以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。なお、本発明における装置、器具、及び部品等の、個数、配置、向き、形状、及び大きさは、原則として、図面に示す個数、配置、向き、形状、及び大きさに限定されない。
実施の形態1.
≪機器構成≫
図1は、実施の形態1の貯湯式給湯システムを示す構成図である。図1に示すように、本実施の形態1の貯湯式給湯システム1は、蓄熱槽10、加熱装置2、循環ポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41、湯はり温調弁42、追焚き熱交換器5、沸上げ往き配管301a、沸上げ戻り配管301b、給水配管302、高温導出配管303、温調配管304、湯栓配管305、浴槽往き配管306a、浴槽戻り配管306b、追焚き往き配管307a、追焚き戻り配管307b、及び、各アクチュエータを制御する制御装置100等を備える。浴槽往き配管306a及び浴槽戻り配管306bは、浴槽6へつながる。湯栓配管305は、蛇口、シャワーなどの湯栓(図示省略)へつながる。
蓄熱槽10には、湯水が溜められる。本実施の形態における蓄熱槽10は、上側が高温で下側が低温になる温度成層を形成して湯水を貯留できる。加熱装置2は、水を加熱して湯を生成する加熱手段の例である。本実施の形態における蓄熱槽10内には、蓄熱槽10は、加熱される前の低温水と、加熱装置2で加熱された後の湯すなわち高温水とを貯留できる。加熱装置2は、水を加熱するときに電力を消費する。加熱装置2としては、例えば、ヒートポンプ式加熱装置が好ましく用いられる。本実施の形態では、加熱装置2の加熱能力(時間当たりに水に与える熱量)を可変に設定できる。ヒートポンプ式加熱装置の場合には、例えばインバータ制御によってヒートポンプの圧縮機の動作速度を変化させることで、加熱能力を変化させることができる。本発明における加熱装置は、ヒートポンプを用いるものに限定されず、例えば、電気ヒータを用いるものでもよい。
水道等から供給される低温水が給水配管302を通って蓄熱槽10の下部に流入することで、蓄熱槽10内は満水状態に維持される。蓄熱運転は、蓄熱槽10の蓄熱量を増加させる運転である。蓄熱運転のときには、以下のようになる。蓄熱槽10の下部から導出された水が沸上げ往き配管301aを通って加熱装置2に導かれる。加熱装置2で加熱された湯が沸上げ戻り配管301bを通って蓄熱槽10の上部に流入する。蓄熱槽10の内部では、高温水と低温水との間の温度境界層が徐々に下へ移動する。
高温導出配管303は、蓄熱槽10の上部と、湯栓温調弁41及び湯はり温調弁42との間をつなぐ。蓄熱槽10に貯留された湯を、高温導出配管303により、湯栓温調弁41及び湯はり温調弁42へ供給できる。温調配管304は、給水配管302から分岐する。温調配管304は、湯栓温調弁41及び湯はり温調弁42に接続されている。給水配管302から供給される低温水を温調配管304により湯栓温調弁41及び湯はり温調弁42へ供給できる。高温導出配管303から供給される湯と温調配管304から供給される低温水とを湯栓温調弁41で混合することで湯栓への給湯温度を調節できる。高温導出配管303から供給される湯と温調配管304から供給される低温水とを湯はり温調弁42で混合することで浴槽6への湯はり温度を調節できる。
湯栓温調弁41にて温度調節された湯は、湯栓配管305を通って、湯栓へ供給される。湯はり温調弁42は、浴槽往き配管306aを介して、浴槽6に接続されている。追焚き熱交換器5は、浴槽6から循環する湯を加熱することで浴槽6内の湯を追焚きする。追焚きは、浴槽6内の湯の保温または加温を目的とする。追焚き熱交換器5の二次側流路は、浴槽往き配管306aの途中に接続されている。浴槽戻り配管306bは、湯はり温調弁42と追焚き熱交換器5との間の浴槽往き配管306aから分岐して、浴槽6に接続されている。浴槽6への湯はり時には、湯はり温調弁42にて温度調節された湯が、浴槽往き配管306a及び浴槽戻り配管306bを通って、浴槽6へ導かれる。
追焚き往き配管307aは、蓄熱槽10の上部と、追焚き熱交換器5の一次側流路の入口との間をつなぐ。追焚き戻り配管307bは、追焚き熱交換器5の一次側流路の出口と、蓄熱槽10の下部または中間部との間をつなぐ。追焚き時には、以下のようになる。浴槽6内の湯が浴槽戻り配管306bを通って追焚き熱交換器5に導かれる。追焚き熱交換器5で加熱された湯が浴槽往き配管306aを通って浴槽6内に戻る。蓄熱槽10から導出された熱源用の湯が追焚き往き配管307aを通って追焚き熱交換器5に導かれる。追焚き熱交換器5での熱交換によって温度低下した熱源用の湯が追焚き戻り配管307bを通って蓄熱槽10へ戻る。
蓄熱運転時に湯水を循環させる循環ポンプ31は、比較的低温な沸上げ往き配管301aの途中に接続されることが望ましい。追焚き時に熱源用の湯を追焚き熱交換器5に循環させる追焚きポンプ32は、比較的低温な追焚き戻り配管307bの途中に接続されることが望ましい。追焚き時に浴槽6内の湯を追焚き熱交換器5に循環させる浴槽ポンプ33は、比較的低温な浴槽戻り配管306bの途中に接続されることが望ましい。
制御装置100は、加熱装置2、循環ポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41、及び湯はり温調弁42の動作を制御する。制御装置100は、貯湯式給湯システム1が行う各種の運転動作を制御する。本実施の形態であれば、制御装置100が湯はり温調弁42を制御することで、自動湯はりを行うことが可能となる。
蓄熱槽10には、高さ方向に間隔をおいて、貯湯温度センサ501a〜501fが設けられている。図示の構成では、貯湯温度センサ501a〜501fの個数を6個としているが、貯湯温度センサの個数はこれに限定されるものではない。蓄熱槽10の内部の温度分布をより高精度に測定するのに充分な数の温度センサを設けるようにしてもよい。
沸上げ戻り配管301bには、加熱装置2で加熱された湯の温度、すなわち沸上げ温度を検知する沸上げ温度センサ502が備えられている。給水配管302には、給水温度を検知する給水温度センサ504が備えられている。蓄熱槽10の上部には、蓄熱槽10から導出される高温水の温度を検知する導出温度センサ503が備えられている。湯栓配管305には、湯栓に供給される湯の温度を検知する湯栓温度センサ505が備えられている。
浴槽戻り配管306bには、浴槽から追焚き熱交換器5に流れ込む浴槽戻り温度を検知する浴槽戻り温度センサ506が備えられている。浴槽ポンプ33によって浴槽6内の湯を浴槽戻り配管306bに引き込むことで、浴槽戻り温度センサ506を、浴槽温度を検知する手段として利用してもよい。浴槽戻り温度センサ506を、自動湯はり時の湯はり温度を検知する手段として利用してもよい。
追焚き戻り配管307bには、追焚き熱交換器5から蓄熱槽10に戻る湯の温度、すなわち追焚き戻り温度を検知する追焚き戻り温度センサ507が備えられている。追焚き戻り温度センサ507で追焚き戻り温度を検知することに代えて、制御装置100が、追焚きポンプ32の回転速度、浴槽ポンプ33の回転速度、熱源用の湯の温度、及び浴槽戻り温度等から、追焚き戻り温度を推定してもよい。
湯栓配管305には、湯栓での使用湯量を検知するための湯栓流量センサ601が備えられている。浴槽往き配管306aには、湯はりで浴槽6へ供給される湯量を検知するための湯はり流量センサ602が備えられている。
制御装置100は、リモコン50と双方向にデータ通信可能に接続されている。リモコン50は、貯湯式給湯システム1が備える操作端末の例である。制御装置100とリモコン50との間の通信は、有線通信でも無線通信でもよい。リモコン50は、例えば、浴室、台所等に設置されてもよい。
制御装置100は、さらに他の機器に対して通信可能に接続されていてもよい。例えば、本実施の形態のように、制御装置100は、HEMS(Home Energy Management System)コントローラ60に対して、双方向にデータ通信可能に接続されていてもよい。HEMSコントローラ60は、エネルギー管理システムのコントローラの例である。HEMSコントローラ60は、制御装置100のほか、住居で用いられる各機器(図示省略)と双方向にデータ通信可能に接続されている。HEMSコントローラ60と、制御装置100を含む各機器との間の通信は、有線通信でも無線通信でもよい。HEMSコントローラ60は、住居で用いられる機器を全体的に統制することで住居におけるエネルギー需給を総合的に管理するシステムを構成できる。HEMSコントローラ60は、例えばインターネットのような通信回線70を介して、外部のサーバーコンピュータ80とデータ通信可能に接続されていてもよい。サーバーコンピュータ80は、貯湯式給湯システム1が使用する電力を供給する電力供給事業者(以下、「電力会社」と称する)などから提供される情報を配信可能であってもよい。
図2は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1における信号の流れを表すブロック図である。図3は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1の特徴的動作を説明するための図である。図3中に、本実施の形態におけるリモコン50の外観を示す。図3に示すように、本実施の形態におけるリモコン50は、ユーザーが操作するスイッチ類などを含む操作部50aと、情報を表示可能な表示装置50bとを備える。リモコン50は、音声アナウンス装置などを備えてもよい。ユーザーは、リモコン50の操作部50aを操作することにより、給湯温度の設定、蓄熱運転、湯はり動作、追焚き動作等の指示及び予約などを行うことができる。リモコン50の表示装置50bには、給湯設定温度などの情報を表示可能である。
図2に示すように、本実施の形態における制御装置100は、蓄熱量算出部101、必要熱量設定部104、蓄熱運転制御部105、弁制御部106、目標温度設定部107、ポンプ制御部108、パラメーター決定部109、日時検知部110、及び料金情報取得部111を備える。
制御装置100には、貯湯温度センサ501a〜501f、沸上げ温度センサ502、導出温度センサ503、給水温度センサ504、湯栓温度センサ505、浴槽戻り温度センサ506、追焚き戻り温度センサ507、湯栓流量センサ601、及び、湯はり流量センサ602で検知される情報が入力される。制御装置100は、入力されたこれらの情報に基づいて、加熱装置2、循環ポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41、及び湯はり温調弁42を制御する。
目標温度設定部107は、ユーザーによってリモコン50に入力された情報などに基づいて、湯栓への目標給湯温度、浴槽6へ供給する湯の目標温度、浴槽6の保温または追焚きの際に制御目標とする温度、すなわち目標浴槽温度などを設定する。日時検知部110は、時刻及び時間を検知するタイマー機能と、日付を検知するカレンダー機能とを有する。
蓄熱量算出部101は、貯湯温度センサ501a〜501fで検知された温度分布の情報に基づいて、蓄熱槽10内の湯の有する蓄熱量の内で湯栓負荷に有効な蓄熱量を算出する。例えば、湯栓負荷においては蓄熱槽10内の湯の有する熱エネルギーを、給水配管302から供給される低温水に混合することで使用する。この場合、蓄熱量算出部101は、給水配管302の給水温度を熱エネルギーの基準温度として、蓄熱槽10の容積に関して熱エネルギーを積分することで蓄熱量を算出してもよい。また、蓄熱量算出部101は、所定の温度(例えば45℃)以上の湯の領域に関してのみ、熱エネルギーを積分して蓄熱量を算出してもよい。
また、蓄熱量算出部101は、貯湯温度センサ501a〜501fで検知された情報、及び、目標温度設定部107で設定された目標温度に基づいて、蓄熱槽10内の湯の有する蓄熱量の内で、追焚きに有効な蓄熱量を算出してもよい。追焚きにおいては追焚き往き配管307aを通じて追焚き熱交換器5に導かれた高温の湯は、追焚き熱交換器5において浴槽系統に熱を供給して温度が低下した後、追焚き戻り配管307bから蓄熱槽10に戻される。従って、蓄熱槽10内の湯の有する熱エネルギーの内、追焚きにおいて有効に利用される熱エネルギーは、貯湯温度から追焚き戻り温度を減算した部分である。このような事項を鑑みて、蓄熱量算出部101は、追焚き熱交換器5から蓄熱槽10に戻る追焚き戻り温度を熱エネルギーの基準温度として、蓄熱槽10の容積に関して熱エネルギーを積分することで、追焚きに有効な蓄熱量を算出してもよい。
ここで、追焚き戻り温度は、追焚きの開始から終了まで変化し続けるので、蓄熱量算出には厳密には蓄熱槽10の各部分の高温の湯が実際に追焚きに使われる際の追焚き戻り温度を用いる必要がある。しかしながら、実際の運転の際の追焚き戻り温度の予測は困難である。そこで、蓄熱量算出に用いる追焚き戻り温度は、目標温度設定部107で検知される情報と、浴槽戻り温度センサ506で検知される情報とに基づいて予測されてもよい。例えば、浴槽温度が目標浴槽温度で一定であると仮定し、これに追焚き熱交換器の性能に依存した所定の温度差を加えて追焚き戻り温度を予測してもよい。また、浴槽温度を現在の浴槽温度と目標浴槽温度の平均値で一定と仮定し、追焚き熱交換器5の性能に依存した所定の温度差を加えることによって、追焚きの開始から終了までの平均の追焚き戻り温度を予測してもよい。上記の、追焚き熱交換器5の性能に依存した所定の温度差は、設計段階で定めてもよいし、経年劣化を想定して、追焚き運転中の追焚き戻り温度センサ507の出力と浴槽戻り温度センサ506の出力との差分によって学習するようにしてもよい。
必要熱量設定部104は、過去のユーザーの湯栓負荷実績、または所定の設計値に基づいて、湯栓負荷に対して湯切れを回避するために必要な蓄熱量(以下、「最低蓄熱量」と称する)を設定する。必要熱量設定部104は、例えば、以下のようにして、最低蓄熱量を設定してもよい。過去のユーザーの湯栓負荷実績に基づいて最低蓄熱量を算出する場合には、湯栓温度センサ505で検知される情報、湯栓流量センサ601で検知される情報、浴槽戻り温度センサ506で検知される湯はり温度、及び、湯はり流量センサ602で検知される情報に基づいて、毎日の湯栓負荷実績を所定の時間間隔で記憶及び学習する。その学習された所定の時間間隔の湯栓負荷に対して湯切れが発生しない熱量として、最低蓄熱量を算出してもよい。所定の加熱能力による蓄熱運転を同時に実施可能であることを考慮して、最低蓄熱量を算出してもよい。所定の時間間隔における合計負荷から、その時間間隔において蓄熱可能な熱量を減算することによって、最低蓄熱量を算出してもよい。所定の設計値に基づいて最低蓄熱量を設定する場合は、例えば、一般的に多量の湯栓負荷が予測される時間帯(例えば17時〜23時)には最低蓄熱量を大きく設定し、それ以外の時間帯は最低蓄熱量を小さく設定してもよい。最低蓄熱量を大きく設定する場合には、例えば、42℃換算で300Lに相当する熱量を最低蓄熱量としてもよい。最低蓄熱量を小さく設定する場合には、例えば、42℃換算で50Lに相当する熱量を最低蓄熱量としてもよい。
また、必要熱量設定部104は、過去のユーザーの追焚き実績、または現在の浴槽6の温度及び湯量の状況、あるいはその両方の情報に基づいて、追焚きに必要な蓄熱量を予測してもよい。追焚き負荷は、浴槽6の温度を現時点の温度から目標浴槽温度まで上昇させるのに必要な熱量である。追焚き負荷は、例えば、浴槽6の湯量(例えば200L)に、目標浴槽温度(例えば40℃)と現時点の浴槽温度(例えば30℃)との差を乗算し、更に水の密度(例えば1kg/L)及び比熱(例えば1cal/g℃)を乗算することで算出できる。
この場合、浴槽6の湯量は、例えば、一般的な値(例えば200L)を使用してもよいし、ユーザーがリモコン50で設定する値を使用してもよい。また、蓄熱槽10から浴槽6へ湯を直接放出するシステムの場合には、当該放出経路に流量計を設置し、その流量の積算値を浴槽6の湯量として使用してもよい。また、当該システムにおいて、例えば浴槽戻り配管306b内に圧力センサなどによる水位検知手段を設け、蓄熱槽10から浴槽6への湯の直接放出の際に、積算流量と水位との相関を初期学習しておき、その後は、浴槽6の水位から逆算して推定できる値を浴槽6の湯量として使用してもよい。
また、過去の追焚き負荷を学習して記憶するようなシステムの場合は、当該学習結果の過去所定期間内の最大値または平均値といった形で当日の追焚き負荷を予測してもよい。ここでの追焚き負荷の学習は、浴槽6の湯量と追焚き運転の開始時と終了時の温度差とから算出される値に基づいて学習してもよいし、浴槽戻り配管306bまたは浴槽往き配管306aを循環する流量を、流量計で直接的に検知した値、または浴槽ポンプ33への制御信号から間接的に検知した値と、追焚き熱交換器5の二次側流路の出入り口の温度差とから算出される値に基づいて学習してもよい。また、追焚きに必要な蓄熱量の予測に際し、追焚き負荷そのものを必要な蓄熱量としてもよいし、追焚き運転中に加熱装置2が生成可能な熱量を追焚き負荷から減算した値を、必要な蓄熱量としてもよい。
蓄熱運転制御部105は、加熱装置2及び循環ポンプ31の動作を制御することで、蓄熱運転を制御する。蓄熱運転制御部105は、循環ポンプ31の動作速度を制御することで、蓄熱運転時の水の循環流量を制御してもよい。パラメーター決定部109は、蓄熱運転に関する制御パラメーターである蓄熱運転パラメーターを決定する。パラメーター決定部109が行う処理については後述する。
弁制御部106は、目標温度設定部107で設定された目標給湯温度に基づいて、湯栓温調弁41から流出する湯の温度が目標給湯温度に近づくように湯栓温調弁41の動作を制御する。また、弁制御部106は、目標温度設定部107で設定された目標浴槽温度に基づいて、湯はり温調弁42から流出する湯の温度が目標浴槽温度に近づくように湯はり温調弁42の動作を制御する。ポンプ制御部108は、追焚きポンプ32及び浴槽ポンプ33の動作を制御する。ポンプ制御部108は、追焚き時に、追焚きポンプ32の動作速度を制御することで、熱源用の湯の循環流量を制御してもよい。ポンプ制御部108は、追焚き時に、浴槽ポンプ33の動作速度を制御することで、浴槽水の循環流量を制御してもよい。
料金情報取得部111は、時間帯別電気料金設定の内容に関する情報(以下、「時間帯別料金設定情報」と称する)を取得する。時間帯別電気料金設定は、通常、電力会社の電気料金メニューに対応して定められている。時間帯別電気料金設定は、例えば、一日すなわち24時間を複数の時間帯に区分し、各時間帯について異なる電力量料金単価を設定するものである。時間帯別電気料金設定の例について以下に説明する。
(例1)23時から7時までの時間帯と、7時から23時までの時間帯との二つに分ける。23時から7時までの時間帯の電力量料金単価をA円/kWhとし、7時から23時までの時間帯の電力量料金単価をB円/kWhとする。この場合、A円<B円でもよい。
(例2)22時から8時までの時間帯と、8時から22時までの時間帯との二つに分ける。22時から8時までの時間帯の電力量料金単価をC円/kWhとし、8時から22時までの時間帯の電力量料金単価をD円/kWhとする。この場合、C円<D円でもよい。
(例3)23時から7時までの時間帯と、7時から10時までの時間帯と、10時から17時までの時間帯と、17時から23時までの時間帯との四つに分ける。23時から7時までの時間帯の電力量料金単価をE円/kWhとし、7時から10時までの時間帯の電力量料金単価をF円/kWhとし、10時から17時までの時間帯の電力量料金単価をG円/kWhとし、17時から23時までの時間帯の電力量料金単価をH円/kWhとする。この場合、E円<F円=H円<G円でもよい。
(例4)23時から7時までの時間帯と、7時から13時までの時間帯と、13時から16時までの時間帯と、16時から23時までの時間帯との四つに分ける。23時から7時までの時間帯の電力量料金単価をI円/kWhとし、7時から13時までの時間帯の電力量料金単価をJ円/kWhとし、13時から16時までの時間帯の電力量料金単価をK円/kWhとし、16時から23時までの時間帯の電力量料金単価をL円/kWhとする。この場合、I円<J円=L円<K円でもよい。
電力会社の電気料金メニューによっては、例えばピークシフトプランなどのように、季節または月によって時間帯別電気料金設定が異なる契約になる場合もある。例えば、夏季(例えば7月〜9月)においては上記(例4)の時間帯別電気料金設定を適用し、それ以外の季節(例えば10月〜6月)においては上記(例1)の時間帯別電気料金設定を適用する契約とした電気料金メニューもあり得る。
料金情報取得部111が取得する時間帯別料金設定情報は、時間帯を区分する時刻の情報と、各時間帯の電力量料金単価の情報とを含んでもよい。料金情報取得部111が取得する時間帯別料金設定情報は、一日のうちの所定時間毎(例えば1時間毎)の電力量料金単価の情報を含んでもよい。
リモコン50は、ユーザーがリモコン50を操作することで時間帯別料金設定情報を入力できるように構成されていてもよい。その場合、料金情報取得部111は、リモコン50との通信により時間帯別料金設定情報を取得できる。リモコン50は、ユーザーが契約する電力会社の名称及び電気料金メニューの名称をユーザーが入力、またはリストから選択できるように構成されていてもよい。
HEMSコントローラ60と通信可能な操作端末(図示省略)をユーザーが操作することで時間帯別料金設定情報を入力できるように構成されていてもよい。その場合、当該操作端末をユーザーが操作することでHEMSコントローラ60が時間帯別料金設定情報を取得できる。当該操作端末は、例えば、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯用端末を含んでもよい。当該操作端末は、ユーザーが契約する電力会社の名称及び電気料金メニューの名称をユーザーが入力、またはリストから選択できるように構成されていてもよい。HEMSコントローラ60は、通信回線70を介して、電力会社等の外部のサーバーコンピュータ80から時間帯別料金設定情報を取得してもよい。HEMSコントローラ60は、外部のサーバーコンピュータ80等から受信した各電力会社の各電気料金メニューの内容と、ユーザーにより入力または選択された電力会社及び電気料金メニューの名称とを照合することで、時間帯別料金設定情報を取得してもよい。HEMSコントローラ60が時間帯別料金設定情報を取得した場合には、料金情報取得部111は、HEMSコントローラ60との通信により時間帯別料金設定情報を取得できる。
制御装置100が通信回線70を介して外部のサーバーコンピュータ80とデータ通信可能に接続されている場合には、料金情報取得部111は、通信回線70を介して外部のサーバーコンピュータ80から受信した情報に基づいて、時間帯別料金設定情報を取得してもよい。この場合、料金情報取得部111は、HEMSコントローラ60を介さずに、外部のサーバーコンピュータ80から時間帯別料金設定情報を取得できる。
ユーザーが電力会社との契約内容を変更することで、適用される電気料金メニューが変更される場合がある。適用される電気料金メニューが変更されることで、時間帯別電気料金設定の内容が変わる場合がある。ユーザーが電力会社自体を他の電力会社に乗り換えることも考えられる。ユーザーが契約する電力会社が変更されることで、時間帯別電気料金設定の内容が変わる場合がある。また、前述したように、電力会社の電気料金メニューによっては、季節または月によって時間帯別電気料金設定が異なる契約になる場合もある。その場合には、ユーザーが電力会社との契約内容を変更していなくても、季節または月によって時間帯別電気料金設定の内容が変わる場合がある。これらの場合において、料金情報取得部111は、時間帯別電気料金設定が変更される予定日に関する情報(以下、「変更予定日情報」と称する)を事前に取得する。
料金情報取得部111が取得する変更予定日情報は、例えば、時間帯別電気料金設定が変更される予定日の日付そのものの情報を含んでもよい。料金情報取得部111が取得する変更予定日情報は、例えば、本日から何日後に時間帯別電気料金設定が変更されるかを示す日数の情報を含んでもよい。以下の説明では、時間帯別電気料金設定が変更される予定日を「変更予定日」と称する。
リモコン50は、ユーザーがリモコン50を操作することで変更予定日情報を入力できるように構成されていてもよい。その場合、料金情報取得部111は、リモコン50との通信により変更予定日情報を取得できる。リモコン50は、変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報をユーザーが入力できるように構成されていてもよい。その場合、料金情報取得部111は、リモコン50との通信により、変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報を取得できる。リモコン50は、変更予定日以降における電力会社の名称及び電気料金メニューの名称をユーザーが入力、またはリストから選択できるように構成されていてもよい。
HEMSコントローラ60と通信可能な操作端末をユーザーが操作することで変更予定日情報を入力できるように構成されていてもよい。その場合、当該操作端末をユーザーが操作することでHEMSコントローラ60が変更予定日情報を取得できる。当該操作端末は、変更予定日以降における電力会社の名称及び電気料金メニューの名称をユーザーが入力、またはリストから選択できるように構成されていてもよい。HEMSコントローラ60は、通信回線70を介して、電力会社等の外部のサーバーコンピュータ80から変更予定日情報を取得してもよい。HEMSコントローラ60が変更予定日情報を取得した場合には、料金情報取得部111は、HEMSコントローラ60との通信により変更予定日情報を取得できる。
HEMSコントローラ60は、通信回線70を介して、電力会社等の外部のサーバーコンピュータ80から、変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報を取得してもよい。HEMSコントローラ60は、外部のサーバーコンピュータ80等から受信した各電力会社の各電気料金メニューの内容と、ユーザーにより入力または選択された、変更予定日以降における電力会社及び電気料金メニューの名称とを照合することで、変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報を取得してもよい。変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報をHEMSコントローラ60が取得した場合には、料金情報取得部111は、HEMSコントローラ60との通信により、変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報を取得できる。
制御装置100が通信回線70を介して外部のサーバーコンピュータ80とデータ通信可能に接続されている場合には、料金情報取得部111は、通信回線70を介して外部のサーバーコンピュータ80から受信した情報に基づいて、変更予定日情報と、変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報との少なくとも一方を取得してもよい。この場合、料金情報取得部111は、HEMSコントローラ60を介さずに、外部のサーバーコンピュータ80から、変更予定日情報と、変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報との少なくとも一方を取得できる。
以上、本実施の形態1の貯湯式給湯システム1の構成を説明した。次に、本実施の形態1の貯湯式給湯システム1の動作について更に説明する。
≪基本的運転動作≫
まず、本実施の形態1の貯湯式給湯システム1の基本的な運転動作を説明する。
[蓄熱運転]
蓄熱運転のときには、以下のようになる。蓄熱槽10の下部に溜められた低温水は、循環ポンプ31によって沸上げ往き配管301aに引き込まれ、加熱装置2に導かれる。沸上げ往き配管301aを通って加熱装置2に導かれる。加熱装置2は、導かれた低温水を加熱することで高温の湯を生成する。加熱装置2で加熱する湯の目標温度、すなわち沸上げ温度の目標値は、以下のように設定されてもよい。沸上げ温度の目標値は、レジオネラを殺菌できる温度として設定されてもよい。沸上げ温度の目標値は、蓄熱槽10の容量によって制限される貯湯量の湯で必要な蓄熱量を確保可能な温度として設定されてもよい。蓄熱運転制御部105は、沸上げ温度センサ502で検知される沸上げ温度が当該目標値に実質的に一致するように、加熱装置2及び循環ポンプ31の動作を制御する。
[一括沸上げ]
本実施の形態1の貯湯式給湯システム1が実施する蓄熱運転には、一括沸上げが含まれる。一括沸上げは、電力量料金単価が最低になる時間帯に行われる蓄熱運転である主蓄熱運転の例である。以下の説明では、電力量料金単価が最低になる時間帯を「割安時間帯」と称する。例えば、前述した(例1)、(例3)、及び(例4)の時間帯別電気料金設定においては、23時から7時までの8時間の時間帯が割安時間帯に相当する。前述した(例2)の時間帯別電気料金設定においては、22時から8時までの10時間の時間帯が割安時間帯に相当する。
一括沸上げで蓄える蓄熱量(以下、「主蓄熱量」とも呼ぶ)は、以下のように設定されてもよい。想定される一日の負荷の全量をまかなうことのできる蓄熱量を主蓄熱量として設定してもよい。省エネルギーとのバランスを考慮する場合などには、想定される一日の負荷の全量をまかなうことのできる蓄熱量の8割程度を主蓄熱量として設定してもよい。例えば65℃〜70℃といった低めの沸上げ温度の湯で蓄熱槽10の全量を満たしたときの蓄熱量を主蓄熱量として設定してもよい。一括沸上げの運転終了時刻は、割安時間帯の終了時刻またはそれに近い時刻に設定されてもよい。一括沸上げの運転終了時刻をなるべく遅い時刻にすることで、蓄熱槽10に多量の湯が貯留される時間を短縮できるので、放熱ロスを抑制できる。
[最低蓄熱量沸上げ]
本実施の形態1の貯湯式給湯システム1が実施する蓄熱運転には、最低蓄熱量沸上げが含まれる。最低蓄熱量沸上げは、貯湯式給湯システム1における湯切れを回避するために実施される。最低蓄熱量沸上げは、追加蓄熱運転の例である。蓄熱槽10の蓄熱槽が、必要熱量設定部104により設定された最低蓄熱量を下回った場合に、蓄熱運転制御部105は、最低蓄熱量沸上げを開始する。蓄熱槽10の蓄熱量が、最低蓄熱量に所定の追加蓄熱量を加算した値まで回復したときに、蓄熱運転制御部105は、最低蓄熱量沸上げを終了する。割安時間帯においては、主に一括沸上げが実施される。このため、最低蓄熱量沸上げは、主に割安時間帯以外の時間帯において実施される。
[出湯動作]
蓄熱槽10に溜められた湯は、湯が使用される負荷側の要求に応じて、高温導出配管303から流出し、湯栓温調弁41または湯はり温調弁42に導かれる。湯栓温調弁41にて温度調節された湯は、湯栓配管305を通って、湯栓へ供給される。この際、弁制御部106は、湯栓温度センサ505で検知される給湯温度が、ユーザーがリモコン50で設定する温度となるように、湯栓温調弁41を制御する。湯はり温調弁42にて温度調節された湯は、浴槽往き配管306a及び浴槽戻り配管306bを通って、浴槽6へ導かれる。この際、弁制御部106は、浴槽戻り温度センサ506で検知される湯はり温度が、ユーザーがリモコン50で設定する温度となるように、湯はり温調弁42を制御する。
[追焚き運転]
蓄熱槽10に溜められた湯は、ユーザーの操作により強制的に、あるいは、浴槽戻り温度センサ506によって定期的に検知される浴槽温度が目標温度よりも所定量以上小さくなった時に自動的に、追焚き運転によって浴槽温度を上昇させるために、追焚き往き配管307aを通って、追焚き熱交換器5に導かれる。また、このタイミングと概ね同時に、浴槽6に溜められた浴槽水は、浴槽戻り配管306bを通って、追焚き熱交換器5に導かれる。追焚き熱交換器5で浴槽水へ熱を与えて温度の低下した蓄熱槽10からの湯は、追焚き戻り配管307bを通って蓄熱槽10に戻る。また、追焚き熱交換器5で熱を受け取って温度の上昇した浴槽水は、浴槽往き配管306aを通って浴槽6に戻る。次いで、ユーザーの操作により強制的に、あるいは、浴槽戻り温度センサ506によって検知される浴槽温度が目標温度よりも所定量以上大きくなったときに自動的に、追焚き運転が終了する。
≪実施の形態1の特徴的な動作≫
以下に、実施の形態1の特徴的な動作について図3及び図4を用いて説明する。実施の形態1の貯湯式給湯システム1の特徴的動作を説明するための図である図3では、ユーザーがリモコン50を操作することで時間帯別料金設定情報及び変更予定日情報を入力する例を示す。この場合、料金情報取得部111は、時間帯別料金設定情報及び変更予定日情報をリモコン50から取得できる。この例に限らず、料金情報取得部111は、前述した他の方法で時間帯別料金設定情報及び変更予定日情報を取得してもよい。
パラメーター決定部109は、蓄熱運転パラメーターを、時間帯別料金設定情報に応じて決定する。本実施の形態では、パラメーター決定部109が時間帯別料金設定情報に応じて決定する蓄熱運転パラメーターは、一括沸上げの開始時刻、一括沸上げの終了時刻、一括沸上げで蓄える蓄熱量、一括沸上げにおける加熱装置2の加熱能力、及び最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量、のうちの少なくとも一つを含む。蓄熱運転制御部105は、パラメーター決定部109が決定した蓄熱運転パラメーターに基づいて、蓄熱運転を制御する。本実施の形態における蓄熱運転制御部105は、パラメーター決定部109が決定した蓄熱運転パラメーターに基づいて、一括沸上げ及び最低蓄熱量沸上げのいずれか一方または両方を制御する。
料金情報取得部111は、変更予定日より前に適用される時間帯別料金設定情報と、変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報とを取得できる。以下の説明では、次のようにする。変更予定日より前に適用される時間帯別料金設定情報を「第一の時間帯別料金設定情報」とも呼ぶ。変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報を「第二の時間帯別料金設定情報」とも呼ぶ。
以下の説明では、電力量料金単価が最高になる時間帯を「割高時間帯」と称する。例えば、前述した(例1)の時間帯別電気料金設定においては、7時から23時までの16時間の時間帯が割高時間帯に相当する。前述した(例2)の時間帯別電気料金設定においては、8時から22時までの14時間の時間帯が割高時間帯に相当する。前述した(例3)の時間帯別電気料金設定においては、10時から17時までの7時間の時間帯が割高時間帯に相当する。前述した(例4)の時間帯別電気料金設定においては、13時から16時までの3時間の時間帯が割高時間帯に相当する。
図3中のグラフは、蓄熱槽10の蓄熱量の一日の変化の例を示す。破線のグラフは、変更予定日より前の蓄熱量変化の例を示す。実線のグラフは、変更予定日より後の蓄熱量変化の例を示す。図3中のグラフは、変更予定日より後の割安時間帯が、変更予定日より前の割安時間帯に比べて拡大した例を示す。図3中のグラフは、変更予定日より後の割高時間帯が、変更予定日より前の割高時間帯に比べて縮小した例を示す。図3中のグラフは、前述した(例1)または(例2)のように、電力量料金単価が2段階に設定されている例を示す。このような例に限らず、前述した(例3)または(例4)のように、電力量料金単価が3段階に設定されてもよい。また、電力量料金単価が4段階、または4段階以上に設定されてもよい。
変更予定日の到来前の期間においては、パラメーター決定部109は、第一の時間帯別料金設定情報に応じて、蓄熱運転パラメーターを決定する。変更予定日の到来後の期間においては、パラメーター決定部109は、第二の時間帯別料金設定情報に応じて、蓄熱運転パラメーターを決定する。第二の時間帯別料金設定情報の内容は、第一の時間帯別料金設定情報の内容とは異なる。このため、変更予定日の到来後にパラメーター決定部109が決定する蓄熱運転パラメーター(本実施の形態では、一括沸上げの開始時刻、一括沸上げの終了時刻、一括沸上げで蓄える蓄熱量、一括沸上げにおける加熱装置2の加熱能力、及び最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量、のうちの少なくとも一つ)の値は、変更予定日の到来前にパラメーター決定部109が決定する当該蓄熱運転パラメーターの値とは異なる値になる。
図3に示すように、変更予定日より前の一日の蓄熱量変化のパターンと、変更予定日より後の一日の蓄熱量変化のパターンとは、異なるパターンになる。これは、変更予定日より前においてパラメーター決定部109が決定する蓄熱運転パラメーターの値と、変更予定日より後においてパラメーター決定部109が決定する蓄熱運転パラメーターの値とが異なる値になるためである。
本実施の形態であれば、料金情報取得部111が取得する時間帯別料金設定情報に応じてパラメーター決定部109が蓄熱運転パラメーターを決定することで、時間帯別電気料金設定の内容に応じて蓄熱運転のタイミング等を適切に制御できる。このため、電気料金を確実に抑制できる。また、時間帯別電気料金設定が変更される予定がある場合には、料金情報取得部111が取得する変更予定日情報に基づいて、以下のように制御できる。変更予定日の到来前の期間においては、パラメーター決定部109は、第一の時間帯別料金設定情報(変更予定日より前に適用される時間帯別料金設定情報)に応じて、蓄熱運転パラメーターを決定する。変更予定日の到来後の期間においては、パラメーター決定部109は、第二の時間帯別料金設定情報(変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報)に応じて、蓄熱運転パラメーターを決定する。したがって、時間帯別電気料金設定が変更される前の期間においても、時間帯別電気料金設定が変更された後の期間においても、その変更に応じて、蓄熱運転のタイミング等を適切に制御できる。このため、時間帯別電気料金設定が変更される前の期間においても、時間帯別電気料金設定が変更された後の期間においても、電気料金を確実に抑制できる。
本実施の形態であれば、変更予定日にユーザーが貯湯式給湯システム1に対して電気料金メニューの設定を変更する操作を行う必要がない。ユーザーは、変更予定日を忘れずに覚えておく必要がない。このため、ユーザーの負担を軽減できる。
図4は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1の制御動作を示すフローチャートである。図4のステップS4101で、日時検知部110は、料金情報取得部111が取得した変更予定日情報と、現在の日付とを照合することで、現在が変更予定日以降であるか否かを判断する。現在が変更予定日より前である場合には、ステップS4101からステップS4102へ移行する。ステップS4102で、パラメーター決定部109は、料金情報取得部111が取得した第一の時間帯別料金設定情報(変更予定日より前に適用される時間帯別料金設定情報)を読み込む。現在が変更予定日以降である場合には、ステップS4101からステップS4103へ移行する。ステップS4103で、パラメーター決定部109は、料金情報取得部111が取得した第二の時間帯別料金設定情報(変更予定日以降に適用される時間帯別料金設定情報)を読み込む。
ステップS4102またはステップS4103からステップS4104へ移行する。ステップS4104からステップS4107では、パラメーター決定部109は、ステップS4102またはステップS4103で読み込んだ時間帯別料金設定情報に基づいて、蓄熱運転パラメーターを決定する。すなわち、現在が変更予定日より前である場合には、パラメーター決定部109は、ステップS4102で読み込んだ第一の時間帯別料金設定情報に基づいて蓄熱運転パラメーターを決定する。現在が変更予定日以降である場合には、パラメーター決定部109は、ステップS4103で読み込んだ第二の時間帯別料金設定情報に基づいて蓄熱運転パラメーターを決定する。
ステップS4104で、パラメーター決定部109は、一括沸上げで蓄える蓄熱量を決定する。一括沸上げで蓄える蓄熱量が少なすぎると、割高時間帯において最低蓄熱量沸上げが実施される回数が増加することで、電気料金が上昇する可能性がある。その一方で、一括沸上げで蓄える蓄熱量を多くするには、沸上げ温度及び蓄熱槽10の貯湯温度を高くする必要が生ずる場合がある。一般に、沸上げ温度が高いほど、加熱装置2の効率は低下する。蓄熱槽10の貯湯温度が高いほど、蓄熱槽10からの放熱ロスが多くなる。これらのことから、一括沸上げで蓄える蓄熱量を多くしすぎると、割安時間帯における消費電力量が増大することで、電気料金が上昇する可能性がある。
ステップS4104で、パラメーター決定部109は、以下のようにして、一括沸上げで蓄える蓄熱量、すなわち主蓄熱量を決定してもよい。以下の説明では、割安時間帯の電力量料金単価に対する、割高時間帯の電力量料金単価の比率を「最高単価/最低単価比率」と称する。パラメーター決定部109は、最高単価/最低単価比率が比較的小さい場合には、最高単価/最低単価比率が比較的大きい場合に比べて、主蓄熱量を低い値にしてもよい。この場合、パラメーター決定部109により決定される主蓄熱量は、変更予定日の前と後とで、以下のように変化する。変更予定日の到来前の最高単価/最低単価比率に比べて変更予定日の到来後の最高単価/最低単価比率が縮小した場合には、変更予定日の到来前の主蓄熱量に比べて変更予定日の到来後の主蓄熱量が低い値になる。変更予定日の到来前の最高単価/最低単価比率に比べて変更予定日の到来後の最高単価/最低単価比率が拡大した場合には、変更予定日の到来前の主蓄熱量に比べて変更予定日の到来後の主蓄熱量が高い値になる。以上のようにすることで、以下の効果が得られる。最高単価/最低単価比率が比較的小さい場合には、割高時間帯の電力量料金単価がそれほど高くないので、割高時間帯において最低蓄熱量沸上げが実施される回数が増加しても、電気料金は上昇しにくい。この場合には、主蓄熱量を比較的低い値にすることで、沸上げ温度及び蓄熱槽10の貯湯温度を抑制した方が、電気料金抑制のために有利になる。これに対し、最高単価/最低単価比率が比較的大きい場合には、割高時間帯の電力量料金単価が高いので、割高時間帯において最低蓄熱量沸上げが実施される回数が増加すると、電気料金が上昇しやすい。この場合には、主蓄熱量を比較的高い値にすることで、割高時間帯における最低蓄熱量沸上げの実施回数を抑制した方が、電気料金抑制のために有利になる。
ステップS4104からステップS4105へ移行する。ステップS4105で、パラメーター決定部109は、一括沸上げにおける加熱装置2の加熱能力を決定する。加熱装置2の加熱能力を低くするほど、加熱装置2の効率が向上する。また、加熱装置2の加熱能力を低くするほど、消費電力が低下するので、世帯の電力ピークを抑制できる。一括沸上げにおける加熱装置2の加熱能力を低くすることで、上記の利点がある。その一方で、一括沸上げにおける加熱装置2の加熱能力が低すぎると、要求される蓄熱量を割安時間帯のなかで確保しきれない可能性がある。
ステップS4105で、パラメーター決定部109は、以下のようにして、一括沸上げにおける加熱装置2の加熱能力を決定してもよい。以下の説明では、割安時間帯の長さを「割安帯長さ」と称する。パラメーター決定部109は、割安帯長さが比較的長い場合には、割安帯長さが比較的短い場合に比べて、一括沸上げにおける加熱装置2の加熱能力を低い値にしてもよい。この場合、パラメーター決定部109により決定される、一括沸上げにおける加熱装置2の加熱能力は、変更予定日の前と後とで、以下のように変化する。変更予定日の到来前の割安帯長さに比べて変更予定日の到来後の割安帯長さが長くなった場合には、変更予定日の到来前の加熱能力に比べて変更予定日の到来後の加熱能力が低い値になる。変更予定日の到来前の割安帯長さに比べて変更予定日の到来後の割安帯長さが短くなった場合には、変更予定日の到来前の加熱能力に比べて変更予定日の到来後の加熱能力が高い値になる。以上のようにすることで、以下の効果が得られる。割安帯長さが比較的長い場合には、加熱装置2の加熱能力が比較的低くても、一括沸上げで要求される蓄熱量を割安時間帯のなかで確保しやすい。この場合には、加熱装置2の加熱能力を比較的低くすることで、加熱装置2の効率が向上するとともに、世帯の電力ピークも抑制できる。これに対し、割安帯長さが比較的短い場合には、加熱装置2の加熱能力が低いと、一括沸上げで要求される蓄熱量を割安時間帯のなかで確保しきれない可能性がある。この場合には、加熱装置2の加熱能力を比較的高くすることで、比較的短い割安時間帯のなかでも、一括沸上げで要求される蓄熱量を確保することが可能となる。
ステップS4105からステップS4106へ移行する。ステップS4106で、パラメーター決定部109は、一括沸上げの開始時刻及び終了時刻を決定する。一括沸上げの開始時刻及び終了時刻を遅くするほど、高温の湯が蓄熱槽10に貯留される時間が短くなるので、蓄熱槽10からの放熱ロスを抑制できるという利点がある。その一方で、電気料金を抑制するためには、割安時間帯の終了時刻(以下、「割安帯終了時刻」と称する)までに一括沸上げを終了する必要がある。
ステップS4106で、パラメーター決定部109は、以下のようにして、一括沸上げの開始時刻及び終了時刻を決定してもよい。パラメーター決定部109は、割安帯終了時刻が比較的早い時刻の場合には、割安帯終了時刻が比較的遅い時刻の場合に比べて、一括沸上げの終了時刻を早い時刻にしてもよい。この場合、パラメーター決定部109により決定される、一括沸上げの終了時刻は、変更予定日の前と後とで、以下のように変化する。変更予定日の到来前の割安帯終了時刻に比べて変更予定日の到来後の割安帯終了時刻が早い時刻になった場合には、変更予定日の到来前の一括沸上げの終了時刻に比べて変更予定日の到来後の一括沸上げの終了時刻が早い時刻になる。変更予定日の到来前の割安帯終了時刻に比べて変更予定日の到来後の割安帯終了時刻が遅い時刻になった場合には、変更予定日の到来前の一括沸上げの終了時刻に比べて変更予定日の到来後の一括沸上げの終了時刻が遅い時刻になる。パラメーター決定部109は、一括沸上げの終了時刻を割安帯終了時刻と同じ時刻に決定してもよい。パラメーター決定部109は、ステップS4104で決定された主蓄熱量と、ステップS4105で決定された一括沸上げにおける加熱装置2の加熱能力と、蓄熱量算出部101で算出される現在の蓄熱量とに基づいて、一括沸上げの終了時刻から逆算することで、一括沸上げの開始時刻を決定できる。以上のようにすることで、以下の効果が得られる。割安時間帯の終了時刻の変化に応じて、一括沸上げの開始時刻及び終了時刻を調整できる。このため、電気料金を抑制しつつ、高温の湯が蓄熱槽10に貯留される時間をなるべく短くできる。
ステップS4106からステップS4107へ移行する。ステップS4107で、パラメーター決定部109は、最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量を決定する。追加蓄熱量が多すぎると、最低蓄熱量沸上げで追加した湯が余剰になる可能性が増加する。割安でない電力量料金単価の電力を用いた最低蓄熱量沸上げで追加した湯が余剰になることは、電気料金抑制に不利になる。その一方で、追加蓄熱量が少なすぎると、最低蓄熱量沸上げの実施回数が増加する可能性がある。最低蓄熱量沸上げの実施回数が増加すると、加熱装置2等の起動及び停止の回数が増加することで、加熱装置2等の信頼性において不利になる可能性がある。
ステップS4107で、パラメーター決定部109は、以下のようにして、最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量を決定してもよい。パラメーター決定部109は、最高単価/最低単価比率が比較的小さい場合には、最高単価/最低単価比率が比較的大きい場合に比べて、最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量を高い値にしてもよい。この場合、パラメーター決定部109により決定される追加蓄熱量は、変更予定日の前と後とで、以下のように変化する。変更予定日の到来前の最高単価/最低単価比率に比べて変更予定日の到来後の最高単価/最低単価比率が縮小した場合には、変更予定日の到来前の追加蓄熱量に比べて変更予定日の到来後の追加蓄熱量が高い値になる。変更予定日の到来前の最高単価/最低単価比率に比べて変更予定日の到来後の最高単価/最低単価比率が拡大した場合には、変更予定日の到来前の追加蓄熱量に比べて変更予定日の到来後の追加蓄熱量が低い値になる。
以上のようにして最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量を決定することで、以下の効果が得られる。最高単価/最低単価比率が比較的小さい場合には、割高時間帯の電力量料金単価がそれほど高くないので、割高時間帯の電力を用いた最低蓄熱量沸上げで追加した湯が余剰になっても、電気料金上昇への影響は比較的小さい。この場合には、最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量を比較的高い値にすることで、最低蓄熱量沸上げの実施回数を抑制し、加熱装置2等の負担を軽減できる。ステップS4104では、最高単価/最低単価比率が比較的小さい場合には、一括沸上げの蓄熱量が比較的低い値に決定される。本実施の形態であれば、最高単価/最低単価比率が比較的小さい場合には、一括沸上げの蓄熱量が比較的低い値に決定されるのに対して、最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量が比較的高い値に決定される。このため、最低蓄熱量沸上げの実施回数の増加を確実に抑制できる。
一方、最高単価/最低単価比率が比較的大きい場合には、割高時間帯の電力量料金単価が高いので、割高時間帯の電力を用いた最低蓄熱量沸上げで追加した湯が余剰になると、電気料金上昇への影響が比較的大きい。この場合には、最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量を比較的低い値にすることで、最低蓄熱量沸上げで追加した湯が余剰になることを抑制できる。その結果、電気料金の上昇をより確実に抑制できる。ステップS4104では、最高単価/最低単価比率が比較的大きい場合には、一括沸上げの蓄熱量が比較的高い値に決定される。本実施の形態であれば、最高単価/最低単価比率が比較的大きい場合には、一括沸上げの蓄熱量が比較的高い値に決定されるので、最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量が比較的低い値に決定されても、最低蓄熱量沸上げの実施回数の増加を確実に抑制できる。
以下、具体的な数値例を説明する。想定される一日の負荷の合計を所定温度換算で700Lと仮定する。最高単価/最低単価比率が比較的小さい場合には、一括沸上げの蓄熱量を所定温度換算で500L相当の蓄熱量とし、最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量を所定温度換算で50L相当の蓄熱量とする。この場合、割安時間帯以外の時間帯に予想される最低蓄熱量沸上げの実施回数は、(700L−500L)/50L=4回となる。これに対し、最高単価/最低単価比率が比較的大きい場合には、一括沸上げの蓄熱量を所定温度換算で600L相当の蓄熱量とし、最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量を所定温度換算で25L相当の蓄熱量とする。この場合、割安時間帯以外の時間帯に予想される最低蓄熱量沸上げの実施回数は、(700L−600L)/25L=4回となる。このように、本実施の形態であれば、最高単価/最低単価比率の大小にかかわらず、最低蓄熱量沸上げの実施回数の増加を抑制できる。また、最高単価/最低単価比率が大きい場合には、最低蓄熱量沸上げの追加蓄熱量を少なくすることで、最低蓄熱量沸上げで追加した湯が余剰になることを抑制できる。このため、電気料金の上昇をより確実に抑制できる。
ステップS4107からステップS4108へ移行する。ステップS4108で、蓄熱運転制御部105は、蓄熱量算出部101で算出される現在の蓄熱量が最低蓄熱量以上であるか否かを判断する。現在の蓄熱量が最低蓄熱量を下回っている場合には、ステップS4108からステップS4109へ移行する。ステップS4109で、蓄熱運転制御部105は、最低蓄熱量沸上げを実施する。最低蓄熱量沸上げの開始後、蓄熱運転制御部105は、蓄熱量算出部101で算出される現在の蓄熱量が、ステップS4107で決定された追加蓄熱量を最低蓄熱量に加算した値まで回復したときに、最低蓄熱量沸上げを終了する。
ステップS4108で現在の蓄熱量が最低蓄熱量以上である場合には、ステップS4110へ移行する。ステップS4110で、蓄熱運転制御部105は、最低蓄熱量沸上げが実施中か否かを判断する。最低蓄熱量沸上げが実施中の場合には、ステップS4110からステップS4111へ移行する。ステップS4111で、蓄熱運転制御部105は、蓄熱量算出部101で算出される現在の蓄熱量が、ステップS4107で決定された追加蓄熱量を最低蓄熱量に加算した値以上であるか否かを判断する。現在の蓄熱量が追加蓄熱量を最低蓄熱量に加算した値に達していない場合には、ステップS4111からステップS4112へ移行する。ステップS4112で、蓄熱運転制御部105は、最低蓄熱量沸上げを続行する。
ステップS4110で最低蓄熱量沸上げが実施中でない場合には、ステップS4113へ移行する。ステップS4113で、蓄熱運転制御部105は、一括沸上げが実施中か否かを判断する。一括沸上げが実施中でない場合には、ステップS4113からステップS4114へ移行する。また、ステップS4111で現在の蓄熱量が追加蓄熱量を最低蓄熱量に加算した値以上である場合も、ステップS4114へ移行する。ステップS4114で、蓄熱運転制御部105は、現在の時刻が割安時間帯の時刻か否かを判断する。現在の時刻が割安時間帯の時刻でない場合には、ステップS4114からステップS4117へ移行する。ステップS4117で、蓄熱運転制御部105は、蓄熱運転を実施しないようにする。ステップS4117で、最低蓄熱量沸上げが実施中の場合には、蓄熱運転制御部105は、最低蓄熱量沸上げを終了する。
ステップS4114で現在の時刻が割安時間帯の時刻である場合には、ステップS4115へ移行する。ステップS4115で、蓄熱運転制御部105は、当日に一括沸上げを完了した実績があるか否かを判断する。当日に一括沸上げを完了した実績がある場合には、一括沸上げを実施する必要がないので、蓄熱運転制御部105は、ステップS4117へ移行し、一括沸上げを実施しないようにする。
ステップS4115で当日に一括沸上げを完了した実績がない場合には、ステップS4116へ移行する。ステップS4116で、蓄熱運転制御部105は、現在の時刻が、ステップS4106で決定された一括沸上げの開始時刻以降であるか否かを判断する。現在の時刻が一括沸上げの開始時刻より前である場合には、一括沸上げをまだ実施する必要がないので、蓄熱運転制御部105は、ステップS4116からステップS4117へ移行し、一括沸上げを実施しないようにする。現在の時刻が一括沸上げの開始時刻以降である場合には、ステップS4116からステップS4118へ移行する。ステップS4118で、蓄熱運転制御部105は、一括沸上げを実施する。
ステップS4113で一括沸上げが実施中の場合には、ステップS4119へ移行する。ステップS4119で、蓄熱運転制御部105は、現在の時刻が割安時間帯の時刻か否かを判断する。現在の時刻が割安時間帯の時刻である場合には、ステップS4119からステップS4120へ移行する。ステップS4120で、蓄熱運転制御部105は、蓄熱量算出部101で算出される現在の蓄熱量が、ステップS4104で決定された主蓄熱量未満であるか否かを判断する。現在の蓄熱量が主蓄熱量未満である場合には、蓄熱運転制御部105は、ステップS4120からステップS4116を経てステップS4118へ移行し、一括沸上げを続行する。
ステップS4119で現在の時刻が割安時間帯の時刻でない場合、すなわち割安時間帯が終了した場合、あるいはステップS4120で現在の蓄熱量が主蓄熱量に到達している場合には、ステップS4121へ移行する。ステップS4121で、蓄熱運転制御部105は、当日の一括沸上げの実績があることを記録する。ステップS4121からステップS4122へ移行する。ステップS4122で、蓄熱運転制御部105は、一括沸上げを終了する。
制御装置100は、時間帯別電気料金設定に対応する電気料金メニューの名称の情報と、時間帯別電気料金設定の時間帯区分の情報と、時間帯別電気料金設定の各時間帯の電力量料金単価の情報との少なくとも一つについて、変更予定日における変更の情報(以下、「料金変更情報」と称する)を、例えばリモコン50の表示装置50bまたはリモコン50の音声アナウンス装置などの報知手段によって、ユーザーに報知してもよい。これにより、ユーザーは、時間帯別電気料金設定の変更が貯湯式給湯システム1に適切に反映されていることを容易に知ることができる。料金変更情報は、例えば、時間帯別電気料金設定に対応する電気料金メニューの名称の情報と、時間帯別電気料金設定の時間帯区分の情報と、時間帯別電気料金設定の各時間帯の電力量料金単価の情報との少なくとも一つについて、変更前及び変更後の情報を含んでもよい。
制御装置100は、例えばリモコン50の表示装置50bまたはリモコン50の音声アナウンス装置などの報知手段によってユーザーに料金変更情報を報知した場合、変更予定日以降に、料金変更情報の報知を自動的に終了してもよい。これにより、変更予定日以降に料金変更情報が不必要に報知されることを防止でき、ユーザーが煩わしさを感じることを防止できる。この場合、料金変更情報の報知を継続する期間(例えば、12時間、24時間、2日間など)の数値を、ユーザーがリモコン50の操作部50aを操作することで予め設定可能に構成してもよい。
図5は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1が備える制御装置100のハードウェア構成の例を示す図である。制御装置100の各機能は、処理回路により実現される。図5に示す例では、制御装置100の処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ1001と少なくとも1つのメモリ1002とを備える。処理回路が少なくとも1つのプロセッサ1001と少なくとも1つのメモリ1002とを備える場合、制御装置100の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ1002に格納される。少なくとも1つのプロセッサ1001は、少なくとも1つのメモリ1002に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置100の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ1001は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ1002は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等である。
図6は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1が備える制御装置100のハードウェア構成の他の例を示す図である。図6に示す例では、制御装置100の処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア1003を備える。処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア1003を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。制御装置100の各部の機能がそれぞれ処理回路で実現されても良い。また、制御装置100の各部の機能がまとめて処理回路で実現されても良い。
また、制御装置100の各機能について、一部を専用のハードウェア1003で実現し、他の一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。処理回路は、ハードウェア1003、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御装置100の各機能を実現しても良い。
また、単一の制御装置により貯湯式給湯システム1の動作が制御される構成に限定されるものではなく、複数の制御装置が連携することで貯湯式給湯システム1の動作を制御する構成にしても良い。