JP2019023582A - 磁気センサ及び磁気測定方法 - Google Patents

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敬二 圓福
Keiji Enpuku
敬二 圓福
政晃 松尾
Masaaki Matsuo
政晃 松尾
吉田 敬
Takashi Yoshida
吉田  敬
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Abstract

【課題】高温超伝導コイルを用い、励起磁界中で低周波数領域までの信号磁界を高感度に検出することができる磁気センサを提供する。
【解決手段】測定対象となる信号磁束を捕捉する高温超伝導体からなるコイルL1と、コイルL1に直列に接続され、当該コイルL1で捕捉された信号磁束を検出する高温超伝導体からなるコイルL2と、コイルL1及びコイルL2に直列接続して閉回路を形成する微小抵抗Rcと、コイルL1からコイルL2に伝達された信号磁束を電圧信号に変換して測定する検出部12と、コイルL2のインダクタンスを時間的に変化させる変調手段とを備えるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、高温超伝導コイルを用いたインダクタンス変調型の磁気センサ等に関する。

磁気センサは、医療・バイオ検査、非破壊検査、材料物性解析、資源探査、地球物理、などの幅広い分野で応用されている。これらの応用において、検査・解析の性能を高度化するためには微弱な磁気信号を高精度に計測する必要があり、このための高感度磁気センサが求められている。

従来知られている一般的な磁気センサとして、電磁誘導型の磁気センサがある。図9は、従来技術の電磁誘導型の磁気センサの基本構成図である。図9(A)において、コイルの断面積をS、巻数をN、外部から与えられる磁界をB、コイルに鎖交する磁束をΦ(=B×N×S)とすると、コイルの両端の電圧Vは、Φを時間的に変化させた

となり、これは周波数fに比例する。つまり、周波数fと電圧Vとの関係は、図9(B)のグラフのような比例関係となり、低周波数の領域においては、電圧が小さくなり感度が低くなるため、センサとして機能することができないという問題がある。

ここで、対象物からの磁気信号を測定する磁気測定方法は大きく二つの場合に大別されており、一つは、対象物から自発的に発生している自発磁化を計測する場合である。この場合は、微弱な磁気信号を高精度に計測できれば良く、そのためのセンサも種々開発されている。もう一つは、励起磁界を印加して対象物を磁化し、対象物の磁化信号を計測する場合である。この場合は、大きな励起磁界を印加した状態で微弱な磁気信号を計測する必要があるが、この要求を満たす磁気センサは非常に少ないのが現状である。

その理由は、磁気センサには正常に動作する磁界範囲(最小値と最大値)が存在し、高感度な磁気センサほど計測できる磁界の最大値は小さくなるためである。すなわち、磁気センサが大きな励起磁界に直接曝された場合には、磁気飽和してしまい、磁気センサの正常な動作が出来なくなる。このため、励起磁界を用いた磁気計測では、センサの高感度性を維持しつつ、励起磁界の影響を如何に除去するかが重要な課題となっている。

この問題を解決する一つの方法が、信号磁界の捕捉と検出を分離して行う方法である。検出コイルにより信号磁界を捕捉し、この信号磁界を磁気センサに伝達して計測する方法である。この方法では、磁気センサを励起磁界の外部に設置できるため、励起磁界の悪影響を除去することが出来る。この問題と、上記の電磁誘導型の磁気センサの問題とを解決する技術として、液体ヘリウム温度で動作する超伝導コイルと超伝導量子干渉素子(SQUID)を用いた磁気センサが知られている(非特許文献1〜3)。

図10は、従来技術のSQUIDの基本構成図である。図10(A)において、超伝導コイルを用いてR=0の閉回路が形成され、電流読み出しにより計測が行われる。ここで、閉回路を流れる電流Iは、R=0の場合に

となり、検出コイルの磁束Φは、

となり、Φに比例し、周波数fには依存しないものとなる(図10(B)を参照)。つまり、電流Iを検出することで、周波数fに依存しない計測が可能となる。

また、これまでに、高温超伝導コイルと常伝導コイルとを組み合わせて磁気信号を伝達し、この磁気信号を高温超伝導SQUIDで検出する装置が開発されており(非特許文献4〜10)、この装置を用いた医療・バイオ検査、非破壊検査、材料物性解析等の応用が研究されている。

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しかしながら、液体ヘリウム温度で動作するSQUIDは、冷媒としての液体ヘリウムが必要となり、装置の価格や維持コストが高く、また、取り扱いが複雑であるといった課題を有する。

また、高温超伝導コイルを用いた方式では、数十ヘルツ以下の低周波では信号伝達の効率が極めて悪くなり、低周波磁界に対する高感度な磁気センサは実現できていないという課題を有する。

本発明は、高温超伝導コイルを用い、励起磁界中で低周波数領域までの信号磁界を高感度に検出することができる磁気センサを提供する。

本発明に係る磁気センサは、測定対象となる信号磁束を捕捉する高温超伝導体からなる第1コイルと、第1コイルに直列に接続され、当該第1コイルで捕捉された信号磁束を検出する高温超伝導体からなる第2コイルと、第1コイル及び第2コイルに直列接続して閉回路を形成する微小抵抗と、第1コイルから第2コイルに伝達された信号磁束を電圧信号に変換して測定する電圧測定手段と、第2コイルのインダクタンスを時間的に変化させる変調手段とを備えるものである。

このように、本発明に係る磁気センサにおいては、測定対象となる信号磁束を捕捉する高温超伝導体からなる第1コイルと、第1コイルに直列に接続され、当該第1コイルで捕捉された信号磁束を検出する高温超伝導体からなる第2コイルと、第1コイル及び第2コイルに直列接続して閉回路を形成する微小抵抗とにおける、第2コイルのインダクタンスを時間的に変化させることで、周波数に依存しない電圧を計測することが可能となり、極めて低周波数であっても、高感度に磁界を検出することができるという効果を奏する。

また、第1コイルと第2コイルとを高温超伝導コイルで形成することで、冷媒として液体窒素を利用することが可能となり、装置の価格や維持コストを低く、また、取り扱いを簡素化することができるという効果を奏する。

本発明に係る磁気センサは、測定対象となる信号磁束を捕捉する高温超伝導体からなる第1コイルと、第1コイルに直列に接続され、当該第1コイルで捕捉された信号磁束を検出する高温超伝導体からなる第2コイルと、第2コイルに磁気結合する第3コイルと、第1コイル及び第2コイルに直列接続して閉回路を形成する微小抵抗と、第1コイルから第2コイルに伝達された信号磁束を当該第2コイルに磁気結合する第3コイルの電圧信号として測定する電圧測定手段と、第2コイルと第3コイルとの相互インダクタンスを時間的に変化させる変調手段とを備えるものである。

このように、本発明に係る磁気センサにおいては、測定対象となる信号磁束を捕捉する高温超伝導体からなる第1コイルと、第1コイルに直列に接続され、当該第1コイルで捕捉された信号磁束を検出する高温超伝導体からなる第2コイルと、第1コイル及び第2コイルに直列接続する微小抵抗とで閉回路を形成し、第2コイルに磁気結合する第3コイルとを有しており、第2コイルと第3コイルとの相互インダクタンスを時間的に変化させることで、周波数に依存しない電圧を計測することが可能となり、極めて低周波数であっても、高感度に磁界を検出することができるという効果を奏する。

また、第1コイルと第2コイルと第3コイルとを高温超伝導コイルで形成することで、冷媒として液体窒素を利用することが可能となり、装置の価格や維持コストを低く、また、取り扱いを簡素化することができるという効果を奏する。

本発明に係る磁気センサは、前記微小抵抗が、第1コイルと第2コイルとを結線する常伝導体からなり、測定周波数に応じて抵抗値が調整されているものである。

このように、本発明に係る磁気センサにおいては、前記微小抵抗が、第1コイルと第2コイルとを結線する常伝導体からなり、測定周波数に応じて抵抗値が調整されているため、測定対象物に応じて、適正な周波数で計測することが可能になるという効果を奏する。

本発明に係る磁気センサは、変調手段が、第2コイルに挿入される磁性体と、当該磁性体に電流を通電する電流源とを有するものである。

このように、本発明に係る磁気センサにおいては、変調手段が、第2コイルに挿入される磁性体と、当該磁性体に電流を通電する電流源とを有するため、電流源により電流を制御することで、第2コイルのインダクタンスを容易に変調させることができるという効果を奏する。

本発明に係る磁気センサは、変調手段が、第3コイルに挿入される磁性体と、当該磁性体に電流を通電する電流源とを有するものである。

このように、本発明に係る磁気センサにおいては、変調手段が、第3コイルに挿入される磁性体と、当該磁性体に電流を通電する電流源とを有するため、電流源により電流を制御することで、第2コイルと第3コイルの間の相互インダクタンスを容易に変調させることができるという効果を奏する。

第1の実施形態に係る磁気センサの回路構成を示す図である。 接触抵抗がある場合の周波数と電流との関係を示す図である。 第2の実施形態に係る磁気センサの回路構成を示す図である。 実施例において、磁性ワイアに直流バイアス電流を流したときのインダクタンスの変化の測定結果を示す図である。 実施例において、信号磁束の周波数を2kHzとした時の電圧の周波数スペクトルの測定結果を示す図である。 実施例において、信号磁束の周波数を変化したときの周波数特性の結果を示す図である。 実施例において、磁界感度を測定した結果を示す図である。 実施例において、雑音特性を測定した結果を示す図である。 従来技術の電磁誘導型の磁気センサの基本構成図である。 従来技術のSQUIDの基本構成図である。

以下、本発明の実施の形態を説明する。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。

(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る磁気センサについて、図1及び図2を用いて説明する。本実施形態に係る磁気センサは、高温超伝導コイルを用いて、励起磁界中で低周波数の信号磁界を高感度に計測できるものである。

図1は、本実施形態に係る磁気センサの回路構成を示す図である。磁気センサ1は、外部の信号磁界Bを信号磁束Φとして捕捉する高温超伝導体で形成されたコイルL1と、コイルL1に直列接続され、高温超伝導体からなり、コイルL1で捕捉された磁束を検出するコイルL2と、コイルL1及びコイルL2に直列接続されて閉回路を形成する抵抗Rcとを備える。

コイルL2には、当該コイルL2のインダクタンスLを変調させるために、コイル内に磁性ワイア10(例えば、アモルファス磁性ワイア等)が挿入されており、この磁性ワイア10に電流を通電する電流源11を備える。コイルL1で捕捉した信号磁界は、コイルL2に伝達されて、検出部12で電圧信号として計測される。

コイルL2のインダクタンスの変調は、磁性ワイア10にバイアス電流Iを通電することで行う。磁性ワイア10に電流が通電されると、この電流により磁性ワイア10が磁化されてその透磁率が変化する。コイルL2のインダクタンスは、磁性ワイア10の透磁率の変化によって変化するため、バイアス電流IによりコイルL2のインダクタンスLを時間的に変化させることができる。

以下、本実施形態に係る磁気センサ1の動作原理について詳細に説明する。図1におけるコイルL1のインダクタンスをL、コイルL2のインダクタンスをLとする。コイルL1とコイルL2とは、それぞれ高温超伝導体からなるため、必ず接続抵抗Rが生じる。検出する信号磁界の周波数fが、

の場合には、信号伝達に及ぼす接続抵抗の影響を無視することができるため、ここでは、簡単のためにR=0として説明する。

なお、ここで、接続抵抗Rと周波数fとの関係について説明する。図10において、液体ヘリウム温度で動作する超伝導コイルを用いたSQUIDについて説明しているが、これは、液体ヘリウムを冷媒として利用することでR=0の超伝導ループを実現することができる。つまり、上述したように、図10においては、周波数に依存しないで電流Iを読み出すことが可能となり、fが低周波数であっても高感度に検出することが可能である。

一方、本実施形態に係る磁気センサは、高温超伝導コイルを用いるため、上述したように接続抵抗R>0が生じる。図10において、R>0の場合、電流Iは、ω=2πfを用いて、

となり、周波数fと|I|との関係は、図2のようなグラフとなる。図2のグラフから、わかるように、周波数がfc未満においては、電流|I|が大きく変動しており、感度が悪くなるため磁気センサとして機能することができない。また、以下の式により、Rが大きくなるほど周波数fcが大きくなることから、低周波数での計測を行うためには、Rを出来るだけ小さくすることが望ましい。

式(1)に戻って、上述したように、ここではR=0とし、検出部12が電圧(V)読み出しにより信号磁界を計測する方法について説明する。コイルL1に信号磁束Φが鎖交した場合を考えると、図1における閉回路に流れる電流Iは、

で与えられる。コイルL2に鎖交している磁束をΦとすると、

で与えられる。ここで、コイルL2のインダクタンスLが一定の場合は、

となり、周波数に比例するため、低周波数領域において高感度に計測するのが困難となる。そこで、コイルL2のインダクタンスL

となるように時間tで変調されている場合を考える。ただし、ωは変調の角周波数であり、Kは変調度を表す。このとき、図1に示すコイルL2の端子間に誘導される電圧Vは、

で与えられる。ただし、信号磁束Φの時間変化に対して、インダクタンスLの変調が十分に速いものとする。したがって、式(3)を用いると、K<1の場合に以下の式を得る。

上式に示すように、Lが角周波数ωで変調され、信号磁束Φが直流の場合には、電圧Vの角周波数はωとなる。また、信号磁束Φの角周波数がωの場合には、電圧Vの角周波数はω±ωとなり、電圧Vは信号磁束ΦのAM変調波として表される。すなわち、電圧Vは式(4)の第1項に示すようなΦの時間変化ではなく、Φに比例するものとなり、本実施形態においては、信号磁束Φに比例した電圧値Vを計測することが可能となる。

次に、インダクタンスの変調方法について説明する。コイルL2のインダクタンスの変調方法としては、図1に示すように、磁性ワイア10をコイルL2内に挿入し、磁性ワイア10にバイアス電流Iを流す。上述したように、磁性ワイア10に電流が流れると、この電流により磁性ワイア10が磁化され、その透磁率が変化することが知られている(参考文献1:I. Sasada and S. Harada, “Fundamental Mode Orthogonal Fluxgate Gradiometer”, IEEE, TRANSACTIONS ON MAGNETICS, vol.50, No.11, 4007404, 2014、参考文献2:I. Sasada, “Orthogonal fluxgate mechanism operated with dc biased excitation”, JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, vol.91, No.10, pp.7789-7791, 2002)。コイルL2のインダクタンスは、磁性ワイア10の透磁率によって変化するため、バイアス電流IによりコイルL2のインダクタンスを変化させることができる。

したがって、バイアス電流として時間的に変化する電流I(t)を流せば、コイルL2のインダクタンスを次式のように時間的に変調することができる。

ここで、gはインダクタンスの電流Iに対する依存性を示す関数である。

なお、図2に示すように、本実施形態に係る磁気センサにおいては、測定対象となる周波数領域に応じて、抵抗Rを調整できるように構成してもよい。つまり、コイルL1とコイルL2との接続抵抗において、その接触面積を可変することで抵抗Rを調整し、測定対象の周波数領域に合わせた周波数fcを計測できるようにしてもよい。

また、本実施形態においては、コイルL2のインダクタンスを時間的に変化させるために、コイル内に磁性ワイアを挿入し、この磁性ワイアに電流を通電することで、インダクタンスを変調させたが、例えば、電流源を利用することなく、磁性ワイアに変調用の外部磁界を印加することにより、コイルL2のインダクタンスを時間的に変化させてもよい。

(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る磁気センサについて、図3を用いて説明する。本実施形態に係る磁気センサは、前記第1の実施形態に係る磁気センサの変形例である。なお、本実施形態において、前記第1の実施形態と重複する説明は省略する。

図3は、本実施形態に係る磁気センサの回路構成を示す図である。磁気センサ1は、第1の実施形態における図1の場合と異なるのは、図1の場合は、コイルL2の自己インダクタンスを時間的に変化させたのに対して、図3の場合は、コイルL2に磁気結合するコイルL3を有し、コイルL2とコイルL3の相互インダクタンスを時間的に変化させることである。また、コイルL2とコイルL3の相互インダクタンスを時間的に変化させるために、磁性ワイア10は、コイルL2ではなく、コイルL3に挿入されている。なお、コイルL3は、超伝導コイルでも常伝導コイルでもどちらでもよい。

図3において、コイルL3に鎖交している磁束をΦとすると、

で与えられる。コイルL2とコイルL3との相互インダクタンスMが、

となるように時間tで変調されている場合を考える。このとき、コイルL3の端子間に誘導される電圧Vsは、

で与えられる。ただし、信号磁束Φの時間変化に対してMの変調は十分に速いとする。したがって、

となる。(5)式で示した、第1の実施形態における自己インダクタンス変調型の場合と同様に、電圧Vsは信号磁束ΦのAM変調波として表される。すなわち、電圧VはΦに比例するものとなり、本実施形態においても、信号磁束Φに比例した電圧値Vを計測することが可能となる。

なお、本実施形態においても、前記第1の実施形態の場合と同様に、測定対象となる周波数領域に応じて、抵抗Rを調整できるように構成してもよい。つまり、コイルL1とコイルL2との接続抵抗において、その接触面積を可変することで抵抗Rを調整し、測定対象の周波数領域に合わせた周波数fcを計測できるようにしてもよい。

また、本実施形態においても、コイルL2とコイルL3の間の相互インダクタンスを時間的に変化させるために、コイルL3内に磁性ワイアを挿入し、この磁性ワイアに電流を通電することで、インダクタンスを変調させてもよいし、例えば、電流源を利用することなく、磁性ワイアに変調用の外部磁界を印加することにより、コイルL2とコイルL3の間の相互インダクタンスを時間的に変化させてもよい。

本発明に係る磁気センサについて、以下の実験を行った。

(1)コイルL2のインダクタンス変調
図1の回路におけるコイルL2のインダクタンスLの変調方法について、以下の実験を行った。図1における磁性ワイア10にバイアス電流Iを流して、インダクタンスLを変化させる。図4に、磁性ワイア10に直流バイアス電流Iを流したときのインダクタンスの変化の測定結果を示す。

図4に示すように、磁性ワイア10に流す電流IがI=0のときに、コイルL2のインダクタンスLは最大となる。この値をL2,0とする。電流Iを流すと磁性ワイア10の透磁率が減少するため、図4に示すように、コイルインダクタンスも減少する。図4の縦軸は、インダクタンスの変化率ΔL/L2,0を示しており、この実験の場合、I=50mAのバイアス電流を流すと、インダクタンスは12%程度変化していることがわかる。なお、バイアス電流の符号に対しては、対称的に変化する。

この結果から、バイアス電流Iの印加方法として、2つの方法が考えられる。一つは、I(t)=IDC+IACsin(ωt)として直流電流に交流電流を重畳した場合である。この場合、図4からわかるように、コイルL2のインダクタンスLは、以下のように変化する。

したがって、(5)式から、信号電圧は次式で与えられる。

これは、信号磁束Φの角周波数がωの場合には、電圧Vの周波数はω±ωとなる。すなわち、電圧Vは信号磁束ΦのAM変調波として表される。

一方、バイアス電流IをI(t)=IACsin(ωt)とした場合、図4からわかるように、コイルL2のインダクタンスLは、2ωで変化することになる。すなわち、

となり、この場合、信号電圧は次式で与えられる。

これは、信号磁束Φの角周波数がωの場合には、電圧Vの周波数は2ω±ωとなる。すなわち、電圧Vは信号磁束ΦのAM変調波として表される。

(2)磁気センサの動作実験
図1の回路図に基づいた磁気センサを作成した。高温超伝導体からなるコイルL1及びL2は、Bi系高温超伝導テープにより作成し、コイルのパラメータは次の通りである。
線材:住友電工株式会社製、Bi HTS tape、幅3mm
内径:Di=40mm、外径:Do=60mm
巻数:N=27(パンケーキ型コイル)

磁性ワイアのパラメータは以下の通りである。
磁性ワイア:愛知製鋼株式会社製、アモルファスワイア(直径:100μm)
HTSコイルに10ターン巻き付け
ワイア抵抗:185Ω

アモルファスワイアのバイアス電流Iは、以下の条件で与えた。I(t)=IDC+IACsin(ωt)において、周波数f=50kHz、IDC=−12mA(直流電流)、IAC=12mA(交流電流振幅)とする。また、信号磁束Φは、磁界印加コイルによりコイルL1に磁束Φを印加した。

(2−1)信号スペクトルの結果
信号磁束Φの周波数をf=2kHzとした時の電圧Vsの周波数スペクトルの測定結果を図5に示す。図5に示すように、信号電圧Vは、周波数がf±fの成分を持ち、この結果は(12)式の内容と一致していることが明らかとなった。なお、Vには周波数fの成分も存在する。この成分は、アモルファスワイアに流す変調電流Iによって発生する磁束の一部がコイルL2に鎖交するためである。

(2−2)周波数特性の結果
上記磁気センサでどこまで低周波磁界が計測できるかを調べるために、信号磁束Φの周波数を変化したときの電圧Vを測定した。信号磁束Φの周波数をf=0.01、0.1、1、10Hzと変化させ、信号電圧Vをロックインアンプに入力し、周波数f=50kHzで同期検波した。

図6は、上記周波数特性の結果を示す図である。図6に示すように、信号の周波数fに依らず、一定の信号電圧(ロックインアンプ出力Vout)が得られている。このことは、本発明に係る磁気センサが、0.01Hzまでの低周波の磁界を測定可能であることを示している。

また、図1の回路図からコイルL1とL2の接続抵抗の影響が無視できる周波数は、

となる。f=0.01Hzまで抵抗Rの影響が無視できることと、インダクタンスL+Lの値が100μH程度であることを考えると、Rの値は、R<6μΩであることが評価できる。

(2−3)磁界感度の結果
磁気センサの磁界感度を調べるために、信号磁束Φの大きさを変化したときの電圧Vを測定した。信号磁束Φの周波数をf=3Hzに固定し、Φの振幅を変化させ、信号電圧Vをロックインアンプに入力し、周波数f=50kHzで同期検波した。

上記結果を図7に示す。図7において、横軸は、コイルL1の平均半径Dav=50mm、巻数N=27を用いて、Φ=(π/4)Dav NBにより入力磁束Φを磁束密度Bに変換したものであり、縦軸はロックインアンプの入力電圧である。

図7に示すように、信号磁界Bと出力電圧Vsには広い範囲で線形の関係が得られている。この傾きから、磁気センサの感度は、V/B=24.4(V/T)となる。

次に、磁気センサの雑音特性を測定した。3Hzの信号磁束を印加した状態でロックインアンプの出力をスペクトルアナライザに入力し、雑音スペクトルを測定した。その結果を図8に示す。図8において、横軸は周波数、縦軸はV/B=24.4(V/T)で与えられるセンサの電圧感度を用いて磁界雑音S 1/2に換算したものである。

図8に示すように、f>5Hzにおいては白色雑音となった。この白色雑音の値は、√S=40pT/√Hzとなった。f≦5Hzにおいては、周波数の低下とともに、雑音が若干増加し、√S=100pT/√Hz(at 1Hz)となった。図6及び図8の結果から、3Hzの信号は明確に計測され、従来の電磁誘導型のセンサに比べても、低周波領域における磁界雑音が明らかに低減され、高感度検出が可能になっていることが示された。

L1,L2,L3 コイル
Rc 抵抗
1 磁気センサ
10 磁性ワイア
11 電流源
12 検出部

Claims (7)

  1. 測定対象となる信号磁束を捕捉する高温超伝導体からなる第1コイルと、
    第1コイルに直列に接続され、当該第1コイルで捕捉された信号磁束を検出する高温超伝導体からなる第2コイルと、
    第1コイル及び第2コイルに直列接続して閉回路を形成する微小抵抗と、
    第1コイルから第2コイルに伝達された信号磁束を電圧信号に変換して測定する電圧測定手段と、
    第2コイルのインダクタンスを時間的に変化させる変調手段とを備えることを特徴とする磁気センサ。
  2. 測定対象となる信号磁束を捕捉する高温超伝導体からなる第1コイルと、
    第1コイルに直列に接続され、当該第1コイルで捕捉された信号磁束を検出する高温超伝導体からなる第2コイルと、
    第2コイルに磁気結合する第3コイルと、
    第1コイル及び第2コイルに直列接続して閉回路を形成する微小抵抗と、
    第1コイルから第2コイルに伝達された信号磁束を当該第2コイルに磁気結合する第3コイルの電圧信号として測定する電圧測定手段と、
    第2コイルと第3コイルとの相互インダクタンスを時間的に変化させる変調手段とを備えることを特徴とする磁気センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気センサにおいて、
    前記微小抵抗が、第1コイルと第2コイルとを結線する常伝導体からなり、測定周波数に応じて抵抗値が調整されている磁気センサ。
  4. 請求項1に記載の磁気センサにおいて、
    変調手段が、第2コイルに挿入される磁性体と、当該磁性体に電流を通電する電流源とを有する磁気センサ。
  5. 請求項2に記載の磁気センサにおいて、
    変調手段が、第3コイルに挿入される磁性体と、当該磁性体に電流を通電する電流源とを有する磁気センサ。
  6. 測定対象となる信号磁束を捕捉する高温超伝導体からなる第1コイルと、当該第1コイルに直列に接続され、当該第1コイルで捕捉された信号磁束を検出する高温超伝導体からなる第2コイルと、第1コイル及び第2コイルに直列接続する微小抵抗とで形成される閉回路における、第2コイルのインダクタンスを時間的に変化させ、第1コイルから第2コイルに伝達された信号磁束を電圧信号に変換して測定することを特徴とする磁気測定方法。
  7. 測定対象となる信号磁束を捕捉する高温超伝導体からなる第1コイルと、当該第1コイルに直列に接続され、当該第1コイルで捕捉された信号磁束を検出する高温超伝導体からなる第2コイルと、第1コイル及び第2コイルに直列接続する微小抵抗とで閉回路が形成されており、第2コイルと当該第2コイルに磁気結合する第3コイルとの相互インダクタンスを時間的に変化させ、第1コイルから第2コイルに伝達された信号磁束を第2コイルに磁気結合する第3コイルの電圧信号として測定することを特徴とする磁気測定方法。
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