JP2019157335A - 外壁修復方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材面から剥離している壁材を効率的に修復する外壁修復方法を提供する。【解決手段】本発明の外壁修復方法は、外壁を修復する外壁修復方法であって、外壁は、基材層と、基材層の表面である基材面に形成された接着層と、接着層の表面である壁面に取り付けられた壁材を備え、壁材の表面から接着層を貫通して基材層に到達する注入孔を穿孔する穿孔工程と、注入孔に、充填剤を注入可能な注入器を装着する装着工程と、注入器から基材面と接着層との間の空隙に、充填剤を注入する注入工程と、空隙に注入された充填剤が固化する固化工程と、を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、経年劣化や外的要因などで基材面から浮いたり剥離したりしている壁材を修復する、外壁修復方法に関する。
我が国を始め、世界中には多くの建造物がある。集合住宅やビルなどの建造物は、その壁面にタイルやセラミックなどの壁材を備えている。これらの壁材は、タイルなどに代表されるように、複数の壁材として、壁面に取り付けられている。例えば、これらの壁材は、モルタルや接着剤によって壁面に固定されている。
これらタイルなどの複数の壁材が壁面に取り付けられることにより、建造物の外壁が構成される。多くの建造物は、基材としてのコンクリートなどの基材面の上に、接着層が塗布されて壁面が形成され、この壁面に壁材が取り付けられる。この接着層が、モルタルなどである。
しかしながら、これら複数の壁材は、立地環境、建物の設計、タイルの選定、施工時の天候、施工不良などや、固定されてからの時間経過によって、固定が弱まったり、地震や車両通行など外力による振動などの外的要因を起因としたりして、壁面から浮いた状態になったり剥離しかかったりすることがある。特に、集合住宅やビルなどには、多量の壁材が取り付けられており、風雨にさらされたり日光にさらされたりすることで、複数の壁材の一部やいずれかが浮いたり剥離しかかったりすることがある。
このように、浮いたり剥離しかかったりしている壁材を放置することは、壁材の落下に繋がることになり非常に危険である。このため、浮いている壁材を固定することが行われている。この固定には、様々なやり方があるが、例えば、浮いている壁材に孔を開け(壁面にまで孔を貫通させる)、この孔にボルトなどを挿入して、壁材が固定される。
このような壁材に穿孔した後で、ボルトなどで固定する固定装置や固定方法については、種々の技術が提案されている。その中でも、例えば、浮きのある壁材に孔を開け、この孔の中にグリスガンなどで接着剤を注入して、アンカーピンを接着剤で固定して壁材を固定する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1、2に開示される技術は、上述のように接着剤を用いて壁材を貫通するアンカーピンを固定することで、浮きのある壁材を固定する。タイルなどの壁材に穴を空けて、ここにアンカーピンを挿入する。このとき、接着剤も挿入しておくことで、アンカーピンを固定する。このアンカーピンが固定されることで、浮いたり剥離したりしているタイルなどの壁材を、壁面に固定することができる。
しかしながら、壁面には大量の壁材が貼り付けられており、これらの内で、問題のある壁材を選び出すのは非常な手間である問題がある。また、問題のある壁材のみに固定作業を行うことも、非常な手間となる問題がある。加えて、問題ある壁材を把握する精度の低さにより、問題ある壁材を確実に修復できない問題もあり得る。
また、特許文献1や特許文献2は、接着層であるモルタル層の表面である壁面からタイルなどの壁材が浮いている場合に対応する技術である。このような場合には、一つ一つの壁材をアンカーピンで固定することが有効である。
しかしながら、実際の建造物においては、接着層の表面である壁面から壁材が浮いているのではなく、コンクリートなどの基材部分の表面である基材面から浮いていることが多い。すなわち、接着層と壁材とが一体のままで、基材面から浮いてしまっていることが多い。
このような場合においては、アンカーピンで固定するだけでは不十分である問題もある。
また、タイルなどの壁材の一つ一つが浮いているのではなく、複数のタイルがまとまって接着層と一緒に基材面から浮いている状態である。このような場合に、分離していないタイルなどの壁材一つ一つにアンカーピンを打ち込んで修復することは極めて非効率である。非効率であるがゆえに、修復のコストが嵩んだり、修復工事がすべてに行き届かない問題もある。
特に、我が国では20、30年前に建てられた集合住宅が多数あり、現在では、これらの外壁修復が必要な事態となっている。多くの建造物の外壁を修復していかなければならない状態で、修復コストや手間がかかってしまう現状を改善する必要がある。
本発明は、これらの課題に鑑み、基材面から剥離している壁材を効率的に修復する外壁修復方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の外壁修復方法は、外壁を修復する外壁修復方法であって、
外壁は、
基材層と、
基材層の表面である基材面に形成された接着層と、
接着層の表面である壁面に取り付けられた壁材を備え、
壁材の表面から接着層を貫通して基材層に到達する注入孔を穿孔する穿孔工程と、
注入孔に、充填剤を注入可能な注入器を装着する装着工程と、
注入器から基材面と接着層との間の空隙に、充填剤を注入する注入工程と、
空隙に注入された充填剤が固化する固化工程と、を備える。
外壁は、
基材層と、
基材層の表面である基材面に形成された接着層と、
接着層の表面である壁面に取り付けられた壁材を備え、
壁材の表面から接着層を貫通して基材層に到達する注入孔を穿孔する穿孔工程と、
注入孔に、充填剤を注入可能な注入器を装着する装着工程と、
注入器から基材面と接着層との間の空隙に、充填剤を注入する注入工程と、
空隙に注入された充填剤が固化する固化工程と、を備える。
本発明の外壁修復方法は、基材面から接着層と一体となって浮いたり剥離したりしている壁材を、領域ごとにまとめて修復できる。壁材の外部から基材面と接着層との間の空隙に充填剤を充填することで作業ができるので、作業効率が高い。
また、充填剤を充填する際に、充填剤の圧力によって壁材が浮いたりすることを防止する対応を取ることで、作業精度を上げることもできる。
基材面から浮いている壁材を、空隙のある領域ごとにまとめて修復できることで、修復コストを下げつつ作業の手間を下げることができる。結果として、修復工事が行き届くメリットがある。
また、充填剤を充填する際に、充填剤の圧力によって壁材が浮いたりすることを防止する対応を取ることで、作業精度を上げることもできる。
基材面から浮いている壁材を、空隙のある領域ごとにまとめて修復できることで、修復コストを下げつつ作業の手間を下げることができる。結果として、修復工事が行き届くメリットがある。
本発明の第1の発明に係る外壁修復方法は、外壁を修復する外壁修復方法であって、
外壁は、
基材層と、
基材層の表面である基材面に形成された接着層と、
接着層の表面である壁面に取り付けられた壁材を備え、
壁材の表面から接着層を貫通して基材層に到達する注入孔を穿孔する穿孔工程と、
注入孔に、充填剤を注入可能な注入器を装着する装着工程と、
注入器から基材面と接着層との間の空隙に、充填剤を注入する注入工程と、
空隙に注入された充填剤が固化する固化工程と、を備える
外壁は、
基材層と、
基材層の表面である基材面に形成された接着層と、
接着層の表面である壁面に取り付けられた壁材を備え、
壁材の表面から接着層を貫通して基材層に到達する注入孔を穿孔する穿孔工程と、
注入孔に、充填剤を注入可能な注入器を装着する装着工程と、
注入器から基材面と接着層との間の空隙に、充填剤を注入する注入工程と、
空隙に注入された充填剤が固化する固化工程と、を備える
この構成により、基材層と接着層のとの間に生じる空隙を、容易かつ確実に充填して修復できる。
本発明の第2の発明に係る外壁修復方法では、第1の発明に加えて、外壁において、基材層と接着層の間に空隙が生じており、
当該空隙により、接着層と壁材が一体として剥離している。
当該空隙により、接着層と壁材が一体として剥離している。
この構成により、基材層と接着層との間の空隙を解消することが適切である。
本発明の第3の発明に係る外壁修復方法では、第1または第2の発明に加えて、注入器は、充填剤を低圧で注入する。
この構成により、充填剤の注入において空隙から壁材などが浮いてしまうなどの問題を防止できる。
本発明の第4の発明に係る外壁修復方法では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、充填剤は、低濃度である。
この構成により、充填剤の注入における圧力を上げすぎるのを防止できる。
本発明の第5の発明に係る外壁修復方法では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、壁面は、複数の壁材を取り付けており、
複数の壁材は、間隔部をおいて配置されており、
注入工程の前に、間隔部の表面に蓋をする蓋形成工程を更に備える。
複数の壁材は、間隔部をおいて配置されており、
注入工程の前に、間隔部の表面に蓋をする蓋形成工程を更に備える。
この構成により、充填剤の注入によって間隔部から充填剤が漏出したり、間隔部が圧力によって破壊されたりすることを防止できる。
本発明の第6の発明に係る外壁修復方法では、第5の発明に加えて、蓋は、樹脂によって形成される。
この構成により、蓋の形成が容易であり、後で取り外すことも容易である。
本発明の第7の発明に係る外壁修復方法では、第1から第6の発明に加えて、空隙の生じている部位を検出する、空隙検出工程を更に備える。
この構成により、空隙を検出して修復作業を容易とできる。
本発明の第8の発明に係る外壁修復方法では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、注入工程の前において、空隙領域に対応する部分において、壁材から基材層までに到達する固定部材を取り付ける固定工程を、更に備える。
この構成により、充填剤の注入時において、注入圧力によって壁材が浮いてしまうなどの問題も生じさせない。
本発明の第9の発明に係る外壁修復方法では、第8発明に加えて、固定部材は、空隙領域に対応する接着層と壁材を、基材層に押し付ける圧力を付与する。
この構成により、充填剤の注入時において、注入圧力によって壁材が浮いてしまうなどの問題も生じさせない。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態)
(発明者による解析)
建造物の外壁における剥離などの問題について、発明者の解析を説明する。多くの建造物は、基本部分である基材を有している。いわゆるコンクリートなどで形成されている外形である。すなわち、このコンクリートで形成されている基本部分が基材層である。この基材層の表面に接着層が形成される。この接着層は、外壁の一番の表面であるタイルなどの壁材を接着するための層である。この接着層は、モルタルなどで形成される。
建造物の外壁における剥離などの問題について、発明者の解析を説明する。多くの建造物は、基本部分である基材を有している。いわゆるコンクリートなどで形成されている外形である。すなわち、このコンクリートで形成されている基本部分が基材層である。この基材層の表面に接着層が形成される。この接着層は、外壁の一番の表面であるタイルなどの壁材を接着するための層である。この接着層は、モルタルなどで形成される。
この接着層の表面に、タイルなどの壁材が取り付けられて、外壁表面は、タイルなどの壁材で覆われるようになる。このようにして建造物の外壁が構成される。
この外壁は、外界にさらされているために、風雨や物理的衝撃を受ける。これに加えて経年劣化も生じる。このような外部影響と経年劣化などによって、壁材が浮いたり剥離したりすることが生じてしまう。剥離や浮きなどが放置されると、タイルなどの壁材が外れてしまうことが生じる。
このため、剥離や浮きが生じている壁材を検査して、必要に応じて落下前に取り外すなどの予防作業が行われることがある。あるいは、実際に落下してしまうこともある。
ここで、壁材の剥離としては、タイルなどの壁材の裏面の破断、壁材と接着層の剥離、接着層と基材層との剥離などがあり得る。これらは、設計上の原因があることがある。例えば、壁材の選択ミスなどである。あるいは、施工上の原因がある。例えば、基材層であるコンクリートの汚れや、接着層であるモルタルの汚れや整備不良などである。もちろん、壁材を押さえる圧着不足の問題もある。
図1は、ある建造物の外壁の一部において、壁材であるタイルが外れた状態を示す写真である。外壁の一部が外れてしまっている。
ここで、発明者が解析する前においては、タイルなどの壁材が、接着層の上から剥離して外れるものと考えられていた。すなわち、接着層の表面と壁材との接着面の接着力が弱くなって、壁材が外れるものと考えられていた。すなわち、壁材であるタイルが、接着層から剥離して外れるものであると考えられていた。
このため、剥離しかかっているタイルなどの壁材の一つずつに対して補修を行うことが行われていた。例えば、壁材の一つ一つに、表面から貫通孔をあけて固定ピンで固定するなどの作業が行われていた。これらの作業は、非常に手間が掛かり、コストもかさむ問題があった。
一方で、多くの国において、多数のマンションやビルなどの大型建造物が建てられており、毎年多くの建造物が、大規模改修などのメンテナンス時期を迎えている。しかし、このようなメンテナンス作業を行う職人が減っている事情もあり、上述のような壁材一つずつの補修を行うことが難しくなっている。
発明者は、剥離あるいは外れた壁材と外壁とを入念に調査したところ、接着層の表面から壁材が外れているのではなく、壁材と接着層が一体となって、基材層の表面から外れていることを確認した。図1における壁材が外れている範囲においては、いずれも基材層の表面から、接着層と壁材とが一緒になって外れている。
図2、図3は、外れた壁材の写真である。図2、図3の写真から分かるように、壁材であるタイルの裏面に接着層であるモルタルが付いたままで外れている。壁材であるタイルが独立して外れているものではない。このように、タイルなどの壁材が接着層の表面から独立して剥離したり浮いたりしているのではなく、基材層の表面から接着層と一体となって剥離したり浮いたりしていることが、発明者の解析によって確認された。
発明者は、この解析に基づいて、タイルなどの壁材の一つ一つを補修するのではなく、基材層と接着層との間に生じている剥離を補修することが適切であるとの発明に至った。この基材層と接着層の間に生じている剥離を補修することで、本質的な修復が可能となるからである。加えて、壁材一つずつを修復作業する手間を省くことができ、今後起こりうる多くの建造物の大規模修繕において効率的であるからである。
(全体概要)
本発明の外壁修復方法の全体概要について説明する。図4は、本発明の実施の形態1における外壁修復方法の全体像を示す模式図である。図5は、本発明の実施の形態1における外壁修復方法のフローチャートである。図4は、修復対象となる外壁と、外壁を修復する際に必要となる機器を合わせて示している。図5は、この図4の状態での外壁修復の処理手順をフローチャートとして表している。
本発明の外壁修復方法の全体概要について説明する。図4は、本発明の実施の形態1における外壁修復方法の全体像を示す模式図である。図5は、本発明の実施の形態1における外壁修復方法のフローチャートである。図4は、修復対象となる外壁と、外壁を修復する際に必要となる機器を合わせて示している。図5は、この図4の状態での外壁修復の処理手順をフローチャートとして表している。
外壁10は、基材層1、接着層2、壁材3で構成されている。基材層1は、建造物の外形を形成する。コンクリートなどで形成される。接着層2は、基材層1の表面に設けられ、モルタルなどの壁材4を接着可能な素材である。なお、接着層2は、1層であっても2層であってもよい。
壁材3は、タイルなどである。壁材3は、接着層2の表面に取り付けられている。このとき、タイル同士の間隔においては、目地が詰められている。接着23の表面は、壁面となっており、この壁面に壁材3が取り付けられる。接着層2の接着能力によって、壁材3が取り付けられる。なお、壁材3は、タイル目地などの部分も含む概念である。
ここで、図4では、基材層1と接着層2との間に剥離である空隙4が生じている状態を示している。この空隙4が生じることで、図1〜図3で説明したように、壁材3は接着層2と一体となって外れてしまう。
壁材3の表面から、注入孔5が設けられている。これは図5の穿孔工程ST1によって形成される。この注入孔5の入り口に、注入器6が装着される。この注入器6の装着は、図5の装着工程ST2によって行われる。
注入器6は、内部に充填剤7を収容している。注入器6は、注入孔5の入り口に装着されており、注入器6が圧力を加えることで、充填剤7を注入孔5に注入することができる。この注入孔5は、空隙4に繋がっている。この結果、注入孔5に注入された充填剤7は、空隙4にも注入されて充填されていく。これは、図5の注入工程ST3である。
図4では、空隙4の一部に充填剤7が充填されている途中状態を示している。空隙4全体に、注入工程ST3によって、充填剤7が充填されていく。
空隙4に注入された充填剤7は化学反応により固化する。この固化によって、充填剤7が空隙4を充填すると共に空隙4による剥離を戻すことができる(基材層1と接着層2とを、元通りの接着状態とできる)。これによって、基材層1の表面の剥離が無くなる。
図5においては、この外壁修復方法の手順が示されている。
穿孔工程ST1にて、壁材3の表面から接着層2を貫通して基材層1に到達する注入孔5が形成される。図4の注入孔5は、このステップST1の穿孔工程で形成される。注入孔5が、壁材3から基材層1に到達することで、基材層1と接着層2との間の空隙に、充填剤7を導くことができる。
次いで、装着工程ST2にて、注入孔5の入り口に注入器6が装着される。図4では、装着後の状態が示されている。注入器6は、内部に充填剤7を収容しており、圧力をかけることで、充填剤7を注入孔5内部に注入することができる。
また、注入器6は、修復する外壁10の形状や大きさによって、使用される種類が変えられれば良い。
次いで、注入工程ST3にて、注入器6から注入孔5に充填剤7が注入される。ここで、注入孔5は、基材層1に到達しているので、基材層1と接着層2との間に生じている空隙4にも、充填剤7を導くことができる。この結果、注入工程ST3によって、空隙4に充填剤7が充填される。結果として、空隙4全体に充填剤7が充填される状態となる。
最後に、固化工程ST4にて、注入された充填剤7が固化する。固化によって、空隙4の修復が完了する。空隙4が充填されて、基材層1と接着層2との間の空隙が消失して、剥離や浮きが解消されるからである。
次に、各部の詳細やバリエーションについて説明する。
(空隙)
図1〜図4で説明したように、壁材3は接着層2と一体として、基材層1の表面から剥離したり浮いたりしている。このため、壁材3が外れてしまう場合には、基材層1の表面から外れてしまう。すなわち外壁10において、基材層1と接着層2との間に空隙4が生じている。
図1〜図4で説明したように、壁材3は接着層2と一体として、基材層1の表面から剥離したり浮いたりしている。このため、壁材3が外れてしまう場合には、基材層1の表面から外れてしまう。すなわち外壁10において、基材層1と接着層2との間に空隙4が生じている。
この空隙4が生じていることで、壁材3と接着層2とが一体となって剥離する。
この空隙4に上述の通り、充填剤7が充填されて固化することで、空隙4が補修される。言い換えれば、補修されることで、空隙による壁材3の落下などが防止される。
(注入器)
注入器6は、注入孔5に装着される。この装着によって、注入器6は、充填剤7を注入孔5を介して注入できる。このとき、注入器6は、充填剤7を低圧で注入する。低圧で注入することで、空隙4に対して注入圧力を過度にかけすぎずに済む。
注入器6は、注入孔5に装着される。この装着によって、注入器6は、充填剤7を注入孔5を介して注入できる。このとき、注入器6は、充填剤7を低圧で注入する。低圧で注入することで、空隙4に対して注入圧力を過度にかけすぎずに済む。
充填剤7が注入される際には、注入器6が圧力を加えて充填剤7を注入する。この圧力を有した状態で、充填剤7が入り込んでいく。この圧力によって、充填剤7が空隙4に圧力を加えてしまう。このとき、空隙に充填剤7の圧力が加わり、空隙4の上にある接着層2や壁材1に対して、表面側に向けた圧力が加わってしまう。
この圧力の加わり方によっては、空隙4の表面にある壁材3が外れてしまうこともあり得る。充填剤7を充填することによる圧力付与のデメリットの可能性である。
これに対応するために、注入器6による充填剤7の注入時の圧力が低いことが好適である。低圧で注入することで、上述のような空隙4の表面の壁材3などが外れてしまうことが防止できる。
このように、注入器6は、低圧で充填剤7を注入することも好適である。また、注入器6は、手動で充填剤7を注入してもよいし、自動で充填剤7を注入してもよい。注入孔5の入り口に装着されると、自動で圧力が付与されて、注入器5が充填剤7を注入孔5内部に注入していく。
注入器6の大きさは、修復対象の外壁10の形態、大きさなどによって定まればよい。また、一つの空隙4に対して、一つの注入孔5が穿たれて一つの注入器6が使用されてもよいし、あるいは、一つの空隙4に対して、複数の注入孔5が穿たれてそれぞれに対応する複数の注入器6が使用されてもよい。
後者の場合には、空隙4が大きい場合に、効率的な修復作業が可能となる。
(注入孔)
注入孔5は、壁材3の上から基材層1に到達するところまで穿たれる。ドリルやその他の器具で壁材3の表面から注入孔5が穿たれればよい。注入孔5は、基材層1にまで到達することで、注入孔5は、空隙4と確実に連通できる。この連通によって、注入孔5の入り口から注入された充填剤7は、空隙4に注入される。
注入孔5は、壁材3の上から基材層1に到達するところまで穿たれる。ドリルやその他の器具で壁材3の表面から注入孔5が穿たれればよい。注入孔5は、基材層1にまで到達することで、注入孔5は、空隙4と確実に連通できる。この連通によって、注入孔5の入り口から注入された充填剤7は、空隙4に注入される。
なお、注入孔5は、上述のように複数穿たれてもよい。
(充填剤)
充填剤7は、予め注入器6に収容されている。充填剤7は、液状樹脂などであって、注入時には液状であることで、充填が可能である。更に、充填後には固化して固定材として機能する。
充填剤7は、予め注入器6に収容されている。充填剤7は、液状樹脂などであって、注入時には液状であることで、充填が可能である。更に、充填後には固化して固定材として機能する。
このように、使用時には液状やゲル状であり、使用後に固化する機能をもつものであれば、様々な素材が充填剤7として用いられる。
ここで、充填剤7は、低濃度であることが好ましい。低濃度であることで、空隙4に充填される際に、空隙4に高すぎる圧力を付与することを防止できるからである。
空隙4においては、基材層1から接着層2と壁材3が浮いている状態である。空隙4に注入される充填剤7の濃度が高いと、この浮いている状態に対して高い圧力を付与してしまう。この高い圧力の付与によって、充填剤7の充填中において壁材3が外れてしまうなどの問題が生じてしまう。
充填剤7が低濃度であることで、高すぎる圧力が付与されずに、このような問題を防止できる。
(蓋)
図6は、本発明の外壁を示す模式図である。図6に示すように、外壁10は、その表面に壁材3を備えている。ここで、壁材3は、接着層2の表面である壁面に取り付けられる。このとき、壁面には、複数の壁材3が取り付けられる。図6に示されるように、タイルなどの部材が壁材3となって、複数の壁材3が取り付けられる。タイルなどは、複数のタイルが1セットとなったユニットが接着層2に貼り付けられることも多い。
図6は、本発明の外壁を示す模式図である。図6に示すように、外壁10は、その表面に壁材3を備えている。ここで、壁材3は、接着層2の表面である壁面に取り付けられる。このとき、壁面には、複数の壁材3が取り付けられる。図6に示されるように、タイルなどの部材が壁材3となって、複数の壁材3が取り付けられる。タイルなどは、複数のタイルが1セットとなったユニットが接着層2に貼り付けられることも多い。
このとき、複数の壁材3のそれぞれは間隔部31を置いて配置される。間隔部31を開けながら、複数の壁材3のそれぞれが配置されて取り付けられる。網の目のような状態である。
ここで、この間隔部31においては、接着層2に繋がる壁材3の目地が存在する。壁材3そのものはない状態である。。このような間隔部31および壁材3の内側に、空隙4が生じている。このため、この空隙4に充填剤7が充填される際には、間隔部31から充填剤7があふれ出る可能性もある。
あるいは、充填剤7の圧力が間隔部31に加わって、空隙4によって剥離している壁材3が外れてしまう懸念もある。
このため、図4に示されるように、間隔部31の表面に蓋9が形成されることも好適である。すなわち、蓋形成工程が更に備わる。蓋形成工程は、注入工程の前に行われればよい。注入工程の前であれば、穿孔工程や装着工程のいずれとの順番は問わない。
蓋形成工程によって、間隔部31に蓋9が形成されることで、充填剤7を充填する際に、上述のような問題が生じにくくなる。蓋9は、一般的な樹脂やエポキシ樹脂などで形成されればよく、作業後には容易に取り外し可能であればよい。また、蓋9は、間隔部31を封止することができればよいので、吹き付け作業で形成されることも好適である。
(作業手順)
作業手順の詳細を説明する。
作業手順の詳細を説明する。
(1:作業開始前)
図7は、本発明の実施の形態1における修復作業の最初の状態を示す模式図である。図7は、外壁10の内部において、基材層1と接着層2との間に空隙4が生じている状態をしめしている。このような空隙4を放置すると、空隙4が更に大きくなったりして、空隙4から壁材3が接着層2と一体となって落下するなどの危険性がある。
図7は、本発明の実施の形態1における修復作業の最初の状態を示す模式図である。図7は、外壁10の内部において、基材層1と接着層2との間に空隙4が生じている状態をしめしている。このような空隙4を放置すると、空隙4が更に大きくなったりして、空隙4から壁材3が接着層2と一体となって落下するなどの危険性がある。
作業においては、様々な手順で、空隙4の存在を検出する。例えば、打音検査などで、空隙4を検出する空隙検出工程を備えることで、空隙4を検出すればよい。作業開始においては、この空隙検出工程で空隙4の検出が行われている。
この空隙検出工程によって空隙4の存在が検出されることで、外壁10の修復作業が開始される。
(2:注入孔などの形成)
図8は、本発明の実施の形態における穿孔工程を行った外壁の表面を示す模式図である。図7の次の作業が行われた状態を、同じ外壁10において、図8は示している。
図8は、本発明の実施の形態における穿孔工程を行った外壁の表面を示す模式図である。図7の次の作業が行われた状態を、同じ外壁10において、図8は示している。
穿孔工程ST1によって、注入孔5が形成される。図8では、空隙4に対応する領域に、2か所の注入孔5が形成される。更に穿孔工程ST1において、空隙4に充填剤7を充填する際の空隙4からの空気を抜く孔である空気抜き孔21も形成されることも好適である。
空気抜き孔21は、注入孔5から充填剤7が注入されるのに合わせて、空隙4が充填されていく際にもともとあった空気を抜いていく。これにより、充填剤7が、高すぎる圧力を付与することなく、空隙4に充填できるようになる。
また、穿孔工程ST1において、後述する固定部材を取り付けるための固定部材用孔20が形成されることも好適である。固定部材は、空隙4の対応する部分において、壁材3から基材層1まで到達して、空隙領域における壁材3を押さえる役割を果たす。例えば、アンカーピンやねじなどが、壁材3の表面から基材層1にまで到達して、壁材3を固定する。
また、穿孔工程ST1において設けられた注入孔5に、注入口付のアンカーピンが挿入されることもある。このアンカーピンは、壁材3を押さえる役割も果たす。このアンカーピンの注入口から、充填剤7が注入されることでもよい。この場合には、アンカーピンが、壁材3を基材層1に固定しながら、空隙4に充填剤7を、アンカーピンを介して注入することもできる。
この固定部材を挿入するための孔として、固定部材用孔20が形成されることも好適である。図8では、このような固定部材用孔20が形成されている状態が示されている。
(3:蓋形成工程)
図9は、本発明の実施の形態における蓋形成構成を行った外壁の模式図である。図9は、図8の後の工程が終わった状態を示している。図8と同じ外壁10を対象とした状態を示している。
図9は、本発明の実施の形態における蓋形成構成を行った外壁の模式図である。図9は、図8の後の工程が終わった状態を示している。図8と同じ外壁10を対象とした状態を示している。
穿孔工程ST1にて、注入孔5や他の孔が形成されると、蓋形成工程が実施される。図9に示されるように、間隔部31を有した状態で、複数の壁材3が壁面に取り付けられる。この間隔部31の表面に蓋形成工程によって、蓋9が形成される。蓋9は、上述したように、充填剤7が充填される際の圧力に対応して、間隔部31から充填剤7が漏れたり、充填剤7によって破損したりすることを防止できる。
蓋9は、樹脂などが、間隔部31にそって吹き付けられたり塗布されたりして、形成される。この樹脂などは、修復作業後に取り外すことができる。
(4:装着工程および注入工程)
図10は、本発明の実施の形態における装着工程および注入工程を示す外壁の模式図である。蓋形成工程によって蓋9が形成された後で、注入孔5に注入器6が装着される。注入器6は、充填剤7を収容している。このような状態の注入器6が、形成されていた注入孔5の入り口に装着される。
図10は、本発明の実施の形態における装着工程および注入工程を示す外壁の模式図である。蓋形成工程によって蓋9が形成された後で、注入孔5に注入器6が装着される。注入器6は、充填剤7を収容している。このような状態の注入器6が、形成されていた注入孔5の入り口に装着される。
図10においては、固定部材用孔20に、固定部材11が挿入されている。この固定部材11は、アンカーピン、ねじ、ビスなどの壁材3を基材層1に固定できる部材である。固定部材11が挿入されることで、空隙4において押さえが加わっている。
この押さえによって、空隙4に充填剤7が充填される場合でも、圧力によって空隙4の領域に対応する壁材3が浮いたり外れたりすることが防止できる。
図10では、注入孔5が2か所に形成されているので、この2か所のそれぞれに注入器6が装着される。このとき、同時に2つの注入器6が装着されてもよいし、順々に装着されてもよい。図10では、下方の注入孔5に注入器6が装着され、真ん中の注入孔5にも注入器6が装着されている。
注入器6のそれぞれは、内部に充填剤7を収容しており、自動あるいは手動で圧力が付与されて、充填剤7を注入できる。
図10においては、空隙4が下方から上方に向けて広がっている。この空隙4に対して、下方と真ん中付近に注入器6が装着されている。このため、まずは、下方の注入孔5に装着された注入器6から充填剤7が注入されるのが好適である。
空隙4に充填される充填剤7は、重力との関係で下方に充填されやすく、空隙4の下方から充填していくことが、好適であるからである。図10では、まず下方の注入器6から空隙4に充填剤7が注入されている様子が示されている。
また、上述のように、固定部材11が取り付けられているので、充填剤7が充填される際に、空隙4に対応する領域の壁材3が浮いたり外れたりすることが防止できる。固定部材11は、空隙4の領域に対応する接着層2と壁材3とを、基材層1に押し付ける圧力を付与できるからである。
この押し付け圧力によって、壁材3の浮きなどを防止しつつ、下方の注入器6から充填剤7が、空隙4の下方に充填されていく。これに合わせて、次第に空隙4に充填剤7が溜まっていく。
(5:充填剤の注入工程)
図11は、本発明の実施の形態における充填剤の注入工程の続きを示す、外壁の模式図である。図10の続きの状態を示している。
図11は、本発明の実施の形態における充填剤の注入工程の続きを示す、外壁の模式図である。図10の続きの状態を示している。
図11では、下方の注入器6からの充填剤7の注入が終わり、真ん中の注入器6からの充填剤7の注入が開始される。空隙4の下方には、充填剤7が充填された後なので、真ん中の注入器6から充填剤7が注入される。
真ん中の注入器6から充填剤7が注入されることで、空隙4の内部に更に充填剤7が注入されていく。この注入によって、空隙4内部に次第に充填剤が充填されていく。
また、上述したように、空気抜き孔21から空隙4内部の空気が抜けていくことで、注入はスムーズに行われる。また、注入圧力を低くすることもできる。充填剤7の粘度が低いこととあいまって、空隙4に充填する際の圧力による影響を防止できる。これは、固定部材11による固定および蓋9によっても合わせて実現される。
このようにして、空隙4に充填されていく過程で、壁材3が外れるなどの問題を生じさせない。
(6:充填剤の充填)
図12は、本発明の実施の形態における充填剤の注入の最終状態を示す外壁の模式図である。図11の後の工程を、図12は、示している。
図12は、本発明の実施の形態における充填剤の注入の最終状態を示す外壁の模式図である。図11の後の工程を、図12は、示している。
図12では、空気抜き孔21として穿たれていた孔を、注入孔5として利用して、注入器6を装着する。注入器6は、この空気抜き孔21から充填剤7を、空隙4に注入する。
この注入によって、充填剤7が、空隙4の残りの部分にも注入されて、充填剤7が、完全に充填される。図12では、空隙4の全てに充填剤7が行きわたった状態が示されている。
このように空隙4に充填剤7が充填されることで、空隙4が充填剤7によって埋められる。この結果、空隙4が空隙ではなくなる状態となる。充填剤7が、空隙4をすべて埋めてしまうからである。
充填剤7は、時間の経過と共に固化していく。
(7:最終工程)
図13は、本発明の実施の形態における修復作業の最終状態を示す外壁の模式図である。図12において、注入工程および固化工程が終了すると、空隙4の充填剤7による修復が完了する。図13は、この図12の後の状態を示している。
図13は、本発明の実施の形態における修復作業の最終状態を示す外壁の模式図である。図12において、注入工程および固化工程が終了すると、空隙4の充填剤7による修復が完了する。図13は、この図12の後の状態を示している。
図13においては、空隙4の全体に充填剤7が充填されている。充填剤7を注入する複数の注入孔5から、順々に充填剤7が空隙4を全体にいきわたっている。この行きわたりによって、空隙4の全体が充填剤7で埋められることとなる。
この際に、注入器6が取り外されて、更に蓋9も取り外される。これらの結果、外壁10の表面は、余分な部材が取り外された状態となる。この間に、固化工程が進行して、注入された充填剤7が固化する。固化によって、充填剤7が空隙4を固定する。この固定によって、基材層1から浮いたり剥離していた状態が解消される。
このようにして、外壁修復が完了する。
図14は、本発明の実施の形態における外壁修復方法のフローチャートである。図7〜図13で説明した外壁修復方法全体の作業手順を示すフローチャートである。図5のフローチャートに、蓋形成工程ST6と固定工程ST5が追加されている状態を示している。
なお、工程によっては、順序が入れ替わっても問題ない部分もある。
外壁修復方法は、図14のようなフローチャートで作業されることで、適切に修復される。発明者が解析したように、外壁10においては、基材層1の表面と接着層2との間に空隙4が生じている。この空隙4によって、基材層1の表面から、接着層2と壁材3とが一緒になって外れたり落下してしまう状況があった。
本発明の外壁修復方法によって、この空隙4が充填剤7で修復されて解消される。更に、充填剤7の充填時に、注入圧力による影響も防止できる。
このような結果、複数の壁材3の一つ一つを固定して修復するなどの手間が省け、問題を本質的にかつ容易に解決できる。また、打音検査や超音波検査を利用して、空隙4を検出する空隙検出工程が行われてから、外壁修復方法による作業が実施されてもよい。
なお、実施の形態で説明された外壁修復方法は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 基材層
2 接着層
3 壁材
5 注入孔
6 注入器
7、8 充填剤
9 蓋
10 外壁
11 固定部材
20 固定部材用孔
21 空気抜き孔
2 接着層
3 壁材
5 注入孔
6 注入器
7、8 充填剤
9 蓋
10 外壁
11 固定部材
20 固定部材用孔
21 空気抜き孔
Claims (9)
- 外壁を修復する外壁修復方法であって、
前記外壁は、
基材層と、
前記基材層の表面である基材面に形成された接着層と、
前記接着層の表面である壁面に取り付けられた壁材を備え、
壁材の表面から接着層を貫通して基材層に到達する注入孔を穿孔する穿孔工程と、
前記注入孔に、充填剤を注入可能な注入器を装着する装着工程と、
前記注入器から前記基材面と前記接着層との間の空隙に、前記充填剤を注入する注入工程と、
前記空隙に注入された前記充填剤が固化する固化工程と、を備える、外壁修復方法。 - 前記外壁において、前記基材層と前記接着層の間に空隙が生じており、
当該空隙により、前記接着層と前記壁材が一体として剥離している、請求項1記載の外壁修復方法。 - 前記注入器は、前記充填剤を低圧で注入する、請求項1または2記載の外壁修復方法。
- 前記充填剤は、低濃度である、請求項1から3のいずれか記載の外壁修復方法。
- 前記壁面は、複数の前記壁材を取り付けており、
前記複数の壁材は、間隔部をおいて配置されており、
前記注入工程の前に、前記間隔部の表面に蓋をする蓋形成工程を更に備える、請求項1から4のいずれか記載の外壁修復方法。 - 前記蓋は、樹脂によって形成される、請求項5記載の外壁修復方法。
- 前記空隙の生じている部位を検出する、空隙検出工程を更に備える、請求項1から6のいずれか記載の外壁修復方法。
- 前記注入工程の前において、前記空隙領域に対応する部分において、前記壁材から前記基材層までに到達する固定部材を取り付ける固定工程を、更に備える、請求項1から7のいずれか記載の外壁修復方法。
- 前記固定部材は、前記空隙領域に対応する前記接着層と前記壁材を、前記基材層に押し付ける圧力を付与する、請求項8記載の外壁修復方法。
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---|---|---|---|
JP2018040272A JP2019157335A (ja) | 2018-03-07 | 2018-03-07 | 外壁修復方法 |
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JP7588409B2 (ja) | 2020-04-28 | 2024-11-22 | 楽建株式会社 | 外壁タイルの薄層浮陸部に対する補修工法 |
-
2018
- 2018-03-07 JP JP2018040272A patent/JP2019157335A/ja active Pending
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