JP2019155472A - イルミナイト系被覆アーク溶接棒 - Google Patents
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Abstract
Description
Cは、金属Mn及びFe−Mnから添加され、アークの吹付けを強くして溶込みを深くすることで溶接欠陥を抑制するとともに、溶接金属中に歩留まって溶接金属の強度を向上させる効果を有する。Cが0.01%未満であると、アークの吹き付けが弱くなって溶込みが浅くなり、融合不良等の溶接欠陥が発生しやすくなる。一方、Cが0.50%を超えると、アークの吹付けが過剰に強くなり、スパッタ発生量が多くなる。またCが0.50%を超えると、溶接金属の強度が過剰に高くなって靭性が低下する。さらにCが0.50%を超えると、溶接金属中に高温割れが発生しやすくなる。したがって、被覆剤中のCの含有量は0.01〜0.50%とする。
金属炭酸塩は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸マンガン等から添加され、アーク中の高温雰囲気下で分解してCO2ガスを発生させて溶着金属を大気から遮蔽して保護するとともに、アークの吹付けを強くし、溶込みを深くして溶接欠陥を防止する効果を有する。金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計が9%未満であると、CO2による溶着金属のシールド性が不足するとともに、アークの吹付けが弱く溶込みが浅くなるので、ブローホール等の溶接欠陥が発生しやすくなる。一方、金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計が20%を超えると、アークが不安定となり、ビード形状が不良になる。したがって、被覆剤中の金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計は9〜20%とする。
硫化鉄は、溶融スラグの表面張力を緩和して溶融池とのなじみを良好にし、溶融スラグを溶融池全面に均一に被包させ、溶接ビード表面へのスラグ焼き付きを防止してスラグ剥離性を改善する効果を有する。硫化鉄が0.01%未満であると、その効果が得られず、ビード表面にスラグの焼き付きが発生してスラグ剥離性が不良となる。一方、硫化鉄が0.10%を超えると、溶接金属の靭性が低下するとともに、溶接金属中に低融点化合物のMnS等を生成して、高温割れが発生しやすくなる。したがって、被覆剤中の硫化鉄の含有量は0.01〜0.10%とする。
砂鉄は、母材と被覆アーク溶接棒との通電性を良好にしてアークの安定性を改善する効果を有する。砂鉄が10%未満であると、その効果が得られず、アークが不安定になる。一方、砂鉄が20%を超えると、生成したスラグが緻密になるのでスラグ剥離性が不良になる。したがって、被覆剤中の砂鉄の含有量は10〜20%とする。
Mn酸化物は、酸化マンガン、二酸化マンガン等から添加され、アークの吹付けを強くし、溶込みを深くして溶接欠陥を抑制する効果を有する。Mn酸化物のMnO換算値の合計が0.2%未満であると、アークの吹付けが弱く溶込みが浅くなるので、融合不良等の溶接欠陥が発生しやすい。一方、Mn酸化物のMnO換算値の合計が1.5%を超えると、アークの吹付けが過剰に強くなり、スパッタ発生量が多くなる。したがって、被覆剤中のMn酸化物のMnO換算値の合計は0.2〜1.5%とする。
Ti酸化物は、ルチール、酸化チタン、チタンスラグ、イルミナイト等から添加され、スラグ生成剤及びアーク安定剤として作用し、アーク安定性及びビード形状を改善する効果を有する。Ti酸化物のTiO2換算値の合計が10%未満であると、アークが不安定になるとともに、スラグ流動性が悪くなってビード形状が不良となる。一方、Ti酸化物のTiO2換算値の合計が30%を超えると、生成したスラグが緻密になってスラグ剥離性が不良となる。またTi酸化物のTiO2換算値の合計が30%を超えると、被覆剤全体の導電性が上昇して、耐棒焼け性も不良となる。したがって、被覆剤中のTi酸化物のTiO2換算値の合計は10〜30%とする。
Si酸化物は、珪砂、カリ長石、水ガラス等から添加され、スラグ生成剤及びアーク安定剤として作用し、アーク安定性及びスラグ剥離性を改善する効果を有する。Si酸化物のSiO2換算値の合計が15%未満であると、保護筒の形成が十分にされずにアークが不安定になるとともに、生成したスラグのガラス質が少なくなってスラグ剥離性が不良になる。一方、Si酸化物のSiO2換算値の合計が35%を超えると、スラグの粘性が高くなってビード形状が不良となる。したがって、被覆剤中のSi酸化物のSiO2換算値の合計は15〜35%とする。
Al酸化物は、アルミナ、カリ長石、珪砂、マイカ等から添加され、アーク安定剤として作用してアークを安定化する効果を有する。Al酸化物のAl2O3換算値の合計が1%未満であると、アークが弱くなって不安定になる。一方、Al酸化物のAl2O3換算値の合計が5%を超えると、スラグ剥離性が不良となり、またスラグの粘性が高くなり、立向上進溶接で溶接時に溶融金属の垂れ(以下、メタル垂れという。)が発生しやすくなる。したがって、被覆剤中のAl酸化物のAl2O3換算値の合計は1〜5%とする。
有機物は、セルロース、デキストリン、小麦粉、澱粉、コーンスターチ等から添加され、アークの吹付けを強くし、溶け込みを深くしてブローホール等の溶接欠陥を抑制する効果がある。有機物の1種又は2種以上の合計が3%未満であると、アークの吹付けが弱くなり、溶込みが浅くなってブローホール等の溶接欠陥が発生しやすくなる。一方、有機物の1種又は2種以上の合計が8%を超えると、棒焼けが発生しやすくなり、スパッタ量も多くなる。したがって、被覆剤中の有機物の1種又は2種以上の合計は3〜8%とする。
Mnは、金属Mn及びFe−Mn等から添加され、脱酸剤として作用してブローホール等の溶接欠陥を抑制するとともに、溶接金属中に歩留まって溶接金属の靭性を向上する効果を有する。Mnが10%未満であると、十分な脱酸効果が得られず、溶接金属中にブローホール等の溶接欠陥が発生しやすくなり、また溶接金属の靭性が低下する。一方、Mnが20%を超えると、固溶強化が促進されすぎて溶接金属の強度が過剰に高くなる。したがって、被覆剤中のMnは10〜20%とする。
Na化合物及びK化合物は、水ガラス中の珪酸ソーダ、珪酸カリウム、カリ長石等から添加され、アーク安定剤として作用してアークを安定化する効果を有する。Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が2.5%未満であると、アークが不安定になる。一方、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が5.5%を超えると、アークの吹付けが過剰に強くなり、ビード形状が不良になる。したがって、被覆剤中のNa化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計は2.5〜5.5%とする。
MgOは、スラグと溶融金属間の収縮率に差を生じさせてスラグの剥離性をさらに改善する効果を有する。MgOが0.1%未満であると、スラグ剥離性をさらに改善する効果が十分に得られない。一方、MgOが1.0%を超えると、スラグの凝固が早くなり、立向上進溶接でメタル垂れが発生しやすくなる。したがって、被覆剤中のMgOの含有量は0.1〜1.0%とする。
Claims (2)
- 鋼心線に被覆剤が被覆されているイルミナイト系被覆アーク溶接棒において、
前記被覆剤は、被覆剤全質量に対する質量%で、
C:0.01〜0.50%、
金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計:9〜20%、
硫化鉄:0.01〜0.10%、
砂鉄:10〜20%、
Mn酸化物のMnO換算値の合計:0.2〜1.5%、
Ti酸化物のTiO2換算値の合計:10〜30%、
Si酸化物のSiO2換算値の合計:15〜35%、
Al酸化物のAl2O3換算値の合計:1〜5%、
有機物の1種又は2種以上の合計:3〜8%、
Mn:10〜20%、
Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計:2.5〜5.5%を含有し、残部は塗装剤、鉄合金からのFe分及び不可避不純物からなることを特徴とするイルミナイト系被覆アーク溶接棒。 - 前記被覆剤は、被覆剤全質量に対する質量%で、
MgO:0.1〜1.0%をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載のイルミナイト系被覆アーク溶接棒。
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JP6987800B2 JP6987800B2 (ja) | 2022-01-05 |
Family
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|---|
JPS57103795A (en) * | 1980-12-18 | 1982-06-28 | Kobe Steel Ltd | Ilmenite type coated electrode |
JPS62244596A (ja) * | 1986-04-17 | 1987-10-24 | Nippon Steel Corp | 被覆ア−ク溶接棒 |
JPS63273593A (ja) * | 1987-04-30 | 1988-11-10 | Nippon Steel Corp | イルミナイト系被覆ア−ク溶接棒 |
JP2017217670A (ja) * | 2016-06-08 | 2017-12-14 | 日鐵住金溶接工業株式会社 | イルミナイト系被覆アーク溶接棒 |
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2019
- 2019-01-17 JP JP2019006151A patent/JP6987800B2/ja active Active
Patent Citations (4)
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JP2017217670A (ja) * | 2016-06-08 | 2017-12-14 | 日鐵住金溶接工業株式会社 | イルミナイト系被覆アーク溶接棒 |
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