JP2019178805A - 空気調和装置及び空気調和システム、並びに空気調和設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】除湿再熱運転の制御が複雑にならず、かつ制御性に優れた空気調和装置及び空気調和システム、並びに空気調和設備を提供する。【解決手段】制御部15は、除湿再熱運転を行う際に、圧縮機12の運転周波数を制御して除湿量を調節する除湿制御と、第2の膨張弁25の開度により第2の空気熱交換器23による再熱量を制御する再熱制御と、第1の膨張弁25の開度により過熱度を制御する冷房過熱度制御と、を各制御が干渉しないようにそれぞれ単独で行うことにより、制御の複雑化を防ぎ、シンプルで信頼性の高い除湿再熱運転を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、冷却して除湿された空気を再加熱して室内に吹き出す除湿再熱運転が可能な空気調和装置及び空気調和システム、並びに空気調和設備に関する。
従来、熱源水と冷媒との間で熱交換を行う水熱交換器と、冷媒と空気との間で熱交換を行う空気熱交換器とを含む冷媒回路と、冷媒回路内で冷媒を循環させる圧縮機と、冷房運転時と暖房運転時に冷媒が圧縮機から冷媒回路へ流れる方向を切り換える四方弁と、室内へ空気を吹き出す送風機とを備え、ユニット毎に冷房と暖房とを行なえるようにした一体型の空気調和装置が知られている。
このような空気調和装置では、冷房運転時に冷却及び除湿を行い、潜熱と顕熱を同時に除去し、吸込み温度が設定温度になるように圧縮機を制御する。この場合、温度のみの制御となり、湿度は制御されない(成り行きとなる)ので、梅雨時などに、いわゆるクールビズなどで設定温度が高めに設定されると、湿度が高く不快な空調となる恐れがあった。また、湿度の制御を行なわないので、空調負荷が多い場合には、圧縮機の能力を高めるために設定温度よりも低い温度で空気が吹き出されるので、空気調和装置の近くにいる人は冷風を直に受けてしまい、不快を感じる恐れもある。
このような問題を可決するために、冷却及び除湿された空気を再熱用の空気熱交換器で再加熱してから室内に吹き出す除湿再熱運転が可能な空気調和装置が発明されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1、2の空気調和装置では、熱源となる空気と冷媒との間で熱交換を行なう排熱用の空気熱交換器と膨張弁とが直列に接続された配管系統と、再熱用の空気熱交換器と膨張弁とが直列に接続された配管系統とを圧縮機に対して並列に接続し、これらの膨張弁でそれぞれ冷媒流量を調整し、合流した液冷媒が冷却及び除湿用の空気熱交換器で蒸発して圧縮機へ流れる冷媒回路になっている。
特開平05−340594号公報 特開2011−133171号公報
しかしながら、特許文献1の空気調和装置では、圧縮機へ流入する冷媒の過熱度を制御する際に、排熱用空気熱交換器の膨張弁を流れる冷媒と、再熱用空気熱交換器の膨張弁を流れる冷媒とを合流して同方向に同率変化させて過熱度を制御しているので、制御が複雑であり、安定性に欠けるという問題があった。また、特許文献2に記載の空気調和装置では、温度制御、湿度制御は、圧縮機の運転周波数制御と、再熱用膨張弁と凝縮器用の膨張弁がそれぞれ関連を持って制御しており、やはり複雑なものとなっている。
そこで本発明は、除湿再熱運転の制御が複雑にならず、かつ制御性に優れた空気調和装置及び空気調和システム、並びに空気調和設備を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、冷媒と熱源との間で熱交換を行う熱源熱交換器と、冷媒と空気との間で熱交換を行う第1の空気熱交換器および第2の空気熱交換器と、冷媒を減圧する膨張弁とを含む冷媒回路と、前記冷媒回路内で冷媒を循環させる圧縮機と、冷却運転時と暖房運転時に前記圧縮機から前記冷媒回路へ流れる冷媒の流動方向を切り換える四方弁と、室内へ空気を吹き出す送風機と、を備える空気調和装置であって、前記熱源熱交換器で前記冷媒の排熱を行い、室内から吸い込んだ吸込空気を前記第1の空気熱交換器で設定温度及び設定湿度まで冷却及び除湿し、前記第2の空気熱交換器で再加熱して前記室内に吹き出す除湿再熱運転を行う際に、前記吸込空気の温度と湿度とから吸込露点温度を算出し、前記設定温度と前記設定湿度とから最終目標露点温度を算出し、前記吸込露点温度から前記最終目標露点温度へと至る目標露点温度を段階的に変更して、前記第1の空気熱交換器の冷媒温度が前記目標露点温度を経て前記最終目標露点温度になるように、前記圧縮機の運転周波数を制御する除湿制御と、前記室内に吹き出された吹出空気の温度、あるいは前記第2の空気熱交換器の出口で測定された冷媒温度が、設定温度から求められた再熱目標温度になるように、前記第2の空気熱交換器に接続された第2の膨張弁の開度を制御する再熱制御と、前記第1の空気熱交換器で測定した冷媒温度と、前記第1の空気熱交換器から前記圧縮機へ戻る冷媒温度との差が一定になるように、前記第1の空気熱交換器に接続された第1の膨張弁の開度を制御する冷房過熱度制御と、をそれぞれ単独で行う制御手段を備える、ことを特徴とする。
この発明によれば、除湿再熱運転を行なう際に、制御手段は、除湿制御と、再熱制御と、冷房過熱度制御と、をそれぞれ単独で行なう。除湿制御では、吸込空気の温度と湿度とから吸込露点温度を算出する。また、設定温度と設定湿度とから最終目標露点温度を算出する。さらに、吸込露点温度から最終目標露点温度へと至る目標露点温度を段階的に変更して、第1の空気熱交換器の冷媒温度が目標露点温度を経て最終目標露点温度になるように、圧縮機の運転周波数を制御する。また、再熱制御では、室内に吹き出された吹出空気の温度、あるいは第2の空気熱交換器の出口で測定された冷媒温度が、設定温度から求められた再熱目標温度になるように、第2の空気熱交換器に接続された第2の膨張弁の開度を制御する。さらに、冷房過熱度制御では、第1の空気熱交換器で測定した冷媒温度と、第1の空気熱交換器から圧縮機へ戻る冷媒温度との差が一定になるように、第1の空気熱交換器に接続された第1の膨張弁の開度を制御する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気調和装置であって、前記制御手段は、前記吸込空気の温度が予め設定された設定吸込温度未満の場合に前記再熱制御を行い、前記吸込空気の温度が前記設定吸込温度以上の場合に前記再熱制御を行わない、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の空気調和装置であって、加湿水の自然蒸発により前記吹出空気を加湿する自然蒸発式加湿器と、前記自然蒸発式加湿器へ前記加湿水を供給する加湿水供給回路と、前記加湿水供給回路に設けられ、前記圧縮機で圧縮された冷媒により前記加湿水を加熱する加湿水加熱器と、前記加湿水供給回路に設けられ、前記加湿水加熱器に供給される前記加湿水の量を調節する第1の加湿調節弁と、前記加湿水供給回路に設けられ、前記自然蒸発式加湿器に供給される前記加湿水の量を調節する第2の加湿調節弁と、を備え、前記制御手段は、前記加湿水の温度が目標水温になるように前記第1の加湿調節弁の開度を制御し、前記加湿水の流量が目標流量になるように前記第2の加湿調節弁の開度を制御する、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の空気調和装置であって、前記吸込空気を前記第1の空気熱交換器で前記設定温度まで加熱し、前記自然蒸発式加湿器で前記設定湿度まで加湿し、前記熱源熱交換器で前記冷媒の排熱を行なう暖房加湿運転を行う際に、前記制御手段は、前記吸込空気の温度と湿度とから吸込露点温度を算出し、前記設定温度と前記設定湿度とから最終目標露点温度を算出し、前記最終目標露点温度と前記吸込露点温度との差に所定の補正値を加算して、湿り空気線図上で等エンタルピ線上に乗るような目標吹出温度を算出し、前記第1の空気熱交換器の冷媒温度が前記目標吹出温度になるように、前記圧縮機の運転周波数を制御する暖房加熱制御と、前記熱源熱交換器で測定した冷媒温度と、前記熱源熱交換器から前記圧縮機へ戻る冷媒温度との差が一定になるように、前記第1の空気熱交換器に接続された第1の膨張弁の開度を制御する暖房過熱度制御と、前記吹出空気の湿度が前記目標湿度になるように、前記第1の加湿調節弁と前記第2の加湿調節弁の開度を制御する加湿制御と、をそれぞれ単独で行う、ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の空気調和装置であって、前記室内に設置されている他の空気調和装置で暖房運転が行われている状況で、前記熱源熱交換器で前記冷媒の排熱を行い、前記吸込空気を前記第1の空気熱交換器により冷却し、前記自然蒸発式加湿器で前記設定湿度まで加湿する冷房加湿運転を行う際に、前記制御手段は、前記吸込空気の温度から所定の冷却温度を減算した目標冷却温度を算出し、前記第1の空気熱交換器の冷媒の温度が前記目冷却標温度になるように、前記圧縮機の運転周波数を制御する冷却制御と、前記吸込空気の温度と湿度とから吸込露点温度を算出し、前記設定温度と前記設定湿度とから最終目標露点温度を算出し、前記最終目標露点温度と前記吸込露点温度との差に所定の補正値を加算して、湿り空気線図上で等エンタルピ線上に乗るような目標吹出温度を算出し、前記第2の空気熱交換器の出口の冷媒温度が前記目標吹出温度になるように、前記第2の膨張弁の開度を制御する冷房加熱制御と、前記冷房過熱度制御と、前記吹出空気の湿度が前記目標湿度になるように、前記第1の加湿調節弁と前記第2の加湿調節弁の開度を制御する加湿制御と、をそれぞれ単独で行う、ことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空気調和装置であって、前記冷媒回路は、前記熱源熱交換器と前記第1の膨張弁とが直列に接続された配管系統と、前記第2の空気熱交換器と前記第2の膨張弁とが直列に接続された配管系統とが前記圧縮機に対して並列に接続され、前記熱源熱交換器と前記第1の空気熱交換器とが前記第1の膨張弁を介して接続され、前記第2の空気熱交換器が前記第2の膨張弁を介して前記第1の空気熱交換器と前記第1の膨張弁との間に接続されている、ことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の空気調和装置であって、前記冷媒回路は、前記熱源熱交換器と前記第1の膨張弁との間に、前記熱源熱交換器の排熱を制御するための第3の膨張弁が配設されている、ことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の空気調和装置であって、前記冷媒回路は、第3の空気熱交換器が前記第1の空気熱交換器と並列に接続され、かつ、前記第3の空気熱交換器が第4の膨張弁を介して前記第2の空気熱交換器に接続されており、冷却負荷に応じて、前記第1の空気熱交換器と前記第3の空気熱交換器とを切り換えてまたは同時に使用する、ことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空気調和装置であって、前記冷媒回路は、前記熱源熱交換器と、前記熱源熱交換器を制御するための第5の膨張弁と、前記第2の空気熱交換器と、前記第1の膨張弁と、前記第1の空気熱交換器とが前記圧縮機に対して直列に接続され、前記第2の空気熱交換器が、冷媒が高圧液になるまで凝縮する第1の熱交換部と第2の熱交換部とを備えていて、前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部との間に接続された分岐配管が、前記第2の膨張弁を介して前記第1の膨張弁と前記第1の空気熱交換器との間に接続され、前記圧縮機から、前記熱源熱交換器と前記第5の膨張弁とをバイパスして前記第2の空気熱交換器に接続するバイパス管路と、前記バイパス管路を開閉するバイパス弁とを備えており、前記除湿再熱運転で前記熱源が所定温度以上の場合には、前記熱源熱交換器と前記第1の熱交換部で凝縮された冷媒と、前記熱源熱交換器と前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部とで凝縮された冷媒とを前記第1の空気熱交換器で蒸発し、前記除湿再熱運転で前記熱源が所定温度未満の場合には、前記第1の熱交換部で凝縮された冷媒と、前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部とで凝縮された冷媒とを前記第1の空気熱交換器で蒸発し、前記暖房加湿運転の際には、前記第1の空気熱交換器と前記第2の空気熱交換器とで冷媒を凝縮する、ことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の空気調和装置であって、前記熱源熱交換器は、熱源水を循環する熱源水回路に接続され、前記熱源水回路から供給された前記熱源水と冷媒との間で熱交換を行う水熱交換器であって、前記水熱交換器で熱交換に利用された前記熱源水を前記熱源水回路に排水する水出口に、前記熱源水の排出流量を調節する熱源水用調節弁を配設し、前記制御手段は、前記水熱交換器に供給される熱源水の温度と、前記水熱交換器から排水される熱源水との温度との絶対温度差が所定温度差未満になった場合に、前記絶対温度差が予め設定された温度差以上になるように、前記熱源水用調節弁の開度を調節する、ことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の空気調和装置であって、前記熱源熱交換器として、空気熱交換器と、冷媒との間で熱交換された空気を室外へ排出する室外送風機とを備える、ことを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の調湿制御機能を有する空気調和装置と、除湿制御機能を有しない空気調和装置とが同じ室内に設置された空気調和システムであって、前記調湿制御機能を有する空気調和装置で潜熱処理主体に前記室内を空調し、前記除湿制御機能を有しない空気調和装置で顕熱処理主体に前記室内を空調する、ことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の調湿制御機能を有する空気調和装置と、除湿制御機能を有しない空気調和装置とが同じ室内に設置された空気調和システムであって、前記調湿制御機能を有する空気調和装置と、前記除湿制御機能を有しない空気調和装置とに通信可能に接続されて、前記調湿制御機能を有する空気調和装置と前記除湿制御機能を有しない空気調和装置とを制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記除湿制御機能を有しない空気調和装置の空気熱交換器の冷媒温度を露点温度とし、圧縮機の運転周波数を所定の露点温度を目標温度とする除湿制御を行い、前記調湿制御機能を有する空気調和装置の除湿制御と前記除湿制御機能を有しない空気調和装置の除湿制御により、前記室内の除湿量を制御し、かつ、前記調湿制御機能を有する空気調和装置の温度制御と前記除湿制御機能を有しない空気調和装置の温度制御により、前記室内の顕熱量を制御する、ことを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項12または13に記載の空気調和システムと、前記空気調和システムへ、熱源として熱源水を供給するポンプと、前記熱源水を冷却する冷却塔、あるいは前記熱源水を加温する補助熱源と、を備えることを特徴とする空気調和設備である。
請求項1に記載の発明によれば、除湿再熱運転時に、除湿制御と、再熱制御と、冷房過熱度制御とをそれぞれ単独で行なう。すなわち、圧縮機の制御を最優先で行い、次に再熱用の膨張弁の制御、過熱制御用の膨張弁の制御の順に行い、それぞれ単独で制御を行う方法としている。これにより、除湿制御と再熱制御とが干渉しないように、短時間で、かつ安定性よく制御できるので、制御フローの各ステップがスムーズに動作し、快適性と省エネ性を満たす制御となる。また、第1の空気熱交換器で除湿し、第2の空気熱交換器で再熱し、熱源熱交換器で熱源に排熱を行う。再熱用で使用する熱量以上の熱量がある場合、熱源熱交換器は残余分の熱量を排熱し、再熱用で使用する熱量以上の熱量がない場合は熱源熱交換器での残余分の排熱はない。このように熱源熱交換器があることにより、空調負荷に応じ、第2の空気熱交換器の再熱制御動作をスムーズに行うことができる。さらに、目標露点温度を段階的に変更して、最終目標露点温度まで除湿制御を行うようにしたので、一気に最終目標露点温度まで除湿制御する場合と比べて、圧縮機の運転周波数の増大を防ぐことができ、省エネルギーが図れる。
また、再熱の熱源は空調機の排熱を利用する。第2の空気熱交換器で冷却・除湿した後の空気を再熱するので、熱源の温度より低温で冷媒を凝縮することになり、熱源の凝縮と比べ凝縮温度が低下する。空調機の効率は再熱を行ったほうが熱源水のみに比べ、効率は向上し、省エネルギーとなる。さらに、湿度は段階的に目標露点温度になるように制御し、必要な除湿を行う。温度は設定温度になるように制御し、吹き出し温度が設定温度に近づくように再熱を制御する。このように、湿度を優先に制御し、再熱制御により設定温度になるように制御するので、部分負荷時でも圧縮機を停止させずに最小運転周波数で運転が可能である。また、部分負荷運転の場合、再熱熱量と熱源水への排熱熱量の熱量割合は再熱熱量の熱量が多くなるので冷媒の凝縮温度が低下し、圧縮機の効率が向上すると同時に、再熱制御により、サーモオフ(圧縮機停止)しないよう制御する。その場合、圧縮機は最小運転周波数で運転する。最小運転周波数での圧縮機効率は定格運転時に比べ非常によくなる。したがって、一般的には年間を通じて冷房期間が多く、かつ、部分負荷運転時間が多いので、省エネルギーかつ快適な運転となる。
請求項2に記載の発明によれば、吸込空気の温度が予め設定された設定吸込温度未満の場合に再熱制御を行い、吸込空気の温度が設定吸込温度以上の場合に再熱制御を行わないようにしたので、再熱せずに冷却及び除湿を行うと、再熱分が空調負荷とならず、かつ再熱を行う場合に比べ、より早く設定温度に近づくことができるようになる。
請求項3に記載の発明によれば、加湿水の温度を加湿水加熱器と第1の加湿調節弁とで制御し、自然蒸発式加湿器に供給される加湿水の量を第2の加湿調節弁で制御するようにしたので、従来のようにバルブのオンオフのみで制御するものと比べて、より精度のよい加湿制御を行なうことができる。
請求項4に記載の発明によれば、暖房加湿運転時に、暖房加熱制御と、暖房過熱度制御と、加湿制御とをそれぞれ単独で行なう。すなわち、圧縮機の制御を最優先で行い、次に過熱制御用の膨張弁の制御と、加湿制御との順に行い、それぞれ単独で制御を行う方法としている。これにより、複数の制御が互いに干渉しないように、短時間で、かつ安定性よく制御できるので、制御フローの各ステップがスムーズに動作し、快適性と省エネ性を満たす制御となる。
請求項5に記載の発明によれば、冷房加湿運転時に、冷却制御と、冷房加熱制御と、冷房過熱度制御と、加湿制御とをそれぞれ単独で制御を行う方法としている。これにより、複数の制御が互いに干渉しないように、短時間で、かつ安定性よく制御できるので、制御フローの各ステップがスムーズに動作し、快適性と省エネ性を満たす制御となる。
請求項6に記載の発明によれば、熱源熱交換器と第2の空気熱交換器とが並列となっているので、熱源熱交換器単独の高圧圧力と第2の空気熱交換器単独の高圧圧力の間の高圧圧力となり、熱源熱交換器単独の高圧圧力以下の圧力となる。ゆえに熱源熱交換器単独の圧縮機の入力に比べ、圧縮機の入力は低くなるので、省エネルギーが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、熱源熱交換器と第1の膨張弁との間に、熱源熱交換器の排熱を制御するための第3の膨張弁を配設したので、熱源熱交換器の排熱制御をよりきめ細かく、かつ精度よく行なうことが可能である。
請求項8に記載の発明によれば、第3の空気熱交換器を第1の空気熱交換器と並列に接続し、かつ、第3の空気熱交換器を第4の膨張弁を介して第2の空気熱交換器に接続し、冷却負荷に応じて、第1の空気熱交換器と第3の空気熱交換器とを切り換えてまたは同時に使用するようにしたので、再熱と除湿の制御を別々の冷媒回路で行うことができ、再熱と除湿をきめ細かく、かつ精度よく行うことが可能である。
請求項9に記載の発明によれば、冷媒回路は、熱源熱交換器と第2の空気熱交換器が直列で接続されている。したがって、冷媒はまず、熱源熱交換器で冷却され、凝縮液化し、第2の空気熱交換器で更に、第1の空気熱交換器で除湿冷却した空気と熱交換し、冷却される。したがって、第2の空気熱交換器の冷却で冷媒の過冷却が増加するので、蒸発熱量が変わらない場合には、過冷却により冷却効果が増加し、冷媒循環量が減少するので、圧縮機の入力は水熱交換器単独に比べて低くなり、省エネルギーが図れる。
請求項10に記載の発明によれば、水熱交換器に供給される熱源水の温度と、水熱交換器から排水される熱源水との温度との絶対温度差が所定温度差未満になった場合に、絶対温度差が予め設定された温度差以上になるように、熱源水用調節弁の開度を調節し、熱源水の流量を低減させることができるので、熱源水用ポンプの消費電力が低減できる。
請求項11に記載の発明によれば、熱源熱交換器として、空気熱交換器と、冷媒との間で熱交換された空気を室外へ排出する室外送風機とを利用することができるので、空気熱源を利用する空気調和装置へも柔軟に対応することが可能である。
請求項12に記載の発明によれば、調湿制御機能を有する空気調和装置で潜熱処理主体に室内を空調し、除湿制御機能を有しない空気調和装置で顕熱処理主体に室内を空調するので、調湿制御機能を有する空気調和装置と、除湿制御機能を有しない空気調和装置とが混在する環境でも全体として快適な環境となるように湿度を制御することが可能である。
請求項13に記載の発明によれば、制御装置により、除湿制御機能を有しない空気調和装置の空気熱交換器の冷媒温度を露点温度とし、圧縮機の運転周波数を所定の露点温度を目標温度とする除湿制御を行い、調湿制御機能を有する空気調和装置の除湿制御と除湿制御機能を有しない空気調和装置の除湿制御により、室内の除湿量を制御し、かつ、調湿制御機能を有する空気調和装置の温度制御と除湿制御機能を有しない空気調和装置の温度制御により、室内の顕熱量を制御する。したがって、調湿制御機能を有する空気調和装置が余分な除湿を行わなくてよくなるので、調湿制御機能を有する空気調和装置が単独で全体の除湿分を除湿するよりも、少ない除湿量となり、調質空調機の運転周波数が低下するので、消費電力が低下する。
請求項14に記載の発明によれば、請求項12または13記載の空気調和システムを、熱源として熱源水を供給するポンプと、熱源水を冷却する冷却塔、あるいは熱源水を加温する補助熱源とを備えることを特徴とする空気調和設備へ容易に適用することが可能である。
この発明の実施の形態1に係る空気調和装置で除湿再熱運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で冷房運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で低負荷除湿再熱運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で暖房加湿運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で冷房加湿運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で除湿再熱運転を行っている状態を示すph線図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で除湿制御及び再熱制御を行う場合の温度及び湿度の変化を示す湿り空気線図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で露点温度の遷移の違いによる効果を示す表である。 実施の形態1に係る空気調和装置で露点温度の遷移の違いによる効果を示す湿り空気線図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で暖房加熱制御及び加湿制御を行う場合の温度及び湿度の変化を示す湿り空気線図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で冷却制御、冷房加熱制御及び加湿制御を行う場合の温度及び湿度の変化を示す湿り空気線図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で送風による加湿制御による温度及び湿度の変化を示す湿り空気線図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で冷房及び暖房の切り換え手順と、冷房運転の手順とを示すフローチャートである。 図13の冷房運転の手順の続きを示すフローチャートである。 実施の形態1に係る空気調和装置の暖房加湿運転の手順を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る空気調和装置の冷房加湿運転の手順を示すフローチャートである。 図16の冷房加湿運転の手順の続きを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る空気調和装置で除湿再熱運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態2に係る空気調和装置で低負荷除湿再熱運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態1に係る空気調和装置で煖房加湿運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態2に係る空気調和装置で冷房及び暖房の切り換え手順と、冷房運転の手順とを示すフローチャートである。 図21の冷房運転の手順の続きを示すフローチャートである。 実施の形態2に係る空気調和装置の暖房加湿運転の手順を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る空気調和装置の冷房加湿運転の手順を示すフローチャートである。 図24の冷房加湿運転の手順の続きを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る空気調和装置で除湿再熱運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態3に係る空気調和装置で低負荷除湿再熱運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態3に係る空気調和装置で煖房加湿運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態3に係る空気調和装置で冷房及び暖房の切り換え手順と、冷房運転の手順とを示すフローチャートである。 図29の冷房運転の手順の続きを示すフローチャートである。 実施の形態3に係る空気調和装置の暖房加湿運転の手順を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る空気調和装置の冷房加湿運転の手順を示すフローチャートである。 図32の冷房加湿運転の手順の続きを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係る空気調和装置で熱源水が所定温度以上の状態で除湿再熱運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態4に係る空気調和装置で熱源水が所定温度未満の状態で除湿再熱運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態4に係る空気調和装置で煖房加湿運転を行っている状態を示す回路図である。 実施の形態4に係る空気調和装置で冷房及び暖房の切り換え手順と、冷房運転の手順とを示すフローチャートである。 図37の冷房運転の手順の続きを示すフローチャートである。 実施の形態4に係る空気調和装置の暖房加湿運転の手順を示すフローチャートである。 実施の形態4に係る空気調和装置の冷房加湿運転の手順を示すフローチャートである。 図40の冷房加湿運転の手順の続きを示すフローチャートである。 実施の形態4に係る空気調和装置で除湿再熱運転を行っている状態を示すph線図である。 この発明の実施の形態5に係る空気調和装置で除湿再熱運転を行っている状態を示す回路図である。 この発明の実施の形態6に係る空気調和装置で除湿再熱運転を行っている状態を示す回路図である。 この発明の実施の形態7に係る空気調和システムの構成を示す概略図である。 実施の形態7に係る空気調和システムの制御手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態8に係る空気調和システムの構成を示す概略図である。 実施の形態8に係る空気調和システムの制御手順を示すフローチャートである。 図48の制御手順の続きを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態9に係る空気調和設備の構成を示す概略図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係る空気調和装置1の回路図である。空気調和装置1は、建物の屋上に設置された冷却塔で冷却された水(熱源水)を熱源として利用して、除湿再熱運転と、冷房運転と、低負荷除湿再熱運転と、暖房加湿運転と、暖房加湿運転とを切り換えて行なう空気調和装置である。
空気調和装置1は、冷媒が流れる冷媒回路11と、この冷媒回路11で冷媒を循環させる圧縮機12と、冷房時と暖房時とで冷媒が冷媒回路11に流れる方向を切り換える四方弁13と、室内から吸い込んだ吸込空気を室内に吹出空気として吹き出す送風機14と、制御部(制御手段)15とを備えている。圧縮機12は、高圧側の出口配管と低圧側の出口配管とが四方弁13を介して冷媒回路11に接続されている。
冷媒回路11は、熱源水と冷媒との間で熱交換を行なう水熱交換器(熱源熱交換器)21と、冷媒と室内から吸い込んだ吸込空気との間で熱交換を行なう第1の空気熱交換機22及び第2の空気熱交換器23と、冷媒を減圧する第1の膨張弁24及び第2の膨張弁25とを備えている。
水熱交換器21と、第1の膨張弁24とは、直列に接続されている。また、第2の空気熱交換器23と、第2の膨張弁25も直列に接続されている。そして、水熱交換器21と第1の膨張弁24とが直列に接続された配管系統と、第2の空気熱交換器23と第2の膨張弁25とが直列に接続された配管系統とが、四方弁4を介して圧縮機12に並列に接続されている。
また、水熱交換器21と第1の空気熱交換器22とが、第1の膨張弁24を介して接続され、第2の空気熱交換器23が第2の膨張弁25を介して、第1の空気熱交換器22と第1の膨張弁24との間に接続されている。第1の空気熱交換器22と第2の空気熱交換器23は、送風機14により室内から吸い込まれて再び室内に吹き出される空気の流れに沿うように配置されている。
冷媒回路11内には、冷媒の温度を測定する温度センサとして、低圧ガス温度センサ31と、空気熱交換器冷媒温度センサ32と、空気熱交換器出口温度センサ33と、膨張弁入口温度センサ34とが設けられている。低圧ガス温度センサ31は、冷媒回路11から圧縮機12に戻る冷媒の温度を測定する。空気熱交換器冷媒温度センサ32は、第1の空気熱交換器22内の冷媒の温度を測定する。空気熱交換器出口温度センサ33は、第2の空気熱交換器23から流れ出る冷媒の温度を測定する。膨張弁入口温度センサ34は、第1の膨張弁24に流れ込む冷媒の温度を測定する。
また、冷媒回路11内には、空気の温度及び湿度を測定するセンサとして、吸込温度センサ41と、吸込湿度センサ42と、吹出温度センサ43と、吹出湿度センサ44とが設けられている。吸込温度センサ41と吸込湿度センサ42は、室内から吸い込んだ吸込空気の温度(以下、吸込温度、室内温度あるいは室温ともいう)と、吸込湿度(以下、吸込湿度、室内湿度ともいう)とを測定する。吹出温度センサ43と吹出湿度センサ44は、室内へ吹き出す吹出空気の温度と湿度とを測定する。
さらに、冷媒回路11内には、冷却塔から水熱交換器21へ供給される熱源水の温度を測定する水入口温度センサ45と、水熱交換器21から冷却塔へ戻る熱源水の温度を測定する水出口温度センサ46とが設けられている。
また、冷媒回路11内には、吹出空気を加湿する加湿するために、自然蒸発式加湿器51と、加湿水供給回路52と、加湿水加熱器53と、加湿用比例三方弁(第1の加湿調節弁)54と、加湿用比例二方弁(第2の加湿調節弁)55と、加湿水温度センサ56とを備えている。
自然蒸発式加湿器51は、第2の空気熱交換器23と送風機14との間に設置されており、ロ材に供給された加湿水を自然蒸発させることにより吹出空気を加湿する。加湿水供給回路52は、水道水を自然蒸発式加湿器51へ供給する管路と、加湿水加熱器53へ供給する管路とを備える。水道水を自然蒸発式加湿器51へ供給する管路には、加湿水の流量を制御する加湿用比例二方弁55が設けられている。加湿用比例三方弁54は、加湿水を自然蒸発式加湿器51と加湿水加熱器53とに供給するとともに、加湿水加熱器53に供給される加湿水の流量を調節して、加湿水の温度を制御する。なお、加湿水加熱器53は、第1の空気熱交換器22と第1の膨張弁24との間に設置してもよい。
制御部15は、CPUや制御用のプログラムが格納されたメモリなどを備えるコンピュータであり、空気調和装置1の各部を統括的に制御する。そして、この制御部15の制御により、空気調和装置1は、除湿再熱運転と、冷房運転と、低負荷除湿再熱運転と、暖房加湿運転と、暖房加湿運転とを切り換えて行なう。なお、制御部15は、通信線によって上述した各部と接続されているが、図面の煩雑化を防ぐため、通信線の図示は省略する。
図1は、空気調和装置1において、吸込空気を冷却及び除湿し、再加熱して室内に吹き出す除湿再熱運転を行なっている状態を示している。なお、以下では、冷媒が流れている配管を実線で描き、その流れる方向を矢印で示すとともに、冷媒が流れていない配管破線で描いている。また、加湿水の配管、弁についても同様に図示している。さらに、各部に、空気及び熱源水の参考温度、参考湿度を図示している。
冷媒は、圧縮機12で圧縮されて高圧冷媒ガスとなり、四方弁13を通って分岐し、一方は水熱交換器21へ流れる。水熱交換器21へ流れた冷媒は、凝縮されて高圧の液体となり、第1の膨張弁24で減圧されて第1の空気熱交換器22へ流れる。分岐されたもう一方の冷媒は、第2の空気熱交換器23へ流れる。第2の空気熱交換器22へ流れた冷媒は、凝縮されて高圧の液体となり、第2の膨張弁24で減圧されて第1の空気熱交換器22へ流れる。第1の空気熱交換器22では、第1の膨張弁24と第2の膨張弁25とで減圧された冷媒が合流し、蒸発して低圧ガスとなり、四方弁13を通って圧縮機12に戻る。
送風機14により室内から吸い込まれた吸込空気は、第1の空気熱交換器22で冷却及び除湿され、第2の空気熱交換器23で再加熱されて室内に吹き出される。
熱源水は、水熱交換器21により高圧冷媒ガスと熱交換し、水温が上昇して水出口に流れる。加温された熱源水は、熱源水ポンプ(図示せず)により水配管を循環し、冷却塔で冷却されて水入口に戻る。
図2は、空気調和装置1において、吸込空気を冷却及び除湿して室内に吹き出す冷房運転、すなわち、再熱なしの冷房運転を行なっている状態を示している。この冷房運転では、除湿再熱運転と異なり、第2の膨張弁25が閉止される。
冷媒は、圧縮機12で圧縮されて高圧冷媒ガスとなり、四方弁13を通って水熱交換器21へ流れる。水熱交換器21へ流れた冷媒は、凝縮されて高圧の液体となり、第1の膨張弁24で減圧されて第1の空気熱交換器22へ流れる。第1の空気熱交換器22では、第1の膨張弁24で減圧された冷媒が蒸発して低圧ガスとなり、四方弁13を通って圧縮機12に戻る。
なお、第2の空気熱交換器23で冷媒液化(寝込む)のを防止するために、第2の膨張弁25を例えば最小開度で開いておき、液化した冷媒を少しずつ第1の空気熱交換器22に流すのが好ましい。また、空気熱交換器出口センサ25の温度が所定の温度(例えば、空気熱交換器冷媒温度センサ32の温度+5°C(数値は参考値))になった場合に、第2の膨張弁25を最小開度よりも多く開いて、液化した冷媒を第1の空気熱交換器22に流すのが好ましい。さらに、空気熱交換器出口センサ25の温度がさらに別の所定温度(例えば、空気熱交換器冷媒温度センサ32の温度が+25°C(数値は参考値))になった場合に、第2の膨張弁25を最小開度に戻すことが好ましい。
送風機14により室内から吸い込まれた吸込空気は、第1の空気熱交換器22で冷却及び除湿されて室内に吹き出される。なお、熱源水については、除湿再熱運転と同様であるため、詳しい説明は省略する。
図3は、水入口温度センサ45と水出口温度センサ46との温度差が所定温度(例えば、15°C(数値は参考値))以下になり、冷媒流量が減少するような低負荷な状態で、吸込空気を冷却、除湿及び再加熱して室内に吹き出す低負荷除湿再熱運転を行なっている状態を示している。この低負負荷除湿再熱運転では、除湿再熱運転と異なり、第1の膨張弁24が閉止される。
冷媒は、圧縮機12で圧縮されて高圧冷媒ガスとなり、四方弁13を通って第2の空気熱交換器23へ流れる。第2の空気熱交換器23へ流れた冷媒は、凝縮されて高圧の液体となり、第2の膨張弁24で減圧されて第1の空気熱交換器22へ流れる。第1の空気熱交換器22では、第2の膨張弁24で減圧された冷媒が蒸発して低圧ガスとなり、四方弁13を通って圧縮機12に戻る。
送風機14により室内から吸い込まれた吸込空気は、除湿再熱運転と同様に、第1の空気熱交換器22で冷却及び除湿され、第2の空気熱交換器23で再加熱されて室内に吹き出される。
なお、熱源水については、第1の膨張弁24が閉止され、水熱交換器21では熱交換は行なわれない。このような低負荷除湿再熱運転では、圧縮機12があまり動作しないので、吹出温度は制御しない(成り行き)とするのが好ましい。
図4は、空気調和装置1において、吸込空気を暖房及び加湿して室内に吹き出す暖房加湿運転を行なっている状態を示している。この暖房加湿運転では、除湿再熱運転と異なり、第2の膨張弁25が閉止される。
冷媒は、圧縮機12で圧縮されて高圧冷媒ガスとなり、四方弁13を通って第1の空気熱交換器22へ流れる。第1の空気熱交換器22へ流れた冷媒は、凝縮されて高圧の液体となり、第1の膨張弁24で減圧されて水熱交換器21へ流れる。水熱交換器21では、第1の膨張弁24で減圧された冷媒が蒸発して低圧ガスとなり、四方弁13を通って圧縮機12に戻る。
送風機14により室内から吸い込まれた吸込空気は、第1の空気熱交換器22で加熱され、自然蒸発式加湿器51で加湿されて室内に吹き出される。
熱源水は、水熱交換器21により高圧冷媒ガスと熱交換し、水温が低下し、水出口に流れる。冷却された熱源水は、熱源水ポンプにより水配管を循環し、図示しない補助熱源(ボイラ)で加温されて水入口に戻る。
このような冷媒の循環とともに、自然蒸発式加湿器51による加湿が行なわれる。加湿水は、加湿器用比例三方弁54により、一部が加湿水加熱器53に流れ、高圧ガスと熱交換して加温される。また、加湿器用比例三方弁54により分岐された他方の加湿水は、加温された加湿水と合流し、加湿水温度センサ56で測温されて自然蒸発式加湿器51に供給される。その際に、加湿水が必要な水温になるように、加湿器用比例三方弁54の開度が制御される。また、加湿器水の流量は、加湿器用比例二方弁55により制御される。
図5は、室内に設置されている他の空気調和装置で暖房運転が行われている状況で、吸込空気を冷却及び加湿して室内に吹き出す冷房加湿運転を行なっている状態を示している。
冷媒は、圧縮機12で圧縮されて高圧冷媒ガスとなり、四方弁13を通って分岐し、一方は水熱交換器21へ流れる。水熱交換器21へ流れた冷媒は、凝縮されて高圧の液体となり、第1の膨張弁24で減圧されて第1の空気熱交換器22へ流れる。分岐されたもう一方の冷媒は、第2の空気熱交換器23へ流れる。第2の空気熱交換器22へ流れた冷媒は、凝縮されて高圧の液体となり、第2の膨張弁24で減圧されて第1の空気熱交換器22へ流れる。第1の空気熱交換器22では、第1の膨張弁24と第2の膨張弁25とで減圧された冷媒が合流し、蒸発して低圧ガスとなり、四方弁13を通って圧縮機12に戻る。
送風機14により室内から吸い込まれた吸込空気は、第1の空気熱交換器22で冷却及び除湿され、第2の空気熱交換器23で再加熱され、自然蒸発式加湿器51で加湿されて室内に吹き出される。
熱源水は、水熱交換器21により高圧冷媒ガスと熱交換し、水温が上昇し、水出口に流れる。熱源水は、熱源水ポンプにより、水配管を循環し、調湿機能を備えていない他の空気調和装置の暖房運転で低下した熱源水と熱回収され、水入口に戻る。
このような冷媒の循環とともに、自然蒸発式加湿器51による加湿が行なわれる。なお、この加湿は、暖房加湿運転と同様であるため、詳しい説明は省略する。
図6は、空気調和装置1で除湿再熱運転を行う際のph線図である。圧縮機12の入力は、低圧圧力と高圧圧力の圧力差により異なる。蒸発温度が一定の場合、高圧圧力が低いほうが圧縮機12の入力は低くなる。冷媒回路11は、水熱交換器21と第2の空気熱交換器23が並列となっているので、水熱交換器21単独の高圧圧力と、第2の空気熱交換器23単独の高圧圧力の間の高圧圧力となり、水熱交換器21単独の高圧圧力以下の圧力となる。ゆえに水熱交換器21単独の圧縮機12の入力に比べ、圧縮機12の入力は低くなり、圧縮機の効率が向上する。
次に、除湿再熱運転時に制御部15で行なわれる除湿制御、再熱制御及び冷房過熱度制御について説明する。制御部15は、除湿制御として、吸込空気の温度と湿度(以下、吸込温度及び吸込湿度という)とから吸込露点温度を算出し、設定温度と設定湿度とから最終目標露点温度を算出する。また、吸込露点温度から最終目標露点温度へと至る目標露点温度を段階的に設定する。そして、第1の空気熱交換器22の冷媒温度(空気熱交換器冷媒温度センサ32の測定温度)が、段階的に設定された目標露点温度を経て最終目標露点温度になるように、圧縮機12の運転周波数を制御する。
また、制御部15は、再熱制御として、室内に吹き出された吹出空気の温度(吸込温度センサ43の測定温度)あるいは第2の空気熱交換器23の出口で測定された冷媒温度(空気熱交換器出口温度センサ33の測定温度)が、設定温度から求められた再熱目標温度になるように、第2の空気熱交換器23に接続された第2の膨張弁25の開度を制御する。また、制御部15は、吸込温度Taが予め設定された設定吸込温度(例えば、30°C)未満の場合に再熱制御を行い、吸込温度Taが設定吸込温度以上の場合には再熱制御を行わない。
さらに、制御部15は、冷房過熱度制御として、第1の空気熱交換器22で測定した冷媒温度(空気熱交換器冷媒温度センサ32の測定温度)と、第1の空気熱交換器22から縮機12へ戻る冷媒温度31(低圧ガス温度センサ31の測定温度)との差が一定になるように、第1の空気熱交換器22に接続された第1の膨張弁24の開度を制御する。
上述した除湿制御、再熱制御及び冷房過熱度制御は、例えば、除湿制御(1秒)<再熱制御(30秒)<房過熱度制御(60秒)(各時間は参考値)のように制御時間が異なっており、それぞれの制御が干渉しない時間間隔で圧縮機12、膨張弁24、25等の動作速度に合わせて、それぞれ単独で順に制御が行われる。
具体的には、圧縮機12の回転数を変化させ、第1の空気熱交換器22の蒸発量を制御する。その後、再熱用の第2の空気熱交換器23の冷媒量を再熱用の第2の膨張弁25で制御し、最後に、圧縮機保護のための過熱度制御用の第1の膨張弁24を制御し、圧縮機12の入口の低圧ガスを過熱させ、圧縮機12で冷媒を圧縮する。蒸発用の第1の空気熱交換器22で主に空気の冷却、除湿により、顕熱と潜熱を処理し、温度と湿度を制御する。再熱用の第2の空気熱交換器23で空気を再熱することにより顕熱のみを処理し温度を制御する。第1の膨張弁25は過熱度のみを制御し、温度制御、湿度制御には関係しない。制御はすべてフィードバック制御である。この方式により、除湿制御と再熱制御が干渉しないように、短時間で安定し、かつ安定性が良く制御できるので、制御フローの各ステップがスムーズに動作し、快適性と省エネ性を満たす制御となる。
また、除湿再熱運転時には、水熱交換器21で熱源水に排熱を行う。再熱用で使用する熱量以上の熱量がある場合、水熱交換器21は残余分の熱量を排熱し、再熱用で使用する熱量以上の熱量がない場合は水熱交換器21での残余分の排熱はない。このように水熱交換器21があることにより、空調負荷に応じ、再熱用の第2の空気熱交換器23の再熱制御動作をスムーズに行うことができる。
図7は、除湿再熱運転時の温度及び湿度の変化を示す湿り空気線図である。この湿り空気線図では、除湿再熱運転開始時の吸込空気の温度をTa、湿度をHaとしたときに、このTa、Haで表されるポイントを点Aとして示している。また、設定温度をTs、設定湿度をHsとしたときに、このTs、Hsで表されるポイントを点Sとして示している。さらに、設定温度Tsから算出された目標温度をTf、設定湿度Hsから算出された目標湿度をHfとしたときに、このTf、Hfで表されるポイントを点Fとして示している。
目標温度Tf及び目標湿度Hfは、設定温度Ts及び設置湿度Hsに、温度センサや湿度センサの測定誤差などを含む補正値(例えば、−1°C及び−5%RH)を加算した値となっている。また、温度Tdは、上述した再熱目標温度を示す。この再熱目標温度は、目標温度Tfに、温度センサなどの測定誤差を含む補正値β(例えば、−3°C)を加算した値である。
制御部15は、上述したように、吸込温度Taと吸込湿度Haとから吸込露点温度Tadpを算出する。また、制御部15は、目標温度Tfと目標湿度Hfとから最終目標露点温度Tfdpを算出する。さらに、制御部15は、吸込露点温度Tadpから最終目標露点温度Tfdpへと至る目標露点温度Tbdp、Tcdpを段階的に設定する。目標露点温度Tbdp、Tcdpは、例えば、吸込露点温度Tadpから、所定値α(例えば、−3deg)ずつ露点温度を下げた値を用いている。
制御部15は、吸込露点温度Tadpに相当する空気熱交換器冷媒温度センサ32の測定温度が、目標露点温度Tbdpになるように、圧縮機12の運転周波数を制御する。これにより、吸込温度Ta及び吸込湿度Haは、点Bで示す吸込温度Tb及び吸込湿度Hbとなる。なお、この段階では、吸込温度Tb(室内温度)は30°C(設定吸込温度)以上となり、吹出空気の温度は15°C前後となるので、そのまま冷風を吹き出しても不快感を与えない。したがって、再熱制御は行なわれない。
制御部15は、吸込露点温度Tbdpに相当する第1の空気熱交換器22の冷媒温度(空気熱交換器冷媒温度センサ32の測定温度)が、次の目標露点温度Tcdpになるように、圧縮機12の運転周波数を制御する。これにより、吸込温度Tb及び吸込湿度Hbは、点Cで示す吸込温度Tc及び吸込湿度Hcとなる。
この段階では、吸込温度Tc(室内温度)は30°C以下となり、そのまま冷風を吹き出すと不快感を与えるので再熱制御が行なわれる。この再熱制御では、吸込温度センサ43の測定温度、あるいは空気熱交換器出口温度センサ33の測定温度が、再熱目標温度Tdになるように、第2の空気熱交換器23に接続された第2の膨張弁25の開度を制御する。再熱後の温度を点Td1で示す。
制御部15は、吸込露点温度Tcdpに相当する空気熱交換器冷媒温度センサ32の測定温度が、次の最終目標露点温度Tfdpになるように、圧縮機12の運転周波数を制御する。これにより、吸込温度Tc及び吸込湿度Hcは、点Fで示す吸込温度Tf及び吸込湿度Hcとなる。
吸込温度Tf(室内温度)は30°C以下のままであり、そのまま冷風を吹き出すと不快感を与えるので再熱制御が行なわれる。この再熱制御では、吸込温度センサ43の測定温度、あるいは空気熱交換器出口温度センサ33の測定温度が、再熱目標温度Tdになるように、第2の空気熱交換器23に接続された第2の膨張弁25の開度を制御する。再熱後の温度を点Td2で示す。
図8、9は、点A(27°CDA/19°CDB)から、露点温度7.6°C(点C)まで一気に冷却及び除湿を行なった場合と、露点温度12.5°C(点B)を経由して露点温度7.6°C(点C)まで冷却及び除湿を行なった場合とを比較した表と、湿り空気線図である。この表から分かるように、露点温度12.5°Cと露点温度7.6°Cの除湿量比は、2.79倍となる。また、露点温度12.5°Cと露点温度7.6°Cの消費電力量比は、3.72倍となる。すなわち、消費電力量比は、除質量比に比べてより多く、3倍以上となっている。そのため、一度に露点温度7.6°Cまで運転する場合には、露点温度12.5°Cを経由して運転する場合と比べて、圧縮機の運転周波数が増大し効率の低い運転となる。したがって、省エネルギーを考えた場合、露点温度の目標値を段階的(数段階)に設定し、この段階的に設定した目標露点温度を経て最終目標露点温度まで運転するほうが省エネルギーとなる。
また、除湿再熱運転では、再熱の熱源に空調機の排熱を利用し、第1の空気熱交換器22で冷却・除湿した後の空気を再熱するので、熱源水の水温より低温で冷媒を凝縮することになり、熱源水の凝縮と比べ凝縮温度が低下する。したがって、空調機の効率は、再熱を行ったほうが熱源水のみの場合よりも向上し、省エネルギーとなる。
さらに、湿度は段階的に目標露点温度になるように制御して必要な除湿を行い、温度は設定温度から求めた目標温度になるように制御し、吹き出し温度が再熱目標温度に近づくように再熱を制御する。このように、湿度を優先に制御し、再熱制御により再熱目標温になるように制御するので、部分負荷時でも圧縮機12を停止させずに最小運転周波数で運転が可能である。また、部分負荷運転の場合、再熱熱量と熱源水への排熱熱量の熱量割合は再熱熱量の熱量が多くなるので、冷媒の凝縮温度が低下し、圧縮機12の効率が向上すると同時に、再熱制御により、サーモオフ(圧縮機停止)しないよう制御する。その場合、圧縮機12は最小運転周波数で運転する。最小運転周波数での圧縮機効率は定格運転時に比べ非常によい。したがって、年間を通じて冷房期間が多く、かつ、部分負荷運転時間が多いので、省エネルギーかつ快適な運転となる。
次に、暖房加湿運転時に制御部15で行なわれる暖房加熱制御、加湿制御及び暖房過熱度制御について説明する。制御部15は、暖房加熱制御として、吸込空気の温度と湿度とから吸込露点温度を算出し、設定温度と設定湿度とから最終目標露点温度を算出し、最終目標露点温度と吸込露点温度との差に所定の補正値を加算して、湿り空気線図上で等エンタルピ線上に乗るような目標吹出温度を算出し、第1の空気熱交換器22の冷媒温度(空気熱交換器冷媒温度センサ32の測定温度)が目標吹出温度になるように、圧縮機12の運転周波数を制御する。
また、制御部15は、暖房過熱度制御として、水熱交換器21で測定した冷媒温度と、水熱交換器21から圧縮機12へ戻る冷媒温度との差が一定になるように、第1の空気熱交換器22に接続された第1の膨張弁24の開度を制御する。
さらに、制御部15は、加湿制御として、吹出空気の湿度(吹出湿度センサ44測定湿度)が目標湿度になるように、加湿用比例三方弁54と加湿用比例二方弁55の開度を制御する。
これらの暖房加熱制御、暖房過熱度制御及び加湿制御も、除湿際熱運転時と同様に制御時間が異なっており、それぞれの制御が干渉しない時間間隔で圧縮機12、膨張弁24、25等の動作速度に合わせて、それぞれ単独で順に制御が行われる。
図10は、暖房加湿運転時の温度及び湿度の変化を示す湿り空気線図である。この湿り空気線図では、暖房加湿運転開始時の吸込温度をTa、吸込湿度をHaとしたときに、このTa、Haで表されるポイントを点Aとして示している。また、設定温度をTs、設定湿度をHsとしたときに、このTs、Hsで表されるポイントを点Sとして示している。さらに、設定温度Tsから算出された目標温度をTf、設定湿度Hsから算出された目標湿度をHfとしたときに、このTf、Hfで表されるポイントを点Fとして示している。
目標温度Tf及び目標湿度Hfは、設定温度Ts及び設置湿度Hsに、温度センサや湿度センサの測定誤差などを含む補正値(例えば、1°C及び5%RH)を加算した値となっている。また、点Bは、詳しくは後述するが、暖房加熱制御時の目標吹出温度Tb及び目標吹出湿度Hbを示している。
制御部15は、上述したように、吸込温度Taと吸込湿度Haとから吸込露点温度Tadpを算出する。また、制御部15は、目標温度Tfと目標湿度Hfとから最終目標露点温度Tfdpを算出する。さらに、制御部15は、最終目標露点温度Tfdpと吸込露点温度Tadpとの差に所定の補正値εを加算して、湿り空気線図上で等エンタルピ線上に乗るような目標吹出温度Tbを算出する。なお、目標吹出温度Tbは、下記数式1から求めることも可能である。制御部15は、空気熱交換器冷媒温度センサ32の測定温度が目標吹出温度Tbになるように、圧縮機12の運転周波数を制御する。
目標吹出温度Tb=Tf+(Tfdp−Tadp)+ε・・数式1
補正値εは、様々な吸込温度Ta及び吸込湿度Haにおいて、露点温度差(Tfdp−Tadp)と、吹出目標温度Tbとを算出し、下記数式2のように、露点温度差(Tfdp−Tadp)から、吹出目標温度Tbと目標温度Tfとの差を求め、平均化した値であり、本実施の形態では、例えば2.5°Cとしている。
ε=(Tfdp−Tadp)−(Tb−Tf)・・・数式2
制御部15は、上述したように、吹出湿度センサ44の測定湿度が目標湿度Hfになるように、加湿用比例三方弁54と加湿用比例二方弁55の開度を制御する。より具体的には、加湿水は、加湿水加熱器53により圧縮機12の高圧ガスと熱交換し、給水温度より水温を上げて、自然蒸発加湿器51に散水し、温風により加湿する。加湿量は給水量、加湿水温度、風量、吹出温度により変化する。風量と吹出温度が一定とすると、加湿量は加湿用比例三方弁54により、加湿水加熱器53への給水量を制御し、一次給水と高圧ガスで加熱された給水を混合し、加湿水温度センサ56で水温を測温し、自然蒸発加湿器51へ適正水温にして給水する。給水量は加湿用比例二方弁55により適正流量に制御する。加湿制御は給水温度、給水流量を制御することにより行う。
次に、冷房加湿運転時に制御部15で行なわれる冷却制御、冷房加熱制御、冷房過熱度制御及び加湿制御について説明する。冷房加湿運転では、自然蒸発式加湿器51に対する送風のみでは加湿量が賄えない場合に、一旦、吸込空気を冷却(冷却制御)してから加熱(冷房加熱制御)し、その後、設定湿度になるように加湿(加湿制御)を行う。また、自然蒸発式加湿器51に対する送風のみで加湿量が賄える場合には、送風のみで加湿、冷却を行う。冷房過熱度制御は、除湿再熱運転時と同様である。
制御部15は、冷却制御として、吸込空気の温度から所定の冷却温度を減算した目標冷却温度を算出し、第1の空気熱交換器22の冷媒温度が目冷却標温度になるように、圧縮機12の運転周波数を制御する。
また、制御部15は、加熱制御として、吸込空気の温度と湿度とから吸込露点温度を算出し、設定温度と設定湿度とから最終目標露点温度を算出し、最終目標露点温度と吸込露点温度との差に所定の補正値を加算して、湿り空気線図上で等エンタルピ線上に乗るような目標吹出温度を算出し、第2の空気熱交換器23の出口の冷媒温度(空気熱交換器出口温度センサ33の測定温度)が目標吹出温度になるように、第2の膨張弁25の開度を制御する。
冷房過熱度制御は、除湿再熱運転時の冷房過熱度制御と同様である。また、加湿制御は、暖房加湿運転時の加湿制御と同様である。そのため、冷房過熱度制御と加湿制御の詳しい説明は省略する。これらの冷却制御、冷房加熱制御、冷房過熱度制御及び加湿制御も、除湿際熱運転時と同様に制御時間が異なっており、それぞれの制御が干渉しない時間間隔で圧縮機12、膨張弁24、25等の動作速度に合わせて、それぞれ単独で順に制御が行われる。
図11は、冷房加湿運転時の温度及び湿度の変化を示す湿り空気線図である。この湿り空気線図では、冷房加湿運転開始時の吸込空気の温度をTa、湿度をHaとしたときに、このTa、Haで表されるポイントを点Aとして示している。また、設定温度をTs、設定湿度をHsとしたときに、このTs、Hsで表されるポイントを点Sとして示している。さらに、設定温度Tsから算出された目標温度をTf、設定湿度Hsから算出された目標湿度をHfとしたときに、このTf、Hfで表されるポイントを点Fとして示している。
目標温度Tf及び目標湿度Hfは、設定温度Ts及び設置湿度Hsに、温度センサや湿度センサの測定誤差などを含む補正値(例えば、−1°C及び5%RH)を加算した値となっている。また、点Bは、冷却制御時の目標吹出温度Tb及び目標吹出湿度Hbを示している。点Cは、冷房加熱制御時の目標吹出温度Tc及び目標吹出湿度Hcを示している。
制御部15は、下記数式3に示すように、吸込温度Taから所定の冷却温度μを減算した目標冷却温度Tbを算出する。そして、第1の空気熱交換器22の冷媒温度が、目標冷却温度Tbになるように、圧縮機12の運転周波数を制御する。冷却温度μは、湿度を上昇させるために必要な温度であり、本実施の形態では、例えば8°Cとしている。
Tb=Ta−μ・・・数式3
また、制御部15は、吸込温度Taと吸込湿度Haとから吸込露点温度Tadpを算出し、設定温度Tsと設定湿度Hsとから最終目標露点温度Tfdpを算出する。また、制御部15は、最終目標露点温度Tfdpと吸込露点温度Tadpとの差に所定の補正値ρを加算し、湿り空気線図上で等エンタルピ線上に乗るような目標吹出温度Tcを算出する。なお、目標吹出温度Tcは、下記数式4から求めることも可能である。制御部15は、空気熱交換器出口温度センサ33の測定温度が目標吹出温度Tcになるように、第2の膨張弁25の開度を制御する。
Tc=μ−Ta+Ts+Tfdp−Tadp+ρ+1
制御部15は、上述したように、吹出湿度センサ44の測定湿度が目標湿度Hfになるように、加湿用比例三方弁54と加湿用比例二方弁55の開度を制御する。
なお、図12は、自然蒸発式加湿器51に対する送風のみでは冷房加湿運転を行う際の温度及び湿度の変化を示す湿り空気線図である。この湿り空気線図から分かるように、吸込温度Ta及び吸込湿度Haが、目標温度Tf及び目標湿度Hfになるように、送風機14の風量を制御する。
次に、本実施の形態の空気調和装置1の運転制御について、図13〜17に示すフローチャートにしたがって説明する。なお、フローチャートの各ステップには、マル付きの数字で1〜40のステップ番号を付してあり、各ステップの条件に応じて「※2」、「※3」、「※A」、「※B」の位置に飛ぶようになっている。以下、各ステップについて説明する。
(ステップ1)
運転開始時の制御部15は、各温度センサ及び湿度センサによる測定結果と、予めメモリ内に格納された内容とに基づいて、吸込温度Ta、吸込湿度Ha、吸込露点温度Tadp、設定温度Ts、設定湿度Hs、設定露点温度Tsdp、最終目標露点温度Tfdp、目標温度Tf、目標湿度hf、加湿水温度Th、加湿水設定温度Ths、水入口温度Tw1、水出口温度Tw2、初期値α、θ、β、γ、ε、η、μ、ρと、第1の膨張弁24の開度、第2の膨張弁25の開度、四方弁の切換状態などを取得している(ステップS1)。
初期値αは、上述したように、除湿際熱運転時に、吸込露点温度Tadpから最終目標露点温度Tfdpへと至る目標露点温度を段階的に設定する際に用いられる。初期値θは、最終露点目標温度Tfdpの初期値である。初期値βは、上述したように、除湿際熱運転時に、再熱目標温度Tdの設定に用いられる。初期値γは、上述した低負荷冷房運転時に、風量で吹出温度を制御する際の補正値である。初期値εは、上述したように、露点温度差(Tfdp−Tadp)から、吹出目標温度Tbと目標温度Tfとの差を求め、平均化した値であり、暖房加湿運転時の目標吹出温度Tbの算出に用いられる。初期値ηは、設定湿度Tsから目標湿度Tfを求める際の利用される補正値である。初期値μは、冷房加湿運転の冷却制御時に、吸込温度Taから目標冷却温度Tbに利用される冷却温度である。初期値ρは、冷房加湿運転の冷房加熱制御時に、目標吹出温度Tcの算出に用いられる補正値である。
(ステップ2)
吸込温度Taと設定温度Tsの比較。YESはステップ3へ、NOはステップ4へ飛ぶ。
(ステップ3)
吸込温度Taが設定温度Ts以上の場合には、冷房運転となり、四方弁13は冷房側へ切り換えられる。
(ステップ4)
吸込温度Taが設定温度Ts未満の場合には、暖房運転となり、四方弁13は暖房側へ切り換えられる。暖房加湿運転の詳細は、図15の「※2」以降に記載されている。
(ステップ5)
吸込露点温度Tadpと設定露点温度Tsdpの比較。YESはステップ7へ、NOはステップ6へ飛ぶ。
(ステップ6)
吸込露点温度Tadpが設定露点温度Tsdp未満の場合には、加湿運転、すなわち、冷房加湿運転が行われる。暖房加湿運転の詳細は、図16の「※3」以降に記載されている。
(ステップ7)
吸込露点温度Tadpが設定露点温度Tsdp以上の場合には、除湿運転、すなわち、再熱なしの冷房運転、除湿再熱運転、あるいは低負荷除湿再熱運転のいずれかが行われる。
(ステップ8)
再熱なしの冷房運転と、除湿再熱運転と、低負荷除湿再熱運転とのいずれの冷房運転を行うかを判定するために、吸込温度Taと設定温度Ts+3°C(参考値)が比較される。YESはステップ9へ、NOはステップ10へ飛ぶ。
(ステップ9)
吸込温度Taが設定温度3°C以上の場合には、再熱なしの冷房運転が行われる。この再熱なしの冷房運転では、制御部15は、各部を次のように制御する。
送風機14:ON
圧縮機12:ON 露点温度制御によりTfdp→Tsdp(=Tadp−α)
第1の膨張弁24:過熱度制御。
第2の膨張弁25:最小開度(再熱温度制御を行わないため)
(ステップ10)
再熱なしの冷房運転と、除湿再熱運転と、低負荷除湿再熱運転とのいずれの冷房運転を行うかを判定するために、Ts+1≦Ta<Ts+3、かつ、Tfdp≧θ+3について比較される。YESはステップ11へ、NOはステップ9へ。
(ステップ11)
ステップ10の条件を充たす場合、除湿再熱運転が行われる。この除湿再熱運転では、制御部15は、各部を次のように制御する。
送風機14:ON
圧縮機12:ON:露点温度制御によりTFdp→Tsdp(=θ)
第1の膨張弁24:過熱度制御
第2の膨張弁25:再熱制御 Tf→Ts−β−1
(ステップ12)
除湿再熱運転と、低負荷除湿再熱運転とのいずれの冷房運転を行うかを判定するために、Tfdp≦θ or Ha≦Hs−ηについて比較される。YESはステップ13へ、NOはステップ11へ。
(ステップ13)
除湿再熱運転と、低負荷除湿再熱運転とのいずれの冷房運転を行うかを判定するために、Ts−1≦Ta<Ts+1について比較される。YESはステップ14へ、NOはステップ11へ。
(ステップ14)
ステップ12、13の条件を充たす場合、低負荷除湿再熱運転が行われる。この低負荷除湿再熱運転では、制御部15は、各部を次のように制御する。
送風機14:ON
圧縮機12:ON 露点温度制御によりTfdp→Tsdp(=Tadp)
第1の膨張弁:閉止
水出口温度TW2−水入口温度Tw1≦1
第2の膨張弁:(省エネ運転) 過熱度制御
低圧ガス温度センサ31の測定温度−空気熱交換器冷媒温度センサ32の測定温度≧2
風量:吹出し温度制御(PID制御)
Tf(吹出し温度)→Ts(設定温度)−11±γ
(ステップ15)
ステップ15〜21では、低負荷除湿再熱運転を継続するか、低負荷除湿再熱運転を終了するかが判断される。ステップ15で、Tw2−Tw1≦1がYESの場合はステップ16へ、NOの場合はステップ14に戻る。
(ステップ16)
Tfdp≦Tadp or Ha≦Hs−ηについて、YESはステップ17へ、NOはステップ14へ戻る。
(ステップ17)
Ta<Ts−1について、YESはステップ22へ、NOはステップ18へ。
(ステップ18)
ステップ18では、風量による吹出し温度制御が、Tf→Ts−1−γに切り換えられる。
(ステップ19)
Ta<Ts−1について、YESはステップ22へ、NOはステップ20へ。
(ステップ20)
ステップ20では、風量による吹出し温度制御が、Tf→Ts−1+γに切り換えられる。
(ステップ21)
Ta<Ts−1について、YESはステップ22へ、NOはステップ20へ。
(ステップ22)
ステップ17またはステップ21の条件を充たした場合、積極的な空調制御は不要となるので、サーモOFF、圧縮機12:OFFとなり、送風機14の運転のみが継続される。
(ステップ23)
次に、図15に示すステップ23以降の暖房加湿運転について説明する。Ta≦Ts+1について、YESはステップ24へ、NOはステップ28へ飛ぶ。
(ステップ24)
Ha≦Hsについて、YEはステップ25へ、NOはステップ26へ。
(ステップ25)
ステップ23、24の条件を充たす場合、暖房加湿運転が行われる。この暖房加湿運転では、制御部15は、各部を次のように制御する。
送風機14:ON
圧縮機12:ON 温度制御によりTb→Ts+1+Tfdp−Tadp+ε
第1の膨張弁24:過熱度制御
第2の膨張弁25:閉止
加湿器用比例三方弁:加湿水加温制御。Th→Ths
加湿器用比例二方弁制御:加湿制御 Hf→Hs+η
(ステップ26)
ステップ26〜28では、暖房加湿運転を継続するか、あるいは暖房加湿運転を終了するかが判断される。ステップ26で、Ta>Ts+1がYESの場合はステップ27へ、NOの場合はステップ26へ戻る。
(ステップ27)
10°C≦加湿水温度≦40°Cについて、YESはステップ28へ、NOはステップ25へ。
(ステップ28)
Ha>Hs+ηについて、YESはステップ29へ、NOはステップ25へ。
(ステップ29)
ステップ28の条件を充たした場合、積極的な空調制御は不要となるので、サーモOFF、圧縮機OFFとなり、送風機14の運転のみが継続される。
(ステップ30)
次に、図16、17に示すステップ30以降の冷房加湿運転について説明する。Ta≦Ts−11について、YESはステップ31へ、NOはステップ23へ飛ぶ。
(ステップ31)
ステップ30の条件を充たす場合、冷房加湿運転が行われる。この冷房加湿運転では、制御部15は、各部を次のように制御する。
送風機14:ON
圧縮機12:ON 温度制御によりTb→Ta−μ
第1の膨張弁24:過熱度制御。
第2の膨張弁25:冷房加熱制御。 Tc→μ−Ta+Ts+Tfdp−Tadp+ρ
加湿器用比例三方弁:加湿水温制御。 Th→Ths
加湿器比例二方弁:湿度制御 Hf→HS+η
(ステップ32)
ステップ32〜35では、ステップ31の冷房加湿運転を継続するか、あるいは圧縮機12による冷却及び除湿を停止して、送風のみで加湿を行なうかが判断される。このステップ32で、Ts+1≦TaがYESの場合はステップ33へ、NOの場合はステップ31へ戻る。
(ステップ33)
Ha>Hs+ηについて、YESはステップ3434へ、NOはステップ31へ。
(ステップ34)
10°C≦加湿水温度≦40°Cについて、YESはステップ35へ、NOはステップ31へ。
(ステップ35)
Ta−1≦Ta<Ts+1について、YESはステップ36へ、NOはステップ31へ。
(ステップ36)
ステップ35の条件を充たす場合、送風による加湿が行われる。この送風加湿では、制御部15は、各部を次のように制御する。
送風機14:ON
圧縮機12:OFF
第1の膨張弁:全開
第2の膨張弁:全開
加湿器用比例三方弁:加湿水温度制御 Th→Ths
加湿器比例二方弁:湿度制御 Hf→Hs+η
(ステップ37)
ステップ37〜39では、ステップ36の送風による加湿を継続するか、あるいは終了するかが判断される。このステップ37で、Ha>Hs+ηがYESの場合はステップ38へ、NOの場合はステップ36へ戻る。
(ステップ37)
Ha>HS+ηについて、YESはステップ38へ、NOはステップ36へ戻る。
(ステップ38)
10°C≦加湿水温度≦40°Cについて、YESはステップ39へ、NOはステップ36へ戻る。
(ステップ39)
Ta<Ts−1について、YESはステップ40へ、NOはステップ36へ戻る。
(ステップ40)
ステップ39の条件を充たす場合、冷房加湿運転が終了される。制御部15は、各部を次のように制御する。
サーモ:OFF
送風機14:運転
圧縮機12:OFF
第1の膨張弁24:全開
第2の膨張弁25:全開
加湿器用比例三方弁:比例二方弁側
加湿器比例二方弁:湿度制御 閉止
以上説明したように、この実施の形態の空気調和装置1によれば、除湿再熱運転時に、除湿制御と、再熱制御と、冷房過熱度制御とをそれぞれ単独で行なう。すなわち、圧縮機12の制御を最優先で行い、次に再熱用の第2の膨張弁25の制御、過熱制御用の第1の膨張弁24の制御の順に行い、それぞれ単独で制御を行う方法としている。これにより、除湿制御と再熱制御とが干渉しないように、短時間で、かつ安定性よく制御できるので、制御フローの各ステップがスムーズに動作し、快適性と省エネ性を満たす制御となる。また、第1の空気熱交換器22で除湿し、第2の空気熱交換器23で再熱し、熱源熱交換器21で熱源に排熱を行う。再熱用で使用する熱量以上の熱量がある場合、熱源熱交換器21は残余分の熱量を排熱し、再熱用で使用する熱量以上の熱量がない場合は熱源熱交換器21での残余分の排熱はない。このように熱源熱交換器21があることにより、空調負荷に応じ、第2の空気熱交換器23の再熱制御動作をスムーズに行うことができる。さらに、目標露点温度を段階的に変更して、最終目標露点温度まで除湿制御を行うようにしたので、一気に最終目標露点温度まで除湿制御する場合と比べて、圧縮機12の運転周波数の増大を防ぐことができ、省エネルギーが図れる。
また、再熱の熱源は空調機1の排熱を利用し、第2の空気熱交換器23で冷却・除湿した後の空気を再熱するので、熱源の温度より低温で冷媒を凝縮することになり、熱源の凝縮と比べ凝縮温度が低下する。これにより、空調機1の効率は再熱を行ったほうが熱源水のみに比べ、効率は向上し、省エネルギーとなる。さらに、湿度は段階的に目標露点温度になるように制御し、必要な除湿を行う。温度は設定温度になるように制御し、吹き出し温度が設定温度に近づくように再熱を制御する。このように、湿度を優先に制御し、再熱制御により設定温度になるように制御するので、部分負荷時でも圧縮機を停止させずに最小運転周波数で運転が可能である。また、部分負荷運転の場合、再熱熱量と熱源水への排熱熱量の熱量割合は再熱熱量の熱量が多くなるので冷媒の凝縮温度が低下し、圧縮機の効率が向上すると同時に、再熱制御により、サーモオフ(圧縮機停止)しないよう制御する。その場合、圧縮機は最小運転周波数で運転する。最小運転周波数での圧縮機効率は定格運転時に比べ非常によくなる。したがって、一般的には年間を通じて冷房期間が多く、かつ、部分負荷運転時間が多いので、省エネルギーかつ快適な運転となる。
さらに、吸込空気の温度が予め設定された設定吸込温度未満の場合に再熱制御を行い、吸込空気の温度が設定吸込温度以上の場合に再熱制御を行わないようにしたので、再熱せずに冷却及び除湿を行うと、再熱分が空調負荷とならず、かつ再熱を行う場合に比べ、より早く設定温度に近づくことができるようになる。
また、加湿水の温度を加湿水加熱器53と加湿用比例三方弁54とで制御し、自然蒸発式加湿器51に供給される加湿水の量を加湿用比例二方弁55で制御するようにしたので、従来のようにバルブのオンオフのみで制御するものと比べて、より精度のよい加湿制御を行なうことができる。
さらに、暖房加湿運転時に、暖房加熱制御と、暖房過熱度制御と、加湿制御とをそれぞれ単独で行なう。すなわち、圧縮機12の制御を最優先で行い、次に過熱制御用の第1の膨張弁24の制御と、加湿制御との順に行い、それぞれ単独で制御を行う方法としている。これにより、複数の制御が互いに干渉しないように、短時間で、かつ安定性よく制御できるので、制御フローの各ステップがスムーズに動作し、快適性と省エネ性を満たす制御となる。
また、冷房加湿運転時に、冷却制御と、冷房加熱制御と、冷房過熱度制御と、加湿制御とをそれぞれ単独で制御を行う方法としている。これにより、複数の制御が互いに干渉しないように、短時間で、かつ安定性よく制御できるので、制御フローの各ステップがスムーズに動作し、快適性と省エネ性を満たす制御となる。
さらに、熱源熱交換器21と第2の空気熱交換器23とが並列となっているので、熱源熱交換器21単独の高圧圧力と第2の空気熱交換器23単独の高圧圧力の間の高圧圧力となり、熱源熱交換器21単独の高圧圧力以下の圧力となる。ゆえに熱源熱交換器21単独の圧縮機12の入力に比べ、圧縮機12の入力は低くなるので、省エネルギーが可能となる。
(実施の形態2)
図18は、この実施の形態を示す空気調和装置1Aの回路図である。この実施の形態は、冷媒回路11Aに水熱交換器21の排熱を制御するための第3の膨張弁26が配設されている点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
図18は、空気調和装置1Aの除湿再熱運転を示している。第3の膨張弁26は、水熱交換器21と第1の膨張弁24との間に接続されている。第2の膨張弁25は、第1の膨張弁24と第2の膨張弁26との間に接続されている。水熱交換器21の排熱制御用に第3の膨張弁26を追加することにより、第2の空気熱交換器23で凝縮した冷媒と、水熱交換器21で凝縮した冷媒との流量をより最適に制御することができるようになる。
図19は、空気調和装置1Aの低負荷除湿再熱運転を示している。低負荷時は、第3の膨張弁26は閉止され、水熱交換器21の排熱を行われない。そのため、第2の空気熱交換器23の再熱と、第1の空気熱交換器22冷却・除湿とが制御され、第2の膨張弁25は再熱量を制御し、第1の膨張弁2で過熱度が制御される。
図20は、空気調和装置1Aの暖房加湿運転を示している。この場合、第2の空気熱交換器23は使用しないので、第2の膨張弁25は閉止される。そして、第1の空気熱交換器22で冷媒を凝縮し、第3の膨張弁26を全開とすることで、第1の膨張弁24で過熱度制御を行い、水熱交換器21で冷媒を蒸発する。
図21〜25は、空気調和装置1Aにおける除湿再熱運転、再熱無しの冷房運転、低負荷冷房運転、暖房加湿運転及び冷房加湿運転の手順を示すフローチャートである。除湿制御、再熱制御などの各制御の内容は実施の形態1の空気調和装置1と共通しているが、ステップ1、9、14、18、20、25、31、36、40等に、第3の膨張弁26に関する制御内容が追加されている点で実施の形態1と異なっている。なお、第3の膨張弁26の動作は、前述したステップ内に記載されているので、詳しい説明は省略する。
この実施の形態の空気調和装置1Aによれば、水熱交換器21と第1の膨張弁24との間に、水熱交換器21の排熱を制御するための第3の膨張弁26を配設したので、水熱交換器21の排熱制御をよりきめ細かく、かつ精度よく行なうことが可能である。また、除湿制御、再熱制御などの各種制御について、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図26は、この実施の形態を示す空気調和装置1Bの回路図である。この実施の形態は、冷媒回路11Bに、第3の空気熱交換器27が第1の空気熱交換器22と並列に接続され、かつ、第3の空気熱交換器27が第4の膨張弁28を介して第2の空気熱交換器23に接続されており、第3の空気熱交換器27に温度センサ35が設けられている点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
図26は、空気調和装置1Bの除湿再熱運転を示している。第2の膨張弁25と第4の膨張弁28とを直列に接続し、第3の空気熱交換器27に冷媒を流し、第1の空気熱交換器22のプレクールとして冷媒を蒸発させる冷媒回路となる。これにより、再熱用の第2の空気熱交換器23と排熱用の水熱交換器21との冷媒回路をそれぞれ独立させ、再熱と除湿の制御を別々の冷媒回路で行うことにより、再熱の制御性と除湿の制御性を精度よく行うことができるようになる。
図27は、空気調和装置1Bの低負荷除湿再熱運転を示している。低負荷時は、水熱交換器21の排熱を行わず、第2の空気熱交換器23の再熱と、第3の空気熱交換器28冷却及び除湿とを制御する。第2の膨張弁25は再熱量を制御し、第4の膨張弁28で過熱度を制御する。除湿は第3の空気熱交換器27の蒸発量を、温度センサ35の測定温度により露点温度制御で使用する。
図28は、空気調和装置1Bの暖房加湿運転を示している。第2の空気熱交換器23は使用しないので、第2の膨張弁25及び第4の膨張弁28は閉止する。第1の空気熱交換器22で冷媒を凝縮し、第1の膨張弁24で過熱度制御を行い、水熱交換器21で冷媒が蒸発する。
図29〜33は、空気調和装置1Bにおける除湿再熱運転、再熱無しの冷房運転、低負荷冷房運転、暖房加湿運転及び冷房加湿運転の手順を示すフローチャートである。除湿制御、再熱制御などの各制御の内容は実施の形態1の空気調和装置1と共通しているが、ステップ1、14、20、25、31、36、40等に、第4の膨張弁28に関する制御内容が追加されている点で実施の形態1と異なっている。なお、第4の膨張弁28の動作は、前述したステップ内に記載されているので、詳しい説明は省略する。
この実施の形態の空気調和装置1Bによれば、第3の空気熱交換器27を第1の空気熱交換器22と並列に接続し、かつ、第3の空気熱交換器27を第4の膨張弁28を介して第2の空気熱交換器23に接続し、冷却負荷に応じて、第1の空気熱交換器22と第3の空気熱交換器27とを切り換えてまたは同時に使用するようにしたので、再熱と除湿の制御を別々の冷媒回路で行うことができ、再熱と除湿をきめ細かく、かつ精度よく行うことが可能である。また、除湿制御、再熱制御などの各種制御について、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
図34は、この実施の形態を示す空気調和装置1Cの回路図である。この実施の形態は、冷媒回路11Cに、水熱交換器21と第2の空気熱交換器23Aが直列で接続され、第2の空気熱交換器23Aが第1の熱交換部23Aと、第2の熱交換部23Aとを備えている点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
空気調査装置1Cの冷媒回路11は、水熱交換器21と、水熱交換器21を制御するための第5の膨張弁29と、第2の空気熱交換器23Aと、第1の膨張弁24と、第1の空気熱交換器22とが圧縮機12に対して直列に接続されている。また、第2の空気熱交換器23Aは、冷媒が高圧液になるまで凝縮する第1の熱交換部23Aと第2の熱交換部と23A2とを備えている。第1の熱交換部23Aと第2の熱交換部23A2との間に接続された分岐配管が、第2の膨張弁25を介して第1の膨張弁24と第1の空気熱交換器22との間に接続されている。さらに、圧縮機12から、水熱交換器21と第5の膨張弁29とをバイパスして第2の空気熱交換器23Aに接続するバイパス管路11aと、バイパス管路11aを開閉する電磁弁(バイパス弁)11bとを備えている。
図34は、空気調和装置1Cにおいて、熱源水の水温が所定温度以上(例えば、25°C以上)の場合に、除湿再熱運転を行なっている状態を示している。
冷媒は、圧縮機12で圧縮されて高圧冷媒ガスとなり、四方弁13を通って水熱交換器21へ流れる。水熱交換器21へ流れた冷媒は、凝縮されて高圧の液体となり、開放された第5の膨張弁29を通って減圧せずに流れ、第2空気熱交換器23Aへ流れて凝縮される。第2空気熱交換器23Aの第1の熱交換部23Aで凝縮された冷媒は、分岐配管をとおり、第2の膨張弁25で減圧される。この第2の膨張弁25で減圧された冷媒と、分岐配管を通らずに第2の熱交換部23A2で凝縮されて第1の膨張弁24で減圧された冷媒とが合流して、第1の空気熱交換器22に流れ、蒸発し、低圧ガスとなり、四方弁13を通って、圧縮機12に戻る。
また、水温が25°C以上の場合には、電磁弁11bは閉止され、バイパス管路11aには冷媒は流れない。室内空気は、送風機14により、第1の空気熱交換器22で除湿され、第2の空気熱交換器23Aで再熱されて室内に吹き出される。
熱源水は、水熱交換器21により、高圧冷媒ガスと熱交換し、水温が上昇し、水出口に流れる。加温された熱源水は熱源水ポンプ(明示せず)により、水配管を循環し、冷却塔で外気に排熱し冷却された熱源水が水入口に戻る。
図35は、空気調和装置1Cにおいて、熱源水の水温が所定温度未満(例えば、7°C〜25°C未満)の場合に、除湿再熱運転を行なっている状態を示している。水温が低い場合、水熱交換器21で冷媒を凝縮させると、水熱交換器出口の冷媒の温度が、吹出温度以下になる場合があるので、冷媒は水熱交換器21を流さないで、電磁弁11bを開放にしてバイパス管路11a側に流し、冷媒をバイパスさせる。
冷媒は、圧縮機12で圧縮されて高圧冷媒ガスとなり、四方弁13を通って水熱交換器21側へ流れる。しかし、第5の膨張弁29を閉止し、電磁弁11bを開放にすることにより、冷媒は水熱交換器21に流れないで、バイパス管路11a側に流れる。バイパス管路11aに流れた冷媒は、第2の空気熱交換器23Aへ流れて凝縮される。第2空気熱交換器23Aの第1の熱交換部23Aで凝縮された冷媒は、分岐配管をとおり、第2の膨張弁25で減圧される。この第2の膨張弁25で減圧された冷媒と、分岐配管を通らずに第2の熱交換部23A2で凝縮されて第1の膨張弁24で減圧された冷媒とが合流して、第1の空気熱交換器22に流れ、蒸発し、低圧ガスとなり、四方弁13を通って、圧縮機12に戻る。
室内空気は、送風機14により、第1の空気熱交換器22で除湿され、第2の空気熱交換器23Aで再熱されて室内に吹き出される。
熱源水は、水熱交換器21に冷媒が流れないので、水入口温度と水出口温度が同じとなり流れる。この場合、ポンプを停止してもよい。
また、水入口温度センサ45と水出口温度センサ46との温度差が所定温度(例えば、15°C(数値は参考値))以下になり、冷媒流量が減少するような低負荷な状態で除湿再熱運転が行なわれる、低負荷除湿再熱運転も行なわれる。この低負負荷除湿再熱運転の冷媒の流れ、空気の温度変化、熱源水の流れおよび温度変化は、上述した、熱源水の水温が所定温度未満(例えば、7°C〜25°C未満)の場合と同様であるため、図示及び詳しい説明は省略する。
図36は、空気調和装置1Cにおいて、暖房加湿運転を行なっている状態を示している。この暖房加湿運転では、除湿再熱運転と異なり、第2の膨張弁25と電磁弁11bとが閉止される。
冷媒は、圧縮機12で圧縮されて高圧冷媒ガスとなり、四方弁13を通って第1の空気熱交換器22へ流れる。第1の空気熱交換器22へ流れた冷媒は、凝縮されて高圧の液体となり、第1の膨張弁24で減圧されて第2の空気熱交換機23Aに流れて凝縮される。凝縮された冷媒は、電磁弁11bの閉止により第5の膨張弁29へ流れ、減圧されて水熱交換器21へ流れる。水熱交換器21では、減圧された冷媒が蒸発して低圧ガスとなり、四方弁13を通って圧縮機12に戻る。
送風機14により室内から吸い込まれた吸込空気は、第1の空気熱交換器22で加熱され、自然蒸発式加湿器51で加湿されて室内に吹き出される。
熱源水は、水熱交換器21により高圧冷媒ガスと熱交換し、水温が低下し、水出口に流れる。冷却された熱源水は、熱源水ポンプにより水配管を循環し、図示しない補助熱源(ボイラ)で加温されて水入口に戻る。
このような冷媒の循環とともに、自然蒸発式加湿器51による加湿が行なわれる。加湿水は、加湿器用比例三方弁54により、一部が加湿水加熱器53に流れ、高圧ガスと熱交換して加温される。また、加湿器用比例三方弁54により分岐された他方の加湿水は、加温された加湿水と合流し、加湿水温度センサ56で測温されて自然蒸発式加湿器51に供給される。その際に、加湿水が必要な水温になるように、加湿器用比例三方弁54の開度が制御される。また、加湿器水の流量は、加湿器用比例二方弁55により制御される。
図37〜41は、空気調和装置1Cにおける除湿再熱運転、暖房加湿運転等の手順を示すフローチャートである。除湿制御、再熱制御等の各制御の内容は実施の形態1の空気調和装置1と共通しているが、ステップ1、9、11、14、24、30、35、39等に、第2の空気熱交換器23A、第5の膨張弁29及び電磁弁11b等に関する制御内容が追加されている点で実施の形態1と異なっている。なお、第2の空気熱交換器23A、第5の膨張弁29及び電磁弁11b等の動作は、前述したステップ内に記載されているので、詳しい説明は省略する。
図42は、空気調和装置1Cで除湿再熱運転を行う際のph線図である。冷媒はまず、水熱交換器21で冷却され、凝縮液化し、第2の空気熱交換器23Aで更に、第1の空気熱交換器22で除湿冷却した空気と熱交換し、冷却される。したがって、第2の空気熱交換器23の冷却で冷媒の過冷却が増加するので、蒸発熱量が変わらない場合には、過冷却により冷却効果が増加し、冷媒循環量が減少するので、圧縮機12の入力は水熱交換器21単独に比べて低くなり、省エネルギーが図れる。また、除湿制御、再熱制御などの各種制御について、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態5)
図43は、この実施の形態を示す空気調和装置1Dの回路図である。この実施の形態は、水熱交換器21の水出口に、熱源水の排出流量を調節する熱源水用比例二方弁(熱源水用調節弁)21aを配設している点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
湿再熱運転時、水熱源ヒートポンプの排熱は、第2の空気熱交換器23と、水熱交換器21とで行う。水熱交換器21の排熱が少なくなった場合、例えば水入口温度と水出口温度の差が3°C(数値は参考値)以下になった場合、熱源水用比例二方弁21aによって熱源水流量を低減することができる。その場合、熱源水用比例二方弁21aの水入口温度と水出口温度の温度差を一定、例えば5°C(数値は参考値)となるように制御し、流量調整により、ポンプの消費電力が低減できる。水量を半減するとポンプの消費電力は2乗分の1に減少するので1/4の消費電力の低減が図れる。また、除湿制御、再熱制御などの各種制御について、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、水熱交換器21の水出口に熱源水用比例二方弁21aを配設する空気調和装置として、実施の形態1の空気調和装置1を例示したが、実施の形態2〜4の各空気調和装置1A〜1Cにも適用可能である。また、除湿制御、再熱制御などの各種制御について、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態6)
図44は、この実施の形態を示す空気調和装置1Eの回路図である。この実施の形態は、水熱交換器21の代わりに、空気熱交換器21Bと室外送風機21Cとを備え、冷房時の排熱と、暖房時の吸熱とを空気側から行う冷媒回路である点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
この空気調和装置1Eでは、空気熱交換器21Bに流れ込む室外空気の温度と、空気熱交換器21Bから流れ出る室外空気の温度とをそれぞれ測定するために、室外入口温度センサ36aと、室外出口温度センサ36bとを備えている。制御部15は、これらの温度センサの測定結果に応じて室外送風機21Cを制御する。
この実施の形態によれば、熱源熱交換器として、水熱交換機の代わりに空気熱交換器21Bと室外送風機21Cとを利用することができるので、空気熱源を利用する空気調和装置へも柔軟に対応することが可能である。なお、水熱交換器21の水出口に熱源水用比例二方弁21aを配設する空気調和装置として、実施の形態1の空気調和装置1を例示したが、実施の形態2〜4の各空気調和装置1A〜1Cにも適用可能である。また、除湿制御、再熱制御などの各種制御について、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態7)
図45は、この実施の形態の空気調和システム10を示す概略図である。この空気調和システム10は、例えば、空調面積400m2の室内に、上述した実施の形態1〜6いずれかの調湿制御機能を有する調湿空調機B1〜B3と、除湿制御機能を有しない、いわゆる既存の空気調和装置である水熱源空調機A1〜A5とを混在させて設置させたものである。より具体的には、当初は既存の水熱源空調機のみが8台設置されていた空気調和システムに対し、そのうちの3台を、調湿制御機能を有する調湿空調機B1〜B3に置き換えたものである。
既存の水熱源空調機A1〜A5は、例えば、冷房2馬力、5kwの出力を備える水熱源空調機であり、それぞれ室内の温度を測定する温度センサTを備えている。また、調湿空調機B1〜B3は、除湿量6.88g/kgDA、目標露点温度が8.5°Cの調湿空調機であり、それぞれ上述した再熱用の空気熱交換器と、自然蒸発式加湿器51とを備えている。また、室内の温度と湿度とを測定する温度/湿度センサT/Hをそれぞれ備えている。各空調機A1〜A5及びB1〜B3は、熱源水用の冷却水配管に接続されている。
外気処理を全熱交換器で行う場合、3台で空調面積400m2に必要な快適さを満たす除湿量(室温28°C、湿度40%RH)をまかなえるように、本考案の3台の調湿空調機B1〜B3の1台あたりの除湿目標露点温度8.5°Cが設定されている。これにより、8台設置されていた既存の水熱源空調機を全て置き換えなくても、一部(例えば3台)の置き換えで、部屋全体が除湿された空調空間となる。
すなわち、除湿された空気を供給すると、温度の変化より湿度の変化がより速やかに部屋全体に拡散することによる効果があるので、除湿した空気をダクト等で分散配置する必要はない。加湿も同様に加湿した空気が部屋全体に拡散する効果を利用する。本発明の調湿空調機B1〜B3は、温度と湿度が設定できるので、例えば、クールビズで室温を28°Cに設定されても、湿度を40%RH前後に設定すれば、室温が高めでも、快適な空調を実現できる。なお、個室対応で本発明の調湿空調機1台で同じ空調を得る場合、目標露点温度を8.5°C以上に設定することにより、同様の効果を得られる。
次に、本実施の形態の空気調和システム10で冷房除湿運転する再の制御手順について、図46に示すフローチャートにしたがって説明する。なお、フローチャートの各ステップには、マル付きの数字で1〜8のステップ番号を付してある。
この空気調和システム10では、既存の水熱源空調機A1〜A5は、吸込み温度を設定温度になるように圧縮機を制御する。したがって、湿度は成り行きとなる。これに対し、本発明の調質空調機B1〜B3は、吸込み温度が設定温度に近くなるように再熱制御を行い、湿度が吸込み湿度に近くなるように圧縮機を制御する。すなわち、既存の水熱源空調機A1〜A5は、湿度が成り行きとなるが、調質空調機B1〜B3は、必要な湿度になるように制御することができる。
(ステップ1)
既存の水熱源空調機(N台)A1〜ANでは、それぞれ室内温度Ta1〜TaNが測定されている。また、設定温度Tsが設定され、設定温度Tsから目標温度Tf(Ts−1)が求められている。本発明の調質空調機(M台)B1〜BMでは、それぞれ室内温度Tb1〜TbMと、室内湿度Hb1〜HbMとが測定されている。また、Tb、Hbから室内露点温度Tbdpが算出されている。また、設定温度Ts、設定湿度Hsが設定され、これらから目標温度Tf、目標湿度Hfが求められている。さらに、設定温度Ts、設定湿度Hsから、設定露点温度Tsdpが算出されている。吹出露点温度Tfdp(≒室内熱交換器温度)は、台数比M/Nにより手動で設定される。
(ステップ2)
既存空調機か否かを判定しており、YESの場合はステップ3へ、NOの場合はステップ5へ。
(ステップ3)
N台の既存空調機A1〜ANは、圧縮機の運転周波数制御(PID制御)により、室内温度Ta1〜TaN→Tf=Ts−1になるように温度制御される。これに対し、湿度制御は成り行きとなる。
(ステップ4)
Ta<Ts−1について判定され、YESの場合にはステップ8へ、NOの場合は3へ戻る。
(ステップ5)
ステップ2で調湿空調機である場合、このステップ5に飛ぶ。M台の調湿空調機B1〜Bmは、圧縮機の制御により、室内湿度Hb1〜HbMが、露点温度制御(PID制御)によってTfdp→Tsdp(=Tadp)となるように制御される。
(ステップ6)
M台の調質空調機B1〜BMは、膨張弁の制御により、室内温度Tb1〜TbMが、露点温度制御(PID制御)によって目標温度TF→Ts−1±γになるように制御される。
(ステップ7)
Tb<Ts−1 and Hf≦Hs−ηについて判定され、YESの場合はステップ8へ、NOの場合はステップ5へ戻る。
(ステップ8)
既存空調機A1〜ANがステップ4の条件を満たす場合、サーモOFF、圧縮機OFFとなり、送風機のみ駆動が継続される。また、調湿空調機B1〜BMがステップ7の条件を満たす場合も、同様にサーモOFF、圧縮機OFFとなり、送風機のみ駆動が継続される。
このように、本実施の形態の空気調和システム10によれば、調湿制御機能を有する空気調和装置で潜熱処理主体に室内を空調し、除湿制御機能を有しない空気調和装置で顕熱処理主体に室内を空調するので、調湿制御機能を有する空気調和装置と、除湿制御機能を有しない空気調和装置とが混在する環境でも全体として快適な環境となるように湿度を制御することが可能である。
(実施の形態8)
図47は、この実施の形態の空気調和システム10Aを示す概略図である。この空気調和システム10Aは、上述した実施の形態1〜6いずれかの調湿制御機能を有する調湿空調機B1〜B3と、除湿制御機能を有しない、いわゆる既存の空気調和装置である水熱源空調機A1〜A5とに通信可能に接続されて制御を行う制御装置101を備える点で実施の形態7と構成が異なり、実施の形態7と同等の構成については、同一名称または同一符号を付することでその説明を省略する。
制御装置101は、CPUや制御プログラムが格納されたメモリなどを備えるコンピュータであり、通信線によって調湿空調機B1〜B3と、水熱源空調機A1〜A5とに接続されている。制御装置101は、室内の温度及び湿度を測定する温度/湿度センサを備えており、このセンサの測定結果に基づいて、調湿空調機B1〜B3及び水熱源空調機A1〜A5を統括的に制御することが可能である。
すなわち、この実施の形態では、既存の水熱源空調機A1〜A5も除湿制御を行えるようにしている。除湿制御は空気熱交換器の冷媒温度を測温することで、所定の空気熱交換器温度になるように圧縮機を制御することで行う。既存空調機の除湿分を含め、必要な除湿分を調湿空調機B1〜B3が除湿するように、既存の水熱源空調機A1〜A5と調湿空調機B1〜B3とが連携して除湿制御を行う。この方法により、調湿空調機B1〜B3が余分な除湿を行わなくてよいので、調湿空調機B1〜B3が単独で全体の除湿分を除湿するより、少ない除湿量となり、調湿空調機B1〜B3の圧縮機の運転周波数が低下するので、消費電力が低下する。
次に、本実施の形態の空気調和システム10Aで冷房除湿運転する再の制御手順について、図48、49に示すフローチャートにしたがって説明する。なお、フローチャートの各ステップには、マル付きの数字で1〜18のステップ番号を付してある。
この空気調和システム10Aでは、既存の水熱源空調機A1〜A5も除湿制御を行えるようにしている。除湿制御は空気熱交換器の冷媒温度を測温することで、所定の空気熱交換器温度になるように圧縮機を制御することで行う。既存空調機の除湿分を含め、必要な除湿分を調湿空調機B1〜B3が除湿するように、既存の水熱源空調機A1〜A5と調湿空調機B1〜B3とが連携して除湿制御を行う。この方法により、調湿空調機B1〜B3が余分な除湿を行わなくてよいので、調湿空調機B1〜B3が単独で全体の除湿分を除湿するより、少ない除湿量となり、調湿空調機B1〜B3の圧縮機の運転周波数が低下するので、消費電力が低下する。
(ステップ1)
既存の水熱源空調機(N台)A1〜ANでは、それぞれ室内温度Ta1〜TaNが測定されている。また、Ta1〜TaNから、室内露点温度Tadp1〜TadpNが算出されている。本発明の調質空調機(M台)B1〜BMでは、それぞれ室内温度Tb1〜TbMと、室内湿度Hb1〜HbMとが測定され、室内露点温度Tbdp1〜TbdpMが算出されている。また、設定温度Ts、設定湿度Hsが設定され、これらから目標温度Tf、目標湿度Hfが求められている。さらに、設定温度Ts、設定湿度Hsから、設定露点温度Tsdpが算出されている。seigyo装置101においては、室内温度Tc、室内湿度Hcが測定されている。既存空調機A1〜ANの吹出露点温度Tafdpと、調質空調機B1〜BMの吹出露点温度Tbfdpは、台数比M/Nにより手動で設定される。
(ステップ2)
既存空調機か否かを判定しており、YESの場合はステップ3へ、NOの場合はステップ10へ。
(ステップ3)
Ta≧Ta+3について判定され、YESの場合はステップ4へ、NOの場合はステップ5へ。
(ステップ4)
N台の既存空調機A1〜ANは、圧縮機の運転周波数制御(PID制御)により、室内温度Ta1〜TaN→Tf=Ts−1になるように温度制御される。これに対し、湿度制御は成り行きとなる。
(ステップ5)
Ts+1≦Ta<Ta+1について判定させ、YESの場合はステップ6へ、NOの場合はステップ4へ戻る。
(ステップ6)
N台の既存空調機A1〜ANは、温度制御は成り行きで、湿度制御は露点温度制御によりTadp→Tasdp(=Tadp−a)となるように制御される。
(ステップ7)
Ts−1≦Ta<Ts+1について判定させ、YESの場合はステップ8へ、NOの場合はステップ6へ戻る。
(ステップ8)
N台の既存空調機A1〜ANは、圧縮機の運転周波数制御(PID制御)により、室内温度Ta1〜TaN→Tf=Ts−1になるように温度制御される。これに対し、湿度制御は成り行きとなる。
(ステップ9)
Ta<Ts−1について判定され、YESの場合はステップ17へ、NOの場合はステップ8へ戻る。
(ステップ10)
ステップ2で調湿空調機であった場合、このステップ10に飛ぶ。Ta≧Ts+3について判定され、YESの場合はステップ11へ、NOの場合はステップ12へ。
(ステップ11)
M台の調質空調機B1〜BMは、温度制御は成り行きで、湿度制御は露点温度制御によりTbfdp→Tbsdp(=Tadp−a)となるように制御される。
(ステップ12)
Ts+1≦Ta<Ts+3 and Tbsdp≧θ+3について判定され、YESの場合はステップ13へ、NOの場合はステップ11へ戻る。
(ステップ13)
M台の調質空調機B1〜BMは、温度制御に再熱制御を利用してTf→Ts−β−1となるように制御し、湿度制御に露点温度制御を利用してTbfdp→Tbsdp(=θ)となるように制御する。
(ステップ14)
Ts−1≦Ta<Ts+1 and Ha≦Ha−ηについて判定され、YESの場合はステップ15へ、NOの場合はステップ13へ戻る。
(ステップ15)
M台の調質空調機B1〜BMは、温度制御に再熱制御を利用してTf→Ts−1±γとなるように制御し、湿度制御に露点温度制御を利用してTbfdp→Tbsdp(=Tbdp)となるように制御する。
(ステップ16)
Ta<Ts−1 and Ha≦Hs−ηについて判定され、YESの場合はステップ7へ、NOの場合はステップ15へ戻る。
(ステップ17)
Tc<Ts−1 and Hc≦Hs−ηについて判定され、YESの場合はステップ18へ、NOの場合はステップ2へ戻る。
(ステップ18)
既存空調機A1〜AN、調湿空調機B1〜BMともに、ステップ17の条件を満たす場合、サーモOFF、圧縮機OFFとなり、送風機のみ駆動が継続される。
このように、本実施の形態の空気調和システム10Aによれば、制御装置101により、調湿空調機B1〜BMの空気熱交換器の冷媒温度を露点温度とし、圧縮機の運転周波数を所定の露点温度を目標温度とする除湿制御を行い、調湿空調機B1〜BMの除湿制御と、既存空調機A1〜ANの除湿制御により室内の除湿量を制御し、かつ、調湿空調機B1〜BMの温度制御と、既存空調機A1〜ANの温度制御により室内の顕熱量を制御する。したがって、調湿空調機B1〜BMが余分な除湿を行わなくてよくなるので、調湿空調機B1〜BMが単独で全体の除湿分を除湿するよりも、少ない除湿量となり、調湿空調機B1〜BMの運転周波数が低下するので、消費電力が低下する。
(実施の形態9)
図50は、既存の水熱源空調機、冷却塔、補助熱源(ボイラ)、冷却水用ポンプを冷却水配管で接続し、外調機が設置されている水熱源ヒートポンプ空調システムにおいて、既存の水熱源空調機(既存空調機)と置き換えるように、実施形態1〜6いずれかの調湿空調機を設置した空気調和設備20を示す。
既存空調機は、室温を設定温度になるように室温制御するが、本発明の調湿空調機は、室内の温度と湿度を同時に制御する。既存空調機と調湿空調機とを混在させることにより、室内の温度と湿度を快適な状態とする空調設備となる。実施の形態7、8でも説明した通り、既存空調機の一部を調湿空調機に置き換えることにより、夏季、クールビズで室温が高めに設定されても、除湿された空気が室内に供給され、その結果、除湿された空気が速やかに室内全体に広がり、快適な空調空間となる。また、既存空調機は除湿された空気を吸い込み、顕熱処理空調機となり、高顕熱空調機として運転する。高顕熱空調機は蒸発温度が高くなるので、空調機の蒸発温度が上昇することにより、ヒートポンプの効率が向上する。結果として、潜顕分離空調を達成することとなり、快適でかつ省エネルギーな空調設備となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。
1、1A、1B、1C、1D、1E 空気調和装置
10、10A 空気調和装置
101 制御装置
11、11A,11B、11C 冷媒回路
12 圧縮機
13 四方弁
14 送風機
15 制御部(制御手段)
21 水熱交換器(熱源熱交換器)
22 第1の空気熱交換器
23、23A 第2の空気熱交換器
23A 第1の熱交換部
23A 第2の熱交換部
24 第1の膨張弁
25 第2の膨張弁
26 第3の膨張弁
27 第3の空気熱交換器
28 第4の膨張弁
29 第5の膨張弁
31 低圧ガス温度センサ
32 空気熱交換器冷媒温度センサ
33 空気熱交換器出口温度センサ
34 膨張弁入口温度センサ
41 吸込温度センサ
42 吸込湿度センサ
43 吹出温度センサ
44 吹出湿度センサ
45 水入口温度センサ
46 水出口温度センサ
51 自然蒸発式加湿器
52 加湿水供給回路
53 加湿水加熱器
54 加湿用比例三方弁(第1の加湿調節弁)
55 加湿用比例二方弁(第2の加湿調節弁)
56 加湿水温度センサ

Claims (14)

  1. 冷媒と熱源との間で熱交換を行う熱源熱交換器と、冷媒と空気との間で熱交換を行う第1の空気熱交換器および第2の空気熱交換器と、冷媒を減圧する膨張弁とを含む冷媒回路と、前記冷媒回路内で冷媒を循環させる圧縮機と、冷却運転時と暖房運転時に前記圧縮機から前記冷媒回路へ流れる冷媒の流動方向を切り換える四方弁と、室内へ空気を吹き出す送風機と、を備える空気調和装置であって、
    前記熱源熱交換器で前記冷媒の排熱を行い、室内から吸い込んだ吸込空気を前記第1の空気熱交換器で設定温度及び設定湿度まで冷却及び除湿し、前記第2の空気熱交換器で再加熱して前記室内に吹き出す除湿再熱運転を行う際に、
    前記吸込空気の温度と湿度とから吸込露点温度を算出し、前記設定温度と前記設定湿度とから最終目標露点温度を算出し、前記吸込露点温度から前記最終目標露点温度へと至る目標露点温度を段階的に変更して、前記第1の空気熱交換器の冷媒温度が前記目標露点温度を経て前記最終目標露点温度になるように、前記圧縮機の運転周波数を制御する除湿制御と、
    前記室内に吹き出された吹出空気の温度、あるいは前記第2の空気熱交換器の出口で測定された冷媒温度が、設定温度から求められた再熱目標温度になるように、前記第2の空気熱交換器に接続された第2の膨張弁の開度を制御する再熱制御と、
    前記第1の空気熱交換器で測定した冷媒温度と、前記第1の空気熱交換器から前記圧縮機へ戻る冷媒温度との差が一定になるように、前記第1の空気熱交換器に接続された第1の膨張弁の開度を制御する冷房過熱度制御と、
    をそれぞれ単独で行う制御手段を備える、
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記制御手段は、前記吸込空気の温度が予め設定された設定吸込温度未満の場合に前記再熱制御を行い、前記吸込空気の温度が前記設定吸込温度以上の場合に前記再熱制御を行わない、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 加湿水の自然蒸発により前記吹出空気を加湿する自然蒸発式加湿器と、
    前記自然蒸発式加湿器へ前記加湿水を供給する加湿水供給回路と、
    前記加湿水供給回路に設けられ、前記圧縮機で圧縮された冷媒により前記加湿水を加熱する加湿水加熱器と、
    前記加湿水供給回路に設けられ、前記加湿水加熱器に供給される前記加湿水の量を調節する第1の加湿調節弁と、
    前記加湿水供給回路に設けられ、前記自然蒸発式加湿器に供給される前記加湿水の量を調節する第2の加湿調節弁と、を備え、
    前記制御手段は、前記加湿水の温度が目標水温になるように前記第1の加湿調節弁の開度を制御し、前記加湿水の流量が目標流量になるように前記第2の加湿調節弁の開度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
  4. 前記吸込空気を前記第1の空気熱交換器で前記設定温度まで加熱し、前記自然蒸発式加湿器で前記設定湿度まで加湿し、前記熱源熱交換器で前記冷媒の排熱を行なう暖房加湿運転を行う際に、
    前記制御手段は、
    前記吸込空気の温度と湿度とから吸込露点温度を算出し、前記設定温度と前記設定湿度とから最終目標露点温度を算出し、前記最終目標露点温度と前記吸込露点温度との差に所定の補正値を加算して、湿り空気線図上で等エンタルピ線上に乗るような目標吹出温度を算出し、前記第1の空気熱交換器の冷媒温度が前記目標吹出温度になるように、前記圧縮機の運転周波数を制御する暖房加熱制御と、
    前記熱源熱交換器で測定した冷媒温度と、前記熱源熱交換器から前記圧縮機へ戻る冷媒温度との差が一定になるように、前記第1の空気熱交換器に接続された第1の膨張弁の開度を制御する暖房過熱度制御と、
    前記吹出空気の湿度が前記目標湿度になるように、前記第1の加湿調節弁と前記第2の加湿調節弁の開度を制御する加湿制御と、
    をそれぞれ単独で行う、
    ことを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。
  5. 前記室内に設置されている他の空気調和装置で暖房運転が行われている状況で、前記熱源熱交換器で前記冷媒の排熱を行い、前記吸込空気を前記第1の空気熱交換器により冷却し、前記自然蒸発式加湿器で前記設定湿度まで加湿する冷房加湿運転を行う際に、
    前記制御手段は、
    前記吸込空気の温度から所定の冷却温度を減算した目標冷却温度を算出し、前記第1の空気熱交換器の冷媒の温度が前記目冷却標温度になるように、前記圧縮機の運転周波数を制御する冷却制御と、
    前記吸込空気の温度と湿度とから吸込露点温度を算出し、前記設定温度と前記設定湿度とから最終目標露点温度を算出し、前記最終目標露点温度と前記吸込露点温度との差に所定の補正値を加算して、湿り空気線図上で等エンタルピ線上に乗るような目標吹出温度を算出し、前記第2の空気熱交換器の出口の冷媒温度が前記目標吹出温度になるように、前記第2の膨張弁の開度を制御する冷房加熱制御と、
    前記冷房過熱度制御と、
    前記吹出空気の湿度が前記目標湿度になるように、前記第1の加湿調節弁と前記第2の加湿調節弁の開度を制御する加湿制御と、
    をそれぞれ単独で行う、
    ことを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。
  6. 前記冷媒回路は、前記熱源熱交換器と前記第1の膨張弁とが直列に接続された配管系統と、前記第2の空気熱交換器と前記第2の膨張弁とが直列に接続された配管系統とが前記圧縮機に対して並列に接続され、前記熱源熱交換器と前記第1の空気熱交換器とが前記第1の膨張弁を介して接続され、前記第2の空気熱交換器が前記第2の膨張弁を介して前記第1の空気熱交換器と前記第1の膨張弁との間に接続されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  7. 前記冷媒回路は、前記熱源熱交換器と前記第1の膨張弁との間に、前記熱源熱交換器の排熱を制御するための第3の膨張弁が配設されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の空気調和装置。
  8. 前記冷媒回路は、第3の空気熱交換器が前記第1の空気熱交換器と並列に接続され、かつ、前記第3の空気熱交換器が第4の膨張弁を介して前記第2の空気熱交換器に接続されており、冷却負荷に応じて、前記第1の空気熱交換器と前記第3の空気熱交換器とを切り換えてまたは同時に使用する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の空気調和装置。
  9. 前記冷媒回路は、
    前記熱源熱交換器と、前記熱源熱交換器を制御するための第5の膨張弁と、前記第2の空気熱交換器と、前記第1の膨張弁と、前記第1の空気熱交換器とが前記圧縮機に対して直列に接続され、
    前記第2の空気熱交換器が、冷媒が高圧液になるまで凝縮する第1の熱交換部と第2の熱交換部とを備えていて、
    前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部との間に接続された分岐配管が、前記第2の膨張弁を介して前記第1の膨張弁と前記第1の空気熱交換器との間に接続され、
    前記圧縮機から、前記熱源熱交換器と前記第5の膨張弁とをバイパスして前記第2の空気熱交換器に接続するバイパス管路と、前記バイパス管路を開閉するバイパス弁とを備えており、
    前記除湿再熱運転で前記熱源が所定温度以上の場合には、前記熱源熱交換器と前記第1の熱交換部で凝縮された冷媒と、前記熱源熱交換器と前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部とで凝縮された冷媒とを前記第1の空気熱交換器で蒸発し、
    前記除湿再熱運転で前記熱源が所定温度未満の場合には、前記第1の熱交換部で凝縮された冷媒と、前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部とで凝縮された冷媒とを前記第1の空気熱交換器で蒸発し、
    前記暖房加湿運転の際には、前記第1の空気熱交換器と前記第2の空気熱交換器とで冷媒を凝縮する、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  10. 前記熱源熱交換器は、熱源水を循環する熱源水回路に接続され、前記熱源水回路から供給された前記熱源水と冷媒との間で熱交換を行う水熱交換器であって、
    前記水熱交換器で熱交換に利用された前記熱源水を前記熱源水回路に排水する水出口に、前記熱源水の排出流量を調節する熱源水用調節弁を配設し、
    前記制御手段は、前記水熱交換器に供給される熱源水の温度と、前記水熱交換器から排水される熱源水との温度との絶対温度差が所定温度差未満になった場合に、前記絶対温度差が予め設定された温度差以上になるように、前記熱源水用調節弁の開度を調節する、
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  11. 前記熱源熱交換器として、空気熱交換器と、冷媒との間で熱交換された空気を室外へ排出する室外送風機とを備える、
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の調湿制御機能を有する空気調和装置と、除湿制御機能を有しない空気調和装置とが同じ室内に設置された空気調和システムであって、
    前記調湿制御機能を有する空気調和装置で潜熱処理主体に前記室内を空調し、前記除湿制御機能を有しない空気調和装置で顕熱処理主体に前記室内を空調する、
    ことを特徴とする空気調和システム。
  13. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の調湿制御機能を有する空気調和装置と、除湿制御機能を有しない空気調和装置とが同じ室内に設置された空気調和システムであって、
    前記調湿制御機能を有する空気調和装置と、前記除湿制御機能を有しない空気調和装置とに通信可能に接続されて、前記調湿制御機能を有する空気調和装置と前記除湿制御機能を有しない空気調和装置とを制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記除湿制御機能を有しない空気調和装置の空気熱交換器の冷媒温度を露点温度とし、圧縮機の運転周波数を所定の露点温度を目標温度とする除湿制御を行い、前記調湿制御機能を有する空気調和装置の除湿制御と前記除湿制御機能を有しない空気調和装置の除湿制御により、前記室内の除湿量を制御し、かつ、前記調湿制御機能を有する空気調和装置の温度制御と前記除湿制御機能を有しない空気調和装置の温度制御により、前記室内の顕熱量を制御する、
    ことを特徴とする空気調和システム。
  14. 請求項12または13に記載の空気調和システムと、
    前記空気調和システムへ、熱源として熱源水を供給するポンプと、
    前記熱源水を冷却する冷却塔、あるいは前記熱源水を加温する補助熱源と、
    を備えることを特徴とする空気調和設備。
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