JP2019183861A - ドレン水排出装置における弁開閉方法、及び、ドレン水排出装置 - Google Patents

ドレン水排出装置における弁開閉方法、及び、ドレン水排出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス配管に接続されたU字管方式のドレン水排出装置において、シール管やシールポットからガスが噴出することを防止する。【解決手段】ドレン水排出装置10は、ガス配管に接続された入口管11に弁機構20を有する。弁機構20は、入口管11の内側に設けられた弁座22と、弁座22の上側に配置され、入口管11のドレン水よりも比重が小さい第一フロート24と、弁座22の下側に配置され、入口管11のドレン水よりも比重が小さい第二フロート26と、第一フロート24及び第二フロート26を連結する連結部材28とを有する。第一フロート24には、弁34が一体に形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ガス配管に適用される、ドレン水排出装置における弁開閉方法、及び、ドレン水排出装置に関する。
例えば、製鉄所には、高炉で発生したガス(副生ガス)を輸送するためのガス配管が敷設されている。このガス配管では、ガスが輸送途中で徐々に冷却されることにより、ガス中の水蒸気がガス配管の内壁面で凝縮し、この凝縮により発生したドレンは、纏まってドレン水となりガス配管内に蓄積される。
このガス配管内に蓄積されるドレン水を自動的に排出するために、一般に、ガス配管には、ドレン水排出装置が接続されている。このドレン水排出装置としては、例えば、鉛直方向に延び上端がガス配管に接続された入口管と、ガス配管の下側に配置され入口管の下端が接続されたシールポットと、鉛直方向に延び下端がシールポットに接続されたシール管とを有し、シールポットと、入口管及びシール管の少なくとも一部がドレン水で満たされたU字管方式のものがある。
ところで、このようなU字管方式のドレン水排出装置では、例えば、ガス配管の内部圧力が増大することで、入口管のドレン水が押し下げられ、シール管からドレン水(シール水)が噴出したり、例えば腐食破孔によりシールポットからドレン水が漏出したりすることが想定される。
そして、このようにドレン水が噴出したり漏出したりすることで、ドレン水排出装置からドレン水が抜けると、ドレン水排出装置からガスが噴出する虞がある。このガスには、一酸化炭素や可燃性成分等が含まれることがあるので、ガスの噴出を防止することが望ましい。
そこで、ドレン水排出装置からガスが噴出することを防止するための技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、シール管に設けられたガス排出防止装置が開示されている。このガス排出防止装置は、シール管(出側配管)の内壁面に設けられ、開口を有する鍔部と、鍔部の上側に配置されたフロートと、鍔部の下側に配置されたストッパと、フロート及びストッパを連結する中心軸とを有する。
このガス排出防止装置では、ガス配管の内部圧力が増大し、シール管におけるドレン水位が上昇すると、フロートと共にストッパが上昇し、鍔部の開口がストッパによって塞がれる。そして、このガス排出防止装置によれば、鍔部の開口がストッパによって塞がれることにより、シール管からのドレン水の噴出を防止できるとされている。
また、特許文献2には、U字管方式のドレン水排出装置において、ガス配管の内部圧力を受ける側の入口管の受圧面積を、大気圧を受ける側のシール管の受圧面積より100倍以上に大きくする技術が開示されている。そして、この技術によれば、ガス配管の内部圧力が増大しても、入口管における水柱高さの低下を抑えることができるので、入口管に設けるガス閉止弁の設置高さを低くすることができるとされている。
また、特許文献3には、U字管方式のドレン水排出装置において、シール管(ドレン排出管)に電磁弁を設け、ガス配管の内部圧力が増大した場合に、制御部によって電磁弁が閉じられるように制御される技術が開示されている。そして、この技術によれば、ガス配管の内部圧力が増大しても、電磁弁を閉じることで、シール管からのドレン水の噴出を防止できるとされている。
特開平3−188209号公報 特開2007−170580号公報 特開平4−222393号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3の技術には、以下の課題がある。
すなわち、特許文献1に記載のガス排出防止装置では、ガス配管の内部圧力の増加率が小さい場合には、フロートが上昇せずストッパが閉まらない。そして、ストッパが閉まらない程度の低い圧力の状態が続くと、シール管からドレン水が抜けて、このシール管の上端開口からガスが噴出する虞がある。
また、特許文献1には、シールポットが開示されていないが、例えば、このシールポットに相当するU字管部の底部に腐食破孔が生じ、この腐食破孔した部位からドレン水が漏出すると、U字管部からドレン水が抜けて、このU字管部における腐食破孔した部位からガスが噴出する虞がある。
また、特許文献2に記載の技術では、ガス配管の内部圧力の高い状態が続くと、シール管からドレン水が抜けて、このシール管の上端開口からガスが噴出する虞がある。また、シールポットに例えば腐食破孔が生じ、この腐食破孔した部位からドレン水が漏出すると、シールポットからドレン水が抜けて、このシールポットにおける腐食破孔した部位からガスが噴出する虞がある。
また、特許文献3に記載の技術においても、シールポットに例えば腐食破孔が生じ、この腐食破孔した部位からドレン水が漏出すると、シールポットからドレン水が抜けて、このシールポットにおける腐食破孔した部位からガスが噴出する虞がある。
このように、上記特許文献1〜3の技術には、U字管方式のドレン水排出装置のシール管やシールポットからガスが噴出する虞があるという課題がある。したがって、U字管方式のドレン水排出装置において、シール管やシールポットからのガスの噴出を防止できるようにするためには、改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであって、シール管やシールポットからのガスの噴出を防止できる、ドレン水排出装置における弁開閉方法、及び、ドレン水排出装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のドレン水排出装置における弁開閉方法は、鉛直方向に延び上端がガス配管に接続された入口管と、前記ガス配管の下側に配置され前記入口管の下端が接続されたシールポットと、鉛直方向に延び下端が前記シールポットに接続されたシール管と、前記シールポットと、前記入口管及び前記シール管の少なくとも一部とを満たすドレン水と、前記入口管の内側に設けられ、前記入口管を開閉可能な弁機構と、を有するドレン水排出装置を用い、前記ガス配管の内部圧力が増大した場合、及び、前記ドレン水排出装置のシールポットからドレン水が漏出した場合に、前記入口管における前記ドレン水の水位の低下に伴い、前記弁機構を閉状態にすることを特徴とする。
このドレン水排出装置における弁開閉方法によれば、入口管を開閉可能な弁機構が従来のようなシール管側にではなく入口管側に設けられており、ガス配管の内部圧力が増大した場合には、入口管におけるドレン水位の低下に伴い、入口管の内側に設けられた弁機構が閉状態になる。このとき、弁は、入口管におけるドレン水位の低下に伴い速やかに閉状態になる。これにより、シール管からドレン水が抜けることが防止されるので、シール管からガスが噴出することを防止できる。
また、例えば腐食破孔によりシールポットからドレン水が漏出した場合にも、入口管におけるドレン水位の低下に伴い、入口管の内側に設けられた弁が閉状態になる。これにより、シールポットよりも上流側に位置する入口管が閉止されるので、シールポットからドレン水が抜けても、シールポットからガスが噴出することを防止できる。
また、本発明のドレン水排出装置は、鉛直方向に延び上端がガス配管に接続された入口管と、前記ガス配管の下側に配置され前記入口管の下端が接続されたシールポットと、鉛直方向に延び下端が前記シールポットに接続されたシール管と、前記シールポットと、前記入口管及び前記シール管の少なくとも一部とを満たすドレン水と、前記入口管の内側に設けられた弁座と、前記弁座の上側に配置された第一フロートと、前記弁座の下側に配置された第二フロートと、前記第一フロート及び前記第二フロートを連結する連結部材と、前記第一フロートに設けられ、前記第一フロートが下降した場合に、前記弁座と嵌合して前記入口管を塞ぐ弁と、を有し、前記ガス配管の内部圧力が増大した場合に、前記第二フロートが前記ドレン水に浸かることで生じる浮力は、増大した前記内部圧力が前記第二フロートに及ぼす力と、前記第二フロートの重さの合計より小さく、前記第一フロート及び前記第二フロートが前記ドレン水に浸かることで生じる浮力は、増大した前記内部圧力が前記第一フロート及び前記第二フロートに及ぼす力と、前記第一フロート及び前記第二フロートの重さの合計より大きいことを特徴とする。
このドレン水排出装置によれば、ガス配管の内部圧力が増大した場合には、入口管内のドレン水が押し下げられ、ドレン水位に影響される第一フロート及び第二フロートが降下し、第一フロートに設けられた弁が弁座と嵌合して入口管を閉状態にする。このとき、弁は、入口管におけるドレン水位の低下に伴い速やかに閉状態になる。これにより、シール管からドレン水が抜けることが防止されるので、シール管からガスが噴出することを防止できる。
また、例えば腐食破孔によりシールポットからドレン水が漏出した場合にも、漏水によって入口管内のドレン水の水位が低下するので、ドレン水位の低下に伴い、第一フロート及び第二フロートが降下することにより、弁が弁座に嵌合して閉状態になる。これにより、シールポットよりも上流側に位置する入口管が閉止されるので、シールポットからドレン水が抜けても、シールポットからガスが噴出することを防止できる。
なお、この場合、前記第二フロートが前記ドレン水に浸かることで生じる浮力は、増大した前記内部圧力が前記第二フロートに及ぼす力と、前記第二フロートの重さの合計より小さいため、前記弁座の下側にあってドレン水に浸かった第二フロート単独の浮力では、入口管を開状態にすることはできない。
また、前記ガス配管の内部圧力が増大し、入口管が閉状態になった状態では、前記弁座の上側にガス管からのドレン水が蓄積されるため、弁座の上側における前記入口管におけるドレン水の水位が徐々に上昇することになるが、前記第一フロート及び前記第二フロートが前記ドレン水に浸かることで生じる浮力が、増大した前記ガス管の内部圧力が前記第一フロート及び前記第二フロートに及ぼす力と、前記第一フロート及び前記第二フロートの重さの合計より大きくなることで、前記第一フロート及び前記第二フロートが上昇することにより、前記弁が前記弁座から離間して開状態になり、前記弁座の上側に溜まったドレン水が下側へ流れる(第一動作)。
続いて、開状態になったことで、前記弁座の上側から下側へドレン水が流れるため、前記弁座の上側における前記入口管におけるドレン水位が低下することに伴い、前記第一フロート及び前記第二フロートが発生する浮力が低下し、前記第一フロート及び前記第二フロートが降下するため、前記弁が前記弁座に嵌合して、速やかに閉状態になる(第二動作)。
こうした第一動作及び第二動作が繰り返されることで、ガスの噴出を防止しながら、ドレン水の排出を安定して行うことができる。
更に、前記ガス配管の内部圧力が正常圧力に戻った場合には、入口管内のドレン水を押し下げる力がなくなり、ドレン水位が、内部圧力増大前の位置近くまで上昇するため、前記第一フロート及び前記第二フロートがドレン水位の上昇に伴い上昇し、入口管は開状態となる。この開状態は、再び前記ガス配管の内部圧力が増大するまで、維持されることになる。これにより、内部圧力が正常圧力に戻ったとしても、ガスの噴出に備えつつ、安定的にドレン水の排出を行うことができる。
また、本発明のドレン水排出装置は、前記第一フロートが前記弁座上に溜まる前記ドレン水に浸かることで生じる浮力は、前記第一フロート及び前記第二フロートの重さの合計より小さいことを特徴とする。
このドレン水排出装置によれば、前記シールポットからドレン水が漏出した場合に、前記入口管におけるドレン水位の低下に伴い、前記弁が閉状態になった状態では、前記弁座の上側において前記入口管におけるドレン水位が上昇しても、前記弁座の下側において前記入口管からドレン水が抜けたことにより前記第二フロートに浮力が働かずに、前記第一フロートに働く浮力が前記第一フロート及び前記第二フロートの合計重力を下回ることにより、前記弁の閉状態が継続する。
このドレン水排出装置によれば、シールポットからドレン水が漏出した場合に、入口管におけるドレン水位の低下に伴い、弁が閉状態になった状態では、弁座の上側において入口管におけるドレン水位が上昇しても、弁の閉状態が継続する。したがって、シールポットからガスが噴出することを防止した状態に維持できる。
また、本発明のドレン水排出装置は、前記弁座に対する前記第一フロートの移動を制限する制限ワイヤを有し、前記制限ワイヤが、前記第一フロートが上昇して前記制限ワイヤが伸長した状態において、前記第二フロートが前記弁座に対して下側に離間する長さであることを特徴とする。
このドレン水排出装置によれば、例えば、弁座と、第一フロート、弁又は連結部材とを、連結し移動を制限する制限ワイヤを有する。この制限ワイヤは、第一フロートが上昇して制限ワイヤが伸長した状態において、第二フロートが弁座に対して下側に離間する長さに設定されている。したがって、弁座の上側において入口管におけるドレン水位が上昇しても、第一フロートの一定以上の上昇を制限して、第二フロートを弁座に対して下側に離間した状態に維持できる。これにより、第二フロートが弁座に当接して入口管が閉止されることを防止できる。また、第二フロートが弁座に当接して第二フロートと弁座との間に異物が挟まることを防止できる。
以上詳述したように、本発明によれば、U字管方式のドレン水排出装置において、シール管やシールポットからガスが噴出することを防止できる。
本発明の一実施形態に係るドレン水排出装置が適用されたガス配管設備を示す縦断面図である。 図1に示される弁機構の二面図(縦断面図及び底面図)である。 図1に示されるガス配管の内部圧力が増大した場合における弁機構の動作を説明する図である。 図1に示されるシールポットからドレン水が漏出した場合における弁機構の動作を説明する図である。 図1に示される弁機構の第一変形例を示す縦断面図である。 図1に示される弁機構の第二変形例を示す縦断面図である。 図1に示される弁機構の第三変形例を示す縦断面図である。 図1に示される弁機構の第四変形例を示す縦断面図である。 第一比較例に係るドレン水排出装置が適用されたガス配管設備を示す縦断面図である。 第二比較例に係るドレン水排出装置が適用されたガス配管設備を示す縦断面図である。 第三比較例に係るドレン水排出装置が適用されたガス配管設備を示す縦断面図である。 第四比較例に係るドレン水排出装置が適用されたガス配管設備を示す縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るドレン水排出装置10が適用されたガス配管設備を示す縦断面図である。図1に示されるガス配管設備は、例えば、製鉄所に設置されるものであり、ガス配管1と、ドレン水排出装置10とを有する。
ガス配管1は、高炉で発生したガス(副生ガス)を輸送するためのものであり、水平に敷設されている。このガス配管1では、ガスが輸送途中で徐々に冷却されることにより、ガス中の水蒸気がガス配管1の内壁面で凝縮し、この凝縮により発生したドレンは、纏まってドレン水となりガス配管1内に蓄積される。
ドレン水排出装置10は、ガス配管1内に蓄積されるドレン水を自動的に排出するためのものであり、ガス配管1に接続されている。このドレン水排出装置10は、鉛直方向に延び上端がガス配管1に接続された入口管11と、ガス配管1の下側に配置され入口管11の下端が接続されたシールポット12と、鉛直方向に延び下端がシールポット12に接続されたシール管13とを有するU字管方式である。
入口管11の下端には、シールポット12の内側に突出する突出部14が形成されている。また、シール管13の上端は、上側に向けて開口している。シール管13の上部(上端よりも下側)には、排水管15の上端が接続されており、この排水管15の下端は、下側に向けて開口している。
シールポット12はドレン水で満たされており、更に、入口管11及びシール管13の少なくとも一部がドレン水で満たされている。図1では、入口管11の下部からシール管13の上部に亘ってドレン水16が封入されている状態が示されている。シール管13における排水管15との接続口の高さは、入口管11におけるドレン水の上面に対して、ガス配管1の正常な内部圧力に相当する圧力ヘッドH分だけ高くなるように設定されている。即ち、入口管11を満たすドレン水の水位と、シール管13を満たすドレン水の水位とに圧力ヘッドHに相当する違いが生じることで、ガス配管1内圧と大気圧との圧力差を相殺するようにしている。
ところで、一般に、このようなU字管方式のドレン水排出装置10では、ガス配管1の内部圧力が増大すると、想像線(A)で示されるように、シール管13の上端開口からドレン水(シール水)が噴出することが想定される。このようにシール管13の上端開口からドレン水が噴出して、シール管13からドレン水が抜けると、このシール管13の上端開口からガスが噴出する虞がある。
また、このようなU字管方式のドレン水排出装置10では、シールポット12に例えば腐食破孔が生じると、想像線(B)で示されるように、シールポット12における腐食破孔した部位からドレン水が漏出することが想定される。このようにシールポット12における腐食破孔した部位からドレン水が漏出して、シールポット12からドレン水が抜けると、このシールポット12における腐食破孔した部位からガスが噴出する虞がある。このガスには、一酸化炭素や可燃性成分等が含まれることがあるので、ガスの噴出を防止することが望ましい。
そこで、本実施形態に係るドレン水排出装置10には、ガスの噴出を防止するための技術として、入口管11に弁機構20が適用されている。図2は、図1に示される弁機構20の二面図(縦断面図及び底面図)である。図2に示されるように、この弁機構20は、弁座22と、第一フロート24と、第二フロート26と、連結部材28と、複数の制限ワイヤ30とを有する。なお、図2の底面図では、図2の縦断面図に示される弁座22の図示が省略されている。
弁座22は、鉛直方向を板厚方向とする円板状を成しており、入口管11の内側に設けられている。この弁座22には、鉛直方向に貫通する円形の開口32が形成されている。
第一フロート24及び第二フロート26は、入口管11の内側に設けられている。第一フロート24は、弁座22の上側に配置され、第二フロート26は、弁座22の下側に配置されている。第一フロート24は、縦長の形状に形成されており、一例として、逆さ円錐台状に形成されている。第二フロート26は、一例として、円柱状に形成されている。
この第一フロート24及び第二フロート26は、全体としてドレン水よりも密度の低い材料により形成されており、ドレン水よりも比重が小さい。第一フロート24及び第二フロート26は、例えば同じ材料で形成されている。なお、第一フロート24は、同じ材料で形成された第二フロート26よりも体積を大きくすることにより、第二フロート26よりも大きい浮力を有するように構成することが好適であり、そうすることで、後に詳述する弁機構20の動作を行う際に、第一フロート24と第2フロート26とが垂直な位置関係となり動作を安定させることができる。この第一フロート24及び第二フロート26は、後に詳述する弁機構20の動作を可能にするような体積で構成される。
連結部材28は、棒状に形成されており、鉛直方向に延びている。この連結部材28は、弁座22の開口32を通じて、第一フロート24及び第二フロート26を連結している。第一フロート24には、弁34が一体に形成されている。例えば、弁34は、逆さ円錐台状に形成された第一フロート24の外周部によって形成するようにしても良い。この弁34は、開口32と嵌合し得る形状に形成されている。弁機構20では、弁34が弁座22に接触して開口32と嵌合することにより開口32が塞がれて、入口管11が閉止される。
複数の制限ワイヤ30は、弁座22の周方向に等間隔に配置されている。この複数の制限ワイヤ30は、それぞれ弁座22と第一フロート24とを連結している。複数の制限ワイヤ30は、第一フロート24が上昇して制限ワイヤ30が伸長した状態において、第二フロート26が弁座22に対して下側に離間する長さに設定されている。換言すれば、第一フロート24が上昇して制限ワイヤ30が伸長した状態では、第二フロート26が弁座22に接触して開口32を塞がないように、複数の制限ワイヤ30の長さは設定されている。
次に、本実施形態のドレン水排出装置における弁開閉方法として、上述の弁機構20の動作について説明する。
(ガス配管の内部圧力が正常圧力である場合)
先ず、図1に示されるガス配管1の内部圧力が正常圧力である場合における弁機構20の動作について説明する。
図1に示されるガス配管1から入口管11にドレン水が流入すると、ドレン水が入口管11に貯留される。また、ガス配管1の内部圧力が入口管11内のドレン水の上面に作用し、入口管11内のドレン水が押し下げられ、シールポット12に貯留されたドレン水の一部がシール管13側に押し上げられてシール管13に流入する。
このとき、図2に示されるように、入口管11の内側に設けられた第一フロート24及び第二フロート26は、ドレン水に全没することにより浮上しようとするが、第一フロート24が制限ワイヤ30によって弁座22に連結されることにより、第一フロート24及び第二フロート26の浮上が制限される。これにより、弁34が開状態に維持されるので、ガス配管1から入口管11にドレン水が流入すると、この流入した分のドレン水が弁座22の開口32を抜け、シール管13から排水管15を通じて排出される。
(ガス配管の内部圧力が増大した場合)
続いて、図1に示されるガス配管1の内部圧力が増大した場合における弁機構20の動作について説明する。図3は、図1に示されるガス配管1の内部圧力が増大した場合における弁機構20の動作を説明する図である。
図1に示されるガス配管1の内部圧力が増大すると、図3の(1)に示されるように、入口管11のドレン水の上面が押され、入口管11におけるドレン水位が低下する。
そして、第二フロート26がドレン水に浸かることで生じる浮力が、増大した前記内部圧力が第二フロート26に及ぼす力と、前記第二フロートの重さの合計より小さくなるように、第二フロート26が構成されているため、図3の(2)に示されるように、入口管11におけるドレン水位の低下に伴い、第一フロート24及び第二フロート26が降下することにより、弁34が弁座22に嵌合して入口管11が閉状態になる。このとき、弁34は、入口管11におけるドレン水位の低下に連動するので速やかに閉状態になる。
これにより、図1に示されるシール管13からドレン水が過剰に抜けることが防止されるので、このシール管13からガスが噴出することが防止される。
なお、弁機構20では、上述のように、入口管11におけるドレン水位の低下に伴い弁34が閉状態になる。このため、ガス配管1の内部圧力が急激に増大する場合に加えて、ガス配管1の内部圧力が緩やかに増大する場合(ガス配管1の内部圧力の増加率が小さい場合)にも、弁34が閉状態になり、シール管13からガスが噴出することが防止される。
次に、図3の(3)に示されるように、弁座22の上側において入口管11におけるドレン水位が上昇し、第一フロート24及び第二フロート26の合計浮力が徐々に大きくなる。そして、第一フロート24及び第二フロート26がドレン水に浸かることで生じる浮力が、増大した前記内部圧力が第一フロート24及び第二フロート26に及ぼす力と、第一フロート24及び第二フロート26の重さの合計より大きくなるように、第一フロート24と第二フロート26が構成されているため、弁座22の上側のドレン水が増加して、第一フロート24及び第二フロート26の合計浮力が大きくなると、これに伴い、第一フロート24及び第二フロート26が上昇する。これにより、弁34が弁座22から離間して開状態になり、弁座22の上側に溜まったドレン水が下側へ流れる。このように、弁34が弁座22から離間して開状態になり、弁座22の上側に溜まったドレン水が下側へ流れる動作を、以降、第一動作と称する。
一方、弁座22の上側から下側へドレン水が流れると、弁座22の上側において入口管11におけるドレン水位が低下し、これに伴い、第一フロート24及び第二フロート26が生じる浮力が低下し、速やかに第一フロート24及び第二フロート26が降下する。これにより、図3の(2)に示されるように、弁34が弁座22に嵌合して閉状態になる。このように、弁34が弁座22に嵌合して閉状態になる動作を、以降、第二動作と称する。
そして、上述の第一動作と第二動作とが繰り返される中で、ガス配管1の内部圧力が正常圧力に戻ったときには、図3の(4)に示すように、入口管11におけるドレン水位が図3の(1)に示す高さに達する。これに伴い、ドレン水位の上昇とともに、第一フロート24及び第二フロート26が生じる浮力が増加し、第一フロート24及び第二フロート26が上昇することにより、弁34が弁座22から離間して開状態になる。つまり、弁機構20が、ガス配管1の内部圧力が増大する前の元の状態に戻る。
これにより、再び、ガス配管1の内部圧力が増大して入口管11におけるドレン水位が低下する場合には、第一フロート24及び第二フロート26が降下することにより、弁34が弁座22に嵌合して閉状態になる。そして、以降、ガス配管1の内部圧力の変動に対応して、弁34が繰り返し開閉する。
なお、第一フロート24は、第一フロート24、弁34又は連結部材28のいずれかが、制限ワイヤ30によって弁座22に連結されることで、弁座22に対する移動が制限されている。このため、図3の(4)に示されるように、弁座22の上側において入口管11におけるドレン水位が上昇しても、第一フロート24の一定以上の上昇が制限され、第二フロート26が弁座22に対して下側に離間した状態に維持される。これにより、第二フロート26が弁座22に当接して入口管11が閉止される(弁座22の開口32が塞がれる)ことが防止される。
(シールポットからドレン水が漏出した場合)
続いて、腐食破孔により図1に示されるシールポット12からドレン水が漏出した場合における弁機構20の動作について説明する。図4は、図1に示されるシールポット12からドレン水が漏出した場合における弁機構20の動作を説明する図である。
図1に示されるシールポット12に腐食破孔が生じ、このシールポット12からドレン水が漏出すると、図4の(1)に示されるように、入口管11におけるドレン水位が低下する。
そして、図4の(2)に示されるように、入口管11におけるドレン水位の低下に伴い、第一フロート24及び第二フロート26が降下することにより、弁34が弁座22に嵌合して閉状態になる。これにより、図1に示されるシールポット12よりも上流側に位置する入口管11が閉止されるので、シールポット12からドレン水が抜けても、シールポット12からガスが噴出することが防止される。
また、上述のようにシールポット12からのドレン水の漏出により、入口管11におけるドレン水位が低下し、これに伴い、弁34が閉状態になった場合には、その後の弁機構20は次のように動作する。
すなわち、図4の(3)に示されるように、弁34が閉状態のままであるため、弁座22の上側において入口管11におけるドレン水位が上昇する。ここで、第一フロート24及び第二フロート26は、第一フロート24が弁座22上に溜まるドレン水に浸かることで生じる浮力が、第一フロート24及び第二フロート26の重さの合計より小さくなるように構成されている。そのため、弁座22の下側では、入口管11からドレン水が抜けた状態であるので、第二フロート26に浮力が働かない。また、図4の(4)に示されるように、弁座22の上側に溜まるドレン水により第一フロート24にのみ浮力が働くが、この浮力が第一フロート24及び第二フロート26の合計重力を下回ることにより、弁34の閉状態が継続する。これにより、シールポット12からガスが噴出することを防止した状態に維持される。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
先ず、本実施形態の作用及び効果を明確にするために、比較例について説明する。図9は、第一比較例に係るドレン水排出装置110が適用されたガス配管設備を示す縦断面図である。図9に示される第一比較例に係るドレン水排出装置110は、上述の本実施形態に係るドレン水排出装置10(図1参照)から弁機構20が省かれたものである。
この第一比較例に係るドレン水排出装置110では、シール管13における排水管15との接続口の高さは、入口管11におけるドレン水の上面に対して、ガス配管1の正常な内部圧力に相当する圧力ヘッドH分だけ高くなるように設定されている。
しかしながら、この第一比較例に係るドレン水排出装置110では、ガス配管1の内部圧力が増大すると、想像線(A)で示されるように、シール管13の上端開口からドレン水(シール水)が噴出することが想定される。このようにシール管13の上端開口からドレン水が噴出して、シール管13からドレン水が抜けると、このシール管13の上端開口からガスが噴出する虞がある。
また、この第一比較例に係るドレン水排出装置110では、シールポット12に例えば腐食破孔が生じると、想像線(B)で示されるように、この腐食破孔した部位からドレン水が漏出することが想定される。このようにシールポット12における腐食破孔した部位からドレン水が漏出して、シールポット12からドレン水が抜けると、このシールポット12における腐食破孔した部位からガスが噴出する虞がある。
図10は、第二比較例に係るドレン水排出装置120が適用されたガス配管設備を示す縦断面図である。図10に示される第二比較例に係るドレン水排出装置120は、上述の第一比較例に係るドレン水排出装置110(図9参照)に対し、ガス配管1の内部圧力に変動(増大)が生じる場合を想定したものである。
この第二比較例に係るドレン水排出装置120において、シール管13における排水管15との接続口の高さH’は、入口管11におけるドレン水の上面に対して、ガス配管1の正常な内部圧力に相当する圧力ヘッドHに、増大圧力に相当する圧力ヘッドΔHを加えた分だけ高くなるように設定されている。
しかしながら、この第二比較例に係るドレン水排出装置120では、ガス配管1の内部圧力の増大に対応して入口管11やシール管13の長さを長くする必要があるため、設備費用が増加する。また、シール管13の地上高を抑えるために、ドレン水排出装置120の下部を地中ピットに設置したり地中に埋設したりすることも考えられるが、このようにする場合にも、設備費用が増加する。
また、この第二比較例に係るドレン水排出装置120では、ガス配管1の内部圧力の増大が想定を超える場合には、想像線(A)で示されるように、シール管13の上端開口からドレン水(シール水)が噴出する。そして、シール管13からドレン水が抜けて、このシール管13の上端開口からガスが噴出する虞がある。
さらに、この第二比較例に係るドレン水排出装置120においても、シールポット12に例えば腐食破孔が生じると、想像線(B)で示されるように、この腐食破孔した部位からドレン水が漏出する。そして、シールポット12からドレン水が抜けて、このシールポット12における腐食破孔した部位からガスが噴出する虞がある。
図11は、第三比較例に係るドレン水排出装置130が適用されたガス配管設備を示す縦断面図である。図11に示される第三比較例に係るドレン水排出装置130は、上述の第一比較例に係るドレン水排出装置110(図9参照)に対し、シール管13にガス排出防止装置131が追加されている。
このガス排出防止装置131は、上述の特許文献1に開示されているものと同様である。つまり、ガス排出防止装置131は、開口を有する鍔部132と、鍔部132の上側に配置されたフロート133と、鍔部132の下側に配置されたストッパ134と、フロート133及びストッパ134を連結する中心軸135とを有する。また、シール管13内の通常のドレン水位より、わずかに上側の位置に排水管15が接続されている。このガス排出防止装置131では、ガス配管1の内部圧力が増大し、シール管13におけるドレン水位が上昇すると、ドレン水位の上昇につれてフロート133及びストッパ134が上昇し、鍔部132の開口がストッパ134によって塞がれる。
しかしながら、このガス排出防止装置131では、ガス配管1の内部圧力の増加率が小さい場合には、フロート133が上昇せず、ドレン水が排水管15から漏れるだけで、ストッパ134が閉まらない。そして、ストッパ134が閉まらない程度の低い圧力の状態が続くと、シール管13からドレン水が抜けて、このシール管13の上端開口からガスが噴出する虞がある。また、シールポット12に例えば腐食破孔が生じ、この腐食破孔した部位からドレン水が漏出すると、シールポット12からドレン水が抜けて、このシールポット12における腐食破孔した部位からガスが噴出する虞がある。
図12は、第四比較例に係るドレン水排出装置140が適用されたガス配管設備を示す縦断面図である。図12に示される第四比較例に係るドレン水排出装置140は、上述の第一比較例に係るドレン水排出装置110(図9参照)に対し、シール管13に電磁弁141が設けられている。
この電磁弁141は、上述の特許文献3に開示されているものと同様である。つまり、ガス配管1の内部圧力が増大した場合に、電磁弁141は、制御部142によって閉じられるように制御される。
しかしながら、この第四比較例に係るドレン水排出装置140においても、シールポット12に例えば腐食破孔が生じ、この腐食破孔した部位からドレン水が漏出すると、シールポット12からドレン水が抜けて、このシールポット12における腐食破孔した部位からガスが噴出する虞がある。
一方、図2に示される本実施形態に係るドレン水排出装置10は、上述の第一乃至第四比較例に対して、以下の有利な効果を有する。
すなわち、本実施形態に係るドレン水排出装置10によれば、入口管11に弁機構20が設けられている。そして、ガス配管1の内部圧力が増大した場合には、図3の(1)〜(2)に示されるように、入口管11におけるドレン水位の低下に伴い、第一フロート24及び第二フロート26が降下することにより、弁34が弁座22に嵌合して閉状態になる。このとき、弁34は、入口管11におけるドレン水位の低下に伴い速やかに閉状態になる。これにより、シール管13からドレン水が抜けることが防止されるので、シール管13からガスが噴出することを防止できる。
また、弁機構20では、上述のように、入口管11におけるドレン水位の低下に伴い弁34が閉状態になる。このため、ガス配管1の内部圧力が急激に増大する場合に加えて、ガス配管1の内部圧力が緩やかに増大する場合(ガス配管1の内部圧力の増加率が小さい場合)にも、弁34が閉状態になり、シール管13からガスが噴出することを防止できる。
しかも、弁座22の上側にドレン水が溜まったときには、弁34が弁座22から離間して開状態になり、弁座22の上側に溜まったドレン水が下側へ流れる第一動作(図3の(3)参照)と、弁34が弁座22に嵌合して閉状態になる第二動作(図3の(2)参照)とが繰り返される。そして、弁座22の下側のドレン水位が弁座22の高さに達し、その後に、ガス配管1の内部圧力が正常圧力に戻ったときには、入口管11におけるドレン水位が弁座22の上側へ上昇することに伴い、第一フロート24及び第二フロート26が上昇することで、図3の(4)に示されるように、弁34が弁座22から離間して開状態になる。
これにより、ガス配管1の内部圧力が増大する前の元の状態に弁機構20が戻る。したがって、再び、ガス配管1の内部圧力が増大して入口管11におけるドレン水位が低下する場合には、第一フロート24及び第二フロート26が降下することにより、弁34を弁座22に嵌合させて閉状態にすることができる。これにより、ガス配管1の内部圧力の変動に対応して、弁34を繰り返し開閉することができる。
また、本実施形態に係るドレン水排出装置10によれば、例えば腐食破孔によりシールポット12からドレン水が漏出した場合にも、図4の(1)〜(2)に示されるように、入口管11におけるドレン水位の低下に伴い、第一フロート24及び第二フロート26が降下することにより、弁34が弁座22に嵌合して閉状態になる。これにより、シールポット12よりも上流側に位置する入口管11が閉止されるので、シールポット12からドレン水が抜けても、シールポット12からガスが噴出することを防止できる。
特に、第一フロート24が弁座22上に溜まる前記ドレン水に浸かることで生じる浮力が、第一フロート24及び第二フロート26の重さの合計より小さく構成されることにより、上述のように、シールポット12からドレン水が漏出した場合に、入口管11におけるドレン水位の低下に伴い、弁34が閉状態になった状態では、図4の(3)〜(4)に示されるように、弁座22の上側において入口管11におけるドレン水位が上昇しても、弁34の閉状態が継続する。したがって、シールポット12からガスが噴出することを防止した状態に維持できる。
また、本実施形態に係るドレン水排出装置10によれば、ガス配管1の内部圧力の増大に対応して入口管11やシール管13の長さを長くする必要がないため、設備費用を抑えることができる。また、シール管13の地上高を抑えるために、ドレン水排出装置10の下部を地中ピットに設置したり地中に埋設したりする必要もないので、このことによっても、設備費用を抑えることができる。
また、本実施形態に係るドレン水排出装置10によれば、弁座22と、第一フロート24と、第二フロート26と、連結部材28と、弁34とを有する機械的な弁機構20を用いる。したがって、例えば、電磁弁を有する電気的な弁機構を用いる場合と比べて、停電時にも入口管11を閉止できるという利点を有すると共に、弁機構20の寿命を伸長できるという利点を有する。
さらに、本実施形態に係るドレン水排出装置10によれば、弁座22に対して第一フロート24の移動を制限する制限ワイヤ30を有する。この制限ワイヤ30は、第一フロート24が上昇して制限ワイヤ30が伸長した状態において、第二フロート26が弁座22に対して下側に離間する長さに設定されている。したがって、弁座22の上側において入口管11におけるドレン水位が上昇しても、第一フロート24の一定以上の上昇を制限して、第二フロート26を弁座22に対して下側に離間した状態に維持できる。これにより、第二フロート26が弁座22に当接して入口管11が閉止されることを防止できる。また、第二フロート26が弁座22に当接して第二フロート26と弁座22との間に異物が挟まることを防止できる。
また、弁34は、第一フロート24に一体に形成されている。したがって、弁34が第一フロート24と別体に構成されると共に、この弁34が第一フロート24に対して下側に離間して配置される場合に比して、弁34を含む第一フロート24全体の上下長を短くすることができる。これにより、入口管11の高さを低くすることができる。
また、第一フロート24は、縦長の形状に形成されている。したがって、第一フロート24に一体に形成された弁34の径寸法、及び、この弁34に対応する弁座22の開口32の径寸法を小さくすることができる。これにより、弁34、及び、弁座22の開口32を精度良く形成することができるので、弁34の閉状態において弁34と弁座22との間からガスやドレン水が漏出することを防止できる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図5〜図8は、図1に示される弁機構20の第一乃至第四変形例を示す縦断面図である。
上記実施形態において、第一フロート24は、縦長の形状に形成されている。しかしながら、図5に示されるように、第一フロート24は、横長の形状に形成されても良い。
このように、第一フロート24が横長の形状に形成されると、第一フロート24の上下長を短くすることができるので、入口管11の高さを低くすることができる。また、ガス配管1の内部圧力が増大した場合には、第一フロート24の上面が大きい分、第一フロート24の上面に作用する力が増加する。これにより、第一フロート24を速やかに降下させることができるので、第一フロート24に一体に形成された弁34を速やかに閉状態にすることができる。
また、上記実施形態において、弁34は、第一フロート24に一体に形成されている。しかしながら、図6に示されるように、弁34は、第一フロート24と別体とされると共に、第一フロート24に連結部材36によって連結されることにより、第一フロート24に設けられていても良い。また、この場合に、制限ワイヤ30は、弁座22と弁34とを連結しても良い。
また、上記実施形態において、第一フロート24は、逆さ円錐台状に形成され、第二フロート26は、円柱状に形成されている。しかしながら、図7に示されるように、第一フロート24及び第二フロート26は、球状に形成されても良い。また、第一フロート24及び第二フロート26は、その他のどのような形状でも良い。
また、上記実施形態において、第一フロート24は、同じ材料で形成された第二フロート26よりも体積が大きいことにより、第二フロート26よりも大きい浮力を有する。しかしながら、図8に示されるように、第一フロート24は、同じ材料で形成された第二フロート26よりも体積が小さいことにより、第二フロート26よりも浮力が小さくても良い。
また、第一フロート24は、同じ材料で形成された第二フロート26と同じ形状で同じ浮力を有しても良い。また、第一フロート24及び第二フロート26は、異なる材料で形成されても良い。
また、上記実施形態において、ドレン水排出装置10は、好ましくは、機械的な弁機構20を入口管11に有するが、この機械的な弁機構20の代わりに、例えば、電磁弁を有する電気的な弁機構を入口管11に有していても良い。そして、ガス配管1の内部圧力が増大した場合、及び、シールポット12からドレン水が漏出した場合のいずれの場合においても、電磁弁を閉状態にしても良い。このようにしても、シール管13やシールポット12からのガスの噴出を防止できる。
また、上記実施形態において、弁機構20は、弁座22と、第一フロート24と、第二フロート26と、連結部材28と、第一フロート24に形成された弁34とを有するが、その他の機械的な構成でも良い。
また、上記実施形態において、第一フロート24は、制限ワイヤ30によって上昇が制限されるが、例えば、入口管11の内壁面から突出する凸部など、制限ワイヤ30以外の構成によって上昇が制限されても良い。
なお、上記複数の変形例のうち、組み合わせ可能な変形例は、適宜組み合わされても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
1 ガス配管
10 ドレン水排出装置
11 入口管
12 シールポット
13 シール管
15 排水管
16 ドレン水
20 弁機構
22 弁座
24 第一フロート
26 第二フロート
28 連結部材
30 制限ワイヤ
32 開口
34 弁

Claims (4)

  1. 鉛直方向に延び上端がガス配管に接続された入口管と、
    前記ガス配管の下側に配置され前記入口管の下端が接続されたシールポットと、
    鉛直方向に延び下端が前記シールポットに接続されたシール管と、
    前記シールポットと、前記入口管及び前記シール管の少なくとも一部とを満たすドレン水と、
    前記入口管の内側に設けられ、前記入口管を開閉可能な弁と、
    を有するドレン水排出装置を用い、
    前記ガス配管の内部圧力が増大した場合、及び、前記ドレン水排出装置のシールポットからドレン水が漏出した場合に、前記入口管における前記ドレン水の水位の低下に伴い、前記弁を閉状態にする、
    ドレン水排出装置における弁開閉方法。
  2. 鉛直方向に延び上端がガス配管に接続された入口管と、
    前記ガス配管の下側に配置され前記入口管の下端が接続されたシールポットと、
    鉛直方向に延び下端が前記シールポットに接続されたシール管と、
    前記シールポットと、前記入口管及び前記シール管の少なくとも一部とを満たすドレン水と、
    前記入口管の内側に設けられた弁座と、
    前記弁座の上側に配置された第一フロートと、
    前記弁座の下側に配置された第二フロートと、
    前記第一フロート及び前記第二フロートを連結する連結部材と、
    前記第一フロートに設けられ、前記第一フロートが下降した場合に、前記弁座と嵌合して前記入口管を塞ぐ弁と、
    を有し、
    前記ガス配管の内部圧力が増大した場合に、
    前記第二フロートが前記ドレン水に浸かることで生じる浮力は、増大した前記内部圧力が前記第二フロートに及ぼす力と、前記第二フロートの重さの合計より小さく、
    前記第一フロート及び前記第二フロートが前記ドレン水に浸かることで生じる浮力は、増大した前記内部圧力が前記第一フロート及び前記第二フロートに及ぼす力と、前記第一フロート及び前記第二フロートの重さの合計より大きい、ドレン水排出装置。
  3. 前記第一フロートが前記弁座上に溜まる前記ドレン水に浸かることで生じる浮力は、前記第一フロート及び前記第二フロートの重さの合計より小さい、請求項2に記載のドレン水排出装置。
  4. 前記弁座に対する前記第一フロートの移動を制限する制限ワイヤを有し、
    前記制限ワイヤは、前記第一フロートが上昇して前記制限ワイヤが伸長した状態において、前記第二フロートが前記弁座に対して下側に離間する長さである、
    請求項2又は3のいずれか一項に記載のドレン水排出装置。
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