JP2019154463A - スライダーの引手およびスライダーの引手の製造方法 - Google Patents

スライダーの引手およびスライダーの引手の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】引手本体の引っ張りやすさと、引手本体の外観の良さと、引手本体に対する紐の取付強度の良さとを兼ね備えるようにすることである。【解決手段】本発明のスライダーの引手は、長手方向の中間部で折り返してある紐(5)と、紐のうち長手方向の両側部を埋設してある樹脂製の引手本体(6)を備える。紐は、紐のうち折返し側の折返し部(5a)と、折返し部の両端から延びると共に前後方向に平行に且つ左右方向に隣り合わせに並べた状態で引手本体に埋設された埋設部(5b)を備える。埋設部は、紐の両側部の少なくとも一部において隣り合わせに溶着された溶着部(5c)を備える。引手本体は左右方向に延びる横棒部(6a)と、横棒部の左右方向の中間部から前後方向の一方向に延びる縦棒部(6b)を備え、縦棒部と横棒部の両内部に亘って埋設部を埋設し、横棒部の内部に紐の両端面を埋設してある。【選択図】 図1

Description

本発明は、スライドファスナーのスライダーに使用される引手およびその製造方法に関する。
スライダーは、スライドファスナーのエレメントを噛合および分離させるスライダー胴体と、スライダー胴体を移動させるためにスライダー胴体に取り付けられた引手とを備えるものである。そして引手の一例としては、スライダー胴体に対して長手方向の中間部が通される紐と、紐の長手方向の両側部を埋設してある樹脂製の引手本体とを備えるものが存在する(特許文献1,2)。
特許文献1の引手は、引手本体がT字状をしたものであった。より詳しくは引手本体は、T字状の交差部から左右方向に延びる横軸部と、左右方向に対して直交する前後方向のうち一方向に向かってT字状の交差部から延びる縦軸部とを備えるものであった。そして紐は、縦軸部に沿ってT字状の前後長さの全長に亘って埋設されていたので、紐の両端部の端面が横軸の表面に露出するものであった。
特許文献2の引手は、引手本体が長方形状をしたものであった。そして紐はその長手方向の両側部が引手本体の内部に完全に埋設されるものであった。したがって紐の長手方向の両端面は視認できないものであった。また引手本体は、引手本体の厚み方向の片面側の下カバー体と、当該厚み方向の反対面側の上カバー体とを備えるものである。そして引手本体は下カバー体と上カバー体の間に紐の両側部を埋設したものである。
また特許文献2の引手本体は2回の射出成形によって形成されるものである。より詳しくは以下の通りである。
第1回目の射出成形で引手本体の厚み方向の片面側の下カバー体を形成する。この下カバー体は、上カバー体を形成する面側に一対の爪を備えるものである。そして第2回目の射出成形の前に一対の爪の間に紐の両端部を揃えた状態で予め挿入し、第2回目の射出成形時の樹脂の勢いで紐の両端部がふらつかないようにする。そのうえで第2回目の射出成形をし、それによって引手本体の厚み方向の反対面側の上カバー体を形成する。
ちなみに射出成形時の樹脂の勢いで紐の両端部がふらつくと、紐の一部が引手本体の表面に露出するおそれがあり、その場合には外観に悪影響を与えることになる。
独国実用新案登録第202016004559号明細書(U1) 中国実用新案第201675168号明細書
特許文献1の引手は引手本体がT字状であるので、引っ張るときに横軸部に指が掛かりやすいもの、つまり引っ張りやすいものである。そして特許文献1の引手は、縦軸部に沿ってT字状の前後長さの全長に亘って紐が埋設されているので、引手本体に対する紐の取付強度が高いものである。その反面、特許文献1の引手は紐の端面が露出しているので、外観に悪影響を与えている。
特許文献2の引手は紐の端面が埋設され、露出していないので、外観の良いものである。また紐はその端面が長方形状の引手本体のうちその長手方向の中間部側に位置するので、特許文献1のような引手本体の前後方向の全長に亘って紐を埋設するものに比べれば、埋設量が少ないと言え、紐の取付強度が弱いものである。また特許文献2の引手は引手本体が長方形状であるので、T字状の引手本体に比べれば引っ張りにくいものである。
本発明の引手およびその製造方法は上記実情を考慮して創作されたもので、その目的は、引手本体の引っ張りやすさと、引手本体の外観の良さと、引手本体に対する紐の取付強度の良さとを兼ね備えるようにすることである。
本発明のスライダーの引手は、長手方向の中間部で折り返してある紐と、紐のうち長手方向の両側部を埋設してある樹脂製の引手本体とを備えるものである。紐は、紐のうち折返し側の折返し部と、折返し部の両端から延びると共に前後方向に平行に且つ左右方向隣り合わせに並べた状態で引手本体に埋設された埋設部とを備えるものである。埋設部は、紐の両側部の少なくとも一部において隣り合わせに並べた状態で溶着された溶着部を備える。引手本体は、直交する前後方向と左右方向のうち左右方向に延びる横棒部と、横棒部の左右方向の中間部から前後方向の一方向に延びる縦棒部とを備える。そのうえで縦棒部の内部と横棒部の内部との両方に亘って埋設部を埋設すると共に、横棒部の内部に紐の両端面を埋設してある。
また溶着部は引手本体のどこに埋設してあるかを問わない。一例としては以下のものが挙げられる。
すなわち溶着部は横棒部の内部に埋設してあるものである。
また埋設部はその長手方向の全部が溶着部であるか否かを問わない。一例としては以下のものが挙げられる。
すなわち埋設部は溶着部の他に非溶着部を備えるものである。
また溶着部の前後方向の長さ寸法と非溶着部の前後方向の長さ寸法との関係は問わない。一例としては以下のものが挙げられる。
すなわち溶着部の前後方向の長さ寸法は非溶着部の前後方向の長さ寸法よりも短いものである。
また横棒部の前後方向の長さ寸法と縦棒部の前後方向の長さ寸法との関係は問わない。一例としては以下のものが挙げられる。
横棒部の前後方向の長さ寸法は縦棒部の前後方向の長さ寸法よりも短いものである。
また埋設部はその全体が引手本体の厚み方向の同じ高さ位置に配置してあるか否かを問わない。ただしスライダー胴体を移動させようとして引手本体を引っ張ったときに、紐の折返し部が真っ直ぐに延びた状態になると、引手本体から紐の埋設部が抜け出る方向に力が加わる。埋設部が抜け出ないように、引手本体に対する紐(埋設部)の取付強度を向上するには次のようにすることが望ましい。
すなわち埋設部は、引手本体の厚み方向に曲がりながら前後方向に延びるものであり、埋設部における折返し部側の端部に対して埋設部における紐の両端部を前記引手本体の厚み方向の一方側に配置してあることである。
また溶着部は埋設部におけるどこに位置するかを問わないし、埋設部における折返し部側の端部に対する前記厚み方向の相対的な位置関係を考慮しなければ、引手本体の内部においてその厚み方向のどこに埋設されているかを問わないが、具体的な例としては以下のものがある。
すなわち溶着部は紐の両端部に位置すると共に、引手本体の内部においてその厚み方向の一方側に偏って埋設されているものである。
本発明のスライダーの引手の製造方法は、紐の両側部の少なくとも一部を隣り合わせに並べた状態で溶着する溶着工程と、紐の両側部を前後方向に平行に且つ左右方向に隣り合わせに並べた状態で第1の金型内で位置決めし、その位置決めした状態で引手本体のうち厚み方向の片面側である第1の半身体を射出成形することによって第1の半身体の上に紐の両側部が固定された仕掛品を形成する第1の射出成形工程と、第2の金型内で仕掛品を位置決めした状態で引手本体のうち厚み方向の反対面側である第2の半身体を射出成形することによって一体となった第1の半身体と第2の半身体の内部に紐の両端面が埋設された完成品を形成する第2の射出成形工程とを備える。
そして引手本体は、直交する前後方向と左右方向のうち横棒部と、横棒部の左右方向の中間部から前後方向の一方向に延びる縦棒部とを備えるものである。また仕掛品は、横棒部の厚み方向の片面側となる横棒半身部と、縦棒部の厚み方向の片面側となる第1の縦棒半身部と、第1の縦棒半身部および第1の横棒半身部の上に突出する状態で露出する紐露出部であって第1の縦棒半身部の全長に亘って延びると共に紐の両端面が第1の横棒半身部における前後幅の中間部の上に配置される紐露出部とを備えるものである。
本発明のスライダーの引手は、引手本体の構成を左右方向に延びる横棒部と、横棒部の左右方向の中間部から前後方向の一方向に延びる縦棒部とを備えるものとしてあるので、引手本体を引っ張りやすいものである。しかも本発明のスライダーの引手は、紐の両端面を引手本体の内部に埋設しているので、引手本体の外観の良いものであり、縦棒部の前後方向の全長および横棒部の前後方向の全長の一部に亘る範囲において紐を埋設してあるので、たとえば縦棒部の前後方向の全長にのみ紐を埋設するものに比べれば、引手本体に対する紐の取付強度の良いものである。
またスライダーの引手は、埋設部を引手本体の厚み方向に曲がりながら前後方向に延びるものとし、且つ埋設部における折返し部側の端部に対して埋設部における紐の両端部を引手本体の厚み方向の一方側に配置してあるものであれば、たとえば埋設部を真っ直ぐに延ばしたものに比べて、引手本体に対する紐の取付強度を向上することができる。
また本発明のスライダーの引手の製造方法は、引手本体の引っ張りやすさと、引手本体の外観の良さと、引手本体に対する紐の取付強度の良さとを兼ね備える完成品を形成することができる。
(a)〜(c)図は、本発明の第一実施形態のスライダーの引手を示す平面図、図1の(a)図のA−A線断面図、図1の(a)図のB−B線断面図である。 (a)〜(c)図は、第一実施形態のスライダーの引手を製造する金型を示す説明図、図2の(a)図のA−A線断面図、図2の(a)図のB−B線断面図である。 (a)(b)図は、第一実施形態のスライダーの引手における紐を金型に位置決めした状態を示す断面図、紐を下型に位置決めした状態を示す平面図である。 第一実施形態のスライダーの引手を製造する工程を示す説明図である。
本発明の第一実施形態の引手2が適用されたスライダーSが図1に示されている。
スライダーSは、スライドファスナーのエレメント(図示せず)を噛合および分離させるスライダー胴体1と、スライダー胴体1を移動させるためにスライダー胴体1に取り付けられた引手2とを備えるものである。
スライダー胴体1は、エレメントを噛合および分離させるための胴体本体部3と、胴体本体部3から突出すると共に引手2を取り付けるための引手取付部4とを備える。引手取付部4は、貫通穴(図示せず)が開いており、その貫通穴に引手2の一部を通して取り付ける。
引手2は、スライダー胴体1に通された紐5と、紐5の長手方向の両側部を埋設してある引手本体6とを備える。
紐5の構造は、一本の細長いものか、複数本の化学繊維を紡糸して細長くしたものである。また本実施形態での紐5は、化学繊維の中でも合成繊維を用いたものとする。また紐5はその原料を樹脂とするものであり、より望ましくは合成樹脂とするものである。また紐5は、その長手方向の中間部で折り返してある折返し部5aと、折返し部5aの両端から延びると共に引手本体6に埋設された埋設部5bとを備える。
折返し部5aは、紐5の長手方向の中間部で折り返された部分であり、折返し部5aにおける紐5の両端が引手本体6に固定されたものである。そして折返し部5aと引手本体6の一部とが協働してループ状になる。また折返し部5aは単独では、U字状に折り曲げられた部分であり、折返し部5aにおける紐5の折返し側が円弧状態となっており、折返し部5aにおける紐5の両端部が平行に且つ隣り合わせに並べた状態になっている。紐5の両端部が平行になっている方向を前後方向とし、紐5の両端部が隣り合わせになっている方向を左右方向とする。また前後方向と左右方向は互いに直交する方向である。そして折返し部5aは、スライダー胴体1の引手取付部4の貫通穴に通される。
埋設部5bは、紐5の長手方向の両側部、言い換えれば折返し部5a以外の部分である。そして埋設部は紐5の長手方向の両側部を前後方向に平行に且つ左右方向に隣り合わせに並べた部分である。
埋設部5bは、紐5の両側部のうち一部において隣り合わせに並べた状態で溶着されて一体化された溶着部5cと、溶着されていない(単に隣り合わせに並べられた)非溶着部5dとを備えるものである。
本実施形態では溶着部5cは紐5の両側部のうち両端部であり、非溶着部5dは紐5の両側部のうち折返し部5a側の部分となっている。また溶着部5cの前後方向の長さ寸法L1は非溶着部5dの前後方向の長さ寸法L2よりも短いものである。
引手本体6はその原料を樹脂とするものであり、より望ましくは合成樹脂とするものである。したがって引手本体6は樹脂製、より望ましくは合成樹脂製である。合成樹脂の一例は熱可塑性ポリウレタンである。引手本体6は一方向から視ると、T字状である。この一方向を引手本体6の厚み方向とする。厚み方向は前後方向と左右方向に直交する方向である。なお引手本体6の厚み方向は上下方向ということもある。
また引手本体6は、厚み方向から視て、左右方向に延びる横棒部6aと、横棒部6aの左右方向の中間部から前後方向の一方向に延びる縦棒部6bとを備えるものである。横棒部6aの前後方向の長さ寸法L3は縦棒部6bの前後方向の長さ寸法L4よりも短いものである。
縦棒部6bの前側と後側を区別する必要がある場合は、前側とはスライダー胴体1側であるものとし、後側とは横棒部6a側であるものとする。また横棒部6aの前側と後側とを区別する必要がある場合は、前側とはスライダー胴体1側(縦棒6b側)であるものとし、後側とは横棒部6aを中心にして縦棒部6bとは反対側であるものとする。
縦棒部6bはその前後長の全長に亘って埋設部5bを埋設してある。また縦棒部6bは埋設部5bの周囲の全面を覆っている。そして縦棒部6bの前面の中央部(左右方向の中央部で且つ上下方向の中央部)に紐5が配置される。
横棒部6aは、その左右方向の中間部に溶着部5cを埋設してある。より詳しく言えば横棒部6aは、その前後面のうち縦棒部6b側の面6a1(前面)に対して縦棒部6bとは反対側(後側)に溶着部5cの一部を埋設してある。なお当該縦棒部6b側の面6a1(前面)に対して縦棒部6b側にも溶着部5cの一部を埋設してある。また横棒部6aは溶着部5cの周囲の全面および端面(紐5の両端面)の全域を覆っている。
したがって引手本体6は、縦棒部6bと横棒部6aの両方に亘って埋設部5bを埋設すると共に、横棒部6aの内部に紐5の両端面を埋設してある。また引手本体6の内部において、埋設部5bは引手本体6の厚み方向に曲がりながら前後方向に延びている。より詳しく言えば埋設部5bは、縦棒部6bの前面から後方に向かって真っ直ぐに延びる第1の直線部5hと、第1の直線部5hの後端から上方に向かいながら後方に向かって湾曲しながら延びる湾曲部5iと、湾曲部5iの後端から後方に向かって真っ直ぐに延びる第2の直線部5jとを備える。
また第1の直線部5hは引手本体6の厚み方向(上下方向)の中間部に配置され、第2の直線部5jは引手本体6の厚み方向の一方側である上側に偏って配置される。そして第2の直線部5jは溶着部5cを含むことから、溶着部5cは引手本体6の内部においてその厚み方向の一方側である上側に偏って埋設される。
本発明の第一実施形態の引手2は、引手本体6をT字状にしてあるので(引手本体6の構成を横棒部6aと縦棒部6bとを備えるものとしてあるので)、横棒部6aで引手本体6を引っ張りやすい。また第一実施形態の引手2は、紐5の両端面を引手本体6の内部に埋設しているので、引手本体6の外観の良いものである。また第一実施形態の引手2は、縦棒部6bの前後方向の全長および横棒部6aの前後方向の全長の一部に亘る範囲において紐5を埋設してあるので、たとえば縦棒部6bの前後方向の全長にのみ紐5を埋設するものに比べれば、引手本体6に対する紐5の取付強度の良いものである。
また引手本体6を引っ張ったときにスライダー胴体1と引手本体6との間に加わる力によって、紐5の埋設部5bが引手本体6から抜け出ようとする力が発生する。そして第一実施形態の引手2は、紐5の両端部を溶着して一体にしてあるので、たとえば紐5の両端部が溶着していないものに比べれば、紐5の埋設部5bが抜け出にくくなる、言い換えれば引手本体6に対する紐5の取付強度を向上することができる。
また第一実施形態の引手2は、埋設部5bを引手本体6の厚み方向に曲がりながら前後方向に延びるものとし、埋設部5bにおける折返し部側の端部(非溶着部5dの一部)に対して埋設部5bにおける紐5の両端部(溶着部5c)と非溶着部5dの残部とを引手本体6の厚み方向の一方側に配置してあるので、たとえば埋設部5bを真っ直ぐに延ばしたものに比べて、引手本体6に対する紐5の取付強度を向上することができる。
上記した第一実施形態のスライダーSの引手2の製造方法は以下の第1〜第4の工程を備えるものである。
第1の工程はスライダー胴体1に紐5を通す工程である。より詳しく言えば第1の工程は、スライダー胴体1の引手取付部4における貫通穴に紐5をその長手方向の一端部から通す工程である。
第2の工程は紐5の両側部の少なくとも一部(紐5の両端部)を隣り合わせに並べた状態で溶着する溶着工程である。第2の工程は、紐5の両端部を左右に並べた状態とし、そのうえで紐5の両端部を加熱して部分的に溶融させ、紐5の両端部を溶着して溶着部5cにする工程である。
第3の工程は図1〜4に示すように、第1の金型11内で紐5の両側部を位置決めした状態で引手本体6のうち厚み方向の片面側である第1の半身体7を射出成形する工程、つまり第1の射出成形工程である。そして第1の射出成形工程は、射出成形することによって第1の半身体7の上に紐5の両側部が固定された仕掛品8を形成するものである。
第1の半身体7は図4に示すように、横棒部6aの厚み方向の片面側となる第1の横棒半身部7aと、縦棒部6bの厚み方向の片面側となる第1の縦棒半身部7bとを備える。なお第1の横棒半身部7aはT字状の交差部から左右方向に延びるものである。第1の縦棒半身部7bは、左右方向に対して直交する前後方向のうち一方向に向かってT字状の交差部から延びるものである。
仕掛品8は、第1の横棒半身部7aと、第1の縦棒半身部7bと、第1の縦棒半身部7bおよび第1の横棒半身部7aの上に突出する状態で露出する紐露出部5nとを備える。
紐露出部5nは紐の両側部であり、最終的には埋設部になる。紐露出部5nは、第1の縦棒半身部7bの前後方向の全長に亘って延びると共に紐5の両端面が第1の横棒半身部7aにおける前後幅の中間部の上に配置される。
第1の金型11は図2,3に示すように下型12と上型13とを用いる。
下型12は上型13に対向する面(パーティング面)に、紐5の溶着された両端部を位置決めする紐穴12aを備える。紐穴12aは、前後方向に延びるもので、溝状である。そして紐穴12aはその溝幅(左右方向の幅)を、紐5の両側左右に隣り合わせた紐5が嵌合する長さにしてある。
また紐穴12aは前側の溝である前溝部12bと後側の溝である後溝部12cとを備え、前溝部12bを後溝部12cに対して段差状に浅く形成してある。前溝部12bは紐5の第1の直線部5hに対応する部分である。後溝部12cは紐5の湾曲部5iおよび紐5の第2の直線部5jに対応する部分である。
上型13は下型12に対向する面(パーティング面)に第1の半身体7に対応する形状の第1の半身体穴13aを備える。第1の半身体穴13aは、T字状の交差部から左右方向に延びる横棒穴部13bと、前後方向のうち一方向に向かってT字状の交差部から延びる縦棒穴部13cとを備える。
第1の射出成形工程では、まず、上記した下型12の紐穴12aに紐5を嵌合する。嵌合するときには、紐5の両側部を前後方向に平行に且つ左右方向に隣り合わせに並べる。次に第1の金型11を閉じる。そうすると、紐5の一部(紐5の折返し部5aのうち埋設部5b側の端部)が上型13と下型12で潰された状態となると共に、第1の金型11内にキャビティが形成される。キャビティは、第1の半身体穴13aと、紐穴12aとによって形成される。その後に、上型13と下型12とを突き合わせたパーティング面の間であって折返し部5aとは反対側に形成されたゲートから溶融樹脂を紐5の長手方向に沿って射出すると、溶融樹脂は紐5の上側に流入し、その勢いで紐5は紐穴12aに押し付けられる。以上の第1の射出成形工程(第3の工程)によって仕掛品8が形成される。
第4の工程は、第2の金型(図示せず)内で第1の半身体7を位置決めした状態で引手本体6のうち厚み方向の反対面側である第2の半身体9を射出成形する工程、つまり第2の射出成形工程である。そして第2の射出成形工程は、射出成形することによって一体となった第1の半身体7と第2の半身体9の内部に紐5の両端面が埋設された完成品(引手2)を形成する。
第2の金型は第1の金型11と同様に下型と上型とを用いる。
下型は上型に対向する面(パーティング面)に、仕掛品8の第1の半身体7を位置決めする仕掛品穴を備える。
上型は下型に対向する面(パーティング面)に第2の半身体9に対応する形状の第2の半身体穴を備える。
第2の射出成形工程では、まず、上記した下型の仕掛品穴に仕掛品8を嵌合する。次に第2の金型を閉じる。その後に、上型と下型とを突き合わせたパーティング面の間であって折返し部5aとは反対側に形成されたゲートから溶融樹脂を紐5の長手方向に沿って射出すると、溶融樹脂は仕掛品8の紐露出部5nの上側に流入し、紐5の両側部の周囲および紐5の両端面を覆う。以上の第2の射出成形工程(第4の工程)によって完成品(引手2)が形成される。
上記した本発明の第一実施形態の引手2の製造方法は、引手本体6の引っ張りやすさと、引手本体6の外観の良さと、引手本体6に対する紐5の取付強度の良さとを兼ね備える完成品(引手)を形成することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えばスライダー胴体1に紐5を通す工程は、本実施形態の製造方法では、第1の工程であったが、本発明ではこれに限らず、第2の射出成形工程の後の工程でもよい。より詳しく言えば次の通りである。
第2の射出成形工程が終わった段階では、折返し部5aはU字状となっている。そしてU字状の折り曲げ部分をスライダー胴体1の引手取付部4の貫通穴に挿入してから、引手本体6を折り曲げ部分の内側に通すことによって、スライダー胴体1と紐5を一体にする。
したがって折返し部5aは本実施形態の引手2では、スライダー胴体1に通したものであり、スライダー胴体1に対して着脱不能なものであったが、本発明はこれに限らず、スライダー胴体1に対して着脱可能なものであっても良い。
S スライダー
1 スライダー胴体
2 引手
3 胴体本体部
4 引手取付部
5 紐
5a 折返し部
5b 埋設部
5c 溶着部
5d 非溶着部
5h 第1の直線部
5i 湾曲部
5j 第2の直線部
5n 紐露出部
6 引手本体
6a 横棒部
6b 縦棒部
6a1 横棒部のうち縦棒部側の面
7 第1の半身体
7a 横棒半身部
7b 縦棒半身部
8 仕掛品
9 第2の半身体
11 第1の金型
12 下型
12a 紐穴
12b 前溝部
12c 後溝部
13 上型
13a 第1の半身体穴
13b 横棒穴部
13c 縦棒穴部
L1 溶着部の前後方向の長さ寸法
L2 非溶着部の前後方向の長さ寸法
L3 横棒部の前後方向の長さ寸法
L4 縦棒部の前後方向の長さ寸法

Claims (8)

  1. 長手方向の中間部で折り返してある紐(5)と、前記紐(5)のうち長手方向の両側部を埋設してある樹脂製の引手本体(6)とを備え、
    前記紐(5)は、前記紐(5)のうち折返し側の折返し部(5a)と、折返し部(5a)の両端から延びると共に前後方向に平行に且つ左右方向に隣り合わせに並べた状態で前記引手本体(6)に埋設された埋設部(5b)と、
    を備え、
    前記埋設部(5b)は、前記紐(5)の両側部の少なくとも一部において隣り合わせに並べた状態で溶着された溶着部(5c)を備え、
    前記引手本体(6)は、直交する前後方向と左右方向のうち左右方向に延びる横棒部(6a)と、前記横棒部(6a)の左右方向の中間部から前後方向の一方向に延びる縦棒部(6b)とを備え、前記縦棒部(6b)の内部と前記横棒部(6a)の内部との両方に亘って前記埋設部(5b)を埋設すると共に、前記横棒部(6a)の内部に前記紐(5)の両端面を埋設してあることを特徴とするスライダーの引手。
  2. 前記溶着部(5c)は前記横棒部(6a)の内部に埋設してあることを特徴とする請求項1記載のスライダーの引手。
  3. 前記埋設部(5b)は前記溶着部(5c)の他に非溶着部(5d)を備えることを特徴とする請求項1または2記載のスライダーの引手。
  4. 前記溶着部(5c)の前後方向の長さ寸法(L1)は前記非溶着部(5d)の前後方向の長さ寸法(L2)よりも短いことを特徴とする請求項3記載のスライダーの引手。
  5. 前記横棒部(6a)の前後方向の長さ寸法(L3)は前記縦棒部(6b)の前後方向の長さ寸法(L4)よりも短いことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のスライダーの引手。
  6. 前記埋設部(5b)は、前記引手本体(6)の厚み方向に曲がりながら前後方向に延びるものであり、前記埋設部(5b)における折返し部(5a)側の端部に対して前記埋設部(5b)における前記紐(5)の両端部を前記引手本体(6)の厚み方向の一方側に配置してあることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のスライダーの引手。
  7. 前記溶着部(5c)は前記紐(5)の両端部に位置すると共に、前記引手本体(6)の内部においてその厚み方向の一方側に偏って埋設されていることを特徴とする請求項6に記載のスライダーの引手。
  8. 紐(5)の両側部の少なくとも一部を隣り合わせに並べた状態で溶着する溶着工程と、
    前記紐(5)の両側部を前後方向に平行に且つ左右方向に隣り合わせに並べた状態で第1の金型(11)内で位置決めし、その位置決めした状態で引手本体(6)のうち厚み方向の片面側である第1の半身体(7)を射出成形することによって前記第1の半身体(7)の上に前記紐(5)の両側部が固定された仕掛品(8)を形成する第1の射出成形工程と、
    第2の金型内で前記仕掛品(8)を位置決めした状態で前記引手本体(6)のうち厚み方向の反対面側である第2の半身体(9)を射出成形することによって一体となった前記第1の半身体(7)と前記第2の半身体(9)の内部に前記紐(5)の両端面が埋設された完成品を形成する第2の射出成形工程とを備え、
    前記引手本体(6)は、直交する前後方向と左右方向のうち左右方向に延びる横棒部(6a)と、前記横棒部(6a)の左右方向の中間部から前後方向の一方向に延びる縦棒部(6b)とを備えるものであり、
    前記仕掛品(8)は、前記横棒部(6a)の厚み方向の片面側となる横棒半身部(7a)と、前記縦棒部(6b)の厚み方向の片面側となる第1の縦棒半身部(7b)と、前記第1の縦棒半身部(7b)および前記第1の横棒半身部(7a)の上に突出する状態で露出する紐露出部(5n)であって前記第1の縦棒半身部(7b)の全長に亘って延びると共に前記紐(5)の両端面が前記第1の横棒半身部(7a)における前後幅の中間部の上に配置される前記紐露出部(5n)とを備えることを特徴とするスライダーの引手の製造方法。
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