JP2019004573A - 電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動車両において下り坂で回生発電が実施される場合にドライブフィーリングを向上させる。【解決手段】電動車両10は、回生発電を実施可能なモータ2と、所定条件が成立した場合に回生率が目標値Tとなるようにモータ2に回生発電を実施させる制御手段5Cと、走行予定経路に存在する下り坂を検出する検出手段15と、検出手段15で下り坂が検出された場合に、目標値として予め設定されている標準値Sよりも所定量X以上大きい増大値Eを設定する設定手段5Aと、下り坂の開始地点に到達したら目標値Tを増大値Eに変更する変更手段5Bと、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、回生発電を実施可能なモータを備えた電動車両に関する。
ハイブリッド車や電気自動車といった電動車両において、減速時や制動時にモータに回生発電を実施させる技術が実用化されている。すなわち、この技術は、車輪の運動エネルギを電気エネルギに変換してバッテリに蓄電することで、エネルギの再利用を可能にするものである。回生発電で得られる電力量(回生量)は、車輪に働かせる回生制動力が大きいほど多くなる。このため、車両が加速しやすい下り坂で回生制動力を大きくすれば、回生量を増やすことができるとともに、車両の加速をより抑えることができる。
従来、上述したような下り坂における回生発電に関し、車両が降坂状態であることを判定したら、路面の勾配に応じて回生量を変更することが提案されている。例えば特許文献1には、ハイブリッド車両における車速,エンジン回転数,吸気負圧,スロットル開度などの各種検出値を用いて路面の勾配を算出し、算出した勾配から路面が下り傾斜していると判定した場合に、勾配の大きさに応じて回生量を増減させることが記載されている。つまり、特許文献1の技術は、車両の実際の挙動に基づいて車両が降坂状態であることを判定した場合に、回生量を変更するものである。
特開2000−102110号公報
しかしながら、上述したように車両が降坂状態であることを車両の実際の挙動に基づいて判定してから回生量を変更する場合、車両が下り坂を走行し始めた後に回生制動力が変更されるため、下り坂の途中で車両の加速度が運転者の操作によらず変化する可能性がある。例えば、車両がアクセルオフで走行している場合に下り坂の開始地点を過ぎてから回生量を増大させると、車両の加速度は、下り坂の開始地点を過ぎた直後に大きくなった後、下り坂の途中で回生量の増大により減少する。このため、乗員に違和感を与える虞がある。
本件の電動車両は、このような課題に鑑み案出されたものであり、下り坂で回生発電が実施される場合にドライブフィーリングを向上させることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示する電動車両は、回生発電を実施可能なモータと、所定条件が成立した場合に、回生率が目標値となるように前記モータに前記回生発電を実施させる制御手段と、走行予定経路に存在する下り坂を検出する検出手段と、前記検出手段で前記下り坂が検出された場合に、前記目標値として予め設定されている標準値よりも所定量以上大きい増大値を設定する設定手段と、前記下り坂の開始地点に到達したら前記目標値を前記増大値に変更する変更手段と、を備えている。
(2)前記電動車両は、運転者が前記目標値を前記標準値から変更値に変更操作する操作手段を備えることが好ましい。この場合、前記設定手段は、前記標準値よりも前記所定量だけ大きい基準増大値を設定し、前記変更値が前記基準増大値よりも大きい場合には前記変更値を前記増大値に設定し、前記変更操作がない場合又は前記変更値が前記基準増大値以下の場合には前記基準増大値を前記増大値に設定することが好ましい。
(3)前記電動車両が、前記下り坂の勾配を取得する取得手段を備えることが好ましい。この場合、前記所定量は、前記取得手段で取得された前記勾配が急であるほど大きいことが好ましい。
(4)前記目標値は、予め設定された段階の異なる複数の回生率から選択して設定されるように構成されていることが好ましい。
(5)前記検出手段が、前記走行予定経路上にある道路標識に基づいて前記下り坂を検出することが好ましい。
開示の電動車両によれば、下り坂で回生発電が実施される場合にドライブフィーリングを向上させることができる。
実施形態に係る電動車両の全体構成を例示するブロック図である。 増大値の設定手順を例示するフローチャートである。 目標値の変更手順を例示するフローチャートである。 電動車両の作用を説明するための模式図であり、比較的緩やかな勾配の下り坂において運転者による目標値の変更操作が無い場合を示している。 電動車両の作用を説明するための模式図であり、比較的急な勾配の下り坂において基準増大値が増大値に設定される場合を示している。 電動車両の作用を説明するための模式図であり、比較的急な勾配の下り坂において変更値が増大値に設定される場合を示している。
図面を参照して、実施形態としての電動車両について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
[1.全体構成]
図1に示すように、本実施形態に係る電動車両10は、車輪1を駆動するモータ2と、モータ2を制御するためのインバータ3と、インバータ3を介してモータ2に接続されたバッテリパック4と備えている。本実施形態では、電動車両10が電気自動車である場合を例示するが、電動車両10がハイブリッド車であってもよい。
モータ2は、電動機としての機能と発電機としての機能を兼ね備えた電動発電機(モータジェネレータ)である。モータ2は、電動機として機能する場合には、バッテリパック4の電力を消費して車輪1を駆動する。また、モータ2は、発電機として機能する場合には、車輪1の回転を利用して回生発電を行い、車輪1に回生制動力を働かせるとともにバッテリパック4を充電する。モータ2が回生発電を行う場合に車輪1に与えられる回生制動力の度合い(回生率)は、インバータ3の作動状態に応じたものとなる。
インバータ3は、直流電力と交流電力との変換を行う電気回路を持つ電力変換装置である。具体的には、インバータ3は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と呼ばれるトランジスタやサイリスタ等のスイッチング素子をオンオフさせることで直流電力と交流電力との変換を行う。インバータ3は、モータ2が電動機として機能する場合にバッテリパック4の直流電力を交流電力に変換してモータ2に供給し、モータ2が発電機として機能する場合にモータ2で発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリパック4に蓄電する。インバータ3の作動状態は、電動車両10に搭載されたECU5で制御される。
ECU5は、電動車両10に搭載される各種装置を統合制御する電子制御装置である。ECU5は、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車載ネットワーク網の通信ラインに接続される。ECU5には、電動車両10に搭載されたセンサ類11〜15,通信装置6及びナビゲーションシステム7のそれぞれが接続される。
車速センサ11は、電動車両10の車速を検出するものである。また、ブレーキセンサ12は、ブレーキペダルの踏込み量を検出するものである。さらに、アクセルセンサ13は、アクセルペダルの踏込み量を検出するものである。これらのセンサ11〜13は、検出した情報をECU5に伝達する。
パドルシフトセンサ14は、運転者が操作可能なパドルスイッチ(操作手段)8の操作状態を検出するものである。パドルスイッチ8は、運転者が回生率の目標値Tを変更操作するためのものであり、例えばステアリングホイールの近傍に設けられる。本実施形態では、回生率の目標値Tとして、段階が異なる六つの回生率が予め設定されている場合を例示する。これらの六段階の各回生率を、低い順に、B0,B1,B2,…,B5とする。なお、B0は、回生率がゼロである(回生制動力が働かない)ことに相当する。パドルスイッチ8は、これらのB0〜B5の中から目標値Tとして用いる一つを選択する。
本実施形態のパドルスイッチ8は、回生率を高める(回生制動力を増加方向に変更する)ための第一スイッチと、回生率を低める(回生制動力を減少方向に変更する)ための第二スイッチとで構成される。パドルスイッチ8によって選択される回生率は、これらの第一スイッチ或いは第二スイッチが一回操作されるごとに、一段階分だけ変更されるようになっている。例えば、現在選択されている回生率がB2である場合に第一スイッチが一回操作されると、B2に替わってB3が選択される。パドルシフトセンサ14は、これらの第一スイッチ及び第二スイッチの各操作状態に基づいて、現在選択されている回生率を検出し、検出した情報をECU5に伝達する。
カメラ15は、電動車両10の前方の画像を取得するものである。カメラ15は、例えば、CCDカメラやCMOSカメラであって、電動車両10の前端部に設けられる。カメラ15で取得される画像には、電動車両10が走行している道路に設けられた道路標識が含まれうる。本実施形態では、カメラ15で取得された画像がECU5で処理されることにより、カメラ15で取得された画像から「下り急勾配あり」の道路標識が検出される。
このようにカメラ15は、電動車両10がこれから走行する道路(走行予定経路)に存在する下り坂を、道路標識に基づいて検出する検出手段として機能する。なお、カメラ15で取得された画像の画質とECU5の画像処理能力が高ければ、「下り急勾配あり」の道路標識を検出した場合に、この標識に記載された勾配の数値を併せて検出することができる。すなわちカメラ15は、下り坂の勾配を取得する取得手段としても機能しうる。
通信装置6は、電動車両10以外の通信可能な対象と通信することで情報の送受信を行う電子制御装置である。通信装置6が通信を行う対象としては、例えば、GPS衛星,道路に配置された路側機,外部機関や施設,他車両等が挙げられる。通信装置6は、受信した情報をECU5に伝達するとともに、ECU5からの指令に応じた情報を各対象に送信する。
ナビゲーションシステム7は、詳細な地図データを内蔵しており、通信装置6によって受信されたGPS衛星からの信号と地図データとを使って、電動車両10の現在位置の検出(認識)や目的地までの走行予定経路の検出,案内を行うものである。ナビゲーションシステム7は、例えば、車室内に装備された表示装置に、電動車両10の現在位置や走行予定経路等を地図上に重ねた映像を表示させる。
本実施形態のナビゲーションシステム7に内蔵されている地図データには、下り坂の位置情報と勾配情報とが含まれている。ナビゲーションシステム7は、この地図データを用いて、電動車両10の走行予定経路に存在する下り坂を検出するとともに、検出した下り坂の勾配を取得する。すなわちナビゲーションシステム7は、下り坂を検出する検出手段と、下り坂の勾配を取得する取得手段との夫々として機能する。なお、下り坂の位置情報と勾配情報とは、通信装置6による路車間通信や車車間通信によっても取得可能であることから、通信装置6も検出手段および取得手段のそれぞれとして機能する。
[2.制御構成]
以下、ECU5によって実施される回生制御について詳述する。回生制御は、乗員に違和感を与えることなくモータ2で回生発電を行うための制御である。この回生制御によりモータ2で回生発電が実施される場合、回生率が目標値Tとなるようにインバータ3が制御される。本実施形態の目標値Tは、上述した六段階の回生率(B0〜B5)から選択されたうえで設定されるように構成されている。
本実施形態の目標値Tは、電動車両10が下り坂を走行中である場合を除いて、パドルスイッチ8で選択された回生率に対応した変更値Mとされる。一方、目標値Tは、電動車両10が下り坂を走行中である場合には、予め設定された標準値Sよりも大きい増大値Eとされる。つまり、変更値Mは、運転者によって選択されるマニュアル値であって種々の値を取りうるのに対し、増大値Eは、下り坂に特化して設けられた値であって標準値Sよりも大きい値に限定される。
増大値Eは、電動車両10が下り坂の開始地点に到達するよりも前に設定される。すなわち、増大値Eは、電動車両10が下り坂を走行し始める時点では予め用意されている。このため、回生制御では、電動車両10が下り坂の開始地点に到達した時点で、目標値Tとして増大値Eを用いることができる。これにより、電動車両10が下り坂で回生発電を実施する場合に、下り坂の開始地点から加速が抑えられる。また、このように回生率が下り坂の開始地点で高められることから、下り坂の途中で回生率が遅れて高められることで電動車両10が急に減速するような事態が防止される。よって、乗員に違和感を与えにくくなる。
ECU5は、上述した回生制御を実施するための機能要素として、設定部5A,変更部5B及び制御部5Cを有する。これらの各要素は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、これらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
設定部(設定手段)5Aは、電動車両10の走行予定経路に存在する下り坂が検出された場合に、上述した増大値Eを設定するものである。電動車両10の走行予定経路に存在する下り坂は、上述したように、カメラ15やナビゲーションシステム7や通信装置6で検出することができる。
増大値Eは、標準値Sよりも所定量X以上大きい値に設定される。すなわち増大値Eは、下記の不等式(1)を満たす。
E≧S+X ・・・(1)
標準値Sは、例えば、一般的なエンジンブレーキ相当の制動力が得られるような回生率の値とされる。本実施形態の標準値Sは、B2に対応する回生率の値に設定されている。
所定量Xは、B0〜B5の六段階のうちの少なくとも一段階分の目標値Tの変化量に設定される。例えば、所定量Xは、目標値TがB2からB3に変更された場合の回生率の変化量とされる。本実施形態の所定量Xは、電動車両10の走行予定経路に存在する下り坂の勾配が急であるほど大きく設定される。なお、下り坂の勾配は、上述したように、カメラ15やナビゲーションシステム7や通信装置6で取得することができる。
本実施形態の設定部5Aは、上述した増大値Eに加えて、標準値Sよりも所定量Xだけ大きい基準増大値Esを設定する。すなわち基準増大値Esは、下記の式(2)で表される。
Es=S+X ・・・(2)
設定部5Aは、この基準増大値Esと、パドルスイッチ8で選択された回生率に対応した変更値Mとを比較し、これらの基準増大値Esと変更値Mとが互いに異なる場合には、大きい方の値を増大値Eとして採用する。つまり、設定部5Aは、変更値Mが基準増大値Esよりも大きい場合には、変更値Mを増大値Eに設定し、変更値Mが基準増大値Esよりも小さい場合には、基準増大値Esを増大値Eに設定する。
なお、変更値Mが基準増大値Esよりも小さい場合の一例としては、パドルスイッチ8に対する変更操作がなく、目標値Tが標準値Sとされたままである場合(変更値Mが標準値Sと同一である場合)が挙げられる。また、設定部5Aは、変更値Mと基準増大値Esとが同一の値である場合には、基準増大値Esを増大値Eに設定する。
上述したように増大値Eは下り坂に特化して設けられた値であることから、本実施形態の設定部5Aは、電動車両10が下り坂を走行し終えたら増大値E及び基準増大値Esの設定を解除する。電動車両10が下り坂を走行し終えたか否かは、例えば、電動車両10の挙動に基づいて判断可能であるとともに、ナビゲーションシステム7で電動車両10の現在位置が下り坂の終了地点を通過したことを以っても判断可能である。
変更部5Bは、運転者がパドルスイッチ8を変更操作した場合や、電動車両10が下り坂を走行する場合に、目標値Tを変更するものである。具体的には、変更部5Bは、パドルスイッチ8に対する変更操作があった場合に目標値Tを変更値Mに変更するとともに、電動車両10が下り坂の開始地点に到達したら目標値Tを増大値Eに変更する。また、本実施形態の変更部5Bは、電動車両10が下り坂の終了地点に到達したら目標値Tを変更値Mに戻す。
パドルスイッチ8に対する変更操作の有無は、パドルシフトセンサ14から伝達される情報に基づいて検出される。また、下り坂の開始地点および終了地点は、例えば、ナビゲーションシステム7や通信装置6で取得した情報に基づいて判断可能である。なお、電動車両10が下り坂の開始地点に到達したか否かは、カメラ14で「下り急勾配あり」の道路標識が検出されてからの車速推移に基づいて推定されてもよい。具体的には、「下り急勾配あり」の道路標識から下り坂の開始地点までの距離が一定の距離であることに基づき、カメラ14で道路標識が検出されてからの車速推移に基づいて、下り坂の開始地点に対する電動車両10の現在位置を推定すればよい。
制御部(制御手段)5Aは、所定条件が成立した場合にインバータ3を制御することで、回生率が目標値Tとなるようにモータ2に回生発電を実施させるものである。本実施形態の所定条件は、下記の条件1〜3が全て成立することである。
(条件1) 電動車両10が走行中である。
(条件2) アクセルペダルが踏み込まれていない。
(条件3) パドルスイッチ8でB0以外が選択されている、又は、
パドルスイッチ8でB0が選択されていてブレーキペダルが踏み込まれている
条件1の成否は、例えば、車速センサ11で検出された情報から判定可能である。また、条件2の成否は、アクセルセンサ13で検出された情報から判定可能である。さらに、条件3の成否は、パドルシフトセンサ14及びブレーキセンサ12で検出された情報から判定可能である。なお、上述した所定条件は一例である。
[3.フローチャート]
図2及び図3は、上述した回生制御の手順を説明するためのフローチャートである。図2のフローは設定部5Aで実施され、図3のフローは変更部5Bで実施される。これらのフローは、電動車両10の電源が投入されている場合に、所定の演算周期で繰り返し実施される。
まず、図2を参照して増大値Eの設定手順について説明する。図2のフロー中のFは、増大値Eが設定されているか否かを示す変数である。F=1は増大値Eが設定されていることを示し、F=0は増大値Eが設定されていないことを示している。
ステップA1では、センサ類11〜15やナビゲーションシステム7や通信装置6から各種情報が取得される。次いで、増大値Eが設定されているか否かが判定され(ステップA2)、増大値Eが設定されていなければ、電動車両10の走行予定経路に存在する下り坂が検出されたか否かが判定される(ステップA3)。ここで下り坂が検出されていなければ、このフローをリターンする。一方、下り坂が検出されていれば、上述した式(2)を用いて基準増大値Esが設定されるとともに、フラグFが1に切り替えられる(ステップA4,A5)。
次に、基準増大値Esと変更値Mとが比較され(ステップA6)、変更値Mが基準増大値Esよりも大きい場合には、変更値Mが増大値Eに設定される(ステップA7)。一方、変更値Mが基準増大値Es以下である場合には、基準増大値Esが増大値Eに設定される(ステップA8)。そして、電動車両10が下り坂を通過したか否かが判定される(ステップA9)。電動車両10が下り坂を通過していない(すなわち、下り坂の手前にいる、あるいは下り坂を走行中である)場合には、このフローをリターンし、ステップA1において再び各種情報が取得される。
次の演算周期では、増大値Eが既に設定されているため、ステップA2からステップA3〜A5をスキップしてステップA6に進む。そして、再び基準増大値Esと変更値Mとの大小関係に応じて増大値Eが設定される(ステップA6〜A8)。例えば、前回の演算周期では基準増大値Es以下であった変更値Mが、今回の演算周期では運転者がパドルスイッチ8を操作したことにより基準増大値Eよりも大きい値に変更されていた場合には、ステップA7で増大値Eが変更値Mに変更される。
このように、下り坂が検出されてから電動車両10が下り坂を通過するまでは、増大値Eを設定する処理(ステップA6〜A8)が繰り返される。そして、電動車両10が下り坂を通過したら、増大値E及び基準増大値Esの設定が解除されるとともに、フラグFが0に切り替えられ(ステップA10,A11)、このフローをリターンする。
次に、図3を参照して目標値Tの変更手順について説明する。ステップB1では、センサ類11〜15や通信装置6やナビゲーションシステム7から各種情報が取得される。次いで、電動車両10が下り坂を走行中であるか否かが判定され(ステップB2)、電動車両10が下り坂を走行していなければ、目標値Tとして変更値Mが採用され(ステップB4)、このフローをリターンする。一方、ステップB2で電動車両10が下り坂を走行中であれば、目標値Tとして増大値Eが採用され(ステップB3)、このフローをリターンする。すなわち、電動車両10が下り坂を走行し始めると、ステップB3において目標値Tが増大値Eに変更される。
[4.作用]
図4〜図6は、電動車両10が下り坂を走行する場合の目標値T,増大値E,基準増大値Es及び変更値Mの推移を例示した図である。図4〜図6に示す各例では、「下り急勾配あり」の道路標識30に基づいて、電動車両10の走行予定経路に存在する下り坂が検出されるものとする。また、図4〜図6の夫々に示す地点P1では、パドルスイッチ8でB2が選択されているとともに、回生率の目標値TがB2に対応する値(標準値S)とされているものとする。
図4は、運転者によるパドルスイッチ8の操作が無いまま、電動車両10が比較的緩やかな勾配の下り坂20を走行する場合を示している。地点P1では、道路標識30に基づき下り坂20が検出され、設定部5Aにおいて基準増大値Es及び増大値Eが設定される。図4に示す例では、下り坂20の勾配が比較的緩やかであることから、所定量XがB2からB3への一段階分の目標値Tの変化量に対応する大きさとされている。このため、地点P1で設定される基準増大値Esは、B3に対応する値である。
一方、変更値Mは、標準値S(B2)のまま変化しないため、基準増大値Esと変更値Mとでは、基準増大値Esの方が常に大きくなる。したがって、図4に示す例では、基準増大値Esが増大値E(すなわち、B3に対応する値)に設定される。そして、下り坂20の開始地点P3において、変更部5Bにより目標値Tが増大値Eに変更される。具体的には、目標値Tは、B2からB3となるように変更される。また、下り坂20の終了地点P4では、変更部5Bにより目標値Tが変更値Mに戻されるとともに、設定部5Aにおいて基準増大値Es及び増大値Eの設定が解除される。
図5及び図6は何れも、電動車両10が比較的急な勾配の下り坂40を走行する場合を示したものである。図5及び図6に示す各例では、下り坂40の勾配が比較的急であることから、所定量XがB2からB4への二段階分の目標値Tの変化量に対応する大きさとされている。なお、図5に示す例と図6に示す例とでは、地点P2における変更値Mの変更量が異なっている。
まず、図5に示す例について説明する。地点P1では、道路標識30に基づき下り坂20が検出され、設定部5Aにおいて基準増大値Es及び増大値Eが設定される。上述したように所定量XはB2からB4への二段階分の目標値Tの変化量に対応する大きさであることから、地点P1で設定される基準増大値Esは、B4に対応する値である。
一方、変更値Mは、地点P2までは標準値S(B2)とされており、地点P2において運転者がパドルスイッチ8を操作することによりB3に対応する値に変更され、その後は変化しない。このため、基準増大値Esと変更値Mとでは、基準増大値Esの方が常に大きくなる。したがって、図5に示す例では、地点P2において変更値Mが増大変更されても、基準増大値Esが増大値E(すなわち、B4に対応する値)に設定された状態が保たれる。
目標値Tは、変更値Mの変更に伴い、地点P2でB2からB3となるように変更される。そして、目標値Tは、下り坂40の開始地点P3において変更部5Bにより増大値Eに変更される。具体的には、目標値Tは、下り坂40の開始地点P3でB3からB4となるように変更される。また、下り坂40の終了地点P4では、変更部5Bにより目標値Tが変更値M(すなわち、B3に対応する値)に戻されるとともに、設定部5Aにおいて基準増大値Es及び増大値Eの設定が解除される。
次に、図6に示す例について説明する。図5の例と同様に、地点P1では、道路標識30に基づき下り坂40が検出され、設定部5Aにおいて基準増大値Es及び増大値Eが設定される。図6に示す例でも、所定量XはB2からB4への二段階分の目標値Tの変化量に対応する大きさであることから、地点P1で設定される基準増大値Esは、B4に対応する値である。
一方、変更値Mは、地点P2までは標準値S(B2)とされており、地点P2において運転者がパドルスイッチ8を操作することによりB5に対応する値に変更され、その後は変化しない。このため、基準増大値Esと変更値Mとでは、地点P1から地点P2までは基準増大値Esの方が大きくなり、地点P3から先は変更値Mの方が大きくなる。したがって、図6に示す例では、地点P2において変更値Mが増大変更されるまでは、基準増大値Esが増大値E(すなわち、B4に対応する値)に設定され、その後は変更値Mが増大値E(すなわち、B5に対応する値)に設定される。すなわち、地点P2では、増大値Eが更新(変更)される。
また、目標値Tは、変更値Mの変更に伴い、地点P2でB2からB5となるように変更される。そして、目標値Tは、下り坂40の開始地点P3で変更部5Bにより増大値Eに変更されるが、上述したように地点P2以降は変更値Mが増大値Eに設定されているため、下り坂40の開始地点P3の前後で目標値Tに変化は生じない。また、下り坂40の終了地点P4では、目標値Tが変更部5Bにより変更値Mに戻されるが、上述したように変更値Mが増大値Eに設定されていることにより、下り坂40の終了地点P4の前後でも目標値Tに変化は生じない。なお、下り坂40の終了地点P4では、設定部5Aにおいて基準増大値Es及び増大値Eの設定が解除される。
上述した図4〜図6には、地点P1で変更値Mが標準値S(すなわち、B2に対応する値)である場合を例示したが、地点P1よりも手前でパドルスイッチ8によりB2以外が選択されている場合も同様に、地点P1では変更値Mと基準増大値Esとのうちの大きい方が増大値Eに設定される。具体的には、地点P1において、変更値Mが基準増大値Esよりも大きい場合には変更値Mが増大値Eに設定され、変更値Mが基準増大値Es以下である場合には基準増大値Esが増大値Eに設定される。
[5.効果]
(1)上述した電動車両10によれば、走行予定経路に存在する下り坂が検出された場合に、標準値Sよりも所定量X以上大きい増大値Eが設定され、電動車両10が下り坂の開始地点に到達したら目標値Tが増大値Eに変更される。このように、電動車両10が下り坂を走行し始めるよりも前に増大値Eを設定しておき、下り坂の開始地点からこの増大値Eを目標値Tに用いることで、下り坂の開始地点から高い回生率で回生発電を実施することができる。
これにより、下り坂で回生発電が実施される場合に、下り坂の開始地点から電動車両10の加速を抑えることができる。したがって、乗員に不快な加速感を与えにくくすることができる。また、回生発電量を増加させることができるとともに、ブレーキペダルの操作頻度を減らすことができるため、ブレーキパッドの消耗を抑えることができる。
また、従来のように車両の実際の挙動に基づいて降坂時であることを判定した後に回生率を高める場合は、車両が下り坂の開始地点を過ぎてから回生率が遅れて高められるため、車両が下り坂の途中で車両が急に減速する虞がある。これに対し、上述した電動車両10によれば、上述したように下り坂の開始地点から目標値Tを遅れることなく増大させることができるため、下り坂の途中で乗員に不快な減速感を与えにくくすることができる。したがって、上述した電動車両10によれば、下り坂で回生発電が実施される場合にドライブフィーリングを向上させることができる。
(2)電動車両10によれば、パドルスイッチ8に対する変更操作に応じた変更値Mが基準増大値Esよりも大きい場合には、変更値Mが増大値Eに設定されるため、例えば下り坂の手前で運転者が自ら回生率を高めようとした場合に、運転者に違和感を与えにくくすることができる。また、パドルスイッチ8に対する変更操作がない場合又は変更値Mが基準増大値Es以下の場合には、基準増大値Esが増大値Eに設定されるため、たとえ運転者が回生率を高めようとしなくても、電動車両10が下り坂の開始地点に到達したら目標値Tを高めることができる。したがって、運転者に違和感を与えにくくしながら、下り坂における電動車両10の加速を抑えることができる。よって、ドライブフィーリングをより向上させることができる。
(3)下り坂では、その勾配が急であるほど電動車両10が加速しやすくなる。このため、下り坂の勾配が急であるほど所定量Xを大きくすることで、下り坂で電動車両10が加速しやすいほど増大値Eの最小値を大きくすることができる。これにより、下り坂で回生発電が実施される場合に、電動車両10の加速をより適切に抑えることができるとともに、回生発電量を確保することができる。よって、ドライブフィーリングをより向上させることができるとともに、電動車両10の電費向上に寄与することができる。
(4)目標値Tが、予め設定された段階の異なる複数の回生率から選択して設定されるため、目標値Tをリニアに変更可能とする場合と比べて、制御構成を簡素化することができる。
(5)通信装置6やナビゲーションシステム7の作動状態は電波状態に左右されることから、これらの通信装置6やナビゲーションシステム7で下り坂を検出する場合、増大値Eを設定するタイミングや目標値Tを変更するタイミングが電波状態に応じてばらつき、乗員に違和感を与える虞がある。これに対し、道路標識の位置は電波状態によらず変わらないため、電動車両10の走行予定経路上にある道路標識に基づいて下り坂を検出することで、増大値Eをより適切なタイミングでより確実に設定することができる。したがって、上述した回生制御をより安定して実施することができる。
[6.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述した実施形態では、電動車両10が下り坂の開始地点に到達したら目標値Tが増大値Eに変更される場合について説明したが、例えば、制御上の遅れを考慮し、下り坂の開始地点よりも手前で目標値Tが増大値Eに変更されるようにしてもよい。すなわち、変更部5Bが目標値Tを増大値Eに変更するのに要する時間の分だけ、電動車両10が下り坂の開始地点に到達するよりも前の時点で、目標値Tを増大値Eに変更し始めるようにしてもよい。この場合、より確実に下り坂の開始地点から電動車両10の加速を抑えることができる。
上述した標準値Sや所定量Xは何れも一例である。上述した実施形態では、所定量Xが勾配に応じて設定される可変値である場合を例示したが、所定量Xが一定値であってもよい。この場合、下り坂の勾配の取得する取得手段を電動車両10から省略してもよい。
また、上述した実施形態では、下り坂を検出する検出手段として、カメラ15と通信装置6とナビゲーションシステム7との三つが電動車両10に搭載される場合を例示したが、検出手段はこれらに限定されない。また、電動車両10は、少なくとも一つの検出手段を備えていればよい。ただし、上述したように三つの検出手段が電動車両10に搭載される場合には、走行予定経路に存在する下り坂をより確実に検出することが可能である。
また、検出手段で検出する下り坂を、勾配が比較的急で全長が比較的長いものに限定してもよい。つまり、電動車両10が加速しやすい下り坂を走行する場合に限定して、上述した増大値Eを設定するようにしてもよい。
上述したパドルスイッチ8で選択される回生率(B0〜B5)は一例である。また、目標値Tは、上述したような六段階の中から選択して設定されるものに限られず、例えばリニアに変更可能となるように構成されてもよい。さらに、電動車両10が運転者によって目標値Tを変更されないものであってもよい。つまり、電動車両10が上述したパドルスイッチ8及びパドルシフトセンサ14を備えなくてもよい。この場合、上述した変更値Mが用いられる処理を省略できることから、制御構成を簡素化することができる。
2 モータ
5A 設定部(設定手段)
5B 変更部(変更手段)
5C 制御部(制御手段)
6 通信装置(検出手段,取得手段)
7 ナビゲーションシステム(検出手段,取得手段)
8 パドルスイッチ(操作手段)
10 電動車両
15 カメラ(検出手段,取得手段)
E 増大値
Es 基準増大値
S 標準値
T 目標値
X 所定量

Claims (5)

  1. 回生発電を実施可能なモータと、
    所定条件が成立した場合に、回生率が目標値となるように前記モータに前記回生発電を実施させる制御手段と、
    走行予定経路に存在する下り坂を検出する検出手段と、
    前記検出手段で前記下り坂が検出された場合に、前記目標値として予め設定されている標準値よりも所定量以上大きい増大値を設定する設定手段と、
    前記下り坂の開始地点に到達したら前記目標値を前記増大値に変更する変更手段と、を備えた
    ことを特徴とする、電動車両。
  2. 運転者が前記目標値を前記標準値から変更値に変更操作する操作手段を備え、
    前記設定手段は、前記標準値よりも前記所定量だけ大きい基準増大値を設定し、前記変更値が前記基準増大値よりも大きい場合には前記変更値を前記増大値に設定し、前記変更操作がない場合又は前記変更値が前記基準増大値以下の場合には前記基準増大値を前記増大値に設定する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電動車両。
  3. 前記下り坂の勾配を取得する取得手段を備え、
    前記所定量は、前記取得手段で取得された前記勾配が急であるほど大きい
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の電動車両。
  4. 前記目標値は、予め設定された段階の異なる複数の回生率から選択して設定されるように構成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の電動車両。
  5. 前記検出手段が、前記走行予定経路上にある道路標識に基づいて前記下り坂を検出する
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の電動車両。
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