以下、本発明に係る踵押さえ部開閉機構及びこの踵部分開閉機構を用いた靴の実施形態を、図を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施形態における靴100の全体構成を踵押さえ部が開いた状態で概略的に示しており、図2はこの第1の実施形態の靴100の全体構成を踵押さえ部が閉じた状態で概略的に示している。また、図3は第1の実施形態における踵押さえ部開閉機構200の構成を踵押さえ部が開いた状態で概略的に示しており、図4は第1の実施形態における踵押さえ部開閉機構200の構成を踵押さえ部が閉じた状態で概略的に示しており、図5は第1の実施形態における踵押さえ部開閉機構200の構成を概略的に示している。
図1及び図2に示すように、本発明に係る靴100は、踵押さえ部開閉機構200と、靴底部110と、足の甲を覆うアッパー部120と、踵を覆う踵押さえ部130とを備えている。
靴底部110の踵部には、踵押さえ部開閉機構200の第1の部材10及び第3の部材50が配置されている。第1の部材10は靴底部110の踵部に靴底と平行となるように固着されており、第3の部材50は第1の部材10上に載置されており、その先端部(靴のつま先側の端部)が第1の部材10又は靴底部110に連結されており、その後端部(靴の踵側の端部)の下面が第2の部材20の下端部に当接するように構成されている。
アッパー部120は、足の前部を覆うものである。このアッパー部120の両側には、踵押さえ部130を閉状態に保持するための磁石121が設けられている。なお、磁石121は、前後方向に移動できる位置調節手段を介してアッパー部120に装着されても良い。位置調節手段としては、例えば、面ファスナ等を用いても良いし、前後方向にスライド可能な機構を用いても良い。
踵押さえ部130には、踵押さえ部開閉機構200の第2の部材20が配置されている。本実施形態において、この第2の部材20は、踵押さえ部130内に埋め込まれた状態でこの踵押さえ部130に固着されている。踵押さえ部130は、ヒンジ機構によるこの第2の部材20に回動により、開閉されるように構成されている。また、踵押さえ部130の両側面には、磁石吸着部材131が配置されている。図2に示す、靴を履いた状態(装着後の状態)では、アッパー部120の磁石121とこの踵押さえ部130の磁石吸着部材131との吸着で、踵押さえ部130がアッパー部120に固定され、保持される。なお、磁石吸着部材131は、前後方向に移動できる位置調節手段を介して踵押さえ部130に装着されても良い。位置調節手段としては、例えば、面ファスナ等を用いても良いし、前後方向にスライド可能な機構を用いても良い。また、踵押さえ部130に磁石を設け、アッパー部120に磁石吸着部材を設けても良い。
図3〜図5に示すように、踵押さえ部開閉機構200は、靴底部110に固着された第1の部材10と、踵を覆う踵押さえ部130内に埋め込まれた状態でこの踵押さえ部130と固着された第2の部材20と、回動軸30を有しており、第2の部材20がこの回動軸30の回りを回動可能となるように第1の部材10及び第2の部材20に連結されたヒンジ機構と、一端が第1の部材10に装着されていると共に他端が第2の部材20に装着され、ヒンジ機構の開閉角度に応じて、このヒンジ機構を閉じる方向又は開く方向に第2の部材20を付勢する付勢手段40と、靴底部110に配置された第3の部材50と、付勢手段40を保持するための保持部材60とを備えている。第3の部材50の先端部(一方の端部)51は第1の部材10又は靴底部110に連結されており、後端部(他方の端部)52は靴底部110が踏まれた際に第2の部材20をヒンジ機構の閉じる方向に押圧するように構成されている。
本実施形態において、第1の部材10は、例えば、樹脂材料から形成されており、靴底と平行となるように靴底部110に固着された板状部11と、この板状部11の後端(靴の踵側の端)から延出して上方へ湾曲する1対のアーム部12とを有している。1対のアーム部12の後端部には1対の軸穴13がそれぞれ設けられている。これら軸穴13には、ヒンジ機構の回動軸30が嵌入されて固定されている。
第1の部材10の板状部11の下面には、付勢手段40の係合開口部41(図5参照)が係合するための凸部14と、付勢手段40を保持するための保持部材60を係止する突起部15とが設けられている。また、第1の部材10には、靴底部110に取り付けるために用いる複数(本実施形態では4つ)の取り付け穴16が設けられている。
第2の部材20は、靴の後部で踵を覆う踵押さえ部130内に埋め込まれて配置され、例えば、樹脂材料から形成されており、踵押さえ部130に合わせて内側(踵側)に湾曲した板形状を有している。この第2の部材20の下部には、回動軸30が嵌入され、この回動軸30に対して回動自在の軸穴21が板形状に沿って設けられている。さらに、この軸穴21より下方に位置する下端には、内側(踵側)に湾曲して突出した突出部22が形成されており、この突出部22の先端は、第3の部材50の後端部52の下面に当接するように構成されている。
このように、回動軸30が第1の部材10の1対の軸穴13に嵌入されて固定され、第2の部材20の軸穴21に嵌入されて回動自在に軸支されている。これにより、第1の部材10及び第2の部材20は、この回動軸30に関して回動自在のヒンジ機構を構成している。このヒンジ機構は、履き脱ぎし易いように閉位置から開位置までの回転可能角度αが約50度とされている。もちろん、この回転可能角度αはこの数値に限定されるものではない。
ヒンジ機構は、閉じている状態(図2及び図4参照)から、踵等によって踵押さえ部130が後方に押圧されると、開く方向に回動する。その際、第2の部材20の突出部22の先端が第3の部材50の後端部52の下面に当接してこれを押圧するため、この後端部52は上方へ押し上げられる(図1及び図3参照)。逆に、ヒンジ機構は、開いている状態(図1及び図3参照)から、踵等によって靴底部110が踏まれると、第3の部材50の後端部52が下方に押し下げられ、これによって第2の部材20の突出部22が押圧されるため、閉じる方向に回動する(図2及び図4参照)。
付勢手段40は、本実施形態では、湾曲形状の板バネから構成され、その両端部に係合開口部41がそれぞれ設けられている。付勢手段40の一方の係合開口部41は第1の部材10の凸部14に係合され、他方の係合開口部41は第2の部材20の背面(外側)に設けられている凸部23に係合されている。この付勢手段40は、ヒンジ機構の開閉角度に応じて、このヒンジ機構を閉じる方向又は開く方向に第2の部材20を付勢する。より詳細には、付勢手段40は、その両端部に位置する2つの係合開口部41を結ぶ線(即ち、両力点を結ぶ線)が回動軸30に対して靴の上側に位置する状態では第2の部材20をヒンジ機構の閉じる方向に付勢し、2つの係合開口部41を結ぶ線(即ち、両力点を結ぶ線)が回動軸30に対して靴の下側に位置する状態では第2の部材20をヒンジ機構の開く方向に付勢するように構成されている。
第3の部材50は、例えば、樹脂材料から形成されており、本実施形態では、第1の部材10とは別個の板形状の部材で構成されている。この第3の部材50は、一方の端部である先端部51が第1の部材10又は靴底部110に連結されており、他方の端部である後端部52が、靴底部110が踏まれた際に第2の部材20の突出部22に当接しこれをヒンジ機構の閉じる方向に押圧するように構成されている。
保持部材60は、リング状のゴム等の弾性材料から形成されている。この保持部材60の一端が第1の部材10の突起部15に係止され、他端が第2の部材20の突起部24に係止されている。即ち、保持部材60は、付勢手段40を押さえるようにその外側に配置されており、付勢手段40が凸部14及び23から外れないように保持するためのものである。
このように構成された踵押さえ部開閉機構200を備えた靴100によれば、ヒンジ機構が開いて図1に示す状態となっている靴100を使用者が履くときは、踵によって第3の部材50が踏まれると、第2の部材20はこの第3の部材50によって押圧されてヒンジ機構が閉じる方向へ回動し、付勢手段40の両力点を結ぶ線A−Aが回動軸30の軸心の上方(靴の上側)に位置する状態になると、付勢手段40の付勢が加わって第2の部材20はヒンジ機構が閉じる方向に確実に回動する。ヒンジ機構が閉じるまで回動すると、図2に示すように、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131とが自動的に吸着し、踵押さえ部130がアッパー部120に固定される。
一方、使用者が靴100を脱ぐときは、踵によって踵押さえ部130が後方に押されることにより、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131との吸着が外れ、第2の部材20が後方へ押されてヒンジ機構が開く方向に回動する。付勢手段40の両力点を結ぶ線A−Aが回動軸30の軸心の下方(靴の下側)に位置する状態になると、付勢手段40の付勢が加わって第2の部材20はヒンジ機構が図1に示すように開く方向に確実に回動する。
以上説明したように、本実施形態の靴100によれば、使用者が履くときに、踵によって第3の部材50が踏まれると、第2の部材20はこの第3の部材50によって押圧されてヒンジ機構が閉じる方向へ回動し、さらに、付勢手段40の付勢が加わって第2の部材20はヒンジ機構が閉じる方向に確実に回動する。その後、ヒンジ機構が閉じるまで回動すると、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131とが自動的に吸着し、踵押さえ部130がアッパー部120に固定される。このため、特別な操作を行うことなく、スムーズに靴を履くことが可能となる。
一方、使用者が靴100を脱ぐときは、踵によって踵押さえ部130が後方に押されることにより、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131との吸着が外れ、第2の部材20が後方へ押されてヒンジ機構が開く方向に回動し、さらに、付勢手段40の付勢が加わって第2の部材20はヒンジ機構が開く方向に確実に回動する。このため、特別な操作を行うことなく、スムーズに靴を脱ぐことが可能となる。
図6及び図7は本発明の第2の実施形態における踵押さえ部開閉機構200Aの構成を示している。ただし、図6は踵押さえ部が閉じた状態を示しており、図7は踵押さえ部が開いた状態を示している。本実施形態において、踵押さえ部開閉機構200Aを除く靴の構成は、図1及び図2に構成と同様である。従って、以下の説明において、図1及び図2の構成要素と同様の構成要素には、同じ参照番号を使用する。
図6及び図7に示すように、本実施形態の踵押さえ部開閉機構200Aは、靴底部110に固着された第1の部材10Aと、踵を覆う踵押さえ部130内に埋め込まれた状態でこの踵押さえ部130と固着された第2の部材20Aと、回動軸30Aを有しており、第2の部材20Aがこの回動軸30Aの回りを回動可能となるように第1の部材10A及び第2の部材20Aに連結されたヒンジ機構と、一端が第1の部材10Aに装着されていると共に他端が第2の部材20Aに装着され、ヒンジ機構の開閉角度に応じて、このヒンジ機構を閉じる方向又は開く方向に第2の部材20Aを付勢する付勢手段40Aと、靴底部110に配置された第3の部材50Aと、付勢手段40Aを保持するための1対の保持部材60Aと、第2の部材20Aに固着されたアルミニウム板70とを備えている。第3の部材50Aの先端部(一方の端部)51は第1の部材10A又は靴底部110に連結されており、後端部(他方の端部)52は靴底部110が踏まれた際に第2の部材20Aをヒンジ機構の閉じる方向に押圧するように構成されている。
本実施形態において、第1の部材10Aは、例えば、樹脂材料から形成されており、靴底と平行となるように靴底部110に固着された板状部11Aと、この板状部11Aの後端(靴の踵側の端)から延出して上方へ湾曲する1対のアーム部12Aとを有している。1対のアーム部12Aの後端部には1対の軸穴がそれぞれ設けられている。これら軸穴には、ヒンジ機構の回動軸30Aが嵌入されて固定されている。
第1の部材10Aの板状部11Aの下面には、付勢手段40Aを保持するための保持部材60Aを係止するための1対の係止部14Aが設けられている。また、第1の部材10Aには、靴底部110に取り付けるために用いる複数(本実施形態では4つ)の取り付け穴16が設けられている。
第2の部材20Aは、靴の後部で踵を覆う踵押さえ部130内に埋め込まれて配置され、例えば、樹脂材料から形成されており、踵押さえ部130に合わせて内側(踵側)に湾曲した板形状を有している。この第2の部材20Aの下部には、回動軸30Aが嵌入され、この回動軸30Aに対して回動自在の軸穴が板形状に沿って設けられている。さらに、この軸穴より下方に位置する下端には、内側(踵側)に湾曲して突出した突出部22が形成されており、この突出部22の先端は、第3の部材50Aの後端部52の下面に当接するように構成されている。第2の部材20Aの背面(外側)には、付勢手段40Aの保持部材60Aを係止するための1対の係止部23Aが設けられている。
このように、回動軸30Aが第1の部材10Aの1対の軸穴に嵌入されて固定され、第2の部材20Aの軸穴に嵌入されて回動自在に軸支されている。これにより、第1の部材10A及び第2の部材20Aは、この回動軸30Aに関して回動自在のヒンジ機構を構成している。このヒンジ機構は、履き脱ぎし易いように閉位置から開位置までの回転可能角度が約50度とされている。もちろん、この回転可能角度はこの数値に限定されるものではない。
ヒンジ機構は、閉じている状態(図6参照)から、踵等によって踵押さえ部130が後方に押圧されると、開く方向に回動する。その際、第2の部材20Aの突出部22の先端が第3の部材50Aの後端部52の下面に当接してこれを押圧するため、この後端部52は上方へ押し上げられる(図7参照)。逆に、ヒンジ機構は、開いている状態(図7参照)から、踵等によって靴底部110が踏まれると、第3の部材50Aの後端部52が下方に押し下げられ、これによって第2の部材20Aの突出部22が押圧されるため、閉じる方向に回動する(図6参照)。
付勢手段40Aは、本実施形態では、1対のコイルバネ(コイル状引きバネ)から構成され、これら1対のコイルバネの両端が1対の保持部材60Aにそれぞれ連結されている。この付勢手段40Aは、一端が保持部材60Aを介して第1の部材10Aの係止部14Aに装着され、他端が保持部材60Aを介して第2の部材20Aの係止部23Aに装着され、ヒンジ機構の開閉角度に応じて、このヒンジ機構を閉じる方向又は開く方向に第2の部材20Aを付勢する。より詳細には、付勢手段40Aは、その両端を結ぶ線(即ち、両力点を結ぶ線)が回動軸30Aに対して靴の上側に位置する状態では第2の部材20Aをヒンジ機構の閉じる方向に付勢し、両端を結ぶ線が回動軸30Aに対して靴の下側に位置する状態では第2の部材20Aをヒンジ機構の開く方向に付勢するように構成されている。
第3の部材50Aは、例えば、樹脂材料から形成されており、本実施形態では、第1の部材10Aとは別個の板形状の部材で構成されている。この第3の部材50Aは、一方の端部である先端部51が第1の部材10A又は靴底部110に連結されており、他方の端部である後端部52が、靴底部110が踏まれた際に第2の部材20Aの突出部22に当接しこれをヒンジ機構の閉じる方向に押圧するように構成されている。
保持部材60Aは、金属線材から形成されている。この保持部材60Aの一端が第1の部材10Aの係止部14Aに係止され、他端が第2の部材20Aの係止部23Aに係止されている。また、第1の部材10Aに係止する保持部材60Aは、靴の形状に合わせて、第2の部材20Aに係止する保持部材60Aより長く形成されている。
アルミニウム板70は、踵を覆う位置に湾曲形状でかつ変形可能なアルミニウム板から構成されている。このアルミニウム板70は、厚さが約0.4mmであり、両側端にはそれぞれ複数の切り込みスリット71が設けられている。このように複数の切り込みスリット71を設けることにより、この部分の変形が容易となり、踵押さえ部130とアッパー部120とを適切に係合させることが可能になる。また、装着時にこの踵押さえ部130を誤って踏み付けてしまった場合も、壊れずに曲がり、その後、手で形状を直すことができる。また、変形の度合いは両側の切り込みスリット71の形状で調節することができる。
このように構成された踵押さえ部開閉機構200Aを備えた靴によれば、ヒンジ機構が開いて図1に示す状態となっている靴を使用者が履くときは、踵によって第3の部材50Aが踏まれると、第2の部材20Aはこの第3の部材50Aによって押圧されてヒンジ機構が閉じる方向へ回動し、付勢手段40Aの両端を結ぶ線が回動軸30Aの軸心の上方(靴の上側)に位置する状態になると、付勢手段40Aの付勢が加わって第2の部材20Aはヒンジ機構が閉じる方向に確実に回動する。ヒンジ機構が閉じるまで回動すると、図2に示すように、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131とが自動的に吸着し、踵押さえ部130がアッパー部120に固定される。
一方、使用者が靴を脱ぐときは、踵によって踵押さえ部130が後方に押されることにより、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131との吸着が外れ、第2の部材20Aが後方へ押されてヒンジ機構が開く方向に回動する。付勢手段40Aの両端を結ぶ線が回動軸30Aの軸心の下方(靴の下側)に位置する状態になると、付勢手段40Aの付勢が加わって第2の部材20Aはヒンジ機構が図1に示すように開く方向に確実に回動する。
以上説明したように、本実施形態の靴によれば、使用者が履くときに、踵によって第3の部材50Aが踏まれると、第2の部材20Aはこの第3の部材50Aによって押圧されてヒンジ機構が閉じる方向へ回動し、さらに、付勢手段40Aの付勢が加わって第2の部材20Aはヒンジ機構が閉じる方向に確実に回動する。その後、ヒンジ機構が閉じるまで回動すると、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131とが自動的に吸着し、踵押さえ部130がアッパー部120に固定される。このため、特別な操作を行うことなく、スムーズに靴を履くことが可能となる。
一方、使用者が靴を脱ぐときは、踵によって踵押さえ部130が後方に押されることにより、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131との吸着が外れ、第2の部材20Aが後方へ押されてヒンジ機構が開く方向に回動し、さらに、付勢手段40Aの付勢が加わって第2の部材20Aはヒンジ機構が開く方向に確実に回動する。このため、特別な操作を行うことなく、スムーズに靴を脱ぐことが可能となる。
また、付勢手段40Aが1対のコイルバネから構成されているため、踵押さえ部230がよりスムーズに開閉できる。
さらに、複数の切り込みスリット71を有するアルミニウム板70を設けることにより、この部分の変形が容易となり、踵押さえ部130とアッパー部120とを適切に係合させることが可能になる。また、装着時にこの踵押さえ部130を誤って踏み付けてしまった場合も、壊れずに曲がり、その後、手で形状を直すことができる。また、変形の度合いは両側の切り込みスリット71の形状で調節することができる。
図8は本発明の第3の実施形態における踵押さえ部開閉機構200Bの構成を(a)踵押さえ部が閉じた状態で概略的に示しており、(b)踵押さえ部が開いた状態で概略的に示している。本実施形態において、踵押さえ部開閉機構200Bを除く靴の構成は、図1及び図2に構成と同様である。従って、以下の説明において、図1及び図2の構成要素と同様の構成要素には、同じ参照番号を使用する。
図8に示すように、本実施形態の踵押さえ部開閉機構200Bは、靴底部110に固着された第1の部材10Bと、踵を覆う踵押さえ部130内に埋め込まれた状態でこの踵押さえ部130と固着された第2の部材20Bと、回動軸30Bを有しており、第2の部材20Bがこの回動軸30Bの回りを回動可能となるように第1の部材10B及び第2の部材20Bに連結されたヒンジ機構と、ヒンジ機構の開閉角度に応じて、このヒンジ機構を閉じる方向又は開く方向に第2の部材20Bを付勢する付勢手段40Bと、靴底部110に配置され、先端部が第1の部材10B又は靴底部110に連結され、後端部の下面が第2の部材20Bの下端に当接される第3の部材50Bと、保持部材60Bとを備えている。第3の部材50Bの先端部(一方の端部)51は第1の部材10B又は靴底部110に連結されており、後端部(他方の端部)52は靴底部110が踏まれた際に第2の部材20Bをヒンジ機構の閉じる方向に押圧するように構成されている。
本実施形態において、第1の部材10Bは、例えば、樹脂材料から形成されており、靴底と平行となるように靴底部110に固着された板状部11Bと、この板状部11Bの後端(靴の踵側の端)から延出して上方へ湾曲する1対のアーム部12Bとを有している。1対のアーム部12Bの後端部には1対の軸穴がそれぞれ設けられている。これら軸穴には、ヒンジ機構の回動軸30Bが嵌入されて固定されている。
第1の部材10Bの板状部11Bの両側面には、付勢手段40Bを保持する保持部材60Bをスライド可能に係止するための1対の係止部14Bが設けられている。なお、第1の部材10Bを靴底部110に取り付けるための構成は省略されている。
第2の部材20Bは、靴の後部で踵を覆う踵押さえ部130内に埋め込まれて配置され、例えば、樹脂材料から形成されており、踵押さえ部130に合わせて内側(踵側)に湾曲した板形状を有している。この第2の部材20Bの下部には、回動軸30Bが嵌入され、この回動軸30Bに対して回動自在の軸穴が板形状に沿って設けられている。さらに、この軸穴より下方に位置する下端には、内側(踵側)に湾曲して突出した突出部22が形成されており、この突出部22の先端は、第3の部材50Bの後端部52の下面に当接するように構成されている。第2の部材20Bの背面(外側)には、付勢手段40Bの保持部材60Bを係止するための1対の係止部23Bが設けられている。
このように、回動軸30Bが第1の部材10Bの1対の軸穴に嵌入されて固定され、第2の部材20Bの軸穴に嵌入されて回動自在に軸支されている。これにより、第1の部材10B及び第2の部材20Bは、この回動軸30Bに関して回動自在のヒンジ機構を構成している。このヒンジ機構は、履き脱ぎし易いように閉位置から開位置までの回転可能角度が約50度とされている。もちろん、この回転可能角度はこの数値に限定されるものではない。
ヒンジ機構は、閉じている状態(図8(a)参照)から、踵等によって踵押さえ部130が後方に押圧されると、開く方向に回動する。その際、第2の部材20Bの突出部22の先端が第3の部材50Bの後端部52の下面に当接してこれを押圧するため、この後端部52は上方へ押し上げられる(図8(b)参照)。逆に、ヒンジ機構は、開いている状態(図8(b)参照)から、踵等によって靴底部110が踏まれると、第3の部材50Bの後端部52が下方に押し下げられ、これによって第2の部材20Bの突出部22が押圧されるため、閉じる方向に回動する(図8(a)参照)。
付勢手段40Bは、本実施形態では、1つのコイルバネ(コイル状引きバネ)と紐状体(保持部材60Bとしても機能する)から構成され、このコイルバネの両端が紐状体(即ち、保持部材60B)の両端にそれぞれ連結されている。このコイルバネは、第1の部材10Bの先端部側面に巻き付けられて配置されており、保持部材60Bの中央部が第2の部材20Bの背面に設けられた係止部23Bに引掛けて係止されている。これによって付勢手段40Bは、ヒンジ機構の開閉角度に応じて、このヒンジ機構を閉じる方向又は開く方向に第2の部材20Bを付勢する。より詳細には、付勢手段40Bに連結された保持部材60Bの係止される係止部23B及び係止部14Bを結ぶ線が回動軸30Bに対して靴の上側に位置する状態では第2の部材20Bをヒンジ機構の閉じる方向に付勢し、係止部23B及び係止部14Bを結ぶ線(即ち、両力点を結ぶ線)が回動軸30Bに対して靴の下側に位置する状態では第2の部材20Bをヒンジ機構の開く方向に付勢するように構成されている。
第3の部材50Bは、例えば、樹脂材料から形成されており、本実施形態では、第1の部材10Bとは別個の板形状の部材で構成されている。この第3の部材50Bは、一方の端部である先端部51が第1の部材10B又は靴底部110に連結されており、他方の端部である後端部52が、靴底部110が踏まれた際に第2の部材20Bの突出部22に当接しこれをヒンジ機構の閉じる方向に押圧するように構成されている。
保持部材60Bは、金属線材から形成され、付勢手段40Bの一部として機能する。上述したようにこの保持部材60Bの両端がそれぞれコイルバネの両端に連結されており、中央部が第2の部材20Bの背面の係止部23Bに係止されている。また、保持部材60Bは、第1の部材10の両側面に設けられた1対の係止部14Bの下面にスライド可能に係止するように構成されている。
このように構成された踵押さえ部開閉機構200Bを備えた靴によれば、ヒンジ機構が開いて図8(b)に示す状態となっている靴を使用者が履くときは、踵によって第3の部材50Bが踏まれると、第2の部材20Bはこの第3の部材50Bによって押圧されてヒンジ機構が閉じる方向へ回動し、付勢手段40Bに連結された保持部材60Bの係止される係止部23B及び係止部14Bを結ぶ線(即ち、両力点を結ぶ線)が回動軸30Bの軸心の上方(靴の上側)に位置する状態になると、付勢手段40Bの付勢が加わって第2の部材20Bはヒンジ機構が閉じる方向に確実に回動する。ヒンジ機構が閉じるまで回動すると、図1に示すように、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131とが自動的に吸着し、踵押さえ部130がアッパー部120に固定される。
一方、使用者が靴を脱ぐときは、踵によって踵押さえ部130が後方に押されることにより、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131との吸着が外れ、第2の部材20Bが後方へ押されてヒンジ機構が開く方向に回動する。保持部材60Bの係止される係止部23B及び係止部14Bを結ぶ線(即ち、両力点を結ぶ線)が回動軸30Bの軸心の下方(靴の下側)に位置する状態になると、付勢手段40Bの付勢が加わって第2の部材20Bはヒンジ機構が図1に示すように開く方向に確実に回動する。
以上説明したように、本実施形態の靴によれば、使用者が履くときに、踵によって第3の部材50Bが踏まれると、第2の部材20Bはこの第3の部材50Bによって押圧されてヒンジ機構が閉じる方向へ回動し、さらに、付勢手段40Bの付勢が加わって第2の部材20Bはヒンジ機構が閉じる方向に確実に回動する。その後、ヒンジ機構が閉じるまで回動すると、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131とが自動的に吸着し、踵押さえ部130がアッパー部120に固定される。このため、特別な操作を行うことなく、スムーズに靴を履くことが可能となる。
一方、使用者が靴を脱ぐときは、踵によって踵押さえ部130が後方に押されることにより、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131との吸着が外れ、第2の部材20Bが後方へ押されてヒンジ機構が開く方向に回動し、さらに、付勢手段40Bの付勢が加わって第2の部材20Bはヒンジ機構が開く方向に確実に回動する。このため、特別な操作を行うことなく、スムーズに靴を脱ぐことが可能となる。
図9は本発明の第4の実施形態における踵押さえ部開閉機構200Cの構成を(a)踵押さえ部が閉じた状態で概略的に示しており、(b)踵押さえ部が開いた状態で概略的に示している。なお、図9は、踵押さえ部開閉機構200Cの中心線断面を示している。本実施形態において、踵押さえ部開閉機構200Cを除く靴の構成は、図1及び図2に構成と同様である。従って、以下の説明において、図1及び図2の構成要素と同様の構成要素には、同じ参照番号を使用する。本実施形態は、第3の部材を有さない構成である。
図9に示すように、本実施形態の踵押さえ部開閉機構200Cは、靴底部110に固着された第1の部材10Cと、踵を覆う踵押さえ部130内に埋め込まれた状態でこの踵押さえ部130と固着された第2の部材20Cと、回動軸30Cを有しており、第2の部材20Cがこの回動軸30Cの回りを回動可能となるように第1の部材10C及び第2の部材20Cに連結されたヒンジ機構と、ヒンジ機構の開閉角度に応じて、このヒンジ機構を閉じる方向又は開く方向に第2の部材20Cを付勢する付勢手段40Cと、保持部材60Cとを備えている。
本実施形態において、第1の部材10Cは、例えば、樹脂材料から形成されており、靴底と平行となるように靴底部110に固着された板状部11Cと、この板状部11Cの後端(靴の踵側の端)から延出して先端部が上方へ湾曲する1対のアーム部12Cとを有している。1対のアーム部12Cの後端部には1対の軸穴がそれぞれ設けられている。これら軸穴には、ヒンジ機構の回動軸30Cが嵌入されて固定されている。
第1の部材10Cの1対のアーム部12Cの間には、付勢手段40Cが配置されている。さらに、1対のアーム部12Cの間には、この付勢手段40Cの一端を係止するための係止部14Dと、付勢手段40Cの他端に連結された保持部材60Cをスライド可能に係止するための係止部14Cが設けられている。なお、第1の部材10Cを靴底部110に取り付けるための構成は省略されている。
第2の部材20Cは、靴の後部で踵を覆う踵押さえ部130内に埋め込まれて配置され、例えば、樹脂材料から形成されており、踵押さえ部130に合わせて内側(踵側)に湾曲した板形状を有している。この第2の部材20Cの下部には、回動軸30Cが嵌入され、この回動軸30Cに対して回動自在の軸穴が設けられている。また、この第2の部材20Cの中央部から下端に渡って保持部材60Cが通過可能なスリット25が設けられている。このスリット25内には、付勢手段40Cの保持部材60Cの他端を係止するための係止部23Cが設けられている。
このように、回動軸30Cが第1の部材10Cの1対の軸穴に嵌入されて固定され、第2の部材20Cの軸穴に嵌入されて回動自在に軸支されている。これにより、第1の部材10C及び第2の部材20Cは、この回動軸30Cに関して回動自在のヒンジ機構を構成している。このヒンジ機構は、履き脱ぎし易いように閉位置から開位置までの回転可能角度が約50度とされている。もちろん、この回転可能角度はこの数値に限定されるものではない。
ヒンジ機構は、閉じている状態(図9(a)参照)から、踵等によって踵押さえ部130が後方に押圧されると、開く方向に回動する。逆に、ヒンジ機構は、開いている状態(図9(b)参照)から、閉じる時は別方の足で踵押さえを押したり、框や別方の足に踵押さえを当接したりすることで第2の部材20Cが閉じる方向に回動し、容易に履くことができる。
付勢手段40Cは、本実施形態では、1つのコイルバネ(コイル状引きバネ)と紐状体(保持部材60Cとしても機能する)から構成され、このコイルバネの一端が保持部材60Cの一端に連結され、他端が係止部14Dに係止されている。この付勢手段40Cは、第1の部材10Cの1対のアーム部12Cの間に配置されており、保持部材60Cを介して第2の部材20Cの係止部23Cに係止されている。これによって付勢手段40Cは、ヒンジ機構の開閉角度に応じて、このヒンジ機構を閉じる方向又は開く方向に第2の部材20Cを付勢する。より詳細には、付勢手段40Cに連結された保持部材60Cの係止される係止部23C及び係止部14Cを結ぶ線(即ち、両力点を結ぶ線)が回動軸30Cに対して靴の上側に位置する状態では第2の部材20Cをヒンジ機構の閉じる方向に付勢し、係止部23C及び係止部14Cを結ぶ線(即ち、両力点を結ぶ線)が回動軸30Cに対して靴の下側に位置する状態では第2の部材20Cをヒンジ機構の開く方向に付勢するように構成されている。
保持部材60Cは、金属線材から形成され、付勢手段40Cの一部として機能する。上述したようにこの保持部材60Cの一端がコイルバネの一端に連結されており、中央部が係止部14Cに摺動可能に係合されており、他端が第2の部材20Cの係止部23Cに係止されている。
このように構成された踵押さえ部開閉機構200Cを備えた靴によれば、ヒンジ機構が開いて図9(b)に示す状態となっている靴を使用者が履くときは、別方の足で踵押さえを押したり、框や別方の足に踵押さえを当接したりすることでヒンジ機構が閉じる方向へ回動し、付勢手段40Cに連結された保持部材60Cの係止される係止部23C及び係止部14Cを結ぶ線(即ち、両力点を結ぶ線)が回動軸30Cの軸心の上方(靴の上側)に位置する状態になると、付勢手段40Cの付勢が加わって第2の部材20Cはヒンジ機構が閉じる方向に確実に回動する。ヒンジ機構が閉じるまで回動すると、図1に示すように、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131とが自動的に吸着し、踵押さえ部130がアッパー部120に固定される。
一方、使用者が靴を脱ぐときは、踵によって踵押さえ部130が後方に押されることにより、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131との吸着が外れ、第2の部材20Cが後方へ押されてヒンジ機構が開く方向に回動する。係止部23C及び係止部14Cを結ぶ線(即ち、両力点を結ぶ線)が回動軸30Cの軸心の下方(靴の下側)に位置する状態になると、付勢手段40Cの付勢が加わって第2の部材20Cはヒンジ機構が図1に示すように開く方向に確実に回動する。
以上説明したように、本実施形態の靴によれば、使用者が履くときに、踵押さえ部130が開いた状態で足を入れ、他方の足でこの踵押さえ部130を押すか框やこの他方の足に押し付ければ、ヒンジ機構が閉じる方向へ回動し、さらに、付勢手段40Cの付勢が加わって第2の部材20Cはヒンジ機構が閉じる方向に確実に回動する。その後、ヒンジ機構が閉じ特別な操作を行うことなく、スムーズに靴を履くことが可能となる。
一方、使用者が靴を脱ぐときは、踵によって踵押さえ部130が後方に押されることにより、アッパー部120の磁石121と踵押さえ部130の磁石吸着部材131との吸着が外れ、第2の部材20Cが後方へ押されてヒンジ機構が開く方向に回動し、さらに、付勢手段40Cの付勢が加わって第2の部材20Cはヒンジ機構が開く方向に確実に回動する。このため、特別な操作を行うことなく、スムーズに靴を脱ぐことが可能となる。この第4の実施形態では靴の踵部分の付勢手段を細く小さくすることができ、第3の実施形態と同様靴のデザイン上で好都合である。
前述した第1の実施形態における踵押さえ部開閉機構200においては、第3の部材50が、第1の部材10とは別個の板形状の部材で構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10に示すように、第3の部材50′は、第1の部材10と一体的に形成されていても良い。この場合、第1の部材10の後端から前後方向に2本の切り込みを設け、この2本の切り込みの間の部分が第3の部材50′とする。第3の部材50′の先端部51′は第1の部材10と一体的に連結され、後端部52′は自由端となり、この後端部52′の下面が第2の部材20の下端に当接し、第2の部材20の回動に追従して上下に移動可能となる。さらに第4の実施形態のように第3の部材が無くても良い。
また、上述した第1〜第4の実施形態の踵押さえ部開閉機構200、200A、200B及び200Cにおいて、第1の部材10、10A、10B及び10Cと第2の部材20、20A、20B及び20Cとの間に回動位置を規制する2段階の位置規制手段を設けても良い。例えば、図11に示すように、第2の部材20、20A、20B及び20Cに突起部aを設け、第1の部材10、10A、10B及び10Cに突起部b、斜面部c、平面部d及び回転止め壁部eを設けることで、第2の部材20、20A、20B及び20Cの回動位置を規制することができる。この場合、第2の部材20、20A、20B及び20Cが閉じる方向へ回動する際に、突起部aが突起部bに当接することで、踵押さえ部130を閉位置で安定させることができる。第2の部材20、20A、20B及び20Cが開く方向へ回動する際に、突起部aが斜面部cに当たり、この位置で中程度に固定され開位置に安定させる。踵押さえ部130が強い力で踏まれると、突起部aがアーム部12の剛性に抗して斜面部c及び平面部dを通過し、回転止め壁部eに当接することで、踵押さえ部130を大きく開いた第2開き位置で安定させることができる。これにより、踵押さえ部130を開位置よりさらに50度程度回転し、使用者を怪我から守り、踵押さえ部130を破壊から守ることができる。また、この時の突起部aは容易に突起部b斜面cの間に戻すことができる。
また、前述した第2の実施形態における踵押さえ部開閉機構200Aにおいてのみ、第2の部材20Aにアルミニウム板70を設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の第1、第3及び第4の実施形態における踵押さえ部開閉機構200、200B及び200Cの場合にも同様の構成を設けることができる。なお、アルミニウム板70の変わりに、容易に変形可能な薄い銅板、鉄板、樹脂製シート材等を用いても良い。
また、前述した実施形態の靴100において、アッパー部120に磁石121を設け、踵押さえ部130に磁石吸着部材131を設ける例を説明したが、第4の実施例のように本発明はこれに限定されるものではない。付勢手段40の強さを、踵を適切に抑えるように調整することにより、磁石121及び磁石吸着部材131を設けなくても良い。
さらに、上述した第1〜第4の実施形態の踵押さえ部開閉機構200、200A、200B及び200Cにおいて、付勢手段40、40A、40B、40Cが第2の部材20、20A、20B、20Cをヒンジ機構の閉じる方向と開く方向にそれぞれ付勢することができる例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。閉じる方向のみに付勢するように構成しても良い。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は発明請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。