JP2019051856A - 荷物棚及び鉄道車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄道車両の内部構成の変更を回避しつつ、所望の周波数帯域の音を選択的に吸音できる荷物棚、及びかかる荷物棚を適用した鉄道車両を提供する。【解決手段】荷物棚11では、本体部12の長手方向に延在する中空部Fが気柱共鳴孔部Hによって外部に連通している。かかる構成により、中空部F内で定在波が発生し、気柱共鳴孔部Hの位置からの中空部Fの長さで定まる共鳴周波数において、気柱共鳴孔部Hの開口端周りの空気の粘性抵抗によって吸音効果が奏される。したがって、荷物棚11では、本体部12の長さ及び気柱共鳴孔部Hの位置を変えることで、所望の周波数帯域の音を選択的に吸音できる。また、この吸音効果は、荷物棚11における中空部F及び気柱共鳴孔部Hの形成によって実現されるので、鉄道車両1の内部構成に対する影響も抑えられる。【選択図】図2

Description

本発明は、荷物棚及びこれを適用した鉄道車両に関する。
鉄道車両の分野では、乗客の快適性の向上の観点から、走行時などに発生する騒音の対策が常に求められている。鉄道車両の内部で騒音対策のための構造を適用した技術としては、例えば特許文献1に記載の鉄道車両がある。この従来の鉄道車両では、荷物棚に対して開閉自在に設けられた蓋部が設けられている。蓋部は、グラスウール等の吸音材を一対の多孔板で挟んだ構造をなし、音響エネルギーを吸収するようになっている。
特開2010−100278号公報
上述した従来の鉄道車両では、音響エネルギーの吸収によって騒音レベルを低下させるものであるが、特定の周波数帯域の音を吸収する作用を有するものではない。特に高速で走行する鉄道車両では、例えば250Hz近辺、或いは100Hz近辺の低周波数帯域の音が問題となる場合があり、所望の周波数帯域の音を選択的に吸音できる技術が必要となっている。また、鉄道車両の内部で騒音対策を施す場合、既存の構成の変更や、構成の追加などを極力回避することが好ましい。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、鉄道車両の内部構成の変更を回避しつつ、所望の周波数帯域の音を選択的に吸音できる荷物棚、及びかかる荷物棚を適用した鉄道車両を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る荷物棚は、荷物を載置する載置面が長手方向に沿って設けられた本体部を備え、本体部は、長手方向に延在する中空部と、中空部と外部とを連通させる気柱共鳴孔部とを有している。
この荷物棚では、本体部の長手方向に延在する中空部が気柱共鳴孔部によって外部に連通している。かかる構成により、中空部内で定在波が発生し、気柱共鳴孔部の位置からの中空部の長さで定まる共鳴周波数において、気柱共鳴孔部の開口端周りの空気の粘性抵抗によって吸音効果が奏される。したがって、この荷物棚では、本体部の長さ及び気柱共鳴孔部の位置を変えることで、所望の周波数帯域の音を選択的に吸音できる。また、この吸音効果は、荷物棚における中空部及び気柱共鳴孔部の形成によって実現されるので、鉄道車両の内部構成に対する影響も抑えることができる。
また、本体部の長手方向の一端面及び他端面は、いずれも中空部が露出しないように壁部が設けられた閉鎖端となっており、気柱共鳴孔部は、本体部において載置面と反対側の面に設けられていてもよい。この場合、気柱共鳴孔部の位置によって吸音させる周波数帯域を容易に調整できる。また、載置面と反対側の面に気柱共鳴孔部が設けられているので、鉄道車両に適用した際に気柱共鳴孔部が下方を向くこととなる。したがって、吸音効果の向上が図られる。
また、本体部は、中空部を複数有し、気柱共鳴孔部は、本体部における長手方向の位置が互いに異なるように複数の中空部に対して設けられていてもよい。この場合、気柱共鳴孔部の位置に応じて複数の周波数帯域の音を選択的に吸音できる。
また、本体部は、中空部を複数有し、気柱共鳴孔部は、複数の中空部を露出させる切欠部によって構成されていてもよい。この場合、切欠部の位置に応じて複数の周波数帯域の音を選択的に吸音できる。
また、本体部の長手方向の一端面は、中空部が露出するように気柱共鳴孔部が設けられた開放端となっており、本体部の長手方向の他端面は、中空部が露出しないように壁部が設けられた閉鎖端となっている。この場合、本体部の長さによって吸音させる周波数帯域を容易に調整できる。
また、本体部の長手方向の一端面及び他端面は、いずれも中空部が露出するように気柱共鳴孔部が設けられた開放端となっていてもよい。この場合、本体部の長さによって吸音させる周波数帯域を容易に調整できる。
また、気柱共鳴孔部の開口端及び閉鎖端の少なくとも一方には、吸音材が配置されていてもよい。この場合、吸音材によって広範な周波数帯域の音を吸音できる。吸音材の配置を気柱共鳴孔部の開口端及び閉鎖端の少なくとも一方とすることで、吸音させる周波数帯域の選択性も維持できる。
また、開放端及び閉鎖端の少なくとも一方には、吸音材が配置されていてもよい。この場合、吸音材によって広範な周波数帯域の音を吸音できる。吸音材の配置を開放端及び閉鎖端の少なくとも一方とすることで、吸音させる周波数帯域の選択性も維持できる。
また、本体部の一面側及び他面側の開放端の少なくとも一方には、吸音材が配置されていてもよい。この場合、吸音材によって広範な周波数帯域の音を吸音できる。吸音材の配置を本体部の一面側及び他面側の開放端の少なくとも一方とすることで、吸音させる周波数帯域の選択性も維持できる。
また、本発明の一側面に係る鉄道車両は、上記荷物棚が側構体の内側上部に固定されている。
この鉄道車両では、上記荷物棚の適用により、所望の周波数帯域の音を選択的に吸音できる。また、荷物棚の吸音効果は、荷物棚における中空部及び気柱共鳴孔部の形成によって実現されるので、鉄道車両の内部構成に対する影響も抑えることができる。
本発明によれば、鉄道車両の内部構成の変更を回避しつつ、所望の周波数帯域の音を選択的に吸音できる。
鉄道車両の一実施形態を示す模式的な断面図である。 荷物棚の一実施形態を示す斜視図である。 図2に示した荷物棚の平面図である。 荷物棚の変形例を示す平面図である。 荷物棚の別の変形例を示す平面図である。 荷物棚の吸音効果の検証結果を示す図である。 荷物棚の吸音効果の検証結果を示す図である。 荷物棚の吸音効果の検証結果を示す図である。 荷物棚の更に別の変形例を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係る荷物棚及び鉄道車両の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、鉄道車両の一実施形態を示す模式的な断面図である。同図に示すように、鉄道車両1は、床構造2、側構体3、屋根構体4、妻構体(不図示)などによって構成されている。側構体3には、窓5が鉄道車両1の長手方向に一定の間隔をもって配置されている。鉄道車両1の内部空間は、車室Sとなっており、例えば座席6、荷物棚11などが設けられている。
座席6は、例えば通路を挟んで車室Sの左右にそれぞれ配置され、鉄道車両1の長手方向を向いて複数の乗客等が座れるように床構造2に固定されている。荷物棚11は、乗客等が荷物を載置するための棚であり、鉄道車両1の長手方向に沿って座席6の上方に設けられている。荷物棚11は、略水平又は車室Sの中央側に向かって上方に傾斜するように、側構体3の内側上部に固定されている。また、荷物棚11は、座席6の長さとは一致していなくてよく、複数の荷物棚11が鉄道車両1の長手方向に沿って配列されていてもよい。
次に、荷物棚11の構成について更に詳細に説明する。
図2は、荷物棚の一実施形態を示す斜視図である。また、図3は、図2に示した荷物棚の平面図である。図2及び図3に示すように、荷物棚11は、荷物を載置する載置面12aが長手方向に沿って設けられた中空の本体部12を備えている。本体部12は、例えばアルミニウム等の軽量かつ加工容易性に優れる材料を用いた押出型材によって構成され、扁平な形状をなしている。
本体部12の内部空間には、トラス状をなす複数のリブ13が設けられている。リブ13は、例えば本体部12の押出成形時に本体部12と一体に形成される。これらのリブ13により、本体部12の内部空間には、当該本体部12の長手方向に延在する断面三角形状の中空部Fが本体部12の幅方向に複数配列されている。本実施形態では、中空部Fは、断面形状において三角形の底面が載置面12a側を向く一つの第1の中空部FAと、断面形状において三角形の底面が載置面12aと反対側の面(以下、反対面12bと称す)側を向く二つの第2の中空部FBとを含んでいる。
また、本実施形態では、本体部12の長手方向の一端面12c及び他端面12dは、いずれも中空部Fが露出しないように壁部14が設けられた閉鎖端となっている。さらに、本体部12の反対面12bには、気柱共鳴孔部Hが設けられている。気柱共鳴孔部Hは、本体部12の長手方向に延在する中空部Fを外部に連通させることにより、気柱共鳴を生じさせる孔(開口)である。
かかる構成により、中空部F内で定在波が発生し、気柱共鳴孔部Hの位置からの中空部Fの長さで定まる共鳴周波数において、気柱共鳴孔部Hの開口端周りの空気の粘性抵抗によって吸音効果が奏される。本実施形態のように、本体部12の長手方向の一端面12c及び他端面12dが閉鎖端となっている場合、気柱共鳴孔部Hと閉鎖端との間で発生する定在波の周期λと、中空部Fの長さ(気柱共鳴孔部Hから閉鎖端までの距離)Lとの間には、L=1/4λ(=3/4λ、=5/4λ…)の関係式が成り立つ。また、共鳴周波数と周期λとの間には、音速をvとした場合にf=v/λの関係式が成り立つ。したがって、この荷物棚11では、本体部12の長さL及び気柱共鳴孔部Hの位置を変えることで、所望の周波数帯域の音を選択的に吸音できる。
本実施形態では、二つの気柱共鳴孔部H1,H2が反対面12bに設けられている。気柱共鳴孔部H1,H2は、図3に示すように、断面円形状をなし、反対面12bにおいて二つの第2の中空部FBのそれぞれと連通するように設けられている。また、気柱共鳴孔部H1,H2は、本体部12における長手方向の位置が互いに異なるように二つの第2の中空部FBに対して設けられている。
図3の例では、一方の第2の中空部FBに対して設けられた気柱共鳴孔部H1では、閉塞端である一端面12cまでの距離L1が500mm、閉塞端である他端面12dまでの距離L2が3000mmとなっている。したがって、この気柱共鳴孔部H1によって吸音される音の周波数は、約170Hz及び約28Hzと見積もられる。また、他方の第2の中空部FBに対して設けられた気柱共鳴孔部H2では、閉塞端である一端面12cまでの距離L3が1500mm、閉塞端である他端面12dまでの距離L4が2000mmとなっている。したがって、この気柱共鳴孔部H2によって吸音される音の周波数は、約57Hz及び約43Hzと見積もられる。ただし、気柱共鳴孔部H1,H2によって吸音される音の周波数は、孔形状による開口端補正によって若干シフトすることがある。
また、図2及び図3に示すように、気柱共鳴孔部H1,H2の開口端には、吸音材15が配置され得る。吸音材15は、気柱共鳴孔部H1,H2の開口端から10mm〜20mm程度までの範囲で孔の内側に配置されている。また、閉塞端である一端面12c及び他端面12dにおいて、壁部14の内面全体にも吸音材16が配置され得る。吸音材16は、壁部14の内面から10mm〜20mm程度までの範囲で配置されている。吸音材15,16としては、例えばグラスウール、連続気泡発泡樹脂等を用いることができる。
以上説明したように、荷物棚11では、本体部12の長手方向に延在する中空部Fが気柱共鳴孔部Hによって外部に連通している。かかる構成により、中空部F内で定在波が発生し、気柱共鳴孔部Hの位置からの中空部Fの長さで定まる共鳴周波数において、気柱共鳴孔部Hの開口端周りの空気の粘性抵抗によって吸音効果が奏される。したがって、荷物棚11では、本体部12の長さ及び気柱共鳴孔部Hの位置を変えることで、所望の周波数帯域の音を選択的に吸音できる。また、この吸音効果は、荷物棚11における中空部F及び気柱共鳴孔部Hの形成によって実現されるので、鉄道車両1の内部構成に対する影響も抑えることができる。
また、本実施形態では、本体部12の長手方向の一端面12c及び他端面12dが、いずれも中空部Fが露出しないように壁部14が設けられた閉鎖端となっている。そして、気柱共鳴孔部Hは、本体部12の反対面12bに設けられている。このような構成により、気柱共鳴孔部Hの位置によって吸音させる周波数帯域を容易に調整できる。気柱共鳴孔部Hの位置によって吸音させる周波数帯域を調整するため、本体部12の長さを比較的長く構成できる。したがって、鉄道車両1の長手方向に対する荷物棚11の配置数を削減することが可能となる。また、載置面12aと反対側の面に気柱共鳴孔部Hが設けられているので、鉄道車両1に適用した際に気柱共鳴孔部Hが下方を向くこととなる。したがって、吸音効果の向上が図られる。
また、本実施形態では、本体部12の幅方向に複数の中空部Fが設けられており、本体部12における長手方向の位置が互いに異なるように、二つの第2の中空部FBのそれぞれに対して気柱共鳴孔部H1,H2が設けられている。このような構成により、複数の周波数帯域の音を選択的に吸音できる。したがって、鉄道車両の走行時等に発生する特定の周波数帯域の音への対策をより好適に実施できる。
図4は、荷物棚の変形例を示す平面図である。同図に示す荷物棚21は、気柱共鳴孔部Hの構成が上記実施形態と異なっている。より具体的には、荷物棚21では、本体部12の長手方向の一端面12cには、壁部14が設けられておらず、一端面12cは、中空部Fが露出するように気柱共鳴孔部Hが設けられた開放端となっている。また、本体部12の長手方向の他端面12dは、中空部Fが露出しないように壁部14が設けられた閉鎖端となっている。気柱共鳴孔部Hには、開口端から10mm〜20mm程度までの範囲で孔の内側に吸音材15が配置されている。また、閉鎖端においても、壁部14から10mm〜20mm程度までの範囲で吸音材16が配置されている。
この形態では、開放端である気柱共鳴孔部Hから閉塞端である他端面12dまでの距離Lが本体部12の長さによって可変となり、吸音させる周波数帯域を容易に調整できる。例えば本体部12の長さLを300mm〜1500mmとした場合、気柱共鳴孔部Hによって吸音される音の周波数は、57Hz〜280Hz程度と見積もられる。
図5は、荷物棚の別の変形例を示す平面図である。同図に示す荷物棚31は、気柱共鳴孔部Hの構成が上記実施形態と更に異なっている。より具体的には、荷物棚31では、本体部12の長手方向の一端面12c及び他端面12dには、壁部14が設けられておらず、一端面12c及び他端面12dは、いずれも中空部Fが露出するように気柱共鳴孔部Hが設けられた開放端となっている。気柱共鳴孔部Hには、開口端から10mm〜20mm程度までの範囲で孔の内側に吸音材15が配置されている。
この形態においても、開放端である気柱共鳴孔部Hから閉塞端である他端面12dまでの距離Lが本体部12の長さによって可変となり、吸音させる周波数帯域を容易に調整できる。本体部12の長手方向の一端面12c及び他端面12dが開放端となっている場合、気柱共鳴孔部Hと開放端との間で発生する定在波の周期λと、中空部Fの長さ(気柱共鳴孔部Hから開放端までの距離)Lとの間には、L=1/2λ(=2/2λ、=3/2λ…)の関係式が成り立つ。したがって、例えば本体部12の長さLを500mm〜3000mmとした場合、気柱共鳴孔部Hによって吸音される音の周波数は、57Hz〜340Hz程度と見積もられる。
次に、荷物棚の吸音効果の検証試験について説明する。この検証試験は、図3に示した形態に準じたサンプルA、図4に示した形態に準じたサンプルB、図5に示した形態に準じたサンプルCのそれぞれについて、吸音効果の周波数特性をシミュレーションにより算出したものである。各サンプルA〜Cにおいては、気柱共鳴孔部の開口端に吸音材を設けた場合及び吸音材を設けない場合のそれぞれについてシミュレーションを行った。
図6は、サンプルAについての検証結果を示す図である。サンプルAでは、荷物棚の本体部の長さを1040mmとし、本体部の長手方向の一端面及び他端面をいずれも閉塞端とした。また、本体部の反対面において、中空部の中央(閉鎖端からの距離L=520mm)に断面円形の気柱共鳴孔部を配置した。図6の横軸は周波数、縦軸は音圧レベルである。縦軸の1目盛りは5dBである。同図に示すように、サンプルAでは、130Hz近傍に吸音のピークが存在し、ピーク付近では、音圧の基準値Sに対して21dB程度の吸音効果があることが確認できる。吸音材を設けた場合は、吸音材を設けない場合と比べて、ピーク付近の吸音効果は同程度であるが、それ以外の周波数帯域において若干の吸音効果の向上が認められた。
図7は、サンプルBについての検証結果を示す図である。サンプルBでは、荷物棚の本体部の長さを1040mmとし、本体部の長手方向の一端面を開放端とし、他端面を閉鎖端とした。図7の横軸は周波数、縦軸は音圧レベルである。縦軸の1目盛りは5dBである。同図に示すように、サンプルBでは、80Hz近傍に吸音のピークが存在し、ピーク付近では、音圧の基準値Sに対して19dB程度の吸音効果があることが確認できる。また、サンプルBでは、250Hz近傍にも吸音のピークが存在し、ピーク付近では、音圧の基準値Sに対して20dB程度の吸音効果があることが確認できる。当該ピークは、L=3/4λに対応するものである。吸音材を設けた場合は、吸音材を設けない場合と比べて、ピーク付近の吸音効果は同程度であるが、それ以外の周波数帯域において最大5dB程度の吸音効果の向上が認められる。
図8は、サンプルCについての検証結果を示す図である。サンプルCでは、荷物棚の本体部の長さを1040mmとし、本体部の長手方向の一端面及び他端面をいずれも開放端とした。図8の横軸は周波数、縦軸は音圧レベルである。縦軸の1目盛りは5dBである。同図に示すように、サンプルBでは、80Hz近傍に吸音のピークが存在し、ピーク付近では、音圧の基準値Sに対して20dB程度の吸音効果があることが確認できる。吸音材を設けた場合は、吸音材を設けない場合と比べて、ピーク付近の吸音効果は同程度であるが、それ以外の周波数帯域において最大5dB程度の吸音効果の向上が認められる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、トラス状のリブ13によって本体部12の内部空間に断面三角形状の複数の中空部Fを形成していたが、中空部Fの断面形状は、断面矩形、断面円形、断面多角形等の他の形状であってもよい。また、リブ13は必ずしも設けなくてもよく、中空部Fは単数であってもよい。また、上記実施形態では、扁平な本体部12を例示したが、鉄道車両1の側構体3への固定に用いる枠体或いは棒部材等が本体部12に一体化されていてもよい。
また、図2及び図3に示した形態では、本体部12の反対面12bに断面円形状の気柱共鳴孔部H1,H2が設けられているが、図9に示す荷物棚41のように、気柱共鳴孔部H1,H2に代えて、複数の中空部Fを露出させる切欠部20を反対面12bに設けるようにしてもよい。図9の例では、切欠部20は、本体部12の長手方向の中央となる位置で本体部12の幅方向に延在している。切欠部20の形成位置では、載置面12aと、複数の中空部Fを形成している各リブ13のうち、載置面12a側の1/3程度が残存している。これにより、複数の中空部Fが外部と連通した状態となり、気柱共鳴孔部Hが構成されている。気柱共鳴孔部Hには、開口端から10mm〜20mm程度までの範囲で孔の内側に吸音材15が配置されている。また、閉鎖端においても、壁部14から10mm〜20mm程度までの範囲で吸音材16が配置されている。
このような形態においても、気柱共鳴孔部Hの位置によって吸音させる周波数帯域を容易に調整できる。気柱共鳴孔部Hの位置によって吸音させる周波数帯域を調整するため、本体部12の長さを比較的長く構成できる。したがって、鉄道車両1の長手方向に対する荷物棚11の配置数を削減することが可能となる。また、載置面12aと反対側の面に気柱共鳴孔部Hが設けられているので、鉄道車両1に適用した際に気柱共鳴孔部Hが下方を向くこととなる。したがって、吸音効果の向上が図られる。なお、図9の例では、切欠部20が本体部12の幅方向に延在しているが、切欠部20は、本体部12の幅方向に対して斜めに延在していてもよい。また、図9の例では、本体部12の長手方向の中央となる位置に切欠部20が設けられているが、切欠部20の形成位置は、長手方向の中央に限られず、吸音させる音の周波数帯域の狙い値に応じて任意に設定可能である。
1…鉄道車両、3…側構体、11,21,31,41…荷物棚、12…本体部、12a…載置面、12b…反対面、12c…一端面、12d…他端面、15,16…吸音材、20…切欠部、F…中空部、H…気柱共鳴孔部。

Claims (10)

  1. 荷物を載置する載置面が長手方向に沿って設けられた本体部を備え、
    前記本体部は、前記長手方向に延在する中空部と、前記中空部と外部とを連通させる気柱共鳴孔部とを有している荷物棚。
  2. 前記本体部の前記長手方向の一端面及び他端面は、いずれも前記中空部が露出しないように壁部が設けられた閉鎖端となっており、
    前記気柱共鳴孔部は、前記本体部において前記載置面と反対側の面に設けられている請求項1記載の荷物棚。
  3. 前記本体部は、前記中空部を複数有し、
    前記気柱共鳴孔部は、前記本体部における前記長手方向の位置が互いに異なるように前記複数の中空部に対して設けられている請求項2記載の荷物棚。
  4. 前記本体部は、前記中空部を複数有し、
    前記気柱共鳴孔部は、前記複数の中空部を露出させる切欠部によって構成されている請求項2記載の荷物棚。
  5. 前記本体部の前記長手方向の一端面は、前記中空部が露出するように前記気柱共鳴孔部が設けられた開放端となっており、
    前記本体部の前記長手方向の他端面は、前記中空部が露出しないように壁部が設けられた閉鎖端となっている請求項1記載の荷物棚。
  6. 前記本体部の前記長手方向の一端面及び他端面は、いずれも前記中空部が露出するように前記気柱共鳴孔部が設けられた開放端となっている請求項1記載の荷物棚。
  7. 前記気柱共鳴孔部の開口端及び前記閉鎖端の少なくとも一方には、吸音材が配置されている請求項2〜4のいずれか一項記載の荷物棚。
  8. 前記開放端及び前記閉鎖端の少なくとも一方には、吸音材が配置されている請求項5記載の荷物棚。
  9. 前記本体部の一面側及び他面側の前記開放端の少なくとも一方には、吸音材が配置されている請求項6記載の荷物棚。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項記載の荷物棚が側構体の内側上部に固定された鉄道車両。
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