JP2019006715A - 固形粉末化粧料 - Google Patents
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Abstract
Description
また、平均粒径が0.2〜0.4μmで、平均摩擦係数(MIU値)が0.4〜0.6であるルチル型酸化チタン凝集粒子1〜15質量%と半固形油分1〜40質量%を含有する唇用化粧料が、ツヤがあり、唇のシワの目立ちを抑え、化粧持ちに優れていることが知られている(特許文献2)。
また、化粧料として用いられる色材として、可視光領域でも長波長側の光(波長630〜700nm)の吸収率の小さいものを配合することで、肌内部での光透過性が素肌と近くなり、自然な仕上がりを実現できることが知られている(特許文献3)。
しかし、この二酸化チタンは、棒状粒子の凝集体であり、二次凝集体中の空げきも多いことから、見かけの屈折率が低下してしまい、実際に化粧料に配合するには隠ぺい力が不十分であった。また、紫外線防御に目的の主眼が置かれているため、二次凝集体の見かけの粒子径も100nm未満であり、Mieの理論に基づく酸化チタンの散乱効果を最大化させる粒子径より明らかに小さいため、このことも隠ぺい力が小さい要因となってしまう。
しかし、このオルガノポリシロキサン誘導体処理粉体に、従来の二酸化チタンを配合しても、肌のシミ等の隠蔽力が高い反面、隠ぺい力を高めるために多量に配合した場合、不自然な仕上がりとなり、肌上の凹凸は、素肌よりも目立たせてしまうことがある。
球状粉末5〜30質量%と、
下記(A)成分と(B)成分からなるエラストマーまたは金属石鹸表面処理された粉末を5〜40質量%と、を含むことを特徴とする。
(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーと、
(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマー又はカルボキシル基を有するアクリルポリマーと、
からなるエラストマーであって、アミノ基とカルボキシル基のモル比が、Y/X=0.1〜1.2 (Yは、(B)成分に含まれるカルボキシル基のモル量、Xは、(A)成分に含まれるアミノ基のモル量)の範囲にある
前記固形粉末化粧料において、(A)成分が、下記一般式(1)で示される側鎖型アミノ変性シリコーンであることが好適である。
前記記載の固形粉末化粧料において、(B)成分が、下記一般式(2)で表されるカルボキシル基を有するシリコーンポリマー又は下記一般式(3)カルボキシル基を有するアクリルポリマーであることを特徴とする固形粉末化粧料。
球状粉末5〜30質量%と、
下記(A)成分と(B)成分からなるエラストマーまたは金属石鹸表面処理された粉末 を5〜40質量%と、を含むことを特徴とする。
(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーと、
(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマー又はカルボキシル基を有するアクリルポリマーと、
からなるエラストマーであって、アミノ基とカルボキシル基のモル比が、Y/X=0.1〜1.2 (Yは、(B)成分に含まれるカルボキシル基のモル量、Xは、(A)成分に含まれるアミノ基のモル量)の範囲にある。
なお、色差(ΔE)は、二酸化チタン粉体を5%の濃度になるようにニトロセルロースラッカーに分散混合し、得られた分散物を白黒の隠蔽率試験紙JIS−K5400上に0.101μmの膜厚で塗布・乾燥して試験サンプルを得た。得られた試験サンプルを分光測色機にて、白と黒紙上の塗膜表面をそれぞれ測色した。Hunter Lab色空間における、色差(ΔE)を算出した。
本発明にかかる固形粉末化粧料は、下記の(a)〜(c)を満たす粒子表面に針状突起を有するルチル型二酸化チタンを焼成して得られるルチル型二酸化チタン粉体であって、見かけ上の平均粒子径が100nm以上、500nm未満、X線回折法で測定される平均結晶子径が15〜30nm、比表面積が10〜30m2/gである二酸化チタン粉体を1〜30質量%と、
球状粉末5〜30質量%と、
下記(A)成分と(B)成分からなるエラストマーまたは金属石鹸表面処理された粉末を5〜40質量%と、を含むことを特徴とする。
と、を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
(a)見かけ上の平均粒子径が100nm以上、500nm未満
(b)X線回折法で測定される平均結晶子径が1〜25nm
(c)比表面積が40〜200m2/g
(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーと、
(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマー又はカルボキシル基を有するアクリルポリマーと、
からなるエラストマーであって、アミノ基とカルボキシル基のモル比が、Y/X=0.1〜1.2 (Yは、(B)成分に含まれるカルボキシル基のモル量、Xは、(A)成分に含まれるアミノ基のモル量)の範囲にある
本発明にかかる固形粉末化粧料は、下記の(a)〜(c)を満たす粒子表面に針状突起を有するルチル型二酸化チタンを焼成して得られるルチル型二酸化チタン粉体であって、焼成後のルチル型二酸化チタン粉体の比表面積が、焼成前に対して8〜50%であることを特徴とする二酸化チタン粉体を1〜30質量%と、
球状粉末5〜30質量%と、
下記(A)成分と(B)成分からなるエラストマーまたは金属石鹸表面処理された粉末 を5〜40質量%と、を含むことを特徴とする。
と、を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
(a)見かけ上の平均粒子径が100nm以上、500nm未満
(b)X線回折法で測定される平均結晶子径が1〜25nm
(c)比表面積が40〜200m2/g
(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーと、
(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマー又はカルボキシル基を有するアクリルポリマーと、
からなるエラストマーであって、アミノ基とカルボキシル基のモル比が、Y/X=0.1〜1.2 (Yは、(B)成分に含まれるカルボキシル基のモル量、Xは、(A)成分に含まれるアミノ基のモル量)の範囲にある
前記固形粉末化粧料において、二酸化チタンの焼成温度が、500℃〜800℃であることが好適である。
前記固形粉末化粧料において、二酸化チタンの焼成温度が、550℃〜750℃であることが好適である。
母核に用いる二酸化チタンの結晶型は、結晶構造の違いから、アナターゼ型とルチル型がある。ここで本発明に用いる二酸化チタンの結晶型は、光触媒活性が低く、屈折率が高いため隠ぺい力が高いルチル型である必要がある。
本発明の二酸化チタン粉体は、母核に用いる二酸化チタンを焼成することによって、得られる。
焼成温度は焼成を行う装置によって、焼成前に存在する粒子表面から放射状に飛び出ていた針状の突起が、焼成することで凝結した粒子にあって、焼成により凝結することで針状粒子間に存在する空げきを減らし、かつ、針状粒子同士が焼結して、X線回折法で測定される平均結晶子径が過度に増大しない温度条件であることが望ましい。これにより、十分な隠ぺい力と赤色光選択透過機能の両立が可能となる。
上記結晶子径が15nm未満の場合は、十分な隠ぺい力が得られないという理由で好ましくない。また、30nmを超える場合は、焼結が進行し、十分な赤色光選択透過機能が失われるという点で好ましくない。
本発明の化粧料に対して配合する球状粉末の素材は、通常化粧料に配合され得る球状粉末の素材であれば特に限定されない。例えば、弾性球状粉末(例えば、レフィル、ウレパール、プラスティックパウダー)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ウレタン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂被覆ゴム、ポリ四フッ化エチレン、二酸化ケイ素(シリカ)、スチレンとアクリル酸との共重合体樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、セルロース等が例示される。
などが挙げられる。
本発明で用いるタルクをエラストマー処理するための、エラストマーは、以下の方法によって得られる。
本発明に使用される(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーは、下記一般式(1)で示される側鎖型アミノ変性シリコーンである。
(一般式(1)中、Xは炭素数1〜18のアルキル基、R,R’はアルキル基である。)
一般式(1)中、R’は、アルキル鎖が好適に用いられ、エチル基が量産性という理由で好ましい。
本発明に使用される(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマーとしては、下記一般式(2)で示されるカルボキシル基当量が1000g/mol〜40000g/molである側鎖型カルボキシル変性シリコーンである。
本発明に使用される(B)カルボキシル基を有するアクリルポリマーとしては、下記一般式(3)で示されるカルボキシル基当量が200g/mol〜1000g/molである側鎖型カルボキシル変性アクリルポリマーである。
具体例を挙げれば、12−メタクリルアミドドデカン酸(MAD)/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)コポリマー(90/10)、12−メタクリルアミドドデカン酸(MAD)18.50g(65.37mmol)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS:シグマ−アルドリッチ・ジャパン社製)1.50g(7.24mmol)、水酸化ナトリウム0.29g(7.25mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.30g(1.83mmol)を、メタノール60.0gに溶解した。アゾビスイソブチロニトリルは、定法に従い、メタノールから再結晶して用いた。60分間アルゴンをバブルして脱気を行い、セプタムで容器に蓋をして60℃で20時間加熱して重合した。重合反応終了後に大過剰のジエチルエーテル中に反応溶液を滴下して沈殿物を吸引ろ過で回収した。減圧乾燥の後、ランダム状のMAD/AMPSコポリマー(90/10)15.2gを得た(収率:75.1%)。重量平均分子量は50000だった。
タルクと、(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーを混合する工程と、(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマーを混合し、加熱する工程によって本発明に係るエラストマー処理タルクを得ることができる。
また、(A)成分と(B)成分の添加順序は、逆でも本発明に係るエラストマー被覆無機粉末を得ることができる。
本発明に用いる金属石鹸処理タルクは、様々な金属石鹸処理されたタルクを用いることができる。金属石鹸処理としては、デシルトリシロキサンカルボン酸亜鉛等のデシルトリシロキサンカルボン酸金属処理、ステアリン酸カルシウム処理、ステアリン酸マグネシウム処理等が挙げられる。
デシルトリシロキサンカルボン酸亜鉛処理タルクは、公知の被覆粉末の製造方法で得ることができる。具体例を挙げると、以下のような乾式法と湿式法の2種類によって実施される。ただし、これらに限定されるものではない。
上記化式5のオルガノシロキサン誘導体を、1%水酸化ナトリウム水溶液中でナトリ
ウム塩と変換した後、さらに1%塩化亜鉛水溶液を添加することによって塩交換を行い、該オルガノシロキサン誘導体のZn塩を調製する。その後、タルク15g、前記オルガノシロキサン誘導体のZn塩5gを粉砕混合する。
タルク100g、1%水酸化ナトリウム水溶液30.5g、上記化合物1のオルガノシロキサン誘導体3g、1%塩化亜鉛水溶液156mlを順次添加して混合物を分散させる。ここまでの反応は、70℃にて行う。その後、ろ過により表面処理された粉体を単離し、水洗、乾燥し(105℃、12時間)、粉砕機を用いて粉砕する。
ることが好ましい。また、混合時間は、処理量、粉体の種類によって異なるが、通常1〜
3時間であることが好ましい
例えば、無機粉末としては、窒化硼素、セリサイト、天然マイカ、焼成マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、アルミナ、マイカ、カオリン、ベントナイト、スメクタイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化クロム、紺青、群青、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ストロンチウム、炭化ケイ素、フッ化マグネシウム、タングステン酸金属塩、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クロルヒドロキシアルミニウム、クレー、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、スピネル、ムライト、コージェライト、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ケイ素、ランタン、サマリウム、タンタル、テルビウム、ユーロピウム、ネオジウム、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、シリコーンカーバイート、チタン酸コバルト、チタン酸バリウム、チタン酸鉄、リチウムコバルトチタネート、アルミン酸コバルト、アンチモン含有酸化スズ、スズ含有酸化インジウム、マグネタイト、アルミニウム粉、金粉、銀粉、白金粉、銅粉、貴金属コロイド、鉄粉、亜鉛粉、コバルトブルー、コバルトバイオレット、コバルトグリーン、低次酸化チタン、微粒子酸化チタン、バタフライ状硫酸バリウム、花びら状酸化亜鉛、テトラポッド状酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、パール顔料としては酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化チタン被覆シリカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化チタン被覆タルク、酸化亜鉛被覆シリカ、酸化チタン被覆着色雲母、ベンガラ被覆雲母チタン、ベンガラ・黒酸化鉄被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、コンジョウ被覆雲母チタン等が挙げられる。
これらのうち、マイカ、セリサイト、カオリン、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等が好ましく用いられる。
本発明にかかる固形粉末化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲において、他の成分、例えば、エステル、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
以下に具体的な配合可能成分を列挙するが、上記必須配合成分と、下記成分の任意の一種又は二種以上とを配合して固形粉末化粧料を調製できる。
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
〈乾式の製造方法〉
無機粉末成分、油性成分とその他の成分をあらかじめヘンシェルミキサーにて混合した後、パルペライザーにて二回解砕する。そして、得られた混合物を樹脂製の中皿容器に充填し、公知の方法で乾式プレス成型を行ない、本発明の酸化チタンを化粧料に配合した固形状の粉末化粧料を得ることができる。
〈その他の製造方法〉
本発明の酸化チタンを化粧料に配合して製造する方法としては、公知の方法を用いることができる。たとえば、特許第5422092号に記載の揮発性溶媒を用いたスラリーを乾燥して作製する製造方法、特許第5972437号に記載の揮発性溶媒を用いたスラリーを充填後除去して作製する製造方法でも好適に得ることができる。
実施例の説明に先立ち本発明で用いた二酸化チタンの試験の評価方法について説明する。
試料をX線回折装置(Geigerflex、理学電機社製)で測定し、シェラー式を適用することにより、平均結晶子径を算出した。
二酸化チタン粉体を5%の濃度になるようにニトロセルロースラッカーに分散混合し、得られた分散物を白黒の隠蔽率試験紙JIS−K5400上に0.101μmの膜厚で塗布・乾燥して試験サンプルを得た。得られた試験サンプルを分光測色機(CM−2600、コニカミノルタ社製)にて、白と黒紙上の塗膜表面をそれぞれ測色した。Hunter Lab色空間における、色差(ΔE)を算出し、これを隠蔽力として評価した。なお、ΔEが高いほど、隠ぺい力が小さく、ΔEが低いほど、隠蔽力が高いことを示す。
ΔE=
(評価基準)
×:25<ΔE
△:22 <ΔE≦25
○:ΔE≦22
赤色透過性とは、前述の隠ぺい力と同様に黒紙上での測定により得られる各波長での分光反射率のうち、波長が450nmにおける反射率と波長が650nmにおける反射率比(波長が450nmにおける反射率/650nmにおける反射率:R450/R650)を算出した。
R450/R650が高いほど、赤色透過性が高く、R450/R650が低いほど赤色透過性が低いことを示す。
(評価基準)
×:R450/R650≦1.3
△:1.3<R450/R650≦1.35
○:1.35<R450/R650≦1.4
◎:1.4<R450/R650
単位質量当たりの比表面積は、国際基準ISO 5794/1(付録D)に相当するThe Journal of the American Chemical Society、60巻、309頁、1938年2月に記載のBET(ブルナウアー-エメット-テラー)法として知られる窒素吸着法によって求めることができる。
図1に示した方法で、粒子の長軸と短軸の長さの平均値をとっている。
*1:タイペーク CR−50(石原産業社製、見掛け上の平均粒子径:200nm、形状:不定形)
*2:バイエルチタンA(バイエル社製、見掛け上の平均粒子径:400nm、形状:不定形)
本発明者らは、特許文献(特開2010−173863号公報)の手法を用いて、針状粒子が放射状に配向凝集した粒子表面に針状突起を有する粒径の異なる二酸化チタンを2種合成した。
得られた酸化チタンそれぞれを、酸化チタンA(比表面積:101m2/g、結晶子径:5 nm、見掛け上の平均粒子径:0.2〜0.3μm、針状突起形状)、酸化チタンB(比表面積:117m2/g、結晶子径:11nm、見掛け上の平均粒子径:0.3μm、針状突起形状)と称する。
また、市販品(ST−750:チタン工業株式会社製)である針状粒子が放射状に配向凝集した粒子表面に針状突起を有する二酸化チタンを、酸化チタンD(84m2/g、結晶子径:8.6nm、見掛け上の平均粒子径:1.0μm、針状突起形状)と称する。
また、市販品(MT062;テイカ工業株式会社製)である粒子が針状である酸化チタンを、酸化チタンE(比表面積:47m2/g、結晶子径:23.3nm、見掛け上の平均粒子径:65nm、針状突起形状)と称する。
母核に用いる二酸化チタン100gを石英製のるつぼに入れ、マッフル炉にて各温度で1時間焼成を行うことにより、二酸化チタン粉末を得た。
特に、平均粒子径が大きい酸化チタンCについては、700℃で赤色透過性はほぼ失われていた。
また、酸化チタンA〜Cと同様に針状粒子が放射状に配向凝集した酸化チタンDは、焼成温度の上昇に伴い、比表面積は酸化チタンA〜Cと同様に減少するものの、見かけの粒子径が著しく大きいために、隠ぺい力の向上は極めて微小であった。さらに、赤色透過性についても見かけの粒子径が著しく大きいために、焼成前後に関わらず低いままであり、望まれる赤色透過性は得られなかった。
また、焼成前の平均粒子径が小さく、単一の針状粒子からなる酸化チタンEについては、焼成後も形状が大きく変化せず赤色透過性は維持されたが、隠蔽力が全く向上しなかった。
また、市販品(ST643:チタン工業株式会社製)である棒状粒子が藁束状に配向凝集した二酸化チタンを、酸化チタンG(比表面積:132m2/g、結晶子径:8.6nm、見掛け上の平均粒子径:200nm、藁束状)と称する。
したがって、赤色透過性を有するが、望まれる隠蔽力は得られなかった。
また、二酸化チタンBについて、ロータリーキルンでの焼成温度変化による隠蔽力、赤色透過性を測定した。結果を、それぞれ図4、図5に示す。
一般的に回転式焼成炉は焼成効率が高く、静置で焼成するマッフル炉で焼成した場合よりも低い温度で同様の焼成状態を得ることができることが知られている。
最初に、本発明者らは、オルガノシロキサン誘導体として上記化式4のZn塩を用いて、タルク(商品名JA68R、浅田製粉株式社製)に対して表面処理を施し、表面処理粉体を調製した。
ヘンシャルミキサーに、(C)タルクと、カルボキシル基を有するシリコーンポリマーを加え、低速にて、10分間混合する。そして、そこに、アミノ基を有するシリコーンポリマーを加えて、低速にて10分間混合し、加熱することで、エラストマー処理タルクを得た。
さらに、本発明者は、表6の焼成温度660℃で得られた二酸化チタンを用いて、下記の表面処理の方法で得られた疎水化処理二酸化チタンを配合した固形粉末化粧料を、それぞれ常法で調整した。そして、得られた化粧料を下記評価方法で評価した。
得られた二酸化チタン粉体をイオン交換水に分散させ、加温したのち、ステアリン酸を3質量%吸着させ、その後脱水・洗浄・乾燥させることで表面処理二酸化チタンを得た。
[固形粉末化粧料の製造方法]
〈乾式の製造方法〉
無機粉末成分、油性成分とその他の成分をあらかじめヘンシェルミキサーにて混合した後、パルペライザーにて二回解砕する。そして、得られた混合物を樹脂製の中皿容器に充填し、公知の方法で乾式プレス成型を行ない、本発明の酸化チタンを化粧料に配合した固形状の粉末化粧料を得ることができる。
〈その他の製造方法〉
本発明の酸化チタンを化粧料に配合して製造する方法としては、公知の方法を用いることができる。たとえば、特許第5422092号に記載の揮発性溶媒を用いたスラリーを乾燥して作製する製造方法、特許第5972437号に記載の揮発性溶媒を用いたスラリーを充填後除去して作製する製造方法でも好適に得ることができる。
評価(6):自然な仕上がり
専門パネル10名が顔に試料を塗布し、塗布後の使用感を評価した。
A:パネル10名中7名以上が自然な仕上がりであると回答した。
B:パネル10名中5名以上7名未満が自然な仕上がりであると回答した。
C:パネル10名中5名未満が自然な仕上がりであると回答した。
専門パネル10名が顔に試料を塗布し、塗布後の使用感を評価した。
A:パネル10名中7名以上が伸びの良さがあると回答した。
B:パネル10名中5名以上7名未満が伸びの良さがあると回答した。
C:パネル10名中5名未満が伸びの良さがあると回答した。
専門パネル10名が顔に試料を塗布し、塗布後の使用感を評価した。
A:パネル10名中7名以上が白浮きがないと回答した。
B:パネル10名中5名以上7名未満が白浮きがない回答した。
C:パネル10名中5名未満が毛穴が白浮きがないと回答した。
専門パネル10名が顔に試料を塗布し、塗布後の使用感を評価した。
A:パネル10名中7名以上が色ムラがないと回答した。
B:パネル10名中5名以上7名未満が色ムラがないと回答した。
C:パネル10名中5名未満が色ムラがないと回答した。
固形粉末化粧料を化粧品用のコンパクト容器にセットし、化粧料面が下向きの状態で50cmの高さから金属板上に落下させ、割れるまでの回数を調べた。各化粧料につき、試験数(N)=3の平均値が5回以上で十分な耐衝撃性を有すると評価した。
○・・・5回以上
×・・・5回未満
(*2)浅田製粉性 タルクJA-68R
(*3)トピー工業株式会社製 PDM-9WA
(*4)トピー工業株式会社製 PDM-FE
(*5)メルク株式会社製 Ronaflair Boroneige SF-12
(*6)石原産業株式会社製 タイペークCR-50
(*7)テイカ株式会社製 MT-100TV
(*8)大東化成工業株式会社製 OTS-2ベンガラNo. 216P
(*9)大東化成工業株式会社製 OTS-2 STN-1
(*10)大東化成工業株式会社製OTS-2 BL-100
(*11)東色ピグメント株式会社製 D-400
(*12)信越化学株式会製 KSP-100
試験例7−3より、母核に用いる二酸化チタンをそのまま用いた場合は、シミ、そばかすのカバー力、キメの目立ちという点で劣っている。
試験例7−4〜7−5より、本発明に代表される金属石鹸表面処理がされていない粉末を使用した場合は、衝撃安定性という点で劣っている。
試験例7−6〜7−7より、従来の顔料級チタンを用いた場合は、肌へ塗布した際に自然な仕上がりと白浮きのなさの点で劣ることが分かった。
試験例7−8より、本発明の二酸化チタンの量が本発明の範囲より少ないと、シミ・そばかすのカバーの点で劣り、自然な仕上がりが得られないことが分かった。
試験例7−9より、本発明の二酸化チタンの量が本発明の範囲より多いと、自然な仕上がり、白浮きのなさの点て劣ることが分かった。
試験例7−10より、球状粉末の量が本発明の範囲より少ないと、のびの良さの点で劣ることが分かった。
試験例7−11より、球状粉末の量が本発明の範囲より多いと、衝撃安定性で劣ることが分かった。
試験例7−12より、エラスオトマー処理または金属石鹸処理をして用いるタルクの量が本発明の範囲より少ないと、衝撃安定性で劣ることが分かった
試験例7−13より、エラスオトマー処理または金属石鹸処理をして用いるタルクの量が本発明の範囲より多いと、化粧料の取れが悪くなり、のびの良さの点で劣ることが分かった。
Claims (8)
- 見かけ上の平均粒子径が100nm以上、500nm未満、X線回折法で測定される平均結晶子径が15〜30nm、比表面積が10〜30m2/gであって、放射状に突出した針状の突起が凝結した形状を有する粒子であって、形状短径と長径の比(長径/短径)が1.0以上、2.5未満であることを特徴とする二酸化チタン粉体を1〜30質量%と、
球状粉末5〜30質量%と、
下記(A)成分と(B)成分からなるエラストマーまたは金属石鹸表面処理された粉末を5〜40質量%と、を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーと、
(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマー又はカルボキシル基を有するアクリルポリマーと、
からなるエラストマーであって、アミノ基とカルボキシル基のモル比が、Y/X=0.1〜1.2 (Yは、(B)成分に含まれるカルボキシル基のモル量、Xは、(A)成分に含まれるアミノ基のモル量)の範囲にある - 請求項1に記載の固形粉末化粧料において、(A)成分が、下記一般式(1)で示される側鎖型アミノ変性シリコーンであることを特徴とする固形粉末化粧料。
- 請求項1に記載の固形粉末化粧料において、(B)成分が、下記一般式(2)で表されるカルボキシル基を有するシリコーンポリマー又は下記一般式(3)カルボキシル基を有するアクリルポリマーであることを特徴とする固形粉末化粧料。
- X線回折法で測定される平均結晶子径が15〜30nm、比表面積が10〜30m2/gであって、450nmの反射率の値が、650nmの反射率の値の1.3倍以上であり、色差(ΔE)が22以下であるルチル型二酸化チタン粉体を1〜30質量%と、
球状粉末5〜30質量%と、
下記(A)成分と(B)成分からなるエラストマーまたは金属石鹸表面処理された粉末 を5〜40質量%と、を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーと、
(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマー又はカルボキシル基を有するアクリルポリマーと、
からなるエラストマーであって、アミノ基とカルボキシル基のモル比が、Y/X=0.1〜1.2 (Yは、(B)成分に含まれるカルボキシル基のモル量、Xは、(A)成分に含まれるアミノ基のモル量)の範囲にある。
なお、色差(ΔE)は、二酸化チタン粉体を5%の濃度になるようにニトロセルロースラッカーに分散混合し、得られた分散物を白黒の隠蔽率試験紙JIS−K5400上に0.101μmの膜厚で塗布・乾燥して試験サンプルを得た。得られた試験サンプルを分光測色機にて、白と黒紙上の塗膜表面をそれぞれ測色した。Hunter Lab色空間における、色差(ΔE)を算出した。 - 下記の(a)〜(c)を満たす針状粒子が放射状に配向凝集した粒子表面に針状突起を有するルチル型二酸化チタンを焼成して得られるルチル型二酸化チタン粉体であって、見かけ上の平均粒子径が100nm以上、500nm未満、X線回折法で測定される平均結晶子径が15〜30nm、比表面積が10〜30m2/gである二酸化チタン粉体を1〜30質量%と、
球状粉末5〜30質量%と、
下記(A)成分と(B)成分からなるエラストマーまたは金属石鹸表面処理された粉末を5〜40質量%と、を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
と、を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
(a)見かけ上の平均粒子径が100nm以上、500nm未満
(b)X線回折法で測定される平均結晶子径が1〜25nm
(c)比表面積が40〜200m2/g
(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーと、
(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマー又はカルボキシル基を有するアクリルポリマーと、
からなるエラストマーであって、アミノ基とカルボキシル基のモル比が、Y/X=0.1〜1.2 (Yは、(B)成分に含まれるカルボキシル基のモル量、Xは、(A)成分に含まれるアミノ基のモル量)の範囲にある - 下記の(a)〜(c)を満たす粒子表面に針状突起を有するルチル型二酸化チタンを焼成して得られるルチル型二酸化チタン粉体であって、焼成後のルチル型二酸化チタン粉体の比表面積が、焼成前に対して8〜50%であることを特徴とする二酸化チタン粉体を1〜30質量%と、
球状粉末5〜30質量%と、
下記(A)成分と(B)成分からなるエラストマーまたは金属石鹸表面処理された粉末 を5〜40質量%と、を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
と、を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
(a)見かけ上の平均粒子径が100nm以上、500nm未満
(b)X線回折法で測定される平均結晶子径が1〜25nm
(c)比表面積が40〜200m2/g
(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーと、
(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマー又はカルボキシル基を有するアクリルポリマーと、
からなるエラストマーであって、アミノ基とカルボキシル基のモル比が、Y/X=0.1〜1.2 (Yは、(B)成分に含まれるカルボキシル基のモル量、Xは、(A)成分に含まれるアミノ基のモル量)の範囲にある - 請求項5又は6に記載の固形粉末化粧料において、二酸化チタンの焼成温度が、500℃〜800℃であることを特徴とする固形粉末化粧料。
- 請求項7に記載の固形粉末化粧料において、二酸化チタンの焼成温度が、550℃〜750℃であることを特徴とする固形粉末化粧料。
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