JP2019139363A - タッチパネル駆動装置、タッチパネル装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また下記特許文献2には、X、Y方向の電極配線において電極が交差する部分を設けないようにした、いわゆるシングルレイヤ方式の構造が開示されている。
このような本発明ではタッチパネルのセンシングとして差動方式を用いる。即ち一対の受信信号線からの受信信号の差分に相当する検出値を生成する。このための手法として、一方の受信信号線に接続した計測用容量部の容量値を順次切り替えながら一方と他方の受信信号線からの各受信信号のレベルを比較する。この動作によれば各受信信号のレベルが略同等となるときの容量値(又は容量値の選択制御信号)は、各受信信号の差分に相当する値となる。従って上記動作によりタッチパネル操作監視のための検出値を生成することができる。ところが計測用容量部の各段階の容量値のリニアリティが悪いと、正確な検出ができない。ここで容量誤差は、容量素子とスイッチ素子の寄生容量が一因となっている。そして小さい容量のコンデンサほど寄生容量の影響による容量誤差が大きくなる。また寄生容量は配線が長くなれば増加する。そこで第2領域を、第3領域よりも第1領域に近い位置とすることで、小さい容量の容量部とスイッチの間の配線長が短くなるようにする。
集積回路の第1領域には、第1容量部から第X容量部までの各容量部を構成する容量素子が形成されるが、このときに小さい容量の容量部を構成する容量素子がなるべく第2領域に近くなるようにする。
各容量部CMの容量値を得るための容量素子(コンデンサ)を、全て特定の容量値のコンデンサ、つまり同一の面積のコンデンサとする。そして並列接続や直接接続により各容量部の容量を形成する。そして各容量部では、その容量部を構成する容量素子が複数配置されるが、その複数の容量素子を、第1領域において例えば中央点に対して点対称となるように配置する。
大きい容量の容量素子(コンデンサ)が含まれるほど全体として面積比が大きくなる。所定値以上の容量部については、容量素子の並列接続で必要な容量を形成することで、全体での面積比を小さくできる。
即ち容量精度を高くしたタッチパネル駆動装置を用いることで、センシング精度のよいタッチパネル装置を実現する。
<1.タッチパネル装置の構成>
<2.センシング動作>
<3.リニアリティ改善のための構成>
[3−1:第1例]
[3−2:第2例]
[3−3:第3例]
[3−4:第4例]
[3−5:第5例]
[3−6:第6例]
<4.実施の形態の効果及び変形例>
実施の形態のタッチパネル装置1の構成例を図1に示す。
タッチパネル装置1は、各種機器においてユーザインターフェース装置として装着される。ここで各種機器とは、例えば電子機器、通信機器、情報処理装置、製造設備機器、工作機械、車両、航空機、建物設備機器、その他非常に多様な分野の機器が想定される。タッチパネル装置1は、これらの多様な機器製品においてユーザの操作入力に用いる操作入力デバイスとして採用される。
図1ではタッチパネル装置1と製品側MCU(Micro Control Unit)90を示しているが、製品側MCU90とは、タッチパネル装置1が装着される機器における制御装置を示しているものである。タッチパネル装置1は製品側MCU90に対してユーザのタッチパネル操作の情報を供給する動作を行うことになる。
タッチパネル駆動装置3はセンサIC(Integrated Circuit)4とMCU5を有する。
このタッチパネル駆動装置3は、タッチパネル側接続端子部31を介してタッチパネル2と接続される。この接続を介してタッチパネル駆動装置3はタッチパネル2の駆動(センシング)を行う。
また操作入力デバイスとして機器に搭載される際には、タッチパネル駆動装置3は製品側接続端子部32を介して製品側MCU90と接続される。この接続によりタッチパネル駆動装置3は製品側MCU90にセンシングした操作情報を送信する。
図2に、送信回路41、受信回路42、マルチプレクサ43とタッチパネル2の接続状態を模式的に示す。
タッチパネル2は、タッチ面を形成するパネル平面に、送信側の電極としてのn本の送信信号線21−1から21−nが配設される。
また同じくパネル平面に、受信側の電極としてのm本の受信信号線22−1から22−mが配設される。
なお送信信号線21−1・・・21−n、受信信号線22−1・・・22−mを特に区別しない場合は、総称として「送信信号線21」「受信信号線22」と表記する。
図では送信信号線21と受信信号線22の間で生じる容量を一部のみ例示している(容量C22,C23,C32,C33)が、タッチ操作面の全体に、送信信号線21と受信信号線22の間で生じる容量(例えば交差位置における容量)が存在し、タッチ操作により容量変化が生じた位置が受信回路42により検出されることとなる。
受信回路42は、マルチプレクサ43により選択された受信信号線22−1・・・22−mからの受信信号を受信する。本実施の形態では、マルチプレクサ43が各タイミングで2本ずつ隣接する受信信号線22を選択していく。
送信回路41、受信回路42によるセンシング動作については後述する。
またインターフェース・レジスタ回路44には、受信回路42により検出された検出値(説明上「RAW値」ともいう)を記憶し、MCU5が取得できるようにしている。
また受信回路42は、センシング動作の際に、マルチプレクサ43によって選択された受信信号線22に対して駆動電圧AVCCを印加することも行う。
電源回路45の構成については後に詳述する。
またMCU5は受信回路42からのRAW値をインターフェース・レジスタ回路44から読み出すことで取得する。そしてMCU5は、RAW値を用いて座標計算を行い、ユーザのタッチ操作位置情報としての座標値を製品側MCU90に送信する処理を行う。
以上の構成のタッチパネル装置1によるセンシング動作について説明する。
まず図3によりタッチパネル2に対する送信回路41,受信回路42の動作を説明する。図ではタッチパネル2において2つの送信信号線21−2、21−3と、2つの受信信号線22−2、22−3を示している。
本実施の形態の場合、先の図2に示したような送信信号線21、受信信号線22に対して、送信回路41と受信回路42が、それぞれ隣接する2本ずつ送信、受信を行っていくことでタッチ操作の検出を行うものとなる。つまり一対の送信信号線21と一対の受信信号線22の2本×2本を基本セルとして、順次セル単位で検出走査を行う。図3では、その1つのセル部分を示していることになる。
なお、駆動電圧AVCC1は、図1の電源回路45が生成する駆動電圧AVCC自体、もしくは駆動電圧AVCCに基づく電圧である。
この場合、送信回路41は、ドライバ411からの送信信号T+は図示のように、アイドル(Idle)期間をロウレベル(以下「Lレベル」と表記)とする。例えば0Vとする。そして続くアクティブ(Active)期間にはハイレベル(以下「Hレベル」と表記)とする。この場合、Hレベルの信号として具体的には駆動電圧AVCC1の印加を行う。
また送信回路41は、もう一つのドライバ412からの送信信号T−は、アイドル期間をHレベル(駆動電圧AVCC1の印加)とし、続くアクティブ期間はLレベルとする。
ここで、アイドル期間は受信信号R+、R−の電位を安定させる期間であり、アクティブ期間は受信信号R+、R−の電位変化をセンシングする期間となる。
受信回路42は、コンパレータ421、基準容量部422、スイッチ423,425、計測用容量部424、演算制御部426を備えている。
2つの受信信号線22からの受信信号R+、R−はコンパレータ421で受信される。コンパレータ421は、受信信号R+、R−の電位を比較して、その比較結果をHレベル又はLレベルで演算制御部426に出力する。
また計測用容量部424の一端には駆動電圧AVCC2が印加されている。この計測用容量部424の他端はスイッチ425の端子Taを介してコンパレータ421の−入力端子に接続されている。
スイッチ423、425は、アクティブ期間には端子Taが選択される。従ってアクティブ期間にはコンパレータ421の+入力端子(受信信号線22−3)、−入力端子(受信信号線22−2)に駆動電圧AVCC2が印加される。
アクティブ期間となるとスイッチ423、425が端子Taを選択することで、受信信号線22−3,22−2に駆動電圧AVCC2が印加される。これにより受信信号R+、R−の電位がΔV上昇する。非タッチの状態では、このΔVの電位上昇は、受信信号R+、R−共に発生する。
一方、送信回路41側では、アクティブ期間となると、上述のように送信信号T+が立ち上がり、送信信号T−が立ち下がる。これにより、タッチ操作があった場合には、受信信号R+、R−の電位上昇の程度が変化する。
仮に容量C22に影響を与えるA1位置がタッチされた場合、受信信号R−の電位がアクティブ期間において破線で示すようにΔVHだけ上昇する。
また仮に容量C32が変化するA2位置がタッチされた場合、受信信号R−の電位がアクティブ期間において破線で示すΔVLだけ上昇する。
これらのように当該セルに対するタッチ操作位置に応じて、受信信号R−の電位変化量が受信信号R+の電位変化量(ΔV)よりも大きくなったり小さくなったりする。
コンパレータ421はこのような受信信号R+、R−を比較することになる。
演算制御部426は、インターフェース・レジスタ回路44に書き込まれた設定情報に従って、スイッチ423,425のオン/オフや計測用容量部424の容量値の切替処理を行う。またコンパレータ421の出力を監視し、後述の処理でRAW値を算出する。演算制御部426で算出されたRAW値はインターフェース・レジスタ回路44に書き込まれることでMCU5が取得可能とされる。
なお図4はスイッチ423,425が端子Taに接続された状態(アクティブ期間)での等価回路として示しており、スイッチ423,425の図示は省略している。
各容量部CM0〜CM7は、駆動電圧AVCC2の電位とコンパレータ421の−入力端子の間に並列に接続されている。また各容量部CM0〜CM7に対してはそれぞれ直列にスイッチSW0〜SW7が接続されている。つまりスイッチSW0〜SW7のオン/オフにより、受信信号R−に影響を与える容量部CMを変更できる構成である。
また図4では各容量部CM0〜CM7を1つのコンデンサの記号で示しているが、後述するように各容量部CM0〜CM7のそれぞれは1つのコンデンサで形成される場合もあるし、複数のコンデンサで構成される場合もある。
スイッチSW0〜SW7は、例えばFET(Field effect transistor)等のスイッチ素子を用いて構成されるが、図14等で後述するように、1つのスイッチSWとして複数のスイッチ素子が設けられる場合もある。
容量部CM0からCM7は、ビット“0”からビット“7”の8ビットの値で選択される。容量部CM0及びスイッチSW0がビット0、容量部CM1及びスイッチSW1がビット“1”、・・・容量部CM7及びスイッチSW7がビット“7”として機能する。
そして8ビットの値として0(=「00000000」)から255(=「11111111」)の容量設定値が与えられる。容量設定値はMCU5がインターフェース・レジスタ回路44に書き込む設定情報の一つである。
受信回路42では、この8ビットの容量設定値に応じてスイッチSW0〜SW7がオン/オフされる。即ちスイッチSW0〜SW7は対応するビットが「0」であればオフ、「1」であればオンとなる。これにより計測用容量部424の全体の容量値が0fF〜510fFの範囲で256段階に可変されることになる。
なお、センサIC4において容量部CMとスイッチSWが実際に形成される配線部分には寄生容量Csが発生する。図4では、容量部CM0とスイッチSW0の回路部分のみに寄生容量Csを示しているが、実際には他の回路部分(容量部CM1とスイッチSW1の回路部分から容量部CM7とスイッチSW7の回路部分まで全て)でも寄生容量Csが生じている。容量部CMのコンデンサは実際には配線間の容量として実現する。するとスイッチSWとの間の配線が長い程、寄生容量Csは大きくなる。
この寄生容量Csは各容量部CM0〜CM7の各容量値に誤差を生じさせるものとして影響する。この対策については後述する。
図4の構成では、計測用容量部424の容量設定値を変更していくことで受信信号R−の波形の電位上昇程度を変化させることができ、例えば受信信号R+と同等となる計測用容量部424の容量設定値を見つけ出すことができる。
例えば図4の受信信号R−の破線で示す波形Sg1が初期状態であったとしたときに、計測用容量部424の容量を小さくすれば受信信号R−は波形Sg2のように波形Sg1より小さくなる。また、計測用容量部424の容量を大きくすれば受信信号R−は波形Sg3のように波形Sg1より大きくなる。
つまり、コンパレータ421で受信信号R+、R−の電圧レベルが同等となったときの計測用容量部424の容量設定値は、タッチによる受信信号R−の電圧変化に相当する値と等価となる。従って、コンパレータ421の出力をみながら計測用容量部424の容量設定値を変化させていき、受信信号R+、R−のアクティブ期間の電圧が同等となる容量設定値を探索する。すると探索された容量設定値を、タッチ操作のセンシング情報としてのRAW値とできることになる。
図5においてステップS100からS109のループ処理は、1つのセル(2つの送信信号線21と2つの受信信号線22の組)に対するセンシングの手順を示している。なお、RAW値を得るまでに容量設定値は8段階の異なる値を取る(初期状態から7回変更される)。
送信回路41ではドライバ411からの送信信号T+はLレベル、送信信号T−はHレベル(=駆動電圧AVCC1)とする。
受信回路42では、スイッチ423,425が端子Tiに接続される。これによりコンパレータ421の+入力端子、−入力端子はグランド接続される。
送信回路41ではドライバ411からの送信信号T+はHレベル(=駆動電圧AVCC1)、ドライバ412からの送信信号T−はLレベルとする。
受信回路42では、スイッチ423,425が端子Taに接続される。これによりコンパレータ421の+入力端子は基準容量部422を介して駆動電圧AVCC2に接続され、−入力端子は計測用容量部424を介して駆動電圧AVCC2に接続される。
ステップS103ではコンパレータ421が受信信号R+、R−を比較し、比較結果を出力する。コンパレータ421からは、(受信信号R+)>(受信信号R−)であればHレベル出力が得られ、(受信信号R+)<(受信信号R−)であればLレベル出力が得られる。
コンパレータ421の出力がHレベルであれば、ステップS105で計測用容量部424の容量切替が行われる。この場合、ビット“n”のスイッチをオンにしたまま、ビット“n−1”のスイッチをオンとする。
それまで上記のように初期状態で容量設定値=「10000000」とされてビット“7”のみオンとしていたときは、続いて容量設定値=「11000000」とされてビット“7”とビット“6”がオンとされる。即ちスイッチSW7,SW6がオンとされ、計測用容量部424の容量値は384fFとなる。
そしてステップS107で変数n>0であれば、ステップS108で変数nをデクリメントしてステップS101に戻る。つまり、計測用容量部424の容量を大きくした上で、アイドル期間、アクティブ期間の動作を行ってコンパレータ421の出力を確認する。
それまで初期状態で容量設定値=「10000000」とされてビット“7”のみオンとしていたとすると、続いて容量設定値=「01000000」とされてビット“7”がオフとされ、ビット“6”がオンとされる。即ちスイッチSW7がオフとされスイッチSW6がオンとされ、計測用容量部424の容量値は128fFとなる。
そしてステップS107で変数n>0であれば、ステップS108で変数nをデクリメントしてステップS101に戻る。つまり、計測用容量部424の容量を小さくした上で、アイドル期間、アクティブ期間の動作を行ってコンパレータ421の出力を確認する。
なお変数n=0のときのステップS105,S106においては、ビット“n−1”は存在しないので、ビット“n−1”の処理は行わない。
ステップS107で変数n=0となっていたらステップS109に進み、受信回路42はRAW値を算出する。これは計測用容量部424においてオンとなっているスイッチSWのビットの2のべき乗の総和をとるという処理となる。例えば仮に最終的にスイッチSW5、SW3、SW2がオンになっていたとしたら、25+23+22=44ということになり、RAW値=44となる。
タッチパネル2における各セル(2本の送信信号線21と2本の受信信号線22の組)について同様に図5の処理が行われ、RAW値が求められる。
MCU5は各セルについてのRAW値を取得し、タッチ操作位置の座標計算を行い、求めた座標値を製品側MCU90に送信する。
特に非タッチ時には受信信号R+、R−の電位のバランスがとれているようにし、タッチによる容量変化によって受信信号R+、R−の電位に差が生ずるようにしている。これを計測用容量部424の容量を順次変化させて受信信号R+、R−のバランスがとれる容量値を探索し、その容量値を指定する容量設定値からRAW値を得るようにしている。これによりタッチ操作による容量変化に起因する受信信号R+、R−の差分を正確に検出できる。
1つはタッチパネル2がシングルレイヤ構造の場合の事情である。シングルレイヤ構造の場合、非タッチの状態では、送信信号線21と受信信号線22の間で容量がほとんど生じない。つまり送信信号線21と受信信号線22の間(電極間)は絶縁状態にある。しかし非タッチ状態でも、アクティブ期間に受信信号波形が立ち上がるようにすることが必要である。このために駆動電圧AVCC2を送信することによって、シングルレイヤの場合にも対応して上記のセンシング動作が良好にできるようにしている。
またもう1つの理由はシングルレイヤに限ったことではない。上記のセンシング方式ではアクティブ期間に移行したときからの、受信信号R−の電位上昇幅を見ることになるが、送信信号T−の立ち下がりによる影響も把握したい。つまり図3に破線で示したΔVLの電位上昇も観測する必要がある。もしアクティブ期間での非タッチ状態での受信信号R+、R−の電位が0Vだと、立ち下がりの影響を受ける場合、受信信号R−の電位がマイナス値になってしまい、受信回路42において扱いにくいものとなる。そこで受信信号R−の電位が0V以下にならないように持ち上げておくようにし、送信信号T−の立ち下がりの影響による受信波形の電位を容易かつ適切に観測しやすくするために駆動電圧AVCC2を印加している。
[3−1:第1例]
ところで以上のように計測用容量部424の容量値を切り替えながら受信信号R+、R−を比較していくことでタッチ時の容量変化を検出するセンシング動作では、その検出精度には、計測用容量部424の容量値のリニアリティ(線形性)が大きく関わる。
図6には、このようにそれぞれ1つのコンデンサを用いる場合の、各容量部CMのコンデンサの面積を示している。
上記のように容量設定値=63のときは、容量部CM0〜CM5の6個のコンデンサの並列接続により計測用容量部424の容量値は126fFとなり、容量設定値=64では容量部CM6により計測用容量部424の容量値は128fFとなる。
さらに面積の小さいコンデンサほど、上述した寄生容量Csの影響を受けやすいということもある。
つまり、容量部CM0〜CM7のそれぞれにおいてスイッチSW0〜SW7との配線間で寄生容量Csが生じるが、それぞれの寄生容量Csの容量値が仮にほぼ同じ程度であったとしても、例えば2fFのような小さい容量部CM0では、寄生容量Csによる容量変化が、256fFの容量部CM7よりも顕著になる。
このように容量設定値で制御されるべき256段階の容量値に、大小関係の逆転現象がおきることがある。このような逆転現象が多く起きる状態をリニアリティが悪い状態といっている。そして上述の図5の処理を考えれば理解されるとおり、リニアリティが悪いと、RAW値を正確に生成できなくなる。
図7Aは、センサIC4内における計測用容量部424を構成する素子を配置する領域を模式的に示している。計測用容量部424を構成する素子とは、容量部CM0〜CM7として機能するコンデンサと、スイッチSW0〜SW7となるトランジスタである。
そして図示するように、計測用容量部424の素子を配置する領域を、第1領域AR1、第2領域AR2、第3領域AR3に分ける。
第1領域AR1には、容量部CM0〜CM7となるコンデンサが配置される。
第2領域AR2には、容量値の小さい側に分けられる容量部(例えば容量部CM0〜CM4)に対応するスイッチ(例えばスイッチSW0〜SW4)となるトランジスタが配置される。
第3領域AR3には、容量値の大きい側に分けられる容量部(例えば容量部CM5〜CM7)に対応するスイッチ(例えばスイッチSW5〜SW7)となるトランジスタが配置される。
リニアリティ改善効果を図8に示す。図8Aは、図7Aの配置の場合の特性、図8Bは比較例となる図7Bの配置の場合の特性である。なお、図7Bの配置とは、第1領域AR1に隣接して第3領域AR3が配置され、小容量の容量部CMに対応するスイッチSWが配置された第2領域AR2が、第3領域AR3よりも第1領域AR1から遠くなっている例である。
図8A,図8Bにおいて、横軸は容量設定値としての0〜255を示す。縦軸は出力電圧Vcとしている。この出力電圧Vcとは、計測用容量部424を受信信号線22に接続しない状態で、駆動電圧AVCC2を印加したときの立ち上がり波形の電圧値(コンパレータ421側に出力される電圧値)である。
観測される出力電圧Vcは間接的に計測用容量部424の各段階の容量値を表すものとなる。
一方図8Aでは観測される出力電圧Vc(容量値)の上下変動がかなり抑えられており、リニアリティがかなり改善されていることがわかる。
これによって上述の逆転現象が生じにくくなり、リニアリティが改善されると考えることができる。
図7Cの配置例は第1領域AR1において各容量部CM0〜CM7のコンデンサ配置を工夫するものである。小さい容量部CM0のコンデンサほど、第2領域AR2に近くなるようにしていることを示している。
もちろん全てのコンデンサを厳密に、容量順に第2領域AR2から順番に距離を長くしていくようにすることに限るものではなく、各容量値のコンデンサのサイズ等に応じて配置すればよい。その際に、小さい容量のコンデンサ(或いは小さい容量の容量部CMを構成するコンデンサ)について、スイッチSWからの距離を短くすることで、小容量側での寄生容量Csを減らし、各容量部CM0〜CM7における寄生容量Csによる容量誤差の割合の差を低減できる。
第2例として計測用容量部424が図9のように構成される例を説明する。
これは計測用容量部424が容量部CM0〜CM10と、この容量部CM0〜CM10のそれぞれに対応するスイッチSW0〜SW10を有する例である。この場合もセンシング動作のために計測用容量部424の容量値が図4、図5で説明した例と同様の考え方で変更されていく。
11ビットの容量設定値により、容量値は2048段階に切り替えられる。
各容量部CM0〜CM10の容量値は、2fF、4fF、8fF、16fF、32fF、64fF、128fF、256fF、512fF、1024fF、2048fFとされる。従って計測用容量部424の容量値は、0fFから4094fFまでに変更される。
そして、センサIC4において容量部CM0〜CM7とスイッチSW0〜SW7は図7Aのように配置される。
例えば第2領域AR2には、比較的小さい容量値である容量部CM0〜CM4に対応するスイッチSW0〜SW4となるトランジスタが配置され、第3領域AR3には比較的大きい容量値である容量部CM5〜CM10に対応するスイッチSW5〜SW10となるトランジスタが配置される。
このようにすることで上述の第1例と同様の効果を得ることができる。即ち計測用容量部424の容量可変段階数を多くした場合も、図7Aの配置は有効である。
なおこの場合も図7Cのように、第1領域AR1の各容量部CM0〜CM10を構成するコンデンサについては、小さい容量値の容量部CMを構成するコンデンサほど第2領域に近い位置に配置することが、小さい容量部CMによる容量誤差を小さくでき、容量誤差の割合を均一化するためには好適となる。
第3例の計測用容量部424の構成を図10に示す。これは図9と同じく容量部CM0〜CM10とスイッチSW0〜SW10を有する構成であるが、大容量側(例えば容量部CM7〜CM10)を複数のコンデンサで構成する例である。
容量部CM7は128fFの2個のコンデンサの並列接続で256fFの容量を構成する。容量部CM8は128fFの4個のコンデンサの並列接続で512fFの容量を構成する。容量部CM9は128fFの8個のコンデンサの並列接続で1024fFの容量を構成する。容量部CM10は128fFの16個のコンデンサの並列接続で2048fFの容量を構成する。
図9のように2fFから2048fFまでのコンデンサを用いる場合、最小面積のコンデンサから最大面積のコンデンサまでの面積比がかなり大きくなる。これに対し図10の場合、最大面積のコンデンサが128fFとなることで、最小面積のコンデンサから最大面積のコンデンサまでの面積比を小さくすることができる。これにより寄生容量Csの影響による容量誤差の割合を均一化することに有利となる。
また図10の例では、128fFのコンデンサよりも広い面積のコンデンサを用いないことでコンデンサ配置の自由度が増し、IC設計上有利にもなる。
図11,図12,図13により計測用容量部424の第4例の構成を説明する。これは、容量部CM0〜CM10の全てを特定の容量のコンデンサのみで構成する例である。
さらに、図7Aと同様に第1領域AR1,第2領域AR2,第3領域AR3の配置構造を採るが、容量部CM0〜CM10のコンデンサを配置する第1領域AR1では、各容量部CMを構成するコンデンサを点対称に配置するものとする。
また図7Aのような配置により、上述の通り、寄生容量Csの影響による容量誤差の割合の差を均一化でき、これもリニアリティ改善に寄与できる。
さらに第1領域AR1においてコンデンサを点対称配置にすることで、フォトリソグラフィ工程等で生じたx方向又はy方向の傾斜誤差(後述)の影響を低減し、これも容量精度を向上させ、リニアリティの改善につながる。
このように第4例は総合的にリニアリティの改善を実現するものとなる。
計測用容量部424の容量部CM0〜CM10は全て16fFのコンデンサで構成する。
容量部CM0は8つの16fFのコンデンサの直列接続で2fFの容量を構成する。
容量部CM1は4つの16fFのコンデンサの直列接続で4fFの容量を構成する。
容量部CM2は2つの16fFのコンデンサの直列接続で8fFの容量を構成する。
容量部CM3は16fFのコンデンサ1つで構成する。
容量部CM4は2つの16fFのコンデンサの並列接続で32fFの容量を構成する。
容量部CM5は4つの16fFのコンデンサの並列接続で64fFの容量を構成する。
容量部CM6は8つの16fFのコンデンサの並列接続で128fFの容量を構成する。
容量部CM7は16個の16fFのコンデンサの並列接続で256fFの容量を構成する。
容量部CM8〜CM10については図示の都合上、ブロックで示した。
容量部CM8は32個の16fFのコンデンサの並列接続で512fFの容量を構成する。
容量部CM9は64個の16fFのコンデンサの並列接続で1024fFの容量を構成する。
容量部CM8は128個の16fFのコンデンサの並列接続で2048fFの容量を構成する。
コンデンサの容量は面積や周辺長に依存する。そしてIC内におけるコンデンサのレイアウトの仕上がり寸法の誤差が容量誤差として表れる。このときに、レイアウト面積が大きいほど寸法誤差の影響を受けにくく、面積が小さいほど影響を受けやすくなる。
なお基本的(理論的)にはコンデンサ容量は面積に比例する。
ここで、IC上での仕上がり寸法が、縦方向及び横方向に+0.1μmとなった場合を想定する。16fFのコンデンサは仕上がり寸法が5.1μm×5.1μmの正方形で、64fFのコンデンサは仕上がり寸法が10.1μm×10.1μmの正方形となる場合である。
(5.1μm×5.1μm)÷(5μm×5μm)=1.04
となり、4%の容量誤差が生じていることになる。
64fFの容量の変化量は、
(10.1μm×10.1μm)÷(10μm×10μm)=1.01
となり、2%の容量誤差が生じていることになる。
・16fF:4%誤差=16.64
・32fF:2.8%の誤差=32.9fF
・64fF:2%の誤差=65.28fF
・128fF:1.4%の誤差=129.79fF
・256fF:1%の誤差=258.56fF
その容量部CM0〜CM6の各容量値の総和は、仮に2fFから8fFまでの誤差を16fFと同じ4%としても、2.08+4.16+8.32+16.64+32.9+65.28+129.79=259.17[fF]となる。つまり容量を「254fF」としたいときの容量値が「259.17fF」となる。
一方、実際の「256fF」のコンデンサは上記の誤差で258.56fFなので、「254fF」≧「256fF」となって逆転現象が起きてしまう。
即ち仕上がり寸法の誤差が与える容量誤差が容量毎にばらつくことで、このような逆転現象が例えば256段階という可変容量の各段階において多く発生し、リニアリティが悪化する。
つまり、図12Bのように、仕上がり寸法が+0.1μmであると仮定して上記と同様に計算すると、実際の容量は次の通りとなる。つまり全てのコンデンサが5.1μm×5.1μmの正方形となる場合である。
・16fFの容量部CM3:4%誤差=16.64fF
・32fFの容量部CM4:16.64fF×2=33.28fF
・64fFの容量部CM5:16.64fF×4=66.56fF
・128fFの容量部CM6:16.64fF×8=133.12fF
・256fFの容量部CM7:16.64fF×16=266.24fF
・512fFの容量部CM8:16.64fF×32=532.48fF
・1024fFの容量部CM9:16.64fF×64=1064.96fF
・2048fFの容量部CM10:16.64fF×128=2129.92fF
この場合、容量誤差がすべて4%のため、上記の「254fF」≧「256fF」といったような逆転現象が起きない。従ってリニアリティが大幅に改善されることになる。
図示のように第1領域AR1において、容量部CM0〜CM10を構成する全て16fFのコンデンサが配置される。なお、第1領域AR1において1つマスが1つの16fFのコンデンサを示している。各マスには「0」〜「10」を付しているが、「0」はCM0を構成するコンデンサ、「1」はCM1を構成するコンデンサ、・・・「10」はCM10を構成するコンデンサという意味である。
第3領域AR3には、容量値の大きい側に分けられる容量部(例えば容量部CM6〜CM10)に対応するスイッチ(例えばスイッチSW6〜SW10)となるトランジスタが配置される。
大容量側と小容量側の切り分けはこれに限らず、実際の配置設計の都合に合わせて変更されればよい。
ここでいう「傾斜」とはレイアウトに依存した特性の変化のことであり、基本的にはx方向又はy方向に対して一時的な変化を想定している。特性の傾斜が発生する要因はフォトリソグラフィ工程の処理、基板濃度、膜厚などが挙げられ、総合的なプロセスばらつきにより発生するといえる。
この場合、『5』を付した容量部CM5の容量値は、15.8+15.9+16+16.1=63.8fFとなる。
つまり第1領域AR1において中心点CTに点対称となる関係でコンデンサを配置することで、傾斜による誤差の相殺ができ、特性傾斜の影響を低減できるため、各容量部CMに生ずる誤差を小さくすることができる。もってリニアリティの改善に寄与できる。
図14により計測用容量部424の第5例の構成を説明する。これは、図11と同様に容量部CM0〜CM10の全てを特定の容量(例えば16fF)のコンデンサのみで構成する例であるが、スイッチSW4〜SW10の構成が異なる。上述の第4例で説明したように、各容量部CM0〜CM10を全て同じ容量値のコンデンサで形成することでリニアリティが改善できるが、図14はさらに容量精度を向上させることができる例である。
この図14の構成では、複数のコンデンサの並列接続により構成される容量部CM4〜CM10に対応するスイッチSW4〜SW10については、スイッチ素子が、それぞれ容量素子に1:1で対応するように設けられている。
スイッチSW5,SW6,SW7,SW8,SW9,SW10も同様である。
例えば容量部CM7は16個の16fFのコンデンサの並列接続により256fFが得られるようにしているが、これに対応するスイッチSW7としては、この16個のコンデンサに対応する16個のスイッチ素子を設けるようにしている。
図示の都合上、容量部CM8〜CM10、スイッチSW8〜SW10はブロック化しているが、スイッチSW8〜SW10も、それぞれ対応する容量部CM8〜CM10のコンデンサ毎に、スイッチ素子が設けられている。
このように計測用容量部424内の容量部CMとして並列接続されるコンデンサについては、1つ1つの16fFのコンデンサに対応してスイッチ素子が設けられている。
例えばスイッチSW4の2つのスイッチ素子は、容量部CM4を選択するときに同時にオンとされ、また容量部CM4を全体の容量から外すときに同時にオフとされる。
上述のように容量部CMのコンデンサとスイッチSWのスイッチ素子との配線間では寄生容量Csが生じるが、容量部CM4〜CM10において、並列の各コンデンサにそれぞれスイッチ素子を接続することで、寄生容量の均一化を図ることができ、これによって寄生容量に起因する容量誤差を低減し、精度の高い容量値を形成することができる。従ってリニアリティの改善に寄与できる。
計測用容量部424の第6例の構成を図15で説明する。
上記第5例のように、並列接続されたコンデンサの1つ1つに対応してスイッチ素子を設けることは寄生容量Csの均一化に好ましいが、コンデンサ数とともにスイッチ素子数が大幅に増加する。すると配置面積の拡大やレイアウトの困難性といったことが製造上の望ましくないとされる場合も起こりえる。
そこで、寄生容量Csの均一化と配置面積等を共に勘案するものとして図15の構成が考えられる。
この図15は、例えば128fFまでの容量を単位としてスイッチ素子を1つ設けるようにしている。
容量部CM7は、16fFのコンデンサ16個により容量値が256fFなので、コンデンサ8個(128fF)毎に1つのスイッチ素子を設ける。つまり2つのスイッチ素子でスイッチSW7を形成する。
容量部CM8は、16fFのコンデンサ32個により容量値が512fFとなる。図の一点鎖線の4つの枠はそれぞれ8個のコンデンサの並列接続を示している。この8個のコンデンサ(128fF)毎に1つのスイッチ素子を設ける。つまり4つのスイッチ素子でスイッチSW8を形成する。
容量部CM9とスイッチSW9は図示の都合上ブロック化して示しているが、容量部CM9は16fFのコンデンサ64個により容量値が1024fFとなる。この場合も8個のコンデンサの並列接続(128fF)毎に1つのスイッチ素子を設け、8つのスイッチ素子でスイッチSW9を形成する。
容量部CM10とスイッチSW10もブロック化して示しているが、容量部CM10は16fFのコンデンサ128個により容量値が2048fFとなる。この場合も8個のコンデンサの並列接続(128fF)毎に1つのスイッチ素子を設け、16個のスイッチ素子でスイッチSW10を形成する。
なお128fFを単位としてスイッチを設けるようにしたが、もちろん128fFを単位とすることに限られない。
以上の実施の形態のタッチパネル装置1又はタッチパネル駆動装置3によれば次のような効果が得られる。
実施の形態のタッチパネル駆動装置3は、タッチパネル2に対し、順次、隣接する一対の送信信号線21と隣接する一対の受信信号線22を選択する走査を行う。そしてタッチパネル2の一対の受信信号線22からの、ユーザの操作に伴う容量変化によって波形が変化する各受信信号R+、R−を受信して、タッチパネル操作監視のための検出値(RAW値)を生成する受信回路42を備えている。この受信回路42には、一方の受信信号線にそれぞれ並列に接続可能な、容量値の異なる第1容量部から第X容量部までの複数の容量部CMと、各容量部CMのそれぞれに対応する第1スイッチから第Xスイッチまでの複数のスイッチSWを有する計測用容量部424が設けられ、受信回路42は、各スイッチSWにより一方の受信信号線に接続される容量部を選択することで計測用容量部424の容量値を順次切り替えながら、一方の受信信号線と他方の受信信号線からの各受信信号R−、R+のレベルを比較する動作を行ってRAW値を生成する。受信回路42を含む集積回路であるセンサIC4Dでは、第1〜第Xの各容量部CMを構成する容量素子(コンデンサ)を配置する第1領域AR1と、容量値が小さい側に分けられる容量部CMに対応するスイッチSWを配置する第2領域AR2と、容量値が大きい側に分けられる容量部CMに対応するスイッチSWを配置する第3領域AR3が設けられ、第2領域AR2は第3領域AR3よりも第1領域AR1に近い位置に形成されている。
第2領域AR2を、第3領域AR3よりも第1領域AR1に近い位置とすることで、小さい容量の容量部CMとスイッチSWの間の配線長を短くできる。これによって小さい容量の容量部CMにおいて容量誤差を小さくし、全体として各容量部CMの誤差の割合を均一化する方向に調整できる。こうすることで例えば図4の例のように8ビットの容量設定値で制御される256段階の容量や、図9,図10,図11の例のように11ビットの容量設定値で制御される2048段階の容量において、容量値の逆転ということが生じない、もしくは生じにくいということになる。
結果として、計測用容量部424のリニアリティが改善されることになり、これによりRAW値の正確性が確保される。従ってMCU5が求める操作位置座標の情報の精度も向上し、製品側MCU90に対して高精度な操作検出情報を提供できることになる。
これにより小さい容量の容量部CMでは、容量素子とスイッチSWの間の配線長を短くすることができ、小さい容量の容量部CMの容量誤差を小さくできる。これも全体として各容量部CMの容量誤差の均一化、リニアリティの改善に寄与できる。
所定値以上の容量部については、容量素子の並列接続で必要な容量を形成することで、全体での面積比を小さくできる。これによりコンデンサ面積の差による寄生容量による誤差の影響度合いの差を小さくし、全体として容量部CMの容量誤差を小さくできる。これも計測用容量部424のリニアリティ改善に有効となる。
各容量部CMの全てのコンデンサを例えば16fFのコンデンサとし、面積を均一にすることで、面積に起因する容量誤差の割合の差を均一化できる。また点対称の配置により、センサIC4においてx方向又はy方向に特性が傾斜することが生じていても、配置位置によって容量誤差の差が大きくなってしまうことを防止できる。従って各容量部CMの容量誤差を小さくでき、計測用容量部424のリニアリティ改善に有効となる。
例えば第1領域AR1において全てを16fFのコンデンサで構成するが、小さい容量値の容量部CMほど第2領域AR2に近い位置に配置するようにすることもできる。つまり図7Cの構成を採用することもできる。
これにより小容量側での寄生容量Csを減らし、各容量部CMにおける寄生容量Csによる容量誤差の割合の差を低減できる。
具体的に図4の第1例の構成の場合、容量部CM0〜CM7の各容量値は、21,22,23・・・28の比の関係を持つ2の1乗から2のX乗までの容量値とされている。
また図9の第2例、図10の第3例、図11の第4例、図14の第5例、図15の第6例の構成の場合、容量部CM0〜CM10の各容量値は、21,22,23・・・211の比の関係を持つ2の1乗から2のX乗までの容量値とされている。
これにより計測用容量部424は容量部の選択によって合成容量値は2X段階に可変できる。そして図7A、図7C、図13Aのような配置により、2X段階のうちで小さい容量値の方が大きい容量値よりも実際の容量が大きくなってしまうといった逆転現象が起きないようになる。
さらにこの場合、Xビットの容量設定値で容量可変制御をすることが好適となる。例えば8ビット(又は11ビット)の容量設定値で、各ビットを容量部CM0〜CM7(又はCM10)のスイッチSW0〜SW7(又はSW10)のオン/オフ制御に割り当てる。
これにより容量設定値自体が第1容量部から第X容量部の選択により実現される複数段階の合成容量値を示す値となり、上述のように、容量設定値を用いてRAW値を得ることができる。これは演算処理上、非常に効率的な処理となる。
例えば全て2fFのコンデンサとすると、2048fFのためには1024個のコンデンサを並列接続することになり、全て16fFの場合の128個に比べて著しく多くなる。もちろん32fF、64fF等のコンデンサを使用すれば、必要なコンデンサ数はより少なくできるが、一方で、容量が大きくなる程コンデンサの面積は広くなる。これらを勘案して、容量部CMのうちで中央付近の容量値のコンデンサを使用することで、IC設計に有利となる。
例えば基準容量部422側は、1つの256fFのコンデンサで構成すればよいが、比較基準としての精度向上を考えれば、基準容量部422も、16fFの16個のコンデンサの並列接続で256fFの容量を構成することも考えられる。
受信回路42や計測用容量部424は上掲した構成に限らない。特に第2領域AR2、第3領域AR3の配置のための小容量側/大容量側の切り分けは、使用するコンデンサ容量、数、素子サイズ、スイッチ素子の種別、構造等に応じて決められれば良い。
また容量部CM0〜CM7で256段階に容量可変できる構成と、容量部CM0〜CM10で2048段階に容量可変できる構成を示したが、より多数の容量部CMを設け、より多段階に容量可変できるようにすることも考えられる。もちろん可変容量段階数を少なくする例も考えられる。
Claims (5)
- タッチパネルに対し、順次、隣接する一対の送信信号線と隣接する一対の受信信号線を選択する走査を行うタッチパネル駆動装置であって、
前記タッチパネルの一対の受信信号線からの、操作に伴う容量変化によって波形が変化する各受信信号を受信して、タッチパネル操作監視のための検出値を生成する受信回路を備え、
前記受信回路には、一方の受信信号線にそれぞれ並列に接続可能な、容量値の異なる第1容量部から第X容量部までの複数の容量部と、前記第1容量部から前記第X容量部までのそれぞれに対応する第1スイッチから第Xスイッチまでの複数のスイッチを有する計測用容量部が設けられ、
前記受信回路は、前記第1スイッチから第Xスイッチにより前記一方の受信信号線に接続される容量部を選択することで前記計測用容量部の容量値を順次切り替えながら、前記一方の受信信号線と他方の受信信号線からの各受信信号のレベルを比較する動作を行って前記検出値を生成するものとされ、
前記受信回路を含む集積回路では、
前記第1容量部から第X容量部を構成する容量素子を配置する第1領域と、
前記第1容量部から第X容量部までのうちで容量値が小さい側に分けられる容量部に対応する前記スイッチを配置する第2領域と、
前記第1容量部から第X容量部までのうちで容量値が大きい側に分けられる容量部に対応する前記スイッチを配置する第3領域と、が設けられ、
前記第2領域は、前記第3領域よりも前記第1領域に近い位置に形成されている
タッチパネル駆動装置。 - 前記第1領域内では、前記第1容量部から前記第X容量部までの容量部のうちの、容量値が小さい容量部を形成する容量素子が、容量値が大きい容量部を形成する容量素子よりも、前記第2領域に近い位置に配置されている
請求項1に記載のタッチパネル駆動装置。 - 前記第1容量部から前記第X容量部までの各容量部を形成する複数の容量素子は、全て特定の容量値の容量素子により形成されており、
前記第1領域では、それぞれの容量部を構成する容量素子は、点対称に配置されている
請求項1に記載のタッチパネル駆動装置。 - 前記第1容量部から前記第X容量部までの各容量部のうちで、所定値以上の容量値の容量部は、複数の容量素子の並列接続により形成されている
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタッチパネル駆動装置。 - タッチパネルと、
前記タッチパネルに対し、順次、隣接する一対の送信信号線と隣接する一対の受信信号線を選択する走査を行うタッチパネル駆動装置とを有し、
前記タッチパネル駆動装置は、前記タッチパネルの一対の受信信号線からの、操作に伴う容量変化によって波形が変化する各受信信号を受信して、タッチパネル操作監視のための検出値を生成する受信回路を備え、
前記受信回路には、一方の受信信号線にそれぞれ並列に接続可能な、容量値の異なる第1容量部から第X容量部までの複数の容量部と、前記第1容量部から前記第X容量部までのそれぞれに対応する第1スイッチから第Xスイッチまでの複数のスイッチを有する計測用容量部が設けられ、
前記受信回路は、前記第1スイッチから第Xスイッチにより前記一方の受信信号線に接続される容量部を選択することで前記計測用容量部の容量値を順次切り替えながら、前記一方の受信信号線と他方の受信信号線からの各受信信号のレベルを比較する動作を行って前記検出値を生成するものとされ、
前記受信回路を含む集積回路では、
前記第1容量部から第X容量部を構成する容量素子を配置する第1領域と、
前記第1容量部から第X容量部までのうちで容量値の小さい側に分けられる容量部に対応する前記スイッチを配置する第2領域と、
前記第1容量部から第X容量部までのうちで容量値の大きい側に分けられる容量部に対応する前記スイッチを配置する第3領域と、が設けられ、
前記第2領域は、前記第3領域よりも前記第1領域に近い位置に形成されている
タッチパネル装置。
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