以下、本発明の実施の形態に係る駐輪装置を図面に基づき説明する。なお、以下においては、説明上、自転車のハンドルを持って駐輪装置に自転車を格納する際に利用者が向く方向を前方(あるいは前側)、これと逆方向を後方(あるいは後側)、この状態で両側方となる向き(格納した自転車に対して両側方となる向き)を横方向(あるいは左右方向)と称し、前方に向けて見た場合に左側、右側となる方向を左側、右側と称する。但し、後述する載台昇降装置や下昇降装置などについては、後方側が向かって手前側となり、前方側が向かって背面側となるため、それぞれ手前側、背面側(あるいは奥側)などとも称することがある。
図1などにおいて、1は自転車、10は本発明の実施の形態に係る駐輪装置、2は駐輪装置10が設置される床面などの設置面である。この駐輪装置10は、自転車1を上下2段で収納できるいわゆる2段式の駐輪装置(駐輪設備)において、自転車1を上段の自転車収納箇所に収納するもの(上段収納用駐輪装置)である。
なお、図1に示す駐輪設備では、本発明の実施の形態に係る駐輪装置10に加えて、下段の収納箇所に、左右に延びるスライドレール101A、101B上を横方向(左右)に移動自在の載台(いわゆるラック)102などを備えた駐輪装置(下段収納用駐輪装置)100が設けられている場合を示している。そして、上段の自転車収納箇所に自転車1を収納する際には、下段の自転車収納箇所に収納している載台102および自転車を左右に避けるなどして、本実施の形態に係る駐輪装置10の載台(いわゆるラック)12の箇所およびその近傍に、自転車1の出し入れ用空間を確保した状態で自転車1を載せる。但し、このような、横スライド式の駐輪装置100が設けられている場合が好適であるが、この場合に限るものではなく、駐輪装置100が他の構造であったり、駐輪装置100が設けられていなかったりしてもよいことは申すまでもない。また、駐輪装置(下段収納用駐輪装置)100を有していることは、本実施の形態の駐輪装置10に必須の構成要件ではないため、図1でのみ図示し、他の図では省略している。
図1〜図5などに示すように、本実施の形態に係る駐輪装置10は、設置面2に立設させた支柱11と、自転車1を載せる載台12と、載台12に連結され、支柱11に対して昇降自在に配置された載台昇降装置7と、載台12を引き上げる載台引上げ力を載台12に付加する載台引上ばね14と、載台昇降装置7の下方において支柱11に対して昇降自在に配置された下昇降装置8と、下昇降装置8に荷重引上げ力を付加する荷重引上ばね16と、載台昇降装置7の上部位置と下部位置での係止を解除する操作部17と、載台12上で回動自在に配設されて自転車1の前輪1aを載置可能な回動載体31などを備えている。
概略的な動作としては、図2に示すように空車の状態(非載置状態)から、図3に示すように、載台12に自転車1を載せることにより、回動載体31が載置姿勢となって下昇降装置8の下部位置での係止が解除され、この状態で操作部17が解除用位置に移動されることにより、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除され、載台昇降装置7と下昇降装置8とが連動して、図4に示すように、自転車1が載せられた載台12が上昇されて上段の自転車収納箇所に収納されるように構成されている。
この駐輪装置10の各構成要素について、以下に詳しく説明する。
図1〜図5などに示すように、支柱11は、鉛直線に沿うように設置面2に固定された基台11aから立設された状態で配置されている。支柱11には、載台昇降装置7と下昇降装置8とが上下にスライド自在(摺動自在)に配設されている。
図6、図8などに示すように、載台昇降装置7は、平面視して略四角枠形状の載台昇降枠13や、支柱11に沿って上下に摺動するガイドローラ18、19などを備えている。載台昇降枠13は、上下に長い略長方形状の左右の側面板13aと、これらの側面板13aの背面部側辺(前辺部)を連結する背面板13bと、左右の側面板13aにおける後側上端部同士と後側下端部同士とをそれぞれ連結してする連結支持ロッド13cなどを有している。載台昇降装置7の載台昇降枠13には載台(いわゆるラック)12が後方に延びる姿勢で取り付けられている。また、載台昇降装置7の背面板13bには、補助取付部材23を介して、載台引上ばね14の下端部が取り付けられている。
図7、図8などに示すように、下昇降装置8は、平面視して略四角枠形状の下昇降枠15や、支柱11に沿って上下に摺動するガイドローラ24、25や、下ロック台30などを備えている。下昇降枠15は、載台昇降枠13と同様に、左右の側面板15aと、これらの側面板15aの背面部側辺(前辺部)を連結する背面板15bと、左右の側面板15aにおける後側上端部同士と後側下端部同士とをそれぞれ連結してする連結支持ロッド15cなどを有しているが、側面板15aは上下の長さは短く、側面視して、側面板15aが略正方形状とされている。下昇降枠15の背面板15bには、補助取付部材26A、26Bを介して、荷重引上ばね16の下端部が取り付けられている。また、下昇降枠15の後面部に、下昇降装置8の下ロック台30などが取り付けられている。
図9などに示すように、支柱11の上端部の上方に、載台引上ばね14と荷重引上ばね16とが設けられている。支柱11の上端部の上方には、ばね収納枠27が取り付けられ、このばね収納枠27の内部に、1つの載台引上ばね14と、2つの荷重引上ばね16とが配設されている。載台引上ばね14は、回転軸14aまわりに回転する回転プーリー14bに取り付けられた所定の力で引き上げる定荷重ばねで構成され、載台12を引き上げる載台引上げ力(詳しくは、載台12とこの載台12に取り付けられている部品とを合わせた重量(あるいはこの重量より若干少なめの重量)にほぼ釣り合う力を引き上げる載台引上げ力)を、載台昇降装置7を介して、載台12に付加する。荷重引上ばね16も回転軸16aまわりに回転する回転プーリー16bに取り付けられた所定の力で引き上げる定荷重ばねで構成され、これらの2つの荷重引上ばね16により、自転車1の規定範囲の平均重量(あるいはこの重量より若干少なめの重量)に釣り合う荷重引上げ力を、下昇降装置8を介して、下ロック台30に付加する。なお、図6、図7などに示すように、ばね収納枠27の背面領域および支柱11の背面側領域は背面カバー28で覆われて、載台引上ばね14や荷重引上ばね16が外部に露出しないように保護されている。
また、図1、図3、図9などにおける29Aは、載台昇降装置7の上昇時上限位置を規制する上限位置規制体であり、この上限位置規制体29Aは上下方向の2箇所の高さを選択して取付け可能とすると好適であるが、これに限るものではない。また、図1、図4などにおける29Bは、下昇降装置8の下降時下限位置を規制する下限位置規制体であり、この下限位置規制体29Bも上下方向の2箇所の高さを選択して取付け可能とすると好適であるが、これに限るものではない。
図2、図3、図8、図10などに示すように、載台12は、載台昇降装置7の下端部前辺部に固定された連結枠12aと、この連結枠12aより前方に延びるように取り付けられて、自転車1が載せられる載台本体12bと、載台本体12bの後端部に取り付けられた後端枠12cと、自転車の前部寄り側を案内する案内枠12d、12e、12fなどから構成されている。連結枠12aは、正面視して下方が開放されたコ字状の縦断面形状とされて、前後に延びて載台12の前部寄り部分を構成している。載台本体12bは、正面視して上方が開放された断面コ字状の縦断面形状とされて、前後に延びて載台12の主要部分を構成している。後端枠12cはその上面が後側ほど下方となるように傾斜して、自転車1を載り入れる際に、自転車1を載り入れ易くなるよう案内するとともに、自転車1が載台本体12bに載せられると、自転車1が単体で後方に移動して落ちることなどを防止する。案内枠12d、12e、12fは自転車1を載せた際に自転車1の前輪1aなどを良好に案内して保持するよう構成されているが、このような構成に限るものではない。
図8などに示すように、載台12の載台本体12bにおける前後方向中央部より若干前側寄り箇所に、自転車1の前輪1aを載置可能な回動載体31が回動自在に配設されている。回動載体31は、載台12における自転車1の前輪1aと後輪1bとが配設される箇所の間に設けられた回動軸31aと、回動軸31aよりも支柱11が配設されている前側に延びる前延部31bと、前延部31bに対して、くの字状に屈曲して回動軸31aよりも後側に延びる後延部31cと、を有し、前延部31bと後延部31cとの接続箇所に(またはその近傍に)固着された回動軸31aが、載台本体12bに対して横に挿通されている。
回動軸31aは、載台本体12bから左側に突出され、この回動軸31aの左端部には回動アーム32が固着されて、回動載体31と回動アーム32とが、回動軸31aを中心として一体的に回動するようよう構成されている。さらに、図8、図11、図12などに示すように、回動アーム32の下端部には、載台12の下方左側領域で前後方向に延びて略前後方向に移動自在の第1連動軸33が連結されているとともに、この第1連動軸33には、載台12の前端部下方左側領域で前後方向に延びて略前後方向に移動自在に設けられたロック解除用伝達部材34が連結されている。なお、図11、図12における35は、ロック解除用伝達部材34を前方に付勢する第1前付勢ばねである。
図8、図12などに示すように、ロック解除用伝達部材34の前部には下方に突出する連動ロッド36が設けられ、この連動ロッド36は、下ロック台30に形成された長孔30aを通して、下ロック台30の内部で前後に移動自在に取り付けられた下部スライド部材37に係合可能とされている。すなわち、載台12が、下ロック台30上に載った状態で配置されている場合には、下部スライド部材37に形成された丸孔37aに連動ロッド36が挿入されて、ロック解除用伝達部材34と下部スライド部材37とが前後方向に連動する。なお、下部スライド部材37は第2前付勢ばね38により常時前側に付勢されている。また、図12などにおける40は、下ロック台30上に貼り付けられて、載台12に対して当接する際の衝撃を和らげる緩衝板であり、必要に応じて設ければよい。
下部スライド部材37は、下ロック台30より前方(支柱11側)に突出自在とされ、支柱11の下部に取り付けられた下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aに下方から係脱自在とされている。すなわち、載台12に自転車1が載っていない非載置状態(詳しくは、載台12における回動載体31の前延部31bに自転車1の前輪1aが載っていない場合)には、図8に示すように、第1前付勢ばね35の付勢力により、図8において実線で示すように、回動載体31の後延部31cが載台12に接する水平姿勢(非載置姿勢)となるとともに、第1連動軸33やロック解除用伝達部材34、連動ロッド36を介して、下部スライド部材37が前寄りの位置となり、下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aに下方から係合して(係止されて)、下ロック台30や下昇降枠15などからなる下昇降装置8が上昇しないように阻止されている。一方で、載台12に自転車1が載っていると、回動載体31の前延部31bが載台12に接する水平姿勢(載置姿勢)となるとともに、第1連動軸33やロック解除用伝達部材34、連動ロッド36を介して、下部スライド部材37が後寄りの位置となり、下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aから外れて、下ロック台30や下昇降枠15などからなる下昇降装置8が上昇可能な状態となる。
図10などに示すように、載台12の後端部右側に、横支持軸17aを中心として斜め下側に回転自在な操作部(操作ハンドル)17が設けられ、操作部17には、回動アーム42が固着されて、操作部17と回動アーム42とが、横支持軸17aを中心として一体的に回動するようよう構成されている。なお、図13に示すように、操作部17には、ロックを解除する操作を行う際の、操作部17の操作する向き(例えば奥側に押す)が矢印などで示されているが、これに限るものではない。
回動アーム42の下端部には、載台12の下方右側領域で前後方向に延びて略前後方向に移動自在の第2連動軸43が連結されているとともに、この第2連動軸43には、図11、図14に示すように、載台12の前端部下方右側領域で前後方向に延びて略前後方向に移動自在に設けられた係止部としても機能するスライド部材44が連結されている。なお、45は、スライド部材44を前方に付勢する第2前付勢ばねである。
スライド部材44は、載台12(詳しくは載台12の連結枠12a)より前方(支柱11側)に突出自在とされ、下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bに下方から係脱自在とされている。そして、操作部17を操作していない状態では、図14に示すように、スライド部材44が前寄りの位置となり、下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bに下方から係合(係止)可能な姿勢となって、載台昇降装置7や載台12が上昇しないように阻止する。なお、下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aや下部上ストッパ39bは、下面が水平面とされて支柱11から後方(手前側)に突出されている一方、上面側が下方ほど突出するように(すなわち、上方ほど後方(手前側)への支柱11からの突出量が少なくなるように)傾斜されている。
なお、下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aや下部上ストッパ39bは、下昇降装置8や載台昇降装置7や載台12などを下段位置に保持する(規制する)ために設けられているが、図9などに示すように、支柱11の上部(詳しくは、支柱11の後面部上部)には、下昇降装置8や載台昇降装置7や載台12などを上位置(上段位置)に保持する(規制する)ために、上部ストッパ材46が取り付けられている。上部ストッパ材46の上部下ストッパ46aや上部上ストッパ46bは、上面が水平面とされて支柱11から後方(手前側)に突出されている一方、下面側が上方ほど突出するように(すなわち、下方ほど後方(手前側)への支柱11からの突出量が少なくなるように)傾斜されている。
この駐輪装置10には、上記構成に加えて、載台12が上昇端に移動する際に、支柱11に対して固定された上昇端ストッパ51に当接して衝撃を緩和し(図15参照)、載台12が下降端に移動する際に、支柱11に対して固定された下降端ストッパ(または設置面でもよい)52に当接して衝撃を緩和する(図16参照)衝撃緩和装置50と、荷重引上げばね16による巻取り速度と引出し速度とを低減する荷重引上力制動装置60と、載台引上げばね14による巻取り速度と引出し速度とを低減する載台引上力制動装置65と、自転車1が収納されている載台12を上段から下段に降ろして載台12から手前に取り出すと、載台12を自動的に上段に移動させる自動上昇装置(オートリターン装置)70と、自転車1を載台12から取り出す際に、自転車1の取り出しが極めて速い場合でも確実に載台12を自動的に上段に移動できるようにする(すなわち、上方に移動できないように再度ロックされることを防止して、載台12を自動的に上段に移動できるようにする)再ロック防止機構80と、載台12が上段に移動された際に載台12から自転車1が離脱することを防止する離脱防止装置90などが備えられている。なお、この実施の形態では、上昇端ストッパ51や下降端ストッパ52が、支柱11に対して固定された背面カバー28に固定されているが、上昇端ストッパ51や下降端ストッパ52を、支柱11に直接固定してもよいし、支柱11に固定されたその他の部材に取り付けてもよい。
図17などに示すように、衝撃緩和装置50は、載台昇降装置7に取り付けられた本体部(いわゆるシリンダ部)53と、本体部53から上方に突出する上ロッド54と、本体部53から下方に突出する下ロッド55と、上ロッド54および下ロッド55に連結されて本体部53内を摺動して本体部53内の領域を上下に区画する摺動部(いわゆるピストン)56と、摺動部56を連通するように設けられる絞り部(絞り通路)57と、を有するいわゆるエアダンパとも呼ばれるものが用いられている。なお、この実施の形態では、上ロッド54の上端部や下ロッドの下端部に弾性材が取り付けられているが、これに限るものではない。また、絞り部57として、絞り通路に代えて絞り弁などを用いてもよい。また、図17において、53aは本体部53の上蓋、53bは本体部53の下蓋、53c、53d、56a、56bはパッキン、図15、図16における58は、本体部53を載台昇降装置7(詳しくは、載台昇降装置7の載台昇降枠13)に組み付ける取付用ブラケットである。
図17に示すように、本体部53内は、本体部53の内壁面に接触した状態で上下に摺動する摺動部56によって、本体部53内が2つの空気が満たされた空間が区画され(仕切られ)ている。そして、これらの空間が、細い絞り部(絞り通路)57を通して連通されているので、例えば、載台12とともに載台昇降装置7が上昇されて上段位置に近づき、上昇端ストッパ51に上ロッド54の上端部が当接した時点で、上段(上昇端)に達する際の衝撃を緩和しながら、摺動部56が下方に徐々に移動するよう構成されている。また、載台12とともに載台昇降装置7が下降されて下段位置に近づき、下降端ストッパ52に下ロッド55の下端部が当接した時点で、下段(下降端)に達する際の衝撃を緩和しながら、摺動部56が上方に徐々に移動する。
図18〜図22に示すように、荷重引上げばね16による巻取り速度と引出し速度とを低減する荷重引上力制動装置60はいわゆる油圧などにより回転速度を低減させるロータリーダンパ61とこのロータリーダンパ61を収納するとともにばね収納枠27に組み付ける組付台62などで構成される。この実施の形態では、ばね収納枠27の側方に荷重引上力制動装置60(ロータリーダンパ61および組付台62)を組付け、片方の荷重引上げばね16が巻き付けられている回転軸16aを、ロータリーダンパ61の回転軸61aと一体的に回転するように連結している。なお、荷重引上げばね16の回転軸16aの軸心と、ロータリーダンパ61の回転軸61aとを組み付ける際にお互いの軸心がずれないように、組付台62に、ばね収納枠27より側方に突出される回転軸16aの端部を挿入させる孔62aを設けて、ばね収納枠27の孔と位置合わせすることで、ばね収納枠27に荷重引上力制動装置60を取り付ける際の誤差で軸心間のずれが生じないようにすると好適であるが、これに限るものではない。なお、図18〜図22における68、69は、引上げばね14、16の回転軸14a、16aの両端部を側方から覆う軸カバーである。
また、図20〜図22に示すように、載台引上げばね14による巻取り速度と引出し速度とを低減する載台引上力制動装置65も、荷重引上力制動装置60と同様にロータリーダンパ66で構成されるとともに同様な組付け構造とされ、ばね収納枠27の側方に載台引上力制動装置65(ロータリーダンパ66および組付台67)を組付け、片方の載台引上げばね14が巻き付けられている回転軸14aを、ロータリーダンパ66の回転軸66aと一体的に回転するように連結している。なお、荷重引上げばね16の軸心と、ロータリーダンパ装置で構成される定荷重ばね制動装置60の軸心とを取り付ける際に軸心がずれないようにする構成も同様とすると好適である。また、載台引上力制動装置65は必要に応じて設ければよく、必ずしも設けなくてもよい。
図23〜図25などに示すように、自転車1が収納されている載台12を上段から下段に降ろして載台12から手前に取り出すと、載台12を自動的に上段に移動させる自動上昇装置(オートリターン装置)70は、操作部17と連動する回動アーム42にそれぞれ揺動自在に連結された連結リンク71、72と、載台本体12bから斜め下方に延びる姿勢で固定されて連結リンク72を揺動自在に支持する支持部75と、連結リンク72より後方に延びる姿勢で連結リンク72と一体的に回動するように取り付けられた連動板73と、連動板73に枢支軸74を介して起立姿勢と傾倒姿勢とにわたって開閉自在に連結され、自転車1の前輪1aや後輪1bに下方から当接可能とされている当接体76と、当接体76を開姿勢側に付勢する付勢手段としてのばね77などを有している。
そして、載台12に自転車1が載っていない非載置状態や、載台12に自転車1が収納された載置状態では、自転車1の前輪1aや後輪1bが当接体76に当接していないので、当接体76は起立するとともに最も上方に位置するが、自転車1の載台12からの引き出動作が行われた際には、図23に示すように、自転車1の前輪1aや後輪1bにより当接体76が押し下げられるとともに、これに連動する連動板73、連結リンク71、72を介して、第2連動軸43およびスライド部材44が後方に移動される。この結果、スライド部材44が下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bから離脱し、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除される。その結果、後述するように、載台12に、載台引上ばね14の載台引上げ力が加えられて、載台12が自動的に上段に移動される。なお、自転車1を載台12から手前に取り出す際に、自転車1の後輪1bだけが載台12から手前に取り出された状態(すなわち、自転車1の前輪1aがまだ載台12上に残っている状態)では、まだ、自転車1の荷重の一部が載台に負荷しているため、自転車1の後輪1bも引き出されてから、載台12が自動的に上段に移動される。すなわち、自動上昇装置70の当接体76は、載台12から自転車1を取り出す際に車輪1a、1bに当接して移動されて、載台12の上昇を阻止する係止部としてのスライド部材44を、下部上ストッパ39bから離脱する非係止状態に連動させて載台12を上段位置側に自動的に上昇させる。
一方、自転車1を載り入れる際には、図24に示すように、自転車1の前輪1aや後輪1bによって当接体76が押し倒され、これにより、連動板73、連結リンク71、72、第2連動軸43およびスライド部材44などは移動されず、載台昇降装置7の下部位置での係止は解除されずに、維持される。すなわち、自動上昇装置70は、載台12に自転車1を載り入れる際には、載台12に自転車1を載り入れられても載台12を上段位置側に自動的には上昇させない。すなわち、当接体76は、載台12に自転車1を載り入れる際には、傾倒して、載台12の上昇を阻止する係止部としてのスライド部材44を非係止状態に連動させない。
ただし、自転車1を載台12から手前に取り出す際に、自転車1の取り出しが極めて速い場合には、載台昇降装置7の下部位置での係止(ロックとも称す)を解除させて、空の載台12を自動的に上昇させようとしても、載台12が上昇するまでに、当接体76が元の位置(起立して最も上方の位置)に戻って再度係止(いわゆる再ロック)してしまい、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除されないという不具合が発生することがある。したがって、このような不具合を発生させないように、再ロック防止機構80が設けられている。
再ロック防止機構80は、図14、図26、図27に示すように、後部側が略奥行方向に延び、前部が後部前端から斜め下方に延びる移動部材81と、載台12の連結枠12aに取付部材83を介して取り付けられて、移動部材81を揺動自在に支持する連結軸82と、移動部材81の前部にブラケット84を介して取り付けられて、スライド部材44の後ろ下延部44aを係止自在とされた板ばねなどで構成されたロック防止体(いわゆるラッチ)85と、移動部材81の後部が取付部材83から離反する方向に付勢しながら係止移動部材81を取付部材83に連結する付勢手段としてのばね86とから構成されている。
移動部材81は載台12が下段位置である際にその下端部が支柱11の基台11aに当接して揺動(移動)し、ロック防止体85をスライド部材44の後ろ下延部44aに当接させる。また、ロック防止体85は、後部側が若干上向きとなるように傾斜する山部85aを有しており、載台12が上段から下段に下降された際には、図14に示すように、ロック防止体85の山部85aの緩やかに傾斜している前側斜面に上方から当接しているだけの状態である。
しかし、自転車1が載台12から取り出されて、図23、図25に示すように自転車1の車輪(前輪1aや後輪1b)により、当接体76が押し下げられて、第2連動軸43およびスライド部材44が後方に移動された際に、図26に示すように、スライド部材44の後ろ下延部44aがロック防止体85の山部85aを乗り越えて係止され、スライド部材44が前方へ移動することが阻止される。この結果、載台昇降装置7の下部位置での係止(ロック)が再度行われることが防止され、例え、自転車1の取り出しが極めて速い場合でも、スライド部材44は下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bから離脱した状態が維持され、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除されたままとなる。すなわち、再ロック防止機構80は、自転車1を載台12から取り出す際に、自転車1の取り出し速度にかかわらず、載台12の上昇を阻止する係止部としてのスライド部材44が再度下部上ストッパ39bに係止される(係止状態になる)ことを防止して(再ロックさせずに)非係止状態を維持させる。
この後、載台12が下段位置から上昇すると、図27に示すように、移動部材81が支柱11の基台11aから離反して下方に揺動され、ロック防止体85が移動部材81に連動してスライド部材44の後ろ下延部44aから離反し、スライド部材44は前後方向に自由に移動可能な状態(下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bに係合(ロック)可能な状態)に戻される。なお、この実施の形態では、移動部材81が載台12の基台12aに当接可能としたが、移動部材81が設置面2に当接して移動可能に構成してもよい。
載台12が上段に移動された際に載台12から自転車1が離脱することを防止する離脱防止装置90は、図28〜図31などに示すように、載台本体12bの前端部側面に、左右に延びる横軸心の第1揺動軸91を介して、揺動自在に取り付けられて、下端部に取り付けられた接地ローラ92aにより設置面2に当接自在とされた側面視略「く」の字形状の揺動当接体92と、揺動当接体92の後端部に回転自在に取り付けられた揺動ローラ92bと、揺動当接体92の後部側が上方に移動する方向に付勢する(したがって、揺動当接体92の接地ローラ92aが設けられている前部側が下方に移動する方向に付勢する)付勢手段としての付勢ばね93と、揺動当接体92の揺動範囲を規制する揺動規制体97と、載台本体12bの前端部側面に取り付けられた取付材94と、取付材94において前後に延びる姿勢で取り付けられた揺動軸95と、この揺動軸95を中心として左右に揺動自在に取り付けられて、上端部96cが左側に湾曲されて自転車1の前輪1aのスポーク間に突入可能とされた落下防止レバー96などが備えられている。なお、図28〜図31などにおいては、離脱防止装置90が分かり易く示せるよう、再ロック防止機構80は省いて図示している。
落下防止レバー96の下部96bは下方ほど右側になるように傾斜され、揺動ローラ92bが、落下防止レバー96の下部96bと、落下防止レバー96の上部96aとに選択的に当接自在とされている。すなわち、図28、図29に示すように、載台12が下段位置とされている際には、揺動当接体92の接地ローラ92aが設置面2に当接することで、揺動当接体92の揺動ローラ92bが落下防止レバー96の下部96に当接して押し下げ、落下防止レバー96の上部は、前輪1aの収納位置から側方(右側)に外れている。
一方、載台12が下段位置よりも上昇している際には、図30、図31に示すように、揺動当接体92の接地ローラ92aが設置面2から離反して、揺動当接体92の揺動ローラ92bが上方に移動し、落下防止レバー96の上部96aに当接して左側に移動させ、これにより、落下防止レバー96の上端部96cが自転車1の前輪1aのスポーク間の位置に移動される。したがって、載台12に自転車1が載せられている際には、落下防止レバー96の上端部96cが自転車1の前輪1aのスポーク間に嵌り込んで、載台12から自転車1が離脱することが防止される。
上記構成において、自転車1を駐輪装置10に収納する際には、先ず、図3に示すように、載台12上に自転車1を載り入れる(自転車1の載置状態)。なお、この際、自転車1の前輪1aや後輪1bが自動上昇装置70の当接体76に当接するが、この際には、当接体76が押し倒され、これにより、連動板73、連結リンク71、72、第2連動軸43およびスライド部材44などは移動されず、載台昇降装置7の下部位置での係止は解除されずに、維持される。
載台12上に自転車1を載り入れると、図32の実線部に示すように、自転車1の前輪1aが回動載体31の前延部31b上に載り上げて回動載体31がa方向に回動し、回動載体31の前延部31bが水平となる載置姿勢に切り換わる。この結果、第1連動軸33やロック解除用伝達部材34、連動ロッド36を介して、下部スライド部材37が後寄りの位置となって下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aから離脱した状態(図33参照、下昇降装置8の下部位置での係止が解除された状態)となる。
なお、載台12上に自転車1を載り入れる際、自転車1の前輪1aや後輪1bが自動上昇装置70の当接体76に当接するが、この際には、当接体76が押し倒され、これにより、連動板73、連結リンク71、72、第2連動軸43およびスライド部材44などは移動されず、載台昇降装置7の下部位置での係止は解除されずに、維持される。
この状態で、操作部17を操作して、例えば、図25に示すように、操作部17の上部側を一時的に奥側(前方)に押し倒す(解除用位置に移動させる)ことにより、回動アーム42を介して、図34に示すように、第2連動軸43およびスライド部材44が後方に移動し、スライド部材44が下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bから離脱し、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除される。
これにより、載台昇降装置7および下昇降装置8を介して、載台12に、載台引上ばね14の載台引上げ力と、荷重引上ばね16の荷重引上げ力との両方の引き上げ力が加えられ、載台12を軽い力で上昇させることができる。載台12が上昇されて、スライド部材44や下部スライド部材37が、上部ストッパ材46が取り付けられている箇所に達すると、上部ストッパ材46の上部上ストッパ46bにおける下側の傾斜面で、一時的に後退して通過した後、載台昇降装置7および載台12などが下方に移動しようとしても、上部ストッパ材46の上部下ストッパ46aにおける上側の水平に突出している面でスライド部材44が係止されて、下降することが阻止され、この結果、図35、図4に示すように、自転車1を載せた載台12が上段位置で良好に保持される。
ここで、載台12に載せられた自転車1の重量が、所定(規定)の重量範囲よりも小さい(軽い)場合でも、荷重引上げばね16による巻取り速度と引出し速度とを低減する荷重引上力制動装置60が設けられているので、載台12が上昇する際の移動速度が低減され、載台12や自転車1が急に上昇することが防止され、利用者に当たるなどすることがなくなり、安全性が向上する。
また、載台12がある程度上昇した時点で、載台12から自転車1が離脱することを防止する離脱防止装置90が作動し、落下防止レバー96の上端部96cが自転車1の前輪1aのスポーク間に嵌り込むため、載台12から自転車1が離脱することが防止され、これによっても、安全性が向上する。また、本来、設置面2は水平であり、支柱11は鉛直線に沿った状態で据え付けられるが、場合によっては、支柱11は鉛直線から若干ずれて据え付けられた場合(あるいは、設置後の地殻変動によって支柱11が鉛直線から若干ずれた場合)には、上段に移動された載台12が若干傾斜してしまい、載台12の後方が下方となるように傾斜した場合には、載台12に載せられた自転車が後方に移動する恐れがあるが、本構成によれば、落下防止レバー96が自転車1の前輪1aのスポーク間に嵌り込むため、このような場合でも載台12から自転車1が後方に移動して、落下することを防止できる利点もある。
また、載台12が上昇端に近づくと、衝撃緩和装置50の上ロッド54が上昇端ストッパ51に当接し、上段(上昇端)に達する際の衝撃を緩和しながら、移動される。これにより、載台12に載せられた自転車1の重量が、所定(規定)の重量範囲よりも小さい(軽い)場合でも、載台12が上昇端に移動する際の衝撃が緩和されて、載台12や自転車1が損傷したり、上昇端での衝突による騒音が発生したりすることを最小限に抑えることができる。この結果、載台12や自転車1の損傷を最小限に抑えることができて駐輪装置10の信頼性を向上させることができる。また、衝突による騒音の発生が最小限に抑えられるので、利用者などに不快感を与えることがなくなって良好な利用環境を維持できる。また、衝撃緩和装置50は比較的簡単な構成であるので、衝撃緩和装置を比較的安価に構成することができる利点もある。また、上記構成では、衝撃緩和装置50として、本体部53内で摺動部56が空気圧により衝撃を吸収しながら摺動するように構成し、これにより、衝撃を良好に吸収できるとともに、万一、本体部53から空気が洩れても支障をきたさない利点がある。しかし、必ずしもこれに限るものではなく、本体部53内にオイルや空気以外の気体を充填して衝撃を吸収するよう構成したものを用いることも可能である。
上段に収納した自転車1を下す際には、上方に移動した操作部17を操作して、操作部17の上部側を一時的に奥側(前方)に押し倒す(解除用位置に移動させる)。これにより、第2連動軸43およびスライド部材44が後方に移動して、スライド部材44が上部ストッパ材46の上部上ストッパ46bから離脱し、載台昇降装置7の上部位置での係止が解除される。したがって、この状態から操作部17を持つなどして載台12を下降させることで、自転車1を楽に(容易に)下ろすことができる。そして、スライド部材44が、下部ストッパ材39が取り付けられている箇所に達すると、スライド部材44は、下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bにおける下側の傾斜面で一時的に後退して通過した後に前方に突出して下部上ストッパ39bの水平に突出している面に下方から係止し、載台昇降装置7および載台12などが上昇しようとしても阻止され、この結果、図36、図3に示すように、自転車1を載せた載台12が下段位置で良好に保持される。
ここで、上段に収納した自転車1を下す際に、載台12に載せられた自転車1の重量が、所定(規定)の重量範囲よりも大きい(重い)場合でも、荷重引上げばね16による巻取り速度と引出し速度とを低減する荷重引上力制動装置60が設けられているので、載台12が下降する際の移動速度が低減され、載台12や自転車1が急に下降することが防止され、利用者に当たるなどすることがなくなり、安全性が向上する。
また、載台12が下降端に近づくと、衝撃緩和装置50の下ロッド55が下降端ストッパ52に当接し、下段(下降端)に達する際の衝撃を緩和しながら、移動される。これにより、載台12に載せられた自転車1の重量が、所定(規定)の重量範囲よりも大きい(重い)場合でも、載台12が下降端に移動する際の衝撃が緩和されて、載台12や自転車1が損傷したり、下降端での衝突による騒音が発生したりすることを最小限に抑えることができる。この結果、載台12や自転車1の損傷を最小限に抑えることができて駐輪装置10の信頼性を向上させることができる。また、衝突による騒音の発生が最小限に抑えられるので、利用者などに不快感を与えることがなくなって良好な利用環境を維持できる。
また、載台12が下段位置に近づいた時点で、離脱防止装置90の揺動当接体92(接地ローラ92a)が設置面2に当接し、落下防止レバー96の上端部96cが自転車1の前輪1aのスポーク間から離脱するため、載台12から自転車1を取り出し可能な状態となる。
載台12が下段位置まで下降されると、スライド部材44が下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bに係合し、載台昇降装置7が下部位置で係止される。また、下段まで下降された自転車1を載台12から引き出すと、自転車1の前輪1aにより回動載体31の後延部31a上に載り上げてこの後延部31aが水平となる載置姿勢に切り換わる。この結果、第1連動軸33やロック解除用伝達部材34、連動ロッド36を介して、下部スライド部材37が前寄りの位置となって下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aに係止された状態となり、載台12が下段位置に保持される。
自転車1を載台12から手前に取り出すと、自動上昇装置(オートリターン装置)70により載台12が自動的に上段に移動される。すなわち、自転車1の前輪1aや後輪1bにより自動上昇装置70の当接体76が押し下げられて、スライド部材44が下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bから離脱し、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除され、載台12に、載台引上ばね14の載台引上げ力が加えられて、載台12が自動的に上段に移動される。これにより、利用者は載台12の操作部17を操作するなどの手間を省くことができて便利である。
また、上記構成によれば、自転車1を載台12から手前に取り出すと、自動上昇装置70により載台12が必ず自動的に上段に移動されるので、下段の横スライド式の駐輪装置100の載台102を横に移動する操作ができなくなったり、下段の駐輪装置100の載台102と、上段収納用の駐輪装置10の載台12とが当接して、載台102、12などが損傷したりすることを防止できる利点もある。
つまり、上記のように、自動的に上昇する構成を用いずに、手動で操作部17を操作するよう構成すると、操作部17を操作し忘れて、自転車1を載せた載台12を上昇しなかった場合には、下段の横スライド式の駐輪装置100の載台102を横に移動しようとしても移動できなくなったり、下段の駐輪装置100の載台102と、上段収納用の駐輪装置10の載台12とが当接して、載台102、12などが損傷したりするおそれがある。また、さらに上段と下段との中間位置でも載台12が停止可能に構成し、中間位置で放置した場合にも、同様な不具合を生じるおそれがある。しかし、上記構成によれば、自転車1を載台12から手前に取り出すと、自動上昇装置70により載台12が必ず自動的に上段に移動されるので、このような不具合を発生することがなく、信頼性も向上する。
また、載台12に自転車1を載り入れた際にも、前輪1aや後輪1bで当接体76を押し下げて、載台12を自動的に上昇させることが考えられるが、この場合には、自転車1を載台12に載り入れる際に、自転車1の前輪1aを載台12に入れ損ねた場合には、自転車1が載っていない載台12が上段に移動してしまい、手動操作を行って載台12を下段まで下降させる操作を行わなければならず、多くの手間をかけてしまう。
これに対して、上記構成によれば、載台12に自転車1を載り入れる際には、前輪1aや後輪1bで当接体76が倒れて、自動的に上昇することがないよう構成されているので、自転車1の前輪1aを載台12に入れ損ねた場合でも、自転車1が載っていない載台12が自動的に上段に移動してしまうことがなくなる。したがって、自動的に上段に移動した載台12を下段まで下降させる操作を行わなければならなくなる不具合が発生しなくなり、多くの手間や時間をかけることを防止できて、使い勝手が向上する。
また、自動上昇装置70として、載台12から自転車1を取り出す際に車輪(前輪1aや後輪1b)に当接する当接体76を設け、この当接体76が、載台12に自転車1を載り入れる際には、傾倒して、載台12の上昇を阻止する係止部であるスライド部材44を非係止状態に連動させないことにより、比較的簡単な構造で、載台12から自転車1を引き出されると載台12を上段位置側に自動的に上昇させる一方、載台12に自転車1を載り入れる際には、載台12を上段位置側に自動的には上昇させないことができ、製造コストを低減できる。
また、自転車1を載台12から手前に取り出す際に、自転車1の取り出しが極めて速い場合でも、再ロック防止機構80により、載台12が上昇するまでに、当接体76が元の位置に戻って再度係止(いわゆる再ロック)してしまい、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除されないという不具合が発生することは防止され、これにより、載台12は確実に自動的に上段に移動され、良好な信頼性が維持される。
また、再ロック防止機構80として、下段位置に達する際と下段位置から上昇した際とに移動される移動部材81と、下段位置に達する際に移動部材81に連動して係止部としてのスライド部材44を非係止状態に維持させ、下段位置から上昇した際に移動部材81に連動してスライド部材44を係止可能状態に切り替えるロック防止体85と、を有する構成とすることで、比較的簡単な構造で、載台12が上昇するまでに再ロックしてしまい、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除されないという不具合が発生することを確実に防止することができて、簡単な構造であるので製造コストを低減できる。
なお、上記実施の形態では、自転車1が載台12に載せられていない非載置状態でも、載台12が自動的に上昇される際に、載台12が上段位置に近づくと、衝撃緩和装置50の上ロッド54が上昇端ストッパ51に当接し、上段(上昇端)に達する際の衝撃を緩和しながら移動するよう構成した。しかしながら、このように構成すると、載台引上ばね14の載台引上げ力の大きさと、衝撃緩和装置50の衝撃緩和力の強さとの大きさがあまり変わらないなど、場合によっては、載台12が上昇端に達する手前で停止するおそれがある。
したがって、このような不具合の発生を防止するために、載台12に自転車1がない状態での上昇時に衝撃緩和装置50の衝撃緩和機能を解除させる解除機構(衝撃緩和機能解除機構)110を設けてもよい。例えば、図38、図39に示すように、衝撃緩和装置50の本体部53を取り付けている取付用ブラケット58を、揺動軸111を中心として、揺動可能に支持させ、取付用ブラケット58から後方に突出して一体的に回転可能なアーム部112を取り付ける。アーム部112の先端には、連結軸113を介して、下方に延びるとともに案内枠115により上下に移動自在に案内された昇降ロッド114を連結する。昇降ロッド114には、嵌合リング116を嵌め込み、この嵌合リング116を介して、付勢ばね117により、昇降ロッド114を下方に付勢させる。また、下昇降装置8の下昇降15には、昇降ロッド114に下方から当接可能な当接金具118を取り付けている。
そして、載台12が下段にある場合や、載台12に自転車1が載せられた状態で、上段にある場合には、載台昇降装置7の載台昇降枠13の直下に下昇降装置8の下昇降枠15があるため、図39に示すように、昇降ロッド114が当接金具118に当接して、衝撃緩和装置50の本体部53が真直ぐな姿勢となり、下段位置では下ロッド55が下降端ストッパ52に当接し、上段位置では上ロッド54が上昇端ストッパ51に当接して、衝撃を緩和する状態となる。
一方で、載台12に自転車1がなく、下降端よりも上方に移動した状態では、載台昇降装置7の載台昇降枠13と下昇降装置8の下昇降枠15とが離れているため、昇降ロッド114が下方寄りの姿勢となって、衝撃緩和装置50の本体部53が傾斜姿勢となる。したがって、載台12が上昇端まで移動した際でも、衝撃緩和装置50の上ロッド54が上昇端ストッパ51に当接しなくなり、この結果、衝撃緩和装置50の衝撃緩和機能が解除され、載台12が上昇端に確実に達することになる。
この構成により、自転車1が載台12に載せられていない非載置状態でも、載台12が自動的に上昇される際には、載台12は上段位置まで上昇されて、上段に移動されることになり、信頼性が向上する。
また、上記実施の形態では、離脱防止装置90として、載台12がある程度上昇した時点で、落下防止レバー96が自転車1の前輪1aのスポーク間に嵌り込んで、載台12から自転車1が離脱することを防止する構成とした。しかし、これに限るものではなく、落下防止レバー96が、後輪1bのスポーク間に嵌り込んだり、前輪1aおよび後輪1bのスポーク間に嵌り込んだりするように構成してもよい。但し、自転車1の大きさなどにより、後輪1bの収納位置が変化しやすいため、収納時の位置がほぼ決まっている前輪1aに落下防止レバー96が嵌り込む構成を用いることが好ましい。