JP2019052105A - オレアノール酸誘導体 - Google Patents

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哲夫 鳴海
Tetsuo Narumi
哲夫 鳴海
香澄 荻原
Kasumi Ogiwara
香澄 荻原
吉村 和久
Kazuhisa Yoshimura
和久 吉村
恵嘉 原田
Shigeyoshi Harada
恵嘉 原田
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Shizuoka University NUC
National Institute of Infectious Diseases
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Abstract

【課題】抗HIV活性を有する新規な化合物の提供。【解決手段】下式Bで例示される化合物又はその塩。【選択図】なし

Description

本発明は、オレアノール酸誘導体に関する。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症は現在、根治可能な治療法が存在しないものの、複数の薬剤を併用する多剤併用療法(cART)の確立により、その治療法は大きく改善されてきた。現在使われている抗HIV薬としては、HIVRNAの逆転写を阻害する核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、プロテアーゼの活性を阻害するプロテアーゼ阻害剤(PI)、インテグラーゼの活性を阻害するインテグラーゼ阻害剤(INSTI)、及び、標的細胞に対するHIVの侵入を阻害する薬剤(HIV侵入阻害剤)の5種類がcARTに用いられている。一方、cARTによるHIV感染症の治療は、HIV易変異性に起因する薬剤耐性ウイルスの出現が最大の問題の一つとなっており、既存の抗HIV薬剤とは異なる作用機序及び結合様式を有する薬剤の開発が必須となっている。そのため、HIV侵入阻害剤においては、既存の認可薬である、HIVウイルス粒子のエンベロープタンパク質(Env)gp41に結合するペプチド融合阻害剤(T-20)および宿主細胞上にある受容体タンパク質CCR5に結合するCCR5阻害剤(マラビロク)とは異なる新たなHIV侵入阻害剤の開発が進んでいる。
このようなHIV侵入阻害剤としては、例えば、ベツリン酸、アミドオクチルリンカー及びスタチンの3ユニットからなるベツリン酸誘導体(IC9564)が報告されている(例えば、非特許文献1)。
J.Med.Chem.,1996年,39巻(5号),pp.1069−1083
本発明の目的は、抗HIV活性を有する新規な化合物を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討を行ったところ、オレアノール酸の構造を基にした化合物(オレアノール酸誘導体)が抗HIV活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記式(I)で表される化合物又はその塩を提供する。
Figure 2019052105

[式(I)中、
C環は、炭化水素環又は複素環であり、炭化水素環及び複素環は、ヒドロキシ基、オキソ基、ヒドロキシイミノ基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される置換基を有し、
は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されたC1−6アルコキシ基又はC1−6アルキルエステル基であり、
は、−OH又は下記式(II)で表される基であり、
Figure 2019052105

(式(II)中、*は結合手を示し、Xは、ヒドロキシ基及びC1−6アルキル基からなる群より選択される置換基を有していてもよいC1−6アルキレン基である。)
は、C1−10アルキレン基、又は1〜3個のヘテロ原子を含むヘテロC2−7アルキレン基である。]
上記化合物又はその塩において、C環は、シクロヘキサン環又はシクロヘキセン環であってよく、シクロヘキサン環及びシクロヘキセン環は、ヒドロキシ基又はオキソ基を有していてよい。
本発明は、また、下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)で表される化合物又はその塩を提供する。
Figure 2019052105
本発明は、また、上記化合物又はその塩を含有する、医薬組成物を提供する。上記化合物又はその塩は、上記化合物又はその塩と、抗HIV抗体と、組み合わせてなる、医薬組成物であってよい。これらの医薬組成物は、抗HIV薬として用いることができる。
本発明によれば、抗HIV活性を有する新規な化合物を提供することができる。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。本明細書において、構造式中の立体構造が明確に規定されている部分については、明示されているとおりの構造を示し、それ以外の立体構造が明確に規定されていない部分については、立体異性体を含んでもよく、その一方の異性体でも混合物でもよい。
以下に、本明細書において記載する用語、記号等の意義を説明し、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「C1−6アルキル基」とは、炭素数が1〜6個の直鎖又は分枝状のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。
本明細書において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
本明細書において、「C1−6アルコキシ基」とは、C1−6アルキル基が結合したオキシ基であることを意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、1−ブチルオキシ基、2−メチルプロピルオキシ基、1−メチルプロピルオキシ基、1,1−ジメチルエトキシ基などが挙げられる。
本明細書において、「ハロゲン原子で置換されたC1−6アルコキシ基」とは、C1−6アルコキシ基における1個又は複数個の水素原子がハロゲン原子で置換された基を意味し、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、1−フルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、1,2−ジフルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1−フルオロプロポキシ、2−フルオロプロポキシ、3−フルオロプロポキシ、3−クロロプロポキシなどが挙げられる。
本明細書において、「アルキレン基」とは、アルキル基から任意の水素原子をさらに1個除いて誘導される二価の基を意味し、「C1−10アルキレン基」とは、炭素数が1〜10個のアルキレン基を意味する。C1−10アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、n−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、n−ブチレン基、2,3−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基、n−ドデシレン基等が挙げられる。
本明細書において、「ヘテロ原子」とは、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を意味する。
本明細書において、「ヘテロアルキレン基」とは、アルキレン基の炭素原子の少なくとも1個がヘテロ原子に置換されている基を意味する。また、本明細書において、「ヘテロC2−7アルキレン基」は、炭素数2〜7個のヘテロアルキレン基を意味する。
本発明の一つの実施形態は、一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」とも称す)又はその塩である。
Figure 2019052105

式(I)中、C環は、炭化水素環又は複素環であり、炭化水素環及び複素環は、ヒドロキシ基、オキソ基、ヒドロキシイミノ基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される置換基を有し、Rは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されたC1−6アルコキシ基又はC1−6アルキルエステル基であり、Rは、−OH又は下記式(II)で表される基であり、Zは、C1−10アルキレン基、又は1〜3個のヘテロ原子を含むヘテロC2−7アルキレン基である。
Figure 2019052105

式(II)中、*は結合手を示し、Xは、ヒドロキシ基及びC1−6アルキル基からなる群より選択される置換基を有していてもよいC1−6アルキレン基である。
化合物(I)において、C環は、炭化水素環又は複素環である。炭化水素環及び複素環は、飽和環であってもよく、不飽和環であってもよい。また、炭化水素環及び複素環は、5〜8員環、又は6〜7員環であってよい。C環における炭化水素環及び複素環は、ヒドロキシ基、オキソ基、ヒドロキシイミノ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される置換基を有する。C環における炭化水素環及び複素環は、ヒドロキシ基又はオキソ基を有していてよい。C環としては、例えば、上記置換基を有するシクロヘキサン環若しくはシクロヘキセン環、又はε−カプロラクトン環若しくはε−カプロラクタム環が挙げられる。C環は、上記置換基を有するシクロヘキサン環又はシクロヘキセン環であってよく、ヒドロキシ基又はオキソ基を有するシクロヘキサン環又はシクロヘキセン環であってよく、ヒドロキシ基又はオキソ基を有するシクロヘキサン環であってよく、ヒドロキシ基を有するシクロヘキサン環であってよい。
化合物(I)において、Rは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されたC1−6アルコキシ基又はC1−6アルキルエステル基であってよい。
化合物(I)において、Rは、上記一般式(II)で表される基であってよい。上記一般式(II)において、Xは、ヒドロキシ基を有するC1−6アルキル基、又はヒドロキシ基及びC1−6アルキル基を有するC1−6アルキル基であってよい。
は、下記式(IIa)で表される基であってよい。
Figure 2019052105
また、Rは、下記式(IIb)で表される基であってよい。
Figure 2019052105
化合物(I)において、Zは、C1−10アルキレン基、又は1〜3個のヘテロ原子を含むヘテロC2−7アルキレン基である。1〜3個のヘテロ原子を含むヘテロC2−7アルキレン基におけるヘテロ原子は、一般式(I)の−CO−NH−の窒素原子と直接結合しない。
がC1−10アルキレン基である場合、Zは、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基又はn−ノニレン基であってよく、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基又はn−ノニレン基であってよく、n−ヘプチレン基であってよい。
が1〜3個のヘテロ原子を含むヘテロC2−7アルキレン基である場合、Zは、例えば、下記式(III)で表される基であってよい。Zが2個以上のヘテロ原子を含むヘテロC2−7アルキレン基である場合、ヘテロC2−7アルキレン基は、同種のヘテロ原子のみを含むものであってもよく、窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択される2種以上のヘテロ原子を含むものであってもよい。
Figure 2019052105

式(III)中、Yは、ヘテロ原子であり、n及びmはそれぞれ独立に1〜3の整数である。
は、例えば、−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−、又は−CH−CH−NRZ1−CH−CH−NRZ1−CH−であってよい。RZ1は、水素原子又はC−Cアルキル基を示す。RZ1は、同一であっても、異なっていてもよい。
化合物(I)の一態様において、C環は、シクロヘキサン環又はシクロヘキセン環であり、シクロヘキサン環及びシクロヘキセン環は、オキソ基又はヒドロキシ基を有し、Rはヒドロキシ基であり、Rは、上記式(IIb)で表される基であり、Zは、n−ヘプチレン基である。すなわち、化合物(I)は、下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)で表される化合物であってよい。
Figure 2019052105
化合物(I)の塩は、薬剤学的に許容される塩であればよく、化合物(I)の塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン等の有機塩基との塩;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との塩;アルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩等が挙げられる。
化合物(I)が、互変異性体、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体などの異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も本発明の化合物に包含される。さらに、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。
化合物(I)は、溶媒和物(例えば、水和物など)であっても、無溶媒和物(例えば、非水和物など)であってもよく、いずれも化合物(I)に包含される。
本実施形態の化合物(I)の製造法について以下に説明する。Rがヒドロキシ基である場合、化合物(I)は、例えば、以下の方法により製造することができる。
Figure 2019052105
式中、C環、Z及びXは、上記と同意義を示す。R、R及びRは保護基を示す。Rは、例えば、アセチル基であり、Rはトリメチルシリル(TMS)基であり、Rは、tert−ブチル基である。Lは、例えば、ハロゲン原子である。
(工程1)
工程1は、化合物(1−1)と化合物(1−2)とを反応させることにより、化合物(2−1)を製造する工程である。
化合物(1−1)は、市販品として入手できるオレアノール酸を出発原料として、製造することができる。例えば、C環がオキソ基を有するシクロヘキサン環である化合物(1−1)を合成する場合、オレアノール酸のカルボキシル基をエステル基へ変換した後、3−クロロ過安息香酸(mCPBA)等の酸化剤を用いて、C環にオキソ基を有するシクロヘキサン環が形成された化合物(1−1)又は化合物(1−1)の前駆体を合成することができる。また、C環がオキソ基を有するシクロヘキサン環である化合物を原料として、LiAlH等の還元剤によるカルボニル基の還元反応、ベックマン転位型反応、又はバイヤー・ビリガー酸化型反応に付すことにより、C環が、それぞれヒドロキシ基を有するシクロヘキサン環、ε−カプロラクタム環、ε−カプロラクトン環である化合物(1−1)又はその前駆体を合成することができる。化合物(1−2)は、市販の化合物又は市販の化合物を原料にして合成して得られたものであってもよい。工程1の具体的な反応条件としては、例えば、後述する製造例に示した反応条件が挙げられる。
(工程2)
工程2は、化合物(2−1)と化合物(2−2)とを反応させることにより、化合物(3−1)を製造する工程である。化合物(2−2)は、市販の化合物又は市販の化合物を原料にして合成して得られたものであってよい。Rが上記式(IIb)で表される基である化合物(I)を製造する場合、例えば、The Journal of Organic chemistry, 2008, 73, 9228-9234に記載の方法に準じて製造することができる。工程2の具体的な反応条件は、例えば後述する製造例に示した反応条件が挙げられる。
(工程3)
工程3は、化合物(3−1)の保護基を脱保護することにより、化合物(4−1)を製造する工程(脱保護工程)である。
脱保護の条件は、保護基の種類に応じて、適宜選択するものであってよい。例えば、Rがtert−ブチル基(t−ブチル基)であり、Rがアセチル基である場合、化合物(3−1)をメタノール及び炭酸カリウム存在下で攪拌し、その後、水酸化ナトリウム水溶液存在下で攪拌することにより、アセチル及びt−ブチル基を脱保護して、化合物(4−1)を製造することができる。
工程3の具体的な反応条件としては、例えば、後述する製造例に示した反応条件が挙げられる。
が、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されたC1−6アルコキシ基又はC1−6アルキルエステル基である化合物(I)を製造する場合、上記工程1の化合物(1−1)におけるOR基の代わりに、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されたC1−6アルコキシ基又はC1−6アルキルエステル基を有する化合物を工程1の原料として用いることにより製造することができる。この場合、脱保護工程(工程3)は、行わなくてもよい。
化合物(I)又はその塩は、必要に応じて、薬剤学的に許容できる添加物を添加して、医薬組成物とすることができる。化合物(I)は、抗HIV活性を有しつつ、細胞毒性が抑制されていることから、化合物(I)又はその塩を含む医薬組成物は、抗HIV薬として用いることができる。また、化合物(I)は、HIVの細胞侵入を阻害することから、HIV侵入阻害剤として用いることができる。
本実施形態の医薬組成物は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、化合物(I)又はその塩と薬学的に許容される担体とを混合した医薬組成物として使用することができる。本実施形態の医薬組成物は、例えば錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤、エアゾール剤、フィルム剤、注射剤、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤、ペレット、経鼻剤、経肺剤、点眼剤として、経口的又は非経口的に投与することができる。本実施形態に係る医薬組成物における化合物(I)又はその塩の含有量は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
本実施形態の医薬組成物の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態・塩の種類、疾患の具体的な種類等に応じて異なり、許容できない副作用を引き起こすことなく投与できる薬物の最大の用量を超えなければ限定されない。例えば、投与量は、化合物(I)又はその塩の量で、成人(体重60kg)に対して経口投与する場合、例えば、30μg〜10g、100μg〜5g、又は100μg〜1gであってよく、成人に対して注射投与する場合、30μg〜1g、100μg〜500mg、又は100μg〜300mgであってよい。投与間隔としては、例えば、1日1回又は数回(例えば、2〜6回)投与してもよく、2日に1回投与してもよく、1週間に1回投与してもよく、1月に1回投与してもよい。
本実施形態の医薬組成物の製造に用いられてもよい薬学的に許容される担体としては、医薬素材として慣用の各種有機又は無機担体物質が挙げられ、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、又は液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカが挙げられる。結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油が挙げられる。溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムが挙げられる。懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子が挙げられる。等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールが挙げられる。緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液が挙げられる。無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコールが挙げられる。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロールが挙げられる。
また、化合物(I)又はその塩は抗HIV抗体と組み合わせて使用することができる。抗HIV抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体であってよい。抗HIV抗体が由来する動物は、マウスであってよい(マウス抗体、キメラ型抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体等)。抗HIV抗体は、HIV中和抗体であってよい。化合物(I)は、HIV中和抗体に対するHIVの感受性を増強させることができることから、化合物(I)又はその塩とHIV中和抗体とを組み合わせてなる医薬組成物として有用である。抗HIV抗体(HIV中和抗体)としては、例えば、HIVウイルス粒子の最も外側に位置するエンベロープタンパク質(Env)であるgp120三量体の突端部のV2糖鎖領域を認識するV2 apex(PGDM1400、PG9、PG16等)、V3基部の糖鎖を認識するV3−high mannose patch(10-1074、PGT-128、2G12等)、宿主細胞表面タンパク質CD4との結合領域を認識するCD4bs(VRC01、3BNC117、b12等)、gp120とgp41の境界面を認識するgp120/41 interface(35O22、PGT151、8ANC195等)、gp41の膜貫通部位近傍を認識するMPER(10E8、2F5、4E10等)、V3先端領域を認識するcryptic-V3(447-52D、KD-247等)そして、宿主細胞表面タンパク質CCR5またはCXCR4との結合領域を認識するCD4i CoRbs(17b等)等が挙げられる。上記の抗HIV抗体は、KD-247以外はPolymun Scientific社、Creative biolab社等により入手することができる。
本実施形態の、化合物(I)又はその塩と抗HIV抗体とを組み合わせてなる医薬組成物(以下、「併用医薬組成物」ともいう)において、化合物(I)又はその塩と抗HIV抗体の投与時期は、化合物(I)又はその塩と抗HIV抗体とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。
本実施形態の併用医薬組成物の投与形態は、投与時に、化合物(I)又はその塩と抗体とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)化合物(I)又はその塩と抗体とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)化合物(I)又はその塩と抗体とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)化合物(I)又はその塩と抗体とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)化合物(I)又はその塩と抗体とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)化合物(I)又はその塩と抗体とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本実施形態の化合物又はその塩を投与した後の併用薬物の投与、又はその逆の順序での投与)等が挙げられる。
時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なってよい。例えば、化合物(I)又はその塩を投与した後、1月以内、1週間以内、2日以内、1分〜1日以内、10分〜6時間以内、又は15分〜3時間以内に抗体を投与する方法が挙げられる。
以下に、製造例、実施例及び試験例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の具体例により限定されるものではない。
オレアノール酸から公知の方法(Org. Lett., 2013, 15, 1622-1625、及びBioorg. Med. Chem., 2008, 16, 8697-8705に記載された方法)に準じて、オレアノール酸誘導体(後述する化合物A−1、B−1、C−1、C−1’及びD−1)を合成した。
製造例1−1:3β−アセトキシ−12−オキソオレアノ−28−オイル−クロリドの合成
Figure 2019052105

A−1(874mg,1.69mol)のジクロロメタン溶液(5.30mL)に、オキサリルクロリド(292μL,3.40mmol)のジクロロメタン溶液(10.6mL)を0℃で滴下し、得られた混合液を室温で5時間撹拌した。その後、有機溶媒を濃縮し、標記化合物を得た。得られた化合物は、精製処理を更に行うことなく、次工程に使用した。
製造例1−2:N−[3β−アセトキシ−12−オキソオレアノ−28−オイル]−8−アミノオクタン酸の合成
Figure 2019052105

8−アミノオクタン酸のジクロロメタン溶液に、クロロトリメチルシラン(TMSCl)を添加し、得られた混合液を4時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶液にA−2(535mg,1.00mmol)のジクロロメタン溶液とトリエチルアミンとを添加し、室温で12時間撹拌した。その後、得られた溶液を減圧下で濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)にて精製して、標記化合物(659mg, quant.)を得た。
IR (CHCl3) v 3349 (OH), 1692 (CO),1635 (CO), 1529 (NHCO), 1469 (NHCO); 1H-NMR (300 MHz, CD3OD)δ 0.87 (s, 6H), 0.90 (s, 3H), 0.95 (s, 3H), 0.97 (s,6H), 1.01-1.30 (m, 7H), 1.33 (s, 6H), 1.37-2.03 (m, 21H), 2.05 (s, 3H), 2.10-2.30(m, 2H), 2.32-2.38 (m, 2H), 2.61-2.81 (m, 2H), 3.21-3.39 (m, 2H), 4.41-4.53(m,1H), 5.76-5.89 (m, 1H); MS (ESI) m/z calcd for C46H78N2O7 [M+H]+771.58, found 771.60
製造例1−3:(3S,4S)−N’−[N−[3β−アセトキシ−12−オキソオレアノ−28−オイル]−8−アミノオクタノイル]−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸t−ブチルエステルの合成
Figure 2019052105

A−3(324 mg, 0.494 mol)のジクロロメタン溶液にS1、HOBt・HO、EDCI及びトリエチルアミンを添加し、混合液を室温で15時間撹拌した。反応混合液に水を添加して希釈し、ジクロロメタンで抽出した。その後、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、硫酸マグネシウムを濾過した。濾液を減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)にて精製して、標記化合物(293 mg、収率:68%)を得た。なお、S1は、公知の方法(例えば、The Journal of Organic chemistry, 2008, 73, 9228-9234及びTetrahedron Letters, 2006, 47, 389-393)に記載の方法に準じてL−Boc−ロイシンから誘導したものを用いた。
IR (CHCl3) v 3355 (OH), 1723(CO), 1634 (CO), 1530 (NHCO);1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.87 (s, 6H), 0.91 (s, 3H), 0.93 (s, 3H), 0.95 (s, 3H), 0.98 (s,6H), 0.99-1.32 (m, 12H), 1.33 (s, 3H), 1.34-1.44 (m, 6H), 1.46 (s, 9H), 1.48-1.60(m, 7H), 1.61 (s, 3H), 1.64-2.03 (m, 8H), 2.05 (s, 3H), 2.07-2.32 (m, 5H), 2.34-2.43(m, 2H), 2.64-2.78 (m, 2H), 3.18-3.29 (m, 2H), 3.92-4.06 (m, 2H), 4.41-4.53 (m,1H), 5.58-5.68 (m, 1H), 5.72 (s, 1H); HRMS (ESI) m/z calcd for C52H89N2O8 [M+H]+869.6613, found 869.6612
製造例1−4:(3S,4S)−N’−[N−[3β−ヒドロキシ−12−オキソオレアノ−28−オイル]−8−アミノオクタノイル]−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸の合成
Figure 2019052105

A−4(283.7 mg, 0.326 mol)のメタノール(MeOH)溶液に炭酸カリウムを添加し、混合液を室温で8時間撹拌した。この溶液に、4N NaOH水溶液を添加し、混合液を室温で更に8時間撹拌した。得られた反応液を減圧濃縮し、残渣を水で希釈し、1N HCl水溶液で中和した。混合液にジクロロメタンを加えて抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、硫酸マグネシウムを濾過した。濾液を減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製して、標記化合物(248.2 mg, quant.)を白色個体として得た。得られた化合物Aを実施例1の化合物ともいう。
[α]23.1 D= -22.4 (c 1.01, CH3OH); IR (ATR) v 3349 (OH), 1692 (CO), 1635 (CO),1529 (NHCO); 1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ0.78 (s, 3H), 0.89 (s, 6H), 0.94-0.99 (m, 12H), 1.01 (s, 3H), 1.01-1.33(m, 9H), 1.35 (s, 3H), 1.35-2.31 (m, 31H), 2.28-2.45 (m, 2H), 2.74-2.84 (m,2H), 3.05-3.18 (m, 2H), 3.18-3.27 (m, 1H), 3.94-4.04 (m, 2H).; 13C-NMR(75 MHz, CD3OD) δ15.7, 16.0, 16.9, 19.4,21.0, 22.3, 23.4, 23.6, 23.8, 26.0, 27.1, 27.7, 28.1, 28.5, 30.2, 30.3, 30.6,31.5, 32.9, 33.0, 34.0, 35.2, 35.7, 37.1, 37.6, 38.0, 39.2, 39.4, 39.9, 40.5,40.5, 40.7, 41.1, 41.1, 42.7, 43.1, 48.1, 48.4, 48.7, 49.0, 49.3, 49.6, 49.8,49.9, 51.2, 52.2, 52.9, 56.5, 71.4, 79.4, 176.4, 177.7, 180.2, 214.9; LRMS(ESI) m/z calcd for C46H78N2O7 [M+H]+ 771.58, found 771.60
製造例2−1:3β−アセトキシ−12−オキソオレアノ−9(11)エン−28−オイルクロリドの合成
Figure 2019052105

B−1(115 mg, 0.224 mol)のジクロロメタン溶液(700 μL)に、オキサリルクロリド(38.5 μL, 0.448 mmol)のジクロロメタン溶液(1.40 mL)を0oCで滴下して加えた。混合液を5時間室温で攪拌した。その後、有機溶媒を濃縮し、標記化合物を得た。得られた化合物は、精製処理を更に行うことなく、次工程に使用した。
製造例2−2:N−[3β−アセトキシ−12−オキソオレアノ−9(11)−エン−28−オイル]−8−アミノオクタン酸の合成
Figure 2019052105

B−2を用いて、製造例1−2と同様の方法により、標記化合物(135 mg、収率:92%)を合成した。
1H-NMR(300 MHz, CD3OD) δ0.90 (s, 3H), 0.92 (s, 3H), 0.98 (s, 3H), 1.00 (s,3H), 0.99-1.20 (m, 5H), 1.21(s, 3H), 1.25 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.32-2.05 (m, 25H), 2.06 (s, 3H), 2.29-2.38 (m, 2H), 2.77-2.86(m, 1H), 2.88-2.93 (m, 1H),3.21-3.29 (m, 2H), 4.41-4.55 (m, 1H), 5.77 (s, 1H), 6.06-6.14 (m, 1H)
製造例2−3:(3S,4S)−N’−[N−[3β−アセトキシ−12−オキソオレアノ−9(11)−エン−28−オイル]−8−アミノオクタノイル]−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸t−ブチルエステルの合成
Figure 2019052105

B−3(65.0 mg, 99.0μmol)を用いて、製造例1−3と同様の方法により、標記化合物(85.7 mg、収率:99%)を合成した。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3) δ0.91 (s, 6H), 0.99 (s, 6H), 1.00-1.20 (m, 5H), 1.21 (s, 3H), 1.24 (s, 3H),1.26-1.34 (m, 8H), 1.36 (s,3H), 1.45 (s, 9H), 1.47-2.04(m, 26H), 2.06 (s, 3H), 2.22 (s, 1H), 2.28-2.44 (m, 2H), 2.74-2.87(m, 1H), 2.91 (s, 1H), 3.25 (s, 2H), 3.29-3.46 (m, 1H), 3.92-4.06(m, 1H), 4.43-4.54 (m, 1H),5.73-5.78 (m, 1H), 5.84-5.94 (m, 1H)
製造例2−4:(3S,4S)−N’−[N−[3β−ヒドロキシ−12−オキソオレアノ−9(11)−エン−28−オイル]−8−アミノオクタノイル]−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸の合成
Figure 2019052105

B−4(85.7 mg, 99.0 μmol)を用いて、製造例1−4と同様の方法により、標記化合物(化合物B)(75.2 mg、収率:98%)を合成した。得られた化合物Bを実施例2の化合物ともいう。
1H-NMR(300 MHz, CD3OD) δ 0.83 (s, 3H), 0.89 (s,3H), 0.92 (s, 3H), 0.94 (s, 3H), 0.97 (s, 3H), 1.02 (s, 6H), 1.22 (s, 3H), 1.27(s, 3H), 1.33-1.75 (m, 37H),2.15-2.25 (m, 4H), 2.96-3.04 (m, 1H), 3.06-3.08 (m, 1H), 3.11-3.17(m, 2H), 3.19-3.23 (m, 1H),3.88-4.00 (m, 2H), 5.74 (s,1H); HRMS (ESI) m/z calcd for C46H76N2O7 [M+Na]+ 791.5545, found791.5546
製造例3−1:3β,12β−ジアセトキシオレアナン−28−酸の合成
Figure 2019052105

C−1(24.3 mg, 51.0 μmol)の無水酢酸溶液(102 μL)を120℃で2時間撹拌した。その後、水で希釈した。反応混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。そして、硫酸ナトリウムを濾過して得た濾液を濃縮し、標記化合物を得た。得られた化合物は、精製処理を更に行うことなく、次工程に使用した。
製造例3−2:3β,12β−ジアセトキシオレアナン−28−オイルクロリドの合成
Figure 2019052105

C−2を用いて、製造例1−1と同様の方法により、標記化合物を合成した。得られた化合物は、精製処理を更に行うことなく、次工程に使用した。
製造例3−3:N−[3β,12β−ジアセトキシオレアナン−28−オイル]−8−アミノオクタン酸の合成
Figure 2019052105

C−3を用いて、製造例1−2と同様の方法により、標記化合物(26.9 mg、収率:85%)を合成した。
1H-NMR(300 MHz, CHCl3) δ 0.84 (s, 6H), 0.89 (s,6H), 1.21-1.71 (m, 43H), 2.05 (s, 6H), 2.33-2.39 (m, 2H), 2.49 (s, 1H), 3.14-3.39(m, 2H), 4.41-4.54 (m, 1H), 5.08 (s, 1H), 5.63-5.75 (m, 1H); LRMS (ESI) m/z calcdfor C46H78N2O7 [M+H]+ 700, found 700
製造例3−4:(3S,4S)−N’−[N−[3β,12β−ジアセトキシオレアナン−28−オイル]−8−アミノオクタノイル]−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸t−ブチルエステルの合成
Figure 2019052105

C−4(20.9 mg, 29.8μmol)を用いて、製造例1−3と同様の方法により、標記化合物(17.9 mg、収率:66%)を合成した。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3) δ 0.83 (s, 3H), 0.84 (s,3H), 0.86 (s, 3H), 0.88 (s, 3H), 0.89 (s, 3H), 0.91 (s, 3H), 0.93 (s, 3H), 0.96-1.28(m, 11H), 1.30 (s, 3H), 1.33 (s, 3H), 1.46 (s, 12H), 1.48-1.81 (m, 26H), 2.05(s, 6H), 2.16-2.22 (m, 2H), 2.37-2.42 (m, 2H), 2.45-2.56 (m, 1H), 3.14-3.37 (m,2H), 3.47-3.59 (m, 2H), 3.96-4.04 (m, 2H), 4.48 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 5.07 (bs,1H), 5.65 (dd, J = 11.2, 7.0 Hz, 2H); LRMS (ESI) m/z calcd for C52H88N2O7 [M+H]+913, found 913
製造例3−5:(3S,4S)−N’−[N−[3β,12β−ジヒドロキシオレアナン−28−オイル]−8−アミノオクタノイル]−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸の合成
Figure 2019052105

C−5(17.9 mg, 19.6 μmol)を用いて、製造例1−4と同様の方法により、標記化合物(化合物C)(7.50 mg、収率:49%)を合成した。得られた化合物Cを実施例3の化合物ともいう。
[α]22 D = -22.4 (c1.01, CH3OH); IR (ATR) v 3349 (OH), 1692 (CO), 1635 (CO), 1529(NHCO), 1469 (NHCO); 1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ 0.75 (s, 3H), 0.85 (s, 3H), 0.89(s, 6H), 0.91 (s, 6H), 0.92 (s, 6H), 0.95 (s, 3H), 0.95-2.20 (m, 40H), 2.17-2.28(m, 2H), 2.26-2.42 (m, 2H),2.57-2.69 (m, 1H), 3.04-3.22 (m, 2H), 3.35 (s, 1H), 3.59-3.76 (m, 1H), 3.84-3.92 (m, 1H), 3.96-4.09(m, 1H); LRMS (ESI) m/z calcd for C46H78N2O7 [M+H]+ 773, found 773
製造例4:(3S,4S)−N’−[N−[3β,12α−ジヒドロキシオレアナン−28−オイル]−8−アミノオクタノイル]−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸の合成
Figure 2019052105

C−1におけるヒドロキシ基の立体配置が異なるジアステレオマー(化合物C−1’)を用いたこと以外は、製造例3−1〜3−5と同様にして、標記化合物(化合物C’)を合成した。得られた化合物C’を実施例4の化合物ともいう。
製造例5−1:N−[3β−アセトキシオレアノ−12−エン−28−オイル]−8−アミノオクタン酸の合成
Figure 2019052105

8−アミノオクタン酸(276 mg, 1.74 mol)のジクロロメタン(18.8 mL)溶液に、TMSCl(357 μL)を添加し、得られた混合液を4時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶液にD−2(701 mg, 1.32 mmol)のジクロロメタン(7.60 mL)溶液とトリエチルアミン(709 μL)とを添加し、室温で12時間撹拌した。その後、得られた溶液を減圧下で濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)にて精製して、標記化合物(739 mg、収率:87%)を淡黄色固体として得た。D−1は、市販品として入手可能であるオレアノール酸から製造例1−1の条件に準じた条件で合成した。
IR (CHCl3) v 3381 (OH), 1726(CO), 1611 (CO), 1525 (NHCO); 1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.8 (s, 3H),0.9 (s, 3H), 0.9 (s, 3H), 0.9 (s, 6H), 0.9 (s, 3H), 1.2 (s, 3H),1.3-1.4 (m,12H), 1.4-1.7 (m, 18H), 1.9-2.0 (m, 3H), 2.1 (s, 3H), 2.3-2.4 (m, 2H), 2.4-2.5(m, 1H),2.9-3.0 (m, 1H), 3.3-3.4 (m, 1H), 4.5-4.5 (m, 1H), 5.4-5.4 (m, 1H), 5.9-6.0(m, 1H); HRMS (ESI),m/z calcd for C40H65NO5 [M+H]+ 640.4936, found640.4934
製造例5−2:(3S,4S)−N’−[N−[3β−アセトキシオレアノ−12−エン−28−オイル]−8−アミノオクタノイル]−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルへプタン酸tertブチルエステルの合成
Figure 2019052105

D−2(101 mg, 0.158 mol)を用いて、製造例1−3と同様の方法により、標記化合物(130 mg、収率:97%)を合成した。
IR (CHCl3) v 3327 (OH), 1726(CO), 1651 (CO), 1525 (NHCO); 1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 0.76 (s, 3H),0.86 (s, 3H), 0.87 (s, 3H), 0.91 (s, 6H), 0.93 (s, 3H), 0.94 (s, 3H),0.95-1.13(m, 3H), 1.16 (s, 3H), 1.17-1.29(m, 5H), 1.32 (s, 3H), 1.45 (s, 15H), 1.48-1.81 (m, 25H),1.88-1.98 (m, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.16-2.22 (m, 2H),2.36-2.41 (m, 2H), 2.45-2.54 (m, 1H), 2.92-3.04 (m, 1H), 3.28-3.41 (m, 1H),3.93-4.02 (m, 2H), 4.45-4.53 (m, 1H), 5.36-5.39 (m, 1H), 5.61-5.68 (m, 1H),5.88-5.95 (m, 1H); HRMS (ESI) m/z calcd for C52H88N2O7 [M+H]+853.6664, found853.6667
製造例5−3:(3S,4S)−N’−[N−[3β−ヒドロキシオレアノ−12−エン−28−オイル]−8−アミノオクタノイル]−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルへプタン酸の合成
Figure 2019052105

D−3(139 mg, 0.163 mmol)を用いて、製造例1−4と同様の方法により、標記化合物(化合物D)(35.2 mg、収率:26%)を合成した。得られた化合物Dを参考例1の化合物ともいう。
[α]23.1 D = -10.5 (c0.98, CHCl3); IR (CHCl3) v 3349 (OH), 1692 (CO), 1635(CO), 1529 (NHCO); 1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.75 (s,3H), 0.79 (s, 3H), 0.91 (s, 6H), 0.81-0.92 (m, 11H), 0.93 (s, 3H), 0.97 (s,3H), 0.99-1.13 (m, 4H), 1.16 (s, 3H), 1.26 (s, 3H),1.32 (s, 3H), 1.33-2.07 (m,24H), 2.17-2.28 (m, 1H), 2.44-2.53 (m, 2H), 2.91-3.02 (m, 1H), 3.19-3.25 (m,1H), 3.29-3.38 (m, 1H), 3.94-4.10 (m, 2H), 5.31-5.50 (m, 1H), 6.03-6.09 (m,1H), 6.05-6.15 (m, 2H); 13C-NMR (75 MHz, CD3OD) δ 15.5,15.8, 16.3, 17.0, 18.3, 22.0, 23.6, 23.7, 24.9,25.8, 27.2, 27.2, 27.3, 28.2,28.2, 29.2, 29.3, 29.5, 29.5, 30.8, 32.6, 33.0, 33.1, 34.2, 37.0, 38.8,39.2,39.4, 39.6, 42.1, 42.2, 42.3, 42.9, 43.8, 45.2, 45.8, 46.0, 46.3, 47.6,55.2, 78.9, 79.0, 123.0, 145.2,174.5, 178.5; HRMS (ESI) m/z calcd forC46H78N2O7 [M+H]+ 755.5933, found 755.5928
製造例6:IC9564の合成
Figure 2019052105

公知のHIV活性を有する化合物であるIC9564についてJ. Med. Chem.1996, 39, 1069-1083に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物を参考例2の化合物ともいう。
試験例1:抗HIV活性の評価試験
合成した実施例1〜4の化合物(化合物A、B、C及びC’)及び参考例1〜2の化合物(化合物D及びIC9564)について、抗HIV活性および細胞毒性を以下の方法により評価した。結果を表1に示す。表1中、「N.D.」とは、検出不可を意味する。
抗HIV活性についてはTZM−bl細胞を用いたTZM−blアッセイによる評価を行った。TZM−bl細胞(米国NIH AIDS Research and Reference Reagent Programより入手)は、親株JC−53細胞のHIV−1 LTR(long terminal repeat)配列に、β−ガラクトシダーゼ及びルシフェラーゼ遺伝子が組み込まれた細胞株であり、HIV−1の感染をβ−ガラクトシダーゼの発現量に比例した発光シグナルにて検出することができる。β−ガラクトシダーゼの定量は、Beta−GloTMアッセイ系(Promega社製)を用いて行った。ウイルス株は、先進国で流行しているサブタイプB型ウイルスのうち、CCR5(R5)指向性ウイルスYU2株(米国NIH AIDS Research and Reference Reagent Programより入手)、CXCR4(X4)指向性ウイルスのNL4−3株(米国NIH AIDS Research and Reference Reagent Programより入手)、両指向性ウイルスの89.6株(米国NIH AIDS Research and Reference Reagent Programより入手)の3株を用いた。具体的には、100TCID50のウイルス株および希釈系列薬剤と共に、TZM-bl細胞(1x10細胞)を培養した。培養48時間後、Beta−GloTMアッセイの添付説明書に従いβ−ガラクトシダーゼ活性を、ルミノメーターで測定し、薬剤の感受性を比較した。IC50値は、HIVのTZM−bl細胞への感染を50%阻害した時の濃度である。なお、LTRは転写調節領域であるため、このアッセイ系ではHIVライフサイクルのうちウイルスDNAの転写過程までのウイルス感染を検出することができる。
細胞毒性については、TZM−bl細胞(米国NIH AIDS Research and Reference Reagent Programより入手)を用いて、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability アッセイ系(Promega社製)により、代謝活性のある細胞由来のATPを定量することで、生存細胞数を測定した。具体的には、希釈系列薬剤と共にTZM-bl細胞(1x10細胞)を培養した。培養48時間後、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability アッセイの添付説明書に従いATP産生量を、ルミノメーターで測定し、細胞の増殖率や生存率を定量化した。CC50値は、TZM−bl細胞をmock感染させ、生存率が50%になったときの濃度である。
上述の化合物(I)におけるC環にカルボニル基を有するケトン体(化合物A)はNL4−3株および89.6株においてnMオーダーの抗HIV活性を示し(IC50=0.49〜5.6μM)、C環に置換基を有しない化合物D(IC50=1.6〜26μM)と比較して約3〜4倍高活性となった。加えて、化合物Aは、化合物Dに比べて細胞毒性においても約2倍低毒性であることが明らかとなった(化合物AのCC50=140μM)。また、上述の化合物(I)におけるC環にヒドロキシ基を有する化合物Cは89.6株においてケトン体(化合物A)と同様にnMオーダーの抗HIV活性を示し(IC50=0.17〜4.6μM)、かつケトン体(化合物A)に比べて細胞毒性が減弱した(CC50=164μM)。α,β−不飽和ケトン体(化合物B)においても抗HIV活性が認められた(IC50=19〜43μM)。また、化合物Cのジアステレオマーである化合物C’も抗HIV活性を示し、かつ、IC9564と比べて、細胞毒性が低いことが示された。
Figure 2019052105
試験例2:HIV−1中和抗体との併用効果
両指向性ウイルス89.6株及びTZM−bl細胞を用いて、化合物A又は化合物Dと、HIV−1中和抗体との併用効果について評価した。併用効果は、Eur. J. Biochem., 1981, 115, 207-216、J. Biol. Chem., 2012, 287, 15076-15086等に記載の方法に準じて評価した。IC50は、試験例1と同様の方法により測定した。結果を表2に示す。なお、HIV−1中和抗体(以下、「NAb」ともいう。)としては、b12、2G12、2F5、4E10、447-52D、及びKD247を用いた。以下、化合物及びNAbを「阻害剤」ともいう。化合物とNAbとの比(化合物:NAb)は、各阻害剤単独でのIC50値の比に近似している。
DRI(Dose reduction index)は、第2の阻害剤の存在下のIC50に対する、第2の阻害剤の非存在下におけるIC50の比であり、下記式により算出した。
DRI=(IC50/(IC50X,Y
DRI=(IC50/(IC50X,Y
ここで、(IC50は、化合物A又はD単独のIC50であり、(IC50は、NAb単独のIC50であり、(IC50X,Yは、化合物A又はDとNAbとを併用した場合のIC50である。
CI(Combination index)は、下記式により算出した。
CI=(DRI−1+(DRI−1+(DRIDRI−1
CIが1未満である場合、相乗効果ありと判断し、CIが1である場合、相加効果であると判断し、CIが1超えである場合、きっ抗効果であると判断した。
表2に示すとおり、化合物Aおよび化合物Dが、試験に用いたいずれの中和抗体においても相乗効果を有することが示された。
Figure 2019052105

Claims (6)

  1. 下記式(I)で表される化合物又はその塩。
    Figure 2019052105

    [式(I)中、
    C環は、炭化水素環又は複素環であり、前記炭化水素環及び前記複素環は、ヒドロキシ基、オキソ基、ヒドロキシイミノ基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される置換基を有し、
    は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されたC1−6アルコキシ基又はC1−6アルキルエステル基であり、
    は、−OH又は下記式(II)で表される基であり、
    Figure 2019052105

    (式(II)中、*は結合手を示し、Xは、ヒドロキシ基及びC1−6アルキル基からなる群より選択される置換基を有していてもよいC1−6アルキレン基である。)
    は、C1−10アルキレン基、又は1〜3個のヘテロ原子を含むヘテロC2−7アルキレン基である。]
  2. C環は、シクロヘキサン環又はシクロヘキセン環であり、前記シクロヘキサン環及びシクロヘキセン環は、ヒドロキシ基又はオキソ基を有する、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. 下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)で表される化合物又はその塩。
    Figure 2019052105
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を含有する、医薬組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその塩と、抗HIV抗体と、組み合わせてなる、医薬組成物。
  6. 抗HIV薬である、請求項4又は5に記載の医薬組成物。
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