いてUEの能力(UE Capability)の送信に用いられてもよい。
なお、PDCCHとPUCCHには同一の呼称(例えばPCCH)および同一のチャネル定義が用いられてもよいし。PDSCHとPUSCHには同一の呼称(例えばPSCH)および同一のチャネル定義が用いられてもよい。
BCH、UL−SCHおよびDL−SCHは、トランスポートチャネルである。媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層で用いられるチャネルをトランスポートチャネルと称する。MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(TB:transport block)またはMAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliver)デ−タの単位である。物理層において、トランスポートブロックはコ−ドワードにマップされ、コ−ドワード毎に符号化処理が行なわれる。
本実施形態の無線プロトコル構造について説明する。
本実施形態では、端末装置2及び基地局装置3のユーザデータを扱うプロトコルスタックをユーザプレーン(UP(User−plane、U−Plane))プロトコルスタック、制御デ−タを扱うプロトコルスタックを制御プレ−ン(CP(Control−plane、C−Plane))プロトコルスタックと称する。
物理層(Physical layer:PHY層)は、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位層に伝送サービスを提供する。PHY層は、上位の媒体アクセス制御層(MAC層)とトランスポートチャネルで接続される。トランスポートチャネルを介して、MAC層とPHY層とレイヤ(layer)間でデ−タが移動する。端末装置2と基地局装置3のPHY層間において、物理チャネルを介してデ−タの送受信が行われる。
MAC層は、多様な論理チャネルを多様なトランスポートチャネルにマッピングを行う。MAC層は、上位の無線リンク制御層(RLC層:Radio Link Control layer)とは論理チャネルで接続される。論理チャネルは、伝送される情報の
種類によって大きく分けられ、制御情報を伝送する制御チャネルとユ−ザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられる。MAC層は、間欠受信(DRX)および間欠送信(DTX)を行うためにPHY層の制御を行う機能、ランダムアクセス手順を実行する機能、送信電力の情報を通知する機能、HARQ制御を行う機能などを持つ。
RLC層は、上位層から受信したデ−タを分割(Segmentation)し、下位層が適切にデ−タ送信できるようにデ−タサイズを調節する。また、RLC層は、各デ−タが要求するQoS(Quality of Service)を保証するための機能も持つ。すなわち、RLC層は、デ−タの再送制御等の機能を持つ。
パケットデータコンバージェンスプロトコル層(PDCP層:Packet Data
Convergence Protocol layer)は、ユーザデータであるIPパケットを無線区間で効率的に伝送するために、不要な制御情報の圧縮を行うヘッダ圧縮機能を持ってもよい。また、PDCP層は、デ−タの暗号化の機能も持ってもよい。
サービスデータアダプテーションプロトコル層(SDAP層:Service Data Adaptation Protocol layer)は、QoSフローと後述するDRBの間のマッピング機能を持ってもよい。また、SDAP層は、下りリンクパケットと上りリンクパケットの両方のQoSフロー識別子(QFI:QoS Flow ID)をマーキングする機能を持ってもよい。SDAPの単一のプロトコルエンティティは、二つのエンティティが設定されうるデュアルコネクティビティを除き、各々個別のPDUセッションに対して設定されてよい。
さらに、制御プレ−ンプロトコルスタックには、無線リソース制御層(RRC層:Radio Resource Control layer)がある。RRC層は、無線ベアラ(RB:Radio Bearer)の設定・再設定を行い、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を行う。RBは、シグナリグ無線ベアラ(SRB:Signaling Radio Bearer)とデ−タ無線ベアラ(DRB:Data Radio Bearer)とに分けられてもよく、SRBは、制御情報であるRRCメッセージを送信する経路として利用されてもよい。DRBは、ユーザデータを送信する経路として利用されてもよい。基地局装置3と端末装置2のRRC層間で各RBの設定が行われてもよい。
SRBはRRCメッセージとNASメッセージを送信するために用いられる無線ベアラとして定義される。さらに、SRBは、CCCH論理チャネルを用いるRRCメッセージのためのSRB(SRB0)、DCCH論理チャネルを用いるRRCメッセージとSRB2の確立よりも前に送信されるNASメッセージのためのSRB(SRB1)、DCCH論理チャネルを用いるNASメッセージと記録された測定情報(Logged measurement information)などを含むRRCメッセージのためのSRB(SRB2)、が定義されてよい。また、それ以外のSRBが定義されてよい。
MR−DCにおいて、端末装置2は、マスターノードのRRCとコアネットワークとの単一のC−plane接続に基づく一つのRRC状態(例えば、接続状態(RRC_CONNECTED)、アイドル状態(RRC_IDLE)、接続時のパラメータを保持したアイドル状態(RRC_INACTIVE)など)を持ってよい。また、MR−DCにおいて、各ノード(マスターノードおよびセカンダリノード)は端末装置2に対して送られるRRC PDUを生成可能なノード自身のRRCエンティティ(無線リソース制御エンティティ、または無線制御エンティティとも称する)を持ってもよい。
MCG SRBは、マスターノードと端末装置2の間における直接のSRBであり、端
末装置2がマスターノードとの間のRRC PDU(Protocol Data Unit)を直接マスターノードと送受信するために使用されるSRBである。MCG Split SRBは、マスターノードと端末装置2との間のSRBであり、端末装置2がマスターノードとの間のRRC PDU(Protocol Data Unit)をマスターノードとの直接のパスとセカンダリノード経由のパスで送受信するために使用されるSRBであるが、PDCPが、MCG側に配置されるので、本明細書では、MCG SRBとして説明する。すなわち、“MCG SRB“は、“MCG SRBおよび/またはMCG Split SRB“と置き換えてもよい。
SCG SRBは、セカンダリノードと端末装置2の間における直接のSRBであり、端末装置2がセカンダリノードとの間のRRC PDUを直接セカンダリノードと送受信するために使用されるSRBである。SCG Split SRBは、セカンダリノードと端末装置2との間のSRBであり、端末装置2がセカンダリノードとの間のRRC PDU(Protocol Data Unit)をマスターノード経由のパスとセカンダリノードとの直接のパスで送受信するために使用されるSRBであるが、PDCPが、SCG側に配置されるので、本明細書では、SCG SRBとして説明する。すなわち、“SCG SRB“は、“SCG SRBおよび/またはSCG Split SRB“と置き換えてもよい。また、EN−DCでは、MCG SRBとSCG SRBとMCG Split SRBだけが用いられてもよい。EN−DCでは、SCG Split SRBが用いられなくてもよい。
また、セカンダリノードとの間のRRC PDUが、マスターノードとの間のRRC PDUに含まれて送られてもよい。例えば、セカンダリノードとの間のRRC PDUが、(例えばマスターノードがマスターノード自身に対するRRCメッセージとして解釈されないデータとして)マスターノードとの間のRRC PDUに含まれてマスターノードに送信され、マスターノードは透過的に(何も変更を加えずに)そのデータをセカンダリノードに渡してもよい。また、セカンダリノードで生成されたRRC PDUがマスターノード経由で端末装置2に転送されてもよい。マスターノードは、常にセカンダリノードの最初のRRC設定をMCG SRBで端末装置2に送るようにしてもよい。
また、MCG SRBにはSRB0とSRB1とSRB2とが用意されてよい。また、SCG SRBにはMCG SRBのSRB1および/またはSRB2に相当するSRB3が用意されてよい。SRB0はMCG Split SRBではサポートされないようにしてもよい。
SCG SRBでは、NASメッセージを送ることができないようにしてもよい。SCG SRBでは、特定のRRCメッセージ(例えばRRC接続再設定メッセージの一部あるいは全部と測定に関するメッセージ(測定報告メッセージなど)のみ)だけを送ることができるようにしてもよい。また、SCG SRBは、マスターノードとのコーディネーションが不要なセカンダリノードのRRC設定(および/またはRRC再設定)のためだけに用いられてもよい。
なお、PHY層は一般的に知られる開放型システム間相互接続(Open Systems Interconnection:OSI)モデルの階層構造の中で第一層の物理層に対応し、MAC層、RLC層及びPDCP層はOSIモデルの第二層であるデ−タリンク層に対応し、RRC層はOSIモデルの第三層であるネットワーク層に対応する。
上記のMAC層、RLC層、PDCP層及びSDAP層の機能分類は一例であり、各機能の一部あるいは全部が実装されなくてもよい。また、各層の機能の一部あるいは全部が他の層に含まれてもよい。例えば、物理層から見れば、MAC層のコントロ−ルエレメン
ト、およびRRCシグナリングは、上位層の信号である。例えば、MAC層から見れば、RRCシグナリングは、上位層の信号である。RRC層から見れば、MAC層および物理層は、下位層である。また、RRC層から見て、PDCP層およびRLC層も下位層である。RRC層から見て、例えばNAS層は、上層も称する。
また、ネットワークと端末装置2との間で用いられるシグナリングプロトコルは、アクセス層(AS:Access Stratum)プロトコルと非アクセス層(NAS:Non−Access Stratum)プロトコルとに分割される。例えば、RRC層以下のプロトコルは、端末装置2と基地局装置3との間で用いられるアクセス層プロトコルである。また、端末装置2の接続管理(CM:Connection Management)やモビリティ管理(MM:Mobility Management)などのプロトコルは非アクセス層プロトコルであり、端末装置2とコアネットワーク(CN)との間で用いられる。例えば、端末装置2とモバイル管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)との間で、非アクセス層プロトコルを用いた通信が、基地局装置3を介して透過的に行われる。
以下、サブフレ−ムについて説明する。本実施形態ではサブフレ−ムと称するが、リソースユニット、無線フレ−ム、時間区間、時間間隔などと称されてもよい。また、1つまたは複数のサブフレ−ムが1つの無線フレ−ムを構成してもよい。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る上りリンクおよび下りリンクスロットの概略構成の一例を示す図である。無線フレームのそれぞれは、10ms長である。また、無線フレームのそれぞれは10個のサブフレームおよびW個のスロットから構成される。また、1スロットは、X個のOFDMシンボルで構成される。つまり、1サブフレームの長さは1msである。スロットのそれぞれは、サブキャリア間隔によって時間長が定義される。例えば、OFDMシンボルのサブキャリア間隔が15kHz、NCP(Normal Cyclic Prefix)の場合、X=7あるいはX=14であり、それぞれ0.5msおよび1msである。また、サブキャリア間隔が60kHzの場合は、X=7あるいはX=14であり、それぞれ0.125msおよび0.25msである。また、例えば、X=14の場合、サブキャリア間隔が15kHzの場合はW=10であり、サブキャリア間隔が60kHzの場合はW=40である。図4は、X=7の場合を一例として示している。なお、X=14の場合にも同様に拡張できる。また、上りリンクスロットも同様に定義され、下りリンクスロットと上りリンクスロットは別々に定義されてもよい。また、図4のセルの帯域幅は帯域の一部(BWPであってよい)として定義されてもよい。また、スロットは、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と定義されてもよい。スロットは、TTIとして定義されなくてもよい。TTIは、トランスポートブロックの送信期間であってもよい。
スロットのそれぞれにおいて送信される信号または物理チャネルは、リソースグリッドによって表現されてよい。リソースグリッドは、複数のサブキャリアと複数のOFDMシンボルによって定義される。1つのスロットを構成するサブキャリアの数は、セルの下り
リンクおよび上りリンクの帯域幅にそれぞれ依存する。リソースグリッド内のエレメントのそれぞれをリソースエレメントと称する。リソースエレメントは、サブキャリアの番号とOFDMシンボルの番号とを用いて識別されてよい。
リソースグリッドは、ある物理下りリンクチャネル(PDSCHなど)あるいは上りリンクチャネル(PUSCHなど)のリソースエレメントのマッピングを表現するために用いられる。例えば、サブキャリア間隔が15kHzの場合、サブフレームに含まれるOFDMシンボル数X=14で、NCPの場合には、1つの物理リソースブロックは、時間領域において14個の連続するOFDMシンボルと周波数領域において12*Nmax個の
連続するサブキャリアとから定義される。Nmaxは、後述するサブキャリア間隔設定μにより決定されるリソースブロックの最大数である。つまり、リソースグリッドは、(14*12*Nmax,μ)個のリソースエレメントから構成される。ECP(Extended CP)の場合、サブキャリア間隔60kHzにおいてのみサポートされるので、1つの物理リソースブロックは、例えば、時間領域において12(1スロットに含まれるOFDMシンボル数)*4(1サブフレームに含まれるスロット数)=48個の連続するOFDMシンボルと、周波数領域において12*Nmax,μ個の連続するサブキャリアとにより定義される。つまり、リソースグリッドは、(48*12*Nmax,μ)個のリソースエレメントから構成される。
リソースブロックとして、共通リソースブロック、物理リソースブロック、仮想リソースブロックが定義される。1リソースブロックは、周波数領域で連続する12サブキャリアとして定義される。共通リソースブロックインデックス0におけるサブキャリアインデックス0は、参照ポイントと称されてよい(ポイントA”と称されてもよい)。共通リソースブロックは、参照ポイントAから各サブキャリア間隔設定μにおいて0から昇順で番号が付されるリソースブロックである。上述のリソースグリッドはこの共通リソースブロックにより定義される。物理リソースブロックは、後述する帯域部分(BWP)の中に含まれる0から昇順で番号が付されたリソースブロックであり、物理リソースブロックは、帯域部分(BWP)の中に含まれる0から昇順で番号が付されたリソースブロックである。ある物理上りリンクチャネルは、まず仮想リソースブロックにマップされる。その後、仮想リソースブロックは、物理リソースブロックにマップされる。
次に、サブキャリア間隔設定μについて説明する。上述のようにNRでは、複数のOFDMヌメロロジーがサポートされる。あるBWPにおいて、サブキャリア間隔設定μ(μ=0,1,...,5)と、サイクリックプレフィックス長は、下りリンクのBWPに対して上位レイヤ(上位層)で与えられ、上りリンクのBWPにおいて上位レイヤで与えられる。ここで、μが与えられると、サブキャリア間隔Δfは、Δf=2^μ・15(kHz)で与えられる。
サブキャリア間隔設定μにおいて、スロットは、サブフレーム内で0からN^{subframe,μ}_{slot}−1に昇順に数えられ、フレーム内で0からN^{frame,μ}_{slot}−1に昇順に数えられる。スロット設定およびサイクリックプレフィックスに基づいてN^{slot}_{symb}の連続するOFDMシンボルがスロット内にある。N^{slot}_{symb}は14である。サブフレーム内のスロットn^{μ}_{s}のスタートは、同じサブフレーム内のn^{μ}_{s} N^{slot}_{symb}番目のOFDMシンボルのスタートと時間でアラインされている。
次に、サブフレーム、スロット、ミニスロットについて説明する。図5は、サブフレーム、スロット、ミニスロットの時間領域における関係を示した図である。同図のように、3種類の時間ユニットが定義される。サブフレームは、サブキャリア間隔によらず1msであり、スロットに含まれるOFDMシンボル数は7または14であり、スロット長はサブキャリア間隔により異なる。ここで、サブキャリア間隔が15kHzの場合、1サブフレームには14OFDMシンボル含まれる。下りリンクスロットはPDSCHマッピングタイプAと称されてよい。上りリンクスロットはPUSCHマッピングタイプAと称されてよい。
ミニスロット(サブスロットと称されてもよい)は、スロットに含まれるOFDMシンボル数よりも少ないOFDMシンボルで構成される時間ユニットである。同図はミニスロットが2OFDMシンボルで構成される場合を一例として示している。ミニスロット内の
OFDMシンボルは、スロットを構成するOFDMシンボルタイミングに一致してもよい。なお、スケジューリングの最小単位はスロットまたはミニスロットでよい。また、ミニスロットを割り当てることを、ノンスロットベースのスケジューリングと称してもよい。また、ミニスロットをスケジューリングされることを参照信号とデータのスタート位置の相対的な時間位置が固定であるリソースがスケジュールされたと表現されてもよい。下りリンクミニスロットはPDSCHマッピングタイプBと称されてよい。上りリンクミニスロットはPUSCHマッピングタイプBと称されてよい。
図6は、スロットフォーマットの一例を示す図である。ここでは、サブキャリア間隔15kHzにおいてスロット長が1msの場合を例として示している。同図において、Dは下りリンク、Uは上りリンクを示している。同図に示されるように、ある時間区間内(例えば、システムにおいて1つのUEに対して割り当てなければならない最小の時間区間)においては、
・下りリンクシンボル
・フレキシブルシンボル
・上りリンクシンボル
のうち1つまたは複数を含んでよい。なお、これらの割合はスロットフォーマットとして予め定められてもよい。また、スロット内に含まれる下りリンクのOFDMシンボル数またはスロット内のスタート位置および終了位置で定義されてもよい。また、スロット内に含まれる上りリンクのOFDMシンボルまたはDFT−S−OFDMシンボル数またはスロット内のスタート位置および終了位置で定義されてよい。なお、スロットをスケジューリングされることを参照信号とスロット境界の相対的な時間位置が固定であるリソースがスケジュールされたと表現されてもよい。
図6(a)は、ある時間区間(例えば、1UEに割当可能な時間リソースの最小単位、またはタイムユニットなどとも称されてよい。また、時間リソースの最小単位を複数束ねてタイムユニットと称されてもよい。)で、全て下りリンク送信に用いられている例であり、図6(b)は、最初の時間リソースで例えばPCCHを介して上りリンクのスケジュ
−リングを行い、PCCHの処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成のためのギャップを介して上りリンク信号を送信する。図6(c)は、最初の時間リソースで下りリンクのPCCHおよび/または下りリンクのPSCHの送信に用いられ、処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成のためのギャップを介してPSCHまたはPCCHの送信に用いられる。ここで、一例としては、上りリンク信号はHARQ−ACKおよび/またはCSI、すなわちUCIの送信に用いられてよい。図6(d)は、最初の時間リソースで下りリンクのPCCHおよび/または下りリンクのPSCHの送信に用いられ、処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成のためのギャップを介して上りリンクのPSCHおよび/またはPCCHの送信に用いられる。ここで、一例としては、上りリンク信号は上りリンクデ−タ、すなわちUL−SCHの送信に用いられてもよい。図6(e)は、全て上りリンク送信(上りリンクのPSCHまたはPCCH)に用いられている例である。
上述の下りリンクパ−ト、上りリンクパ−トは、LTEと同様複数のOFDMシンボルで構成されてよい。
測定(measurement)について、説明する。
基地局装置3は、端末装置2に対して、RRCシグナリング(無線リソース制御信号)を使って、測定設定(Measurement configuration)メッセージを送信する。RRCシグナリングは、LTEではRRC接続再設定(RRCConnectionReconfiguration)メッセージ、NRではRRC再設定(RR
CReconfiguration)メッセージであってよい。端末装置2は、測定設定(Measurement configuration)メッセージに含まれるシステム情報を設定するとともに、通知されたシステム情報に従って、サービングセルおよび隣接セル(リストセル(listed cell)および/または検出セル(detected cell)を含む)に対する測定、イベント評価、測定報告を行う。リストセルは、測定対象(Measurement object)にリストされているセル(基地局装置3から端末装置2へ隣接セルリストとして通知されているセル)であり、検出セルは、測定対象(Measurement object)によって指示された周波数において端末装置2が検出したが、測定対象(Measurement object)にはリストされていないセル(隣接セルリストとして通知されていない端末装置2自身が検出したセル)である。
測定(measurement)には、3つのタイプ(周波数内測定(intra−frequency measurements)、周波数間測定(inter−frequency measurements)、無線アクセス技術間測定(inter−RAT measurements))がある。周波数内測定(intra−frequency measurements)は、サービングセルの下りリンク周波数(下りリンク周波数)での測定である。周波数間測定(inter−frequency measurements)は、サービングセルの下りリンク周波数とは異なる周波数での測定である。無線アクセス技術間測定(inter−RAT measurements)は、サービングセルの無線技術とは異なる無線技術での測定である。例えば、MR−DCでは、MNで設定される測定設定はMNのサービングセルの無線技術とは異なる無線技術での測定を無線アクセス技術間測定として定義し、SNで設定される測定設定はSNのサービングセルの無線技術とは異なる無線技術での測定を無線アクセス技術間測定として定義してよい。
測定設定(Measurement configuration)メッセージには、測定識別子(measId)、測定対象(Measurement objects)、報告設定(Reporting configurations)の設定の追加および/または修正および/または削除、数量設定(quantityConfig)、測定ギャップ設定(measGapConfig)、サービングセル品質閾値(s−Measure)などが含まれる。
<数量設定(quantityConfig)>
数量設定(quantityConfig)は、例えば、測定対象(Measurement objects)がEUTRAの場合、第3層フィルタ係数(L3 filtering coefficient)を指定してよい。第3層フィルタ係数(L3 filtering coefficient)は、最新の測定結果と、過去のフィルタリング測定結果との比(割合)を規定する。フィルタリング結果は、端末装置2でイベント評価に利用されてよい。
<測定ギャップ設定(measGapConfig)>
測定ギャップ設定(measGapConfig)は、測定ギャップパターン(measurement gap pattern)の設定や、測定ギャップ(measurement gap)の活性化(activation)/非活性化(deactivation)を制御するために利用されてよい。測定ギャップ設定(measGapConfig)は、測定ギャップを活性化させる場合の情報として、ギャップパターン(gap pattern)、開始システムフレ−ム番号(startSFN)、開始サブフレ−ム番号(startSubframeNumber)が通知されてよい。ギャップパターン(gap pattern)は、測定ギャップ(measurement gap)とし
て、どのパターンを使うかを規定する。開始システムフレ−ム番号(startSFN)は、測定ギャップ(measurement gap)を開始するSFN(System
Frame Number)を規定する。開始サブフレ−ム番号(startSubframeNumber)は、測定ギャップ(measurement gap)を開始するサブフレ−ム番号を規定する。
<サービングセル品質閾値(s−Measure)>
サービングセル品質閾値(s−Measure)は、サービングセルの品質に関する閾値を表し、端末装置2が測定(measurement)を行う必要があるか否かを制御するために利用される。サービングセル品質閾値(s−Measure)は、参照信号受信電力(RSRP)に対する値として設定される。
<測定識別子(measId)>
ここで、測定識別子(measId)は、測定対象(Measurement objects)と、報告設定(Reporting configurations)とをリンクさせるために利用され、具体的には、測定対象識別子(measObjectId)と報告設定識別子(reportConfigId)とをリンクさせる。測定識別子(measId)には、一つの測定対象識別子(measObjectId)と一つの報告設定識別子(reportConfigId)が対応付けられる。測定設定(Measurement configuration)メッセージは、測定識別子(measId)、測定対象(Measurement objects)、報告設定(Reporting configurations)の関係に対して追加・修正・削除することが可能である。
measObjectToRemoveListは、指定された測定対象識別子(measObjectId)および指定された測定対象識別子(measObjectId)に対応する測定対象(Measurement objects)を削除するコマンドである。この際、指定された測定対象識別子(measObjectId)に対応付けられたすべての測定識別子(measId)は、削除される。このコマンドは、同時に複数の測定対象識別子(measObjectId)の指定が可能である。
measObjectToAddModifyListは、指定された測定対象識別子(measObjectId)を指定された測定対象(Measurement objects)に修正、または、指定された測定対象識別子(measObjectId)と指定された測定対象(Measurement objects)を追加するコマンドである。このコマンドは、同時に複数の測定対象識別子(measObjectId)の指定が可能である。
reportConfigToRemoveListは、指定された報告設定識別子(reportConfigId)および指定された報告設定識別子(reportConfigId)に対応する報告設定(Reporting configurations)を削除するコマンドである。この際、指定された報告設定識別子(reportConfigId)に対応付けられたすべての測定識別子(measId)は、削除される。このコマンドは、同時に複数の報告設定識別子(reportConfigId)の指定が可能である。
reportConfigToAddModifyListは、指定された報告設定識別子(reportConfigId)を指定された報告設定(Reporting configurations)に修正、または、指定された報告設定識別子(reportConfigId)と指定された報告設定(Reporting configura
tions)を追加するコマンドである。このコマンドは、同時に複数の報告設定識別子(reportConfigId)の指定が可能である。
measIdToRemoveListは、指定された測定識別子(measId)を削除するコマンドである。この際、指定された測定識別子(measId)に対応付けられた測定対象識別子(measObjectId)と報告設定識別子(reportConfigId)は、削除されずに維持される。このコマンドは、同時に複数の測定識別子(measId)の指定が可能である。
measIdToAddModifyListは、指定された測定識別子(measId)を指定された測定対象識別子(measObjectId)と指定された報告設定識別子(reportConfigId)に対応付けるように修正、または、指定された測定対象識別子(measObjectId)と指定された報告設定識別子(reportConfigId)を指定された測定識別子(measId)に対応付けし、指定された測定識別子(measId)を追加するコマンドである。このコマンドは、同時に複数の測定識別子(measId)の指定が可能である。
<測定対象(Measurement objects)>
測定対象(Measurement objects)は、RATおよび周波数ごとに規定されている。また、報告設定(Reporting configurations)は、サービングセルのRATと同一のRATに対する規定と、それ以外のRATに対する規定がある。
測定対象(Measurement objects)には、測定対象識別子(measObjectId)と対応付けられた測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)、測定対象NR(measObjectNR)、測定対象UTRA(measObjectUTRA)、測定対象GERAN(measObjectGERAN)、測定対象CDMA2000(measObjectCDMA2000)、測定対象WLAN(measObjectWLAN)などが含まれてよい。
測定対象識別子(measObjectId)は、測定対象(Measurement
objects)の設定を識別するために使用する識別子である。測定対象(Measurement objects)の設定は、前述のように、無線アクセス技術(RAT)および周波数ごとに規定されている。測定対象(Measurement objects)は、EUTRA、NR、UTRA、GERAN、CDMA2000に対して別途仕様化されている。EUTRAに対する測定対象(Measurement objects)である測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)は、EUTRAの隣接セルに対して適用される情報を規定する。また、測定対象EUTRAのなかで異なる周波数のものは異なる測定対象(Measurement objects)として扱われ、別途測定対象識別子(measObjectId)が割り当てられてよい。NRに対する測定対象(Measurement objects)である測定対象NR(measObjectNR)は、NRの隣接セルに対して適用される情報を規定する。また、測定対象NRのなかで異なる周波数のものは異なる測定対象(Measurement objects)として扱われ、別途測定対象識別子(measObjectId)が割り当てられてよい。
測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)には、EUTRA搬送波周波数情報(eutra−CarrierInfo)、測定帯域幅(measurementBandwidth)、オフセット周波数(offsetFreq)、隣接セルリスト(neighbour cell list)に関する情報、ブラックリスト(black
list)に関する情報が含まれてよい。
測定対象NR(measObjectNR)には、SS/PBCHブロックおよび/またはCSI−RSの周波数情報、測定対象の品質を導出するために用いられる閾値、周波数のオフセット情報、ブラックリストなどの情報が含まれてよい。
ブラックリスト(black list)に関する情報は、イベント評価や、測定報告の対象とならない隣接セルに関する情報を含む。ブラックリスト(black list)に関する情報としては、物理セル識別子(physical cell ID)などが含まれる。この情報は、EUTRAおよび/またはNRの場合、端末装置2が、既に、報知情報から取得しているブラックセルリスト(black listed cell list)に対して、追加・修正または削除を行うための情報として利用されてよい。
なお、サービングセルのRATによって、各測定対象が異なる要素で構成されてもよいし、同じ要素で構成されてもよい。
<報告設定(Reporting configurations)>
報告設定(Reporting configurations)には、報告設定識別子(reportConfigId)と対応付けられた報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)や報告設定NR(reportConfigNR)などが含まれる。
報告設定識別子(reportConfigId)は、測定に関する報告設定(Reporting configurations)を識別するために使用する識別子である。EUTRAに対する報告設定(Reporting configurations)である報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)は、EUTRAにおける測定の報告に利用するイベントや周期的報告などのトリガ条件(triggering criteria)を規定する。NRに対する報告設定(Reporting configurations)である報告設定NR(reportConfigNR)は、NRにおける測定の報告に利用するイベントや周期的報告などのトリガ条件(triggering criteria)を規定する。
イベント識別子(eventId)は、イベントトリガ報告(event triggered reporting)に関する条件(criteria)を選択するために利用される。ここで、イベントトリガ報告(event triggered reporting)とは、イベントトリガ条件を満たした場合に、測定を報告する方法である。この他に、イベントトリガ条件を満たした場合に、一定間隔で、ある回数だけ測定を報告するというイベントトリガ定期報告(event triggered periodic
reporting)もある。
イベント識別子(eventId)によって指定されたイベントのトリガ条件を満たした場合、端末装置2は、基地局装置3に対して、測定報告(measurement report)を行う。トリガ量(triggerQuantity)は、イベントのトリガ条件を評価するために利用する量である。すなわち、参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)、または、参照信号受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)が指定される。すなわち、端末装置2は、このトリガ量(triggerQuantity)によって指定された量を利用して、下りリンク参照信号の測定を行い、イベント識別子(eventId)で指定されたイベントのトリガ条件を満たしているか否かを判定する。ヒステリシス(hysteresis)は、イベントのトリガ条件で利用さ
れるパラメータである。トリガ時間(timeToTrigger)は、イベントのトリガ条件を満たすべき期間を示す。報告量(reportQuantity)は、測定報告(measurement report)において報告する量を示す。ここでは、トリガ量(triggerQuantity)で指定した量、または、参照信号受信電力(RSRP)および参照信号受信品質(RSRQ)が指定される。ここで、参照信号受信品質(RSRQ)は、(N*RSRP)/(Carrier RSSI)で表される比である。受信信号強度(Carrier RSSI)は、全受信信号電力の強さを示し、測定帯域幅はシステム帯域幅と同じである。Nは受信信号強度(Carrier RSSI)の測定帯域幅に関するリソースブロック(RB:Resource Block)数である。最大報告セル数(maxReportCells)は、測定報告(measurement report)に含めるセルの最大数を示す。報告間隔(reportInterval)は、定期報告(periodical reporting)またはイベントトリガ定期報告(event triggered periodic reporting)に対して利用され、報告間隔(reportInterval)で示される間隔ごとに定期報告する。報告回数(reportAmount)は、必要に応じて、定期報告(periodical reporting)を行う回数を規定する。
なお、基地局装置3は、サービングセル品質閾値(s−Measure)を通知する場合と通知しない場合がある。基地局装置3がサービングセル品質閾値(s−Measure)を通知する場合、端末装置2は、サービングセル(serving cell)の品質(RSRP値)がサービングセル品質閾値(s−Measure)よりも低いときに、隣接セルの測定と、イベント評価(イベントトリガ条件を満たすか否か、報告条件(Reporting criteria)の評価とも言う)を行う。一方、基地局装置3がサービングセル品質閾値(s−Measure)を通知しない場合、端末装置2は、サービングセルの品質(RSRP値)によらず、隣接セルの測定と、イベント評価を行う。
<Measurement Resultについて>
イベントトリガ条件を満たした端末装置2は、基地局装置3に対して、測定報告(Measurement report)を送信する。測定報告(Measurement report)には、測定結果(Measurement result)が含まれる。
この測定結果(Measurement result)は、測定識別子(measId)、サービングセル測定結果(measResultServing)、測定結果リスト(measResultList)で構成される。ここで、測定結果リスト(measResultList)には、物理セル識別子(physicalCellIdentity)、セル測定結果(measResult)が含まれる。
ここで、測定識別子(measId)とは、前述のように、測定対象識別子(measObjectId)と報告設定識別子(reportConfigId)とのリンクに利用されていた識別子である。また、サービングセル測定結果(measResultServing)は、サービングセルに対する測定結果であり、サービングセルに対する参照信号受信電力(RSRP)および参照信号受信品質(RSRQ)の結果を報告する。また、物理セル識別子(physicalCellIdentity)は、セルを識別するために利用する。measResultに含まれるEUTRAセル測定結果(measResultEUTRA)は、EUTRAセルに対する測定結果である。また、measResultに含まれるNRセル測定結果(measResultNR)は、NRセルに対する測定結果である。隣接セルの測定結果は関連するイベントの発生時にのみ含まれてよい。
EUTRAにおけるプロシージャについて説明する。
移動履歴情報(Mobility History Information)について、説明する。
まず、端末装置2が移動履歴情報をストアするプロシージャについて説明する。このプロシージャはRRC_CONNECTEDとRRC_IDLEとをカバーし、端末装置2によってどのように移動履歴情報がストアされるかを規定する。
もし端末装置2が移動履歴情報の蓄積をサポートするなら、端末装置2は、以下の手順を行う。
手順1:RRC_CONNECTEDにおけるサービングセルの一つであるPCellや、RRC_IDLEにおけるサービングセルから他のEUTRAセルまたは他のRATのセルまたは圏外(Out of service)に変わった場合、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportに後述するエントリー(VisitedCellInfo)のリスト(VisitedCellInfoList)を含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportの蓄積可能な最大エントリー数に基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在する(Availableである)場合、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルのセルグローバル識別子を含める。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在しない(Availableでない)場合、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルの物理セル識別子とキャリア周波数の情報を含める。そして何れの場合であっても端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにそのPCellまたはサービングセルで費やした時間の情報を含める。なお、時間の情報が、timeSpentで示すことのできる最大の時間を超える場合には、timeSpentで示すことのできる最大の時間を設定する。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportに含められる。ここで、セルグローバル識別子は、そのネットワークにおいて、そのセルを世界的に一意に識別できる識別子であり、EUTRAにおいては、PLMN識別子と物理セル識別子の組み合わせで表される。NRにおいても、セルグローバル識別子は、そのネットワークにおいて、そのセルを世界的に一意に識別できる識別子であることに変わりなく、EUTRAと同様、PLMN識別子と物理セル識別子の組み合わせで表されてもよい。ここで、PLMN識別子はPLMN(Public Land Mobile Network)を識別する識別子であり、報知情報(システム情報)によって端末装置2に報知されてよい。
ここで、VisitedCellInfoListは、例えば、最大16個の、もっとも最近訪れたセルまたはEUTRAの外で費やした時間の情報を含んでよい。もっとも最近訪れたセルまたはEUTRAの外で費やした時間の情報(すなわち新しく追加される情報)がリストの最初に蓄積されてよい。すでに16個の情報がリストに蓄積されている場合には、16番目の情報(もっとも古い情報)を削除してから前記情報を追加してもよい。また、リストにはRRC_IDLE状態とRRC_CONNECTED状態で訪れたセルを含めてよい。また、後述するVisitedCellInfoListEUTRA、VisitedCellInfoListNRについても同様の仕組みであってよい。
手順2:端末装置2は、他のRATのセルまたは圏外から、(RRC_CONNECTEDまたはRRC_IDLEにおいて、)EUTRA(のセル)に入った場合、変数VarMobilityHistoryReportに後述するエントリーを含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportのサイズな
どに基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにEUTRAの外(すなわち他のRATのセルまたは圏外)で費やした時間の情報を含める。このとき、visitedCellIdはエントリーに含めなくてよい。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportに含められる。
次に、端末装置情報(UE Information)プロシージャについて説明する。端末装置情報プロシージャはE−UTRAN(ネットワーク)が端末装置2に対して情報のレポートを要求するために使われる。例えば、移動履歴情報は、このプロシージャによって端末装置2から基地局装置3に通知されてもよい。
E−UTRANはUEInformationRequestメッセージを端末装置2に送ることによってこのプロシージャを開始する。
手順1:セキュリティのアクティベーションが成功した後でUEInformationRequestメッセージを受信した端末装置2は、UEInformationRequestメッセージの一つの要素であるmobilityHistoryReportReqが真にセットされていた場合、UEInformationResponseメッセージにmobilityHistoryReportを含め、mobilityHistoryReportにVarMobilityHistoryReportのエントリーを含める。さらに、端末装置2は、現在のセル(PCell)のセルグローバル識別子をエントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdに含める。このとき端末装置2は、mobilityHistoryReportのサイズなどに基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。そして端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentに現在のセルで費やした時間の情報を含める。上記エントリーがmobilityHistoryReportに含められる。そして、mobilityHistoryReportを含むUEInformationResponseメッセージは、SRB1またはSRB2を通じた送信のために下位レイヤに提出(submit)される。
次に、移動履歴情報が端末装置2に存在する(Availableである)ことを示す情報を基地局装置3に通知する仕組みについて説明する。
ここではRRC接続時に端末装置2が基地局装置3に移動履歴情報が存在することを通知する手順を示す。
例えば、コネクション再確立(connection re−establishment)プロシージャにおいて、RRC接続セットアップメッセージを基地局装置3から受信した端末装置2は、受信したRRC接続セットアップメッセージに含まれる無線リソース個別設定(radioResourceConfigDedicated)に従い、無線リソースのコンフィグレーションプロシージャを実行する。さらに各種タイマーの停止などを行ない、RRC_CONNECTEDに入り、セル再選択プロシージャを停止する。そして現在のセルをPCellと判断する。さらに、RRC接続セットアップが完了したことを基地局装置3に示すメッセージ(RRCConnectionSetupCompleteメッセージ)のコンテンツとして、上位レイヤ(NAS層)から受け取った情報があればdedicatedInfoNASとして含め、端末装置2が移動履歴情報の蓄積をサポートしており、変数VarMobilityHistoryReportに移動履歴情報が存在している(Availableである)場合、移動履歴情報が存在している(Availableである)ことを示す情報(mobilityHistoryAvail)を含める。RRCConnectionSetupCompleteメッセー
ジにはその他の情報が含まれてよい。端末装置2は、送信のためにRRCConnectionSetupCompleteメッセージを下位層に提出(Submit)してプロシージャを終了する。
上記説明では、RRC接続セットアップ処理の例を説明したが、これに限らず、RRC接続再開(Resume)時の処理においても、RRC接続再開が完了したことを基地局装置3に示すメッセージ(RRCConnectionResumeCompleteメッセージ)のコンテンツとして、端末装置2が移動履歴情報の蓄積をサポートしており、変数VarMobilityHistoryReportに移動履歴情報が存在している(Availableである)場合、移動履歴情報が存在している(Availableである)ことを示す情報(mobilityHistoryAvail)を含めてよい。
上記仕組みにより、例えば、RRCConnectionSetupCompleteメッセージでmobilityHistoryAvailを通知された基地局装置3が、UEInformationRequestにMobilityHistoryReportReqを真として含めて、端末装置2に通知し、端末装置2が、UEInformationResponseにmobilityHistoryReportを含めて通知することができる。
次にNRを考慮する場合の移動履歴情報に関するプロシージャの例を説明する。
NRを考慮した移動履歴情報(Mobility History Information)の例を説明する。
まず、端末装置2が移動履歴情報をストアするプロシージャについて説明する。このプロシージャはLTEのRRC_CONNECTEDとRRC_IDLE、およびNRのRRC_CONNECTEDとRRC_INACTIVEとRRC_IDLEとをカバーし、端末装置2によってどのように移動履歴情報がストアされるかを規定する。
例1:もし端末装置2が移動履歴情報の蓄積をサポートするなら、端末装置2は、以下の手順を行う。ここでは、図7で示すエントリーリストを用いる例を示す。
手順1:EUTRAまたはNRのRRC_CONNECTEDにおけるサービングセルの一つであるPCellや、EUTRAまたはNRのRRC_IDLE、またはNRのRRC_INACTIVEにおけるサービングセルから他のセルまたは圏外(Out of
service)に変わった場合、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportに後述するエントリー(VisitedCellInfo)のリスト(VisitedCellInfoList)を含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportの蓄積可能な最大エントリー数に基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在する(Availableである)場合、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルのセルグローバル識別子(cellGlobalId)を含めてよい。また、前のPCellあるいはサービングセルがNRのセルである場合はNRのセルの情報を含めてもよい。例えば、NRのセルの情報は、そのセルのセルグローバル識別子、および/またはSS/PBCHブロックのインデックス情報であってもよい。前記SS/PBCHブロックのインデックス情報は、既定の条件を満たすSS/PBCHブロックのインデックス情報であってよい。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在しない(Availableでない)場合、前のPCellあるいはサービングセルがEUTRAのセルであれば、エントリーのフィールドの一つであるv
isitedCellIdにそのセルの物理セル識別子(physCellId)とキャリア周波数(carrierFreq)の情報を含め、前のPCellあるいはサービングセルがNRのセルであれば、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにNRのセルの情報を含めてよい。NRのセルの情報は、例えば、そのセルの物理セル識別子(physCellId)およびSS/PBCHブロックの周波数の情報(ssbFrequency)であってもよい。NRのセルの情報は、例えば、そのセルの物理セル識別子、SS/PBCHブロックの周波数の情報、およびSS/PBCHブロックのインデックス情報であってもよい。そして何れの場合であっても端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにそのPCellまたはサービングセルで費やした時間の情報を含めてよい。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportに含められる。
ここで、VisitedCellInfoListは、例えば、最大16個の、もっとも最近訪れたEUTRAおよびNRのセル、またはEUTRAおよびNRの外で費やした時間の情報を含んでよい。もっとも最近訪れたセルまたはEUTRAおよびNRの外で費やした時間の情報(すなわち新しく追加される情報)がリストの最初に蓄積されてよい。すでに16個の情報がリストに蓄積されている場合には、16番目の情報(もっとも古い情報)を削除してから前記情報を追加してもよい。また、リストにはRRC_IDLE状態とRRC_INACTIVEとRRC_CONNECTED状態で訪れたセルを含めてよい。
手順2:端末装置2は、EUTRAおよびNR以外のRATのセルまたは圏外から、(RRC_CONNECTEDまたはRRC_INACTIVEまたはRRC_IDLEにおいて、)EUTRAまたはNR(のセル)に入った場合、変数VarMobilityHistoryReportに後述するエントリーを含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportのサイズなどに基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにEUTRAおよびNRの外(すなわちEUTRAおよびNR以外のRATのセルまたは圏外)で費やした時間の情報を含める。このとき、visitedCellIdはエントリーに含めなくてよい。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportに含められる。
例2:もし端末装置2が移動履歴情報の蓄積をサポートするなら、端末装置2は、以下の手順を行う。ここでは、図8で示すエントリーリストを用いる例を示す。
手順1:EUTRAのRRC_CONNECTEDにおけるサービングセルの一つであるPCellや、EUTRAのRRC_IDLEにおけるサービングセルから、他のセルまたは圏外(Out of service)に変わった場合、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportEUTRAに後述するエントリー(VisitedCellInfoEUTRA)のリスト(VisitedCellInfoListEUTRA)を含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportEUTRAの蓄積可能な最大エントリー数に基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在する(Availableである)場合、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルのセルグローバル識別子(cellGlobalId)を含める。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在しない(Availableでない)場合、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルの物理セル識別子(physCellId)とキャリア周波数の情報(carrierFreq)を含める。そして何れの場合であっても端末装置2は、エントリーのフィール
ドの一つであるtimeSpentにそのPCellまたはサービングセルで費やした時間の情報を含める。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportEUTRAに含められる。
手順2:端末装置2は、EUTRA以外のRATのセルまたは圏外から、(RRC_CONNECTEDまたはRRC_IDLEにおいて、)EUTRA(のセル)に入った場合、変数VarMobilityHistoryReportEUTRAに後述するエントリーを含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportEUTRAのサイズなどに基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにEUTRAの外(すなわち他のRATのセルまたは圏外)で費やした時間の情報を含める。このとき、visitedCellIdはエントリーに含めなくてよい。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportEUTRAに含められる。
手順3:NRのRRC_CONNECTEDにおけるサービングセルの一つであるPCellや、NRのRRC_IDLEまたはRRC_INACTIVEにおけるサービングセルから他のセルまたは圏外(Out of service)に変わった場合、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportNRに後述するエントリー(VisitedCellInfoNR)のリスト(VisitedCellInfoListNR)を含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportNRの蓄積可能な最大エントリー数に基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在する(Availableである)場合、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルのセルグローバル識別子(cellGlobalId)を含めてよい。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在しない(Availableでない)場合、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルの物理セル識別子(physCellId)とSS/PBCHブロックの周波数の情報(ssbFrequency)を含めてよい。そして何れの場合であっても端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにそのPCellまたはサービングセルで費やした時間の情報を含めてよい。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReport possiblyNRに含められる。
手順4:端末装置2は、NR以外のRATのセルまたは圏外から、(RRC_CONNECTEDまたはRRC_INACTIVEまたはRRC_IDLEにおいて、)NR(のセル)に入った場合、変数VarMobilityHistoryReportNRに後述するエントリーを含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportNRのサイズなどに基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにNRの外(すなわち他のRATのセルまたは圏外)で費やした時間の情報を含める。このとき、visitedCellIdはエントリーに含めなくてよい。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportNRに含められる。
例3:もし端末装置2が移動履歴情報の蓄積をサポートするなら、端末装置2は、以下の手順を行う。
手順1:EUTRAのRRC_CONNECTEDにおけるサービングセルの一つであるPCellや、EUTRAのRRC_IDLEにおけるサービングセルから、他のセル
または圏外(Out of service)に変わった場合、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportEUTRAに後述するエントリー(VisitedCellInfoEUTRA)のリスト(VisitedCellInfoListEUTRA)を含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportEUTRAの蓄積可能な最大エントリー数に基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在する(Availableである)場合、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルのセルグローバル識別子を含める。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在しない(Availableでない)場合、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルの物理セル識別子とキャリア周波数の情報を含める。そして何れの場合であっても端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにそのPCellまたはサービングセルで費やした時間の情報を含める。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportEUTRAに含められる。
手順2:端末装置2は、EUTRA以外のRATのセルまたは圏外から、(RRC_CONNECTEDまたはRRC_IDLEで、)EUTRA(のセル)に入った場合、変数VarMobilityHistoryReportEUTRAに後述するエントリーを含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportEUTRAのサイズなどに基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにEUTRAの外(すなわち他のRATのセルまたは圏外)で費やした時間の情報を含める。このとき、visitedCellIdはエントリーに含めなくてよい。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportEUTRAに含められる。
手順3:EUTRAまたはNRのRRC_CONNECTEDにおけるサービングセルの一つであるPCellや、EUTRAまたはNRのRRC_IDLE、またはNRのRRC_INACTIVEにおけるサービングセルから他のセルまたは圏外(Out of
service)に変わった場合、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportNRに後述するエントリー(VisitedCellInfoNR)のリスト(VisitedCellInfoListNR)を含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportNRの蓄積可能な最大エントリー数に基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在する(Availableである)場合、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルのセルグローバル識別子を含めてよい。また、前のPCellあるいはサービングセルがNRのセルである場合はNRのセルの情報を含めてもよい。例えば、NRのセルの情報は、そのセルのセルグローバル識別子、および/またはSS/PBCHブロックのインデックス情報であってもよい。端末装置2は、前のPCellあるいはサービングセルのセルグローバル識別子が存在しない(Availableでない)場合、前のPCellあるいはサービングセルがEUTRAのセルであれば、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにそのセルの物理セル識別子とキャリア周波数の情報を含め、前のPCellあるいはサービングセルがNRのセルであれば、エントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdにNRのセルの情報を含めてよい。NRのセルの情報は、例えば、そのセルの物理セル識別子およびSS/PBCHブロックの周波数の情報であってもよい。NRのセルの情報は、例えば、そのセルの物理セル識別子、SS/PBCHブロックの周波数の情報、およびSS/PBCHブロックのインデックス情報であってもよい。そして何れの場合であっても端末装置2は
、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにそのPCellまたはサービングセルで費やした時間の情報を含めてよい。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportNRに含められる。
手順4:端末装置2は、EUTRAおよびNR以外のRATのセルまたは圏外から、(RRC_CONNECTEDまたはRRC_INACTIVEまたはRRC_IDLEにおいて、)EUTRAまたはNR(のセル)に入った場合、変数VarMobilityHistoryReportNRに後述するエントリーを含める。このとき、端末装置2は、変数VarMobilityHistoryReportNRのサイズなどに基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentにEUTRAおよびNRの外(すなわちEUTRAおよびNR以外のRATのセルまたは圏外)で費やした時間の情報を含める。このとき、visitedCellIdはエントリーに含めなくてよい。上記エントリーが変数VarMobilityHistoryReportNRに含められる。
次に、NRを考慮した端末装置情報(UE Information)プロシージャについて説明する。端末装置情報プロシージャは基地局装置3(ネットワーク)が端末装置2に対して情報のレポートを要求するために使われる。例えば、移動履歴情報は、このプロシージャによって端末装置2から基地局装置3に通知されてもよい。
例1:ネットワークは、端末装置の情報を要求するメッセージ(UEInformationRequestメッセージ)を端末装置2に送ることによってこのプロシージャを開始する。
手順1:セキュリティのアクティベーションが成功した後でUEInformationRequestメッセージをネットワークから受信した端末装置2は、UEInformationRequestメッセージの一つの要素であるmobilityHistoryReportReqが真にセットされていた場合、手順2から手順4を実行する。mobilityHistoryReportReqが真にセットされていない場合、またはmobilityHistoryReportReqが含まれない場合は、手順2から手順3を実行しなくてよい。
手順2:UEInformationResponseメッセージにmobilityHistoryReportを含め、mobilityHistoryReportにVarMobilityHistoryReportのエントリーを含める。さらに、端末装置2は、現在のセル(PCell)のセルグローバル識別子をエントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdに含める。このとき端末装置2は、mobilityHistoryReportのサイズなどに基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。
手順3:端末装置2は、エントリーのフィールドの一つであるtimeSpentに現在のセルで費やした時間の情報を含める。上記エントリーがmobilityHistoryReportに含められる。
手順4:UEInformationResponseメッセージは、SRB1またはSRB2を通じた送信のために下位レイヤに提出(submit)される。
また、手順2において、VarMobilityHistoryReportがEUTRAとNRとで独立した変数である場合、mobilityHistoryReportにVarMobilityHistoryReportEUTRAとVarMobili
tyHistoryReportNRの両方のエントリーを含めてよい。このとき、mobilityHistoryReportには、EUTRAとNRの両方のリストから時系列で新しいエントリーから既定数のエントリーが選択されて含まれてもよい。
また、手順1において、mobilityHistoryReportReqが複数の値を持つ場合、例えば、mobilityHistoryReportに、PCellのRAT以外のセルの識別子情報を含めるか否かが示されてもよい。PCellのRAT以外のセルの識別子情報を含めない場合、PCellのRAT以外のセルに関するmobilityHistoryReportに含まれる情報は、従来のmobilityHistoryReportと同様、timeSpentだけが含まれる。
例2:ネットワークは、端末装置の情報を要求するメッセージ(UEInformationRequestメッセージ)を端末装置2に送ることによってこのプロシージャを開始する。
手順1:セキュリティのアクティベーションが成功した後でUEInformationRequestメッセージをネットワークから受信した端末装置2は、UEInformationRequestメッセージの一つの要素であるmobilityHistoryReportReqが真にセットされていた場合、手順2から手順4を実行する。mobilityHistoryReportReqが真にセットされていない場合、またはmobilityHistoryReportReqが含まれない場合は、手順2から手順3を実行しなくてよい。
手順2:UEInformationResponseメッセージにmobilityHistoryReportを含める。例えば、mobilityHistoryReportにはmobilityHistoryReportEUTRAとmobilityHistoryReportNRとが要素として含まれてよい。この場合、mobilityHistoryReportEUTRAにVarMobilityHistoryReportEUTRAのエントリーを含め、mobilityHistoryReportNRにVarMobilityHistoryReportNRのエントリーを含める。さらに、端末装置2は、PCellがEUTRAのセルであれば、現在のセル(PCell)のセルグローバル識別子を、MobilityHistoryReportEUTRAのエントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdに含める。また、端末装置2は、PCellがNRのセルであれば、現在のセル(PCell)のセルグローバル識別子を、MobilityHistoryReportNRのエントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdに含める。このとき端末装置2は、mobilityHistoryReportEUTRAおよび/またはMobilityHistoryReportNRのサイズなどに基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。
手順3:端末装置2は、PCellがEUTRAのセルであれば、MobilityHistoryReportEUTRAのエントリーのフィールドの一つであるtimeSpentに現在のセルで費やした時間の情報を含める。また、端末装置2は、PCellがNRのセルであれば、MobilityHistoryReportNRのエントリーのフィールドの一つであるtimeSpentに現在のセルで費やした時間の情報を含める。
手順4:UEInformationResponseメッセージを、SRB1またはSRB2を通じた送信のために下位レイヤに提出(submit)する。
なお、手順2において、PCellがEUTRAの場合、mobilityHistoryReportに含まれるmobilityHistoryReportEUTRAとmobilityHistoryReportNRは、EUTRAのRRCの情報要素としてVarMobilityHistoryReportEUTRAのエントリーとVarMobilityHistoryReportNRのエントリーとが含まれてよい。また、PCellがNRの場合、mobilityHistoryReportに含まれるmobilityHistoryReportEUTRAとmobilityHistoryReportNRは、NRのRRCの情報要素としてVarMobilityHistoryReportEUTRAのエントリーとVarMobilityHistoryReportNRのエントリーとが含まれてよい。
また、手順2において、別の例として、PCellがEUTRAの場合、mobilityHistoryReportに含まれるmobilityHistoryReportEUTRAはEUTRAのRRCの情報要素としてVarMobilityHistoryReportEUTRAのエントリーを含み、mobilityHistoryReportNRは、バイト列の文字列(Octet strings)であり、このバイト列の文字列は、VarMobilityHistoryReportNRのエントリーがNRのRRCの情報要素としてエンコードされたもの(NRの抽象構文記法1でエンコードされたもの)であってよい。また、PCellがNRの場合、mobilityHistoryReportに含まれるmobilityHistoryReportNRはNRのRRCの情報要素としてVarMobilityHistoryReportNRのエントリーを含み、mobilityHistoryReportEUTRAは、バイト列の文字列(Octet strings)であり、このバイト列の文字列は、VarMobilityHistoryReportEUTRAのエントリーがEUTRAのRRCの情報要素としてエンコードされたもの(EUTRAの抽象構文記法1でエンコードされたもの)であってよい。
また、手順1において、mobilityHistoryReportReqが複数の値を持つ場合、例えば、mobilityHistoryReportに、EUTRAの情報(mobilityHistoryReportEUTRA)を含めるか否か、およびNRの情報(mobilityHistoryReportNR)を含めるか否かが示されてもよい。
例3:ネットワークは、端末装置の情報を要求するメッセージ(UEInformationRequestメッセージ)を端末装置2に送ることによってこのプロシージャを開始する。
手順1:セキュリティのアクティベーションが成功した後でUEInformationRequestメッセージをネットワークから受信した端末装置2は、UEInformationRequestメッセージの一つの要素であるmobilityHistoryReportReqが真にセットされていた場合、手順2から手順4を実行する。mobilityHistoryReportReqが真にセットされていない場合、またはmobilityHistoryReportReqが含まれない場合は、手順2から手順3を実行しなくてよい。
手順2:UEInformationResponseメッセージにmobilityHistoryReportを含める。例えば、PCellのRATがEUTRAである場合、mobilityHistoryReportにはmobilityHistoryReportEUTRAが要素として含まれてよい。例えば、PCellのRATがNRである場合、mobilityHistoryReportにはmobilityHi
storyReportEUTRAとmobilityHistoryReportNRとが要素として含まれてよい。この場合、mobilityHistoryReportEUTRAにVarMobilityHistoryReportEUTRAのエントリーを含め、mobilityHistoryReportNRにVarMobilityHistoryReportNRのエントリーを含める。さらに、端末装置2は、PCellがEUTRAのセルであれば、現在のセル(PCell)のセルグローバル識別子を、MobilityHistoryReportEUTRAのエントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdに含める。また、端末装置2は、PCellがNRのセルであれば、現在のセル(PCell)のセルグローバル識別子を、MobilityHistoryReportNRのエントリーのフィールドの一つであるvisitedCellIdに含める。このとき端末装置2は、mobilityHistoryReportEUTRAおよび/またはMobilityHistoryReportNRのサイズなどに基づき最も古いエントリーを削除してからエントリーを含めてもよい。
手順3:端末装置2は、PCellがEUTRAのセルであれば、MobilityHistoryReportEUTRAのエントリーのフィールドの一つであるtimeSpentに現在のセルで費やした時間の情報を含める。また、端末装置2は、PCellがNRのセルであれば、MobilityHistoryReportNRのエントリーのフィールドの一つであるtimeSpentに現在のセルで費やした時間の情報を含める。
手順4:UEInformationResponseメッセージを、SRB1またはSRB2を通じた送信のために下位レイヤに提出(submit)する。
また、手順1において、例えば、PCellのRATがNRである場合、mobilityHistoryReportReqが複数の値を持ち、例えば、mobilityHistoryReportにEUTRAの情報(mobilityHistoryReportEUTRA)を含めるか否かがmobilityHistoryReportReqによって示されてもよい。
次に、移動履歴情報が端末装置2に存在する(Availableである)ことを示す情報を基地局装置3に通知する仕組みについて説明する。
例1:NRを考慮してRRC接続時に端末装置2が基地局装置3に移動履歴情報が存在することを通知する手順を示す。
例えば、コネクション再確立(connection re−establishment)プロシージャにおいて、RRC接続セットアップメッセージを基地局装置3から受信した端末装置2は、受信したRRC接続セットアップメッセージに含まれる無線リソース個別設定(radioResourceConfigDedicated)に従い、無線リソースのコンフィグレーションプロシージャを実行する。さらに各種タイマーの停止などを行ない、RRC_CONNECTEDに入り、セル再選択プロシージャを停止する。そして現在のセルをPCellと判断する。さらに、RRC接続セットアップが完了したことを基地局装置3に示すメッセージ(RRCConnectionSetupCompleteメッセージ)のコンテンツとして、上位レイヤ(NAS層)から受け取った情報があればdedicatedInfoNASとして含め、端末装置2が移動履歴情報の蓄積をサポートしており、変数VarMobilityHistoryReportに移動履歴情報が存在している(Availableである)場合、移動履歴情報が存在している(Availableである)ことを示す情報(mobilityHistoryAvail)を含める。RRCConnectionSetupCompleteメッセー
ジにはその他の情報が含まれてよい。端末装置2は、送信のためにRRCConnectionSetupCompleteメッセージを下位層に提出(Submit)してプロシージャを終了する。また、上記例で、変数VarMobilityHistoryReportではなく、変数VarMobilityHistoryReportEUTRAと変数VarMobilityHistoryReportNRとが用いられている場合、何れかの変数に移動履歴情報が存在している(Availableである)場合、移動履歴情報が存在している(Availableである)ことを示す情報(mobilityHistoryAvail)を含めるようにしてもよい。
例2:NRを考慮してRRC接続時に端末装置2が基地局装置3に移動履歴情報が存在することを通知する手順を示す。
例えば、コネクション再確立(connection re−establishment)プロシージャにおいて、RRC接続セットアップメッセージを基地局装置3から受信した端末装置2は、受信したRRC接続セットアップメッセージに含まれる無線リソース個別設定(radioResourceConfigDedicated)に従い、無線リソースのコンフィグレーションプロシージャを実行する。さらに各種タイマーの停止などを行ない、RRC_CONNECTEDに入り、セル再選択プロシージャを停止する。そして現在のセルをPCellと判断する。さらに、RRC接続セットアップが完了したことを基地局装置3に示すメッセージ(RRCConnectionSetupCompleteメッセージ)のコンテンツとして、上位レイヤ(NAS層)から受け取った情報があればdedicatedInfoNASとして含め、端末装置2が移動履歴情報の蓄積をサポートしており、変数VarMobilityHistoryReportEUTRAに移動履歴情報が存在している(Availableである)場合、EUTRAの移動履歴情報が存在している(Availableである)ことを示す情報(mobilityHistoryAvail)を含める。さらに、端末装置2が移動履歴情報の蓄積をサポートしており、変数VarMobilityHistoryReportNRに移動履歴情報が存在している(Availableである)場合、NRの移動履歴情報が存在している(Availableである)ことを示す情報(mobilityHistoryAvail)を含める。RRCConnectionSetupCompleteメッセージにはその他の情報が含まれてよい。端末装置2は、送信のためにRRCConnectionSetupCompleteメッセージを下位層に提出(Submit)してプロシージャを終了する。
.
上記説明では、RRC接続セットアップ処理の例を説明したが、これに限らず、RRC接続再開(Resume)時の処理においても、RRC接続再開が完了したことを基地局装置3に示すメッセージ(RRCConnectionResumeCompleteメッセージ)のコンテンツとして、端末装置2が移動履歴情報の蓄積をサポートしており、変数VarMobilityHistoryReportに移動履歴情報が存在している(Availableである)場合、移動履歴情報が存在している(Availableである)ことを示す情報(mobilityHistoryAvail)を含めてよい。
.
また、上記説明のmobilityHistoryAvailに、SS/PBCHブロックのインデックス情報を蓄積しているか否かを示す情報が含まれてもよい。
移動履歴情報を通知する仕組みは、上記各プロシージャの何れかの例の組み合わせによって成り立ってもよいし、移動履歴情報を通知する仕組みの一部に、上記各プロシージャの何れかの例あるいはその組み合わせが用いられてもよい。
上記仕組みにより、例えば、端末装置2は、mobilityHistoryReportに含めるための情報をRAT毎に蓄積し、ネットワークの構成、バージョン、要求などに基づき、必要な情報を選択して通知することができる。例えば、基地局装置3がEN−DCをサポートするか否か、基地局装置3が5GCをサポートするか否かなどの情報に基づき、必要な情報を選択して通知することができる。ネットワークから明示的に必要とするRATの情報が通知あるいは報知されてもよいし、暗黙的に基地局装置3の構成に関する通知情報や報知情報などに基づき、必要な情報を選択して通知してもよい。また、端末装置2からネットワークに通知する端末能力情報(UE capability)に基づき、端末装置2が暗黙的に情報を選択して通知してもよい。
上記仕組みにより、例えば、端末装置2は、mobilityHistoryReportに含めるための情報を複数のRATを一塊として蓄積し、従来の移動履歴情報よりも多くの情報をネットワークに通知することができる。
上述の例では、移動履歴情報に含める情報として、セルグローバル識別子や物理セル識別子やSSB/PBCHブロックのインデックスやキャリア周波数などを用いたが、これに限定されなくてもよい。セルを同定するための情報として、例えば、GPS(Global Positioning System)等による位置情報やその他の識別子が含まれてもよい。また、移動履歴情報には、一つまたは複数のセルで構成されるRRC_IDLE状態の端末装置2の位置を把握するためのトラッキングエリア(TA:Tracking Area)や、一つまたは複数のセルで構成されるRRC_INACTIVE状態の端末装置2の位置を把握するためのRANエリア(RLA:RAN−based location area)の識別子情報が含まれてもよい。
.
また、上記メッセージやエントリーの構成は、上記説明の構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。
本発明の実施形態における装置の構成について説明する。
図2は、本実施形態の端末装置2の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、端末装置2は、無線送受信部20、および、上位層処理部24を含んで構成される。無線送受信部20は、アンテナ部21、RF(Radio Frequency)部22、および、ベースバンド部23を含んで構成される。上位層処理部24は、媒体アクセス制御層処理部25、および、無線リソース制御層処理部26を含んで構成される。また、上位層処理部24は、PDCP層の処理を行うPDCP層処理部、無線リンク制御層の処理を行う無線リンク制御層処理部を含んで構成されてもよい。無線送受信部20を送信部、受信部、または、物理層処理部とも称する。また様々な条件に基づき各部の動作を制御する制御部を別途備えてもよい。
上位層処理部24は、ユ−ザの操作等により生成された上りリンクデ−タ(トランスポートブロック)を、無線送受信部20に出力する。上位層処理部24は、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層、パケットデ−タ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control:RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)層の一部あるいはすべての処理を行なう。
上位層処理部24が備える媒体アクセス制御層処理部25は、媒体アクセス制御層の処
理を行う。媒体アクセス制御層処理部25は、無線リソース制御層処理部26によって管理されている各種設定情報/パラメータに基づいて、スケジュ−リングリクエストの伝送の制御を行う。
上位層処理部24が備える無線リソース制御層処理部26は、無線リソース制御層の処理を行う。無線リソース制御層処理部26は、自装置の各種設定情報/パラメータの管理をする。無線リソース制御層処理部26は、基地局装置3から受信した上位層の信号に基づいて各種設定情報/パラメータをセットする。すなわち、無線リソース制御層処理部26は、基地局装置3から受信した各種設定情報/パラメータを示す情報に基づいて各種設定情報/パラメータをセットする。
無線送受信部20は、変調、復調、符号化、復号化などの物理層の処理を行う。無線送受信部20は、基地局装置3から受信した信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部24に出力する。無線送受信部20は、デ−タを変調、符号化することによって送信信号を生成し、基地局装置3に送信する。
RF部22は、アンテナ部21を介して受信した信号を、直交復調によりベースバンド信号に変換し(ダウンコンバ−ト: down covert)、不要な周波数成分を除
去する。RF部22は、処理をしたアナログ信号をベースバンド部に出力する。
ベースバンド部23は、RF部22から入力されたアナログ信号を、アナログ信号をデジタル信号に変換する。ベースバンド部23は、変換したデジタル信号からCP(Cyclic
Prefix)に相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対して高速フ−リエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。
ベースバンド部23は、デ−タを逆高速フ−リエ変換(Inverse Fast Fourier Transform:IFFT)して、SC−FDMAシンボルを生成し、生成されたSC−FDMAシンボルにCPを付加し、ベースバンドのデジタル信号を生成し、ベースバンドのデジタル信号をアナログ信号に変換する。ベースバンド部23は、変換したアナログ信号をRF部22に出力する。
RF部22は、ロ−パスフィルタを用いてベースバンド部23から入力されたアナログ信号から余分な周波数成分を除去し、アナログ信号を搬送波周波数にアップコンバ−ト(up convert)し、アンテナ部21を介して送信する。また、RF部22は、電力を増幅する。また、RF部22は送信電力を制御する機能を備えてもよい。RF部22を送信電力制御部とも称する。
なお、端末装置2は、複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)またはセルの同一サブフレ−ム内での送受信処理をサポートするために各部の一部あるいはすべてを複数備える構成であってもよい。
図3は、本実施形態の基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、基地局装置3は、無線送受信部30、および、上位層処理部34を含んで構成される。無線送受信部30は、アンテナ部31、RF部32、および、ベースバンド部33を含んで構成される。上位層処理部34は、媒体アクセス制御層処理部35、および、無線リソース制御層処理部36を含んで構成される。無線送受信部30を送信部、受信部、または、物理層処理部とも称する。また様々な条件に基づき各部の動作を制御する制御部を別途備えてもよい。
上位層処理部34は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデ−タ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control:RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource
Control:RRC)層の一部あるいはすべての処理を行なう。
上位層処理部34が備える媒体アクセス制御層処理部35は、媒体アクセス制御層の処理を行う。媒体アクセス制御層処理部35は、無線リソース制御層処理部36によって管理されている各種設定情報/パラメータに基づいて、スケジュ−リングリクエストに関する処理を行う。
上位層処理部34が備える無線リソース制御層処理部36は、無線リソース制御層の処理を行う。無線リソース制御層処理部36は、物理下りリンク共用チャネルに配置される下りリンクデ−タ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション、RRCメッセージ、MAC CE(Control Element)などを生成し、又は上位ノ−ドから取得し、無線送受信部30に出力する。また、無線リソース制御層処理部36は、端末装置2各々の各種設定情報/パラメータの管理をする。無線リソース制御層処理部36は、上位層の信号を介して端末装置2各々に対して各種設定情報/パラメータをセットしてもよい。すなわち、無線リソース制御層処理部36は、各種設定情報/パラメータを示す情報を送信/報知する。
無線送受信部30の機能は、無線送受信部20と同様であるため説明を省略する。なお、基地局装置3が1または複数の送受信点4と接続している場合、無線送受信部30の機能の一部あるいは全部が、各送受信点4に含まれてもよい。
また、上位層処理部34は、基地局装置3間あるいは上位のネットワーク装置(MME、S−GW(Serving−GW))と基地局装置3との間の制御メッセージ、またはユーザデータの送信(転送)または受信を行なう。図3において、その他の基地局装置3の構成要素や、構成要素間のデ−タ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、基地局装置3として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御層処理部36の上位には、無線リソース管理(Radio Resource Management)層処理部や、アプリケ−ション層処理部が存在している。
なお、図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなど用語によっても表現される、端末装置2および基地局装置3の機能および各手順を実現する要素である。また、図中の各「部」は、図示しない様々な処理部および/または制御部を含んでもよい。
端末装置2が備える符号20から符号26が付された部のそれぞれは、回路として構成されてもよい。基地局装置3が備える符号30から符号36が付された部のそれぞれは、回路として構成されてもよい。
本発明の実施形態における、端末装置2および基地局装置3の種々の態様について説明する。
(1)本発明の第1の態様は、端末装置であって、基地局装置から移動履歴情報を要求するメッセージを受信する受信部と、前記メッセージに基づき、移動履歴情報を前記基地局装置に通知する送信部とを備え、前記移動履歴情報は、第1の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第1の識別子情報)を含むリストと、第2の無線アクセス技術のセルの識
別子情報(第2の識別子情報)を含むリストとが含まれ、前記移動履歴情報は、前記端末装置が訪れたセルおよび/またはネットワーク外での滞在を一つのエントリーとして、有限個の前記エントリーの滞在時間情報を含む情報である。
(2)本発明の第2の態様は、基地局装置であって、端末装置に移動履歴情報を要求するメッセージを送信する送信部と、移動履歴情報を前記端末装置から受信する受信部とを備え、前記移動履歴情報は、第1の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第1の識別子情報)を含むリストと、第2の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第2の識別子情報)を含むリストとが含まれ、前記移動履歴情報は、前記端末装置が訪れたセルおよび/またはネットワーク外での滞在を一つのエントリーとして、有限個の前記エントリーの滞在時間情報を含む情報である。
(3)本発明の第3の態様は、端末装置に適用される通信方法であって、基地局装置から移動履歴情報を要求するメッセージを受信するステップと、前記メッセージに基づき、移動履歴情報を前記基地局装置に通知するステップとを含み、前記移動履歴情報として、第1の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第1の識別子情報)を含むリストと、第2の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第2の識別子情報)を含むリストとが含まれ、前記移動履歴情報は、前記端末装置が訪れたセルおよび/またはネットワーク外での滞在を一つのエントリーとして、有限個の前記エントリーの滞在時間情報を含む情報である。
(4)本発明の第4の態様は、基地局装置に適用される通信方法であって、端末装置に移動履歴情報を要求するメッセージを送信するステップと、移動履歴情報を前記端末装置から受信するステップとを含み、前記移動履歴情報は、第1の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第1の識別子情報)を含むリストと、第2の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第2の識別子情報)を含むリストとが含まれ、前記移動履歴情報は、前記端末装置が訪れたセルおよび/またはネットワーク外での滞在を一つのエントリーとして、有限個の前記エントリーの滞在時間情報を含む情報である。
(5)本発明の第5の態様は、端末装置に実装される集積回路であって、基地局装置から移動履歴情報を要求するメッセージを受信する機能と、前記メッセージに基づき、移動履歴情報を前記基地局装置に通知する機能とを前記端末装置に対して発揮させ、前記移動履歴情報は、第1の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第1の識別子情報)を含むリストと、第2の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第2の識別子情報)を含むリストとが含まれ、前記移動履歴情報は、前記端末装置が訪れたセルおよび/またはネットワーク外での滞在を一つのエントリーとして、有限個の前記エントリーの滞在時間情報を含む情報である。
(6)本発明の第6の態様は、基地局装置に実装される集積回路であって、端末装置に移動履歴情報を要求するメッセージを送信する機能と、移動履歴情報を前記端末装置から受信する機能とを前記基地局装置に対して発揮させ、前記移動履歴情報は、第1の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第1の識別子情報)を含むリストと、第2の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第2の識別子情報)を含むリストとが含まれ、前記移動履歴情報は、前記端末装置が訪れたセルおよび/またはネットワーク外での滞在を一つのエントリーとして、有限個の前記エントリーの滞在時間情報を含む情報である。
(7)本発明の第7の態様は、端末装置であって、基地局装置から移動履歴情報を要求するメッセージを受信する受信部と、前記メッセージに基づき、移動履歴情報を前記基地局装置に通知する送信部とを備え、前記移動履歴情報として、前記メッセージに基づいて、第1の無線アクセス技術のセルの識別子情報および第2の無線アクセス技術のセルの識別子情報を含む移動履歴情報を通知するか、セルの識別子情報として第1の無線アクセス
技術のセルの識別子情報のみを含む移動履歴情報(第2の移動履歴情報)を通知するかを決定する。
(8)本発明の第8の態様は、端末装置であって、移動履歴情報があること示す情報(第1の情報)を基地局装置に通知する送信部と、前記第1の情報として、セルの識別子の情報として、第1の無線アクセス技術のセルおよび第2の無線アクセス技術のセルに関する有効な情報があることを示す情報と、第1の無線アクセス技術のセルに関する有効な情報があることを示す情報の何れかを選択する処理部とを備える。
(9)本発明の第9の態様は、端末装置であって、基地局装置から移動履歴情報を要求するメッセージを受信する受信部と、前記メッセージに基づき、移動履歴情報を前記基地局装置に通知する送信部とを備え、前記移動履歴情報として、第1の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第1の識別子情報)と、第1の無線アクセス技術とは異なる無線アクセス技術(第2の無線アクセス技術)の抽象構文記法1でエンコードされる第2の無線アクセス技術のセルの識別子情報(第2の識別子情報)とを含む移動履歴情報を通知し、前記第2の識別子情報には、一つにセルにおいて報知される複数の識別子情報(第3の識別子情報)の1つまたは複数が含まれる。
これにより、端末装置2および基地局装置3は、効率的に通信を行うことができる。
なお、以上説明した実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な変形例、置換例を用いて実現することができる。例えば、上りリンク送信方式は、FDD(周波数分割復信)方式とTDD(時分割復信)方式のどちらの通信システムに対しても適用可能である。また、実施形態で示される各パラメータや各イベントの名称は、説明の便宜上呼称しているものであって、実際に適用される名称と本発明の実施形態の名称とが異なっていても、本発明の実施形態において主張する発明の趣旨に影響するものではない。
また、各実施形態で用いた「接続」とは、ある装置と別のある装置とを、物理的な回線を用いて直接接続される構成にだけ限定されるわけではなく、論理的に接続される構成や、無線技術を用いて無線接続される構成を含む。
端末装置2は、ユ−ザ端末、移動局装置、通信端末、移動機、端末、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)とも称される。基地局装置3は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(NodeB)、eNB(evolved NodeB)、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)、NR NB(NR NodeB)、NNB、TRP(Transmission and Reception Point)、gNB(next generation Node B)とも称される。
本発明に関わる基地局装置3は、複数の装置から構成される集合体(装置グループ)として実現することもできる。装置グループを構成する装置の各々は、上述した実施形態に関わる基地局装置3の各機能または各機能ブロックの一部、または、全部を備えてもよい。装置グループとして、基地局装置3の一通りの各機能または各機能ブロックを有していればよい。また、上述した実施形態に関わる端末装置2は、集合体としての基地局装置3と通信することも可能である。
また、上述した実施形態における基地局装置3は、EUTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)であってもよいし、あるいは次世代コアネットワーク(NextGen Core)、または5GC(5G Core Network)であってもよい。また、上述した実
施形態における基地局装置3は、eNodeBに対する上位ノ−ドの機能の一部または全部を有してもよい。
本発明に関わる装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上述した実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュ−タを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、処理時に一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリに読み込まれ、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
なお、上述した実施形態における装置の一部、をコンピュ−タで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュ−タが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュ−タシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。ここでいう「コンピュ−タシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュ−タシステムであって、オペレ−ティングシステムや周辺機器等のハ−ドウェアを含むものとする。また、「コンピュ−タが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体等のいずれであってもよい。
さらに「コンピュ−タが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュ−タシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュ−タシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、すなわち典型的には集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントロ−ラ、マイクロコントロ−ラ、またはステ−トマシンであってもよい。汎用用途プロセッサ、または前述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形
態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。