JP2019128022A - 電動弁 - Google Patents

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菅沼 威
Takeshi Suganuma
威 菅沼
谷田貝 洋臣
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洋臣 谷田貝
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Abstract

【課題】摩耗劣化を抑えることができ、閉弁力の変動を抑止することができ、耐久性能を向上させることのできる電動弁を提供する。【解決手段】弁ホルダ23とワッシャ27との回転摺動面、或いは、ワッシャ27と弁体25又は弁軸21との回転摺動面のうち、少なくとも一つの回転摺動面に、耐摩耗性コーティングが施される。【選択図】図5

Description

本発明は、冷凍サイクル等に組み込まれて冷媒等の流体の流量制御に使用されるモータ駆動型の電動弁に関する。
例えば、流量制御弁等として使用されるモータ駆動型の電動弁は、モータのロータ軸(弁軸)の雄ねじ部が弁ハウジング(弁本体)に固定された雌ねじ部材の雌ねじ孔にねじ係合し、当該ねじ係合によって前記ロータ軸を軸線方向に変位させ、ロータ軸の軸線方向変位によって弁体を開閉駆動している。
また、この種の電動弁として、弁体の弁座への喰い込みを防止するために、弁軸に直結された弁ホルダに弁体を軸線方向に変位可能に設け、または、弁体が装着された弁ホルダと弁軸とを相対回転可能に接続し、弁ホルダ内に設けられたばねによって弁体を弁座側に付勢した緩衝ばね内蔵型のものが知られている。
この種の電動弁においては、弁ホルダと弁体とのスラスト面間、または、弁ホルダと弁軸とのスラスト面間に、スラストベアリングとして、高滑性表面の金属製ワッシャ、フッ素樹脂等の高滑性樹脂製ワッシャ、あるいは高滑性樹脂コーティングのワッシャが挟まれており、このスラストベアリング(ワッシャ)によって低摩擦抵抗で相対的に滑り回転できるようになっている(例えば、下記特許文献1参照)。
しかし、上記した如くの電動弁におけるスラスト面は、動作中に常に滑動ないし摺動する箇所であるため、摩耗が激しく、その摩耗対策として、下記特許文献2には、樹脂製のワッシャ形状を変更することにより、ワッシャが摩耗しても、ワッシャとの間に生じる摩擦トルクを低減させ、小さな駆動力かつ低電力で作動させ得るようにしたものが提案されている。
特開2003−148643号公報 特開2017−161052号公報
しかし、上記特許文献1、2に所載の如くに、摩耗劣化が生じた場合、ばねセット長が長くなり、ばねによる閉弁力(付勢力)が小さくなる不具合を生じるおそれがある。また、例えば、上記特許文献2に所載の従来技術においては、ワッシャ形状が複雑になり、部品コストが高騰するとともに、摩耗が激しい場合には、スラスト面(摺動面)の抵抗力が大きくなり、小さな駆動力で作動し得なくなる可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、摩耗劣化を抑えることができ、閉弁力の変動を抑止することができ、耐久性能を向上させることのできる電動弁を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明に係る電動弁は、基本的には、弁体と、雄ねじ部を持つ弁軸と、前記弁体と前記弁軸との間に縮装された弁体付勢ばねと、前記弁軸の雄ねじ部が螺合する雌ねじ部を持つガイドステム及び前記弁体が接離する弁座が設けられた弁本体と、前記弁軸を前記ガイドステムに対して回転させながら昇降させるためのロータ及びステータを有するモータと、前記弁軸に対して前記弁体を昇降方向に相対移動可能及び相対回転可能かつ昇降方向に抜け止め係止した状態で保持する弁ホルダと、前記弁ホルダと前記弁体又は前記弁軸との間に配在されたワッシャと、を備え、前記弁ホルダと前記ワッシャとの回転摺動面、或いは、前記ワッシャと前記弁体又は前記弁軸との回転摺動面のうち、少なくとも一つの回転摺動面に、耐摩耗性コーティングが施されていることを特徴としている。
好ましい態様では、前記弁軸に前記弁ホルダが連結固定され、前記弁ホルダに、前記弁体が昇降方向の相対移動可能及び相対回転可能に内挿されて抜け止め係止されており、前記弁ホルダと前記弁体との間に前記ワッシャが配在される。
更に好ましい態様では、開弁時に前記弁体への前記弁体付勢ばねの付勢力の伝達が阻止されるようにされる。
更に好ましい態様では、前記弁体付勢ばねと前記弁体との間にばね受け部材が配設され、前記弁ホルダに、前記弁体付勢ばねの付勢力による前記ばね受け部材の前記弁体側への移動を制限するストッパが設けられる。
別の好ましい態様では、前記弁ホルダに前記弁体が連結固定され、前記弁軸に、前記弁ホルダが昇降方向の相対移動可能及び相対回転可能に外挿されて抜け止め係止されており、前記弁ホルダと前記弁軸との間に前記ワッシャが配在される。
更に好ましい態様では、開弁時に前記弁軸への前記弁体付勢ばねの付勢力の伝達が阻止されるようにされる。
更に好ましい態様では、前記弁体付勢ばねと前記弁軸との間にばね受け部材が配設され、前記弁ホルダに、前記弁体付勢ばねの付勢力による前記ばね受け部材の前記弁軸側への移動を制限するストッパが設けられる。
他の好ましい態様では、前記弁体の上下に背圧室と前記弁座付きの弁口を持つ弁室とを画成するガイド部材に、間にシール部材を挟んで前記弁体が挿通されるとともに、前記背圧室と前記弁口とが常時連通せしめられる。
他の好ましい態様では、前記弁体は、回転せずに昇降せしめられるようにされる。
更に好ましい態様では、前記ステータは、前記弁本体に接合された筒状のキャンに外嵌され、前記ロータは、前記キャンの内側に配置されて前記弁軸に一体回動可能に連結固定される。
本発明によれば、回転摺動面に施された耐摩耗性コーティングによって、回転摺動面(スラスト面)の耐摩耗性能が向上するので、摩耗劣化を抑えることができ、閉弁力の変動を抑止することができ、耐久性能を向上させることができる。
本発明に係る電動弁の第1実施形態の全閉状態を示す縦断面図。 本発明に係る電動弁の第1実施形態の全開状態を示す縦断面図。 図1の要部拡大縦断面図。 図1及び図2の中間状態(リフト量:La)の要部拡大縦断面図。 図1及び図2の中間状態(リフト量:Lb)の要部拡大縦断面図。 図2の要部拡大縦断面図。 本発明に係る電動弁の第2実施形態の全閉状態を示す縦断面図。 本発明に係る電動弁の第2実施形態の全開状態を示す縦断面図。 図7の要部拡大縦断面図。 図7及び図8の中間状態(リフト量:La)の要部拡大縦断面図。 図7及び図8の中間状態(リフト量:Lb)の要部拡大縦断面図。 図8の要部拡大断面図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2は、本発明に係る電動弁の第1実施形態を示す縦断面図であり、図1は全閉状態、図2は全開状態を示している。
なお、本明細書において、上下、左右、前後等の位置、方向を表わす記述は、説明が煩瑣になるのを避けるために図面に従って便宜上付けたものであり、実際の使用状態での位置、方向を指すとは限らない。
また、各図において、部材間に形成される隙間や部材間の離隔距離等は、発明の理解を容易にするため、また、作図上の便宜を図るため、各構成部材の寸法に比べて大きくあるいは小さく描かれている場合がある。
図示実施形態の電動弁1は、例えば冷凍サイクル等において冷媒流量を調整するために使用されるものであり、上面が開口した有底円筒状の弁本体10、該弁本体10(の外筒部材5)の上端面部外周側にその下端部が溶接等により密封接合されたキャン45、弁本体10(の外筒部材5)の上端面部内周側に溶接等により固定された鍔状円板18付きのガイドステム15、該ガイドステム15の小径上部15bに形成された雌ねじ部15iに、その軸状部21a外周に形成された雄ねじ部21eが螺合せしめられた弁軸21、前記キャン45の内側に配置されて前記弁軸21に一体回動可能に連結固定されたロータ30、及び該ロータ30を回転駆動すべく前記キャン45の外周に外嵌されたステータ50を備えている。
ここでは、ロータ30とステータ50とでステッピングモータが構成され、また、ガイドステム15の雌ねじ部15iと弁軸21の雄ねじ部21eとでねじ送り機構が構成され、前記ステッピングモータとねじ送り機構とで弁軸21を回転させながら昇降させるための昇降駆動装置が構成されている。
前記弁本体10は、本例では、有底円筒状の基体部材9と、該基体部材9の外側に配在された、例えば金属を素材として作製された外筒部材5とを有する。基体部材9の上部開口には、後述する弁体25の胴部25bが挿通する弁体ガイド穴8aが中央に形成された厚肉円筒状のガイド部材8が嵌合固定されており(図示例では、かしめ部9aによるかしめ固定)、基体部材9の内部に円筒状空所からなる弁室12が画成されている。また、基体部材9の底部9bには、弁座11a付きの弁口11bが(縦向きに)形成されている。
前記弁口11bの形状は、図示例に限られる訳ではないが、本例では、軸線O方向(昇降方向)に沿う円筒面からなる円筒状部(ストレート部ともいう)とそれに連なる円錐台状部とで構成される弁口部を複数段有し、前記弁室12から離れるに従って口径(弁口部の円筒状部の口径)が複数段階(図示例では、3段階)で順次大きくされた多段弁口で形成されている。
前記基体部材9の弁室12の一側方には、管継手からなる第1入出口6がろう付け等により接合され、基体部材9の底部9b(の弁口11bの下側)には、管継手からなる第2入出口7がろう付け等により接合されている。
一方、外筒部材5は、上下の両端が開口した断面一定(内径及び外径が一定)の筒状部材で構成されており、基体部材9の円筒部9cより若干大径に形成されている。前記基体部材9の底部9bの下半部は若干大径とされており、その大径部分の外周に設けられた鍔状部9dに、外筒部材5の下端部が突き合わせ溶接等により接合されることで、当該外筒部材5は、基体部材9の外周(つまり、弁室12の外周)に若干の隙間(円筒状の隙間)をあけて固定配置されている。また、外筒部材5の上部にはガイドステム15の下部が挿入されている。
また、本例では、前記基体部材9の底部9bの上半部を横方向(軸線O方向に対して垂直方向)に直線状に貫通する横穴からなる貫通穴9eが設けられている。この貫通穴9eは、内端側が前記弁口11bを構成する円筒状部(特に、そのうち弁座11aに最も近接した円筒状部(つまり、弁座11aの直下の円筒状部))に開口せしめられ、外端側が前記基体部材9と外筒部材5との間に形成された隙間からなる連通空間4に開口せしめられている。
前記弁軸21は、前記ロータ30の連結体32が外嵌せしめられる上部小径部21b、ガイドステム15の雌ねじ部15iに螺合する雄ねじ部21eを有する軸状部21a、及び、該軸状部21a(雄ねじ部21e)より下側の鍔状部21d付きの厚肉円板状の下部大径連結部21cを有する。該弁軸21の下端部には、その下部大径連結部21cの外周上部に設けられた鍔状部21dにその天井穴部分が連結固定されるとともに(図示例では、かしめ部23cによるかしめ固定)、ガイドステム15の大径円筒状胴部15aに摺動自在に嵌挿された円筒状の弁ホルダ23が保持されている。つまり、本例では、円筒状の弁ホルダ23の天井穴は、弁軸21の下部大径連結部21cにより閉塞されるとともに、当該弁ホルダ23は、弁軸21と一体に回転しながら昇降せしめられる。この弁ホルダ23の円筒部23a下部には、前記弁体25の上部が上下方向(昇降方向)に摺動自在に挿入(内挿)されて保持されている。
弁体25は、本例では、例えばSUS等の金属を素材として上下方向(軸線O方向)に沿って配置された段付き軸状部材から作製されており、逆円錐台面部を有する弁座11a(弁口11b)内にその下部が挿入されて着座する弁体部25a、該弁体部25aの上部に連なる円柱状の胴部25b、及び、胴部25bの上部に連なる大径頭部25cを有する。
前記胴部25bは、前記基体部材9に固定されたガイド部材8の弁体ガイド穴8aに摺動自在に挿通されている。本例では、弁体25の胴部25bとガイド部材8の弁体ガイド穴8aとの間(具体的には、弁体ガイド穴8aに設けられた環状溝)に、シール部材としてのOリング8bが装着されるとともに、該Oリング8bの内側に、ガイド部材8(の弁体ガイド穴8a)に対する弁体25の摺動抵抗を低減すべく、テフロン(登録商標)等からなるリング状のパッキン(キャップシールともいう)8cが装着されている。
なお、前記Oリング8bやパッキン8cは、弁体25の胴部25bの外周に設けられた環状溝に装着してもよい。この場合、シール部材としてのOリング8bの外側にリング状のパッキン8cが装着される。
前記弁体25の先端形状(つまり、弁体部25aの形状)は、図示例に限られる訳ではないが、当該弁体25は中実部材で作製されるので、例えば、前記弁座11aに着座する着座面部と、該着座面部の下側に連なる、流量特性としてイコールパーセント特性あるいはそれに近似する特性を得られるように設計された曲面部とを有するものとすることができる。そのようなリフト量に応じて弁口11bを流れる流体の流量を変化させる曲面部としては、楕球面部、あるいは、曲率ないし制御角が先端に近づくに従って連続的又は段階的に大きくされた複数段の円錐テーパ面部等で構成することができる。
弁ホルダ23(の円筒部23a)の下端部には、前記弁体25(の大径頭部25c)を、間に薄肉の環状円板(例えば、SUS等の金属製又は樹脂製)からなるワッシャ27を挟んで抜け止め係止するとともに、前記弁体25の胴部25b(の上部に形成された縮径上部25f)を(若干の隙間をあけて)挿通する通し穴を画成する内鍔状掛止部(下端側内鍔状掛止部)23bが内向きに突設されている。弁ホルダ23が弁本体10に対して上方向に移動せしめられるとき、前記弁体25の大径頭部25c(の下面)の外周部分(言い換えれば、胴部25bと大径頭部25cとの間の下向きの円環状の段丘面)からなる外鍔状係止部25dに弁ホルダ23の内鍔状掛止部23bに配置されたワッシャ27が引っ掛けられて抜け止め係止されるようになっている。なお、弁ホルダ23(の内鍔状掛止部23b)と弁体25(の外鍔状係止部25d)との間に介装される前記ワッシャ27は、弁ホルダ23と弁体25との間の回転摺動抵抗を低減する(言い換えれば、前記昇降駆動装置による弁ホルダ23の回転運動が弁体25に伝達するのを防止する)ために設けられている。
一方、弁体25の上面には、断面外形がハット形のばね受け部材26が載せられ、このばね受け部材26の鍔状部26aと弁軸21の下部大径連結部21cとの間には弁体押圧兼緩衝用の円筒状の圧縮コイルばねからなる弁体付勢ばね24が縮装されており、弁体25は(間にばね受け部材26を挟んで)弁体付勢ばね24(の付勢力)により下向き(閉弁方向)に付勢される。
本例では、弁体25(の上面)とばね受け部材26(の下面)との接触面積(回転摺動抵抗)を低減すべく、弁体25(の大径頭部25c)の上面中央に、上面が平坦な凸面25eが設けられている。
また、弁ホルダ23の下部内周には、前記ばね受け部材26の鍔状部26aに係合せしめられる大きさのストッパとしての内周段差部23dが形成されている。弁ホルダ23が弁本体10に対して上方向に移動せしめられて開弁するとき、弁ホルダ23の内周段差部(上向きの円環状の段丘面)23dにより、弁体付勢ばね24(の付勢力)により下向きに付勢されたばね受け部材26の鍔状部26aが引っ掛けられて掛止されるようになっている。これにより、弁ホルダ23内において弁体付勢ばね24(の付勢力)によるばね受け部材26の弁体25側への移動が制限(阻止)され、開弁時に、弁体付勢ばね24の付勢力が弁体25に伝達されないようになっている。
詳しくは、図1及び図3に示される如くの閉弁状態(弁ホルダ23、及び弁体25が最下降位置にある状態であって、弁体付勢ばね24(の付勢力)により弁体25の弁体部25aが弁座11aに押し付けられた状態)においては、ばね受け部材26の鍔状部26a(の下面)と弁ホルダ23の内周段差部23d(上向きの段丘面)とは(上下方向で)所定の距離Laだけ離隔し、弁体25の大径頭部25c(の外周下面)と弁ホルダ23の内鍔状掛止部23bに配置されたワッシャ27(の上面)とは(上下方向で)所定の距離Lbだけ離隔しており、Lb>Laの関係となるように各離隔距離が設定されている(図3参照)。これにより、昇降駆動装置による弁ホルダ23の上方向への移動に伴って、ばね受け部材26の鍔状部26a(の下面)が弁ホルダ23の内周段差部23d(上向きの段丘面)に係合せしめられ、その後は、ばね受け部材26が弁ホルダ23とともに(一体となって)上方向へ移動せしめられ、弁体25の大径頭部25cとばね受け部材26との間に間隙が形成されるようになっている(後で詳述)。
また、弁ホルダ23の内側と外側(つまり、基体部材9と外筒部材5との間の連通空間4)とは、ガイドステム15の大径円筒状胴部15aと弁ホルダ23の円筒部23aとの摺動面隙間28等を介して常時連通せしめられるとともに、弁口11bと弁体25の上側(背面)に形成される背圧室20とは、前記基体部材9に形成された連通穴9e、前記連通空間4、前記摺動面隙間28等で構成される均圧通路3を通して常時連通せしめられている。
なお、本例では、基体部材9(弁室12)の外周の全体を均圧通路3を構成する連通空間(円筒状の隙間)4としたが、例えば、基体部材9の外周の所定位置にDカット面を形成する、基体部材9の外周(外壁)や外筒部材5の内周(内壁)を多角形状に形成する等して、基体部材9(弁室12)の外周の一部を前記連通空間4としてもよい。
上記した弁軸21、弁ホルダ23、弁体付勢ばね24、及びばね受け部材26は、弁体25が弁座11aから離隔している状態(開弁状態)においては実質的に一体的に回転しながら昇降せしめられるが、前記Oリング8bが外装されており、前記弁ホルダ23に上下方向(昇降方向)の相対移動可能及び相対回転可能に内挿保持されている弁体25は、実質的に回転せずに昇降せしめられる(後で詳述)。
また、ロータ30及び弁軸21の原点位置を設定すべく、ガイドステム15の小径上部15bの上面には、所定の幅、高さ、奥行きを持つ断面矩形の閉弁方向用固定ストッパ55が上向きに突設され、ガイドステム15の大径円筒状胴部15aの上部には所定の幅、高さ、奥行きを持つ断面矩形の開弁方向用固定ストッパ56が下向きに突設されている。
弁軸21における雄ねじ部21eの上端部には、閉弁方向用可動ストッパ35が螺合せしめられてロータ30の円板状天井部に抜け止め係止されている。この閉弁方向用可動ストッパ35は、雄ねじ部21eに螺合する平面視外形が六角形でその一辺が円弧状とされたナット部35aとこのナット部35aから下向きに突設された所定の幅、高さ、奥行きを持つ断面矩形のストッパ部35sとからなっている。
また、弁軸21の雄ねじ部21eの下端部には、前記開弁方向用固定ストッパ56に接当係止される開弁方向用可動ストッパ36が螺合せしめられて前記弁軸21の下部大径連結部21cに抜け止め係止されている。この開弁方向用可動ストッパ36は、雄ねじ部21eに螺合するナット部36aとこのナット部36aから上向きに突設された所定の幅、高さ、奥行きを持つ断面矩形のストッパ部36sとからなっている。
前記ロータ30は、天井付き円筒状のマグネット31とこの天井部に一体結合された連結体32とからなり、連結体32は、弁軸21における上部小径部21bに外嵌されるとともに、前記閉弁方向用可動ストッパ35上に載せられて前記上部小径部21bに溶接固定されている。
ここで、前記ロータ30の天井部の下面側には、両端部が平面視でD字状に形成されたDカット部を備えた凹部33が設けられ、この凹部33に形成されたDカット部以外の円弧状とされた部分に前記閉弁方向用可動ストッパ35のナット部35aの円弧状とされた一辺が接当した状態で嵌め込まれ、Dカット部に前記ナット部35aの他の2辺が接当した状態で嵌め込まれており、これにより、ロータ30と閉弁方向用可動ストッパ35と弁軸21とは、一体的に回転しながら昇降せしめられる。
一方、前記弁本体10(の外筒部材5)の上端部(上端面)外周には、有底円筒状のキャン45の下端部が溶接等により密封接合されており、そのキャン45の外周には、ヨーク51、ボビン52、コイル53、樹脂モールド54等からなるステータ50が外嵌されている。このステータ50は、その底部に設けられた位置決め固定具59により、弁本体10に対して所定の位置に位置決め固定されている。
これにより、ロータ30が回転せしめられると、それと一体に弁軸21が回転せしめられ、このとき、前記ねじ送り機構により弁軸21とともに弁ホルダ23が弁体25を伴って昇降せしめられ、これによって、冷媒の通過流量が調整される。
上記構成とされた電動弁1の動作(特に、その開弁動作)を、図1及び図2とともに図3〜図6を参照しながらより具体的に説明する。なお、電動弁1の閉弁動作は、以下の動作と逆の動作となる。
なお、本実施形態の電動弁1では、流体(冷媒)は、双方向(第1入出口6から第2入出口7に向かう方向(横→下)と、第2入出口7から第1入出口6に向かう方向(下→横)との双方向)に流されるようになっているが、電動弁1の動作自体は流体(冷媒)の流れ方向で基本的にほぼ同じであるので、以下では、横→下流れの場合を代表して説明する。よって、以下の動作中では、第1入出口6が流入口(高圧側)、第2入出口7が流出口(低圧側)となっている。
図1及び図3に示される如くの全閉状態では、可動ストッパ35が固定ストッパ55に接当して係止され、ロータ30、弁軸21、及び弁ホルダ23が最下降位置にある。このとき、ばね受け部材26の鍔状部26a(の下面)と弁ホルダ23の内周段差部23d(上向きの段丘面)とは(上下方向で)所定の距離Laだけ離隔し、弁体25の大径頭部25c(の外周下面)と弁ホルダ23の内鍔状掛止部23bに配置されたワッシャ27(の上面)とは(上下方向で)所定の距離Lb(>La)だけ離隔しており、弁体付勢ばね24(の付勢力)によって弁体25(の弁体部25a)が弁座11aに着座(圧接)して弁口11bが閉じられている。
図1及び図3に示される全閉状態からステータ50に開弁方向用駆動パターンとなるパルスを供給すると、ロータ30及び弁軸21が回転せしめられ、雌ねじ部15iと雄ねじ部21eからなるねじ送り機構により、ロータ30、弁軸21、弁ホルダ23及び開弁方向用可動ストッパ36が回転しながら上昇する。そのリフト量がLaに達するまで(図4に示される状態まで)は、弁ホルダ23の内周段差部23dにばね受け部材26の鍔状部26aは掛止されず、弁体付勢ばね24(の付勢力)によって、弁口11bが閉じられた状態(図1及び図3と同様の閉弁状態)が保持される。このとき、弁体付勢ばね24の圧縮量は次第に減少して、その全長は次第に長くなる(つまり、弁体25に対する押圧力は弱められる)。
ロータ30、弁軸21、弁ホルダ23及び開弁方向用可動ストッパ36がさらに回転しながら上昇せしめられ、そのリフト量がLaに達すると、図4に示される如くに、(弁体付勢ばね24の付勢力によって)ばね受け部材26の鍔状部26aが弁ホルダ23の内周段差部23dと係合する。そのリフト量がLaを超えてLbに達するまで(図5に示される状態まで)は、弁体25の上下の圧力差によって、弁体25(の弁体部25a)が弁座11aに押し付けられたまま(つまり、弁体25が弁口11bを閉じたまま)となる。一方、弁体付勢ばね24と弁体25との間に配設されたばね受け部材26は、前記鍔状部26aと前記内周段差部23dとの係合によって、弁ホルダ23とともに(一体に)移動(上昇)せしめられ、弁体25から離され、弁体付勢ばね24の付勢力は弁体25には伝達されなくなる。なお、リフト量がLaを超えると、鍔状部26aが内周段差部23dと係合するため、弁体付勢ばね24の全長は変化しない。
前記のように鍔状部26aと内周段差部23dとが係合せしめられた後、ロータ30、弁軸21、弁ホルダ23及び開弁方向用可動ストッパ36がさらに回転しながら上昇せしめられ、そのリフト量がLb(>La)に達すると、図5に示される如くに、弁体25の大径頭部25cが弁ホルダ23の内鍔状掛止部23bに配置されたワッシャ27と係合する。そして、そのリフト量がLbを超えると、図2及び図6に示される如くに、弁体25は、前記大径頭部25cと前記内鍔状掛止部23bに配置されたワッシャ27との係合によって、弁ホルダ23とともに移動(上昇)せしめられ、弁体25(の弁体部25a)が弁座11aから離れて弁口11bが開口せしめられる。第1入出口(流入口)6から弁室12に流れ込んだ流体は、弁口11bに流れ込み、当該弁口11bに流れ込む流体(つまり、第2入出口(流出口)7へ流れ出る流体)の流量は、弁ホルダ23及び弁体25の上昇(リフト量)に伴って次第に大きくなる。この状態において、弁体25の上下、つまり、弁口11bと弁体25の上側の背圧室20とは前記均圧通路3(貫通穴9e、連通空間4、摺動面隙間28等)を介して常時連通せしめられるので、弁体25に作用する押し下げ力(閉弁方向に働く力)と押し上げ力(開弁方向に働く力)とがバランス(差圧がキャンセル)されることになる。
このように、ステータ50への供給パルス数に応じて弁体25のリフト量(弁開度=流量)が定まり、さらに前記パルス供給を続けると、最終的には、可動ストッパ36が開弁方向用固定ストッパ56に接当係止され、これにより、ロータ30、弁軸21、及び弁ホルダ23の回転及び上昇が強制的に停止せしめられる。
上記した如くに、本実施形態の電動弁1では、弁体25が実質的に(軸線O周りで)回転せずに昇降せしめられるので、図1及び図3に示される全閉状態から図4に示される状態までの間に、ばね受け部材26の下面と弁体25の大径頭部25c(の凸面25e)の上面が(軸線O周りで)相対的に回転摺動せしめられ、図5に示される状態から図2及び図6に示される全閉状態にわたって(すなわち、開弁時にわたって)、弁ホルダ23の内鍔状掛止部23bの上面とワッシャ27の下面、及び、ワッシャ27の上面と弁体25の大径頭部25cの下面が(軸線O周りで)相対的に回転摺動せしめられる。
そのため、本実施形態の電動弁1では、前記動作時の回転摺動による摩耗を防止すべく、次のような対策が講じられている。
すなわち、本実施形態では、開弁時に摺動する弁ホルダ23、ワッシャ27、及び弁体25の回転摺動面に対し、耐摩耗性コーティングが施されている。また、前記ばね受け部材26及び弁体25の回転摺動面に対しても同様に耐摩耗性コーティングを施してもよい。なお、耐摩耗性コーティングは、前記回転摺動面の全面に形成してもよいし、その一部のみに形成してもよい。
前記耐摩耗性コーティングとしては、例えば、エポキシ系樹脂にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を配合し、常温又は加熱乾燥させた潤滑塗膜、ポリアミドイミド系樹脂にPTFE又は二硫化モリブデン又はグラファイトを配合し、常温又は加熱乾燥させた潤滑塗膜、無電解Ni−Pめっき、無電解Ni−Bめっき、無電解Ni−P/PTFEめっき等の無電解Niめっき、電気めっき(例えば、HV200以上)などを採用できる。
このように、本実施形態の電動弁1では、回転摺動面に施された耐摩耗性コーティングによって、回転摺動面(スラスト面)の耐摩耗性能が向上するので、摩耗劣化を抑えることができ、閉弁力の変動を抑止することができ、耐久性能を向上させることができる。
また、本実施形態の電動弁1では、弁ホルダ23に設けられた内周段差部23dによって、開弁時に弁体25への弁体付勢ばね24の付勢力の伝達が阻止されるとともに、均圧通路3によって、弁体25に作用する押し下げ力と押し上げ力とがバランス(差圧がキャンセル)されるので、これによっても、回転摺動面(スラスト面)の摩耗劣化を抑えることができる。
[第2実施形態]
図7及び図8は、本発明に係る電動弁の第2実施形態を示す縦断面図であり、図7は全閉状態、図8は全開状態を示している。
本第2実施形態の電動弁2は、上記第1実施形態の電動弁1に対し、主に、弁軸21に対して弁体25を昇降方向に相対移動可能及び相対回転可能かつ昇降方向へ抜け止め係止した状態で保持するための構成が相違しており、その他の構成は略同じである。したがって、第1実施形態の各部に対応する部分には共通の符号を付して重複説明を省略し、以下では、相違点を重点的に説明する。
本実施形態では、ねじ送り機構の一方を構成する弁軸21の(軸状部21a(雄ねじ部21e)より下側の)下部大径連結部21cが、小径上部21fと大径下部21hとからなる段付きで形成されている。
一方、弁軸21の下方に配置される弁体25の大径頭部25cの外周下部に鍔状部25gが設けられており、弁体25の上端部に、その大径頭部25cの外周下部に設けられた鍔状部25gにその底穴部分が連結固定されるとともに(図示例では、かしめ部23cによるかしめ固定)、ガイドステム15の大径円筒状胴部15aに摺動自在に嵌挿される円筒状の弁ホルダ23が保持されている。つまり、本例では、円筒状の弁ホルダ23の底穴は、弁体25の大径頭部25cにより閉塞されるとともに、当該弁ホルダ23は、弁体25と一体に(回転せずに)昇降せしめられる。この弁ホルダ23の円筒部23a上部には、前記弁軸21の下部が上下方向(昇降方向)に摺動自在に挿入(内挿)されている。
前記弁軸21に外挿された弁ホルダ23(の円筒部23a)の上端部には、前記弁軸21(の下部大径連結部21c)を、間に薄肉の環状円板(例えば、SUS等の金属製又は樹脂製)からなるワッシャ29を挟んで抜け止め係止するとともに、前記弁軸21の下部大径連結部21c(の上部に形成された小径上部21f)を(若干の隙間をあけて)挿通する通し穴を画成する内鍔状掛止部(上端側内鍔状掛止部)23eが内向きに突設されている。弁軸21が弁本体10に対して上方向に移動せしめられるとき、前記弁軸21の下部大径連結部21cの大径下部21h(の上面)の外周部分(言い換えれば、小径上部21fと大径下部21hとの間の上向きの円環状の段丘面)からなる外鍔状係止部21gに配置されたワッシャ29に弁ホルダ23の内鍔状掛止部23eが引っ掛けられて抜け止め係止されるようになっている。なお、弁ホルダ23(の内鍔状掛止部23e)と弁軸21(の外鍔状係止部21g)との間に介装される前記ワッシャ29は、弁軸21と弁ホルダ23との間の回転摺動抵抗を低減する(言い換えれば、前記昇降駆動装置による弁軸21の回転運動が弁ホルダ23に伝達するのを防止する)ために設けられている。
一方、弁軸21の下面には、断面外形が逆ハット形のばね受け部材26が配置され、このばね受け部材26の鍔状部26aと弁体25の大径頭部25cとの間には弁体押圧兼緩衝用の円筒状の圧縮コイルばねからなる弁体付勢ばね24が縮装されており、弁体25は弁体付勢ばね24(の付勢力)により下向き(閉弁方向)に付勢される。
本例では、弁軸21(の下面)とばね受け部材26(の上面)との接触面積(回転摺動抵抗)を低減すべく、弁軸21(の下部大径連結部21c)の下面中央に、下面が平坦な凸面21iが設けられている。
また、弁ホルダ23の上部内周には、前記ばね受け部材26の鍔状部26aに係合せしめられる大きさのストッパとしての内周段差部23fが形成されている。弁軸21が弁本体10に対して上方向に移動せしめられて開弁するとき、弁ホルダ23の内周段差部(下向きの円環状の段丘面)23fにより、弁体付勢ばね24(の付勢力)により上向きに付勢されたばね受け部材26の鍔状部26aが引っ掛けられて掛止されるようになっている。これにより、弁ホルダ23内において弁体付勢ばね24(の付勢力)によるばね受け部材26の弁軸21側への移動が制限(阻止)され、開弁時に、弁体付勢ばね24の付勢力が弁軸21に伝達されないようになっている。
詳しくは、図7及び図9に示される如くの閉弁状態(弁ホルダ23、及び弁体25が最下降位置にある状態であって、弁体付勢ばね24(の付勢力)により弁体25の弁体部25aが弁座11aに押し付けられた状態)においては、ばね受け部材26の鍔状部26a(の上面)と弁ホルダ23の内周段差部23f(下向きの段丘面)とは(上下方向で)所定の距離Laだけ離隔し、弁軸21の下部大径連結部21cに配置されたワッシャ29(の上面)と弁ホルダ23の内鍔状掛止部23e(の下面)とは(上下方向で)所定の距離Lbだけ離隔しており、Lb>Laの関係となるように各離隔距離が設定されている(図9参照)。これにより、昇降駆動装置による弁軸21の上方向への移動に伴って、ばね受け部材26の鍔状部26a(の上面)が弁ホルダ23の内周段差部23f(下向きの段丘面)に係合せしめられ、その後は、ばね受け部材26が弁ホルダ23と一体となって上方向への移動が阻止され、弁軸21の下部大径連結部21cとばね受け部材26との間に間隙が形成されるようになっている(後で詳述)。
本例では、上記第1実施形態とは異なり、上記した弁軸21は、弁体25が弁座11aから離隔している状態(開弁状態)においては回転しながら昇降せしめられるが、前記弁軸21に上下方向(昇降方向)の相対移動可能及び相対回転可能に外挿保持された弁ホルダ23、弁体25、弁体付勢ばね24、及びばね受け部材26は、実質的に一体となって回転せずに昇降せしめられる(後で詳述)。
上記構成とされた電動弁2の動作(特に、その開弁動作)を、図7及び図8とともに図9〜図12を参照しながらより具体的に説明する。なお、電動弁2の閉弁動作は、以下の動作と逆の動作となる。
なお、本実施形態の電動弁2でも、上記第1実施形態と同様、流体(冷媒)は、双方向(第1入出口6から第2入出口7に向かう方向(横→下)と、第2入出口7から第1入出口6に向かう方向(下→横)との双方向)に流されるようになっているが、電動弁2の動作自体は流体(冷媒)の流れ方向で基本的にほぼ同じであるので、以下では、横→下流れの場合を代表して説明する。よって、以下の動作中では、第1入出口6が流入口(高圧側)、第2入出口7が流出口(低圧側)となっている。
図7及び図9に示される如くの全閉状態では、可動ストッパ35が固定ストッパ55に接当して係止され、ロータ30、弁軸21、及び弁ホルダ23が最下降位置にある。このとき、ばね受け部材26の鍔状部26a(の上面)と弁ホルダ23の内周段差部23f(下向きの段丘面)とは(上下方向で)所定の距離Laだけ離隔し、弁軸21の下部大径連結部21cに配置されたワッシャ29(の上面)と弁ホルダ23の内鍔状掛止部23e(の下面)とは(上下方向で)所定の距離Lb(>La)だけ離隔しており、弁体付勢ばね24(の付勢力)によって弁体25(の弁体部25a)が弁座11aに着座(圧接)して弁口11bが閉じられている。
図7及び図9に示される全閉状態からステータ50に開弁方向用駆動パターンとなるパルスを供給すると、ロータ30及び弁軸21が回転せしめられ、雌ねじ部15iと雄ねじ部21eからなるねじ送り機構により、ロータ30、弁軸21及び開弁方向用可動ストッパ36が回転しながら上昇する。そのリフト量がLaに達するまで(図10に示される状態まで)は、弁ホルダ23の内周段差部23fにばね受け部材26の鍔状部26aは掛止されず、弁体付勢ばね24(の付勢力)によって、弁口11bが閉じられた状態(図7及び図9と同様の閉弁状態)が保持される。このとき、弁体付勢ばね24の圧縮量は次第に減少して、その全長は次第に長くなる(つまり、弁体25に対する押圧力は弱められる)。
ロータ30、弁軸21及び開弁方向用可動ストッパ36がさらに回転しながら上昇せしめられ、そのリフト量がLaに達すると、図10に示される如くに、(弁体付勢ばね24の付勢力によって)ばね受け部材26の鍔状部26aが弁ホルダ23の内周段差部23fと係合する。そのリフト量がLaを超えてLbに達するまで(図11に示される状態まで)は、弁体25の上下の圧力差及び弁体付勢ばね24の付勢力によって、弁体25(の弁体部25a)が弁座11aに押し付けられたまま(つまり、弁体25が弁口11bを閉じたまま)となる。このとき、弁体付勢ばね24と弁軸21との間に配設されたばね受け部材26は、前記鍔状部26aと前記内周段差部23fとの係合によって、弁ホルダ23と一体となってその上方移動が停止され、弁軸21から離され、弁体付勢ばね24の付勢力は弁軸21には伝達されなくなる。なお、リフト量がLaを超えると、鍔状部26aが内周段差部23fと係合するため、弁体付勢ばね24の全長は変化せず、弁体25に対する押圧力は変化しない。
前記のように鍔状部26aと内周段差部23fとが係合せしめられた後、ロータ30、弁軸21及び開弁方向用可動ストッパ36がさらに回転しながら上昇せしめられ、そのリフト量がLb(>La)に達すると、図11に示される如くに、弁軸21の下部大径連結部21cに配置されたワッシャ29が弁ホルダ23の内鍔状掛止部23eと係合する。そして、そのリフト量がLbを超えると、図8及び図12に示される如くに、弁ホルダ23並びに該弁ホルダ23に連結固定された弁体25は、前記下部大径連結部21cに配置されたワッシャ29と前記内鍔状掛止部23eとの係合によって、弁軸21とともに移動(上昇)せしめられ、弁体25(の弁体部25a)が弁座11aから離れて弁口11bが開口せしめられる。第1入出口(流入口)6から弁室12に流れ込んだ流体は、弁口11bに流れ込み、当該弁口11bに流れ込む流体(つまり、第2入出口(流出口)7へ流れ出る流体)の流量は、弁ホルダ23及び弁体25の上昇(リフト量)に伴って次第に大きくなる。この状態において、弁体25の上下、つまり、弁口11bと弁体25の上側の背圧室20とは前記均圧通路3(貫通穴9e、連通空間4、摺動面隙間28等)を介して常時連通せしめられるので、弁体25に作用する押し下げ力(閉弁方向に働く力)と押し上げ力(開弁方向に働く力)とがバランス(差圧がキャンセル)されることになる。
このように、ステータ50への供給パルス数に応じて弁体25のリフト量(弁開度=流量)が定まり、さらに前記パルス供給を続けると、最終的には、可動ストッパ36が開弁方向用固定ストッパ56に接当係止され、これにより、ロータ30、弁軸21、及び弁ホルダ23の回転及び上昇が強制的に停止せしめられる。
上記した如くに、本実施形態の電動弁2でも、弁体25(及び、弁体25に連結固定される弁ホルダ23)が実質的に(軸線O周りで)回転せずに昇降せしめられるので、図7及び図9に示される全閉状態から図10に示される状態までの間に、弁軸21の下部大径連結部21c(の凸面21i)の下面とばね受け部材26の上面が(軸線O周りで)相対的に回転摺動せしめられ、図11に示される状態から図8及び図12に示される全閉状態にわたって(すなわち、開弁時にわたって)、弁軸21の下部大径連結部21cの上面とワッシャ29の下面、及び、ワッシャ29の上面と弁ホルダ23の内鍔状掛止部23eの下面が(軸線O周りで)相対的に回転摺動せしめられる。
そのため、本実施形態の電動弁2でも、上記第1実施形態の電動弁1と同様、前記動作時の回転摺動による摩耗を防止すべく、開弁時に摺動する弁軸21、ワッシャ29、及び弁ホルダ23の回転摺動面や、弁軸21及びばね受け部材26の回転摺動面に対し、耐摩耗性コーティングが施されている。なお、耐摩耗性コーティングは、前記回転摺動面の全面に形成してもよいし、その一部のみに形成してもよい。
このような構成とすることにより、上記第1実施形態の電動弁1と同様の作用効果が得られることは勿論である。
1 電動弁(第1実施形態)
2 電動弁(第2実施形態)
3 均圧通路
4 連通空間
5 外筒部材
6 第1入出口(流入口)
7 第2入出口(流出口)
8 ガイド部材
9 基体部材
9e 貫通穴
10 弁本体
11a 弁座
11b 弁口
12 弁室
15 ガイドステム
15i 雌ねじ部
20 背圧室
21 弁軸
21a 軸状部
21b 上部小径部
21c 下部大径連結部
21e 雄ねじ部
21g 外鍔状係止部(第2実施形態)
21i 凸面(第2実施形態)
23 弁ホルダ
23a 円筒部
23b 内鍔状掛止部(第1実施形態)
23d 内周段差部(ストッパ)(第1実施形態)
23e 内鍔状掛止部(第2実施形態)
23f 内周段差部(ストッパ)(第2実施形態)
24 弁体付勢ばね
25 弁体
25a 弁体部
25b 胴部
25c 大径頭部
25d 外鍔状係止部(第1実施形態)
25e 凸面(第1実施形態)
26 ばね受け部材
26a 鍔状部
27 ワッシャ(第1実施形態)
28 摺動面隙間
29 ワッシャ(第2実施形態)
30 ロータ
35 閉弁方向用可動ストッパ
36 開弁方向用可動ストッパ
45 キャン
50 ステータ
55 閉弁方向用固定ストッパ
56 開弁方向用固定ストッパ

Claims (10)

  1. 弁体と、
    雄ねじ部を持つ弁軸と、
    前記弁体と前記弁軸との間に縮装された弁体付勢ばねと、
    前記弁軸の雄ねじ部が螺合する雌ねじ部を持つガイドステム及び前記弁体が接離する弁座が設けられた弁本体と、
    前記弁軸を前記ガイドステムに対して回転させながら昇降させるためのロータ及びステータを有するモータと、
    前記弁軸に対して前記弁体を昇降方向に相対移動可能及び相対回転可能かつ昇降方向に抜け止め係止した状態で保持する弁ホルダと、
    前記弁ホルダと前記弁体又は前記弁軸との間に配在されたワッシャと、を備える電動弁であって、
    前記弁ホルダと前記ワッシャとの回転摺動面、或いは、前記ワッシャと前記弁体又は前記弁軸との回転摺動面のうち、少なくとも一つの回転摺動面に、耐摩耗性コーティングが施されていることを特徴とする電動弁。
  2. 前記弁軸に前記弁ホルダが連結固定され、前記弁ホルダに、前記弁体が昇降方向の相対移動可能及び相対回転可能に内挿されて抜け止め係止されており、
    前記弁ホルダと前記弁体との間に前記ワッシャが配在されていることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
  3. 開弁時に前記弁体への前記弁体付勢ばねの付勢力の伝達が阻止されるようにされていることを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
  4. 前記弁体付勢ばねと前記弁体との間にばね受け部材が配設され、
    前記弁ホルダに、前記弁体付勢ばねの付勢力による前記ばね受け部材の前記弁体側への移動を制限するストッパが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
  5. 前記弁ホルダに前記弁体が連結固定され、前記弁軸に、前記弁ホルダが昇降方向の相対移動可能及び相対回転可能に外挿されて抜け止め係止されており、
    前記弁ホルダと前記弁軸との間に前記ワッシャが配在されていることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
  6. 開弁時に前記弁軸への前記弁体付勢ばねの付勢力の伝達が阻止されるようにされていることを特徴とする請求項5に記載の電動弁。
  7. 前記弁体付勢ばねと前記弁軸との間にばね受け部材が配設され、
    前記弁ホルダに、前記弁体付勢ばねの付勢力による前記ばね受け部材の前記弁軸側への移動を制限するストッパが設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電動弁。
  8. 前記弁体の上下に背圧室と前記弁座付きの弁口を持つ弁室とを画成するガイド部材に、間にシール部材を挟んで前記弁体が挿通されるとともに、前記背圧室と前記弁口とが常時連通せしめられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電動弁。
  9. 前記弁体は、回転せずに昇降せしめられるようにされていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電動弁。
  10. 前記ステータは、前記弁本体に接合された筒状のキャンに外嵌され、前記ロータは、前記キャンの内側に配置されて前記弁軸に一体回動可能に連結固定されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の電動弁。
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