JP2019083953A - 便座カバー - Google Patents

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【課題】洗浄ノズルや洗浄ノズル格納部周辺に便を含む汚水が飛び散りにくく、また、使用者の臀裂と便座の隙間から噴霧状となった汚水が、外部に飛散しにくい汎用性のある便座カバーを提供する。【解決手段】温水洗浄機能付洋式便器の便座に着脱自在に取り付けて用いられる便座カバー1であって、便座の人体当接面を覆う略C字形状からなる基部2と、基部2の内周縁から吊設された便座の内周面及び便器内部を覆う遮蔽部4と、遮蔽部4の所要位置に形成された温水洗浄機の洗浄ノズルが出入りする窓部5と、窓部5を覆うノズルカバー部7の構成からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、洋式便器の便座カバーに関し、詳しくは、温水洗浄機能付便器に使用する便座カバーに関するものである。
近年、清潔志向の高まり、医療や福祉施設向け需要増加等により、洋式便器にて排便を済ませた後に便器若しくは便座に備え付けられた温水洗浄機能を用いて肛門部を洗浄することが一般的となっている。
その温水洗浄機能を用いて肛門部を洗浄すると、洗浄水はかなりの水圧で肛門部に噴射することから、便を含んだ汚水が跳ね返り便器内やその周辺に飛散し、不衛生となる問題があった。
そこで、このような問題に対して特許文献1には、洋式便器の便座において、便器上面と便座下面との隙間を遮断する遮断板を便座穴の形状に沿って便座穴の全周に設け、さらに、温水洗浄便座の洗浄ノズルとの干渉を避けるように、切欠きを設けた便座が開示されている。
特開2000−254039号公報
しかし、特許文献1に記載の便座では、便器上面と便座下面との隙間から便器外へ汚水が飛散することは防止できるものの、洗浄ノズルや洗浄ノズル格納部周辺に便を含む汚水が付着し汚れ、時間の経過とともに飛び散った汚れは便器等にこびりつき、便器等が不潔となるばかりではなく、見た目も汚く不快であるという問題があった。
さらに、使用者の臀裂と便座上面の隙間から噴霧状となった汚水が、外部に飛散し周辺が不衛生であるという問題もあった。
本発明は、洗浄ノズルや洗浄ノズル格納部周辺に便を含む汚水が飛び散りにくく、また、使用者の臀裂と便座の隙間から噴霧状となった汚水が、外部に飛散しにくい汎用性のある便座カバーを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。詳述するならば、温水洗浄機能付洋式便器の便座に着脱自在に取り付けて用いられる便座カバーであって、便座の人体当接面を覆う平面視略C字形状からなる基部と、該基部の内周縁から吊設された便座の内周面及び便器内部を覆う遮蔽部と、該遮蔽部の所要位置に形成された温水洗浄機の洗浄ノズルが出入り可能な窓部と、該窓部を覆うノズルカバー部とからなる構成が含まれる。
本発明の便座カバーを便座に装着し使用することで、温水洗浄機で洗浄時に洗浄水が肛門部へ噴射され、便を含んだ汚水が跳ね返り、便器上面と便座下面との隙間から便器外へ飛散することを防止できる。また、温水洗浄機の洗浄ノズル伸縮部と洗浄ノズル格納部周辺に、便を含む汚水が付着しないように、ガードすることができる。
本発明には、前記ノズルカバー部が合成ゴムなどの合成高分子化合物からなり、該ノズルカバー部は前記窓部の上端部近傍より延設され前後方向へ開閉自在で洗浄ノズル伸縮部や洗浄ノズル格納部周辺をカバーする主カバー部と、前記窓部の上下方向の下端部近傍において、前後方向で前記主カバー部より便器内壁側で、かつ、前後方向で前記窓部より前記主カバー側に位置する観音開き式構造をなすストッパー部とからなり、前記主カバー部と前記ストッパー部とが部分的に重合する構成が含まれる。
本発明の便座カバーを使用することで、洗浄ノズル格納部付近に便を含む汚水が付着することを防止する効果があり、また、洗浄ノズルが格納される際に主カバーが洗浄ノズルと共に窓部より便器内壁側に引き込まれるのをストッパー部によって防止することができる。
本発明には、前記ノズルカバー部が、繊維状のブラシ形状からなり、前記窓部の開口部左右端より前記窓部の幅方向の中心へ向け立設されている構成が含まれる。
本発明の便座カバーは、便を含む汚水が便座カバー外へ飛散する事を防止する効果と、また、洗浄ノズルの露出部に付着した汚物を洗浄ノズル伸縮時にノズルカバー部に配置されたブラシ機能で取り除く効果が期待できる。
本発明には、前記基部の略C字形状頂点近傍の遮蔽部上端から上側に延設された所要高さの臀裂カバー部を有する構成が含まれる。
本発明の便座カバーは、便を含む汚水が使用者の臀裂部と便座カバー上面との隙間より外へ飛散することを防止できる。
本発明には、前記遮蔽部、前記臀裂カバー部及び前記ノズルカバー部の表面が撥水性を有し、全体として弾性変形可能な素材で形成されている構成が含まれる。
本発明の便座カバーは、遮蔽部、臀裂カバー部及びノズルカバー部の表面が撥水性を有していることから、汚水が一旦付着しても便器内に流れ落ち、汚れが固着しにくくなる効果がある。また、本発明の便座カバーは、弾性変形可能な素材を採用していることから、装着する便座内周縁の幅よりやや広く形成し、装着時は変形させその復元力を利用すると、便座の内周縁より外側に向けての張力となり、便座カバーを便座に保持できる効果もある。
本発明には、前記遮蔽部、前記臀裂カバー部及び前記ノズルカバー部の表面に所望のデザイン模様やデザイン画を施してある構成が含まれる。
本発明の便座カバーは、遮蔽部、臀裂カバー部及びノズルカバー部の表面にデザイン模様やデザイン画が施されているので、汚れが付着しても目立ち難い効果がある。
本発明の便座カバーを使用すると、洗浄ノズル伸縮部や洗浄ノズル格納部周辺に便を含む汚水が飛び散りにくく、また、使用者の臀裂と便座の隙間から噴霧状となった汚水が外部に飛散しにくい。また、本発明の便座カバーは、汎用性がある構造で便座への着脱が容易なため、汚れた場合は便座カバーを取り外し洗浄すれば良く、洗浄が容易である。さらに、急な来客時には便座カバーを取り外すだけで、清潔な状態とすることができる効果もある。
本発明の一実施形態に係る便座カバーを示す斜視図である。 同実施形態に係る便座カバーを示す平面図である。 同実施形態に係る便座カバーを示す側面図である。 同実施形態に係る便座カバーを示す正面図である。 図4に係る便座カバーのA−A拡大断面図である。 図5に係る便座カバーにおける洗浄状態を示す拡大側面図である。 本発明の他の実施形態に係る便座カバーを示す正面図である。 本発明に係る便座カバーの使用状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
なお、本実施形態において、便器使用者が便座に腰かけた状態で、前面側を前側といい反対側を後側という。また、便座側を上側といい、便器内の水だまり側を下側という。
(第1実施形態)
図1及び図8に示されるように、本実施形態に係る便座カバー1は、温水洗浄機能付洋式便器50に付設された便座51に着脱自在に取り付けて用いられる便座カバー1であって、便座51の人体当接面を覆う平面視略C字形状からなる基部2と、その基部2の内周縁から吊設された便座51の内周面及び便器内部の縁部等を覆う遮蔽部4と、その遮蔽部4の略C字形状頂点付近の所要位置に形成された温水洗浄機の洗浄ノズル52が出入り可能な窓部5と、その窓部5を覆うノズルカバー部7とで形成されている。
また、基部2の上面であって略C字形状頂点付近には、位置決め用印8が付されている。さらに、基部2の略C字形状頂点近傍の遮蔽部4の上端から、さらに上部に延設された所要高さの臀裂カバー部9が形成されている。
図2及び図4に示されるように、遮蔽部4の下端部近傍の幅W2は上端部近傍の幅W1に対してやや幅広に形成されている。また、略C字形状頂点付近の遮蔽部4は、平面視略櫛形形状を成す便器ストッパー12が遮蔽部4の後側面と基部2の下面が交差する点に付設されることで、遮蔽部4の略C字形状頂点付近は略平面形状に形成されている。
本実施形態では、遮蔽部4に形成された窓部5の周辺は、略平面形状に形成されていることで、ノズルカバー部7も略平面形状となり、ノズルカバー部7の開閉作動時の抵抗が低減できる効果がある。
ノズルカバー部7は窓部5の上端部近傍の遮蔽部4から下方へ向け延設され、前後方向へ開閉自在の主カバー部10と、窓部5の下端部近傍において左右の遮蔽部4より延設され観音開き式構造をなすストッパー部11,11とで形成されている。
さらに、図5及び図6に示されるように、ストッパー部11,11は窓部5の前面側に位置し、主カバー部10はストッパー部11,11の前面側に位置し、主カバー部10の下端部分とストッパー部11,11の上端部分とは其々重合するように形成されている。
便座カバー1の素材としては、基部2は柔軟性素材であり感触が良く、冷たさを感じさせない材料としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、発泡フェノール樹脂、ポリスチレン、ニトリル発泡ゴム等の発泡素材を使用することができる。
遮蔽部4は、撥水性を有する素材で、例えば、薄板状やフィルム状のフッ素樹脂等を使用すれば良い。
ノズルカバー部7は、洗浄ノズル52の作動負荷を考慮し表面が低摩擦の合成ゴムで、例えば、ニトリル発泡ゴムで作成し前側表面にフッ素樹脂を接着剤で接着するか又は、表面を撥水加工すると良い。
さらに、便座カバー1の作成方法としては、基部2と遮蔽部4とノズルカバー部7とを発泡素材を用いて一体で金型成形し、遮蔽部4とノズルカバー部7の前側表面にデザイン模様やデザイン画を付したフィルムを積層し、さらに、透明なフィルム状のフッ素樹脂を接着材で接着すると良い。
上記の通り、本実施形態の便座カバーは、洗浄ノズル伸縮部や洗浄ノズル格納部周辺に便を含む汚水が飛び散りにくく、また、使用者の臀裂と便座上面との隙間から噴霧状となった汚水が外部に飛散しにくいという利点がある。
(第2実施形態)
図7に示されるように、本実施形態に係る便座カバー1は、ノズルカバー部7を繊維状のブラシ形状に形成されている。
そのノズルカバー部7の材質としては、化学繊維で具体的には、ナイロン、ポリプロピレン、テトロン、フッ素繊維などを使用すれば良い。
本実施形態に係る便座カバー1の製造方法は、ノズルカバー部7以外は第1実施形態と同様に形成すれば良く、ノズルカバー部7は化学繊維を窓部5の開口部の左右端より窓部5の幅方向へ向け接着し窓部5を覆い尽し、中心部には切り込み設け、洗浄ノズル52が出入り可能とすれば良い。
上記の通り、本実施形態の便座カバーは、洗浄ノズル伸縮部が洗浄時に汚物で汚れたとしても、格納時にノズルカバー部のブラシ機能で汚物を取り除く効果が期待できる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で適宜変更して実施できる。
本発明の便座カバー1を実施するには、図2及び図4に示される各部の寸法を以下の様に設定する。
具体的には、遮蔽部4の上端部近傍の幅W1を24cmとし、下端部近傍の幅W2は25.5cmとした。また、基部2の寸法はL1を17cmとし、L2を5.5cmで形成した。
さらに、窓部5の大きさと位置は、まず横方向の位置を略C字形状頂点に合わせ、上下方向の位置を、基部2の下面からの位置T3を2cmにし、窓部5の高さT1は7cmにし幅W3は5.5cmにし、主カバー部10の高さT2は4cmで形成した。
材料は、基部2と遮蔽部4とをニトリル発泡ゴムの厚さ5mmで形成し、ノズルカバー部7はニトリル発泡ゴムの厚さ1.5mmで形成し、遮蔽部4と接着材で接合した。
さらに、遮蔽部4とノズルカバー部7の表面にはフッ素樹脂の薄板を接着剤で積層結合した。
本実施例の便座カバー1は全体が弾性変形可能なので、装着時には便座カバー1の幅W2を便座51の内周縁より狭く変形させ、装着位置を位置決め用印8で調整して、略中央位置に装着する。装着時に便座カバー1を変形させた復元力を利用すると、便座の内周縁より外側に向けての張力が発生し、便座カバー1は便座51に固定することができる。
さらに、遮蔽部4の下端部近傍の幅W2が上端部近傍の幅W1より大きいために、便座を上げ下げしても便座カバー1がずれ落ちることは無く、しっかり固定することが可能となる。
上記の通り、本実施例の便座カバーは汎用性を有し、略全ての温水洗浄機能付便器に使用が可能となる効果が得られる。
また、着脱が容易なので便座カバーが汚れた際は、便座から便座カバーを取り外し洗浄することが出来るので、洗浄が容易となる。
さらには、便座カバーが汚れても便器が汚れることを防止できるので、急な来客時等は便座カバーを取り外すだけで、便器をきれいな状態とすることができる効果がある。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態や実施例では、遮蔽部とノズルカバー部の表面にはフッ素樹脂の薄板を積層したが、それらに限定するものではなく、遮蔽部とノズルカバー部の表面にシリコン系やフッ素系等の撥水剤を付与する等して撥水加工する構成としても良い。
また、前記実施例では、装着時に便座カバーを変形させた復元力を利用し便座カバーを便座に固定したが、それに限定するものではなく、例えば、基部の下面と便座上面とを両面テープ等の接着部材を利用して固定しても良い。
1 便座カバー
2 基部
4 遮蔽部
5 窓部
7 ノズルカバー部
8 位置決め用印
9 臀裂カバー部
10 主カバー部
11 ストッパー部
12 便器ストッパー
50 温水洗浄機能付洋式便器
51 便座
52 洗浄ノズル
53 水だまり
W1 遮蔽部上端部近傍の幅
W2 遮蔽部下端部近傍の幅
W3 窓部の幅
T1 窓部の高さ
T2 主カバー部の高さ
T3 基部の下面からの位置

Claims (6)

  1. 温水洗浄機能付洋式便器の便座に着脱自在に取り付けて用いられる便座カバーであって、便座の人体当接面を覆う略C字形状からなる基部と、該基部の内周縁から吊設された便座の内周面及び便器内部を覆う遮蔽部と、該遮蔽部の所要位置に形成された温水洗浄機の洗浄ノズルが出入りする窓部と、該窓部を覆うノズルカバー部とからなることを特徴とする便座カバー。
  2. 前記ノズルカバー部が、合成ゴムなどの合成高分子化合物の薄板材からなり、さらに該ノズルカバー部は前記窓部の上下方向の上端部近傍から延設され前後方向へ開閉自在の主カバー部と、前記窓部の上下方向の下端部近傍において前記主カバー部より便器内壁側でかつ前記窓部より前記主カバー側に位置する観音開き式構造をなすストッパー部とからなり、前記主カバー部と前記ストッパー部とが部分的に重合することを特徴とする請求項1に記載の便座カバー。
  3. 前記ノズルカバー部が、繊維状のブラシ形状からなり、前記窓部における開口部左右端より前記窓部の幅方向の中心へ向け立設されていることを特徴とする請求項1に記載の便座カバー。
  4. 前記基部の略C字形状頂点近傍の遮蔽部上端から延設された所要高さの臀裂カバー部を有することを特徴とする請求項1から請求項3いずれか1項に記載の便座カバー。
  5. 前記遮蔽部、前記臀裂カバー部及び前記ノズルカバー部が撥水性を有する弾性変形可能な素材で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4いずれか1項に記載の便座カバー。
  6. 前記遮蔽部、前記臀裂カバー部及び前記ノズルカバー部の表面に所望のデザイン模様やデザイン画が施してあることを特徴とする請求項1から請求項5いずれか1項に記載の便座カバー。
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