JP2019147073A - 次亜塩素酸水の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で次亜塩素酸水を安定して製造することが可能な装置を提供する。【解決手段】開示される装置100は、次亜塩素酸水の製造装置である。製造装置100は、貯留タンク10、流路20、ポンプ30、および電解槽40を含む。電解槽40は、塩化物イオンを含む第1の水溶液51を電気分解することによって次亜塩素酸を含む第2の水溶液を生成する。貯留タンク10は、その内部空間を、上方の第1の部分11aと下方の第2の部分11bとに仕切る仕切り12を含む。第1の部分11aは、第1の水溶液51が配置される部分であり、第2の部分11bは、第2の水溶液が配置される部分である。ポンプ30は、第1の部分11aから電解槽40を通って第2の部分11bに液体が流れるように送液するポンプである。仕切り12の少なくとも一部は、第2の部分11bに配置された第2の水溶液の体積V2の変化に応じて可逆的に上下に移動する。【選択図】図1

Description

本発明は、次亜塩素酸水の製造装置に関する。
水中において次亜塩素酸の一部は解離して次亜塩素酸イオンを生じる。次亜塩素酸および次亜塩素酸イオンは殺菌力を有するため、有効塩素と呼ばれることがある。次亜塩素酸水(次亜塩素酸を含む水)は、様々な用途に用いられており、たとえば、食品や機器の殺菌や特定農薬として用いられている。次亜塩素酸水の供給方法として、塩化物イオンを含む水を電気分解する方法が従来から提案されている。
特許文献1(特開2013−85979号公報)は、希塩酸を電気分解することによって次亜塩素酸水を製造する装置を開示している。特許文献2(国際公開WO2009/098873パンフレット)は、塩化ナトリウムを含む原液を電気分解することによって次亜塩素酸水(殺菌水)を製造する方法を開示している。
特開2013−85979号公報 国際公開WO2009/098873パンフレット
タンクに配置されている原水を電気分解して次亜塩素酸水を製造する場合、タンク内の原水をポンプで電解槽に送液する。ここで、電気分解を安定に行うためには、送液速度(単位時間当たりの送液量)を一定にすることが好ましい。しかし、次亜塩素酸水の製造によってタンク内の原水の量が減ると、ポンプの負荷が変わるため、送液速度を一定にするにはそのための制御機器が必要になる。そのため、装置の構成が複雑になり、装置の価格も高くなる。
このような状況において、本発明の目的の1つは、簡単な構成で次亜塩素酸水を安定して製造することが可能な装置を提供することである。
本発明の一実施形態による装置は、次亜塩素酸水の製造装置である。この製造装置は、貯留タンク、流路、ポンプ、および、前記流路に接続された電解槽を含む。前記電解槽は、塩化物イオンを含む第1の水溶液を電気分解することによって次亜塩素酸を含む第2の水溶液を生成する電解槽である。前記貯留タンクは、その内部空間を、上方の第1の部分と下方の第2の部分とに仕切る仕切りを含む。前記第1の部分は、前記第1の水溶液が配置される部分である。前記第2の部分は、前記第2の水溶液が配置される部分である。前記流路は、前記第1の部分と前記電解槽とをつなぐ第1の流路と、前記電解槽と前記第2の部分とをつなぐ第2の流路とを含む。前記ポンプは、前記第1の部分から前記電解槽を通って前記第2の部分に液体が流れるように送液するポンプである。前記仕切りの少なくとも一部は、前記第2の部分に配置された前記第2の水溶液の体積V2の変化に応じて可逆的に上下に移動する。
本発明によれば、簡単な構成で次亜塩素酸水を安定して製造できる。
図1は、実施形態1の装置の一例の構成を模式的に示す図である。 図2Aは、電解槽の一例の構成を模式的に示す図である。 図2Bは、電解槽の他の一例の構成を模式的に示す図である。 図3Aは、図1に示した装置の機能を説明する図である。 図3Bは、図1に示した装置の機能を説明する図である。 図4は、実施形態1の装置の他の一例の構成を模式的に示す図である。 図5は、他の実施形態の装置の一例の構成を模式的に示す図である。 図6は、他の実施形態の装置の他の一例の構成を模式的に示す図である。 図7は、処理装置の変形例の一例の構成を模式的に示す図である。 図8は、ガス放出機構の一例を模式的に示す図である。 図9は、ガス放出機構の一例を模式的に示す図である。 図10は、従来の装置の一例の構成を模式的に示す図である。
本発明の実施形態の例について以下に説明する。なお、本発明は、以下で説明する例に限定されない。以下の説明において特定の数値や特定の材料を例示する場合があるが、本発明はそれらの例示に限定されない。
(液体の処理装置)
本発明の一実施形態による装置は、液体の処理装置である。当該処理装置は、貯留タンクに配置された第1の液体を所定の機器(処理機器)で処理して第2の液体とし、その第2の液体を先の貯留タンクに戻す。当該処理装置は、貯留タンク、流路、ポンプ、および、流路に接続された処理機器を含む。通常、当該処理装置は、ポンプおよび処理機器などを駆動するための電源をさらに含む。
上記処理装置によれば、第2の液体が得られる。すなわち、別の観点では、上記処理装置は、第2の液体の製造装置である。上記処理装置の例には、第1の液体を電気分解することによって第2の液体を製造する装置が含まれる。
貯留タンクは、その内部空間を第1の部分と第2の部分とに仕切る仕切りを含む。第1の部分は、処理機器で処理される第1の液体が配置される部分である。第2の部分は、処理機器で処理された後の第2の液体が配置される部分である。流路は、第1の部分と第2の部分とをつなぐように形成されている。ポンプは、第1の部分から電解槽を通って第2の部分に液体が流れるように送液するポンプである。仕切りの少なくとも一部は、第2の部分に配置された第2の水溶液の体積V2の変化に応じて可逆的に移動する。
流路は、第1の部分と処理機器とをつなぐ第1の流路と、処理機器と第2の部分とをつなぐ第2の流路とを含む。すなわち、処理機器は、流路の途中に配置されている。
処理機器は、電気分解を行うための電解槽であってもよい。あるいは、処理機器は、電気分解ではない他の処理(たとえば特定の物質の除去)を行う機器であってもよい。電解槽は、アノードとなる電極とカソードとなる電極とを含み、必要に応じてさらに隔膜を含む。電極および隔膜の種類は、特に限定されず、電気分解の目的に応じて選択される。電極および隔膜には、公知の電極および隔膜を適用してもよい。電極の一例は、白金でコートされた金属電極である。隔膜の一例はイオン交換膜(たとえば陽イオン交換膜や陰イオン交換膜)であり、他の一例はイオン交換能を有さない膜(セパレータ)である。
貯留タンクの第1の部分には、第1および第2の液体のうちの一方の液体が配置され、貯留タンクの第2の部分には他方の液体が配置される。大気に暴露されることが好ましくない液体がある場合、その液体を、第1および第2の部分のうち大気に暴露されにくい側の部分に配置してもよい。たとえば、その液体を、第1の部分の下方に位置する第2の部分に配置してもよい。
仕切りは、貯留タンクの内部空間を、上方の第1の部分と下方の第2の部分とに仕切る仕切りであってもよい。あるいは、仕切りは、貯留タンクの内部空間を、任意の方向(たとえば横方向)に並ぶ第1の部分と第2の部分とに仕切る仕切りであってもよい。
仕切りの典型的な一例では、第1の部分に配置された第1の水溶液の体積V1と上記体積V2との合計が変わらない限り体積V1と体積V2との比(体積比)が変化しても貯留タンク内の水位が変化しないように仕切りの少なくとも一部が移動する。この構成によれば、送液に必要な圧力の変動を抑制できる。その結果、ポンプを含めた送液機構の構成を簡単にできる。仕切りが、第1の部分と第2の部分とが上下に並ぶように貯留タンクを仕切る場合には、仕切りの少なくとも一部は上下に動く。仕切りが、第1の部分と第2の部分とが水平方向に並ぶように貯留タンクを仕切る場合には、仕切りの少なくとも一部は水平方向に動く。
第1の部分の体積および第2の部分の体積は、仕切りの移動によって変化する。ここで、第1の部分の体積の最大値をVM1とし、第2の部分の体積の最大値をVM2とする。典型的には、VM1とVM2とは同程度である。VM2は、VM1の0.5〜2倍の範囲(たとえば0.8〜1.2倍)の範囲にあってもよい。
仕切りは、柔軟性を有するシート状の仕切りであってもよい。そのような仕切りの例には、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレンなど)やゴムなどからなるシートが含まれる。あるいは、仕切りは、板状の仕切りであってもよい。板状の仕切りの場合には、後述するように、仕切りが所定の移動をするように、貯留タンクおよび/または仕切りが特定の構造を有する。仕切りは、第1および第2の液体に対して耐性を有する材料で構成される。
第2の流路に、第2の水溶液中の気泡(ガス)を放出するための機構(ガス放出機構)が設けられていてもよい。たとえば、後述する次亜塩素酸水の製造装置の場合、電気分解によって発生した酸素ガスの気泡が第2の水溶液中に存在する場合がある。そのような気泡を、ガス放出機構によって放出できる。ガス放出機構の一例は、第2の流路に接続されて上方に延びる管(ガス放出管)である。その場合、ガス放出機構は、気泡を分離するための膜を備えてもよい。そのような膜の例には、親水性の樹脂からなる膜が含まれ、たとえば、親水性の樹脂からなる布(織布または不織布)が含まれる。親水性の樹脂は、第2の水溶液に対する耐性を有する樹脂であればよい。たとえば、第2の水溶液が次亜塩素酸水である場合、親水化処理されたフッ素樹脂(たとえばポリテトラフルオロエチレン)を用いてもよい。なお、液体中のガスをトラップするための公知の機構をガス放出機構として用いてもよい。
なお、第2の部分に溜まったガスを放出するためのガス放出機構を、第2の部分に設けてもよい。
流路は、処理機器(たとえば電解槽)および第2の部分を通るように第2の水溶液を循環させる循環路を形成するための循環用流路をさらに含んでもよい。この構成によれば、循環路で処理を繰り返すことが可能になる。たとえば、次亜塩素酸水を製造する場合、循環路において第2の水溶液を繰り返し電気分解することによって、高濃度の次亜塩素酸水を製造することが可能になる。
(次亜塩素酸水の製造装置)
処理装置の一例は、次亜塩素酸水(次亜塩素酸を含む水性液体)の製造装置である。この製造装置について以下に説明する。この製造装置は、貯留タンク、流路、ポンプ、および、流路に接続された電解槽を含む。電解槽は、塩化物イオンを含む第1の水溶液(第1の液体)を電気分解することによって次亜塩素酸を含む第2の水溶液(第2の液体)を生成する電解槽である。貯留タンクは、その内部空間を、上方の第1の部分と下方の第2の部分とに仕切る仕切りを含む。第1の部分は、第1の水溶液が配置される部分であり、第2の部分は、第2の水溶液が配置される部分である。流路は、第1の部分と電解槽とをつなぐ第1の流路と、電解槽と第2の部分とをつなぐ第2の流路とを含む。ポンプは、第1の部分から電解槽を通って第2の部分に液体が流れるように送液するポンプである。仕切りの少なくとも一部は、第2の部分に配置された第2の水溶液の体積V2の変化に応じて可逆的に上下に移動する。
本発明の実施形態の例について、図面を参照しながら以下に説明する。なお、以下で説明する実施形態は本発明の一例であり、本発明の効果が得られる限り、実施形態の各構成は、上述した他の構成に置き換えることができる。以下の説明において、同様の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の実施形態の一例について説明する。実施形態1の装置は、以下の構成を有する。
(a)処理機器が電解槽である。
(b)第1の液体が、塩化物イオン(Cl-)を含む水溶液(第1の水溶液)であり、第2の液体が、次亜塩素酸(HClO)を含む水溶液(第2の水溶液)である。電解槽は、第1の水溶液を電気分解することによって第2の水溶液を生成する。
(c)仕切りの少なくとも一部は、第2の部分に配置された第2の水溶液の体積V2の変化に応じて可逆的に上下に移動する。
実施形態1の装置は、次亜塩素酸水の製造装置として使用できる。実施形態1の製造装置の構成を図1に模式的に示す。図1の製造装置100は、貯留タンク10、流路20、ポンプ30、電解槽40、および電源50を含む。ポンプ30は、流路20の途中に配置されている。電解槽40は、流路20に接続されている。電源50は、ポンプ30を駆動する。また、電源50は、電気分解に必要な電力を電解槽40に供給する。電解槽40は、塩化物イオンを含む第1の水溶液51を電気分解することによって次亜塩素酸を含む第2の水溶液52を生成する。
貯留タンク10は、容器11と仕切り12とを含む。容器11の内部空間の形状は、たとえば円柱状や角柱状である。仕切り12は、貯留タンク10の内部空間(容器11の内部空間)を、上方の第1の部分11aと下方の第2の部分11bとに仕切る。第1の部分11aには第1の水溶液51が配置され、第2の部分11bには第2の水溶液52(図3A参照)が配置される。容器11には、第1の部分11aに第1の水溶液51を供給するための供給口(図示せず)と、第2の部分11bから第2の水溶液52を取り出すための排出口(図示せず)とが形成されている。
次亜塩素酸を含む水溶液からは、塩素ガスなどが発生することがあるため、第2の水溶液52が大気に暴露されることを抑制することが好ましい。その観点では、第2の水溶液52を下方の第2の部分11bに配置する構成が好ましい。図1に示す一例では、第2の水溶液52が下方の第2の部分11bに配置されている。この構成では、容器11の上部が開放されたときにも、次亜塩素酸を含む第2の水溶液52が大気に暴露されることを抑制できる。さらに、第2の水溶液52を下方の第2の部分11bに配置する場合、第2の水溶液52を取り出しやすいという利点もある。なお、仕切り12の下方に位置する部分を第1の部分11aとして第1の水溶液51を配置し、仕切り12の上方に位置する部分を第2の部分11bとして第2の水溶液52を配置することも可能である。
仕切り12の一例として、図1には、柔軟性を有するシート状の仕切りを示す。仕切り12の周辺部は容器11の内壁に固定されている。仕切り12は、第1の部分11aと第2の部分11bとの間で液体が移動することを防止する。仕切り12は、容器11に固定されている状態でたるみが生じる大きさを有する。仕切り12の少なくとも一部は、第2の部分11b内の第2の水溶液52の体積V2の変化に応じて可逆的に上下に移動する。別の観点では、仕切り12の少なくとも一部は、貯留タンク10内における第1の水溶液51の体積V1と第2の水溶液52の体積V2との比の変化に応じて可逆的に上下に移動する。
流路20は、第1の部分11aと電解槽40とをつなぐ第1の流路21と、電解槽40と第2の部分11bとをつなぐ第2の流路22とを含む。すなわち、流路20は、第1の部分11aと第2の部分11bとをつなぐように形成されている。流路20の取水口20aは、第1の部分11aに接続されている。ポンプ30は、第1の部分11aから電解槽40を通って第2の部分11bに液体が流れるように送液する。
装置100の電解槽40の構成は、目的に応じて選択すればよい。塩化物イオンを含む水溶液を電気分解して次亜塩素酸を含む水溶液を生成する電解槽について、従来から様々な電解槽が提案されている。そのため、それらを採用してもよい。電解槽40の一例の構成を、図2Aに模式的に示す。図2Aの電解槽40aは、第1の電極41、第2の電極42、セパレータ43、隔壁44、および槽45を含む。なお、以下の図では、水溶液51および52の流れを矢印で示す場合がある。
セパレータ43、およびその上部に配置された隔壁44は、槽45を第1の槽45aと第2の槽45bとに仕切っている。ただし、隔壁44の上部には貫通孔44aが形成されている。そのため、第1の槽45aの上部と第2の槽45bの上部とはつながっている。
セパレータ43は、液体とともに陽イオンおよび陰イオンを透過させる。セパレータ43は、たとえば、イオン交換能を有さない絶縁性の不織布である。第1の電極41は第1の槽45aに配置され、第2の電極42は第2の槽45bに配置されている。
電解槽40の他の一例の構成を、図2Bに模式的に示す。図2Bの電解槽40bは、隔壁44に貫通孔が形成されていない。一方、第2の槽45bの上方に、ガスを放出するための管(ガス放出管)46が設けられている。第2の電極42で生成されたガスは、管46を通して外部に放出される。また、管46を設けることによって、第2の槽45b内の内圧が高くなったときに、水溶液が装置の外部に漏れることを抑制できる。
図2Aおよび図2Bに示した例において、第1の流路21は、第1の槽45aの下部に接続されている。第2の流路22は、第1の槽45aの上部であって貫通孔44aよりも下方の位置に接続されている。第1の槽45aは、処理される水溶液が流れる流路の一部として機能する。第2の槽45bには、セパレータ43を通して第1の槽45aから水溶液が供給される。水溶液が流れる方向に特に限定はない。図2Aおよび図2Bに示したように、水溶液が下方から上方に向かって流れるように流路20を接続してもよい。あるいは、水溶液が上方から下方に向かって流れるように流路20を接続してもよい。
図2Aに示した電解槽40aを有する装置100を用いて次亜塩素酸水を製造する一例について説明する。まず、図1に示すように、第1の水溶液51を第1の部分11aに配置する。塩化物イオンを含む第1の水溶液51の例には、アルカリ金属の塩化物(塩化ナトリウムや塩化カリウム)の水溶液や塩酸などが含まれ、塩化カリウム水溶液や塩化ナトリウム水溶液であってもよい。
次に、第1の水溶液51の処理を開始する。具体的には、ポンプ30を駆動して第1の水溶液51を送液するとともに、電解槽40aで電気分解を行う。第1の水溶液51は、流路20の取水口20aから第1の流路21を通って電解槽40aに送られ、電解槽40aで電気分解される。
第2の水溶液52が流れる流路22は、貫通孔44aよりも下方の位置で第1の槽45aに接続されている。すなわち、電解槽40aは、通常の駆動時において槽45内の水溶液が貫通孔44aに到達することがないように構成されている。
電気分解は、第1の電極41がアノードとなり、第2の電極42がカソードとなるようにそれらに電圧を印加することによって行われる。アノードでは、塩化物イオンから塩素分子(塩素ガス)が生成される。一方、カソードでは、水素分子(水素ガス)が生成される。アノードで生じた塩素分子は、水と反応して次亜塩素酸を生じる。その結果、次亜塩素酸を含む第2の水溶液52が生成される。第2の水溶液52は、流路22を通って第2の部分11bに送られる。このようにして、次亜塩素酸水(第2の水溶液)が製造される。第2の水溶液52は、必要に応じて、容器11に設けられた排出口(図示せず)から排出されて使用される。
なお、第1の電極41で生成したガスのうち、水と反応せず且つ水に溶解しなかった分は、気泡として第2の水溶液52とともに流路22を流れる。同様に、第2の電極42で生成したガスのうち、水と反応せず且つ水に溶解しなかった分は、貫通孔44aを通り、気泡として第2の水溶液52とともに流路22を流れる。
図2Bに示した電解槽40bでも、図2Aに示した電解槽と同様に次亜塩素酸水を製造できる。電解槽40bでは、第2の電極42で生成したガスのうち、水と反応せず且つ水に溶解しなかった分は、管46から装置の外部に放出される。
なお、この明細書では、流路20や電解槽40に残留する水溶液の量を無視できる量であるとして説明を行う場合がある。上記の製造では、送液によって第1の部分11aの第1の水溶液51の体積V1が減る。そして、その分だけ、第2の部分11bの第2の水溶液52の体積V2が増える。体積V2の増大に応じて、図3Aに示すように、仕切り12のたるんでいる部分が上昇する。さらに処理を進めると、図3Bに示すように、第1の水溶液51のほとんどが第2の水溶液52となる。貯留タンク10の構成によれば、第1の水溶液51が処理された量にかかわらず(すなわち、体積V1と体積V2との比にかかわらず)、貯留タンク10内の水位はほぼ一定である。そのため、貯留タンク10内の水面から取水口20aまでの距離がほぼ一定であり、取水口20aにおける水圧もほぼ一定である。その結果、ポンプ30の送液速度を一定にすることが容易である。たとえば、ポンプ30を一定の電力で駆動することによって、送液速度をほぼ一定とすることが可能である。
原液である第1の水溶液51が貯留される容器と、第2の水溶液52が貯留される容器とを異なる容器とする場合の一例(従来例)の構成を、図10に模式的に示す。図10の装置1では、第1の水溶液51が容器2に配置される。電気分解によって得られる第2の水溶液は容器3に配置される。第1の水溶液51が処理されて体積が減ると、容器2内の第1の水溶液51の水位が低下する。この場合、処理の進行に伴って、取水口20aにおける水圧が変化する。そのため、ポンプ30を一定の電力で駆動した場合、処理の進行に伴って送液速度が変化する。その結果、電気分解の条件が変化してしまい、効率がよい安定な電気分解が難しくなったり、所望の次亜塩素酸水が得られなくなったりする場合がある。一方、図10の装置で送液速度を一定にするには、容器2内の水位に応じてポンプの駆動電力を変化させたり、高精度の流量制御装置を設けたりする必要がある。その場合、装置の構成が複雑になったり、装置が高価になったりする。
図1には、仕切り12がシート状の仕切りである一例を示した。仕切り12は、板状の仕切りであってもよい。その場合、容器11の内部空間は、上下に延びる柱状(円柱状や角柱状)の形状を有する。そして、板状の仕切り12は、容器11の内部空間の水平方向の断面形状と同じ形状を有する。たとえば、容器11の内部空間が上下に延びる円柱状である場合には、仕切り12は円形である。容器11の内部空間が上下に延びる角柱状である場合には、仕切り12は矩形である。
板状の仕切り12を有する装置の一例の構成を、図4に模式的に示す。図4は、容器11内に第1の水溶液51が配置されたときの状態を示す。
図4の仕切り12は板状であり、容器11の内部を上下に移動可能である。第1の水溶液51が処理されて第2の水溶液が増加するのにともなって、仕切り12は上昇する。この場合も、第1の水溶液51の処理に伴って容器11内の水位が大きく変化することはない。
図4に示す装置100では、仕切り12が水平な状態を保ったまま上下に移動する。そのためには、任意の技術を適用できる。たとえば、仕切り12を厚くして容器11と仕切り12とが接触する面が傾かないようにしてもよい。あるいは、仕切り12が水平な状態を保ったまま上下に移動するためのガイドを設けてもよい。なお、少量の第1の水溶液51が第2の水溶液52に混入しても問題ない場合には、容器11と仕切り12との間に隙間があってもよい。
(他の実施形態)
以下では、他の実施形態について説明する。実施形態1では、容器11を上方の第1の部分11aと下方の第2の部分11bとに仕切る場合について説明した。しかし、第1の水溶液51を処理することによって第2の水溶液52の体積V2が増加しても容器11内の水位が変化しない限り、仕切り12は容器11を異なる方向に仕切ってもよい。たとえば、容器11を、横方向に並ぶ第1の部分11aと第2の部分11bとに仕切ってもよい。そのような装置の一例の構成を、図5に模式的に示す。
図5の装置100aの仕切り12は、図1の装置100と同様に、柔軟性を有するシート状の仕切りである。この場合、容器11の内部空間の形状は特に限定されず、円柱状であっても角柱状であってもよい。仕切り12は、容器11の内部空間を、横方向(水平方向)に並ぶ第1の部分11aと第2の部分11bとに仕切る。
図5は、第1の水溶液51が第1の部分11aに配置された状態を示している。第2の水溶液51が処理されて第2の水溶液52が増えると、仕切り12の一部が横方向(水平方向)に移動する。第1の水溶液51の処理を進めても、容器11内の水位はほぼ一定である。
装置100aにおいて、板状の仕切り12を用いてもよい。その場合の装置の一例を、図6に模式的に示す。図6に示す装置100aにおいて、仕切り12は、容器11の内部空間を、横方向に並ぶ第1の部分11aと第2の部分11bとに仕切る。仕切り12は、鉛直方向と平行に配置されている。仕切り12は、鉛直方向と平行な状態を維持したまま、仕切り12の面方向に垂直な方向に水平移動可能である。そのための構成については、図4の仕切り12で説明したため、説明を省略する。図6の装置100aにおいて、第1の水溶液51の処理を進めても、容器11内の水位はほぼ一定である。
図5の装置100aでは、容器11の内部空間の形状に制限はない。一方、図6の装置100aでは、容器11の内部空間は、仕切り12の移動を可能にするために、水平方向に延びる柱状(たとえば円柱状や角柱状)の形状を有する。
上記処理装置(たとえば次亜塩素酸水の製造装置)において、流路は、循環用流路をさらに含んでもよい。循環用流路を含む装置の一例として、図1に示した製造装置100に循環用流路を加えた装置を図7に示す。なお、上述した他の装置にも、同様に循環用流路を加えることができる。
図7の装置100において、流路20は循環用流路23を含む。循環用流路23は、弁24を介して第1の流路21に接続されている。図7の装置100では、循環用流路23、電解槽40、第2の流路22、および第2の部分11bを含む循環路が形成されている。この循環路によって、第2の水溶液52は、電解槽40および第2の部分11bを通るように循環することが可能になる。すなわち、電解槽40と第2の部分11bとの間で第2の水溶液52を循環させることが可能になる。
弁24は、第1の部分11a中の第1の水溶液51および第2の部分11b中の第2の水溶液52のどちらの水溶液が電解槽40に流れるかを切り替えるための弁である。なお、ポンプ30とは別のポンプを循環路に設け、ポンプ30の下流側の第1の流路21または電解槽40に循環用流路23を接続してもよい。
図1の装置では、第1の水溶液51が電解槽40を一度だけ通過して処理されるワンパス方式の処理が行われる。一方、図7の装置100では、ワンパス方式で第2の水溶液52(次亜塩素酸水)を製造したのちに、循環用流路23を含む循環路を用いて第2の水溶液52を繰り返し電解槽40で処理することが可能である。処理を繰り返すことによって、高濃度の次亜塩素酸水が得られる。
図7に示すように、上述した処理装置は、第2の部分11bに接続されたタンク61を含んでもよい。バルブ62を開くことによって、製造された第2の水溶液52をタンク61に移すことができる。タンク61は、第2の水溶液52の保管や移動に用いることができる。さらに、容量が大きいタンク61を用いることによって、タンク61内で第2の水溶液52を希釈することが可能である。
上記処理装置(たとえば次亜塩素酸水の製造装置)は、不要なガスを外部に放出するためのガス放出機構を備えてもよい。たとえば、次亜塩素酸水の製造装置(たとえば上述した装置100および装置100a)は、アノードで生成されたガスの気泡を放出するためのガス放出機構を含んでもよい。そのようなガス放出機構の一例を、図8に模式的に示す。
図8のガス放出機構80aは、第2の流路22に形成されている。ガス放出機構80aは、上方に延びる管81と、親水性の膜82とを含む。膜82は第2の流路22に配置されている。管81は、膜82の直前(上流側)の位置において、第2の流路22の上方に接続されている。
図8に示すように、ガス放出機構80aは、管81内に設けられたフィルタ83を備えてもよい。フィルタ83はたとえば活性炭フィルタである。活性炭フィルタを用いることによって、塩素ガス臭などを軽減できる。
一例として、次亜塩素酸水の製造装置におけるガス放出機構80aの機能について説明する。次亜塩素酸水を製造する場合、アノードでは通常、塩素ガスおよび酸素ガスが生成される。それらのガスの気泡は、第2の水溶液52とともに第2の流路22を流れる。ただし、塩素ガスは水と反応するため、気泡の大部分は酸素ガスである。気泡のほとんどは、膜82を通過できないため、膜82の上方に設けられた管81内を上昇して外部に放出される。一方、第2の水溶液52は膜82を通過して第2の部分11bに送られる。このようにして、第2の水溶液52中のガス(気泡)が第2の水溶液52から分離されて放出される。
ガス放出機構の他の一例を図9に示す。図9のガス放出機構80bは管81を含む。ガス放出機構80bは、ガス放出機構80aと同様に、管81内に設けられたフィルタ83を備えてもよい。図9に示すように、第2の流路22は、管81が接続されている部分の近傍で下方に曲がっていることが好ましい。それによって、気泡を分離しやすくなる。また、下方に曲がっている部分を、その直前の第2の流路22よりも細くしてもよい。それによって、気泡をより分離しやすくなる。
本発明は、液体の処理装置に利用でき、たとえば、次亜塩素酸水の製造装置に利用できる。
10 貯留タンク
11 容器
11a 第1の部分
11b 第2の部分
12 仕切り
20 流路
21 第1の流路
22 第2の流路
30 ポンプ
40、40a、40b 電解槽
50 電源
51 第1の水溶液
52 第2の水溶液
80a、80b ガス放出機構
100、100a 製造装置(処理装置)

Claims (6)

  1. 次亜塩素酸水の製造装置であって、
    貯留タンク、流路、ポンプ、および、前記流路に接続された電解槽を含み、
    前記電解槽は、塩化物イオンを含む第1の水溶液を電気分解することによって次亜塩素酸を含む第2の水溶液を生成する電解槽であり、
    前記貯留タンクは、その内部空間を、上方の第1の部分と下方の第2の部分とに仕切る仕切りを含み、
    前記第1の部分は、前記第1の水溶液が配置される部分であり、
    前記第2の部分は、前記第2の水溶液が配置される部分であり、
    前記流路は、前記第1の部分と前記電解槽とをつなぐ第1の流路と、前記電解槽と前記第2の部分とをつなぐ第2の流路とを含み、
    前記ポンプは、前記第1の部分から前記電解槽を通って前記第2の部分に液体が流れるように送液するポンプであり、
    前記仕切りの少なくとも一部は、前記第2の部分に配置された前記第2の水溶液の体積V2の変化に応じて可逆的に上下に移動する、次亜塩素酸水の製造装置。
  2. 前記第1の部分に配置された前記第1の水溶液の体積V1と前記体積V2との合計が変わらない限り前記体積V1と前記体積V2との比が変化しても前記貯留タンク内の水位が変化しないように前記仕切りの少なくとも一部が移動する、請求項1に記載の、次亜塩素酸水の製造装置。
  3. 前記仕切りが、柔軟性を有するシート状の仕切りである、請求項1または2に記載の、次亜塩素酸水の製造装置。
  4. 前記仕切りが板状の仕切りである、請求項1または2に記載の、次亜塩素酸水の製造装置。
  5. 前記第2の流路に、前記第2の水溶液中の気泡を放出するための機構が設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の、次亜塩素酸水の製造装置。
  6. 前記流路は、前記電解槽および前記第2の部分を通るように前記第2の水溶液を循環させる循環路を形成するための循環用流路をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の、次亜塩素酸水の製造装置。

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