本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、ブラシの櫛の歯に電熱ヒータによって加熱された熱を伝達することにより、単に髪を整える動作だけで髪の毛の手入れができるようにするヒーター内蔵のヘアブラシを提供することである。
また、ブラシの端を囲むようにガード部を形成して、電熱ヒーターによって加熱された櫛の歯による指などの火傷を予防できるヒーター内蔵のヘアブラシを提供することである。
また、電熱ヒーターによって加熱された櫛の歯による頭皮などの火傷を予防できるヒーター内蔵のヘアブラシを提供することである。
また、細菌の汚染から頭皮と髪の毛を衛生的に、安全に保つことができるヒーター内蔵のヘアブラシを提供することである。
上記のような目的を達成するために、本発明に係るヒーター内蔵のヘアブラシは、電源入力部と、アラーム部およびカバーを含むボディ部と、複数のガード櫛の歯を含むガード櫛の歯部及び前記のガード櫛の歯部を固定するガードベース部を含むガード部と、ヒーターと、前記のヒーターから発熱する熱を伝達する複数の放熱櫛の歯を含む放熱櫛の歯部及び前記の放熱櫛の歯を固定する放熱ベース部を含む放熱部を含む。
また、前記のガード櫛の歯部は、上記のブラシの端に形成され、前記の放熱部を囲むことを特徴とする。前記のガード櫛の歯部は、耐熱プラスチックで構成されていてもよい。
また、前記のガード櫛の歯部は、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)またはポリアミド樹脂の内、いずれか一つ以上を含むことを特徴とする。
また、前記のガードベース部は、耐熱プラスチックで構成されることを特徴とする。
また、前記のガードベース部は、ポリカーボネートまたはポリアミド樹脂の内、いずれか一つ以上を含むことを特徴とする。
また、前記の放熱櫛の歯は、金属の材質であることを特徴とする。
また、前記の放熱櫛の歯は、上記の放熱ベース部の他方の先端にプラスチックキャップをさらに含むことを特徴とする。
また、前記の放熱ベース部は、白金の触媒をさらに含むことを特徴とする。
本発明の一形態に係るヒーター内蔵のヘアブラシの製作方法は、射出成形でボディ部とガード部を製作する段階と、放熱部を製作する段階と、前記のボディ部と前記のガード部との間の空間にヒーターを固定する段階と、前記のボディ部と前記のガード部と前記の放熱部を組み立てる段階を含み、前記の放熱部を製作する段階は、放熱櫛の歯を製作する段階と、放熱ベース部に挿入溝を形成する段階と、前記の挿入溝に放熱櫛の歯を固定する段階からなることを特徴とする。
また、前記の放熱櫛の歯を固定する段階は、干渉嵌合またはリベットの内、いずれか一つの方法を用いることを特徴とする。
また、前記の放熱櫛の歯を製作する段階は、ダイカストまたはインサート射出成形の内、いずれか一つの方法を用いることを特徴とする。
また、前記の放熱櫛の歯を製作する段階は、放熱櫛の歯のキャップを製作するステップをさらに含み、前記の放熱櫛の歯のキャップを製作する段階は、インサート射出成形の方法を用いることを特徴とする。
以上で説明したように、本発明の一実施形態に係るヒータ内蔵のヘアブラシは、ブラシの櫛の歯を加熱することにより、単に髪を整えるだけで髪の毛の手入れが可能であり、加熱された櫛の端部にガード部を形成して、加熱された櫛の歯による火傷のような安全事故が発生することを未然に予防できる。
以下、添付された図面を参照して、本発明に係るヒーター内蔵のヘアブラシについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るヒーター内蔵のヘアブラシの構成図であり、図2は、図1に係るヒーター内蔵のヘアブラシの分解斜視図であり、図3〜図5は、図1に係るヒーター内蔵のヘアブラシの部品の図である。
図面を参照すると、ヒーター内蔵のヘアブラシは、ボディ部(110)、ガード部(130)、ヒーター(150)と放熱部(170)を含んでいる。
以下、上記の構成要素について詳細に説明する。
ボディ部(110)は、電源入力部(111)、アラーム部(113)とカバー(115)を含んでいる。
電源入力部(111)は、外部からの電源の供給を受けヒーター(150)が動作するように電源を供給する役割をする。
アラーム部(113)は、LEDなどで構成され、電源の接続状況と電源のON/OFF、ヒーターが髪の毛の手入れに適した温度に加熱されたことをユーザーがわかるように表示することができる。
カバー(115)は、ヒータ(150)から発生する熱を遮断して、ユーザーが髪の毛の手入れ途中、火傷のような安全事故が起きない様に未然に予防する役割をする。
ガード部(130)は、ブラシの端を囲んで形成され、所定の長さと太さを有する複数の丸棒形の櫛の歯で形成されたガード櫛の歯部(131)と前記の複数のガード櫛の歯部(131)が締結されたガードベース部(133)を含んでいる。
ガードベース部(133)は、ガード櫛の歯部(131)を固定し、ヒーター(150)から発生する熱を遮断する役割をする。そのために、ポリスルホン(PSU、Polysulfone)、ポリエーテルスルホン(PES、Polyethersulfone)、ポリエーテルイミド(PEI、Polyetherimide)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリプタラアミド(Polyphthalamide)など耐熱プラスチック材質またはポリカーボネート(PC)、ナイロン樹脂などのような熱伝達率が低く、耐熱性に優れた物質で形成されることが望ましい。
ガード櫛の歯部(131)は、髪の毛を整えるとき、頭皮の損傷を防ぎながら、マッサージ効果を与え、環状の健康な頭部になるように形成することができる。また、ポリスルホン(PSU、 Polysulfone)、ポリエーテルスルホン(PES、Polyethersulfone)、ポリエーテルイミド(PEI、Polyetherimide)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリプタラアミド(Polyphthalamide)などの耐熱プラスチック材質で形成することができる。
本発明の一実施例で、ガード櫛の歯部(131)は、ポリカーボネート(PC、Polycarbonate)またはポリアミド(Polyamide)などのように弾性のある耐熱プラスチック材質で形成されることができる。弾性のある素材を使用することにより、ブラシの使用中にガード櫛の歯部が折れるなどの破損を防止することができる。特に、脂肪族ポリアミド(Poly-amide)系ポリマーであるナイロン樹脂の場合、ナイロン6とナイロン66が多く用いられるが、ナイロン樹脂は力学的特性に優れ、他のエンジニアリングプラスチックに比べて摩擦摩耗特性に優れ、自己潤滑性と自己消火性があるだけでなく、ガラス繊維、炭素繊維などの補強剤や充填材による複合効果が優れた特性を持っており、本発明のガード櫛の歯部に適用するため優れた特性を示す。
また、本発明の一実施例で、ガード櫛の歯部(131)は、金属材質で形成されて破損する可能性を未然に防止することもできる。
ガード部に形成される複数の丸棒の間の間隔は、3〜6mmが適しており、より緻密に形成されると乱れた髪などの手入れが大変になり、より広く形成されると、手で放熱部(170)を触り、安全事故が発生する可能性が大きくなる。
また、図面にはガード部(130)とボディ部(110)が別個の部品で構成されたもので示したが、ガード部(130)とボディ部(110)は、単一の部品として形成することもできる。
ヒーター(150)は、ボディ部(110)と放熱櫛の歯部(170)との間の空間に形成されることができる。これらのヒーター(150)は、過熱防止のため、独自の温度調節能力を有するPTC(Positive Temperature Coefficient Resistance)ヒーターを用いることができる。PTCヒーターは、一定の温度以上発熱しないため、バイメタルなどの別の温度制御装置を必要としないため、ブラシを小型化及び軽量化して製作することができる。
放熱部(170)は、熱伝導率に優れた金属材料で形成された複数の放熱櫛の歯で構成された放熱櫛の歯部(171)と放熱櫛の歯部を固定するための放熱ベース部(173)を含んでいる。
放熱櫛の歯部(171)と放熱ベース部(173)は、金属材質で形成され、ヒーター(150)から発熱する熱が効率的に伝達できるようにすることが望ましい。
また、放熱櫛の歯部(171)が肌に直接接触しないように、放熱櫛の歯の長さは、ガード櫛の歯部(151)の長さよりも1〜2mm短く形成されるようすることが望ましい。放熱櫛の歯部(170)の構造については、下記で詳細に説明する。
放熱ベース部(173)は、抗菌や消臭のために白金(Pt)触媒を含むように形成することができる。白金の触媒にヒーター(150)から発生する熱が伝達されることにより、抗菌作用ができる。つまり、ヒーター(150)から発熱した熱が白金の触媒層を加熱させ、白金の触媒が活性化されることによって抗菌作用ができるようになる。放熱ベース部(173)に金属酸化物層を形成した後、前記の金属酸化物層に複数のナノ溝を形成し、前記のナノ溝の表面に白金の触媒を形成させる。つまり、金属酸化物層に形成されたナノ溝の細菌などが含まれている汚染された空気が流入すると、ナノ溝の表面に形成された白金の触媒により分解反応が行われることになる。
図6は、放熱櫛の歯部(171)と放熱ベース部(173)が締結されている部分をより詳細に説明するための図であり、特に、図6(a)は、リベットの形で締結される場合を図示したものであり、図6(b)は、干渉嵌合で締結される場合を図示したものである。
リベットは締結用部品の一種として、穴にリベットを差し込みヘッドの部分を支えた後、機械、ハンマーなどで叩いて変形させて締結することになる。図6(a)の本実施例によれば、放熱櫛の歯(171)を放熱ベース部(173)の穴に挿入した後、放熱櫛の歯(171)の反対側にはみ出した部分に力(F)を加えてリベットヘッド部を形成することにより、放熱櫛の歯(171)を放熱ベース部(173)に締結することができる。また、反対側にはみ出した部分にリベットヘッドを形成する代わりに、溶接またははんだ付けにより締結することができる。
また、図6(b)を参照すると、放熱ベース部(173)に放熱櫛の歯(171)の締結部に対応する挿入溝が形成され、上記の放熱櫛の歯の締結部に上記の放熱ベース部(173)の挿入溝が干渉嵌合によって差し込まれ、放熱ベース部(173)と放熱櫛の歯(171)の締結部が相互結合されることもできる。干渉嵌合をするための構造として、放熱櫛の歯(171)の締結部の直径が変化する傾斜面の形で製作された場合を示したが、形がこれに限定されるものではない。このように干渉嵌合により組み合わせることで、結合構造を簡素化することができ、製造工程が簡単になり、熱が加えられる場合でも、放熱ベース部と放熱櫛の歯が互いに接していて、同時に膨張または収縮することになり、これにより、互いに分離される可能性を未然に遮断することができる。
図7は、放熱櫛の歯部(171)が放熱ベース部(173)に締結される部分の他方の先端を説明するための図である。
図7を参照すると、他方の先端は、ブラシの使用中に肌に与える刺激を減らすために、環状の頭部を有するように形成することができる。環状の頭部は熱伝達率に優れた金属材質の放熱櫛の歯に熱伝達率が低い耐熱プラスチックなどの材料のキャップを被せて形成することができる。
図8は、本発明の実施形態に係るヒーター内蔵のヘアブラシの製作工程を説明するためのフローチャートである。
図8を参照すると、本発明の実施形態に係る製造工程は、射出成形によりボディ部とガード部を製作する段階と、放熱部を製作する段階と、上記のボディ部と上記のガード部との間の空間にヒーターを固定する段階、上記のボディ部と上記のガード部と上記の放熱部を組み立てる段階を含む。
製作工程の中で、放熱部を製作する段階は、放熱ベース部を製作する段階(S810)、放熱櫛の歯を製作する段階(S820)と、上記の放熱櫛の歯を前記のベースに締結させる段階(S830)を含んでいる。
上記のS810段階で、放熱ベース部(173)に放熱櫛の歯を締結するための挿入溝を所定の一定の間隔で形成する。上記の挿入溝は前記のベースを貫通する穴の形で形成されることができる。
また、S810の段階で放熱ベース部(173)に金属酸化物層をコーティングした後、ナノ溝を形成し、ナノ溝に白金の触媒を形成する段階をさらに行うこともできる。
上記のS820の段階で、上記の挿入溝に挿入して締結させるための放熱櫛の歯を製作する。それぞれの放熱櫛の歯はダイカストや金属インサート射出成形の内、いずれか一つの方法で製作することができる。
金属インサート射出成形はインサート射出成形方式の一種で、金型内で異質または異色のプラスチックやプラスチック以外の部品(金属、電線、磁石など)を一体化する射出成形の方法である。この方法は、プラスチック単独では得にくい特性を有する成形品を得ることができ、その応用分野はますます広範囲になっている。金属とプラスチックが一体化した製品が主流をなしており、それは金属が持つ剛性、導電性、表面処理性などにプラスチックの絶縁性、着色性、柔軟性、剛性、加工性などを組み合わせて付加価値の高い製品を作ることができ、組立過程が減るため、時間と費用が減る利点がある。本実施例では、放熱櫛の歯で用いられる金属材料の表面をプラスチック材質でカバーすることで、肌に過度の熱が直接伝達されることを防止することができ、別のプラスチックキャップの組み立て工程が不要であるという利点があるが、ヒーターから発熱される熱の伝達効率が低下するという欠点がある。
ダイカストはダイキャストとも呼ばれており、必要な鋳造形状に完全に一致するように正確に機械加工された鋼製の金型に溶融金属を注入して、金型と同じ鋳物を得る鋳造法である。寸法が正確なので仕上げの必要がほとんどなく、機械的性質が優れており、大量生産が可能であるという利点があり、広い分野で応用されている。本実施例では、ダイカスト工程により放熱櫛の歯の製作の際、放熱櫛の歯の締結部の他方の先端にプラスチックキャップを追加できる構造を作りやすく、ブラシや髪の毛が触れる部分が熱伝導率に優れた金属材料で形成されて、ヒーターから発熱する熱を髪に伝達する熱効率が優れているという長所がある。
上記のS830の段階で、放熱櫛の歯をベースに締結させる段階は、図6で説明したように、干渉嵌合の方式またはリベット/溶接方式を用いることができる。
以上で説明された本発明が属する当該技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に理解し、再現できるように、図面に示した実施例を参考に説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の実施例から様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するだろう。ここでは特定の用語が使用されたが、これは単に当業者に本発明を詳細に説明するための目的で用いたものであって、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使用されたものではない。