本出願に係る電子機器および表示制御方法を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、本出願に係る電子機器の一例として、スマートフォンについて説明する。
(実施形態1)
図1を参照しつつ、実施形態に係るスマートフォン1の機能構成の一例を説明する。図1は、実施形態1に係るスマートフォンの機能構成を示すブロック図である。以下の説明においては、同様の構成要素に同一の符号を付すことがある。さらに、重複する説明は省略することがある。
図1に示すように、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12と、カメラ13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16とを備える。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、重ねて配置されてもよいし、並べて配置されてもよいし、離して配置されてもよい。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重ねて配置される場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺がタッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。タッチスクリーンディスプレイ2は、表示部の一例である。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等を表示する。ディスプレイ2Aが表示する文字、画像、記号、及び図形等を含む画面には、ロック画面と呼ばれる画面、ホーム画面と呼ばれる画面、アプリケーションの実行中に表示されるアプリケーション画面が含まれる。ホーム画面は、デスクトップ、待受画面、アイドル画面、標準画面、アプリ一覧画面又はランチャー画面と呼ばれることもある。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等(以下、単に「指」という)がタッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に接触したときのタッチスクリーン2B上の位置(以下、接触位置と表記する)を検出することができる。タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指の接触を、接触位置とともにコントローラ10に通知する。タッチスクリーン2Bは、接触位置検出部の一例である。
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、利用者はスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン2Bに接触するものと想定する。
コントローラ10(スマートフォン1)は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいて、ジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、指を用いて、タッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に対して行われる操作である。コントローラ10(スマートフォン1)が、タッチスクリーン2Bを介して判別するジェスチャには、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトが含まれるが、これらに限定されない。
ボタン3は、利用者からの操作入力を受け付ける。ボタン3の数は、単数であっても、複数であってもよい。
照度センサ4は、照度を検出する。照度は、照度センサ4の測定面の単位面積に入射する光束の値である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。照度センサ4は、照度検出部の一例である。
近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化又は超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、ディスプレイ2Aが顔に近づけられたことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、1つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信する。通信ユニット6によってサポートされる無線通信規格には、例えば、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格と、近距離無線の通信規格がある。セルラーフォンの通信規格としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。近距離無線の通信規格としては、例えば、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等がある。WPANの通信規格には、例えば、ZigBee(登録商標)がある。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
レシーバ7は、音出力部である。レシーバ7は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、通話時に相手の声を出力するために用いられる。マイク8は、音入力部である。マイク8は、利用者の音声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラム(図示略)とが含まれる。フォアグランドで実行されるアプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに画面が表示される。制御プログラムには、例えば、OSが含まれる。アプリケーション及び基本プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、表示制御プログラム9A、メールアプリケーション9B、電話アプリケーション9C、設定データ9Zなどを記憶する。
表示制御プログラム9Aは、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離が近くなるほど、ディスプレイ2Aに表示される画面のスクロール速度を遅くするための機能を提供する。表示制御プログラム9Aは、例えば、カメラ12により取得される利用者の画像から虹彩を抽出し、抽出した虹彩の大きさに基づいて、利用者の眼球とタッチスクリーンディスプレイ2との距離を算出する。表示制御プログラム9Aは、算出した距離に基づいて、画面のスクロール速度を調整する。
図2は、実施形態1に係る表示制御プログラムにより提供されるスクロール速度の調整機能について説明するための図である。図2に示すように、表示制御プログラム9Aは、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離が近くなるほど、スクロール速度(センチメートル/秒)が遅くなるように調整し、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離が遠くなるほど、スクロール速度(センチメートル/秒)が速くなるように調整する。さらに、実施形態1において、表示制御プログラム9Aは、スクロール速度の調整を実行する際、画面に表示される文字のフォントサイズを加味してもよい。例えば、表示制御プログラム9Aは、画面に表示される文字のフォントサイズを特定し、特定したフォントサイズに対応する調整率を用いて、スクロール速度の調整を実行する。図2に示すように、フォントサイズが18である場合よりも、フォントサイズが10である場合の方が、表示制御プログラム9Aによるスクロール速度は低く抑えられる。また、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離が長くなるに応じて、表示制御プログラム9Aにより実行されるスクロール速度が速くなる度合いも低く抑えられる。このため、スクロール中の画面の見やすさが向上される。
図2に示す例では、フォントサイズとして10及び18について説明したが、これは一例に過ぎず、画面の文字に採用される全てのフォントサイズに応じたスクロール速度の調整率があってもよい。画面の文字に採用される全てのフォントサイズに応じたスクロール速度の調整率がない場合、表示制御プログラム9Aは、最も近いフォントサイズの調整率を用いて、スクロール速度の調整を実行してもよい。画面の文字に採用されるフォントサイズに関わらず、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離のみに応じて、スクロール速度の調整を実行してもよい。ここで、上記調整率は、利用者ごとに設定可能であることが好ましい。
メールアプリケーション9Bは、電子メールの作成、送信、受信、及び表示等のための電子メール機能を提供する。電話アプリケーション9Cは、無線通信による通話のための通話機能を提供する。
設定データ9Zは、表示制御プログラムにより提供される機能に基づいて実行される処理に用いられる各種データを含んで構成される。設定データ9Zは、例えば、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離に応じてスクロール速度を調整するための調整率のデータを含んでよい。設定データ9Zは、調整率のデータを、画面のフォントサイズごとにそれぞれ含んでよい。
コントローラ10は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、およびコプロセッサを含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。コントローラ10は、制御部の一例である。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、マイク8、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、及び方位センサ16を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離に応じて、画面のスクロール速度を調整する。コントローラ10は、例えば、表示制御プログラム9Aを実行することにより、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離が近くなるほど、ディスプレイ2Aに表示される画面のスクロール速度を遅くする処理を実現する。一方、コントローラ10は、表示制御プログラム9Aを実行することにより、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離が遠くなるほど、ディスプレイ2Aに表示される画面のスクロール速度を速くする。さらに、コントローラ10は、画面に表示される文字のフォントサイズを加味して、スクロール速度を調整してもよい。
以下、図3及び図4を用いて、実施形態1に係るスマートフォン1により実行される処理の例を説明する。図3及び図4は、実施形態1に係るスマートフォン1により実行される処理の例を説明するための図である。
スマートフォン1は、利用者の操作などに応じて、タッチスクリーンディスプレイ2に表示される画面のスクロールを実行する。図3に示す例では、スマートフォン1が、スクロール速度「V1」で画面のスクロールを実行中の状態である。スクロール速度「V1」は、例えば、フリック操作など、利用者の操作に応じて画面をスクロールする際のデフォルトのスクロール速度に該当する。あるいは、スクロール速度「V1」は、例えば、画面の自動スクロールの実行指示を利用者から受け付けて、画面を自動スクロールする際のスクロール速度が該当する。
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2に表示される画面のスクロール実行中、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離に応じて、画面のスクロール速度を調整する処理を実行する。スマートフォン1は、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離が近くなると、スクロール速度が遅くなるように調整する(図4のS1参照)。一方、スマートフォン1は、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離が遠くなると、スクロール速度が速くなるように調整する(図4のS2参照)。スマートフォン1は、スクロール速度を調整する際、画面に表示される文字のフォントサイズをさらに加味してもよい。例えば、スマートフォン1は、画面に表示される文字のフォントサイズに対応する調整率を用いて、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離に応じたスクロール速度の調整を実行する。
スピーカ11は、音出力部である。スピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力する。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。
カメラ12及びカメラ13は、撮影した画像を電気信号へ変換する。カメラ12は、ディスプレイ2Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、ディスプレイ2Aの反対側の面に面している物体を撮影するアウトカメラである。カメラ12及びカメラ13は、インカメラ及びアウトカメラを切り換えて利用可能なカメラユニットとして、機能的及び物理的に統合された状態でスマートフォン1に実装されてもよい。カメラ12は、画面がスクロールされると、スクロールに同期して画像を取得する。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、スマートフォン1に作用する加速度の方向及び大きさを検出する。方位センサ16は、例えば、地磁気の向きを検出し、地磁気の向きに基づいて、スマートフォン1の向き(方位)を検出する。
スマートフォン1は、上記の各機能部の他、GPS受信機、及びバイブレータを備えてもよい。GPS受信機は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信し、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号をコントローラ10に送出する。バイブレータは、スマートフォン1の一部又は全体を振動させる。バイブレータは、振動を発生させるために、例えば、圧電素子、又は偏心モータなどを有する。図1には示していないが、バッテリなど、スマートフォン1の機能を維持するために当然に用いられる機能部はスマートフォン1に実装される。
図5を参照しつつ、実施形態1に係るスマートフォン1による処理の流れを説明する。図5は、実施形態1に係るスマートフォン1による処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す処理は、コントローラ10が、ストレージ9に記憶されている表示制御プログラム9Aなどを実行することにより実現される。
図5に示すように、コントローラ10は、画面をスクロール中であるかを判定する(ステップS101)。
コントローラ10は、判定の結果、画面をスクロール中である場合には(ステップS101,Yes)、カメラ12により取得された画像を取得する(ステップS102)。
続いて、コントローラ10は、ステップS102にて取得した画像に基づいて、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離を算出する(ステップS103)。
続いて、コントローラ10は、ステップS103で算出した距離に対して、スクロール速度が適切であるかを判定する(ステップS104)。すなわち、コントローラ10は、スクロール速度が、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイとの距離に応じた速度であるかを判定する。
コントローラ10は、判定の結果、スクロール速度が適切ではない場合には(ステップS104,No)、ステップS103で算出した距離に応じてスクロール速度を調整し(ステップS105)、ステップS101の処理手順に戻る。例えば、コントローラ10は、画面の文字に採用されているフォントサイズを特定し、特定したフォントサイズに対応するスクロール速度の調整率(図2)を参照する。コントローラ10は、参照する調整率から、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイとの距離に対するスクロール速度を導出する。コントローラ10は、導出するスクロール速度と、現在のスクロール速度が一致しない場合、スクロール速度は適切ではないと判断し、スクロール速度の調整を行う。
上記ステップS104において、コントローラ10は、判定の結果、スクロール速度が適切である場合には(ステップS104,Yes)、上記ステップS101の処理手順に戻る。すなわち、コントローラ10は、画面をスクロール中であれば、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイとの距離に応じたスクロール速度の調整を継続する。
上記ステップS101において、コントローラ10は、画面をスクロール中ではない場合には(ステップS101,No)、ステップS101の判定を繰り返す。
上記の実施形態1において、スマートフォン1は、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離に応じて、画面のスクロール速度を調整する。さらに、上記の実施形態1において、スマートフォン1は、画面のスクロール速度を調整する際、画面に表示される文字の大きさを加味する。このように、実施形態1によれば、画面のスクロール速度を適切に制御することができ、その結果、スクロール中の画面の見やすさを向上することが可能となる。
(実施形態2)
上記の実施形態1において、スマートフォン1は、画面のスクロール中に、利用者の眼が閉じられている状態を検出すると、画面のスクロールを停止させてもよい。実施形態2に係るスマートフォン1の機能構成は、以下に説明する点が実施形態1とは異なる。
表示制御プログラム9Aは、画面をスクロール中に、カメラ12により取得される画像に基づいて、利用者の閉眼時間が所定時間よりも長いかを判定し、当該閉眼時間が所定時間よりも長い場合には、画面のスクロールを停止させるための機能を提供する。表示プログラム9Aは、閉眼時間が所定時間よりも長いかを判定するので、単なる瞬きを除外することが可能となる。
また、表示制御プログラム9Aは、画面をスクロール中に、照度センサ4により照度が閾値以下であるかを判定し、判定の結果閾値以下である場合には、画面のスクロールを停止させるための機能を提供する。これは例えば、利用者がスマートフォン1を利用者の胸の上に伏せた状態で、眠ってしまった場合を想定したものである。
設定データ9Zは、利用者の眼の閉眼時間を判定するための所定時間に関するデータを含む。設定データ9Zは、照度センサ4により照度を判定するための閾値に関するデータを含む。
コントローラ10は、表示制御プログラム9Aを実行することにより、次の処理を実行する。すなわち、コントローラ10は、画面をスクロール中に、カメラ12により取得される画像に基づいて、利用者の閉眼時間が所定時間よりも長いかを判定し、当該閉眼時間が所定時間よりも長い場合には、画面のスクロールを停止させる。図6は、実施形態2に係る表示制御プログラムにより提供されるスクロール速度の調整機能について説明するための図である。図6に示すように、コントローラ10は、例えば、利用者の操作に応じて、タッチスクリーンディスプレイ2に表示される画面をスクロールする(図6のS3)。コントローラ10は、画面のスクロール中に、カメラ12により取得される画像に基づいて利用者の眼が閉じられている状態にあると判定した場合、閉眼時間が所定時間よりも長いことを条件として、画面のスクロールを停止させる(図6のS4)。
また、コントローラ10は、表示制御プログラム9Aを実行することにより、次の処理を実行してもよい。すなわち、コントローラ10は、画面をスクロール中に、照度センサ4により照度が閾値以下であるかを判定し、判定の結果閾値以下である場合には、画面のスクロールを停止させる。
図7及び図8を参照しつつ、実施形態2に係るスマートフォン1による処理の流れを説明する。図7及び図8は、実施形態2に係るスマートフォン1による処理の流れを示すフローチャートである。図7及び図8に示す処理は、コントローラ10が、ストレージ9に記憶されている表示制御プログラム9Aなどを実行することにより実現される。
図7に示す処理の流れは、ステップS203およびステップS207の処理が、上記の実施形態1に係るスマートフォン1による処理の流れとは異なる。
図7に示すように、コントローラ10は、画面をスクロール中であるかを判定する(ステップS201)。
コントローラ10は、判定の結果、画面をスクロール中である場合には(ステップS201,Yes)、カメラ12により取得された画像を取得する(ステップS202)。
続いて、コントローラ10は、ステップS202にて取得した画像に基づいて、利用者の眼が開いている状態かを判定する(ステップS203)。コントローラ10は、例えば、取得した画像の認識処理を実行し、画像内に利用者の眼(あるいは、虹彩などの特定部位)が存在するかを判定することにより、眼が開いた状態であるかを判定する。
コントローラ10は、判定の結果、利用者の眼が開いた状態である場合には(ステップS203,Yes)、ステップS202で取得した画像に基づいて、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離を算出する(ステップS204)。
続いて、コントローラ10は、ステップS204で算出した距離に対して、スクロール速度が適切であるかを判定する(ステップS205)。
コントローラ10は、判定の結果、スクロール速度が適切ではない場合には(ステップS205,No)、ステップS204で算出した距離に応じてスクロール速度を調整し(ステップS206)、ステップS201の処理手順に戻る。例えば、コントローラ10は、画面の文字に採用されているフォントサイズを特定し、特定したフォントサイズに対応するスクロール速度の調整率(図2)を参照する。コントローラ10は、参照する調整率から、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離に対するスクロール速度を導出する。コントローラ10は、導出するスクロール速度と、現在のスクロール速度が一致しない場合、スクロール速度は適切ではないと判断し、スクロール速度の調整を行う。
上記ステップS205において、コントローラ10は、判定の結果、スクロール速度が適切である場合には(ステップS205,Yes)、上記ステップS201の処理手順に戻る。すなわち、コントローラ10は、画面をスクロール中、眼を開いた状態であれば、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離に応じたスクロール速度の調整を継続する。
上記ステップS203において、コントローラ10は、判定の結果、利用者の眼が開いた状態ではない場合には(ステップS203,No)、スクロールを停止し(ステップS207)、上記ステップS201の処理手順に戻る。
上記ステップS201において、コントローラ10は、画面をスクロール中ではない場合には(ステップS201,No)、ステップS201の判定を繰り返す。
図8に示す処理の流れは、ステップS302およびステップS307の処理が、上記の実施形態1に係るスマートフォン1による処理の流れとは異なる。
図8に示すように、コントローラ10は、画面をスクロール中であるかを判定する(ステップS301)。
コントローラ10は、判定の結果、画面をスクロール中である場合には(ステップS301,Yes)、照度が閾値以下であるかを判定する(ステップS302)。
コントローラ10は、判定の結果、照度が閾値以下ではない場合には(ステップS302,No)、カメラ12により取得された画像を取得する(ステップS303)。
続いて、コントローラ10は、ステップS303にて取得した画像に基づいて、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイとの距離を算出する(ステップS304)。
続いて、コントローラ10は、ステップS304で算出した距離に対して、スクロール速度が適切であるかを判定する(ステップS305)。
コントローラ10は、判定の結果、スクロール速度が適切ではない場合には(ステップS305,No)、ステップS304で算出した距離に応じてスクロール速度を調整し(ステップS306)、ステップS201の処理手順に戻る。例えば、コントローラ10は、画面の文字に採用されているフォントサイズを特定し、特定したフォントサイズに対応するスクロール速度の調整率(図2)を参照する。コントローラ10は、参照する調整率から、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離に対するスクロール速度を導出する。コントローラ10は、導出するスクロール速度と、現在のスクロール速度が一致しない場合、スクロール速度は適切ではないと判断し、スクロール速度の調整を行う。
上記ステップS305において、コントローラ10は、判定の結果、スクロール速度が適切である場合には(ステップS305,Yes)、上記ステップS301の処理手順に戻る。すなわち、コントローラ10は、画面をスクロール中、照度が閾値より大きい場合であれば、利用者の眼とタッチスクリーンディスプレイ2との距離に応じたスクロール速度の調整を継続する。
上記ステップS302において、コントローラ10は、判定の結果、照度が閾値以下である場合には(ステップS302,Yes)、スクロールを停止し(ステップS307)、上記ステップS301の処理手順に戻る。
上記ステップS301において、コントローラ10は、画面をスクロール中ではない場合には(ステップS301,No)、ステップS301の判定を繰り返す。
上記の実施形態2において、スマートフォン1は、利用者の眼が閉じられている状態、または照度が閾値以下の状態など、利用者が画面を見ていないと判断した場合、スクロールを停止させる。このため、スマートフォン1は、最後に画面を見ていた箇所から利用者にスクロールを再開させることができるので、利用者の利便性を向上できる。
上記の実施形態では、添付の請求項に係る装置の例として、スマートフォン1について説明したが、添付の請求項に係る装置は、スマートフォン1に限定されない。添付の請求項に係る装置は、スクリーンを有する電子機器であれば、スマートフォン以外の装置であってもよい。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記の実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成により具現化されるべきである。