JP2019013409A - 電気治療器、電気治療器のパッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】剥がれ難い電極パッドを有する低周波治療器を提供する。
【解決手段】身体と接触する側の面を有したパッド(4Y、5Y)であって、面の上に導電部(2a)が形成されたパッドを含むパッド部と、導電部を介して身体に電流を供給する本体部(4)と、を備え、導電部は、面の部位毎(A1〜A4、B1〜B4)に対応して電気的な抵抗の大きさが異なり、本体部は、導電部を介して測定される抵抗の大きさを検出する検出部と、電流を供給する場合に検出される抵抗の大きさの変化から、面の部位のうち身体に非接触の部位を決定する処理部と、を含む。
【選択図】図4
【解決手段】身体と接触する側の面を有したパッド(4Y、5Y)であって、面の上に導電部(2a)が形成されたパッドを含むパッド部と、導電部を介して身体に電流を供給する本体部(4)と、を備え、導電部は、面の部位毎(A1〜A4、B1〜B4)に対応して電気的な抵抗の大きさが異なり、本体部は、導電部を介して測定される抵抗の大きさを検出する検出部と、電流を供給する場合に検出される抵抗の大きさの変化から、面の部位のうち身体に非接触の部位を決定する処理部と、を含む。
【選択図】図4
Description
本開示は、電気治療器、電気治療器のパッドおよびその製造方法に関し、特に、身体に治療用電流を供給する電気治療器、電気治療器のパッドおよびその製造方法に関する。
電気治療器は、身体に接触可能な電極を介して治療用電流を供給する。治療効果を得るためには、電極が剥がれることなく身体に確実に接触していることが望まれる。
特許文献1(特開2011−194173号公報)は、電極及び皮膚の接触面積が確保された状態での皮膚のインピーダンスを基準に設定されるしきい値以下であるか否かを判断する判断部とからなる美容装置を開示する。
特許文献2(特表2016−528936号公報)は、皮膚に装着される電極パッドに複数の電極を配列した構成を開示する。
特許文献3(特表2010−527675号公報)は、皮膚におけるアレー電極の配置を適切に選択するために、接触インピーダンスを各電極について順番に判断する構成を開示する。
電機治療器により低周波電流を供給する場合は、電流が微弱であるために、電極が身体から剥がれていたとしても、ユーザは感覚することが困難であり気づきにくい。また、ユーザは、確実に電極を身体に貼り付けるために、どの部分が剥がれるのかを知りたいとの要望もある。
本開示は、上記のような実情に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、パッドの身体からの剥がれ部分を決定することが可能な電気治療器、そのパッドおよび当該パッド部の製造方法を提供することである。
この開示にかかる電気治療器は、身体と接触する側の面を有したパッドであって、面の上に導電部が形成されたパッドを含むパッド部と、導電部を介して身体に電流を供給する本体部と、を備え、導電部は、面の部位毎に対応して電気的な抵抗の大きさが異なり、本体部は、導電部を介して測定される抵抗の大きさを検出する検出部と、電流を供給する場合に検出される抵抗の大きさの変化から、面の部位のうち身体に非接触の部位を決定する処理部と、を含む。
好ましくは、面上の導電部は、部位毎に抵抗の大きさを異ならせる形状を有する。
好ましくは、パッド部は、パッドを一体的に取付け可能なホルダを、さらに有し、本体部は、ホルダに係止される。
好ましくは、パッド部は、パッドを一体的に取付け可能なホルダを、さらに有し、本体部は、ホルダに係止される。
好ましくは、パッド部のパッドは、面がホルダの幅方向両側に延びる形状を有し、面の上の導電部は、部位のうち本体部から遠い部位は、当該本体部に近い部位よりも抵抗が大きい。
好ましくは、処理部は、さらに、決定された部位を示すための通知を出力する。
好ましくは、端末装置と通信する通信部を、さらに備え、端末装置は、受信する情報を出力する出力部を備え、処理部は、通知を端末装置に送信するよう通信部を制御する。
好ましくは、端末装置と通信する通信部を、さらに備え、端末装置は、受信する情報を出力する出力部を備え、処理部は、通知を端末装置に送信するよう通信部を制御する。
好ましくは、本体部は、さらに、非接触と決定された部位を示す情報を蓄積して記憶する記憶部を、含み、処理部は、さらに、部位毎の非接触と決定された回数の統計値を算出し、統計値からパッドの使用に関する通知を出力する。
好ましくは、端末装置と通信する通信部を、さらに備え、処理部は、通知を端末装置に送信するよう通信部を制御し、端末装置は、情報を表示する表示部と、非接触と決定された部位を示す情報を蓄積して記憶する端末側記憶部と、を含み、部位毎の非接触と決定された回数の統計値を算出し、統計値からパッドの使用に関する情報を決定する。
好ましくは、電流は、低周波電流を含む。
この発明の他の局面に従うと、電気治療器のパッドは、身体と接触する側の面と、面の上に形成されて身体に電流を供給するための導電部と、を備え、導電部は、面の部位毎に対応して電気的な抵抗の大きさが異なる。
この発明の他の局面に従うと、電気治療器のパッドは、身体と接触する側の面と、面の上に形成されて身体に電流を供給するための導電部と、を備え、導電部は、面の部位毎に対応して電気的な抵抗の大きさが異なる。
好ましくは、導電部を、部位毎に異なる形状を有する。
この発明のさらに他の局面に従うと、電気治療器のパッドの製造方法が提供される。パッドは、絶縁材料を含むベースであって、身体と接触する側の面を有したベースを備える。上記の製造方法は、製造方法は、ベースの面の上に、導電性材料を含む導電層を形成するステップを、備え、導電層を形成するステップは、面の部位毎に対応して電気的な抵抗の大きさが異なるように導電層を形成するステップを含む。
この発明のさらに他の局面に従うと、電気治療器のパッドの製造方法が提供される。パッドは、絶縁材料を含むベースであって、身体と接触する側の面を有したベースを備える。上記の製造方法は、製造方法は、ベースの面の上に、導電性材料を含む導電層を形成するステップを、備え、導電層を形成するステップは、面の部位毎に対応して電気的な抵抗の大きさが異なるように導電層を形成するステップを含む。
好ましくは、抵抗の大きさが異なるように導電層を形成するステップは、導電層を、部位毎に異なる形状に成形するステップを含む。
この開示によれば、パッドの身体からの剥がれ部分を決定することが可能になる。
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態における低周波治療器1の外観を端末10と関連付けて示す図である。低周波治療器1は、「電気治療器」の一実施例である。端末10は、低周波治療器1と通信する「端末装置」の一実施例である。「電気治療器」の種類は低周波治療器に限定されない。また、端末10として、スマートフォン(多機能型携帯電話)を例示するが、スマートフォンに限定されず、例えば、折り畳み式携帯電話、タブレット端末装置、PC(personal computer)、PDA(Personal Data Assistance)などのような他の端末装置であってもよい。
図1は、実施の形態における低周波治療器1の外観を端末10と関連付けて示す図である。低周波治療器1は、「電気治療器」の一実施例である。端末10は、低周波治療器1と通信する「端末装置」の一実施例である。「電気治療器」の種類は低周波治療器に限定されない。また、端末10として、スマートフォン(多機能型携帯電話)を例示するが、スマートフォンに限定されず、例えば、折り畳み式携帯電話、タブレット端末装置、PC(personal computer)、PDA(Personal Data Assistance)などのような他の端末装置であってもよい。
図1を参照して、低周波治療器1は、いわゆるコードレスタイプの低周波治療器であり、パッド部2、ホルダ3および本体部4を備える。
(パッド部2)
パッド部2は、ホルダ3と、ホルダ3に一体的に取付けが可能なパッド4Y,5Yを備える。パッド4Y,5Yは、当該パッドを介して身体に治療用の電流を供給するために、身体に貼り付け可能に構成される治療部に相当する。ホルダ3は、絶縁材料である、例えば硬質樹脂材料からなる不導体である。
パッド部2は、ホルダ3と、ホルダ3に一体的に取付けが可能なパッド4Y,5Yを備える。パッド4Y,5Yは、当該パッドを介して身体に治療用の電流を供給するために、身体に貼り付け可能に構成される治療部に相当する。ホルダ3は、絶縁材料である、例えば硬質樹脂材料からなる不導体である。
パッド4Y,5Yは、ホルダ3の幅方向両側に延びるように形成されるシート状の形状を有する。パッド4Y,5Yが使用者の身体の部位、より特定的には治療すべき部位等に接触するように取り付けられる。パッド4Y,5Yの外表面のうち、身体に対向する身体側部21の表面(下面)には、パッドの面上に層状に形成された導電部2aが設けられる。身体側部21の表面は、身体と接触する側の面に相当する。パッド4Y,5Yは、導電部2aの上に導電性のゲル等を載置する態様で部位の皮膚上に貼り付けられる。電流は、導電部2aおよびゲルを通して部位に電流が供給される。供給される電流は、治療モードに応じた周波数のパルス電流(低周波電流)を含む。
パッド部2は、パッド4Y,5Yをホルダ3によって保持するための取付部(図示せず)を有する。この取付部には、ホルダ3が位置決めされて配置される。パッド4Y,5Yは、取付部の左右両外側(すなわち、ホルダ3の幅方向両側)に延びるように設けられる。パッド4Y,5Yの身体側部21には導電部2aが露出している。導電部2aは、本体部4に対向する表面にも露出しており、この露出部分が電極(図示せず)を構成する。
本実施の形態では、ホルダ3がパッド4Y,5Yを保持することで両者が一体となっており、パッド4Y,5Yおよびホルダ3に対して本体部4を着脱するよう構成されている。また、パッド4Y,5Yは消耗品であるので、交換の際には、パッド4Y,5Yは本体部4に対して着脱可能とされている。パッド4Y,5Yはホルダ3ごと交換されるが、必要に応じてホルダ3を再利用することも可能である。
(本体部4)
図1に示すように、本体部4は、略直方体の形状を有するケース4aを外装体として含んでいる。ケース4aとホルダ3との間には、係合部5が形成されており、本体部4(ケース4a)は、係合部5により、ホルダ3に着脱可能に取り付けられる。本体部4には、低周波治療器1を制御するためにユーザが操作するスイッチ48Sが設けられる。また、本体部4は、低周波治療器1の動作状態等の情報を出力するための表示部202を備える。表示部202は液晶ディスプレイを含む。
図1に示すように、本体部4は、略直方体の形状を有するケース4aを外装体として含んでいる。ケース4aとホルダ3との間には、係合部5が形成されており、本体部4(ケース4a)は、係合部5により、ホルダ3に着脱可能に取り付けられる。本体部4には、低周波治療器1を制御するためにユーザが操作するスイッチ48Sが設けられる。また、本体部4は、低周波治療器1の動作状態等の情報を出力するための表示部202を備える。表示部202は液晶ディスプレイを含む。
本体部4は、ホルダ3に取り付けられた状態で、パッド4Y,5Yの導電部2aに電極を介して低周波パルス電流を供給する。具体的には、本体部4は、基板、電気回路等を内蔵する。電気回路は、低周波パルス電流を形成するための各種の制御機器を含み、基板の表面上に実装されている。
(低周波治療器1の構成)
図2は、実施の形態1に係る低周波治療器1の内部構成を概略的に示す図である。図2を参照して、低周波治療器1は、主たる構成要素として、操作部201、表示部202、低周波治療器1の各部を制御するための制御部203、電流生成部204、入出力インターフェイス205、記憶部206、通信部207およびLED(Light Emitting Diode)部208を備える。図示されないが、低周波治療器1は、各構成要素に電力を供給する電源部も備える。電源部としては、例えば、アルカリ乾電池が用いられる。電源部は、電池電圧を安定化して各構成要素に供給する駆動電圧を生成する。
図2は、実施の形態1に係る低周波治療器1の内部構成を概略的に示す図である。図2を参照して、低周波治療器1は、主たる構成要素として、操作部201、表示部202、低周波治療器1の各部を制御するための制御部203、電流生成部204、入出力インターフェイス205、記憶部206、通信部207およびLED(Light Emitting Diode)部208を備える。図示されないが、低周波治療器1は、各構成要素に電力を供給する電源部も備える。電源部としては、例えば、アルカリ乾電池が用いられる。電源部は、電池電圧を安定化して各構成要素に供給する駆動電圧を生成する。
制御部203は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Multi Processing Unit)を含む。制御部203は、記憶部206に記憶されたプログラムを読み出し、読出されたプログラムを実行することで、低周波治療器1の各部の動作を制御する。
記憶部206は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどを含む。記憶部206は、制御部203により実行されるプログラム、または制御部203により用いられるデータ等を記憶する。
操作部201は、低周波治療器1に対するユーザの低周波治療器1に対する入力を受け付けるために操作される、例えばスイッチ48Sおよび各種スイッチを含む。ユーザが操作部201を操作すると、制御部203は、操作内容を受け付けて、受付けた操作内容に従い各部を制御する。
通信部207は、端末10と通信するために低消費電力であるBLE(Bluetooth(登録商標) low energy)回路を有する。通信部207と端末10の通信は、実施の形態1では無線であるが有線であってもよい。
電流生成部204は、パッド4Y,5Yを介してユーザの身体の部位に流れる電流(以下、「治療電流」とも称する。)を出力する。電流生成部204は、昇圧回路、電圧調整回路209、出力回路等を含む。
昇圧回路は、電源電圧を所定の電圧に昇圧する。電圧調整回路209は、昇圧回路により昇圧された電圧を、電気刺激強度に対応する電圧値の電圧に調整する。具体的には、低周波治療器1では、操作部201の操作により治療モードの種類を設定することができる。治療モードの種類毎に、電気刺激の調整が設定可能である。制御部203は、操作部201を介して治療モード(すなわち、電気刺激強度)の設定操作を受け付け、当該受け付けた操作内容が示す電気刺激強度に対応する電圧値の電圧に調整するように電流生成部204(より特定的には、電圧調整回路209)を制御する。
入出力インターフェイス205は、パッド4Y,5Yとの間で電気信号(電流を含む)を入出力するための、波形生成回路210および電圧検出回路211を含む。波形生成回路210は、電流生成部204から電圧調整回路209により調整された電圧を受ける。波形生成回路210は、受付けた電圧を、制御部203からの指令に従い、変調または増幅処理を実施して、治療波形(低周波パルス)電流を生成する。指令は、ユーザが設定した治療モードに従う指令を示す。なお、制御部203は、ユーザが設定する治療モードを、操作部201を介して受付ける、または通信部207を介して端末10から受信する。
入出力インターフェイス205は、生成された低周波パルス電流を、パッド4Y,5Y(の図示しない電極)に出力する。これにより、ユーザが設定する治療モードに従う波形を有した低周波パルス電流が、電極およびパッド4Y,5Yの導電部2aを介して身体の部位に供給される。
ここで、低周波治療器1は、複数種類の治療モードを有する。例えば、治療モードとしては、「もみ」、「たたき」、「押し」モード等が挙げられる。低周波治療器1は、低周波パルスの波形(極性、間隔、配列含む)などを変えることで、「もみ」「たたき」「押し」「さすり」といった様々な種類の刺激を作り出す。また、パルスの振幅やパルス幅を変えることで「強さ」(電気刺激強度)の調整が、パルス群の出現サイクルを変えることで「速さ」の調整がそれぞれ可能である。具体的な波形については従来から周知のものを利用することができるので、ここでは詳しい説明は繰返さない。また、治療電流としてはパルス電流でなく交流を用いてもよい。
なお、実施の形態1では、身体の状態または電極が接触される部位の状態(乾燥している、または湿っている等)にかかわらず略一定の電気刺激強度を感覚させるようにしている。そのために、低周波治療器1は、生体インピーダンスを測定し、測定された生体インピーダンスから、上記に述べたパルス波形を決定し得る。生体インピーダンスの測定方法は周知の方法を用いることができるので、ここでは説明を繰返さない。
入出力インターフェイス205の電圧検出回路211は、パッド4Yと5Yの電極間の電位である電圧降下の大きさを測定(検出)する。電圧検出回路211は、測定された電圧降下の大きさをデジタル値に変換し、変換後の電圧降下値Vを制御部203に出力する。
制御部203は、入出力インターフェイス205から受付けた電圧降下値Vを閾値である基準値Vr(後述する)と比較する。制御部203は、比較の結果に基づき、パッド4Y,5Yにおける身体から剥がれた部分、すなわちパッドにおける身体との非接触部位を決定し、決定した内容の通知を出力するための制御信号を出力する。
この制御信号の出力先は、表示部202、通信部207およびLED部208を含む。表示部202は、制御信号に従い駆動されて情報(非接触部位を示す文字、絵等)を表示する。またLED部208は、制御信号に従い駆動されて点灯(または点滅)する。また、通信部207は、制御信号に従い、端末10と通信する。これにより、端末10に制御信号に含まれる通知の内容を出力する。この出力態様としては、非接触部位を示す文字、絵等の表示、音声、振動等を含み得るが、これらに限定されない。
また、制御部203は、記憶部206に制御信号を出力してもよい。記憶部206は、制御信号に従い、通知内容を記憶領域に書込む。これにより、記憶部206には、非接触部位を示す情報を蓄積して格納される。
(端末10の構成)
図3は、本実施の形態に従う端末10のハードウェア構成の一例を表わすブロック図である。図3を参照して、端末10は、主たる構成要素として、CPU152、メモリ154、ユーザ操作を受付けるための操作部156、情報を表示するディスプレイ158、通信部160、メモリインターフェイス(I/F)164、通信インターフェイス(I/F)166、スピーカ168、マイク170、および端末10を振動させるための振動部157を含む。
図3は、本実施の形態に従う端末10のハードウェア構成の一例を表わすブロック図である。図3を参照して、端末10は、主たる構成要素として、CPU152、メモリ154、ユーザ操作を受付けるための操作部156、情報を表示するディスプレイ158、通信部160、メモリインターフェイス(I/F)164、通信インターフェイス(I/F)166、スピーカ168、マイク170、および端末10を振動させるための振動部157を含む。
CPU152は、メモリ154に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、端末10の各部の動作を制御する制御部として機能する。
メモリ154は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどによって実現される。メモリ154は、プロセッサ152によって実行されるプログラム、またはプロセッサ152によって用いられるデータなどを記憶する。
操作部156は、例えばタッチパネルによって実現されるが、ボタンなどを含んでいてもよい。操作部156とディスプレイ158が一体化されたタッチパネルディスプレイとして提供されてもよい。
通信部160は、例えばアンテナ162を介して移動体通信網に接続し無線通信のための信号を送受信する。これにより、端末10は、たとえば、LTE(Long Term Evolution)などの移動体通信網を介して他の通信装置との通信が可能となる。
メモリインターフェイス164は、外部の記憶媒体165からデータまたはプログラムを読出し、CPU152に出力する。また、メモリインターフェイス164は、CPU152からのデータを外部の記憶媒体165に格納する。
通信インターフェイス(I/F)166は、端末10と低周波治療器1との間で各種データをやり取りするためにBLE(Bluetooth(登録商標) low energy)回路を含む。本実施の形態では、通信方式として、BLEが採用されるが、通信方式は、無線LANなどによる方式であってもよい。
(導電部2aの形状)
図4は、実施の形態1に係るパッドにおける導電部2aの形状を模式的に示す図である。図4を参照して、パッド4Y,5Yの外表面のうち、身体に対向する身体側部21の表面上に層状に形成された導電部2aが設けられる。具体的には、身体側部21は、非導電層である絶縁層のベース2cと、ベース2cの表面に積層された導電部2aを備える。さらに、使用者はパッド部2を身体の部位に装着する場合に、導電部2aの上に、導電性を有するゲル材料からなる層状のゲルシート2dを取り付ける。治療時には、身体の表面にゲルシート2dを介して導電部2aが接触した状態で、導電部2aからゲルシート2dを介して身体に電流が供給される。なお、ゲルシート2dを用いない場合は、導電部2aからゲルシート2dを介さずに身体に電流が供給される。
図4は、実施の形態1に係るパッドにおける導電部2aの形状を模式的に示す図である。図4を参照して、パッド4Y,5Yの外表面のうち、身体に対向する身体側部21の表面上に層状に形成された導電部2aが設けられる。具体的には、身体側部21は、非導電層である絶縁層のベース2cと、ベース2cの表面に積層された導電部2aを備える。さらに、使用者はパッド部2を身体の部位に装着する場合に、導電部2aの上に、導電性を有するゲル材料からなる層状のゲルシート2dを取り付ける。治療時には、身体の表面にゲルシート2dを介して導電部2aが接触した状態で、導電部2aからゲルシート2dを介して身体に電流が供給される。なお、ゲルシート2dを用いない場合は、導電部2aからゲルシート2dを介さずに身体に電流が供給される。
導電部2aは、通電時の極性(プラス極、マイナス極)別に設けられている。なお、パッド4Y,5Yには極性を交互に転換させて通電することもあるので、プラス極専用の導電部2aとマイナス極専用の導電部2aが固定的に存在するのではなく、極性は可変的である。
例えば、実施の形態1では、入出力インターフェイス205からの低周波電流は、例えば、パッド4Y→身体の部位→パッド5Yの方向に流れる。なお、上記に述べたようにパッド5Y→身体の部位→パッド4Yの方向に流れるとしてもよい。
図4を参照して、導電部2aのカーボン層は、例えば対向した櫛型の形状を有し、ベース2c上に印刷される。櫛型のカーボン層は、櫛型の下部に相当する一方向に延びる部分と、当該下部が延びる方向と交差(例えば、略直交)する方向に延びるような複数の山形を有する。複数の山形は、下部から延びる。パッド4Y,5Yは、ホルダ3に、ホルダ3の幅方向両側に延びるように取り付けられる。パッド4Y,5Yは、ホルダ3に取付けられた状態で、櫛型の下部はホルダ3を起点にパッドが延びる方向に延在する。
図4では、櫛型の複数の山形は、パッド4Yの部位A1〜A4およびパッド5Yの部位B1〜B4に配置される。パッド4Yの各部位における山形の形状(サイズ)が異なることにより、各部位の抵抗の大きさを異ならせている。実施の形態1では、本体部4(ホルダ3)から最も遠い部位(図4の場合、部位A1,B1)は、当該パッドの他の部位よりも大きい形状(大きいサイズ)を有する。これにより、本体部4(ホルダ3)から最も遠い部位の電気的抵抗の大きさを他の部位よりも大きくすることができる。
例えば、パッド4Yは、部位A1の抵抗R1>部位A2の抵抗R2>部位A3の抵抗R3>部位A4の抵抗R4の関係を有する。同様に、パッド5Yは、部位B1の抵抗r1>部位B2の抵抗r2>部位B3の抵抗r3>部位B4の抵抗r4の関係を有する。
図4では、各パッドの部位毎に抵抗の大きさを異ならせるために、導電部2aのカーボン層を櫛型形状としたが、形状は櫛型に限定されない。
(等価回路)
図5は、図4の導電部2aを介して身体に電流を供給するための等価回路を模式的に示す図である。図5を参照して、等価回路は、抵抗R1〜R4を並列に接続した第1回路と、抵抗r1〜r4を並列に接続した第2回路と、第1および第2回路の間に直列に接続される身体の電気的抵抗RHの回路とを備える。ここでは、抵抗RHは、上記に述べた生体インピーダンスに相当するが、実施の形態1では、一定の値とする。
図5は、図4の導電部2aを介して身体に電流を供給するための等価回路を模式的に示す図である。図5を参照して、等価回路は、抵抗R1〜R4を並列に接続した第1回路と、抵抗r1〜r4を並列に接続した第2回路と、第1および第2回路の間に直列に接続される身体の電気的抵抗RHの回路とを備える。ここでは、抵抗RHは、上記に述べた生体インピーダンスに相当するが、実施の形態1では、一定の値とする。
抵抗RHの入力側は第1回路の出力端に接続され、その出力側は第2回路の入力端に接続される。第1回路の入力端は入出力インターフェイス205側のプラス電極に接続されて、第2回路の出力端は入出力インターフェイス205側のマイナス電極に接続される。波形生成回路210から出力される低周波電流Iiは、プラス電極を介して第1回路を流れて身体に供給される。身体を流れた電流は第2回路を介して入出力インターフェイス205のマイナス電極に入力する。電圧検出回路211は、プラス電極およびマイナス電極間の電圧を測定することにより、電圧降下値Vを検出する。
ここで、第1回路の抵抗を合成した合成抵抗R0は1/R0=(1/R1+1/R2+1/R3+1/R4)と算出され、第2回路の抵抗を合成した合成抵抗r0は1/r0=(1/r1+1/r2+1/r3+1/r4)と算出され、また基準値Vr=Ii×(R0+RH+r0)と算出される。基準値Vrは、パッド4Y,5Yの導電部2aが身体に正常(剥がれなく)に接触している場合に電圧検出回路211により検出される電圧降下の大きさを示す。
したがって、パッド4Yまたは5Yの全ての部位(導電部2aの全て)が身体に接触している場合には、(電圧降下値V=基準値Vr)の条件が成立するが、一部の部位でも剥がれて身体に非接触の部位がある場合には(電圧降下値V>基準値Vr)の条件が成立する。以下では、条件(電圧降下値V>基準値Vr)を「剥がれ条件」ともいう。
(機能構成)
図6は、実施の形態1に係る低周波治療器1の機能構成を示す図である。図7は、実施の形態1に係るテーブルTBを模式的に示す図である。図7のテーブルTBは、記憶部206に格納されている。テーブルTBは、抵抗の各大きさ(抵抗値TB1)に対応して、パッド4Y,5Yの1つ以上の部位TB2を示すデータと、通知内容(例えば、メッセージ)TB3が格納されている。
図6は、実施の形態1に係る低周波治療器1の機能構成を示す図である。図7は、実施の形態1に係るテーブルTBを模式的に示す図である。図7のテーブルTBは、記憶部206に格納されている。テーブルTBは、抵抗の各大きさ(抵抗値TB1)に対応して、パッド4Y,5Yの1つ以上の部位TB2を示すデータと、通知内容(例えば、メッセージ)TB3が格納されている。
図6を参照して、低周波治療器1は、処理部32と、処理部32の出力に基づく通知を出力する通知部33を備える。処理部32は、導電部2aにおいて検出される抵抗の大きさの変化から、パッド4Y,5Yにおける身体への非接触の部位を決定(判断)する。通知部33は、処理部32の決定内容を示す通知を出力するよう各部を制御するために、上記の制御信号を各部に出力する。
処理部32は、パッド部2を介して身体に低周波電流を供給する場合に、「剥がれ条件」が成立するとき、抵抗の大きさの変化として(V−Vr)/Iiに従う抵抗値を算出する。処理部32は、抵抗の大きさの変化(すなわち算出値)に基づき、図7のテーブルTBを検索し、検索により、テーブルTBから変化値に対応の抵抗値TB1を特定し、特定した抵抗値TB1に対応の部位TB2と出力内容TB3を読出す。
通知部33は、処理部32の決定内容を示す通知を出力するために各部に上記の制御信号を出力する。通信部207は、通知部33からの制御信号に従い通知データを端末10に送信する。端末10のCPU152は、受信した制御信号に従いディスプレイ158に画像を表示させ、またはスピーカ168に音声を出力させ、または振動部157を振動させる。なお、本体部4が振動部を備える場合には、当該振動部のバイブレーションにより通知がなされてもよい。
図6の各部の機能は、主に、制御部203がプログラムを実行することにより実現されるが、プログラムと回路の組合せにより実現されてもよい。
(処理フローチャート)
図8は、実施の形態1に係る処理フローチャートである。このフローチャートは、低周波治療器1の処理と、端末10の処理とが関連付けて示されている。低周波治療器1の処理のフローチャートに従うプログラムは、記憶部206に格納される。制御部203は、記憶部206からプログラムを読出し、読出されたプログラムを実行する。端末10の処理のフローチャートに従うプログラムは、メモリ154に格納される。CPU152は、メモリ154からプログラムを読出し、読出されたプログラムを実行する。
図8は、実施の形態1に係る処理フローチャートである。このフローチャートは、低周波治療器1の処理と、端末10の処理とが関連付けて示されている。低周波治療器1の処理のフローチャートに従うプログラムは、記憶部206に格納される。制御部203は、記憶部206からプログラムを読出し、読出されたプログラムを実行する。端末10の処理のフローチャートに従うプログラムは、メモリ154に格納される。CPU152は、メモリ154からプログラムを読出し、読出されたプログラムを実行する。
図8を参照して、パッド剥がれの決定と通知の処理を説明する。まず、制御部203は、低周波治療器1が、パッド部2に低周波電流を供給する動作中であるか否かを判断する(ステップS1)。動作中でないと判断した場合は(ステップS1でNO)、一連の処理を終了するが、動作中であると判断した場合は(ステップS1でYES)、処理部32は、電圧検出回路211から出力される電圧降下値Vを判断する(ステップS3)。
具体的には、電圧検出回路211は電圧降下値Vを測定し、測定した電圧降下値Vを制御部203に出力する。処理部32は、電圧検出回路211から出力される電圧降下値Vを受付けて、受付けた電圧降下値Vと基準値Vrとを比較する。なお、基準値Vrは、予め記憶部206に格納されている。
処理部32は、この比較の結果に基づき、上記に述べた「剥がれ条件」が成立するか否かを判断する(ステップS5)。「剥がれ条件」は成立しないと判断すると(ステップS5でNO)、一連の処理は終了する。
一方、処理部32は、「剥がれ条件」が成立すると判断すると(ステップS5でYES)、パッド4Y,5Yの部位のうち非接触の部位を決定する(ステップS7)。具体的には、処理部32は、(V−Vr)/Iiに従い上記の等価回路の抵抗の変化の大きさを算出する。算出した抵抗の変化の大きさは、非接触の部位に対応する抵抗の値に相当する。
処理部32は、抵抗の変化の大きさ(すなわち(V−Vr)/Iiの算出値)に基づきテーブルTBを検索し、検索により、テーブルTBから算出値に対応した部位TB2と出力内容TB3を読出す。
通知部33は、テーブルTBから読出した内容を通知するための上記の制御信号を各部に出力する(ステップS9)。
端末10では、CPU152は、通知部33から制御信号を受信するか否かを判断する(ステップS21)。受信したと判断すると(ステップS21でYES)、CPU152は、受信した制御信号に従い、スピーカ168、振動部157およびディスプレイ158を制御する。これにより、非接触部位を示す情報が音声、振動または画像で提示される(ステップS23)。CPU152は、制御信号を受信しないと判断すると(ステップS21でNO)、一連の処理を終了する。
なお、剥がれを検出した場合は(ステップS5でYES)、制御部203は、電流生成部204を停止させて電流の供給を中止する。
実施の形態1では、制御部203のCPUは、図8のフローチャートに従うプログラムを繰返し実行する。したがって、身体に供給される電流が低周波電流という微弱電流であるために、ユーザは電流が供給されていない状態を感覚しにくい場合であっても、実施の形態1では、上記の通知により、ユーザは、パッド4Y,5Yが剥がれている部位を確認し、パッドを部分的に押さえつける等して、剥がれ状態を解消することができる。これにより、導電部2aからの低周波電流の全てを身体に供給することができる。
(通知の表示例)
図9は、通知内容の画面の表示例を示す図である。端末10のCPU152は、低周波治療器1から受信した制御信号に含まれる通知内容に基づき、画像データを生成する。画像データに従いディスプレイ158を駆動することにより、非接触部位を特定して通知するための画像が表示される。図9では、例えば、パッド4Y,5Yの画像において、部分画像4c,4dの表示色を変化させることで、非接触部位が他の部位とは区別される態様で通知される。
図9は、通知内容の画面の表示例を示す図である。端末10のCPU152は、低周波治療器1から受信した制御信号に含まれる通知内容に基づき、画像データを生成する。画像データに従いディスプレイ158を駆動することにより、非接触部位を特定して通知するための画像が表示される。図9では、例えば、パッド4Y,5Yの画像において、部分画像4c,4dの表示色を変化させることで、非接触部位が他の部位とは区別される態様で通知される。
(導電部2aの形状と抵抗の大きさ)
図10は、実施の形態1に係る部位毎に抵抗の大きさを異ならせる方法を説明するための図である。本実施の形態1では、上記に述べたようにパッド4Y,5Yの導電部2aの櫛型における各山形の形状(サイズ)を異ならせることにより、各部位の抵抗の大きさを異ならせている。
図10は、実施の形態1に係る部位毎に抵抗の大きさを異ならせる方法を説明するための図である。本実施の形態1では、上記に述べたようにパッド4Y,5Yの導電部2aの櫛型における各山形の形状(サイズ)を異ならせることにより、各部位の抵抗の大きさを異ならせている。
図10において、ベース2cの上に積層された導電部2aの各山形の部分の抵抗値MRは、MR=(ρ(L/(W×T))の式で算出される。式における定数ρは、導電部2aの材料に固有の導電率である。変数Lは、導体(山形の部分)のベース2cの表面と平行に延びる長さ、変数Wは導体の身体に接触し得る面の幅、および変数Tは導体のベース2cの表面からの高さを示す。この式に示されるように、抵抗値MRは,変数Lが示す長さが長いほど大きくなり、変数Tが示す高さが低いほど大きくなり、また変数Wが示す幅が短いほど大きくなる。
実施の形態1では、各山形を、その形状(長さまたは幅または高さ)がお互いに異なるように形成することで、抵抗の大きさはお互いに相違し、且つ抵抗の大きさの関係に関して、上記に述べたようにR1>R2>R3>R4、およびr1>r2>r3>r4の関係を実現する。この関係によれば、パッド4Y,5Yのそれぞれにおいて、本体部4から遠い部位(図4の部位A1,B1を参照)の山形が、当該パッドにおいて最も抵抗値が大きい。
ここで、低周波治療器1を身体に取付けた場合には、身体は平面ではないために、一般的に剥がれやすい傾向にあるが、実施の形態1の場合は、ホルダ3に係止された本体部4に近い部位(例えば、図4の部位A4、B4)は、ホルダ3または本体部4(または、その両方)が重しとなるので剥がれにくくできる。これに対して、本体部4から遠い部位(例えば、図4の部位A1、B1)は、この重しの効果は小さく剥がれやすい。
実施の形態1では、このように剥がれやすい部位A1、B1の抵抗値を他の部位よりも大きくすることで、導電部2aの部位A1または部位B1が剥がれた場合には、電圧降下値Vの変化は大きくなる。したがって、剥がれやすに部位に関して、上記に述べた「剥がれ条件」の成立を確実に判断することができる。
(パッドの製造方法)
図11は、実施の形態1に係るパッドの断面構造を模式的に示す図である。パッド4Y,5Yの製造時には、導電性材料である例えばカーボンのシート(層)を図4に示す導電部2aの櫛型のパターンに成形する。次に、図11に示すように、軟質合成樹脂製(例えば、ポリエチレンフォーム(登録商標))を含む平板上のベース2cの表面上に、例えば印刷工程により、櫛型の形状に成形された導電部2aのシートを積層する。
図11は、実施の形態1に係るパッドの断面構造を模式的に示す図である。パッド4Y,5Yの製造時には、導電性材料である例えばカーボンのシート(層)を図4に示す導電部2aの櫛型のパターンに成形する。次に、図11に示すように、軟質合成樹脂製(例えば、ポリエチレンフォーム(登録商標))を含む平板上のベース2cの表面上に、例えば印刷工程により、櫛型の形状に成形された導電部2aのシートを積層する。
図11に示すように、パッド4Y,5Yの導電部2aは、ゲルシート2dを介して身体に接触するが、カーボン層は可撓性を有するので、導電部2aを、ゲルシート2dを介して身体の表面形状に沿うように接触させることが可能である。
(比較例)
図12は、実施の形態1のための比較例を示す図である。図12では、パッドのベース(絶縁層)上に、一様に導電層を印刷した状態が示される。図12のパッドの導電層を介して身体に低周波電流を供給する場合に、剥がれが無い通常時の合成抵抗値Rnは(Rh+Rk)である。また、パッド剥がれが生じた場合の合成抵抗値Rnは(Rh+Rk+ΔRh)である。ただし、変数Rhは身体の抵抗値、変数Rkは導電層の抵抗値、および変数ΔRhはパッド剥がれにより変動する抵抗値である。このように、図12の場合は、合成抵抗値Rnの検出によりパッドの剥がれの有無を検出することができるが、剥がれた部位を特定することはできない。
図12は、実施の形態1のための比較例を示す図である。図12では、パッドのベース(絶縁層)上に、一様に導電層を印刷した状態が示される。図12のパッドの導電層を介して身体に低周波電流を供給する場合に、剥がれが無い通常時の合成抵抗値Rnは(Rh+Rk)である。また、パッド剥がれが生じた場合の合成抵抗値Rnは(Rh+Rk+ΔRh)である。ただし、変数Rhは身体の抵抗値、変数Rkは導電層の抵抗値、および変数ΔRhはパッド剥がれにより変動する抵抗値である。このように、図12の場合は、合成抵抗値Rnの検出によりパッドの剥がれの有無を検出することができるが、剥がれた部位を特定することはできない。
これに対して、実施の形態1の低周波治療器1は、上記に述べたように、剥がれた部位を特定し、特定された剥がれ部位を通知することで、ユーザに、剥がれを解消する(例えば剥がれ部位を押さえる)ように促すことができる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、部位毎の非接触(剥がれている)と決定された回数の統計値を算出し、統計値からパッド4Y,5Yの使用に関する通知を出力する。
実施の形態2では、部位毎の非接触(剥がれている)と決定された回数の統計値を算出し、統計値からパッド4Y,5Yの使用に関する通知を出力する。
制御部203は、パッド4Y,5Yの部位A1〜A4およびB1〜B4の8つの部位のそれぞれに対応して、剥がれているとの決定がなされた回数をカウントし、カウント値を蓄積して記憶部206に格納する。制御部203は、これらカウント値と閾値を比較し、比較の結果に基づき通知を出力する。各部位についてのカウント値は、統計値に相当する。
例えば、8つの部位のカウント値のトータル値が、第1の閾値を超えた場合には、制御部203は、ゲルシート2dの交換を促す通知を出力する。これにより、ゲルシート2dに全体的にホコリ等が付着して部位によらず剥がれやすくなった状態であり、ユーザにゲルシート2dを新しいものと交換するよう促すことができる。
また、本体部4に近い部位(例えば、部位A4、A3、B4、B3等)のカウント値が、遠い部位(例えば、部位A1、B1等)のカウント値よりも大きくなって、第2の閾値を超えた場合には、制御部203は、ゲルシート2dにおける近い部位が剥がれやすくなっているので、ホコリが付着している可能性を通知することができる。
また、上記に述べた通知の処理は、端末10のCPU152が実行してもよい。具体的には、CPU152は、上記に述べた剥がれ部位の情報をメモリ154に格納し、CPU152はメモリ154の情報に基づき、上記の統計値を取得し、統計情報を用いて上記の通知の処理を実行する。
[実施の形態3]
上述した図8のフローチャートを用いて説明した処理および実施の形態2の通知の処理は、コンピュータ(CPU)が実行するプログラムとして提供することもできる。このプログラムは、低周波治療器1の例えば記憶部206に格納される。このプログラムは、通信部207を介して、通信回線を経由し、外部の情報処理装置(例えば端末10)から記憶部206にダウンロードされることにより供給されてもよい。
上述した図8のフローチャートを用いて説明した処理および実施の形態2の通知の処理は、コンピュータ(CPU)が実行するプログラムとして提供することもできる。このプログラムは、低周波治療器1の例えば記憶部206に格納される。このプログラムは、通信部207を介して、通信回線を経由し、外部の情報処理装置(例えば端末10)から記憶部206にダウンロードされることにより供給されてもよい。
また、端末10も同様に、このようなプログラムを、メモリ154に格納する。メモリ154には、通信部160を介して外部の端末からプログラムがダウンロードされる。またはメモリI/F164を介して記憶媒体165から読出されたプログラムがメモリ154にロード(格納)されるとしてもよい。
これらプログラムは、図示のないフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されたプログラム製品として、低周波治療器1または端末10に提供されるとしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 低周波治療器、2 パッド部、2a 導電部、2c ベース、2d ゲルシート、3 ホルダ、4 本体部、4Y,5Y パッド、4c,4d 部分画像、10 端末、21 身体側部、32 処理部、33 通知部、48S スイッチ、152 プロセッサ、157 振動部、158 ディスプレイ、160,207 通信部、168 スピーカ、202 表示部、203 制御部、204 電流生成部、205 入出力インターフェイス、206 記憶部、208 LED部、209 電圧調整回路、210 波形生成回路、211 電圧検出回路、A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4 部位、Ii 低周波電流、L,Rh,Rk,T,W 変数、MR 抵抗値、R0,r0 合成抵抗、R1,R2,R3,R4,RH,r1,r2,r3,r4 抵抗、Rn 合成抵抗値、V 電圧降下値、Vr 基準値。
Claims (13)
- 身体と接触する側の面を有したパッドであって、前記面の上に導電部が形成されたパッドを含むパッド部と、
前記導電部を介して前記身体に電流を供給する本体部と、を備え、
前記導電部は、前記面の部位毎に対応して電気的な抵抗の大きさが異なり、
前記本体部は、
前記導電部を介して測定される前記抵抗の大きさを検出する検出部と、
前記電流を供給する場合に検出される前記抵抗の大きさの変化から、前記面の部位のうち前記身体に非接触の部位を決定する処理部と、を含む、電気治療器。 - 前記面上の前記導電部は、前記部位毎に抵抗の大きさを異ならせる形状を有する、請求項1に記載の電気治療器。
- 前記パッド部は、前記パッドを一体的に取付け可能なホルダを、さらに有し、
前記本体部は、前記ホルダに係止される、請求項1または2に記載の電気治療器。 - 前記パッド部の前記パッドは、前記面が前記ホルダの幅方向両側に延びる形状を有し、
前記面の上の前記導電部は、前記部位のうち前記本体部から遠い部位は、当該本体部に近い部位よりも前記抵抗が大きい、請求項3に記載の電気治療器。 - 前記処理部は、さらに、
決定された前記部位を示すための通知を出力する、請求項1から4のいずれか1項に記載の電気治療器。 - 端末装置と通信する通信部を、さらに備え、
前記端末装置は、受信する情報を出力する出力部を備え、
前記処理部は、前記通知を前記端末装置に送信するよう前記通信部を制御する、請求項5に記載の電気治療器。 - 前記本体部は、さらに、
前記非接触と決定された部位を示す情報を蓄積して記憶する記憶部を、含み、
前記処理部は、さらに、
前記部位毎の前記非接触と決定された回数の統計値を算出し、前記統計値から前記パッドの使用に関する通知を出力する、請求項1から6のいずれか1項に記載の電気治療器。 - 端末装置と通信する通信部を、さらに備え、
前記処理部は、通知を前記端末装置に送信するよう前記通信部を制御し、
前記端末装置は、
情報を表示する表示部と、
前記非接触と決定された部位を示す情報を蓄積して記憶する端末側記憶部と、を含み、
前記部位毎の前記非接触と決定された回数の統計値を算出し、前記統計値から前記パッドの使用に関する情報を決定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の電気治療器。 - 前記電流は、低周波電流を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の電気治療器。
- 電気治療器のパッドであって、
身体と接触する側の面と、
前記面の上に形成されて前記身体に電流を供給するための導電部と、を備え、
前記導電部は、前記面の部位毎に対応して電気的な抵抗の大きさが異なる、電気治療器のパッド。 - 前記導電部は、前記部位毎に異なる形状を有する、請求項10に記載の電気治療器のパッド。
- 電気治療器のパッドの製造方法であって、
前記パッドは、絶縁材料を含むベースであって、身体と接触する側の面を有したベースを備え、
前記製造方法は、
前記ベースの前記面の上に、導電性材料を含む導電層を形成するステップを、備え、
前記導電層を形成するステップは、
前記面の部位毎に対応して電気的な抵抗の大きさが異なるように前記導電層を形成するステップを含む、電気治療器のパッドの製造方法。 - 前記抵抗の大きさが異なるように前記導電層を形成するステップは、前記導電層を、前記部位毎に異なる形状に成形するステップを含む、請求項12に記載の電気治療器のパッドの製造方法。
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