JP2019186521A - 有機発光素子、表示装置、撮像装置および照明装置 - Google Patents

有機発光素子、表示装置、撮像装置および照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 発光効率が高く、連続駆動寿命が長い有機発光素子を得ることができる。【解決手段】 本発明は、第一電極2と、第一発光層4と、第二電極7とを有し、前記第一発光層は第一ホスト材料と、第一ドーパント材料とを有し、前記第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギー(H1)は、前記第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギー(D1)よりも高い有機発光素子であって、前記第一発光層の重量を100wt%とした場合に、前記第一ドーパントの濃度が、0.3wt%以下であることを特徴とする有機発光素子を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は有機発光素子、表示装置、撮像装置および照明装置に関する。
有機発光素子は、陽極と陰極間に発光性有機化合物を含む薄膜を設置させて、電極間に電圧を印加し、正孔および電子を注入することにより駆動する。この正孔と電子が素子内で再結合し、有機化合物の励起状態(励起子)が基底状態にもどる際に放射される光を利用する。
有機発光素子における最近の進歩は著しく、その特徴は低印加電圧での高輝度、発光波長の多様性、高速応答性、薄型、軽量の発光デバイス化が可能であることから、広汎な用途の開発が行われている。
有機発光素子を用いたフルカラーディスプレイが知られている。その方式には、発光層を画素(素子)ごとに作り分けることで、それぞれ異なる発光色を発光させる方式、白色発光の発光層を有し、カラーフィルタを用いて画素ごとに異なる発光色を取り出す方式等がある。白色の発光層に関しては、二種類以上の発光材料を用い、二つ層以上の発光層を用いることが知られている。
特許文献1には、二つの発光層を積層し、陰極側の発光層に青色発光のドーパント、陽極側の発光層に0.5wt%の赤色発光のドーパントと緑色発光のドーパントを有する有機発光素子が記載されている。
特許文献2には、一つの発光層に、0.3wt%の水色発光のドーパントと0.3wt%の黄色発光のドーパントを有する有機発光素子が記載されている。
特開2014−022205号公報 特開2008−270557号公報
X.Y.Zheng et al.,"A White OLED based on DPVBi blue light emitting host and DCJTB red dopant",Displays,2003,Volume24,3,p.121−124
特許文献1の有機発光素子は、赤色発光のドーパント濃度が高いので、ドーパントでの励起子の失活が起こりやすく、発光効率においてさらなる改善が望まれる。
特許文献2の有機発光素子は、水色発光のドーパントと黄色発光のドーパントが、同層に含まれるために、水色発光ドーパントと同層にある黄色発光ドーパントに励起子がトラップされやすい。そのため、水色発光ドーパントの層に存在する励起子の濃度が相対的に低くならないので、材料劣化が起こりやすく、連続駆動寿命を実用上十分とすることはできなかった。
本発明の目的は、発光効率が高く、駆動寿命が長い有機発光素子を提供することである。
本発明は、第一電極と、第一発光層と、第二電極とをこの順で有し、前記第一発光層は第一ホスト材料と、第一ドーパント材料とを有し、前記第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギーは、前記第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーよりも高い有機発光素子であって、前記第一発光層の重量を100wt%とした場合に、前記第一ドーパントの濃度が、0.3wt%以下であることを特徴とする有機発光素子を提供する。
本発明によれば、発光効率が高く、駆動寿命が長い有機発光素子を提供できる。
本発明の一実施形態を表す概略断面図である。 本発明の一実施形態を説明する模式図である。 本発明の一実施形態を説明する模式図である。 有機発光素子の材料劣化機構を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に係る有機発光素子を用いた表示装置の一例の概略断面図である。 TTA発光割合のデータ解析結果を表す図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。(b)折り曲げ可能な表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る照明装置の一例を示す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る車両用灯具を有する自動車の一例を示す模式図である。
本発明の一実施形態に係る有機発光素子は、第一電極と、第一発光層と、第二電極とをこの順で有し、前記第一発光層は第一ホスト材料と、第一ドーパント材料とを有し、前記第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギーは、前記第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーよりも高い有機発光素子であって、前記第一発光層の重量を100wt%とした場合に、前記第一ドーパントの濃度が、0.3wt%以下であることを特徴とする有機発光素子である。
第一ドーパント材料の最低三重項エネルギーが、ホスト材料の最低励起三重項エネルギーよりも小さい場合、有機発光素子が長寿命化する傾向があるものの、Triplet−Triplet Annihiration(以下、TTA)による発光効率の向上の効果が小さい。
本実施形態では、第一ドーパントの最低励起三重項エネルギーが、ホスト材料の最低励起三重項エネルギーよりも小さい場合、第一ドーパント材料にトラップされる最低励起三重項エネルギーを第一ドーパント材料の濃度で制御する。これにより、有機発光素子が長寿命であることと、TTAによる発光効率の向上を両立できる。
本実施形態において、第一発光層における第一ドーパント材料の重量比を適切に設定することが、TTAの効率を上げることにつながる。TTAとは、二つの三重項励起子同士が衝突することによる一重項励起子の生成現象である。蛍光を発する有機発光素子において、発光効率が高い有機発光素子を得るためには、TTAによる発光を効率良く生み出すことが好ましい。TTAは発光層における主成分を占めるホスト材料において三重項励起子が衝突することで起こる。しかし、ドーパント材料の最低三重項エネルギーがホスト材料の最低励起三重項エネルギーよりも小さい場合には、最低励起三重項エネルギーがドーパント材料にトラップされやすいので、ホスト材料におけるTTAの発生を妨げる可能性がある。
第一ドーパント材料の重量比が0.3wt%以下である場合、適度に第一ドーパント材料にトラップされない三重項励起子が生じ、その結果、効率よくTTAを起こすことを見出した。これよりも第一ドーパント材料の重量比が大きい場合は、第一ドーパント材料に三重項励起子がトラップされる確率が著しく上がり、TTAの効率が低下する。
図1は本発明の一実施形態を示す断面模式図である。図1(a)は、基板1の上に、陽極2、正孔輸送層3、第一発光層4、電子輸送層6、陰極7を、基板側からこの順で有する。第一発光層は第一ドーパントを有し、その重量比は、第一発光層の重量を100wt%とした場合に、0.3wt%以下である。
図1(b)は、基板1上に陽極2、正孔輸送層3、第一発光層4、第二発光層5、電子輸送層6、陰極7を、基板側からこの順で有する。第一電極は陽極であっても、陰極であってもよい。第一発光層4と第二発光層5は、異なる発光色のドーパントをそれぞれ有する。本発明は係る構成に限定されず、正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子注入層、を有してよい。正孔注入層は、陽極2と正孔輸送層3との間に配置されてよい。電子ブロック層は、正孔輸送層3と第2の発光層4との間に配置されてよい。
正孔ブロック層は、第一発光層5と電子輸送層6との間に配置されてよい。電子注入層は、電子輸送層6と陰極7との間に配置されてよい。これら正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子注入層は本発明において必要に応じて適宜用いられる。
有機化合物層のエネルギーは、その重量比を多く占める材料によって決められる。一材料であれば、その材料の物性であり、複数材料であれば、最も重量比が大きい材料の物性である。1:1の場合は、その平均値であってよい。
本実施形態に係る有機発光素子において、第一発光層は、第一ホスト材料と第一ドーパント材料を有する発光層である。また、第二発光層は、第二ホスト材料と第二ドーパント材料を有する発光層である。第一発光層と第二発光層は接していてよい。
本実施形態に係る有機発光素子において、第一ホスト材料は、第一発光層において、最も重量比が大きい材料である。第二ホスト材料は、第二発光層において、最も重量比が大きい材料である。また、ホスト材料は、発光層の基質の材料であるということもできる。
第一ドーパント材料は第二ドーパント材料よりもエネルギーギャップが小さい材料であってよい。すなわち、第一ドーパント材料の発光波長は、第二ドーパント材料の発光波長よりも長い。
本実施形態に係る有機発光素子において、第一ドーパント材料は、発光層において最も長波長な光を発する発光材料であってよい。第二ドーパント材料は、発光層において最も短波長な光を発する発光材料であってよい。この場合、短波長の光を発光する第二発光層の方が劣化しやすいので、第二ドーパントの最低励起三重項エネルギーは、第一ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高いことが好ましい。第二発光層の三重項励起子の密度を低下させ、第一発光層に三重項励起子を留めることとなるため、素子寿命を長くすることができる。発光材料とは、光を発する材料のことである。第一ドーパント材料、第二ドーパント材料は発光材料であってよい。発光材料の発光波長の長短の比較は、発光材料の発光スペクトルにおける最も強度の大きいピークの波長を用いて行ってよい。
本実施形態に係る有機発光素子の発光材料は、蛍光を発する発光材料であってよい。TTAにより三重項励起子から発生した一重項励起子を発光させるからである。
第一ホスト材料の最低励起三項エネルギーT1(H1)と第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーT1(D1)との差が、0.3eV以下であってもよい。当該差が0.3eV以下である場合は、第一ドーパント材料にトラップされる最低励起三重項エネルギーが少なくなるので、第一ホスト材料に最低励起三重項エネルギーが存在しやすい。その結果、TTA効率が向上するので好ましい。
一方で、本実施形態に係る有機発光素子は、第一ホスト材料の最低励起三項エネルギーT1(H1)と第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーT1(D1)が、下記の式(1)の関係を満たすことが好ましい。
T1(H1)−T1(D1)≧0.3eV (1)
すなわち、第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギーと、第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーとの差が0.3eV以上であってよい。これによって、有機発光素子の素子寿命が長いという効果がある。第一発光層よりも短波長発光のドーパントを有する第二発光層は、第一発光層より材料劣化しやすいため、三重項励起子の密度を低下させることが好ましい。式(1)のエネルギー関係とすることで、三重項励起子を第一発光層に留め、第二発光層の三重項励起子密度を低下させることができる。
本実施形態に係る有機発光素子は、赤色発光材料、緑色発光材料、青色発光材料を有する白色有機発光素子であってよい。この場合、赤色発光材料が第一ドーパント材料であり、青色発光材料が第二ドーパント材料であってよい。また、本実施形態に係る有機発光素子は、補色関係の二種類の発光材料を有する白色有機発光素子であってよい。例えば、黄色発光材料が第一ドーパント材料で、水色発光材料が第二ドーパント材料である。
図2は、本実施形態に係る有機発光素子の第一発光層および第二発光層における三重項エネルギー移動を表す図である。第一ホスト材料から第二ドーパントまでの三重項エネルギー移動を表している。以下三重項エネルギー、三重項励起子等と呼ぶことがあるが同じものを指す。
三重項励起子は隣接分子間をデクスター型のエネルギー移動を繰り返しながら、発光層中を移動するため、発光層中に離散的に配置されたドーパント材料間を移動することはできない。したがって、ホスト材料を移動することになる。
図2において、第二ホスト材料に発生した三重項励起子は、第一ホスト材料に移動し、TTAを経て一重項励起子になるもの(図2中のTTA)と、第一ドーパント材料に移動するもの(図2中のET2)とに分かれる。本実施形態においては、第一ドーパントの重量比が0.3wt%以下であり、第一ドーパント材料へ移動する三重項励起子が少ないので、ET2の量が減り、TTAを経て一重項励起子になるものを多くすることができる。すなわち、第一発光層の発光効率を高めることができる。
有機発光素子における発光層が第一発光層のみであれば、第一ドーパント材料の重量比を調整することで発光効率の向上を得ることができる。
本実施形態に係る有機発光素子の第一ドーパント材料は、蛍光発光材料であることが好ましい。燐光発光材料を用いる場合、ドーパント材料の三重項励起子が発光などで消費され、図2中のET2が大きくなるからである。発光で三重項励起子が消費されると、ホストの三重項励起子がドーパント材料に移動する量、すなわち、ET2が大きくなる。その結果、ホストの三重項励起子が少なくなり、TTAに寄与する三重項励起子が減少する。したがって、第一発光層の発光効率を向上させるためには、第一ドーパント材料は、蛍光発光材料であることが好ましい。
また、燐光発光材料を有する有機発光素子よりも、蛍光発光材料を有する有機発光素子の方が、素子寿命が長いことも、第一ドーパント材料は蛍光発光材料であることが好ましい理由である。さらに好ましくは、発光層中の発光材料は全て蛍光発光材料であることである。
一方、発光層が第一発光層と第二発光層とを有する場合は、第二ホスト材料から、第一ホスト材料へ三重項励起子が移動しやすいよう構成することが好ましい。第二ホスト材料から第一ホスト材料へのエネルギー障壁がなければ、図2のET1に示すように、第二ホスト材料から第一ホスト材料へ円滑に移動できる。したがって、第二発光層から第一発光層への経路にエネルギー障壁がないことが好ましい。
エネルギー障壁とは、移動しようとするエネルギー状態が、移動前よりも高い状態を指す。有機発光素子において、エネルギー障壁がある構成は、第二発光層よりも最低励起三重項エネルギーが高い層が存在する場合があげられる。第二発光層からの三重項エネルギーのエネルギー障壁としては、第一発光層との間に配置される、中間層があげられる。エネルギー障壁が存在する場合であっても、当該エネルギー障壁が小さいものであれば、例えば0.3eV未満、エネルギー障壁を有してもよい。
より好ましくは、エネルギー障壁がないことが好ましい。具体的には、これによって、第二ホスト材料から、第一ホスト材料へ三重項励起子がより円滑に移動しやすい。すなわち、本実施形態に係る有機発光素子は、第一発光層から第二発光層までの領域に含まれている各層の主成分の材料の最低励起三重項エネルギーが、各層の第二電極側に隣接する層の主成分の材料の最低励起三重項エネルギー以下であることが好ましい。有機化合物層の主成分の材料とは、当該有機化合物層の中で最も重量比が大きい材料であり、有機化合物層が発光層であればホスト材料である。有機化合物層の材料の重量比が1:1の場合は、その平均値の最低励起三重項エネルギーを、当該有機化合物層の最低励起三重項エネルギーとする。これによって、第二発光層から第一発光層への三重項励起子の移動が円滑に行なわれるため、長い連続駆動寿命を実現することができる。
本実施形態に係る有機発光素子は、第二ホスト材料の最低励起三重項エネルギーは、第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギーよりも高いことが好ましい。これによって、第二ホスト材料から第一ホスト材料へ移動した三重項励起子が、第二ホスト材料へ戻る際のエネルギー障壁となるため、第二発光層の三重項励起子密度が低下しやすくなるため、長い連続駆動寿命を実現することができる。
本実施形態に係る有機発光素子は、第一発光層と第二発光層が接していることが好ましい。これによって、第二発光層から第一発光層へ三重項励起子を円滑に移動させることができ、長い連続駆動寿命を実現することができる。
本実施形態に係る有機発光素子は、第一ホスト材料と第二ホスト材料とが同一材料であることが好ましい。同一材料間における三重項励起子の移動効率は、異種材料間における三重項励起子の移動効率に比べて優れているからである。第二発光層から第一発光層へ三重項励起子を円滑に移動させることで、長い連続駆動寿命を実現することができる。
本実施形態に係る有機発光素子は、第二電極から第一電極に向かう方向において、最低励起三重項のエネルギー移動経路を有してよい。これは第二発光層の最低励起三重項エネルギーがエネルギー移動により、第一ドーパント材料まで到達しやすいことを表している。第二発光層から第一ドーパント材料まで最低励起三重項のエネルギー障壁がないと言い換えてもよい。
第二発光層から第一ドーパント材料まで移動する場合に、0.3eV以内であれば、移動後のエネルギーが高い場合、すなわちエネルギー障壁、があってもよい。0.3eV以内の小さいエネルギー障壁は、エネルギー移動を大きく阻害しない。
また、第二発光層から第一発光層までの領域において、第一ドーパント材料が、最低励起三重項エネルギーが最も小さい有機化合物であることが好ましい。第一ドーパント材料よりも最低励起三重項エネルギーが高い有機化合物が存在する場合よりも、エネルギー移動の効率が高いからである。
0.3eV未満のエネルギー障壁がある場合であっても、エネルギー経路が存在するといってよい。
第一発光層と、第二発光層とは、互いに接していてもよいし、他の層を間に配置されていてもよい。他の層とは、発光層の中間層、エネルギー移動抑制層等と呼ばれる層が挙げられる。エネルギー移動抑制層等が存在する場合であっても、最低励起三重項エネルギーは第二発光層から第一ドーパント材料まで移動することができるよう層を構成してよい。
図3は、第二発光層から第一発光層へのエネルギー移動を表す図である。図3(a)は、第一発光層と第二発光層とが接している例である。図3(a)では、第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギーT1(H1)と第二ホスト材料の最低励起三重項エネルギーT1(H2)が、以下の式(2)の関係を満たす。
T1(H1)≦T1(H2) (2)
式(2)を満たすことで、第二発光層から第一発光層へ最低励起三重項エネルギーが移動しやすい。その結果、構成材料が劣化しやすい第二発光層の三重項励起子密度が低下するため、素子寿命を長くすることができる。また、第一発光層でのTTAにより、発光効率を向上することができる。
図3(b)では、第一発光層と第二発光層の間に配置されている中間層が記載されている。この中間層のホスト材料の最低励起三重項エネルギーT1(HM)と、T1(H1)と、T1(H2)と、の関係が、以下の式(3)満たす。
T1(H1)≦T1(HM)≦T1(H2) (3)
本実施形態に係る有機発光素子は、複数の中間層を有してもよい。複数の中間層を有する場合であっても、第二発光層から第一発光層への最低三重項エネルギーのエネルギー経路を有する。すなわち、各中間層の最低励起三重項エネルギーは、その中間層の第二発光層側に隣接する層の最低励起三重項エネルギー以下であり、かつ第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギー以上である。中間層は発光層であっても、電荷輸送層などであってもよい。中間層は、第一ホスト材料または第二ホスト材料と同じ材料でもよいし、他の材料であってもよい。
本実施形態に係る有機発光素子は、以上のような構成とすることで、長い連続駆動寿命を実現することができる。第二発光層から第一発光層への三重項励起子の移動が円滑に行なわれ、尚且つ、第一発光層では第一ホスト材料に三重項励起子が多く存在するからである。これは、第一ドーパント材料の重量比が小さいため、第一ドーパント材料にトラップされる三重項励起子が少ないためである。その結果、第一ホスト材料において、TTAが起こりやすく、有機発光素子の発光効率が高いという効果を奏することができる。
本実施形態に係る有機発光素子において、第二ホスト材料の最低励起三項エネルギーT1(H2)と第二ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーT1(D2)が、式(4)の関係を満たすことが好ましい。
T1(H2)≦T1(D2) (4)
これによって、第二発光層において第二ドーパント材料に三重項励起子がトラップされることが少なくなる。さらに式(2)を満たすことで、第一発光層に三重項励起子が円滑に移動しやすくなる。
本実施形態に係る有機発光素子において、第一発光層が第三ドーパント材料を有し、第一ホスト材料の最低励起三項エネルギーT1(H1)と第三ドーパント材料の最低励起三項エネルギーT1(D3)が、式(5)の関係を満たすことが好ましい。また第三ドーパント材料が第二発光層に含まれる場合は、第二発光層についても同様の関係を満たすことが好ましい。同様の関係とは、具体的には下記式(6)を満たすことである。
0eV<T1(H1)−T1(D3)<0.3eV (5)
0eV<T1(H2)−T1(D3)<0.3eV (6)
式(5)を満たす場合、T1(D3)はT1(H1)よりもエネルギーが低いため、第一発光層に三重項励起子を留まらせるのに有効である。第三ドーパント材料の三重項励起子はホスト材料に移動可能な程度のエネルギーである。三重項励起子は、第三ドーパントにトラップされにくいため、TTAは効率的に起こすことができる。式(6)についても同じ効果がいえる。これによって、発光効率を損なうことなく、連続駆動寿命を長くすることができる。
本実施形態に係る有機発光層素子において、発光層を構成する材料は最低励起一重項エネルギーと最低励起三重項エネルギーの差が0.2eV以上であることが好ましい。この場合、最低励起三重項状態から、最低励起一重項状態への熱励起による項間交差を抑制することができる。熱励起による項間交差を経る発光を熱活性型遅延蛍光と呼ぶ。
有機発光素子で用いられる一般的な蛍光の発光寿命はナノ秒オーダーであるのに対し、熱活性型遅延蛍光の発光寿命はマイクロ秒オーダーである。そのため、発光ドーパントの一重項励起子のエネルギーが、発光として放出する前に、近傍のホスト分子の三重項励起子にエネルギー移動する。そして、最低励起三重項エネルギーよりも高次のエネルギーTn(H)を有する三重項励起子が形成されることで、有機分子の単結合の開裂を引き起こしやすい。
また、熱活性型遅延蛍光材料は最低励起三重項エネルギーを高く設定する必要があるため、その点においても、高次のエネルギーTn(H)経由の劣化が促進されやすい。
本実施形態に係る有機発光素子において、第一ホスト材料と第二ホスト材料が同一材料であることが好ましい。これによって、第一発光層から第二発光層へ三重項励起子が円滑に移動することができ、より連続駆動寿命の長い有機発光素子を提供できる。
本実施形態に係る有機発光素子は、第一ドーパント材料の重量比が0.05wt%以上であることが好ましい。0.05wt%未満の場合は、ドープ濃度が低すぎて、第一ホスト材料から、第一ドーパント材料への一重項励起子のフェルスター型のエネルギー移動が効率よく起こらず、第一ドーパント材料の発光強度が著しく低下する場合がある。
非特許文献1には、ホスト材料のDPVBiに、赤色発光材料としてDCJTBを混合した発光層を有する有機発光素子の発光スペクトルを示している。赤色発光材料を0.08wt%とした場合には、赤色発光材料由来の発光ピークは確認できるが、赤色発光材料を0.03wt%の場合には、赤色発光材料由来の発光強度が著しく低下し、発光ピークが確認できなかったことが記載されている。
よって、本実施形態に係る有機発光素子は、第一ドーパント材料の濃度が、0.05wt%以上0.30wt%以下であることが好ましい。これによって、連続駆動寿命と発光効率を両立した有機発光素子を提供することができる。
本発明一実施形態に係る有機発光素子が有する第一ホスト材料は、低分子有機化合物であることが好ましい。有機化合物は分子によって低分子、オリゴマー分子、高分子に大別されるが、高分子とオリゴマー分子は国際純正応用化学連合(IUPAC)高分子命名法委員会が以下の様に定義している。
高分子、ポリマー分子(macromolecule,polymer molecule):分子質量の大きい分子で、相対分子質量の小さい分子から実質的又は概念的に得られる単位の多数回の繰返しで構成された構造をもつものをいう。
オリゴマー分子(oligomer molecule):中程度の大きさの相対分子質量をもつ分子で、相対分子質量の小さい分子から実質的又は概念的に得られる単位の少数回の繰返しで構成された構造をもつものをいう。
低分子有機化合物であるとは、上記高分子、ポリマー分子、オリゴマー分子の定義にあてはまらない分子であるということである。即ち、繰り返し単位の繰り返し数が少数回、好ましくは3以下、より好ましくは1である分子である。
また、高分子には主に化学合成して得られる合成高分子と、自然界に存在する天然高分子とがある。天然高分子には分子量が単分散の高分子が存在するが、合成高分子は、一般的に繰り返し単位の違いによる分子量の分散性を有する。一方、有機低分子化合物は天然に存在せず、合成して得られる分子であるが、繰り返し単位の違いによる分子量の分散性は有さない。
このような分散性の有無は、有機発光素子の発光層に用いた場合に、重要な違いを生じる。分散性を有する高分子化合物を発光層に用いると、発光層に含まれる化合物の最低励起三重項エネルギーの状態密度のエネルギー的な広がりが大きくなり、三重項励起子の発光層における制御が行いにくくなってしまい、効果が小さくなると考えられる。
また、本発明の一実施形態に係る有機発光素子の発光層は全て低分子有機化合物で構成されることがさらに好ましい。
本実施形態に係る有機発光素子において、第二ドーパント材料は、炭化水素化合物であることが好ましい。炭化水素化合物とは、炭素と水素で構成された化合物である。一般的に炭化水素化合物は、単結合の結合エネルギー高く、結合開裂劣化しにくい材料である。例えば、芳香族炭化水素同士のC原子−C原子の単結合(C−C単結合)や芳香族炭化水素とアルキル基のC−C単結合の解離に必要な解離エネルギーはおよそ4〜5eVである。反対に、例えば、アミノ基と芳香族炭化水素のC原子−N原子の単結合(C−N単結合)や複素環と芳香族炭化水素のようなC−N単結合の解離エネルギーは3〜4eV程度である。C−N単結合は、C−C単結合と比較して解離エネルギーが小さいため、励起状態を経由して結合が解離しやすい。
本実施形態に係る第一ドーパントは最低励起三重項エネルギーが低く、第一ホスト材料に比べて劣化しにくいが、三重項励起子をトラップした際、近隣分子からエネルギー移動を受け、高次の励起三重項状態となる可能性がある。よって、第一ドーパント材料を炭化水素化合物とすることで、より連続駆動寿命の長い有機発光素子を提供できる。
本実施形態に係る有機発光素子において、第二ドーパント材料が青色発光材料である場合、アミノ基や芳香族炭化水素と複素環同士のC−N単結合を分子中に含まない炭化水素化合物であることがより好ましい。第一ドーパント材料は、第一ホスト材料と比較して励起状態を経由した劣化の寄与は小さいと考えられるが、C−N単結合を含むと、最低励起一重項状態になっただけで結合開裂してしまう可能性があるためである。
本発明において、第二ドーパント材料は青色発光材料、第一ドーパント材料は赤色発光材料、第三ドーパント材料は緑色発光材料であることが好ましい。これによって、良好な白色を表示する有機発光素子を提供することができる。尚、本明細書においては、青色発光材料は、発光スペクトルの最大ピーク波長が430nm乃至480nmの発光材料をさす。また、緑色発光材料とは、発光スペクトルの最大ピーク波長が500nm乃至570nmの発光材料を、赤色発光材料とは、発光スペクトルの最大ピーク波長が580nm乃至680nmのものをそれぞれさす。最大ピーク波長は、スペクトルのうち、最も短波長のピーク波長ということもできる。
最低励起一重項エネルギーの測定は、可視光−紫外吸収スペクトルから求めることができる。最低励起一重項エネルギーを測定することは、エネルギーギャップを測定することである。本実施形態においては、ガラス基板上に成膜した薄膜の吸収端から求めることができる。装置は例えば、日立製分光光度計U−3010を用いることができる。
最高被占有軌道(HOMO)エネルギーは、大気下光電子分光法(測定器名AC−2 理研機器製)を用いてイオン化ポテンシャルを測定することができる。
最低非占有軌道(LUMO)エネルギーはエネルギーギャップ測定値と上記イオン化ポテンシャルから算出することができる。すなわち、電子親和力=イオン化ポテンシャル−エネルギーギャップである。
最低励起三重項エネルギーは、対象となる有機材料の燐光スペクトルから求めることが可能である。具体的には、液体窒素温度(77K)等の低温下において燐光スペクトルの測定を行い、測定された燐光スペクトルの第一の発光ピーク(最も短波長のピーク)から、T1エネルギーを得られる。
尚、燐光発光が得られないものは、三重項増感剤からのエネルギー移動を用いる。この方法は燐光が弱く測れないものにも適用することができる。
また、燐光の発光効率が非常に低いために、上記の方法で燐光が測れない場合には、アクセプターへの三重項−三重項エネルギー移動を用いて最低励起三重項エネルギーが得られる方法がある。
以上の測定を行っても燐光発光が得られない場合は、分子軌道計算により、以下の計算手法によって、最低励起三重項エネルギーを得ることができる。
分子軌道法計算は、現在広く用いられているGaussian 09(Gaussian 09,Revision A.02,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,G.Scalmani,V.Barone,B.Mennucci,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Caricato,X.Li,H.P.Hratchian,A.F.Izmaylov,J.Bloino,G.Zheng,J.L.Sonnenberg,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,T.Vreven,J.A.Montgomery,Jr.,J.E.Peralta,F.Ogliaro,M.Bearpark,J.J.Heyd,E.Brothers,K.N.Kudin,V.N.Staroverov,R.Kobayashi,J.Normand,K.Raghavachari,A.Rendell,J.C.Burant,S.S.Iyengar,J.Tomasi,M.Cossi,N.Rega,J.M.Millam,M.Klene,J.E.Knox,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,R.L.Martin,K.Morokuma,V.G.Zakrzewski,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.Dannenberg,S.Dapprich,A.D.Daniels,O.Farkas,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,J.Cioslowski,and D.J.Fox,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2009.)により実施することができる。計算手法としては現在広く用いられている以下の手法を用いることができる。まず、基底状態の構造最適化を密度汎関数法(density functional theory,DFT)により、汎関数にB3LYP、基底関数に6−31G*を用いて計算する。
次に、最適化された構造において、時間依存密度汎関数法(TDDFT)により、汎関数にB3LYP、基底関数に6−31Gを用いて最低励起三重項(吸収)エネルギーを計算する。なお、DFT及びTDDFTの計算には、代わりに同様の機能を持つ計算化学ソフトウェアを用いてもよい。
複数の材料の最低励起三重項エネルギーを比較する場合は、測定方法もしくは計算方法を統一して比較するものとする。
また、最低励起一重項エネルギーは、前述の最低励起三重項エネルギーの計算手法において、結果として最低励起一重項エネルギーを取得すること以外同様な方法で、計算値を得ることができる。化合物の最低励起一重項エネルギーと最低励起三重項エネルギーを比較する場合、実測値同士もしくは、計算値同士のように、手法を統一して比較するものとする。
図4は、蛍光を発する有機発光素子の劣化機構を表す図である。発光ドーパントの一重項励起子のエネルギーS1(D)が、ホスト材料の最低励起三重項エネルギーT1(H)にエネルギー移動する。これにより、高次のエネルギーTn(H)の三重項励起子を形成する。この高いエネルギーをもったTn(H)のエネルギーが発光層内で失活することにより、有機分子の単結合が開裂するという機構が知られている(特開2011−216640号公報)。三重項励起子は励起寿命が長いため膜中での密度も高く、上記のようなエネルギー移動過程は比較的高い頻度で起こると推察される。
この際、発光ドーパントの発光波長が短波長であるほど、高い一重項励起子のエネルギーS1(D)が三重項励起子へ移動するため、合計のエネルギーTn(H)が大きくなり、材料劣化を引き起こしやすい。よって、第一ドーパントよりも発光波長が短波長な第二ドーパントを有する第二発光層の方が材料劣化を起こしやすい。そのため、第二ドーパントよりも発光波長が長波長な第一ドーパントを有する第一発光層に、三重項励起子を集める方が、連続駆動寿命の点で有利である。
[本発明の一実施形態に係る有機発光素子の構成]
(基板)
本実施形態に係る有機発光素子の基板は、Si基板、ガラス基板、樹脂基板であってよい。Si基板である場合には、当該Si自体にトランジスタを形成することでマイクロ表示装置とすることもできる。ガラス基板である場合は、TFTを設けて表示装置としてよい。樹脂基板は、フレキシブル基板ともいうことができる。フレキシブル基板の場合には、フォルダブル、ローラブル表示装置であってよい。発光装置の発光方向を阻害しない限り、透過不透過を問わない。
(電極)
本実施形態においては、第一電極は陽極であり、第二電極は陰極であるが、第一電極が陰極で、第二電極が陽極でもよい。第二電極側から光を取り出す場合、第一電極は反射電極であってよい。
本実施形態に係る有機発光素子の第一電極は、反射率が80%以上の金属材料が好ましい。具体的には、AlやAgなどの金属、それらにSi、Cu、Ni、Nd、Tiなどを添加した合金を使用できる。合金としては、AgMg、AlCu、TiN等を用いることができる。反射率は、発光層から発する発光波長における反射率を指す。また、反射電極は、光取出し側の表面にバリア層を有してもよい。バリア層の材料としては、Ti、W、Mo、Auの金属やその合金が好ましい。合金とは前述の合金を含んでよい。
本実施形態に係る有機発光素子の第二電極は、その表面に到達した光の一部を透過するとともに他の一部を反射する性質(すなわち半透過反射性)を持った半透過反射層であってよい。上部電極は例えばマグネシウムや銀などの単体金属、またはマグネシウムや銀を主成分とする合金、もしくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属を含んだ合金材料から形成される。
第二電極を合金とする場合には、例えば、マグネシウムと銀との合金が挙げられる。マグネシウムと銀との合金の場合は、1:1で合金としてもよいし、いずれかの原子%が多くてもよい。いずれかの原子%を大きくする場合には、銀であってよい。銀の原子%を大きくした場合、透過率が高いので好ましい。また、いずれかの原子%を大きくする場合には、マグネシウムであってよい。マグネシウムの原子%を大きくした場合、膜性が高く切断されにくいので好ましい。
第二電極は好ましい透過率を有するならば、積層構成でもよい。
(有機化合物層)
本実施形態に係る有機化合物層は、複数の有機発光素子の共通層として形成されてよい。共通層とは、複数の有機発光素子にまたがって配置されていることであり、スピンコート等の塗布法や、蒸着法、を基板の全面に対して行うことで形成することができる。
本実施形態に係る有機化合物層は、少なくとも発光層を含む層であり、複数の層から構成されてよい。複数の層として、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層が挙げられる。各有機化合物層は、複数材料で構成されてよい。その場合の重量比は、1:1乃至4であってよい。有機化合物層は、陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子とが発光層において再結合することで、発光する。
発光層は複数層から構成されてよく、各発光層のいずれかに赤色発光材料、緑色発光材料、赤色発光材料を有することができ、各発光色を混合することで、白色光を出射することができる。また、各発光層のいずれかに青色発光材料と黄色発光材料などの補色同士の関係の、発光材料を有することで白色を発してもよい。発光層は2層であっても、3層であっても、それ以上の数を有していてもよい。複数の発光層がそれぞれ異なる色の光を発光してもよい。また他の発光層と同じ色の光を発する発光層があってよい。
複数の発光層、例えば第一発光層及び第二発光層から白色を発する場合、有機発光素子はその光出射側にカラーフィルタを有してよい。白色発光とカラーフィルタとを合わせることで、RGB等必要な発光色を得ることができる。
発光層に含まれる化合物は特に限定されないが、アントラセン誘導体、フルオレン誘導体、ピレン誘導体、フルオランテン誘導体、クリセン誘導体、トリフェニレン誘導体、イリジウム錯体であってよい。これら化合物が、ホストであっても、ゲストであってもよい。
第一ドーパントは、フルオレン誘導体、フルオランテン誘導体、ピレン誘導体、ルブレン誘導体、ペリレン誘導体、ホウ素錯体のいずれかであってよい。
以下、有機化合物層に用いられる有機化合物の具体例を示す。本発明はこれら例示化合物に限られるものではない。
本実施形態に係る有機発光素子のホスト材料としては、例えば以下の化合物を挙げることができる。ホスト材料は、第一ホストであっても、第二ホストであっても、さらに設けられる発光層のホストであってもよい。
Figure 2019186521
EM1〜3、21〜22の化合物は、その部分構造にピレン骨格を有するので好ましい。ピレン骨格を有する化合物は、広い平面性を有するピレン骨格同士がスタックしやすく、三重項励起子が移動しやすい。その結果、TTAを効率よく起こすことができる。EM1は特開2007−063285号公報に記載の方法により合成することができ、EM23は、特開2011−249754号公報に記載の方法により合成することができ、EM25は、特開2012−102024号公報に記載の方法により合成することができ、EM26は、国際公開2005/040302号に記載の方法により合成することができる。それぞれの公報に記載されている合成方法は、化合物の合成量、基本骨格に設けられる置換基の種類を考慮して適宜変更してよい。例えば、カップリング反応に用いられるハロゲン原子を別種のハロゲン原子に変更してよい。またカップリング反応に用いたハロゲンを最終生成物から低減させるために、脱ハロゲン工程を設けてよい。また、合成工程において、用いられるボロン酸誘導体とピナコールボラン誘導体、ハロゲン体のハロゲン種、鈴木カップリング反応に用いられるPd触媒等を変更してよい。変更されるPd触媒としては、(Pd(PPh、Pd(PPhCl、Pd(OAc)、Pd(dba)、Pd(dba)等があげられる。また、上記触媒にリン配位子として、S−Phos、X−Phos、トリオルトトリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等を添加してよい。また、ハロゲン体の代わりにトリフラート体を用いてよい。また、鈴木カップリングの代わりに有機亜鉛を用いた根岸カップリングや有機錫を用いたスティルカップリングを用いてよい。
本実施形態に係る有機発光素子の青色発光材料としては、例えば以下の化合物を挙げることができる。
Figure 2019186521
BD8〜30は、化合物を構成する単結合が、結合エネルギーが高いC−C結合とC−H結合に限られるため好ましい。ただし、シアノ基のCとNの結合は三重結合であり、単結合に比べて高い結合エネルギーを有するのでC−N結合を有するものの、炭化水素化合物とみなしてよい。青色発光材料の発光層中の濃度は、0.1以上10wt%以下の範囲が好ましい。より好ましくは、0.3以上2.0wt%以下の範囲である。BD1は、特開平9−241629号公報に記載の方法により合成することができ、BD9は、特開2008−297535号公報に記載の方法により合成することができ、BD16は、特開2010−143879号公報に記載の方法により合成することができ、BD23は、特開2012−246258号公報に記載の方法により合成することができ、BD25は、特開2009−221180号公報に記載の方法により合成することができ、BD28は、特開2011−011994号公報に記載の方法により合成することができる。それぞれの公報に記載されている合成方法は、化合物の合成量、基本骨格に設けられる置換基の種類を考慮して適宜変更してよい。例えば、カップリング反応に用いられるハロゲン原子を別種のハロゲン原子に変更してよい。またカップリング反応に用いたハロゲンを最終生成物から低減させるために、脱ハロゲン工程を設けてよい。また、合成工程において、用いられるボロン酸誘導体とピナコールボラン誘導体、ハロゲン体のハロゲン種、鈴木カップリング反応に用いられるPd触媒等を変更してよい。変更されるPd触媒としては、(Pd(PPh、Pd(PPhCl、Pd(OAc)、Pd(dba)、Pd(dba)等があげられる。また、上記触媒にリン配位子として、S−Phos、X−Phos、トリオルトトリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等を添加してよい。また、ハロゲン体の代わりにトリフラート体を用いてよい。また、鈴木カップリングの代わりに有機亜鉛を用いた根岸カップリングや有機錫を用いたスティルカップリングを用いてよい。
本実施形態に係る有機発光素子の緑色発光材料としては、例えば以下の化合物を挙げることができる。
Figure 2019186521
GD8〜31は、炭化水素化合物であり、長い連続駆動寿命を実現する上で好ましい。緑色発光材料の発光層中の濃度は、0.1以上10.0wt%以下の範囲が好ましい。より好ましくは、0.5以上5.0wt%以下の範囲である。GD5は、特開2006−176493号公報に記載の合成方法により合成でき、GD13は、特開2008−255095号公報に記載の合成方法により合成でき、GD16は、特開2011−256113号公報に記載の合成方法により合成でき、GD21は、特開2012−001514号公報に記載の合成方法により合成でき、GD29は、特開2013−067586号公報に記載の合成方法により合成できる。それぞれの公報に記載されている合成方法は、合成量、基本骨格に設けられる置換基の種類を考慮して適宜変更してよい。例えば、例えば、カップリング反応に用いられるハロゲン原子を別種のハロゲン原子に変更してよい。またカップリング反応に用いたハロゲンを最終生成物から低減させるために、脱ハロゲン工程を設けてよい。また、合成工程において、用いられるボロン酸誘導体とピナコールボラン誘導体、ハロゲン体のハロゲン種、鈴木カップリング反応に用いられるPd触媒等を変更してよい。変更されるPd触媒としては、(Pd(PPh、Pd(PPhCl、Pd(OAc)、Pd(dba)、Pd(dba)等があげられる。また、上記触媒にリン配位子として、S−Phos、X−Phos、トリオルトトリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等を添加してよい。また、ハロゲン体の代わりにトリフラート体を用いてよい。また、鈴木カップリングの代わりに有機亜鉛を用いた根岸カップリングや有機錫を用いたスティルカップリングを用いてよい。 本実施形態に係る有機発光素子の赤色発光材料としては、例えば以下の化合物を挙げることができる。
Figure 2019186521
RD5〜23は、炭化水素化合物であり、長い連続駆動寿命を実現する上で好ましい。RD5は、特開平10−330295号公報に記載された合成方法で合成することができ、RD9は、特開2013−043846号公報に記載された合成方法で合成することができ、RD12は、特開2012−149012号公報に記載された合成方法で合成することができ、RD13は、特開2013−049663号公報に記載された合成方法で合成することができ、RD20は、特開2013−139426号公報に記載された合成方法で合成することができる。それぞれの公報に記載されている合成方法は、合成量、基本骨格に設けられる置換基の種類を考慮して適宜変更してよい。例えば、カップリング反応に用いられるハロゲン原子を別種のハロゲン原子に変更してよい。またカップリング反応に用いたハロゲンを最終生成物から低減させるために、脱ハロゲン工程を設けてよい。また、合成工程において、用いられるボロン酸誘導体とピナコールボラン誘導体、ハロゲン体のハロゲン種、鈴木カップリング反応に用いられるPd触媒等を変更してよい。変更されるPd触媒としては、(Pd(PPh、Pd(PPhCl、Pd(OAc)、Pd(dba)、Pd(dba)等があげられる。また、上記触媒にリン配位子として、S−Phos、X−Phos、トリオルトトリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等を添加してよい。また、ハロゲン体の代わりにトリフラート体を用いてよい。また、鈴木カップリングの代わりに有機亜鉛を用いた根岸カップリングや有機錫を用いたスティルカップリングを用いてよい。
本実施形態に係る有機発光素子の正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層に用いられる材料としては、例えば以下の化合物を挙げることができる。正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層とは、陽極と発光層との間に配置されている有機化合物層である。電子ブロック層は、発光層ホストよりもLUMOが低いことが好ましい。
Figure 2019186521
本実施形態に係る有機発光素子の、電子輸送層、正孔ブロック層に用いられる材料としては、例えば以下の化合物を挙げることができる。電子輸送層、正孔ブロック層とは、陰極と発光層との間に配置されている有機化合物層である。正孔ブロック層は、発光層のホストよりもHOMOが低いことが好ましい。
Figure 2019186521
本実施形態に係る有機発光素子に用いられる、正孔ブロック層や電子ブロック層を構成する材料は、隣接する発光層のホスト材料よりも高い最低励起三重項エネルギーを有することが好ましい。これによって、三重項励起子を発光層内に閉じ込めることができ、効率よくTTAを起こすことができる。
本実施形態に係る有機発光素子の電子注入層としては、電子供与性のドーパントと電子輸送性の材料の混合物を用いてもよい。電子供与性のドーパントとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、希土類金属、及びこれらの化合物を用いることができる。電子注入層は、電子輸送性材料に、アルカリ金属化合物を0.1乃至25wt%含有させることにより形成される。より好ましくは、前記アルカリ金属化合物はセシウム化合物である。さらに、より好ましくは、前記セシウム化合物が炭酸セシウム及び炭酸セシウム由来の物質である。本発明において電子注入層を形成する好適な手法は、炭酸セシウムと電子輸送性材料を共蒸着することである。良好な電子注入性を確保するためには、電子注入層の膜厚が10nm乃至100nmであることが好ましい。なお、共蒸着時に炭酸セシウムが分解するなどして、電子注入層内に炭酸セシウム由来の(Cs11)Cs10や(Cs11)Cs、Cs11などのサブオキサイドが形成される場合がある。またセシウムと有機化合物との間で配位化合物が形成される場合がある。
(保護層)
本実施形態に係る有機発光素子の保護層は、化学気相堆積法(CVD法)を用いて形成されたシリコン窒化物(SiN)層やシリコン酸窒化物(SiON)層、原子層堆積法(ALD法)を用いて形成された酸化アルミニウム層、シリコン酸化物及びチタン酸化物などの外部からの酸素や水分の透過性が極めて低い材料から構成され、十分な水分遮断性能があれば単層または複数層であってもよい。複数層の場合は、それぞれ異なった材料を積層しても、同じ材料の密度を変えて積層させてもよい。保護層は、有機発光素子の発光が装置外へ取り出されやすいよう屈折率を考慮して構成されることが好ましい。保護層は、封止層ということもできる。
(平坦化層)
本実施形態に係る有機発光素子の平坦化層は、保護層の凹凸を埋めるためのものであり、保護層上に配置することが好ましい。これによって、保護膜の凹凸の傾斜部による、散乱光を低減することができ、混色を抑制することができる。平坦化層は塗布によって形成された樹脂層などから構成される。平坦化層は、任意の厚さで設けられてよく、例えば、10nm以上1000nm以下であってよい。
(カラーフィルタ)
本実施形態に係る有機発光素子のカラーフィルタは、平坦化層上にカラーレジストを塗布し、リソグラフィによってパターニングされてよい。また、後述の対向基板にカラーフィルタを設けて、平坦化層の上に張り合わせてもよい。この場合、前述の平坦化層は10nm以上1000nm以下であってよい。
カラーレジストは、例えば光硬化性樹脂で構成され、紫外線等が照射された部位が硬化することで、パターンを形成することができる。
本実施形態において、カラーフィルタはRGBのカラーフィルタを有してよい。RGBのカラーフィルタはストライブ配列、スクエア配列、デルタ配列、ベイヤー配列のいずれの方式で配置されてよい。
本実施形態に係る有機発光素子の充填層は、カラーフィルタと対向基板との間に配置される。充填層は例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの有機材料により構成されている。また、カラーフィルタと充填層の間に平坦化層を形成してもよい。当該平坦化層は、カラーフィルタと保護層との間に配置された平坦化層と同じであっても、異なってもよい。二つの平坦化層を同じ材料で構成する場合は、表示領域外における平坦化層同士の密着性が高いので好ましい。
表示領域外とは、基板の端部のEL素子が配置されていない領域、表示には寄与しない領域である。
(対向基板)
本実施形態に係る有機発光素子の対向基板は、透明基板が好ましい。対向基板は例えば、透明ガラス基板や、透明プラスチック基板等により構成されてよい。
有機発光素子は、バインダー樹脂を有してよい。バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。しかしながら、これらに限定されるものではない。また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
(本発明の一実施形態に係る有機発光素子の用途)
本実施形態に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルタを有する発光装置等の用途がある。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された情報を処理する情報処理部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
次に、図面を参照しながら本実施形態に係る表示装置につい説明する。図5は、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるTFT素子とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。TFT素子は、能動素子の一例である。
図5の表示装置10は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極13である。符号14はゲート絶縁膜14であり、15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図5に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子ソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図5の表示装置10では有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってもよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図5の表示装置10ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図5の表示装置10に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体が挙げられる。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図5の表示装置10に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
本実施形態に係る有機発光素子はスイッチング素子の一例であるTFTにより発光輝度が制御され、有機発光素子を複数面内に設けることでそれぞれの発光輝度により画像を表示することができる。尚、本実施形態に係るスイッチング素子は、TFTに限られず、低温ポリシリコンで形成されているトランジスタ、Si基板等の基板上に形成されたアクティブマトリクスドライバーであってもよい。基板上とは、その基板内ということもできる。基板内にトランジスタを設けるか、TFTを用いるかは、表示部の大きさによって選択され、例えば0.5インチ程度の大きさであれば、Si基板上に有機発光素子を設けることが好ましい。
図7は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008、を有してよい。タッチパネル1003および表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004が接続されている。回路基板1007には、トランジスタがプリントされている。バッテリー1008は、表示装置が携帯機器でなければ、設けなくてもよいし、携帯機器であっても、別の位置に設けてもよい。
本実施形態に係る表示装置は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光する撮像素子とを有する撮像装置の表示部に用いられてよい。撮像装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してよい。また、表示部は、撮像装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。撮像装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってよい。
図8(a)は、本実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。撮像装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、操作部1103、筐体1104を有してよい。ビューファインダ1101は、本実施形態に係る表示装置を有してよい。その場合、表示装置は、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示等を表示してよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性等であってよい。
撮像に好適なタイミングはわずかな時間なので、少しでも早く情報を表示した方がよい。したがって、本発明の有機発光素子を用いた表示装置を用いるのが好ましい。有機発光素子は応答速度が速いからである。有機発光素子を用いた表示装置は、表示速度が求められる、これらの装置、液晶表示装置よりも好適に用いることができる。
撮像装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、筐体1104内に収容されている撮像素子に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。
本実施形態に係る表示装置は、赤色、緑色、青色を有するカラーフィルタを有してよい。カラーフィルタは、当該赤色、緑色、青色がデルタ配列で配置されてよい。
本実施形態に係る表示装置は、携帯端末の表示部に用いられてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイ等が挙げられる。
図8(b)は、本実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部、を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する電子機器は通信機器ということもできる。
図9は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。図9(a)は、テレビモニタやPCモニタ等の表示装置である。表示装置1300は、額縁1301を有し表示部1302を有する。表示部1302には、本実施形態に係る発光装置が用いられてよい。
額縁1301と、表示部1302を支える土台1303を有している。土台1303は、図9(a)の形態に限られない。額縁1301の下辺が土台を兼ねてもよい。
また、額縁1301および表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
図9(b)は本実施形態に係る表示装置の他の例を表す模式図である。図9(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第一表示部1311、第二表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第一表示部1311と第二表示部1312とは、本実施形態に係る発光装置を有してよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第一表示部1311、第二表示部1312は、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第一および第二表示部とで一つの画像を表示してもよい。
図10(a)は、本実施形態に係る照明装置の一例を表す模式図である。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403と、光学フィルム1404と、光拡散部1405と、を有してよい。光源は、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。光学フィルタは光源の演色性を向上させるフィルタであってよい。光拡散部は、ライトアップ等、光源の光を効果的に拡散し、広い範囲に光を届けることができる。光学フィルタ、光拡散部は、照明の光出射側に設けられてよい。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。それらを調光する調光回路を有してよい。照明装置は本発明の一実施形態に係る有機発光素子とそれに接続される電源回路を有してよい。電源回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置はカラーフィルタを有してもよい。
また、本実施形態に係る照明装置は、放熱部を有していてもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、比熱の高い金属、液体シリコン等が挙げられる。
図10(b)は、本実施形態に係る移動体の一例である自動車の模式図である。当該自動車は灯具の一例であるテールランプを有する。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作等を行った際に、テールランプを点灯する形態であってよい。
テールランプ1501は、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。テールランプは、有機EL素子を保護する保護部材を有してよい。保護部材はある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネート等で構成されることが好ましい。ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体等を混ぜてよい。
自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してよい。窓は、自動車の前後を確認するための窓でなければ、透明なディスプレイであってもよい。当該透明なディスプレイは、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。この場合、有機発光素子が有する電極等の構成材料は透明な部材で構成される。
本実施形態に係る移動体は、船舶、航空機、ドローン等であってよい。移動体は、機体と当該機体に設けられた灯具を有してよい。灯具は、機体の位置を知らせるための発光をしてよい。灯具は本実施形態に係る有機発光素子を有する。
以上説明した通り、本実施形態に係る有機発光素子を用いた装置を用いることにより、良好な画質で、長時間表示にも安定な表示が可能になる。
(実施例1)
以下に、図1に示すトップエミッション型構造の有機発光素子を作製する手順を示す。
基板上に、スパッタリング法でTiを40nm成膜し、公知のフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、陽極を形成した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
続いて、真空蒸着装置(アルバック社製)に洗浄済みの電極までを形成した基板と材料を取り付け、1.33×10−4Pa(1×10−6Torr)まで排気した後、UV/オゾン洗浄を施した。その後、以下の層構成で各層の製膜を行った。
Figure 2019186521
そして、電子輸送層を形成した後、電子注入層としてフッ化リチウムを0.5nm製膜した。その後、陰極としてMgAg合金を10nm製膜した。MgとAgの比率は1:1とした。その後、封止層としてCVD法にてSiNを1.5μm成膜した。
一方、各発光層のホストとドーパントの最低励起三重項エネルギーを取得した。前述の、測定方法で燐光発光が観測できない材料が含まれていたため、前述の計算手法を統一して用いて、各化合物の最低励起三重項エネルギーを得た。
第一、第二ホスト材料であるEM1、第一ドーパントである赤色発光材料のRD21、第二ドーパント材料である青色発光材料のBD24、第三ドーパントである緑色発光材料のGD11の、最低励起三重項エネルギーはそれぞれ、T1(H1)=T1(H2)=2.04eV、T1(D1)=1.24eV、T1(D2)=2.15eV、T1(D3)=1.88eVであった。よって、以下の式(1)、(4)、(5)の関係を満たしている。
T1(H1)−T1(D1)≧0.3eV (1)
T1(H2)≦T1(D2) (4)
0eV<T1(H1)−T1(D3)<0.3eV (5)
また、第一、第二ホストが同一材料で、第一、第二発光層が隣接しているので、前記第一発光層から前記第二発光層への、三重項励起子の移動経路を有している。
さらに、各発光層のホストとドーパントの最低励起一重項エネルギーを、前述の計算手法によって得た。第一、第二ホスト材料であるEM1、第一ドーパントである赤色発光材料のRD21、第二ドーパント材料である青色発光材料のBD24、第三ドーパントである緑色発光材料のGD11の、最低励起一重項エネルギーはそれぞれ、S1(H1)=S1(H2)=3.15eV、S1(D1)=2.13eV、S1(D2)=2.98eV、S1(D3)=2.67eVであった。
各化合物の、最低励起一重項エネルギーと最低励起三重項エネルギーの差は、いずれも0.2eV以上であり、遅延蛍光性の化合物ではない。
得られた白色有機発光素子に不図示の電圧印加装置を接続し、その特性を評価した。
電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、色度の評価はトプコン製「SR−3」を用いて行った。発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。1000cd/m表示時の効率、電圧、及びu’v’空間におけるCIE色度座標はそれぞれ4.0cd/A、4.0V、CIE(u’、v‘)=(0.196、0.386)であった。ここで、基準の色温度6400Kの白色光のu’v’空間におけるCIE色度座標(0.198、0.468)に対する、以下の式(6)で表される色ずれ量Δu’v’は、0.047であり、良好な白色有機発光素子であった。
Figure 2019186521
また、初期輝度4000cd/mでの連続駆動試験を行ったところ、輝度半減時間は3500hと耐久特性も良好であった。
次に、得られた白色素子のTTA発光割合を、赤色発光材料由来の発光、緑色発光材料由来の発光、青色発光材料由来の発光について、それぞれ測定した。
TTA割合は、過渡応答測定を行い、測定結果を解析することによって求めた。
過渡応答測定とは、電圧パルスジェネレータによって矩形波の電圧を有機発光素子へ印加し、電圧に同期して、有機発光素子からの発光強度を光電子増倍管を介してオシロスコープにて時間分解検出することによって行う。具体的には、所望の電流密度となる正電圧を発光強度が定常状態に至るに十分な時間、有機発光素子に印加する。その後、素子中から電荷を排出するために負電圧を印加する。
本実施例では、電圧パルスジェネレータは、アジレント社製33250Aを用い、矩形波電圧は、周波数:100Hz、正電圧:10mA/cm相当の電圧をパルス幅1ms印加、負電圧:−10Vを印加した。オシロスコープは、テクトロニクス社製TDS5054を用いた。
図6(a)は、過渡応答測定結果の一例で、電圧に同期して得られた発光強度の時間変化を表したもののである。0sにて正電圧から負電圧へ切り替えており、正電圧印加時の定常状態での発光強度を1としている。
正電圧印加時の発光強度の内訳は電荷の再結合により生成した一重項励起子からの発光とTTAによって生成した一重項励起子からの発光の合計である。
一方、負電圧印加時は、TTAによる発光が観測される。観測される発光は、過渡応答特性である。TTAによる発光の過渡応答特性の解析により、TTA発光割合を決定する。
負電圧印加時の発光の過渡応答特性がTTAに基づくものであれば、発光強度の平方根の逆数が直線近似で表せることが知られている。
そこで、図6(b)のように、発光強度の平方根の逆数の時間変化をプロットし、過渡応答特性を式2でフィッティングし定数Bを求める。式(7)において、ITTAは負電圧印加時の発光強度、A、Bは定数、tは時間を示す。
Figure 2019186521
このとき正電圧から負電圧へ切り替えた時刻t=0における発光強度1/Bが全発光に対するTTAによる発光の割合と定義する。例えば、図6(b)においてB=1.72であるため、1/B=0.338となり、TTA発光割合は33.8%であることになる。
本実施例の有機発光素子は、青色発光材料、緑色発光材料、赤色発光材料を有する白色発光素子である。そのため、有機発光素子と光電子増倍管の間に、透過光のピーク波長が460nm、560nm、640nmの光学干渉フィルターを、それぞれ設置し、青色発光材料由来、緑色発光材料由来、赤色発光材料由来の発光のTTA発光割合を、それぞれ測定した。
本実施例の有機発光素子の、青色発光材料由来の発光のTTA発光割合は8%、緑色発光材料由来の発光のTTA発光割合は18%、赤色発光材料由来の発光のTTA発光割合は37%であり、特に赤色発光材料由来の発光のTTA発光割合が良好であった。青色発光材料由来の発光のTTA割合がG,Rに比べて低いのは、三重項励起子が第一発光層から第二発光層へ効率よく移動している証拠であり、これによって長い連続駆動寿命が実現できていると考えられる。
(実施例2〜4、比較例1〜3)
実施例1の第一ドーパントである赤色発光材料の重量比を、適宜変更する以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜3、比較例1〜2の白色有機発光素子を作成した。得られた有機発光素子について、実施例1と同様にその特性を測定・評価した。結果を表2に示す。
赤色発光材料由来のTTA発光割合が、38%以上の場合はA、35%以上38%未満の場合はB、31%以上35%未満の場合はC、27%以上31%未満の場合はD、27%未満の場合はEとして表記した。
また、Δu’v’が、0.06未満の場合はA、0.06以上0.07未満の場合はB、0.07以上0.08未満の場合はC,0.08以上0.09未満の場合はD,0.09以上の場合はEと表記した。
Figure 2019186521
実施例1〜4、比較例1及び2、参考例のいずれの有機発光素子も、青色発光材料由来のTTA発光割合は約7〜9%、緑色発光材料由来のTTA発光割合は約17〜19%と、概ね同等であった。一方、第一ドーパントである赤色発光材料が0.3wt%以下の場合は、赤色発光材料由来のTTA発光割合は、第一ドーパントである赤色発光材料が、0.5wt%以上の場合に比べて、赤色発光材料由来のTTA割合が高く、良好にTTAが起こっていることが分かる。
ただし、第一ドーパントが0.05wt%未満である参考例の有機発光素子は、赤色発光材料由来の発光強度が低下した。赤発光輝度を考慮すると、第一ドーパントの重量比が、前記第一発光層の重量を100wt%とした場合に、0.05wt%以上0.3wt%以下であることが好ましい。
また、良好なTTA発光割合でかつ、良好な白色を表示できた、実施例1〜4の、有機発光素子も、初期輝度4000cd/mでの連続駆動試験を行ったところ、輝度半減時間は2500〜3500hと耐久特性も良好であった。
実施例1〜4、比較例1及び2の結果から、特に好ましい第一ドーパント濃度は、0.1%以上0.2%以下であることが分かる。これによって、TTA発光割合と白色表示において、特に良好な有機発光素子を得ることができる。
(実施例5〜10、比較例4〜9)
実施例1の正孔輸送層、電子ブロッキング層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、第一ホスト、第二ホスト、第一ドーパント、第二ドーパント、第三ドーパントの材料と重量比を、適宜変更する以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜3、比較例1〜2の白色有機発光素子を作製した。得られた有機発光素子について、実施例1と同様にその特性を測定、評価した。結果を表3に示す。赤色発光材料由来のTTA発光割合が、38%以上の場合はA、35%以上38%未満の場合はB、31%以上35%未満の場合はC、27%以上31%未満の場合はD、27%未満の場合はEとして表記した。また、輝度半減時間は3000h以上の場合はA、2000h以上3000h未満の場合はB,2000h未満の場合はCと表記した。
Figure 2019186521
実施例5〜10の有機発光素子は、第一ドーパントである赤色発光材料の重量比が0.3wt%であるのに対し、比較例3〜8の有機発光素子は、第一ドーパントである赤色発光材料の重量比が0.5wt%である。実施例5〜10、比較例3〜8のいずれの有機発光素子も、青色発光材料由来のTTA発光割合は約7〜9%、緑色発光材料由来のTTA発光割合は約17〜19%と、概ね同等であった。
一方、第一ドーパントである赤色発光材料が0.3wt%以下の場合は、赤色発光材料由来のTTA発光割合は、第一ドーパントである赤色発光材料が、0.5wt%以上の場合に比べて、赤色発光材料由来のTTA割合が高く、良好にTTAが起こっていることが分かる。
輝度半減寿命は、実施例5〜10、比較例3〜8のいずれの有機発光素子も良好であった。
ただし、実施例7、10の有機発光素子が、実施例5、6、8、9の有機発光素子よりも、輝度半減寿命が劣るのは、第一ドーパント材料RD1もしくは、第三ドーパント材料GD6が、炭化水素化合物ではない化合物であるためであると考えられる。
また、発光層に用いた各材料の最低励起一重項エネルギー、最低励起三重項エネルギーの値を表4に示す。
Figure 2019186521
(比較例9)
実施例1の第一発光層と第二発光層の間に中間層としてHT7を5nm挿入した以外は、実施例1と同様な白色有機発光素子を作成した。実施例1と同様にその特性を測定、評価した結果、輝度半減時間が1600hと、実施例1に比べて著しく低下した。
また、実施例1と同様な計算手法で得たHT7の最低励起三重項エネルギーは、2.69eVであり、第一ホストであり第二ホストであるEM1の励起三重項エネルギー2.04eVよりも高かった。よって、第一発光層から第二発光層への三重項励起子の移動経路が、中間層によって遮断されたために、三重項励起子が第一発光層に留められ、材料劣化が起こりやすくなったと考えられる。
(比較例10)
実施例1の、第一発光層及び第二発光層の構成を以下のようにした以外は実施例1と同様にして有機発光素子を作製した。第一発光層は、第一ホストとしてEM1を99.1wt%、第一ドーパントとして赤色発光材料RD21を0.3wt%、第二ドーパントとして青色発光材料BD24を0.6wt%有する構成とした。第二発光層は、第二ホストとしてEM1を98.0wt%、第三ドーパントとして緑色発光材料GD11を2.0wt%有する構成とした。すなわち、第一ドーパントと、第二ドーパントとが同層に含まれる構成である。実施例1と同様にその特性を測定、評価した結果、輝度半減時間が1700hと、実施例1に比べて著しく低下した。
これは、第一ドーパントによって、三重項励起子が第一発光層にトラップされるため、三重項励起子が第一発光層に留められ、第二ドーパントが存在する第一発光層の励起子の濃度が相対的に低くならないので、材料劣化が起こりやすくなったためと考えられる。
(参考例2)
図1(a)の構成の有機発光素子を作製した。第一発光層のホスト、ドーパント材料は、下記表5のとおりである。ドーパントの重量比は0.6wt%とした。
ドーパント濃度が0.3wt%よりも大きい場合、ドーパントからホストへの最低励起三重項エネルギーの障壁が0.3eV以上となる場合には、ドーパント材料に三重項励起子が局在しやすくなるため、TTAが起きにくくなることを確かめた。
実施例1と同様な計算手法で、各有機発光素子のホストの最低励起三重項エネルギーT1(H)と、ドーパントの最低励起三重項エネルギーT1(D)を計算し、以下の式(8)によって、ΔT1を得た。
ΔT1=T1(H)−T1(D) (8)
また、各有機発光素子のTTA発光割合を、単色素子のため光学干渉フィルタによる所望波長の抽出を行わない以外、実施例1と同様に測定を行い、計測した。
以上の結果を表5に示す。TTA発光割合は、30%以上の場合はA、25%以上30%未満の場合はB、20%以上25%未満の場合はC、15%以上20%未満の場合はD、10%以上15%未満の場合はE、10%未満の場合はFとして表記した。ここから、ドーパント濃度が0.3wt%よりも大きい場合、ドーパントからホストへの最低励起三重項エネルギーの障壁が0.3eV以上となる場合には、TTAが起きにくくなることを確かめることができた。
Figure 2019186521
(実施例11)
第一ドーパント材料をRD20に変更した以外は、実施例2と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例12)
第二ドーパント材料をGD29に変更した以外は、実施例11と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例13)
第三ドーパントをBD23に変更した以外は、実施例12と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例14)
HTLの材料をHT3に変更した以外は、実施例13と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例15)
ETLの材料をET7に変更した以外は、実施例14と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例16)
EBLの材料をHT10に変更した以外は、実施例15と同様にして有機発光素子を苦作製した。
(実施例17)
HBLの材料をET12に変更した以外は、実施例16と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例18)
ET12の置換基であるフェニル基をナフチル基に変更した以外は、実施例17の同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例19)
EBLをHT10及びHT3の混合層とした以外は、実施例18と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例20)
EBLをHT2及びHT3の混合層とした以外は、実施例18と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例21)
HILの膜厚を8.4nm、HTLの膜厚を8.0nm、EBLの膜厚を10.0nm、第一発光層の膜厚を20.4nm、第二発光層の膜厚を9.2nm、HBLの膜厚を80nm、ETLの膜厚を30nm、LiFの膜厚を0.45nmとした以外は、実施例20と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例22)
HILの膜厚を3.0nm、HTLの膜厚を11.0nm、EBLの膜厚を12.0nm、第一発光層の膜厚を17.4nm、第二発光層の膜厚を10.8nm、HBLの膜厚を100nm、ETLの膜厚を32nm、LiFの膜厚を0.45nmとした以外は、実施例20と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例23)
HILの膜厚を3.0nm、HTLの膜厚を8.0nm、EBLの膜厚を10.0nm、第一発光層の膜厚を20.4nm、第二発光層の膜厚を9.2nm、HBLの膜厚を80nm、ETLの膜厚を30nm、LiFの膜厚を0.45nmとした以外は、実施例19と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例24)
HILの膜厚を8.4nm、HTLの膜厚を5.5nm、EBLの膜厚を9.5nm、第一発光層の膜厚を17.2nm、第二発光層の膜厚を8.6nm、HBLの膜厚を110nm、ETLの膜厚を32nm、LiFの膜厚を0.45nmとした以外は、実施例19と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例25)
HILの膜厚を8.4nm、HTLの膜厚を5.5nm、EBLの膜厚を12.0nm、第一発光層の膜厚を20.4nm、第二発光層の膜厚を5.0nm、HBLの膜厚を80nm、ETLの膜厚を26nm、LiFの膜厚を0.45nmとした以外は、実施例19と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例26)
EBLにおけるHT10及びHT3の混合比を1:2としたこと以外は実施例24と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例27)
EBLにおけるHT10及びHT3の混合比を1:3としたこと以外は実施例24と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例28)
EBLにおけるHT2及びHT3の混合比を1:2としたこと以外は実施例21と同様にして有機発光素子を作製した。
(実施例29)
EBLにおけるHT2及びHT3の混合比を1:3としたこと以外は実施例21と同様にして有機発光素子を作製した。
実施例11乃至実施例29においても、実施例1乃至10と同様に、高いTTA効率、かつ駆動寿命が長いことが確認された。
以上の通り、本発明の一実施形態に係る有機発光素子は、発光効率が高く、駆動寿命が長い有機発光素子である。
1 基板
2 第一電極
3 正孔輸送層
4 第一発光層
5 第二発光層
6 電子輸送層
7 第二電極、
10 ガラス基板
11 防湿膜11
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁膜
14 半導体層
15 ドレイン電極
16 ソース電極
17 薄膜トランジスタ
18 絶縁膜
19 コンタクトホール
20 陽極
21 有機化合物層
22 陰極
23 第1の保護層
24 第2の保護層
1000 表示装置
1001 上部カバー
1002 フレキシブルプリント回路
1003 タッチパネル
1004 フレキシブルプリント回路
1005 表示パネル
1006 フレーム
1007 回路基板
1008 バッテリー
1009 下部カバー
1100 撮像装置
1101 ビューファインダ
1102 背面ディスプレイ
1103 操作部
1104 筐体
1200 電子機器
1201 表示部
1202 操作部
1203 筐体
1300 表示装置
1301 額縁
1302 表示部
1303 土台
1310 表示装置
1311 第一表示部
1312 第二表示部
1313 筐体
1314 屈曲点
1400 照明装置
1401 筐体
1402 光源
1403 回路基板
1404 光学フィルム
1405 光拡散部
1500 自動車
1501 テールランプ
1502 窓
1503 車体
本発明は、第一電極と、第一発光層と、第二電極とをこの順で有し、前記第一発光層は第一ホスト材料と、第一ドーパント材料とを有し、前記第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギーは、前記第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーよりも高い有機発光素子であって、前記第一発光層の重量を100wt%とした場合に、前記第一ドーパントの重量比が、0.3wt%以下であることを特徴とする有機発光素子を提供する。
本発明の一実施形態に係る有機発光素子は、第一電極と、第一発光層と、第二電極とをこの順で有し、前記第一発光層は第一ホスト材料と、第一ドーパント材料とを有し、前記第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギーは、前記第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーよりも高い有機発光素子であって、前記第一発光層の重量を100wt%とした場合に、前記第一ドーパントの重量比が、0.3wt%以下であることを特徴とする有機発光素子である。
本実施形態では、第一ドーパントの最低励起三重項エネルギーが、ホスト材料の最低励起三重項エネルギーよりも小さい場合、第一ドーパント材料にトラップされる最低励起三重項エネルギーを第一ドーパント材料の重量比で制御する。これにより、有機発光素子が長寿命であることと、TTAによる発光効率の向上を両立できる。
図1(b)は、基板1上に陽極2、正孔輸送層3、第一発光層4、第二発光層5、電子輸送層6、陰極7を、基板側からこの順で有する。第一電極は陽極であっても、陰極であってもよい。第一発光層4と第二発光層5は、異なる発光色のドーパントをそれぞれ有する。本発明は係る構成に限定されず、正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子注入層、を有してよい。正孔注入層は、陽極2と正孔輸送層3との間に配置されてよい。電子ブロック層は、正孔輸送層3と第二発光層5との間に配置されてよい。
正孔ブロック層は、第発光層5と電子輸送層6との間に配置されてよい。電子注入層は、電子輸送層6と陰極7との間に配置されてよい。これら正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子注入層は本発明において必要に応じて適宜用いられる。
発光層は複数層から構成されてよく、各発光層のいずれかに赤色発光材料、緑色発光材料、青色発光材料を有することができ、各発光色を混合することで、白色光を出射することができる。また、各発光層のいずれかに青色発光材料と黄色発光材料などの補色同士の関係の、発光材料を有することで白色を発してもよい。発光層は2層であっても、3層であっても、それ以上の数を有していてもよい。複数の発光層がそれぞれ異なる色の光を発光してもよい。また他の発光層と同じ色の光を発する発光層があってよい。
図5の表示装置は、ガラス等の基板10とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜11が設けられている。また符号12は金属のゲート電極12である。符号13はゲート絶縁膜13であり、14は半導体層である。
TFT素子17は、半導体層14とドレイン電極15とソース電極16とを有している。TFT素子17の上部には絶縁膜18が設けられている。コンタクトホール19を介して有機発光素子を構成する陽極20とソース電極16とが接続されている。
図5の表示装置では有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層21は、複数層であってもよい。陰極22の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層23や第二の保護層24が設けられている。
図5の表示装置ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図5の表示装置に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体が挙げられる。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図5の表示装置に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
1 基板
2 第一電極
3 正孔輸送層
4 第一発光層
5 第二発光層
6 電子輸送層
7 第二電極、
10 ガラス基板
11 防湿膜
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁膜
14 半導体層
15 ドレイン電極
16 ソース電極
17 薄膜トランジスタ
18 絶縁膜
19 コンタクトホール
20 陽極
21 有機化合物層
22 陰極
23 第1の保護層
24 第2の保護層
1000 表示装置
1001 上部カバー
1002 フレキシブルプリント回路
1003 タッチパネル
1004 フレキシブルプリント回路
1005 表示パネル
1006 フレーム
1007 回路基板
1008 バッテリー
1009 下部カバー
1100 撮像装置
1101 ビューファインダ
1102 背面ディスプレイ
1103 操作部
1104 筐体
1200 電子機器
1201 表示部
1202 操作部
1203 筐体
1300 表示装置
1301 額縁
1302 表示部
1303 土台
1310 表示装置
1311 第一表示部
1312 第二表示部
1313 筐体
1314 屈曲点
1400 照明装置
1401 筐体
1402 光源
1403 回路基板
1404 光学フィルム
1405 光拡散部
1500 自動車
1501 テールランプ
1502 窓
1503 車体

Claims (22)

  1. 第一電極と、第一発光層と、第二電極とを有し、前記第一発光層は第一ホスト材料と、第一ドーパント材料とを有し、前記第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギーは、前記第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーよりも高い有機発光素子であって、
    前記第一発光層の重量を100wt%とした場合に、前記第一ドーパント材料の濃度が、0.3wt%以下であることを特徴とする有機発光素子。
  2. 前記第一ドーパント材料が蛍光発光材料であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギーと、前記第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーとの差が、0.3eV以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機発光素子。
  4. 前記第一発光層と前記第二電極との間に第二発光層を有し、前記第二発光層は第二ホスト材料と第二ドーパント材料を有し、
    前記第二ドーパント材料のエネルギーギャップは、前記第一ドーパント材料のエネルギーギャップよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  5. 第一ホスト材料の最低励起三項エネルギーT1(H1)と第一ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーT1(D1)が、下記の式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項4に記載の有機発光素子。
    T1(H1)−T1(D1)≧0.3eV (1)
  6. 前記第一発光層から前記第二発光層までの領域に含まれている有機化合物層の最低励起三重項エネルギーは、前記有機化合物層の第二電極側に隣接する有機化合物層の最低励起三重項エネルギー以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の有機発光素子。
  7. 前記第二ホスト材料の最低励起三重項エネルギーは、前記第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギーよりも高いことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  8. 前記第二ホスト材料の最低励起三重項エネルギーは、前記第二ドーパント材料の最低励起三重項エネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  9. 前記第一発光層が第三ドーパント材料をさらに有し、
    前記第一ホスト材料の最低励起三項エネルギーT1(H1)と前記第三ドーパント材料の最低励起三項エネルギーT1(D3)が、下記式(4)を満たすことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子。
    0eV<T1(H1)−T1(D3)<0.3eV (4)
  10. 前記第二発光層が第三ドーパント材料をさらに有し、
    前記第二ホスト材料の最低励起三項エネルギーT1(H2)と前記第三ドーパント材料の最低励起三項エネルギーT1(D3)が、下記式(5)を満たすことを特徴とする請求項4乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子。
    0eV<T1(H2)−T1(D3)<0.3eV (5)
  11. 前記第一発光層に含まれる材料および前記第二発光層に含まれる材料は、最低励起一重項エネルギーと、最低励起三重項エネルギーとの差が0.2eV以上であることを特徴とする請求項4乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  12. 第一ホスト材料と第二ホスト材料とが同一材料であることを特徴とする請求項4乃至11のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  13. 第一発光層と第二発光層が接していることを特徴とする請求項4乃至12のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  14. 前記第一ドーパントの重量比が、前記第一発光層の重量を100wt%とした場合に、0.05wt%以上0.3wt%以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  15. 前記第一発光層と前記第二発光層との間に配置されている中間層をさらに有し、前記中間層の最低励起三重項エネルギーT1(HM)は、前記第二ホスト材料の最低励起三重項エネルギー以下、かつ前記第一ホスト材料の最低励起三重項エネルギー以上であることを特徴とする請求項4乃至14のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  16. 前記第一ホスト材料が、低分子有機化合物であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  17. 前記第一発光層および前記第二発光層は、前記第一発光層及び前記第二発光層とで白色を発光する発光層であり、
    前記有機発光素子は、光出射側にカラーフィルタを有することを特徴とする請求項4乃至16のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  18. 複数の画素を有する表示装置であって、前記画素は、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されている能動素子とを有することを特徴とする表示装置。
  19. 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する表示部と、を有する撮像装置であって、
    前記表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部であり、前記表示部は請求項1乃至17のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする撮像装置。
  20. 請求項1乃至17のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する表示部と、前記表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられた通信部とを有することを特徴とする電子機器。
  21. 請求項1乃至17のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する光源と、前記光源が発する光を透過する光拡散部または光学フィルムと、を有することを特徴とする照明装置。
  22. 請求項1乃至17のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する灯具と、前記灯具が設けられた機体とを有することを特徴とする移動体。
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