JP2019003926A - 蓄電デバイススラリー及びその利用 - Google Patents

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Keisuke Nakamura
佳介 中村
貴之 青木
Takayuki Aoki
貴之 青木
浩史 小田
Hiroshi Oda
浩史 小田
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Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
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Abstract

【課題】塗膜の均一性、被膜の乾燥性が良好な蓄電デバイス正極用水系スラリーと、蓄電デバイス正極用水系スラリーの製造方法と、保液性に優れた蓄電デバイス用正極とを提供する。【解決手段】正極活物質(A)と、無水ケイ酸(B)及び/又は下記式(1)で示されるアルカリ金属ケイ酸塩(C)と、水溶性増粘成分(D)と、水とを含む蓄電デバイス正極用水系スラリーであって、前記水溶性増粘成分(D)が特定の粘度を示し、前記正極活物質(A)に対して、前記無水ケイ酸(B)及び前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)の合計、前記水溶性増粘成分(D)が特定の重量割合であり、pHが8.0〜12.5である。M12O・nSiO2(1)(式(1)中、M1は、リチウム、ナトリウム又はカリウムを示し、nは正数である。)【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイススラリー及びその利用に関する。
近年、電子機器において、充電により繰り返し使用が可能である、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池等の二次電池や電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスが用いられている。二次電池は、携帯用電子機器やハイブリッド自動車などに用いるための電池として、急速に開発が進められている。キャパシタは、電池と異なる原理で電気エネルギーを蓄積するデバイスとして、開発が進められている。たとえば、リチウムイオン二次電池は、主に正極、負極、セパレータ、非水電解質溶液から構成されており、電池特性の向上の為に様々な検討がなされている。
たとえば、正極は、正極活物質、溶媒を含有する正極用スラリーを集電体に塗布、乾燥して製造される。負極は、負極活物質、溶媒を含有する負極用スラリーを集電体に塗布、乾燥して製造される。セパレータは、正極と負極を隔絶し電池の安全性を向上させることができる材料であり、有機粒子や無機粒子を含有するセパレータ用スラリーを塗布、乾燥して表面コートすることで機能がより高められている。
上記の各種塗布液がその機能性を十分発揮できるためには、均一分散性、分散安定性、塗膜形成性に優れたスラリーを作製することが必須であり、スラリー分散、乾燥が容易である有機溶媒が、分散溶媒として長く用いられてきた。
しかし、有機溶剤は、概して環境負荷及び毒性が高く、安全性、作業性において考慮すべき課題が多い。事実、近年の産業分野では、環境負荷低減や作業者の健康保護を目的に、スラリー分散溶媒を有機溶媒から水に置換する動きが活発であり、特許文献1にあるようにスラリーの分散溶媒も水へと切替が進んでいる。
例として、正極用水系スラリー塗布時においては、正極活物質、導電助剤、高分子粒子成分、スラリー分散剤を適当に水に分散溶解させスラリーとし、アルミニウムなどの金属箔(集電体)に塗布する。この時、スラリーの塗膜均一性が乏しいと、高分子粒子成分が過度に凝集し、ひび割れが発生した不均一な塗膜となってしまう問題があった。
そこで特許文献2においては、ひび割れを抑制し均一な塗膜を得るために、増粘剤を用いず所定比の酸性モノマーと水酸基含有モノマーとの共重合物を使用する方法等が開示されている。ただし、この方法は、スラリーにおける塗膜の均一性を大幅に良化するものではなく、さらなる性能の向上が求められている。
特開2014−95081号公報 特開2015−195114号公報
本発明の目的は、塗膜の均一性、被膜の乾燥性が良好な蓄電デバイス正極用水系スラリーと、塗膜の均一性、被膜の乾燥性が良好な蓄電デバイス正極用水系スラリーの製造方法と、保液性に優れた蓄電デバイス用正極とを提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、正極活物質と、無水ケイ酸及び/又は特定のアルカリ金属ケイ酸塩と、水溶性増粘成分と、水とを特定の重量割合で含む蓄電デバイス正極用水系スラリーであれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、正極活物質(A)と、無水ケイ酸(B)及び/又は下記化学式(1)で示されるアルカリ金属ケイ酸塩(C)と、水溶性増粘成分(D)と、水とを含む蓄電デバイス正極用水系スラリーであって、前記水溶性増粘成分(D)の、25℃での1重量%水分散液の粘度が100mPa・s以上25000mPa・s未満であり、前記正極活物質(A)100重量部に対して、前記無水ケイ酸(B)及び前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)の合計の重量割合が0.005〜0.0999重量部、前記水溶性増粘成分(D)の重量割合が0.1〜10重量部であり、pHが8.0〜12.5である、蓄電デバイス正極用水系スラリーである。
O・nSiO (1)
(式(1)中、Mは、リチウム、ナトリウム又はカリウムを示し、nは正数である。)
pHが10.0〜11.5であると好ましい。
前記正極活物質(A)が下記一般式(2)で示される化合物を含むと好ましい。
LiNiCoMn (2)
(式(2)中、a、b、c及びdは、それぞれ、0.3≦a<1、0≦b<0.4、0≦c<0.4、0≦d<0.3、a+b+c+d=1を満たし、MはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K及びAlから選ばれる少なくとも1つの元素を示す。)
前記水溶性増粘成分(D)が水溶性(メタ)アクリル樹脂及び/又はセルロース系水溶性高分子であると好ましい。
高分子粒子成分(E)をさらに含有し、前記正極活物質(A)100重量部に対して、前記高分子粒子成分(E)の重量割合が、0.1〜10重量部であると好ましい。
界面活性剤成分(G)をさらに含み、前記成分(D)及び前記成分(E)の合計100重量部に対して、前記界面活性剤(G)の重量割合が0.1〜300重量部であると好ましい。
少なくとも2つの剤の組合せから構成される蓄電デバイス正極用水系スラリーであって、前記組合せが、前記正極活物質(A)を必須に含有するスラリーA剤と、前記無水ケイ酸(B)及び/又は前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)を必須に含有するスラリーB剤を必須する組合せであると好ましい。
本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーの製造方法は、粉末状の正極活物質(A)と粉末状の導電助剤を混合し、混合粉末を得る工程(I)と、無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)、水溶性増粘成分(D)及び水とを混合し、蓄電デバイススラリー用分散剤組成物を得る工程(II)と、前記混合粉末と前記蓄電デバイススラリー用分散剤組成物を混合して蓄電デバイス正極用水系スラリーを得る工程(III)を含む。
本発明の蓄電デバイス用正極は、集電体上に正極被膜を有する蓄電デバイス用正極であって、前記被膜が、前記蓄電デバイス正極用水系スラリーの不揮発分により形成されてなる。
本発明の蓄電デバイス用正極は、無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)を必須に含有するスラリーB剤の不揮発分からなる膜を第1層とし、前記正極活物質(A)を必須に含有するスラリーA剤の不揮発分からなる膜を第2層として、前記集電体から順に第1層、第2層とからなる膜を含む。
本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーは、塗膜の均一性、被膜の乾燥性が良好であり、本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーの製造方法で製造した蓄電デバイス正極用水系スラリーは、塗膜の均一性、被膜の乾燥性が良好であり、本発明の蓄電デバイス用正極は保液性に優れる。
本発明の第1層、第2層とからなる膜を含む、蓄電デバイス用正極の概略図である。
まず、本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーに含有される各成分を説明する。尚、本発明における蓄電デバイス正極用水系スラリーは、二次電池正極用水系スラリー及びキャパシタ電極用水系スラリーを含む。
〔正極活物質(A)〕
正極活物質(A)は、本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーにおいて、前記スラリー乾燥後被膜の主材の役割を果たす。前記正極活物質(A)が下記一般式(2)で示される化合物を含むと、塗膜密度及びコストの両面から好ましい。
LiNiCoMn (2)
(式(2)中、a、b、c及びdは、それぞれ、0.3≦a<1、0≦b<0.4、0≦c<0.4、0≦d<0.3、a+b+c+d=1を満たし、MはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K及びAlから選ばれる少なくとも1つの元素を示す。)
aは、0.3≦a<1が好ましく、0.4≦a<1がより好ましく、0.5≦a<0.99がさらに好ましい。0.3未満では塗膜密度が低下することがあり、0.99以上では該正極活物質を含む電池の安全性が低下することがある。
bは、0≦b<0.4が好ましく、0≦b<0.35がより好ましく、0≦b<0.3がさらに好ましい。0.4を超えるとコストが上がり過ぎることがある。
cは、0≦c<0.4が好ましく、0≦c<0.35がより好ましく、0.1≦c<0.31がさらに好ましい。0.4を超えると該正極活物質を含む電池の抵抗が上がりすぎることがある。
dは、0≦d<0.3が好ましく、0≦d<0.25がより好ましく、0≦d<0.2がさらに好ましい。0.3を超えると該正極活物質を含む電池の安全性が低下することがある。
a+b+c+d=1である。
式(2)中、Mは、Li、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K及びAlから選ばれる少なくとも1つの元素を示し、中でも電池性能の観点から、Li、S、Si、Fe及びAlが好ましく、Li及びAlがより好ましい。
前記正極活物質(A)としては、特に限定はないが、たとえば、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸コバルトリチウム(LiCoPO)、ピロリン酸鉄(LiFeP)、コバルト酸リチウム複合酸化物(LiCoO)、スピネル型マンガン酸リチウムコバルト酸リチウム複合酸化物(LiMn)、マンガン酸リチウム複合酸化物(LiMnO)、ニッケル酸リチウム複合酸化物(LiNiO)、ニオブ酸リチウム複合酸化物(LiNbO)、鉄酸リチウム複合酸化物(LiFeO)、マグネシウム酸リチウム複合酸化物(LiMgO)、カルシウム酸リチウム複合酸化物(LiCaO)、銅酸リチウム複合酸化物(LiCuO)、亜鉛酸リチウム複合酸化物(LiZnO)、モリブテン酸リチウム複合酸化物(LiMoO)、タンタル酸リチウム複合酸化物(LiTaO)、タングステン酸リチウム複合酸化物(LiWO)、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)、リチウム−ニッケル−コバルト−マンガン複合酸化物(LiNi0.33Co0.33Mn0.33、LiNi0.8Co0.1Mn0.1)、酸化マンガンニッケル(LiNi0.5Mn1.5)、酸化マンガン(MnO)、リチウム過剰系ニッケル−コバルト−マンガン複合酸化物、水酸化ニッケル(Ni(OH))、バナジウム系酸化物、硫黄系酸化物、シリケート系酸化物、活性炭、カーボンウィスカ、カーボンナノチューブ及びグラファイト等が挙げられ、1種または2種以上でもよい。
前記正極活物質(A)は、塗膜平滑性の観点から、粒子径が揃った粉末状であることが好ましい。粉末の平均粒子径としては、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが特に好ましく、15μm以下であることが最も好ましい。100μm超であると塗膜平滑性が不足するおそれがある。
なお、前記正極活物質(A)の平均粒子径の下限値は0.1μmである。
〔無水ケイ酸(B)〕
無水ケイ酸(B)は、本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーにおいて、塗膜均一性を向上する役割を果たす。
前記無水ケイ酸(B)としては、一般式「SiO」で表され、結晶質と非晶質に分類されるが、塗膜形成の観点から、非晶質の無水ケイ酸が好ましい。非晶質の無水ケイ酸として、天然物由来である、珪藻土及び酸性白土や、乾式法で製造した乾燥シリカ(ヒュームドシリカ)、沈降法で製造した沈降シリカ、ゲル法で製造したシリカゲル、ゾルゲル法で製造したコロイダルシリカなどが挙げられる。
前記無水ケイ酸(B)は、乾燥粉末状又は溶媒に分散した状態のどちらでも好ましい。
粒子状であることがより好ましく、例えば、平均粒子径が500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることが特に好ましく、100μm以下であることが最も好ましい。また、前記無水ケイ酸(B)と後述する水溶性増粘成分(D)の配合比率にもよるが、前記平均粒子径が100μm以下であると最も好ましい傾向がある。このような微粉末状の無水ケイ酸を用いることで、塗膜均一性の向上効果が高まる。
なお、前記無水ケイ酸(B)の平均粒子径の下限は0.01μmである。
〔アルカリ金属ケイ酸塩(C)〕
アルカリ金属ケイ酸塩(C)は、本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーにおいて、塗膜均一性を向上する役割を果たす。
前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)は、上記式(1)であると、水への溶解性又は分散性の観点から好ましい。
O・nSiO (1)
は、リチウム、ナトリウム又はカリウムを示す。
nとしては、0.5〜8が好ましく、0.75〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)としては、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウムが挙げられる。
〔水溶性増粘成分(D)〕
水溶性増粘成分(D)は、本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーにおいて、スラリー粘度向上及び分散性向上の役割を果たす。また、前記無水ケイ酸(B)及び/又は前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)と組み合わせることで、塗膜均一性向上の相乗効果が期待できる。
前記水溶性増粘成分(D)としては、例えばでんぷん類、マンナン、アルギン酸類、天然ガム類、セルロール系水溶性高分子、蛋白類、水溶性(メタ)アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ブタジエン樹脂、水溶性フェノール樹脂及びこれらの誘導体が挙げられ、その中でも、水溶性(メタ)アクリル樹脂及び/又はセルロース系水溶性高分子が好ましい。
セルロール系水溶性高分子として、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等が挙げられ、これらの中でもカルボキシメチルセルロース又はそのアルカリ塩が好ましい。
前記水溶性増粘成分(D)としてカルボキシメチルセルロース又はそのアルカリ塩を用いる場合、用いるカルボキシメチルセルロースのエーテル化度は、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.7以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下である。エーテル化度が0.4以上のカルボキシメチルセルロースを用いることで、水への溶解度が上がり、スラリー分散性及び安定性が向上する。
なお、前記カルボキシメチルセルロースのエーテル化度とは、カルボキシメチルセルロースを構成する無水グルコース1単位当たり、カルボキシルメチル基などの置換基より置換された水酸基の数の平均値をいい、0超3未満の値を取り得る。エーテル化度が大きくなればなるほどカルボキシメチルセルロース1分子中の水酸基の割合が減少し(即ち、置換基の割合が増加し)、エーテル化度が小さいほどカルボキシメチルセルロース1分子中の水酸基の割合が増加する(即ち、置換体の割合が減少する)ということを示している。このエーテル化度(置換度)は、特開2011−34962号公報に記載の方法により求めることができる。
水溶性(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルの共重合物が挙げられる。その場合、重合性単量体全体に対する(メタ)アクリル酸エステルの重量割合(%)は、後述の高分子粒子成分(E)との親和性の観点から、10%以上90%以下が好ましく、20%以上80%以下がさらに好ましく、30%以上80%以下が最も好ましい。当該重合性単量体全体とは、重合物を構成する単量体単位全体を意味するものとする。以後、本願中の重合性単量体全体の記載も同様とする。
前記(メタ)アクリル酸エステルの単量体単位としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸ヘプタデシル、メタクリル酸ヘプタデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸ノナデシル、メタクリル酸ノナデシル、アクリル酸イコシル、メタクリル酸イコシル等が挙げられ、上記単量体単位のアルキル鎖は任意に分岐をもっていてもよい。
また、上記単量体単位のアルキル鎖の任意の1箇所のHがOHに置換されていてもよく、アクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒロドキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。
単量体単位は、1種または2種以上併用してもよい。
分散性の観点から、成分(D)が含有する単量体単位としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチルが好ましい。
前記水溶性(メタ)アクリル樹脂は、無機粒子の分散性の観点から、任意のアルカリ成分で中和されていることが好ましい。中和に用いる中和剤(F)は、特に限定はないが、中和剤(F)単体で水溶性を示す方が、無機粒子の分散性に優れるので好ましい。前記中和剤(F)の水への溶解度に関しては、特に限定はないが、たとえば、好ましくは2.0g/100ml以上、より好ましくは4.0g/100ml以上、さらに好ましくは6.0g/100ml以上、特に好ましくは8.0g/100ml以上、最も好ましくは10.0g/100ml以上である。中和剤(F)として、たとえば、水酸化ナトリウムが挙げられる。
前記水溶性(メタ)アクリル樹脂と水酸化ナトリウムとの中和度(mol%対(メタ)アクリル酸単量体)に関して特に限定はないが、たとえば、好ましくは50〜150%、より好ましくは60〜140%、さらに好ましくは70〜130%、特に好ましくは70〜120%、最も好ましくは80〜120%である。前記中和度が50%未満であると、蓄電デバイス正極用水系スラリーの分散性が十分ではないことがある。尚、水酸化ナトリウム以外の中和剤を用いても、中和度、水への溶解度及び後述する25℃での1%水溶液粘度の好ましい範囲は変わらない。
前記水溶性増粘成分(D)の1質量%水溶液の粘度は、25℃での1重量%水溶液の粘度が100mPa・s以上25000mPa・s未満であり、200mPa・s以上20000mPa・s以下が好ましく、300mPa・s以上15000mPa・s以下がより好ましく、400mPa・s以上10000mPa・s以下がさらに好ましく、400mPa・s以上7500mPa・s以下が特に好ましく、400mPa・s以上5000mPa・s以下が最も好ましい。100mPa・s未満では、スラリー粘度が不足し、25000mPa・s以上ではスラリー作製の作業性が低下する。これら水溶性増粘成分(D)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
〔高分子粒子成分(E)〕
高分子粒子成分(E)は、無機粒子、特に導電助剤成分の分散助剤、蓄電デバイス正極用水系スラリーの塗布性向上剤として機能する。また、蓄電デバイス正極用水系スラリーを基材に塗布して水を乾燥した後の無機粒子同士との結着剤としても機能する。また、前記成分(D)と併用することにより無機粒子の分散性が相乗的に向上する。
前記成分(E)を構成する単量体単位は、前記成分(D)に記載した(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルの他に、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチルアクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルアクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル、ジグリシジルエーテル、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アルキレンオキサイド、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、酢酸ビニル、及びビニルアルコール等が挙げられ、1種または2種以上併用してもよい。
前記成分(D)と併用時の相乗効果の観点から、前記成分(E)が含有する単量体単位としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン等が好ましい。
前記成分(E)の水への溶解性に関しては、特に限定はないが、非水溶性を示す方が塗布性に優れるので好ましい。
前記成分(E)の25℃における水への溶解度に関しては、特に限定はないが、たとえば、好ましくは10g/1000ml以下、より好ましくは5g/1000ml以下、さらに好ましくは1g/1000ml以下、特に好ましくは0.5g/1000ml以下、最も好ましくは0.1g/1000ml以下である。前記成分(E)の水への溶解度が10g/1000ml超であると、蓄電デバイス正極用水系スラリーの結着性が十分ではないことがある。前記(E)の水への溶解度の好ましい下限値は0g/1000mlである。
前記成分(E)の25℃における20%水分散物の粘度は、分散安定性および塗布性の観点から、0.1〜1000mPa・sであると好ましく、1〜500mPa・sであるとより好ましく、2〜400mPa・sであるとさらに好ましく、3〜300mPa・sが特に好ましく、4〜200mPa・sが最も好ましい。0.1mPa・s未満では分散安定性が悪化する可能性がある。1000mPa・s超では塗布性が悪化する可能性がある。
前記成分(E)の熱重量測定(TGA、パージガスとして乾燥空気を導入、および40℃から昇温10℃/minで加熱)による300℃の重量減少としては、特に限定はないが、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下、最も好ましくは3重量%以下である。高分子粒子の熱重量測定による300℃の重量減少が20重量%超であると、結着性が十分でないことがある。
前記成分(E)のゼータ電位が特定の範囲にあると分散性に優れるので好ましい。
測定温度25℃における5重量%濃度水分散液のゼータ電位が、好ましくは0〜−100mV、より好ましくは−10〜−90mV、さらに好ましくは−20〜−80mV、特に好ましくは−30〜−70mV、最も好ましくは−35〜−65mVである。前記成分(E)の5重量%濃度水分散液のゼータ電位が−100mV未満であると、ハンドリング性に優れないことがある。一方、前記成分(E)の5重量%濃度水分散液のゼータ電位が0mV超であると、蓄電デバイス正極用水系スラリーの分散性が十分ではないことがある。
前記成分(E)は、高分子粒子が水に分散した高分子粒子エマルションの状態であってもよい。高分子粒子エマルションの場合の高分子粒子の濃度としては、特に限定はないが、たとえば、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜60重量%、特に好ましくは15〜50重量%、最も好ましくは20〜50重量%である。高分子粒子エマルションの場合の高分子粒子の濃度が1重量%未満であると分散性に優れないことがある。一方、高分子粒子の濃度が80重量%超であるとハンドリング性に優れないことがある。
前記成分(E)の平均粒子径については、特に限定されないが、好ましくは0.001〜100μm、より好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.05〜1μm、特に好ましくは0.1〜0.8μmである。前記成分(E)の平均粒子径が0.001μm未満の場合、製造が困難となり好ましくない場合がある。一方、前記成分(E)の平均粒子径が100μm超の場合、分散安定性が悪くなり好ましくない場合がある。
前記成分(E)のガラス転移点Tg(E)℃としては、−70〜50℃が好ましく、−60〜45℃がより好ましく、−55〜40℃がさらに好ましく、−50〜35℃が特に好ましい。−70℃未満では、分散性が不足する可能性があり、50℃超では被膜形成性が不足する可能性がある。
前記成分(E)を100重量部としたときに、分散性の観点から、前記成分(D)が5〜800重量部が好ましく、10〜700重量部がより好ましく、15〜600重量部がさらに好ましく、20〜600重量部が最も好ましい。5重量部未満では、前記成分(D)と前記成分(E)の相乗効果が不足することがあり、800重量部超では、分散安定性が不足することがある。
〔界面活性剤成分(G)〕
本願発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーは、界面活性剤成分(G)を含んでもよい。前記界面活性剤成分(G)がスラリーに含有された場合には、スラリーの分散安定性および塗布性を向上させる役割を果たす。
前記界面活性剤成分(G)としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
前記陰イオン性界面活性剤としては、たとえば、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩;ステアロイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、パルミトイルメチルタウリンNa等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムモノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩;ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ無水マレイン酸、マレイン酸とイソブチレンとの共重合物、無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合物、マレイン酸とジイソブチレンとの共重合物、無水マレイン酸とジイソブチレンとの共重合物、アクリル酸とイタコン酸との共重合物、メタアクリル酸とイタコン酸との共重合物、マレイン酸とスチレンとの共重合物、無水マレイン酸とスチレンとの共重合物、アクリル酸とメタアクリル酸との共重合物、アクリル酸とアクリル酸メチルエステルとの共重合物、アクリル酸と酢酸ビニルとの共重合物、アクリル酸とマレイン酸との共重合物、アクリル酸と無水マレイン酸との共重合物のアルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩およびアミン塩等のポリカルボン酸塩;ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、および、これらのアルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩およびアミン塩等のナフタレンスルホン酸塩;メラミンスルホン酸、アルキルメラミンスルホン酸、メラミンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルメラミンスルホン酸のホルマリン縮合物、および、これらのアルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩およびアミン塩等のメラミンスルホン酸塩等;リグニンスルホン酸、および、これらのアルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩およびアミン塩等のリグニンスルホン酸塩等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
前記陽イオン性界面活性剤としては、たとえば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム塩;トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
前記非イオン性界面活性剤としては、たとえば、POE(30)ラウリルエーテル、POE(12)ラウリルエーテル、POE(9)ミリスチルエーテル、POE(3)ラウリルエーテル、POP(2)POE(8)ステアリルエーテル、POE(50)オレイルエーテル等のポリオキシアルキレンオキサイド付加アルキルエーテル;ポリオキシエチレン(24)スチレン化フェニルエーテル等のポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル;ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコールと1価脂肪酸とのエステル化合物;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンひまし油;ポリオキシアルキレン硬化ひまし油;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリグリセリン脂肪酸エステル;アルキルグリセリンエーテル;ポリオキシアルキレンコレステリルエーテル;アルキルポリグルコシド;ショ糖脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン―ポリオキシプロピレンブロックポリマーが挙げられる。
なお、上記POEはポリオキシエチレンを示し、上記POPはポリオキシプロピレンを示し、POE(12)は、ポリオキシエチレンの12モル付加を示す。
前記両性界面活性剤としては、たとえば、2−ウンデシル−N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;N−ラウリルグリシン、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤成分(G)の含有量としては、特に限定はないが、前記成分(D)及び前記成分(E)の合計含有量を100重量部としたときに、通常0.1〜300重量部、好ましくは0.5〜250重量部、さらに好ましくは1〜100重量部、特に好ましくは2〜70重量部、最も好ましくは2〜50重量部である。前記界面活性剤成分(G)の含有量が0.1重量部未満であると、分散性及び塗布性が十分ではない。一方、前記界面活性剤成分(G)の含有量が300重量部超であると、ハンドリング性に優れない。
〔消泡剤成分(H)〕
本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーは、消泡剤成分(H)を含有すると、スラリーのハンドリング性向上および塗布性向上の観点から、好ましい。
前記成分(H)としては特に限定はないが、たとえば、ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油などの油脂系消泡剤;ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸などの脂肪酸系消泡剤;ステアリン酸イソアミル、こはく酸ジステアリル、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸ブチルなどの脂肪酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレンモノハイドリックアルコール、ジ−t−アミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノールなどのアルコール系消泡剤;3−ヘプチルセロソルブ、ノニルセロソルブ、3−ヘプチルカルビトール、ポリアルキレングリコールなどのエーテル系消泡剤;トリブチルホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェートなどのリン酸エステル系消泡剤;ジアミルアミンなどのアミン系消泡剤;ポリアルキレンアミド、アシレートポリアミンなどのアミド系消泡剤;ラウリル硫酸エステルナトリウムなどの硫酸エステル系消泡剤;ジメチルポリシロキサンなどのポリシロキサン系消泡剤;パラフィン系鉱物油、シクロペンテン、シクロヘキサン、フイヒテライト、オレアナンなどのナフテン系鉱物油などの鉱物油;シリカ微粉末系消泡剤等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。なかでも消泡剤が、ポリシロキサン系消泡剤、シリカ微粉末から選ばれる少なくとも1種以上であると、消泡性に優れるので好ましい。
前記成分(H)の含有量としては、特に限定はないが、前記成分(D)及び前記成分(E)の合計含有量を100重量部としたときに、好ましくは0.0001〜10重量部、より好ましくは0.0005〜5重量部、さらに好ましくは0.001〜3重量部、特に好ましくは0.005〜2重量部、最も好ましくは0.01〜1重量部である。消泡剤の含有量が0.0001重量部未満であると、消泡性が十分ではないことがある。一方、消泡剤の含有量が10重量部超であると、塗布性に優れないことがある。
〔水〕
水は、本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーにおいて、分散媒としての役割を果たす。水は、水道水、イオン交換水、蒸留水等のいずれでもよい。
本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーは、導電助剤を含有していてもよい。
導電助剤としては、特に限定はないが、たとえば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック;グラフェン;カーボンナノ繊維、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ等のカーボンナノチューブ;銀、銅、錫、亜鉛、酸化亜鉛、ニッケル、マンガン等の金属微粒子;酸化インジウムスズなどの複合金属微粒子等が挙げられ、1種または2種以上でもよい。
〔蓄電デバイス正極用水系スラリー〕
蓄電デバイス正極用水系スラリーにおける、前記無水ケイ酸(B)及び前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)の合計の含有量は、前記正極活物質(A)100重量部に対して、0.005〜0.0999重量部であり、0.02〜0.0999重量部が好ましく、0.03〜0.0999重量部がより好ましく、0.04〜0.0999重量部がさらに好ましい。0.005重量部未満では、塗膜均一性の向上効果が不十分となり、0.0999重量部を超えると、スラリーのpHの過剰上昇が懸念される。
本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーにおける、前記水溶性増粘成分(D)の含有量は、前記正極活物質(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、0.2〜7重量部が好ましく、0.3〜4重量部がより好ましく、0.4〜3重量部がさらに好ましい。0.1重量部未満ではスラリー粘度が不足し、10重量部を超えるとスラリー作製の作業性が不足する。
本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーは、従来品より高いpH領域で塗膜均一性が良好であることに特徴があり、従来技術の蓄電デバイス正極用水系スラリーは、pHが一定以上高くなると塗膜均一性が低下していた。
本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーのpHは8.0〜12.5であり、8.5〜12.0が好ましく、9.0〜11.5がさらに好ましく、9.5〜11.5が特に好ましく、10.0〜11.5が最も好ましい。8.0未満では、前記無水ケイ酸(B)及び/又は前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)の塗膜均一性向上効果が発揮されず、12.5を超えると前記無水ケイ酸(B)及び/又は前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)の塗膜均一性向上効果が不足する。
前記無水ケイ酸(B)及び/または前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)を含むスラリーが良好な保存安定性を示し、かつ十分な塗膜均一性を発揮できることを考慮すると、本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーは、少なくとも2つの剤の組合せから構成されるスラリーであると好ましい。少なくとも2つの剤の組み合わせは、特に限定はないが、塗膜均一性を向上させる観点から、前記正極活物質(A)を必須に含有するスラリーA剤と、前記無水ケイ酸(B)及び/又は前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)を必須に含有するスラリーBとであると好ましい。
〔蓄電デバイス正極用水系スラリーの製造方法〕
本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーの製造方法は、混合粉末を得る工程(I)と、蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物を得る工程(II)と、前記混合粉末と前記蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物を混合し、蓄電デバイス正極用水系スラリーを得る工程(III)を含む。
工程(I)は、粉末状の正極活物質(A)と粉末状の導電助剤を混合し、混合粉末を得る工程である。正極活物質(A)及び導電助剤としては、上記スラリーで説明したものと同じものを採用できる。ここでいう粉末状とは、各物質を粉砕又は解砕して、粉末粒子径が一定の規格に入った状態をいう。
工程(II)は、無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)、前記水溶性増粘成分(D)及び水とを混合し、蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物を得る工程である。無水ケイ酸(B)及びアルカリ金属ケイ酸塩(C)は、上記スラリーで説明したものと同じものを採用できる。無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)、前記水溶性増粘成分(D)及び水の混合順序については、水、前記水溶性増粘成分(D)の順に混合し、無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)を混合するという順序が好ましい。工程(III)は、前記混合粉末と前記蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物を混合して蓄電デバイス正極用水系スラリーを得る工程である。
各成分を混合する方法については、特に限定はなく、容器と攪拌翼といった極めて簡単な機構を備えた装置を用いて行うことができる。攪拌翼としては、特に限定はないが、マックスブレンド翼、トルネード翼、フルゾーン翼等を挙げることができる。また、一般的な揺動または攪拌を行える混合機を用いてもよい。混合機としては、たとえば、リボン型混合機、垂直スクリュー型混合機等の揺動攪拌または攪拌を行える混合機を挙げることができる。また、攪拌装置を組み合わせたことにより効率のよい多機能な混合機であるスーパーミキサー(株式会社カワタ製)およびハイスピードミキサー(株式会社深江製)、ニューグラムマシン(株式会社セイシン企業製)、SVミキサー(株式会社神鋼環境ソリューション社製)、フィルミクス(プライミクス株式会社)、ジェットペースタ(日本スピンドル製造株式会社)、KRCニーダ(株式会社栗本鐵工所製)等を用いてもよい。他には、たとえば、ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャー、ロッドミル、ボールミル、振動ロッドミル、振動ボールミル、円盤型ミル、ジェットミル、サイクロンミルなどの粉砕機を用いてもよい。また、超音波乳化機、連続式二軸混練機、高圧乳化機やマイクロリアクター等を用いてもよい。
〔蓄電デバイス用正極〕
本発明の蓄電デバイス用正極は集電体上に正極被膜を有する蓄電デバイス用正極であって、前記被膜が、上記蓄電デバイス正極用水系スラリーの不揮発分により形成されてなる。
前記集電体としては、電子伝導性を有し正極材料に通電し得る材料であればよく、特に限定はないが、たとえば、C、Ti、Cr、Mo、Ru、Rh、Ta、W、Os、Ir、Pt、Au、Al、Ni等の導電性物質、これら導電性物質の二種類以上を含有する合金(例えば、ステンレス鋼)を使用し得る。電気伝導性が高く、電解液中の安定性と耐酸化性がよい観点から、集電体としてはC、Al、Ni、ステンレス鋼等が好ましく、さらに材料コストの観点からAl等が好ましい。集電体の形状には、特に限定はなく、たとえば、箔状基材、三次元基材などを用いることができる。前記集電体表面上には、あらかじめプライマー層が形成されていてもよく、プライマー層に導電助剤を含んでいてもよい。
蓄電デバイス正極用水系スラリーを正極の集電体に塗工する方法としては、均一にウェットコーティングできる方法であればよく、特に限定はないが、たとえば、キャピラリーコート法、スピンコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、バーコーター法、グラビアコーター法、ダイコーター法などを採用することができる。
塗膜から溶媒を除去する方法は、乾燥による方法が一般的である。溶媒の乾燥温度は、特に限定はないが、通常、10〜200℃、好ましくは30〜190℃、さらに好ましくは50〜180℃、特に好ましくは80〜170℃、最も好ましくは80〜160℃である。溶媒の乾燥温度が200℃超の場合、正極の機能が低下し好ましくない場合がある。
本発明の蓄電デバイス用正極は、集電体表面に前記蓄電デバイス正極用水系スラリーを塗布、乾燥して形成する表面コート被膜は、集電体のどちらか片面に形成させてよく、両面に形成させてもよい。
集電体表面に本発明の蓄電デバイス正極用水系スラリーを塗布、乾燥して形成された片面分の正極被膜の膜厚としては、特に限定はないが、たとえば、通常1〜500μm、好ましくは10〜400μm、さらに好ましくは20〜300μm、特に好ましくは30〜200μm、最も好ましくは50〜150μmである。片面分の正極被膜の膜厚が1μm未満の場合電池性能が悪くなり好ましくない場合がある。片面分の表面コート被膜の膜厚が500μm超の場合、ハンドリング性が低下し好ましくない場合がある。
本発明の蓄電デバイス用正極は、特に限定がないが、使用する蓄電デバイス正極用水系スラリーが、前記正極活物質(A)を必須に含有するスラリーA剤と、前記無水ケイ酸(B)及び/又は前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)を必須に含有するスラリーB剤を必須とした少なくとも2つの剤の組合せから構成される場合は、前記スラリーA剤を先に正極の集電体に塗布、乾燥し、後に前記スラリーB剤を塗布、乾燥して、蓄電デバイス用正極を得てもよく、先に前記スラリーB剤を正極の集電体に塗布、乾燥し、後に前記スラリーA剤を塗布、乾燥して蓄電デバイス用正極を得てもよい。
塗膜均一性を考慮すると、先に前記スラリーB剤を塗布、乾燥し、後に前記スラリーA剤を塗布、乾燥して蓄電デバイス用正極を得る方が好ましい。
前記スラリーA剤もしくは前記スラリーB剤の不揮発分からなる膜が、集電体表面上のプライマー層としても良い
本発明の蓄電デバイス用正極は、図1にて示すとおり、無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)を必須に含有するスラリーB剤の乾燥不揮発分からなる膜を第1層とし、前記正極活物質(A)を必須に含有するスラリーA剤の乾燥不揮発分からなる膜を第2層として、集電体から順に第1層、第2層とからなる膜を含む、蓄電デバイス用正極である。
本願効果をより奏する点において、集電体上に前記第1層がプライマー層として積層しており、次に前記第2層が第1層に連続して積層してなる膜が、蓄電デバイス用正極被膜であると好ましい。
以下に、本発明の実施例を、その比較例とともに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[粘度の測定]
前記成分(D)の1重量%濃度水分散液及び前記成分(E)の20重量%濃度水分散液を調整し、25℃雰囲気下でB型粘度計((株)東京計器製:BL型)を用いて測定した。
〔起泡力〕
JIS K3362の方法に準拠したロスマイルス試験法により温度25℃の測定条件下で測定した。組成物の有効濃度が0.1重量%水溶液を試験液とし、試験液の50mlをロスマイルス測定装置の管壁に沿って流し込み、上部の流下ピペットにも試験液の200mlを入れて準備した。ロスマイルス測定装置の円筒中央に試験液の液滴が落ちるようにピペットをセットし、90cmの高さから試験液を流下させ、流下が終わった直後(流下直後)の泡沫の高さと、流下直後から5分後の泡沫の高さを測定した。なお、ここでいう有効濃度とは、組成物の重量に対して、組成物を105℃で熱処理して溶媒等を除去し、恒量に達した時の絶乾成分の重量割合をいう。
〔重量平均分子量〕
高分子粒子を不揮発分濃度が約0.2質量%濃度となるようにテトラヒドロフランに溶かした後、以下の測定条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を測定した。次いで、分子量既知のポリエチレングリコールのGPC測定結果から、検量線を作成し、重量平均分子量を算出した。
(測定条件)
機器名:HLC−8220(東ソー社製)
カラム:KF−G、KF−402HQ、KF−403HQ各1本ずつを直列に連結(いずれもShodex社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
注入量:10μl
溶離液の流量:0.3ml/分
〔表面張力〕
有効濃度0.1重量%水溶液を試験液とし、自動表面張力計(KRUSS社製、品番TensiometerK100)を用いて、ウィルヘルミー法により温度25℃の測定条件下で測定した。
〔接触角〕
蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物の有効濃度5重量%分散液を試験液とし、接触角計(協和界面科学株式会社製、品番DM−901)を用いて測定した。アルミナ板は、緻密質アルミナ板(50×50×2mm、販売元アズワン)を使用した。
〔ガラス転移点の測定〕
動的粘弾性測定装置(ティ−・エイ・インスツルメント社製、品番Q800)を用いて測定した。
〔熱重量測定(TGA)の測定〕
示差熱天秤(リガク社製、品番Thermo plus EVO)を用いて、設定開始温度20℃、設定最終温度300℃、昇温速度毎分10℃の測定条件で測定した。
〔平均粒子径、ゼータ電位の測定〕
粒径・ゼータ電位測定システム(大塚電子製、ELSZ−1000)を用いて測定した。
〔水溶性増粘成分(D)〕
実施例および比較例で用いた水溶性増粘成分(D)について、それらの具体的な製造方法および物性を以下の表1の製造例D−1〜D−7及び製造比較例D−9に示す。製造例D−8は、カルボキシメチルセルロース(CMCダイセル2260(ダイセルファインケム(株)製))を使用し、製造比較例D−10は、架橋型ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック260H(東亜合成(株)製))を使用した。
〔高分子粒子成分(E)〕
実施例および比較例で用いた高分子粒子成分(E)について、それらの具体的な製造方法および物性を以下の表2の製造例E−1〜E−7に示す。
〔消泡剤成分(H)〕
実施例および比較例で用いた消泡剤成分(H)を以下に示す。
ポリシロキサン系消泡剤1:ジメチルポリシロキサン、粘度100mPa・s
ポリシロキサン系消泡剤2:ジメチルポリシロキサン、粘度1000mPa・s
シリカ微粉末系消泡剤:トリメチルエトキシシランにより疎水化処理されたシリカ微粉末
鉱物油系消泡剤:パラフィン系鉱物油
〔正極活物質(A)〕
実施例および比較例で用いた正極活物質(A)を以下に示す。
コバルト酸リチウム;一次粒子径8.3μm、BET比表面積0.4m/g
LiNi0.33Co0.33Mn0.33;一次粒子径11.5μm、BET比表面積0.3m/g
LiNi0.5Co0.2Mn0.3;一次粒子径10.5μm、BET比表面積0.3m/g
LiNi0.8Co0.1Mn0.1;一次粒子径10.3μm、BET比表面積0.3m/g
LiNi0.8Co0.15Al0.05;一次粒子径10.5μm、BET比表面積0.3m
/g
リチウム過剰系ニッケル−コバルト−マンガン複合酸化物:一次粒子径11.1μm、BET比表面積0.3m/g
活性炭;一次粒子径5.8μm、BET比表面積1600m/g
グラファイト;一次粒子径11.1μm、BET比表面積0.4m/g
〔導電助剤〕
実施例および比較例で用いた導電助剤を以下に示す。
アセチレンブラック;一次粒子径70.1nm、BET比表面積68m/g
ケッチェンブラック;一次粒子径40nm、BET比表面積800m/g
カーボンナノ繊維:繊維径150.0nm、BET比表面積13m/g
〔無水ケイ酸(B)、アルカリケイ酸塩(C)〕
実施例および比較例で用いた無水ケイ酸(B)及びアルカリケイ酸塩(C)を以下に示す。
ヒュームドシリカ:平均粒子径20nm、BET比表面積250m/g
コロイダルシリカ:平均粒子径30nm、BET比表面積60m/g
シリカゲル:平均粒子径30nm、BET比表面積140m/g
沈降シリカ:平均粒子径25nm、BET比表面積200m/g
ケイ酸リチウム:モル比(SiO/LiO)=3.6
ケイ酸ナトリウム:モル比(SiO/NaO)=2.1
ケイ酸カリウム:モル比(SiO/KO)=2.05
〔界面活性剤成分(G)〕
実施例および比較例で用いた界面活性剤成分(G)を以下に示す。
POE(12)ラウリルエーテル
POE(9)ミリスチルエーテル
POE(3)ラウリルエーテル
POP(2)POE(8)ステアリルエーテル
POE(24)スチレン化フェニルエーテル
POE(50)スチレン化フェニルエーテル
(なお、ここでPOE(12)ラウリルエーテルとは、ラウリルアルコール1モル当り、12モルのオキシエチレン基が付加したものを意味する。)
[製造例D−1]
まず、重合性単量体として、10gのアクリル酸および40gのアクリル酸エチルを準備し、乳化剤として、0.2gのラウリルスルホン酸ナトリウム、触媒として、0.05gの過硫酸アンモニウムを準備した。
上記で準備した重合性単量体、乳化剤および触媒と、200gのイオン交換水とをホモジナイザーで混合撹拌し、1000mlのセパラブルフラスコ中で窒素気流下、80℃で3時間反応した。反応終了後、750gのイオン交換水を加えて希釈し、15gのN−tert−ブチルジエタノールアミン及び10gのtert−アルキルアミンPOE(15)を混合・中和して水溶性増粘成分D−1を得た。水溶性増粘成分D−1は、不揮発分濃度5.70重量%、粘度700mPa・s(25℃、1重量%濃度)、ゼータ電位−28mV、pH6.9、重量平均分子量22万であった。
[製造例D−2〜D−7、製造比較例D−9]
製造例D−2〜D−7、製造比較例D−9では、製造例D−1において、表1に示すように原料もそれぞれ変更する以外は、製造例D−1と同様に水溶性増粘成分をそれぞれ得て、物性等も製造例D−1と同様に評価した。
[製造例E−1]
まず、重合性単量体として、43gのメタクリル酸メチル、20gのアクリル酸エチル、32gのアクリル酸ブチルおよび5gのグリシジルメタクリレートを準備し、乳化剤として、1.0gのPOE(30)ラウリルエーテルおよび1.0gのPOE(10)−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム、触媒として、0.2gのベンゾイルパーオキサイドを準備した。
上記で準備した重合性単量体、乳化剤および触媒と、150gのイオン交換水とをホモジナイザーで混合撹拌し、500mlのセパラブルフラスコ中で窒素気流下、80℃で3時間反応してアクリル系高分子エマルションE−1を得た。このアクリル系高分子エマルションE−1は、非水溶性であって、不揮発分濃度40.1重量%、粘度15mPa・s、平均粒子径235nm、ゼータ電位−24mV、熱重量測定0.9%、ガラス転移点27℃であった。
[製造例E−2〜E−7]
製造例E−2〜E−7では、製造例E−1において、表2に示すように原料もそれぞれ変更する以外は、製造例E−1と同様に高分子エマルションをそれぞれ得て、物性等も製造例E−1と同様に評価した。
[製造例1]
成分(D)である前記成分D−1を6g含む水溶性増粘成分希釈液123gと、成分(E)である前記高分子粒子E−1を12g含むアクリル系高分子エマルションの30gと、成分(C)であるケイ酸ナトリウム50重量%水溶液0.72gと、POE(24)スチレン化フェニルエーテル0.6gと、ポリシロキサン系消泡剤2を0.2gと、イオン交換水245.5gを均一に混合して、蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物を得た。イオン交換水の量は前記成分D−1と前記高分子粒子E−1に含まれるイオン交換水と合わせて380.8gであった。蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物は、不揮発分濃度5.1%、粘度1800mPa・s、pH8.9、表面張力35.4mN/m、ゼータ電位−39mV、起泡力は直後の値が18mm、5分後の値が3mm、無機酸化物板としてアルミナ板への接触角が1600msec経過時で41°、ポリオレフィン樹脂への接触角が1600msec経過時で27°であった。
[製造例2〜8、および製造比較例1〜6]
製造例2〜8および、製造比較例1〜6では、表3、4に示すように原料をそれぞれ変更する以外は、製造例1と同様に蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物をそれぞれ得て、物性等も製造例1と同様に評価した。その結果を表3、4に示す。
〔実施例1〕
正極活物質(A)であるLiNi0.33Co0.33Mn0.3390g、アセチレンブラック4.5gと、分散剤である蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物1を60gと、イオン交換水10gを均一に混合して、蓄電デバイス正極用水系スラリーを得た。得られた蓄電デバイス正極用水系スラリーは、不揮発分濃度60.1重量%、粘度3700mPa・s、平均粒子径14.5μm、pH9.3、ゼータ電位−28mV、起泡力は直後の値が26mm、5分後の値が7mmであった。
上記で得られた蓄電デバイス正極用水系スラリーを膜厚20μmのアルミ箔に塗布し、80℃のオーブン中で乾燥させて蓄電デバイス用正極被膜を得た。乾燥後集電体の被覆表面にひび割れなく塗膜均一性に優れていた。乾燥時間は300秒以内であり、乾燥性に優れていた。蓄電デバイス用正極被膜の膜厚は約50μmであった。蓄電デバイス用正極被膜の表面にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの当量混合液を滴下して1600msec経過時の接触角を測定したところ、接触角が20°以上30°未満であり、電解液の保液性に優れていた。
〔実施例2〜10、比較例1〜6〕
実施例2〜10と比較例1〜6では、表5、6に示すように原料をそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様に蓄電デバイス正極用水系スラリーをそれぞれ得て、物性等も実施例1と同様に評価した。その結果を表5、6に示す。
〔実施例11〕
実施例11は前記スラリーA剤および前記スラリーB剤の組み合わせから構成される蓄電デバイス正極用水系スラリーに関する実施例である。
正極活物質(A)である前記LiNi0.33Co0.33Mn0.3390g、前記アセチレンブラック3.0g、成分(E)である前記高分子粒子E−1を1.8g含むアクリル系高分子エマルションの4.5g、成分(G)である前記POE(24)スチレン化フェニルエーテル0.09g、成分(D)である前記成分D−1を0.6g含む水溶性増粘成分希釈液の10.5g、成分(H)である前記ポリシロキサン系消泡剤2を0.015g、イオン交換水40gを均一に混合して、スラリーA1剤を得た。
成分(C)である前記ケイ酸ナトリウム50重量%水溶液を0.108gと、前記アセチレンブラック1.5g、成分(D)である前記成分D−1を0.3g含む水溶性増粘成分希釈液の5.3g、成分(H)である前記ポリシロキサン系消泡剤2を0.015g、イオン交換水9.5gとを均一に混合して、スラリーB1剤を得た。
次に、得られた前記スラリーA1剤と前記スラリーB1剤を混合し、蓄電デバイス正極用水系スラリーA1B1を得た。得られた蓄電デバイス正極用水系スラリーA1B1は、不揮発分濃度61.5重量%、粘度3500mPa・s、平均粒子径15.5μm、pH9.6、ゼータ電位−27mV、起泡力は直後の値が25mm、5分後の値が11mmであった。
上記の方法にて得られた蓄電デバイス正極用水系スラリーA1B1を、実施例1と同様の方法にて、膜厚20μmのアルミ箔に塗布後、80℃のオーブン中で乾燥させて蓄電デバイス用正極被膜を得た。乾燥後の前記被膜表面には、被膜表面の面積中、1%〜5%でひび割れが見られたが、問題のない状態であった。乾燥時間は300秒以内であり、乾燥性に優れていた。蓄電デバイス用正極被膜の膜厚は約50μmであった。蓄電デバイス用正極被膜の表面にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの当量混合液を滴下して1600msec経過時の接触角を測定したところ、接触角が20°以上30°未満であり、電解液の保液性に優れていた。
〔実施例12〕
実施例12は、実施例11と同様に、前記スラリーA剤および前記スラリーB剤の組み合わせから構成される。
成分(B)であるコロイダルシリカを0.54gと、前記アセチレンブラック1.5g、成分(D)である前記成分D−1を0.3g含む水溶性増粘成分希釈液の5.3g、成分(H)である前記ポリシロキサン系消泡剤2を0.015g、イオン交換水9.6gとを均一に混合して、スラリーB2剤を得た。
次に、実施例11にて得られた前記スラリーA1剤と、得られた前記スラリーB2剤を実施例11と同様に混合し、蓄電デバイス正極用水系スラリーA1B2を得た。得られた蓄電デバイス正極用水系スラリーA1B2は、不揮発分濃度60.8重量%、粘度3900mPa・s、平均粒子径14.8μm、pH9.3、ゼータ電位−32mV、起泡力は直後の値が28mm、5分後の値が16mmであった。
上記の方法にて得られた蓄電デバイス正極用水系スラリーA1B2を、実施例1と同様の方法にて、膜厚20μmのアルミ箔に塗布後、80℃のオーブン中で乾燥させて蓄電デバイス用正極被膜を得た。乾燥後の前記被膜表面には、被膜表面の面積中、1%〜5%でひび割れが見られたが、問題のない状態であった。乾燥時間は300秒以内であり、乾燥性に優れていた。蓄電デバイス用正極被膜の膜厚は約50μmであった。蓄電デバイス用正極被膜の表面にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの当量混合液を滴下して1600msec経過時の接触角を測定したところ、接触角が20°以上30°未満であり、電解液の保液性に優れていた。
〔実施例13〕
実施例11に記載のスラリーB1剤を、先に実施例1と同様の膜厚20μmのアルミ箔に塗布後、80℃のオーブン中で乾燥させ、前記スラリーB1剤の不揮発分からなる膜である第1層を得た。次に、前記第1層の上に実施例11に記載のスラリーA1剤を塗布し、80℃のオーブン中で乾燥させ、前記スラリーA1剤の不揮発分からなる膜である第2層で第1層を被覆し、蓄電デバイス用正極被膜を得た。乾燥後集電体の被覆表面にひび割れなく塗膜均一性に優れていた。前記スラリーA1塗布後の乾燥時間と前記スラリーB1塗布後の乾燥時間との合計は300秒以内であり、乾燥性に優れていた。蓄電デバイス用正極被膜の膜厚は約50μmであった。蓄電デバイス用正極被膜の表面にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの当量混合液を滴下して1600msec経過時の接触角を測定したところ、接触角が20°以上30°未満であり、電解液の保液性に優れていた。
〔塗膜均一性の評価〕
蓄電デバイス正極用水系スラリーを集電体表面に10mg/cm塗布して、80℃で2時間加熱して乾燥した。集電体表面を表面コートした被覆面積を100%として、塗膜にひび割れが発生していない面積を目視で計測し、評価を実施した。
◎:ひび割れなく、良好。
○:被覆面積中、1%〜5%でひび割れが見られるが、問題のない状態。
△:被覆面積中、5%超〜20%でひび割れが見られ、不良。
×:被覆面積中、20%超でひび割れが見られ、不良。
〔乾燥性の評価〕
蓄電デバイス正極用水系スラリーを集電体表面に10mg/cm塗布して、80℃の温度で塗布表面が乾くまでの時間を目視にて測定する。乾燥性の評価基準は以下のとおり。
○:乾燥時間が300秒以下であれば、待ち時間が少なく乾燥性が良い。
×:乾燥時間が300秒超であれば、待ち時間が長く作業性に支障をきたすため乾燥性が良くない。
〔電解液の保液性の評価〕
接触角計(協和界面科学株式会社製、品番DM−901)を用いて、蓄電デバイス用正極被膜にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの当量混合液を滴下して1600msec経過時の接触角を測定して評価した。
◎:接触角が20°未満であり、電解液の保液性に優れる。
〇:接触角が20°以上30°未満であり、電解液の保液性に優れる。
△:接触角が30°以上40°未満であり、電解液の保液性に劣る。
×:接触角が40°以上であり、電解液の保液性に劣る。
Figure 2019003926
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表5及び6から分かるように、実施例1〜10では、25℃での1重量%水分散液の粘度が100mPa・s以上25000mPa・s未満である水溶性増粘成分(D)を正極活物質(A)100重量部に対して0.1〜10重量部、無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)を正極活物質(A)100重量部に対して合計0.005〜0.0999重量部を含み、かつpHが8.0〜12.5である蓄電デバイス正極用水系スラリーを用いているために、塗膜のひび割れ抑制が成され、蓄電デバイス正極用水系スラリーの塗膜均一性、被膜乾燥性及び、該蓄電デバイス用正極被膜の電解液保液性が良好である。
また、実施例11および実施例12より、少なくとも2つの剤の組合せから構成される蓄電デバイス正極用水系スラリーであって、前記組合せが、正極活物質(A)を必須に含有するスラリーA剤と、無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)を必須に含有するスラリーB剤を必須としているので、本願課題を解決できている。
さらに、実施例13より、無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)を必須に含有するスラリーB剤の不揮発分からなる膜を第1層とし、正極活物質(A)を必須に含有するスラリーA剤の不揮発分からなる膜を第2層として、集電体から順に第1層、第2層とからなる膜を含む、蓄電デバイス用正極は本願課題を解決している。
一方、無水ケイ酸(B)及びアルカリ金属ケイ酸塩(C)の合計含有量が、本願の規定の範囲にない場合(比較例1及び2)、水溶性増粘成分(D)の含有量が本願の規定の範囲にない場合(比較例3及び4)、水溶性増粘成分(D)の25℃での1重量%水分散液の粘度が本願の規定の範囲にない場合(比較例5及び6)には、本願の課題が解決していない。
1 集電体
2 第1層
3 第2層

Claims (10)

  1. 正極活物質(A)と、無水ケイ酸(B)及び/又は下記化学式(1)で示されるアルカリ金属ケイ酸塩(C)と、水溶性増粘成分(D)と、水とを含む蓄電デバイス正極用水系スラリーであって、
    前記水溶性増粘成分(D)の、25℃での1重量%水分散液の粘度が100mPa・s以上25000mPa・s未満であり、
    前記正極活物質(A)100重量部に対して、前記無水ケイ酸(B)及び前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)の合計の重量割合が0.005〜0.0999重量部、前記水溶性増粘成分(D)の重量割合が0.1〜10重量部であり、pHが8.0〜12.5である、蓄電デバイス正極用水系スラリー。
    O・nSiO (1)
    (式(1)中、Mは、リチウム、ナトリウム又はカリウムを示し、nは正数である。)
  2. pHが10.0〜11.5である、請求項1に記載の蓄電デバイス正極用水系スラリー。
  3. 前記正極活物質(A)が下記一般式(2)で示される化合物を含む、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス正極用水系スラリー。
    LiNiCoMn (2)
    (式(2)中、a、b、c及びdは、それぞれ、0.3≦a<1、0≦b<0.4、0≦c<0.4、0≦d<0.3、a+b+c+d=1を満たし、MはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K及びAlから選ばれる少なくとも1つの元素を示す。)
  4. 前記水溶性増粘成分(D)が水溶性(メタ)アクリル樹脂及び/又はセルロース系水溶性高分子である、請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電デバイス正極用水系スラリー。
  5. 高分子粒子成分(E)をさらに含有し、前記正極活物質(A)100重量部に対して、前記高分子粒子成分(E)の重量割合が、0.1〜10重量部である、請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電デバイス正極用水系スラリー。
  6. 界面活性剤成分(G)をさらに含み、前記成分(D)及び前記成分(E)の合計100重量部に対して、前記成分(G)の重量割合が0.1〜300重量部である、請求項5に記載の蓄電デバイス正極用水系スラリー。
  7. 少なくとも2つの剤の組合せから構成される蓄電デバイス正極用水系スラリーであって、前記組合せが、前記正極活物質(A)を必須に含有するスラリーA剤と、前記無水ケイ酸(B)及び/又は前記アルカリ金属ケイ酸塩(C)を必須に含有するスラリーB剤を必須とする、請求項1〜6のいずれかに記載の蓄電デバイス正極用水系スラリー。
  8. 粉末状の正極活物質(A)と粉末状の導電助剤を混合し、混合粉末を得る工程(I)と、無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)、水溶性増粘成分(D)及び水とを混合し、蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物を得る工程(II)と、
    前記混合粉末と前記蓄電デバイス正極用水系スラリー用分散剤組成物を混合して蓄電デバイス正極用水系スラリーを得る工程(III)を含む、
    蓄電デバイス正極用水系スラリーの製造方法。
  9. 集電体上に正極被膜を有する蓄電デバイス用正極であって、前記被膜が、請求項1〜7のいずれかに記載の蓄電デバイス正極用水系スラリーの不揮発分により形成されてなる、蓄電デバイス用正極。
  10. 無水ケイ酸(B)及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩(C)を必須に含有するスラリーB剤の不揮発分からなる膜を第1層とし、正極活物質(A)を必須に含有するスラリーA剤の不揮発分からなる膜を第2層として、集電体から順に第1層、第2層とからなる膜を含む、蓄電デバイス用正極。
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