JP2019073877A - 軒先構成体 - Google Patents
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然しながら、前者の単に加熱発泡材の設置量を多くしただけでは、設置位置が適切でないと、換気機能を低下させたり膨張するのに時間を要したりしてしまうことにもなりかねず、後者では換気機能が損なわれることは明らかである。また、通気路上に適切な量の加熱発泡材が設置されていたとしても、これを取り囲む通気路の内面形状、つまり換気室の形状によっては、膨張した加熱発泡材と換気室内面の間に隙間ができるなどして、通気孔から流入する外気の遮断が不十分となる虞もある。
火災時の通気路の遮断をより確実にするには、通気路内面を形成する換気室の形状を改良した上で加熱発泡材の設置位置の精査が必要である。また、狭小地に建てられることと相俟って軒先構成体を取り付ける軒先部分の工事は簡易な作業で行える構造とする必要がある。
また、本発明は、換気機能及び火災時に外気と火炎の進入を阻止する機能がともに良好な軒先構成体を、「軒ゼロ住宅」の軒先に簡易な工事で取り付けることができるようにすることを課題とする。
前記換気室内が仕切り部材によって複数の空間に区画され、且つ隣り合う区画同士が仕切り部材に形成された通気孔を介して連通されているとともに、
少なくとも前記鼻隠し化粧部材に形成された通気孔に間近な当該化粧部材の下側面部上面と前記仕切り部材に形成された通気孔に間近な仕切り部材上面とに加熱発泡材がそれぞれ取り付けられた構成を有することを特徴とする。
また、鼻隠し化粧部材に形成された通気孔に間近な近接した位置に加熱発泡材が取り付けられ、さらに仕切り部材に形成された通気孔に間近な近接した位置にも加熱発泡材が取り付けられ、換気室内の通気路上に少なくとも二つの加熱発泡材が取り付けてあるので、隣接する家屋に火災が発生し、それによる火炎や熱風が通気孔から換気室内に進入したときには、熱せられた各加熱発泡材が膨張することで屋根裏の空間に通ずる通気路が完全に遮断され、火炎や熱風が換気室内から屋根裏へ入り込むことを防止して家屋が延焼することを防ぐことができる。加熱発泡材は、鼻隠し化粧板に形成された通気孔から換気室を通じて屋根裏空間に至る通気路に沿って、少なくとも二つを適宜な間隔を空けて配置することが好ましい。換気機能を損なわず且つ材料コストが嵩まなければ三つ以上を配置してもよい。
これによれば、仕切り部材が仕切り板を上下に対向配置して箱形に形成されており、両仕切り板に形成された通気孔を通して外気を換気室から屋根裏空間に流入させて換気することができる。火災時には、箱形の仕切り部材の内部に取り付けられた加熱発泡材が流入外気の熱を受けて膨張することで、上下の仕切り板間の空間に膨張した加熱発泡材が充満し、両仕切り板に形成された通気孔を加熱発泡材で密閉して外気の通気路を確実に遮断することが可能である。
これによれば、換気室に流入した外気は、下側の仕切り板の通気孔から箱形の仕切り部材の内部に入り込み、さらに上側の仕切り板の通気孔から屋根裏の空間へと流れ出るが、上下の仕切り板に形成された通気孔は前後互い違いとなる位置に設けられているので、仕切り部材内の外気の通気路は上下の通気孔間を蛇行する通路となり、また、下側の仕切り板の上面に取り付けられた加熱発泡材は上側の仕切り板に形成された通気孔の下方に位置しているので、火災時に熱せられた外気が箱形の仕切り部材内を蛇行しながら流れて加熱発泡材に確実に接し、加熱発泡材の表面全体を効率的に加熱し膨張せしめて、換気室内における外気の通気路を膨張した加熱発泡材で確実に遮断することが可能である。
これによれば、前記加熱発泡材の上方に仕切り部材から下方へ突出した突部が位置して加熱発泡材上方の外気の通気路を狭めてあり、通気孔から換気室内に流入した外気は、加熱発泡材上の狭まった通気路を通って仕切り部材の通気孔へと流入する。火災時に流入する熱せられた外気は、加熱発泡材上の狭い通路を通過していくため、加熱発泡材を熱する外気の密度が大きく、多量の外気が加熱発泡材に接して加熱せしめ、加熱発泡材を短時間で効率的に膨張させて、仕切り部材下側の外気の通気路を確実に遮断することが可能である。
また、端部支持部材と仕切り部材を一体に設けて構成されていてもよい。
図1は、本発明の一実施形態の軒先構成体を取り付けた家屋の軒先の断面を示しており、これは軒の出がない軒先に鼻隠しを覆う化粧部材を取り付け、化粧部材の前面に形成された通気孔を通して屋根裏空間の換気を行えるように構成されたものであり、図中、符番1は鼻隠し、2は家屋の外壁、3は屋根裏空間、4は軒先構成体を示している。
これらの部材は、軒先(水平)方向に沿った長さの長尺な部材であり、例えば表面を塩化ビニル樹脂で覆うなどの耐蝕加工が施された被覆鋼板や、耐蝕性を有する材質のもの、或いは亜鉛鋼板などの耐火性を有する材質のものからなる長尺の鋼板をベンダーなどで長手方向に沿って折り曲げて形成してある。
また、仕切り部材8の固定面部83の下端部には、仕切り板82よりも下方へ突出した突部85を一体に設けてある。
換気室7内が仕切り部材8によって複数の空間に区画されているので、強風時に通気孔53から外気が換気室7内に勢いよく進入しても、仕切り部材8に衝突して勢いが削がれるため、流入した外気が屋根裏空間3まで一気に入り込むようなことはない。
また、隣接する家屋に火災が発生し、それによる火炎や熱風が通気孔53から換気室7内に進入したときには、通気孔53の間近に取り付けられた加熱発泡材9が膨張し、また、箱形の仕切り部材8の内部に取り付けられた加熱発泡材9,9が流入外気の熱を受けて仕切り部材8内で膨張することで通気路を遮断し、火炎や熱風が換気室7から屋根裏空間3へ入り込むことを確実に防止して家屋が延焼することを防ぐことが可能である。
Claims (6)
- 鼻隠しの前面に固定される前側面部と前側面部の下端から鼻隠しの下方へ張り出した下側面部を有する鼻隠し化粧部材と、鼻隠しの下方の家屋外壁に固定されて鼻隠し化粧部材の下側面部の端部を支持する端部支持部材とで鼻隠しの下方に屋根裏空間に通じる換気室を形成し、前記鼻隠し化粧部材の前側面部に形成された通気孔から換気室内に進入した外気が屋根裏空間へ流入するように構成された軒先構成体であって、
前記換気室内が仕切り部材によって複数の空間に区画され、且つ隣り合う区画同士が仕切り部材に形成された通気孔を介して連通されているとともに、
少なくとも前記鼻隠し化粧部材に形成された通気孔に間近な当該化粧部材の下側面部上面と前記仕切り部材に形成された通気孔に間近な仕切り部材上面とに加熱発泡材がそれぞれ取り付けられた構成を有することを特徴とする軒先構成体。 - 表面に通気孔を有する仕切り板を上下に対向配置して形成された仕切り部材が換気室内に設置されて、換気室が仕切り部材の上方空間、上下の仕切り板の間の空間及び仕切り部材の下方空間に区画され、
前記上下に対向配置された仕切り板の内、下側の仕切り板の上面に加熱発泡材が取り付けられた構成を有することを特徴とする請求項1に記載の軒先構成体。 - 仕切り部材の上下に対向配置された両仕切り板に形成された通気孔は、家屋の外壁から軒先方向に沿って上下の仕切り板で前後互い違いとなる位置にそれぞれ設けられ、加熱発泡材は下側の仕切り板の上面であって上側の仕切り板に形成された通気孔の下方に取り付けられた構成を有することを特徴とする請求項2に記載の軒先構成体。
- 仕切り部材の底部に下方へ突出した突部が設けられ、この突部が、鼻隠し化粧部材の下側面部上面に取り付けられた加熱発泡材の上方に位置した構成を有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の軒先構成体。
- 仕切り部材は、その前端部に鼻隠し化粧部材とともに鼻隠しの前面に固定される固定面部を備え、その後端部に端部支持部材に設けられた継手片に係合する継手片を備えた構成を有する請求項1から4の何れかに記載の軒先構成体。
- 端部支持部材と仕切り部材が一体に設けられた構成を有する請求項1から4の何れかに記載の軒先構成体。
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2017
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