JP2019182722A - 組成物、膜付き基材、ウェットワイパー、スプレー - Google Patents
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Abstract
【課題】分散安定性に優れる、無機粒子を含む組成物、膜付き基材、ウェットワイパー、及び、スプレーを提供する。【解決手段】カチオン性基とアニオン性基とを有する無機粒子、及び、溶媒を含む組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、組成物、膜付き基材、ウェットワイパー、及び、スプレーに関する。
粒子状の無機物(無機粒子)は、様々な用途に用いられている。例えば、金属が担持された無機粒子は、抗菌剤として用いられている。
無機粒子を用いる際には、無機粒子を溶媒中に分散させた組成物として用いる場合が多い(特許文献1)。
無機粒子を用いる際には、無機粒子を溶媒中に分散させた組成物として用いる場合が多い(特許文献1)。
使用上の観点から、無機粒子及び溶媒を含む組成物において、無機粒子の凝集等が生じないことが好ましい。つまり、無機粒子の分散安定性に優れることが好ましい。
一方で、従来の組成物においては、必ずしもその要望を満たしておらず、更なる改良が必要であった。
一方で、従来の組成物においては、必ずしもその要望を満たしておらず、更なる改良が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、分散安定性に優れる、無機粒子を含む組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、膜付き基材、ウェットワイパー、及び、スプレーを提供することも課題とする。
また、本発明は、膜付き基材、ウェットワイパー、及び、スプレーを提供することも課題とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により課題を達成できることを見出した。
(1) カチオン性基とアニオン性基とを有する無機粒子、及び、溶媒を含む組成物。
(2) 無機粒子が、無機酸化物粒子と、無機酸化物粒子上に担持された金属とを含む、(1)に記載の組成物。
(3) 無機酸化物粒子が、ケイ酸塩を含む、(2)に記載の組成物。
(4) 無機酸化物粒子が、アモルファスである、(2)又は(3)に記載の組成物。
(5) 金属が、銀又は銅である、(2)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6) 無機粒子が、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤を用いて表面修飾された無機粒子である、(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7) 無機粒子が、ベタインモノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーで表面修飾された無機粒子である、(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(8) 無機粒子が、カチオン性基とアニオン性基とを有する第1無機粒子、及び、カチオン性基とアニオン性基とを有する第2無機粒子を含み、
第1無機粒子が、無機酸化物粒子と、無機酸化物粒子上に担持された銀とを含み、
第2無機粒子が、無機酸化物粒子と、無機酸化物粒子上に担持された銅とを含む、(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
(9) 親水性バインダー前駆体及び親水性バインダーからなる群から選択される親水性成分を含む、(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物。
(10) 親水性成分が、シリケート系化合物、親水性基を有するモノマー、及び、親水性基を有するポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、(9)に記載の組成物。
(11) 基材と、(1)〜(10)のいずれかに記載の組成物から形成される膜とを有する、膜付き基材。
(12) 基布と、基布に含浸させた(1)〜(10)のいずれかに記載の組成物と、を有する、ウェットワイパー。
(13) スプレー容器と、スプレー容器に収納された請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物と、を有するスプレー。
(2) 無機粒子が、無機酸化物粒子と、無機酸化物粒子上に担持された金属とを含む、(1)に記載の組成物。
(3) 無機酸化物粒子が、ケイ酸塩を含む、(2)に記載の組成物。
(4) 無機酸化物粒子が、アモルファスである、(2)又は(3)に記載の組成物。
(5) 金属が、銀又は銅である、(2)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6) 無機粒子が、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤を用いて表面修飾された無機粒子である、(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7) 無機粒子が、ベタインモノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーで表面修飾された無機粒子である、(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(8) 無機粒子が、カチオン性基とアニオン性基とを有する第1無機粒子、及び、カチオン性基とアニオン性基とを有する第2無機粒子を含み、
第1無機粒子が、無機酸化物粒子と、無機酸化物粒子上に担持された銀とを含み、
第2無機粒子が、無機酸化物粒子と、無機酸化物粒子上に担持された銅とを含む、(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
(9) 親水性バインダー前駆体及び親水性バインダーからなる群から選択される親水性成分を含む、(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物。
(10) 親水性成分が、シリケート系化合物、親水性基を有するモノマー、及び、親水性基を有するポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、(9)に記載の組成物。
(11) 基材と、(1)〜(10)のいずれかに記載の組成物から形成される膜とを有する、膜付き基材。
(12) 基布と、基布に含浸させた(1)〜(10)のいずれかに記載の組成物と、を有する、ウェットワイパー。
(13) スプレー容器と、スプレー容器に収納された請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物と、を有するスプレー。
本発明によれば、分散安定性に優れる、無機粒子を含む組成物を提供できる。
また、本発明によれば、膜付き基材、ウェットワイパー、及び、スプレーを提供できる。
また、本発明によれば、膜付き基材、ウェットワイパー、及び、スプレーを提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書における基(原子群)の表記において、置換、及び、無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及び/又はメタクリレート(アクリレート及びメタクリレートのいずれか一方又は両方)を表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及び/又はメタクリル(アクリル及びメタクリルのいずれか一方又は両方)を表し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及び/又はメタクリロイル(アクリロイル及びメタクリロイルのいずれか一方又は両方)を表す。
また、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値、及び、上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書における基(原子群)の表記において、置換、及び、無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及び/又はメタクリレート(アクリレート及びメタクリレートのいずれか一方又は両方)を表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及び/又はメタクリル(アクリル及びメタクリルのいずれか一方又は両方)を表し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及び/又はメタクリロイル(アクリロイル及びメタクリロイルのいずれか一方又は両方)を表す。
また、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値、及び、上限値として含む範囲を意味する。
本発明の組成物(以後、単に「組成物」ともいう)は、カチオン性基とアニオン性基とを有する無機粒子、及び、溶媒を含む。無機粒子がカチオン性基及びアニオン性基を有することにより、例えば、添加剤(例えば、シクロデキストリンなどの包接化合物、界面活性剤、ポリフェノールなどの極性分子(抗菌剤、消臭剤など))との混合、又は、組成物中のpHの変化の際にも、優れた分散安定性を示す。
以下、組成物中に含まれる各種成分について詳述する。
以下、組成物中に含まれる各種成分について詳述する。
<カチオン性基とアニオン性基とを有する無機粒子(以後、「特定無機粒子」ともいう)>
特定無機粒子は、カチオン性基及びアニオン性基を有する。特定無機粒子は、その表面にカチオン性基及びアニオン性基を有することが好ましい。言い換えれば、特定無機粒子は、無機粒子と、無機粒子の表面上に配置されたカチオン性基及びアニオン性基とを有することが好ましい。
特定無機粒子は、カチオン性基及びアニオン性基を有する。特定無機粒子は、その表面にカチオン性基及びアニオン性基を有することが好ましい。言い換えれば、特定無機粒子は、無機粒子と、無機粒子の表面上に配置されたカチオン性基及びアニオン性基とを有することが好ましい。
カチオン性基としては、例えば、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、及び、オニウム塩基が挙げられる。
オニウム塩基とは、カチオン種とアニオン種とから構成される基であり、例えば、アンモニウム塩基、イミダゾリウム塩基、ピリジニウム塩基、ピロリジニウム塩基、ピペリジニウム塩基、スルホニウム塩基、及び、ホスホニウム塩基が挙げられる。より具体的には、オニウム塩基におけるカチオン種としては、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、及び、オキソニウムイオンが挙げられる。オニウム塩基におけるアニオン種としては、PF6 −、SbF6 −及びAsF6 −等の5B族元素のハロゲン化アニオン、BF4 −等の3B族元素のハロゲン化アニオン、I−(I3 −)、Br−及びCl−等のハロゲンアニオン、ClO4 −等のハロゲン酸アニオン、AlCl4 −、FeCl4 −及びSnCl5 −等の金属ハロゲン化物アニオン、NO3 −で示される硝酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、CH3SO3 −及びCF3SO3 −等の有機スルホン酸アニオン、CF3COO−及びC6H5COO−等のカルボン酸アニオン、並びに、OH−等が挙げられる。
オニウム塩基とは、カチオン種とアニオン種とから構成される基であり、例えば、アンモニウム塩基、イミダゾリウム塩基、ピリジニウム塩基、ピロリジニウム塩基、ピペリジニウム塩基、スルホニウム塩基、及び、ホスホニウム塩基が挙げられる。より具体的には、オニウム塩基におけるカチオン種としては、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、及び、オキソニウムイオンが挙げられる。オニウム塩基におけるアニオン種としては、PF6 −、SbF6 −及びAsF6 −等の5B族元素のハロゲン化アニオン、BF4 −等の3B族元素のハロゲン化アニオン、I−(I3 −)、Br−及びCl−等のハロゲンアニオン、ClO4 −等のハロゲン酸アニオン、AlCl4 −、FeCl4 −及びSnCl5 −等の金属ハロゲン化物アニオン、NO3 −で示される硝酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、CH3SO3 −及びCF3SO3 −等の有機スルホン酸アニオン、CF3COO−及びC6H5COO−等のカルボン酸アニオン、並びに、OH−等が挙げられる。
オニウム塩基としては、式(1)で表される基、又は、式(2)で表される基が好ましい。式(1)及び式(2)中、*は結合位置を表す。
式(1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は有機基を表す。X1は、アニオンを表す。また、式(2)中、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は有機基を表す。X2は、アニオンを表す。
R1、R2、R3、R4、及びR5で表される有機基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が更に好ましい。また、R1、R2、及びR3は、互いに結合して環を形成していてもよい。
R1、R2、R3、R4、及びR5で表される有機基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が更に好ましい。また、R1、R2、及びR3は、互いに結合して環を形成していてもよい。
X1及びX2で表されるアニオンは特に制限されず、例えば、水酸化物イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、及び、アルキル硫酸イオンが挙げられる。
アニオン性基としては、例えば、オキソ酸基、オキソ酸基からプロトンが解離した基、オキソ酸塩基、及び、ヒドロキシル基が挙げられる。オキソ酸基としては、例えば、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、及び、スルホン酸基が挙げられる。オキソ酸基からプロトンが解離した基としては、例えば、−COO−、−SO3 −、−PO3 −、及び、−PO2 −が挙げられる。オキソ酸塩基としては、これらのオキソ酸基の塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)が挙げられる。
なお、カチオン性基とアニオン性基とは、一つの基の中に含まれていてもよく、例えば、特定無機粒子は、ベタイン構造を有する基であってもよい。
ベタイン構造とは、少なくとも1つのカチオンと少なくとも1つのアニオンを有する構造をいう。なお、通常、カチオンの数とアニオンの数とは等しく、全体として中性である。ベタイン構造としては、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタイン、及び、ホスホベタインが挙げられ、式(3)〜式(5)で表される構造が好ましい。
ベタイン構造とは、少なくとも1つのカチオンと少なくとも1つのアニオンを有する構造をいう。なお、通常、カチオンの数とアニオンの数とは等しく、全体として中性である。ベタイン構造としては、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタイン、及び、ホスホベタインが挙げられ、式(3)〜式(5)で表される構造が好ましい。
式中、A−はアニオンを有する基を表し、B+はカチオンを有する基を表し、L0は連結基を表す。*は、連結部位(連結位置)を表す。
A−は、−COO−、−SO3 −、−PO3 −、及び、−PO2 −等のアニオンを有する基を表すことが好ましく、B+は、アンモニウム、ホスホニウム、ヨードニウム、及び、スルホニウム等のカチオンを有する基を表すことが好ましい。
A−は、−COO−、−SO3 −、−PO3 −、及び、−PO2 −等のアニオンを有する基を表すことが好ましく、B+は、アンモニウム、ホスホニウム、ヨードニウム、及び、スルホニウム等のカチオンを有する基を表すことが好ましい。
L0は、連結基を表す。式(3)及び式(5)においては、L0としては2価の連結基が挙げられ、−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、又は、それらの組み合わせが好ましい。式(4)においては、L0としては3価の連結基が挙げられる。
上記連結基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10)、並びに、フェニレン基及びキシリレン基等のアリーレン基(好ましくは炭素数5〜15、より好ましくは炭素数6〜10)が挙げられる。
上記連結基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10)、並びに、フェニレン基及びキシリレン基等のアリーレン基(好ましくは炭素数5〜15、より好ましくは炭素数6〜10)が挙げられる。
なお、これらの連結基は、置換基をさらに有していてもよい。
置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、及び、ジアリールアミノ基が挙げられる。
置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、及び、ジアリールアミノ基が挙げられる。
ベタイン構造としては、式(6)で表される構造又は式(7)で表される構造が好ましく、式(6)で表される構造がより好ましい。*は、連結部位を表す。
式(6)において、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又は、ヘテロ環基を表し、R11とR12とは互いに連結し、環構造を形成してもよい。
環構造は、酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい。環構造としては、5〜10員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。
R11及びR12中の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。
R11及びR12として、水素原子、メチル基、又は、エチル基が好ましい。
環構造は、酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい。環構造としては、5〜10員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。
R11及びR12中の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。
R11及びR12として、水素原子、メチル基、又は、エチル基が好ましい。
L1は、2価の連結基を表し、−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基)、2価の芳香族基(例えば、フェニレン基)、又は、それらの組み合わせが好ましい。
L1としては、炭素数3〜5の直鎖アルキレン基が好ましい。
L1としては、炭素数3〜5の直鎖アルキレン基が好ましい。
式(6)において、A−は、アニオンを有する基を表し、具体的には、−COO−、−SO3 −、−PO3 −、及び、−PO2 −が挙げられる。
式(7)において、L2は、2価の連結基を表し、−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基)、2価の芳香族基(例えば、フェニレン基)、又は、それらの組み合わせが好ましい。
B+は、カチオンを有する基を表し、式(1)で表される基が好ましい。
カチオンを有する基としては、例えば、トリメチルアンモニオ基、トリエチルアンモニオ基、トリブチルアンモニオ基、ベンジルジメチルアンモニオ基、ジエチルヘキシルアンモニオ基、(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニオ基、ピリジニオ基、N−メチルイミダゾリオ基、N−アクリジニオ基、トリメチルホスホニオ基、トリエチルホスホニオ基、及び、トリフェニルホスホニオ基が挙げられる。
B+は、カチオンを有する基を表し、式(1)で表される基が好ましい。
カチオンを有する基としては、例えば、トリメチルアンモニオ基、トリエチルアンモニオ基、トリブチルアンモニオ基、ベンジルジメチルアンモニオ基、ジエチルヘキシルアンモニオ基、(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニオ基、ピリジニオ基、N−メチルイミダゾリオ基、N−アクリジニオ基、トリメチルホスホニオ基、トリエチルホスホニオ基、及び、トリフェニルホスホニオ基が挙げられる。
特定無機粒子は、1種のみのカチオン性基を有していてもよく、2種以上のカチオン性基を有していてもよい。
また、特定無機粒子は、1種のみのアニオン性基を有していてもよく、2種以上のアニオン性基を有していてもよい。
また、特定無機粒子は、1種のみのアニオン性基を有していてもよく、2種以上のアニオン性基を有していてもよい。
特定無機粒子は、上述したように、無機粒子にカチオン性基及びアニオン性基が導入されてなる粒子である。
特定無機粒子に含まれる無機粒子としては公知の無機粒子が挙げられ、例えば、無機酸化物粒子、無機窒化物粒子、無機酸窒化物粒子、及び、金属粒子が挙げられ、なかでも、抗菌性により優れる点で、無機酸化物粒子が好ましく、金属酸化物粒子がより好ましい。
金属酸化物粒子に含まれる金属原子としては、例えば、ケイ素原子、アルミニウム原子、マグネシウム原子、アルカリ金属原子(例えば、ナトリウム原子)、アルカリ土類金属原子(例えば、カルシウム原子)、鉄原子、ニッケル原子、及び、亜鉛原子が挙げられる。
特定無機粒子に含まれる無機粒子としては公知の無機粒子が挙げられ、例えば、無機酸化物粒子、無機窒化物粒子、無機酸窒化物粒子、及び、金属粒子が挙げられ、なかでも、抗菌性により優れる点で、無機酸化物粒子が好ましく、金属酸化物粒子がより好ましい。
金属酸化物粒子に含まれる金属原子としては、例えば、ケイ素原子、アルミニウム原子、マグネシウム原子、アルカリ金属原子(例えば、ナトリウム原子)、アルカリ土類金属原子(例えば、カルシウム原子)、鉄原子、ニッケル原子、及び、亜鉛原子が挙げられる。
無機粒子は、ケイ酸塩を含むことが好ましい。
ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムが挙げられる。ケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムは、天然物又は合成物であってもよい。ケイ酸アルミニウムとしては、下記式(A)で表される化合物が好ましい。
Al2O3・nSiO2・mH2O (A)
式(A)におけるnは6以上の正数(好ましくは、6〜50)であり、mは1〜20の正数である。なかでも、nが8〜15で、mが3〜15であることが好ましい。
また、ケイ酸マグネシウムとしては、下記式(B)で表される化合物が好ましい。
MgO・nSiO2・mH2O (B)
式(B)におけるnは1以上の正数(好ましくは、1〜20)であり、mは0.1〜20の正数である。なかでも、nが1〜15であり、かつ、mが0.3〜10であることが好ましく、nが3〜15であり、かつ、mが1〜8であることがより好ましい。
ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムが挙げられる。ケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムは、天然物又は合成物であってもよい。ケイ酸アルミニウムとしては、下記式(A)で表される化合物が好ましい。
Al2O3・nSiO2・mH2O (A)
式(A)におけるnは6以上の正数(好ましくは、6〜50)であり、mは1〜20の正数である。なかでも、nが8〜15で、mが3〜15であることが好ましい。
また、ケイ酸マグネシウムとしては、下記式(B)で表される化合物が好ましい。
MgO・nSiO2・mH2O (B)
式(B)におけるnは1以上の正数(好ましくは、1〜20)であり、mは0.1〜20の正数である。なかでも、nが1〜15であり、かつ、mが0.3〜10であることが好ましく、nが3〜15であり、かつ、mが1〜8であることがより好ましい。
無機粒子は、結晶性であっても、アモルファスであってもよく、組成物の抗菌性がより優れる点で、アモルファスであることが好ましい。アモルファスの無機粒子を構成する成分としては、ケイ酸塩、リン酸ガラス、又は、シリカが好ましい。
また、組成物の抗菌性がより優れる点で、特定無機粒子において、無機粒子には金属が担持されていることが好ましい。つまり、特定無機粒子は、カチオン性基とアニオン性基とを有し、金属が担持されてなる無機粒子であることが好ましい。
金属としては、例えば、銀、銅、亜鉛、水銀、鉄、鉛、ビスマス、チタン、錫、及び、ニッケルが挙げられる。また、金属の態様は特に制限されず、金属粒子、金属イオン、金属酸化物、及び、金属塩(金属錯体を含む)の形態が挙げられる。
なかでも、組成物の抗菌性がより優れる点で、金属は、銀、銅、及び、亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、銀又は銅がより好ましく、銀が更に好ましい。
金属としては、例えば、銀、銅、亜鉛、水銀、鉄、鉛、ビスマス、チタン、錫、及び、ニッケルが挙げられる。また、金属の態様は特に制限されず、金属粒子、金属イオン、金属酸化物、及び、金属塩(金属錯体を含む)の形態が挙げられる。
なかでも、組成物の抗菌性がより優れる点で、金属は、銀、銅、及び、亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、銀又は銅がより好ましく、銀が更に好ましい。
なかでも、組成物の抗菌性がより優れる点で、特定無機粒子は、無機酸化物粒子と、無機酸化物粒子上に担持された金属とを含むことが好ましい。言い換えれば、特定無機粒子は、カチオン性基とアニオン性基とを有し、金属が担持されてなる無機酸化物粒子であることがより好ましい。
特定無機粒子の平均粒径は特に制限されないが、4.0μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1.0μm以下が更に好ましく、0.7μm以下が特に好ましく、0.5μm以下が最も好ましく、0.2μm以下がより最も好ましく、0.15μm以下が更に最も好ましい。また、下限としては、0.01μm以上が好ましく、0.10μm以上がより好ましい。
特定無機粒子の平均粒径は、電子顕微鏡を用いて特定無機粒子を観察することにより測定できる。具体的には、上記平均粒径は、特定無機粒子の一次粒子及び二次粒子(なお、「二次粒子」とは、一次粒子同士が融合あるいは接触して構成される集合体と定義する。)の直径を電子顕微鏡の画像から計測し、全粒子数の中の最も直径が小さい側の粒子数5%と、最も直径が大きい側の粒子数5%を除いた、90%の範囲の粒子の直径を平均した値である。つまり、平均粒径は、特定無機粒子の一次粒子及び二次粒子から求められる値である。また、直径とは、特定無機粒子の外接円相当直径のことをいう。
特定無機粒子の平均粒径は、電子顕微鏡を用いて特定無機粒子を観察することにより測定できる。具体的には、上記平均粒径は、特定無機粒子の一次粒子及び二次粒子(なお、「二次粒子」とは、一次粒子同士が融合あるいは接触して構成される集合体と定義する。)の直径を電子顕微鏡の画像から計測し、全粒子数の中の最も直径が小さい側の粒子数5%と、最も直径が大きい側の粒子数5%を除いた、90%の範囲の粒子の直径を平均した値である。つまり、平均粒径は、特定無機粒子の一次粒子及び二次粒子から求められる値である。また、直径とは、特定無機粒子の外接円相当直径のことをいう。
特定無機粒子のアスペクト比は特に制限されないが、1〜40が好ましく、2〜20がより好ましい。
上記アスペクト比は、以下の方法にて算出される。まず、電子顕微鏡を用いて、特定無機粒子に外接する平行な2つの直線のうち、直線間距離が最大となる平行な2つの直線を選択し、この平行な2つの直線間の距離を特定無機粒子の長軸とする。次に、長軸に直交し、かつ、特定無機粒子に外接する平行な2つの直線のうち、直線間距離が最小となる平行な2つの直線を選択し、この平行な2つの直線間の距離を特定無機粒子の短軸とする。得られた短軸に対する著軸の比(長軸/短軸)を特定アスペクト比とする。この操作を任意の100個以上の特定無機粒子について行い、得られた特定アスペクト比を算術平均することにより、上記アスペクト比が得られる。
上記アスペクト比は、以下の方法にて算出される。まず、電子顕微鏡を用いて、特定無機粒子に外接する平行な2つの直線のうち、直線間距離が最大となる平行な2つの直線を選択し、この平行な2つの直線間の距離を特定無機粒子の長軸とする。次に、長軸に直交し、かつ、特定無機粒子に外接する平行な2つの直線のうち、直線間距離が最小となる平行な2つの直線を選択し、この平行な2つの直線間の距離を特定無機粒子の短軸とする。得られた短軸に対する著軸の比(長軸/短軸)を特定アスペクト比とする。この操作を任意の100個以上の特定無機粒子について行い、得られた特定アスペクト比を算術平均することにより、上記アスペクト比が得られる。
特定無機粒子は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、組成物の抗菌性がより優れる点で、2種以上の特定無機粒子を用いることが好ましく、異なる金属をそれぞれ含む、2種以上の特定無機粒子を用いることがより好ましい。
2種以上の特定無機粒子を用いる場合のより好ましい態様としては、特定無機粒子が、カチオン性基とアニオン性基とを有する第1無機粒子、及び、カチオン性基とアニオン性基とを有する第2無機粒子を含み、第1無機粒子が、無機酸化物粒子と無機酸化物粒子上に担持された銀とを含み、第2無機粒子が、無機酸化物粒子と無機酸化物粒子上に担持された銅とを含む態様が挙げられる。
2種以上の特定無機粒子を用いる場合のより好ましい態様としては、特定無機粒子が、カチオン性基とアニオン性基とを有する第1無機粒子、及び、カチオン性基とアニオン性基とを有する第2無機粒子を含み、第1無機粒子が、無機酸化物粒子と無機酸化物粒子上に担持された銀とを含み、第2無機粒子が、無機酸化物粒子と無機酸化物粒子上に担持された銅とを含む態様が挙げられる。
(製造方法)
特定無機粒子の製造方法(言い換えれば、無機粒子へのカチオン性基及びアニオン性基の導入方法)は特に制限されないが、所定の化合物を用いて無機粒子を表面修飾する方法が挙げられる。
上記化合物の一例としては、例えば、所定の基(カチオン性基及び/又はアニオン性基)を有するカップリング剤、及び、所定の基(カチオン性基及び/又はアニオン性基)を有するシリコーンオイルが挙げられる。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、及び、チタンカップリング剤が挙げられる。より具体的には、カチオン性基を有するカップリング剤としては、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及び、4級アンモニウム塩基含有シランカップリング剤等が挙げられる。また、アニオン性基を有するシランカップリング剤としては、例えば、カルボン酸基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
なかでも、特定無機粒子の好適態様の一つとしては、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤を用いて表面修飾された無機粒子(以後、「無機粒子A」ともいう)が挙げられる。
無機粒子Aの製造手順の一例としては、まず、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤の一方を無機粒子とを接触させて、無機粒子の表面を上記カップリング剤で表面修飾し、カチオン性基及びアニオン性基の一方を有する無機粒子を製造する。その後、得られた無機粒子と、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤の他方とを接触させて、上記と同様の手順で無機粒子を表面修飾し、無機粒子Aを製造する。なお、上記では段階的にカチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤で無機粒子を表面修飾する方法について述べたが、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤を同時に用いて、無機粒子を表面修飾して、無機粒子Aを製造してもよい。
特定無機粒子の製造方法(言い換えれば、無機粒子へのカチオン性基及びアニオン性基の導入方法)は特に制限されないが、所定の化合物を用いて無機粒子を表面修飾する方法が挙げられる。
上記化合物の一例としては、例えば、所定の基(カチオン性基及び/又はアニオン性基)を有するカップリング剤、及び、所定の基(カチオン性基及び/又はアニオン性基)を有するシリコーンオイルが挙げられる。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、及び、チタンカップリング剤が挙げられる。より具体的には、カチオン性基を有するカップリング剤としては、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及び、4級アンモニウム塩基含有シランカップリング剤等が挙げられる。また、アニオン性基を有するシランカップリング剤としては、例えば、カルボン酸基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
なかでも、特定無機粒子の好適態様の一つとしては、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤を用いて表面修飾された無機粒子(以後、「無機粒子A」ともいう)が挙げられる。
無機粒子Aの製造手順の一例としては、まず、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤の一方を無機粒子とを接触させて、無機粒子の表面を上記カップリング剤で表面修飾し、カチオン性基及びアニオン性基の一方を有する無機粒子を製造する。その後、得られた無機粒子と、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤の他方とを接触させて、上記と同様の手順で無機粒子を表面修飾し、無機粒子Aを製造する。なお、上記では段階的にカチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤で無機粒子を表面修飾する方法について述べたが、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤を同時に用いて、無機粒子を表面修飾して、無機粒子Aを製造してもよい。
また、特定無機粒子としては、カチオン性基及びアニオン性基を有するポリマーで表面修飾された無機粒子であってもよい。なお、ポリマーで表面修飾とは、ポリマーの末端部が無機粒子の表面上に固定された態様であってもよく、ポリマーの側鎖部が無機粒子の表面と相互作用する態様であってもよい。ポリマーの末端が無機粒子の表面上に固定された態様を製造する手順としては、例えば、無機粒子の表面上に重合開始剤を固定し、所定のモノマーの存在下、上記重合開始剤から重合を開始する方法が挙げられる。より具体的には、表面材料vol.64,15,2013、及び、Lamgmuir 2006,22,10072に記載の方法が挙げられる。
カチオン性基及びアニオン性基を有するポリマーとしては、ベタインモノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーが好ましい。
ベタインモノマーとは、ベタイン構造を有するモノマーである。ベタイン構造とは、上述した説明の通りであり、式(6)で表される構造又は式(7)で表される構造が好ましい。
ベタインモノマーに含まれる重合性基は特に制限されず、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、及び、アニオン重合性基が挙げられる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、及び、アリル基が挙げられる。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基、及び、オキセタニル基が挙げられる。なかでも、重合性基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
上記ベタインモノマー由来の繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、ポリマー中の全繰り返し単位に対して、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、100モル%が更に好ましい。
ベタインモノマーとは、ベタイン構造を有するモノマーである。ベタイン構造とは、上述した説明の通りであり、式(6)で表される構造又は式(7)で表される構造が好ましい。
ベタインモノマーに含まれる重合性基は特に制限されず、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、及び、アニオン重合性基が挙げられる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、及び、アリル基が挙げられる。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基、及び、オキセタニル基が挙げられる。なかでも、重合性基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
上記ベタインモノマー由来の繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、ポリマー中の全繰り返し単位に対して、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、100モル%が更に好ましい。
組成物中における特定無機粒子の含有量は特に制限されないが、組成物の全固形分に対して、0.001〜40質量%が好ましく、0.001〜30質量%がより好ましく、0.01〜10質量%が更に好ましい。
なお、2種以上の特定無機粒子を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上記固形分とは、膜を形成し得る成分であり、組成物中の溶媒を除いた成分を意図する。なお、成分の性状が液状であっても、膜を形成し得る成分であれば、固形分とする。
なお、2種以上の特定無機粒子を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上記固形分とは、膜を形成し得る成分であり、組成物中の溶媒を除いた成分を意図する。なお、成分の性状が液状であっても、膜を形成し得る成分であれば、固形分とする。
<溶媒>
組成物は、溶媒を含む。
組成物中における溶媒の含有量は特に制限されないが、組成物がより優れた塗布性を有する点で、組成物の固形分が、0.001〜80質量%に調整されるのが好ましく、0.01〜10質量%に調整されるのがより好ましく、0.1〜5.0質量%に調整されるのが更に好ましい。
溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の溶媒を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
組成物は、溶媒を含む。
組成物中における溶媒の含有量は特に制限されないが、組成物がより優れた塗布性を有する点で、組成物の固形分が、0.001〜80質量%に調整されるのが好ましく、0.01〜10質量%に調整されるのがより好ましく、0.1〜5.0質量%に調整されるのが更に好ましい。
溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の溶媒を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
溶媒は特に制限されず、水及び/又は有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、フェニルエチルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、及び、ミリスチルアルコール等のアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、及び、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、及び、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及び、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、及び、ジ−n−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、及び、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチル、及び、プロピオン酸ブチル等のエステル系溶媒;10%安息香酸デナトニウムアルコール溶液、ゲラニオール、八アセチル化ショ糖、ブルシン、リナロール、リナリールアセテート、及び、酢酸等の親水性溶媒が挙げられる。金属を含む特定無機粒子を使用する場合、金属の溶媒への溶出を抑制しやすい点で、溶媒としては、アルコールが好ましく、エタノール又はイソプロピルアルコールがより好ましい。
組成物は本発明の効果を奏する範囲内において、その他の成分を含んでいてもよい。以下に、その他の成分の代表例を例示する。
<親水性成分>
組成物は、親水性バインダー前駆体及び親水性バインダーからなる群から選択される親水性成分を含むことが好ましい。
組成物中における親水性成分の含有量は特に制限されないが、組成物の全固形分に対して、20〜99.8質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましく、40〜99質量%が更に好ましい。
なお、親水性成分は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の親水性成分を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
組成物は、親水性バインダー前駆体及び親水性バインダーからなる群から選択される親水性成分を含むことが好ましい。
組成物中における親水性成分の含有量は特に制限されないが、組成物の全固形分に対して、20〜99.8質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましく、40〜99質量%が更に好ましい。
なお、親水性成分は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の親水性成分を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上記親水性バインダーは、親水性を有するため、例えば、アンモニア及びトリメチルアミン等の臭気物質と親和性が高い。このため、組成物より形成された膜においては、優れた消臭性がより長時間維持されやすい。
なお、親水性バインダー前駆体とは、縮合及び重合等の硬化反応により親水性バインダーを形成可能な材料を意味する。
また、親水性バインダーは、親水性の膜を形成できる材料を意味する。親水性バインダーとしては、ガラス基板上に上記親水性バインダーからなる膜を形成した場合、例えば、水接触角が60°以下となるもの好ましく、50°以下となるものが好ましい。水接触角の下限については特に制限されないが、一般に5°以上が好ましい。
なお、水接触角は、JIS R 3257:1999の静滴法に基づいて測定を行う。測定には、協和界面科学株式会社製FAMMS DM−701を用いる。
なお、親水性バインダー前駆体とは、縮合及び重合等の硬化反応により親水性バインダーを形成可能な材料を意味する。
また、親水性バインダーは、親水性の膜を形成できる材料を意味する。親水性バインダーとしては、ガラス基板上に上記親水性バインダーからなる膜を形成した場合、例えば、水接触角が60°以下となるもの好ましく、50°以下となるものが好ましい。水接触角の下限については特に制限されないが、一般に5°以上が好ましい。
なお、水接触角は、JIS R 3257:1999の静滴法に基づいて測定を行う。測定には、協和界面科学株式会社製FAMMS DM−701を用いる。
親水性成分は特に成制限されないが、堅牢性により優れる点で、シリケート系化合物、親水性基を有するモノマー(以下、「親水性モノマー」ともいう。)、及び、親水性基を有するポリマー(以下、「親水性ポリマー」ともいう。)からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
なお、親水性モノマーとは、親水性基と重合性基とを有する化合物を意味する。親水性モノマーは、重合して親水性ポリマーを形成する。
以下に、シリケート系化合物、親水性モノマー、及び、親水性ポリマーについて、それぞれ説明する。
なお、親水性モノマーとは、親水性基と重合性基とを有する化合物を意味する。親水性モノマーは、重合して親水性ポリマーを形成する。
以下に、シリケート系化合物、親水性モノマー、及び、親水性ポリマーについて、それぞれ説明する。
(シリケート系化合物)
本明細書において、シリケート系化合物とは、ケイ素原子に加水分解性基が結合した化合物、その加水分解物、及び、その加水分解縮合物からなる群から選択される化合物であり、例えば、下記式(8)で表される化合物、その加水分解物、及び、その加水分解縮合物からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
式(8) Si−(OR)4
上記式(8)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なってもよい。
本明細書において、シリケート系化合物とは、ケイ素原子に加水分解性基が結合した化合物、その加水分解物、及び、その加水分解縮合物からなる群から選択される化合物であり、例えば、下記式(8)で表される化合物、その加水分解物、及び、その加水分解縮合物からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
式(8) Si−(OR)4
上記式(8)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なってもよい。
上記式(1)で表わされる化合物としては、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラ−n−プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリケート、テトラ−n−ブチルシリケート、テトラ−i−ブチルシリケート、テトラ−t−ブチルシリケート、メチルエチルシリケート、メチルプロピルシリケート、メチルブチルシリケート、エチルプロピルシリケート、及び、プロピルブチルシリケートが挙げられる。
式(8)で表される化合物の加水分解物とは、式(8)で表される化合物中のOR基が加水分解して得られる化合物を意図する。なお、上記加水分解物は、OR基のすべてが加水分解されているもの(完全加水分解物)であっても、OR基の一部が加水分解されているもの(部分加水分解物)であってもよい。つまり、上記加水分解物は、完全加水分解物、若しくは、部分加水分解物、又は、これらの混合物であってもよい。
また、式(8)で表される化合物の加水分解縮合物とは、式(8)で表される化合物中のOR基が加水分解し、得られた加水分解物を縮合して得られる化合物を意図する。なお、上記加水分解縮合物としては、すべてのOR基が加水分解され、かつ、加水分解物がすべて縮合されているもの(完全加水分解縮合物)であっても、一部のOR基が加水分解され、一部の加水分解物が縮合しているもの(部分加水分解縮合物)であってもよい。つまり、上記加水分解縮合物は、完全加水分解縮合物、若しくは、部分加水分解縮合物、又は、これらの混合物であってもよい。
なお、加水分解縮合物の縮合度としては、1〜100が好ましく、1〜20がより好ましく、3〜15が更に好ましい。
また、式(8)で表される化合物の加水分解縮合物とは、式(8)で表される化合物中のOR基が加水分解し、得られた加水分解物を縮合して得られる化合物を意図する。なお、上記加水分解縮合物としては、すべてのOR基が加水分解され、かつ、加水分解物がすべて縮合されているもの(完全加水分解縮合物)であっても、一部のOR基が加水分解され、一部の加水分解物が縮合しているもの(部分加水分解縮合物)であってもよい。つまり、上記加水分解縮合物は、完全加水分解縮合物、若しくは、部分加水分解縮合物、又は、これらの混合物であってもよい。
なお、加水分解縮合物の縮合度としては、1〜100が好ましく、1〜20がより好ましく、3〜15が更に好ましい。
式(8)で表される化合物は、水成分とともに混合されることにより、少なくとも一部が加水分解された状態となる。式(8)で表される化合物の加水分解物は、式(8)で表される化合物を水成分と反応させ、ケイ素に結合したOR基をヒドロキシ基に変化させることにより得られる。加水分解に際しては必ずしも全てのOR基が反応する必要はないが、塗布後に親水性を発揮するためにはなるべく多くのOR基が加水分解されることが好ましい。また、加水分解に際して最低限必要な水成分の量は式(8)で表される化合物のOR基と等しいモル量となるが、反応を円滑に進めるには大過剰の量の水が存在することが好ましい。
なお、上記シリケート系化合物の加水分解反応は室温でも進行するが、反応促進のために加温してもよい。また、反応時間は長い方がより反応が進むため好ましい。また、触媒の存在下であれば半日程度でも加水分解物を得ることが可能である。
なお、一般に加水分解反応は可逆反応であり、系から水が除かれると上記シリケート系化合物の加水分解物はヒドロキシ基間で縮合を開始してしまう。従って、上記シリケート系化合物に大過剰の水を反応させて加水分解物の水溶液を得た場合、そこから加水分解物を無理に単離せずに水溶液のまま用いることが好ましい。
なお、一般に加水分解反応は可逆反応であり、系から水が除かれると上記シリケート系化合物の加水分解物はヒドロキシ基間で縮合を開始してしまう。従って、上記シリケート系化合物に大過剰の水を反応させて加水分解物の水溶液を得た場合、そこから加水分解物を無理に単離せずに水溶液のまま用いることが好ましい。
上記シリケート系化合物の好適態様としては、式(X)で表される化合物が挙げられる。
ここで、式(X)中、R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。また、nは2〜100の整数を表す。
nは、3〜15が好ましく、5〜10がより好ましい。
nは、3〜15が好ましく、5〜10がより好ましい。
上記シリケート系化合物の市販品としては、例えば、コルコート社製「エチルシリケート48」、及び、三菱化学社製「MKCシリケート MS51」が挙げられる。
なお、シリケート系化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、シリケート系化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(親水性を有するモノマー(親水性モノマー))
親水性基は特に制限されず、例えば、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基)、アミノ基、カルボキシ基、カルボキシ基のアルカリ金属塩、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホン酸基、及びスルホン酸基のアルカリ金属塩が挙げられる。親水性モノマー中における親水性基の数は特に制限されないが、得られる膜がより親水性を示す点より、1個以上が好ましく、1〜6個がより好ましく、1〜3個が更に好ましい。
親水性基は特に制限されず、例えば、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基)、アミノ基、カルボキシ基、カルボキシ基のアルカリ金属塩、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホン酸基、及びスルホン酸基のアルカリ金属塩が挙げられる。親水性モノマー中における親水性基の数は特に制限されないが、得られる膜がより親水性を示す点より、1個以上が好ましく、1〜6個がより好ましく、1〜3個が更に好ましい。
重合性基は特に制限されず、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、及び、アニオン重合性基が挙げられる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、及び、アリル基が挙げられる。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基、及び、オキセタニル基が挙げられる。なかでも、重合性基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
親水性モノマー中における重合性基の数は特に制限されないが、得られる膜の機械的強度がより優れる点で、2個以上が好ましく、2〜6個がより好ましく、2〜3個が更に好ましい。
親水性モノマー中における重合性基の数は特に制限されないが、得られる膜の機械的強度がより優れる点で、2個以上が好ましく、2〜6個がより好ましく、2〜3個が更に好ましい。
親水性モノマーの重合により形成される親水性ポリマーの主鎖の構造は特に制限されず、例えば、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、及び、ポリウレアが挙げられる。
親水性モノマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
親水性モノマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(親水性を有するポリマー(親水性ポリマー))
親水性ポリマーは特に制限されず、公知のものを挙げられる。なお、親水性基の定義は、上述したとおりである。
親水性ポリマーとしては、上記親水性モノマーを重合して得られるポリマーが挙げられる。それ以外にも、例えば、セルロース系化合物が挙げられる。セルロース系化合物とは、セルロースを母核とする化合物を意図し、例えば、カルボキシメチルセルロースのほか、トリアセチルセルロースを原料とするナノファイバー等が挙げられる。
親水性ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、取扱い性がより優れる点で、1,000〜1,000,000が好ましく、10,000〜500,000がより好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定でのポリスチレン換算値として定義される。
親水性ポリマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
親水性ポリマーは特に制限されず、公知のものを挙げられる。なお、親水性基の定義は、上述したとおりである。
親水性ポリマーとしては、上記親水性モノマーを重合して得られるポリマーが挙げられる。それ以外にも、例えば、セルロース系化合物が挙げられる。セルロース系化合物とは、セルロースを母核とする化合物を意図し、例えば、カルボキシメチルセルロースのほか、トリアセチルセルロースを原料とするナノファイバー等が挙げられる。
親水性ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、取扱い性がより優れる点で、1,000〜1,000,000が好ましく、10,000〜500,000がより好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定でのポリスチレン換算値として定義される。
親水性ポリマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<重合開始剤>
組成物が親水性モノマーを含む場合、組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤は特に制限されず、公知の重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、及び、光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、及び、フェニルフォスフィンオキシド等の芳香族ケトン類;α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物(BASF社製、IRGACURE184、127、2959、及び、DAROCUR1173等);フェニルフォスフィンオキシド系化合物(モノアシルフォスフィンオキサイド:BASF社製 IRGACURE TPO、ビスアシルフォスフィンオキサイド:BASF社製 IRGACURE 819);等が挙げられる。
なかでも、反応効率の観点で、光重合開始剤が好ましい。
組成物が親水性モノマーを含む場合、組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤は特に制限されず、公知の重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、及び、光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、及び、フェニルフォスフィンオキシド等の芳香族ケトン類;α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物(BASF社製、IRGACURE184、127、2959、及び、DAROCUR1173等);フェニルフォスフィンオキシド系化合物(モノアシルフォスフィンオキサイド:BASF社製 IRGACURE TPO、ビスアシルフォスフィンオキサイド:BASF社製 IRGACURE 819);等が挙げられる。
なかでも、反応効率の観点で、光重合開始剤が好ましい。
組成物中における重合開始剤の含有量は特に制限されないが、親水性モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、1〜6質量部がより好ましい。
なお、重合開始剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合開始剤を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、重合開始剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合開始剤を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<分散剤>
組成物は、分散剤を含むことが好ましい。組成物が分散剤を含むことにより、上述した特定無機粒子の分散安定性がより優れる。
分散剤は特に制限されず、公知の分散剤が挙げられる。
分散剤としては、ノニオン系又はアニオン系の分散剤が好ましい。特定無機粒子に対する親和性の観点から、カルボキシ基、リン酸基、及び、水酸基等のアニオン性の極性基を有する分散剤(アニオン系分散剤)がより好ましい。
アニオン系分散剤としては、市販品を使用できる。その具体例としては、BYK社の商品名DISPERBYK(登録商標)−110、−111、−116、−140、−161、−162、−163、−164、−170、−171、−174、−180及び−182が好適に挙げられる。
組成物は、分散剤を含むことが好ましい。組成物が分散剤を含むことにより、上述した特定無機粒子の分散安定性がより優れる。
分散剤は特に制限されず、公知の分散剤が挙げられる。
分散剤としては、ノニオン系又はアニオン系の分散剤が好ましい。特定無機粒子に対する親和性の観点から、カルボキシ基、リン酸基、及び、水酸基等のアニオン性の極性基を有する分散剤(アニオン系分散剤)がより好ましい。
アニオン系分散剤としては、市販品を使用できる。その具体例としては、BYK社の商品名DISPERBYK(登録商標)−110、−111、−116、−140、−161、−162、−163、−164、−170、−171、−174、−180及び−182が好適に挙げられる。
組成物中における分散剤の含有量は特に制限されないが、組成物の全固形分に対して、20質量%以下が好ましい。下限は特に制限されないが、1質量%以上の場合が多い。
分散剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の分散剤を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
分散剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の分散剤を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<触媒>
組成物がシリケート系化合物を含む場合、組成物は、シリケート系化合物の縮合を促進する触媒(以下「反応触媒」ともいう。)を含んでいてもよい。
組成物がシリケート系化合物を含む場合、組成物は、シリケート系化合物の縮合を促進する触媒(以下「反応触媒」ともいう。)を含んでいてもよい。
触媒は特に制限されないが、アルカリ触媒及び有機金属触媒が挙げられる。
アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び、水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられる。
有機金属触媒としては、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、及び、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート等のアルミキレート化合物、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、及び、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウムキレート化合物、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、及び、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のチタンキレート化合物、並びに、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、及び、ジブチルスズジオクチエート等の有機スズ化合物等が挙げられる。
なかでも、触媒としては、有機金属触媒が好ましく、アルミキレート化合物又はジルコニウムキレート化合物がより好ましく、アルミキレート化合物が更に好ましい。
アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び、水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられる。
有機金属触媒としては、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、及び、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート等のアルミキレート化合物、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、及び、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウムキレート化合物、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、及び、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のチタンキレート化合物、並びに、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、及び、ジブチルスズジオクチエート等の有機スズ化合物等が挙げられる。
なかでも、触媒としては、有機金属触媒が好ましく、アルミキレート化合物又はジルコニウムキレート化合物がより好ましく、アルミキレート化合物が更に好ましい。
触媒の含有量は、組成物の全固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.2〜15質量部がより好ましく、0.3〜10質量部が更に好ましい。
なお、触媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の触媒を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、触媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の触媒を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<界面活性剤>
組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤は組成物の塗布性を向上する作用を有する。
界面活性剤は特に制限されず、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び、両性型界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は特に制限されないが、組成物の全固形分100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましい。なお、界面活性剤の含有量の上限値は特に制限されないが、組成物の全固形分100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、4質量部以下が更に好ましい。
なお、界面活性剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それらの合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤は組成物の塗布性を向上する作用を有する。
界面活性剤は特に制限されず、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び、両性型界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は特に制限されないが、組成物の全固形分100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましい。なお、界面活性剤の含有量の上限値は特に制限されないが、組成物の全固形分100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、4質量部以下が更に好ましい。
なお、界面活性剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それらの合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリルエステル、及び、ポリエチレングリコールモノステアリルエステルが挙げられる。
イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、及び、アルキルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、及び、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;アルキルカルボキシベタイン等の両性型界面活性剤が挙げられる。
<香料>
組成物は、香料を含んでいてもよい。
香料として、長谷川香料社製のフレーバーH−1、H−2、H−3、H−4、H−6、H−9、H−10、H−11、H−12、H−13、H−14、高砂香料工業社製のフレーバーT−100、T−101、T−102、T−103、T−104、T−105、T−106、T−107、EDA−171、曽田香料社製フレーバーS−201、理研香料工業社製フレーバーDA−40が挙げられる。
香料の含有量は、組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%が好ましい。
組成物は、香料を含んでいてもよい。
香料として、長谷川香料社製のフレーバーH−1、H−2、H−3、H−4、H−6、H−9、H−10、H−11、H−12、H−13、H−14、高砂香料工業社製のフレーバーT−100、T−101、T−102、T−103、T−104、T−105、T−106、T−107、EDA−171、曽田香料社製フレーバーS−201、理研香料工業社製フレーバーDA−40が挙げられる。
香料の含有量は、組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%が好ましい。
<造膜剤>
組成物は、造膜剤を含んでいてもよい。本明細書において、造膜剤には、上述した、シリケート系化合物、親水性モノマー、及び、親水性ポリマーは含まれない。
造膜剤としては、熱可塑性樹脂が挙げられる。造膜剤は、例えば、後述する膜を形成した場合には、バインダーとして機能する。
以下に、熱可塑性樹脂について説明する。
熱可塑性樹脂としては、最低造膜温度が0〜35℃の樹脂が好ましく、公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマーからなる樹脂、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、及び、フルオレン環変性ポリエステル樹脂が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル樹脂、又は、ウレタン樹脂が好ましい。
なお、熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂の種類等に応じて適宜調節すればよいが、例えば、組成物の全固形分に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
組成物は、造膜剤を含んでいてもよい。本明細書において、造膜剤には、上述した、シリケート系化合物、親水性モノマー、及び、親水性ポリマーは含まれない。
造膜剤としては、熱可塑性樹脂が挙げられる。造膜剤は、例えば、後述する膜を形成した場合には、バインダーとして機能する。
以下に、熱可塑性樹脂について説明する。
熱可塑性樹脂としては、最低造膜温度が0〜35℃の樹脂が好ましく、公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマーからなる樹脂、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、及び、フルオレン環変性ポリエステル樹脂が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル樹脂、又は、ウレタン樹脂が好ましい。
なお、熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂の種類等に応じて適宜調節すればよいが、例えば、組成物の全固形分に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
上述した成分以外にも、その他の成分としては、例えば、紫外線吸収剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、重合開始剤、触媒、光触媒性材料、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、艶消し剤、光安定剤、染料、及び、顔料等の公知の添加剤が挙げられる。
<組成物のpH>
組成物のpHは特に制限されないが、実使用環境で使用者の手荒れ等を考慮した場合、pHを適切な範囲に調整することが好ましい。
組成物のpHは、一般的に、2.0〜12.0が好ましく、3.0〜11.0がより好ましく、6.0〜8.0が更に好ましい。
なお、組成物のpHの調整方法としては、組成物に、酸又はアルカリを配合する方法が挙げられる。
なお、pHは、市販のpH測定メータ(例えば、東亜ディーケーケー社製のpHメータ HM−30R等)を用いて測定できる。
組成物のpHは特に制限されないが、実使用環境で使用者の手荒れ等を考慮した場合、pHを適切な範囲に調整することが好ましい。
組成物のpHは、一般的に、2.0〜12.0が好ましく、3.0〜11.0がより好ましく、6.0〜8.0が更に好ましい。
なお、組成物のpHの調整方法としては、組成物に、酸又はアルカリを配合する方法が挙げられる。
なお、pHは、市販のpH測定メータ(例えば、東亜ディーケーケー社製のpHメータ HM−30R等)を用いて測定できる。
<組成物の製造方法>
組成物の製造方法は特に制限されず、上述した成分を一括で混合してもよいし、順次混合してもよい。
組成物の製造方法は特に制限されず、上述した成分を一括で混合してもよいし、順次混合してもよい。
<組成物の用途>
本発明の組成物を用いて膜を形成できる。
上記膜の形成方法は特に制限されないが、組成物を所望の基材に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥又は硬化して膜とする方法(塗布法)が好ましい。
組成物を所望の基材に塗布する方法は、特に制限されない。例えば、スプレー、ロールコータ、グラビアコータ、スクリーン、スピンコータ、フローコータ、インクジェット、静電塗装、及び、ワイプが挙げられる。なかでも、基材の表面に、需要に応じて膜を形成して処理(オンデマンド処理)ができる点で、スプレー又はワイプが好ましく、ワイプがより好ましい。
ワイプによる膜の形成方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。例えば、まず、上記組成物を不織布等の基布に含浸させ、その後、上記基布で基材の表面を拭く。これにより、基材表面に上記組成物による塗膜が形成される。その後、形成された塗膜を乾燥又は硬化して膜を得る。
本発明の組成物を用いて膜を形成できる。
上記膜の形成方法は特に制限されないが、組成物を所望の基材に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥又は硬化して膜とする方法(塗布法)が好ましい。
組成物を所望の基材に塗布する方法は、特に制限されない。例えば、スプレー、ロールコータ、グラビアコータ、スクリーン、スピンコータ、フローコータ、インクジェット、静電塗装、及び、ワイプが挙げられる。なかでも、基材の表面に、需要に応じて膜を形成して処理(オンデマンド処理)ができる点で、スプレー又はワイプが好ましく、ワイプがより好ましい。
ワイプによる膜の形成方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。例えば、まず、上記組成物を不織布等の基布に含浸させ、その後、上記基布で基材の表面を拭く。これにより、基材表面に上記組成物による塗膜が形成される。その後、形成された塗膜を乾燥又は硬化して膜を得る。
<膜の製造方法>
本発明の膜は、例えば、上記組成物を乾燥又は硬化して得られる。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
なお、上記組成物が親水性成分として親水性バインダー前駆体を含む場合、上記膜は、組成物の塗膜(組成物層)を硬化して得られる。言い換えると、上記膜は、上記組成物層の硬化処理によって、組成物層中の親水性バインダー前駆体を親水性バインダーとすることにより得られる。
これに対して、上記組成物中の親水性成分が親水性バインダーである場合、組成物に対して硬化処理を実施する必要はない。
本発明の膜は、例えば、上記組成物を乾燥又は硬化して得られる。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
なお、上記組成物が親水性成分として親水性バインダー前駆体を含む場合、上記膜は、組成物の塗膜(組成物層)を硬化して得られる。言い換えると、上記膜は、上記組成物層の硬化処理によって、組成物層中の親水性バインダー前駆体を親水性バインダーとすることにより得られる。
これに対して、上記組成物中の親水性成分が親水性バインダーである場合、組成物に対して硬化処理を実施する必要はない。
膜の膜厚は特に制限されないが、0.001〜50μmが好ましく、0.01〜10μmがより好ましい。
なお、上記膜厚とは、膜のサンプル片を樹脂に包埋して、ミクロトームで断面を削り出し、削り出した断面を走査電子顕微鏡で観察し測定する。膜の任意の10点の位置における厚みを測定し、それらを算術平均した値を意図する。
なお、上記膜厚とは、膜のサンプル片を樹脂に包埋して、ミクロトームで断面を削り出し、削り出した断面を走査電子顕微鏡で観察し測定する。膜の任意の10点の位置における厚みを測定し、それらを算術平均した値を意図する。
<膜付き基材>
本発明の実施形態に係る膜付き基材は、基材と、組成物を用いて形成される膜と、を有する。膜付き基材としては、基材と、組成物を用いて形成される膜とを有する積層体であればよく、基材の片側の表面上に膜を有してもよいし、基材の両側の表面上に膜を有してもよい。
本発明の実施形態に係る膜付き基材は、基材と、組成物を用いて形成される膜と、を有する。膜付き基材としては、基材と、組成物を用いて形成される膜とを有する積層体であればよく、基材の片側の表面上に膜を有してもよいし、基材の両側の表面上に膜を有してもよい。
基材は、膜を支持する役割を果たし、その種類は特に制限されない。
基材の形状は特に制限されないが、板状、フィルム状、シート状、チューブ状、繊維状、及び、粒子状が挙げられる。
基材を構成する材料は特に制限されず、例えば、金属、ガラス、セラミックス、及び、プラスチック(樹脂)が挙げられる。なかでも、取り扱い性の点から、プラスチックが好ましい。言い換えれば、基材としては、樹脂基材が好ましい。
基材の形状は特に制限されないが、板状、フィルム状、シート状、チューブ状、繊維状、及び、粒子状が挙げられる。
基材を構成する材料は特に制限されず、例えば、金属、ガラス、セラミックス、及び、プラスチック(樹脂)が挙げられる。なかでも、取り扱い性の点から、プラスチックが好ましい。言い換えれば、基材としては、樹脂基材が好ましい。
本発明の膜の製造方法は、上述の組成物を用いて膜を製造する方法に該当し、以下の工程を有する。
(1)組成物が、親水性成分として親水性バインダー前駆体を含む場合、下記工程Aと、下記工程Bとを有することが好ましい
(2) 組成物が、親水性成分として親水性バインダーを含む場合、下記工程Aを有することが好ましい。
(工程A)基材の表面に、組成物を塗布して、組成物層を形成する工程
(工程B)組成物層を硬化処理させて、膜を得る工程
以下に、工程A及び工程Bについて説明する。
(1)組成物が、親水性成分として親水性バインダー前駆体を含む場合、下記工程Aと、下記工程Bとを有することが好ましい
(2) 組成物が、親水性成分として親水性バインダーを含む場合、下記工程Aを有することが好ましい。
(工程A)基材の表面に、組成物を塗布して、組成物層を形成する工程
(工程B)組成物層を硬化処理させて、膜を得る工程
以下に、工程A及び工程Bについて説明する。
(工程A)
工程Aは、基材の表面に、組成物を塗布して、組成物層を形成する工程である。なお、組成物が親水性成分として親水性バインダーを含む場合、基材の表面上に所定の膜が形成される。
基材の表面に組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の塗布法を用いることができる。
工程Aは、基材の表面に、組成物を塗布して、組成物層を形成する工程である。なお、組成物が親水性成分として親水性バインダーを含む場合、基材の表面上に所定の膜が形成される。
基材の表面に組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の塗布法を用いることができる。
組成物層の膜厚は特に制限されないが、乾燥膜厚として、0.001〜10μmが好ましい。
また、組成物を塗布した後、溶媒を除去するために加熱処理を行ってもよい。その場合の加熱処理の条件は特に制限されず、例えば、加熱温度としては、50〜200℃が好ましく、加熱時間としては、15〜600秒が好ましい。
なお、工程Aにおいて用いることができる基材としては、既に説明した基材の形態と同様である。
また、組成物を塗布した後、溶媒を除去するために加熱処理を行ってもよい。その場合の加熱処理の条件は特に制限されず、例えば、加熱温度としては、50〜200℃が好ましく、加熱時間としては、15〜600秒が好ましい。
なお、工程Aにおいて用いることができる基材としては、既に説明した基材の形態と同様である。
(工程B)
工程Bは、組成物層を硬化させて、膜を得る工程である。つまり、組成物層中に含まれる親水性バインダー前駆体を縮合又は重合等の硬化反応により親水性バインダーとする工程である。
組成物層を硬化させる方法は特に制限されないが、例えば、加熱処理及び/又は露光処理が挙げられる。
露光処理は特に制限されないが、例えば、紫外線ランプにより100〜600mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して組成物層を硬化する形態が挙げられる。
紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、及び、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
加熱処理の温度は特に制限されないが、例えば、50〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
工程Bは、組成物層を硬化させて、膜を得る工程である。つまり、組成物層中に含まれる親水性バインダー前駆体を縮合又は重合等の硬化反応により親水性バインダーとする工程である。
組成物層を硬化させる方法は特に制限されないが、例えば、加熱処理及び/又は露光処理が挙げられる。
露光処理は特に制限されないが、例えば、紫外線ランプにより100〜600mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して組成物層を硬化する形態が挙げられる。
紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、及び、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
加熱処理の温度は特に制限されないが、例えば、50〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
<ウェットワイパー>
本発明実施形態に係るウェットワイパーは、基布と、基布に含浸させた組成物と、を有する。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
本発明実施形態に係るウェットワイパーは、基布と、基布に含浸させた組成物と、を有する。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
基布は特に制限されず、天然繊維で形成されたものであっても、化学繊維で形成されたものであってもよい。
天然繊維としては、例えば、パルプ、綿、麻、亜麻、羊毛、キヤメル、カシミヤ、モヘヤ、及び、絹が挙げられる。
化学繊維の材料としては、レーヨン、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート、及び、ポリクラールが挙げられる。
なかでも、これらの基布のうち、組成物が含浸しやすい点で、親水性の基布が好ましい。親水性の基布とは、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、アミド基、及び、スルホニル基等の親水性基を有する繊維を含む基布である。親水性の基布としては、具体的には、植物性繊維、綿、パルプ、動物性繊維、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、及び、ポリビニルアルコールが挙げられる。
上記ウェットワイパーの基布としては、不織布、布、タオル、ガーゼ、及び、脱脂綿が挙げられ、不織布が好ましい。
また、基布の目付(単位面積当たりの質量)は、100g/m2以下が好ましい。上記組成物を基布に含浸させる際の含浸量は、基布の質量に対して1倍以上の量が好ましい。
天然繊維としては、例えば、パルプ、綿、麻、亜麻、羊毛、キヤメル、カシミヤ、モヘヤ、及び、絹が挙げられる。
化学繊維の材料としては、レーヨン、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート、及び、ポリクラールが挙げられる。
なかでも、これらの基布のうち、組成物が含浸しやすい点で、親水性の基布が好ましい。親水性の基布とは、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、アミド基、及び、スルホニル基等の親水性基を有する繊維を含む基布である。親水性の基布としては、具体的には、植物性繊維、綿、パルプ、動物性繊維、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、及び、ポリビニルアルコールが挙げられる。
上記ウェットワイパーの基布としては、不織布、布、タオル、ガーゼ、及び、脱脂綿が挙げられ、不織布が好ましい。
また、基布の目付(単位面積当たりの質量)は、100g/m2以下が好ましい。上記組成物を基布に含浸させる際の含浸量は、基布の質量に対して1倍以上の量が好ましい。
<スプレー>
本発明の実施形態に係るスプレーは、スプレー容器と、スプレー容器に収納された組成物と、を有する。組成物としては、既に説明したとおりである。
本発明のスプレーとしては、組成物と噴射剤とを所定の容器に充填した形態が一例として挙げられる。用いられる噴射剤は特に制限されないが、例えば、液化石油ガスが挙げられる。
本発明の実施形態に係るスプレーは、スプレー容器と、スプレー容器に収納された組成物と、を有する。組成物としては、既に説明したとおりである。
本発明のスプレーとしては、組成物と噴射剤とを所定の容器に充填した形態が一例として挙げられる。用いられる噴射剤は特に制限されないが、例えば、液化石油ガスが挙げられる。
また、本発明の組成物は、柔軟剤、洗剤、シャンプー、リンス等、消臭及び/又は抗菌が関係する製品に用いることができる。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により制限的に解釈されるべきものではない。
<合成例A>
エタノール(メルク製):水:HCl=19:80:0.02の質量比で混合した液に、0.2mlのアミノシランカップリング剤(商品名:KM603、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学)を混合し、15分間室温で攪拌した。その後、得られた溶液に無機粒子を添加し、50℃の条件下で溶液を40分間攪拌した。得られた溶液を一昼夜放置し、揮発性の溶剤を蒸発させて、アミノ基を有する無機粒子を得た。
次に、エタノール(メルク製):水:HCl=19:80:0.02の質量比で混合した液に、0.2mlのカルボン酸系シランカップリング剤(商品名:X−12−1135、信越化学)を混合し、15分間室温で攪拌した。その後、得られた溶液にアミノ基が導入された無機粒子を添加し、50℃の条件下で溶液を40分間攪拌した。得られた溶液を一昼夜放置し、揮発性の溶剤を蒸発させて、アミノ基及びカルボン酸基を有する無機粒子を得た。
なお、上記無機粒子としては、銀担持ガラス(富士ケミカル社製)又は銅担持ガラス(東亜合成製「NS−20C」)を用いた。なお、銀担持ガラス及び銅担持ガラス中のガラスは、アモルファスであった。
つまり、上記手順により、アミノ基及びカルボン酸基を有する銀担持ガラス、及び、アミノ基及びカルボン酸基を有する銅担持ガラスを得た。
エタノール(メルク製):水:HCl=19:80:0.02の質量比で混合した液に、0.2mlのアミノシランカップリング剤(商品名:KM603、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学)を混合し、15分間室温で攪拌した。その後、得られた溶液に無機粒子を添加し、50℃の条件下で溶液を40分間攪拌した。得られた溶液を一昼夜放置し、揮発性の溶剤を蒸発させて、アミノ基を有する無機粒子を得た。
次に、エタノール(メルク製):水:HCl=19:80:0.02の質量比で混合した液に、0.2mlのカルボン酸系シランカップリング剤(商品名:X−12−1135、信越化学)を混合し、15分間室温で攪拌した。その後、得られた溶液にアミノ基が導入された無機粒子を添加し、50℃の条件下で溶液を40分間攪拌した。得られた溶液を一昼夜放置し、揮発性の溶剤を蒸発させて、アミノ基及びカルボン酸基を有する無機粒子を得た。
なお、上記無機粒子としては、銀担持ガラス(富士ケミカル社製)又は銅担持ガラス(東亜合成製「NS−20C」)を用いた。なお、銀担持ガラス及び銅担持ガラス中のガラスは、アモルファスであった。
つまり、上記手順により、アミノ基及びカルボン酸基を有する銀担持ガラス、及び、アミノ基及びカルボン酸基を有する銅担持ガラスを得た。
<合成例B>
原子移動ラジカル重合(ATRP)開始剤(2−bromo−2−methyl−N―3−[(triethoxysilyl)propyl]propanamide)が濃度2.5質量%で含まれるエタノール溶液中に無機粒子を添加し、2時間撹拌後、濾過により粒子を取り出し、真空乾燥して表面修飾された無機粒子(開始剤が表面に固定された無機粒子)を得た。
次に、ベタインモノマー(3−[[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニオ]プロピオナート)のエタノール溶液中に、上記表面修飾された無機粒子と重合触媒とを同時に加えて、1時間加熱重合した。その後、得られた溶液から無機粒子を取り出し、真空乾燥することにより、ベタインモノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーで表面修飾された無機粒子を得た。
なお、上記無機粒子としては、銀担持ガラス(富士ケミカル社製)又は銅担持ガラス(東亜合成製「NS−20C」)を用いた。
つまり、上記手順により、ベタインモノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーで表面修飾された銀担持ガラス、及び、ベタインモノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーで表面修飾された銅担持ガラスを得た。
原子移動ラジカル重合(ATRP)開始剤(2−bromo−2−methyl−N―3−[(triethoxysilyl)propyl]propanamide)が濃度2.5質量%で含まれるエタノール溶液中に無機粒子を添加し、2時間撹拌後、濾過により粒子を取り出し、真空乾燥して表面修飾された無機粒子(開始剤が表面に固定された無機粒子)を得た。
次に、ベタインモノマー(3−[[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニオ]プロピオナート)のエタノール溶液中に、上記表面修飾された無機粒子と重合触媒とを同時に加えて、1時間加熱重合した。その後、得られた溶液から無機粒子を取り出し、真空乾燥することにより、ベタインモノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーで表面修飾された無機粒子を得た。
なお、上記無機粒子としては、銀担持ガラス(富士ケミカル社製)又は銅担持ガラス(東亜合成製「NS−20C」)を用いた。
つまり、上記手順により、ベタインモノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーで表面修飾された銀担持ガラス、及び、ベタインモノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーで表面修飾された銅担持ガラスを得た。
<実施例1>
容器中でエタノール367gを攪拌しながら、純水60g、シリケート系化合物(三菱化学社製「MKC(登録商標)シリケート」MS51」)14g、アルミキレートD(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、エタノール希釈:固形分濃度1質量%)15g、ノニオン性界面活性剤(日本エマルジョン社製「エマレックス715」、純水希釈:固形分濃度0.5質量%)60g、及び、アニオン性界面活性剤(ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、純水希釈:固形分濃度0.2質量%)10gを順次加えた後、イソプロパノール18g、分散剤(BYK社製「DISPERBYK(登録商標)−180」)3.6g、アミノ基及びカルボン酸基を有する銀担持ガラス1.4g、並びに、アミノ基及びカルボン酸基を有する銅担持ガラス0.28gを加え、20分間攪拌し、組成物を得た。
容器中でエタノール367gを攪拌しながら、純水60g、シリケート系化合物(三菱化学社製「MKC(登録商標)シリケート」MS51」)14g、アルミキレートD(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、エタノール希釈:固形分濃度1質量%)15g、ノニオン性界面活性剤(日本エマルジョン社製「エマレックス715」、純水希釈:固形分濃度0.5質量%)60g、及び、アニオン性界面活性剤(ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、純水希釈:固形分濃度0.2質量%)10gを順次加えた後、イソプロパノール18g、分散剤(BYK社製「DISPERBYK(登録商標)−180」)3.6g、アミノ基及びカルボン酸基を有する銀担持ガラス1.4g、並びに、アミノ基及びカルボン酸基を有する銅担持ガラス0.28gを加え、20分間攪拌し、組成物を得た。
<実施例2〜3、比較例1>
使用した無機粒子の種類を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、組成物を得た。
使用した無機粒子の種類を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、組成物を得た。
<評価>
(分散安定性(評価1))
各実施例及び比較例にて得られた組成物と、特許第6144772号公報の表2に記載の組成物とを質量比=1:1で混合し、24時間静置して、無機粒子の沈降が起こるかどうかを目視で確認した。
無機粒子の沈降が起きなかった場合を「なし」、無機粒子の沈降が起きた場合を「あり」とした。
(分散安定性(評価1))
各実施例及び比較例にて得られた組成物と、特許第6144772号公報の表2に記載の組成物とを質量比=1:1で混合し、24時間静置して、無機粒子の沈降が起こるかどうかを目視で確認した。
無機粒子の沈降が起きなかった場合を「なし」、無機粒子の沈降が起きた場合を「あり」とした。
(分散安定性(評価2))
各実施例及び比較例にて得られた組成物と、以下の4つの溶液1〜4とそれぞれ質量比=1:1で混合し、24時間静置して、無機粒子の沈降が起こるかどうかを目視で確認した。いずれの溶液と混合しても無機粒子の沈降が起きなかった場合を「なし」、いずれかの溶液と混合した際に無機粒子の沈降が起きた場合を「あり」とした。
溶液1:アニオン系界面活性剤であるジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸Na(東京化成工業)を濃度0.1%で水に溶解させて得られた溶液。
溶液2:カチオン系界面活性剤であるステアラミドエチルジメチルアミン(東京化成工業)を濃度0.1%で水に溶解させて得られた溶液。
溶液3:シクロデキストリンであるヒドロキシプロピル−β−デキストリン(富士フイルム和光純薬)を濃度0.1%で水に溶解させて得られた溶液。
溶液4:ポリフェノールである(−)−カテキン(富士フイルム和光純薬)を濃度1%で水に溶解させて得られた溶液。
各実施例及び比較例にて得られた組成物と、以下の4つの溶液1〜4とそれぞれ質量比=1:1で混合し、24時間静置して、無機粒子の沈降が起こるかどうかを目視で確認した。いずれの溶液と混合しても無機粒子の沈降が起きなかった場合を「なし」、いずれかの溶液と混合した際に無機粒子の沈降が起きた場合を「あり」とした。
溶液1:アニオン系界面活性剤であるジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸Na(東京化成工業)を濃度0.1%で水に溶解させて得られた溶液。
溶液2:カチオン系界面活性剤であるステアラミドエチルジメチルアミン(東京化成工業)を濃度0.1%で水に溶解させて得られた溶液。
溶液3:シクロデキストリンであるヒドロキシプロピル−β−デキストリン(富士フイルム和光純薬)を濃度0.1%で水に溶解させて得られた溶液。
溶液4:ポリフェノールである(−)−カテキン(富士フイルム和光純薬)を濃度1%で水に溶解させて得られた溶液。
(抗菌性)
上記で得られた組成物について、以下に示す試験に基づいて、その抗菌性についての評価を実施した。
まず、不織布100cm2当たり組成物が1g付着するように、不織布に対して組成物を噴射した。次に、得られた組成物付き不織布を25℃にて2日間乾燥し、膜付き基材を作製した。得られた膜付き基材を用いて、以下の手順により抗菌性を評価した。
抗菌性の評価は、JIS Z 2801:2012記載の評価方法に準拠し、大腸菌を使用し、菌液への接触時間を24時間に変更して試験を実施した。試験後の抗菌活性値を測定し、以下の評価基準に基づいて評価を行なった。結果を第1表に示す。
≪評価基準≫
「A」:抗菌活性値が2.5以上
「B」:抗菌活性値が1.0以上2.5未満
「C」:抗菌活性値が1.0未満
上記で得られた組成物について、以下に示す試験に基づいて、その抗菌性についての評価を実施した。
まず、不織布100cm2当たり組成物が1g付着するように、不織布に対して組成物を噴射した。次に、得られた組成物付き不織布を25℃にて2日間乾燥し、膜付き基材を作製した。得られた膜付き基材を用いて、以下の手順により抗菌性を評価した。
抗菌性の評価は、JIS Z 2801:2012記載の評価方法に準拠し、大腸菌を使用し、菌液への接触時間を24時間に変更して試験を実施した。試験後の抗菌活性値を測定し、以下の評価基準に基づいて評価を行なった。結果を第1表に示す。
≪評価基準≫
「A」:抗菌活性値が2.5以上
「B」:抗菌活性値が1.0以上2.5未満
「C」:抗菌活性値が1.0未満
表1中、「表面修飾」欄は無機粒子の表面修飾の種類を表し、「A」は<合成例A>の手順によって無機粒子の表面修飾をしたことを意図し、「B」は<合成例B>の手順によって無機粒子の表面修飾をしたことを意図する。なお、「表面処理」欄の「なし」は、表面処理を施していないことを意図する。
上記表1に示すように、本発明の組成物は、分散安定性に優れていた。
Claims (13)
- カチオン性基とアニオン性基とを有する無機粒子、及び、溶媒を含む組成物。
- 前記無機粒子が、無機酸化物粒子と、前記無機酸化物粒子上に担持された金属とを含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記無機酸化物粒子が、ケイ酸塩を含む、請求項2に記載の組成物。
- 前記無機酸化物粒子が、アモルファスである、請求項2又は3に記載の組成物。
- 前記金属が、銀又は銅である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記無機粒子が、カチオン性基を有するカップリング剤及びアニオン性基を有するカップリング剤を用いて表面修飾された無機粒子である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記無機粒子が、ベタインモノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーで表面修飾された無機粒子である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記無機粒子が、カチオン性基とアニオン性基とを有する第1無機粒子、及び、カチオン性基とアニオン性基とを有する第2無機粒子を含み、
前記第1無機粒子が、無機酸化物粒子と、前記無機酸化物粒子上に担持された銀とを含み、
前記第2無機粒子が、無機酸化物粒子と、前記無機酸化物粒子上に担持された銅とを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。 - 親水性バインダー前駆体及び親水性バインダーからなる群から選択される親水性成分を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記親水性成分が、シリケート系化合物、親水性基を有するモノマー、及び、親水性基を有するポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項9に記載の組成物。
- 基材と、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物から形成される膜とを有する、膜付き基材。
- 基布と、前記基布に含浸させた請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物と、を有する、ウェットワイパー。
- スプレー容器と、前記スプレー容器に収納された請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物と、を有するスプレー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018078236A JP2019182722A (ja) | 2018-04-16 | 2018-04-16 | 組成物、膜付き基材、ウェットワイパー、スプレー |
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