JP2019014585A - クレーン車 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行体の前端より後方で且つブームと左右方向に隣接するキャビンからの死角を少なくしたクレーン車を提供する。【解決手段】ラフテレーンクレーン10は、下部走行体20と、上部旋回体30に支持されたキャビン40と、下部走行体20の前端或いは下部走行体20の前端よりさらに前方に取り付けられて、下部走行体20の左右方向の一方に向けられたカメラ61と、キャビン40の内部空間に配置された操作部及びカメラ61が撮影した映像を表示させるディスプレイとを備える。キャビン40が下部走行体20の進行方向を向き、伸縮ブーム32を最も倒伏させ且つ最も短くした走行姿勢において、伸縮ブーム32は、下部走行体20の前端より前方にまで延設されており、キャビン40は、下部走行体20の前端より後方で且つ左右方向の他方において伸縮ブーム32に隣接して配置されている。【選択図】図1
Description
この発明は、自走可能なクレーン車に関する。
例えば特許文献1には、一般的にラフテレーンクレーンと呼ばれるクレーン車が開示されている。ラフテレーンクレーンは、走行体を走行させるための操作部と、旋回体及びブームを動作させる操作部とが同一のキャビン内に配置されている。また、キャビンは、走行体の前端より後方で且つブームの右隣に配置されている。
すなわち、上記構成のラフテレーンクレーンを走行させる場合において、走行体の手前下部及び走行体の左方は、キャビンに搭乗するオペレータから死角になりやすいという課題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、走行体の前端より後方で且つブームと左右方向に隣接するキャビンからの死角を少なくしたクレーン車を提供することにある。
(1) 本発明に係るクレーン車は、走行体と、旋回可能に上記走行体に支持された旋回体と、起伏及び伸縮可能に上記旋回体に支持されたブームと、上記旋回体に支持されたキャビンと、上記走行体の前端或いは上記走行体の前端よりさらに前方に取り付けられて、上記走行体の左右方向の一方に向けられた第1カメラと、上記キャビンの内部空間に配置されており、上記走行体を走行させ、上記旋回体を旋回させ、且つ上記ブームを起伏及び伸縮させるオペレータの操作を受け付ける操作部と、上記キャビンの内部空間に配置されており、上記第1カメラが撮影した映像を表示させるディスプレイとを備える。上記キャビンが上記走行体の進行方向を向き、上記ブームを最も倒伏させ且つ最も短くした走行姿勢において、上記ブームは、上記走行体の前端より前方にまで延設されており、上記キャビンは、上記走行体の前端より後方で且つ左右方向の他方において上記ブームに隣接して配置されている。
上記構成によれば、走行体の手前下部及び左右方向の一方が第1カメラで撮影され、撮影された映像がキャビン内のディスプレイに表示される。これにより、キャビンに搭乗するオペレータは、キャビンから死角になる走行体の手前下部及び左右方向の一方の状況を確認しながら、クレーン車を走行させることができる。
(2) 好ましくは、上記第1カメラは、上記走行姿勢における上記ブームより下方に取り付けられている。
上記構成によれば、第1カメラの撮影範囲が広がるので、キャビンから死角になる走行体の左右方向の一方の状況を、さらに適切に確認することができる。
(3) 一例として、上記第1カメラは、上記走行体の前端で且つ左右方向の他方に偏った位置において、上記走行体に取り付けられている。
(4) 例えば、上記第1カメラは、フロントバンパー、サイドミラー、或いはアウトリガに取り付けられている。
(5) 他の例として、上記第1カメラは、上記走行体の前端よりさらに前方において、上記走行姿勢における上記ブームの下面に取り付けられている。
(6) 好ましくは、該クレーン車は、上記キャビンより前方で且つ上記走行体の左右方向の一方側の端部に取り付けられて、上記走行体の後方に向けられた第2カメラをさらに備える。上記ディスプレイには、上記第1カメラが撮影した第1映像と、上記第2カメラが撮影した第2映像とが同時に表示される。
(7) 好ましくは、該クレーン車は、前後方向における上記キャビンの前端及び後端の間で且つ左右方向における上記ブームの一方側において、上記走行体或いは上記旋回体に取り付けられて、左右方向の一方に向けられた第2カメラをさらに備える。上記ディスプレイには、上記第1カメラが撮影した第1映像と、上記第2カメラが撮影した第2映像とが同時に表示される。
上記構成によれば、キャビンから死角になる走行体の左右方向の一方側の状況を確認しながら、クレーン車を走行させることができる。
(8) 好ましくは、該クレーン車は、上記キャビンの後端より後方において、上記走行体或いは上記旋回体に取り付けられて、上記走行体或いは上記旋回体の後方に向けられた第3カメラをさらに備える。上記ディスプレイには、上記第1カメラが撮影した第1映像と、上記第3カメラが撮影した第3映像とが同時に表示される。
(9) 好ましくは、該クレーン車は、上記キャビンの後端より後方において、上記走行体或いは上記旋回体に取り付けられて、上記走行体或いは上記旋回体の後方に向けられた第3カメラをさらに備える。上記ディスプレイには、上記走行体が前進している時に、上記第1カメラが撮影した第1映像が表示され、上記走行体が後進している時に、上記第3カメラが撮影した第3映像が表示される。
上記構成によれば、キャビンに搭乗するオペレータは、後を振り返ったり、サイドミラーに視線を移動させたりしなくても、走行体の後方の状況をさらに確認することができる。なお、第1映像及び第3映像は、同時に表示されてもよいし、走行体の進行方向に応じて切り替え表示されてもよい。
本発明によれば、走行体の手前下部及び左右方向の一方が第1カメラで撮影され、撮影された映像がキャビン内のディスプレイに表示されるので、キャビンに搭乗するオペレータは、キャビンから死角になる走行体の手前下部及び左右方向の一方の状況を確認しながら、クレーン車を走行させることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施形態は、本発明の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
[ラフテレーンクレーン10]
本実施形態に係るラフテレーンクレーン10は、図1〜図3に示されるように、下部走行体20と、上部旋回体30とを主に備える。ラフテレーンクレーン10は、下部走行体20によって目的地まで走行し、当該目的地で上部旋回体30に所定の動作をさせるものである。ラフテレーンクレーン10は、クレーン車の一例である。
本実施形態に係るラフテレーンクレーン10は、図1〜図3に示されるように、下部走行体20と、上部旋回体30とを主に備える。ラフテレーンクレーン10は、下部走行体20によって目的地まで走行し、当該目的地で上部旋回体30に所定の動作をさせるものである。ラフテレーンクレーン10は、クレーン車の一例である。
[下部走行体20]
下部走行体20は、左右一対の前輪21と、左右一対の後輪22とを有する。前輪21は、後述するステアリング42Bによって操舵される操舵輪である。後輪22は、トランスミッション(図示省略)を介して伝達されるエンジン(図示省略)の駆動力によって回転される駆動輪である。
下部走行体20は、左右一対の前輪21と、左右一対の後輪22とを有する。前輪21は、後述するステアリング42Bによって操舵される操舵輪である。後輪22は、トランスミッション(図示省略)を介して伝達されるエンジン(図示省略)の駆動力によって回転される駆動輪である。
また、下部走行体20は、アウトリガ23、24を有する。アウトリガ23は下部走行体20の前端に配置され、アウトリガ24は下部走行体20の後端に配置される。アウトリガ23、24は、下部走行体20から左右方向に張り出した位置において地面に接地する張出状態と、地面から離間した状態で下部走行体20に格納される格納状態とに状態変化が可能である。上部旋回体30の動作時にアウトリガ23、24を張出状態とすることにより、ラフテレーンクレーン10の姿勢が安定する。一方、アウトリガ23、24は、下部走行体20の走行時に格納状態とされる。
[上部旋回体30]
上部旋回体30は、旋回ベアリング(図示省略)を介して下部走行体20に旋回可能に支持されている。上部旋回体30は、旋回モータ71(図5参照)の駆動力が伝達されて旋回する。上部旋回体30の旋回角度は、例えば、下部走行体20の前進方向を0°としたときの時計回り方向の角度で表される。上部旋回体30は、伸縮ブーム32と、フック33と、キャビン40とを主に備える。
上部旋回体30は、旋回ベアリング(図示省略)を介して下部走行体20に旋回可能に支持されている。上部旋回体30は、旋回モータ71(図5参照)の駆動力が伝達されて旋回する。上部旋回体30の旋回角度は、例えば、下部走行体20の前進方向を0°としたときの時計回り方向の角度で表される。上部旋回体30は、伸縮ブーム32と、フック33と、キャビン40とを主に備える。
伸縮ブーム32は、起伏シリンダ72(図2及び図5参照)によって起伏され、伸縮シリンダ73(図5参照)によって伸縮される。伸縮ブーム32の基端32Aは、下部走行体20の前端及び後端の間において、上部旋回体30に支持されている。また、図2及び図3に示されるように、伸縮ブーム32を最も倒伏させ且つ最も短くした状態において、伸縮ブーム32の先端32Bは、下部走行体20の前端より前方に位置している。以下、上部旋回体30の旋回角度が0°で、伸縮ブーム32を最も倒伏させ、且つ伸縮ブーム32を最も短くした状態を、ラフテレーンクレーン10の走行姿勢と表記する。すなわち、ラフテレーンクレーン10の走行姿勢において、伸縮ブーム32は、下部走行体20の前端より前方にまで延設されている。
また、伸縮ブーム32の先端32Bには、作業半径及び作業高さを延伸させるためのジブ(図示省略)が着脱可能であってもよい。フック33は、伸縮ブーム32の先端32B或いはジブの先端にワイヤ38によって吊り下げられており、ワイヤ38を巻き取り或いは繰り出すウインチ74(図5参照)によって昇降される。
[キャビン40]
キャビン40は、ラフテレーンクレーン10を操作するオペレータが搭乗するための内部空間を有する箱型である。キャビン40は、下部走行体20の前端より後方で且つ伸縮ブーム32の基端32Aより前方において、上部旋回体30に支持されている。また、キャビン40は、伸縮ブーム32の右隣に配置されている。キャビン40の内部空間には、図4に示されるように、座席41と、第1操作部42と、第2操作部43と、ディスプレイ44とが収容されている。
キャビン40は、ラフテレーンクレーン10を操作するオペレータが搭乗するための内部空間を有する箱型である。キャビン40は、下部走行体20の前端より後方で且つ伸縮ブーム32の基端32Aより前方において、上部旋回体30に支持されている。また、キャビン40は、伸縮ブーム32の右隣に配置されている。キャビン40の内部空間には、図4に示されるように、座席41と、第1操作部42と、第2操作部43と、ディスプレイ44とが収容されている。
第1操作部42は、下部走行体20を走行させるためのオペレータの指示を受け付ける。より詳細には、第1操作部42は、複数のペダル42Aと、ステアリング42Bとを主に備える。ペダル42Aは、下部走行体20を加速或いは減速させる指示を受け付けるものであって、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル等である。ステアリング42Bは、下部走行体20の進行方向を指示する操作を受け付けるものである。第1操作部42の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
第2操作部43は、アウトリガ23、24を状態変化させ、上部旋回体30を旋回させ、伸縮ブーム32を伸縮及び起伏させ、フック33を昇降させる指示を受け付ける。第2操作部43は、例えば、レバー43A、ペダル43B、或いはスイッチ(図示省略)等によって構成される。第2操作部43の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
ディスプレイ44は、キャビン40内において、左右方向の中央より左方に偏った位置に配置されている。より詳細には、ディスプレイ44は、ステアリング42Bの左隣に配置されている。ディスプレイ44は、ラフテレーンクレーン10の状態を表示する。より詳細には、ディスプレイ44は、アウトリガ23、24の状態、上部旋回体30の旋回角、伸縮ブーム32の伸縮長さ及び起伏角等を表示する。さらに、ディスプレイ44は、後述するカメラ61〜63が撮影した映像を表示する。
座席41に座ったオペレータは、第1操作部42及び第2操作部43を操作することができ、且つディスプレイ44に表示された情報を視認することができる。より詳細には、オペレータは、座席41に座った状態で、下部走行体20を走行させることができ、上部旋回体30及び伸縮ブーム32を動作させることができる。また、ラフテレーンクレーン10の走行姿勢において、伸縮ブーム32の上端は、座席41に座ったオペレータの視線より高い位置にある。すなわち、走行姿勢のラフテレーンクレーン10の座席41に座ったオペレータは、下部走行体20の手前下部と、下部走行体20の左側とが見難い状態で、ラフテレーンクレーン10を走行させなければならない。
[カメラ61〜63]
カメラ61〜63は、被写体を撮影して映像データを生成する。換言すれば、カメラ61〜63は、映像(動画像)を示す映像データを生成する。カメラ61〜63は、俯瞰画像を生成するために用いる広角(例えば、80°〜240°)のカメラである。例えば、カメラ61、62の画角は80°〜100°であり、カメラ63の画角は180°以上であってもよい。カメラ61〜63は、図1〜図3に示されるように、ラフテレーンクレーン10の各部に取り付けられて、互いに異なる向きに向けられている。なお、カメラ61〜63の位置及び向きを明らかにするために、図1〜図3にはカメラ61〜63を大きく図示しているが、小型のカメラが望ましい。
カメラ61〜63は、被写体を撮影して映像データを生成する。換言すれば、カメラ61〜63は、映像(動画像)を示す映像データを生成する。カメラ61〜63は、俯瞰画像を生成するために用いる広角(例えば、80°〜240°)のカメラである。例えば、カメラ61、62の画角は80°〜100°であり、カメラ63の画角は180°以上であってもよい。カメラ61〜63は、図1〜図3に示されるように、ラフテレーンクレーン10の各部に取り付けられて、互いに異なる向きに向けられている。なお、カメラ61〜63の位置及び向きを明らかにするために、図1〜図3にはカメラ61〜63を大きく図示しているが、小型のカメラが望ましい。
カメラ61は、下部走行体20の前端で且つ下部走行体20の右端に取り付けられている。カメラ61の取付位置は、少なくとも下部走行体20の左右方向の中央より右方に偏っていればよい。また、カメラ61は、図3に示されるように、最も倒伏した伸縮ブーム32より下方に取り付けられている。本実施形態に係るカメラ61は、右側のサイドミラーに取り付けられているが、フロントバンパー或いは右側のアウトリガ23等に取り付けられてもよい。そして、カメラ61は、下部走行体20の左方に向けられている。すなわち、カメラ61は、下部走行体20の手前下部と、伸縮ブーム32の下から下部走行体20の左前方とを、右方側から左方側に向けて撮影している。カメラ61は第1カメラの一例であり、カメラ61が撮影する映像は第1映像の一例である。
カメラ62は、下部走行体20の前端で且つ下部走行体20の左端に取り付けられている。本実施形態に係るカメラ62は、左側のサイドミラーに取り付けられているが、フロントバンパー、左側のアウトリガ23、或いは下部走行体20の左側面等に取り付けられてもよい。カメラ62の設置位置は、下部走行体20の前端に限定されず、少なくともキャビン40より前方に取り付けられていればよい。カメラ62は、下部走行体20の後方に向けられている。すなわち、カメラ62は、下部走行体20の左側方を、前方側から後方側に向けて撮影している。カメラ62は第2カメラの一例であり、カメラ62が撮影する映像は第2映像の一例である。
カメラ63は、下部走行体20の後端に取り付けられている。カメラ63は、例えば、カウンタウェイト(図示省略)を支持するウェイト支持部に取り付けられていてもよい。カメラ63は、左右方向における下部走行体20の中央に取り付けられているのが望ましい。カメラ63は、下部走行体20の後方に向けられている。すなわち、カメラ63は、下部走行体20の後方を、前方側から後方側に向けて撮影している。カメラ63は第3カメラの一例であり、カメラ63が撮影する映像は第3映像の一例である。
[制御部50]
ラフテレーンクレーン10は、図5に示されるように、制御部50と、記憶部51とを備える。制御部50は、ラフテレーンクレーン10の動作を制御する。制御部50は、記憶部51に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)によって実現されてもよいし、ハードウェア回路によって実現されてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。記憶部51は、CPUによって実行されるプログラム、及びプログラムの実行中に一時記憶される各種情報を記憶する。
ラフテレーンクレーン10は、図5に示されるように、制御部50と、記憶部51とを備える。制御部50は、ラフテレーンクレーン10の動作を制御する。制御部50は、記憶部51に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)によって実現されてもよいし、ハードウェア回路によって実現されてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。記憶部51は、CPUによって実行されるプログラム、及びプログラムの実行中に一時記憶される各種情報を記憶する。
制御部50は、第1操作部42及び第2操作部43から出力される操作信号を取得する。また、制御部50は、カメラ61〜63から出力される映像データを取得する。さらに、制御部50は、上部旋回体30の旋回角度を検出する旋回角センサ(図示省略)、伸縮ブーム32の起伏角度を検出する起伏角センサ(図示省略)、伸縮ブーム32の伸縮長さを検出する長さセンサ、及びウインチ74によるワイヤ38の操出長さを検出するワイヤセンサから出力される検出信号を取得する。
また、本実施形態に係る旋回モータ71、起伏シリンダ72、伸縮シリンダ73、及びウインチ74は、油圧式のアクチュエータである。すなわち、制御部50は、第2操作部43から出力される操作信号に従って、供給する作動油の方向及び流量を制御することによって、各アクチュエータを動作させる。但し、本発明のアクチュエータは油圧式に限定されず、電動式等であってもよい。そして、制御部50は、上部旋回体30の旋回角度、伸縮ブーム32の起伏角度、伸縮ブーム32の伸縮長さ、及びワイヤ38の操出長さを、各種センサから取得した検出信号に基づいて把握する。また図示は省略するが、制御部50は、第1操作部42から出力される操作信号に従って、前輪21の舵角を変更し、エンジンの回転数を制御し、ブレーキ(図示省略)を作動させる。
さらに、制御部50は、ディスプレイ44に情報を表示させる。一例として、制御部50は、アウトリガ23、24が張出状態のときに、各種センサの検出信号で示される上部旋回体30の旋回角度、伸縮ブーム32の起伏角度、伸縮ブーム32の伸縮長さ、及びワイヤ38の操出長さを、ディスプレイ44に表示させる。他の例として、制御部50は、アウトリガ23、24が格納状態のときに、図7或いは図9に示されるように、カメラ61〜63が撮影した映像をディスプレイ44に表示させる。
より詳細には、ディスプレイ44は、右上領域44Aと、左上領域44Bと、左下領域44Cと、右下領域44Dとに仮想的に分割される。右上領域44A及び右下領域44Dは上下方向に隣接し、左上領域44B及び左下領域44Cは上下方向に隣接し、右上領域44A及び左上領域44Bは左右方向に隣接し、左下領域44C及び右下領域44Dは左右方向に隣接する。そして、制御部50は、カメラ61が撮影した映像を左上領域44Bに、カメラ62が撮影した映像を左下領域44Cに、カメラ63が撮影した映像を右下領域44Dに表示させる。一方、右上領域44Aには、例えば、左上領域44B、左下領域44C、及び右下領域44Dに表示される映像がどのカメラでどの方向から撮影されたかを、ラフテレーンクレーン10の概略平面図と矢印とによって表示してもよい。但し、右上領域44Aの表示内容は、図7の例に限定されない。
図6は、前進走行中のラフテレーンクレーン10が交差点に進入する状態を示す平面図である。図6のラフテレーンクレーン10の周囲には、左前方の横断歩道を渡ろうとする人81と、左側を併走する自転車82とが存在している。しかしながら、図6のラフテレーンクレーン10のキャビン40に搭乗するオペレータは、伸縮ブーム32が邪魔になって、人81及び自転車82を視認することが難しい。
図7は、図6に示されるラフテレーンクレーン10のディスプレイ44に表示される映像である。すなわち、左上領域44Bには、カメラ61が人81を右方から撮影した映像が表示される。また、左下領域44Cには、カメラ62が自転車82を前方から撮影した映像が表示される。さらに、右下領域44Dには、カメラ62がラフテレーンクレーン10の後方を撮影した映像が表示される。
また図8は、ラフテレーンクレーン10が後進して駐車スペース90に進入する状態を示す平面図である。図8のラフテレーンクレーン10の周囲には、駐車スペース90の左側に駐車している自動車91と、駐車スペース90の右側に駐車している自動車92とが存在している。図8のラフテレーンクレーン10のキャビン40に搭乗するオペレータは、伸縮ブーム32が邪魔になって自動車91を視認することができず、右後ろを振り向かなければ自動車92を視認することができない。
図9は、図8に示されるラフテレーンクレーン10のディスプレイ44に表示される映像である。すなわち、左下領域44Cには、カメラ62が自動車91を前方から撮影した映像が表示される。また、右下領域44Dには、カメラ63が駐車スペース90及び自動車91、92を前方から撮影した映像が表示される。一方、図9では、右上領域44A及び左上領域44Bに表示される映像の図示を省略している。
[実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、下部走行体20の手前下部及び左方がカメラ61で撮影され、下部走行体20の左方がカメラ62で撮影され、撮影された映像がキャビン40内のディスプレイ44に表示される。これにより、キャビン40に搭乗するオペレータは、キャビン40から死角になる下部走行体20の手前下部及び左方の状況を確認しながら、ラフテレーンクレーン10を走行させることができる。さらに、カメラ61を伸縮ブーム32より下方に配置することによって、カメラ61の撮影範囲が広がるので、下部走行体20の左方前方の状況を、さらに適切に確認することができる。
上記の実施形態によれば、下部走行体20の手前下部及び左方がカメラ61で撮影され、下部走行体20の左方がカメラ62で撮影され、撮影された映像がキャビン40内のディスプレイ44に表示される。これにより、キャビン40に搭乗するオペレータは、キャビン40から死角になる下部走行体20の手前下部及び左方の状況を確認しながら、ラフテレーンクレーン10を走行させることができる。さらに、カメラ61を伸縮ブーム32より下方に配置することによって、カメラ61の撮影範囲が広がるので、下部走行体20の左方前方の状況を、さらに適切に確認することができる。
また、ディスプレイ44は、キャビン40の左右方向の中央より左方に偏った位置に配置される。これにより、キャビン40に搭乗するオペレータは、カメラ61、62が撮影した下部走行体20の左側方の映像を見るために、視線を左に移動させることになる。すなわち、オペレータは、下部走行体20の左側方を直接見る時と同じような視線の動きで、下部走行体20の左側方の状況をディスプレイ44を通じて確認することができる。但し、ディスプレイ44の設置位置は図4の例に限定されず、例えば、キャビン40の左右方向の中央より右方に偏った位置でもよい。これにより、キャビン40に搭乗するオペレータは、ラフテレーンクレーン10の右方を目視で確認する際に、ディスプレイ44を通じて死角を確認することができる。
また、下部走行体20の後方がカメラ63で撮影され、撮影された映像がカメラ61、62の映像と共にディスプレイ44に表示される。これにより、キャビン40に搭乗するオペレータは、後を振り返ったり、サイドミラーに視線を移動させたりしなくても、下部走行体20の後方の状況をさらに確認することができる。
また、上記の実施形態では、伸縮ブーム32の右隣にキャビン40が配置されている例を説明した。しかしながら、伸縮ブーム32及びキャビン40の位置関係は前述の例に限定されない。すなわち、キャビン40は、伸縮ブーム32の左隣に位置していてもよい。この場合、カメラ61は、下部走行体20の前端で且つ左右方向の左方に偏った位置に、右方を向けて配置される。また、カメラ62は、下部走行体20の右端に配置される。すなわち、左右方向の「一方」は、右方を指してもよいし、左方を指してもよい。左右方向の「他方」についても同様である。
また、上記の実施形態では、ラフテレーンクレーン10に3つのカメラを設置した例を説明したが、カメラの一部は省略されてもよい。さらに、上記の実施形態では、ディスプレイ44に3つの映像を纏めて表示させる例を説明したが、映像の表示方法はこれに限定されない。
一例として、制御部50は、切替ボタン(図示省略)の押下を受け付けたことに応じて、ディスプレイ44に表示させる映像を切り替えてもよい。他の例として、制御部50は、下部走行体20の進行方向に応じて、ディスプレイ44に表示させる映像を切り替えてもよい。より詳細には、制御部50は、下部走行体20が前進している時に、カメラ61、62が撮影した映像を表示させ、下部走行体20が後進している時に、カメラ62、63が撮影した映像を表示させてもよい。
[変形例]
図10は、変形例に係るラフテレーンクレーン10を示す図である。以下、前述の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。変形例に係るラフテレーンクレーン10は、カメラ61、62、63に代えて、カメラ61A、62A、63Aを備える。カメラ61Aは第1カメラの一例であり、カメラ62Aは第2カメラの一例であり、カメラ63Aは第3カメラの一例である。
図10は、変形例に係るラフテレーンクレーン10を示す図である。以下、前述の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。変形例に係るラフテレーンクレーン10は、カメラ61、62、63に代えて、カメラ61A、62A、63Aを備える。カメラ61Aは第1カメラの一例であり、カメラ62Aは第2カメラの一例であり、カメラ63Aは第3カメラの一例である。
カメラ61は、下部走行体20の前端よりさらに前方において、最も倒伏した状態の伸縮ブーム32の下面に取り付けられている。すなわち、走行姿勢のラフテレーンクレーン10において、カメラ61Aは、前後方向における下部走行体20の前端よりさらに前方で、且つ左右方向における下部走行体20の概ね中央に配置される。また、カメラ61Aは、ラフテレーンクレーン10の左方に向けられている。すなわち、カメラ61Aは、下部走行体20の手前下部と、下部走行体20の左前方とを、右方側から左方側に向けて撮影している。
カメラ62Aは、前後方向におけるキャビン40の前端及び後端の間で且つ伸縮ブーム32より左方において、上部旋回体30に取り付けられている。また、カメラ62Aは、ラフテレーンクレーン10の左方に向けられている。すなわち、カメラ62Aは、前後方向におけるラフテレーンクレーン10の概ね中央において、下部走行体20の左方を、右方側から左方側に向けて撮影している。さらに、カメラ62Aは、カメラ61A、63Aより広角(例えば、80°〜240°)のカメラであるのが望ましい。
カメラ63Aは、上部旋回体30の後端に取り付けられている。また、カメラ63Aは、ラフテレーンクレーン10の後方に向けられている。すなわち、カメラ63Aは、ラフテレーンクレーン10の後方を、前方側から後方側に向けて撮影している。なお、カメラ63Aは、左右方向における上部旋回体30の中央に配置されるのが望ましいが、起伏する伸縮ブーム32との干渉を避けるために、伸縮ブーム32に対して左右方向にずれて配置されてもよい。
そして、変形例に係る制御部50は、カメラ61Aが撮影した映像を右上領域44Aに、カメラ62Aが撮影した映像を左下領域44Cに、カメラ63Aが撮影した映像を右下領域44Dに表示させればよい。上記の変形例によっても、キャビン40に搭乗するオペレータは、キャビン40から死角になる下部走行体20の手前下部、左方、及び後方の状況を確認しながら、ラフテレーンクレーン10を走行させることができる。
また、変形例に係るカメラ61A〜63Aは、上部旋回体30或いは上部旋回体30に支持された伸縮ブーム32に取り付けられている。これにより、カメラ61A〜63Aから延設されたケーブルを、下部走行体20及び上部旋回体30の間に配置されたスリップリングを経由せずに、キャビン40内の制御部50に接続することができる。
なお、本発明に係るラフテレーンクレーン10は、実施形態に係るカメラ61〜63と、変形例に係るカメラ61A〜63Aとのうち、任意の組み合わせのカメラを搭載することができる。一例として、ラフテレーンクレーン10は、カメラ61、62A、63を搭載してもよい。他の例として、ラフテレーンクレーン10は、カメラ61A、62、63Aを搭載してもよい。その他の組み合わせも可能である。
10・・・ラフテレーンクレーン
20・・・下部走行体
30・・・上部旋回体
32・・・伸縮ブーム
40・・・キャビン
42・・・第1操作部
43・・・第2操作部
44・・・ディスプレイ
61,62,63,61A、62A、63A・・・カメラ
20・・・下部走行体
30・・・上部旋回体
32・・・伸縮ブーム
40・・・キャビン
42・・・第1操作部
43・・・第2操作部
44・・・ディスプレイ
61,62,63,61A、62A、63A・・・カメラ
Claims (9)
- 走行体と、
旋回可能に上記走行体に支持された旋回体と、
起伏及び伸縮可能に上記旋回体に支持されたブームと、
上記旋回体に支持されたキャビンと、
上記走行体の前端或いは上記走行体の前端よりさらに前方に取り付けられて、上記走行体の左右方向の一方に向けられた第1カメラと、
上記キャビンの内部空間に配置されており、上記走行体を走行させ、上記旋回体を旋回させ、且つ上記ブームを起伏及び伸縮させるオペレータの操作を受け付ける操作部と、
上記キャビンの内部空間に配置されており、上記第1カメラが撮影した映像を表示させるディスプレイとを備えるクレーン車であって、
上記キャビンが上記走行体の進行方向を向き、上記ブームを最も倒伏させ且つ最も短くした走行姿勢において、
上記ブームは、上記走行体の前端より前方にまで延設されており、
上記キャビンは、上記走行体の前端より後方で且つ左右方向の他方において上記ブームに隣接して配置されているクレーン車。 - 上記第1カメラは、上記走行姿勢における上記ブームより下方に取り付けられている請求項1に記載のクレーン車。
- 上記第1カメラは、上記走行体の前端で且つ左右方向の他方に偏った位置において、上記走行体に取り付けられている請求項1又は2に記載のクレーン車。
- 上記第1カメラは、フロントバンパー、サイドミラー、或いはアウトリガに取り付けられている請求項3に記載のクレーン車。
- 上記第1カメラは、上記走行体の前端よりさらに前方において、上記走行姿勢における上記ブームの下面に取り付けられている請求項1又は2に記載のクレーン車。
- 該クレーン車は、上記キャビンより前方で且つ上記走行体の左右方向の一方側の端部に取り付けられて、上記走行体の後方に向けられた第2カメラをさらに備えており、
上記ディスプレイには、上記第1カメラが撮影した第1映像と、上記第2カメラが撮影した第2映像とが同時に表示される請求項1から5のいずれかに記載のクレーン車。 - 該クレーン車は、前後方向における上記キャビンの前端及び後端の間で且つ左右方向における上記ブームの一方側において、上記走行体或いは上記旋回体に取り付けられて、左右方向の一方に向けられた第2カメラをさらに備えており、
上記ディスプレイには、上記第1カメラが撮影した第1映像と、上記第2カメラが撮影した第2映像とが同時に表示される請求項1から5のいずれかに記載のクレーン車。 - 該クレーン車は、上記キャビンの後端より後方において、上記走行体或いは上記旋回体に取り付けられて、上記走行体或いは上記旋回体の後方に向けられた第3カメラをさらに備えており、
上記ディスプレイには、上記第1カメラが撮影した第1映像と、上記第3カメラが撮影した第3映像とが同時に表示される請求項1から7のいずれかに記載のクレーン車。 - 該クレーン車は、上記キャビンの後端より後方において、上記走行体或いは上記旋回体に取り付けられて、上記走行体或いは上記旋回体の後方に向けられた第3カメラをさらに備えており、
上記ディスプレイには、
上記走行体が前進している時に、上記第1カメラが撮影した第1映像が表示され、
上記走行体が後進している時に、上記第3カメラが撮影した第3映像が表示される請求項1から7のいずれかに記載のクレーン車。
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- 2017-07-07 JP JP2017134054A patent/JP2019014585A/ja active Pending
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