JP2019048441A - インクジェット装置および回収装置 - Google Patents

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祐輔 今橋
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Abstract

【課題】 長期間に渡ってインクミストの回収性能を維持することができる装置の提供。【解決手段】 ヘッドからのインク吐出に伴って生じるインクミストを回収する回収部であって、円筒表面に貫通孔が形成された回転体と、円筒表面に設けられ液体を掻き寄せるブレードと、円筒表面の周りを所定の隙間をもって囲むように形成されブレードと接触する摺動面と、回転体の円筒内部から液体を排出させる排出部とを有する。回転体が回転すると、インクミストが液化した液体が貫通孔を経て円筒内部に導入され、導入された液体は排出部により円筒内部から外に排出される。【選択図】 図10

Description

本発明はインクジェット装置におけるインクミストの回収技術に関する。
特許文献1には、インクジェットヘッドからインクを吐出する際に発生する微小なインク滴(インクミスト)を多孔質体からなるフィルタにより捕捉するミスト回収装置が開示されている。
特開2005−271314号公報
特許文献1のように多孔質体のフィルタでインクミストを捕捉する場合には、インクミストが多孔質体上に堆積してインク固着によりフィルタが目詰まりする可能性がある。これは使用するインクが顔料成分を含む顔料インクである場合にとくに顕著となる。したがって、長期間に渡ってミスト回収性能の低下をいかに抑制するかが、装置の実用化にあたっての課題である。
本発明は、インクを吐出するヘッド、および前記ヘッドからのインク吐出に伴って生じるインクミストを回収する回収部を有するインクジェット装置であって、前記回収部は、円筒表面に貫通孔が形成された回転体と、前記円筒表面に設けられ液体を掻き寄せるブレードと、前記円筒表面の周りを所定の隙間をもって囲むように形成され前記ブレードと接触する摺動面と、前記回転体の円筒内部から液体を排出させる排出部とを有し、前記回転体を回転させて前記ブレードで前記摺動面の液体を掻き寄せながら前記排出部により液体を排出させることを特徴とする。
本発明によれば、長期間に渡ってインクミストの回収性能の低下が抑制される優れた装置が実現する。
記録システムの概要図 記録ユニットの斜視図 図2の記録ユニットの変位態様の説明図 図1の記録システムの制御系のブロック図 図1の記録システムの制御系のブロック図 図1の記録システムの動作例の説明図 図1の記録システムの動作例の説明図 記録ヘッドとミスト回収ユニットの配置を示す構成図 ミスト回収ユニットの外観を示す斜視図 ミスト回収ユニットの内部構成を示す断面図 図10における部分断面図 駆動部の構造を示す断面図 ブレードの変形例を示す図
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
<記録システム>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本例では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本例では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。インクの成分については、特に限定はないが、本例では、色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いる場合を想定する。
<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1、図2、図8を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図、図8は記録ユニット3の断面図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
本例の場合、各記録ヘッド30は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。本例の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であるため、複数の記録ヘッド30は、放射状に配置されている。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。
本例の場合、記録ヘッド30は、9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば、色材が異なるインクであり、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク等のインクである。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出する構成であってもよい。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。
図8に示すように、9つの記録ヘッド30の中の隣り合う2つの記録ヘッドに挟まれた8つの位置にはそれぞれ、記録ヘッドからインクを吐出した際に発生するインクミストを回収するミスト回収ユニット33が設けられている。さらに、最上流の記録ヘッド30に上流側で隣接する位置、および最下流の記録ヘッド30に下流側で隣接する位置にもミスト回収ユニット33が設けられている。つまり、記録ヘッド30とミスト回収ユニット33が、転写体2の外周面に沿って交互に放射状に配置されている。それぞれのミスト回収ユニット33は、ユニットハウジングの下部に、転写体2の表面に向けて空気を吹き出す吹出口と空気を吸い込む吸込口とを備えている。外部ユニット220は負圧発生部、加圧発生部、液体供給部、廃液回収部などを含み、複数のミスト回収ユニット33それぞれと配管で接続されている。吹出口から清浄な空気を吹き出しつつ吸込口から空気を吸い込むことで、記録ヘッドから発生したインクミストが装置内に広く拡散する前に効果的にミスト回収する。
キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30および複数のミスト回収ユニット33を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面側の端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2との表面の隙間をより精密に維持することができる。キャリッジ31は、案内部材RLの案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本例の場合、案内部材RLは、Y方向に延設されたレール部材であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の各側部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内部材RLと係合し、案内部材RLに沿ってY方向にスライドする。
図3は記録ユニット3の変位態様を示しており、記録システム1の右側面を模式的に示した図である。記録システム1の後部には回復ユニット12が設けられている。回復ユニット12は記録ヘッド30の吐出性能を回復する機構を有する。そのような機構としては、例えば、記録ヘッド30のインク吐出面をキャッピングするキャップ機構、インク吐出面をワイピングするワイパ機構、インク吐出面から記録ヘッド30内のインクを負圧吸引する吸引機構を挙げることができる。
案内部材RLは、転写体2の側方から回復ユニット12に渡って延設されている。記録ユニット3は、案内部材RLの案内により、実線で記録ユニット3を示した吐出位置POS1と、破線で記録ユニット3を示した回復位置POS3との間で変位可能であり、不図示の駆動機構により移動される。
吐出位置POS1は、記録ユニット3が転写体2にインクを吐出する位置であり、記録ヘッド30のインク吐出面が転写体2の表面に対向する位置である。回復位置POS3は、吐出位置POS1から退避した位置であり、記録ユニット3が回復ユニット12上に位置する位置である。回復ユニット12は記録ユニット3が回復位置POS3に位置した場合に、記録ヘッド30に対する回復処理を実行可能である。本例の場合、記録ユニット3が回復位置POS3に到達する前の移動途中においても回復処理を実行可能である。吐出位置POS1と回復位置POS3の間には予備回復位置POS2がある。回復ユニット12は記録ヘッド30が吐出位置POS1から回復位置POS3へ移動している間に、予備回復位置POS2において記録ヘッド30に対する予備的な回復処理を実行可能である。
<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写ドラム41(転写胴)と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写ドラム41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写ドラム41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
転写ドラム41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写ドラム41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写ドラム41の外周面に等ピッチで円弧状に配置することができる。
転写ドラム41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写ドラム41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3およびR4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。
吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本例の場合、反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出してインク像を形成する形成領域である。吐出後処理領域R3およびR4はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域であり、吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域である。転写領域R5は転写ユニット4により転写体2上のインク像が記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R6は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。
本例の場合、吐出領域R2は、一定の区間を有する領域である。他の領域R1、R3〜R6は、吐出領域R2に比べるとその区間は狭い。時計の文字盤に喩えると、本例の場合、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R4は概ね4時の位置である。転写領域R5は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R6は概ね8時の領域である。
転写体2は、単層から構成してもよいが、複数層の積層体としてもよい。複数層で構成する場合、例えば、表面層、弾性層、圧縮層の三層を含んでもよい。表面層はインク像が形成される画像形成面を有する最外層である。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速記録時においても転写性を維持することができる。弾性層は表面層と圧縮層との間の層である。
表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。表面層には、反応液の濡れ性、画像の転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
圧縮層の材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。このようなゴム材料の成形時には、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質のゴム材料としてもよい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがあるが、いずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料を用いることができる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。また、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で有利である。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも有利である。
表面層と弾性層の間、弾性層と圧縮層の間には、これらを固定するために各種接着剤や両面テープを用いることもできる。また、転写体2は、転写ドラム41に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を含んでもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体2は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けてもよい。記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。
転写ドラム41と圧胴42とを駆動するモータ等の駆動源は、これらに共通とし、歯車機構等の伝達機構により、駆動力を分配することができる。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Dは転写ドラム2の周囲に配置されている。本例の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。
インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。
加熱ユニット5Cは、転写前に、転写体2上のインク像を加熱する機構である。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。
清掃ユニット5Dは、転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
以上の通り、本例では、付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dを周辺ユニットとして備えるが、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与するか、あるいは、冷却ユニットを追加してもよい。本例では、加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。
冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。また、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体Pを、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体Pを受け渡されるように、その把持動作および解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、記録媒体Pの反転用の搬送胴である。記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体Pの裏面が転写ドラム41に面することになり、裏面にインク像が転写される。
チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
<検査ユニット>
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
本例の場合、検査ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。本例の場合、検査ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮像範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。検査ユニット9Aにより全ての記録画像の検査を行ってもよいし、所定数毎に検査を行ってもよい。
本例の場合、検査ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本例の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであってもよい。
<制御ユニット>
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
本例の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137を含む。
処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、CPU131が実行するプログラムや、データを格納し、また、CPU131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。
画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図4において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信IF135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図5に示すように、エンジンコントローラ13Bは、各種の制御部14、15A〜15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。
転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御、吸収ユニット5Bの制御、加熱ユニット5Cの制御、および清掃ユニット5Dの制御を行う。信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。搬送制御部15Dは、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9Bの制御、および検査ユニット9Aの制御を行う。
センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等が含まれる。
<動作例>
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写ドラム41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写ドラム41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざりあうことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが吸収ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように吸収ユニット5Bによりインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように加熱ユニット5Cによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより記録媒体Pが搬送される。
状態ST5に示すように、インク像IMと記録媒体Pとが転写体2と圧胴42とのニップ部に到達し、記録媒体Pにインク像IMが転写され、記録物P’が製造される。ニップ部を通過すると、記録物P’に記録された画像が検査ユニット9Aにより撮影され、記録画像が検査される。記録物P’は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。
転写体2上のインク像IMが形成されていた部分は、清掃ユニット5Dに到達すると状態ST6に示すように清掃ユニット5Dにより清掃される。清掃後、転写体2は一回転したことになり、同様の手順で記録媒体Pへのインク像の転写が繰り返し行われる。上記の説明では理解を容易にするために、転写体2の一回転で一枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が一回行われるように説明したが、転写体2の一回転で複数枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が連続的に行うことができる。
このような記録動作を継続していくと、各記録ヘッド30のメンテナンスが必要となる。図7は各記録ヘッド30のメンテナンスの際の動作例を示している。状態ST11は、吐出位置POS1に記録ユニット3が位置している状態を示す。状態ST12は、記録ユニット3が予備回復位置POS2を通過している状態を示し、通過中に回復ユニット12により記録ユニット3の各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。その後、状態ST13に示すように、記録ユニット3が回復位置POS3に位置した状態で、回復ユニット12により各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。
上記実施形態では、記録ユニット3が複数の記録ヘッド30を有するが、一つの記録ヘッド30を有してもよい。記録ヘッド30はフルラインヘッドでなくてもよく、記録ヘッド30をY方向に走査させながらインク像を形成するシリアル方式であってもよい。
記録媒体Pの搬送機構は、ローラ対によって記録媒体Pを挟持して搬送する方式等、他の方式であってもよい。ローラ対によって記録媒体Pを搬送する方式等においては、記録媒体Pとしてロールシートを用いてもよく、転写後にロールシートをカットして記録物P’を製造してもよい。上記実施形態では、転写体2を転写ドラム41の外周面に設けたが、転写体2を無端の帯状に形成し、循環的に走行させる方式等、他の方式であってもよい。
<ミスト回収ユニットの詳細>
以下、装置内の空気中に浮遊するインクミスト(以降単にミストと呼ぶ場合もある)を回収するミスト回収ユニットの詳細構造について説明する。
図9は、図8におけるミスト回収ユニット33のうち一つを取り出したときの外観を示す斜視図である。回収部のハウジング34(ユニット筐体)は、記録ヘッド30(ラインヘッド)の長手方向と同じ方向に長尺の形状を有している。ハウジング34の端部には、給液の液導入口51、排液の排出部52、ハウジング内に空気を送り込む空気導入口50が設けられている。また、ユニット底面には転写体(媒体)の表面に向けて下方に空気を吹き出す吹出孔54、および転写体(媒体)表面に漂うミストを含む空気をユニット内部に吸い込む吸込口168(図9では不図示)が配されている。さらにハウジング3の内部には、中空回転体56が内蔵されている。
図9(b)は中空回転体56の形状を示す。中空回転体56は内部が中空の細長い円筒状に形成されたローラ形状を有している。その円筒表面に螺旋状に形成されたブレード57が設けられている。さらに中空回転体56の円筒表面には円筒内部に通じる多数の貫通孔58が形成されている。なお、中空回転体56の円筒表面にブレード57とともに液体を吸収する多孔質体を配してもよい。
図10はミスト回収ユニット33の内部構造を示す。図10(a)は内部構造を示す断面図、図10(b)は図10(a)のB−B‘断面を示す。ミスト回収ユニット33は、1つのハウジング34に種々の機能部が内包されている。主要なものは、中空回転体56、給水部165である。中空回転体56は内部が中空の円筒状に形成されたローラ形状を有しており、駆動部で与えられる回転力より図中矢印161方向に回転する。中空回転体56は内部に空間164を有している。また、中空回転体56の円筒面の周囲に所定の隙間をもって取り囲む円筒内面形状の摺動面162が設けられている。ブレード57は摺動面162に軽く接触し、中空回転体56が回転するとブレード56の先端が摺動面162に接触しながら回転する。
図12は中空回転体56を回転させるための駆動部56の構造を示す断面図である。図12(a)は図10に示したB−B‘断面、図12(b)は図12(a)のC−C‘断面をそれぞれ示す。中空回転体56の端部には、回転駆動力が入力される回転体301(摺動体またはギア)が結合されている。モータ302の回転駆動力は伝達回転体303(摺動体またはギア)により回転体301に伝達され、回転軸64および多孔質回転体63が回転する。
図10に戻って、ミスト回収ユニット33の底部に設けられた吹出口55はラインヘッドの長手方向に沿って細長いスリット状に形成されたものである。吹出口55から空気を吹き出すために、外部ユニット220(図8参照)が備える加圧ポンプ221を含む加圧発生部により加圧空気が生成されて送られる。この加圧発生部は複数のミスト回収ユニット33に対して共通に設けられたものである。加圧発生部につながる配管は、外ハウジングの一端部に設けられ空気導入口50(図9(a)参照)に接続される。
1つのミスト回収ユニット33において、ハウジング34の内部の上部空間は、吹出口に供給する空気圧力を長手方向に沿って均一の圧力に緩衝する導入バッファ室166となっている。導入バッファ室166に供給された加圧空気は、吹出部167を経てユニット長手方向に均一な加圧空気として供給される。図11は図10におけるA−A‘の断面図である.吹出部72には長手方向に沿って複数の貫通孔81が一定間隔(例えば1.5mm間隔)で形成されている。なお、複数の貫通孔81は流量分布を均等にすることが目的であり.非等間隔に形成しても良いし、1つまたは複数のスリット孔であってもよい。
図10を用いて、中空回転体56によりインクミストを含んだ空気を回収する作用について説明する。中空回転体56の一端部には排出部52が設けられ、排出部52は負圧経路210により外部ユニット220(図8参照)が備える負圧発生部および廃液回収部に接続されている。ミスト回収動作を行う印刷実行中は、排出部52および中空回転体56の内部空間164に負圧を供給するとともに、中空回転体56が一定速度で回転を続ける。この状態において、ミスト回収ユニット33の下部に漂うミストを含んだ空気は、吸込口168に露出している中空回転体56の円筒表面に向かう。一部の空気は円筒表面に形成された多数の貫通孔58から負圧となっている内部空間164に吸い込まれる(図中の破線矢印163)。また、吸込口168より吸い込まれた空気の一部は、ブレード57と回収機構の摺動面162の間の狭い隙間に入り込んで流れる。隙間に入り込んだ空気は、多数の貫通孔58から負圧となっている内部空間164に吸い込まれる。空気が狭い隙間を流れる際に気流が増速される。この増速により、中空回転体56の円筒表面、摺動面162、ブレード57の壁面にミストが慣性衝突してミスト捕捉作用が促進される。これらの箇所で液状化した廃液は、回転する螺旋状のブレード57により中空回転体の端まで送液されて、端部に接続されている排出部52に排出される。排出部52は負圧経路210により負圧で引かれているので空気とともに廃液も外に排出される。また、内部空間164において液化した廃液も同様に排出部52から外に排出される。
本装置は、洗浄のため給水部165から洗浄液(本例では純水)を供給しながら中空回転体56を回転させる。摺動面162には複数の給水孔166がユニット長手方向に沿って一定間隔で設けられている。給水部165からの洗浄液は、複数の給水孔166それぞれを通って中空回転体56と摺動面162の間に供給される。その一部は貫通孔58より中空回転体56の内部空間164に流入し、円筒表面と円筒内部を清掃する(図10(b)矢印501)。また供給された洗浄液の残りは、回転する螺旋ブレードにより排出部52まで送られて円筒表面とブレードを清掃する(図10(b)矢印502)。この洗浄動作は、印刷中のミスト回収動作と同時に行ってもよいし、印刷実行とは異なるメンテナンス動作として定期的に行うようにしてもよい。
なお、中空回転体56は螺旋ブレードに変えて、図13に示すような直線ブレード401としてもよい。直線ブレード401は複数枚とすることが好ましい。直線ブレード401は螺旋状ではないので送液効果はないが、本体摺動面162に付着した廃液がブレードで掻き取られて、複数の貫通孔58から中空回転体56の内部空間に吸引されて、排出部52から空気とともに外に排出される。
以上のように本実施形態では、中空回転体56が回転しながら中空回転体56の内部にインクミストが液化した廃液を回収する。廃液を回収および排出しながらミスト回収を行うので、長期間に渡ってメンテナンスが不要で回収性能が維持される優れたインクジェット装置が実現する。
なお、以上インジェット記録装置(プリンタ)におけるミスト回収について説明してきたが、本発明はプリンタに限らず、インクジェットヘッドを備えたプリント以外の用途のインクジェット装置におけるミスト回収に広く適用することができる。
33 ミスト回収ユニット
52 排出口(排出部)
55 駆動部
56 中空回転体
57 ブレード
58 貫通孔
166 給液孔
210 負圧経路

Claims (9)

  1. インクを吐出するヘッド、および前記ヘッドからのインク吐出に伴って生じるインクミストを回収する回収部を有するインクジェット装置であって、
    前記回収部は、円筒表面に貫通孔が形成された回転体と、前記円筒表面に設けられ液体を掻き寄せるブレードと、前記円筒表面の周りを所定の隙間をもって囲むように形成され前記ブレードと接触する摺動面と、前記回転体の円筒内部から液体を排出させる排出部とを有し、前記回転体を回転させて前記ブレードで前記摺動面の液体を掻き寄せながら前記排出部により液体を排出させることを特徴とするインクジェット装置。
  2. 前記排出部には負圧が与えられ、負圧により前記貫通孔から前記円筒内部に液体が導入されるとともに前記円筒内部から液体が排出されることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット装置。
  3. 前記ヘッドはラインヘッドであり、前記回転体は前記ラインヘッドの長手方向に長い形状を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット装置。
  4. 前記ブレードは前記円筒表面に螺旋状に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のインクジェット装置。
  5. 前記円筒表面に前記液体とは異なる洗浄液を供給する手段をさらに有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  6. 前記回収部の底部には、空気を吹き出す吹出口と空気を吸い込む吸込口とが設けられていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  7. 複数の前記ラインヘッドと複数の前記回収部が交互に並べて配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のインクジェット装置。
  8. 転写ドラムの表面に沿って、複数の前記ラインヘッドと複数の前記回収部が放射状に配置されており、前記複数のラインヘッドにより前記転写ドラムに形成したインク像を記録媒体に転写することを特徴とする、請求項7に記載のインクジェット装置。
  9. 空気中に浮遊するインクミストを回収する回収装置であって、
    円筒表面に貫通孔が形成された回転体と、前記円筒表面に設けられ液体を掻き寄せるブレードと、前記円筒表面の周りを所定の隙間をもって囲むように形成され前記ブレードと接触する摺動面と、前記回転体の円筒内部から液体を排出させる排出部とを有し、前記回転体を回転させて前記ブレードで前記摺動面の液体を掻き寄せながら前記排出部により液体を排出させることを特徴とする回収装置。
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