JP2019055448A - 保持パッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の粘着層を互いに極めて近い距離で並べて配置しても、樹脂シートに凸部が生じることを十分に抑制する保持パッドを提供する。【解決手段】被研磨物を保持するための保持部Pを有する樹脂シート112と、複数の第一粘着層114とを、この順に備える保持パッドであり、保持パッド110は、複数の第一粘着層114を並べて配置することにより、複数の第一粘着層114の間に隙間Cを有し、複数の第一粘着層114は、樹脂シート112と接する第一の部分と、第一の部分の樹脂シート112とは反対側の第二の部分とを有し、第一の部分間の当該隙間Cを介した距離と第二の部分間の隙間Cを介した距離とが互いに異なる、保持パッド110。【選択図】図1

Description

本発明は、保持パッド及びその製造方法に関する。
従来、半導体デバイス、電子部品等の材料、特に、Si基板(シリコンウェハ)、GaAs(ガリウム砒素)基板、ガラスやLCD(液晶ディスプレイ)用基板等の薄型基板(被研磨物)の表面(加工面)では、平坦性が求められるため、研磨パッドをスラリーと共に用いる化学機械研磨加工が行われている。このような研磨加工、中でも片面研磨加工においては、被研磨物を保持するための保持パッドが使用されることがある。特に、大型の被研磨物に対応した大型の保持パッドとしては、大型の粘着材(例えば両面テープ)の開発が進められていないため、複数の粘着材を樹脂シートの片面に貼り付けた保持パッドが検討されている。
例えば、特許文献1には、大型化しても平坦性を確保しつつ全面を保持定盤に装着することができる保持パッドを提供することを目的として、被研磨物を保持するための保持面を有する樹脂製のシート材と、シート材の保持面の背面側に貼り合わされた一面を有しており、粘着性を有する複数の第1の粘着部材が隣接するように配された第1の粘着層と、定盤に装着するための一面を有しており、粘着性を有する複数の第2の粘着部材が隣接するように配された第2の粘着層と、第1の粘着層と第2の粘着層との間に介在し、一面が第1の粘着層の他面に貼り合わされ、他面が第2の粘着層の他面に貼り合わされた樹脂基材と、を備え、樹脂基材は、一面および他面がそれぞれ連続した面であることを特徴とする保持パッドが開示されている。
特開2011−005562号公報
ここで、保持パッドが樹脂シートと複数の粘着層とをこの順に備え、かつ、複数の粘着層を並べて配置することにより、複数の第一粘着層の間に隙間を有するように作製される場合には、その隙間を極力小さくするために、複数の粘着層の端部を互いに極めて近い距離(例えば2mm以下)で並べて配置する。しかし、特許文献1に記載されるような保持パッドを用いてそのように複数の粘着層を配置すると、製造上の誤差や使用時の圧力等により、複数の粘着層の端部同士が重なりあって、樹脂シートの一部を押し上げてしまい、樹脂シートに凸部が生じる場合がある。
そこで、本発明は、複数の粘着層を互いに極めて近い距離で並べて配置しても、樹脂シートに凸部が生じることを十分に抑制する保持パッドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、被研磨物を保持するための保持部を有する樹脂シートと、複数の第一粘着層とを、この順に備える保持パッドであり、該保持パッドは、複数の第一粘着層を並べて配置することにより、複数の第一粘着層の間に隙間を有し、複数の第一粘着層は、樹脂シートと接する第一の部分と、第一の部分の樹脂シートとは反対側の第二の部分とを有し、第一の部分間の隙間を介した距離と第二の部分間の隙間を介した距離とが互いに異なる保持パッドを用いることで、複数の粘着層を互いに極めて近い距離で並べて配置しても、樹脂シートに凸部が生じることを十分に抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
被研磨物を保持するための保持部を有する樹脂シートと、複数の第一粘着層とを、この順に備える保持パッドであり、
前記保持パッドは、前記複数の第一粘着層を並べて配置することにより、前記複数の第一粘着層の間に隙間を有し、
前記複数の第一粘着層は、前記樹脂シートと接する第一の部分と、前記第一の部分の前記樹脂シートとは反対側の第二の部分とを有し、前記第一の部分間の前記隙間を介した距離と前記第二の部分間の前記隙間を介した距離とが互いに異なる、
保持パッド。
[2]
前記複数の第一粘着層の前記隙間を形成する面が斜面、段状面、又は円弧面である、
[1]に記載の保持パッド。
[3]
前記保持パッドが帯状である場合に、その幅が2000mm超であり、
前記保持パッドが矩形である場合に、少なくともその1辺が2000mm超であり、
前記保持パッドが円形又は略円形である場合に、その直径が2000mm超である、
[1]又は[2]に記載の保持パッド。
[4]
基材と、複数の第二粘着層とを更に備え、
前記樹脂シート、前記複数の第一粘着層、前記基材、及び前記複数の第二粘着層は、この順に備えられる、
[1]〜[3]のいずれかに記載の保持パッド。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載の保持パッドを製造する方法であって、
樹脂シートを準備する工程と、
樹脂シートに複数の第一粘着層をそれぞれ並べて配置し、保持パッドを得る工程と、を有する、
保持パッドの製造方法。
本発明に係る保持パッドは、複数の粘着層を互いに極めて近い距離で並べて配置しても、樹脂シートに凸部が生じることを十分に抑制することが可能である。
本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、保持パッドの隙間を形成する面が斜面である場合の一例を模式的に示す部分断面図である。 本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、基材、粘着層及び離型シートをさらに備える場合を模式的に示す部分断面図である。 本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、複数の粘着層の端部同士が接触する場合を模式的に示す部分断面図である。 本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、保持パッドの隙間を形成する面が段状面である場合の一例を模式的に示す部分断面図である。 本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、保持パッドの隙間を形成する面が斜面である場合の一例を模式的に示す部分断面図である。 本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、保持パッドの隙間を形成する面が段状面である場合の一例を模式的に示す部分断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明は下記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態の保持パッドは、被研磨物を保持するための保持部を有する樹脂シートと、複数の第一粘着層とをこの順に備える。また、複数の第一粘着層を並べて配置することにより、複数の第一粘着層の間に隙間を有し、かつ、複数の第一粘着層は、樹脂シートと接する第一の部分と、第一の部分の樹脂シートとは反対側の第二の部分とを有し、第一の部分間の隙間を介した距離と第二の部分間の隙間を介した距離とが互いに異なる。このような保持パッドは、例えば、第一粘着層を備える複数の両面テープ(例えば、ノンサポート型の両面テープ)を1枚の樹脂シートに貼り付けることにより作製することができる。ここで、複数の第一粘着層を並べる方向は、樹脂シートの面内方向であれば特に限定されない。ここで、「樹脂シートとは反対側の第二の部分」とは、樹脂シートと接する部分以外の全ての部分の中で、第一の部分の隙間を介した距離と比べて隙間を介した距離が互いに異なる部分を意味する。
このような保持パッドが、複数の粘着層を互いに極めて近い距離で並べて配置しても、樹脂シートに凸部が生じることを十分に抑制することができる要因は次のように考えている。ただし、要因はこれに限定されない。従来の保持パッドは、樹脂シートと、複数の粘着層とをこの順に備え、かつ、複数の粘着層を並べて配置することにより形成される隙間を有している場合がある。このような保持パッドは、複数の粘着層を互いに極めて近い距離で並べて配置するため、製造上の誤差等により、複数の粘着層の端部同士が重なりあって、樹脂シートの一部を押し上げてしまい、樹脂シートに凸部が生じる場合がある。一方、本実施形態の保持パッドは、複数の第一粘着層は、樹脂シートと接する第一の部分と、第一の部分の樹脂シートとは反対側の第二の部分とを有し、第一の部分間の隙間を介した距離と第二の部分間の隙間を介した距離とが互いに異なることにより、複数の粘着層の第一の部分間の隙間を介した距離又は第二の部分間の隙間を介した距離が極めて近くなるよう並べて配置しつつ、仮に第一の部分同士又は第二の部分同士のいずれかが重なりあっても、他方の部分同士は重なりにくくなる。その結果、重なりあった部分同士が重なりあっていない部分間の隙間に向けて変形するため、樹脂シートに凸部が生じることが十分に抑制される。
図1は、本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、保持パッドの隙間を形成する面が斜面である場合の一例を模式的に示す部分断面図である。保持パッド110は、ポリウレタン製樹脂シート112(以下、単に「樹脂シート112」という。)と複数の粘着層114とをこの順に積層して含む。樹脂シート112に接する部分から離れるに従って、隙間Cを形成する斜面が互いに近づく。
本実施形態の保持パッドは、特に限定されないが、図1に示す態様とは異なる態様として、複数の基材と複数の第二粘着層とをこの順に更に備え、樹脂シート、複数の第一粘着層、複数の基材、及び複数の第二粘着層は、この順に備えられる。また、複数の第二粘着層、複数の基材、複数の第一粘着層、及び複数の離型シートをそれぞれ並べて配置することにより形成される隙間を有する。このような保持パッドは、例えば、図1に示す保持パッドに対して、樹脂シートと同じ大きさの1枚の基材を第一粘着層に貼り付けて、さらに、第二粘着層と、離型シートとをこの順に備える複数の両面テープを基材に貼り付けることにより作製することができる。ここで、複数の第一粘着層、複数の第二粘着層、及び複数の離型シートをそれぞれ並べる方向は、樹脂シートの面内方向であれば特に限定されない。
ここで、保持パッドには、第一粘着層及び第二粘着層以外の粘着層を更に備えていてもよいが、本実施形態において、樹脂シートと第一粘着層との間には備えない。
図2は、本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、基材、粘着層及び離型シートをさらに備える場合を模式的に示す部分断面図である。保持パッド210は、ポリウレタン製樹脂シート112と粘着層114aと基材116と粘着層114b(以下、粘着層114a、114bをまとめて「粘着層114」ともいう。)と離型シート118と保護シート120と緩衝フィルム122とをこの順に積層して含む。樹脂シート112と基材116とは、粘着層114aを介して互いに接合されており、基材116と離型シート118とは、粘着層114bを介して互いに接合されている。ただし、離型シート118は、主として搬送又は保管の際に保持パッドの品質を維持するために備えられているものであり、被研磨物を保持するために使用する際には、離型シート118を粘着層114bから剥離することにより、離型シート118は容易に除去され得る。以下、図1及び図2に示す保持パッドについて、特に区別しない場合には、包括して説明する。
本実施形態に係る樹脂シート112の密度(かさ密度)は、25℃において0.15〜0.30g/cm2であると好ましい。この密度が0.15g/cm2以上であることにより、樹脂シート112の永久歪みが生じ難くなり、また、0.30g/cm2以下であることにより、樹脂シート112の全体に亘って被研磨物をより均一に保持しやすくなる。これらの結果、樹脂シート112の密度が上記範囲にあることにより、研磨加工時に被研磨物が保持パッド110、210に対して面内方向にずれたり、研磨加工時の研磨ムラが発生したりすることを更に抑制することができる。
樹脂シート112の厚さは特に限定されないが、例えば、0.2〜2.0mmであってもよく、0.5〜1.5mmであってもよい。なお、樹脂シート112の厚さは、JIS K 6550(1994)に記載された測定方法に準拠して測定される。つまり、樹脂シート112の厚み方向に初荷重として1cm2当たり100gの荷重をかけた(負荷した)ときの厚さである。
樹脂シート112の長さは特に限定されないが、例えば保持パッド110、210が帯状である場合に、樹脂シート112の幅が2000mm超であってもよく、2500mm以上であってもよく、3000mm以上であってもよい。また、例えば保持パッド110、210が矩形である場合に、少なくとも樹脂シート112の1辺が2000mm超であってもよく、2500mm以上であってもよく、3000mm以上であってもよい。更に例えば保持パッド110、210が円形又は略円形である場合に、樹脂シート112の直径が2000mm超であってもよく、2500mm以上であってもよく、3000mm以上であってもよい。また、保持パッド110、210の長さについても、上記樹脂シート112の長さと同様である。ここで、保持パッドが矩形、円形又は略円形である形状は、より具体的には保持パッドの平面形状を示す。
樹脂シート112は、樹脂等のマトリックスを構成する材料(以下、「マトリックス材料」という。)中に複数の気泡(図示しない。)を有するものであり、所謂湿式成膜法により形成されたものであっても、乾式成型法により形成されたものであってもよいが、本発明の目的をより有効かつ確実に達成する観点から、好ましくは湿式成膜法により形成されたものである。樹脂シート112が湿式成膜法により形成されたものである場合、保持面P側に図示しない緻密な微多孔が形成されたスキン層を有していてもよい。スキン層の表面はミクロな平坦性を有している。一方、スキン層のより内側(樹脂シート112の内部)には、スキン層の微多孔よりも大きな孔径で樹脂シート112の厚さ方向に沿って涙滴状の空孔(連続気泡;図示しない。)が形成されていてもよい。その空孔は、保持面P側の大きさが、保持面Pと反対の面側よりも小さく形成されていてもよい。樹脂シート112には、スキン層の微多孔よりも大きく空孔よりも小さいサイズの孔(図示しない。)が形成されていてもよい。スキン層の微多孔、空孔及び小さいサイズの孔は互いに連通孔で網目状につながっていてもよい。
樹脂シート112を構成するマトリックス材料は、例えばポリウレタン樹脂を最も多く含む組成であり、ここで、樹脂シート112は、そのマトリックス材料の全体量に対して、ポリウレタン樹脂を80〜100質量%含むものであってもよい。樹脂シート112は、その全体量に対して、ポリウレタン樹脂をより好ましくは85〜100質量%含み、更に好ましくは90〜100質量%含み、特に好ましくは90〜95質量%含む。
ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂及びポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中では、本発明の目的をより有効且つ確実に奏する観点から、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂は、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、クリスボン(DIC(株)社製商品名)、サンプレン(三洋化成工業(株)社製商品名)、レザミン(大日本精化工業(株)社製商品名)が挙げられる。ポリウレタン樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
樹脂シート112は、ポリウレタン樹脂以外に、ポリサルホン樹脂及び/又はポリイミド樹脂などの他の樹脂を含んでもよい。ポリサルホン樹脂は、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、ユーデル(ソルベイアドバンストポリマーズ(株)社製商品名)が挙げられる。ポリイミド樹脂は、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、オーラム(三井化学(株)社製商品名)が挙げられる。
樹脂シート112は、樹脂以外に、本発明の課題解決を阻害しない範囲で、保持パッドの樹脂シートに通常用いられる材料、例えば、撥水剤、カーボンブラックなどの顔料、親水性添加剤及び疎水性添加剤の1種又は2種以上を含んでもよい。更には、樹脂シート112には、樹脂シート112の製造過程において用いられた溶媒などの各種の材料が、本発明の課題解決を阻害しない範囲で残存していてもよい。
樹脂シート112の保持部Pには微細気孔が存在していてもよい。微細気孔は、例えば、樹脂シート112の成膜時に、保持面(スキン層)に微細気孔を形成させる添加剤を添加することにより形成することができる。
図2に示す保持パッド210に備えられる基材116は、樹脂シート112を支持するためのものであり、特に限定されず、従来の保持パッドに基材として含まれるものであってもよい。基材116としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)フィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。
粘着層114は、従来知られている保持パッドに用いられている接着剤又は粘着剤を含むものであってもよい。粘着層114の材料としては、例えば、アクリル系、ニトリル系、ニトリルゴム系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の各種熱可塑性接着剤が挙げられる。
離型シート118は、保持パッド110、210を搬送又は保管する際に粘着層114bが表面露出することを防止するための離型性を有するものであり、特に限定されず、従来の保持パッドに離型シートとして含まれるものであってもよい。離型シート118としては、例えば、シリコーン系又は非シリコーン系の離型剤を表面にコーティングした紙が挙げられる。
ここで、図2に示す保持パッド210における、粘着層114、及び離型シート118は、それらを備えるノンサポート型粘着テープ由来のものであってもよい。その両面テープは、接着剤又は粘着剤を含む粘着層及び離型シートを有し、粘着層が上記粘着層114a、114bに、一方の離型シートが上記離型シート118に相当する。粘着層114aに接合していた離型シートは、樹脂シート112に接着層114aを接合させた後に、剥離される。また、そのノンサポート型粘着テープは、1枚の樹脂シート210の一面に対して、2枚又は3枚以上の複数枚貼り付けて用いられており、貼り付けた複数枚のノンサポート型粘着テープ由来の粘着層114、基材116、及び離型シート118の間には、微小な隙間C1、C2(以下、隙間C1、C2及び後述する隙間C3、C4、C5をまとめて「隙間C」ともいう。)が形成される。この隙間Cは、2枚のノンサポート型粘着テープを貼り付ける位置を近づけすぎてしまうと、互いに重なってしまう場合があるため、ある程度の距離を置いて2枚のノンサポート型粘着テープを貼り付けることにより形成されるものである。
図3は、本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、複数の粘着層の端部同士が接触する場合を模式的に示す部分断面図である。保持パッド210は、製造上の誤差等により、複数の粘着層114aの端部同士が接触する場合があり、その場合には図3に示すように粘着層114aの樹脂シート112とは反対側の部分同士が互いに重なる。しかし、保持パッド210は、粘着層114aの端部同士が基材116側で重なっているものの、粘着層114aの樹脂シート112と接する部分同士では重なっていないため、基材116側で重なった粘着層114aの一部は、樹脂シート側の隙間C1を埋めるように変形していく。これにより、保持パッド210においては、図3のように複数の粘着層114aの端部同士が接触する場合であっても、樹脂シートに凸部が生じることを十分に抑制できる
また、図2及び図3とは異なる態様として、仮に粘着層114aの端部同士が樹脂シート112側で接触して重なり、粘着層114aの基材116と接する部分同士では重なっていないように、粘粘着114aの基材シート116側の端部同士の距離よりも粘着層114aの樹脂シート112側の端部同士の距離の方が短いように保持パッド210が変形する場合においても、樹脂シート112側で重なった粘着層114aの一部は、基材116側の隙間C1を埋めるように変形していく。これにより、保持パッド210においては、複数の粘着層114aの端部同士が接触する場合であっても、樹脂シートに凸部が生じることを十分に抑制できる。ただし、樹脂シート112よりも基材116の方が変形しにくい傾向にあるため、図2及び図3に示すように、第一の部分間の隙間を介した距離よりも第二の部分間の隙間を介した距離の方が短く構成した保持パッド、つまり図2及び図3に示す態様の保持パッドの方が好ましい。
隙間C1、C2は、より具体的には溝形状であり、隙間C1の断面は1辺を樹脂シート112側に有する三角形であり、隙間C2の断面は2辺をそれぞれ樹脂シート112側及び基材116側に有する矩形である。ここで、隙間C1は、貼り付けるノンサポート型粘着テープの端部の形状が三角形であることによって、断面が三角形であり、また、隙間C2は、貼り付けるノンサポート型粘着テープの端部の形状が矩形であることによって、断面が矩形である。よって、隙間Cの断面の形状は、ノンサポート型粘着テープの端部の形状を公知の手段を用いて成形することにより、適宜変更が可能である。例えば、隙間C1は、図2に加えて例えば図4〜6に示すように、隙間を形成する面が斜面、段状面、又は円弧面であるなら、いずれのものにも変更できる。ここで、「公知の手段を用いて成形すること」について、例えば、スリッターナイフを用い、端部が所望の形状になるよう刃先の角度をかえて成形することが挙げられる。
図4は、本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、保持パッドの隙間を形成する面が段状面である場合を模式的に示す部分断面図である。樹脂シート112に接する部分から離れるに従って、隙間C1を形成する段状面が互いに近づく。
図5は、本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、保持パッドの隙間を形成する面が段状面である場合の一例を模式的に示す部分断面図である。樹脂シート112に接する部分から離れるに従って、隙間C1を形成する斜面が互いに近づき、更に離れるに従って互いに離れる。
図6は、本実施形態に係る保持パッドの一例の一部について、保持パッドの隙間の断面を形成する面が段状面である場合の一例を模式的に示す部分断面図である。樹脂シート112に接する部分から離れたある1点で、隙間C1を形成する段状面が互いに近づく。
上述した隙間C1、C3、C4、C5は、いずれもこれらの隙間の断面において、粘着層114aの樹脂シート112とは反対側の部分であって、粘着層114aの樹脂シート112と接する部分よりも、それぞれの部分間で隙間C1を介した距離が短い部分がある。
隙間Cの大きさは特に限定されないが、例えば、樹脂シート112側の複数の粘着層114a同士の距離が、0.1〜5.0mmであってもよく、0.5〜2.0mmであってもよい。
次に、本実施形態の保持パッドの製造方法の一例について説明する。ここでは、樹脂シート112を湿式成膜法で作製する場合を説明するが、樹脂シート112の作製方法は、これに限定されない。この製造方法では、樹脂シート112を準備する工程と、樹脂シート112に複数の粘着層114をそれぞれ並べて配置し、保持パッド210を得る工程とを有する。
樹脂シート112を準備する工程は、更に、樹脂と溶媒と必要に応じて撥水剤とを含む樹脂溶液を調製する工程(樹脂溶液調製工程)と、樹脂溶液を成膜用基材の表面に塗布する工程(塗布工程)と、樹脂溶液中の樹脂を凝固再生して、前駆体シートを形成する工程(凝固再生工程)と、前駆体シートから溶媒を除去して樹脂シート112を得る工程(溶媒除去工程)と、樹脂シート112をバフ処理又はスライス処理により研削及び/又は一部除去する工程(研削・除去工程)とを有するものである。以下、各工程について説明する。
まず、樹脂溶液調製工程では、上述のポリウレタン樹脂などの樹脂と、その樹脂を溶解可能であって、後述の凝固液に混和する溶媒と、必要に応じて樹脂シート112に含ませる撥水剤及びその他の材料(例えば、顔料、親水性添加剤及び疎水性添加剤)とを混合し、更に必要に応じて減圧下で脱泡して樹脂溶液を調製する。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という。)及びN,N−ジメチルアセトアミドが挙げられる。樹脂溶液の全体量に対する樹脂の含有量は、特に限定されないが、例えば10〜50質量%の範囲であってもよく、15〜35質量%の範囲であってもよい。
次に、塗布工程では、樹脂溶液を、好ましくは常温下で、ナイフコータ等の塗布装置を用いて帯状の成膜用基材の表面に塗布して塗膜を形成する。このときに塗布する樹脂溶液の厚さは、最終的に得られる樹脂シート112の厚さが所望の厚さになるように、適宜調整すればよい。成膜用基材の材質としては、例えば、PETフィルムなどの樹脂フィルム、布帛及び不織布が挙げられる。これらの中では、液を浸透し難いPETフィルムなどの樹脂フィルムが好ましい。
次いで、凝固再生工程では、成膜用基材に塗布された樹脂溶液の塗膜を、樹脂に対する貧溶媒(例えばポリウレタン樹脂の場合は水)を主成分とする凝固液中に連続的に案内する。凝固液には、樹脂の再生速度を調整するために、樹脂溶液中の溶媒の極性溶媒を添加してもよい。また、凝固液の温度は、樹脂を凝固できる温度であれば特に限定されず、例えば、15〜65℃であってもよい。凝固液中では、まず、樹脂溶液の塗膜と凝固液との界面に皮膜(スキン層)が形成され、皮膜の直近の樹脂中に無数の緻密な微多孔が形成される。その後、樹脂溶液に含まれる溶媒の凝固液中への拡散と、樹脂中への貧溶媒の浸入との協調現象により、好ましくは連続気泡構造を有する樹脂の再生が進行する。このとき、成膜用基材が液を浸透し難いもの(例えばPETフィルム)であると、凝固液がその基材に浸透しないため、樹脂溶液中の溶媒と貧溶媒との置換がスキン層付近で優先的に生じ、スキン層付近よりもその内側にある領域の方に、より大きな空孔が形成される傾向にある。こうして成膜用基材上に前駆体シートが形成される。
次に、溶媒除去工程では、形成された前駆体シート中に残存する溶媒を除去して樹脂シート112を得る。溶媒の除去には、従来知られている洗浄液を用いることができる。また、溶媒を除去した後の樹脂シート112を、必要に応じて乾燥してもよい。樹脂シート112の乾燥には、例えば、内部に熱源を有するシリンダを備えたシリンダ乾燥機を用いることができるが、乾燥方法はこれに限定されない。シリンダ乾燥機を用いる場合、前駆体シートがシリンダの周面に沿って通過することで乾燥する。更に、得られた樹脂シート112をロール状に巻き取ってもよい。
次いで、研削・除去工程では、樹脂シート112の好ましくはスキン層側の主面と、その反対側である裏面とのうちの少なくとも一方を、バフ処理又はスライス処理で研削及び/又は一部除去する。バフ処理やスライス処理により樹脂シート112の厚さの均一化を図ることができるため、被研磨物に対する押圧力を一層均等化し、被研磨物の損傷を更に抑制すると共に被研磨物の平坦性を向上させることができる。また、スキン層側の主面は樹脂シート112において保持部Pとなる面であるため、裏面を研削処理して被研磨物の研磨均一性を向上させることが好ましい。
次に、樹脂シート112に複数の粘着層114をそれぞれ並べて配置して保持パッド210を得る工程を説明する。この工程では、例えば粘着層114を有するノンサポート型粘着テープを用いて、それぞれ、1枚の樹脂シート112の保持部Pとは反対側の面上に複数の粘着層114aをそれぞれ並べて配置するよう接合する。更に、その複数の粘着層114aの樹脂シート112とは反対側に1枚の基材116を接合し、その1枚の基材116の粘着層114aとは反対側に、粘着層114bと離形シート118とがこの順に備えられている複数のノンサポート型粘着テープをそれぞれ並べて配置するよう接合する。こうして、保持パッド210が得られる。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。例えば、上記本実施形態では、樹脂シート112に粘着層114及び離型シート118を積層するために、基材を備えないノンサポート型粘着テープを用いているが、基材を備える両面テープを用いて樹脂シート112に対して粘着層114、基材116、及び離型シート118を同時に積層してもよい。ただし、本発明の保持パッドは、隙間に起因する樹脂シート112に対する圧力の偏在化を抑制する観点から、樹脂シート112と同じ大きさの基材116を備えることが好ましい。また、保持パッドの製造方法において、研削・除去工程を省略してもよい。
110、210、310、410、510…保持パッド、112…樹脂シート、114、114a、114b…粘着層、116…基材、118…離型シート、120…保護シート、122…緩衝フィルム、C、C1、C2、C3、C4、C5、C6…隙間、P…保持部。
本発明は、研磨加工分野の被研磨物の保持パッドとして産業上の利用可能性を有する。

Claims (5)

  1. 被研磨物を保持するための保持部を有する樹脂シートと、複数の第一粘着層とを、この順に備える保持パッドであり、
    前記保持パッドは、前記複数の第一粘着層を並べて配置することにより、前記複数の第一粘着層の間に隙間を有し、
    前記複数の第一粘着層は、前記樹脂シートと接する第一の部分と、前記第一の部分の前記樹脂シートとは反対側の第二の部分とを有し、前記第一の部分間の前記隙間を介した距離と前記第二の部分間の前記隙間を介した距離とが互いに異なる、
    保持パッド。
  2. 前記複数の第一粘着層の前記隙間を形成する面が斜面、段状面、又は円弧面である、
    請求項1に記載の保持パッド。
  3. 前記保持パッドが帯状である場合に、その幅が2000mm超であり、
    前記保持パッドが矩形である場合に、少なくともその1辺が2000mm超であり、
    前記保持パッドが円形又は略円形である場合に、その直径が2000mm超である、
    請求項1又は2に記載の保持パッド。
  4. 基材と、複数の第二粘着層とを更に備え、
    前記樹脂シート、前記複数の第一粘着層、前記基材、及び前記複数の第二粘着層は、この順に備えられる、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の保持パッド。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の保持パッドを製造する方法であって、
    樹脂シートを準備する工程と、
    樹脂シートに複数の第一粘着層をそれぞれ並べて配置し、保持パッドを得る工程と、を有する、
    保持パッドの製造方法。
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