以下に、図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび生体信号計測システムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
[第1の実施形態]
(生体信号計測システムの概略構成)
図1は、実施形態の生体信号計測システムの概略図である。生体信号計測システム1は、被検者の複数種類の生体信号として、例えば、脳磁(MEG:Magneto−encephalography)信号および脳波(EEG:Electro−encephalography)信号を計測し、表示する。測定対象となる生体信号は、脳磁信号および脳波信号に限られるものではなく、例えば、心臓の活動に応じて発生する電気信号(心電図として表現可能な電気信号)であってもよい。図1に示すように、生体信号計測システム1は、被検者の1以上の生体信号を測定する測定装置3と、測定装置3で測定された1以上の生体信号を記録するサーバ40と、サーバ40に記録された1以上の生体信号を解析する情報処理装置50と、を含む。ここでは、サーバ40と情報処理装置50とは別々に記載されているが、例えば、サーバ40が有する機能の少なくとも一部が情報処理装置50に組み込まれる形態であってもよい。
図1の例では、被検者(被測定者)は、頭に脳波測定用の電極(またはセンサ)を付けた状態で測定テーブル4に仰向けで横たわり、測定装置3のデュワ31の窪み32に頭部を入れる。デュワ31は、液体ヘリウムを用いた極低温環境の保持容器であり、デュワ31の窪み32の内側には脳磁測定用の多数の磁気センサが配置されている。測定装置3は、電極からの脳波信号と、磁気センサからの脳磁信号とを収集し、収集した脳波信号および脳磁信号を含むデータ(以下の説明では「測定データ」と称する場合がある)をサーバ40に出力する。サーバ40に収録された測定データは、情報処理装置50に読み出されて表示され、解析される。一般的に、磁気センサを内蔵するデュワ31および測定テーブル4は、磁気シールドルーム内に配置されているが、図示の便宜上、磁気シールドルームを省略している。
情報処理装置50は、複数の磁気センサからの脳磁信号の波形と、複数の電極からの脳波信号の波形を、同じ時間軸上に同期させて表示する。ただし、後述するように、特定の状況に応じて、いずれかの波形が非表示となる場合もあり得る。脳波信号とは、神経細胞の電気的な活動(シナプス伝達の際にニューロンの樹状突起で起きるイオン電荷の流れ)を電極間の電圧値として表される信号である。脳磁信号とは、脳の電気活動により生じた微小な磁場変動を表す信号である。脳磁場は高感度の超伝導量子干渉計(SQUID)センサで検知される。これらの脳波信号および脳磁信号は「生体信号」の一例である。
(情報処理装置のハードウェア構成)
図2は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図2を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置50のハードウェア構成について説明する。
図2に示すように、情報処理装置50は、CPU(Central Processing Unit)501と、RAM(Random Access Memory)502と、ROM(Read Only Memory)503と、補助記憶装置504と、ネットワークI/F505と、入力装置506と、表示装置507と、を有し、これらがバス508で相互に接続されている。
CPU501は、情報処理装置50の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う演算装置である。CPU501は、ROM503または補助記憶装置504に記憶された情報表示プログラムを実行して、測定収集画面および解析画面等の表示動作を制御する。
RAM502は、CPU501のワークエリアとして用いられ、主要な制御パラメータおよび情報を記憶する揮発性の記憶装置である。ROM503は、基本入出力プログラム等を記憶する不揮発性の記憶装置である。例えば、上述の情報表示プログラムがROM503に記憶されているものとしてもよい。
補助記憶装置504は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。補助記憶装置504は、例えば、情報処理装置50の動作を制御する制御プログラム、後述する特定の状況とレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブル、ならびに、情報処理装置50の動作に必要な各種のデータおよびファイル等を記憶する。
ネットワークI/F505は、サーバ40等のネットワーク上の機器と通信を行うための通信インターフェースである。ネットワークI/F505は、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)に準拠したNIC(Network Interface Card)等によって実現される。
入力装置506は、タッチパネルの入力機能、キーボード、マウスおよび操作ボタン等のユーザインターフェース等である。表示装置507は、各種の情報を表示するディスプレイ装置である。表示装置507は、例えば、タッチパネルの表示機能、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro−Luminescence)等である。表示装置507は、測定収集画面および解析画面を表示し、入力装置506を介した入出力操作に応じて画面が更新される。
なお、図2に示す情報処理装置50のハードウェア構成は一例であり、これ以外の装置が備えられるものとしてもよい。また、図2に示す情報処理装置50は、例えば、PC(Personal Computer)を想定したハードウェア構成であるが、これに限定されるものではなく、タブレット等のモバイル端末であってもよい。この場合、ネットワークI/F505は、無線通信機能を有する通信インターフェースであればよい。
また、サーバ40のハードウェア構成についても、基本的に図2に示す情報処理装置50のハードウェア構成と同様の構成で実現できる。ただし、例えば、サーバ40の処理内容等を表示する必要がない場合、表示装置507を備えている必要はない。
(情報処理装置の機能ブロックの構成および動作)
図3は、情報処理装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図3を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置50の機能ブロックの構成および動作について説明する。
図3に示すように、情報処理装置50は、収録表示制御部301と、解析表示制御部302と、マージ表示制御部303(変更部)と、設定部304と、解析部305と、通信部306と、センサ情報取得部307と、レイアウト用情報取得部308(取得部)と、レイアウト決定部309(決定部)と、記憶部310と、入力部311と、を有する。
収録表示制御部301は、例えば、後述する図6等に示す測定収録画面の表示動作を制御する機能部である。
解析表示制御部302は、例えば、後述する図12および図18等に示す解析画面の表示動作を制御する機能部である。
マージ表示制御部303は、例えば、後述する図26等に示すマージ画面400の表示動作を制御する機能部である。
設定部304は、入力部311により受け付けられた操作入力に従って、患者の診察結果と、解析画面の表示のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブルを設定して、記憶部310に記憶させる機能部である。
解析部305は、センサ情報取得部307により取得されたセンサ情報(測定された信号)の解析をする機能部である。センサ情報の解析には、信号波形の解析、振幅の特異点の解析、電流ダイポールの向きを含む脳磁場の解析等が含まれる。つまり、この例では、解析部305は、解析画面から選択されたアノテーションに対応する信号源を推定する機能を有している。
通信部306は、測定装置3またはサーバ40等とデータ通信を行う機能部である。通信部306は、図2に示すネットワークI/F505によって実現される。
センサ情報取得部307は、測定装置3またはサーバ40から、通信部306を介して、センサ情報(脳波信号または脳磁信号)を取得する機能部である。
レイアウト用情報取得部308は、サーバ40から、通信部306を介して、後述する解析画面のレイアウトを決定付ける特定の状況を示す情報(決定情報の一例)を取得する機能部である。具体的には、本実施形態では、レイアウト用情報取得部308は、サーバ40から、特定の状況を示す情報として、患者の診察結果(問診結果を含む)を含む患者情報を取得する。
レイアウト決定部309は、後述する記憶部310に記憶された、診察結果と解析画面のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブルを参照して、レイアウト用情報取得部308により取得された特定の状況を示す情報としての診察結果に対応するレイアウト内容を取得して、当該レイアウト内容を解析画面のレイアウトとして決定する機能部である。
記憶部310は、測定データ、解析結果、および後述するレイアウトテーブル等を記憶する機能部である。記憶部310は、図2に示すRAM502または補助記憶装置504によって実現される。
入力部311は、センサ情報に付加されるアノテーション情報の入力操作、および、設定部304にレイアウトテーブルを設定させるための入力操作等の各種入力操作を受け付ける機能部である。入力部311は、図2に示す入力装置506によって実現される。
上述の収録表示制御部301、解析表示制御部302、マージ表示制御部303、設定部304、解析部305、センサ情報取得部307、レイアウト用情報取得部308およびレイアウト決定部309は、図2に示すCPU501がROM503等に記憶されたプログラムをRAM502に展開して実行することにより実現される。なお、収録表示制御部301、解析表示制御部302、マージ表示制御部303、設定部304、解析部305、センサ情報取得部307、レイアウト用情報取得部308およびレイアウト決定部309の一部または全部は、ソフトウェアであるプログラムではなく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
また、図3に示した各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図3で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図3の1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
(サーバの機能ブロック構成)
図4は、サーバの機能ブロックの構成の一例を示す図である。図4を参照しながら、本実施形態に係るサーバ40の機能ブロック構成について説明する。
図4に示すように、サーバ40は、情報管理部351と、通信部352と、記憶部353と、を有する。
情報管理部351は、診察結果(問診結果を含む)を含む患者情報、医師等のロール(専門)情報等を管理する機能部である。具体的には、情報管理部351は、例えば、情報処理装置50から要求された患者情報またはロール情報等を、記憶部353から読み出して情報処理装置50へ送信したり、情報処理装置50からの追加または更新の要求に従って、新たな患者情報またはロール情報を記憶部353に追加または更新を行う。情報管理部351は、図2に示すCPU501がROM503等に記憶されたプログラムをRAM502に展開して実行することにより実現される。
通信部352は、情報処理装置50等とデータ通信を行う機能部である。通信部352は、図2に示すネットワークI/F505によって実現される。
記憶部353は、患者情報、ロール情報を含むユーザ情報、センサ情報、測定データ、および解析結果等を記憶する機能部である。記憶部353は、図2に示すRAM502または補助記憶装置504によって実現される。
なお、図4に示した各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図4で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図4の1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
(開始画面)
図5は、情報処理装置に表示される開始画面の一例を示す図である。開始画面204には、「測定収録」および「解析」の選択ボタンが表示される。脳波測定および脳磁測定の場合、データの測定収録とデータの解析とでは、別々の主体によって行われる場合が多い。例えば、測定技師(測定者)によって「測定収録」のボタンが選択されると、測定装置3で測定されたデータは順次サーバ40に保存され、情報処理装置50に読み出されて表示される。測定収録の終了後、医師によって「解析」ボタンが選択されると、収録された測定データが読み出され解析される。
(測定収録時の動作)
図6は、測定収録画面の一例を示す図である。画面のタブ111に「測定収録」画面であることが表示されている。測定収録画面は、測定された信号波形を表示する領域201Aと、信号波形以外のモニタ情報を表示する領域201Bと、を有する。信号波形を表示する領域201Aは、測定者からみて画面の左側に配置され、信号波形以外のモニタ情報を表示する領域201Bは、測定者からみて画面の右側に配置されている。リアルタイムで検出され表示される波形の動き(画面の左側から右側に向かって表示される)に合わせた測定者の視線の動き、および、画面左側の領域201Aから右側の領域201Bへマウスを移動させるときの動きに無駄が生じず、作業効率が向上する。
表示画面の領域201Bでは、測定中に被測定者の様子を確認するためのモニタウィンドウ170が表示される。測定中の被測定者のライブ映像を表示することで、後述するように、信号波形のチェックおよび判断の信頼性を高めることができる。図6では、ひとつのモニタディスプレイ(表示装置507)の表示画面に、測定収録画面の全体が表示される場合を示しているが、左側の領域201Aと右側の領域201Bとを、2台またはそれ以上の台数のモニタディスプレイに分けて別々に表示してもよい。
図7は、測定収録画面の左側の領域の拡大図である。領域201Aは、信号検出の時間情報を画面の水平方向(第1方向)に表示する表示領域110と、信号検出に基づく複数の信号波形を画面の垂直方向(第2方向)に並列に表示する表示領域101〜103と、を有する。
表示領域110で表示される時間情報は、図7の例では、時間軸112に沿って付された時間表示を含むタイムラインであるが、時間(数字)を表示せずに、帯状の軸だけでもよいし、軸を設けずに時間(数字)の表示だけであってもよい。なお、画面上側の表示領域110の他に、表示領域103の下側に時間軸112を表示して、タイムラインを表示してもよい。
領域201Aでは、収録表示制御部301は、同種の複数のセンサから取得される複数の信号波形、または複数種類のセンサ群から取得される複数種類の信号の波形を、同じ時間軸112で同期して表示する。例えば、表示領域101には被測定者の頭部右側から得られる複数の脳磁信号の波形が、表示領域102には被測定者の頭部左側から得られる複数の脳磁信号の波形が、それぞれ並列に表示されている。表示領域103には、複数の脳波信号の波形が並列に表示されている。これらの複数の脳波信号波形は、各電極間で測定された電圧信号である。これらの複数の信号波形の各々は、その信号が取得されたセンサの識別番号またはチャネル番号と対応付けられて表示されている。
測定が開始され各センサからの測定情報が収集されると、時間の経過と共に領域201Aの各表示領域101〜103の左端から右方向に向けて信号波形が表示される。ライン113は計測の時刻(現在)を示しており、画面の左から右に向けて移動する。領域201Aの右端(時間軸112の右端)まで信号波形が表示されると、その後は画面の左端から右に向けて徐々に信号波形が消え、消えた位置に新しい信号波形が順次左から右方向に表示され、かつ、ライン113も左端から右に向けて移動していく。これと共に、水平方向の表示領域110でも測定の進行に対応して、時間の経過が時間軸112上に表示される。測定収録は、終了ボタン119が押されるまで継続される。
実施形態の特徴として、測定者(収録者)がデータ収録中に信号波形上で波形の乱れ、振幅の特異点等に気付いたときに、問題となる箇所または範囲を信号波形上でマークすることができる。マーキングの箇所または範囲は、マウス(入力部311の一例)によるクリック操作等で指定することができる。指定された箇所(または範囲)は、表示領域101〜103の信号波形上に強調表示されると共に、指定結果が対応する時刻位置または時間範囲で、表示領域110の時間軸112に沿って表示される。時間軸112上への表示を含むマーキングの情報は、信号波形データと共に、サーバ40の記憶部353(または記憶部310)に保存される。指定された箇所は、ある時刻に対応し、指定された範囲は、ある時刻を含む一定範囲に対応する。
図7の例では、時刻t1で、表示領域103で1以上のチャネルを含む範囲が指定され、マーク103a−1で時刻t1を含んだ時間がハイライト表示されている。マーク103a−1の表示と関連して表示領域110の対応する時刻位置に、指定結果を示すアノテーション110a−1が表示されている。時刻t2で、表示領域103で別の波形位置またはその近傍がマークされ、その位置(時刻t2)または近傍の領域(少なくとも時間範囲か複数の波形のいずれか一つが指示される)にマーク103a−2がハイライト表示されている。同時に、表示領域110の対応する時刻位置(時間範囲)に、アノテーション110a−2が表示される。ここで、アノテーションとは、あるデータに対して関連する情報を注釈として付与することを示す。本実施形態では、少なくとも指定された時間情報に基づいて注釈として表示されるものであって、少なくとも時間情報に基づく波形が表示される位置と結び付けて、注釈として表示するものである。また、複数のチャネルを表示する場合、対応するチャネル情報と結びつけ、注釈として表示してもよい。
時刻t1で表示領域110に追加されたアノテーション110a−1は、一例として、アノテーション識別番号と、波形の属性を示す情報とを含む。この例では、アノテーション番号「1」と共に、波形の属性を表わすアイコンと「strong spike」(ストロングスパイク)というテキスト情報が表示されている。
時刻t2で、測定者が別の波形箇所またはその近傍領域を指定すると、収録表示制御部301は、指定された箇所でマーク103a−2をハイライト表示し、これと共に、表示領域110の対応する時刻位置に、アノテーション番号「2」を表示する。さらに、収録表示制御部301は、ハイライト表示された箇所に、属性選択のためのポップアップウィンドウ115を表示する。ポップアップウィンドウ115は、種々の属性を選択する選択ボタン115aと、コメントおよび追加情報を入力する入力ボックス115bと、を有する。選択ボタン115aには、波形の属性として「速波(fast activity)」、「眼球運動(eye motion)」、「体動(body motion)」、「スパイク(spike)」等、波形乱れの要因が示されている。測定者は、画面の領域201Bのモニタウィンドウ170(図6参照)で被測定者の様子を確認することができるので、波形の乱れの原因を示す属性を適切に選択することができる。例えば、波形にスパイクが生じたときに、てんかんの症状を示すスパイクなのか、被測定者の体動(くしゃみ等)に起因するスパイクなのかを判断することができる。
時刻t1でも同じ操作が行われており、図7では、ポップアップウィンドウ115で「スパイク」の選択ボタン115aが選択され、入力ボックス115bに「strong spike」と入力されたことにより、収録表示制御部301は、表示領域110にアノテーション110a−1を表示している。このような表示態様により、同じ時間軸112上に多数の信号波形を同期して表示する際に、信号波形の注目箇所または範囲を視認により容易に特定することができ、かつ注目箇所の基本情報を容易に把握することができる。
なお、アノテーション110a−1の一部または全部、例えば、属性アイコンおよびテキストアノテーションの少なくとも一方を、表示領域103の信号波形上のマーク103a−1の近傍にも表示してもよい。信号波形上へのアノテーションの追加は、波形形状のチェックの妨げになる場合もあり得るので、表示領域101〜103の信号波形上にアノテーションを表示させる場合は、表示・非表示を選択可能にしておくことが望ましい。
カウンタボックス118は、スパイクアノテーションの累積数を表示する。「スパイク」が選択される都度、カウンタボックス118のカウンタ値がインクリメントされ、収録開始から現在(ライン113)までのトータルのスパイク数が一目でわかるようになっている。
図8は、測定収録画面の右側の領域の拡大図である。図8は、図7と同じ時刻(ライン113の時点)での状態を示す。領域201Bのモニタウィンドウ170では、頭部を測定装置3に入れて測定テーブル4に横たわっている被測定者の状態のライブ映像が表示される。領域201Bでは、表示領域101、102、103の信号波形の各々に対応する分布図141、142、130と、アノテーションリスト180と、が表示される。アノテーションリスト180は、図7の信号波形上でマークされたアノテーションの一覧である。表示領域101〜103で信号波形上の位置または範囲が指定されアノテーションが付される都度、対応する情報がアノテーションリスト180に順次追加される。測定収録画面におけるアノテーションリスト180への追加および表示は、例えば、降順(新しいデータを上に表示)で行われるが、この例に限定されない。アノテーションリスト180の表示を昇順にしても構わないが、表示領域110で時間軸112に沿って表示されるアノテーションとの対応関係がわかるように表示する。さらに、表示順序を変更させたり、項目ごとにソートさせることも可能である。
図8の例では、アノテーション番号「1」に対応する時刻情報と、付加されたアノテーション情報とがリストされている。アノテーション情報として、「スパイク」を表わす属性アイコンと、「strong spike」というテキストが記録されている。また、マーク103a−2がハイライト表示された時点で、アノテーション番号「2」に対応する時刻情報がリストされている。ここでは、「アノテーション」は、アノテーション番号と、時刻情報と、アノテーション情報との組であると考えてもよいし、アノテーション情報のみであると考えてもよいし、アノテーション情報と、アノテーション番号または時刻情報との組であると考えてもよい。
また、アノテーションリスト180の近傍に、表示/非表示の選択ボックス180aが配置されている。選択ボックス180aで非表示が選択されると、表示領域101〜103で、信号波形上のハイライトマーク以外のアノテーションが非表示にされるが、表示領域110の時間軸112に沿ったアノテーションの表示は維持される。これにより、信号波形の視認性を阻害せずにアノテーション情報を認識可能にする。
図9は、アノテーション情報が入力された直後の画面を示す図である。具体的には、図9は、時刻t2でポップアップウィンドウ115の「スパイク」が選択され、「normal spike」(ノーマルスパイク)というテキストが入力された直後の画面を示す。図7で例示したポップアップウィンドウ115で「OK」ボタンが選択されると、収録表示制御部301は、ポップアップウィンドウ115を閉じて、図9に示すように表示領域110の対応する時刻位置にアノテーション110a−2を表示する。収録表示制御部301は、アノテーション番号「2」と対応付けて、「スパイク」を表わす属性アイコンと、「normal spike」のテキスト情報とを表示する。これと同時に、カウンタボックス118の値がインクリメントされる。また、収録表示制御部301は、ハイライト表示されたマーク103a−2の近傍に、属性アイコン106−2を表示する。この例では、マーク103a−1の近傍にも属性アイコン106−1が表示されているが、上述したように、属性アイコン106−1、106−2の表示、非表示は選択可能である。マーク103a−1と属性アイコン106−1とを含むアノテーションA1、及びマーク103a−2と属性アイコン106−2とを含むアノテーションA2も、アノテーション情報に含まれる。
図10は、更新されたアノテーションリストの図である。測定収録画面の左側の領域201Aでマーク103aー2に対応するアノテーションが付加されたことにより、アノテーションリスト180が更新される。アノテーション番号「2」に「normal spike」というメモが追加される。
以下同様に、測定中に領域201Aで信号波形上の特定の箇所または範囲が指定される都度、指定箇所が強調表示されるとともに、表示領域110の時間軸112に沿ってアノテーション情報が表示される。領域201Bでは、アノテーションリスト180にアノテーション情報が順次追加される。
なお、アノテーションリスト180および信号波形表示の領域201Aにおいて、アノテーション番号の表示は必須ではなく、用いなくてもよい。付加されたアノテーションを識別できる情報であれば任意の情報を識別情報として用いることができる。例えば、属性アイコンと、属性文字列(「strong spike」等)と、時間軸112の近傍に時刻とを対応付けて表示してもよい。さらに、領域201Aにファイル番号(図10の「File」の項目に表示される番号)を併記して表示してもよい。
終了ボタン119(図7参照)が選択(押下)され測定が終了すると、表示領域101〜103で指定されたハイライト箇所は信号波形に対応付けて保存される。表示領域110の対応する時刻位置に表示されたアノテーション情報も、アノテーション番号および時刻に対応付けて保存される。カウンタボックス118のカウンタ値、および、アノテーションリスト180の内容等の関連情報も保存される。これらの表示情報を保存することで、測定者と解析者が異なる場合でも、解析者は容易に問題となる箇所を認識し、解析することができる。
図11は、測定収録時の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。図5に示す開始画面204で「測定収録」が選択されると(ステップS11)、測定が開始され、複数の信号の波形が同じ時間軸に沿って同期して表示される(ステップS12)。ここで「複数の信号波形」という場合は、同一種類の複数のセンサで検知された信号波形と、異なる種類のセンサの各々で検知された複数の信号波形の両方を含む。この例では、複数の生体信号の波形は、被測定者の頭部右側に対応する磁気センサ群から得られる脳磁信号の波形と、被測定者の頭部左側に対応する磁気センサ群から得られる脳磁信号の波形と、被測定者の脳波測定用の電極から得られる脳波信号の波形と、から構成されるが、これに限られるものではない。なお、センサの選択については、左/右のセンサ群にとらわれず、頭頂部、前頭葉、側頭葉などのパートから、任意に選択可能である。例えば図8等に示す「MEG Window Control 1」(分布図141)で頭頂部のセンサが選択された場合は、「MEG Window Control 2」(分布図142)でそれ以外のセンサが選択された状態となる。
情報処理装置50は、表示されている信号波形上で注目箇所または範囲が指定されたか否かを判断する(ステップS13)。注目箇所または範囲の指定があると(ステップS13:Yes)、信号波形の表示領域(表示領域101〜103)に指定箇所を強調表示するとともに、時間軸領域(表示領域110)の対応する時刻位置に指定結果を表示する(ステップS14)。指定結果には、指定がなされたこと自体を示す情報、または指定の識別情報が含まれる。時間軸領域への指定結果の表示と同時に、またはそれに前後して、アノテーションの入力要求の有無を判断する(ステップS15)。アノテーション入力の要求がある場合は(ステップS15:Yes)、入力されたアノテーション情報を時間軸領域の対応する時刻位置に表示するとともに、アノテーションリスト180に追加する(ステップS16)。その後、測定終了コマンドが入力されたか否かを判断する(ステップS17)。注目位置(領域)の指定がない場合(ステップS13:No)、および、アノテーションの入力要求がない場合(ステップS15:No)は、ステップS17へ移行して測定終了の判断を行う。測定が終了するまで(ステップS17:Yes)、ステップS13〜S16を繰り返す。
この情報表示方法により、複数のセンサからの信号を収集する際に、信号情報の視認性の高い測定収録画面が提供される。
(解析時の動作)
図12は、解析画面の一例を示す図である。解析画面は、図5の開始画面204で「解析」ボタンを選択することで表示させる。画面のタブ111に「解析」画面であることが表示されている。解析画面は、測定により得られた被検者の1以上の生体信号(この例では、被測定者の頭部右側に対応する磁気センサ群から得られる脳磁信号、被測定者の頭部左側に対応する磁気センサ群から得られる脳磁信号、被測定者の脳波測定用の電極から得られる脳波信号)の経時的変化を示す生体データと、測定時に生体データに対して入力されたアノテーションとを対応付けた画面である。なお、本実施形態では、後述するように、特定の状況を示す情報(本実施形態では、診察結果を含む患者情報)に応じて、解析画面のレイアウトを変更するが、図12〜図17では、レイアウト変更する前のベースのレイアウトとなる解析画面における表示動作について説明する。
本実施形態の情報処理装置50(解析表示制御部302)は、この解析画面を表示部(後述の表示装置28)に表示する制御を行う機能を有している。図12の例では、解析画面は、収録された3つの生体信号の経時的変化を示す波形(生体データに相当)をアノテーションと共に表示する領域202Aと、解析情報を表示する領域202Bと、を有する。収録された信号波形およびアノテーション情報を表示する領域202Aは、測定者からみて画面の左側に配置され、解析表示する領域202Bは、測定者からみて右側に配置されている。これは、解析の際に、領域202Aで信号波形をチェックまたは選択しながら、マウス等を操作して領域202Bで解析結果を確認または確定させる作業の効率が良いからである。
本実施形態では、領域202Aの表示領域103(図13で後述)の脳波信号の波形の画面上方に、表示領域101、102(図13で後述)の脳磁信号の波形を表示している。また、領域202Aの右側の領域202Bでは、領域202Aに近い側の画面領域で、かつ、画面上方に脳磁の分布図141、142(図14で後述)を表示し、脳波の分布図130(図14で後述)をその下方に表示している。このため、解析者は、表示領域103の「脳波信号の波形」→表示領域101、102の「脳磁信号の波形」→脳磁の分布図141、142→脳波の分布図130の順に(この場合は、時計回りで)視線移動を行える。そのため、解析者(または測定者)の視線移動が効率的になり、その結果、解析作業効率を向上させることが可能となる。なお、上述では、時計回りとして説明したがこの例に限定されない。
図13は、解析画面の左側の領域の拡大図である。領域202Aは、測定時の時間情報を画面の水平方向(第1方向)に表示する表示領域110および表示領域120と、収録された信号波形を種類ごとに画面の垂直方向(第2方向)に並べて表示する表示領域101〜103と、を有する。表示領域101には被測定者の頭部右側から得られる複数の脳磁信号の波形が、表示領域102には被測定者の頭部左側から得られる複数の脳磁信号の波形が、それぞれ並列に表示されている。表示領域103には、複数の脳波信号の波形が並列に表示されている。これらの複数の脳波信号波形は、各電極間で測定された電圧信号である。これらの複数の信号波形の各々は、その信号が取得されたセンサの識別番号またはチャネル番号と対応付けられてチャネル軸104に表示されている。
表示領域110には、収録時の時間の経過を示す時間軸112と、時間軸112に沿って付加されたアノテーション110a−7、110a−8と、が表示されている。表示領域120には収録時間の全体を示す時間軸122が表示される。時間軸122に沿って、アノテーションが付加された時刻位置を示すポインタマーク120aと、表示領域101〜103に現在表示されている信号波形が収録された時間帯を示すタイムゾーン120bとが表示される。この表示により、解析者は、現在解析中の信号波形が、測定収録時のどの段階で取得された信号波形なのかを直感的に把握することができる。
解析者は、解析画面を開いた後に、例えば、時間軸122のバー上でタイムゾーン120bをドラッグすることで所望の時間帯の信号波形を表示領域101〜103に表示させることができる。または、後述するように、アノテーションリスト180の中から所望のアノテーションを選択することで、そのアノテーションを含む前後の信号波形を表示領域101〜103に表示させることができる。
表示領域101〜103には、収録時に信号波形に付加されたアノテーションA7、A8が表示されている。マーク103a−7、103a−8がハイライト表示され、マーク103a−7、103a−8の近傍に対応する属性アイコン106−7、106−8が表示されている。また、マーク103a−7、103a−8の時刻位置を示す縦のライン117−7、117−8が表示されている。ライン117−7、117−8が表示されることで、例えば、表示領域103の所定の箇所の指定と関連してアノテーションが付加されたときに、異なる種類の信号表示エリアである表示領域101、102においても、指定の結果が容易に視認できる。ライン117−7、117−8は、アノテーション情報の視認を容易にするという意味でアノテーション情報に含めることができ、「アノテーションライン」と称してもよい。ライン117−7、117−8を選択することで、その時刻の前後の一定時間を含めて、信号波形が拡大表示される。この処理については後述する。
また、チャネル軸104の隣に、脳磁の分布図141、142、脳波の分布図130の各縮小画像141a、142a、130aが表示されている。縮小画像141a、142a、130aは、それぞれ、脳磁の分布図141、142、脳波の分布図130の描画形状を小さくしたものであり、脳磁の分布図141、142、脳波の分布図130の設定状態を表示している。例えば、脳磁の分布図141、142で選択したセンサの範囲を縮小画像141a、142aでは塗りつぶして表示している。
図14は、解析画面の右側の領域の拡大図である。領域202Bでは、表示領域101、102に表示されている信号波形に対応する脳磁の分布図141、142と、表示領域103に表示されている信号波形に対応する脳波の分布図130と、が表示されている。また、領域202Bでは、脳磁図の等磁場図150と、脳波図のマップエリア160と、MRI(磁気共鳴画像:Magnetic Resonance Imaging)で取得された被測定者の脳の断層画像の表示ウィンドウ190と、が表示されている。等磁場図150では、磁場の湧き出し領域と沈み込み領域が色分けされて表示され、電流の流れる方向が視覚的に把握される。等磁場図150およびマップエリア160は、測定完了後に得られる情報であり、表示ウィンドウ190に表示されるMRIの断層画像は、別途検査で得られる情報である。
モニタウィンドウ170には、表示領域101〜103の信号波形が取得された時刻に同期して、測定時の被測定者の映像が表示される。解析者は、モニタウィンドウ170を見て被測定者の状態を確認しながら信号波形を解析することができる。
アノテーションリスト180は、測定収録で付加されたすべてのアノテーションがリストされている。アノテーションリスト180には、アノテーション番号181と対応付けて付加されたアノテーション情報(属性アイコン、テキスト入力情報等)が記載されている。
なお、解析画面のアノテーションリスト180は、例えば、付加されたアノテーションが昇順で(古いデータが上になるように)表示されるが、これに限定されない。測定収録画面と同様にアノテーション番号の使用は必須ではなく、時刻、ファイル名、属性等の組み合わせでアノテーションを識別することも可能である。また、アノテーションリスト180に含まれるアノテーションの表示順序の変更、または、項目ごとのソートも可能である。
所望のアノテーション番号181または行をクリックすることで、図13の表示領域101〜103に、そのアノテーションが付加された時刻位置を含む所定の時間帯の信号波形を表示させることができる。
測定収録画面と異なり、解析表示制御部302は、解析者がアノテーション部分の信号波形を確認して最終的に信号源の推定がなされたアノテーションについて、推定完了マーク182を表示する。
アノテーションの表示/非表示を選択する選択ボックス180aで非表示の指定がされると、図13の表示領域103の属性アイコン106−7、106−8が消える。なお、表示/非表示の選択ボックス180aで、ハイライトされたマーク103a−7、103a−8の非表示を選択できるようにしてもよい。
図15は、解析画面で特定のアノテーションラインが選択された直後の画面を示す図である。具体的には、図15は、図13の解析画面でライン117−7が選択(例えば、ダブルクリック)された直後の画面の全体図を示す。解析者がアノテーションA7に着目して、この領域の波形を解析するためにライン117−7を選択(例えば、ダブルクリック)すると、解析表示制御部302は、ハイライトされた信号波形の近傍の信号波形を、拡大表示領域200に拡大表示する。解析表示制御部302は、領域114で示される一定の時間範囲にわたって、信号波形を、時刻位置を示すライン217−7と共に拡大表示する。
図16は、図15の画面の左側の領域の拡大図である。すなわち、図16は、図15の左側の領域203A(信号波形の表示領域)の拡大図である。解析者は、拡大表示領域200に信号波形を拡大表示することで、収録時に付加されたマークの妥当性を再確認し、または、計測収録時にチェックされていない波形部分をチェックすることができる。例えば、ライン217−7を左右にドラッグすることで、問題となる波形の正確な個所を特定または変更することができる。拡大表示領域200に、表示領域103でハイライト表示されているマーク103a−7および属性アイコン106−7(図13参照)を反映させてもよい。ただし、振幅の特異点を正確に判断する際の視認の妨げになることも考えられるので、拡大表示領域200にハイライトされたマーク103a−7および属性アイコン106−7を表示する場合は、表示と非表示との選択を可能にしておくことが望ましい。
拡大表示領域200に表示する信号波形の種類と、チャネル範囲とを指定することも可能である。例えば、解析者は、視線を表示領域103でハイライトされたマーク103a−7から画面の上方へ移し、脳磁波形の表示領域101または102の波形に振幅の特異点がないかを確認する。この場合、ボックス125に表示領域101または102のターゲットのチャネル領域を入力することで、拡大表示領域200にマーク103a−7と関連する脳磁波形を拡大表示することができる。
拡大表示領域200の画面の下側には、確認ウィンドウ210が表示されている。確認ウィンドウ210は、信号波形の属性ボタン211と、信号源の推定ボタン212とを含む。属性ボタン211は、測定収録画面のポップアップウィンドウ115に含まれる属性情報と対応し、収録時に付加された属性が誤っているときは、属性ボタン211を選択して正しい属性を選択することができる。信号波形の正しい位置または属性の選択が確認されたならば、推定ボタン212をクリックすることで信号源の推定をアノテーションに反映することができる。つまり、本実施形態の情報処理装置50(解析部305)は、解析画面から選択されたアノテーションに対応する信号源を推定する機能を有している。後述するように、推定された信号源は、複数のMRIの断層画像のうち該推定された信号源に対応する断層画像上に重畳して表示されることになる。
図17は、図15の画面の右側の領域の拡大図である。すなわち、図17は、図15の右側の領域203Bの拡大図である。図16で、所望のアノテーションについて、信号波形位置および属性が確認され、信号源の推定ボタン212が選択されると、アノテーションリスト180の対応するアノテーション(この例では、アノテーション番号「7」)に、推定完了マーク182が付加される。さらに、表示ウィンドウ190のMRI断層画像に、ダイポールの推定結果190aが表示される。
解析者によって、表示領域101〜103にハイライト表示されるマーク位置、またはアノテーションの内容が変更される場合に、アノテーションリスト180の更新方法には、2通りの方法がある。解析者による最新の更新情報だけをアノテーションリスト180に反映する方法と、測定収録時のアノテーション情報を維持したまま、新たなアノテーション情報として追加する方法である。後者の方法を採用する場合は、アノテーション識別情報として、例えば、収録時のアノテーション番号からの枝番号を付けることができる。この場合、表示領域110にも新たなアノテーション情報を追加して、追加のアノテーション情報を時間軸に沿って異なる色で表示してもよい。
図18は、第1の実施形態における解析画面で一方の脳磁信号波形の表示領域を拡大した例を示す図である。図19は、第1の実施形態のレイアウトテーブルの一例を示す図である。図20は、解析画面のレイアウト変更の動作を示すフローチャートである。図18〜図20を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置50での解析画面の表示内容のレイアウトを変更する動作について説明する。
上述したように、脳磁計や脳波計で計測した情報を表示する際に、例えば、予め行われた患者への診察(問診を含む)による結果によって、解析画面に表示する情報をどのような態様で表示することが適切であるかが概ね定まっている場合がある。例えば、診察の結果、脳の左側に患部があることが予想される場合、解析表示制御部302は、解析画面を初期表示させる際に、図18に示すように、患者(被測定者)の頭部左側から得られる脳磁信号を表示した表示領域101を拡大表示させる。この際、解析表示制御部302は、図18に示すように、患者の頭部右側から得られる脳磁信号を表示した表示領域102の上下幅を表示領域101に比べて縮小して表示させるものとしてもよい。また、表示領域102を縮小表示させる際には、縮小画像142aで選択されているチャネルに対応する信号の間隔を縮めてすべての信号を表示するものとしてもよく、または、選択されているチャネルから間引きしたチャネルのみの信号を表示するものとしてもよい。さらに、表示領域101および表示領域102のチャネル軸104に表示されるセンサ(チャネル)の数は同じであってもよく、すべてのセンサ(チャネル)が表示されてもよい。なお、診察の結果から脳の右側に患部がないと予想される場合、解析表示制御部302は、頭部右側から得られる脳磁信号を表示する表示領域102を非表示にしてもよく、または、脳波信号に異常が見られない場合、解析表示制御部302は、脳波信号を表示する表示領域103を非表示とするものとしてもよい。このとき、脳の右側に患部がないことの情報または脳波信号に異常が見られないことの情報を受信したことにより、解析表示制御部302が表示領域を非表示とする制御を行うものであってもよい。
上述のような、予め行われた患者への診察(問診を含む)による結果に基づいて、解析画面の表示内容のレイアウトを変更(例えば、上述のように、表示領域101の拡大表示、表示領域102の縮小表示)する動作の詳細を図19および図20を用いて説明する。まず、情報処理装置50は、患者のどのような診察結果の場合、どのような解析画面のレイアウトとするかについて関連付けるためのレイアウトテーブルを有している。例えば、解析画面の利用者(医師等)は、図3に示す入力部311から診察結果(診断結果)の操作入力を行うと、設定部304は、その操作入力に従って、診察結果(問診結果を含む)と、解析画面の表示のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブル1001(レイアウト情報の一例)を設定して、記憶部310に記憶させる(ステップS41)。例えば、入力部311に対して、測定収録画面のメニューからレイアウトテーブル1001の診察結果のような選択肢からの選択操作、もしくは診察結果の入力操作を行う形態、または、測定収録画面とは別の入力画面から当該選択操作もしくは当該入力操作を行う形態とすることが可能である。図19に示すレイアウトテーブル1001の例では、例えば、「右脳に患部有り」という診察結果に対して、「右脳の脳磁信号波形拡大、左脳の脳磁信号波形縮小」というレイアウト内容が関連付けられている。なお、レイアウトテーブル1001は、テーブル形式の情報としているが、これに限定されるものではなく、テーブルの各フィールドの値が互いに関連付けて管理することができれば、どのような形式の情報であってもよい。
また、医師は、図6に示す測定収録画面を用いた測定収録の前に患者に対して診察を行った際に、その診察結果(問診結果を含む)の情報を、サーバ40の記憶部353に記憶されている当該患者の患者情報に反映する。この患者情報の反映(更新)は、情報処理装置50に対する入力操作によって行われてもよく、サーバ40に対して直接、入力することによって行われるものとしてもよい。
そして、特定の患者に対する測定収録(ステップS42)を実施した後、解析画面の利用者(医師等)は、その特定の患者の測定データ(脳磁信号および脳波信号等)を解析するために、情報処理装置50において解析画面を選択して開いた際(ステップS43)、レイアウト用情報取得部308は、当該患者の測定データに関連付けられた患者情報(診察結果を含む)を、サーバ40から通信部306を介して取得する。レイアウト決定部309は、記憶部310に記憶されたレイアウトテーブル1001を参照して、レイアウト用情報取得部308により取得された患者情報の診察結果に対応するレイアウト内容を取得し、当該レイアウト内容を解析画面のレイアウトとして決定する。解析表示制御部302は、レイアウト決定部309により決定された解析画面のレイアウト内容に従って、図12等に示すベースのレイアウトとなる解析画面から、レイアウト変更を行って初期レイアウトを構成して表示する(ステップS44)。
このように、予め行われた患者への診察(問診を含む)による結果に応じて、解析画面のレイアウトを変更し、初期レイアウトとして表示することによって、診察結果(特定の状況の一例)に応じて、表示する情報のレイアウトを適切に変更することができる。これによって、患者の所見から不要な情報は非表示とし、必要な情報を見やすく表示できるため、解析作業を容易にすることができる。
なお、レイアウトが変更されて初期表示された解析画面は、その後、利用者の操作入力によって手動でレイアウト変更することも当然可能である。
また、上述のレイアウト変更の内容は一例を示すものであり、これらに限定されるものではなく、例えば、診察結果に応じて、測定データ(脳磁信号、脳波信号等)に対してフィルタをかけたり、脳磁信号の特定のチャンネルを選択状態にしたり、または、特定のモンタージュパターン(図14に示す分布図130)の脳波信号を図7に示す表示領域103に表示させる等のレイアウト変更を行うものとしてもよい。モンタージュパターンの例として、共通の参照電極を用いた単独誘導(例えば図21)、頭部の2転換の電極を用いた縦列双極誘導(例えば図22)、または横列双極誘導(例えば図23)等がある。
また、患者情報に含まれる診察結果から、当該診察結果に関連付けられたレイアウト内容をレイアウトテーブル1001から取得して、レイアウト変更を行うものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、特定の患者の測定データを解析するために開いた解析画面について、最終的にカスタマイズされたレイアウト(例えば、解析処理が終わった時点でのレイアウト等)の情報を、患者情報に関連付けて、または、患者情報に含めて、サーバ40に記憶させておくものとしてもよい。そして、次回、当該患者の測定データを確認等するために解析画面を開いた場合、当該患者の患者情報に含まれる、または患者情報に関連付けられたレイアウトの情報に従って、解析画面のレイアウトを変更するものとしてもよい。
図24は、解析時の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。図25は、解析画面を表示する時の動作を示すフローチャートである。開始画面204(図5参照)で「解析」が選択されると(ステップS21)、解析が開始され、解析画面が表示される(ステップS22)。
このとき、解析画面の初期表示の際のレイアウトは以下のように変更される。解析画面の利用者(医師等)は、特定の患者の測定データ(脳磁信号および脳波信号等)を解析するために、情報処理装置50において解析画面を開いた際、レイアウト用情報取得部308は、当該患者の測定データに関連付けられた患者情報(診察結果を含む)を、サーバ40から通信部306を介して取得する(ステップS221)。次に、レイアウト決定部309は、記憶部310に記憶されたレイアウトテーブル1001を参照して(ステップS222)、レイアウト用情報取得部308により取得された患者情報の診察結果に対応するレイアウト内容を取得し、当該レイアウト内容を解析画面のレイアウトとして決定する(ステップS223)。そして、解析表示制御部302は、レイアウト決定部309により決定された解析画面のレイアウト内容に従って、図12等に示すベースのレイアウトとなる解析画面から、レイアウト変更を行って初期レイアウトを構成して表示する(ステップS224)。
解析画面が表示されると、特定のアノテーションが選択されたか否かが判断される(ステップS23)。アノテーションの選択は、アノテーションリスト180内での特定のアノテーション番号または行の選択であってもよいし、表示領域120の時間軸122上のタイムゾーン120bを操作することによる時刻位置の指定であってもよい。アノテーションの選択があると(ステップS23:Yes)、選択されたアノテーションの時刻位置を含む所定時間分の信号波形が表示される(ステップS24)。
表示された場面で、ハイライト表示されたマークの時間位置を示すライン117が選択されたか否かが判断される(ステップS25)。ライン117が選択されると(ステップS25:Yes)、選択されたラインを含む一定の時間範囲の信号波形が拡大表示される(ステップS26)。拡大表示領域200に表示される波形のチャネルは、ステップS224で決定したセンサに対応する。ここで、拡大表示領域200における拡大表示は、必ずしもハイライト表示されたマークの近傍の信号波形に限定されず、同じ時間位置の異なる種類の信号波形を拡大表示してもよい。例えば、脳波信号波形にハイライト表示されたマークが付されている場合に、同じ時間位置の脳磁信号波形を拡大表示させてもよい。また、すべてのチャネルの信号波形を拡大表示する代わりに、マークされた信号波形が取得されたチャネルを含む一定範囲のチャネルで取得された信号波形を拡大表示させてもよい。この場合、拡大表示させたい信号波形の種類、またはチャネル範囲の指定入力の有無を判断してもよい。
次に、信号源の推定ボタン212が押下されたか否かが判断される(ステップS27)。信号源の推定ボタン212が押下されると(ステップS27:Yes)、信号源推定の演算が行われる。推定結果がMRI断層画面に表示されると共に、推定完了マーク182がアノテーションリスト180に追加される(ステップS28)。そして、アノテーションリスト180の下に配置されたマージボタン185(図17参照)の押下を受け付けた場合(ステップS29:Yes)、情報処理装置50のマージ表示制御部303は後述のマージ画面400を表示し、マージ画面400に関する処理を行う(ステップS30)。ステップS29およびステップS30の具体的な内容については後述する。マージボタン185の押下を受け付けなかった場合(ステップS29:No)、または、ステップS30の後は、解析終了コマンドが入力されたか否かが判断される(ステップS31)。アノテーションの選択がない場合(ステップS23:No)、拡大表示のためのアノテーションラインの選択がない場合(ステップS25:No)、および、信号源の推定ボタン212押下の入力がない場合(ステップS27:No)は、ステップS31へ移行して解析終了の判断を行う。解析終了コマンドが入力されるまで(ステップS31:Yes)、ステップS23〜S30が繰り返される。
なお、ステップS26とS27の間に、アノテーションが変更されたか否かの判断を行ってもよい。アノテーションが変更された場合は、アノテーションリスト180へ変更を反映して、ステップS27の判断に移行する。
上述した表示処理動作により、視認性と操作性に優れた情報表示が実現する。
上述したように、解析部305の解析により信号源の推定が順次に行われていき、アノテーションリスト180の下に配置されたマージボタン185の押下を受け付けた場合、マージ表示制御部303は、所定方向に複数スライスされた生体断層画像に対して、生体信号の経時的変化を示す生体データの一部に対応する信号源を重畳して表示すると共に、該複数スライスされた生体断層画像のうち、所定の信号源が重畳された生体断層画像を表示領域に初期表示するよう制御する。ここでは、所定の信号源とは、所定の条件に合致する信号源である。この例では所定の条件は信号源数であるが、これに限られるものではない。本実施形態では、所定の信号源とは、複数スライスされた生体断層画像毎の信号源の数の中で最も多い信号源である。具体的な内容は後述するが、マージ表示制御部303は、信号源の数が最も多い生体断層画像を、表示領域の中央部付近に初期表示する。そして、マージ表示制御部303は、中央部付近の生体断層画像から左右に生体断層画像が層順に並ぶように、他の生体断層画像を配置して表示する。また、マージ表示制御部303は、信号源が重畳されない生体断層画像も表示することができるし、信号源が重畳されない生体断層画像は表示しないこともできる。以下、具体的な内容を説明する。
本実施形態では、マージ表示制御部303は、図17に示すアノテーションリスト180の下に配置されたマージボタン185の押下を受け付けると、図26に示すようなマージ画面400を表示装置507に表示する制御を行う。マージ画面400は、複数の生体断層画像が左右方向に並んで表示される領域401Aと、領域401Aから選択された生体断層画像の断層位置が表示される領域401Bと、を有する。
領域401Aは、上面からの断層画像(以下の説明では「スライス画像A」と称する場合がある)を表示する表示領域410Aと、側面方向からの断層画像(以下の説明では「スライス画像B」と称する場合がある)を表示する表示領域410Bと、背面方向からの断層画像(以下の説明では「スライス画像C」と称する場合がある)を表示する表示領域410Cとで構成されている。以下の説明では、スライス画像A、B、Cを互いに区別しない場合は、単に「スライス画像」と称する場合がある。なお、領域401Aにおける断層画像の上下並び方向は、本実施形態の態様に限られない。
ここで、図27を参照して、3次元方向に対応するスライス画像A、スライス画像B、スライス画像Cの関係を説明する。図27において、スライス画像A〜Cは、3次元方向に位置がリンクしている。基準線190Eは、各スライス画像をまたがるように表示され、各基準線190Eの交点Oは各スライス画像のスライス位置を表示している。この例では、スライス画像Cは、水平方向(左右方向)の基準線190Eでスライス画像Aを切断した断面を図27に示すA方向から見た断面図である。また、スライス画像Bは、上下方向の基準線190Eでスライス画像Aを切断した断面を図27に示すB方向から見た断面図である。以下の説明では、スライス画像Aに対応する視点を「Axial View」、スライス画像Bに対応する視点を「Sagittal View」、スライス画像Cに対応する視点を「Coronal View」と称する。
つまり、この例では、生体断層画像は、第1方向の断面である第1断層画像(例えば、スライス画像A)と、第1方向と直交する第2方向の断面である第2断層画像(例えば、スライス画像B)と、第1方向および第2方向と直交する第3方向の断面である第3断層画像(例えば、スライス画像C)と、を含む。
図26に戻って説明を続ける。マージ表示制御部303は、重畳される信号源の数を示す情報を、対応する生体断層画像と共に表示する制御を行う。各表示領域410A〜410Cには、スライス画像ごとに、どの位置でスライスした画像であるかを示すスライス番号を示す情報440Aと、該スライス画像に重畳される信号源の数(ダイポールの推定結果の数)を示す情報440Bとが表示される。
領域401Bは、表示領域410Aに対応する表示領域420Aと、表示領域410Bに対応する表示領域420Bと、表示領域410Cに対応する表示領域420Cとを有する。
表示領域420Aには、表示領域410Aに表示されるスライス画像Aが、側面(表示領域420Aの左側の画像)および背面(表示領域420Aの右側の画像)のそれぞれから見た断層画像においてどの位置でスライスした画像であるかが表示され、この断層位置を示す断層位置ライン450が重畳して表示される。側面から見たスライス位置Aと背面から見たスライス位置Bの各隣り合う断層位置ライン450は、図における上下方向の位置が一致している。また、各断層位置ライン450に対応するスライス番号が表示領域410Aに表示されるスライス画像Aと紐付けられている。例えば、表示領域420Aの下から上に向けてスライス番号が01〜15と付与される。
同様に、表示領域420Bには、表示領域410Bに表示されるスライス画像Bが、上面(表示領域420Bの左側の画像)および背面(表示領域420Bの右側の画像)から見た断層位置においてどの位置でスライスした画像であるかが表示され、この断層位置を示す断層位置ライン450が重畳して表示される。上面から見たスライス位置Cと背面から見たスライス位置Dの断層位置ライン450は、図における左右方向の位置が一致している。また、各断層位置ライン450に対応するスライス番号が表示領域410Bに表示されるスライス画像Bと紐付けられている。例えば、表示領域420Bの左から右に向けてスライス番号が01〜14と付与される。
同様に、表示領域420Cには、表示領域410Cに表示されるスライス画像Cが、上面(表示領域420Cの左側の画像)および側面(表示領域420Cの右側の画像)から見た断層位置においてどの位置でスライスした画像であるかが表示され、この断層位置を示す断層位置ライン450が重畳して表示される。上面から見たスライス位置Eの断層位置ライン450の上から下に向けて、側面から見たスライス位置Fの断層位置ライン450の左から右に向けて、位置が一致している。また、各断層位置ライン450に対応するスライス番号が表示領域410Cに表示されるスライス画像Cと紐付けられている。例えば、表示領域420Cの上から下(左の上面断層画像の場合)または左から右(右側の側面断層画像の場合)に向けてスライス番号が01〜15と付与されている。
つまり、マージ表示制御部303は、領域401A(表示領域)に表示される生体断層画像の断層位置を示す情報を表示する制御を行う。この例では、マージ表示制御部303は、複数の生体断層画像(スライス画像)の中から選択された生体断層画像の断層位置を示す情報を表示する制御を行う。なお、上述の各断層位置ライン450と、上述のスライス番号を示す情報440Aとは連携して記憶装置(補助記憶装置504等)に格納されている。
この例では、各表示領域410A〜410Cで表示されるスライス画像は、重畳表示されるダイポールの推定結果の数が最も多いスライス画像が中央に配置されている。そして、中央のスライス画像から左右にスライス番号順に(層順に)並ぶように、他のスライス画像が配置される。例えば、表示領域410Aには、スライス番号10のスライス画像が中央に配置され、その右側にスライス番号11、12、13(一部のみ)の順で配置されている。さらに、スライス番号10の左側にはスライス番号9、8、7(一部のみ)の順で配置されている。また、表示領域410Bには、スライス番号10のスライス画像が中央に配置され、その右側にスライス番号11、12、13(一部のみ)の順で配置されている。さらに、スライス番号10の左側にはスライス番号9、8、7(一部のみ)の順で配置されている。そして、表示領域410Cには、スライス番号7のスライス画像が中央に配置され、その右側にスライス番号8、9、10(一部のみ)の順で配置されている。さらに、スライス番号7の左側にはスライス番号6、5、4(一部のみ)の順で配置されている。ここで、中央とは、領域401A(「表示領域」に対応)の幅方向における中央である。また、解析者が視覚的に見つけやすくするために、例えば図26のように、ダイポールの推定結果の数が最も多いスライス画像の上にタイトル(Axial View、Sagittal View、Coronal View)を表示させてもよい。この場合、解析者がスライス画像の初期表示状態から左右にスクロールして他のスライス画像を表示させたとき、これらタイトルが連動して移動してもよい。連動して移動することで、スクロール後でも、ダイポールの推定結果の数が最も多いスライス画像を見つけやすくできる。一方、どの方向の断層画像であるかに注目するのであれば、スクロールしてもタイトルは固定とすることが好ましい。
なお、本実施形態においては、表示領域410Aに表示されたスライス画像Aと、その直下に表示されたスライス画像Bと、さらにその直下に表示されたスライス画像Cとは3次元方向に対応していない。つまり、表示領域410A〜410Cごとに、該表示領域410に表示される複数のスライス画像のうち、重畳表示されるダイポールの推定結果190aの数が最も多いスライス画像が中央に配置され、中央のスライス画像から左右にスライス番号順に並ぶように、他のスライス画像が配置される。このように表示することで、中央から左右へのダイポールの推定結果190aの広がりを視認できる。
また、各スライス画像にはダイポールの推定結果の数を示す情報440Bも表示されるので、どのスライス画像にどれだけダイポールの推定結果が重畳されているかを見たいときに、併せて確認することができる。また、領域401Bの断層位置ライン450と、選択した(注目したい)スライス画像のスライス番号を示す情報440Aから、所定範囲(たとえば1mm以内)にダイポールの推定結果が収まっているかどうかを把握できる。また、領域401に全てのスライス画像を表示できない場合は、例えば、マウスでスクロールすることで、スライス画像を左右方向に移動させて新たなスライス画像を表示することもできる。つまり、マージ表示制御部303は、スライス画像を送る、および戻すための操作(スクロールするための操作)に応じて、スライス画像を左右方向に移動して、新たなスライス画像を表示する制御を行うことができる。
また、この例では、表示領域410Aの上には、ダイポールの推定結果が重畳表示されているスライス画像のみを表示するモードを選択するための「Only Dipole」ボタン430Bと、ダイポールの推定結果が重畳されないスライス画像も含めた全てのスライス画像を表示するモードを選択するための「ALL」ボタン430Aと、が配置されている。図26は、「ALL」ボタン430Aが押されたときのマージ画面400の一例を示す図である。図28は、「Only Dipole」ボタン430Bが押された時のマージ画面400の一例を示す図である。図28に示すように、ダイポールの推定結果が重畳表示されているスライス画像のみが領域401Aに表示され、ダイポールの推定結果が重畳されないスライス画像に対応する断層位置ライン450が領域401Bにて非表示になる。言い換えると、ダイポールの推定結果が重畳されたスライス画像に対応する断層位置ライン450のみが表示される。このように、注目したいスライス画像と、対応する断層位置ライン450とを同一画面上で比較することで、各ダイポールの推定結果がどのくらい離れた位置にそれぞれあるかが容易に認識できる。
解析者は、ダイポールの推定結果が重畳表示されているスライス画像から、どの位置に一番多くダイポールの推定結果が存在するかを検証することができる。そして、出力ボタン460を押下すると、ダイポールの推定結果が重畳表示されたスライス画像が出力(そのときのマージ画面400が出力)され、プリントアウトされる。このように、立体的な信号源(ダイポールの推定結果)の位置を従来に比べてより詳細に特定することができる。
以上に説明したように、領域401Aに初期表示するスライス画像の条件として、信号源の数が最も多いスライス画像であることを条件とし、該信号源の数が最も多いスライス画像を少なくとも初期表示する。ここでは、上述したように、マージ表示制御部303は、信号源の数が最も多いスライス画像を領域401Aの中央部付近に初期表示し、中央部付近のスライス画像から左右にスライス画像が層順に並ぶように、他のスライス画像を配置して表示する。このように表示することで、中央から左右への信号源の広がりを視認できるので、解析者が、症例の原因となる対象箇所を特定する確度を向上させることができる。また、隣り合うスライス画像同士で信号源の有無を確認することができる。
なお、例えば、まず全てのスライス画像に対して信号源(群)を重畳して信号源が重畳済みのスライス画像を生成し、信号源数が最も多い信号源重畳済みスライス画像を選定してもよい。このような、信号源数が最も多い信号源重畳済みスライス画像を選定する機能は、マージ表示制御部303が有していてもよいが、これに限らず、例えば、上述の機能が、マージ表示制御部303とは別に設けられる形態であってもよい。つまり、所定の条件に合致する生体断層画像(領域401Aに初期表示する生体断層画像)を選定する機能(選定部)が、マージ表示制御部303とは別に設けられる形態であってもよい。なお、上述の機能(選定部)は、ソフトウェア的に実現(例えばCPU501がプログラムを実行することにより実現)されてもよいし、専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
また、例えば、まずすべてのスライス画像ごとに、該スライス画像に存在する信号源(群)を特定し、その結果から、信号源数が最も多いスライス画像を選定し、その後、その選定したスライス画像に信号源を重畳させて表示してもよい。なお、例えば、信号源を重畳させずに、以上のようにして選定したスライス画像(信号源数が最も多いスライス画像)を初期表示しておき、任意のタイミングで、信号源(群)や数を示す情報を重畳表示する形態であってもよい。また、重畳表示に加えて、信号源(群)や数を示す情報を表示領域にスクロール表示してもよい。この場合、信号源が重畳表示されていない状態のスライス画像であっても、潜在的に信号源が紐付けられた状態であると考えることができるため、このスライス画像を表示する場合も、「所定の信号源が重畳された生体断層画像を表示領域に初期表示する」態様の一例であると考えることができる。
また、以下、図30〜図33を参照しながら、マージ画面400の表示の類型について説明する。まず、図30に示すように、各表示領域410A〜410Cで表示されるスライス画像は、重畳表示されるダイポールの推定結果の数が最も多いスライス画像が左側に配置されている。そして、左端のスライス画像から左右にスライス番号順に(層順に)並ぶように、他のスライス画像が配置されることは図26に示す例と同じである。ダイポールの推定結果の数が最も多いスライス画像のスライス番号を図26と同様にしたとき、図30に示すようになる。例えば、表示領域410Aには、スライス番号10のスライス画像が左端に配置され、その右側にスライス番号11、12、13、14の順で配置されている。また、表示領域410Bには、スライス番号10のスライス画像が左端に配置され、その右側にスライス番号11、12、13、14の順で配置されている。そして、表示領域410Cには、スライス番号7のスライス画像が左端に配置され、その右側にスライス番号8、9、10、11、12の順で配置されている。
このように、ダイポールの推定結果の数が最も多いスライス画像を左端に寄せて配置することで、ダイポールの推定結果の数が最も多いスライス画像を見つけやすくなる。
また、例えば、領域401Aに初期表示するスライス画像の条件として、スライス画像に重畳される信号源の数が多い順に所定方向に沿ってスライス画像(生体断層画像)を並べて表示することもできる。つまり、マージ表示制御部303は、信号源の数が最も多いスライス画像(所定の信号源が重畳された生体断層画像)を基準として、信号源の数が多い順に所定方向に沿って他の生体断層画像を並べて表示することもできる。例えば、図30に示すように、マージ表示制御部303は、重畳される信号源の数が最も多いスライス画像を左端とし、左から右へ向けて(所定方向の一例)、重畳される信号源の数が少なくなるようにスライス画像を並べて表示する形態であってもよい。スライス画像上の信号源の数(ダイポールの推定結果の数)を確認するだけであれば、領域401Aの左から右に向けて一方向に視線を移動するだけでよいので、図26等に比べて視認性がよいという利点もある。また、図26と同様に、信号源の数が最も多いスライス画像を中央に配置し、左右には信号源の数が徐々に少なくなるように並べて配置してもよい。
また、マージ表示制御部303は、1方向のみのスライス画像を表示し、他の2方向のスライス画像は非表示にするものとしてもよい。例えば、領域401Aにスライス画像を1列で表示すれば、1方向におけるスライス画像の視認性が向上する。また、スライス画像が多数ある場合は、図31に示すように複数行にわたって1方向の断層画像を表示すれば、スクロールの回数を減らすことができ、より全体を把握でき、視認性が向上する。図31は、信号源の数が最も多いスライス画像を中央に配置し、左右には信号源の数が徐々に少なくなるように並べたものであり、初期表示後にスクロールした状態を示している。なお、図31の例では、1方向のみのスライス画像が表示される表示領域410の上に、スライス画像Aに対応する方向(「Axial View」の方向)を選択するためのボタン470Aと、スライス画像Bに対応する方向(「Sagittal View」の方向)を選択するためのボタン470Bと、スライス画像Cに対応する方向(「Coronal View」の方向)を選択するためのボタン470Cとが配置される。マージ表示制御部303は、ボタン470Aの押下を受け付けた場合はスライス画像A群のみを表示し、ボタン470Bの押下を受け付けた場合はスライス画像B群のみを表示し、ボタン470Cの押下を受け付けた場合はスライス画像C群のみを表示する。
また、図26に示す例では、表示領域410Aに表示されたスライス画像Aと、その直下に表示されたスライス画像Bと、さらにその直下に表示されたスライス画像Cとは3次元方向に対応していないが、表示領域410Aに表示されたスライス画像Aと、その直下に表示されたスライス画像Bと、さらにその直下に表示されたスライス画像Cとが3次元方向に対応する形態であってもよい。この場合、表示領域410A〜410Cの何れかを基準とし、基準となる表示領域410に表示された複数のスライス画像のうち、重畳される信号源の数が最も多いスライス画像を中央に配置して表示し、中央のスライス画像から左右にスライス画像が層順(スライス番号順)に並ぶように、他のスライス画像を配置して表示した上で、他の表示領域410のスライス画像を対応させて表示することができる。例えば、表示領域410Aを基準とした場合、表示領域410Aに表示されるスライス画像のうち、重畳される信号源の数が最も多いスライス画像を中央に配置して表示し、中央のスライス画像から左右にスライス画像が層順に並ぶように、他のスライス画像を配置して表示する。そして、他の表示領域410Bおよび表示領域410Cの各々に表示される複数のスライス画像の各々を、表示領域410Aに表示された各スライス画像に対応させて表示するという具合である。このように、3次元的に対応する3つのスライス画像を上下方向に揃えて表示することで、立体的にダイポールの推定結果(信号源)の位置を把握できる。また、基準となる表示領域410に表示された複数のスライス画像のうちダイポールの推定結果の数が最も多いスライス画像を、図30のように左端に寄せて配置してもよい。
また、複数のスライス画像にそれぞれ重畳されている各信号源を、所定のスライス画像に集約して重畳して領域401Aに表示するものとしてもよい。例えば、複数のスライス画像についてスライス番号順に10枚ずつ1つの群を構成し、群ごとに、当該群に含まれる各スライス画像に対応する信号源の数の合計を演算する。次に、各群の信号源の数の合計を比較し、図32に示すように、その合計の数が最も多い群に含まれるスライス画像(のいずれか)を領域401Aの中央に表示する。そして、中央のスライス画像から左右にスライス番号順に(層順に)並ぶように、他の群に含まれるスライス画像を配置して表示する。
ここで、領域401Aに表示する各スライス画像は、群に含まれる各スライス画像のいずれかである。例えば、群に含まれる連続したスライス番号のスライス画像のうち、真中のスライス番号のスライス画像でもよく、スライス番号の一番小さい、または、一番大きいスライス画像であってもよい。そして、表示する画像として特定されたスライス画像に、当該スライス画像を含む群に含まれるスライス画像の全ての信号源を重畳する。また、表示するスライス画像のスライス番号が決まったら、その左右に表示するスライス画像のスライス番号は、群を構成するスライス画像の枚数だけシフトしたスライス番号とすればよい。例えば、10枚のスライス画像で1つの群を構成する場合、左右に表示させるスライス画像のスライス番号は、中央に表示されたスライス画像のスライス番号に10だけ加算したスライス番号、または減算したスライス番号とすればよい。
また、図32に示すように、スライス番号を示す情報440Aには、群を構成するスライス画像のスライス番号の範囲が表示される。また、信号源の数を示す情報440Bには、表示しているスライス画像を含む群に含まれる各スライス画像に対応する信号源の数の合計値が表示されている。なお、図32では、領域401Aの中央、および、その左右に1ずつのスライス画像のみを表示する例を示しているが、左右方向に複数のスライス画像が表示されていてもよい。これによって、領域401Aに表示されるスライス画像の総数が減るため、上述した例に比べて閲覧性が向上する。
また、上述した例では、スライス画像に重畳される信号源の数を、領域401Aに初期表示するスライス画像の条件として用いたが、これに限られない。例えば、信号源のベクトル方向または強度等、解析の目的にあった条件を適用することが可能である。一例として、推定した信号源の妥当性もしくは信憑性、または信号源の近似の妥当性もしくは信憑性などを示す数値を用い、当該数値が最も高い信号源が重畳されたスライス画像を領域401Aの中央に表示することができる。妥当性または信憑性など(以下、単に信憑性と総称する)を示す数値は、一例として、GOF(Good Of Fitness)を用いて算定することができる。そして、算定した信憑性を示す数値が所定の閾値を越えた信号源が重畳されているスライス画像を領域401Aに表示する。そして、信憑性を示す数値が最も大きい(信憑性が最も高い)信号源が重畳されたスライス画像を領域401Aに表示し、その左右にはスライス番号順に(層順に)並ぶように、他のスライス画像を配置して表示する。
ここで、図33は、図32に示す表示形態を適用した図を示している。図33では、情報440Bに示す数が信号源の数ではなく信憑性を示す数値である点が図32と異なる。また、図33に示す信憑性を示す数値は、1つの群に含まれるスライス画像に重畳する各信号源の信憑性の平均値であってもよく、または、1つの群に含まれるスライス画像に重畳する各信号源のうち、最も信憑性を示す数値が高い信号源の当該数値であってもよい。これによって、信憑性の高い信号源を特定することで、症例の原因となる対象箇所を特定する確度がより向上する。また、情報440Bに示す数を、図32に示すように信号源の数とし、信号源の表現(色、形、大きさなど)をGOFの値に応じた表現とすることにより区別してもよい。
なお、図26〜図33では、領域401Aに初期表示するスライス画像は、図19に示すレイアウトテーブル1001を参照しない制御であったが、これに限られない。すなわち、以下で説明するように、図34に示すレイアウトテーブル1001aを参照し、領域401Aに初期表示するスライス画像のレイアウトを制御してもよい。図34に示すレイアウトテーブル1001aは、図19に示すレイアウトテーブル1001の別形態のテーブルであり、レイアウトテーブル1001に、解析画面のマージボタン185が押下されたときに表示されるマージ画面400のレイアウト内容の項目が追加されたものである。
以上のようなレイアウトテーブル1001aを用いて、解析画面およびマージ画面のレイアウト変更を行う動作について、図35を参照しながら説明する。図35は、解析画面およびマージ画面のレイアウト変更の動作を示すフローチャートである。
まず、情報処理装置50は、患者のどのような診察結果の場合、どのような解析画面およびおマージ画面400のレイアウトとするかについて関連付けるためのレイアウトテーブル1001aを有している。例えば、解析画面の利用者(医師等)は、図3に示す入力部311から診察結果(診断結果)の操作入力を行うと、設定部304は、その操作入力に従って、診察結果(問診結果を含む)と、解析画面の表示のレイアウト内容と、解析画面のマージボタン185が押下されたときに表示されるマージ画面400の表示のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブル1001a(レイアウト情報の一例)を設定して、記憶部310に記憶させる(ステップS51)。例えば、入力部311に対して、測定収録画面のメニューからレイアウトテーブル1001aの診察結果のような選択肢からの選択操作、もしくは診察結果の入力操作を行う形態、または、測定収録画面とは別の入力画面から当該選択操作もしくは当該入力操作を行う形態とすることが可能である。なお、レイアウトテーブル1001aは、テーブル形式の情報としているが、これに限定されるものではなく、テーブルの各フィールドの値が互いに関連付けて管理することができれば、どのような形式の情報であってもよい。
また、医師は、図6に示す測定収録画面を用いた測定収録の前に患者に対して診察を行った際に、その診察結果(問診結果を含む)の情報を、サーバ40の記憶部353に記憶されている当該患者の患者情報に反映する。この患者情報の反映(更新)は、情報処理装置50に対する入力操作によって行われてもよく、サーバ40に対して直接、入力することによって行われるものとしてもよい。
そして、特定の患者に対する測定収録(ステップS52)を実施した後、解析画面の利用者(医師等)は、その特定の患者の測定データ(脳磁信号および脳波信号等)を解析するために、情報処理装置50において解析画面を選択して開いた際(ステップS53)、レイアウト用情報取得部308は、当該患者の測定データに関連付けられた患者情報(診察結果を含む)を、サーバ40から通信部306を介して取得する。レイアウト決定部309は、記憶部310に記憶されたレイアウトテーブル1001aを参照して、レイアウト用情報取得部308により取得された患者情報の診察結果に対応するレイアウト内容を取得し、当該レイアウト内容を解析画面およびマージ画面400のレイアウトとして決定する。解析表示制御部302は、レイアウト決定部309により決定された解析画面のレイアウト内容に従って、図12に示すベースのレイアウトとなる解析画面から、レイアウト変更を行って初期レイアウトを構成して表示する(ステップS54)。なお、レイアウトが変更されて初期表示された解析画面は、その後、利用者の操作入力によって手動でレイアウト変更することも当然可能である。
その後、適宜、信号源の推定をした後、図17に示すマージボタン185の押下を受け付けた場合(ステップS55:Yes)、解析表示制御部302は、レイアウト決定部309により決定されたマージ画面400のレイアウト内容に従って、ベースのレイアウトとなるマージ画面400から、レイアウト変更を行って初期レイアウトを構成して表示する(ステップS56)。
このように、レイアウトテーブル1001aにより、診察時に患部が特定または推定されている場合、解析画面だけでなく、マージボタン185が押下されたときに表示されるマージ画面400も特定の患部に注力したレイアウトに変更することができる。
次に、図35のステップS56で表示されるマージ画面400のレイアウト例について、図36〜図39を用いて説明する。図36〜図39の例では、レイアウトテーブル1001aで、左脳に患部有りとして入力または選択された場合を想定している。
図36では、図26に示すベースのレイアウトのマージ画面400から、レイアウトを変更したマージ画面400の一例を示す。表示領域420Bにおけるスライス位置C、Dとしては、レイアウトテーブル1001aで入力または選択された左脳に対応する断層位置ライン450のみが表示される。また、表示領域410Bには、表示領域420Bに対応するスライス画像のみが表示される。一方、スライス位置A、B、E、Fについては、図26と同様である。このように、レイアウトテーブル1001aで特定していない右脳のスライス画像を非表示とすることで、必要なスライス画像のみを表示させることができるので、必要な情報を見やすく表示でき解析作業を容易にすることができる。
図37に示すマージ画面400の例は、図36に示すマージ画面400からさらに、スライスA、B、E、Fに対応する表示領域410A、Cのスライス画像の右半分を非表示にしている。これにより、表示領域410A〜410Cのそれぞれの方向において、すべて左脳のみの画像を表示し、右脳の画像を非表示とすることになり、表示領域410A〜410Cの対応関係の視認性がより向上する。
図38に示すマージ画面400の例は、図37に示すマージ画面400からさらに,表示領域410A、Cの隣り合うスライス画像の間隔を詰めて表示している。これにより、表示領域410A、Cは、表示領域410Bよりも左右方向に、より多くのスライス画像を表示させることができるので、一覧性が向上する。なお、表示領域410A、Cには信号源が重畳されたスライス画像のみが表示されているが、信号源が重畳されていないスライス画像も含めて表示させてもよい。
なお、上述の図36〜図38に示したマージ画面400の例では、表示領域420A〜420Cの各断層位置ライン450に対応するスライス画像を、表示領域410A〜410Cに表示させていたが、これに限られない。例えば、表示領域410Bに表示領域420Bに対応するスライスのみを表示し、表示領域420A、420C、表示領域410A、410C、およびスライス位置A、B、E、Fを非表示としてもよい。表示対象を左半分に限定したことにより、同じ領域に多くのスライスを表示可能となる。これによりスライス幅を細かく表示することができ、高解像度での解析を行うことができる。
図39に示すマージ画面400は、ベースのレイアウトとなる図26に示すマージ画面400から、レイアウトを変更した別形態の例である。スライス位置C、Dのうち左脳に対応する位置のスライス画像は、スライスした画像1枚ずつ表示領域410Bに表示される。一方、スライス位置C、Dのうち右脳に対応する位置のスライス画像は、スライス番号順に複数枚数(例えば3枚)ずつ1つの群を構成し、群ごとに、当該群に含まれる各スライス画像に対応する信号源の数の合計を演算し、代表スライス画像上に信号源を重畳表示させる。また、スライス位置A、B、E、Fについては、図26と同様である。このように、レイアウトテーブル1001aで特定した左脳のスライス画像をスライスごとに表示させ、特定していない右脳のスライス画像を間引いて表示させることで、必要な情報を見やすく表示でき解析作業を容易にすることができる。
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置50では、予め行われた患者への診察(問診を含む)による結果の情報(患者情報)を取得し、その結果に対応して、解析画面のレイアウトを変更し、初期レイアウトとして表示するものとしている。これによって、診察結果(特定の状況の一例)に応じて、表示する情報のレイアウトを適切に変更することができるので、手動でレイアウト変更する手間を省くことができ、患者の所見から不要な情報は非表示とし、必要な情報を見やすく表示できるため、解析作業を容易にすることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る生体信号計測システム1について、第1の実施形態に係る生体信号計測システム1と相違する点を中心に説明する。第1の実施形態では、予め行われた患者への診察(問診を含む)による結果に応じて、解析画面のレイアウトを変更し、初期レイアウトとして表示する動作について説明した。本実施形態では、信号源の推定の状況に応じて、解析画面のレイアウトを変更する動作について説明する。なお、本実施形態に係る生体信号計測システム1の全体構成、情報処理装置50およびサーバ40のハードウェア構成および機能ブロックの構成は、第1の実施形態で説明した構成と同様である。
(情報処理装置の機能ブロックの動作)
上述の図3を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置50の機能ブロックの構成および動作について説明する。
設定部304は、入力部311により受け付けられた操作入力に従って、信号源の推定状況と、解析画面の表示のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブルを設定して、記憶部310に記憶させる。
レイアウト用情報取得部308は、解析画面のレイアウトを決定付ける特定の状況を示す情報(決定情報の一例)を取得する。具体的には、本実施形態では、レイアウト用情報取得部308は、特定の状況を示す情報として、推定ボタン212(図16参照)の押下によりどれだけの信号源の推定が行われたかを示す情報(信号源の推定状況を示す情報、解析結果に関する情報の一例)を取得する。
レイアウト決定部309は、レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報が、記憶部310に記憶された信号源の推定状況と解析画面のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブルで規定されている「信号源の推定状況」に一致するか否かを判定する。そして、レイアウト決定部309は、レイアウトテーブルで規定されている「信号源の推定状況」に一致するレイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報に対応するレイアウト内容を、当該レイアウトテーブルから取得して、当該レイアウト内容を解析画面のレイアウトとして決定する。
なお、収録表示制御部301、解析表示制御部302、マージ表示制御部303、解析部305、通信部306、センサ情報取得部307、記憶部310、および入力部311の動作は、第1の実施形態と同様である。
(解析画面の表示内容のレイアウトを変更する動作)
図40は、第2の実施形態における解析画面でMRI画像を拡大した例を示す図である。図41は、第2実施形態における解析時の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。図42は、第2の実施形態のレイアウトテーブルの一例を示す図である。図40お〜図42を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置50での解析画面の表示内容のレイアウトを変更する動作について説明する。
上述したように、脳磁計や脳波計で計測した情報、または関連する情報を表示する際に、例えば、信号源の推定(ダイポールの推定)の状況によって、解析画面に表示する情報をどのような態様で表示することが好ましいかが定まる場合がある。例えば、推定された信号源の数が所定数以上となった場合、解析表示制御部302は、図40に示すように、現状の解析画面のレイアウトから、推定された信号源(ダイポールの推定結果190a)を表示ウィンドウ190に重畳表示させた上で、当該表示ウィンドウ190を拡大表示させる。この際、解析表示制御部302は、推定された信号源を、表示ウィンドウ190にすべて表示させることが望ましく、これによって、拡大表示された表示ウィンドウ190上で、推定された信号源の位置を確認することができるので、患部の位置の確認の精度を向上させることができる。また、解析表示制御部302は、所定数の推定された信号源が得られた場合、新たな信号源の推定は必要がないと判断し、図40に示すように、表示ウィンドウ190の拡大表示の結果、拡大表示領域200が非表示となるようにしてもよい。
上述のような、信号源の推定(ダイポールの推定)の状況に基づいて、解析画面の表示内容のレイアウトを変更(例えば、上述のように、表示ウィンドウ190の拡大表示)する動作の詳細を説明する。まず、解析画面の利用者は、どのような信号源の推定(ダイポールの推定)の状況の場合、どのような解析画面のレイアウトとするかについて関連付けるためのレイアウトテーブルを設定しておく。例えば、図42に示すように、解析画面の利用者(医師等)は、入力部311に対する操作入力を行い、設定部304は、その操作入力に従って、信号源の推定状況と、解析画面の表示のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブル1002(レイアウト情報の一例)を設定して、記憶部310に記憶させる。図42に示すレイアウトテーブル1002の例では、例えば、「信号源10個以上推定完了」という信号源推定状況に対して、「MRIの断層画像を拡大」(表示ウィンドウ190の拡大)というレイアウト内容が関連付けられている。なお、レイアウトテーブル1002は、テーブル形式の情報としているが、これに限定されるものではなく、テーブルの各フィールドの値が互いに関連付けて管理することができれば、どのような形式の情報であってもよい。
レイアウト用情報取得部308は、特定の状況を示す情報として、推定ボタン212(図16参照)の押下によりどれだけの信号源の推定が行われたかを示す情報(信号源の推定状況を示す情報)を取得する。レイアウト決定部309は、レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報が、記憶部310に記憶されたレイアウトテーブル1002で規定されている「信号源の推定状況」に一致するか否かを判定する。そして、レイアウト決定部309は、レイアウトテーブル1002で規定されている「信号源の推定状況」に一致するレイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報に対応するレイアウト内容を、レイアウトテーブル1002から取得して、当該レイアウト内容を解析画面のレイアウトとして決定する。解析表示制御部302は、レイアウト決定部309により決定された解析画面のレイアウト内容に従って、現状の解析画面からレイアウトを変更する。
以上のような動作の流れを、図41を用いて説明する。なお、レイアウトテーブル1001の設定動作と同様に、図42に示すレイアウトテーブル1002についても、上述した動作で設定しておく。開始画面204(図5参照)で「解析」が選択されると(ステップS61)、解析が開始され、解析画面が表示される(ステップS62)。この場合、解析画面のレイアウト変更については、上述した図20または図25の動作と同様に行われる。
解析画面が表示されると、特定のアノテーションが選択されたか否かが判断される(ステップS63)。アノテーションの選択は、アノテーションリスト180内での特定のアノテーション番号または行の選択であってもよいし、表示領域120の時間軸122上のタイムゾーン120bを操作することによる時刻位置の指定であってもよい。アノテーションの選択があると(ステップS63:Yes)、選択されたアノテーションの時刻位置を含む所定時間分の信号波形が表示される(ステップS64)。
表示された場面で、ハイライト表示されたマークの時間位置を示すライン117が選択されたか否かが判断される(ステップS65)。ライン117が選択されると(ステップS65:Yes)、選択されたラインを含む一定の時間範囲の信号波形が拡大表示される(ステップS66)。拡大表示領域200に表示される波形のチャネルは、ステップS224で決定したセンサに対応する。ここで、拡大表示領域200における拡大表示は、必ずしもハイライト表示されたマークの近傍の信号波形に限定されず、同じ時間位置の異なる種類の信号波形を拡大表示してもよい。例えば、脳波信号波形にハイライト表示されたマークが付されている場合に、同じ時間位置の脳磁信号波形を拡大表示させてもよい。また、すべてのチャネルの信号波形を拡大表示する代わりに、マークされた信号波形が取得されたチャネルを含む一定範囲のチャネルで取得された信号波形を拡大表示させてもよい。この場合、拡大表示させたい信号波形の種類、またはチャネル範囲の指定入力の有無を判断してもよい。
次に、信号源の推定ボタン212が押下されたか否かが判断される(ステップS67)。信号源の推定ボタン212が押下されると(ステップS67:Yes)、信号源推定の演算が行われる。推定結果がMRI断層画面に表示されると共に、推定完了マーク182がアノテーションリスト180に追加される(ステップS68)。
次に、レイアウト用情報取得部308は、特定の状況を示す情報として、推定ボタン212(図16参照)の押下によりどれだけの信号源の推定が行われたかを示す情報(信号源の推定状況を示す情報)を取得する。レイアウト決定部309は、レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報が、記憶部310に記憶されたレイアウトテーブル1002で規定されている「信号源の推定状況」に一致するか否かを判定する(ステップS69)。レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報に含まれる信号源の数が、所定数t(例えば図42に示す10個)以上である場合(ステップS69:Yes)、解析表示制御部302は、図40に示すように、現状の解析画面のレイアウトから、推定された信号源を表示ウィンドウ190に重畳表示させた上で、当該表示ウィンドウ190を拡大表示させる(ステップS70)。
一方、レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報に含まれる信号源の数が、所定数t未満である場合(ステップS69:No)、または、拡大表示された表示ウィンドウ190が閉じられた場合(ステップS71:Yes)、解析表示制御部302は、例えば図15に示すように、解析画面において表示ウィンドウ190を通常のサイズで表示させる(ステップS72)。
そして、アノテーションリスト180の下に配置されたマージボタン185(図17参照)の押下を受け付けた場合(ステップS73:Yes)、情報処理装置50のマージ表示制御部303はマージ画面400を表示し、マージ画面400に関する処理を行う(ステップS74)。マージボタン185の押下を受け付けなかった場合(ステップS73:No)、または、ステップS74の後は、解析終了コマンドが入力されたか否かが判断される(ステップS75)。アノテーションの選択がない場合(ステップS63:No)、拡大表示のためのアノテーションラインの選択がない場合(ステップS65:No)、および、信号源の推定ボタン212押下の入力がない場合(ステップS67:No)は、ステップS75へ移行して解析終了の判断を行う。解析終了コマンドが入力されるまで(ステップS75:Yes)、ステップS63〜S74が繰り返される。
なお、例えば、解析画面のレイアウト変更として、表示ウィンドウ190を拡大表示させた場合、図40に示す解析画面において、表示領域101〜103に表示される波形をクリック操作等した場合、元のレイアウトに戻す、すなわち、表示ウィンドウ190を通常の大きさに戻し、拡大表示領域200を再表示させるものとしてもよい。
このように、信号源の推定の状況に応じて、解析画面のレイアウトを変更するものとしている。これによって、信号源の推定の状況(特定の状況の一例)に応じて、表示する情報のレイアウトを適切に変更することができるので、手動でレイアウト変更する手間を省くことができ、信号源の推定の状況に応じて、必要な情報を見やすく表示できるため、患部の状態の確認作業を容易にすることができる。
なお、上述のように、推定ボタン212の押下により信号源の推定がアノテーションに反映された場合、そのアノテーションの情報は、サーバ40等に記憶されるが、解析画面を開いた際、確認対象となる患者の測定データに関連付けられているアノテーション情報に含まれる信号源の推定の状況(個数等)に基づいて、解析画面の初期レイアウトを変更するものとしてもよい。具体的には、レイアウト用情報取得部308が、確認対象となる患者の測定データに関連付けられているアノテーション情報に含まれる信号源の推定の状況(個数等)をサーバ40から取得する。そして、レイアウト決定部309が、レイアウトテーブル1002で規定されている「信号源の推定状況」に一致するレイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報に対応するレイアウト内容を、レイアウトテーブル1002から取得して、当該レイアウト内容を解析画面の初期レイアウトとして決定するものとすればよい。以上の動作を、図43を用いて、以下で説明する。
開始画面204(図5参照)で「解析」が選択されると(ステップS81)、解析が開始され、解析画面が表示される(ステップS82)。この場合、解析画面のレイアウト変更については、上述した図20または図25の動作と同様に行われる。解析画面の利用者(医師等)は、、当該解析画面において、サーバ40に記憶された特定の患者の測定データを選択する(ステップS83)。これによって、レイアウト用情報取得部308は、当該測定データからどれだけの信号源の推定が行われたかを示す情報(信号源の推定状況を示す情報)を取得する。レイアウト決定部309は、レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報が、記憶部310に記憶されたレイアウトテーブル1002で規定されている「信号源の推定状況」に一致するか否かを判定する(ステップS84)。レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報に含まれる信号源の数が、所定数t(例えば図42に示す10個)以上である場合(ステップS84:Yes)、解析表示制御部302は、図40に示すように、現状の解析画面のレイアウトから、推定された信号源を表示ウィンドウ190に重畳表示させた上で、当該表示ウィンドウ190を拡大表示させる(ステップS85)。
一方、レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報に含まれる信号源の数が、所定数t未満である場合(ステップS84:No)、または、拡大表示された表示ウィンドウ190が閉じられた場合(ステップS86:Yes)、解析表示制御部302は、例えば図15に示すように、解析画面において表示ウィンドウ190を通常のサイズで表示させる(ステップS87)。
そして、アノテーションリスト180の下に配置されたマージボタン185(図17参照)の押下を受け付けた場合(ステップS88:Yes)、情報処理装置50のマージ表示制御部303はマージ画面400を表示し、マージ画面400に関する処理を行う(ステップS89)。マージボタン185の押下を受け付けなかった場合(ステップS88:No)、または、ステップS89の後は、解析終了コマンドが入力されたか否かが判断される(ステップS90)。
解析終了のコマンドが入力されていない場合(ステップS90:No)、特定のアノテーションが選択されたか否かが判断される(ステップS91)。アノテーションの選択は、アノテーションリスト180内での特定のアノテーション番号または行の選択であってもよいし、表示領域120の時間軸122上のタイムゾーン120bを操作することによる時刻位置の指定であってもよい。アノテーションの選択があると(ステップS91:Yes)、選択されたアノテーションの時刻位置を含む所定時間分の信号波形が表示される(ステップS92)。
表示された場面で、ハイライト表示されたマークの時間位置を示すライン117が選択されたか否かが判断される(ステップS93)。ライン117が選択されると(ステップS93:Yes)、選択されたラインを含む一定の時間範囲の信号波形が拡大表示される(ステップS94)。拡大表示領域200に表示される波形のチャネルは、ステップS224で決定したセンサに対応する。ここで、拡大表示領域200における拡大表示は、必ずしもハイライト表示されたマークの近傍の信号波形に限定されず、同じ時間位置の異なる種類の信号波形を拡大表示してもよい。例えば、脳波信号波形にハイライト表示されたマークが付されている場合に、同じ時間位置の脳磁信号波形を拡大表示させてもよい。また、すべてのチャネルの信号波形を拡大表示する代わりに、マークされた信号波形が取得されたチャネルを含む一定範囲のチャネルで取得された信号波形を拡大表示させてもよい。この場合、拡大表示させたい信号波形の種類、またはチャネル範囲の指定入力の有無を判断してもよい。
次に、信号源の推定ボタン212が押下されたか否かが判断される(ステップS95)。信号源の推定ボタン212が押下されると(ステップS95:Yes)、信号源推定の演算が行われる。推定結果がMRI断層画面に表示されると共に、推定完了マーク182がアノテーションリスト180に追加される(ステップS96)。また、これと共に信号源の推定が反映されたアノテーションの情報が、患者の測定データに含められ、サーバ40等に記憶(更新)される。そして、ステップS84へ戻る。
また、上述のレイアウト変更の内容は一例を示すものであり、これらに限定されるものではない。例えば、信号源の推定の状況として、信号源が1つも推定されていない場合は、例えば図44に示すように、表示ウィンドウ190を非表示にし、表示ウィンドウ190の表示エリアがなくなった分だけ、表示領域101〜103の少なくともいずれかを時間軸方向に拡大表示するものとしてもよい。また、これに代えて、信号源が0から所定数t未満の場合に、表示ウィンドウ190を非表示にするものとしてもよい。図44は、図12および図14に示す解析画面と比べて表示ウィンドウ190、等磁場図150およびマップエリア160が非表示である点で相違する。そして、表示ウィンドウ190、等磁場図150およびマップエリア160が表示されていた領域にも表示領域101〜103の波形が表示される。このように、表示領域101〜103が左右方向に拡大して表示されることによって、アノテーションA7、A8に加えて、ライン117−9およびマーク103a−9を含むアノテーションA9、ならびに、ライン117−10およびマーク103a−10を含むアノテーションA10が表示されている。また、時間軸112に沿ってアノテーション110a−7、110a−8に加え、アノテーション110a−9、110a−10が表示されている。また、図44において、ウィンドウオープンボタン145が押下されると、表示ウィンドウ190、等磁場図150およびマップエリア160が再表示され、ウィンドウクローズボタン146が押下されると、表示ウィンドウ190、等磁場図150およびマップエリア160が、再び非表示となる。図44の表示領域101〜103に示す波形は、図12に比べてさらに時間軸方向に大きく表示できるので、より長い波形を一度に視認できる。上述の表示ウィンドウ190を非表示とする動作を、図45を用いて、以下で説明する。
開始画面204(図5参照)で「解析」が選択されると(ステップS101)、解析が開始され、解析画面が表示される(ステップS102)。この場合、解析画面のレイアウト変更については、上述した図20または図25の動作と同様に行われる。解析画面の利用者(医師等)は、、当該解析画面において、サーバ40に記憶された特定の患者の測定データを選択する(ステップS103)。これによって、レイアウト用情報取得部308は、当該測定データからどれだけの信号源の推定が行われたかを示す情報(信号源の推定状況を示す情報)を取得する。レイアウト決定部309は、レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報が、記憶部310に記憶されたレイアウトテーブル1002で規定されている「信号源の推定状況」に一致するか否かを判定する(ステップS104)。レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報に含まれる信号源の数が、所定数t(例えば図42に示す10個)以上である場合(ステップS104:Yes)、解析表示制御部302は、図40に示すように、現状の解析画面のレイアウトから、推定された信号源を表示ウィンドウ190に重畳表示させた上で、当該表示ウィンドウ190を拡大表示させる(ステップS105)。
一方、レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報に含まれる信号源の数が、所定数t未満である場合(ステップS104:No)、さらに、レイアウト決定部309は、レイアウト用情報取得部308により取得された信号源の推定状況を示す情報に含まれる信号源の数が0であるか否かを判定する(ステップS111)。信号源の数が0である場合(ステップS111:Yes)、解析表示制御部302は、図44に示すように、現状の解析画面のレイアウトから、表示ウィンドウ190を非表示にする(ステップS112)。
または、ステップS106において、拡大表示された表示ウィンドウ190が閉じられた場合(ステップS106:Yes)、または、ステップS111において、信号源の数が0でない場合(ステップS111:No)、解析表示制御部302は、例えば図15に示すように、解析画面において表示ウィンドウ190を通常のサイズで表示させる(ステップS107)。
そして、アノテーションリスト180の下に配置されたマージボタン185(図17参照)の押下を受け付けた場合(ステップS108:Yes)、情報処理装置50のマージ表示制御部303はマージ画面400を表示し、マージ画面400に関する処理を行う(ステップS109)。マージボタン185の押下を受け付けなかった場合(ステップS108:No)、または、ステップS109の後は、解析終了コマンドが入力されたか否かが判断される(ステップS110)。
解析終了のコマンドが入力されていない場合(ステップS110:No)、または、表示ウィンドウ190が非表示となった場合(ステップS112)、特定のアノテーションが選択されたか否かが判断される(ステップS113)。アノテーションの選択は、アノテーションリスト180内での特定のアノテーション番号または行の選択であってもよいし、表示領域120の時間軸122上のタイムゾーン120bを操作することによる時刻位置の指定であってもよい。アノテーションの選択があると(ステップS113:Yes)、選択されたアノテーションの時刻位置を含む所定時間分の信号波形が表示される(ステップS114)。
表示された場面で、ハイライト表示されたマークの時間位置を示すライン117が選択されたか否かが判断される(ステップS115)。ライン117が選択されると(ステップS115:Yes)、選択されたラインを含む一定の時間範囲の信号波形が拡大表示される(ステップS116)。拡大表示領域200に表示される波形のチャネルは、ステップS224で決定したセンサに対応する。ここで、拡大表示領域200における拡大表示は、必ずしもハイライト表示されたマークの近傍の信号波形に限定されず、同じ時間位置の異なる種類の信号波形を拡大表示してもよい。例えば、脳波信号波形にハイライト表示されたマークが付されている場合に、同じ時間位置の脳磁信号波形を拡大表示させてもよい。また、すべてのチャネルの信号波形を拡大表示する代わりに、マークされた信号波形が取得されたチャネルを含む一定範囲のチャネルで取得された信号波形を拡大表示させてもよい。この場合、拡大表示させたい信号波形の種類、またはチャネル範囲の指定入力の有無を判断してもよい。
次に、信号源の推定ボタン212が押下されたか否かが判断される(ステップS117)。信号源の推定ボタン212が押下されると(ステップS117:Yes)、信号源推定の演算が行われる。推定結果がMRI断層画面に表示されると共に、推定完了マーク182がアノテーションリスト180に追加される(ステップS118)。また、これと共に信号源の推定が反映されたアノテーションの情報が、患者の測定データに含められ、サーバ40等に記憶(更新)される。そして、ステップS104へ戻る。
以上の図44および図45で説明したように、信号源の推定が行われていない場合は、脳磁信号および脳波信号の波形を測定時間について長時間にわたって見ることができるので、波形上での患部の特定等の解析作業が容易となる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る生体信号計測システム1について、第1の実施形態に係る生体信号計測システム1と相違する点を中心に説明する。第1の実施形態では、予め行われた患者への診察(問診を含む)による結果に応じて、解析画面のレイアウトを変更し、初期レイアウトとして表示する動作について説明した。本実施形態では、脳磁信号のチャネル選択、または脳波信号のモンタージュパターン選択に応じて、解析画面のレイアウトを変更する動作について説明する。なお、本実施形態に係る生体信号計測システム1の全体構成、情報処理装置50およびサーバ40のハードウェア構成および機能ブロックの構成は、第1の実施形態で説明した構成と同様である。
(情報処理装置の機能ブロックの動作)
上述の図3を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置50の機能ブロックの構成および動作について説明する。
設定部304は、入力部311により受け付けられた操作入力に従って、脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況と、解析画面の表示のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブルを設定して、記憶部310に記憶させる。
レイアウト用情報取得部308は、解析画面のレイアウトを決定付ける特定の状況を示す情報(決定情報の一例)を取得する。具体的には、本実施形態では、レイアウト用情報取得部308は、特定の状況を示す情報として、脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況を示す情報を取得する。ここで、脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況を示す情報は、生体信号(脳磁信号、脳波信号等)のいずれを解析画面に表示させるかの選択状況を示す情報と言える。また、脳磁信号のチャネル選択は、例えば、図14に示す分布図141、142上での各チャネルの選択、または、分布図141、142の近傍に位置するコンボボックスから、予め登録されている複数のチャネルで構成されたチャネルグループを選択することによって行われる。また、脳波信号のモンタージュパターン選択は、例えば、図14に示す分布図130の近傍に位置するコンボボックスから、予め登録されているモンタージュパターンを選択することによって行われる。
レイアウト決定部309は、レイアウト用情報取得部308により取得された脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況を示す情報が、記憶部310に記憶された選択の状況と解析画面のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブルで規定されている「チャネル等選択状況」に一致するか否かを判定する。そして、レイアウト決定部309は、レイアウトテーブルで規定されている「チャネル等選択状況」に一致するレイアウト用情報取得部308により取得された脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況を示す情報に対応するレイアウト内容を、当該レイアウトテーブルから取得して、当該レイアウト内容を解析画面のレイアウトとして決定する。
なお、収録表示制御部301、解析表示制御部302、マージ表示制御部303、解析部305、通信部306、センサ情報取得部307、記憶部310、および入力部311の動作は、第1の実施形態と同様である。
(解析画面の表示内容のレイアウトを変更する動作)
図46は、第3の実施形態における解析画面で脳波信号波形を拡大した例を示す図である。図47は、第3の実施形態のレイアウトテーブルの一例を示す図である。図48は、解析画面のレイアウト変更の動作を示すフローチャートである。図46〜図48を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置50での解析画面の表示内容のレイアウトを変更する動作について説明する。
上述したように、脳磁計や脳波計で計測した情報、または関連する情報を表示する際に、例えば、脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況によって、解析画面に表示する情報をどのような態様で表示することが好ましいかが定まる場合がある。例えば、脳波のモンタージュパターンについて異なるモンタージュパターンが選択された場合、解析表示制御部302は、図46に示すように、脳波信号を表示した表示領域103を拡大表示させる。これによって、モンタージュパターンを選択後に、それに最適または好適なレイアウトを設定する手間を省くことができる。この際、解析表示制御部302は、図46に示すように、患者の脳磁信号を表示した表示領域101、102を縮小表示させるものとしてもよい。また、表示領域101、102を縮小表示させる際には、縮小画像141a、142aで選択されているチャネルに対応する信号の間隔を縮めてすべての信号を表示するものとしてもよく、または、選択されているチャネルから間引きしたチャネルのみの信号を表示するものとしてもよい。なお、診察の結果から脳磁信号より優先して脳波信号を確認したい場合、解析表示制御部302は、脳磁信号を表示する表示領域101、102を非表示とするものとしてもよい。
上述のような、脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況に基づいて、解析画面の表示内容のレイアウトを変更(例えば、上述のように、表示領域103の拡大表示、表示領域101、102の縮小表示)する動作の詳細を図47および図48を用いて説明する。まず、情報処理装置50は、どのような脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況の場合、どのような解析画面のレイアウトとするかについて関連付けるためのレイアウトテーブルを有している。例えば、図47に示すように、解析画面の利用者(医師等)は、入力部311からチャネル選択またはモンタージュパターン選択の操作入力を行うと、設定部304は、その操作入力に従って、脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況と、解析画面の表示のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブル1003(レイアウト情報の一例)を設定して、記憶部310に記憶させる(ステップS121)。図47に示すレイアウトテーブル1003の例では、例えば、「チャネルグループ(L)を選択」というチャネル等選択状況に対して、「チャネルグループ(L)に対応したモンタージュパターンの波形表示」というレイアウト内容が関連付けられている。なお、レイアウトテーブル1003は、テーブル形式の情報としているが、これに限定されるものではなく、テーブルの各フィールドの値が互いに関連付けて管理することができれば、どのような形式の情報であってもよい。
次に、医師は、図6に示す測定収録画面を用いて、特定の患者に対する測定収録を実施する(ステップS122)。そして、特定の患者に対する測定収録を実施した後、解析画面の利用者(医師等)は、その特定の患者の測定データ(脳磁信号および脳波信号等)を解析するために、情報処理装置50において解析画面を選択して開いた際(ステップS123)、レイアウト用情報取得部308は、特定の状況を示す情報として、脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況を示す情報を取得する。レイアウト決定部309は、レイアウト用情報取得部308により取得された脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況を示す情報が、記憶部310に記憶されたレイアウトテーブル1003で規定されている「チャネル等選択状況」に一致するか否かを判定する。そして、レイアウト決定部309は、レイアウトテーブル1003で規定されている「チャネル等選択状況」に一致するレイアウト用情報取得部308により取得された脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況を示す情報に対応するレイアウト内容を、レイアウトテーブル1003から取得して、当該レイアウト内容を解析画面のレイアウトとして決定する。解析表示制御部302は、レイアウト決定部309により決定された解析画面のレイアウト内容に従って、現状の解析画面からレイアウトを変更して表示する(ステップS124)。
このように、脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況に応じて、解析画面のレイアウトを変更するものとしている。これによって、脳磁信号のチャネル選択または脳波信号のモンタージュパターン選択の状況(特定の状況の一例)に応じて、表示する情報のレイアウトを適切に変更することができるので、手動でレイアウト変更する手間を省くことができ、選択状況に応じて、必要な情報を見やすく表示できるため、患部の状態の確認作業を容易にすることができる。
なお、上述のレイアウト変更の内容は一例を示すものであり、これらに限定されるものではない。例えば、分布図141で選択されているチャネル数、および、分布図142で選択されているチャネル数の比に応じて、表示領域101および表示領域102の比率を変更するものとしてもよい。これによって、分布図141、142で選択したチャネルに対応する脳磁信号の波形を、すべて同じ状態で確認することができるようになり、波形上での患部の特定等の解析作業が容易となる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る生体信号計測システム1について、第1の実施形態に係る生体信号計測システム1と相違する点を中心に説明する。第1の実施形態では、予め行われた患者への診察(問診を含む)による結果に応じて、解析画面のレイアウトを変更し、初期レイアウトとして表示する動作について説明した。本実施形態では、利用者の専門領域等を示すロール情報に応じて、解析画面のレイアウトを変更し、初期レイアウトとして表示する動作について説明する。なお、本実施形態に係る生体信号計測システム1の全体構成、情報処理装置50およびサーバ40のハードウェア構成および機能ブロックの構成は、第1の実施形態で説明した構成と同様である。
(情報処理装置の機能ブロックの動作)
上述の図3を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置50の機能ブロックの構成および動作について説明する。
レイアウト用情報取得部308は、解析画面のレイアウトを決定付ける特定の状況を示す情報(決定情報の一例)を取得する。具体的には、本実施形態では、レイアウト用情報取得部308は、解析画面の利用者(医師等)の専門領域等を示すロール情報を、サーバ40から通信部306を介して取得する。なお、レイアウト用情報取得部308によるロール情報の取得の方法として、例えば、以下の方法がある。解析画面の利用者は、情報処理装置50または当該解析画面を制御するアプリケーションにログインする場合、ユーザ情報(ログインID、パスワード等を含む)が参照される。ユーザ情報は、例えば、サーバ40内で管理されているものとすればよい。このユーザ情報では、ユーザと、ログインID・パスワードとが関連付けられているだけでなく、当該ユーザと、ロール情報とについても関連付けがされているものとする。この場合、レイアウト用情報取得部308は、情報処理装置50または当該解析画面を制御するアプリケーションにログインしている利用者のユーザ情報からロール情報を取得することができる。
レイアウト決定部309は、後述する記憶部310に記憶された、利用者の専門領域等を示すロール情報と、解析画面のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブルを参照して、レイアウト用情報取得部308により取得された特定の状況を示す情報としてのロール情報に対応するレイアウト内容を取得して、当該レイアウト内容を解析画面のレイアウトとして決定する。
なお、収録表示制御部301、解析表示制御部302、マージ表示制御部303、解析部305、通信部306、センサ情報取得部307、記憶部310、および入力部311の動作は、第1の実施形態と同様である。
(解析画面の表示内容のレイアウトを変更する動作)
図49は、第4の実施形態のレイアウトテーブルの一例を示す図である。図50は、解析画面のレイアウト変更の動作を示すフローチャートである。図49および図50を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置50での解析画面の表示内容のレイアウトを変更する動作について説明する。
上述したように、脳磁計や脳波計で計測した情報、または関連する情報を表示する際に、例えば、利用者の専門領域等を示すロール情報によって、解析画面に表示する情報をどのような態様で表示することが適切であるかが概ね定まっている場合がある。例えば、解析画面の利用者が脳外科医である場合、解析表示制御部302は、上述の図40に示すように、MRIの断層画像を示す表示ウィンドウ190を拡大表示させる。この際、解析表示制御部302は、推定された信号源がある場合、表示ウィンドウ190に示す断層画像に重畳して表示させるものとしてもよい。また、解析表示制御部302は、上述の図40に示すように、表示ウィンドウ190の拡大表示の結果、拡大表示領域200が非表示となるようにしてもよい。
上述のような、利用者の専門領域等を示すロール情報に基づいて、解析画面の表示内容のレイアウトを変更(例えば、上述のように、表示ウィンドウ190の拡大表示)する動作の詳細を説明する。まず、解析画面の利用者は、どのようなロール情報の場合、どのような解析画面のレイアウトとするかについて関連付けるためのレイアウトテーブルを設定しておく。例えば、図49に示すように、解析画面の利用者(医師等)は、入力部311に対する操作入力を行い、設定部304は、その操作入力に従って、ロール情報と、解析画面の表示のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブル1004(レイアウト情報の一例)を設定して、記憶部310に記憶させる。図49に示すレイアウトテーブル1004の例では、例えば、「てんかん科医」というロール情報に対して、「波形を拡大、MRIの断層画像を非表示」というレイアウト内容が関連付けられている。なお、レイアウトテーブル1004は、テーブル形式の情報としているが、これに限定されるものではなく、テーブルの各フィールドの値が互いに関連付けて管理することができれば、どのような形式の情報であってもよい。
そして、解析画面の利用者(医師等)は、特定の患者の測定データを解析するために、情報処理装置50において解析画面を開いた際、レイアウト用情報取得部308は、当該利用者の専門領域等を示すロール情報を、サーバ40から通信部306を介して取得する。レイアウト決定部309は、記憶部310に記憶されたレイアウトテーブル1004を参照して、レイアウト用情報取得部308により取得されたロール情報に対応するレイアウト内容を取得し、当該レイアウト内容を解析画面のレイアウトとして決定する。解析表示制御部302は、レイアウト決定部309により決定された解析画面のレイアウト内容に従って、図12等に示すベースのレイアウトとなる解析画面から、レイアウト変更を行って初期レイアウトを構成して表示する。
このように、利用者の専門領域等を示すロール情報に応じて、解析画面のレイアウトを変更するものとしている。これによって、利用者の専門領域等を示すロール情報(特定の状況の一例)に応じて、表示する情報のレイアウトを適切に変更することができるので、利用者が毎回自分に合ったレイアウトを手動で変更する手間を省くことができ、ロール情報に応じて、必要な情報を見やすく表示できるため、患部の状態の確認作業を容易にすることができる。
以上の動作を、図50を用いて説明する。図50に示す動作は、図49に示す利用者の専門領域に対応する解析画面を選択するともに、診察結果を解析画面に反映させた例である。解析画面の利用者(医師等)は、図3に示す入力部311から診察結果(診断結果)の操作入力を行う(ステップS141)と、設定部304は、その操作入力に従って、診察結果(問診結果を含む)と、解析画面の表示のレイアウト内容とを関連付けるレイアウトテーブル1001(図19参照)を設定して、記憶部310に記憶させる。また、医師は、図6に示す測定収録の前に患者に対して診察を行った際に、その診察結果(問診結果を含む)の情報を、サーバ40の記憶部353に記憶されている当該患者の患者情報に反映する。
そして、特定の患者の測定収録の実施(ステップS142)を行った後、解析画面の利用者(医師等)は、特定の患者の測定データ(脳磁信号および脳波信号等)を解析するために、情報処理装置50において解析画面を選択して開いた際(ステップS143)、レイアウト用情報取得部308は、当該利用者の専門領域等を示すロール情報を、サーバ40から通信部306を介して取得する。また、レイアウト用情報取得部308は、当該患者の測定データに関連付けられた患者情報(診察結果を含む)を、サーバ40から通信部306を介して取得する。レイアウト決定部309は、レイアウト用情報取得部308により取得されたロール情報に対応するレイアウト内容を取得し(ステップS144)、レイアウト用情報取得部308により取得された患者情報の診察結果に対応するレイアウト内容を取得して、これらを組み合わせて解析画面のレイアウトとして決定する(ステップS145)。
なお、レイアウトが変更されて初期表示された解析画面は、その後、利用者の操作入力によって手動でレイアウト変更することも当然可能である。また、上述のレイアウト変更の内容は一例を示すものであり、これらに限定されるものではない。
また、上述の各実施形態において、生体信号計測システム1の各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の各実施形態において、生体信号計測システム1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disk−Recordable)、またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、生体信号計測システム1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、生体信号計測システム1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、生体信号計測システム1で実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501が上述の記憶装置(例えば、ROM503、または補助記憶装置504等)からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置(例えば、RAM502)上にロードされて生成されるようになっている。