<実施形態1>
1.表面実装機1の全体構造
本発明の実施形態1を図1〜図15によって説明する。図1は表面実装機の平面図、図2はヘッドユニットの支持構造を示す図である。本表面実装機(本発明の「基板処理装置」に相当)1は、プリント基板Gに対して電子部品Bを実装する装置であり、図1にて示すように、上面が平らな基台10上に各種装置(プリント基板Gを搬送する搬送コンベア20、プリント基板Gを支持する基板支持装置30、プリント基板G上に電子部品Bを実装する実装作業装置100)を配置してなる。
尚、以下の説明において、基台10の長手方向(図1の左右方向)をX方向と呼ぶものとし、Y方向、Z方向をそれぞれ図1、図2の向きに定めるものとする。また、図1において右手側を上流側(作業対象となるプリント基板Gの搬入側)、左手側を下流側(作業済みのプリント基板Gの搬出側)として説明を行う。
基台10はX方向に長い長方形状をなしており、中央に搬送コンベア(以下、単にコンベアと呼ぶ)20を配置し、また、上流側にあたる基台10の右端に搬入コンベア12を、下流側にあたる基台10の左端に搬出コンベア13を配置している。これら3つのコンベア12、13、20は互いに段差なく連続しており、作業対象となるプリント基板GをX方向(図1の右側から左側)に順々に送ることが出来る構成となっている。
基台10上には、昇降動作可能な基板ストッパ25が設けられており、コンベア20によりX方向に送られる基板Gを、基台中央の実装作業位置にて停止させる構成となっている。そして、基台中央には基板支持装置30が設けられており、実装作業位置に停止したプリント基板Gを下から支える構造となっている。尚、基板支持装置30の構造については、図3〜図5を参照して、後に詳しく説明を行う。
基台10上であって、実装作業位置の周囲4箇所には部品供給部80が設けられ、そこには部品供給装置としてのフィーダ85がX方向に整列状に設置されている。各フィーダ85は、部品供給テープが巻回されたリール(不図示)、リールから部品供給テープを引き出す電動式の送出装置(不図示)などから構成されている。
部品供給テープには電子部品Bが一定間隔にて保持されており、送出装置を駆動させると、部品供給テープの引き出しに伴い、電子部品Bが一つずつ供給される。そして、供給された電子部品Bは、次に説明する実装作業装置100により、実装作業位置上にてバックアップされたプリント基板G上に実装される構成となっている。
また、基台10上であってコンべア20のY方向の両側には、部品認識カメラ95が一対設置されている。この部品認識カメラ95は、実装ヘッド185により吸着保持された電子部品Bを撮影するためのものである。
実装作業装置100は電子部品Bを吸着保持する実装ヘッド185と移動装置130と、から構成されている。本移動装置130はXYZの直交する3つの駆動軸を備えた直交座標ロボットであり、これら3つの駆動軸を複合的に駆動させることで、ヘッドユニット160に取り付けられた実装ヘッド185を基台10上の任意位置に移動操作する。
具体的に説明してゆくと、図1に示すように基台10上には一対の支持脚141が設置されている。両支持脚141は実装作業位置の両側(X方向両側)に位置しており、共にY方向(図1では上下方向)にまっすぐに延びている。
両支持脚141にはY方向に延びるガイドレール(Y方向案内軸)142が支持脚上面に設置されると共に、これら左右のガイドレール142に長手方向の両端部を嵌合わさせつつヘッド支持体151が取り付けられている。
また、図1において右側の支持脚141にはY方向に延びるY軸ボールねじ軸(Y方向駆動軸)145が装着され、更にY軸ボールねじ軸145にはボールナット(不図示)が螺合されている。そして、Y軸ボールねじ軸145の軸端部にはY軸モータ147が設けられている。
Y軸モータ147を通電操作すると、Y軸ボールねじ軸145に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッド支持体151、ひいては次述するヘッドユニット160がガイドレール142に沿ってY方向に水平移動する(Y軸サーボ機構)。
図2に示すように、ヘッド支持体151にはX方向に延びるガイド部材(X方向案内軸)153が設置され、更に、ガイド部材153に対してヘッドユニット160が、移動自在に取り付けられている。このヘッド支持体151には、X方向に延びるX軸ボールねじ軸(X方向駆動軸)155が装着されており、更にX軸ボールねじ軸155にはボールナットが螺合されている。
そして、X軸ボールねじ軸155の軸端部にはX軸モータ157が設けられており、X軸モータ157を通電操作すると、X軸ボールねじ軸155に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッドユニット160がガイド部材153に沿ってX方向に移動する(X軸サーボ機構)。
従って、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を複合的に制御することで、基台10上においてヘッドユニット160を水平方向(XY方向)に移動操作出来る構成となっている。
ヘッドユニット160には、一列状に実装ヘッド185が設けられている。各実装ヘッド185は、Z軸ボール螺子からなるZ軸サーボ機構(図略)により、Z方向に移動操作可能とされる。そして、各実装ヘッド185の先端には吸着ノズル186が設けられており、ヘッド先端に吸引力を生じさせるようになっている。以上のことから、ヘッドユニット160を部品供給部80と基台中央の実装作業位置との間を往復移動させつつ、実装ヘッド185を適宜昇降操作することにより、部品供給部80から電子部品Bを取り出すことが出来、かつ取り出した電子部品Bを実装作業位置にてバックアップされたプリント基板G上に実装できる。
2.基板支持装置の構造
基板支持装置30は実装作業位置に停止したプリント基板Gを下から支える機能を果たすものであり、図3に示すように、ベース31と、ベース31を支える支持テーブル35と、位置決めプレート40と、バックアップピンPと、昇降装置70とから構成されている。
位置決めプレート40はベース31の大きさと概ね等しい形状の金属板であり、周囲には下向きに屈曲するフランジ41が形成されている。位置決めプレート40の下面の四隅には、マグネット(図略)が設けられている。位置決めプレート40は、マグネットの磁力により、ベース31に固定される構成となっている。
ベース31上には、ガイドピン37が設けられる一方、位置決めプレート40には、ガイド孔が形成されており、ガイド孔にガイドピン37を嵌合させることで、ベース31に対して位置決めプレート40を位置決めできる構成となっている。
位置決めプレート40の板面には、位置決め孔43が貫通形成されている。位置決め孔43は、位置決めプレート40に対して、マトリクス状(碁盤目状)に多数設けられている。
バックアップピンPは、ベース31上に縦向きに配置されプリント基板Gを下から支える機能を果たすものである。バックアップピンPは、図4に示すように、上下方向に長い形状をした、段付きピンであり、胴部52の下側に小径部53を形成し、上側に支持部55を形成している。支持部55は、小径部53よりも更に細径であり、上方に真っ直ぐに延びている。支持部55は、プリント基板Gを支持する機能を果たすものであり、上端面は水平な支持面となっている。小径部53は位置決めプレート40に形成された位置決め孔43の相手となるものであり、位置決め孔43に対して、隙間なく嵌合する構成となっている。
位置決め孔43に対して小径部53を指して嵌合させることで、バックアップピンPをベース31上の所定位置に取り付けることが出来る。図4に示すように、位置決めプレート40はベース上面との間に、所定の隙間を有している。位置決め孔43を貫通したバックアップピンPの小径部53は、ベース31の上面に突き当たるようになっている。バックアップピンPの基端にはマグネット45が配置されている。マグネット45はベース31に吸着することで、バックアップピンPの姿勢を維持するために設けられている。
昇降装置70は、図3、図5に示すように、複数本のガイドシャフト72と、ガイドシャフト72を支えるハウジング73と、ボールスクリュー75と、軸受け部76と、昇降モータ77とを備えている。ガイドシャフト72は、支持テーブル35を上下移動可能に支えており、支持テーブル35を水平に昇降させる機能を果たす。
ボールスクリュー75は軸受け部76によって上下方向に進退可能に支持されており、上端部は支持テーブル35の下面中央部に連結されている。このボールスクリュー75には、軸受け部76に設けられたボールナット(図略)が螺合しており、軸周りの回転運動を軸に沿った直線運動に変換するボール螺子機構を構成している。昇降モータ77は、モータ軸を上に向けて設置されている。軸受け部76とモータ77にはそれぞれプーリが設けられており、両プーリ間が無端ベルト79によって渡されている。
以上のことから、昇降モータ77を駆動させると、その回転力が無端ベルト79を介して軸受け部76のボールナットへと伝達され、ボールスクリュー75を上下動させる。その結果、支持テーブル35がボールスクリュー75と一体的に昇降して、ベース31を下降位置(図略)と上昇位置(図略)との間で変位させる構成となっている。
ベース31を下降位置に位置させた状態では、コンベア上を搬送されるプリント基板Gの下方において、各バックアップピンPが、基板Gから所定距離隔てた離間状態となる。その一方、ベース31を上昇位置に移動させると、バックアップピンPが基板下面に下から当接して、実装作業位置にて停止したプリント基板Gをバックアップする構成となっている。
3.表面実装機の電気的構成
次に表面実装機1の電気的構成を、図6を参照して説明する。表面実装機1はコントローラ200により装置全体が制御統括されている。
コントローラ200は、表面実装機1の制御部であり、CPU等により構成される演算処理部211を備える他、搭載プログラム記憶手段213、モータ制御部215、画像処理部216、記憶部217、入出力部219を有している。演算処理部211には、操作パネル220が接続されている。演算処理部211には、操作パネル220が接続されていて、操作パネル220を介して、各種の入力操作ができるようになっている。
搭載プログラム記憶手段213には、X軸モータ157、Y軸モータ147、Z軸モータ、R軸モータなどからなるサーボ機構を制御するための搭載プログラム(電子部品Bをプリント基板Gに実装するためのプログラム)が格納されている。
モータ制御部215は演算処理部211と共に、搭載プログラムに従って各種モータを駆動させるものであり、各種モータが接続されている。画像処理部216には、部品認識カメラ95が接続されている。画像処理部216は、カメラ95から出力される画像データを画像処理するために設けられている。
コントローラ200は、ヘッドユニット160の実装ヘッド185により、フィーダ85から電子部品5を取り出して、プリント基板Gに対して実装する制御を行う。また、コントローラ200には、入出力部219を介して、管理装置250が電気的に接続されている。
管理装置250は、表面実装機1によるプリント基板Gの生産を管理するために設けられている。管理装置250は、各種の演算を行う演算処理部260と、記憶部270と、表示部280と入力部290と、を含んで構成されている。入力部290は、マウスやキーボード等のユーザインターフェースであり、作業者が各種の入力操作ができるようになっている。記憶部270には、管理装置250が、図7に示す表示フローを実行するために必要なデータなどが記憶されている。管理装置250は、本発明の「作業支援装置」の一例である。管理装置250は、作業者による、品種間でのバックアップピンPの共通化の検討作業を支援するため、品種間で共通使用できるバックアップピンPのピン配列Kを表示する処理を行う。
4.品種間におけるバックアップピンの共通化の検討作業の支援
複数品種のプリント基板Gについて生産を行う場合、品種間でバックアップピンPのピン配列Kを共通にすることが望ましい。ピン配列Kを共通にすることで、品種の切り換え時に行うバックアップピンPの段取り作業を短くでき、プリント基板Gの生産効率が高まるためである。尚、プリント基板Gを生産するとは、プリント基板Gに電子部品Bを搭載して実装基板を生産することを意味する。品種とはプリント基板Gの種類である。
しかし、共通使用できるバックアップピンPだけでは、ある品種では、プリント基板Gの支持が十分でない場合、小さな電子部品Bの搭載箇所など必要な箇所が支持できない場合がある。そのため、生産に使用される最終的なバックアップピンPのピン配列Kは、プリント基板Gの生産効率や生産品質などから、作業者が総合的に判断して決定する。
作業者が生産に使用するバックアップピンPのピン配列を判断する場合、3品種で共通使用できるピン配列、2品種で共通使用できるピン配列など、共通化する品種数Nに応じた複数のピン配列の候補があると、表示されたピン配列から、バックアップピンPを何品種数まで共通化できるのか、判断し易くなる。そこで、管理装置250の演算処理部260は、共通化する品種数Nに応じた複数のピン配列Kを求めて、表示部280に対して表示する。
以下、図7を参照しつつ、A〜Cの3品種(N=3)のプリント基板Gを生産する場合を例にとって、品種間で共通化するピン配列Kの表示フローを説明する。尚、プリント基板Pは表面と裏面の双方に部品を搭載する両面実装基板であり、この例では、表面側に電子部品を搭載する場合のバックアップを検討する。また、図7に示す表示フローはプリント基板Pの生産計画準備の一環として行われるものである。
S10では、各品種A〜Cについて、基板データが管理装置250に対して入力される。基板データ入力は、例えば、作業者が行うことが出来る。基板データは、プリント基板及び実装する電子部品に関するデータであり、下記の(a)〜(c)のデータを含む。
(a)プリント基板Gのサイズ
(b)プリント基板Gの表面に実装する電子部品の位置及び大きさ
(c)プリント基板Gの裏面に実装する電子部品の位置及び大きさ
S20において、演算処理部260は、各品種A〜Cについて、ピン配列Kのオリジナルデータを作成する。ピン配列のオリジナルは、品種間におけるバックアップピンPの共通化を考慮せず、その品種の基板データのみから特定されるバックアップピンPのピン配列Kである。
オリジナルデータは、各品種の基板データ、バックアップピンPのピンデータ(位置決めプレート40により位置決めされるピンの位置、ピン径など)などから作ることが出来る。具体的には、基板支持装置30の位置決めプレート40に対して配置可能なバックアップピンPのうち、プリント基板Gの外形に対して重なるピンの中から、不使用ピンを除いて、プリント基板Gを均等に支持できるように作られる。なお、不使用ピンは、バックアップに使用できないバックアップピンPであり、例えば、プリント基板Gの裏面に実装済みの電子部品Bに対して、位置が重なるピンである。
図8A〜図8Cは、品種A〜品種Cについて、オリジナルのピン配列K1〜K3を示している。図8A〜図8Cにおいて、位置決めプレート40の外形線に沿って付した数字列は、位置決めプレート40に対するバックアップピンPのX方向の座標とY方向の座標を示している。また、図中に示す黒塗りのバックアップピンPが、プリント基板Gのバックアップに使用されるピンである。破線枠LPはプリント基板Gの外形を示し、破線枠LBは、プリント基板Gの裏面に搭載済みの部品Bの外形を示している。尚、各品種A〜Cのオリジナルのピン配列K1〜K3は、位置決めプレート40に対するバックアップピンPの配置座標(X方向、Y方向)のデータで、記憶部270に記憶される。ピン配列Kのオリジナルデータは、本発明の「初期データ」の一例である。図10は、A品種のオリジナルのピン配列K1のデータを示している。
S30において、演算処理部260は、A〜Cの3品種間で共通するバックアップピンPのピン配列K4のデータを生成する。ピン配列K4のデータは、A〜Cの3品種間でオリジナルのピン配列K1〜K3を比較して、3品種全てについて、配置座標が一致しているバックアップピンPを抽出することにより、生成できる。3品種間で共通化したピン配列K4のデータは、図11に示すように、位置決めプレート40に対するバックアップピンPの配置座標(X方向、Y方向)のデータで、記憶部270に記憶される。3品種間で共通するピン配列K4が本発明の「第1のピン配列」の一例である。
S40において、演算処理部260は、2品種間で共通するバックアップピンPのピン配列K5〜K7のデータを生成する。ピン配列K5〜K7のデータは、A〜Cの3品種のうち2品種の組み合わせ(具体的にはA−B、A−C、B−Cの各組み合わせ)について、オリジナルのピン配列K1〜K3を比較して、配置座標が一致しているバックアップピンPを抽出することにより、生成できる。2品種間で共通するピン配置K5〜K7のデータは、位置決めプレート40に対するバックアップピンPの配置座標(X方向、Y方向)のデータで、記憶部270に記憶される。図12は、A−Bの2品種間で共通するピン配列K5のデータを示している。2品種間で共通するピン配列K5〜K7が本発明の「第2のピン配列」の一例である。
S50において、演算処理部260は、バックアップピンPの表示態様を決定する決定処理を行う。バックアップピンPの表示態様は、共通使用する品種数Nに応じて、異なる表示態様に決定される。表示態様の決定処理は、図9に示すS51〜S58から構成されている。表示態様の決定処理は、位置決めプレート40に対してバックアップピンPを配置可能な全てのピン配置箇所(全配置座標)を対象として行う。S51、S52、S53は、各ピン配置箇所について、そのピン配置箇所にセットされるバックアップピンPが何品種で共通しているか判定するステップである。
バックアップピンPが3品種で共通している場合、S51にてYESの判定となり、ピンの表示が「3」に設定される(S54)。バックアップピンPが2品種で共通している場合、S52でYESの判定となり、ピンの表示は「2」に設定される(S55)。バックアップピンPが他品種と非共通の場合、即ち、バックアップピンPが1品種のみで使用される場合、S53でYESの判定となり、ピンの表示は「1」に設定される(S56)。バックアップピンPが3品種で非使用の場合、S53でNOの判定となり、ピンの表示は「非表示」に設定される(S57)。
全てのピン配置箇所(全配置座標)について表示が設定されると、S58にてYES判定され、表示態様の決定処理は終了する。表示態様のデータは、図10〜図12に示すように、各ピン配列Kについて、バックアップピンPの配置座標と対応付けて記憶される。また、図中は省略されているが、各ピン配列Kについて、そのピン配列Kに非使用のバックアップピンPは非表示に設定される。
尚、図12に示すように、A−B2品種共通のピン配列K5の場合、P1、P2、P3、P6、P9、P10、P11の7本のバックアップピンPから構成されている。7本のうち、P1、P3、P9、P10、P11の5本のピンは、3品種に共通なので表示は「3」の設定となり、P2、P6の2本はA−B2品種のみ共通なので表示は「2」の設定となる。
その後、S60において、演算処理部260は、共通化する品種数Nに区分して、バックアップピンPのピン配列Kを表示する第1表示処理を行う。具体的には、以下の7パターンのピン配列K1〜K7を、表示部280に対して表示する。(1)は3品種共通のピン配列、(2)〜(4)は2品種共通のピン配列、また(5)〜(7)は各品種のオリジナルのピン配列である。
(1)A〜Cの3品種に共通するバックアップピンのピン配列K4
(2)A−Bの2品種に共通するバックアップピンのピン配列K5
(3)A−Cの2品種に共通するバックアップピンのピン配列K6
(4)B−Cの2品種に共通するバックアップピンのピン配列K7
(5)A品種のオリジナルのピン配列K1
(6)B品種のオリジナルのピン配列K2
(7)C品種のオリジナルのピン配列K3
図13Aは、A〜Cの3品種に共通するピン配列K4を示している。ピン配列K4は、P1、P3、P9、P10、P11の5本のバックアップピンPから構成されており、P1、P3、P9、P10、P11の5本のピンの配置座標には、そのバックアップピンPがA〜Cの3品種に共通であることを示す「3」の文字が表示される。
図13Bは、A−Bの2品種に共通するピン配列K5を示している。ピン配列K5は、P1、P2、P3、P6、P9、P10、P11の7本のバックアップピンPから構成されており、P1、P3、P9、P10、P11の5本のピンの配置座標には、そのバックアップピンPがA〜Cの3品種で共通することを示す「3」の文字が表示され、P2、P6の2本のピンの配置座標には、そのバックアップピンPがA−Bの2品種で共通することを示す「2」の文字が表示される。
図13Cは、A品種のオリジナルのピン配列K1を示している。オリジナルのピン配列K1は、P1〜P11のバックアップピンPから構成されており、P1、P3、P9、P10、P11の5本のピンの配置座標には、そのバックアップピンPがA〜Cの3品種で共通使用できることを示す「3」の文字が表示され、P2、P5、P6の3本のピンの配置座標には、そのバックアップピンPが、A−Bの2品種又はA−Cの2品種で共通使用できることを示す「2」の文字が表示される。また、P4、P7、P8の3本のピンの配置座標には、そのバックアップピンPが他品種で共通使用できない専用ピンであることを示す「1」の文字が表示される。
図14は、表示部280に対する7つのピン配列K1〜K7の表示態様を示している。演算処理部260は、図14に示すように、管理装置250の表示部280上に、7パターンのピン配列K1〜K7を一括して表示する。具体的には、7つのピン配列K1〜K7を3段に分けて表示おり、1段目は3品種共通のピン配列K4、2段目は2品種共通のピン配列K5〜K7、3段目は各品種A〜Cのオリジナルのピン配列K1〜K3である。尚、ピン配列K4が本発明の「第1のピン配列」の一例、ピン配列K5〜K7が本発明の「第2のピン配列」の一例である。
また、各ピン配列K1〜K7の右斜め上部には、品種表示枠J1〜J7が表示される。品種表示枠J1〜J7には、共通化する品種の組み合わせが、表示される。
上記のように、7パターンのピン配列K1〜K7を一括して表示することで、表示内容からピン配列Kの違いを比べ易くなるので、表示されたピン配列Kから、何品種数まで共通化できそうなのか、また品種A〜Cの組み合わせを、作業者が選び易くなる。
そして、管理装置250の入力部290は、マウスやキーボート等のユーザインターフェースであり、作業者は、表示部280に表示される7つのピン配置K1〜K7の中から、生産に使用するピン配列Kを、入力部290を用いて選択することが出来る。
図15は、プリント基板Gの生産に使用されるピン配列Kの書き換えフローを示す図である。
作業者が、入力部290を用いて、表示部280に表示される7つのピン配置K1〜K7の中から生産時に使用するピン配列Kを入力する操作を行うと、管理装置250の演算処理部260は、入力部290により入力されたピン配列Kは、3品種共通のピン配列K4が選択されたか否かを判定する(S100、S110)。
3品種共通のピン配列K4が選択されていた場合(S110:YES)、演算処理部260は、記憶部270に記憶されている品種A用のバックアップピンPのピン配列Kのデータを、オリジナルのピン配置K1から3品種共通のピン配列K4のデータに書き換える。同様、品種B、品種Cについても、ピン配列Kのデータを、オリジナルK2、K3から3品種共通のピン配列K4のデータに書き換える(S150)。
また、A−Bの2品種共通のピン配列K5が選択されていた場合(S120:YES)、演算処理部260は、記憶部270に記憶されている、品種A用と品種B用のバックアップピンPのピン配列Kのデータを、オリジナルK1、K2からA−Bの2品種共通のピン配列K5のデータに書き換える(S160)。尚、品種Cについては、ピン配列Kのデータは、オリジナルのピン配置K3に保持される。
また、A−Cの2品種共通のピン配列K6が選択されていた場合(S130:YES)、演算処理部260は、記憶部270に記憶されている、品種A用と品種C用のバックアップピンPのピン配列Kのデータを、オリジナルK1、K3からA−Cの2品種共通のピン配列K6のデータに書き換える(S170)。尚、品種Bについては、ピン配列Kのデータは、オリジナルのピン配置K2に保持される。
また、B−Cの2品種共通のピン配列K7が選択されていた場合(S140:YES)、演算処理部260は、記憶部270に記憶されている、品種B用と品種C用のバックアップピンPのピン配列Kのデータを、オリジナルK2、K3からB−Cの2品種共通のピン配列K7のデータに書き換える(S180)。尚、品種Aについては、ピン配列のデータは、オリジナルのピン配置K1に保持される。
また、デフォルトが選択されるなど、3品種共通、2品種共通のピン配置K4〜K7が選択されなかった場合(S110〜S140:NO)、演算処理部260は、品種A〜Cについて、ピン配列Kのデータは、オリジナルのピン配列K1〜K3に保持される。
その後、プリント基板Gの生産開始前の準備段階で、管理装置250から表面実装機1に対して、各品種A〜Cのピン配列Kのデータが送信される。例えば、作業者がA−Bの2品種共通のピン配列K5を選択していた場合、品種Aの生産開始前の準備段階に、管理装置250から表面実装機1に対して、A−Bの2品種共通のピン配列K5のデータが送信される。これにより、品種Aの生産中は、A−Bの2品種共通のピン配列K5により、プリント基板Gの生産が行われる。
また、品種Bの生産開始前の準備段階に、管理装置250から表面実装機1に対して、A−Bの2品種共通のピン配列K5のデータが送信される。これにより、品種Bの生産中は、A−Bの2品種共通のピン配列K5により、プリント基板Gの生産が行われる。
また、品種Cの生産開始前の準備段階に、管理装置250から表面実装機1に対して、品種Cに専用のオリジナルのピン配列K3のデータが送信される。これにより、品種Cの生産中は、品種Cに専用のオリジナルのピン配列K3で、プリント基板Gの生産が行われる。
尚、表面実装機1は、実装ヘッド185が、基板支持装置30にバックアップピンPを配植する作業ロボットを兼用している。そのため、コントローラ200により、ヘッドユニット160を制御して、バックアップピンPの配植作業を行うことにより、管理装置250から送信されるピン配列Kに、バックアップピンPを配植することが出来る。配植作業は、ヘッドユニット160に限らず、専用のロボットで行ってもよいし、作業者が手作業で行ってもよい。
5.効果説明
この発明では、管理装置250の表示部280に対して、品種間で共通使用できるバックアップピンPのピン配列K1〜K7が表示される。表示されるピン配列は、3品種共通の場合、2品種共通の場合など共通使用する品種数Nに応じた複数であることから、表示されたピン配列K1〜K7から、何品種数までピン配列Kを共通化できそうなのか、作業者が、判断し易くなる。そのため、作業者による、品種間でのピン配列Kの共通化の検討作業を支援することが出来る。
また、この発明では、表示部280の一画面上に、複数のピン配列K1〜K7を一括して表示する。一括表示することで、ピン配列K1〜K7の違いを比べ易くなるので、作業者が、ピン配列Kを共通使用する品種数、品種の組み合わせを選び易くなる。
また、この発明では、ピン配列Kを構成するバックアップピンPの表示態様を、そのバックアップピンPが、共通使用できる品種数Nにより異ならせる。表示態様の相違により、そのバックアップピンPが、共通使用できる品種数Nを認識することが出来る。
<実施形態2>
実施形態2は、品種間でのピン配列Kの共通化の検討作業を支援するため、表示部280に対する表示内容に、ピン配列Kを構成するバックアップピンPの使用本数を含める。
具体的には、バックアップピンPのピン配列Kを表示する第1表示処理(S60)において、バックアップピンPの使用本数を、品種表示枠J1〜J7内に表示する。具体的には、図16に示すように、3品種共通の場合、バックアップピンPは5本であることから、品種表示枠J4内に「5本」と表示される。A−Bの2品種の共通の場合、バックアップピンPは7本であることから、品種表示枠J5内に「7本」と表示される。また、A−Cの2品種の共通の場合、バックアップピンPは6本であることから、品種表示枠J6内に「6本」と表示される。B−Cの2品種の共通の場合、バックアップピンPは5本であることから、品種表示枠J7内に「5本」と表示される。各品種のオリジナルのピン配列K1〜K3も、同様に、対応する品種表示枠J1〜J3に対して、バックアップピンPの使用本数が表示される。
バックアップピンPの使用本数を表示することで、品種間でピン配列Kを共通化した場合、オリジナルからのバックアップピンPの削減本数を作業者が把握し易くなることから、作業者が、品種間でのバックアップピンPの共通化の検討作業を行い易くなる。
<実施形態3>
実施形態3はバックアップピンPの段取り手順を表示するようにしたものである。
図17は、段取り手順の表示フローを示す図である。作業者が入力部290を用いて、
2品種共通や3品種共通など、ピン配列Kを共通化する品種数Nの候補を選択すると(S210)、管理装置250の演算処理部260は、3品種共通が選択されたか否かを判定する(S220)。
3品種共通が選択された場合(S220:YES)、演算処理部260は、表示部280に対して、ピン配列Kを3品種共通にした時のバックアップピンPの段取り内容を表示させる(S230)。
具体的には、図18に示すように、各品種A〜Cのオリジナルのピン配列K1〜K3を1段目に表示し、3品種共通時のピン配列K4を2段目に表示する。
また、A品種の場合、オリジナルから3品種共通へのバックアップピンPの削減本数は「6」、B品種の場合、オリジナルから3品種共通へのバックアップピンPの削減本数は「4」、C品種の場合、オリジナルから3品種共通へのバックアップピンPの削減本数は「2」である。
そのため、各品種A〜Cのオリジナルのピン配列K1〜K3と、3品種共通のピン配列K4との間をそれぞれ矢印Q1で接続すると共に、各矢印Q1内にバックアップピンPの削減本数を表示する。具体的には、品種Aのオリジナルのピン配列K1から3品種共通のピン配列K4に向かう矢印Q1内には、バックアップピンPの削除本数を示す「−6」の数字を表示する。また、品種Bのオリジナルのピン配列K2から3品種共通のピン配列K4に向かう矢印Q1内には、バックアップピンPの削除本数を示す「−4」の数字を表示する。また、品種Cのオリジナルのピン配列K3から3品種共通のピン配列K4に向かう矢印Q1内には、バックアップピンPの削除本数を示す「−2」の数字を表示する。
このようにすることで、各品種A〜Cについて、オリジナルのピン配列K1〜K3から3品種共通のピン配列K4に変更した時の、バックアップピンPの削減本数が認識し易くなる。
尚、段取り手順の表示に使用する矢印Qには、「削除」を表すQ1、「移動」を表すQ2、「追加」を表すQ3の3種がある。3種のQ1〜Q3は、識別のため線種を異ならせており、「削除」を表すQ1は「実線」で表示し、「移動」を表すQ2は「破線」で表示し、「追加」を表すQ3は「太線」で表示している。
2品種共通が選択されていた場合(S240:YES)、演算処理部260は、表示部280に対して、バックアップピンPを2品種共通にした時のバックアップピンPの段取り内容を表示させる(S250)。2品種共通には、A−Bの2品種を共通化するパターンと、A−Cの2品種を共通化するパターンと、B−Cの2品種を共通化するパターンがある。
図19は、A−Bの2品種を共通化した時のバックアップピンPの段取り内容と、A−Cの2品種を共通化した時のバックアップピンPの段取り内容を、表示部280の一つの表示画面上にまとめて表示したものである。尚、B−Cの2品種共通化は省略されているが、3パターンの段取り内容は、一つの表示画面上にまとめて表示するとよい。
図19では、バックアップピンPの段取りを縦方向(V1方向)の時系列で示しており、各品種A〜Cのオリジナルのピン配列K1〜K3を1段目に表示し、A−Bの2品種を共通化した時のピン配列K5と、A−Cの2品種を共通化した時のピン配列K6を2段目に表示する。そして、3段目に、2品種共通での生産後に使用されるピン配列を表示する。A−Bの2品種の生産後はC品種を生産し、A−Cの2品種の生産後は、B品種を生産することになる。
よって、図19では、A−Bの2品種を共通化した時のピン配列K5の下にC品種のオリジナルのピン配列K3を表示し、A−Cの2品種を共通化した時のピン配列K6の下にB品種のオリジナルのピン配列K2を表示している。尚、図19に示す2段目の「生産用1」、3段目の「生産用2」の記載は、生産順を示している。
2段目に表示されたA−Bの2品種を共通化した時のピン配列K5と、3段目に表示されたC品種のオリジナルのピン配列K3は、使用するバックアップピンPの本数は「7」で同じである。しかし、7本のうち位置が共通するのは5本だけで、2本は位置が異なっている。
そのため、2段目に表示されたA−Bの2品種を共通化した時のピン配列K5から3段目に表示されたC品種のオリジナルのピン配列K3に向かう矢印Q2を表示し、その内部に、バックアップピンPの移動本数を示す「2」を表示している。このようにすることで、段取り作業時のバックアップピンPの移動本数が認識し易くなる。
矢印Q2は、線種が破線で、「移動」を表しており、内部の数字は、バックアップピンPの移動本数を示している。
また、第2識別枠U2は、移動対象のピンPを識別する枠である。移動対象のバックアップピンPは、第2識別枠U2により囲まれて表示される。このようにすることで、移動対象のバックアップピンPが認識し易くなる。また、バックアップピンPの移動前の位置から移動先の位置に向かう矢印Wを表示する。このようにすることで、バックアップピンPがどの位置からどの位置に移動するのか、認識し易い。
また、2段目に表示されたA−Cの2品種を共通化した時のピン配列K6は使用するバックアップピンPの本数は「6」、3段目に表示されたB品種のオリジナルのピン配列K2は、使用するバックアップピンPの本数は「9」であり、B品種のピン配列K2の方が使用するバックアップピンPの本数が「3本」多い。
そのため、2段目に表示されたA−Cの2品種を共通化した時のピン配列K6から3段目に表示されたB品種のオリジナルのピン配列K2に向かう矢印Q3を表示し、その内部に、バックアップピンPの追加本数を示す「+3」を表示している。このようにすることで、段取り作業時のバックアップピンPの追加本数が認識し易くなる。尚、矢印Q3は、線種が太線で、「追加」を表しており、内部の数字は、バックアップピンPの追加本数であることを示している。
また、第3識別枠U3は、追加対象のピンPを識別する枠である。追加対象のバックアップピンPは、第3識別枠U3により囲まれて表示される。このようにすることで、追加対象のバックアップピンPが認識し易くなる。
識別枠Uには、削除を表す第1識別枠U1、移動を表す第2識別枠U2、追加を表す第3識別枠U3があり、各識別枠U1〜U3は、矢印Q1〜Q3と同様に、枠線の線種が実線、破線、太線で異なっており、線種から識別可能となっている。
また、2段目に表示されたA−Cの2品種を共通化した時のピン配列K6は、6本のバックアップピンPから構成されており、そのうち、5本のバックアップピンPは、3段目に表示されたB品種のオリジナルのピン配列K2と配置が共通している。しかし、1本のバックアップピンPは、3段目に表示されたB品種のオリジナルのピン配列K2と配置が共通しておらず、位置の移動が必要である。
そのため、2段目に表示されたA−Cの2品種を共通化した時のピン配列K6から、3段目に表示されたB品種のオリジナルのピン配列K2に向かう矢印Q3と並んで、バックアップピンPの移動を示す矢印Q2を表示し、その内部に、バックアップピンPの移動本数を示す「1」を表示している。そして、移動対象のバックアップピンPを、第2識別枠U2により囲んで表示している。
品種共通が選択されていない場合(S240:NO)、演算処理部260は、表示部280に対して、品種間でピン配列Kを共通化しない時のバックアップピンPの段取り内容を表示させる(S260)。品種は3種あるので、プリント基板Gの生産順は、A−B−Cの生産順、A−C−Bの生産順、B−A−Cの生産順、B−C−Aの生産順、C−A−Bの生産順、C−B−Aの生産順の6パターンがあり、6パターンの段取りが考えられる。これら6つのパターンについて、段取り内容を別々に表記してもよいが、表示は一括が好ましい。
図20は、A−B−Cの生産順とC−B−Aの生産順の2パターンについて、バックアップピンPの段取り内容を、表示部280の一つの表示画面上に、まとめて表示したものである(他の生産順は省略)。
図20の表示は、バックアップピンPの段取りを横方向(V2方向)の時系列で示しており、1段目に、A−B−Cの生産順におけるバックアップピンPの段取り内容を示し、2段目に、C−B−Aの生産順におけるバックアップピンPの段取り内容を示している。また、上段の「生産用1」、「生産用2」、「生産用3」の記載は、生産順を示している。
A−B−Cの生産順の場合、A品種のオリジナルのピン配列K1、B品種のオリジナルのピン配列K2、C品種のオリジナルのピン配列K3がV2方向に表示される。そして、各ピン配列Kの間を、バックアップピンPの削除、移動、追加に応じて、それに対応する矢印Q1、Q2、Q3で接続して表示する。
A品種からB品種への変更時、バックアップピンPの削除本数は「2本」、バックアップピンPの移動本数は「2本」である。そのため、A品種のピン配列K1からB品種のピン配列K2に向かう2つの矢印Q1、Q2を表示し、バックアップピンPの削減を示す実線の矢印Q1の内部に、バックアップピンPの削除本数を示す「−2」が表示され、バックアップピンPの移動を示す破線の矢印Q2の内部にバックアップピンPの移動本数を示す「2」が表示される。
そして、削除対象のバックアップピンPは、削除を表す第1識別枠U1で囲んで表示し、移動対象のバックアップピンPは、移動を表す第2識別枠U2で囲んで表示する。このようにすることで、そのピンが削除対象か、移動対象なのか認識し易くなる。尚、バックアップピンPの表示色を、削除と移動で異なる色にすることで、削除と移動を識別してもよい。
また、B品種からC品種への変更時、バックアップピンPの削除本数は「2本」、バックアップピンPの移動本数は「2本」である。そのため、B品種のピン配列K2からC品種のピン配列K3に向かう2つの矢印Q1、Q2を表示し、バックアップピンPの削減を示す実線の矢印Q1の内部に、バックアップピンPの削除本数を示す「−2」が表示され、バックアップピンPの移動を示す破線の矢印Q2の内部にバックアップピンPの移動本数を示す「2」が表示される。
そして、削除対象のバックアップピンPは、削除を表す第1識別枠U1で囲んで表示し、移動対象のバックアップピンPは、移動を表す第2識別枠U2で囲んで表示する。
次に、C−B−Aの生産順の場合、C品種のオリジナルのピン配列K3、B品種のオリジナルのピン配列K2、A品種のオリジナルのピン配列K1がV2方向に表示される。そして、各ピン配列の間を、バックアップピンPの削除、移動、追加に応じて、それに対応する矢印Q1、Q2、Q3で接続して表示する。
C品種からB品種への変更時、バックアップピンPの追加本数は「2本」、バックアップピンPの移動本数は「2本」となる。そのため、C品種のピン配列K3からB品種のピン配列K2に向かう2つの矢印Q3、Q2を表示し、バックアップピンPの追加を示す太線の矢印Q3の内部に、バックアップピンPの追加本数を示す「2」が表示され、バックアップピンPの移動を示す破線の矢印Q2の内部にバックアップピンPの移動本数を示す「2」が表示される。
そして、追加対象のバックアップピンPは、追加を表す第3識別枠U3で囲んで表示し、移動対象のバックアップピンPは、移動を表す第2識別枠U2で囲んで表示する。このようにすることで、そのピンが追加対象か、移動対象なのか認識し易くなる。尚、バックアップピンPの表示色を、追加と移動で異なる色にすることで、追加と移動を識別してもよい。
また、B品種からA品種への変更時、バックアップピンPの追加本数は「2本」、バックアップピンPの移動本数は「2本」となる。そのため、B品種のピン配列K2からA品種のピン配列K1に向かう2つの矢印Q3、Q2を表示し、バックアップピンPの追加を示す太線の矢印Q3の内部に、バックアップピンPの追加本数を示す「2」が表示され、バックアップピンPの移動を示す破線の矢印Q2の内部にバックアップピンPの移動本数を示す「2」が表示される。
そして、追加対象のバックアップピンPは、追加を表す第3識別枠U3で囲んで表示し、移動対象のバックアップピンPは、移動を表す第2識別枠U2で囲んで表示する。
また、表示部280の左隅に表示した合計表示枠T1は、バックアップピンPの削除本数の合計、合計表示枠T2は、バックアップピンPの移動本数の合計、合計表示枠T3は、バックアップピンPの追加本数の合計を示している。
このように実施形態3では、作業者が、入力部290を用いてバックアップピンPを共通化する品種数の候補(例えば、3品種や2品種など)を選択すると、選択した品種数に応じて、バックアップピンPの段取り手順が表示される。
具体的には、段取り内容として、段取り順にピン配列Kを表示すると共に、段取り作業の対象となるバックアップピンPの削除本数、追加本数、移動本数を表示する。そのため、段取り時に行う作業内容が把握し易くなり、作業者が段取り削減の検討をし易くなる。
尚、実施形態3のS230、S250、S260が本発明の「第2表示処理」の一例である。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1〜3では、基板処理装置の一例として「表面実装機1」を例示したが、基板処理装置は表面実装機に限定されない。すなわち、バックアップした状態でプリント基板Gに対して何らの処理を行う装置であればよく、例えば、プリント基板Gに半田ペーストを印刷する印刷装置や、プリント基板G上に接着剤を塗布するディスペンサに、本発明を適用することも可能である。
(2)上記実施形態1〜3では、プリント基板Gの品種数を「3」としたが、品種数Nは「3」以上であればよく、「4」や「5」でもよい。品種数Nが「4」の場合、4品種でバックアップピンPを共通化した時のピン配列K、3品種で共通化した時のピン配列K、2品種で共通化した時のピン配列Kを演算処理部260でそれぞれ求めて、4品種共通、3品種共通、2品種共通の各ピン配列Kを、表示部280に表示するとよい。また、4品種共通、3品種共通のピン配列だけ表示したり、3品種共通、2品種共通のピン配列Kだけ表示してもよい。
(3)上記実施形態1〜3では、表示部280に対して、3品種で共通化した時のピン配列K4、2品種で共通化した時のピン配列K5〜K7、各品種A〜Cのオリジナルのピン配列K1〜K3を表示した。3品種で共通化した時のピン配列K4、2品種で共通化した時のピン配列K5〜K7が少なくとも表示されていれば、各品種A〜Cのオリジナルのピン配列K1〜K3は非表示にしてもよい。また、2品種で共通化した時のピン配列はK5〜K7の3パターン全てを表示する必要はなく、A−B共通のピン配列K5、A−C共通のピン配列K6など、一部のピン配列だけを表示するものであってもよい。
(4)上記実施形態1〜3では、3品種に共通使用できるバックアップピンPを「3」と表示し、2品種に共通使用できるバックアップピンPを「2」と表示し、その品種のみに使用するバックアップピンPを「1」と表示し、非使用のバックアップピンPは「非表示」することで、そのバックアップピンPが共通使用できる品種数Nを識別できるようにした。バックアップピンPの表示態様は、数字による識別に限定されるものではなく、作業者が目視で識別できるものであれば、どのような態様でもよい。例えば、S60の第1表示処理において、ピン配列Kを構成するバックアップピンPの色を、共通使用できる品種数に応じて異なる色にするなど、表示色による識別でもよい。また、バックアップピンPに付す記号を、共通使用できる品種数に応じて異なる記号にするなど、記号による識別でもよい。また、S230〜S260の第2表示処理も同様である。
また、バックアップピンPの削除、移動、追加の識別も同様であり、矢印Q1〜Q3や識別枠U1〜U3の表示色を変えることで識別できるようにしてもよい。
(5)上記実施形態3では、第2表示処理において、段取り作業時に必要となるバックアップピンPの削除本数、移動本数、追加本数を、削除を表す矢印Q1、移動を表す矢印Q2、追加を表す矢印Q3内に表示した。バックアップピンPの削除本数、移動本数、追加本数の表示方法は、矢印Q1〜Q3を用いた方法に限らない。例えば、表示部280に表示されるピン配列Kに付記する文字情報(例えば、「削除本数は3本」、「移動本数は2本」など)で表示するものであってもよい。