JP2019064409A - 船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システム - Google Patents

船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システム Download PDF

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宮田 博司
Hiroshi Miyata
博司 宮田
脇田 正明
Masaaki Wakita
正明 脇田
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Abstract

【課題】適切な寄港地で必要な量の殺菌剤の納入をタイムリーに受けることを可能とする船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムを提供する。【解決手段】船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムは、原水に注入される殺菌剤を貯留する殺菌剤貯留槽21内の殺菌剤の残量を計測するレベル計45と、前記船舶の各寄港地における殺菌剤の発注先に関する発注先情報、各寄港地の寄港順及び寄港スケジュールに関する運航情報、及び殺菌剤貯留槽21の容量を含む船舶情報を記憶する記憶部と、前記殺菌剤の残量と前記殺菌剤貯留槽の容量とに基づいて、殺菌剤の発注要否を判断する演算部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムに関し、特に、適切な寄港地で、適切なタイミングで、適切な量のバラスト水処理薬品を船舶に供給することを可能とする船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムに関する。
一般に、船舶、特に貨物船は、積載貨物などの重量を含めて設計されているため、空荷または積荷が少ない状態の船舶は、プロペラ没水深度の確保、空荷時における安全航行の確保等の必要性から、出港前に港において海水などを取水して船舶のバランスを取るが、このバラストとして用いられる水のことを船舶バラスト水とよぶ。例えば、無積載で出港するとき、その出港地で港の海水などがバラストタンクに積み込まれる。一方、港内で積荷をするときには、船舶バラスト水の排出が行われる。
ところで、環境の異なる荷積み港と荷下し港との間を往復する船舶によって船舶バラスト水の注排水が行われると、荷積み港と荷下し港における船舶バラスト水に含まれる微生物の差異により沿岸生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されている。そこで、船舶の船舶バラスト水管理に関する国際会議において2004年2月に船舶の船舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約(以下、バラスト水管理条約)が採択、2017年9月に発効となり、船舶バラスト水の処理が各批准国に義務付けられることとなった。
船舶バラスト水の処理基準として国際海事機関(以下IMO)が定める基準は、船舶から排出される船舶バラスト水に含まれる50μm以上の生物(主に動物プランクトン)の数が1m中に10個未満、10μm以上50μm未満の生物(主に植物プランクトン)の数が1ml中に10個未満、コレラ菌の数が100ml中に1cfu未満、大腸菌の数が100ml中に250cfu未満、腸球菌の数が100ml中に100cfu未満となっている。
このような船舶バラスト水の処理基準を満たすために、船舶バラスト水の処理システムとして、塩素系、酸素系などの活性物質(殺菌剤)の貯蔵装置もしくはこれらの船上生成装置と、これら活性物質のバラスト水への添加装置と、バラスト水の排出時にバラスト水に残存する活性物質を中和するための中和剤添加装置とを組み合わせたシステムが採用されることが多い。例えば特許文献1には、バラスト水に次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系の殺菌剤を添加して、滞留時間を確保することにより微生物等を殺菌するバラスト水の処理方法が開示されている。
殺菌剤としては一般的に塩素系のものが用いられ、特に、消毒や殺菌に広く使われており、世界中どこでも入手が可能であることから、次亜塩素酸ナトリウムが用いられることが多い。また、中和剤としては亜硫酸ナトリウムや重亜硫酸ナトリウムが用いられている。例えば特許文献1には、バラスト水に次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系の殺菌剤を添加して、滞留時間を確保することにより微生物等を殺菌し、残留塩素を亜硫酸ナトリウムや重亜硫酸ナトリウム等で還元して中和するバラスト水の処理方法が開示されている。
ところで、次亜塩素酸ナトリウムは製造後、次第に劣化して有効塩素濃度が低下していくことが知られている。通常、製造直後は有効塩素濃度が12%程度であるが、製造後徐々に低下していき、約6%で安定化する。この劣化現象は温度が高いと促進されるため、船上では温度管理した上で次亜塩素酸ナトリウムを貯蔵管理していることが多い。次亜塩素酸ナトリウムが劣化すると、バラスト水処理に用いる薬剤量が増加し、処理計画よりも早く消尽してしまう恐れがある。
また、中和剤として使用される亜硫酸ナトリウムや重亜硫酸ナトリウムについても、酸素と反応して徐々に消尽することが知られている。
特開2009−297610号公報
工業薬品は、通常、製造後は倉庫等で保管されており、その後客先に向けて出荷される。次亜塩素酸ナトリウムの場合、地域や製造業者によっては保管時の温度や保管期間の管理が適切でないこともあり、納品時には既に有効塩素濃度が低下していることも珍しくない。
一方、船舶バラスト水の処理システムは、IMOによるガイドラインに示された方法で試験を実施し、環境影響に関するIMOの最終認証を受けるとともに、各国の監督官庁による型式承認を得なければならず、バラスト水処理工程における船舶バラスト水中の全残留酸化性物質(以下TRO)濃度も明確に規定される。したがって、納入された次亜塩素酸ナトリウムの劣化に伴い、船舶によって決まる処理対象バラスト水の容量に対して添加される次亜塩素酸ナトリウムの必要量を増やさざるを得ない状況が生じる。その結果、船内における次亜塩素酸ナトリウム貯留量が不足し、適切なバラスト水処理ができなくなる恐れがある。
また、一般的に、船舶は航行中、任意の時間、任意の場所で、バラスト水処理薬品の補給を受けることは困難であり、予め手配したものを寄港地で積載する必要がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、適切な寄港地で必要な量の殺菌剤の納入をタイムリーに受けることを可能とする船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムを提供することを課題とする。
本発明による船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムは、船舶のバラスト水処理装置で使用する船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムであって、原水に注入される殺菌剤を貯留する殺菌剤貯留槽内の殺菌剤の残量を計測する第1計測器と、前記船舶の各寄港地における殺菌剤の発注先に関する発注先情報、各寄港地の寄港順及び寄港スケジュールに関する運航情報、及び前記殺菌剤貯留槽の容量を含む船舶情報を記憶する記憶部と、前記殺菌剤の残量と前記殺菌剤貯留槽の容量とに基づいて、殺菌剤の発注要否を判断する演算部と、を備えるものである。
本発明の一態様では、前記演算部は、殺菌剤を発注する必要があると判断した場合、前記発注先情報及び前記運航情報に基づいて、殺菌剤の発注先及び発注量を決定する。
本発明の一態様では、前記発注先情報は、各発注先について、発注を受けてから前記船舶に殺菌剤を納入するまでに必要な納期に関する情報を含む。
本発明の一態様では、前記演算部が決定した殺菌剤の発注先に対して発注データを送信する通信部をさらに備える。
本発明の一態様では、前記殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムである。
本発明の一態様では、排バラスト水に注入される中和剤溶液を貯留する中和剤溶液貯留槽内の中和剤溶液の残量を計測する第2計測器をさらに備え、前記船舶情報は、前記中和剤溶液貯留槽の容量を含み、前記演算部は、前記中和剤溶液の残量と前記中和剤溶液貯留槽の容量とに基づいて、中和剤の発注要否を判断する。
本発明の一態様では、前記発注先情報は、前記船舶の各寄港地における中和剤の発注先に関する情報を含み、前記演算部は、中和剤を発注する必要があると判断した場合、前記発注先情報及び前記運航情報に基づいて、中和剤の発注先及び発注量を決定する。
本発明の一態様では、前記中和剤が亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム又はチオ硫酸ナトリウムである。
本発明によれば、適切な寄港地で必要な量の殺菌剤の納入をタイムリーに受けることができる。
本実施形態に係る船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムの概略図である。 船舶側のデータ処理装置の機能ブロック図である。 運航管理会社側のデータ処理装置の機能ブロック図である。 船舶の寄港順の一例を示す図である。 殺菌剤の発注方法を説明するフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムは、船舶Sに設けられた船舶バラスト水処理装置1及びデータ処理装置50と、運航管理会社等に設けられ、データ処理装置50と通信可能に接続されたデータ処理装置60とを備える。
船舶バラスト水処理装置1は、海水等の原水Wの取水部11と、取水部11に接続され、原水Wをバラストタンク13へ送給するメインライン12と、このメインライン12の末端に設けられたバラストタンク13とを備える。メインライン12には、取水部11の下流側に送液ポンプ14が設けられている。
バラストタンク13からの排出ライン17は、送液ポンプ14の上流側でメインライン12と合流する。この合流地点には、原水の取水と排出ライン17からの排水を切り替える開閉弁(図示略)が設けられている。メインライン12は、その途中(バラストタンク13の手前)で排出ライン15に分岐している。排出ライン15の末端が排水部16となっている。メインライン12から排出ライン15への分岐点には、メインライン12と排出ライン15とを切り替える開閉弁(図示しない)が設けられている。送液ポンプ14を用いて、排出ライン17、メインライン12、排出ライン15を介して、排水が行われる。送液ポンプ14は、取水と排水に兼用できる。
メインライン12の途中には、殺菌剤貯留槽21と送液ポンプ22とを備えた殺菌剤供給ラインが設けられており、メインライン12中を流れる原水Wに対して殺菌剤を注入可能に構成されている。
排出ライン15の途中には中和剤溶液貯留槽31を備えた中和剤溶液供給ラインが設けられており、排出ライン15中を流れるバラストタンク13からの排水(排バラスト水)に対して、中和剤溶液を注入可能に構成されている。
メインライン12上の送液ポンプ14の下流側かつ殺菌剤供給ラインの接続部の上流側には、メインライン12を流れる原水Wの流量を計測する第1流量計41が設けられている。殺菌剤供給ライン上の送液ポンプ22の下流側には、メインライン12へと注入される殺菌剤の流量を計測する第2流量計42が設けられている。
メインライン12上の殺菌剤供給ラインの接続部の下流側には、原水Wに殺菌剤が注入されたバラスト水中のTRO濃度を計測する第1TRO計43が設けられている。排出ライン15上の中和剤溶液供給ラインの接続部の下流側には、排バラスト水中のTRO濃度を計測する第2TRO計44が設けられている。
なお、本実施形態では、殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムが用いられ、中和剤として亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム又はチオ硫酸ナトリウムが用いられる。殺菌剤及び中和剤の種類は限定されないが、本実施形態による船舶バラスト水処理装置1は、殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合に好適である。
殺菌剤貯留槽21は、水冷チラー又は空冷チラー等によって実現される温度管理機能を有しており、温度管理した状態で殺菌剤を貯蔵管理することにより、船上で殺菌剤が高温によって劣化する現象を抑制する。
殺菌剤貯留槽21の容量は、バラスト水の処理を最低1回行えるだけの殺菌剤を貯留できるものであることはもちろんだが、少なくとも2回、好ましくは3回、バラスト水の処理を行えるだけの容量であることが好ましい。このような容量を持たせることにより、殺菌剤が保管中に万一漏洩、過剰注入、劣化等を引き起こしたとしても、船舶Sのバラスト水容量に対して必要な量の有効塩素を注入することができる。殺菌剤貯留槽21内にはレベル計45や温度計46が設置されており、殺菌剤貯留槽21中の殺菌剤の残量や温度を計測することができるようになっている。
図1に示したバラスト水処理装置1の構成は一例であり、バラスト水処理装置はこれに限定されるものではない。
データ処理装置50は、例えば、船舶Sの艦橋、操舵室、機関室等に設置された汎用のパーソナルコンピュータ等であってよく、データ処理装置60は例えば運航管理会社等のオフィス等に設置された汎用のパーソナルコンピュータ等であってよい。
データ処理装置50は、図2に示すように、データ取得部51及びデータ通信部53を有する。データ処理装置50は殺菌剤貯留槽21中の殺菌剤の残量を計測するレベル計45と通信可能に接続されており、データ取得部51は、計測値データをレベル計45から取得する。
データ処理装置50はさらに、メインライン12を流れる原水Wの流量を計測する第1流量計41、メインライン12へと添加される殺菌剤の流量を計測する第2流量計42、バラスト水中のTRO濃度を計測する第1TRO計43、殺菌剤貯留槽21中の薬剤温度を測定する温度計46とも接続され、データ取得部51は各計測値データを取得することができる。
データ通信部53は、データ取得部51が取得した計測値データをデータ処理装置60へ送信する。
データ処理装置60は、図3に示すように、演算部61、記憶部62及び通信部63を有する。記憶部62は、発注先情報、運航情報及び船舶情報を格納している。
発注先情報は船舶Sの各寄港地における殺菌剤の発注先に関する情報である。発注先情報は、船舶Sの各寄港地における殺菌剤の発注先が発注を受けてから殺菌剤を船舶に納入するまでに必要な納期に関する情報を含む。発注先情報は、中和剤溶液の発注先に関する情報や、発注先が発注を受けてから中和剤溶液を船舶に納入するまでに必要な納期に関する情報を含んでいてもよい。
運航情報は船舶Sの各寄港地の寄港順及び寄港スケジュール等に関する情報である。船舶情報は、船種、トン数、バラストタンク容量、バラスト水流量、殺菌剤貯留槽容量、中和剤溶液貯留槽容量等に関する情報である。
例えば、図4に示すように、船舶Sが寄港地P1、P2、P3、P4、P5、P6において貨物の積み降ろしを行う場合、これらの寄港地をP1→P2→P3→P4→P5→P6の順に航行すること、各寄港地への到着予定日、貨物の積み降ろしに要する日数、各寄港地からの出港予定日等が運航情報として記憶部62に保存される。また、それぞれの寄港地における殺菌剤の発注先、各発注先が殺菌剤の発注を受けてから殺菌剤を船舶に納入するまでに必要な納期等が、発注先情報として記憶部62に保存される。
データ処理装置60は、データ処理装置50(データ通信部53)から、殺菌剤貯留槽21に貯留された殺菌剤の残量、温度、有効塩素濃度等に関する貯留殺菌剤情報や、その他の計測値データを受信する。殺菌剤貯留槽21に貯留された殺菌剤の残量情報は、レベル計45の計測値データから求まる。
殺菌剤貯留槽21中の殺菌剤の有効塩素濃度は、以下のようにして推定される。バラスト水処理は、第1TRO計43によって計測されるバラスト水中のTRO濃度が所定値T(mg/L as Cl)になるように行われる。このとき、第1流量計41で計測したバラスト水流量b(m/h)、第2流量計42で計測した殺菌剤流量s(m/h)、殺菌剤貯留槽21中の殺菌剤中の有効塩素濃度c(g/L)を用いると、T=1000c×s/bの関係が成立する。
但し、殺菌剤の薬注点から第1TRO計43で測定されるまでにバラスト水中の塩素濃度は初期減衰によりおよそ20%低下することを考慮すると、1.2×T=1000c×s/bとなる。従って、殺菌剤貯留槽21中の殺菌剤中の有効塩素濃度cは、c=1.2Tb/1000sの式により求めることができる。
演算部61は、データ処理装置50から受信したデータに基づいて、殺菌剤を発注する必要があるか否かを判断する。判断手法については後述する。演算部61は、殺菌剤を発注する必要があると判断した場合、発注の必要性を報知する。また、演算部61は、発注先情報及び運航情報に基づいて、各寄港地のうちどの寄港地における殺菌剤の発注先に殺菌剤をいつ、どのくらいの数量を発注するか等を決定する。例えば、図4に示す寄港地P1、P2、P3、P4、P5、P6のうち、どの寄港地における発注先に、いつ、どのくらいの数量の殺菌剤を発注するかを決定する。
演算部61が殺菌剤を発注する必要があると判断し、殺菌剤の発注先及び発注量を決定すると、通信部63は、殺菌剤の発注先に対して発注データを送信する。発注データの送信は、例えば、電子メールの送信、発注専用のオンラインシステム内でのデータ送信、ファックスの送付等で行ってもよいし、その他の通信手段を用いて行ってもよい。また、演算部61による発注先の決定に連動して、殺菌剤の発注を自動で行うようにシステムを構築しておくことにより、発注の決定を迅速に発注先に伝え、より確実、より効率的に殺菌剤の納入を受けられるようにしておいてもよい。
上述した船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムを用いて殺菌剤の発注を行う方法を図5に示すフローチャートを用いて説明する。
ある寄港地でバラスト水処理を実施すると(ステップS101)、レベル計45が殺菌剤貯留槽21中の殺菌剤の残量V(m)を計測する(ステップS101)。データ取得部51が計測値を取得し、データ通信部53が、この計測値をデータ処理装置60へ送信する(ステップS103)。また、第1TRO計43で計測したバラスト水中の塩素濃度T(mg/L as Cl)、第1流量計41で計測したバラスト水流量b(m/h)、第2流量計42で計測した殺菌剤流量s(m/h)を併せて取得し、データ処理装置60へ送信する。
データ処理装置60の演算部61は、殺菌剤貯留槽21中の殺菌剤の残量Vが所定値未満の場合(ステップS104_Yes)、殺菌剤の発注が必要であると判断する(ステップS106)。例えば、演算部61は、船舶情報を参照して殺菌剤貯留槽21の容量を取得し、残量Vが殺菌剤貯留槽21の容量の1/2未満である場合に、殺菌剤の発注が必要であると判断する。
演算部61は、殺菌剤貯留槽21中の殺菌剤の残量Vが所定値以上の場合(ステップS104_No)、処理対象バラスト水B(m)を規定濃度T(mg/L as Cl)になるように処理するのに必要な殺菌剤の量V(m)を求め、残量VがVの2倍未満である場合(ステップS105_Yes)、殺菌剤の発注が必要であると判断する(ステップS106)。Vは、T=1000c×V/Bの関係式に、バラスト水中の塩素濃度の初期減衰による20%の低下を考慮した関係式1.2T=1000c×V1/Bに基づいて、V=1.2BT/1000cで求められる
演算部61は、殺菌剤を発注する必要があると判断した場合、記憶部62に保存されている発注先情報、運航情報、船舶情報等に基づいて、どの寄港地の発注先にいつ、どのくらいの数量の殺菌剤を発注するかを決定し(ステップS107)、発注を行う(ステップS108)。例えば、現在地から一つ先の寄港地P1までの所要時間をT1、寄港地P1での納期をL1、寄港地P1からさらに一つ先の寄港地P2までの所要時間をT2、寄港地P2での納期をL2とすると、T1≧L1であれば、一つ先の寄港地P1での納入を発注することで、タイムリーに殺菌剤の納入を受けることができる。
T1<L1かつT1+T2≧L2の場合、現在地から一つ先の寄港地P1では発注せず、二つ先の寄港地P2での納入を発注することで、寄港地P2においてタイムリーに殺菌剤の納入を受けることができる。
演算部61が殺菌剤を発注する必要があると判断すると、この判断結果が表示部(図示略)に表示される。併せて寄港地P1、P2、P3、P4、P5、P6の中のどの寄港地における殺菌剤の発注先にいつ、どのくらいの数量の殺菌剤を発注するかの情報を表示すれば、発注がより容易になる。また、通信部63が当該発注を決定した殺菌剤の発注先に対して殺菌剤を発注すべく発注データを自動的に送信するようなプログラムを組んでもよい。これにより、納入に適切な寄港地において、適切なタイミングで殺菌剤が納入されるように発注先を決定し、その決定を迅速に発注先に伝えることができるため、より確実、よりタイムリーに殺菌剤の納入を受けることが可能となる。
このように、本実施形態による船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムによれば、殺菌剤貯留槽21における殺菌剤の残量、温度、有効塩素濃度等に関する貯留殺菌剤情報に基づいて殺菌剤の発注の要否を判断し、必要な場合には、予め記憶部62に記憶されている発注先情報、運航情報、船舶情報等に基づき、納入に適切な寄港地において、適切なタイミングで適切な量の殺菌剤が納入されるように発注先を決定することができるため、効率よく殺菌剤の納入を受けることが可能となる。
特に、記憶部62に予め保存されている発注先情報に、船舶Sの複数の寄港地における殺菌剤の発注先が発注を受けてから殺菌剤を船舶に納入するまでに必要な納期に関する情報を含めることで、より適切なタイミングで、殺菌剤の納入を受けることが可能となり、港での滞在時間の延長による経費負担の増加や、バラスト水処理ができなくなったことによる不利益の発生といったリスクの低減を図ることができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記各実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、本実施形態においては、殺菌剤貯留槽21中の殺菌剤の有効塩素濃度を、第1TRO計43から受信したバラスト水中のTRO濃度から推定するようにしているが、殺菌剤貯留槽21中の殺菌剤の有効塩素濃度を直接計測するものとしてもよい。
また、中和剤溶液貯留槽31の残量(水位)を計測し、中和剤溶液貯留槽31の容量との比較結果に基づいて、中和剤の発注を行ってもよい。
本実施形態では、運航管理会社等に、殺菌剤の発注要否を判断する演算部61、発注先情報等を格納する記憶部62、発注用の通信部63を有するデータ処理装置60を設ける例について説明したが、これらの機能の少なくとも一部を船舶S側に設けてもよい。
万一、発注期限等の関係でデータ処理装置60の演算部61が殺菌剤の発注先を決定・選択できないような場合は、そのことを音声出力装置(不図示)や液晶モニタ等の表示装置(不図示)を介して運航管理会社等に警告するようなシステム構成とし、警告を受けた運航管理会社等が手動で殺菌剤を発注できるようにしてもよい。
1 船舶バラスト水処理装置
11 取水部
12 メインライン
13 バラストタンク
14 送液ポンプ
15 排出ライン
16 排水部
21 殺菌剤貯留槽
22 送液ポンプ
31 中和剤溶液貯留槽
41 第1流量計
42 第2流量計
43 第1TRO計
44 第2TRO計
45 レベル計
46 温度計
50 データ処理装置
51 データ取得部
53 データ通信部
60 データ処理装置
61 演算部
62 記憶部
63 通信部

Claims (8)

  1. 船舶のバラスト水処理装置で使用する船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システムであって、
    原水に注入される殺菌剤を貯留する殺菌剤貯留槽内の殺菌剤の残量を計測する第1計測器と、
    前記船舶の各寄港地における殺菌剤の発注先に関する発注先情報、各寄港地の寄港順及び寄港スケジュールに関する運航情報、及び前記殺菌剤貯留槽の容量を含む船舶情報を記憶する記憶部と、
    前記殺菌剤の残量と前記殺菌剤貯留槽の容量とに基づいて、殺菌剤の発注要否を判断する演算部と、
    を備えることを特徴とする船舶バラスト水処理薬品の監視・発注システム。
  2. 前記演算部は、殺菌剤を発注する必要があると判断した場合、前記発注先情報及び前記運航情報に基づいて、殺菌剤の発注先及び発注量を決定することを特徴とする請求項1に記載の船舶バラスト水処理用薬品の監視・発注システム。
  3. 前記発注先情報は、各発注先について、発注を受けてから前記船舶に殺菌剤を納入するまでに必要な納期に関する情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の船舶バラスト水処理用薬品の監視・発注システム。
  4. 前記演算部が決定した殺菌剤の発注先に対して発注データを送信する通信部をさらに備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の船舶バラスト水処理用薬品の監視・発注システム。
  5. 前記殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の船舶バラスト水処理用薬品の監視・発注システム。
  6. 排バラスト水に注入される中和剤溶液を貯留する中和剤溶液貯留槽内の中和剤溶液の残量を計測する第2計測器をさらに備え、
    前記船舶情報は、前記中和剤溶液貯留槽の容量を含み、
    前記演算部は、前記中和剤溶液の残量と前記中和剤溶液貯留槽の容量とに基づいて、中和剤の発注要否を判断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の船舶バラスト水処理用薬品の監視・発注システム。
  7. 前記発注先情報は、前記船舶の各寄港地における中和剤の発注先に関する情報を含み、
    前記演算部は、中和剤を発注する必要があると判断した場合、前記発注先情報及び前記運航情報に基づいて、中和剤の発注先及び発注量を決定することを特徴とする請求項6に記載の船舶バラスト水処理用薬品の監視・発注システム。
  8. 前記中和剤が亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム又はチオ硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項6又は7に記載の船舶バラスト水処理用薬品の監視・発注システム。
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