JP2019174097A - 暖房システム - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、快適性を高めるためには、できるだけ早く住人が要求する室温(つまり設定温度)に近付けるのが好ましいとともに、その設定温度を維持するのが好ましい。
温度設定部で設定した設定温度と室温センサにより検出される室温とに基づいて、空調暖房装置の暖房運転と床暖房装置の暖房運転とを制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、暖房運転開始時に、前記空調暖房装置を主体とする暖房運転を行う空調主体暖房運転処理を実行する。
(実施の形態1)
[ユニット建物の構成]
図1を参照しながら実施の形態1の暖房システムを備えたユニット建物Hの全体構成について説明する。
図1は、実施の形態1の暖房システムを適用したユニット建物Hの概略図である。
このユニット建物Hは、基礎コンクリートBの上に、1階の建物ユニット集合体U1と2階の建物ユニット集合体U2と3階の建物ユニット集合体U3とを上下方向に積層して構築されている。なお、各建物ユニット集合体U1,U2,U3は、後述する建物ユニットUを、水平方向に複数結合して形成されたものである。
そして、各床上空間41,42,43は、水平方向の外周部を外壁WLにより、外部空間と区画されている。
各階の建物ユニット集合体U1〜U3を構成する建物ユニットUの骨格構造を、図2に基づいて簡単に説明する。
この建物ユニットUの骨格は、4本の柱61,61,61,61と4本の床梁62,62,62,62と4本の天井梁63,63,63,63とが、平面形状が方形状になるように、箱型に組み立てられている。そして、対向して配置された一対の床梁62,62に床小梁65が架け渡され、この床小梁65の上に床下地66が取り付けられている。
また、対向して配置されている一対の天井梁63,63の下部に天井根太67が架け渡されている。
図1に戻り、ユニット建物Hに設置された暖房システム100について説明する。
暖房システム100は、室外機110と、空調装置部(空調暖房装置)120と、床暖房装置部130とを備える。以下、室外機110、空調装置部120、床暖房装置部130について、それぞれ説明する。
室外機110は、熱交換媒体と外気との熱交換を行う、いわゆるヒートポンプ式の室外機熱交換器としての空気/媒体熱交換器161を備える。そして、この空気/媒体熱交換器161において、空調装置部120に供給する熱交換媒体および床暖房装置部130に供給する熱交換媒体と、外気との熱交換を行う。
空調装置部120は、第1室内機121および第2室内機122を備える。
第1室内機121は、床下空間40に設置されている。そして、第1室内機121は、床上空間41の空気をダクト(不図示)を介して吸い込んで熱交換媒体と熱交換を行った空気(温風)を、床下空間40と1階の床上空間41とに選択的に送風可能となっている。
床暖房装置部130は、2階の床下空間52に設置された放熱シート131と、この放熱シート131と室外機110とで熱媒体としての温水を循環させる温水回路132とを備える。
すなわち、床暖房装置部130は、熱交換媒体と熱交換を行って加熱した温水を、温水回路132により室外機110と放熱シート131との間で循環させるよう構成されている。
なお、放熱シート131は、第1の放熱シート131(A)と、第2の放熱シート131(B)と、第3の放熱シート131(C)とで、それぞれ、独立して熱交換媒体を循環させ放熱可能となっている。
次に、暖房システム100における熱交換媒体回路160の構成について説明する。
熱交換媒体回路160は、図3に示すように、空気/媒体熱交換器161および圧縮機162を備える室外機媒体回路163に対して空調部媒体回路164と床暖房部媒体回路165とが並列接続されている。なお、空気/媒体熱交換器161は、熱交換媒体(以下、媒体と称する)と外気とで熱交換を行う。圧縮機162は、媒体を圧縮するもので、四方弁162a、アキュムレータ162b、圧縮機本体162cを備える。
床暖房部媒体回路165は、暖房時には、圧縮機162で圧縮されて高温となった媒体を温水/媒体熱交換器165aに送る。そして、温水/媒体熱交換器165aでは、媒体と、温水回路132の温水と熱交換を行い、この熱交換を行った媒体を、温水用電子膨張弁165bを経て膨張させ温度を低下させて空気/媒体熱交換器161に送る。
また、温水用電子膨張弁165bは、制御装置201の制御により開度を調整可能となっている。
次に、制御装置201による暖房運転制御について説明する。
制御装置201は、いわゆるマイクロコンピュータで構成され、暖房システム100の暖房運転制御を行うものである。なお、本実施の形態1では、2階の床上空間42における、空調暖房運転(対流暖房)と床暖房運転との制御を行う場合を例示する。例えば、2階に居間が配置されている場合に有効な制御例である。
に適用しているため、この2階の暖房運転制御について説明する。
この処理は、上述のように室内リモートコントローラ202による暖房開始操作が行われると実行され、まず、最初のステップS1では、温度設定部202aで設定された設定温度Ttと、室温センサ202bが検出する室温Trとを読み込む。
この空調主体暖房運転処理では、第2室内機122を用いた空調暖房(対流暖房)を主体とした暖房運転を行う。具体的には、この空調主体暖房運転処理時には、エアコン用電子膨張弁163aの開度を相対的に大きくする一方、温水用電子膨張弁165bの開度を相対的に小さくし、空調用熱交換器123への媒体の供給量を、温水/媒体熱交換器165aへの媒体の供給量よりも多く制御する。
なお、暖房運転停止操作は、室内リモートコントローラ202において行われる、いわゆる、暖房OFF操作であり、タイマ設定による運転停止出力を含む。
この床暖房主体暖房運転処理は、放熱シート131を用いた床暖房を主体とした暖房を行うもので、具体的には、エアコン用電子膨張弁163aの開度を相対的に小さくする一方、温水用電子膨張弁165bの開度を相対的に大きく制御する。
次に、実施の形態1の実際の作動例を図5のタイムチャートに基づいて説明する。
この図5のタイムチャートにおいて、t0〜t1の時刻では、暖房システムは停止状態となっている。したがって、室温Trと床温Tfとは略等しい状態となっている。
この場合、設定温度Ttと室温Trとの差分ΔTが、全開閾値ΔTlim2未満であることから、第2室内機122による空調暖房を主体として行うとともに、放熱シート131による床暖房運転も並行して実行する。具体的には、エアコン用電子膨張弁163aの開度を50%よりも大きく制御し、かつ、温水用電子膨張弁165bを、50%未満の開度で開弁する。
これにより、室温Trは、図5において、t1の時点以降、設定温度Ttに向けて急速に上昇する。
この場合、温水/媒体熱交換器165aへの媒体の供給量は、空調用熱交換器123への供給量よりも少ないため、床温Tfの上昇は、室温Trの上昇に比べ緩やかである。
また、このとき、エアコン用電子膨張弁163aと温水用電子膨張弁165bとの両方の開度を全開とする場合と比較して、短時間で室温Trを上昇できるとともに、省エネルギ性に優れる。
これにより、t2の時点以降は、床温Tfは、上昇変化度が増加する一方、室温Trは、上昇が抑えられて設定温度Ttに緩やかに一致する。
したがって、確実に、室温Trを設定温度Ttに維持できるため、快適性に優れ、かつ、効率的に室温Trを上昇でき、省エネルギ性に優れる。
以下に、本実施の形態1の暖房システムの効果を列挙する。
(1)実施の形態1の暖房システムは、
ユニット建物Hの2階の各居室空間42(a)(b)(c)に温風を送風して暖房を行う空調装置部120と、
2階の各居室空間42(a)(b)(c)の床部20を温めて暖房を行う床暖房装置部130と、
各居室空間42(a)(b)(c)の少なくともいずれかの室温Trを検出する室温センサ202bと、
各居室空間42(a)(b)(c)の少なくともいずれかの室温Trを設定する温度設定部202aと、
温度設定部202aで設定した設定温度Ttと室温センサ202bにより検出される室温Trとに基づいて、空調装置部120の暖房運転と床暖房装置部130の暖房運転とを制御する制御装置201と、
を備え、
制御装置201は、暖房運転開始時に、空調装置部120を主体とする暖房運転を行う空調主体暖房運転処理(ステップS2)を実行する暖房システムとした。
したがって、空調装置部120と床暖房装置部130とを同等に暖房運転する場合よりも短時間に室温Trを上昇させることができ、快適性を向上でき、かつ、省エネルギ、コスト低減を図ることができる。
制御装置201は、設定温度Ttと室温Trとの差分ΔTに基づいて、空調主体暖房運転処理の実行開始後、差分ΔTが所定の第2の空調暖房/床暖房切替閾値ΔTlim3未満となったら、床暖房装置部130を主体として暖房運転を実行させる床暖房主体暖房運転処理(ステップS5)を行う暖房システムとした。
したがって、室温Trが設定温度Ttに近付いても空調主体暖房運転を継続するものと比較して、空調装置部120による暖房運転を抑えて省エネルギを図ることができ、かつ、室温Trの変化を抑えるとともに、床暖房による快適性を得ることができる。
制御装置201は、床暖房主体暖房運転処理の実行時に、差分ΔTが所定の並行運転開始閾値ΔTlim4を超えた場合は、床暖房装置部130の暖房運転の割合を大きくする暖房システムとした。
したがって、床暖房主体暖房運転により室温Trを設定温度Ttに維持できない場合には、床暖房装置部130の暖房運転の割合を大きくして、室温Trが設定温度Ttから乖離するのを抑制し、快適性に優れる。
空調装置部120と床暖房装置部130とは、室外機110に設けられた共通のヒートポンプ式の室外機熱交換器としての空気/媒体熱交換器161に並列に接続されて2階の居室空間42(a)(b)(c)を暖房可能な空調用熱交換器123と床暖房用熱交換器としての温水/媒体熱交換器165aとを備え、かつ、空気/媒体熱交換器161を経て圧縮機162で圧縮された熱交換媒体を空調用熱交換器123と温水/媒体熱交換器165aに供給して暖房運転を行う暖房システムとした。
したがって、空調用熱交換器123と温水/媒体熱交換器165aとへの熱交換媒体の供給量を調整することで、空調主体暖房運転と床暖房主体暖房運転との切り替えが可能であり、制御性に優れる。
制御装置201は、空調主体暖房運転処理では、温水/媒体熱交換器165aよりも空調用熱交換器123への前記熱交換媒体の供給量が多くなるように制御する暖房システムとした。
したがって、上記(4)にて説明したように、容易に空調主体暖房運転を行うことができる。
制御装置201は、空調主体暖房運転処理では、差分ΔTに応じ、差分ΔTが小さい程、暖房能力の余力があるとして、温水/媒体熱交換器165aへの媒体の供給量を増やすように制御する。
したがって、室温Trを短時間に設定温度Ttに向けて上昇させつつ、床温Tfも短時間に上昇させ、効率良く暖房運転を行うことができる。
制御装置201は、床暖房主体暖房運転処理では、空調用熱交換器123よりも温水/媒体熱交換器165aへの前記熱交換媒体の供給量が多くなるように制御する暖房システムとした。
したがって、上記(4)にて説明したように、容易に床暖房主体暖房運転を行うことができる。
制御装置201は、空調用熱交換器123および温水/媒体熱交換器165aへの熱交換媒体の供給量をエアコン用電子膨張弁163aおよび温水用電子膨張弁165bの開度により制御する暖房システムとした。
したがって、既存のエアコン用電子膨張弁163aおよび温水用電子膨張弁165bを利用して熱交換媒体の供給量を制御でき、別途、熱交換媒体の流量を制御する制御弁を設けるのと比較して、コスト低減を図ることができる。
次に、実施の形態2の暖房システムについて説明する。
この実施の形態2の暖房システムは、制御装置201による暖房運転制御の処理の一部が実施の形態1と異なる。
実施の形態1との相違点は、ステップS1の処理に続く、ステップS1bでは、設定温度Ttと室温Trとの差分ΔTを求め、この差分ΔTと予め設定された空調暖房主体処理開始判定閾値ΔTlim1(図5参照)とを比較する。そして、差分ΔTが空調暖房主体処理開始判定閾値(以下、開始判定閾値という)ΔTlim1以上の場合には、ステップS2に進み、差分ΔTが開始判定閾値ΔTlim1未満の場合は、ステップS5に進む。
また、実施の形態2では、図5に示すように、開始判定閾値ΔTlim1を、切替閾値ΔTlim3よりも大きく設定している。
さらに、実施の形態では、2階の居室の暖房運転に適用した例を示したが、これに限定されず、1階、3階などにも適用できる。
また、実施の形態では、1つの室外機に空調装置部と床暖房装置部とを並列に接続したものを示したが、本開示の暖房システムは、これ以外のシステムにも適用可能である。例えば、空調装置部と床暖房装置部とが、それぞれ、異なる室外機に接続されて、独立して暖房運転可能なシステムに適用してもよい。
また、実施の形態では、暖房システムとして、いわゆるヒートポンプ式の暖房システムを示したが、これに限定されない。例えば、熱媒体の加熱を、電力や石油やプロパンガスを用いて行うものを適用してもよい。あるいは、放熱体として、通電することにより発熱するものを用いることもできる。
42(b) 第2の居室空間
42(c) 第3の居室空間
100 暖房システム
110 室外機
120 空調装置部(空調暖房装置)
122 第2室内機
123 空調用熱交換器
130 床暖房装置部(床暖房装置)
131 放熱シート
160 熱交換媒体回路
161 空気/媒体熱交換器
162 圧縮機
163 室外機媒体回路
163a エアコン用電子膨張弁
164 空調部媒体回路
165 床暖房部媒体回路
165a 温水/媒体熱交換器
165b 温水用電子膨張弁
201 制御装置
202 室内リモートコントローラ
202a 温度設定部
202b 室温センサ
H ユニット建物
Tr 室温
Tt 設定温度
ΔT 差分
ΔTlim3 空調暖房/床暖房切替閾値(切替閾値)
ΔTlim4 並行運転開始閾値
Claims (7)
- 建物の居室に温風を送風して暖房を行う空調暖房装置と、
前記居室の床を温めて暖房を行う床暖房装置と、
前記居室の室温を検出する室温センサと、
前記居室の室温を設定する温度設定部と、
前記温度設定部で設定した設定温度と前記室温センサにより検出される室温とに基づいて、前記空調暖房装置の暖房運転と前記床暖房装置の暖房運転とを制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、暖房運転開始時に、前記空調暖房装置を主体とする暖房運転を行う空調主体暖房運転処理を実行する暖房システム。 - 請求項1に記載の暖房システムにおいて、
前記制御装置は、前記設定温度と前記室温との差分に基づいて、前記空調主体暖房運転処理の実行開始後、前記差分が所定の空調暖房/床暖房切替閾値未満となったら、前記床暖房装置を主体として暖房運転を実行させる床暖房主体暖房運転処理を行う暖房システム。 - 請求項2に記載の暖房システムにおいて、
前記制御装置は、前記床暖房主体暖房運転処理の実行時に、前記差分が所定の並行運転開始閾値を超えた場合は、前記空調暖房装置による暖房運転の割合を大きくする暖房システム。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の暖房システムにおいて、
前記空調暖房装置と前記床暖房装置とは、室外機に設けられた共通のヒートポンプ式の室外機熱交換器に並列に接続されて前記居室を暖房可能な空調用熱交換器と床暖房用熱交換器とを備え、かつ、前記室外機熱交換器を経て圧縮機で圧縮された熱交換媒体を前記空調用熱交換器と前記床暖房用熱交換器に供給して暖房運転を行う暖房システム。 - 請求項4に記載の暖房システムにおいて、
前記制御装置は、前記空調主体暖房運転処理では、前記床暖房用熱交換器よりも前記空調用熱交換器への前記熱交換媒体の供給量が多くなるように制御する暖房システム。 - 請求項2または請求項3を引用する請求項4または請求項5に記載の暖房システムにおいて、
前記制御装置は、前記床暖房主体暖房運転処理では、前記空調用熱交換器よりも前記床暖房用熱交換器への前記熱交換媒体の供給量が多くなるように制御する暖房システム。 - 請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の暖房システムにおいて、
前記制御装置は、前記空調用熱交換器および前記床暖房用熱交換器への前記熱交換媒体の供給量を膨張弁の開度により制御する暖房システム。
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