JP2019033608A - 事故除去装置 - Google Patents

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匠太 田代
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慧 関口
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Abstract

【課題】事故除去に際して健全極の電力変換器の動作モードを参照して電力変換器の制御変更が必要な場合にのみ電力変換器への電力指令値を変更することにより、電力融通の停止を最小限にしつつ確実な事故除去が可能な事故除去装置を提供する。
【解決手段】事故除去装置14は、直流送電システムの電力変換器が順変換動作であることを判定する比較器15と、事故端且つ健全極であることを判定するAND回路16と、順変換動作中で事故端且つ健全極である電力変換器に対し電力指令値の変更指令を出力するAND回路17と、順変換動作を停止させる変更指令値を演算する演算部18と、演算部18が求めた変更指令値を電力変換器に出力する制御変更部19と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、多極構成の直流送電システムに適用される事故除去装置に関する。
直流送電システムは、隣接国の交流系統同士、あるいは都市部の交流系統から離島の交流系統までといった長い距離を、直流電力によって低損失で送電する技術として注目を集めている。直流送電システムは、交流系統から得た電量を交流から直流に変換し、直流系統で長距離送電を行い、直流から交流に戻して、別の交流系統へと送るシステムである。
直流送電システムには、系統端子間を連系する電力変換器が設けられている。電力変換器は、交流から直流へ、あるいは直流から交流へ電力を変換して、電力系統間で自由に電力を授受することができる。電力変換器が行う電力変換動作の動作モードには次の2つがある。1つの動作モードは交流から直流への電力を変換する順変換動作であり、もう1つの動作モードは直流から交流へ電力を変換する逆変換動作である。
直流送電システムの運用方式は、極数を1とした単極構成と、極数を2以上とした多極構成とでは異なる。多極構成の直流送電システムでは、直流系統と交流系統との間に複数台の電力変換器を設置することで極毎に独立して運用することができる。そのため、直流事故が発生した場合に事故極の電力変換器の運転を停止させたとしても、事故極以外の健全極の電力変換器は運転を継続することができ、電力融通が可能である。
特開2015―142466号公報
多極構成の直流送電システムで直流事故が発生した場合、健全極の電力変換器が運転を継続することで電力融通を実現する。しかし、健全極から事故極に直流電流が流入して、事故極での事故除去が不能となる恐れがある。その結果、健全な電力変換器の運転も停止させるほかなく、電力融通を停止せざるを得ない状況となる。そこで多極構成の直流送電システムでは、事故極への電流流入は回避して事故除去は確実に行い、且つ電力変換器の運転継続をできるだけ維持して電力融通の停止を最小限に抑えることが要請されている。
本実施形態は、事故除去に際して健全極の電力変換器の動作モードを参照して電力変換器の制御変更が必要な場合にのみ電力変換器への電力指令値を変更することにより、電力融通の停止を最小限にしつつ確実な事故除去が可能な事故除去装置を提供することを課題とする。
本実施形態は、電力変換器が複数設置され少なくとも2極から構成された直流送電システムに適用される事故除去装置であって、直流事故発生時に前記電力変換器への電力指令値を変更する制御変更部を備えている。
第1の実施形態が適用される直流送電システムのブロック図 第1の実施形態の電力変換器の回路構成図 第1の実施形態の回路構成図 第1の実施形態における事故発生時の電流経路(電力変換器が順変換動作) 第1の実施形態における事故発生時の電流経路(電力変換器が逆変換動作) 第2の実施形態が適用される直流送電システムのブロック図 第2の実施形態の回路構成図
(第1の実施形態)
(構成)
(構成の概要)
以下、本発明に係る第1の実施形態の構成について、図1〜図3を参照して具体的に説明する。図1に示すように、直流送電システム1は、多極構成の直流送電システムであって、3つの交流系統11〜13の両端間が電力変換器(2極×3端子で合計6台)によって連系されている。第1の実施形態は、このような直流送電システム1に適用される事故除去装置14である。
6台の電力変換器とは、交流系統11に接続される21P、21N、交流系統12に接続される22P、22N、交流系統13に接続される23P、23Nである。電力変換器21P、21Nは電力変換器21、電力変換器22P、22Nは電力変換器22、電力変換器23P、23Nは電力変換器23とも記載する。
電力変換器21P、22P、23Pは、極1の電力変換器であり、電力変換器21N、22N、23Nは、極2の電力変換器である。PとNの2極ある電力変換器21、22、23はそれぞれ、双極間電極線51〜53によって接続されており、双極間電極線51、52、53の端部は全てグランドに接続されている。
図1に示すように、交流系統11〜13と各電力変換器21〜23との間には、交流系統遮断器であるACCBが直列に接続されている。電力変換器21PにはACCB1pが、電力変換器21NにはACCB1nが、電力変換器22PにはACCB2pが、電力変換器22NにはACCB2nが、電力変換器22PにはACCB3pが、電力変換器23NにはACCB3nが、それぞれ接続されている。
電力変換器21〜23には、直流送電線3を介して直流系統遮断器であるDCCBが直列に接続されている。電力変換器21PにはDCCB1pが、変換器22PにはDCCB2pが、電力変換器23PにはDCCB3pが、それぞれ接続されている。また、電力変換器21NにはDCCB1nが、電力電力変換器22NにはDCCB2nが、電力変換器23NにはDCCB3nがそれぞれ接続されている。DCCB1p〜DCCB3p同士は相互に接続され、DCCB1n〜DCCB3n同士も相互に接続されている。
(電力変換器)
電力変換器21〜23は、モジュラーマルチレベルコンバータ(以下、MMCと呼ぶ)からなり、例えば図2のような回路構成を有している。MMCは、単位変換器であるチョッパセルCによって入力電圧を分圧するような高電圧向け電力変換器である。チョッパセルCは、ハーフブリッジ回路を構成したハーフブリッジコンバータである。ハーフブリッジ回路は、セルコンデンサ6と2つの自己消弧型のスイッチング素子7とを並列に接続してなる。
MMCでは、チョッパセルCを多段接続することで上アーム8A及び下アーム8Bが構成される。上アーム8Aの上端部及び下アーム8Bの下端部のそれぞれに、直流端子が接続される。上アーム8Aの下端部及び下アーム8Bの上端部は、リアクタンス成分を有するバッファリアクトル9を介して、上下に直列接続される。上アーム8Aの下端部及び下アーム8Bの上端部間にはバッファリアクトル9を介して変圧器10が接続され、変圧器10には交流端子が接続される。なお、バッファリアクトル9は、リアクタンス成分を持ったトランスに変更してもよい。
以上のMMCでは、チョッパセルCに接続されたスイッチング素子7のオンまたはオフにより、セルコンデンサ6の出力電圧が決まる。セルコンデンサ6の電圧を出力する場合はスイッチング素子7の上側をオン、セルコンデンサ6の電圧を出力しない場合はオフする。電力変換器21〜23は、各チョッパセルCのセルコンデンサ6の電圧をスイッチング素子7でチョッピングすることで疑似的な交流出力を得て、交流と直流の電力変換を行う。
(保護装置)
図1に示すように、直流送電システム1には、保護装置4が備え付けられている。保護装置4は、各電力変換器21〜23の運転状況などを把握して、直流送電システム1全体を管理、保護する装置である。保護装置4は、直流事故の発生時に各電力変換器21〜23の自端事故判定信号及び自極事故判定信号を各電力変換器21〜23に出力する。
保護装置4は、自端事故判定信号として、自端が事故端の場合は1を出力し、自端が健全端の場合は0を出力する。保護装置4は、自極事故判定信号として、自極が事故極の場合は1を出力し、自極が健全極の場合は0を出力する。
(事故除去装置)
保護装置4には事故除去装置14が接続されている。図1では、電力変換器21Nに備え付けられた事故除去装置14だけを示すが、6台の電力変換器21〜23の全てに事故除去装置14が備え付けられている。事故除去装置14は、保護装置4からの自端事故判定信号と自極事故判定信号を入力信号とし、変更指令値を出力信号として電力変換器21〜23を制御して事故を除去する装置である。
事故除去装置14には、復帰制御部20が設置されている。復帰制御部20は、直流事故発生後に事故箇所でアークのない零電流状態が所定の時間を経過したことを判定して、順変換運転停止中の電力変換器21〜23に対し事故前と同様の電力指令値を出力する。復帰制御部20は、例えば、外部のシステムからの監視信号などに基づいて、零電流状態での所定時間の経過を判定するように構成されている。
図3は、事故除去装置14の回路構成を示している。事故除去装置14は、比較器15、AND回路16、17、演算部18、制御変更部19により構成される。これらの構成要素のうち、AND回路16は事故箇所から規定される電力変換器21〜23の状態(自端が事故端か健全端か、及び自極が事故極か健全極か)を判定する部分である。AND回路17は比較器15の比較結果及びAND回路16の判定結果から順変換動作中で事故端且つ健全極である電力変換器21〜23を判定する部分である。
(比較器)
比較器15は、予め設定された閾値Pと、電力変換器21〜23への現在の電力指令値Pdcを入力して、両者の比較して、比較結果を出力する。比較器15は、PよりPdcが大きい場合は1を出力、小さい場合は0を出力する。Pdcが1を出力する場合は順変換動作が行われており、0を出力する場合は逆変換動作が行われていることを示す。比較器15は、閾値Pと電力変換器21〜23への電力指令値Pdcを比較することで、自端の電力変換器21〜23の電力変換動作が順変換動作であることを判定する。
(AND回路)
AND回路16は、保護装置4からの自端事故判定信号と自極事故判定信号の論理演算結果を反転させた信号が入力信号となる。AND回路16は、自端事故判定信号と、自極事故判定信号を反転させた信号との論理積を出力する。自端が事故端で事故極の場合は、AND回路16への入力信号は、自端事故判定信号が1、自極事故判定信号の論理演算結果を反転させた信号が0となり、論理積の演算結果は0となる。AND回路16では、入力する2つの信号が共に1の場合以外は、論理積の演算結果は0となる。
AND回路16は、保護装置4から入力する自端事故判定信号と自極事故判定信号の論理演算結果を反転させた信号に基づいて、自端の電力変換器21〜23の状態を判定する部分である。AND回路16は、自端の電力変換器21〜23の属する端子が事故箇所から切り離されていない事故端であり、且つ自端の電力変換器21〜23の属する極が直流事故の発生していない健全極であることを判定する。
AND回路17は、比較器15の出力信号とAND回路16の出力信号を入力信号とし、これらの信号に基づいて、電力変換器21〜23への電力指令値の変更指令1又は0を演算部18に出力する。AND回路17での論理演算方法はAND回路16のそれと同様である。
(演算部)
AND回路17の出力した変更指令が1であれば、演算部18は、電力変換器21〜23の順変換動作を停止させる変更指令値を演算する。演算部18は、予め設定された複数の段階を経て所定の電力指令値まで変更するように変更指令値を演算する。例えば、演算部18が電力指令値を1から0まで2段階で変更する場合、まず1から0.5に変更する変更指令値を求め、次に0.5から0に変更する変更指令値を求めるようにする。
(制御変更部)
制御変更部19は、直流事故発生時に電力変換器21〜23への電力指令値を変更する部分であり、演算部18が求めた変更指令値を電力変換器21〜23に出力する。制御変更部19が変更指令値を出力する電力変換器21〜23は、順変換動作中で事故端且つ健全極であって、変更指令値に従って電力変換器21〜23の順変換動作を停止させる。
制御変更部19による順変換動作の停止制御には、単に電力変換器21〜23の順変換動作を停止するだけにとどまらず、順変換動作から逆変換動作への変更制御も含まれる。なお、電力変換器21〜23は、順変換動作を停止した時でも交流側の無効電力運転は継続が可能である。
(作用)
図1の直流送電システム1では、交流系統11から交流系統12や交流系統13に電力供給する場合、電力変換器21は順変換動作となり、その他の電力変換器22、23は逆変換動作となる。また、交流系統12と交流系統13から交流系統11に電力供給する場合は、電力変換器21〜23の動作が上記と逆転して、電力変換器21が逆変換動作となり、電力変換器22、23が順変換動作となる。
多極構成の直流送電システム1において、直流系統で事故が発生した場合、まず各極の状態を事故極と健全極に分けることができる。事故極とは、自極の直流系統本線または帰線で事故が発生した極を示し、健全極は事故極以外を示す。事故極は単極同様の事故除去を行うが、健全極は連系する交流系統への影響を最小化するためになるべく運転を継続する必要がある。
また、直流送電システム1の電力変換器は事故端と健全端とに分けることができる。事故端は自端が事故箇所から切り離されていない端子であり、健全端は自端が事故箇所から切り離されている端子である。自端の電力変換器21〜23は、事故端か健全端か、及び自極の電力変換器21〜23は、事故極か健全極かが、事故箇所から規定される。このような電力変換器21〜23の状態を判定する部分、すなわち自極が事故端且つ健全極かを判定する部分が、AND回路16である。
(順変換動作時の事故除去)
電力変換器21が順変換動作する場合、つまり交流系統11から交流系統12、13に電力供給する場合の事故除去装置14の動作について説明する。電力変換器21Pと直流系統遮断器であるDCCB1pとの間の直流送電線3に、地絡事故などの直流事故が発生したとする(図1参照)。このとき、電力変換器21が事故端となり、それ以外の電力変換器22、23は健全端となる。また、事故端のうち、電力変換器21Pが事故極であり、電力変換器21Nは健全極である。
(順変換動作する電力変換器の動作現象)
順変換動作する電力変換器21P、21Nの動作現象について図4を用いて説明する。図4に示すように、電力変換器21Pは事故端且つ事故極である。そのため、地絡事故の発生から間もなく過電流保護が働き、スイッチング素子7をゲートブロックの状態とする。また、直流系統遮断器DCCB1pと交流系統遮断器ACCB1pは開路状態とする。直流系統遮断器DCCBの開路により、健全端且つ事故極からの事故電流を遮断する。これらによって、電力変換器21Pの交流側や電力変換器22、23側から、事故箇所への事故電流供給は停止する。なお、直流系統遮断器DCCBは、事故端と地絡箇所の事故電流を遮断できればよく、必ずしもDCCB1pである必要ない。
しかし、図4に示すように、電力変換器21Pがゲートブロックしても、電力変換器21Nから地絡箇所を経由する電流は0Aにならない。なぜなら、電力変換器21Nの直流送電線3側から双極間電極線51側へ流れる向きの直流電流が、電力変換器21P内部の逆並列ダイオードを通流するからである(図4の点線矢印参照)。
電力変換器21Nと地絡箇所を経由する電流を零にするためには、電力変換器21Nの直流送電線3側から双極間電極線51側へ流れる向きの直流電流を停止する必要がある。すなわち、直流系統の事故発生時、事故端且つ健全極且つ順変換動作する電力変換器21Nを停止する必要がある。
(事故除去装置の動作)
直流事故発生直後の電力変換器21P、21Nでの事故除去装置14の動作を説明する。事故除去装置14が保護装置4から入力する信号のうち、電力変換器21Pの自端事故判定信号は1、自極事故判定信号は1である。そのため、事故除去装置14では、電力変換器21Pの自端事故判定信号と自極事故判定信号の反転結果は1と0なり、AND回路16の論理演算結果は0となる。電力変換器21Pは順変換動作のため、比較器15の直流電力指令値Pdcは閾値Pより大きくなり、比較器15は1を出力する。
よって、比較器15の出力信号1とAND回路16の出力信号0の論理演算結果から、AND回路17は0を出力する。このように、順変換動作中の電力変換器21Pが事故端且つ事故極であれば、AND回路17は演算部18に0を送信する。AND回路17から0を受信した演算部18は、電力変換器21Pに順変換動作を停止させる変更指令値を演算することはなく、制御変更部19は、変更指令値を電力変換器21Pに出力することもない。
一方、事故除去装置14が保護装置4から入力する信号のうち、電力変換器21Nの自端事故判定信号は1、自極事故判定信号は0である。そのため、事故除去装置14では、自端事故判定信号と自極事故判定信号の反転結果は共に1なり、AND回路16の論理演算結果は1となる。電力変換器21Nは順変換動作のため、比較器15の直流電力指令値Pdcは閾値Pより大きくなり、比較器15は1を出力する。
よって、比較器15の出力信号1とAND回路16の出力信号1の論理演算結果から、AND回路17は1を出力する。このように、順変換動作を行う電力変換器21Nが事故端且つ健全極であれば、AND回路17は演算部18に1を送信する。AND回路17から1を受信した演算部18は、電力変換器21Nの順変換動作を停止させる変更指令値を演算する。演算部18は、予め設定された複数の段階を経て徐々に電力指令値が変わるように変更指令値を演算する。演算部18は、電力指令値を0に変更するように変更指令値を演算する。
制御変更部19は変更指令値を電力変換器21Nに出力する。制御変更部19は、変更指令値を電力変換器21Nに送ることで、電力変換器21Nの順変換動作を停止させる。また、制御変更部19は電力変換器21Nの順変換動作を逆変換動作に変更するように制御してもよい。
演算部18は、徐々に電力指令値が変わるような変更指令値を求めているので、制御変更部19は変更指令値に従い、電力変換器21Nの順変換動作を徐々に変更あるいは停止させることができる。しかも、演算部18が求めた変更指令値は、電力指令値を0に変更するものなので、制御変更部19は電力変換器21Nの順変換動作を確実に停止させることができる。なお、電力変換器21Nは順変換動作を変更あるいは停止させるにせよ、交流側の無効電力運転は継続しても構わない。
直流事故発生後に事故箇所でアークのない零電流状態が予め設定された時間を経過した場合、復帰制御部20は、この状態を判定する。そのため、復帰制御部20は、順変換運転停止中の電力変換器21Nに対し直流事故前と同様の電力指令値を出力する。したがって、電力変換器21Nは順変換運転を再開することができる。
直流事故発生直後に逆変換動作を行う電力変換器22、23については同様の結果となるため、健全端で事故極である電力変換器22Pと、健全端で健全極である電力変換器22Nでの事故除去装置14の動作について説明する。まず、電力変換器22Pでの事故除去装置14の動作について説明する。
事故除去装置14が保護装置4から入力する信号のうち、電力変換器22Pの自端事故判定信号は0、自極事故判定信号は1である。そのため、電力変換器22Pの自端事故判定信号と自極事故判定信号の反転結果は、共に0となり、AND回路16の論理演算結果は0となる。電力変換器22Pは逆変換動作のため、比較器15の直流電力指令値Pdcは閾値Pより小さくなり、比較器15は0を出力する。
よって、比較器15の出力信号0とAND回路16の出力信号0の論理演算結果から、AND回路17は変更指令0を出力する。つまり、AND回路17は電力変換器22Pを事故端且つ健全極且つ順変換動作と判定していない。このとき、電力変換器22Pが逆変換動作ではなく、順変換動作であったとしても、AND回路17は変更指令0を出力することになり、同様である。AND回路17から変更指令0を受信した演算部18は、電力変換器22Pに順変換動作を停止させる変更指令値を演算することはなく、制御変更部19は、電力変換器22Pに変更指令値を出力することもない。
続いて、電力変換器22Nでの事故除去装置14の動作について説明する。事故除去装置14が保護装置4から入力する信号のうち、電力変換器22Nの自端事故判定信号及び自極事故判定信号は共に0である。そのため、電力変換器22Nの自端事故判定信号と自極事故判定信号の反転結果は、0と1となり、AND回路16の論理演算結果は0となる。電力変換器22Nは逆変換動作のため、比較器15の直流電力指令値Pdcは閾値Pより小さくなり、比較器15は0を出力する。
よって、比較器15の出力信号0とAND回路16の出力信号0の論理演算結果から、AND回路17は0を出力する。つまり、AND回路17は電力変換器22Nを事故端且つ健全極且つ順変換動作と判定しない。このとき、電力変換器22Nが順変換動作であっても、AND回路17の出力は0となり、同様である。AND回路17から0を受信した演算部18は、電力変換器22Nに順変換動作を停止させる変更指令値を演算することはなく、制御変更部19は、電力変換器22Nに変更指令値を出力することもない。
以上述べたように、直流送電システム1に含まれる電力変換器21〜23において、健全極では事故端且つ順変換動作中の電力変換器21Nのみが、順変換動作の継続を停止する。ただし、電力変換器21Nは順変換動作の継続を停止しても、交流側の無効電力運転は継続することができる。
健全極である他の電力変換器22N、23Nは、そのいずれかを順変換動作とすることで、電力融通を継続することができる。ただし、順変換動作可能な電力変換器が存在しない場合は、交流系統12、13から電力供給することができないため、これらの電力変換器22N、23Nを運転停止しても良い。
(交流系統12、13から交流系統11に電力供給する場合の事故除去)
交流系統12、13から交流系統11に電力供給する場合の事故除去装置14の動作について説明する。この場合は、前述したように、電力変換器21が逆変換動作、電力変換器22、23が順変換動作となる。
(逆変換動作する電力変換器の動作現象)
逆変換動作する電力変換器21P、21Nの動作現象について図5を用いて説明する。図5に示すように、変換器保護と事故電流遮断のため、電力変換器21Pのスイッチング素子7はゲートブロックの状態とし、直流系統遮断器DCCB1pと交流系統遮断器ACCB1pは開路状態になる。この状態では、電力変換器21Nは、図5の電流経路によって逆変換動作の運転継続が可能となる。
逆変換動作の電力変換器21Nは順変換動作時のように事故極への事故電流の供給に寄与しないために、電力指令値の変更は必要としない。なぜなら、電力変換器21Nの双極間電極線51側から直流送電線3側へ流れる向きの直流電流は、電力変換器21P内部の逆並列ダイオードを通流しないからである(図5の実線の矢印参照)。
さらに、事故箇所から切り離された事故極の電力変換器22P、23Pと、他の健全極の電力変換器22N、23Nも運転を継続することができる。なお、直流系統遮断器DCCBを開路する場所により、事故端は変わるが、上記同様の動作を行えば、事故電流を遮断することができ、事故から復帰することが可能である。
(効果)
第1の実施形態に係る事故除去装置14は、多極構成の直流送電システム1に適用されるものであり、電力変換器21〜23が順変換動作であることを判定する比較器15と、順変換動作中で事故端且つ健全極であることを判定するAND回路16、17と、順変換動作を停止させる変更指令値を演算する演算部18と、変更指令値を電力変換器21〜23に出力する制御変更部19と、を備えている。
このような第1の実施形態によれば、自端の電力変換器21〜23の動作モードが順変換動作であることを参照し、自端の電力変換器21〜23が事故端且つ健全極であるかによって、電力指令値の変更が必要であるか否かを判断する。そして、直流事故の発生後、制御変更部19が事故端且つ健全極で順変換動作中の電力変換器21〜23に対して、変更指令値を送ることで電力変換器21〜23への電力指令値を変更し、順変換動作を停止させる。その結果、第1の実施形態では、健全極から事故極に直流電流が流入することがなく、事故を確実に除去することができる。また、健全端あるいは逆変換動作中の電力変換器21〜23に関しては運転を継続させることができるので、電力融通の停止を最小限に抑えることが可能である。
第1の実施形態では、演算部18は、予め設定された複数の段階を経て所定の電力指令値まで変更する変更指令値を演算するので、制御変更部19は、演算部18の演算結果に従って電力変換器21〜23への電力指令値を段階的に変更する。したがって、順変換動作中の電力変換器21〜23は、順変換動作を徐々に停止あるいは変更することができる。
よって、順変換動作の停止動作あるいは変更動作が急に行われることがなく、連系する交流系統11、12、13の安定性を確保することができる。しかも、制御変更部19は、最終的には電力指令値を0に変更するので、電力変換器21〜23の順変換動作を確実に停止することができる。
また、第1の実施形態では、直流事故発生後から予め設定された時間が経過したと復帰制御部20が判定すると、復帰制御部20は、順変換運転停止中の電力変換器21〜23に事故前と同様の電力指令値を出力する。したがって、事故電流が十分に低減した状態で直流送電システム1の運転再開を実現することができる。
その結果、復帰の直流線路再充電と同時に再度地絡する心配がなくなり、直流送電システム1を運用する際の信頼性が向上する。なお、直流送電システム1の復帰は、事故極より健全極を先に復帰させるようにしてもよい。これによって、連系する交流系統11、12、13の安定性をより高める確保することが可能である。
(第2の実施形態)
(構成)
第2の実施形態は図6に示す直流送電システム1Aに適用されるものである。図6に示した直流送電システム1Aは、図1に示した直流送電システム1から直流系統遮断器DCCBを取り除いた構成となっている。
第2の実施形態に係る事故除去装置24では、保護装置4からの入力信号として自端事故判定信号を他極事故判定信号に置き換えている。すなわち、事故除去装置24では、自極事故判定信号と他極事故判定信号を入力信号とする。他の構成要素は、第1の実施形態と同様である。そのため、同一符号を付して説明は省略する。
図7は、第2の実施形態に係る事故除去装置24の回路構成を示している。図7に示す事故除去装置24において、図3で示した第1の実施形態の事故除去装置14と異なる点は、比較器15とAND回路17を削除し、AND回路16の一入力である自端事故判定信号を、他極事故判定信号に置き換えた点である。つまり、事故除去装置24では、自極事故検知信号の反転信号と他極事故判定信号がAND回路16の入力信号であり、その出力信号が変更指令となる。他極事故判定信号に関しては他極が健全極なら0、事故極なら1となる。なお、演算部18の出力信号は電力変換器21〜23への電力指令値の変更指令1又は0となり、演算部18における演算方法は第1の実施形態と同様である。
(作用と効果)
直流送電システム1Aでは、直流送電線3から直流系統遮断器DCCBを削除したので、直流送電線3で地絡事故などの直流事故が発生すると、事故極では、直流送電線にDCCBがないので、事故電流が遮断できない。そのため、全ての交流系統遮断器ACCBを開路することで、事故極で事故電流を遮断する。また、順変換動作している健全極の電力変換器21〜23では、地絡箇所を経由する電流を供給するので、事故除去装置24は、順変換動作中で且つ健全極の電力変換器21〜23に対して変更指令値を出力して、電流の供給を停止する。つまり、健全極且つ逆変換動作する電力変換器21〜23だけが運転継続可能となる。
しかし、直流事故の発生後は、電力供給源となる順変換動作の電力変換器21〜23は運転停止する。そのため、逆変換動作する電力変換器21〜23も運転停止する必要がある。したがって、事故除去装置24では、全ての健全極の順変換動作と逆変換動作を停止させる。
図6に示すように、第2の実施形態にて、上記第1の実施形態と同様の運転且つ同様の箇所で地絡事故などの直流事故が発生したとする。さらに、地絡事故の発生から間もなく、事故極の全ての交流系統遮断器ACCBは開路とする。このとき、電力変換器21P、22P、23Pの各事故除去装置24は、他極事故判定信号が0、自極事故判定信号の反転信号が0、AND回路16の出力が0となる。前述したように、他極事故判定信号に関しては他極が健全極なら0、事故極なら1となる。
電力変換器21N、22N、23Nは、他極事故判定信号が1、自極事故判定信号の反転信号が1、AND回路16の出力が1となる。よって、演算部18では電力変換器21N、22N、23Nの健全極において電力指令値の変更指令が1となり、制御変更部19は電力変換器21N、22N、23Nに関して順変換動作と逆変換動作を停止する変更指令値を出力する。なお、電力変換器21N、22N、23Nは交流側の無効電力運転は継続できる。
以上のように、第2の実施形態では、直流事故が発生すると、自極事故判定信号と他極事故判定信号を入力して、全ての健全極の順変換動作と逆変換動作を停止させる。したがって、直流送電線3から直流系統遮断器DCCBを削除した直流送電システム1Aであっても、事故を確実に除去することができる。
なお、第2の実施形態でも、演算部18が、予め設定された複数の段階を経て所定の電力指令値まで変更する変更指令値を演算することで、制御変更部19が電力指令値を徐々に変更する制御を行うようにしてもよい。これにより、連系する交流系統の安定性を確保することができる。
また、第2の実施形態でも、復帰制御部20を設けることで、直流事故の発生後から予め設定された時間が経過後、事故電流が十分に低減した状態で直流送電システム1の運転を再開することが可能である。そのため、復帰の直流線路再充電と同時に再度地絡することがなくなり、直流送電システム1Aを運用する際の信頼性が向上する。
(他の実施形態)
本発明のいくつかの複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、制御変更部19は、自己消弧型素子のゲート信号に用いて電力変換器への電力指令値を変更するようにしてもよい。このような実施形態によれば、MMCからなる電力変換器21〜23において、制御変更部19を簡単に構成することができ、シンプルな構成の事故除去装置を実現することができる。
1、1A…直流送電システム
3…直流送電線
4…保護装置
6…セルコンデンサ
7…スイッチング素子
8A…上アーム
8B…下アーム
9…バッファリアクトル
10…変圧器
11、12、13…交流系統
14、24…事故除去装置
15…比較器
16、17…AND回路
18…演算部
19…復帰判定部
21P、21N、22P、22N、23P、23N…電力変換器
51、52、53…双極間電極線

Claims (10)

  1. 電力変換器が複数設置され少なくとも2極から構成された直流送電システムに適用される事故除去装置であって、
    直流事故発生時に前記電力変換器への電力指令値を変更する制御変更部を備えた事故除去装置。
  2. 予め設定された閾値と前記電力変換器への現在の電力指令値とを比較する比較部と、
    外部から自端事故判定信号及び自極事故判定信号を入力して事故箇所を判定する判定部と、を備え、
    前記制御変更部は、前記比較部の比較結果及び前記判定部の判定結果に基づいて前記電力変換器への電力指令値を変更する請求項1に記載の事故除去装置。
  3. 前記判定部は、自端の電力変換器の属する端子が、事故箇所から切り離されていない事故端又は事故箇所から切り離す手段を有していない事故端であり、且つ自端の電力変換器の属する極が、事故の発生していない健全極であることを判定する請求項2に記載の事故除去装置。
  4. 前記比較部は、比較結果に基づいて前記電力変換器が順変換動作であることを判定する請求項2または3に記載の事故除去装置。
  5. 前記制御変更部は、前記電力変換器の順変換動作を停止させるように前記電力変換器への電力指令値を変更する請求項1〜4のいずれかに記載の事故除去装置。
  6. 予め設定された複数の段階を経て所定の電力指令値まで変更する変更指令値を演算する演算部を備え、
    前記制御変更部は前記演算部の演算結果に従って前記電力変換器への電力指令値を変更する請求項1〜5のいずれかに記載の事故除去装置。
  7. 前記制御変更部は電力指令値を0に変更する請求項1〜6のいずれかに記載の事故除去装置。
  8. 直流事故発生後に事故箇所でアークのない零電流状態が所定の時間を経過したことを判定して、順変換運転停止中の前記電力変換器に対し事故前と同様の電力指令値を出力する復帰制御部を備えた請求項1〜7のいずれかに記載の事故除去装置。
  9. 前記制御変更部は、自己消弧型素子のゲート信号により前記電力変換器への電力指令値を変更する請求項1〜8のいずれかに記載の事故除去装置。
  10. 前記電力変換器はモジュラーマルチレベルコンバータからなる請求項1〜9のいずれかに記載の事故除去装置。
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