図1は、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1の正面図である。パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技機用枠3とを備えている。その他、パチンコ遊技機1は、遊技機用枠3を回動可能に支持する外枠などを備えている。遊技盤2は、遊技盤面を構成するゲージ盤である。遊技機用枠3は、遊技盤2を固定する台枠である。遊技盤2には、ガイドレールなどによって囲まれた遊技領域が形成されている。発射装置から発射された遊技球(遊技媒体)は、発射通路を通過して、遊技領域に打ち込まれる。遊技機用枠3には、ガラス窓を有するガラス扉枠が回動可能に設けられている。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、通過ゲート41などが設けられている。その他、遊技領域における遊技盤面には、風車や多数の障害釘、一般入賞口、アウト口などが設けられていればよい。遊技領域の周辺部には遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置にはスピーカ8L、8Rが設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。打球操作ハンドルは、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作され、その操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力が調整される。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技球を保持(貯留)する上皿(打球供給皿)と、上皿からの余剰球などを保持(貯留)する下皿が設けられている。下皿を形成する部材にはスティックコントローラ31Aが取り付けられ、上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。
第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5の画面上などでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われる。これらの可変表示は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づいて、あるいは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づいて、実行可能となる。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)などを用いて構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、識別情報(特別識別情報)である特別図柄(特図)が、変動可能に表示(可変表示)される。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)などを用いて構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特図)の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特図)の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。
画像表示装置5の画面上には、保留記憶表示エリア5Hが配置されている。保留記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。保留表示は、可変表示に関する情報の保留記憶に対応して表示可能なものであればよい。保留記憶表示エリア5Hとともに、あるいは、保留記憶表示エリア5Hに代えて、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとを用いた保留表示が行われてもよい。
図2は、各種基板や周辺装置などの構成例を示すブロック図である。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、中継基板15、ドライバ基板19、電源基板92なども搭載されている。その他にも、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が搭載されてもよい。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品が実装されるプリント配線板などの電子回路基板だけではなく、電子回路基板に電気部品が実装(搭載)されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
電源基板92は、外部電源(商用電源)である交流電源からの電力を、主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能となるように構成されている。電源基板92は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを、備えている。電源基板92にて生成された電圧は、ドロア中継基板を介して主基板11や演出制御基板12などに供給されてもよい。
主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。主基板11では、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種検出用のスイッチから取り込んだ信号が、スイッチ回路110を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。ゲートスイッチ21は、通過ゲート41を通過した遊技球(ゲート通過球)を検出する。ゲートスイッチ21によるゲート通過球の検出に基づいて、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示が実行可能となる。第1始動口スイッチ22Aは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第2始動口スイッチ22Bは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。カウントスイッチ23は、大入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口といった、各種の入賞口を通過した遊技球が検出された場合には、それぞれの入賞口に対応して予め個数が定められた賞球としての遊技球が払い出される。
主基板11では、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号が、ソレノイド回路111を介して普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送される。普通電動役物用のソレノイド81は、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過しにくい状態(または通過しない状態)と通過しやすい状態(または通過する状態)とに変化可能にする。大入賞口扉用のソレノイド82は、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を遊技球が通過不可能な状態と通過可能な状態とに変化可能にする。主基板11からは、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号が伝送される。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタなどにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
演出制御基板12は、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号(演出制御コマンド)の受信に基づいて、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、演出用モータ60および演出用LED61といった演出用の電気部品による演出動作を制御可能とする。演出制御基板12には、演出制御用CPU120やROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125などが搭載されている。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、ROM121から読み出した演出制御用のプログラムや固定データ等を用いて、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理を実行する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
演出制御基板12には、コントローラセンサユニット35Aと、プッシュセンサ35Bとが接続されている。コントローラセンサユニット35Aは、傾倒方向センサと、トリガセンサとを含んでいる。傾倒方向センサは、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作が行われたときに、複数のセンサを用いて操作桿の傾倒方向を検出可能にする。トリガセンサは、スティックコントローラ31Aの操作桿に設けられたトリガボタンに対する押引操作の有無を検出可能にする。すなわち、コントローラセンサユニット35Aにより、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒動作やトリガボタンに対する押引動作といった、スティックコントローラ31Aを用いた遊技者の動作を検出することができる。プッシュセンサ35Bにより、プッシュボタン31Bに対する押下動作といった、プッシュボタン31Bを用いた遊技者の動作を検出することができる。演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出の実行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。演出の実行を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
演出制御基板12は、第1基板12Aと、該第1基板12Aに対し基板対基板接続される第2基板12Bとを有する。第1基板12Aには、演出制御用CPU120や表示制御部123のグラフィックスプロセッサなどが搭載され、第2基板12Bには、ROM121や画像データメモリといった機種に固有なデータなどが記憶された電気部品が搭載されている。表示制御部123のグラフィックスプロセッサは、演出制御用CPU120の機能を統合したマイクロプロセッサであってもよいし、演出制御用CPU120とは別個のチップとして構成されたマイクロプロセッサであってもよい。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づいて、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。なお、演出制御基板12に搭載された表示制御部123を構成するグラフィックスコントローラなどが音声信号処理を実行可能であれば、音声制御基板13に帯域フィルタや増幅回路などを搭載すればよい。あるいは、音声制御基板13を省略して、演出制御基板12の基板上に帯域フィルタや増幅回路などを搭載してもよい。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づいて、遊技効果ランプ9などにおける点灯や消灯を行うランプドライバ回路などが搭載されている。ドライバ基板19は、演出制御基板12とは別個に設けられた電気部品駆動用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づいて、演出用モータ60に含まれる各種モータの回動制御や演出用LED61に含まれる各種LEDの点灯制御などを行うためのドライバ回路などが搭載されている。ドライバ基板19からの出力信号は、演出用モータ60に含まれる各モータと、演出用LED61に含まれる各LEDとに向けて伝送される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における遊技機用枠3の右下部位置に設けられた打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、各種の入賞口を通過(進入)した場合に、賞球としての遊技球が払い出される。特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となった場合には、大入賞口が開放されて遊技球が通過(進入)しやすい状態となることで、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態となる。
有利状態は大当り遊技状態に限定されず、時短状態や確変状態といった特別遊技状態が含まれてもよい。その他、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
主基板11では、電源基板92からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理の実行が開始される。遊技制御メイン処理において、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。初期設定が終了すると、割込み許可とした後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的に遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込み処理は、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを含んでいる。スイッチ処理では、各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。メイン側エラー処理では、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、必要ならば警告を発生可能とする。情報出力処理では、ホール管理コンピュータに供給される所定のデータを出力する。遊技用乱数更新処理では、遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。特別図柄プロセス処理では、特別図柄の表示制御や大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理では、普通図柄の表示制御や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理が実行される。始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて選択した処理が実行される。このとき選択可能な処理は、特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理などを含んでいればよい。
始動入賞判定処理では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したか否かを判定し、発生した場合には特図保留記憶数を更新するための設定などが行われる。特別図柄通常処理では、特図ゲームの実行を開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、可変表示結果に対応して、特図ゲームにおける確定特別図柄の設定などが行われる。変動パターン設定処理では、可変表示結果などに基づいて、変動パターンの決定などが行われる。特別図柄変動処理では、特別図柄を変動させるための設定や、変動開始からの経過時間を計測するための設定などが行われる。特別図柄停止処理では、特別図柄の変動を停止させ、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定などが行われる。
大当り開放前処理では、可変表示結果が「大当り」に対応して、大当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定などが行われる。大当り開放中処理では、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すか否かの判定などが行われる。大当り開放後処理では、大入賞口を閉鎖状態に戻した後、ラウンドの実行回数が上限値に達したか否かを判定し、達していなければ次回のラウンドを実行可能とし、達していれば大当り遊技状態を終了させるための設定などが行われる。大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出の実行期間に対応した待ち時間が経過するまで待機した後、確変制御や時短制御を開始するための設定などが行われる。
演出制御基板12では、電源基板92からの電力供給が開始されると、演出制御用CPU120が演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、所定の初期化が行われた後、タイマ割込みが発生する毎に、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理が実行される。コマンド解析処理では、主基板11から伝送された演出制御コマンドを解析し、解析結果に応じたフラグがセットされる。演出制御プロセス処理では、演出用の電気部品を所定の手順に従って制御するために、各種の処理が選択されて実行される。演出用乱数更新処理では、演出用乱数を生成するためのカウント値などをソフトウェアにより更新する。
演出制御プロセス処理では、まず、保留表示更新処理が実行される。保留表示更新処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値に応じて選択した処理が実行される。このとき選択可能な処理は、可変表示開始待ち処理、可変表示開始設定処理、可変表示中演出処理、可変表示停止処理、大当り表示処理、大当り中演出処理、エンディング演出処理などを含んでいればよい。
保留表示更新処理では、保留記憶表示エリア5Hの表示を、特図保留記憶数に応じて更新するための設定などが行われる。可変表示開始待ち処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するか否かの判定などが行われる。可変表示開始設定処理では、飾り図柄の可変表示を開始するための設定などが行われる。可変表示中演出処理では、飾り図柄の可変表示に対応して、演出用の電気部品を演出制御パターンに従って制御するための設定などが行われる。可変表示停止処理では、飾り図柄の可変表示を停止して可変表示結果となる確定飾り図柄を導出する制御などが行われる。
大当り表示処理では、可変表示結果が「大当り」に対応して、大当りの発生を報知する演出(ファンファーレ演出)を実行するための制御などが行われる。大当り中演出処理では、大当り遊技状態に対応して、演出用の電気部品を演出制御パターンに従って制御するための設定などが行われる。エンディング演出処理では、大当り遊技状態の終了に対応して、エンディング演出の実行を制御するための設定などが行われる。
図3は、パチンコ遊技機1が備える遊技機用枠3の背面図である。遊技機用枠3の背面上部には、球タンク150、ターミナル基板154が設けられている。また、補給通路151、払出装置152、賞球通路153も設けられている。遊技盤2の背面には、遊技制御基板用の基板ケース400、演出制御基板用の基板ケース800、カバー体301が設けられている。基板ケース400は、主基板11を収納する。基板ケース800は、演出制御基板12を収納する。カバー体301は、透明な合成樹脂などを用いて構成され、基板ケース800と基板ケース400の上部とを覆っている。遊技制御基板用の基板ケース400の下方位置には、払出制御基板91と、電源基板92とが、前後に重畳するように設けられている。
図4〜図7を参照して、演出制御基板用の基板ケース800の構造を説明する。図4は、基板ケース800を左後部の斜め上方から見た状態を示す分解斜視図である。図5は、基板ケース800を右前部の斜め上方から見た状態を示す分解斜視図である。図6は、ベース部材801を示す6面図である。図7は、カバー部材802を示す6面図である。基板ケース800は、ベース部材801と、カバー部材802とから構成され、演出制御基板12を前後から挟持するように組み付けられる。ベース部材801は演出制御基板12の前面側を覆い、カバー部材802は演出制御基板12の背面側を覆う。
ベース部材801は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、縦長略長方形状に形成されるベース板801aと、上下及び左右側辺に背面側に向けて立設される側壁801b〜801eとから構成され、背面側に向けて開口する箱状に形成されている。ベース板801aには、ボス803、804、係止バー805、係止フック806、係止孔807、被係止部808、ワンウェイネジ809のネジ穴810、取付孔811、基板支持用リブ812、813、段部814a、814b、リブ815が設けられている。
カバー部材802は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、縦長略長方形状に形成されるベース板821aと、上下及び左右側辺に背面側に向けて立設される側壁821b〜811eとから構成され、背面側に向けて開口する箱状に形成されている。ベース板821aには、ネジ822が螺入されるネジ穴823、位置決め凸部824、ネジ825が螺入されるネジ穴826、位置決め凸部827、係止フック831、係止片832、係止部833、ワンウェイネジ809の取付孔834aが形成された取付片834、音量調整用スイッチ835aを外部に臨ませるスイッチ用開口835、コネクタ用開口836、837が設けられている。
コネクタ用開口836は、ベース板821aの上部右側にて、第1基板12Aに搭載された各種基板側コネクタKCN10を外部に臨ませるために、縦長形状となるように形成されている。各種基板側コネクタKCN10は、レセプタクルKRE1〜KRE4を含んでいればよい。レセプタクルKRE1は、主基板配線用のコネクタポートである。レセプタクルKRE2は、電源基板配線用のコネクタポートである。レセプタクルKRE3は、ドライバ基板配線用のコネクタポートである。レセプタクルKRE4は、音声制御基板配線用のコネクタポートである。なお、レセプタクルの配置や接続される配線は、パチンコ遊技機1の仕様に応じて任意に変更されたものであってもよい。
主基板配線用のレセプタクルKRE1は、主基板11との間で電気的に接続される信号配線(主基板配線)を着脱自在に接続可能な配線接続装置の構成を有している。電源基板配線用のレセプタクルKRE2は、電源基板92との間で電気的に接続される信号配線(電源基板配線)を着脱自在に接続可能な配線接続装置の構成を有している。ドライバ基板配線用のレセプタクルKRE3は、ドライバ基板19との間で電気的に接続される信号配線(ドライバ基板配線)を着脱自在に接続可能な配線接続装置の構成を有している。音声制御基板配線用のレセプタクルKRE4は、音声制御基板13との間で電気的に接続される信号配線(音声制御基板配線)を着脱自在に接続可能な配線接続装置の構成を有している。
図8〜図10は、レセプタクルKRE1の構成例を示している。図8(A)は、左後部の斜め下方から見た状態を示す斜視図である。図8(B)は、左後部の斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図9は、カバー部材802の外部にてレセプタクルKRE1の付近を背面側(後部側)から見た状態を示す背面図である。図10は、レセプタクルKRE1の付近を下方側から見た状態を示す断面図である。レセプタクルKRE1は、差込口OP1が形成されたハウジングと、端子TA01〜TA03とを備えている。
差込口OP1は、主基板配線に設けられたコネクタプラグを差し込んで装着可能な開口部である。端子TA01〜TA03は、例えば銅などの金属を用いて構成され、差込口OP1に主基板配線のコネクタプラグが差し込まれたときに、コネクタプラグに設けられた複数の端子のうちで、対応する位置に配置された端子と接触して電気的に導通する金属部材である。レセプタクルKRE1では、信号端子となる端子TA02の両側を挟む位置で、一対の接地端子となる端子TA01、TA03が演出制御基板12の基板上に表面実装されている。主基板配線では、信号伝送線となる信号ラインの両側を挟む位置で、一対の接地電圧線となる接地ラインが設けられていてもよい。あるいは、主基板配線として同軸ケーブルを用いて、同軸ケーブルの内部導体が端子TA02と電気的に接続され、同軸ケーブルの外部導体が端子TA01、TA03と電気的に接続されるように構成してもよい。
レセプタクルKRE1は、端子配置面となる側面PL1にて、端子TA01〜TA03が外部に引き出され、演出制御基板12(第1基板12A)の基板上に設けられた接続パッドに接合させることができる。端子を接続パッドに接合させる方式は、はんだなどを用いた金属接合方式であってもよいし、導電性樹脂接合や異方性導電部材接合などの接着接合方式であってもよい。側面PL1の背面側となる側面PL2の側には、固定用金具SS01、SS02が設けられている。
基板ケース800のカバー部材802において、コネクタ用開口836のうちで、レセプタクルKRE1に対応して形成された開口領域836aは、他のレセプタクルに対応して形成された開口領域に比べて開口幅が狭くなるように形成されてもよい。レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03は、それぞれ開口領域836aにて基板ケース800から露出する露出部と基板ケース800に被覆されて露出しない被覆部とを有するように形成されている。例えば、端子TA01〜TA03において、対応する接続パッドに接合する先端部は、基板ケース800のカバー部材802に被覆されて露出しない被覆部に含まれていればよい。
基板ケース800のカバー部材802には、部品収容部802aと、開口領域836aにおける内側端面となる内周壁面836bを形成する開口周縁部840とが、勾配部821e1を介して一体形成されていればよい。部品収容部802aは、演出制御基板12の基板上に実装された電気部品の少なくとも一部を収容可能に形成されている。開口領域836aにおいて、内周壁面836bとレセプタクルKRE1との間隔は、部品収容部802aに遠い側の内周壁面836bとレセプタクルKRE1の側面PL2との間隔が開口幅W1であり、部品収容部802aに近い側の内周壁面836bとレセプタクルKRE1の端子配置面となる側面PL1との間隔が開口幅W2である。そして、開口幅W2は、開口幅W1よりも広くなるように、開口領域836aやレセプタクルKRE1の配置が調整されていればよい。レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03において、対応する接続パッドに接合されて表面実装された実装位置となる先端部は、開口領域836aにおける内周壁面836bを形成する開口周縁部840により被覆される。カバー部材802における開口周縁部840と演出制御基板12の基板面とにより、レセプタクルKRE1の実装位置に近接して、空間としてのスペースSP1が形成されている。
端子TA01は、演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP1に接合される。端子TA03は、演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP2に接合される。また、端子TA01、TA03は、接続パッドGPA1に接合される。接続パッドGPA1は、演出制御基板12に設けられたスルーホールを介して、接地用の配線パターンが形成された配線層LY4に接続されていればよい。図10に示す演出制御基板12の基板断面は、絶縁層LY1と絶縁層LY3との間に配線層LY2が形成され、レセプタクルKRE1が表面実装される側には、例えばポリイミドなどを用いて、保護層LY0が形成されていればよい。このように、演出制御基板12における配線パターンは、演出制御基板12の基板内にて内層部となる絶縁層LY1と絶縁層LY3との間に設けられた配線層LY2に形成されてもよい。あるいは、演出制御基板12における配線パターンは、演出制御基板12の基板上にて表面形成されてもよい。端子TA02は、信号伝送用の配線パターンと電気的に接続された接続パッドに接合される。
レセプタクルKRE1が備える固定用金具SS01は、演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP3に接合される。レセプタクルKRE1が備える固定用金具SS02は、演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP4に接合される。このように、端子TA01〜TA03が配置される側面PL1の背面側となる側面PL2の側にて、固定用金具SS01、SS02が、演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP3、DP4に接合されるようにすればよい。
主基板11から演出制御基板12に対しては、演出制御コマンドが送信されるところ、そのコマンドを伝送するための主基板配線では、信号伝送線となる信号ラインが1本のみとなる場合がある。これに対応して、演出制御基板12の基板上に表面実装されるレセプタクルKRE1では、信号端子となる端子TA02のみを設ける場合も考えられる。この場合には、レセプタクルKRE1の高さに応じた演出制御基板12の基板表面からの突出量に対して、レセプタクルKRE1の横幅や奥行きに応じた演出制御基板12の基板上における接合面の面積が減少しやすくなるので、レセプタクルKRE1の表面実装による接合強度を十分に確保できなくなるおそれがある。そこで、レセプタクルKRE1では、信号端子となる端子TA02の両側を挟む位置で、一対の接地端子となる端子TA01、TA03が演出制御基板12の基板上に表面実装されるようにする。これにより、レセプタクルKRE1の表面実装による接合強度を十分に確保できる適切な基板構成が可能になる。また、信号端子となる端子TA02の両側が一対の接地端子となる端子TA01、TA03で挟まれているので、ノイズの影響を受けにくい適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1において、端子TA01は演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP1に接合され、端子TA03は演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP2に接合される。また、端子TA01〜TA03の先端部は、基板ケース800のカバー部材802に被覆されるように配置する。このように、端子TA01、TA03がダミーパッドDP1、DP2に接合されているので、レセプタクルKRE1の表面実装による接合強度を十分に確保できる適切な基板構成が可能になる。端子TA01〜TA03の先端部が基板ケース800のカバー部材802に被覆されるので、端子と基板面との接合部分といった、表面実装における重要な部位を保護できる適切な基板構成が可能になる。なお、信号端子となる端子TA02については、ダミーパッドに接合されてもよいし、ダミーパッドには接合されないようにしてもよい。信号端子となる端子TA02をダミーパッドには接合されないようにすることで、導体形状の影響による信号劣化を防止してもよい。
レセプタクルKRE1において、端子TA01〜TA03が配置される側面PL1の背面側となる側面PL2の側にて、固定用金具SS01は演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP3に接合され、固定用金具SS02は演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP4に接合される。このように、固定用金具SS01、SS02がダミーパッドDP3、DP4に接合されているので、レセプタクルKRE1の表面実装による接合強度を十分に確保できる適切な基板構成が可能になる。なお、固定用金具SS01、SS02などの金属部材を基板上に接合する方法によらず、例えばレセプタクルKRE1のハウジングと同様の合成樹脂などを用いた固定部材を基板上に接着させるといった、任意の固定部材を基板上に接合できるものであればよい。
基板ケース800のカバー部材802における部品収容部802aは、演出制御基板12の基板上に実装された電気部品の少なくとも一部を収容可能に形成され、開口領域836aにおける内周壁面836bとレセプタクルKRE1との間隔は、部品収容部802aに近い側の開口幅W2が遠い側の開口幅W1よりも広く形成されている。部品収容部802aに近い側は、レセプタクルKRE1において端子TA01〜TA03が外部に引き出される端子配置面となる側面PL1の側となる。これに対し、部品収容部802aに遠い側は、レセプタクルKRE1において端子配置面の背面側となる側面PL2の側となる。したがって、開口領域836aにおける内周壁面836bとレセプタクルKRE1との間隔は、端子配置面となる側面PL1に対応する側の開口幅W2が端子配置面の背面となる側面PL2に対応する側の開口幅W1よりも広く形成されている。このように開口幅が調整されているので、例えばカバー部材802を容易に取り付けたり取り外したり位置合わせができる適切な基板構成が可能になる。また、カバー部材802の取付け時や取外し時にレセプタクルKRE1の端子配置面とカバー部材802とが衝突することによる破損を抑制できる適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03は、それぞれ開口領域836aにて基板ケース800のカバー部材802により被覆されず露出する露出部と基板ケース800のカバー部材802により被覆されて露出しない被覆部とが形成される。このように、各端子TA01〜TA03には、露出部とは異なり、被覆されて露出しない被覆部が形成されるので、端子と基板面との接合部分といった、表面実装における重要な部位を保護できる適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03において、演出制御基板12の基板上で対応する接続パッドに接合するように表面実装された実装位置は、開口領域836aにおける内周壁面836bを形成するカバー部材802の開口周縁部840により被覆される。そして、カバー部材802の開口周縁部840と演出制御基板12の基板面とにより、レセプタクルKRE1の実装位置に近接するスペースSP1が形成される。このように、カバー部材802の開口周縁部840と演出制御基板12の基板面とが位置調整可能に配置されるので、レセプタクルKRE1の実装位置を保護できる適切な基板構成が可能になる。
図11(A)は、主基板配線に対応する伝送経路を示している。図11(A)に示すように、主基板配線用のレセプタクルKRE1にて、端子TA02に供給された信号SCDは、入力ドライバ回路130を介して、演出制御用CPU120に入力される。レセプタクルKRE1の端子TA01、TA03は、接地(グランドラインに接続)されている。
図11(B)は、電源基板配線に対応する伝送経路を示している。電源基板配線用のレセプタクルKRE2は、端子TA11〜TA30を備えている。このうち、レセプタクルKRE2において外側に対応する端子TA11、TA12と端子TA29、TA30とは、いずれも接地(グランドラインに接続)されている。また、端子TA11、TA12、TA29、TA30の他にも、端子TA25、TA26は、接地(グランドラインに接続)されている。レセプタクルKRE2の端子TA13、TA14には、直流34Vの電源電圧VSL2が供給される。レセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20には、直流12Vの電源電圧VDD2が供給される。レセプタクルKRE2の端子TA21〜TA24には、直流5Vの電源電圧VCC2が供給される。レセプタクルKRE2の端子TA27、TA28には、直流12Vの電源電圧VDD3が供給される。
電源基板配線用のレセプタクルKRE2に接続された電源基板配線を経由して電源基板92から演出制御基板12に供給された直流34Vの電源電圧VSL2は、そのまま電源電圧VSLとして演出制御基板12から出力され、ドライバ基板配線用のレセプタクルKRE3に接続されたドライバ基板配線を経由して、ドライバ基板19に供給される。例えば、電源基板配線用のレセプタクルKRE2において、電源電圧VSL2の供給を受ける端子TA13、TA14は、電源ラインLSLに接続され、電源ラインLSLがドライバ基板配線用のレセプタクルKRE3における所定端子に接続されている。図4に示すように、電源基板配線用のレセプタクルKRE2はドライバ基板配線用のレセプタクルKRE3と隣接して設けられ、電源ラインLSLは演出制御基板12における主要な電気回路や電気部品に接近しない演出制御基板12の端部を通過するように配置されていればよい。
図12は、電源電圧VSLの伝送経路を示している。電源基板92では、変圧回路501、直流電圧生成回路502などを用いて、外部電源である商用電源から直流34Vの電源電圧VSL2が生成される。例えば変圧回路501では、交流24Vの電源電圧が生成される。直流電圧生成回路502は、整流回路や平滑回路を含み、交流24Vの電源電圧を整流、平滑して直流34Vの電源電圧VSL2を生成する。直流34Vの電源電圧VSL2は、フィードバック制御などによる電圧制御が行われていないので、交流24Vの電源電圧の変動により、直流34Vの電源電圧VSL2も変動する。このように、レセプタクルKRE2の端子TA13、TA14に供給される直流34Vの電源電圧VSL2は、電圧制御が行われていない変動幅(リップル成分)が大きい直流電圧である。これに対し、レセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20に供給される直流12Vの電源電圧VDD2、レセプタクルKRE2の端子TA21〜TA24に供給される直流5Vの電源電圧VCC2、レセプタクルKRE2の端子TA27、TA28に供給される直流12Vの電源電圧VDD3は、いずれも電源基板92において、フィードバック制御による電圧制御が行われ、直流34Vの電源電圧VSLと比較して、変動幅(リップル成分)が少ない直流電圧であればよい。
演出制御基板12において、直流34Vの電源電圧VSLに対応する電源ラインLSLにはフィルタ回路などの電圧を安定化する安定化回路が介在しない。その一方で、ドライバ基板19では、直流34Vの電源電圧VSLをフィルタ回路511に入力して、電圧を安定化する。また、演出制御基板12において、直流34Vの電源電圧VSLとは異なる電源電圧に対応する電源ラインにはフィルタ回路などにより電圧を安定化する安定化回路が介在する。
例えば電源基板配線用のレセプタクルKRE2において、直流12Vの電源電圧VDD2が供給される端子TA15〜TA20は、フィルタ回路131aに接続され、直流5Vの電源電圧VCC2が供給される端子TA21〜TA24は、フィルタ回路131bに接続され、直流12Vの電源電圧VDD3が供給される端子TA27、TA28は、フィルタ回路131cに接続されている。フィルタ回路131aの出力部は直流12Vの電源電圧VDSを供給する電源ラインLDSに接続され、フィルタ回路131bの出力部は直流5Vの電源電圧VCCを供給する電源ラインLCCに接続され、フィルタ回路131cの出力部は直流12Vの電源電圧VDCを供給する電源ラインLDCに接続されている。こうして、フィルタ回路131aはレセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20と直流12Vの電源電圧VDSに対応する電源ラインLDSとの間に介在し、フィルタ回路131bはレセプタクルKRE2の端子TA21〜TA24と直流5Vの電源電圧VCCに対応する電源ラインLCCとの間に介在し、フィルタ回路131cはレセプタクルKRE2の端子TA27、TA28と直流12Vの電源電圧VDCに対応する電源ラインLDCとの間に介在する。
電源ラインLSLは、直流34Vの電源電圧VSLを供給するために設けられている。電源ラインLDSは、直流12Vの電源電圧VDSを供給するために設けられている。電源ラインLCCは、直流5Vの電源電圧VCCを供給するために設けられている。電源ラインLDCは、直流12Vの電源電圧VDCを供給するために設けられている。したがって、フィルタ回路が介在しない電源ラインLSLは、フィルタ回路が介在する電源ラインLDS、LCC、LDCのいずれと比較しても、高い電源電圧を供給するために設けられている。
レセプタクルKRE2では、直流12Vの電源電圧VDD2が供給される6つの端子TA15〜TA20、直流5Vの電源電圧VCC2が供給される4つの端子TA21〜TA24、直流12Vの電源電圧VDD3が供給される2つの端子TA27、TA28が設けられる一方で、直流34Vの電源電圧VSL2が供給される2つの端子TA13、TA14が設けられる。そのため、レセプタクルKRE2では、電源電圧が供給される端子のうちで、フィルタ回路に接続された端子TA15〜TA20、TA21〜TA24、TA27、TA28の端子数が、フィルタ回路に接続されていない端子TA13、TA14の端子数よりも多くなる。なお、それぞれの電源電圧に対応した端子数は、電源容量や負荷電流に応じて設定したものであればよい。
レセプタクルKRE2では、端子TA15〜TA20に直流12Vの電源電圧VDD2が供給され、端子TA21〜TA24に直流5Vの電源電圧VCC2が供給され、端子TA27、TA28に直流12Vの電源電圧VDD3が供給される一方で、端子TA13、TA14に直流34Vの電源電圧VSL2が供給される。そして、レセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20と直流12Vの電源電圧VDSを供給する電源ラインLDSとの間にはフィルタ回路131aが介在し、レセプタクルKRE2の端子TA21〜TA24と直流5Vの電源電圧VCCを供給する電源ラインLCCとの間にはフィルタ回路131bが介在し、レセプタクルKRE2の端子TA27、TA28と直流12Vの電源電圧VDCを供給する電源ラインLDCとの間にはフィルタ回路131cが介在する。これに対し、レセプタクルKRE2の端子TA13、TA14と直流34Vの電源電圧VSLを供給する電源ラインLSLとの間にはフィルタ回路が介在しない。このように、フィルタ回路が介在する電源ラインLDS、LCC、LDCは、直流12Vあるいは直流5Vといった複数種類の電源電圧を供給可能であり、フィルタ回路が介在しない電源ラインLSLは、直流34Vという一種類の電源電圧を供給可能である。レセプタクルKRE2では、端子TA13、TA14が端子TA15〜TA24などよりも外側に配置されている。あるいは、レセプタクルKRE2では、端子TA15〜TA24、TA27、TA28のうちで、例えば端子TA15〜TA24のように、端子TA13、TA14よりも内側に配置された端子が含まれている。
レセプタクルKRE2では、端子TA11、TA12と、端子TA29、TA30との間に、端子TA13〜TA24、TA27、TA28が配置される。端子TA13〜TA24、TA27、TA28は、いずれも電源電圧が供給される端子であり、各種の電源電圧に接続される電源電圧端子となる。これに対し、端子TA11、TA12と、端子TA29、TA30とは、いずれも電源電圧が供給されない端子であり、接地電圧に接続される接地端子となる。したがって、レセプタクルKRE2では、接地端子となる端子TA11、TA12と端子TA29、TA30との間に、電源電圧端子となる端子TA13〜TA24、TA27、TA28が配置される。
レセプタクルKRE2では、端子TA11、TA12と、端子TA25、TA26との間に、端子TA13、TA14と、端子TA15〜TA24とが配置され、端子TA25、TA26と、端子TA29、TA30との間に、端子TA27、TA28が配置される。端子TA13、TA14は、直流34Vの電源電圧VSL2が供給される端子であり、電源電圧VSL2に接続される電源電圧端子である。端子TA15〜TA20は、直流12Vの電源電圧VDD2が供給される端子であり、電源電圧VDD2に接続される電源電圧端子である。端子TA21〜TA24は、直流5Vの電源電圧VCC2が供給される端子であり、電源電圧VCC2に接続される電源電圧端子である。端子TA27、TA28は、直流12Vの電源電圧VDD3が供給される端子であり、電源電圧VDD3に接続される電源電圧端子である。そのため、直流34Vの電源電圧VSL2に接続される電源電圧端子としての端子TA13、TA14と、直流34Vの電源電圧VSL2以外の電源電圧に接続される電源電圧端子としての端子TA15〜TA24、TA27、TA28のうちの一部である端子TA15〜TA24とが、接地端子となる端子TA11、TA12と端子TA25、TA26との間に配置される。また、直流34Vの電源電圧VSL2以外の電源電圧に接続される電源電圧端子としての端子TA15〜TA24、TA27、TA28のうちで、他の一部である端子TA27、TA28が、接地端子となる端子TA25、TA26と端子TA29、TA30との間に配置される。
端子TA27、TA28に供給される直流12Vの電源電圧VDD3は、降圧コンバータ回路132により直流1.05Vの電源電圧を生成するために用いられる。直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、特定のマイクロプロセッサに供給される。したがって、レセプタクルKRE2では、電源電圧に接続される端子TA13〜TA24、TA27、TA28のうちで、変動幅(リップル成分)が比較的に大きい直流34Vの電源電圧VSL2に接続される端子TA13、TA14は、表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった特定のマイクロプロセッサに供給する電源電圧の生成に用いられる直流12Vの電源電圧VDD3に接続されるTA27、TA28から最も離れて配置される。
演出制御基板12では、直流34Vの電源電圧VSL2を安定化してから電源電圧VSLとして出力する場合も考えられる。しかしながら、演出制御基板12では直接的な用途のない直流34Vの電源電圧VSL2を安定化する回路素子の設置は、部品点数や基板容積の増大を招き、電力損失や製造コストも増加する。また、特別な回路素子の設置により、演出制御基板12のリユースや共通化が困難になるおそれもある。そこで、電圧制御が行われていない直流34Vの電源電圧VSL2は、そのまま電源電圧VSLとして演出制御基板12から出力され、ドライバ基板19にてフィルタ回路511に入力して電圧を安定化する。これにより、部品点数や基板容積の増大、電力損失や製造コストの増加を防止する適切な基板構成が可能になる。また、演出制御基板12のリユースや共通化が容易に行われる適切な基板構成が可能になる。また、電源ラインLSLは、演出制御基板12における主要な電気回路や電気部品から離れて配置されることにより、変動幅(リップル成分)が大きい直流電圧によるノイズの悪影響を防止する適切な基板構成が可能になる。
演出制御基板12において、直流34Vの電源電圧VSLを供給する電源ラインLSLは、直流12Vの電源電圧VDSを供給する電源ラインLDS、直流5Vの電源電圧VCCを供給する電源ラインLCC、直流12Vの電源電圧VDSを供給する電源ラインLDSのいずれと比較しても、高い電源電圧となる直流34Vを供給する。一般的に、高い電源電圧を安定化する安定化回路は、低い電源電圧を安定化する安定化回路よりも、回路素子の容積や電力損失が大きなものになりやすく、回路素子の値段が高価なものになりやすい。そこで、高い電源電圧となる直流34Vの電源電圧VSLを供給する電源ラインLSLにはフィルタ回路が介在しないことにより、基板容積の増大、電力損失や製造コストの増加を防止する適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2において、2つの端子TA13、TA14には直流34Vの電源電圧VSLが供給される。これに対し、レセプタクルKRE2において、6つの端子TA15〜TA20には直流12Vの電源電圧VDD2が供給され、4つの端子TA21〜TA24には直流5Vの電源電圧VCC2が供給され、2つの端子TA27、TA28には直流12Vの電源電圧VDD3が供給される。したがって、演出制御基板12では、レセプタクルKRE2にて電源電圧が供給される端子のうちで、フィルタ回路131a〜131cのいずれかに接続される端子TA15〜TA24、TA27、TA28の端子数が、フィルタ回路に接続されない端子TA13、TA14の端子数よりも多くなる。このように端子数が設定されているので、例えば演出制御基板12にて電圧を安定化する対象となる電源電圧の用途や電源容量などに応じて、配線設計の自由度を向上させる適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2において、電源電圧が供給される端子のうちで、演出制御基板12にてフィルタ回路131a〜131cのいずれかに接続される端子TA15〜TA24、TA27、TA28は、直流12Vの電源電圧VDD2を供給可能な端子TA15〜TA20と、直流5Vの電源電圧VCC2を供給可能な端子TA21〜TA24と、直流12Vの電源電圧VDD3を供給可能な端子TA27、TA28とを、含んでいる。これに対し、レセプタクルKRE2において、電源電圧が供給される端子のうちで、演出制御基板12ではフィルタ回路に接続されない端子TA13、TA14は、直流34Vの電源電圧VSL2を供給可能であり、他の種類の電源電圧は供給しない。そのため、フィルタ回路が介在する電源ラインであるか、フィルタ回路が介在しない電源ラインであるかに応じて、供給可能な電源電圧の種類数が異なっている。より具体的には、フィルタ回路が介在する電源ラインは、直流12Vの電源電圧VDD2、直流5Vの電源電圧VCC2、直流12Vの電源電圧VDD2といった、複数種類の電源電圧を供給可能であり、フィルタ回路が介在しない電源ラインは、直流34Vの電源電圧VSLという一種類の電源電圧を供給可能である。このように、電源ラインに対応して供給可能な電源電圧の種類数が異なるので、例えば演出制御基板12にて電圧を安定化する対象となる電源電圧の用途などに応じて、配線設計の自由度を向上させる適切な基板構成が可能になる。
また、フィルタ回路が介在しない電源ラインに接続された端子TA13、TA14は、フィルタ回路が介在する電源ラインに接続された端子TA15〜TA24などよりも外側に配置されている。このような端子の配置により、例えば演出制御基板12にて電圧を安定化する対象となる電源電圧の用途などに応じて、配線設計の自由度を向上させる適切な基板構成が可能になる。加えて、端子TA13、TA14に供給された直流34Vの電源電圧VSL2を、そのまま電源電圧VSLとしてドライバ基板19に対して出力するための配線長を短縮する適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2において、端子TA13〜TA24、TA27、TA28は、各種の電源電圧に接続される電源電圧端子となる。これに対し、レセプタクルKRE2において、端子TA11、TA12と、端子TA29、TA30とは、いずれも接地電圧に接続される接地端子となる。そして、端子TA13〜TA24、TA27、TA28は、端子TA11、TA12と、端子TA29、TA30との間に配置されている。このような端子の配置により、ノイズの影響を受けにくい適切な基板構成が可能になる。また、電源電圧を遮蔽して、ノイズの発生を防止する適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2において、端子TA15〜TA24、TA27、TA28は、直流34Vの電源電圧VSL2とは異なる電源電圧に接続される第1電源電圧端子となる。その一方で、レセプタクルKRE2において、端子TA13、TA14は、直流34Vの電源電圧VSL2に接続される第2電源電圧端子となる。また、レセプタクルKRE2において、端子TA11、TA12は接地電圧に接続される第1接地端子となり、端子TA25、TA26は接地電圧に接続される第2接地端子となり、端子TA29、TA30は接地電圧に接続される第3接地端子となる。そして、レセプタクルKRE2では、第2電源電圧端子に含まれる端子TA13、TA14と、第1電源電圧端子に含まれる端子TA15〜TA24とが、第1接地端子に含まれる端子TA11、TA12と、第2接地端子に含まれる端子TA25、TA26との間に配置され、第1電源電圧端子に含まれる端子TA27、TA28が、第2接地端子に含まれる端子TA25、TA26と、第3接地端子に含まれる端子TA29、TA30との間に配置される。このような端子の配置により、ノイズの影響を受けにくい適切な基板構成が可能になる。特に、第2接地端子に含まれる端子TA25、TA26を、第2電源電圧端子に含まれる端子TA13、TA14および第1電源電圧端子に含まれる端子TA15〜TA24と、第1電源電圧端子に含まれるTA27、TA28との間に配置させることで、さらにノイズの影響を受けにくい適切な基板構成が可能になる。また、電源電圧を効率よく遮蔽して、さらにノイズの発生を防止する適切な基板構成が可能になる。加えて、直流34Vの電源電圧VSL2に接続される端子TA13、TA14は、表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった特定のマイクロプロセッサに供給する電源電圧の生成に用いられる直流12Vの電源電圧VDD3に接続されるTA27、TA28から離れて配置されるので、特定のマイクロプロセッサがノイズの影響を受けにくい適切な基板構成が可能になる。
演出制御基板12では、レセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20にて供給された電源電圧VDD2から、分岐点DB1にて電源電圧VDLが分岐される。このような分岐点DB1にて電源電圧VDLが分岐された後に、フィルタ回路131aにより電源電圧VDSを安定化する。電源電圧VDLは、例えば演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するために用いられる直流12Vの電源電圧である。電源電圧VDSは、増幅回路521に供給され、音声信号を出力するために用いられる直流12Vの電源電圧である。このように、フィルタ回路131aは、1の電源電圧VDD2を、電源電圧VDLと電源電圧VDSとに分岐した後に、電源電圧VDSを安定化する。演出制御基板12には、増幅回路521が設けられ、スピーカ8L、8Rに供給される音声信号を出力可能としてもよい。
図13(A)は、電源電圧VDSを供給するための配線における配線長の関係を示している。演出制御基板12において、電源電圧VDSを増幅回路521に供給するための電源ラインLDSは、分岐点DB1からフィルタ回路131aの入力部までの配線長LL1を有する配線と、フィルタ回路131aの出力部から増幅回路521の入力部までの配線長LL2を有する配線とを、含んでいればよい。そして、配線長LL2は、配線長LL1よりも短くなるように、演出制御基板12における配線や回路の配置が調整されていればよい。このように、フィルタ回路131aから増幅回路521までの配線長LL2は、電源電圧VDSを分岐点DB1にて分岐させてからフィルタ回路131aまでの配線長LL1よりも短くなる。なお、増幅回路521やフィルタ回路131aは、演出制御基板12に設置されるものに限定されず、音声制御基板13に設置されてもよい。
図13(B)は、増幅回路521やフィルタ回路131aを音声制御基板13に設置した場合における電源電圧VDSの伝送経路を示している。電源基板92では、変圧回路501、直流電圧生成回路502などを用いて、外部電源である商用電源から直流12Vの電源電圧VDD2が生成される。直流12Vの電源電圧VDD2は、電源基板配線用のレセプタクルKRE2において、端子TA15〜TA20に供給される。演出制御基板12では、レセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20にて供給された電源電圧VDD2から、分岐点DB1にて電源電圧VDLが分岐された後、そのまま電源電圧VDSとして演出制御基板12から出力され、音声基板配線用のレセプタクルKRE4に接続された音声制御基板配線を経由して、音声制御基板13に供給されてもよい。例えば、電源基板配線用のレセプタクルKRE2において、電源電圧VDD2の供給を受ける端子TA15〜TA20は、電源ラインLDSに接続され、電源ラインLDSが音声制御基板配線用のレセプタクルKRE4における所定端子に接続されていればよい。演出制御基板12において、直流12Vの電源電圧VDSに対応する電源ラインLDSにはフィルタ回路などの電圧を安定化する安定化回路が介在しなくてもよい。その一方で、音声制御基板13では、直流12Vの電源電圧VDSをフィルタ回路131aに入力して、電圧を安定化する。こうして安定化された電源電圧VDSを増幅回路521に供給すればよい。
音声制御基板13には、音声制御用IC522、音声データROM523などが設けられてもよい。音声制御用IC522は、演出制御基板12の演出制御用CPU120などから出力された指令(音番号データなど)に応じて、音声や効果音を生成するための信号処理を実行する。音声データROM523は、音番号データに応じた制御データを記憶している。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の可変表示期間)における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。なお、音声制御基板13に設けられる各種の構成を、演出制御基板12に設けられるように構成し、音声制御基板13を備えないものであってもよい。
音声制御用IC522などにより生成された音声信号を増幅して、スピーカ8L、8Rなどに出力可能な増幅回路521は、電源電圧に変動が生じると、出力される音声信号に歪みが生じるといった、音質に悪影響が及ぶおそれがある。そこで、直流12Vの電源電圧VDSは、フィルタ回路131aにより安定化した後に、増幅回路521に供給される。演出制御基板12において、1の電源電圧VDD2を、特定の電気部品を駆動するための電源電圧VDLと、増幅回路521に供給するための電源電圧VDSとに分岐した後に、フィルタ回路131aを用いて安定化した電源電圧VDSを増幅回路521に供給する。このように、フィルタ回路131aを用いて安定化した電源電圧VDSを増幅回路521に供給することで、増幅回路521を安定して動作させる適切な基板構成が可能になる。
増幅回路521に供給するための電源電圧VDSに対応する電源ラインLDSにおいて、フィルタ回路131aから増幅回路521までの配線長LL2は、分岐点DB1にて電源電圧VDLが分岐されてからフィルタ回路131aに入力するまでの配線長LL1よりも短くなる。このように、フィルタ回路131aを用いて安定化した電源電圧VDSを増幅回路521に供給するまでの配線長を短くすることで、ノイズの影響を受けにくく、増幅回路521を安定して動作させる適切な基板構成が可能になる。
演出制御基板12では、レセプタクルKRE2の端子TA21〜TA24にて供給された電源電圧VCC2から、電源電圧VCLが分岐される。電源電圧VCLが分岐された後に、フィルタ回路131bにより電源電圧VCCを安定化する。電源電圧VCLは、例えば演出用モータ60に含まれる特定のモータや演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するために用いられる直流5Vの電源電圧である。電源電圧VCCは、例えば演出制御用CPU120といった、所定の電気回路を駆動するために用いられる直流5Vの直流電源である。このように、フィルタ回路131bは、1の電源電圧VCC2を、電源電圧VCLと電源電圧VDDとに分岐した後の電源電圧VDDを安定化する。
演出制御基板12では、レセプタクルKRE2の端子TA27、TA28にて供給された電源電圧VDD3を、フィルタ回路131cにより安定化した後に、電源電圧VDCを供給可能に分岐させる。電源電圧VDCは、電源断の発生を監視するために用いられる直流12Vの電源電圧である。また、電源電圧VDD3は、フィルタ回路131cにより安定化した後に、降圧コンバータ回路132に入力される。降圧コンバータ回路132は、1入力2出力の直流電圧を変換する回路である。図11に示す降圧コンバータ回路132は、直流12Vの電源電圧VDD3をフィルタ回路131cにより安定化した電圧が入力されて、直流1.05Vの電源電圧と、直流3.3Vの電源電圧とに変換して出力する。降圧コンバータ回路132の出力部は、直流1.05Vの電源電圧を供給する電源ラインL10と、直流3.3Vの電源電圧を供給する電源ラインL33とに接続されている。直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123に含まれるグラフィックスプロセッサといった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。直流3.3Vの電源電圧は、例えばROM121や表示制御部123に含まれる画像データメモリといった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。直流3.3Vの電源電圧は、レギュレータ回路133にも入力される。レギュレータ回路133は、例えばLDO(Low Drop-Out)レギュレータなどのシリーズレギュレータといったリニア方式の安定化電源回路であればよく、直流3.3Vの電源電圧が入力されて、直流1.5Vの電源電圧に変換して出力する。レギュレータ回路133の出力部は、直流1.5Vの電源電圧を供給する電源ラインL15に接続されている。直流1.5Vの電源電圧は、例えばRAM122といった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。
図14は、フィルタ回路131a〜131cの構成例を示している。図14(A)は、電源電圧VDSに対応するフィルタ回路131aの構成例を示している。図14(B)は、電源電圧VCCに対応するフィルタ回路131bの構成例を示している。図14(C)は、電源電圧VDCに対応するフィルタ回路131cの構成例を示している。
図14(A)に示すフィルタ回路131aは、三端子コンデンサ85a、バイパスコンデンサC10、C11、電解コンデンサC1を用いて構成されていればよい。バイパスコンデンサC10、C11は、電解コンデンサC1と比較して、高周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品であり、デカップリングコンデンサともいう。電解コンデンサC1は、バイパスコンデンサC10、C11と比較して、低周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品である。三端子コンデンサ85aの入力端子(IN)は、フィルタ回路131aの入力部となり、直流12Vの電源電圧VDD2が供給される。三端子コンデンサ85aの出力端子(OUT)は、フィルタ回路131aの出力部となり、電圧が安定化された直流12Vの電源電圧VDSを供給する。三端子コンデンサ85aの接地端子(GND)は、接地(グランドラインに接続)されている。三端子コンデンサ85aの出力端子と接地端子との間には、0.1μFのバイパスコンデンサC10、47μFのバイパスコンデンサC11、1000μFの電解コンデンサC1が、接続されている。
図14(B)に示すフィルタ回路131bは、三端子コンデンサ85b、バイパスコンデンサC12、C13、電解コンデンサC2を用いて構成されていればよい。バイパスコンデンサC12、C13は、電解コンデンサC2と比較して、高周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品である。電解コンデンサC2は、バイパスコンデンサC12、C13と比較して、低周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品である。三端子コンデンサ85bの入力端子(IN)は、フィルタ回路131bの入力部となり、直流5Vの電源電圧VCC2が供給される。三端子コンデンサ85bの出力端子(OUT)は、フィルタ回路131bの出力部となり、電圧が安定化された直流5Vの電源電圧VCCを供給する。三端子コンデンサ85bの接地端子(GND)は、接地(グランドラインに接続)されている。三端子コンデンサ85bの出力端子と接地端子との間には、0.1μFのバイパスコンデンサC12、47μFのバイパスコンデンサC13、1000μFの電解コンデンサC2が、接続されている。
図14(C)に示すフィルタ回路131cは、三端子コンデンサ85c、バイパスコンデンサC14、電解コンデンサC3を用いて構成されていればよい。バイパスコンデンサC14は、電解コンデンサC3と比較して、高周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品である。電解コンデンサC3は、バイパスコンデンサC14と比較して、低周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品である。三端子コンデンサ85cの入力端子(IN)は、フィルタ回路131cの入力部となり、直流12Vの電源電圧VDD3が供給される。三端子コンデンサ85cの出力端子(OUT)は、フィルタ回路131cの出力部となり、電圧が安定化された直流12Vの電源電圧VDCを供給する。三端子コンデンサ85cの接地端子(GND)は、接地(グランドラインに接続)されている。三端子コンデンサ85cの出力端子と接地端子との間には、0.1μFのバイパスコンデンサC14、1000μFの電解コンデンサC3が、接続されている。
フィルタ回路131a〜131cは、各電源経路の電圧を安定化する安定化回路として機能する。例えばフィルタ回路131aは、電源ラインLDSにより供給される直流12Vの電源電圧VDSを安定化する。フィルタ回路131bは、電源ラインLCCにより供給される直流5Vの電源電圧VCCを安定化する。フィルタ回路131cは、電源ラインLDCにより供給される直流12Vの電源電圧を安定化する。演出制御基板12には、フィルタ回路131a〜131cの他にも、各種電源電圧におけるノイズの発生を防止するノイズ防止回路が設けられてもよい。
図15は、演出制御基板12に設けられるノイズ防止回路の構成例を示している。図15(A)は、電源電圧VDLというLED用DC12V(直流12V)に対応するノイズ防止回路135aの構成例を示している。図15(B)は、電源電圧VCLというLED/モータ用DC5V(直流5V)に対応するノイズ防止回路135bの構成例を示している。図15(C)は、電源電圧VCCというIC用DC5V(直流5V)や直流3.3Vの電源電圧というIC用DC3.3V(直流3.3V)に対応するノイズ防止回路135cの構成例を示している。
図15(A)に示すノイズ防止回路135aは、直列接続されたコンデンサC20および抵抗R20と、直列接続されたコンデンサC21および抵抗R21と、直列接続されたコンデンサC22および抵抗R22とを用いて構成されていればよい。これらの構成は、いずれも電源電圧VDLを供給する電源ラインLDLと接地電圧を提供する接地端子(グランドライン)とに接続されていればよい。コンデンサC20、C21、C22は、いずれも0.1μFのバイパスコンデンサであればよい。抵抗R20、R21、R22は、いずれも22Ωの抵抗値を有するものであればよい。
図15(B)に示すノイズ防止回路135bは、直列接続されたコンデンサC23および抵抗R23と、直列接続されたコンデンサC24および抵抗R24とを用いて構成されていればよい。これらの構成は、いずれも電源電圧VCLを供給する電源ラインLCLと接地電圧を提供する接地端子(グランドライン)とに接続されていればよい。コンデンサC23、C24は、いずれも0.1μFのバイパスコンデンサであればよい。抵抗R23、R24は、いずれも22Ωの抵抗値を有するものであればよい。
図15(C)に示すノイズ防止回路135cは、コンデンサC25〜C28を用いて構成されていればよい。コンデンサC25は、電源電圧VCCを供給する電源ラインLCCと接地電圧を提供する接地端子(グランドライン)とに接続されていればよい。コンデンサC26、C27、C28は、いずれも直流3.3Vの電源電圧を供給する電源ラインL33と接地電圧を提供する接地端子(グランドライン)とに接続されていればよい。コンデンサC25〜C28は、いずれも0.1μFのバイパスコンデンサであればよい。
図15(A)に示すノイズ防止回路135aでは、コンデンサC20、C21、C22に加え、抵抗R20、R21、R22が用いられている。図15(B)に示すノイズ防止回路135bでは、コンデンサC23、C24に加え、抵抗R23、R24が用いられている。その一方で、図15(C)に示すノイズ防止回路135cでは、コンデンサC25〜C28が用いられ、抵抗は用いられていない。このように、ノイズ防止回路135a、135bでは、ノイズ防止回路135cとは異なる回路素子として、抵抗R20、R21、R22や、抵抗R23、R24が、用いられている。
図15(A)に示すノイズ防止回路135aにより安定化される電源電圧VDLは、例えば演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するために用いられる。電源ラインLDLは、例えば演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するための電源電圧VDLを供給する。図15(B)に示すノイズ防止回路135bにより安定化される電源電圧VCLは、例えば演出用モータ60に含まれる特定のモータや演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するために用いられる。電源ラインLCLは、例えば演出用モータ60に含まれる特定のモータや演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するための電源電圧VCLを供給する。図15(C)に示すノイズ防止回路135cにより安定化される電源電圧VCCと直流3.3Vの電源電圧は、例えば演出制御用CPU120やROM121あるいは表示制御部123に含まれる画像データメモリといった、特定の制御回路を含む電気回路を駆動するために用いられる。電源ラインLCCは、例えば演出制御用CPU120といった、特定の制御回路を含む電気回路を駆動するための電源電圧VCCを供給する。電源ラインL33は、例えばROM121あるいは表示制御部123の画像データメモリといった、特定の制御回路を含む電気回路を駆動するための直流3.3Vの電源電圧を供給する。このように、モータやLEDなど特定の電気部品を駆動するための電源電圧に対応するノイズ防止回路135a、135bでは、CPUやROMなど特定の電気回路を駆動するための電源電圧に対応するノイズ防止回路135cとは異なる回路素子として、抵抗R20、R21、R22や、抵抗R23、R24が、用いられている。
演出用モータ60に含まれる特定のモータや演出用LED61に含まれる特定のLEDのような電流駆動型の回路素子を用いた負荷回路では、負荷回路の過渡現象により過大な突入電流が発生して、電気部品が破損してしまうおそれがある。そこで、ノイズ防止回路135aでは、コンデンサC20に抵抗R20を直列接続し、コンデンサC21に抵抗R21を直列接続し、コンデンサC22に抵抗R22を直列接続する。また、ノイズ防止回路135bでは、コンデンサC23に抵抗R23を直列接続し、コンデンサC24に抵抗R24を直列接続する。なお、電源電圧VDLが安定しているときには、コンデンサC20、C21、C22が充電状態となり、抵抗R20、R21、R22は非導通状態となるので、電力損失の発生を防止できる。電源電圧VCLが安定しているときには、コンデンサC23、C24が充電状態となり、抵抗R23、R24は非導通状態となるので、電力損失の発生を防止できる。その一方で、演出制御用CPU120やROM121あるいは表示制御部123の画像データメモリなどの半導体集積回路では、例えばCMOS回路といった、電圧駆動型の回路素子が用いられ、入力インピーダンスが比較的に大きくなる。そのため、回路の過渡現象による突入電流は発生しにくい。そのため、ノイズ防止回路135cでは、コンデンサC25〜C28を用いる一方で、抵抗を用いる必要はない。こうして、電源電圧を供給する対象となる回路や電気部品の特性に応じて異なる回路素子を用いたノイズ防止回路を構成することにより、基板容積の増大や製造コストの増加を防止しつつ、ノイズの発生を防止する適切な基板構成が可能になる。
図16は、電源電圧VDCを用いる電源監視回路140を示している。演出制御基板12では、電源電圧VDCが電源断の発生を監視するために用いられる。電源監視回路140は、例えば停電監視リセットモジュールICを用いて構成され、電源断信号を出力可能な電源監視手段を実現する回路である。例えば電源監視回路140は、電源電圧VDCが所定値(例えば10V)を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。その一方で、電源電圧VDCが所定値以下になった期間が、予め定められた待機時間以上継続したときに、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。電源監視回路140から出力された電源断信号は、演出制御用CPU120へと伝送される。
電源断信号を出力するための監視対象となる電源電圧VDCは、直流1.05Vの電源電圧や直流3.3Vの電源電圧、直流1.5Vの電源電圧を生成するために用いられる。直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123に含まれるグラフィックスプロセッサといった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。直流3.3Vの電源電圧は、例えばROM121や表示制御部123に含まれる画像データメモリといった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。直流1.5Vの電源電圧は、例えばRAM122といった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。こうした電気回路に供給される電源電圧の生成に用いられる電源電圧VDCを監視対象とすることにより、電気回路の動作状態が不安定となる以前に、電源断信号を出力する(オン状態にする)ことができるので、各種電気回路における誤動作を防止できる。
演出制御基板12では、レセプタクルKRE2の端子TA27、TA28にて供給された電源電圧VDD3を、フィルタ回路131cにより安定化した後に、降圧コンバータ回路132に入力する。降圧コンバータ回路132は、入力電圧を用いて、直流1.05Vの電源電圧と、直流1.05Vよりも高い直流3.3Vの電源電圧とを生成する。直流3.3Vの電源電圧は、レギュレータ回路133に入力される。レギュレータ回路133は、入力電圧を用いて、直流1.5Vの電源電圧を生成する。直流1.5Vの電源電圧は、直流1.05Vよりも高いが直流3.3Vよりも低い電源電圧となる。このように、降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133を用いて、直流1.05Vの電源電圧と、直流1.05Vよりも高い直流1.5Vの電源電圧と、直流1.5Vよりも高い直流3.3Vの電源電圧とを生成することができ、降圧コンバータ回路132は、直流1.05Vの電源電圧と、直流3.3Vの電源電圧とを出力する一方で、レギュレータ回路133は、直流1.5Vの電源電圧を出力する。
電源電圧VDD3を、フィルタ回路131cにより安定化した後に、分岐させた直流12Vの電源電圧VDCは、電源断の発生を監視する電源監視回路140に供給される。したがって、降圧コンバータ回路132の入力電圧は、直流12Vの電源電圧VDCと共通であり、降圧コンバータ回路132の入力電圧が電源監視回路140の監視対象になる。なお、電源電圧VDCを分岐させた後において、降圧コンバータ回路132の入力側に、所定容量(例えば47μF)のバイパスコンデンサが接続されてもよい。
降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133を用いて生成される電源電圧のうち、電圧値が最も小さい低電圧となる直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、特定のマイクロプロセッサに供給される。なお、直流1.05Vの電源電圧は、表示制御部123のグラフィックスプロセッサに供給されるものに限定されず、例えば演出制御用CPU120その他に任意のマイクロプロセッサに供給されてもよい。
降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133を用いて生成される電源電圧のうち、電圧値が最も大きく高電圧となる直流3.3Vの電源電圧は、例えばROM121や表示制御部123の画像データメモリなどに供給される。ROM121は、直流1.5Vの電源電圧により駆動する電気部品よりも先に起動可能であればよい。
降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133を用いて生成される電源電圧のうち、直流1.05Vよりも高く直流3.3Vよりは低い直流1.5Vの電源電圧は、例えばRAM122に供給される。RAM122は、例えばDDR(Double Data Rate)方式で記憶や読出が可能な一時記憶メモリであり、SIMM(Single In-line Memory Module)やDIMM(Dual In-line Memory Module)といった、メモリモジュールとして機能する基板を構成する。このようなRAM122を構成する基板は、演出制御基板12に着脱自在に接続可能な別基板として構成されてもよい。この場合、直流1.5Vの電源電圧は、演出制御基板12とは異なる基板に供給されることになる。
降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133に代えて、1入力3出力の降圧コンバータ回路を用いた場合には、特別な専用回路が必要になり、製造コストが増加するおそれがある。また、単一の回路における発熱量が増大して、電気回路が破損してしまうおそれがある。そこで、降圧コンバータ回路132では、フィルタ回路131cにより安定化した電源電圧VDD3(電源電圧VDCでも同様)が入力されて、直流1.05Vの電源電圧と、直流3.3Vの電源電圧とを出力する。レギュレータ回路133では、直流3.3Vの電源電圧が入力されて、直流1.5Vの電源電圧を出力する。これにより、製造コストの増加を防止するとともに、電気回路での発熱を分散する適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132に供給される電圧と同一または略同一の電源電圧VDCは、電源監視回路140に供給され、電源断の発生が監視される。こうして、降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133による各種電源電圧の生成に用いられる電源電圧VDCを、電源監視回路140の監視対象とするので、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、パチンコ遊技機1における演出を実行するために重要な電気回路の動作状態が不安定となる以前に、電源断の発生を検出する適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132から出力された直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、特定のマイクロプロセッサに供給される。降圧コンバータ回路132から直流1.05Vの電源電圧を出力させることで、電源断が発生した場合に、レギュレータ回路133から出力させた構成よりも長時間が経過するまで直流1.05Vの電源電圧を維持することができる。これにより、電源断が発生した場合に、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、パチンコ遊技機1における演出を実行するために重要な電気回路の動作を可能な限り継続させる適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132から出力された直流3.3Vの電源電圧は、例えばROM121に供給され、レギュレータ回路133から出力される直流1.5Vの電源電圧により駆動するRAM122などの電気部品よりも先に起動可能となる。これにより、電源投入された場合に、例えば演出制御用CPU120によりROM121の記憶データを即座に読出できる適切な基板構成が可能になる。
レギュレータ回路133から出力された直流1.5Vの電源電圧は、例えばRAM122といった、演出制御基板12とは異なる基板として構成されたものに供給されてもよい。このように、演出制御基板12とは異なる基板に供給される直流1.5Vの電源電圧を、降圧コンバータ回路132とは異なるレギュレータ回路133から出力させることで、製造コストの増加を防止するとともに、電気回路での発熱を分散する適切な基板構成が可能になる。
(特徴部30AKに関する説明)
図17は、本実施形態の特徴部30AKに関し、主基板11における一方の基板面(表面)にて、CPU103とRAM102とを接続する配線のパターンが形成された部分の構成例を示している。主基板11では、例えばRAM102とCPU103といった、複数の電気部品を複数の信号配線により接続するために、複数の信号配線を構成する配線のパターンが形成されている。CPU103は、パチンコ遊技機1における遊技の制御に関して、所定の処理を実行可能に構成された電気部品であり、RAM102はCPU103による処理の実行に関する情報を記憶可能に構成された電気部品である。
複数の信号配線を構成する配線のパターンに対し、それらの周囲あるいは信号配線間における領域にて、1または複数のグランド導体が配置されている。グランド導体は、基準グランドや特性インピーダンス調整用グランドとして機能し、グランド電圧に維持される。図17に示す構成例では、複数のグランド導体として、複数の信号配線の周囲における領域にグランド導体30AK10Gおよびグランド導体30AK11Gが配置され、複数の信号配線間における領域にグランド導体30AK20Gが配置されている。このように、複数の信号配線を構成する配線のパターンが設けられていない空白領域となる空域部分には、1または複数のグランド導体が設けられていてもよい。これにより、複数の信号配線から放射される電磁波ノイズや信号配線間での電磁波ノイズによる電磁妨害を、防止あるいは抑制できる。
なお、複数の信号配線の周囲および信号配線間における双方の領域に複数のグランド導体が配置されるものに限定されず、複数の信号配線の周囲または信号配線間における一方の領域にのみグランド導体が配置されるものであってもよい。あるいは、このようなグランド導体が配置されないものであってもよい。
図18は、図17に示した複数の信号配線を構成する配線のパターンについて、より詳細に説明するための領域や区間を示している。図18に示す領域30AK01Rは、複数の信号配線がCPU103に接続される側の端部における領域である。図18に示す領域30AK10Rは、複数の信号配線がいずれも直線形状または略直線形状で互いに平行または略平行な第1形状となる領域であり、図18に示す領域30AK11Rと領域30AK12Rは、少なくとも一部の信号配線が直線形状および略直線形状とは異なる形状で他の信号配線と平行および略平行ではない第2形状となる領域である。図18に示す区間30AK0SCでは、複数の信号配線のうち一部の信号配線が最短または略最短の距離で接続する短距離パターンと短距離パターンに含まれない信号配線が短距離パターンよりも長い距離で接続する長距離パターンとが配置されている。
図19は、図18に示された領域30AK01Rの拡大図である。図19に示す領域30AK01Rにおいて、複数の信号配線を構成する配線のパターンは、パターン30AK10D〜30AK13Dと、パターン30AK10CKと、パターン30AK10CSと、パターン30AK10RSと、パターン30AK10A〜30AK14Aとを含んでいる。
図20は、図19に示された配線のパターンに対応して、信号種類、信号同期の有無、蛇行形状の有無についての設定例を示している。図20に示す信号種類は、各配線のパターンが構成する信号配線で伝送される電気信号の内容(用途)を示している。図20に示す信号同期は、他の信号配線で伝送される電気信号に対する同期の有無を示している。図20に示す蛇行形状は、RAM102とCPU103との間を接続する各配線のパターンについて、直線形状および略直線形状とは異なる蛇行形状となる部分が設けられているか否かを示している。蛇行形状は、ミアンダ形状やジグザグ形状、あるいは折返し形状とも称され、所定区間における信号配線の延設方向に対し、信号配線が繰り返し折り曲げられることにより、例えば延設方向に直交あるいは略直交する方向に折返し往復する形状であればよい。
図20に示す設定例において、配線のパターン30AK10D〜30AK13Dは、いずれもデータ信号を伝送するための信号配線を構成する。各信号配線で伝送されるデータ信号は、例えばクロック信号および他の信号配線で伝送されるデータ信号といった、他の信号配線で伝送される信号と同期して伝送される。配線のパターン30AK10CKは、クロック信号を伝送するための信号配線を構成する。クロック信号は、例えばデータ信号やアドレス信号、チップセレクト信号といった、他の信号配線で伝送される信号と同期して伝送される。配線のパターン30AK10CSは、チップセレクト信号を伝送するための信号配線を構成する。チップセレクト信号は、例えばクロック信号といった、他の信号配線で伝送される信号と同期して伝送される。配線のパターン30AK10RSは、リセット信号を伝送するための信号配線を構成する。リセット信号は、他の信号配線で伝送される信号とは同期しない非同期で伝送される。配線のパターン30AK10A〜30AK14Aは、いずれもアドレス信号を伝送するための信号配線を構成する。各信号配線で伝送されるアドレス信号は、例えばクロック信号および他の信号配線で伝送されるアドレス信号といった、他の信号配線で伝送される信号と同期して伝送される。
他の信号配線で伝送される信号と同期して伝送されるデータ信号、クロック信号、チップセレクト信号、アドレス信号のうちデータ信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10D〜30AK13Dには、蛇行形状がない配線のパターン30AK10Dが含まれている。配線のパターン30AK10Dが構成する信号配線で伝送されるデータ信号とは異なるデータ信号、クロック信号、チップセレクト信号、アドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターンは、少なくとも一部分が直線形状および略直線形状とは異なる形状としての蛇行形状となっている。
配線のパターン30AK10Dが構成するデータ信号を伝送するための信号配線は、他のデータ信号、クロック信号、チップセレクト信号、アドレス信号を伝送するための信号配線に比べて、RAM102とCPU103における接続端子間の距離が長くなっている。そこで、配線のパターン30AK10Dが構成する信号配線で伝送されるデータ信号とは異なるデータ信号、クロック信号、チップセレクト信号、アドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターンは、少なくとも一部分が蛇行形状となることにより、各信号配線の配線長が同一または略同一となる。その一方で、配線のパターン30AK10Dには蛇行形状を設ける必要がない。
このように、同期信号を伝送するための信号配線のうち複数の電気部品における接続端子間の距離が他の接続端子間の距離と比べて長くなる信号配線は、例えば蛇行形状となる配線部分といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状となる配線部分を含まないように、配線のパターンが形成されていればよい。逆にいうと、直線形状または略直線形状などの形状となる一方で蛇行形状のような直線形状および略直線形状とは異なる形状を含まない配線のパターンが構成する信号配線は、蛇行形状のような直線形状および略直線形状とは異なる形状を含む配線のパターンが構成する信号配線と比較して、複数の電気部品における接続端子間の距離が長い。あるいは、同期信号を伝送するための信号配線のうち複数の電気部品における接続端子間の距離が他の接続端子間の距離と比べて長くなる信号配線は、例えば蛇行形状となる配線部分といった、他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となる配線部分を含まないように、配線のパターンが形成されていればよい。逆にいうと、他の信号配線と平行または略平行な形状となる一方で蛇行形状のような平行および略平行な形状とは異なる形状を含まない配線のパターンが構成する信号配線は、蛇行形状のような他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状を含む配線のパターンが構成する信号配線と比較して、複数の電気部品における接続端子間の距離が長い。これにより、各信号配線の配線長を同一または略同一とし、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差(スキュー)が発生することを、防止あるいは抑制できる。複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させることにより、複数の信号配線で伝送される信号の信頼性を向上させることができる。
配線のパターン30AK10RSには、蛇行形状が設けられていない。配線のパターン30AK10RSは、非同期信号であるリセット信号を伝送するための信号配線を構成する。リセット信号などの非同期信号を伝送する場合には、他の信号配線で伝送される信号との遅延時間差を考慮する必要がない。そこで、リセット信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10RSのように、非同期信号が伝送される信号配線を構成する配線のパターンには蛇行形状を設けない。配線のパターンに蛇行形状を設けないようにすれば、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
蛇行形状を設けない配線のパターンとして、グランド電圧に維持されるダミー配線を構成する配線のパターンが配置されてもよい。例えば配線のパターン30AK10RSが構成する信号配線では、リセット信号が伝送されることに代えて、グランド電圧に維持されてもよい。配線のパターン30AK10RSは、データ信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10D〜30AK13D、クロック信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CK、チップセレクト信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CSで構成される一群のパターンと、アドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10A〜30AK14Aで構成される一群のパターンとの間に配置されている。配線のパターン30AK10RSのような他の信号配線間に配置される信号配線をグランド電圧に維持されるダミー配線とすることにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。蛇行形状を設けない配線のパターンとしては、グランド電圧に維持されるダミー配線に代えて、あるいはグランド電圧に維持されるダミー配線とともに、電源電圧に維持される配線のパターンが配置されてもよい。例えば配線のパターン30AK10RSが構成する信号配線では、リセット信号が伝送されることに代えて、電源電圧に維持されてもよい。なお、電源電圧に維持される配線のパターンは、他の信号配線を構成する配線のパターンと近接して配置すると、それぞれの信号配線どうしの電磁結合などにより、電磁波ノイズが発生するおそれがある。そこで、電源電圧に維持される配線のパターンを配置する場合には、グランド電圧に維持される配線のパターンを配置する場合と比較して、信号配線からの距離が長くなるように、各配線のパターンが形成されてもよい。これにより、信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。
図21は、図18に示された領域30AK10Rの拡大図である。領域30AK10Rには、配線のパターン30AK10CK、30AK10CS、30AK10RS、30AK10A〜14Aが形成されている。これらの配線のパターンは、領域30AK10Rにおいて、複数の信号配線がいずれも直線形状または略直線形状で互いに平行または略平行な形状となるように形成されている。このように、領域30AK10Rでは、複数の信号配線を構成する配線のパターンがいずれも直線形状または略直線形状となるように形成され、複数の信号配線が互いに平行または略平行な形状となるように配線のパターンが形成されている。
図22は、図18に示された領域30AK11Rの拡大図である。領域30AK11Rには、領域30AK10Rと同じく、配線のパターン30AK10CK、30AK10CS、30AK10RS、30AK10A〜14Aが形成されている。これらの配線のパターンは、領域30AK11Rにおいて、少なくとも1の信号配線が直線形状または略直線形状となるように形成されている一方で、他の信号配線が直線形状および略直線形状とは異なる形状となるように形成されている。図22に示す領域30AK11Rにおいて、例えばクロック信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CK、チップセレクト信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CSは、複数の折り曲げ部を含むものの、いずれも直線形状または略直線形状となるように形成されている。また、図22に示す領域30AK11Rにおいて、リセット信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10RSは、折り曲げ部を含まない直線形状または略直線形状となるように形成されている。これに対し、図22に示す領域30AK11Rにおいて、アドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10A〜30AK14Aは、複数の折り曲げ部により蛇行形状が形成され、直線形状および略直線形状とは異なる形状となるように形成されている。
蛇行形状が形成される部分では、例えば複数の折り曲げ部を介することにより、信号配線が本来の延設方向に対して直交する方向へと屈曲されていればよい。各折り曲げ部では、信号配線が直角よりも大きい角度(鈍角)をなすように折り曲げられることにより、信号配線の延設方向が変更された配線のパターンが形成されていればよい。この場合に、各折り曲げ部における折り曲げ量は、直角よりも小さい角度となるように、信号配線が折り曲げられる。蛇行形状が形成される部分では、第1延設方向と、この第1延設方向に対して直交または略直交する第2延設方向とに、信号配線を延設可能とし、第1延設方向の信号配線を構成する配線のパターンと、第2延設方向の信号配線を構成する配線のパターンとの間には、複数の折り曲げ部が設けられていればよい。このように、信号配線の折り曲げ量が所定角度よりも小さい角度となる複数の折り曲げ部を介して信号配線の延設方向が変更される。折り曲げ量を小さくすることにより、折り曲げ部における配線のパターン幅が大きく変化してしまうことを抑制し、伝送路の特性インピーダンスが急変することを防止して、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。
各信号配線では、折り曲げ部の位置が他の信号配線における折り曲げ部の位置から所定長より長い距離となるように、複数の折り曲げ部が配置されていればよい。所定長は、例えば2mm〜5mmの範囲に含まれる一定長といった、基板設計上の観点から予め定められた長さであればよい。信号配線の折り曲げ部では、特性インピーダンスの変化などにより、電磁波ノイズが発生しやすくなる。複数の信号配線に含まれる1の信号配線を構成する配線のパターンが形成する折り曲げ部は、複数の信号配線に含まれる他の信号配線を構成する配線のパターンが形成する折り曲げ部と接近して配置されると、各信号配線で伝送される信号が電磁波ノイズの影響を受けやすくなるおそれがある。そこで、複数の信号配線に含まれる1の信号配線を構成する配線のパターンが形成する折り曲げ部と、複数の信号配線に含まれる他の信号配線を構成する配線のパターンが形成する折り曲げ部とが、所定長より長い距離となるように間隔をあけて配置することにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。
また、領域30AK11Rでは、少なくとも1の信号配線が平行および略平行とは異なる形状となるように形成されている。図22に示す領域30AK11Rにおいて、例えばクロック信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CKと、チップセレクト信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CSは、いずれも複数の折り曲げ部を介しながら、全体として互いの信号配線が平行または略平行な形状となるように形成されている。これに対し、図22に示す領域30AK11Rにおいて、アドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10A〜30AK14Aは、複数の折り曲げ部により蛇行形状が形成されているので、全体として互いの信号配線が平行または略平行とは異なる形状となるように形成されている。
図22に示す領域30AK11Rでは、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、平行および略平行な形状とは異なる蛇行形状などの形状となっている。この領域30AK11Rにおいて、信号配線を構成する配線のパターンに近接するスペース領域30AK0SPには、少なくとも信号配線と同一の基板上で導体が設けられていない。スペース領域30AK0SPは、例えばアドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10A〜30AK14Aのうち領域30AK11Rにて蛇行形状が設けられた配線のパターン30AK10A〜30AK13Aに近接している。スペース領域30AK0SPには導体が設けられていないことにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。蛇行形状となる配線のパターンに近接する領域に導体が設けられている場合には、信号配線から電磁波が放射される可能性があり、信号配線と導体との電磁結合などにより、電磁波ノイズが発生するおそれがある。そこで、例えばスペース領域30AK0SPのように、蛇行形状が設けられた配線のパターンに近接する領域には導体が設けられないことで、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。
図23は、多層配線基板として形成された主基板11の構成例を示す断面図である。図23に示す主基板11は、合成樹脂を重ねて形成された多層構造を有し、各層の表面または内層には様々な配線のパターンを形成可能とされている。このような多層構造を有する主基板11に形成された配線のパターンを介して、例えばRAM102とCPU103といった、複数の電子部品が電気的に接続される。図23に示す主基板11の多層構造は、表面層30AK1Sと、グランド層30AK1Lと、電源層30AK2Lと、配線層30AK3Lと、電源層30AK4Lと、裏面層30AK2Sとを含んでいる。
主基板11における一方の基板面となる表面には、表面層30AK1Sが設けられ、信号配線を構成する配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pが形成されている。主基板11における他方の基板面となる裏面には、裏面層30AK2Sが設けられ、信号配線を構成する配線のパターン30AK20Pが形成されている。主基板11の表面層30AK1Sに形成された配線のパターン30AK10Pは、主基板11の表面層30AK1Sおよび裏面層30AK2Sを貫通するスルーホール30AK1Hを介して、裏面層30AK2Sに形成された配線のパターン30AK20Pと電気的に接続されている。主基板11の表面層30AK1Sに形成された配線のパターン30AK11Pは、主基板11の表面層30AK1Sおよび裏面層30AK2Sを貫通するスルーホール30AK2Hを介して、裏面層30AK2Sに形成された配線のパターン30AK20Pと電気的に接続されている。このように、主基板11には、一方の基板面となる表面に設けられた表面層30AK1Sにおいて信号配線を構成する配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pと、他方の基板面となる裏面に設けられた裏面層30AK2Sにおいて信号配線を構成する配線のパターン30AK20Pとを、電気的に接続可能なスルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hが設けられている。
図23に示すRAM102とCPU103を接続する複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長は、表面層30AK1Sに形成された配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pと、裏面層30AK2Sに形成された配線のパターン30AK20Pとが構成する信号配線の配線長だけでなく、スルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hの長さを含めて、同一または略同一となる。図23に示す多層構造を有する主基板11において、スルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hの長さを含めて、各信号配線の配線長を同一または略同一とし、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差が発生することを、防止あるいは抑制できる。主基板11のような多層配線基板において複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させることにより、複数の信号配線で伝送される信号の信頼性を向上させることができる。
図23に示す多層構造を有する主基板11において、表面層30AK1Sに隣接する導体層として、グランド層30AK1Lが設けられている。グランド層30AK1Lには、1または複数のグランド導体が配置され、グランド導体はグランド電圧に維持される。表面層30AK1Sにおいて信号配線を構成する配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pは、少なくともいずれか一方のパターンにおいて、蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状で複数の信号配線が平行および略平行な形状とは異なる形状となる領域を含むように形成されていればよい。このような表面層30AK1Sに隣接する導体層としてのグランド層30AK1Lでは、信号の伝送が行われない。配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pが形成された表面層30AK1Sに隣接する導体層で信号の伝送が行われないので、配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pが構成する複数の信号配線で伝送される信号が電磁波ノイズの影響を受けにくくなり、他の信号配線に電磁波ノイズの影響が及ぶことも、防止あるいは抑制できる。
図23に示す多層構造を有する主基板11の裏面層30AK2Sにおいて信号配線を構成する配線のパターン30AK20Pが、蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状で複数の信号配線が平行および略平行な形状とは異なる形状となる領域を含むように形成されてもよい。このような裏面層30AK2Sに隣接する導体層としての電源層30AK4Lでは、信号の伝送が行われない。電源層30AK4Lには、1または複数の電源導体が配置され、電源導体は電源電圧に維持される。配線のパターン30AK20Pが形成された裏面層30AK2Sに隣接する導体層で信号の伝送が行われないので、配線のパターン30AK20Pが構成する複数の信号配線で伝送される信号が電磁波ノイズの影響を受けにくくなり、他の信号配線に電磁波ノイズの影響が及ぶことも、防止あるいは抑制できる。主基板11のような多層配線基板において複数の信号配線が設けられる層に隣接する導体層では信号の伝送が行われないないことにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。
図23に示す多層構造を有する主基板11の配線層30AK3Lにおいて信号配線を構成する配線のパターンが、蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状で複数の信号配線が平行および略平行な形状とは異なる形状となる領域を含むように形成されてもよい。このような配線層30AK3Lに隣接する導体層としての電源層30AK2Lや電源層30AK4Lでは、信号の伝送が行われない。主基板11のような多層配線基板において複数の信号配線が設けられる配線層30AK3Lに隣接する導体層では信号の伝送が行われないことにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。ただし、多層配線基板に設けられた内層の導体層である配線層30AK3Lにおいて信号配線を構成する配線のパターンが蛇行形状などの形状となる領域を含むように形成された場合には、信号配線の断線などによる障害が発生した場合に、配線層30AK3Lにおける信号配線の状態を基板の外部から確認することが困難になるおそれがある。これに対し、主基板11の表面層30AK1Sや裏面層30AK2Sといった、主基板11が備える一方の基板面や他方の基板面において信号配線を構成する配線のパターンが蛇行形状などの形状となる領域を含むように形成された場合には、信号配線の断線などによる障害が発生した場合に、表面層30AK1Sや裏面層30AK2Sにおける信号配線の状態を基板の外部から確認しやすい適切な基板構成が可能になる。
主基板11の表面層30AK1Sおよび裏面層30AK2Sを貫通するスルーホールは、図23に示すスルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hに限定されず、より多くのスルーホールが設けられ、複数の信号配線における各信号配線の配線長を同一または略同一にするために用いられてもよい。複数の信号配線を構成する配線のパターンのうちには、スルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hのようなスルーホールを介することなく、例えば主基板11の表面層30AK1Sのみに信号配線が配置されるように形成されたパターンが含まれてもよい。配線のパターン30AK10Dが構成するデータ信号を伝送するための信号配線といった、複数の電気部品における接続端子間の距離が他の接続端子間の距離と比べて長くなる信号配線は、スルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hのようなスルーホールを介することなく、主基板11の表面層30AK1Sのみに信号配線が配置されてもよい。逆にいうと、表面層30AK1Sなど1の導体層にてスルーホールを介することなく形成された配線のパターンが構成する信号配線は、表面層30AK1Sおよび裏面層30AK2Sなど複数の導体層にてスルーホールを介して電気的に接続可能となるように形成された配線のパターンが構成する信号配線と比較して、複数の電気部品における接続端子間の距離が長い。
複数の信号配線が隣接して設けられる場合には、図22に示したスペース領域30AK0SPのように、小さな空白領域が形成される。この空白領域にスルーホールを設け、例えばグランド層30AK1Lといった他の導体層と電気的に接続されるように、銅などの導電材料が埋設されたスルーホール電極を有する構成とすることも考えられる。空白領域にスルーホール電極のような導体が設けられる構成では、例えば空白領域における電界分布を安定させるために、多数のスルーホール電極が配置される場合もある。この場合には、主基板11の表面層30AK1Sのみでなく、裏面層30AK2Sにも、例えばバンプといった、スルーホール電極に対応する構造物が配置され、基板上における配線パターンの設計が制約されるという不都合が生じるおそれがある。また、多層配線基板に設けられた内層の導体層であるグランド層30AK1Lや電源層30AK2L、30AK4Lなどでは、スルーホール電極が設けられる場合に、そのスルーホール電極の周囲では導体層のパターンを除去することになり、グランド層30AK1Lや電源層30AK2L、30AK4Lなど内層の導体層におけるパターンが分断され、導体層におけるパターンの設計が困難になるという不都合が生じるおそれがある。さらに、スルーホール電極に代えて、例えばダミーパッドのような導体が空白領域に設けられ、他の導体層とは接続されないような構成では、この導体が外部からの電磁波ノイズによる影響を受けたり、この導体が複数の信号配線に電磁波ノイズの影響を及ぼしたりして、電磁妨害などの悪影響を与える不都合が生じるおそれがある。これに対し、信号配線を構成する配線のパターンに近接するスペース領域30AK0SPには、導体が設けられないことにより、これらの不都合が生じることを、防止あるいは抑制できる。
その他、図22に示したスペース領域30AK0SPのように、複数の信号配線が隣接して設けられる場合に形成される空白領域には、例えば基板固定用のネジ穴といった、基板の構成材料とは異なる材料が用いられる構造物が設けられないようにしてもよい。基板固定用のネジ穴が設けられた場合には、ネジ止めにより基板を固定した場合に、ネジの構成材料が外部からの電磁波ノイズによる影響を受け、他の信号配線にも電磁妨害などの悪影響を与える不都合が生じるおそれがある。また、基板に含まれる絶縁層とは誘電率が異なる合成樹脂や誘電材料を用いた構造物、あるいは基板に含まれる導体層とは電気伝導率が異なる合成樹脂や金属材料を用いた構造物が、複数の信号配線に近接した空白領域に設けられた場合には、これらの構造物が外部からの電磁波ノイズによる影響を受けたり、これらの構造物が複数の信号配線に電磁波ノイズの影響を及ぼしたりして、電磁妨害などの悪影響を与える不都合が生じるおそれがある。これに対し、信号配線を構成する配線のパターンに近接するスペース領域30AK0SPなどの空白領域には、基板の構成材料とは異なる材料を用いた構造物が設けられないことにより、これらの不都合が生じることを、防止あるいは抑制できる。
図18に示す区間30AK0SCでは、データ信号を伝送するための複数の信号配線を形成する配線のパターン30AK10D〜30AK13Dのうち1のパターン30AK13Dが、蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状で他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となる信号配線の部分を含むように形成されている。これに対し、少なくともパターン30AK10Dおよびパターン30AK11Dは、区間30AK0SCにて、蛇行形状を含むことなく、直線形状または略直線形状で互いの信号配線が平行または略平行な形状となるように形成されている。したがって、パターン30AK10Dおよびパターン30AK11Dは、信号配線が区間30AK0SCを最短または略最短で接続するパターンとなる。これに対し、パターン30AK12Dおよびパターン30AK13Dは、信号配線が区間30AK0SCをパターン30AK10Dおよびパターン30AK11Dよりも長い距離で接続するパターンとなる。
区間30AK0SCにて、パターン30AK13Dが構成する信号配線が蛇行形状などの直線形状および略直線形状とは異なる形状となっている部分では、他のパターン30AK10D〜パターン30AK12Dが構成する信号配線は直線形状または略直線形状となるように形成されている。このように、複数の信号配線を構成する配線のパターンのうち1の配線のパターンにより構成される信号配線が蛇行形状などの直線形状および略直線形状とは異なる形状となっている部分では、他の配線のパターンにより構成される信号配線が直線形状または略直線形状となるように形成されてもよい。1の配線のパターンにより構成される信号配線が蛇行形状などの直線形状および略直線形状とは異なる形状となる部分は、他の配線のパターンにより構成される信号配線が直線形状または略直線形状となる部分と重複しないように形成されてもよい。蛇行形状などの直線形状および略直線形状とは異なる形状となる部分が、複数の信号配線について重複しないように配線のパターンが形成されることにより、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
図24は、複数の信号配線が蛇行形状となる部分が重複しない配線のパターンについて、他の形成例を示している。図24に示す領域30AK20Rでも、複数の信号配線を構成する配線のパターンのうち1の配線パターンにより構成される信号配線が蛇行形状となっている部分では、他の配線のパターンにより構成される信号配線が直線形状または略直線形状となるように形成されている。そして、第1配線のパターンにより構成される第1信号配線が蛇行形状となる部分である第1蛇行部が終了すると、第1配線のパターンとは異なる第2配線のパターンにより構成される第2信号配線が蛇行形状となる部分である第2蛇行部が開始されるように、複数の信号配線を構成する配線のパターンが形成されている。第1蛇行部では、第1信号配線以外の信号配線を構成する配線のパターンとして、第2信号配線を構成する第2配線のパターンを含めた配線のパターンは、各パターンにより構成される信号配線が平行または略平行な形状となるように形成されていればよい。第2蛇行部では、第2信号配線以外の信号配線を構成する配線のパターンとして、第1信号配線を構成する第1配線のパターンを含めた配線のパターンは、各パターンにより構成される信号配線が平行または略平行な形状となるように形成されていればよい。第1蛇行部が終了してから第2蛇行部が開始されるので、第1蛇行部は第2蛇行部と重複しないように配置されている。これにより、多数の信号配線について蛇行形状などの直線形状および略直線形状とは異なる形状となる部分を設けた場合でも、配線のパターンを配置する基板面積の増大が可及的に抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
複数の信号配線が蛇行形状となる部分が重複しない配線のパターンは、各信号配線の配線長が同一または略同一となるように形成される。こうした複数の信号配線を構成する配線のパターンのうち第1配線のパターンにより構成される第1信号配線は、第2配線のパターンにより構成される第2信号配線が直線形状または略直線形状となる第2直線部に対応して蛇行形状となる第1蛇行部を含む。また、複数の信号配線を構成する配線パターンのうち第2配線のパターンにより構成される第2信号配線は、第1配線のパターンにより構成される第1信号配線が直線形状または略直線形状となる第1直線部に対応して蛇行形状となる第2蛇行部を含む。このように第1蛇行部や第2蛇行部などが含まれることにより、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
あるいは、第1配線のパターンにより構成される第1信号配線が蛇行形状となる第1蛇行部は、第2配線のパターンにより構成される第2信号配線が蛇行形状となる第2蛇行部と異なる方向に信号配線を蛇行させてもよい。このように信号配線を蛇行させることにより、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
あるいは、複数の信号配線が蛇行形状となる配線のパターンは、信号配線の配線幅が狭い第1配線のパターンと、信号配線の配線幅が広い第2配線のパターンとを含んでいてもよい。このように配線のパターンが形成されることにより、例えば複数の信号配線で伝送される信号の種類などに応じて、適切な伝送路特性を有する信号配線が構成され、複数の信号配線で伝送される信号の信頼性を向上させることができる。
あるいは、複数の信号配線のうち一部または全部の信号配線が、例えば蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状であるとともに、互いに平行または略平行な形状となるように、配線のパターンが形成される平行蛇行部を設けてもよい。平行蛇行部を設けることにより、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
あるいは、複数の信号配線のうち一部または全部の信号配線が、例えば蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状となる非直線部にて、1の信号配線と他の信号配線とに接続された電気部品が実装されるように、配線のパターンが形成されてもよい。このように電気部品を実装することにより、配線のパターンや電気部品などを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
あるいは、複数の信号配線のうち一部または全部の信号配線が、例えば蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状となる非直線部を含む場合に、非直線部とは異なる形状となる部分にて各信号配線が電気部品と接続されるように、配線のパターンが形成されてもよい。このように電気部品と接続されることにより、配線のパターンや電気部品などを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が直線形状および略直線形状とは異なる形状となるように形成された配線のパターン、あるいは少なくとも1の信号配線が他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となるように形成された配線のパターンは、各信号配線の配線長が同一または略同一となるように形成される。こうした複数の信号配線を構成する配線のパターンのうち第1配線のパターンにより構成される第1信号配線は、第2配線のパターンにより構成される第2信号配線が直線形状および略直線形状とは異なる形状となる部分に対応して、あるいは第2信号配線が第1信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となる部分に対応して、直線形状または略直線形状となればよい。そして、第2信号配線が直線形状および略直線形状とは異なる形状となる部分、あるいは第2信号配線が第1信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となる部分には、テストポイントとなる特定導体部を設けてもよい。テストポイントは、信号配線や電気部品による電気的な接続状態を検査するためのプローブを当接可能に構成された特定導体部であればよい。このようにテストポイントを設けることにより、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
あるいは、テストポイントなどの特定導体部は、はんだ、または銅箔といった、金属材料を用いて形成され、信号配線の配線幅よりも大きい形状を有していればよい。このようにテストポイントなどが形成されることにより、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
あるいは、テストポイントなどの特定導体部は、多層配線基板に設けられたスルーホールにより、多層配線基板に含まれる複数の層のうち複数の信号配線およびテストポイントが設けられる層とは異なる導体層と、電気的に接続されてもよい。このようにテストポイントなどが形成されることにより、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
例えば表面側の基板面といった、一方の基板面にて、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が直線形状および略直線形状とは異なる形状に形成された配線のパターン、あるいは少なくとも1の信号配線が他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となるように形成された配線のパターンは、各信号配線の配線長が同一または略同一となるように形成される。こうした複数の信号配線を構成する配線のパターンのうち第1配線のパターンにより構成される第1信号配線は、第2配線のパターンにより構成される第2信号配線が直線形状および略直線形状とは異なる形状となる部分に対応して、あるいは第2信号配線が第1信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となる部分に対応して、直線形状または略直線形状となればよい。そして、例えば裏面側の基板面といった、配線のパターンが形成された一方の基板面とは異なる他方の基板面に、テストポイントとなる特定導体部を設けてもよい。このようにテストポイントを設けることにより、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
(変形および応用に関する説明)
この発明は上記の実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。例えば上記実施の形態で示した特徴のうちで、適切な基板構成を可能にする少なくとも1の特徴を備えたものであればよい。
上記実施の形態では、複数の電気部品を電気的に接続する複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、直線形状および略直線形状とは異なる形状であって、他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状として、蛇行形状、ミアンダ形状、ジグザグ形状、折返し形状と称される形状となる部分を含むものとして説明した。これに対し、直線形状および略直線形状とは異なる形状や、他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状は、湾曲形状あるいは渦巻き形状といった、蛇行形状とは異なり信号配線の配線長を延長可能あるいは調整可能な任意の形状であればよい。複数の電気部品を電気的に接続する複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線について、その配線長を延長可能な形状となる部分を含むことにより、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長を同一または略同一とし、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を防止あるいは抑制できればよい。
複数の信号配線により電気的に接続される複数の電気部品は、主基板11に搭載されたRAM102およびCPU103に限定されず、パチンコ遊技機1などの遊技機が備える任意の電気部品であればよい。例えば複数の電気部品として、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120およびRAM122が、複数の信号配線により電気的に接続され、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、直線形状および略直線形状とは異なる形状であって、他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となるように、配線のパターンが形成されてもよい。この場合に、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1における演出の制御に関して、所定の処理を実行可能に構成された電気部品であり、RAM122は演出制御用CPU120による処理の実行に関する情報を記憶可能に構成された電気部品である。あるいは、上記実施の形態におけるRAM102に代えてROM101といった、CPU103による処理の実行に関する情報を記憶可能な電気部品であってもよい。あるいは、演出制御用CPU120に代えて表示制御部123が備えるグラフィックスプロセッサといった、演出制御用CPU120とは異なる演出に関する処理を実行可能な電気部品であってもよい。さらに、RAM122に代えてROM121といった、演出制御用CPU120による処理の実行に関する情報を記憶可能な電気部品であってもよい。また、RAM122に代えて画像データメモリといった、演出制御用CPU120あるいは表示制御部123のグラフィックスプロセッサによる処理の実行に関する情報を記憶可能な電気部品であってもよい。
演出制御基板12は、上記実施の形態における主基板11と同様に、多層配線基板として構成されてもよい。上記実施の形態における複数の信号配線は、例えば演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120および表示制御部123が備えるグラフィックスプロセッサといった、複数の処理装置が電気的に接続されるように、配線のパターンが形成されたものであってもよい。あるいは、複数の信号配線は、表示制御部123が備えるグラフィックスプロセッサと、映像信号用の入出力ポートといった、複数の電気部品が電気的に接続されるように、配線のパターンが形成されたものであってもよい。このような複数の電気部品が接続される複数の信号配線には、例えばフィルタ回路やバッファ回路といった、複数の電気部品とは異なる任意の電気回路が介在するように、配線のパターンが形成されたものであってもよい。複数の信号配線では、例えば画像表示装置5におけるR(赤)、G(緑)、B(青)の表示色について、それぞれのレベル(RGB値)を示すデジタル映像信号が、パラレル信号方式で伝送されてもよい。あるいは、複数の信号配線では、遊技の制御や演出の制御に関する信号が、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signal)方式といったパラレル信号方式で伝送されてもよい。これらのパラレル信号方式では、複数の信号配線において同期した信号伝送が要求されることがある。そこで、上記実施の形態のように、蛇行形状などの形状となる部分が設けられるように配線のパターンを形成することにより、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となり、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させることができる。
なお、パラレル信号方式で伝送される信号に限定されず、例えば画像表示装置5に供給される映像信号や、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、演出用モータ60および演出用LED61といった演出用の電気部品に供給される制御信号が、シリアル信号方式で伝送される場合に、クロック信号を伝送するための信号配線と、データ信号を伝送するための信号配線とが、上記実施の形態における複数の信号配線に含まれてもよい。さらに、映像信号や制御信号がシリアル信号方式で伝送される場合に、差動信号伝送方式により信号を伝送するための信号配線が、上記実施の形態における複数の信号配線に含まれてもよい。
例えば配線のパターン30AK10Dが構成する信号配線のように、複数の電気部品における接続端子間の距離が他の信号配線よりも長い信号配線についても、直線形状および略直線形状とは異なる形状であり、他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となる部分が含まれるように、配線のパターンが形成されてもよい。複数の電気部品における接続端子間の距離が他の信号配線よりも短い信号配線であっても、基板上における配線パターンの設計によっては、配線長が他の信号配線よりも長くなることがある。このような場合に、複数の信号配線のうち蛇行形状などの形状となる部分が含まれる信号配線と、そのような部分が含まれない信号配線との選択は、基板上における配線パターンの設計に応じて任意に変更されてもよい。
レセプタクルKRE1は、演出制御基板12の基板上にて表面実装されるものに限定されず、例えば主基板11の基板上といった、任意の基板上にて表面実装されるものであればよい。各種の電源電圧は、演出制御基板12に供給されるものに限定されず、例えば主基板11あるいは払出制御基板といった、任意の制御基板に供給されるものであってもよい。各種の電気回路や電気部品も、演出制御基板12に配置されるものに限定されず、例えば主基板11あるいは払出制御基板といった、任意の制御基板に配置されるものであってもよい。
この発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、遊技制御を行うための遊技制御用マイクロコンピュータを含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成や各種の動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、この発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
(課題解決手段および効果に関する説明)
以上説明したように、本願に係るパチンコ遊技機1などの遊技機では、レセプタクルKRE1のような配線接続装置において、信号端子となる端子TA02の両側を挟む位置で、一対の接地端子となる端子TA01、TA03が演出制御基板12の基板上に表面実装されることにより、適切な基板構成が可能になる。
端子TA01、TA03がダミーパッドDP1、DP2に接合され、端子TA01〜TA03の先端部が基板ケース800のカバー部材802に被覆されることにより、適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1には、ダミーパッドDP3、DP4に接合される固定用金具SS01、SS02が側面PL2の側に設けられることにより、適切な基板構成が可能になる。
開口領域836aにおける内周壁面836bとレセプタクルKRE1との間隔は、部品収容部802aに近い側の開口幅W2が遠い側の開口幅W1よりも広く形成されることにより、適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03は、それぞれ開口領域836aにて基板ケース800のカバー部材802により被覆されず露出する露出部と基板ケース800のカバー部材802により被覆されて露出しない被覆部とが形成されることにより、適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03が表面実装された実装位置は開口周縁部840により被覆され、開口周縁部840と演出制御基板12の基板面とが実装位置に近接するスペースSP1を形成することにより、適切な基板構成が可能になる。
あるいは、演出制御基板12では直流34Vの電源電圧VSL2がそのまま電源電圧VSLとして出力され、ドライバ基板19にてフィルタ回路511に入力して電圧を安定化することにより、適切な基板構成が可能になる。
直流34Vの電源電圧VSLを供給する電源ラインLSLにはフィルタ回路が介在しないことにより、適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2において、フィルタ回路131a〜131cのいずれかに接続される端子TA15〜TA24、TA27、TA28の端子数が、フィルタ回路に接続されない端子TA13、TA14の端子数よりも多くなることにより、適切な基板構成が可能になる。
フィルタ回路131a〜131cのいずれかに接続される端子TA15〜TA24、TA27、TA28は複数種類の電源電圧を供給可能であり、演出制御基板12ではフィルタ回路に接続されない端子TA13、TA14は一種類の電源電圧を供給可能であり、端子TA13、TA14は端子TA15〜TA24などよりも外側に配置されていることにより、適切な基板構成が可能になる。
電源電圧端子である端子TA13〜TA24、TA27、TA28は、接地端子である端子TA11、TA12と、接地端子である端子TA29、TA30との間に配置されていることにより、適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2では、第2電源電圧端子に含まれる端子TA13、TA14と、第1電源電圧端子に含まれる端子TA15〜TA24とが、第1接地端子に含まれる端子TA11、TA12と、第2接地端子に含まれる端子TA25、TA26との間に配置され、第1電源電圧端子に含まれる端子TA27、TA28が、第2接地端子に含まれる端子TA25、TA26と、第3接地端子に含まれる端子TA29、TA30との間に配置されることにより、適切な基板構成が可能になる。
あるいは、演出制御基板12において、1の電源電圧VDD2を、特定の電気部品を駆動するための電源電圧VDLと、増幅回路521に供給するための電源電圧VDSとに分岐した後に、フィルタ回路131aを用いて安定化した電源電圧VDSを増幅回路521に供給することにより、適切な基板構成が可能になる。
フィルタ回路131aから増幅回路521までの配線長LL2を、分岐点DB1にて電源電圧VDLが分岐されてからフィルタ回路131aに入力するまでの配線長LL1よりも短くすることにより、適切な基板構成が可能になる。
あるいは、ノイズ防止回路135a、135bでは、ノイズ防止回路135cとは異なる回路素子である抵抗を用いることにより、適切な基板構成が可能になる。
ノイズ防止回路135a、135bはモータやLEDなど特定の電気部品を駆動するための電源電圧に対応して設けられ、ノイズ防止回路135cはCPUやROMなど特定の電気回路を駆動するための電源電圧に対応して設けられることにより、適切な基板構成が可能になる。
あるいは、降圧コンバータ回路132では、フィルタ回路131cにより安定化した電源電圧VDD3が入力されて、直流1.05Vの電源電圧と、直流3.3Vの電源電圧とを出力し、レギュレータ回路133では、直流3.3Vの電源電圧が入力されて、直流1.5Vの電源電圧を出力することにより、適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132に供給される電圧と同一または略同一の電源電圧VDCは、電源監視回路140に供給されることにより、適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132から出力された直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、特定のマイクロプロセッサに供給されることにより、適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132から出力された直流3.3Vの電源電圧は、例えばROM121に供給され、レギュレータ回路133から出力される直流1.5Vの電源電圧により駆動するRAM122などの電気部品よりも先に起動可能となることにより、適切な基板構成が可能である。
レギュレータ回路133から出力された直流1.5Vの電源電圧は、例えばRAM122といった、演出制御基板12とは異なる基板として構成されたものに供給されることにより、適切な基板構成が可能になる。
(特徴部30AKの課題解決手段および効果に関する説明)
例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図17に示すように、複数の信号配線を構成するパターンが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、パターンは、例えば領域30AK10Rなど、複数の信号配線が平行または略平行な第1形状となる平行配線部と、例えば領域30AK11Rなど、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、他の信号配線と平行ではない第2形状となる特定配線部とを含み、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となる。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
例えば配線のパターン30AK10Dが構成する信号配線など、第2形状を含まない信号配線は、複数の電気部品における接続端子間の距離が、例えば配線のパターン30AK11D〜30AK13Dが構成する信号配線など、第2形状を含む信号配線よりも長くてもよい。これにより、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板を小型化するために適切な基板構成が可能になる。
例えばスペース領域30AK0SPなど、第2形状となる信号配線に近接する所定領域には、導体が設けられていなくてもよい。これにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害が防止あるいは抑制される適切な基板構成が可能になる。
基板には、例えばスルーホール30AK1H、30AK2Hなど、基板の一面に設けられた信号配線と基板の他面に設けられた信号配線とを電気的に接続可能なスルーホールが設けられ、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長は、スルーホールにより接続された信号配線について、スルーホールの長さを含めて同一または略同一となってもよい。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
基板は、例えば表面層30AK1S、グランド層30AK1L、電源層30AK2L、配線層30AK3L、電源層30AK4L、裏面層30AK2Sなど、複数の層を含み、複数の層のうち第2形状となる信号配線が設けられる層に隣接するグランド層30AK1Lなどの導体層では、信号の伝送が行われなくてもよい。これにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害が防止あるいは抑制される適切な基板構成が可能になる。
複数の電気部品として、例えばCPU103など、所定の処理を実行可能な処理手段と、例えばRAM102など、処理の実行に関する情報を記憶可能な記憶手段とが接続されてもよい。これにより、複数の電気部品として処理手段や記憶手段に接続された複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
あるいは、例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図17に示すように、複数の信号配線を構成するパターンが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、パターンは、例えば領域30AK10Rなど、複数の信号配線が平行または略平行な第1形状となる平行配線部と、例えば領域30AK11Rなど、複数の信号配線が第1形状とは異なる第2形状となる特定配線部とを含み、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となってもよい。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
あるいは、例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図17に示すように、複数の信号配線を構成するパターンが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、パターンは、例えば配線のパターン30AK10Dなど、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、直線形状または略直線形状を含む第1形状となる第1パターンと、例えば配線のパターン30AK11D〜30AK13Dなど、複数の信号配線のうち第1パターンに含まれない他の信号配線が、第1形状とは異なる第2形状となる第2パターンとを含み、第1パターンおよび第2パターンは、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となってもよい。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
あるいは、例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図17に示すように、複数の信号配線を構成するパターンが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、パターンは、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、区間30AK0SCなどの所定区間を最短または略最短の距離で接続する配線のパターン30AK10D、30AK11Dなどの第1パターンと、複数の信号配線のうち第1パターンに含まれない他の信号配線が、所定区間を第1パターンよりも長い距離で接続する配線のパターン30AK12D、30AK13Dなどの第2パターンとを含み、第1パターンおよび第2パターンは、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となってもよい。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
第1パターンは、複数の電気部品における接続端子間の距離が、第2パターンよりも長くてもよい。これにより、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板を小型化するために適切な基板構成が可能になる。
例えばスペース領域30AK0SPなど、第2パターンに近接する所定領域には、導体が設けられていなくてもよい。これにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害が防止あるいは抑制される適切な基板構成が可能になる。
基板は、例えば表面層30AK1S、グランド層30AK1L、電源層30AK2L、配線層30AK3L、電源層30AK4L、裏面層30AK2Sなど、複数の層を含み、複数の層のうち第2パターンに含まれる信号配線が設けられる層に隣接するグランド層30AK1Lなどの導体層では、信号の伝送が行われなくてもよい。これにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害が防止あるいは抑制される適切な基板構成が可能になる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、複数の信号配線を構成するパターンが形成され(例えば図17を参照)、前記複数の信号配線により複数の電気部品(例えばRAM102とCPU103など)が接続された基板(例えば主基板11など)を備え、前記パターンは、前記複数の信号配線が平行または略平行な第1形状となる平行配線部(例えば領域30AK10Rなど)と、前記複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、他の信号配線と平行ではない第2形状となる特定配線部(例えば領域30AK11Rなど)とを含み、前記複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となり、さらに、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えば、プッシュセンサ9035B、コントローラセンサユニット9035A等)と、遊技者の動作を促す促進表示を実行可能な促進表示実行手段(例えば、ボタン画像90201やコントローラ画像90203を表示可能な画像表示装置905等)と、前記検出手段の検出結果に基づいて特定演出(例えば、キャラクタ役物演出等)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御基板9012等)と、を備え、前記特定演出実行手段は、少なくとも第1特定演出(例えば、第1キャラクタ役物動作演出等)と該第1特定演出とは異なる第2特定演出(例えば、第2キャラクタ役物動作演出等)とを実行可能であり、前記促進表示実行手段は、促進表示として、前記第1特定演出が実行されることを示唆する第1促進表示(例えば、図36(C−2)に示すように、画像表示装置905にボタン画像90201及び第1キャラクタ画像90211が表示される演出等)と、前記第2特定演出が実行されることを示唆する第2促進表示(例えば、図38(C−3)に示すように、画像表示装置905にボタン画像90201及び第2キャラクタ画像90212が表示される演出等)とを実行可能である遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、適切な基板構成が可能になる。また、促進表示において特定の演出が行われることが示唆されるため、遊技演出の興趣向上を図ることができる。
なお、複数の信号配線を構成するパターンが、複数の信号配線が平行または略平行な第1形状となる平行配線部と、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、他の信号配線と平行ではない第2形状となる特定配線部とを含み、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となるように構成される基板は、遊技機に搭載される複数の基板(例えば、主基板11、9011、演出制御基板12、9012、音声制御基板13、9013、ランプ制御基板14、9014)のうちの一部の基板(例えば、主基板11、9011のみ)としてもよいし、遊技機に搭載される複数の基板のすべての基板としてもよい。
さらに、適切な基板構成が可能になり、また、遊技演出の興趣向上を図ることができる遊技機の形態の一例として、遊技を行うことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901等)であって、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えば、プッシュセンサ9035B、コントローラセンサユニット9035A等)と、遊技者の動作を促す促進表示を実行可能な促進表示実行手段(例えば、ボタン画像90201やコントローラ画像90203を表示可能な画像表示装置905等)と、前記検出手段の検出結果に基づいて特定演出(例えば、キャラクタ役物演出等)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御基板9012等)と、を備え、前記特定演出実行手段は、少なくとも第1特定演出(例えば、第1キャラクタ役物動作演出等)と該第1特定演出とは異なる第2特定演出(例えば、第2キャラクタ役物動作演出等)とを実行可能であり、前記促進表示実行手段は、促進表示として、前記第1特定演出が実行されることを示唆する第1促進表示(例えば、図36(C−2)に示すように、画像表示装置905にボタン画像90201及び第1キャラクタ画像90211が表示される演出等)と、前記第2特定演出が実行されることを示唆する第2促進表示(例えば、図38(C−3)に示すように、画像表示装置905にボタン画像90201及び第2キャラクタ画像90212が表示される演出等)とを実行可能である遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図25は、この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置には、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置905の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
画像表示装置905の画面上には、始動入賞記憶表示エリア905Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア905Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア905Hと共に、あるいは始動入賞記憶表示エリア905Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図25に示す例では、始動入賞記憶表示エリア905Hと共に、第1特別図柄表示装置904A及び第2特別図柄表示装置904Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値に対応した個数のLEDを含んで構成されている。
図25に示すように、画像表示装置905の表示領域における上端の近傍には、第1キャラクタ役物9061が配置されている。第1キャラクタ役物9061は、図26に示す第1キャラクタ役物用モータ9071の駆動により、画像表示装置905の上端から画像表示装置905の表示領域の内側に向けて下方に動作可能とされるとともに、動作した位置において回転(自転)可能とされている。以下、画像表示装置905の表示領域における上端の近傍の第1キャラクタ役物9061が配置される位置を第1キャラクタ役物第1位置P9011という。また、画像表示装置905の表示領域の内側における第1キャラクタ役物9061が配置される位置を第1キャラクタ役物第2位置P9012という。画像表示装置905の表示領域における左端の近傍には、第2キャラクタ役物9062が配置されている。第2キャラクタ役物9062は、図26に示す第2キャラクタ役物用モータ9072の駆動により、画像表示装置905の左端から画像表示装置905の表示領域の内側に向けて右やや上方に動作可能とされるとともに、動作した位置において回転(自転)可能とされている。以下、画像表示装置905の表示領域における左端の近傍の第2キャラクタ役物9062が配置される位置を第2キャラクタ役物第1位置P9021という。また、画像表示装置905の表示領域の内側における第2キャラクタ役物9062が配置される位置を第2キャラクタ役物第2位置P9022という。画像表示装置905の表示領域における右端の近傍には、第3キャラクタ役物9063が配置されている。第3キャラクタ役物9063は、図26に示す第3キャラクタ役物用モータ9073の駆動により、画像表示装置905の左端から画像表示装置905の表示領域の内側に向けて左やや上方に動作可能とされるとともに、動作した位置において回転(自転)可能とされている。以下、画像表示装置905の表示領域における右端の近傍の第3キャラクタ役物9063が配置される位置を第3キャラクタ役物第1位置P9031という。また、画像表示装置905の表示領域の内側における第3キャラクタ役物9063が配置される位置を第3キャラクタ役物第2位置P9032という。
なお、以下の説明において、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063をまとめて「キャラクタ役物」ということがある。また、第1キャラクタ役物第1位置P9011〜第3キャラクタ役物第1位置P9031をまとめて「キャラクタ役物第1位置」ということがあり、第1キャラクタ役物第2位置P9012〜第3キャラクタ役物第2位置P9032をまとめて「キャラクタ役物第2位置」ということがある。
画像表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図26に示す普通電動役物用のソレノイド9081によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しない閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入する開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置906Bは、閉鎖状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。このように、遊技領域には、遊技球が進入可能な開放状態と、遊技球が進入不可能な又は進入困難な閉鎖状態とに変化する普通可変入賞球装置906Bが設けられている。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図26に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図26に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機901は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図26に示す大入賞口扉用となるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過した遊技球は、例えば図26に示すカウントスイッチ9023によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置907において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907において大入賞口が閉鎖状態又は一部閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して奥・手前・左・右方向に傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ9031Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ9031Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するコントローラセンサユニット9035A(図26参照)が設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニット9035Aは、パチンコ遊技機901と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤902の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤902の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン9031Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン9031Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ9035B(図26参照)が設けられていればよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図26に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100やスイッチ回路90110、ソレノイド回路90111等が搭載されている。スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド9081や大入賞口扉用のソレノイド9082に伝送する。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置905、スピーカ908L、908R、及び遊技効果ランプ909や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板9012は、画像表示装置905における表示動作や、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ909や装飾用LED等における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ908L、908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ909や装飾用LED等における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図26に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ9022A、9022B、カウントスイッチ9023といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板9011には、第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置905における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ909や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODEを示し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O90105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU90103の他にRAM90102が内蔵されていればよく、ROM90101や乱数回路90104、I/O90105等は外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、例えば乱数回路90104等により、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路90104等のハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100のCPU90103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM90102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU90103が定期的又は不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行等を制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、画像表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU90120がROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU90120がRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU90120がRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板9012には、画像表示装置905に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板9013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板9014に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。また、演出制御基板9012には、スティックコントローラ9031Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット9035Aから伝送するための配線や、プッシュボタン9031Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ9035Bから伝送するための配線も接続されている。更に、演出制御基板9012には、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063をそれぞれ動作及び回転させる第1キャラクタ役物用モータ9071〜第3キャラクタ役物用モータ9073を駆動するためのモータ駆動回路9016に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板9012では、例えば乱数回路90124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図26に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板9012に搭載された表示制御部90123は、演出制御用CPU90120からの表示制御指令等に基づき、画像表示装置905における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部90123は、画像表示装置905の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定すること等により、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部90123には、VDP、CGROM、VRAM、LCD駆動回路等が搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU、GCL、あるいは、より一般的にDSPと称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリ等の書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011等から伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板9012の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O90125の出力ポートからは、画像表示装置905へと伝送される映像信号や、音声制御基板9013へと伝送される指令、ランプ制御基板9014へと伝送される指令等が出力される。
パチンコ遊技機901においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機901における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータ等により、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過すると、図26に示す第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたこと等により第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過すると、図26に示す第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたこと等により第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。但し、普通可変入賞球装置906Bが第2状態としての閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能である。
通過ゲート9041を通過した遊技球が図26に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器9020にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置906Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御が行われる。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定等が行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図26に示す主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から演出制御基板9012に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置905の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置905において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「ハズレ」となる。
一例として、「3」や「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。また、数字や記号として特定の意味を有する点灯パターンの特別図柄を大当り図柄やハズレ図柄とするものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおける任意の点灯パターンの特別図柄を、大当り図柄やハズレ図柄としてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置907が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間、あるいは所定個数の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難又は発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ9023により入賞球が検出され、その検出毎に所定個数の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数に達するまで繰り返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」又は「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」又は「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態とする上限時間が比較的に長い時間となる通常開放ラウンドが実行される。なお、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置907を第1状態とする上限時間が比較的に短い時間となる短期開放ラウンドが実行される大当り種別を設けてもよい。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過し易い有利変化態様で、普通可変入賞球装置906Bを第1状態と第2状態とに変化させる。例えば、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1状態と第2状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1状態と第2状態とに変化させる制御は、高開放制御と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
パチンコ遊技機901において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機901で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置905の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示態様、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける一部では予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリアでは飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置905の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の可変表示態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の可変表示態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置905における表示動作のみならず、スピーカ908L、908Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ909等の発光体における点灯動作等を、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるか否かに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。ノーマルでは、いわゆるノーマルリーチ(ノーマルリーチ演出)が実行され、スーパーA、スーパーBでは、ノーマルリーチが実行された後にスーパーリーチ(スーパーリーチ演出)が実行される。このときのノーマルリーチからスーパーリーチへの移行をスーパーリーチへの発展などともいう。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチを含むリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。また、スーパーリーチを含むリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ909や装飾用LEDの点灯動作等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等といった、パチンコ遊技機901において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間に変化が生じないものであればよい。
この実施の形態では、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063が駆動するキャラクタ役物演出が実行可能に設定されている。キャラクタ役物演出は、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063の一部又は全部が駆動する演出である。キャラクタ役物演出は、スーパーBのスーパーリーチ演出において実行される可能性がある。スーパーBのリーチ演出では、ノーマルリーチ演出が実行された後にスーパーリーチ演出が実行される。キャラクタ役物演出は、ノーマルリーチの終了後、スーパーリーチ演出が実行される直前(以下、スーパーリーチ発展時という)及び可変表示結果となる確定飾り図柄が導出される直前(以下、大当り結果報知時という)の一方又は両方で実行されることがある。キャラクタ役物演出が実行された場合には、同じタイミングでキャラクタ役物演出が実行されない場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
キャラクタ役物演出には、キャラクタ役物動作演出としての第1キャラクタ役物動作演出〜第3キャラクタ役物動作演出、及びキャラクタ役物回転演出としての第1キャラクタ役物回転演出〜第3キャラクタ役物回転演出がある。キャラクタ役物動作演出には、キャラクタ役物がキャラクタ役物第1位置からキャラクタ役物第2位置まで動作する演出またはキャラクタ役物がキャラクタ役物第2位置からキャラクタ役物第1位置まで動作する演出がある。
具体的に、第1キャラクタ役物動作演出としては、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第1位置P9011から第1キャラクタ役物第2位置P9012まで動作する演出及び第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第2位置P9012から第1キャラクタ役物第1位置P9011まで動作する演出がある。第2キャラクタ役物動作演出としては、第2キャラクタ役物9062が第2キャラクタ役物第1位置P9021から第2キャラクタ役物第2位置P9022まで動作する演出及び第2キャラクタ役物9062が第2キャラクタ役物第2位置P9022から第2キャラクタ役物第1位置P9021まで動作する演出がある。第3キャラクタ役物動作演出としては、第3キャラクタ役物9063が第3キャラクタ役物第1位置P9031から第3キャラクタ役物第2位置P9032まで動作する演出及び第3キャラクタ役物9063が第3キャラクタ役物第2位置P9032から第3キャラクタ役物第1位置P9031まで動作する演出がある。
キャラクタ役物回転演出には、キャラクタ役物がキャラクタ役物第2位置で回転(自転)する演出がある。具体的に、第1キャラクタ役物回転演出としては、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第2位置P9012において回転する演出がある。第2キャラクタ役物回転演出としては、第2キャラクタ役物9062が第2キャラクタ役物第2位置P9022において回転する演出がある。第3キャラクタ役物回転演出として、第3キャラクタ役物9063が第3キャラクタ役物第2位置P9032において回転する演出がある。
この実施形態では、スーパーリーチ発展時に第1キャラクタ役物動作演出〜第3キャラクタ役物動作演出が実行されることがある。また、大当り結果報知時に第1キャラクタ役物動作演出〜第3キャラクタ役物動作演出及び第1キャラクタ役物回転演出〜第3キャラクタ役物回転演出が実行されることがある。
キャラクタ役物演出が実行される前には、ボタン画像やコントローラ画像が表示されることがある。ボタン画像は表示演出では、プッシュボタン9031Bを模したボタン画像やスティックコントローラ9031Aを模したコントローラ画像が有効期間バーとともに画像表示装置905に表示される。ボタン画像やコントローラ画像を促進表示として表示することにより、プッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作を遊技者に対して促進する。
有効期間バーは、プッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9041Aの操作が有効となる操作有効期間を示しており、時間の経過とともに短くなる。操作有効期間内にプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aが操作されることにより、演出制御基板9012がこれらの操作を受け付ける。また、演出制御基板9012は、操作有効期間以外の期間では、その他にプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作を受け付ける期間を除いて操作がプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作を受け付けない。キャラクタ役物演出及びボタン画像表示については後にさらに説明する。
この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出として、上記のキャラクタ役物演出のほか、種々の予告演出、例えば、ステップアップ予告演出、擬似連予告演出、群予告演出、背景予告演出、煽り予告演出等が実行される。ステップアップ予告演出の演出態様は、複数段階のステップが用意された演出態様であり、用意されたステップが所定の段階まで進む演出態様である。ステップアップ予告演出では、例えば、ステップが進むにつれて可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。擬似連予告演出の演出態様は、1回の可変表示において、可変表示が複数回連続して行われているように見せかける演出態様である。群予告演出の演出態様は、特定のキャラクタなどが群となって画像表示装置905を横切ったり飛び出したりして表示される演出態様である。群予告演出で群となって表示される特定のキャラクタなどは、1種類でもよいし複数種類でもよい。背景予告演出の演出態様は、画像表示装置905に表示される背景が変化する演出態様である。煽り予告演出の演出態様は、飾り図柄などを煽る演出態様である。予告演出では、これらの演出態様が組み合わされて実行されてもよい。
これらの予告演出は、画像表示装置905の画面上にて画像表示を行うことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。画像表示とは異なる予告演出の一例として、装飾用LEDの表示色が変化する演出であってもよいし、特殊な効果音となる音声をスピーカ908L、908Rから出力する演出であってもよい。こうした予告演出の一部又は全部に加えて、あるいは、これらの一部又は全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部又は全部を組み合わせた予告演出を実行するように制御されてもよい。また、1種類の演出態様のみで予告演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた予告演出が実行される期間を含んでいる場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性といった、所定の遊技価値が付与される可能性が高まるようにしてもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置905の表示領域において、予め定められた大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」又は「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、この実施例におけるパチンコ遊技機901の動作を説明する。
主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM90102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機901における遊技の進行等を制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板9011の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板9011の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と、大当り種別決定用の乱数値MR2´と、変動パターン決定用の乱数値MR3´と、普図表示結果決定用の乱数値MR4´とがあればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1´は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2´は、可変表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を、例えば「非確変」や「確変」といった複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3´は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4´は、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするか等の決定を行うために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込み処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置907における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器9020における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板9011から演出制御基板9012等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM90102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ9022Aがオンであれば、普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ9022Bがオンであれば、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM90102の所定領域に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM90102の所定領域に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM90102の所定領域に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM90102の所定領域に保留データとして記憶させる。
図27に示すステップS90101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、RAM90102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S90117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1´を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS90111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS90112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM90102の所定領域に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うと共に、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS90114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。この処理では、例えば大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。なお、大当り種別に「突確」を設けた場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS90115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS90116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理等が含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS90117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理等が含まれている。例えば、大当り種別が「確変」であるか「非確変」であるかに応じて、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われる。その後、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図28は、特別図柄通常処理として、図27のステップS90110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す特別図柄通常処理において、CPU90103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS90231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU90103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS90231;NO)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM90102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS90232)。これにより、図27に示すステップS90101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS90232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS90233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS90233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM90102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS90234)。
ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS90231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS90235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU90103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS90235の処理は、ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。即ち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかを示す始動口データを、保留データと共に、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM90102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS90235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS90235;NO)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM90102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS90236)。これにより、図27に示すステップS90101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS90236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS90237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS90237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS90238)。
ステップS90234、S90238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS90239)。一例として、ステップS90239の処理では、予めROM90101の所定領域に記憶する等して用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と比較される数値が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU90103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1´を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図29(A)は、ステップS90239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1´を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図29(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU90103は、RAM90102の所定領域に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図29(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図27に示すステップS90117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたこと等に基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になり易く、大当り遊技状態になり易い。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、確変制御の有無に応じた所定割合で特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割り当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームの場合とでは、所定の特図表示結果に対する決定値の割り当てを異ならせてもよい。
その後、CPU90103は、ステップS90239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS90240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS90240;YES)、RAM90102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS90241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS90242)。一例として、ステップS90242の処理では、予めROM90101の所定領域に記憶する等して用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2´と比較される数値が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU90103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2´を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図29(B)は、ステップS90242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、所定割合で大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれかに決定される。なお、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、決定可能な大当り種別を異ならせてもよいし、大当り種別の決定割合を異ならせてもよい。一例として、変動特図が第1特図である場合には所定割合で大当り種別が「突確」に決定可能とする一方、変動特図が第2特図である場合には大当り種別が「突確」には決定されないように設定してもよい。
ステップS90242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS90243)。CPU90103は、RAM90102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS90240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS90240;NO)、ステップS90243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS90244)。一例として、ステップS90240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する。一方、ステップS90240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS90242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。より具体的には、大当り種別が「非確変」の場合には「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。大当り種別が「確変」の場合には「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS90244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS90245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS90245の処理にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図27に示すステップS90111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS90235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS90235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS90246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置905において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図30(A)は、変動パターン設定処理として、図27のステップS90111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU90103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS90261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS90261;YES)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS90262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS90261;NO)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS90263)。
図30(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図30(A)に示すステップS90262の処理では、例えば予めROM90101の所定領域に記憶する等して用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3´と比較される数値が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU90103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3´を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図30(A)に示すステップS90263の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意した複数のハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。複数のハズレ変動パターン決定テーブルでは、通常時であるか時短中であるかや、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3´と比較される数値が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU90103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3´を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられていればよい。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定され難いように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止を低減することができる。
図31(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA3´−1といった、ノーマルリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3´−2、PA3´−3といったノーマルリーチ演出後にスーパーリーチ演出が実行されるリーチ演出の変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。
図31(B)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA2´−1といった、ノーマルリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2´−2、PA2´−3といったノーマルリーチ演出後にスーパーリーチ演出が実行されるリーチ演出の変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。
また、大当り時には、スーパーリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められる。
図31(A)に示す決定例において、変動パターンPA3´−3といった、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3´−2といった、スーパーAのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。一方、図31(B)に示す決定例において、変動パターンPA2´−3といった、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2´−2といった、スーパーAのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、スーパーBのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
図30(B)に示すように、変動パターンPA2´−1〜PA2´−3と、変動パターンPA3´−1〜PA3´−3とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。図31(A)及び(B)に示す決定割合の設定により、ノーマルリーチ演出の後にスーパーリーチ演出が実行されたときには、ノーマルリーチ演出が実行され、ノーマルリーチ演出の後にスーパーリーチ演出が実行されないときよりも大当り期待度が高められる。また、スーパーBのリーチ演出が実行されたときには、スーパーAのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。
ステップS90262、S90263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS90264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図30(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU90103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS90264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS90265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS90265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS90266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU90103は、主基板9011から演出制御基板9012に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM90101における記憶アドレスを指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU90103は、主基板9011から演出制御基板9012に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM90101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS90266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS90267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS90267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図27に示すステップS90112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板9012における動作を説明する。
演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理において、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM90122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ909及び装飾用LED等の発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM90122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図32は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU90120は、RAM90122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS90170〜S90176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置905の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置905の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理には、RAM90122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板9011からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板9012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御等を行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板9011から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果等に基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、特図表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS90174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板9011から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したこと等に基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS90175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の画面上に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板9011から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したこと等に対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS90176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の画面上に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図33(A)は、図32のステップS90171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図33(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄等を決定する(ステップS90401)。このとき、演出制御用CPU90120は、主基板9011から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、変動開始時決定内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組み合わせに応じた変動開始時決定内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
図33(B)は、ステップS90401の処理における最終停止図柄となる飾り図柄の決定例を示している。この例では、変動開始時決定内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて異なる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU90120は、乱数回路90124、又はRAM90122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア905Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路90124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア905Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定等により、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路90124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
変動開始時決定内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて同一の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU90120は、乱数回路90124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路90124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組み合わせとなってしまう場合には、任意の値を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算すること等により、確定飾り図柄が大当り組み合わせとはならずにリーチ組み合わせとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて同一の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU90120は、乱数回路90124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照すること等により、画像表示装置905の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否か等に応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS90401の処理では、変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」又は「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄から成る非確変大当り組み合わせの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難又は認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示させて同一の確変図柄から成る確変大当り組み合わせの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組み合わせの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。また、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることを報知できればよい。ステップS90401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組み合わせ等を決定すればよい。
ステップS90401における最終停止図柄等の決定に続いて、演出制御用CPU90120は、キャラクタ役物演出決定処理を行う(ステップS90402)。図34は、キャラクタ役物演出決定処理として、図33(A)のステップS90402にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図34に示すキャラクタ役物演出決定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定処理を行う(ステップS90501)。スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定処理では、一例として、演出制御用CPU90120は、スーパーリーチ発展時のキャラクタ役物演出を決定するための使用テーブルとして、予めROM90121の所定領域に記憶する等して用意された図35(A)に示すスーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定テーブルを選択してセットする。スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定テーブルでは、例えば、スーパーリーチ発展時にキャラクタ役物演出が実行されるか否か、あるいはキャラクタ役物演出が実行される場合に、動作するキャラクタが第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063のいずれであるかを決定する。キャラクタ役物演出の実行の有無及び実行される際のキャラクタの選択は、変動パターンが、スーパーBであるときのスーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA3´−3であるか、スーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA2´−3であるかに応じて、キャラクタ役物演出決定用の乱数値と比較される数値が、「実行なし」「第3キャラクタ」「第2キャラクタ」「第1キャラクタ」のいずれかの決定結果に、割り当てられていればよい。なお、「実行なし」は、キャラクタ役物演出が実行されないパターンを示し、「第3キャラクタ」は、キャラクタ役物演出として第3キャラクタ役物9063が動作する第3キャラクタ役物動作演出が実行されるパターンを示し、「第2キャラクタ」は、キャラクタ役物演出として第2キャラクタ役物9062が動作する第2キャラクタ役物動作演出が実行されるパターンを示し、「第1キャラクタ」は、キャラクタ役物演出として第1キャラクタ役物9061が動作する第1キャラクタ役物動作演出が実行されるパターンを示している。
演出制御用CPU90120は、例えば乱数回路90124やRAM90122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等から抽出したキャラクタ役物演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定テーブルを参照することにより、スーパーリーチ発展時に「実行なし」であるか、あるいはキャラクタ役物演出が実行される場合に、「第3キャラクタ」「第2キャラクタ」「第1キャラクタ」であるかを決定すればよい。
図35(A)は、スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定テーブルの構成例を示している。このスーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定テーブルでは、変動パターンが、スーパーBであるときのスーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA3´−3である場合には、「実行なし」「第3キャラクタ」「第2キャラクタ」「第1キャラクタ」のうち「実行なし」の方が「第3キャラクタ」よりも選択される割合が低く、「第3キャラクタ」の方が「第2キャラクタ」よりも選択される割合が低く、「第2キャラクタ」の方が「第1キャラクタ」よりも選択される割合が低くなっている(選択割合:「実行なし」<「第3キャラクタ」<「第2キャラクタ」<「第1キャラクタ」)。
また、変動パターンが、スーパーBであるときのスーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA2´−3である場合には、「第1キャラクタ」の方が「第2キャラクタ」よりも選択される割合が低く、「第2キャラクタ」の方が「第3キャラクタ」よりも選択される割合が低く、「第3キャラクタ」の方が「実行なし」よりも選択される割合が低くなっている(選択割合:「第1キャラクタ」<「第2キャラクタ」<「第3キャラクタ」<「実行なし」)。このため、大当り期待度は、「実行なし」よりも「第3キャラクタ」の方が高く、「第3キャラクタ」よりも「第2キャラクタ」の方が高く、「第2キャラクタ」よりも「第1キャラクタ」の方が高くなっている(大当り期待度:「実行なし」<「第3キャラクタ」<「第2キャラクタ」<「第1キャラクタ」)。
ステップS90501の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定処理を行う(ステップS90502)。スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定処理では、一例として、演出制御用CPU90120は、スーパーリーチ発展時のボタン画像表示を決定するための使用テーブルとして、予めROM90121の所定領域に記憶する等して用意された図35(B)に示すスーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定テーブルを選択してセットする。スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定テーブルでは、例えば、スーパーリーチ発展時にボタン画像が表示されるか否か、あるいはボタン画像が表示される場合に、ボタン画像とともにキャラクタ画像が表示されるか否かを決定する。ボタン画像の表示及びキャラクタ画像の表示の選択は、変動パターンが、スーパーBであるときのスーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA3´−3であるか、スーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA2´−3であるかに応じて、スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定用の乱数値と比較される数値が、「実行なし」「キャラクタなし」「キャラクタあり」のいずれかの決定結果に、割り当てられていればよい。なお、「実行なし」は、ボタン画像が表示されないパターンを示し、「キャラクタなし」は、ボタン画像は表示されるがキャラクタ画像は表示されないパターンを示し、「キャラクタあり」は、ボタン画像及びキャラクタ画像が表示されるパターンを示している。
演出制御用CPU90120は、例えば乱数回路90124やRAM90122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等から抽出したスーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定テーブルを参照することにより、スーパーリーチ発展時に「実行なし」であるか、あるいはボタン画像が表示される場合に、「キャラクタなし」であるか「キャラクタあり」であるかを決定すればよい。
図35(B)は、スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定テーブルの構成例を示している。このスーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定テーブルでは、変動パターンが、スーパーBであるときのスーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA3´−3である場合、「実行なし」「キャラクタなし」「キャラクタあり」のうち、「実行なし」の方が「キャラクタなし」よりも選択される割合が低く、「キャラクタなし」の方が「キャラクタあり」よりも選択される割合が低くなっている(選択割合:「実行なし」<「キャラクタなし」<「キャラクタあり」)。
また、変動パターンが、スーパーBであるときのスーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA2´−3である場合、「キャラクタあり」の方が「キャラクタなし」よりも選択される割合が低く、「キャラクタなし」の方が「実行なし」よりも選択される割合が低くなっている(選択割合:「キャラクタあり」<「キャラクタなし」<「実行なし」)。このため、大当り期待度は、「実行なし」よりも「キャラクタなし」の方が高く、「キャラクタなし」よりも「キャラクタあり」の方が高くなっている(大当り期待度:「実行なし」<「キャラクタなし」<「キャラクタあり」)。
演出制御用CPU90120は、ボタン画像表示として「キャラクタあり」を決定した場合には、ステップS90501において、キャラクタ役物演出の種類で決定したキャラクタの画像を画像表示装置905に表示する。例えば、ステップS90501において、キャラクタ役物演出の種類として「第3キャラクタ」を決定した場合には、図38(C−2)に示すように、ボタン画像90201とともに第3キャラクタ画像90213を画像表示装置905に表示する。
なお、ステップS90501において、キャラクタ役物演出が実行される場合(キャラクタ役物演出として「第3キャラクタ」から「第1キャラクタ」のいずれかが決定される場合)であるか否かによって、ボタン画像表示の決定割合を異ならせるようにしてもよい。例えば、キャラクタ役物演出が実行される場合(キャラクタ役物演出として「第3キャラクタ」から「第1キャラクタ」のいずれかが決定される場合)には、キャラクタ役物演出が実行されない場合(キャラクタ役物演出として「実行なし」が決定される場合)よりもボタン画像が表示される(ボタン画像表示として「キャラクタなし」「キャラクタあり」のいずれかが決定される)割合が高くなるようにしてもよい。
また、ボタン画像表示として「キャラクタあり」が決定された場合には、キャラクタ役物演出の実行が確定するようにしてもよい。言い換えると、キャラクタ役物演出として「実行なし」が決定されたときには、ボタン画像表示として「キャラクタあり」が決定されない(決定割合が0である)ようにしてもよい。
ステップS90502の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、大当り結果報知時画像表示決定処理を行う(ステップS90503)。大当り結果報知時画像表示決定処理では、一例として、演出制御用CPU90120は、大当り結果報知時に表示される画像を決定するための使用テーブルとして、予めROM90121の所定領域に記憶する等して用意された図35(C)に示す大当り結果報知時画像表示決定テーブルを選択してセットする。大当り結果報知時画像表示決定テーブルでは、例えば、大当り結果報知時にボタン画像またはコントローラ画像が表示されるか否か、あるいはそのいずれもが表示されないかを決定する。ボタン画像の表示及びキャラクタ画像の表示の選択は、変動パターンが、スーパーBであるときのスーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA3´−3であるか、スーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA2´−3であるかに応じて、大当り結果報知時画像表示決定用の乱数値と比較される数値が、「なし」「ボタン画像」「コントローラ画像」のいずれかの決定結果に、割り当てられていればよい。なお、「なし」は、ボタン画像及びコントローラ画像がいずれも表示されないパターンを示し、「ボタン画像」は、ボタン画像が表示されるパターンを示し、「コントローラ画像」は、コントローラ画像が表示されるパターンを示している。
演出制御用CPU90120は、例えば乱数回路90124やRAM90122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等から抽出した大当り結果報知時画像表示決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、大当り結果報知時画像表示決定テーブルを参照することにより、大当り結果報知時に「なし」「ボタン画像」「コントローラ画像」のいずれであるかを決定すればよい。
図35(C)は、大当り結果報知時画像表示決定テーブルの構成例を示している。この大当り結果報知時画像表示決定テーブルでは、変動パターンが、スーパーBであるときのスーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA3´−3である場合、「なし」「ボタン画像」「コントローラ画像」のうち、「なし」の方が「ボタン画像」よりも選択される割合が低く、「ボタン画像」の方が「コントローラ画像」よりも選択される割合が低くなっている(選択割合:「なし」<「ボタン画像」<「コントローラ画像」)。
また、変動パターンが、スーパーBであるときのスーパーリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA2´−3である場合、「コントローラ」の方が「ボタン画像」よりも選択される割合が低く、「ボタン画像」の方が「なし」よりも選択される割合が低くなっている(選択割合:「コントローラ画像」<「ボタン画像」<「なし」)。このため、大当り期待度は、「なし」よりも「ボタン画像」の方が高く、「ボタン画像」よりも「コントローラ画像」の方が高くなっている(大当り期待度:「なし」<「ボタン画像」<「コントローラ画像」)。
なお、ボタン画像やコントローラ画像を表示する際には、ボタン画像やコントローラ画像をはっきりと表示するが、ボタン画像やコントローラ画像が表示されるか否かを煽るような表示を行ってもよい。例えば、ボタン画像やコントローラ画像を淡く表示してボタン画像やコントローラ画像の表示を煽り、その後、ボタン画像やコントローラ画像をはっきり表示する場合と、ボタン画像やコントローラ画像を表示することなく消滅する場合とがあるようにしてもよい。あるいは、ボタン画像とコントローラ画像とを交互に淡く表示して、ボタン画像とコントローラ画像のどちらが表示されるか、あるいはどちらも表示されないかを煽るようにしてもよい。この場合、例えばボタン画像表示が「なし」であっても、ボタン画像やコントローラ画像を淡く表示する煽りを共通して行うようにしてもよい。
こうして、キャラクタ役物演出決定処理が済んだら、図33(A)に示すフローに戻り、ステップS90402の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、予告演出決定処理を実行する(ステップS90404)。予告演出決定処理では、キャラクタ役物演出決定処理以外の予告演出、例えばステップアップ予告演出、擬似連予告演出、群予告演出、背景予告演出、煽り予告演出等の実行の有無を決定する。
ステップS90404の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS90406)。例えば、演出制御用CPU90120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターン、及びステップS90402〜S90405の処理で決定した各種演出等に対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS90406の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM90122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS90407)。そして、画像表示装置905における飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行う(ステップS90408)。このときには、例えばステップS90406にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させること等により、画像表示装置905の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS90408の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS90409)。例えば、始動入賞記憶表示エリア905Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去すると共に、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90410)、可変表示開始設定処理を終了する。
次に、キャラクタ役物演出の演出態様について説明する。キャラクタ役物演出は、スーパーリーチ発展時及び大当り結果報知時に実行されることがある。そこで、まず、スーパーリーチ発展時におけるキャラクタ役物演出について説明する。
図36は、スーパーリーチ発展時におけるキャラクタ役物演出の流れを説明する図である。特図ゲームでは、図36(A)に示すように、画像表示装置905における飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに表示される飾り図柄が可変表示を行う。このとき、第1キャラクタ役物9061、第2キャラクタ役物9062、及び第3キャラクタ役物9063は、それぞれ図25に示す第1キャラクタ役物第1位置P9011、第2キャラクタ役物第1位置P9021、及び第3キャラクタ役物第1位置P9031で静止している。
続いて、図36(B)に示すように、左飾り図柄表示エリア905L及び右飾り図柄表示エリア905Rに共通の図柄、ここでは「7」図柄が停止表示されることにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となると、画像表示装置905に「リーチ!」の装飾文字が表示され、その後、ノーマルリーチ演出が実行される。続いて、例えば図34に示すスーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定処理(ステップS90502)において、「キャラクタなし」を決定していた場合、図34に示すスーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定処理(ステップS90501)の決定の内容にかかわらず、図36(C−1)に示すように、画像表示装置905の中央にボタン画像90201及び有効期間バー90202が表示される。
また、スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定処理(ステップS90502)において、「キャラクタあり」を決定していた場合、スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定処理(ステップS90501)において、キャラクタ役物演出として例えば「第1キャラクタ」を決定していた場合には、図36(C−2)に示すように、画像表示装置905の中央にボタン画像90201及び有効期間バー90202が表示されるとともに、第1キャラクタ画像90211が表示される。また、このときに有効期間バー90202は緑色で表示される。
こうして、ボタン画像90201が表示されることにより、遊技者に対してプッシュボタン9031Bの操作が促進される。また、有効期間バー90202が表示されることにより、演出制御基板9012が図26に示すプッシュボタン9031Bの操作を受け付ける操作有効期間が遊技者に報知される。また、ボタン画像90201及び第1キャラクタ画像90211が表示されることにより、第1キャラクタ役物9061が動作する第1キャラクタ役物動作演出が実行されることを示唆し、大当り期待度が高くなっていることを遊技者に認識させ、大当りへの期待感を高めている。なお、スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定処理(ステップS90502)において、「実行なし」を決定していた場合には、スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定処理(ステップS90501)の決定の内容にかかわらず、ボタン画像90201及び有効期間バー90202の表示は行われない。
なお、図36(C−2)に示すように、ボタン画像90201及び第1キャラクタ画像90211を表示する際には、第1キャラクタ画像90211がボタン画像90201を持ってくる態様の表示を行っているが、他の態様の表示を行うようにしてもよい。例えば、ボタン画像90201を表示すると同時に、第1キャラクタ画像90211を単に表示するようにしてもよいし、ボタン画像90201を表示し、有効期間が少し経過した後に第1キャラクタ画像90211を表示するようにしてもよい。また、これらの表示の態様を複数設けておいて、種々の態様(パターン)で表示するようにしてもよい。
図36(C−1)または(C−2)に示す演出の後、操作有効期間内に演出制御基板9012がプッシュボタン9031Bの操作を受け付け、または操作有効期間が経過したときにおいて、スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定処理(ステップS90501)で「実行なし」を決定していた場合には、図37(D−1)に示すように、ボタン画像90201及び有効期間バー90202、さらには図36(C−2)の後であれば第1キャラクタ画像90211が消滅する画像が画像表示装置905から消去されて、消去画像90221が表示される。また、第1キャラクタ役物9061、第2キャラクタ役物9062、及び第3キャラクタ役物9063は停止したままとなっている。
続いて、図37(E−1)に示すように、画像表示装置905の中央に「スーパーリーチ!」の装飾文字が表示される。こうして、リーチ態様がノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出に発展したことを遊技者に認識させる。その後、図37(F)に示すように、画像表示装置905では、スーパーリーチ演出が実行される。
また、図36(C−1)または(C−2)に示す演出の後、操作有効期間内に演出制御基板9012がプッシュボタン9031Bの操作を受け付け、または操作有効期間が経過したときにおいて、スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定処理(ステップS90501)で「第1キャラクタ」を決定していた場合には、図37(D−2)に示すように、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第1位置P9011から第1キャラクタ役物第2位置P9012に移動する第1キャラクタ役物動作演出を実行する。また、画像表示装置905においては、ボタン画像90201及び有効期間バー90202が消去され、さらには、図37(D−2)の表示の前に図36(C−2)が表示されたのであれば、第1キャラクタ画像90211が消去されるとともに、第1キャラクタ役物第2位置P9012の背後において、第1キャラクタ役物9061を際立たせる効果画像90222が表示される。効果画像90222は、第1キャラクタ役物9061に対応し、第1キャラクタ役物9061の背後に表示されることにより、第1キャラクタ役物9061を際立たせている。
続いて、図37(E−2)に示すように、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第2位置P9012から第1キャラクタ役物第1位置P9011に移動する動作が行われる。また、画像表示装置905の中央に「スーパーリーチ!」の装飾文字が表示される。「スーパーリーチ!」の装飾文字は、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第1位置P9011に移動(退避)した後に表示を開始するようにしてもよいし、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第1位置P9011に移動している最中に表示を開始してもよい。あるいは、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第2位置P9012にとどまっているときに「スーパーリーチ!」の装飾文字の表示を完了させ、その後に第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第1位置P9011に移動するようにしてもよい。こうして、リーチ態様がノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出に発展したことを遊技者に認識させる。その後、図37(F)に示すように、画像表示装置905では、スーパーリーチ演出が実行される。
また、スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定処理(ステップS90501)で「第1キャラクタ」を決定し、スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定処理(ステップS90502)で「実行なし」を決定する場合がある。この場合、画像表示装置905には、図36(B)に示すノーマルリーチ状態となる画像が表示される。続いて、画像表示装置905には、ボタン画像90201やコントローラ画像90203が表示されることなく、図37(D−2)に示すように、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第1位置P9011から第1キャラクタ役物第2位置P9012に移動する第1キャラクタ役物動作演出を実行する。それから、図37(E−2)に示すように、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第2位置P9012から第1キャラクタ役物第1位置P9011に移動する動作が行われる。また、画像表示装置905の中央に「スーパーリーチ!」の装飾文字が表示される。こうして、リーチ態様がノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出に発展したことを遊技者に認識させる。
また、スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定処理(ステップS90502)において、「キャラクタあり」を決定し、スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定処理(ステップS90501)において「第2キャラクタ」を決定していた場合には、以下のようになる。まず、図36(B)に示すように、画像表示装置905の左飾り図柄表示エリア905L及び右飾り図柄表示エリア905Rに「7」図柄が停止表示されて飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となり、「リーチ!」の装飾文字が表示され、ノーマルリーチ演出が実行される。続いて、図38(C−3)に示すように、画像表示装置905の中央にボタン画像90201及び有効期間バー90202が表示されるとともに、第2キャラクタ画像90212が表示される。また、このときに有効期間バー90202は赤色で表示される。ここで第2キャラクタ画像90212とともに表示されるボタン画像90201の大きさは、図36(C−2)に示すように、第1キャラクタ画像90211とともに表示されるボタン画像90201の大きさと同じである。
このように、第2キャラクタ画像90212が表示されることにより、第2キャラクタ役物9062が動作する第2キャラクタ役物動作演出が実行されることを示唆し、大当り期待度が高くなっていることを遊技者に認識させ、大当りへの期待感を高めている。なお、第2キャラクタ役物動作演出が実行されたときの大当り期待度は、第1キャラクタ役物動作演出が実行されたときの大当り期待度よりも低くなっている。このため、大当りへの期待感は、図38(C−3)に示すように、第2キャラクタ画像90212が表示される場合よりも、図36(C−2)に示すように、第1キャラクタ画像90211が表示される場合の方が高くなる。
なお、図38(C−3)(C−4)に示すように、ボタン画像90201及び第2キャラクタ画像90212、第3キャラクタ画像90213を表示する際には、第2キャラクタ画像90212または第3キャラクタ画像90213がボタン画像90201を持ってくる態様の表示を行っているが、他の態様の表示を行うようにしてもよい。例えば、ボタン画像90201を表示すると同時に、第2キャラクタ画像90212または第3キャラクタ画像90213を単に表示するようにしてもよいし、ボタン画像90201を表示し、有効期間が少し経過した後に第2キャラクタ画像90212または第3キャラクタ画像90213を表示するようにしてもよい。また、これらの表示の態様を複数設けておいて、種々の態様(パターン)で表示するようにしてもよい。
また、図36(C−2)、図38(C−3)(C−4)に示すように、第1キャラクタ画像90211〜第3キャラクタ画像90213は、ボタン画像90201に並んで表示されているが、他の態様で表示されてもよい。例えば、ボタン画像の上に第1キャラクタ画像〜第3キャラクタ画像のいずれかが描かれた態様としてもよいし、ボタン画像自体が第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063のいずれかを模した画像となるようにしてもよい。
それから、図38(D−3)に示すように、第2キャラクタ役物9062が、図25に示す第2キャラクタ役物第1位置P9021から第2キャラクタ役物第2位置P9022に移動する第2キャラクタ役物動作演出を実行する。また、画像表示装置905においては、ボタン画像90201及び有効期間バー、さらには第2キャラクタ画像90212が消去されるとともに、第2キャラクタ役物第2位置P9022の背後において、第2キャラクタ役物9062を際立たせる効果画像90222が表示される。効果画像90222は、第2キャラクタ役物9062に対応し、第2キャラクタ役物9062の背後に表示されることにより、第2キャラクタ役物9062を際立たせている。
そして、図38(E−3)に示すように、第2キャラクタ役物9062が第2キャラクタ役物第2位置P9022から第2キャラクタ役物第1位置P9021に移動する動作が行われる。また、画像表示装置905の中央に「スーパーリーチ!」の装飾文字が表示される。こうして、リーチ態様がノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出に発展したことを遊技者に認識させる。その後、図37(F)に示すように、画像表示装置905では、スーパーリーチ演出が実行される。
また、スーパーリーチ発展時ボタン画像表示決定処理(ステップS90502)において、「キャラクタあり」を決定し、スーパーリーチ発展時キャラクタ役物演出決定処理(ステップS90501)において「第3キャラクタ」を決定していた場合には、以下のようになる。まず、図36(B)に示すように、画像表示装置905の左飾り図柄表示エリア905L及び右飾り図柄表示エリア905Rに「7」図柄が停止表示されて飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となり、「リーチ!」の装飾文字が表示され、ノーマルリーチ演出が実行される。続いて、図38(C−4)に示すように、画像表示装置905の中央にボタン画像90201及び有効期間バー90202が表示されるとともに、第3キャラクタ画像90213が表示される。また、このときに有効期間バー90202は緑色で表示される。ここで第3キャラクタ画像90213とともに表示されるボタン画像90201の大きさは、図36(C−2)に示すように、第1キャラクタ画像90211とともに表示されるボタン画像90201の大きさと同じである。
このように、第3キャラクタ画像90213が表示されることにより、第3キャラクタ役物9063が動作する第3キャラクタ役物動作演出が実行されることを示唆し、大当り期待度が高くなっていることを遊技者に認識させ、大当りへの期待感を高めている。なお、第3キャラクタ役物動作演出が実行されたときの大当り期待度は、第2キャラクタ役物動作演出が実行されたときの大当り期待度よりも低くなっている。このため、大当りへの期待感は、図38(C−4)に示すように、第3キャラクタ画像90213が表示される場合よりも、図38(C−3)に示すように、第2キャラクタ画像90212が表示される場合の方が高くなる。さらに、大当りへの期待感は、図38(C−4)に示すように、第3キャラクタ画像90213が表示される場合よりも、図36(C−2)に示すように、第1キャラクタ画像90211が表示される場合の方が高くなる。
それから、図38(D−4)に示すように、第3キャラクタ役物9063が、図25に示す第3キャラクタ役物第1位置P9031から第3キャラクタ役物第2位置P9032に移動する第3キャラクタ役物動作演出を実行する。また、画像表示装置905においては、ボタン画像90201及び有効期間バー、さらには第3キャラクタ画像90213が消去されるとともに、第3キャラクタ役物第2位置P9032の背後において、第3キャラクタ役物9063を際立たせる効果画像90222が表示される。効果画像90222は、第3キャラクタ役物9063に対応し、第3キャラクタ役物9063の背後に表示されることにより、第3キャラクタ役物9063を際立たせている。
なお、図37(D−2)、図38(D−3)(D−4)に示すように、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063の背後に表示される効果画像90222は、共通の画像としているが、異なる画像としてもよい。例えば、効果画像として、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063に対応する各キャラクタの画像を表示してもよいし、それぞれのキャラクタに対応付けたアイテムの画像などを表示してもよい。
そして、図38(E−4)に示すように、第3キャラクタ役物9063が第3キャラクタ役物第2位置P9032から第3キャラクタ役物第1位置P9031に移動する動作が行われる。また、画像表示装置905の中央に「スーパーリーチ!」の装飾文字が表示される。こうして、リーチ態様がノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出に発展したことを遊技者に認識させる。その後、図37(F)に示すように、画像表示装置905では、スーパーリーチ演出が実行される。
続いて、大当り結果報知時におけるキャラクタ役物演出について説明する。図39及び図40は、いずれも大当り結果報知時のキャラクタ役物演出の流れを説明する図である。スーパーリーチ演出が進行し、終盤に入ると、図39(A)に示すように、画像表示装置905には、「勝負!」の装飾文字が表示される。
続いて、例えば図34に示す大当り結果報知時画像表示決定処理(ステップS90503)において、「ボタン画像」を決定していた場合、図39(B−1)に示すように、画像表示装置905の中央にボタン画像90201及び有効期間バー90202が表示される。なお、大当り結果報知時画像表示決定処理(ステップS90503)において、「コントローラ画像」を決定していた場合には、図39(B−2)に示すように、画像表示装置905の中央にコントローラ画像90203及び有効期間バー90202が表示される。
また、図39(B−1)に示す演出の後、操作有効期間内に演出制御基板9012がプッシュボタン9031Bの操作を受け付け、または操作有効期間が経過したときには、演出制御用CPU90120は、図39(C)に示すように、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第1位置P9011から第1キャラクタ役物第2位置P9012に移動する第1キャラクタ役物動作演出を行わせる。演出制御用CPU90120は、この動作と同時に、第2キャラクタ役物9062及び第3キャラクタ役物9063が第2キャラクタ役物第1位置P9021及び第3キャラクタ役物第1位置P9031からそれぞれ第2キャラクタ役物第2位置P9022及び第3キャラクタ役物第2位置P9032に移動する第2キャラクタ役物動作演出及び第3キャラクタ役物動作演出を行わせる。また、画像表示装置905においては、ボタン画像90201及び有効期間バー90202が消去されるとともに、第1キャラクタ役物第2位置P9012〜第3キャラクタ役物第2位置P9032の背後において、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063を際立たせる効果画像90222が表示される。
第1キャラクタ役物動作演出、第2キャラクタ役物動作演出、及び第3キャラクタ役物動作演出が実行された後、第1キャラクタ役物第2位置P9012、第2キャラクタ役物第2位置P9022、及び第3キャラクタ役物第2位置P9032において、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063がそれぞれ回転(自転)する第1キャラクタ役物回転演出〜第3キャラクタ役物回転演出が実行される。このように、第1キャラクタ役物回転演出〜第3キャラクタ役物回転演出が実行されることにより、大当りへの期待感がさらに高められる。
続いて、図39(D−1)及び図40(D−2)に示す演出のいずれかの演出が実行される。なお、図40(A)〜(C)では、図39(A)〜(C)と同様の工程を示している。図39(D−1)及び図40(D−2)では、いずれも第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063が回転を停止して第1キャラクタ役物回転演出〜第3キャラクタ役物回転演出が終了した後、第1キャラクタ役物9061が第1キャラクタ役物第2位置P9012から第1キャラクタ役物第1位置P9011に移動する第1キャラクタ役物動作演出が実行される。さらには、第2キャラクタ役物9062及び第3キャラクタ役物9063がそれぞれ第2キャラクタ役物第2位置P9022及び第3キャラクタ役物第2位置P9032から第2キャラクタ役物第1位置P9021及び第3キャラクタ役物第1位置P9031に移動する第2キャラクタ役物動作演出及び第3キャラクタ役物動作演出が実行される。
それから、例えば図34に示す大当り結果報知時画像表示決定処理(ステップS90503)において、変動パターンPA3´−3に基づく決定をしていた場合には、図39(D−1)に示すように、第1キャラクタ画像90211とともに、「WIN」の装飾文字を表示する。その後、図39(E−1)に示すように、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに同一の飾り図柄である「7」が揃う大当り組み合わせが停止表示される。こうして大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が画像表示装置905に導出表示される。
また、例えば図34に示す大当り結果報知時画像表示決定処理(ステップS90503)において、変動パターンPA2´−3に基づく決定をしていた場合には、図40(D−2)に示すように、敵キャラクタ画像90224とともに、「LOSE」の装飾文字を表示する。その後、図40(E−2)に示すように、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにそれぞれ「7」「6」「7」の異なる飾り図柄が揃って停止表示される。こうして、大当り組み合わせ以外の組み合わせであるはずれ図柄組み合わせとなる確定飾り図柄が画像表示装置905に導出表示される。
なお、可変表示結果が「大当り」となる場合には、図39(C)、図40(C)に示すように、第1〜第3キャラクタ役物動作演出が実行され、図39(D−1)に示すように、第1キャラクタ画像90211とともに、「WIN」の装飾文字が表示されるようにし、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、第1〜第3キャラクタ役物動作演出を行わないようにしてもよい。可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063が動かなかったり、図39(C)、図40(C)に示す第1〜第3キャラクタ役物動作演出に代えて、ハズレ専用の演出を行ったりしてもよい。ここでのハズレ専用の演出としては、操作有効期間内に演出制御基板9012がプッシュボタン9031Bの操作を受け付け、または操作有効期間が経過したときに、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063がそれぞれ第1キャラクタ役物第1位置P9011〜第3キャラクタ役物第1位置P9031においてわずかに動くが、第1キャラクタ役物第2位置P9012〜第3キャラクタ役物第2位置P9032までは移動しない動作を行うようにしてもよい。
また、図39(D−1)に示す「WIN」の装飾文字を含む画像や図40(D−2)に示す「LOSE」の装飾文字を含む画像は、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063がそれぞれ第1キャラクタ役物第1位置P9011〜第3キャラクタ役物第1位置P9031に移動(退避)した後に表示を開始するようにしてもよいし、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063がそれぞれ第1キャラクタ役物第1位置P9011〜第3キャラクタ役物第1位置P9031に移動している最中に表示を開始してもよい。あるいは、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063がそれぞれ第1キャラクタ役物第2位置P9012〜第3キャラクタ役物第2位置P9032にとどまっているときに「WIN」または「LOSE」を含む画像の表示を完了させ、その後に第1キャラクタ役物第1位置P9011〜第3キャラクタ役物第1位置P9031に移動するようにしてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態のパチンコ遊技機901によれば、第1キャラクタ役物9061を動作させる第1キャラクタ役物動作演出と、第1キャラクタ役物動作演出とは異なり、第2キャラクタ役物9062を動作させる第2キャラクタ役物動作演出を実行可能である。また、図36(C−2)に示すように、第1キャラクタ役物動作演出を示唆する第1キャラクタ画像90211が表示される演出と、図38(C−3)に示すように、第2キャラクタ役物動作演出を示唆する第2キャラクタ画像90212が表示される演出が実行可能とされている。このため、特定の演出が行われることに対する示唆が実行されるので、演出の実行に対する期待感を大きくでき、興趣の向上を図ることができる。
また、上記のパチンコ遊技機901では、第1キャラクタ役物9061を動作させる第1キャラクタ役物動作演出及び第2キャラクタ役物9062を動作させる第2キャラクタ役物動作演出に加えて、第3キャラクタ役物9063を動作させる第3キャラクタ役物動作演出が実行可能とされている。さらには、図38(C−4)に示すように、第3キャラクタ役物動作演出を示唆する第3キャラクタ画像90213が表示される演出が実行可能とされている。このため、演出の多様化を図るとともに、多様化された演出、ここでは第3キャラクタ役物動作演出についても、演出が行われることに対する示唆が実行されるので、演出の実行に対する期待感を大きくでき、興趣の向上を図ることができる。
また、上記のパチンコ遊技機901では、第1キャラクタ役物9061は、第1キャラクタ役物動作演出と、第1キャラクタ役物動作演出とは異なる第1キャラクタ役物回転演出が実行可能とされている。さらに、第1キャラクタ役物動作演出が実行される際には、第1キャラクタ画像90211を実行可能とされている。このため、第1キャラクタ画像90211が表示されることにより、第1キャラクタ役物動作演出に対する期待感を高めることができ、興趣の向上を図ることができる。さらに、第1キャラクタ画像90211が表示されたときには、第1キャラクタ役物動作演出及び第1キャラクタ役物回転演出も実行可能とされている。このため、第1キャラクタ画像90211が表示された際には、第1キャラクタ役物動作演出の実行に対する期待感に加えて、第1キャラクタ役物回転演出の実行に対する期待感を与えることができる。したがって、さらに興趣の向上を図ることができる。
また、上記のパチンコ遊技機901では、プッシュセンサ9035Bやコントローラセンサユニット9035Aでは、遊技者のプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aに対する操作を検出可能であり、ボタン画像90201またはコントローラ画像90203の表示は、プッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作を遊技者に促進する表示である。このため、遊技者に対して、操作する操作手段を教示できるので、興趣の向上に寄与することができる。なお、上記のパチンコ遊技機901における図39(B−1)、(C−1)では、ボタン画像90201またはコントローラ画像90203は、第1キャラクタ画像90211や第2キャラクタ画像90212などを伴うことなく表示されているが、第1キャラクタ画像90211や第2キャラクタ画像90212などを伴って表示されてもよい。また、大当り結果報知時以外のタイミング、例えば、スーパーリーチ発展時などにコントローラ画像90203を表示するようにしてもよい。また、表示された画像に対応する操作手段が操作された場合に、検出手段が操作を検出するようにしてもよいし、表示された画像に対応する操作手段以外の操作手段が操作された場合にも検出手段が操作を検出するようにしてもよい。例えば、ボタン画像90201が表示された場合に、プッシュセンサ9035Bがプッシュボタン9031Bの操作を検出するが、コントローラセンサユニット9035Aは、スティックコントローラ9031Aの操作を検出しなくてもよいし、ボタン画像90201が表示された場合にプッシュセンサ9035Bがプッシュボタン9031Bの操作を検出し、コントローラセンサユニット9035Aは、スティックコントローラ9031Aの操作を検出するようにしてもよい。
また、上記のパチンコ遊技機901では、第1キャラクタ役物動作演出が実行されるときには、その前に、第2キャラクタ画像90212や第3キャラクタ画像90213を表示しない。このため、各キャラクタ役物動作演出と各キャラクタ画像とが一対一の対応関係となり、実行される演出にまぎれが生じにくいので、遊技者に大きな違和感を与えることなく演出が実行されるので、遊技者に集中して演出を楽しませることができる。したがって、興趣の向上を図ることができる。
また、上記のパチンコ遊技機901では、プッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作を演出制御基板9012が受け付ける操作有効期間を示す有効期間バー90202が表示されるとともに、有効期間バー90202は、第1キャラクタ画像90211とともに表示されるときと、第2キャラクタ画像90212とともに表示されるときとで異なっている。具体的に、有効期間バー90202は、第1キャラクタ画像90211とともに表示されるときには緑色で表示され、第2キャラクタ画像90212とともに表示されるときには赤色で表示される。このため、有効期間バー90202にも着目させることができるので、興趣向上を図ることができる。
また、上記のパチンコ遊技機1では、第1キャラクタ〜第3キャラクタの複数のキャラクタのうちの第1キャラクタに関連する第1キャラクタ役物動作演出と、第2キャラクタに関連する第2キャラクタ役物動作演出とを実行可能である。さらに、第1キャラクタ役物動作演出が実行される際には、第1キャラクタに関連する第1キャラクタ画像90211を表示し、第2キャラクタ役物動作演出が実行される際には、第2キャラクタに関連する第2キャラクタ画像90212を表示している。このため、複数のキャラクタを用いた演出が実行できるので、興趣の向上を図ることができる。なお、上記のパチンコ遊技機901では、第1キャラクタ〜第3キャラクタの3つのキャラクタを用いているが、第4キャラクタや第5キャラクタなどを設け、4つ以上のキャラクタを用いるようにしてもよい。
また、上記のパチンコ遊技機901では、図36(B)に示すノーマルリーチ状態となる画像が画像表示装置905に表示され、続いて、ボタン画像90201やコントローラ画像90203が表示されなくても、図37(D−2)に示すように、第1キャラクタ役物9061を動作させる第1キャラクタ役物動作演出を実行することがある。このため、ボタン画像90201やコントローラ画像90203が表示されなくても、キャラクタ役物動作演出に対する期待感を持続させることができる。したがって、遊技演出の興趣向上を図ることができる。
なお、例えば、第1キャラクタ役物動作演出〜第3キャラクタ役物演出が実行された場合の大当り期待度は、以下の順で高くなるようにすればよい(大当り期待度:1.>2.>3.>4.>5.>6.)。
1.キャラクタ画像及びボタン画像が表示された後の第1キャラクタ役物動作演出
2.ボタン画像のみが表示された後の第1キャラクタ役物動作演出
3.キャラクタ画像及びボタン画像が表示された後の第2キャラクタ役物動作演出
4.ボタン画像のみが表示された後の第2キャラクタ役物動作演出
5.キャラクタ画像及びボタン画像が表示された後の第3キャラクタ役物動作演出
6.ボタン画像のみが表示された後の第3キャラクタ役物動作演出
また、上記の例では、第3キャラクタ役物動作演出が実行される場合には、第1キャラクタ役物演出や第2キャラクタ役物演出が実行される場合よりも大当り期待度が低いので、遊技者の注目が低くなる懸念がある。そこで、第3キャラクタ画像が表示されたときには、第3キャラクタ役物動作演出では、第1キャラクタ役物動作演出や第2キャラクタ役物動作演出と異なる演出が実行されるようにしてもよい。あるいは、第3キャラクタ画像が表示されたときには、その後のボタン操作により、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063の全てが動作するキャラクタ役物演出が実行されるようにしてもよい。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機901は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
(変形例1)上記のパチンコ遊技機901では、スーパーリーチ発展時または大当り結果報知時において、ボタン画像90201及びコントローラ画像90203がともに表示されることはないが、スーパーリーチ発展時または大当り結果報知時において、ボタン画像90201及びコントローラ画像90203の両方が時間をずらして表示されることがあるようにしてもよい。例えば、演出制御基板9012がスティックコントローラ9031Aの操作を受け付ける場合において、スティックコントローラ9031Aの操作の受付を行う前の非有効期間中にボタン画像90201を表示し、その後、有効期間が開始されたときにコントローラ画像90203を表示するようにしてもよい。このとき、ボタン画像90201が表示された後、ボタン画像90201をコントローラ画像90203に変化させるようにしてもよい。
また、ボタン画像90201をコントローラ画像90203に変化させる場合には、ボタン画像90201が表示されている間は有効期間バー90202を表示することなく、コントローラ画像90203が表示された後に有効期間バー90202を表示するようにしてもよい。また、非有効期間中にボタン画像90201を表示する際には、非有効期間中の専用の表示として、ボタン画像90201が表示されているものの、非有効期間を表す画像を表示するようにしてもよい。例えば、ボタン画像90201の上に規制線を表示して、プッシュボタンの操作が有効でない旨を表すようにしてもよい。
また、演出制御基板9012は、非有効期間の後にプッシュボタン9031Bとスティックコントローラ9031Aのいずれかの操作を受け付けるようにしてもよい。この場合、非有効期間中にボタン画像90201を表示した後、有効期間となったときに、プッシュボタン9031Bの操作を受け付ける場合には、ボタン画像90201の表示を継続し、スティックコントローラ9031Aの操作を受け付ける場合には、ボタン画像90201をコントローラ画像90203に変化させて表示するようにしてもよい。この場合、プッシュボタン9031Bの操作が受け付けられる状態から、スティックコントローラ9031Aの操作が受け付けられる状態に移行する可能性があるので、大当り期待度が高められる期待感を遊技者に持続させることができる。したがって、興趣の向上を図ることができる。
また、ボタン画像90201をコントローラ画像90203に変化させる過程ではボタン画像90201に作用する作用演出を行い、ボタン画像90201やコントローラ画像90203を段階的に変化させるようにしてもよい。例えば、第1段階としてボタン画像90201の色が白から赤に変化し(「ボタン(白)」→「ボタン(赤)」)、第2段階としてボタン画像90201が大型に変化し(「ボタン(赤)」→「ボタン(大)」)、第3段階でコントローラ画像90203に変化する(「ボタン(赤)」→「コントローラ」)ようにしてもよい。あるいは、第3段階までは同様の変化を行い、第3段階でボタン画像が小型のコントローラ画像90203に変化し(「ボタン(赤)」→「コントローラ(小)」)、続く第4段階でコントローラ画像90203が通常の大きさに変化する(「コントローラ(小)」→「コントローラ」)ようにしてもよい。このような段階的な変化がボタン画像90201において行われたり、コントローラ画像90203において行われたり、ボタン画像90201とコントローラ画像90203とにおいて行われたりしてもよい。また、作用演出を行うにあたり、ボタン画像90201がコントローラ画像90203に変化するパターンと、ボタン画像90201を段階的に変化させる過程でコントローラ画像90203までは変化せず、ボタン画像90201に戻るパターンとが実行可能であるようにしてもよい。あるいは、ボタン画像90201とコントローラ画像90203とを淡く交互に表示して、コントローラ画像90203への変化を煽るようにしてもよい。また、ボタン画像90201から変化した後のコントローラ画像90203において段階的な変化が行われる場合には、最終的な形態のコントローラ画像90203に変化する前の段階、例えば上記の「コントローラ(小)」の段階では、コントローラ画像90203に変化せず、ボタン画像90201に戻ってしまう変化態様があるようにしてもよいし、「コントローラ(小)」の段階まで進んだら、「コントローラ」の段階まで進むようにしてもよい。この場合、ボタン画像90201のコントローラ画像90203への変化に興趣を持たせることができる。
(変形例2)また、上記の実施の形態においては、キャラクタ役物演出において、キャラクタ役物は、キャラクタ役物第1位置とキャラクタ役物第2位置の間で動作可能とされているが、キャラクタ役物第3位置以上の動作位置を設定し、3か所以上の間で移動可能とされていてもよい。また、キャラクタ役物演出として、キャラクタ役物動作演出及びキャラクタ役物回転演出のみが設定されているが、その他の態様の演出が設けられていてもよい。例えば、キャラクタ役物が傾動、揺動、拡大、変形などする演出が設けられていてもよい。また、複数のキャラクタが一体化して、異なるキャラクタを形成するようにしてもよい。また、特定演出は、キャラクタ以外のモチーフを用いてもよい。例えば、文字が記入されたプレートや岩などを模したギミックなどを用いた演出でもよい。また、キャラクタ役物回転演出は、キャラクタ役物第2位置で実行されているが、キャラクタ役物第2位置以外の位置、例えばキャラクタ役物第1位置で実行されてもよい。
(変形例3)また、上記の実施の形態においては、特図ゲームで大当りとなる際に実行されるいわゆる大当り確定演出が設けられておらず、いずれのキャラクタ演出が実行されたとしても特図ゲームの結果がはずれとなる可能性があるが、いわゆる大当り確定演出を設けてもよい。例えば、第1キャラクタ役物回転演出が大当り確定演出であり、第1キャラクタ役物回転演出が実行された特図ゲームでは、常に大当りとなるようにしてもよい。また、所定の条件が揃ったときに大当り確定演出となるようにしてもよい。例えば、スーパーリーチ発展時において、第1キャラクタ画像90211が表示された後に第1キャラクタ役物動作演出が実行されたときに大当り確定演出となるようにしてもよい。
(変形例4)また、上記の実施の形態においては、キャラクタ役物演出が実行されることなくスーパーリーチに発展することがあるが、スーパーリーチに発展する場合には、常にキャラクタ役物演出が実行されるようにしてもよい。また、スーパーリーチに発展する場合には、原則的にキャラクタ役物演出が実行されるが、キャラクタ役物演出が実行されることなくスーパーリーチに発展する演出が実行された場合には、特図ゲームで大当りとなり、キャラクタ役物演出が実行されることなくスーパーリーチに発展する演出が大当り確定演出であるようにしてもよい。また、ノーマルリーチの終了時(スーパーリーチ発展時)にキャラクタ役物演出が実行されると、必ずスーパーリーチに発展するが、ノーマルリーチの終了時にキャラクタ役物演出が実行されてもスーパーリーチに移行しないようにしてもよい。このとき、キャラクタ役物演出が実行されることなくスーパーリーチに発展した場合には、キャラクタ役物演出が実行されてスーパーリーチに発展した場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよいし、低くなるようにしてもよい。また、スーパーリーチ発展時におけるキャラクタ役物演出において、同じキャラクタ役物演出では、大当り時(変動パターンPA3´−3時)時の決定割合が高いほどハズレ時(変動パターンPA2´−3時)の決定割合が低くされているが、他の態様でもよい。例えば、大当り時(変動パターンPA3´−3時)時の決定割合が高いほどハズレ時(変動パターンPA2´−3時)の決定割合が高くしてもよいし、大当り時(変動パターンPA3´−3時)時の決定割合によらずハズレ時(変動パターンPA2´−3時)の決定割合が一定であってもよい。
(変形例5)また、上記の実施の形態においては、スーパーリーチ発展時及び大当り結果報知時において、ボタン画像90201が表示されてプッシュボタン9031Bの操作が受け付けられる割合は、キャラクタ役物演出の種類によらず一定であるが、キャラクタ役物演出の種類に応じて異なるようにしてもよい。例えば、第1キャラクタ役物動作演出が実行されるときには、第2キャラクタ役物動作演出が実行されるときよりもボタン画像90201の表示及びプッシュボタン9031Bの操作の受付が行われる割合が高くなるようにしてもよい。コントローラ画像90203及びスティックコントローラ9031Aの操作の受付についても同様に、キャラクタ役物演出の種類に応じて異なるようにしてもよい。
(変形例6)また、上記の実施の形態においては、画像表示装置905に表示されるキャラクタ画像と、実行されるキャラクタ役物演出とでは、キャラクタが一致するものであるが、キャラクタが不一致であるものでもよい。例えば、第1キャラクタ役物動作演出等の第1キャラクタ役物9061が動作する演出が実行される前に、第2キャラクタ画像90212や第3キャラクタ画像90213が表示されるようにしてもよい。この場合、遊技者に驚きを与えることができ、第1キャラクタ画像90211が表示された場合とは趣の異なる興趣の向上を図ることができる。また、画像表示装置905に表示されるキャラクタ画像と、実行されるキャラクタ役物演出とでキャラクタが不一致である場合は、キャラクタが一致する場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよいし、低くなるようにしてもよい。また、画像表示装置905に表示されるキャラクタ画像と、実行されるキャラクタ役物演出とにおけるキャラクタの関係によっては、大当り確定演出となるようにしてもよい。例えば、第3キャラクタ画像が表示された後に第2キャラクタ役物動作演出が実行される演出が大当り確定演出であってもよい。
(変形例7)また、上記の実施の形態においては、ボタン画像90201やコントローラ画像90203の表示態様は一定であるが、ボタン画像90201やコントローラ画像90203が異なる態様で表示可能とされていてもよい。例えば、ボタン画像として、図36等に示す通常のボタン画像90201よりも巨大なボタン画像や、「CHANCE」とは異なる文字、例えば「当」が表示されるようにしてもよい。このようなボタン画像が表示されることにより、大当り期待度が変わり、例えば高くなるようにしてもよい。
(変形例8)また、ボタン画像90201をコントローラ画像90203が表示される際に、音声を発したり説明用の文字などを表示したりしてもよい。例えば、ボタン画像90201を表示した際に「押せ」「ボタンを押してね」などのプッシュボタン9031Bの操作を促す音声を発してもよい。この場合、例えば、第1キャラクタ画像90211や第2キャラクタ画像90212が表示されているときには、第1キャラクタや第2キャラクタの音声を発するようにしてもよい。また、異なるキャラクタの音声やその他の音声を発生するようにしてもよい。また、音声の有無によって大当り期待度が異なるようにしてもよく、例えば、音声があった方が、音声がない場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
(変形例9)また、上記の実施の形態においては、ボタン画像90201が表示された場合でもキャラクタ役物演出が実行されない場合があるが、ボタン画像90201やコントローラ画像90203が表示された場合には、必ずキャラクタ役物演出が実行されるようにしてもよい。また、ボタン画像90201やコントローラ画像90203が表示されない場合でもキャラクタ役物演出が実行されることがあるが、ボタン画像90201やコントローラ画像90203が表示されない場合には、キャラクタ役物演出は実行されないようにしてもよい。
(変形例10)また、上記の実施の形態においては、ノーマルリーチの終了時(スーパーリーチ発展時)にボタン画像90201が表示された場合には、その後必ずスーパーリーチに発展するが、ノーマルリーチの終了時にボタン画像90201が表示されてもスーパーリーチに発展しないようにしてもよい。あるいは、ノーマルリーチの終了時にボタン画像90201とキャラクタ画像が表示された場合には必ずスーパーリーチに発展するが、ボタン画像90201のみではスーパーリーチに発展しないことがあるようにしてもよい。また、ボタン画像90201が表示されることなくキャラクタ役物演出が実行された場合には、ボタン画像90201が表示されてキャラクタ役物演出が実行された場合よりも大当り期待度が高くなっていてもよいし、低くなっていてもよい。また、キャラクタ役物演出が実行されない場合には、必ずキャラクタ画像を伴わないボタン画像90201が表示されるようにしてもよい。例えば、キャラクタ役物演出への発展以外のボタン操作演出が行われる場合には、キャラクタ画像を伴わないボタン画像90201が表示されたり、プッシュボタン9031Bの操作で役物演出が実行されないいわゆるガセ演出を行うことが可能であり、このガセ演出が実行される場合には、必ずキャラクタ画像を伴わないボタン画像90201が表示されたりするようにしてもよい。
(変形例11)また、上記の実施の形態においては、キャラクタ画像が表示された場合でもキャラクタ役物演出が実行されない場合があるが、キャラクタ画像が表示された場合には、キャラクタ役物演出が必ず実行されるようにしてもよい。また、スーパーリーチ発展時には、ボタン画像90201が表示される可能性があるが、コントローラ画像が表示されてスティックコントローラの操作が受け付けられるようにしてもよい。また、キャラクタ役物回転演出は、大当り結果報知時にのみ実行されるが、スーパーリーチ発展時に実行されてもよい。また、キャラクタ役物回転演出は、第1キャラクタ役物9061〜第3キャラクタ役物9063の全てで実行されるが、その一部のみが実行されるようにしてもよい。また、キャラクタ役物演出が実行されるキャラクタ役物の数や種類によって大当り期待度が変動するようにしてもよい。
(変形例12)また、上記の実施の形態においては、キャラクタ画像として、第1キャラクタ〜第3キャラクタのそれぞれについて、1通りの第1キャラクタ画像90211〜第3キャラクタ画像90213が設けられているが、各キャラクタの一部または全部について、複数通りのキャラクタ画像が設けられていてもよい。この場合、表示されるキャラクタ画像によって大当り期待度が異なったり、キャラクタ役物演出の実行割合が異なったりするようにしてもよい。例えば、第1キャラクタ画像として、第1キャラクタ画像Aと第1キャラクタ画像Bが設けられている場合、第1キャラクタ画像Aが表示されたときには、第1キャラクタ画像Bが表示されたときよりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。あるいは、第1キャラクタ画像Aが表示されたときには、第1キャラクタ画像Bが表示されたときよりもキャラクタ役物演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。あるいは、大当り期待度が異なる複数のキャラクタ役物演出が設けられている場合に、第1キャラクタ画像Aが表示されたときには、第1キャラクタ画像Bが表示されたときよりも大当り期待度が高いキャラクタ役物演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。さらには、第1キャラクタ画像Aが表示されたときにのみ実行可能で第1キャラクタ画像Bが表示されたときには実行されない、特に大当り期待度が高いキャラクタ役物演出が設けられているようにしてもよい。
(変形例13)また、上記の実施の形態においては、大当り結果報知時にコントローラ画像90203を表示する際には、キャラクタ画像を表示していないが、コントローラ画像90203とともにキャラクタ画像を表示するようにしてもよい。また、キャラクタ画像を表示する際には、第1キャラクタ画像90211〜第3キャラクタ画像90213のいずれかを表示するようにしているが、第1キャラクタ画像90211〜第3キャラクタ画像90213のうちの複数のキャラクタ画像を表示するようにしてもよい。
(変形例14)また、ボタン画像90201またはコントローラ画像90203を表示する際に、キャラクタ画像を表示する場合、表示されるキャラクタ画像の種類によって大当り期待度を変化させてもよい。また、キャラクタ画像とボタン画像90201またはコントローラ画像90203との組み合わせによって大当り期待度を変化させてもよい。例えば、第2キャラクタ画像90212とボタン画像90201が表示された場合には、第2キャラクタ画像90212とコントローラ画像90203が表示された場合よりも大当り期待度が低いが、第3キャラクタ画像90213とボタン画像90201が表示された場合には、第3キャラクタ画像90213とコントローラ画像90203が表示された場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
(変形例15)また、上記の実施の形態においては、同時に表示されるキャラクタ画像の種類によって有効期間バー90202を異なる態様で表示しているが、同様の態様で表示するようにしてもよい。また、一部のキャラクタ画像同士では同様の態様であるが、その他のキャラクタ画像同士の間では異なる態様となるようにしてもよい。また、有効期間バーの異なる表示態様としては、色を変える以外の態様でもよい。例えば、有効期間バーに異なる模様を付したり、有効期間バーを表示する大きさを変えたりしてもよい。具体的には、第1キャラクタ画像90211とともに表示される有効期間バー90202は花柄であるのに対して、第2キャラクタ画像90212とともに表示される有効期間バー90202は格子柄であったり、第1キャラクタ画像90211とともに表示される有効期間バー90202は、第2キャラクタ画像90212とともに表示される有効期間バー90202よりも大きかったりしてもよい。さらには、表示位置を異なる位置となるようにしてもよいし、表示の方向を変えたりしてもよい。例えば、第1キャラクタ画像90211とともに表示される有効期間バー90202は画像表示装置905の下方に表示されるのに対して、第2キャラクタ画像90212とともに表示される有効期間バー90202は画像表示装置905の上方に表示されるようにしたり、第1キャラクタ画像90211とともに表示される有効期間バー90202は縦向きに表示されるのに対して、第2キャラクタ画像90212とともに表示される有効期間バー90202は横向きに表示されるようにしたりしてもよい。あるいは、これらを組み合わせるようにしてもよい。例えば、第1キャラクタ画像90211とともに表示される有効期間バー90202は格子柄であり、かつ縦向きに表示されるのに対して、第2キャラクタ画像90212とともに表示される有効期間バー90202は花柄であり、かつ横向きに表示されるようにしたりしてもよい。
(変形例16)また、上記の実施の形態においては、有効期間バー90202の表示態様はキャラクタ画像に応じて一定であるが、同じキャラクタ画像であっても異なる態様となるようにしてもよい。この場合、有効期間バー90202の表示態様によって、大当り期待度が変化するようにしてもよい。例えば、第1キャラクタ画像90211が表示される場合においては、有効期間バー90202が緑色で表示されるよりも赤色で表示された方が大当り期待度が高くなるようにしてもよい。また、キャラクタ画像と有効期間バー90202の表示態様によって大当り期待度が変化するようにしてもよい。例えば、第1キャラクタ画像90211が表示される場合においては、有効期間バー90202が緑色で表示されるよりも赤色で表示された方が大当り期待度が高くなるが、第2キャラクタ画像90212が表示される場合においては、有効期間バー90202が緑色で表示されるよりも赤色で表示された方が大当り期待度が低くなるようにしてもよい。
(変形例17)また、上記のパチンコ遊技機において、いわゆるカスタマイズ機能を持たせてもよい。ここでのカスタマイズ機能は、例えば、可変表示ゲームが実行される際に主人公となるキャラクタを選択できる機能とすればよい。このようなカスタマイズ機能を有し、遊技者が主人公として第1キャラクタを選択した場合には、第1キャラクタ役物演出が実行されやすくなるようにしてもよい。あるいは、第1キャラクタが出現する、または第1キャラクタ役物が動作する演出が実行されたときに大当り期待度が高くなるようにしてもよい。あるいは、第2キャラクタ画像や第3キャラクタ画像とともに第1キャラクタ画像が表示されやすくするようにしてもよい。また、キャラクタの音声を発する場合に、第1キャラクタの音声を発しやすくなるようにしてもよい。
(変形例18)上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間、及びリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU90120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU90120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
(変形例19)この発明は、パチンコ遊技機901に限らずスロットマシン等にも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数を設定することによりゲームが開始可能になると共に、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機901が有する特徴の全部又は一部を備えるように構成されていればよい。
スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機901やスロットマシンは、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、且つ、入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
こうしたスロットマシンにおいて実行可能な演出として、上記実施の形態におけるキャラクタ役物演出(キャラクタ役物動作演出及びキャラクタ役物回転演出)、ボタン画像やコントローラ画像を表示してプッシュボタンやスティックコントローラ等の操作を促進する促進表示等が含まれていればよい。
(変形例20)その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、予告演出等の所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作、更には遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作等は、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、この発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(変形例21)この発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機901やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。更に、この発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
(変形例22)そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(変形例23)上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけに限らず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるものも含む概念である。
(変形例24)上記の実施の形態では、例えば「1」〜「8」の複数種類の特別図柄や飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様に限られない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯及び点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(変形例25)上記実施の形態において、各乱数の更新タイミングを異ならせたり、各乱数の更新範囲を異ならせたりすることによって、各乱数が同期しないようにしてもよい。
(変形例26)上記の実施形態では、主基板9011に乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、始動入賞時に主基板9011において抽出された乱数値に基づき、主基板9011が乱数値の判定用テーブルを参照し、乱数値の判定処理を実行し、演出制御基板9012は、主基板9011において判定された判定結果を受信して、受信した判定結果に基づき先読予告演出を実行する例を示したが、先読予告演出の実行態様はこれに限定されない。例えば、演出制御基板9012に上記乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、演出制御基板9012は、主基板9011において抽出された乱数値そのものを主基板9011から受信し、受信した乱数値に基づき乱数値の判定用テーブルを参照して乱数値の判定処理を実行し、判定処理の判定結果に基づき先読予告演出を実行するようにしてもよい。即ち、乱数値の判定処理を演出制御基板9012において行ってもよい。また、乱数値の判定処理を主基板9011と演出制御基板9012の両方で行ってもよい。例えば、演出制御基板9012は、一部の乱数値を受信して乱数値の判定処理を実行するとともに、主基板9011において判定された判定結果を受信してもよい。具体的には、例えば、演出制御基板9012は、乱数値を受信して大当りとなるか否かの判定及び大当りである場合は大当りの種別の判定を実行すると共に、乱数値に基づき主基板9011で判定された変動パターン種別の判定結果を受信するようにしてもよい。即ち、演出制御基板9012は、自ら判定した判定結果と主基板9011で判定された判定結果に基づき先読予告演出を実行することができる。
(変形例27)上記実施の形態では、演出制御基板9012の側で、主基板9011から演出制御コマンドを受信するための割込みが、主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばシリアル通信の先頭ビットによる割込み要求を以て、演出制御コマンドを受信するための割込みが発生するものとしてもよい。