JP2019036036A - 搬送システムの走行制御方法及び走行制御装置 - Google Patents

搬送システムの走行制御方法及び走行制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送移動車両によるコーナリング中、駆動エネルギーロスを抑制すること。【解決手段】予め定められた走行ルートを、牽引車両1で台車2,3,4を牽引する形式の搬送移動車両5により走行する無人搬送システムの走行制御方法である。台車2,3,4の減速機構は、牽引機能を有する牽引車両1の減速によって生じる慣性入力で制動ブレーキ42,43,44が作動する仕組とする。上限コーナリング速度Vcmaxを用いて速度プロファイルを生成する際、搬送移動車両5が走行ルートの直線部61を走行中、曲線部60が開始される前の曲線部開始手前点aに到達すると、曲線部60に入るまでに直線部上限速度Vsmaxから上限コーナリング速度Vcmax以下のコーナリング速度Vcまで減速する。曲線部60に入ると、牽引車両1及び台車2,3,4が曲線部60を走破するまでのコーナリング中、減速することなく走行する。【選択図】図7

Description

本開示は、予め定められた走行ルートを、牽引車両で被牽引車両を牽引する形式の搬送移動車両により走行する搬送システムの走行制御方法及び走行制御装置に関する。
従来、管制塔T80と牽引車T90を備え、管制塔T80は、無人搬送車T30を予め定められた走行路を走行させる時の少なくとも積載重量の情報を取得する。そして、この取得した情報に基いた要求駆動力に対し無人搬送車T30の駆動力が不足する時に、無人搬送車T30に牽引車T90を連結させて予め定められた走行路を走行させる無人搬送車の搬送システムが知られている(特許文献1を参照)。
特開2016−20131号公報
しかしながら、上記従来例にあっては、無人搬送車により牽引される牽引車に、駆動機構が必要となりコスト高となる。そこで、減速機構のみを設けた被牽引車両を設定することが考えられる。減速機構として、一般的に無人搬送車の減速によって生じる慣性入力でブレーキが作動する仕組とする手法が考えられる。しかし、この手法では、減速をしながら走行ルートの曲線部に入りコーナリングを開始すると、被牽引車両に減速慣性が入力され、被牽引車両の慣性ブレーキを作動させたままでコーナリングに入ってしまう。このため、特に、無人搬送システムのような複数の台車を牽引する搬送移動車両においては、コーナリング中に発生する制動フリクションが、制動力無しのフリー状態と比べて増大し、電費や燃費のロスが生じる、という問題があった。
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、搬送移動車両によるコーナリング中、駆動エネルギーロスを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、予め定められた走行ルートを、牽引車両で被牽引車両を牽引する形式の搬送移動車両により走行する。
この搬送システムの走行制御方法において、被牽引車両の減速機構は、牽引機能を有する牽引車両の減速によって生じる慣性入力でブレーキが作動する仕組とする。
走行ルートに沿って搬送移動車両が走行するとき、牽引車両と被牽引車両の仕様によって物理的に決定される上限コーナリング速度を用いて速度プロファイルを生成する。
搬送移動車両が走行ルートの直線部を走行中、曲線部が開始される前の曲線部開始手前点に到達すると、曲線部に入るまでに直線部速度から上限コーナリング速度以下のコーナリング速度まで減速する。
曲線部に入ると、牽引車両及び被牽引車両が曲線部を走破するまでのコーナリング中、減速することなく走行する。
このように、コーナリング中は減速することなく走行し、コーナリング中に被牽引車両にて発生し得る制動フリクションを抑えることで、搬送移動車両によるコーナリング中、駆動エネルギーロスを抑制することができる。
実施例1の走行制御方法及び走行制御装置が適用された無人搬送システムにおける走行環境の一例を示す走行環境説明図である。 実施例1の無人搬送システムでの牽引車両と複数の台車により構成される搬送移動車両の一例を示す図である。 実施例1の走行制御方法及び走行制御装置が適用された無人搬送システムの制御系構成を示す制御系構成図である。 実施例1における牽引車両に搭載されている自動運転用認識判断プロセッサの詳細構成を示す制御ブロック図である。 実施例1の速度プロファイル生成部に設定されている速度プロファイル特性とタイヤ実舵角プロファイル生成部に設定されているタイヤ実舵角プロファイル特性を示すプロファイル特性図である。 比較例における走行ルートでの直線部→曲線部→直線部へと走行するとき曲線部に差し掛かった際の搬送移動車両の模式と速度時系列の変化を示す作用説明図である。 実施例1における走行ルートでの直線部→曲線部→直線部へと走行するとき曲線部に差し掛かった際の搬送移動車両の模式と速度時系列の変化を示す作用説明図である。 実施例2における牽引車両に搭載されている自動運転用認識判断プロセッサの詳細構成を示す制御ブロック図である。 実施例2の速度プロファイル生成部に設定されている曲線部の速度プロファイル特性とタイヤ実舵角プロファイル生成部に設定されている曲線部のタイヤ実舵角プロファイル特性を示す曲線部プロファイル特性図である。 実施例2の代表例における走行ルートでの直線部→曲線部→直線部へと走行するとき曲線部に差し掛かった際の搬送移動車両の模式と速度時系列の変化を示す作用説明図である。 実施例2の変形例における走行ルートでの直線部→曲線部→直線部へと走行するとき曲線部に差し掛かった際の搬送移動車両の模式と速度時系列の変化を示す作用説明図である。
以下、本開示による搬送システムの走行制御方法及び走行制御装置を実現する最良の実施形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における走行制御方法及び走行制御装置は、無人運転の牽引車両により複数の台車(被牽引車両の一例)を牽引する形式の搬送移動車両により、工場においてラインオフした完成車を工場敷地内や埠頭等にて搬送する無人搬送システムに適用したものである。以下、実施例1の構成を、「無人搬送システムの走行環境構成」、「搬送移動車両の構成」、「無人搬送システムの制御系構成」、「自動運転用認識判断プロセッサの詳細構成」に分けて説明する。
[無人搬送システムの走行環境構成]
図1は、実施例1の走行制御方法及び走行制御装置が適用された無人搬送システムにおける走行環境の一例を示す。以下、図1に基づいて無人搬送システムの走行環境構成を説明する。
無人搬送システムは、限定されたエリア内における規定の走行ルート上を、無人自動運転による牽引車両により複数の台車を牽引する形式の搬送移動車両(V101〜V105)が、搬送対象である完成車を台車上に載せて目的地まで無人搬送するシステムである。
搬送対象を載せる場所は一か所(D101)であり、搬送対象を降ろす場所は複数地点(D102〜D105)存在する。なお、搬送対象を載せる場所と搬送対象を降ろす場所のそれぞれが複数箇所の場合でも良い。
また、走行ルートは専用の走行ルートではなく、ドライバーによる有人車両(O101〜O103)も同一エリアを走行し、無人の搬送移動車両(V101〜V105)と有人車両(O101〜O103)の交通を統制するルート内信号機(I101〜I104)が走行ルート上の各所に設置されている。なお、走行ルートを、無人の搬送移動車両(V101〜V105)の専用走行ルートとしても良い。
作業者は、載せ降し作業と次の目的地への発進作業を行う目的で、走行ルート上の載せ降し場(D101〜D105)の位置に、それぞれ1名ずつ配置している(ルート内作業者W101〜W105)。走行ルート外には、各システムのステータスを監視する目的で、屋内に設けられた管制室に1名配置している(管制室作業者W106)。
[搬送移動車両の構成]
図2は、実施例1の無人搬送システムでの牽引車両1と複数の台車2,3,4により構成される搬送移動車両5の一例を示す図である。以下、図2に基づいて、搬送移動車両5の構成を説明する。
搬送移動車両5は、図2に示すように、牽引車両1と、牽引車両1に対して連結された台車2,3,4(被牽引車両)と、を有する。
牽引車両1は、無人搬送システムのシステム稼働状態において、基本的に、無人運転による自動運転走行をする車両である。しかし、牽引車両1の車内には、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルを有し、ドライバーが乗り込んで、有人による自動運転走行や有人マニュアル運転も可能な車両である。
台車2,3,4は、搬送対象である完成車を乗せる荷台をそれぞれ有する被牽引車両である。台車2,3,4の互いの連結部には、油圧慣性カプラ12,13,14と、三方弁22,23,24と、パーキングブレーキ用手動ポンプ32,33,34と、が設定されている。これら油圧系統は、台車2,3,4のそれぞれの各輪に設定された制動ブレーキ42,43,44(例えば、ドラムブレーキ)に連結されている。
システム稼働状態(通常の無人運転状態)における三方弁22,23,24は、油圧慣性カプラ12,13,14と、制動ブレーキ42,43,44とを油圧系統で接続するように制御される。このため、走行中に牽引車両1が減速すると、その減速慣性が油圧慣性カプラ22,23,24にて油圧に変換され、その油圧に応じて制動ブレーキ42,43,44が制動力を発生することで、台車2,3,4を減速させる仕組となっている。
一方、システム休止状態や手動走行状態における三方弁22,23,24は、油圧慣性カプラ12,13,14に代え、パーキングブレーキ用手動ポンプ32,33,34と、制動ブレーキ42,43,44とを油圧系統で接続するように制御される。このため、レバー操作によりパーキングブレーキ用手動ポンプ32,33,34にて油圧が発生し、その油圧に応じて制動ブレーキ42,43,44が制動力を発生する。つまり、システム休止状態や手動走行状態において、台車2,3,4を制動停止状態とする手動パーキングブレーキとして活用することができる。
[無人搬送システムの制御系構成]
図3は、実施例1の走行制御方法及び走行制御装置が適用された無人搬送システムの制御系構成を示す。以下、図3に基づいて、無人搬送システムの制御系構成を説明する。
搬送移動車両V101〜V105のうち牽引車両1には、車載センサM101と、自動運転用認識判断プロセッサM102と、自動運転用制御コントローラM104と、を備える。
車載センサM101は、車両位置、車両運動量、車両周囲環境をセンシングデータとして取得する。なお、車載センサM101には、各搬送移動車両V101〜V105の位置を検出する車両位置検出手段としてのGPSシステム101aと、車両周囲環境を撮像する外界センサとしての車載カメラ101bを含む。これ以外に、自車速検出手段としての車速センサ101cと、ヨーレート検出手段としてのヨーレートセンサ101dと、物体検知手段としてのライダー/レーザ101eなどが車載センサM101として搭載されている(図4参照)。
自動運転用認識判断プロセッサM102は、車載センサM101からのセンシングデータと、地図/ルートデータM103に基づいて、自動運転により走行するための様々な認識判断を統合処理する。この自動運転用認識判断プロセッサM102では、コーナリング中のタイヤ実舵角と車速を決める走行制御処理も行う。
自動運転用制御コントローラM104は、自動運転用認識判断プロセッサM102による認識判断結果に基づいて、車両の「走る・曲がる・止まる」を制御するための各制御指令値を計算する。そして、計算された各制御指令値を、ステアリングM105、アクセルM106、ブレーキアクチュエータM107を制御するための各車両ECUに入力することで、目的地までの自律走行を実現するようにしている。
目的地や走行ルートは、地図/ルートデータM103に記録された仮想的な走行コースを追従走行するものであるが、AGV(Auto Guided Vehicle)のように、地上に埋設した磁気レール等の物理的な走行ルートを追従走行するものでも良い。
搬送移動車両V101〜V105へ指令を行う目的で、車室内には、運転席に乗車して有人状態での操作指令を行うための車内操作盤M108が車載されている。車室外には、無人状態での操作指令を行うための車外操作盤M109が、走行ルート上の載せ降し場(D101〜D105)のそれぞれの位置に設置されている。そして、車外操作盤M109へルート内作業者W101〜W105からの操作入力があると、シーケンサM110を介して自動運転用制御コントローラM104に伝え、自律走行を制御する。
車内操作盤M108と車外操作盤M109には、自律走行中でも強制的に停車させることを目的として、停止ボタンが設けられている。各停止ボタンが押されると、車載されたメカブレーキ機構M111がシーケンサM110を介して作動され、ブレーキアクチュエータM107のペダルに介入することで制動をかける。
メカブレーキ機構M111は、自律走行制御中でも独立して作動し、また、自律走行制御指令よりも優先して作動されるもので、外部からの停止指令の他、車両のシステムフェイルやレーン逸脱等の自己判断の処理結果に基づいても作動されるものとする。
車載したワイヤレスモジュールM112と無線通信して、車両とコミュニケーションを図り、自律走行を制御するものとして、管制室のリモートモニタ/コントローラM113を有する。リモートモニタ/コントローラM113には、各搬送移動車両V101〜V105のステータスを遠隔監視し、ステータス情報に基づいた個別停止指令や、地震等による運用困難な状況を想定した一斉停止指令が、基本機能として備わっている。
また、車載したワイヤレスモジュールM112は、その他の無線機器として、交差点等、コース上に設置された信号機M114(I101〜I104)とも交差点での発進/停止指令に関する無線通信を行っている。さらに、ルート内作業者W101〜W105は、それぞれリモートコントローラM115(遠隔操作機器)を所持しており、作業者付近で発生した異常時、車載したワイヤレスモジュールM112への無線通信で強制的に停止指令を送ることができる。
なお、このリモートコントローラM115には、GPSシステムが内蔵されており、ルート内作業者W101〜W105は運用中、常に携帯することで、管制室のリモートモニタ/コントローラM113からは、無線通信によりルート内作業者W101〜W105がエリア内のどの位置にいるかが分かる仕組みになっている。
最後に、車外に設置したスピーカ/回転灯M116を、車両ステータスや車両動作(一時停止、再発進、右左折、障害物停止、目的地停止、異常停止、等)に基づいて制御し、視覚的聴覚的に周囲へ注意喚起を行う。
[自動運転用認識判断プロセッサの詳細構成]
図4は、実施例1における牽引車両1に搭載されている自動運転用認識判断プロセッサM102の詳細構成を示す。以下、図4に基づいて、自動運転用認識判断プロセッサM102の詳細構成を説明する。
自動運転用認識判断プロセッサM102は、CPU,ROM,RAM等から構成され、図4に示すように、走行ルート生成部102aと、車線白線検出部102bと、走行車線検出部102cと、他車両検出部102dと、を備える。そして、状況判断部102eと、逸脱閾値設定部102fと、逸脱閾値判断部102gと、速度プロファイル生成部102hと、タイヤ実舵角プロファイル生成部102iと、を備える。
走行ルート生成部102aは、GPSシステム101aからの自車位置情報と、地図/ルートデータM103からの道路情報とを入力する。そして、出発地から目的地までの予定走行ルートが決まると、道路(走行車線)のセンタ位置と自車の車両前後方向中心線が一致するように走行ルートを生成する。
車線白線検出部102bは、車載カメラ101bからの自車周囲の画像情報を入力する。そして、画像処理により車線白線を検出する。
走行車線検出部102cは、車載カメラ101bからの自車周囲の画像情報を入力する。そして、画像処理により自車の走行車線を検出する。
他車両検出部102dは、車載カメラ101bからの自車周囲の画像情報と、ライダー/レーザ101eからの自車周囲の物体存在情報を入力する。そして、画像処理により物体と認識された領域に物体が存在することにより、他車両を検出する。
状況判断部102eは、走行ルート生成部102aからの走行ルート情報と、車速センサ101cからの車速情報と、ヨーレートセンサ101dからのヨーレート情報と、車線白線検出部102bからの車線白線情報と、走行車線検出部102cからの走行車線情報を入力する。つまり、車速情報とヨーレート情報により自車における速度及び姿勢に関する運動状態量を得る。また、車線白線情報と走行車線情報により、自車と走行車線における左右白線までの相対位置関係を定量的に把握する。そして、自車の走行状況を、運動状態量と左右白線までの相対位置関係により判断する。
逸脱閾値設定部102fは、状況判断部102eからの自車の走行状況情報を入力する。そして、自車の走行状況に基づいて、走行ルートからの自車の道路幅方向の逸脱閾値を設定する。
逸脱閾値判断部102gは、走行車線検出部102cからの走行車線情報と、他車両検出部102dからの他車両情報と、逸脱閾値設定部102fからの逸脱閾値情報を入力する。そして、走行ルートからの自車の道路幅方向の逸脱量が、逸脱閾値以上であるか否かを判断する。判断結果が、逸脱量≧逸脱閾値であるとき、タイヤ実舵角を補正する指令を自動運転用制御コントローラM104へ出力し、自車の位置と姿勢を走行ルートの適正な位置と姿勢に戻す舵角制御を行う。
速度プロファイル生成部102hは、状況判断部102eからの自車の走行状況情報を入力する。そして、速度プロファイル特性と、走行ルート上での自車の走行位置とに基づいて、自車の目標車速を決定し、目標車速を得る指令を自動運転用制御コントローラM104へ出力し、自車の車速が目標車速となるように駆動/制動制御を行う。
ここで、速度プロファイル特性は、図5に示すように、搬送移動車両1が走行ルートの直線部61を走行中、曲線部60が開始される前の曲線部開始手前点aに到達すると、曲線部60に入るまでに直線部速度から上限コーナリング速度Vcmax以下のコーナリング速度Vcまで減速する。
なお、「曲線部開始手前点a」は、搬送移動車両1を所定勾配により減速させたとき、曲線部開始点dを越えることがない曲線部直前の点f1にてコーナリング速度Vc(<上限コーナリング速度Vcmax)になる距離に設定する。詳細には、直線部速度からコーナリング速度Vcまで減速するのに必要とする距離を減速必要距離(=a〜f1)とし、コーナリング速度Vcまでの減速から等速へと移行するのに必要とする距離を移行必要距離(=f1〜d)とする。このとき、曲線部開始手前点aは、曲線部開始点dから、減速必要距離(=a〜f1)と、オーバーシュート分による減速を回避する移行必要距離(=f1〜d)とを加えた距離以上の手間位置に設定する。
「直線部速度」は、搬送移動車両1が走行ルートの直線部61を走行するとき、上限速度とされる直線上限速度Vsmaxに設定する。
「上限コーナリング速度Vcmax」は、走行ルートに沿って搬送移動車両1が走行するとき、牽引車両1と台車2,3,4の仕様(各寸法,ホイールベース,トレッド,質量,回転半径等)によって物理的に決定される値として予め算出しておく。
そして、曲線部開始点dから曲線部終了点eまでの速度時系列b(=曲線部60)に入ると、牽引車両1及び台車2,3,4が速度時系列bを走破するまでのコーナリング中、減速することなく、コーナリング速度Vcを維持したままとする。
曲線部終了点eから直線部62に入ると、搬送移動車両1を、所定の加速勾配にて加速し、直線上限速度Vsmaxになると加速終了点g1とし、加速終了点g1の後は、直線上限速度Vsmaxを維持したままとする。
タイヤ実舵角プロファイル生成部102iは、状況判断部102eからの自車の走行状況情報を入力する。そして、タイヤ実舵角プロファイル特性と、走行ルート上での自車の走行位置とに基づいて、自車の目標舵角を決定し、目標舵角を得る指令を自動運転用制御コントローラM104へ出力し、自車のタイヤ実舵角が目標舵角となるように舵角制御を行う。
ここで、タイヤ実舵角プロファイル特性は、図5に示すように、搬送移動車両1が走行ルートの直線部61を走行中、曲線部60の開始手前点h1に到達すると、曲線部開始点dに到達するまでに、タイヤ中立位置δoからタイヤ実舵角δcだけタイヤを右転舵させる。曲線部開始点dから曲線部終了点eまでの速度時系列b(=曲線部60)に入ると、牽引車両1及び台車2,3,4が速度時系列bを走破するまでのコーナリング中、タイヤ実舵角δcを維持したままとする。曲線部終了点eから直線部62に入ると、タイヤを左転舵し、タイヤ中立位置δoになると転舵終了点h2とし、その後、タイヤ中立位置δoを維持したままとする。
次に、作用を説明する。
実施例1の作用を、「比較例での搬送移動車両によるコーナリング作用」、「実施例1での搬送移動車両によるコーナリング作用」に分けて説明する。
[比較例での搬送移動車両によるコーナリング作用]
図6は、比較例における走行ルートでの直線部→曲線部→直線部へと走行するとき曲線部に差し掛かった際の搬送移動車両の模式と速度時系列の変化を示す。以下、図6に基づいて、比較例での搬送移動車両によるコーナリング作用を説明する。
直線部と曲線部を有する走行ルートに沿って時々刻々における自車の車速を規定する速度プロファイルの生成による速度制御が無く、走行ルートからの自車の逸脱を抑えるように走行制御するものを比較例とする。
牽引車両1と台車2,3,4で構成される搬送移動車両5は、走行ルートに沿って走行するとき、直線部61,62に対して曲線部60は、走行速度を下げる必要が物理的に発生する。即ち、搬送移動車両5が直線部61から曲線部60へ差し掛かる際、図6に示すように、直線部61の曲線部開始手前点aに到達すると、曲線部60での搬送移動車両5の旋回回頭性を確保するように、減速させる必要が発生する。
この時、比較例では、曲線部60に対応する速度時系列bの領域において、例えば、自車が走行ルートから逸脱することが無く、曲がりきれるコーナリング速度Vc以下の速度を遵守する制御を行うとする。このため、直線部61からの減速が残った状態で曲線部60を走行してしまうことになり、図6の矢印Aで囲まれる速度特性に示すように、曲線部開始点dから曲線部途中点iまでの間、搬送移動車両5が減速する。よって、コーナリング中であるにもかかわらず、油圧慣性カプラ12,13,14に減速慣性が入力され、台車2,3,4における制動ブレーキ42,43,44の作動に伴う制動力がフリクションとして残ってしまう。
この結果、牽引車両1は、コーナリング中であるにもかかわらず、制動力によるフリクションを打ち消すだけの駆動力を上乗せして出力する必要が発生する。この牽引車両1による駆動力の捻出は、牽引車両1の駆動エネルギーロスにつながるため、無人搬送システムとしての効率を下げてしまう。牽引車両1が電気自動車の場合は、電費ロスになるし、牽引車両1がエンジン車の場合は、燃費ロスになる。
さらに、油圧慣性カプラ12,13,14を介し、台車2,3,4の制動ブレーキ42,43,44を作動させたまま、コーナリング挙動に入ってしまう。このため、コーナリング時の横力入力による制動ブレーキ42,43,44の左右利き度合差が生じることがあり、台車2,3,4のコーナリング挙動が乱れ易くなる。
[実施例1での搬送移動車両によるコーナリング作用]
図7は、実施例1における走行ルートでの直線部→曲線部→直線部へと走行するとき曲部に差し掛かった際の搬送移動車両の模式と速度時系列の変化を示す。以下、図7に基づいて、実施例1での搬送移動車両によるコーナリング作用を説明する。
実施例1では、搬送移動車両5が走行ルートの直線部61を走行中、曲線部60が開始される前の曲線部開始手前点aに到達すると、曲線部60に入るまでに直線上限速度Vsmaxから上限コーナリング速度Vcmax以下のコーナリング速度Vcまで減速される。そして、曲線部60に入ると、牽引車両1及び台車2,3,4が曲線部60を走破するまでのコーナリング中、減速することなく一定速度で走行する。
即ち、牽引車両1と台車2,3,4で構成される搬送移動車両5は、搬送経路上において速度プロファイルを任意に設定することが可能である。さらに、搬送移動車両5の各寸法,ホイールベース,トレッド,質量,回転半径等に代表される機械的性質を勘案することで、直線部61,62における上限速度を直線上限速度Vsmaxとし、曲線部60における上限速度を上限コーナリング速度Vcmaxと予め設定することが可能となる。
このように、上限コーナリング速度Vcmaxを用いて速度プロファイルを設定するという条件下で、搬送移動車両5における直線上限速度Vsmaxを、曲線部60に差し掛かる点f1までに、コーナリング速度Vcへの減速を完了させる。但し、コーナリング速度Vcは、曲線部60の上限コーナリング速度Vcmax以下とする。点f1は速度プロファイルを設定する際に任意に決めればよく、例えば、曲線部開始点dの数メートル手前に配置する。その後、曲線部60においては上限コーナリング速度Vcmax以下まで減速させたコーナリング速度Vcを維持し、駆動としてはパーシャル状態の速度プロファイルで走破させる。
これにより、コーナリング中に牽引車両1から油圧慣性カプラ12,13,14への減速による慣性入力は発生せず、台車2,3,4での制動ブレーキ42,43,44は作動しない。このため、搬送移動車両5は、比較例のように、駆動力を上乗せして出力する必要が無く、駆動エネルギーロスを抑えながら、曲線部60をコーナリングすることが可能となる。なお、コーナリング中、コーナリング速度Vcを維持すると、牽引車両1の駆動としては、加速も減速もしないパーシャル状態になるため、駆動エネルギーロスを最小限域まで抑えることが可能になる。
次に、効果を説明する。
実施例1における無人搬送システムの走行制御方法及び走行制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 予め定められた走行ルートを、牽引車両1で被牽引車両(台車2,3,4)を牽引する形式の搬送移動車両5により走行する。
この搬送システム(無人搬送システム)の走行制御方法において、被牽引車両(台車2,3,4)の減速機構は、牽引機能を有する牽引車両1の減速によって生じる慣性入力でブレーキ(制動ブレーキ42,43,44)が作動する仕組とする。
走行ルートに沿って搬送移動車両5が走行するとき、牽引車両1と被牽引車両(台車2,3,4)の仕様によって物理的に決定される上限コーナリング速度Vcmaxを用いて速度プロファイルを生成する。
搬送移動車両5が走行ルートの直線部61を走行中、曲線部60が開始される前の曲線部開始手前点aに到達すると、曲線部60に入るまでに直線部速度(直線部上限速度Vsmax)から上限コーナリング速度Vcmax以下のコーナリング速度Vcまで減速する。
曲線部60に入ると、牽引車両1及び被牽引車両(台車2,3,4)が曲線部60を走破するまでのコーナリング中、減速することなく走行する(図7)。
このため、搬送移動車両5によるコーナリング中、駆動エネルギーロスを抑制する無人搬送システム(搬送システム)の走行制御方法を提供することができる。
(2) 直線部速度からコーナリング速度Vcまで減速するのに必要とする距離を減速必要距離(=a〜f1)とし、コーナリング速度Vcまでの減速から等速又は加速へと移行するのに必要とする距離を移行必要距離(=f1〜d)としたとき、
曲線部開始手前点aは、曲線部開始点dから、減速必要距離(=a〜f1)と移行必要距離(=f1〜d)を加えた距離以上の手間位置に設定する(図5)。
このため、(1)の効果に加え、曲線部60である曲線部開始点dから共線部終了点eまでのコーナリング中、確実に減速することなく走行することができる。
(3) 搬送移動車両5を、曲線部60に到達するまでに上限コーナリング速度Vcmax以下の所定速度(コーナリング速度Vc)まで減速させると、牽引車両1及び被牽引車両(台車2,3,4)が曲線部60を走破するまでのコーナリング中、所定速度(コーナリング速度Vc)を維持したままで走行する(図5)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、コーナリング中、パーシャル状態の駆動とすることで、駆動エネルギーロスを最小限域まで抑えることができる。
(4) 予め定められた走行ルートを、牽引車両1で被牽引車両(台車2,3,4)を牽引する形式の搬送移動車両5により走行するコントローラ(自動運転用認識判断プロセッサM102)を備える。
この搬送システム(無人搬送システム)の走行制御装置において、被牽引車両(台車2,3,4)の減速機構は、牽引機能を有する牽引車両1の減速によって生じる慣性入力でブレーキ(制動ブレーキ42,43,44)が作動する仕組とする。
コントローラ(自動運転用認識判断プロセッサM102)は、走行ルートに沿って搬送移動車両5が走行するとき、牽引車両1と被牽引車両(台車2,3,4)の仕様によって物理的に決定される上限コーナリング速度Vcmaxを用いて速度プロファイルを生成する速度プロファイル生成部102hを有する。
速度プロファイル生成部102hは、
搬送移動車両5が走行ルートの直線部61を走行中、曲線部60が開始される前の曲線部開始手前点aに到達すると、曲線部60に入るまでに直線部速度(直線部上限速度Vsmax)から上限コーナリング速度Vcmax以下のコーナリング速度Vcまで減速する。
曲線部60に入ると、牽引車両1及び被牽引車両(台車2,3,4)が曲線部60を走破するまでのコーナリング中、減速することなく走行する速度プロファイルを生成する(図5)。
このため、搬送移動車両5によるコーナリング中、駆動エネルギーロスを抑制する無人搬送システム(搬送システム)の走行制御装置を提供することができる。
実施例2は、速度プロファイルを生成する際、コーナリング中、微増速により加速するようにした例である。
まず、構成を説明する。
以下、実施例2の構成を、「自動運転用認識判断プロセッサの詳細構成」、「コーナリング中の速度と実舵角の設定構成」に分けて説明する。なお、「無人搬送システムの走行環境構成」、「搬送移動車両の構成」、「無人搬送システムの制御系構成」については、図1〜図3に示す実施例1の構成と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
[自動運転用認識判断プロセッサの詳細構成]
図8は、実施例2における牽引車両1に搭載されている自動運転用認識判断プロセッサM102の詳細構成を示す。以下、図8に基づいて、自動運転用認識判断プロセッサM102の詳細構成を説明する。
自動運転用認識判断プロセッサM102は、CPU,ROM,RAM等から構成され、図8に示すように、走行ルート生成部102aと、車線白線検出部102bと、走行車線検出部102cと、他車両検出部102dと、を備える。そして、状況判断部102eと、逸脱閾値設定部102fと、逸脱閾値判断部102gと、速度プロファイル生成部102h’と、タイヤ実舵角プロファイル生成部102i’と、を備える。なお、速度プロファイル生成部102h’とタイヤ実舵角プロファイル生成部102i’を除き、実施例1と同様の構成であるので、説明を省略する。
速度プロファイル生成部102h’は、状況判断部102eからの自車の走行状況情報を入力する。そして、速度プロファイル特性と、走行ルート上での自車の走行位置とに基づいて、自車の目標車速を決定し、目標車速を得る指令を自動運転用制御コントローラM104へ出力し、自車の車速が目標車速となるように駆動/制動制御を行う。
ここで、速度プロファイル特性は、搬送移動車両1が走行ルートの直線部61を走行中、曲線部60が開始される前の曲線部開始手前点aに到達すると、曲線部60に入るまでに直線部速度から上限コーナリング速度Vcmax未満のコーナリング速度Vcsまで減速する(図10及び図11を参照)。
なお、「曲線部開始手前点a」は、搬送移動車両1を所定勾配により減速させたとき、曲線部開始点dを越えることがない曲線部直前の点f2にてコーナリング速度Vcs(<上限コーナリング速度Vcmax)になる距離に設定する。詳細には、直線部速度からコーナリング速度Vcsまで減速するのに必要とする距離を減速必要距離(=a〜f2)とし、コーナリング速度Vcsまでの減速から加速へと移行するのに必要とする距離を移行必要距離(=f2〜d)とする。このとき、曲線部開始手前点aは、曲線部開始点dから、減速必要距離(=a〜f2)と、オーバーシュート分による減速を回避し、加速へと移行する移行必要距離(=f2〜d)とを加えた距離以上の手間位置に設定する。
「直線部速度」は、搬送移動車両1が走行ルートの直線部61を走行するとき、上限速度とされる直線上限速度Vsmaxに設定する。
「上限コーナリング速度Vcmax」は、走行ルートに沿って搬送移動車両1が走行するとき、牽引車両1と台車2,3,4の仕様(各寸法,ホイールベース,トレッド,質量,回転半径等)によって物理的に決定される値として予め算出しておく。
そして、曲線部開始点dから曲線部終了点eまでの速度時系列b(=曲線部60)に入ると、牽引車両1及び台車2,3,4が速度時系列bを走破するまでのコーナリング中、微増速による加速度を維持したままとする。つまり、曲線部60におけるコーナリング速度Vcの速度プロファイルは、図9に示すように、曲線部開始点dでのコーナリング速度Vcsから曲線部終了点eでのコーナリング速度Vce(≦上限コーナリング速度Vcmax)まで緩やかな上昇勾配による加速度特性にて与える。
なお、曲線部終了点eから直線部62に入ると、実施例1と同様に、搬送移動車両1を所定の加速勾配にて加速し、直線上限速度Vsmaxになると、直線上限速度Vsmaxを維持したままとする。
タイヤ実舵角プロファイル生成部102i’は、状況判断部102eからの自車の走行状況情報を入力する。そして、タイヤ実舵角プロファイル特性と、走行ルート上での自車の走行位置とに基づいて、自車の目標舵角を決定し、目標舵角を得る指令を自動運転用制御コントローラM104へ出力し、自車のタイヤ実舵角が目標舵角となるように舵角制御を行う。
ここで、タイヤ実舵角プロファイル特性は、曲線部60に入るまで実施例1と同様である。つまり、搬送移動車両1が走行ルートの直線部61を走行中、曲線部60の開始手前点に到達すると、曲線部開始点dに到達するまでに、タイヤ中立位置δoからタイヤ実舵角δcsだけタイヤを右転舵させる。
曲線部開始点dから曲線部終了点eまでの速度時系列b(=曲線部60)に入ると、図9に示すように、牽引車両1及び台車2,3,4が速度時系列bを走破するまでのコーナリング中、タイヤ実舵角δcを徐々に低下させる特性とする。つまり、曲線部開始点dでのタイヤ実舵角δcsから曲線部終了点eでのタイヤ実舵角δceまでの緩やかな下降勾配により与える。
そして、曲線部終了点eから直線部62に入ると、実施例1と同様に、タイヤを左転舵し、タイヤ中立位置δoになると転舵終了点とし、その後、タイヤ中立位置δoを維持したままとする。
[コーナリング中の速度と実舵角の設定構成]
上記のように、コーナリング中の速度プロファイルとして、加速度特性により与える場合、曲線部60において、上限旋回加速度rcmaxを超えないようにする必要がある。つまり、曲線部60に対し旋回角加速度に基づく閾値を予め設定しておき、コーナリング中の時々刻々における車両速度と車両実舵角の積が、閾値以下となるように牽引車両1の速度と実舵角を制御する必要がある。
曲線部60における上限旋回加速度rcmaxは、上限コーナリング速度Vcmaxと同様に、搬送移動車両5の各寸法,ホイールベース,トレッド,質量,回転半径等に代表される機械的性質を勘案することで算出できる、或いは、実走による検証で特定可能である。
よって、曲線部60における上限旋回加速度rcmaxが特定できると、搬送移動車両5の安全性が確保されるコーナリング速度で運用される範疇で、曲線部60においては下記式(1)が成立するように制御すればよい。
rcmax×Tr=Vc×δc …(1)
ここで、Tr:牽引車両1のトレッド長、Vc:牽引車両1におけるコーナンリング速度、δc:牽引車両1のタイヤ実舵角である。但し、ΔVc>0、即ち、コーナリング中のコーナンリング速度Vcは、常に単調増速していくことが条件となる。
この式(1)の関係性を用い、左辺のrcmax×Trを閾値とすると、曲線部60におけるコーナリング中において搬送移動車両5における牽引車両1は、時々刻々におけるコーナリング速度Vcとタイヤ実舵角δcを関連させながら制御することができる。
即ち、実施例2の場合、曲線部60におけるコーナリング速度Vcの速度プロファイルは、図9に示すように、曲線部開始点dでのコーナリング速度Vcsから曲線部終了点eでのコーナリング速度Vceまで、緩やかな上昇勾配による加速度特性にて与えている。これに対し、曲線部60におけるタイヤ実舵角δcのタイヤ実舵角プロファイルは、図9に示すように、曲線部開始点dでのタイヤ実舵角δcsから曲線部終了点eでのタイヤ実舵角δceまで、緩やかな下降勾配により与えている。
よって、コーナリング中、コーナリング速度Vcが上昇するのに対しタイヤ実舵角δcが低下することで、上記式(1)の右辺の(Vc×δc)の値は、閾値(rcmax×Tr)以下を満足する。言い換えると、コーナリング中の時々刻々において、搬送移動車両5は、上限旋回加速度rcmaxを越えることがない。
次に、実施例2での搬送移動車両5によるコーナリング作用を説明する。
図10は、実施例2における走行ルートでの直線部→曲線部→直線部へと走行するとき曲部に差し掛かった際の搬送移動車両の模式と速度時系列の変化を示す。以下、図10に基づいて、実施例2での搬送移動車両によるコーナリング作用を説明する。
実施例2では、搬送移動車両5が走行ルートの直線部61を走行中、曲線部60が開始される曲線部開始手前点aに到達すると、曲線部60に入るまでに直線上限速度Vsmaxから上限コーナリング速度Vcmax未満のコーナリング速度Vcsまで減速する。曲線部60に入ると、牽引車両1及び台車2,3,4が曲線部60を走破するまでのコーナリング中、微増速による一定の加速度を維持しながら走行する。
即ち、上限コーナリング速度Vcmaxを用いて速度プロファイルを設定するという条件下で、搬送移動車両5における直線上限速度Vsmaxを、曲線部60に差し掛かる点f2までに、コーナリング速度Vcsより少し低速までの減速を完了させる。その後、曲線部60においては、曲線部開始点dでのコーナリング速度Vcsから曲線部終了点eでのコーナリング速度Vceまで微増速により加速し、駆動状態の速度プロファイルで走破させる。
これにより、コーナリング中に牽引車両1から油圧慣性カプラ12,13,14への減速による慣性入力は発生せず、台車2,3,4での制動ブレーキ42,43,44は作動しない。そして、コーナリング中の速度変化(Vcs〜Vce)は、加速度運動で設定することで、台車2,3,4での制動ブレーキ42,43,44に油圧が残ることなく、油圧慣性カプラ12,13,14を介して積極的に抜かれる。
このため、搬送移動車両5は、比較例のように、駆動力を上乗せして出力する必要が無く、駆動エネルギーロスを最小限に抑えながら、曲線部60をコーナリングすることが可能となる。加えて、コーナリング時の横力入力による制動ブレーキ42,43,44の左右利き度合差(片効き)が生じることもなく、台車2,3,4のコーナリング挙動が乱れるのが防止される。
さらに、実施例2では、曲線部60に対し旋回角加速度に基づく閾値(rcmax×Tr)を予め設定しておき、コーナリング中の時々刻々におけるコーナリング速度Vcとタイヤ実舵角δcの積(Vc×δc)が、閾値以下となるように制御している。
即ち、イメージとしては、相対的にコーナリング速度Vcが低い曲線部60へのアプローチ時は、タイヤ実舵角δcが相対的に大きくなる。その後、コーナリング速度Vcが増速していくに従い、タイヤ実舵角δcが小さくなる(即ち直進に近くなる)といった制御形態となる。
このため、コーナリング中、コーナリング速度Vcとして、微増速により加速する制御を採用しながらも、タイヤ実舵角δcと関連付ける制御を行うことで、タイヤの横滑りによる影響が抑えられ、搬送移動車両5の安定したコーナリング制御が実現される。
なお、曲線部終了点eでのコーナリング速度Vceについて、図10に示す例では、上限コーナリング速度Vcmax未満としたが、図11に示すように、曲線部終了点eでのコーナリング速度Vceを上限コーナリング速度Vcmaxと一致させるようにしても良い。つまり、コーナリング中、速度プロファイルとして加速するコーナリング速度Vcで与えるとき、曲線部終了点eでのコーナリング速度Vceを、上限コーナリング速度Vcmax以下に設定すれば、搬送移動車両5の安全なコーナリングが実現される。
次に、効果を説明する。
実施例2における無人搬送システムの走行制御方法にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(5) 搬送移動車両5を、曲線部60に到達するまでに上限コーナリング速度Vcmax未満のコーナリング速度Vcsまで減速させると、牽引車両1及び被牽引車両(台車2,3,4)が曲線部60を走破するまでのコーナリング中、微増速による加速度を維持したままで走行する(図10)。
このため、上記(1)又は(2)の効果に加え、搬送移動車両5による曲線部60のコーナリング中、牽引車両1による駆動エネルギーロスを最小限に抑えながら、台車2,3,4のコーナリング挙動が乱れるのを防止することができる。
(6) コーナリング中の加速度は、搬送移動車両5が曲線部60を走破した時点での速度が、上限コーナリング速度Vcmax以下となるように設定する(図10、11)。
このため、(5)の効果に加え、コーナリング中、加速するコーナリング速度Vcによる速度プロファイルとしながら、搬送移動車両5の安全なコーナリングを実現することができる。
(7) 曲線部60に対し旋回角加速度に基づく閾値(rcmax×Tr)を予め設定し、コーナリング中の時々刻々における車両速度(コーナリング速度Vc)と車両実舵角(タイヤ実舵角δc)の積が、閾値以下となるように牽引車両1の速度と実舵角を制御する(図9)。
このため、(5)又は(6)の効果に加え、コーナリング中、車両速度(コーナリング速度Vc)と車両実舵角(タイヤ実舵角δc)とを関連付ける制御を行うことで、搬送移動車両5の安定したコーナリング制御を実現することができる。
(8) 閾値(rcmax×Tr)を、曲線部60に対する上限旋回角加速度rcmaxと、牽引車両1のトレッド長Trとの積により予め設定する(図9)。
このため、(7)の効果に加え、車両のディメンジョンを反映した安定したコーナリング制御を実現するコーナリング速度Vc・タイヤ実舵角δcの時系列プロファイルを導出し易くすることができる。
以上、本開示の搬送システムの走行制御方法及び走行制御装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1,2では、本開示の走行制御方法及び走行制御装置を、完成車を搬送対象とし牽引車両で被牽引車両を牽引する形式の搬送移動車両を用いた無人搬送システムに適用する例を示した。しかし、本開示の走行制御方法及び走行制御装置は、自動運転が可能な搬送移動車両を用いる搬送システムであれば、有人搬送システムにも適用できる。例えば、搬送移動車両をトレーラバスとする無人/有人バスシステム、搬送移動車両をトレーラトラックとする無人/有人トラックシステム、搬送移動車両を連結した軌道走行車両とする無人/有人交通システム等の他の搬送システムに対しても適用することができる。
1 牽引車両
2,3,4 台車(被牽引車両)
5 搬送移動車両
12,13,14 油圧慣性カプラ
22,23,24 三方弁
32,33,34 パーキングブレーキ用手動ポンプ
42,43,44 制動ブレーキ
M102 自動運転用認識判断プロセッサ(コントローラ)
102h,102h’ 速度プロファイル生成部
102i,102i’ タイヤ実舵角プロファイル生成部

Claims (8)

  1. 予め定められた走行ルートを、牽引車両で被牽引車両を牽引する形式の搬送移動車両により走行する搬送システムの走行制御方法において、
    前記被牽引車両の減速機構は、牽引機能を有する前記牽引車両の減速によって生じる慣性入力でブレーキが作動する仕組とし、
    前記走行ルートに沿って前記搬送移動車両が走行するとき、前記牽引車両と前記被牽引車両の仕様によって物理的に決定される上限コーナリング速度を用いて速度プロファイルを生成し、
    前記搬送移動車両が前記走行ルートの直線部を走行中、曲線部が開始される前の曲線部開始手前点に到達すると、前記曲線部に入るまでに直線部速度から前記上限コーナリング速度以下のコーナリング速度まで減速し、
    前記曲線部に入ると、前記牽引車両及び前記被牽引車両が前記曲線部を走破するまでのコーナリング中、減速することなく走行する
    ことを特徴とする搬送システムの走行制御方法。
  2. 請求項1に記載された搬送システムの走行制御方法において、
    前記直線部速度から前記コーナリング速度まで減速するのに必要とする距離を減速必要距離とし、前記コーナリング速度までの減速から等速又は加速へと移行するのに必要とする距離を移行必要距離としたとき、
    前記曲線部開始手前点は、前記曲線部開始点から、前記減速必要距離と前記移行必要距離を加えた距離以上の手間位置に設定する
    ことを特徴とする搬送システムの走行制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載された搬送システムの走行制御方法において、
    前記搬送移動車両を、前記曲線部に到達するまでに前記上限コーナリング速度以下のコーナリング速度まで減速させると、前記牽引車両及び前記被牽引車両が前記曲線部を走破するまでのコーナリング中、前記コーナリング速度を維持したままで走行する
    ことを特徴とする搬送システムの走行制御方法。
  4. 請求項1又は2に記載された搬送システムの走行制御方法において、
    前記搬送移動車両を、前記曲線部に到達するまでに前記上限コーナリング速度未満のコーナリング速度まで減速させると、前記牽引車両及び前記被牽引車両が前記曲線部を走破するまでのコーナリング中、微増速による加速度を維持したままで走行する
    ことを特徴とする搬送システムの走行制御方法。
  5. 請求項4に記載された搬送システムの走行制御方法において、
    前記コーナリング中の加速度は、前記搬送移動車両が前記曲線部を走破した時点での速度が、前記上限コーナリング速度以下となるように設定する
    ことを特徴とする搬送システムの走行制御方法。
  6. 請求項4又は5に記載された搬送システムの走行制御方法において、
    前記曲線部に対し旋回角加速度に基づく閾値を予め設定し、コーナリング中の時々刻々における車両速度と車両実舵角の積が、前記閾値以下となるように前記牽引車両の速度と実舵角を制御する
    ことを特徴とする搬送システムの走行制御方法。
  7. 請求項6に記載された搬送システムの走行制御方法において、
    前記閾値を、前記曲線部に対する上限旋回角加速度と、前記牽引車両のトレッド長との積により予め設定する
    ことを特徴とする搬送システムの走行制御方法。
  8. 予め定められた走行ルートを、牽引車両で被牽引車両を牽引する形式の搬送移動車両により走行するコントローラを備える搬送システムの走行制御装置において、
    前記被牽引車両の減速機構は、牽引機能を有する前記牽引車両の減速によって生じる慣性入力でブレーキが作動する仕組とし、
    前記コントローラは、前記走行ルートに沿って前記搬送移動車両が走行するとき、前記牽引車両と前記被牽引車両の仕様によって物理的に決定される上限コーナリング速度を用いて速度プロファイルを生成する速度プロファイル生成部を有し、
    前記速度プロファイル生成部は、
    前記搬送移動車両が前記走行ルートの直線部を走行中、曲線部が開始される前の曲線部開始手前点に到達すると、前記曲線部に入るまでに直線部速度から前記上限コーナリング速度以下のコーナリング速度まで減速し、
    前記曲線部に入ると、前記牽引車両及び前記被牽引車両が前記曲線部を走破するまでのコーナリング中、減速することなく走行する速度プロファイルを生成する
    ことを特徴とする搬送システムの走行制御装置。
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