JP2019055576A - 熱転写受像シート - Google Patents

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JP2019055576A JP2017182790A JP2017182790A JP2019055576A JP 2019055576 A JP2019055576 A JP 2019055576A JP 2017182790 A JP2017182790 A JP 2017182790A JP 2017182790 A JP2017182790 A JP 2017182790A JP 2019055576 A JP2019055576 A JP 2019055576A
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浦 裕 史 松
Hiroshi Matsuura
浦 裕 史 松
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Abstract

【課題】印画物カールの発生を顕著に防止することができ、良好な凸カール付与容易性を有すると共に、良好な地合いを有し、高品質な熱転写受像シートの提供。【解決手段】本発明の熱転写受像シートは、受容層と、第1の樹脂層と、紙基材と、第2の樹脂層とをこの順に備え、紙基材におけるメカニカルパルプの含有量が、3質量%以上、12質量%以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写受像シート、より詳細には、メカニカルパルプを特定量含む紙基材を備える熱転写受像シートに関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも昇華型熱転写方式は、昇華性染料を色材としているため、濃度階調を自由に調整でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
この昇華型転写方式は、色材を含有する熱転写インクシートと、熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によってその発熱が制御されるサーマルヘッドによって熱転写インクシートを加熱することで、熱転写インクシート中の色材を熱転写受像シートが備える受容層に転写して、画像形成を行い、印画物を得るものである。
ロール紙タイプの熱転写受像シートには、環境的要因(温度、湿度等)に依存し、画像形成前には巻癖が、画像形成後には印画物カールが経時的についていくが、受容層側へ凹となる凹カール(図3参照)は、平置きした場合や壁貼りした場合に目立ち、印画物の品位を落としてしまう可能性があった。
また、このような受容層側への凹カールの程度を軽減させるため、画像の形成前に、熱転写受像シートに受容層側への凸カールを付与することが行われており、熱転写受像シートには、受容層側への凸カール付与容易性(以下、単に凸カール付与容易性という。)が求められる。
今般、本発明者らは、熱転写受像シートが備える基材として、メカニカルパルプを特定量含む紙基材を使用することにより、良好な地合いを維持しつつ、良好な凸カール付与容易性を有し、印画物カールの発生を顕著に防止可能な熱転写受像シートを得ることができる、との知見を得た。
したがって、本発明の目的は、印画物カールの発生を顕著に防止することができ、良好な凸カール付与容易性を有すると共に、良好な地合いを有し、高品質な熱転写受像シートを提供することである。
本発明の熱転写受像シートは、受容層と、第1の樹脂層と、紙基材と、第2の樹脂層とをこの順に備え、紙基材におけるメカニカルパルプの含有量が、3質量%以上、12質量%以下であることを特徴とする。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートが備える紙基材は、コート紙である。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートが備える紙基材の厚さは、120μm以上、170μm以下である。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、受容層と、第1の樹脂層との間に、プライマー層および断熱層をこの順に備える。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートが備える第1の樹脂層の厚さは、12μm以上、20μm以下である。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートが備える第2の樹脂層の厚さは、25μm以上、35μm以下である。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートが備える断熱層の厚さは、15μm以上、50μm以下である。
本発明によれば、良好な地合いを有し、かつ印画物カールの発生を顕著に防止することのできる熱転写受像シートを提供することができる。また、本発明によれば、良好な凸カール付与容易性を有する熱転写受像シートを提供することができる。
一実施形態における熱転写受像シートの模式断面図である。 一実施形態における熱転写受像シートの模式断面図である。 受容層面が凹となる凹カールを表す熱転写受像シートの模式図である。
(熱転写受像シート)
本発明の熱転写受像シート10は、図1に示すように、受容層11と、第1の樹脂層12と、紙基材13と、第2の樹脂層14とをこの順に備える。
また、一実施形態において、図2に示すように、本発明の熱転写受像シート10は、受容層11と、第1の樹脂層12との間に、断熱層15をさらに備える。
また、一実施形態において、図2に示すように、本発明の熱転写受像シート10は、受容層11と、第1の樹脂層12との間に、プライマー層16をさらに備える。
以下、本発明の熱転写受像シートが備える各層について説明する。
(受容層)
受容層は、熱転写インクシートから移行してくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持するための層である。
受容層は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体及びテレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹脂材料を含むことができる。
上記した樹脂材料の中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
本発明の熱転写受像シートが備える受容層は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含することを意味する。
受容層における上記樹脂材料の含有量は、80質量%以上、98質量%以下であることが好ましく、90質量%以上、98質量%以下であることがより好ましい。
一実施形態において、受容層は、離型剤を含む。これにより、熱転写インクシートとの離型性を向上させることができる。
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、および各種シリコーン樹脂などが挙げられる。上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルとしてはアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ−アラルキル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン等を好ましく用いる事ができるが、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ−アラルキル変性シリコーンが特に好ましい。
本発明の熱転写受像シートが備える受容層は、上記離型剤を2種以上含むことができる。
受容層における離型剤の含有量は、0.5質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、10質量%以下であることがより好ましい。
また、受容層は、本発明の特性を損なわない範囲において、可塑剤、充填材、紫外線安定化剤、着色防止剤、蛍光増白剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、分散剤、紫外線吸収剤及び顔料や染料等の着色剤等の添加材を含むことができる。
受容層の厚さは、0.5μm以上、20μm以下であることが好ましく、1.0μm以上、10μm以下であることがより好ましい。受容層の厚さを上記数値範囲とすることにより、印画物カールの発生をより防止することができる。
受容層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、第1の樹脂層等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成することができる。
(第1の樹脂層)
第1の樹脂層は、紙基材の地合いの隠蔽や、紙基材と、該紙基材と隣合う層(受容層や断熱層)との密着性を向上させるための層である。本発明の熱転写受像シートにおいて、より高品質な印画物を作製するためには、第1の樹脂層は押出樹脂層であることがより好ましい。
一実施形態において、第1の樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹脂材料を含む。
上記した樹脂材料の中でも、印画物カールの発生防止および凸カール付与容易性の向上という観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、PEが特に好ましい。
第1の樹脂層は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、第1の樹脂層は、上記添加材を含むことができる。
第1の樹脂層の厚さは、10μm以上、25μm以下であることが好ましく、12μm以上、20μm以下であることがより好ましい。第1の樹脂層の厚さを上記数値範囲とすることによって、印画物カールの発生をより防止することができると共に、熱転写受像シートの凸カール付与容易性をより向上させることができる。また、紙基材の地合いをより隠蔽することができ、熱転写受像シートの品質をより向上することができる。
第1の樹脂層は、上記樹脂材料を溶融し、紙基材上に押し出すことにより形成することができる。また、該第1の樹脂層を介して、紙基材と、受容層や断熱層とを接着することができる。
(紙基材)
紙基材としては、例えば、アート紙、コート紙、マットコート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、クラフト紙およびバライタ紙等の塗工紙、上質紙、中質紙、板紙、含浸紙、蒸着紙、酸性紙並びに中性紙等を使用することができる。
これらの中でも、寸法安定性と地合い両立の理由から、塗工紙が好ましく、コート紙がより好ましい。
本発明において、コート紙とは、中質紙等の情報用紙の少なくとも一方の面に、10μm以上、30μm以下の塗料を塗工したものを指す。
紙基材は、メカニカルパルプを3質量%以上、12質量%以下含むことを特徴とする。本発明の熱転写受像シートがこのような紙基材を備えることにより印画物カールの発生を防止することができると共に、地合いを良好に保つことができる。また、熱転写受像シートの凸カール付与容易性を向上させることができる。
紙基材におけるメカニカルパルプの含有量は、4質量%以上、11質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上、10質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明において、紙基材におけるメカニカルパルプの含有量は、JIS−P−8120により測定することができる。
メカニカルパルプとは、原料を機械的に摩砕して得たパルプのことを指し、砕木パルプ、リファイナー砕木パルプ、サーモメカニカルパルプに分類される。
メカニカルパルプの原料は特に限定されず、アカマツ、クロマツ、トドマツ、エゾマツ、ベニマツ、カラマツ、モミ、スギ、ツガ、スギ、ヒノキ、シラベ、トウヒ、ヒバ、ダグラスファー、ヘムロック、ホワイトファー、スプルース、バルサムファー、シーダ、パイン、ラジアータパイン等の針葉樹、アスペン、ドロノキ、ハコヤナギ、シナノキ、ブナ、カバ、ハンノキ、ナラ、タブ、シイ、シラカバ、ポプラ、タモ、ドロヤナギ、ユーカリ、マングローブ、ラワン等の広葉樹を適宜使用することができる。
一実施形態において、紙基材は、メカニカルパルプ以外にも、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプやサルファイトパルプ等のケミカルパルプ、古紙パルプ、新聞紙、コート紙および上質紙等から得られる再生パルプ、非木材パルプを含む。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、紙基材は、上記添加材を含むことができる。
紙基材には、従来公知の印刷インキを用いた印刷層(図示せず)が設けられていてもよい。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、印刷の方式も特に限定されるものではなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の従来公知の方式を用いることができる。
紙基材の密度は、0.8g/m以上、1.3g/m以下であることが好ましく、0.9g/m以上、1.3g/m以下であることがより好ましい。紙基材の密度を上記数値範囲内とすることにより、紙基材上に形成される受容層等を保持するための機械的強度および紙基材の寸法安定性を両立することができる。
紙基材の厚さは、100μm以上、200μm以下であることが好ましく、120μ以上、170μm以下であることがより好ましい。紙基材の厚さを上記数値範囲とすることにより、印画物カールの発生をより防止することができると共に、熱転写受像シートの凸カール付与容易性をより向上させることができる。
(第2の樹脂層)
第2の樹脂層は、印画物カールの発生を防止するための層である。また、熱転写受像シートが第2の樹脂層を備えることにより、プリンタにおける搬送性を向上させることができると共に、受容層とのブロッキング発生を防止することができる。また、熱転写受像シートの凸カール付与容易性を向上させることもできる。
一実施形態において、第2の樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹脂材料を含む。
上記した樹脂材料の中でも、搬送性、印画物カールの発生防止および凸カール付与容易性の観点から、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
第2の樹脂層は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、第2の樹脂層は、上記添加材を含むことができる。
第2の樹脂層の厚さは、20μm以上、40μm以下であることが好ましく、25μm以上、35μm以下であることがより好ましい。第2の樹脂層の厚さを上記数値範囲とすることにより、印画物カールの発生をより防止することができると共に、熱転写受像シートの凸カール付与容易性をより向上させることができる。
第2の樹脂層は、上記樹脂材料を溶融し、紙基材上に押し出すことにより形成することができる。
(断熱層)
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、受容層と、第1の樹脂層との間に、断熱層をさらに備える。
断熱層は、受容層上への画像形成時に加えられる熱が伝熱により損失されてしまうことを防止するための層である。
一実施態様において、断熱層として、内部に微細空隙を有する多孔質フィルムを用いることができる。多孔質フィルムを構成する樹脂材料としては、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ならびにポリアミド系樹脂等が挙げられる。
上記した樹脂材料等を用いた多孔質フィルムは、特に限定されるものではなく公知の方法により製造することができるが、例えば、上記した樹脂材料に対し、非相溶な有機微粒子または無機粒子を混練した混合物をフィルム化することにより作製することができる。
また、一実施態様において、多孔質フィルムは、第1の樹脂材料と、第1の樹脂材料より高い融点を有する第2の樹脂材料を含む混合物をフィルム化することにより作製することができる。この場合において、第2の樹脂材料は、微細空隙を形成する核剤として機能する。第2の樹脂材料の混合量は、第1の樹脂材料100質量部に対し、2質量部以上、10質量部以下であることが好ましい。例えば、第1の樹脂材料としてポリプロピレン、第2の樹脂材料としてアクリル樹脂を含む混合物をフィルム化することにより、多孔質フィルムを作製することができる。
なお、上記方法により作製される多孔質フィルムに限定されるものではなく、市販されている多孔質フィルムを使用してもよい。
多孔質フィルムの空隙率は、クッション性や断熱性の観点から10体積%以上、90体積%以下であることが好ましく、15体積%以上、80体積%以下であることがより好ましい。多孔質フィルムの空隙率は、以下の式により求めることができる。
Pv(体積%)={(Va−Vt)/Va}×100
Pv(体積%):多孔質フィルムの空隙率
Va:多孔質フィルムの見かけ体積
Vt:多孔質フィルムの理論体積
なお、Vtは、多孔質フィルムの重量、構成材料の重量割合および構成材料の真比重の値から算出することができる。
本発明の他の実施態様においては、断熱層は、中空粒子およびバインダー材料を含む中空粒子層とすることができる。
中空粒子は、樹脂材料等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。
有機系中空粒子を構成する樹脂材料としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。
また、中空粒子は、発泡粒子であっても、非発泡粒子であってもよい。
中空粒子の体積平均粒径は、0.1μm以上、15μm以下であることが好ましく、0.1μm以上、10μm以下であることがより好ましい。
なお、体積平均粒径は、粒度分布・粒径分布測定装置(ナノトラック粒度分布測定装置、日機装(株)製)を用いて、JIS−Z−8819−2(2001年発行)に準拠して測定することができる。
また、中空粒子の平均中空率は、30%以上、80%以下であることが好ましく、50%以上、80%以下であることがより好ましい。中空粒子の平均中空率を上記数値範囲とすることにより、画像形成時における熱の損失をより低減することができる。また、熱転写受像シートにクッション性を付与することができ、受容層上に良好な画像を形成することができる。
なお、本発明において、平均中空率は以下のようにして求めることができる。
まず、中空粒子成分を水中に分散させてなる水分散体を調製し、この中空粒子の水分散体を乾燥させ、乾燥体を得る。次いで、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジ−社製)を用いて、乾燥体中における中空粒子成分をなす粒子を観察して(100個)、ここの粒子についてその内面側の直径(内径)を計測し、それらの平均を平均粒子内径とする。次いで、平均粒子内径から中空部の体積を定めると共に、その値を上記平均粒子(粒子外径)から粒子の見かけの体積で除して、100を乗じることで平均中空率を算出することができる。
一実施態様において、中空粒子は、樹脂粒子等中にブタンガス等の発泡剤を封入し、加熱発泡することにより作製することができる。また、一実施態様において、中空粒子は、エマルジョン重合を利用することによっても作製することができる。
なお、市販されている中空粒子を使用してもよい。
中空粒子層に含まれるバインダー材料としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ゼラチン、ポリエチレンキサイド、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天およびカゼイン等が挙げられる。
断熱層の厚さは、10μm以上、80μm以下であることが好ましく、15μm以上、50μm以下であることがより好ましい。断熱層の厚さを上記数値範囲とすることにより、断熱性、クッション性をより高めることができると共に、印画物カールの発生をより防止することができると共に、熱転写受像シートの凸カール付与容易性をより向上させることができる。
断熱層が多孔質フィルムである場合、多孔質フィルムを第1の樹脂層を介して紙基材と接着することにより、断熱層を形成することができる。
断熱層が中空粒子層である場合、上記中空粒子およびバインダー材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、第1の樹脂層等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成することができる。
(プライマー層)
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、受容層と、第1の樹脂層または断熱層との間に、プライマー層をさらに備える。プライマー層は、受容層と、第1の樹脂層または断熱層との接着性を向上させるための層である。
プライマー層は、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹脂材料を含むことができる。
また、一実施形態において、プライマー層は、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、および炭酸カルシウム等のフィラーを含むことができる。これにより、プライマー層の白色性を向上することができると共に、その隠蔽性を向上させることができる。
また、プライマー層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加材を含むことができる。
プライマー層の厚さは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、5.0μm以下であることがより好ましい。プライマー層の厚さを上記数値範囲とすることにより、隠蔽性と接着性を両立できる。
プライマー層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、第1の樹脂層または断熱層の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成することができる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1
紙基材として、厚さ155.5μmのコート紙A(メカニカルパルプ含有量:5質量%、ケミカルパルプ含有量:95質量%、密度:1.15g/cm)を準備した。
紙基材の一方の面に、ポリエチレンを厚さ14μmとなるように溶融押し出しして、第1の樹脂層を形成させると共に、該第1の樹脂層を介して、多孔質ポリエチレンフィルム(断熱層、厚さ35μm、三井東セロ(株)製、商品名:SP−U)を紙基材と接着させた。
また、紙基材の他方の面に、ポリエチレンを厚さ24μmとなるように溶融押し出しして、第2の樹脂層を形成させた。
断熱層上に、下記組成からなるプライマー層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ1μmのプライマー層を形成した。
<プライマー層形成用塗工液>
・ウレタン樹脂 12.6質量部
(東ソー(株)製、商品名:ニッポラン(登録商標))
・二酸化チタン 6.3質量部
((株)トーケムプロダクツ製、商品名:TCA888)
・蛍光増白剤 0.1質量部
(BASFジャパン社、商品名:ユビテックス(登録商標)OB)
・イソシアネート 1.0質量部
(東ソー(株)製、商品名:コロネート(登録商標)HX)
・メチルエチルケトン 80質量部
次いで、プライマー層上に、下記組成からなる受容層形成用塗工液を、塗布、乾燥し、厚さ3μmの受容層を形成させ、熱転写受像シートを作製した。
<受容層形成用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60質量部
(日信化学工業(株)製、商品名:ソルバイン(登録商標)C)
・エポキシ変性シリコーン 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T)
・メチルスチル変性シリコーン 0.6質量部
(信越化学工業(株)製、商品名:X−24−510)
・メチルエチルケトン 2.5質量部
・トルエン 2.5質量部
実施例2
コート紙Aを、厚さ153.9μmのコート紙B(メカニカルパルプ含有量:10質量%、ケミカルパルプ含有量:90質量%、密度:1.14g/cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
実施例3
コート紙Aを、厚さ144.6μmのコート紙C(メカニカルパルプ含有量:10質量%、ケミカルパルプ含有量:90質量%、密度:1.20g/cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
実施例4
コート紙Aを、厚さ165.0μmのコート紙D(メカニカルパルプ含有量:10質量%、ケミカルパルプ含有量:90質量%、密度:1.20g/cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
比較例1
コート紙Aを、メカニカルパルプを含有しない、厚さ151.5μmのコート紙E(ケミカルパルプ含有量:100質量%、密度:1.05g/cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
比較例2
コート紙Aを、メカニカルパルプを含有しない、厚さ164.9μmのコート紙F(ケミカルパルプ含有量:100質量%、密度:1.12g/cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
比較例3
コート紙Aを、メカニカルパルプを含有しない、厚さ129.7μmのコート紙G(ケミカルパルプ含有量:100質量%、密度:1.20g/cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
比較例4
コート紙Aを、厚さ161.0μmのコート紙H(メカニカルパルプ含有量:15質量%、ケミカルパルプ含有量:85質量%、密度:1.12g/cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
実施例および比較例において作製した熱転写受像シートについて以下の試験を行い、評価した。各試験の評価結果は表1に示される通りであった。
<<凸カール付与容易性>>
実施例および比較例において作製した熱転写受像シートを101mm×152mmにカットし、受容層側が外側となるように、φ59のコアに巻き付け、20℃、65%(相対湿度)の環境下に2週間保管し、熱転写受像シートに受容層側への凸カールを付与した。
熱転写受像シートを平坦な台の上に置き、角4点の浮き上がり高さを測定した。角4点の最大浮き上がり高さを凸カール量とし、下記評価基準に基づいて、凸カール付与容易性を評価した。評価結果を表1にまとめた。また、その凸カール量についても合わせて表1にまとめた。
(評価基準)
A:凸カール量が、18mm以上
NG:凸カール量が、18mm未満
<<印画物カール発生防止性評価>>
実施例および比較例において作製した熱転写受像シートが備える受容層上に、昇華型熱転写プリンタ(大日本印刷(株)製、商品名:DS620)および当該プリンタの純正熱転写インクシート(大日本印刷(株)製)を用いて、グレー色相となる画像(50/255エネルギー階調)を印画し、印画物(101mm×152mm)を作製した。
上記のようにして作製した印画物を、20℃、65%(相対湿度)の環境下に2週間保管した。
印画物を平坦な台の上に置き、角4点の浮き上がり高さを測定した。角4点の最大浮き上がり高さを印画物カール量とし、下記評価基準に基づいて、印画物カールの発生防止性を評価した。評価結果を表1にまとめた。また、その印画物カール量についても合わせて表1にまとめた。
なお、受容層側への凸カールを正の値、受容層側への凹カールを負の値とした。
(評価基準)
A:印画物カール量が−5mm以上
NG:印画物カール量が−5mm未満
<<地合い評価>>
上記のようにして印画された受容層上の画像を、目視により観察し、下記評価基準に基づいて、地合いの評価を行った。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
A:グレーのハイライト画像部が均一であり、表面状態で、下地の紙芯材の繊維が分散しているのが観察されず、地合いが全く気にならないものであった。
NG:グレーのハイライト画像部の表面状態で、下地の紙芯材の繊維が分散しているのが観察されて、地合いが気になるものであった。
10:熱転写受像シート
11:受容層
12:第1の樹脂層
13:紙基材
14:第2の樹脂層
15:断熱層
16:プライマー層

Claims (7)

  1. 受容層と、第1の樹脂層と、紙基材と、第2の樹脂層とをこの順に備え、
    前記紙基材におけるメカニカルパルプの含有量が、3質量%以上、12質量%以下であることを特徴とする、熱転写受像シート。
  2. 前記紙基材が、コート紙である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記紙基材の厚さが、120μm以上、170μm以下である、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記受容層と、前記第1の樹脂層との間に、断熱層を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  5. 前記断熱層の厚さが、15μm以上、50μm以下である、請求項4に記載の熱転写受像シート。
  6. 前記第1の樹脂層の厚さが、12μm以上、20μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  7. 前記第2の樹脂層の厚さが、25μm以上、35μm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
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