以下、本発明の一態様に係る照明器具の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の照明器具1は、図1に示すように、1つ以上の光源(LEDブロック10)と、外部電源から給電されて各LEDブロック10を点灯させる電源装置4とを備えている。照明器具1は、前面に開口部を有する箱形に形成されてLEDブロック10と電源装置4を収容する筐体3と、筐体3に着脱可能に取り付けられて開口部を塞ぐカバーブロック5と、電源装置4と外部電源とを電気的に接続する電線200とを更に備えている。筐体3は、開口部と対向する底壁30と、底壁30の周縁から開口部に向かって突出する1つ以上の側壁31とを有している。LEDブロック10は、筐体3内を分割して形成される第1収容領域21と第2収容領域22のうちの第1収容領域21に収容されている。電源装置4は、第2収容領域22に収容されている。電線200は、筐体3において第2収容領域22を囲んでいる側壁31を貫通する貫通孔315を通して筐体3の外に引き出されている。つまり、施工現場では、筐体3から引き出された電線200と外部電源の電源線とを電気的に接続する際、従来例のようにカバーブロック5を筐体3から取り外す必要がない。そのため、本実施形態の照明器具1は、施工作業において筐体3からカバーブロック5を取り外す場合に比べて、施工作業の簡素化を図ることができる。
以下、実施形態の照明器具1について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の照明器具1は、図2〜図8に示すように、建物の壁面や看板等を照明する用途に用いられる照明器具、いわゆる投光器である。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、図1において照明器具1の前後、上下、左右の各方向を規定する。
照明器具1は、筐体3とカバーブロック5からなる器具本体2を備えている(図1及び図3参照)。筐体3は、長方形状の底壁30と、底壁30の周縁から前方へ突出する4つの側壁31とを有している。つまり、筐体3は、前面に開口部を有する箱形に形成されている。底壁30と4つの側壁31とは、アルミダイカストによって一体に形成されている。なお、以下の説明では、底壁30の上側の辺から前方へ突出する側壁31を第1側壁311と呼び、底壁30の下側の辺から前方へ突出する壁31を第2側壁312と呼ぶ場合がある。同様に、底壁30の左側の辺から前方へ突出する側壁31を第3側壁313と呼び、底壁30の右側の辺から前方へ突出する側壁31を第4側壁314と呼ぶ場合がある。
筐体3の内部は、複数のLEDブロック10が収容される第1収容領域21と、電源装置4が収容される第2収容領域22とに分割されている(図1参照)。筐体3は、第1収容領域21と第2収容領域22とを隔てる隔壁32を更に有している。隔壁32は、矩形板状であって、底壁30の前面における第1収容領域21と第2収容領域22との境界位置から前方へ突出するように形成されている。隔壁32の左側の端は第3側壁313と繋がり、隔壁32の右側の端は第4側壁314と繋がっている。言い換えると、第1収容領域21とは、筐体3の内部の空間において、底壁30と第1側壁311と第3側壁313と第4側壁314と隔壁32とに囲まれている空間(領域)である。また、第2収容領域22とは、筐体3の内部の空間において、底壁30と第2側壁312と第3側壁313と第4側壁314と隔壁32とに囲まれている空間(領域)である。
第1収容領域21における底壁30の前面に6つのLEDブロック10が取り付けられている(図1及び図2参照)。これら6つのLEDブロック10は、前方から見て上下2列及び左右3列のマトリクス状に並ぶように配置されている。第2収容領域22における底壁30の前面には、取付台を介して電源装置4が取り付けられている。電源装置4は、取付台を介することによって、底壁30の前面との間に隙間を設けた状態で底壁30に取り付けられている(図1参照)。なお、第2収容領域22において電源装置4の前方には、電気絶縁性を有する保護シート45が配置されている(図1及び図9参照)。
各LEDブロック10は、LEDモジュール11と、配光制御部材とを有している。LEDモジュール11は、例えば、実装基板に実装された1つ以上の青色LEDチップと、青色LEDチップを封止する封止樹脂とを有している。封止樹脂には青色LEDチップから放射される青色光を黄色光に変換する波長変換部材が混入されている。LEDモジュール11は、青色光と黄色光を混合させることで白色光を放射するように構成されている。LEDモジュール11は、底壁30に取り付けられることで筐体3と熱的に結合される。したがって、点灯中のLEDモジュール11から発生する熱は、筐体3に伝導され、筐体3から大気中に放熱される。
本実施形態における配光制御部材は、レンズユニット12である(図1及び図2参照)。レンズユニット12は、おおむね砲弾形状のレンズ120と、レンズ120の前端から後方へ突出する一対の取付脚121とを有している。レンズ120と一対の取付脚121とは、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂で形成されることが好ましい。なお、配光制御部材はレンズユニット12に限定されない。配光制御部材は、例えば、ボウル状に形成されてLEDモジュール11の光を反射して配光を制御する反射鏡などであってもかまわない。また、各LEDブロック10の配光制御部材が同一である必要はなく、例えば、配光制御部材がレンズユニット12であるLEDブロック10と、配光制御部材が反射鏡であるLEDブロック10とが混在していてもかまわない。
電源装置4は、外部電源(例えば、商用の交流電源)から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路を有している。電力変換回路は、例えば、全波整流器、力率改善回路(昇圧チョッパ回路)、DC/DCコンバータ(降圧チョッパ回路)などで構成されることが好ましい。電源装置4は、矩形板状のプリント配線板40の表面(前面又は前後両面)に、電力変換回路を構成する複数の回路部品41、入力端子台42及び出力端子台43が実装されて構成されている(図1参照)。なお、これらの回路部品41のうちでプリント配線板40に挿入実装される回路部品(例えば、トランスや電解コンデンサなど)及び入力端子台42、出力端子台43は、プリント配線板40の前面(部品面)に実装されている。一方、表面実装型の回路部品は、プリント配線板40の後面に表面実装されている。入力端子台42には2本の電線200が電気的に接続されている。また、出力端子台43には4本の出力線23が電気的に接続されている(図9参照)。
4本の出力線23のうちの2本の出力線23は、隔壁32の前端における左端に設けられている切欠状の電線挿通溝320を通して第2収容領域22から第1収容領域21に配線されている(図1及び図9参照)。また、これら2本の出力線23のうちの1本の出力線23は、下側の列の左端のLEDモジュール11のアノード端子と電気的に接続され、残り1本の出力線23は、上側の列の左端のLEDモジュール11のアノード端子と電気的に接続されている。4本の出力線23のうちの残り2本の出力線23は、隔壁32の前端における右端に設けられている切欠状の電線挿通溝320を通して第2収容領域22から第1収容領域21に配線されている。また、これら2本の出力線23のうちの1本の出力線23は、下側の列の右端のLEDモジュール11のカソード端子と電気的に接続され、残り1本の出力線23は、上側の列の右端のLEDモジュール11のカソード端子と電気的に接続されている。なお、上側の列の3つのLEDブロック10の各々のLEDモジュール11はリード線によって電気的に直列接続されている。同様に、下側の列の3つのLEDブロック10の各々のLEDモジュール11はリード線によって電気的に直列接続されている。したがって、直列接続された上側の列の3つのLEDモジュール11と、直列接続された下側の列の3つのLEDモジュール11とは、4本の出力線23を介して電源装置4の出力端子間に電気的に並列接続されている。ただし、上述した電源装置4と6つのLEDブロック10(LEDモジュール11)との接続関係は一例に過ぎず、例えば、6つのLEDモジュール11が電源装置4の出力端子間に電気的に直列接続されてもかまわない。
ここで、隔壁32は、LEDブロック10から放射される光が第2収容領域22に進入することを防いでいる。LEDブロック10から放射される光が回路部品41に長時間にわたって照射された場合、例えば、合成樹脂製のパッケージを有する回路部品41では、パッケージからガスが発生するおそれや、パッケージの経年劣化が促進されるおそれがある。したがって、隔壁32によってLEDブロック10から放射される光が回路部品41に長時間にわたって照射されることがなくなるので、ガスの発生やパッケージの経年劣化の促進などの不具合の発生を抑えることができる。
カバーブロック5は、不透光カバー50と、透光パネル51と、シール部材52とを有している(図1参照)。不透光カバー50は、例えば、金属板のように可視光を透過しない材料によって長方形状に形成されている。不透光カバー50には、前方から見て筐体3の第1収容領域21と重なる形状及び大きさを有する四角形状の窓孔500が設けられている。つまり、筐体3の第1収容領域21は、不透光カバー50の窓孔500を通して器具本体2の前面に露出している(図2参照)。一方、筐体3の第2収容領域22は、不透光カバー50によって覆われているために器具本体2の前面に露出しない。
透光パネル51は、ポリカーボネート樹脂などの透光性を有する材料によって、不透光カバー50とほぼ同一の長方形状に形成されている(図1参照)。透光パネル51は、筐体3と不透光カバー50の間に配置されて不透光カバー50の窓孔500を塞いでいる。したがって、6つのLEDブロック10から放射される光は、透光パネル51を透過し、かつ、窓孔500を通して器具本体2の前方へ照射される。
透光パネル51の周縁にシール部材52が取り付けられている。シール部材52は、例えば、合成ゴムによって長方形の枠状に形成されている。シール部材52の内周面には全周に渡る1つの溝が形成されている。シール部材52は、透光パネル51の周縁部分を溝にはめ込むようにして透光パネル51の周縁に取り付けられている。
カバーブロック5は、筐体3の4つの側壁31の前端と不透光カバー50との間にシール部材52を介して透光パネル51の周縁部分を挟み込んだ状態で筐体3にねじ止めされる。つまり、筐体3の前面の開口部がカバーブロック5によって気密に閉塞される。したがって、カバーブロック5と筐体3の側壁31の前端との隙間がシール部材52でシールされるので、器具本体2内への雨水等の浸入を防ぐことができる。
ここで、電源装置4の入力端子台42に接続される2本の電線200は、第2収容領域22における底壁30に電気的に接続される接地用の1本の電線200とともに、第2側壁312に設けられた貫通孔315を通して筐体3の外に引き出されている(図1参照)。ただし、これら3本の電線200は、例えば、3心のビニル絶縁ビニルシースケーブルからなる電気ケーブル20の3本の絶縁線心で構成されている。電気ケーブル20は、第2側壁312の貫通孔315に挿通され、ケーブルグランド24によって第2側壁312の外表面に固定されている(図7及び図8参照)。ケーブルグランド24は、電気ケーブル20を筐体3に固定するとともに電気ケーブル20と貫通孔315との隙間をシールしている。
また、底壁30の背面に放熱部材7が設けられている(図3及び図5〜図7参照)。放熱部材7は、底壁30の背面から後方へ突出する複数の放熱板を有している。複数の放熱板は、複数(11枚)の第1放熱板71と、複数(9枚)の第2放熱板72とを含んでいる。複数の第1放熱板71と複数の第2放熱板72の各々は、いずれも角の丸い台形状に形成されている(図3参照)。複数の第1放熱板71は、底壁30の背面における上部に、各第1放熱板71の厚み方向(第1方向)を左右方向に一致させ、かつ、左右方向に等間隔に並ぶように配置されている。複数の第2放熱板72は、底壁30の背面における中央部に、各第2放熱板72の厚み方向(第1方向)を左右方向に一致させ、かつ、左右方向に等間隔に並ぶように配置されている(図5参照)。ただし、左右両端の第1放熱板71を除く9枚の第1放熱板71と、9枚の第2放熱板72とは、第1放熱板71及び第2放熱板72の各々の厚み方向(第1方向)に交差する第2方向(上下方向)に間隙73を設けて並ぶように配置されている(図5参照)。
複数の第1放熱板71及び複数の第2放熱板72は、アルミダイカストによって筐体3と一体に形成されている。なお、複数の第1放熱板71及び複数の第2放熱板72が形成されている底壁30の背面における上部及び中央部は、底壁30の厚み方向(前後方向)に沿って筐体3の第1収容領域21と対向している。つまり、複数の第1放熱板71と上側の列の3つのLEDブロック10とが底壁30を挟んで隣り合い、複数の第2放熱板72と下側の列の3つのLEDブロック10とが底壁30を挟んで隣り合っている。そのため、複数のLEDブロック10が発する熱を効率的に放熱部材(複数の第1放熱板71及び複数の第2放熱板72)に伝導させて筐体3の放熱性の向上を図ることができる。
ここで、底壁30の背面には、上下方向に3例以上の放熱板が設けられてもかまわない。なお、3列目以降の放熱板は、底壁30の厚み方向に沿って筐体3の第2収容領域22と対向している、底壁30の背面における下部に配置される。この場合、底壁30の背面における下部の放熱板により、電源装置4が発する熱を効率的に放熱させることができる。ただし、6つのLEDブロック10が発する合計の熱量は、電源装置4が発する熱量よりも十分に多いと考えられる。したがって、底壁30の背面における上部及び中央部に設けられる放熱板の個数は、底壁30の背面における下部に設けられる放熱板の個数よりも多いことが好ましい。また、放熱板の個数が増えるにつれて器具本体2の重量も増大するので、底壁30の背面に設けられる放熱板の総数は少ない方が好ましい。そのため、本実施形態の照明器具1では、底壁30の背面における下部に放熱板を設けないことにより、複数のLEDブロック10の発する熱の放熱性の向上を図りつつ器具本体2の重量の増大を抑制している。
さらに、底壁30の背面には一対の軸受部34が設けられている。軸受部34は、円筒形状の外郭340と、外郭340の中心に設けられる雌ねじ部と、筐体3に対して外郭340を支持する支持台341とを有している(図3及び図5参照)。支持台341は、軸受部34の軸方向(左右方向)から見て台形状に形成されている。支持台341は、底壁30の背面において底壁30の長手方向(上下方向)のほぼ中央に配置され、底壁30の背面から後方に突出している。ここで、軸受部34の少なくとも一部が、筐体3の背面において第1収容領域21と対向する領域に設けられている。具体的には、前後方向から見たときに各軸受部34の一部が第1収容領域21と重なっている。そのため、照明器具1を前方から見たとき、左側の軸受部34が第3側壁313の外に飛び出す量、及び右側の軸受部34が第4側壁314の外に飛び出す量を低減して照明器具1の小型化を図ることができる。また、一対の軸受部34は、複数の第2放熱板72と左右方向に沿って並ぶように配置されている。つまり、各軸受部34にも底壁30から熱が伝導されて放熱性の向上に寄与することができる。
一対の軸受部34には支持部材6が回転可能に取り付けられる。支持部材6は、固定部60と、固定部60の左右両端から上向きに立ち上がる一対の腕部61とを有している(図3参照)。固定部60と一対の腕部61とは金属板によって一体に形成されている。固定部60は、中央に貫通する円形の固定孔600と、固定孔600よりも後方において固定孔600を中心とする半円弧状に貫通する長穴601とを有している(図3及び図8参照)。そして、固定孔600に挿通されるボルト及びナットと、長穴601に挿通されるボルト及びナットとで固定部60が照明台などに固定される。また、長穴601に挿通されるボルトを緩めることにより、支持部材6の向き(照明器具1の光軸の向き)を変更することができる。
また、支持部材6は、2つの軸部62を有している。各軸部62は、座金付きボルトからなる。一対の腕部61の先端部に円形の挿通孔がそれぞれ貫通している。各軸部62は、対応する腕部61の挿通孔に挿通された後、筐体3の軸受部34の雌ねじ部にねじ込まれる。つまり、支持部材6は、一対の軸受部34を介して器具本体2と結合され、かつ、雌ねじ部にねじ込まれる軸部62を回転軸として器具本体2を回転可能に支持する。なお、左側の軸受部34には円盤状の目盛板63が取り付けられる。この目盛板63には棒状の目印が刻印されている。一方、左側の腕部61の先端には、軸部62を中心とする角度の目盛が刻印されている。したがって、目盛板63の目印と、腕部61の目盛との相対的な位置関係により、支持部材6に対する器具本体2の回転角度が読み取れるように構成されている。
また、左側の腕部61には、支持部材6に対する器具本体2の回転を止める(ロックする)ためのロック機構64が設けられている(図3〜図6参照)。ロック機構64は、ロック金具640と、ハンドル641と、ナットとを有している。ロック金具640は、金属板によって角樋状に形成されている。ロック金具640の長手方向の一端側にねじ挿通孔が設けられている。ロック金具640の長手方向の他端から爪6400が突出している。ロック金具640は、左側の腕部61に設けられている穴に爪6400が挿入され、腕部61における穴の周縁部分に爪6400を引っ掛けるようにして腕部61に取り付けられている。ハンドル641は、L字形の金属棒で構成されている。ハンドル641の先端部分には雄ねじ6410が形成されている。ハンドル641の雄ねじ6410は、左側の腕部61に設けられている取付穴に挿通され、更にロック金具640のねじ挿通孔に挿通された後、ナットにはめ込まれる。ナットはロック金具640の内側に収められた状態でロック金具640の両側の壁によって回り止めされている。したがって、器具本体2の左側から見てハンドル641が時計回りに回されると、ロック金具640が腕部61との間で目盛板63を挟み込む力が増大する。その結果、支持部材6に対する器具本体2の回転が止められる(ロックされる)。一方、器具本体2の左側から見てハンドル641が反時計回りに回されると、ロック金具640が腕部61との間で目盛板63を挟み込む力が減少するので、支持部材6に対する器具本体2の回転が可能となる。
さらに、底壁30の背面には一対のワイヤ固定部33が設けられている(図3及び図5参照)。一対のワイヤ固定部33は、おおむね円柱状に形成されたボス330と、ボス330内に形成されている雌ねじと同心にはまり合うボルト331とをそれぞれ有している。なお、ボルト331は、座金がボルトから抜け落ちないように組み込まれた座金組み込みボルトである。各ワイヤ固定部33には、落下防止用のワイヤ80の両端に形成されている2つのループ800が1つずつ固定されている。具体的には、ワイヤ80のループ800が挿通されたボス330の雌ねじにボルト331が締め付けられることにより、ボルト331(の座金)でループ800が抜け止めされている。ここで、ワイヤ固定部33が設けられる場所は底壁30の背面に限定されないが、ワイヤ固定部33が底壁30の背面に設けられることにより、支持部材6に対して器具本体2を回転させる際にワイヤ固定部33が邪魔になりにくいという利点がある。
ここで、各ワイヤ固定部33は、筐体3の回転軸(軸部62)と交差する第1方向(上下方向)における軸受部34との距離が、回転軸と交差する第2方向(左右方向)における筐体3の端部までの距離よりも短くなる位置に配置されている(図5参照)。このような位置に各ワイヤ固定部33が配置されることにより、器具本体2がワイヤ80につられる状況になった場合に、ワイヤ80によって器具本体2をバランスよくつることができる。
ワイヤ80は、各腕部61を貫通する貫通孔613に挿通される。さらに、ワイヤ80は、固定部60が固定される照明台などに固定されたワイヤ受け金具81に支持される。つまり、支持部材6の固定部60が照明台から外れた場合、ワイヤ80が器具本体2を支持することで照明器具1の落下が防止される。
なお、照明器具1の設置状態は、実施形態で説明した設置状態に限定されない。例えば、照明器具1は、支持部材6の固定部60が建物の外壁に固定されるような設置状態で使用される場合がある。あるいは、照明器具1は、支持部材6の固定部60が器具本体2よりも高い位置に固定されるような設置状態で使用される場合もある。
上述のように本発明の第1の態様に係る照明器具(1)は、1つ以上の光源(LEDブロック10)と、外部電源から給電されて光源を点灯させる電源装置(4)と、前面に開口部を有する箱形に形成されて光源と電源装置(4)を収容する筐体(3)とを備える。第1の態様に係る照明器具(1)は、筐体(3)に着脱可能に取り付けられて開口部を塞ぐカバーブロック(5)と、電源装置(4)と外部電源とを電気的に接続する電線(200)とを備える。筐体(3)は、開口部と対向する底壁(30)と、底壁(30)の周縁から開口部に向かって突出する1つ以上の側壁(31)とを有している。光源は、筐体(3)内を分割して形成される第1収容領域(21)と第2収容領域(22)のうちの第1収容領域(21)に収容されている。電源装置(4)は、第2収容領域(22)に収容されている。電線(200)は、筐体(3)において第2収容領域(22)を囲んでいる底壁(30)又は側壁(31)を貫通する貫通孔(315)を通して筐体(3)の外に引き出されている。
第1の態様に係る照明器具(1)は、施工現場で筐体(3)から引き出された電線(200)と外部電源の電源線とを電気的に接続する際、従来例のようにカバーブロック(5)を筐体(3)から取り外す必要がない。そのため、第1の態様に係る照明器具(1)は、施工作業において筐体(3)からカバーブロック(5)を取り外す場合に比べて、施工作業の簡素化を図ることができる。
本発明の第2の態様に係る照明器具(1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明器具(1)において、筐体(3)において第2収容領域(22)を囲んでいる側壁(31)に貫通孔(315)が設けられていることが好ましい。
第2の態様に係る照明器具(1)は、貫通孔(315)が底壁(30)に設けられる場合に比べて、筐体(3)内の電線(200)の引き回しを容易化することができる。
本発明の第3の態様に係る照明器具(1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明器具(1)において、筐体(3)は、第1収容領域(21)と第2収容領域(22)とを隔てる隔壁(32)を有していることが好ましい。
第3の態様に係る照明器具(1)は、光源から放射される光が隔壁(32)で遮られるので、光の照射に伴う電源装置(4)の不具合の発生を抑制することができる。
本発明の第4の態様に係る照明器具(1)は、第3の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明器具(1)において、電源装置(4)から出力される電力を光源に供給するための複数の出力線(23)を備えることが好ましい。複数の出力線(23)は、隔壁(32)に設けられている溝(電線挿通溝320)又は穴を通して光源と電源装置(4)を電気的に接続していることが好ましい。
第4の態様に係る照明器具(1)は、電源装置(4)と光源を電気的に接続する出力線(23)の配線の簡素化を図ることができる。
本発明の第5の態様に係る照明器具(1)は、第1〜第4の態様のいずれか1つとの組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明器具(1)において、底壁(30)の開口部と対向しない背面において底壁(30)の厚み方向に沿って第1収容領域(21)と対向する領域に複数の放熱板(第1放熱板71、第2放熱板72)が設けられていることが好ましい。
第5の態様に係る照明器具(1)は、光源が発する熱を底壁(30)から複数の放熱板に伝導して放熱性の向上を図ることができる。
本発明の第6の態様に係る照明器具(1)は、第5の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る照明器具(1)において、底壁(30)の背面において第1収容領域(21)と対向する領域に設けられる放熱板の個数は、底壁(30)の背面において底壁(30)の厚み方向に沿って第2収容領域(22)と対向する領域に設けられる放熱板の個数よりも多いことが好ましい。
第6の態様に係る照明器具(1)は、電源装置(4)の発する熱量よりも光源の発する熱量の方が多い場合に、全体の放熱性の向上を図りつつ筐体(3)の重量増大の抑制を図ることができる。
本発明の第7の態様に係る照明器具(1)は、第1〜第6の態様のいずれか1つとの組合せにより実現され得る。第7の態様に係る照明器具(1)において、筐体(3)は、開口部と対向する底壁(30)と、底壁(30)の周縁から開口部に向かって突出する1つ以上の側壁(31)とを含む複数の壁を有していることが好ましい。底壁(30)の背面に、落下防止用のワイヤ(80)が固定される1つ以上のワイヤ固定部(33)が設けられていることが好ましい。
第7の態様に係る照明器具(1)は、ワイヤ(80)をワイヤ固定部(33)に固定する作業の作業性の向上を図ることができる。
本発明の第8の態様に係る照明器具(1)は、第7の態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る照明器具(1)において、筐体(3)を回転可能に支持する支持部材(6)を備えることが好ましい。支持部材(6)は、筐体(3)に設けられている軸受部(34)と回転可能に結合される軸部(62)を有することが好ましい。ワイヤ固定部(33)は、筐体(3)の回転軸(軸部62)と交差する第1方向における軸受部(34)との距離が、回転軸と交差する第2方向における筐体(3)の端部までの距離よりも短くなる位置に配置されていることが好ましい。
第8の態様に係る照明器具(1)は、筐体(3)が落下防止用のワイヤ(80)につられる状況になった場合に、ワイヤ(80)によって筐体(3)をバランスよくつることができる。
本発明の第9の態様に係る照明器具(1)は、第8の態様との組合せにより実現され得る。第9の態様に係る照明器具(1)において、軸受部(34)の少なくとも一部が、筐体(3)の背面において第1収容領域(21)と対向する領域に設けられることが好ましい。
第9の態様に係る照明器具(1)は、軸受部(34)が筐体(3)の外に飛び出す量を低減して小型化を図ることができる。
本発明の第10の態様に係る照明器具(1)は、第8又は9の態様との組合せにより実現され得る。第10の態様に係る照明器具(1)において、軸受部(34)は、複数の放熱板と並ぶように筐体(3)の背面に設けられていることが好ましい。
第10の態様に係る照明器具(1)は、軸受部(34)にも底壁(30)から熱が伝導されるので、放熱性の更なる向上を図ることができる。
本発明の第11の態様に係る照明器具(1)は、第1〜第10の態様のいずれか1つとの組合せにより、実現され得る。第12の態様に係る照明器具(1)において、光源は、固体発光素子(LEDモジュール11)と、固体発光素子から放射される光の配光を制御する配光制御部材(レンズユニット12)とを有することが好ましい。カバーブロック(5)は、遮光性を有し、第1収容領域(21)と対向する窓孔(500)を有して開口部を塞ぐ不透光カバー(50)と、透光性を有し、少なくとも窓孔(500)を塞ぐ透光パネル(51)とを有することが好ましい。
第11の態様に係る照明器具(1)は、筐体(3)の第2収容領域(22)を不透光カバー(50)によって隠しつつ、光源から放射される光を窓孔(500)を通して筐体(3)の外に照射し、かつ、透光パネル(51)で光源を保護することができる。