JP2019173387A - サッシユニット及びフレーム構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】地震時にサッシ枠よってフレーム構造体が破損することを抑制可能なサッシユニット及びフレーム構造体を提供する。【解決手段】本発明に係るサッシユニットは、縦方向に延在する縦サッシ枠部と、前記縦方向に略直交する横方向に延在する横サッシ枠部と、を備えるサッシ枠と、前記縦方向に沿って延在し、前記縦サッシ枠部が取り付けられている縦フレーム部と、前記横方向に沿って延在し、前記縦フレーム部を支持する横フレーム部と、を備え、前記縦フレーム部は、前記サッシ枠の面内変形時に、前記横フレーム部に対して前記縦方向に移動可能である。【選択図】図4
Description
本発明はサッシユニット及びフレーム構造体に関する。
従来から、サッシ枠を含むサッシを建物の構造躯体に取り付けるために、フレーム構造体が使用されている。特許文献1には、建物の構造躯体に取り付けられるフレーム構造体としての第1の枠(特許文献1では「サッシ枠」と表記)と、この第1の枠に取り付けられるサッシ枠としての第2の枠(特許文献1では「面材支持枠」と表記)と、を備えるサッシユニットが開示されている。特許文献1に記載のサッシユニットでは、第1の枠に対する第2の枠の室内外方向に関する取付可能位置が、少なくとも2箇所以上ある。
例えば地震時などにおいて、建物の構造躯体が変形すると、この構造躯体に取り付けられるフレーム構造体、及び、このフレーム構造体に取り付けられるサッシ枠、も面内変形する。しかしながら、フレーム構造体に取り付けられているサッシ枠が、フレーム構造体の面内変形を阻害するように作用する場合がある。そのため、例えば剛性の高いサッシ枠を利用する場合、フレーム構造体が、サッシ枠によって地震時に破損してしまうおそれがある。特許文献1に記載のサッシユニットも上記問題を有している。
そこで本発明は、地震時にサッシ枠よってフレーム構造体が破損することを抑制可能なサッシユニット及びフレーム構造体を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様としてのサッシユニットは、縦方向に延在する縦サッシ枠部と、前記縦方向に略直交する横方向に延在する横サッシ枠部と、を備えるサッシ枠と、前記縦方向に沿って延在し、前記縦サッシ枠部が取り付けられている縦フレーム部と、前記横方向に沿って延在し、前記縦フレーム部を支持する横フレーム部と、を備え、前記縦フレーム部は、前記サッシ枠の面内変形時に、前記横フレーム部に対して前記縦方向に移動可能である。
本発明の1つの実施形態として、前記横サッシ枠部は、前記横フレーム部に支持されていると共に、前記サッシ枠の面内変形時に、前記横フレーム部に対して前記縦方向に移動可能である。
本発明の1つの実施形態として、前記縦サッシ枠部は、前記サッシ枠の面内変形時に前記縦フレーム部に対して前記縦方向に移動可能に、前記縦フレーム部に対して取り付けられている。
本発明の第2の態様としてのフレーム構造体は、サッシ枠を建物の構造躯体に取り付け可能とするフレーム構造体であって、前記サッシ枠の縦サッシ枠部が延在する縦方向に沿うようにして前記縦サッシ枠部に取り付け可能な縦フレーム部と、前記縦方向に略直交する横方向に沿って延在する横フレーム部と、を備え、前記縦フレーム部は、前記横フレーム部に対して前記縦方向に移動可能に、前記横フレーム部に支持されている。
本発明によれば、地震時にサッシ枠によってフレーム構造体が破損することを抑制可能なサッシユニット及びフレーム構造体を提供することができる。
以下、本発明に係るサッシユニット及びフレーム構造体について、図1〜図10を参照して説明する。各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
図1は、本発明の一実施形態としてのサッシユニット200、を備える開口部構造を示す図である。図1は、開口部構造を含む外壁部1の水平断面を示している。図2は、サッシユニット200の分解斜視図である。図3は、サッシユニット200のうち、本発明の一実施形態としてのフレーム構造体100を示す斜視図である。まず、図1に示す開口部構造を備える建物の概略について説明する。
本実施形態の建物は、例えば鉄骨造の軸組みを有する2階建ての住宅であり、鉄筋コンクリート造の基礎と、柱や梁などの軸組部材で構成された軸組架構を有し、基礎に固定された上部構造体と、で構成される。なお、軸組架構を構成する軸組部材は、予め規格化(標準化)されたものであり、予め工場にて製造されたのち建築現場に搬入されて組み立てられる。
上部構造体の軸組架構は、複数の柱及び複数の梁などから構成されている。軸組架構の外周部には、外周壁を構成する外装材等が配置される。また、軸組架構の層間部には、床部を構成する床スラブ材等が配置される。更に、軸組架構の上部には、陸屋根を構成する屋根床スラブ材等が配置される。
建物の外周壁は、例えば、表面側に防水層としての塗膜が形成された軽量気泡コンクリート(ALC)からなるパネル状の外装材を連接されて構成された外部仕上げ層と、例えば、フェノールフォーム等の発泡樹脂系のパネル状の断熱材を外装仕上げ層の内面に沿って連接されて構成された断熱層と、石膏ボートと石膏ボード表面に貼設された壁クロス等の仕上げ材とで構成された内部仕上げ層と、を備えたものとすることができるが、この構成に限定されるものではない。外周壁は、少なくとも所定の防耐火性能及び防水性能を有している。なお、本実施形態の建物は、所謂「外断熱構造」を備えており、軸組架構を構成する柱及び梁に対して、外周壁の厚み方向における屋外側に、断熱材が配置されている。
建物の床部は、床スラブ材を含む。床スラブ材は、軸組架構の梁間に架設され、梁により直接的又は間接的に支持される。床スラブ材としては、例えば、ALCパネルを用いることできるが、折板、押出成形セメント板、木質パネル材などの別の部材を用いてもよい。床部は、床スラブ材に加えて、例えば、床スラブ材に対して直接的又は間接的に取り付けられる、下階としての1階の天井面を構成する天井内装材や、床スラブ材上に積層された、上階としての2階の床面を構成するフローリング等の床内装材などを含むものであってもよい。
なお、陸屋根を構成する屋根床スラブ材についても、ALCパネルを用いることができるが、ALCパネルに限られるものではない。また、屋根床スラブ材は、例えば塩化ビニル樹脂から形成されている防水シート等により覆われることにより、防水処理が施されている。また、建物の屋根は、陸屋根に限らず、スレート等の屋根外装材を用いた勾配屋根としてもよい。
次に、図1〜図3を参照して、開口部構造について説明する。
図1に示すように、外壁部1には開口部2が形成されている。開口部2は、外壁部1の開口部2に面する周囲端面により区画されている。以下、外壁部1の厚み方向Aの屋外側を単に「屋外側」と記載し、外壁部1の厚み方向Aの屋内側を単に「屋内側」と記載する場合がある。図1では、開口部構造に対して上側が屋外側であり、開口部構造に対して下側が屋内側である。
外壁部1とは、建物の屋内空間と屋外空間とを区画する壁であり、上述した外周壁は、外壁部1の一態様である。
より具体的に、本実施形態の外壁部1は、屋外空間に面するパネル状の外装材1aと、外壁部1の厚み方向Aにおいて外装材1aの屋内側に位置するパネル状の断熱材1bと、厚み方向Aにおいて断熱材1bの屋内側に位置し、石膏ボートと石膏ボード表面に貼設された壁クロス等の仕上げ材とで構成された内装材1cと、を備えている。また、本実施形態の断熱材1bは、軸組架構を構成する柱及び梁に対して、外壁部1の厚み方向Aで屋外側に位置している。そして、本実施形態の外壁部1の気密ラインは、断熱ラインの屋内側に形成されている。
開口部2は、外壁部1に形成されている、窓や出入り口などの開口である。図1に示す開口部構造では、開口部2として窓を示しているが、例えば、屋内空間と屋外空間とを行き来可能な出入り口であってもよい。
図1に示す開口部構造は、開口部2が形成されている外壁部1と、サッシ枠3と、第1縦フレーム部4と、横フレーム部5(図2、図3参照)と、第2縦フレーム部6と、建具10と、を備えている。
なお、本実施形態では、図3に示すように、第1縦フレーム部4、横フレーム部5、及び、第2縦フレーム部6、により、サッシ枠3を建物の構造躯体に取り付け可能とするフレーム構造体100が構成されている。また、本実施形態では、図2に示すように、フレーム構造体100及びサッシ枠3により、サッシユニット200が構成されている。図2では、説明の便宜上、フレーム構造体100とサッシ枠3とを別々に示している。
サッシ枠3は、開口部2の周囲を区画する、外壁部1の周囲端面に沿って配置されている。本実施形態の開口部2には、開閉可能な建具10が取り付けられている。したがって、本実施形態のサッシ枠3は、建具10の周囲に位置しており、建具10を開閉可能に保持している。なお、図1に示すように、サッシ枠3の屋内側には、木製の額縁等の内装枠91が設けられている。
なお、本実施形態の建具10は、二重にしたガラス板10aと、この二重にしたガラス板10aの枠材としての框10bと、で構成されているが、この構成に限られるものではない。また、本実施形態では、開口部2に建具10が取り付けられている例を示しているが、この構成に限らず、例えば、はめ殺し窓を設けた構成としてもよい。
図2に示すように、本実施形態のサッシ枠3は、開口部2の水平方向両側に位置し、縦方向としての鉛直方向に延在する2つの縦サッシ枠部11と、縦方向に直交する横方向としての水平方向に延在し、上述の2つの縦サッシ枠部11の間に架設されている2つの横サッシ枠部12と、により構成されている。図1では、サッシ枠3のうち、2つの縦サッシ枠部11が示されている。
縦サッシ枠部11は、アルミニウムなどの金属製の本体部11aと、この本体部11aに対してねじやビス等で締結されている、又は、嵌合されて一体化されている、塩化ビニルなどの樹脂製の断熱部11bと、本体部11aから外壁部1の周囲端面側に向かって突出する突出板部11cと、を備えている。なお、断熱部11bは、本体部11aよりも断熱性能が高い。また、断熱部11bは、本体部11aよりも屋内側に位置している。
横サッシ枠部12は、アルミニウムなどの金属製の本体部12aと、本体部12aから外壁部1の周囲端面側に向かって突出する突出板部12cと、を備えている。なお、横サッシ枠部12が、本体部12aに対してねじやビス等で締結されている、又は、嵌合されて一体化されている、塩化ビニルなどの樹脂製の断熱部を備える構成としてもよい。
図2に示すように、本実施形態の縦サッシ枠部11及び横サッシ枠部12は、縦サッシ枠部11が横サッシ枠部12に勝つようにして接続されている。換言すれば、各横サッシ枠部12は、横サッシ枠部12の長手方向において、2つの縦サッシ枠部11により両側を挟まれている状態で、縦サッシ枠部11と接続されている。
図1〜図3に示すように、第1縦フレーム部4は、縦方向としての鉛直方向に沿って延在している。図2に示すように、第1縦フレーム部4には、上述の縦サッシ枠部11が取り付けられる。
より具体的に、本実施形態の第1縦フレーム部4には、上述のサッシ枠3を取付可能な取付面4aが設けられており、この取付面4aを介して、上述のサッシ枠3が取り付けられている。図1〜図3に示すように、第1縦フレーム部4は、水平方向に離間して2つ設けられており、これら2つの第1縦フレーム部4の間に、サッシ枠3の一部が嵌め込まれる。より具体的に、サッシ枠3の2つの縦サッシ枠部11の本体部11a及び断熱部11bと、サッシ枠3の2つの横サッシ枠部12の本体部12aと、が2つの第1縦フレーム部4の間に厚み方向Aの屋外側から屋内側に向かって嵌め込まれている。そして、この嵌め込みの完了は、図2に示すように、サッシ枠3の縦サッシ枠部11の突出板部11cが、第1縦フレーム部4の取付面4aに当接する位置である。また、この嵌め込みの完了は、図2に示すように、サッシ枠3の横サッシ枠部12の突出板部12cが、後述する横フレーム部5の取付面5aに当接する位置でもある(図2参照)。このように、本実施形態のサッシ枠3は、第1縦フレーム部4及び横フレーム部5に対して位置決めされている。
また、上述したように、サッシ枠3は、第1縦フレーム部4の取付面4aを介して、第1縦フレーム部4に取付可能である。本実施形態において、第1縦フレーム部4の取付面4aは、第1縦フレーム部4のうち、横フレーム部5の幅方向B(図1の開口部構造では外壁部1の厚み方向Aと同じ方向)において、第2縦フレーム部6が位置する側と反対側の面(図1では屋外側の面)により構成されている。また、取付面4aには、複数の挿通孔が形成されている。そして、サッシ枠3の縦サッシ枠部11の突出板部11cにおいても、複数の挿通孔が形成されている。第1縦フレーム部4の取付面4aの挿通孔と、縦サッシ枠部11の突出板部11cの挿通孔と、を共に挿通するねじやビス等の締結部材8bを用いることにより、第1縦フレーム部4に対して、サッシ枠3の縦サッシ枠部11を、直接的に取り付けることができる。このように、本実施形態の第1縦フレーム部4には、ねじやビス等の締結部材8bにより、縦サッシ枠部11が固定されている。
なお、本実施形態の第1縦フレーム部4は、コの字形状の断面外形を有する、鋼材から構成される長尺部材であり、底板部21と、この底板部21の両端から起立する第1側板部22及び第2側板部23と、を備えている。そして、本実施形態の第1縦フレーム部4は、コの字形状の長尺部材の開口が開口部2側に向くように鉛直方向に延在しており、屋外側に位置する第1側板部22のうち屋外側の面により、上述の取付面4aが構成されている。また、底板部21は、外壁部1の外装材1aの開口部2側の端面に当接した状態とされている。
更に、図3に示すように、本実施形態の第1縦フレーム部4は、鉛直方向において、複数の横フレーム部5に挟まれる位置に配置されている。具体的に、本実施形態の第1縦フレーム部4の底板部21及び第2側板部23は、鉛直方向において異なる位置に配置されている2つの横フレーム部5の間に挟まれて配置されている。
より具体的には、図2、図3に示すように、本実施形態の第1縦フレーム部4の第1側板部22は、長手方向両端において、底板部21及び第2側板部23よりも突出して形成されている突出部22aを有する。そして、第1縦フレーム部4の底板部21及び第2側板部23を、第1側板部22の突出部22aが横フレーム部5の取付面5aに当接するまで、2つの横フレーム部5の間に嵌め込む。このようにすることで、第1縦フレーム部4の底板部21及び第2側板部23を、2つの横フレーム部5の間に配置させることができる。第1縦フレーム部4と横フレーム部5との取り付け構成の詳細は後述する。
横フレーム部5は、横方向としての水平方向に沿って延在している。また、横フレーム部5は、第1縦フレーム部4を支持している。本実施形態の横フレーム部5は、鉛直方向の異なる位置に複数設けられている。具体的に、本実施形態では、鉛直方向の異なる位置に2つの横フレーム部5が設けられている。
具体的に、本実施形態の横フレーム部5は、水平方向に沿って延在する長尺部材により構成されている。また、本実施形態の横フレーム部5は、鋼材により構成されている。そして、本実施形態の横フレーム部5は、第2縦フレーム部6に取り付けられる第1鉛直板部31と、この第1鉛直板部31の上端から水平方向に突出する第1水平板部32と、この第1水平板部32の先端から鉛直方向の下方に向かって延在する第2鉛直板部33と、この第2鉛直板部33の下端から第1鉛直板部31側に向かって水平方向に延在する先端板部34と、第1鉛直板部31の下端から第1水平板部32と同方向に向かって突出する第2水平板部35と、この第2水平板部35の先端から鉛直方向の上方に向かって延在する基端板部36と、を備えている。
本実施形態の2つの横フレーム部5は、いずれも同形状を有してする。但し、2つの横フレーム部5は、上下対称になるように配置されており、第1水平板部32同士が、鉛直方向に対向するように配置されている。したがって、上述した本実施形態の第1縦フレーム部4における底板部21及び第2側板部23は、図2、図3に示すように、2つの横フレーム部5の第1水平板部32の間に挟まれて配置されている。また、詳細は後述するが、第1縦フレーム部4は、横フレーム部5により支持されている。
第1鉛直板部31は、後述する第2縦フレーム部6に略平行に延在しており、ねじやビス等の締結部材を用いて締結することで、第2縦フレーム部6に取り付けられる。但し、第1鉛直板部31を、第2縦フレーム部6に対して溶接等することにより取り付けてもよい。
第2鉛直板部33は、横フレーム部5の取付面5aを構成する。つまり、上述したサッシ枠3の横サッシ枠部12の突出板部12cと、横フレーム部5の取付面5aと、をビス等の締結部材8dを用いて締結することで、サッシ枠3を、横フレーム部5に取り付けることができる。このように、サッシ枠3を、直接的に横フレーム部5に対して、取り付けることができる。
より具体的に、横サッシ枠部12の突出板部12cには複数の挿通孔が形成されている。また、横フレーム部5の取付面5aを構成する第2鉛直板部33においても複数の挿通孔が形成されている。したがって、ねじやビス等の締結部材8dを、突出板部12cの挿通孔と、第2鉛直板部33の挿通孔と、を通るように挿通し、締結することで、突出板部12cを取付面5aに締結することができる。このようにして、サッシ枠3を、横フレーム部5に対して直接的に取り付けることができる。
また、詳細は後述するが、縦サッシ枠部11の第1側板部22の鉛直方向上側に位置する突出部22aは、ねじやビス等の締結部材8aにより、上側に位置する横フレーム部5の取付面5aに締結されている。これに対して、縦サッシ枠部11の第1側板部22の鉛直方向下側に位置する突出部22aは、下側に位置する横フレーム部5の取付面5aに締結されていない。この取付構成の詳細は後述する。
本実施形態の第2縦フレーム部6は、上述の横フレーム部5とは別体で構成されており、横フレーム部5に対して、ビスやネジ等の締結部材を用いて締結されることにより、取り付けられているが、この構成に限らず、横フレーム部5と一体で構成されている第2縦フレーム部としてもよい。
第2縦フレーム部6は、複数の横フレーム部5に対して、横フレーム部5の幅方向B(図1の開口部構造では厚み方向Aと同じ方向)の一方側の位置に配置されている。具体的に、本実施形態の第2縦フレーム部6は、横フレーム部5の屋内側に配置されている。
また、本実施形態では、2つの第2縦フレーム部6が設けられている。本実施形態の各第2縦フレーム部6は、鉛直方向に延在する長尺部材により構成されている。更に、本実施形態の第2縦フレーム部6は、鋼材により構成されている。そして、第2縦フレーム部6は、横フレーム部5側に面する正面板部41と、この正面板部41の一端から背面側に向かって延在する側面板部42と、この側面板部42の後端から、正面板部41と平行するように突出する後端板部43と、を備えている。
本実施形態の2つの第2縦フレーム部6は、側面板部42が、正面板部41に対して開口部2側に配置されるように、左右対称に配置されている。
上述の横フレーム部5は、2つの第2縦フレーム部6の正面板部41に跨るように、横フレーム部5の第1鉛直板部31を取り付けることにより、2つの第2縦フレーム部6に対して取り付けられている。
また、第2縦フレーム部6は、横フレーム部5よりも鉛直方向の上方及び下方にそれぞれ突出し、建物の構造躯体に取り付け可能な躯体取付部を備えている。具体的には、図3に示すように、本実施形態の第2縦フレーム部6は、横フレーム部5よりも鉛直方向の上方に突出し、建物の構造躯体としての鉄骨梁に取り付け可能な第1躯体取付部6aを備える。また、図3に示すように、本実施形態の第2縦フレーム部6は、横フレーム部5よりも鉛直方向の下方に突出し、建物の構造躯体としての鉄骨梁に取り付け可能な第2躯体取付部6bを備える。このように、本実施形態の第2縦フレーム部6は、上下梁に対して、ボルト及びナット、ビス、ねじ等の締結部材を用いて締結することで、取付可能である。
ここで、図1〜図3に示すように、第1縦フレーム部4と第2縦フレーム部6とは、横フレーム部5の幅方向B(図1の開口部構造では外壁部1の厚み方向Aと同じ方向)において離間した位置に配置されている。このような構成とすれば、第1縦フレーム部4と第2縦フレーム部6とが横フレーム部5の幅方向Bにおいて離間していない構成とする場合と比較して、断熱ラインを形成し易い。つまり、横フレーム部5の幅方向Bにおける、第1縦フレーム部4と第2縦フレーム部6との間を、断熱材の配置位置として利用することができ、第1縦フレーム部4及び第2縦フレーム部6を設けても、横フレーム部5の延在方向に沿った連続した断熱ラインを、形成し易くすることができる。
なお、図1に示す開口部構造では、横フレーム部5の幅方向Bにおける、第1縦フレーム部4と第2縦フレーム部6の間の位置に、外壁部1の断熱材1bとは別の断熱材9を配置し、外壁部1の断熱材1bと、開口部2に設けられ断熱性を有する建具10と、の間で断熱ラインが分断されないようにしている。このように、第1縦フレーム部4と第2縦フレーム部6とが、横フレーム部5の幅方向Bにおいて離間した位置に配置される開口部構造とすることで、断熱ラインを形成し易くすることができる。
次に、第1縦フレーム部4と横フレーム部5との取り付け構成について説明する。
図4は、第1縦フレーム部4の鉛直方向下側の端部近傍を示す図である。図4に二点鎖線で示すように、第1縦フレーム部4の下端部は、特に地震等が発生していない通常時において、横フレーム部5に支持されている状態である。これに対して、地震時等には、第1縦フレーム部4、横フレーム部5及び第2縦フレーム部6(図3等参照)で構成されるフレーム構造体100、並びに、サッシ枠3に、外壁部1(図1参照)の面内方向(厚み方向Aと直交する方向C)において変形(以下、単に「面内変形」と記載する。)が生じる。より具体的に、サッシ枠3の外周部分であって、縦サッシ枠部11と横サッシ枠部12との接合部分が外側に開くような面内変形が生じる。第1縦フレーム部4は、このようなサッシ枠3の面内変形時に、横フレーム部5に対して、縦方向としての鉛直方向に移動可能である。そのため、フレーム構造体100及びサッシ枠3が面内変形すると、図4に実線で示すように、第1縦フレーム部4の下端部は、横フレーム部5に支持されている状態(図4の二点鎖線の状態)から、横フレーム部5に対して縦方向としての鉛直方向に移動し、横フレーム部5から浮き上がる状態になる。
このように、第1縦フレーム部4を、地震時等において、横フレーム部5に対して縦方向に移動可能な構成とすることにより、フレーム構造体100及びサッシ枠3が面内変形する際に、第1縦フレーム部4が縦サッシ枠部11に取り付けられている構成であっても、縦サッシ枠部11により第1縦フレーム部4が破損することを抑制することができる。以下、この詳細を説明する。
図10は、比較例としてのサッシユニット900について、図4と同様の位置を示す図である。図10に示すように、比較例としてのサッシユニット900は、サッシ枠903と、縦フレーム部904と、横フレーム部905と、を備える。サッシ枠903は、縦サッシ枠部911と、横サッシ枠部912と、を備える。図10(a)は、地震時等ではない通常時におけるサッシユニット900についての、縦フレーム部904の鉛直方向の下側の端部近傍を示している。また、図10(b)は、地震時等におけるサッシユニット900についての、縦フレーム部904の鉛直方向の下側の端部近傍を示している。
図10に示すサッシユニット900では、縦フレーム部904の下端部が、横フレーム部905に対して、ねじ又はビス等の締結部材908aにより締結されている。この点が、図4に示すサッシユニット200と相違する点である。つまり、図10に示す縦フレーム部904は、横フレーム部905に対して縦方向に移動できない状態で固定されている。そのため、縦フレーム部904は、通常時(図10(a)参照)及び地震時(図10(b)参照)の両方において、横フレーム部905に支持された状態が維持される。
ここで、縦フレーム部904は、サッシ枠903の縦サッシ枠部911に取り付けられている。より具体的に、縦フレーム部904は、ねじ又はビス等の締結部材908bにより、縦サッシ枠部911に対して締結されている。そのため、図10(b)に示すように、サッシ枠903、縦フレーム部904及び横フレーム部905が面内変形すると、サッシ枠903の縦サッシ枠部911と縦フレーム部904とは共に、横フレーム部905に対して水平方向に変位しようとする(白抜き矢印P1参照)。しかしながら、縦サッシ枠部911の下端部は、横サッシ枠部912により、白抜き矢印P1方向への変形が阻害される。更に、縦サッシ枠部911の下端部には、隣接する横サッシ枠部912の端面912aのうち鉛直方向の上端部の位置を回動支点Oとして、矢印P2方向にモーメントが作用する。すなわち、図10に示す比較例としてのサッシユニット900では、サッシ枠903、縦フレーム部904及び横フレーム部905が面内変形すると、縦サッシ枠部911の変形が横サッシ枠部912に阻害され、縦サッシ枠部911が図10(b)に実線で示す姿勢に変形しようとする結果、締結部材908bにより締結されている縦フレーム部904を縦方向としての鉛直方向の上方に持ち上げるような力が作用する。しかしながら、縦フレーム部904は、横フレーム部905に締結部材908aにより固定されているため、縦フレーム部904及び縦サッシ枠部911の少なくとも一方が破損するおそれがある。なお、図10(b)に実線で示す縦サッシ枠部911は、実際に変形した姿勢を示すものではない。実際は、締結部材908bの位置は変化しないため、縦サッシ枠部911が図10(a)に示す姿勢から図10(b)に示す姿勢に変化した場合、縦フレーム部904及び縦サッシ枠部911の少なくとも一方は破損した状態となる。
これに対して、図4に示すサッシユニット200では、第1縦フレーム部4の下端部が、横フレーム部5に対して、ねじやビス等の締結部材により固定されていない。そのため、縦サッシ枠部11から、縦サッシ枠部11と締結部材8bにより締結されている第1縦フレーム部4に対して、縦方向としての鉛直方向の上方に持ち上げるような力が作用しても、第1縦フレーム部4が、横フレーム部5に対して、縦方向としての鉛直方向の上方に移動し、力を逃がすことができる。つまり、第1縦フレーム部4及び縦サッシ枠部11の少なくとも一方の破損を抑制することができる。
より具体的に、図4の実線に示すように、サッシ枠3、第1縦フレーム部4及び横フレーム部5が面内変形する際に、縦サッシ枠部11の下端部は、横サッシ枠部12により、白抜き矢印P1方向への変形が阻害される。更に、縦サッシ枠部11の下端部には、隣接する横サッシ枠部12の本体部12aの端面12a1のうち鉛直方向の上端部の位置を回動支点Oとして、矢印P2方向にモーメントが作用する。すなわち、図4に示すサッシユニット200においても、上述した図10に示す比較例としてのサッシユニット900と同様、サッシ枠3、第1縦フレーム部4及び横フレーム部5の面内変形時に、縦サッシ枠部11から、縦サッシ枠部11と締結部材8bにより締結されている第1縦フレーム部4に対して、鉛直方向の上方に持ち上げる力が作用する。しかしながら、上述したように、第1縦フレーム部4の下端部が、横フレーム部5に対して、ねじやビス等の締結部材により固定されていない。そのため、第1縦フレーム部4は、縦サッシ枠部11からの力によって、横フレーム部5から浮き上がるように、縦方向としての鉛直方向の上方に移動する。これにより、第1縦フレーム部4及び縦サッシ枠部11の少なくとも一方の破損を抑制することができる。
なお、本実施形態の第1縦フレーム部4では、その下端部が横フレーム部5に固定されておらず、縦方向としての鉛直方向に移動可能に支持されており、その上端部は、別の横フレーム部5にねじやビス等の締結部材により固定されている。但し、下端部が横フレーム部5に固定されており、上端部が別の横フレーム部に固定されていない第1縦フレーム部としてもよい。更には、周囲の部材により面外方向(厚み方向Aと同じ方向)の移動が規制されている場合などは、下端部及び上端部の両方が、横フレーム部5に対して固定されていない第1縦フレーム部とすることもできる。
より具体的には、図2、図3に示すように、本実施形態の第1縦フレーム部4の底板部21及び第2側板部23は、2つの横フレーム部5の第1水平板部32の間に挟まれており、第1縦フレーム部4の底板部21及び第2側板部23の下端面が、下方に位置する横フレーム部5の第1水平板部32により、鉛直方向下方から支持されている。
また、図2、図3に示すように、上側の横フレーム部5の取付面5a、及び、第1縦フレーム部4の第1側板部22の上側の突出部22a、には挿通孔が形成されている。第1縦フレーム部4の第1側板部22の上側の突出部22aを、上側の横フレーム部5の取付面5aに当接させた状態で、突出部22aの挿通孔と取付面5aの挿通孔とに、ねじやビス等の締結部材8aを挿通し、突出部22a及び取付面5aを締結することで、第1縦フレーム部4の上端部を、上側の横フレーム部5に直接的に取り付けることができる。
これに対して、下側の横フレーム部5の取付面5a、及び、第1縦フレーム部4の第1側板部22の下側の突出部22aは、ねじやビス等の締結部材8aにより締結されていない。そのため、上述したように、第1縦フレーム部4の下端部は、下側の横フレーム部5に対して相対的に、縦方向としての鉛直方向の上側に移動可能である。
なお、本実施形態のフレーム構造体100は2つの第1縦フレーム部4を備えるが、横フレーム部5との取り付け構成は同様である。
また、第1縦フレーム部4は、縦サッシ枠部11に取り付けられており、かつ、通常時には横フレーム部5に支持されており、かつ、サッシ枠3の面内変形時には横フレーム部5に対して縦方向に移動可能である、構成であれば、特に限定されるものではない。そのため、第1縦フレーム部4の代わりに、図5に示すような変形例としての第1縦フレーム部としてもよい。
図5(a)は1つの変形例としての第1縦フレーム部304を示す図である。図5(a)に示す第1縦フレーム部304では、底板部321の下端から、第1側板部322及び第2側板部323よりも下方に突出する突出部321aが設けられている。また、図5(a)に示すように、第1縦フレーム部304を用いる場合には、下側の横フレーム部305の第1水平板部332は、突出部321aが挿通される挿通孔332aを有する構成とする。つまり、第1縦フレーム部304は、突出部321aを挿通孔332aに挿通するようにして、横フレーム部305に取り付けられる。
図5(a)に示す第1縦フレーム部304及び横フレーム部305を用いることにより、第1縦フレーム部304は、上述の第1縦フレーム部4と同様に縦サッシ枠部11(図2等参照)に取り付けられており、かつ、通常時には横フレーム部305に支持されており、かつ、サッシ枠3(図2等参照)の面内変形時には横フレーム部305に対して縦方向に移動可能な構成、を実現できる。なお、第1縦フレーム部304の底板部321、第1側板部322及び第2側板部323は、突出部321aが挿通孔332aに挿通された状態で、横フレーム部305の第1水平板部332に当接し、下方から支持されている。また、サッシ枠3(図2等参照)の面内変形時には、突出部321aが挿通孔332aから抜けるようにして、横フレーム部305に対して縦方向に移動可能である。
図5(b)は別の変形例としての第1縦フレーム部404を示す図である。図5(b)に示すように、横フレーム部5の取付面5a、及び、第1側板部422の下側の突出部422a、には挿通孔が形成されている。第1側板部422の突出部422aを、横フレーム部5の取付面5aに当接させた状態で、突出部422aの挿通孔と取付面5aの挿通孔とに、ねじやビス等の締結部材408aを挿通し、突出部422a及び取付面5aを締結することで、第1縦フレーム部404を、横フレーム部5に直接的に取り付けることができる。図5(b)では、第1側板部422の下側の突出部422aに設けられた挿通孔が、縦方向に延在する長孔422bにより形成されている。
図5(b)に示す第1縦フレーム部404及び横フレーム部5を用いることにより、第1縦フレーム部404は、縦サッシ枠部11(図2等参照)に取り付けられており、かつ、通常時には横フレーム部5に支持されており、かつ、サッシ枠3(図2等参照)の面内変形時には横フレーム部5に対して縦方向に移動可能な構成、を実現できる。なお、第1縦フレーム部404は、底板部421及び第2側板部423の下端面が第1水平板部32に当接することで、横フレーム部5により下方から支持されている。また、第1側板部422の突出部422aに形成されている挿通孔が長孔422bにより形成されているため、サッシ枠3(図2等参照)の面内変形時には、第1縦フレーム部404は、横フレーム部5に対して縦方向に移動可能である。
再び図1〜図4に示すサッシユニット200について説明する。上述したように、サッシ枠3の横サッシ枠部12は、横フレーム部5に対して、ねじやビス等の締結部材8dを用いて、固定されているが、横サッシ枠部12を、横フレーム部5に支持されていると共に、サッシ枠3の面内変形時に、横フレーム部5に対して縦方向に移動可能な構成とすることが好ましい。このようにすれば、上述したサッシ枠3の面内変形時(図4参照)において、横サッシ枠部12が横フレーム部5から浮き上がるように移動して、力を逃がすことができるため、第1縦フレーム部4及び縦サッシ枠部11の少なくとも一方の破損を、より抑制することができる。
本実施形態の横サッシ枠部12は、本体部12aから突出する突出板部12cを第2鉛直板部33に対して締結部材8dにより締結することで、横フレーム部5に固定されているが、例えば、横サッシ枠部12を横フレーム部5に対して固定しない構成とすることにより、サッシ枠3の面内変形時に横フレーム部5に対して縦方向に移動可能な横サッシ枠部とすることができる。つまり、サッシ枠3の面内変形時に、縦フレーム部4が横フレーム部5に対して縦方向に移動可能であることに加えて、横サッシ枠部が横フレーム部5に対して縦方向に移動可能な構成とすることができる。
図6は、サッシ枠3の面内変形時(図4参照)に、横フレーム部5に対して縦方向に移動可能な横サッシ枠部512の一例を示す図である。横サッシ枠部512は、横フレーム部5に対して締結部材により固定されていない。但し、横フレーム部5に対する面外方向としての厚み方向Aでの移動・変形を抑制するため、図6に示す横サッシ枠部512は、本体部512aから突設されている2つの突出板部512b及び512cを備えている。2つの突出板部512b及び512cは、厚み方向Aにおいて横フレーム部5を挟む位置に配置されている。そのため、図6に示す横サッシ枠部512は、横フレーム部5に対して縦方向としての鉛直方向に移動可能である一方で、厚み方向Aへの移動が横フレーム部5により規制されている。このように、図6に示す2つの突出板部512b及び512cのような、横サッシ枠部512の面外方向における移動・変形を規制する規制部を設けることが好ましい。規制部を設けることで、地震時などではない通常時におけるサッシユニットの構造安定性を高めることができる。
なお、図6に示す例では、横サッシ枠部512の2つの突出板部512b及び512cが、厚み方向Aにおいて、横フレーム部5の第1鉛直板部31及び第2鉛直板部33を挟み込む構成であるが、横サッシ枠部の横フレーム部に対する厚み方向Aへの移動・変形が規制できる構成は、図6に示す横サッシ枠部512及び横フレーム部5の構成に限られるものではない。
図7、図8は、横サッシ枠部が横フレーム部に対する厚み方向Aへの移動・変形を規制する別の例を示す図である。具体的に、図7(a)に示す横サッシ枠部612は、下方に開口する凹部612dが形成されている本体部612aと、この本体部612aから突設されている2つの突出板部612b及び612cと、を備えている。
図7(b)は図7(a)における横フレーム部605を示す図である。図7(a)、図7(b)に示す横フレーム部605は、上述した横フレーム部5と比較して、第1水平板部の構成が相違するが、その他の構成は同様である。図7に示す横フレーム部605の第1水平板部632には、横サッシ枠部612の本体部612aの凹部612dに入り込む板状の突出部632aが形成されている。この板状の突出部632aは、第1水平板部632の一部をフラップ状に折り曲げることで形成されており、第1水平板部632のうち板状の突出部632aと隣接する位置には、貫通孔632bが形成されている。
図7(a)に示すように、横サッシ枠部612の突出板部612cは、横フレーム部605の第2鉛直板部33の屋外側の面と当接している。また、図7(a)に示すように、横サッシ枠部612の突出板部612bは、横フレーム部605の第1水平板部632に沿って水平方向に延在する基端板部612b1と、この基端板部612b1に連続し、鉛直方向の下方に延在する先端板部612b2と、を備える。この突出板部612bの先端板部612b2は、横フレーム部605の第1鉛直板部31の屋内側の面と当接している。更に、図7(a)に示すように、横サッシ枠部612の本体部612aの凹部612dの内壁は、横フレーム部605の突出部632aに屋内側の面と当接している。このように、図7に示す横サッシ枠部612は、突出部632a及び第1鉛直板部31により、屋外側への移動・変形が規制され、第2鉛直板部33により、屋内側への移動・変形が規制されている。図7に横サッシ枠部612及び横フレーム部605の構成では、上述の3箇所で厚み方向Aの移動・変形を規制するため、2箇所で厚み方向Aの移動・変形を規制する図6に示す構成と比較して、より確実に、横サッシ枠部612の横フレーム部605に対する厚み方向Aの移動・変形を抑制することができる。
更に、図8(a)に示す横サッシ枠部712は、下方に開口する凹部712dが形成されている本体部712aと、この本体部712aから突設されている1つの突出板部712cと、を備えている。
図8(b)は図8(a)における横フレーム部705を示す図である。図8(b)に示す横フレーム部705は、上述した横フレーム部5と比較して、第1水平板部の構成が相違するが、その他の構成は同様である。図8に示す横フレーム部705の第1水平板部732には、横サッシ枠部712の本体部712aの凹部712dに入り込むブロック状の突出部732aが形成されている。ブロック状の突出部732aは、例えば溶接等することにより、第1水平板部732と一体化されている。
図8(a)に示すように、横サッシ枠部712の突出板部712cは、横フレーム部705の第2鉛直板部33の屋外側の面と当接している。また、図8(a)に示すように、横サッシ枠部712の本体部712aの凹部712dの内壁は、横フレーム部705のブロック状の突出部732aに屋内側の面と当接している。このように、図8に示す横サッシ枠部712は、ブロック状の突出部732aにより、屋外側への移動・変形が規制され、第2鉛直板部33により、屋内側への移動・変形が規制されている。図8に示す横フレーム部705のブロック状の突出部732aは、図7に示す板状の突出部632aよりも剛性が高く、変形し難い。そのため、図8に示す横フレーム部705とすることで、横サッシ枠部712を1つのみの突出板部712cを有する構成とすることができ、図7に示す横サッシ枠部612よりも厚み方向Aの厚みが薄い横サッシ枠部712を実現し易くなる。
本発明に係るサッシユニット及びフレーム構造体は、上述した実施形態及び変形例に示す構成に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更が可能である。例えば、上述の実施形態及び変形例で示す第1縦フレーム部及び縦サッシ枠部は、ねじやビス等の締結部材により相対移動ができないように固定されているが、第1縦フレーム部及び縦サッシ枠部を相対的に縦方向に移動可能に取り付ける構成としてもよい。図9は、第1縦フレーム部804と、縦サッシ枠部811と、が相対的に縦方向に移動可能な状態で、ねじやビス等の締結部材808bを利用して取り付けられている構成を示す。図9に示すように、縦サッシ枠部811には、縦方向に延在する長孔811dが形成されており、この長孔811dを利用することで、第1縦フレーム部804及び縦サッシ枠部811は、ねじやビス等の締結部材808bにより取り付けられている。
図9では、通常時の縦サッシ枠部811及び第1縦フレーム部804の位置を二点鎖線で示し、サッシ枠803の面内変形時の縦サッシ枠部811及び第1縦フレーム部804の位置を実線で示している。図9に実線で示すように、サッシ枠803が面内変形すると、第1縦フレーム部804が横フレーム部805に固定されていないため、第1縦フレーム部804は横フレーム部805に対して縦方向に移動する。更に、図9に示す例では、第1縦フレーム部804及び縦サッシ枠部811も相対的に縦方向に移動可能に取り付けられているため、サッシ枠803の面内変形時に横サッシ枠部12から作用する力を、第1縦フレーム部804及び縦サッシ枠部811が相対的に移動することによっても逃がすことができる。したがって、図9の構成によれば、第1縦フレーム部804及び縦サッシ枠部811の少なくとも一方の破損を、より一層、抑制することができる。
本発明はサッシユニット及びフレーム構造体に関する。
1:外壁部
1a:外装材
1b:断熱材
1c:内装材
2:開口部
3、803:サッシ枠
4、304、404,804:第1縦フレーム部
4a:取付面
5、305、605、705、805:横フレーム部
5a:取付面
6:第2縦フレーム部
6a:第1躯体取付部
6b:第2躯体取付部
8a、8b、8d、408a、808b:締結部材
9:断熱材
10:建具
10a:ガラス板
10b:框
11、811:縦サッシ枠部
11a:本体部
11b:断熱部
11c:突出板部
12、512、612、712:横サッシ枠部
12a、512a、612a、712a:本体部
12a1:本体部の端面
12c、
512b、512c、612b、612c、712c:突出板部
21、321、421:底板部
22、322、422:第1側板部
22a、422a:突出部
23、323、423:第2側板部
31:第1鉛直板部
32、332、632、732:第1水平板部
33:第2鉛直板部
34:先端板部
35:第2水平板部
36:基端板部
41:正面板部
42:側面板部
43:後端板部
91:内装枠
100:フレーム構造体
200:サッシユニット
321a:突出部
332a、632a、732a:挿通孔
422b:長孔
612b1:基端板部
612b2:先端板部
612d、712d:凹部
632b:貫通孔
811d:長孔
900:サッシユニット
903:サッシ枠
904:縦フレーム部
905:横フレーム部
908a、908b:締結部材
911:縦サッシ枠部
912:横サッシ枠部
912a:端面
A:外壁部の厚み方向
B:横フレーム部の幅方向
C:体壁部の厚み方向と直交する方向(面内方向)
O:回動支点
1a:外装材
1b:断熱材
1c:内装材
2:開口部
3、803:サッシ枠
4、304、404,804:第1縦フレーム部
4a:取付面
5、305、605、705、805:横フレーム部
5a:取付面
6:第2縦フレーム部
6a:第1躯体取付部
6b:第2躯体取付部
8a、8b、8d、408a、808b:締結部材
9:断熱材
10:建具
10a:ガラス板
10b:框
11、811:縦サッシ枠部
11a:本体部
11b:断熱部
11c:突出板部
12、512、612、712:横サッシ枠部
12a、512a、612a、712a:本体部
12a1:本体部の端面
12c、
512b、512c、612b、612c、712c:突出板部
21、321、421:底板部
22、322、422:第1側板部
22a、422a:突出部
23、323、423:第2側板部
31:第1鉛直板部
32、332、632、732:第1水平板部
33:第2鉛直板部
34:先端板部
35:第2水平板部
36:基端板部
41:正面板部
42:側面板部
43:後端板部
91:内装枠
100:フレーム構造体
200:サッシユニット
321a:突出部
332a、632a、732a:挿通孔
422b:長孔
612b1:基端板部
612b2:先端板部
612d、712d:凹部
632b:貫通孔
811d:長孔
900:サッシユニット
903:サッシ枠
904:縦フレーム部
905:横フレーム部
908a、908b:締結部材
911:縦サッシ枠部
912:横サッシ枠部
912a:端面
A:外壁部の厚み方向
B:横フレーム部の幅方向
C:体壁部の厚み方向と直交する方向(面内方向)
O:回動支点
Claims (4)
- 縦方向に延在する縦サッシ枠部と、前記縦方向に略直交する横方向に延在する横サッシ枠部と、を備えるサッシ枠と、
前記縦方向に沿って延在し、前記縦サッシ枠部が取り付けられている縦フレーム部と、
前記横方向に沿って延在し、前記縦フレーム部を支持する横フレーム部と、を備え、
前記縦フレーム部は、前記サッシ枠の面内変形時に、前記横フレーム部に対して前記縦方向に移動可能である、サッシユニット。 - 前記横サッシ枠部は、前記横フレーム部に支持されていると共に、前記サッシ枠の面内変形時に、前記横フレーム部に対して前記縦方向に移動可能である、請求項1に記載のサッシユニット。
- 前記縦サッシ枠部は、前記サッシ枠の面内変形時に前記縦フレーム部に対して前記縦方向に移動可能に、前記縦フレーム部に対して取り付けられている、請求項1又は2に記載のサッシユニット。
- サッシ枠を建物の構造躯体に取り付け可能とするフレーム構造体であって、
前記サッシ枠の縦サッシ枠部が延在する縦方向に沿うようにして前記縦サッシ枠部に取り付け可能な縦フレーム部と、
前記縦方向に略直交する横方向に沿って延在する横フレーム部と、を備え、
前記縦フレーム部は、前記横フレーム部に対して前記縦方向に移動可能に、前記横フレーム部に支持されている、フレーム構造体。
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2018
- 2018-03-28 JP JP2018062799A patent/JP7054357B2/ja active Active
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