JP2018501268A - チゾキサニドホスフェート及びアルカンスルホネート並びにその医薬用途 - Google Patents

チゾキサニドホスフェート及びアルカンスルホネート並びにその医薬用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、式Iで表されるチゾキサニドホスフェート又はアルカンスルホネート化合物、及びその薬学的に許容される塩、その異性体、その水和物又はその溶媒和物、並びにその化合物の医薬用途に関する。

Description

技術分野
本発明は、チゾキサニドホスフェート又はアルカンスルホネート化合物及びその薬学的に許容される塩、その異性体、その水和物又はその溶媒和物、並びにその化合物の医薬用途に関する。
背景技術
Romark Laboratoryによって開発されたチアゾリルベンズアミド化合物であるニタゾキサニド(NTZ)は、複数の生物活性を有する。NTZは、化学名「2−アセトキシ−N−(5−ニトロ−2−チアゾリル)ベンズアミド」、化学式C12935S、及び202℃の融点を有し、そして、水に不溶、エタノールにわずかに可溶、かつ有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に可溶である、淡黄色の粉末である。
ニタゾキサニドは、ヒトの様々な寄生生物、例えば原生動物及び蠕虫、特に以下のものを含む:ジアルジア(Giardia)、アメーバ(Amoeba)、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)、サイクロスポーラ(Cyclospora)、トリコモナド(Trichomonad)、エンセファリトゾーン・インテスティナリス(Encephalitozoon intestinalis)、戦争イソスポラ(Isospora belli)、ブラストシスチス・ホミニス(Blastocystis hominis)、大腸バランチジウム(Balantidium coli)、回虫(Ascaris lumbricoides)、エンテロシトゾーン・ビエヌーシ(Enterocytozoon bieneusi)、条虫(Tapeworm)(無鉤条虫(Taenia saginata)、小形条虫(ymenolepis nana)を含む)、ディプラカントゥス・ナナス(Diplacanthus nanus)、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、リーシュマニア(Leishmania)、肝蛭(Fasciola hepatica)など、の駆除に有効であることが研究により示されている。ニタゾキサニドはウイルス性感染症、例えばB型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、インフルエンザ(イヌインフルエンザを含む)、及びロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性胃腸炎、に良好な治療効果を有する。ニタゾキサニドは細菌、例えばクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)(CD)、結核菌(Tubercle bacillus)(薬剤耐性結核菌を含む)及びヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)によって引き起こされる感染に対抗することにも有用であり、かつ、細菌によって引き起こされるバイオフィルム形成にも良好な阻害効果を有する。
ニタゾキサニドはプロドラッグであり、投与後にイン・ビボでその活性代謝物チゾキサニド(TIZ)へと速やかに加水分解される。ヒトでの薬物動態試験は、経口投与後に、ニタゾキサニドが胃腸管によって吸収され、経口投与量の約1/3が尿により排泄され、経口投与量の約2/3が糞便によって排泄されることを示している。血液中では、ニタゾキサニドは血漿エステラーゼによって速やかに代謝され(半減期は37℃で約6分)、加水分解によって脱アセチル化されて、活性代謝物チゾキサニドを生成する。それゆえ、ニタゾキサニドは血漿、尿、胆汁及び糞便中に検出されない。チゾキサニドはさらにイン・ビボでグルクロン酸抱合を受けて、医薬活性を有さないチゾキサニドグルクロニドを生成し得る。チゾキサニドは血漿、尿、胆汁及び糞便中に存在し、チゾキサニドグルクロニドも血漿、尿及び胆汁中に存在する。
ニタゾキサニドは良好な薬学的特性、例えば複数の生物活性及び良好な安全性を有するが、主に以下の2つの側面にあるいくつかの明らかな欠点も有する。
(1)ニタゾキサニドは、低い生物学的利用能、短い半減期、及び低い血中濃度などの欠点を有する。Institute of pharmacology & Toxicology Academy of Military Medical Sciencesの薬物動態研究所によって、ニタゾキサニド懸濁液をラットに経口投与した場合、絶対的生物学的利用能はわずか7.2%であったということが見出された。さらに、ニタゾキサニドを健常成人に経口投与した場合、500mgの単回投与後に、活性代謝物のチゾキサニドは3〜4時間のピーク到達時間(Tmax)、約3.9〜11.3μg*h/mLのAUC値、1.9μg/mL(1.1〜2.5の範囲内)の最大濃度(Cmax)、及びわずか1.03から1.6時間の短い半減期を有したことが論文で報告されている。
(2)ニタゾキサニドは比較的低い活性を有し、例えばニタゾキサニドは結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に対して12から28μg/mL(中央値は16μg/mL)の最小阻害濃度(MIC)を有し;ニタゾキサニド及びチゾキサニドはヘリコバクター・ピロリの103株に対して、0.25〜8μg/mLの最小阻害濃度(MIC)、1μg/mLの50%最小阻害濃度(MIC50)、及び4μg/mLの90%最小阻害濃度(MIC90)を有し;好気性又は微好気性条件下で、ニタゾキサニド及びチゾキサニドは表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)又は他のブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を含む)に対して、8〜16μg/mLの最小阻害濃度(MIC)を有し;ニタゾキサニドはMDCK細胞におけるPR8インフルエンザウイルスに対して、1μg/mLのEC50及び7μg/mLのEC90を有する。
以上のように、ニタゾキサニドは、低い生物学的利用能、短い半減期、及び低い血中濃度という欠点を有する。ニタゾキサニドを寄生生物、例えば腸内原生動物及び蠕虫による感染の治療に使用する場合、ニタゾキサニドは血液に入ることなく働くことができる。それゆえ、ニタゾキサニドの特性、すなわち、貧しい経口吸収、低い生物学的利用能、及び低い血中濃度は、寄生生物、例えば腸内原生動物及び蠕虫による感染の治療に対するその治療効果に影響しないであろう。しかしながら、ニタゾキサニドを薬剤耐性結核菌、ヘリコバクター・ピロリ又はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の治療、あるいはインフルエンザウイルス、ロタウイルスなどによって引き起こされるウイルス性感染症の治療に適用する場合、血中濃度は少なくとも最小阻害濃度(MIC)又は最小有効濃度よりも高くあるべきである。ニタゾキサニドの欠点、すなわち、貧しい経口吸収、低い生物学的利用能、及び低い血中濃度は、必ず観察され、その薬効に直接影響を及ぼす。
それゆえ、ニタゾキサニド剤を薬剤耐性結核菌、ヘリコバクター・ピロリ又はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の治療、あるいはインフルエンザウイルス、ロタウイルスなどによって引き起こされるウイルス性感染症の治療に適用する場合、治療効果、例えば抗菌及び抗ウイルス効果を有するように、チゾキサニドとして計算されるニタゾキサニドの生物学的利用能を高め、血中濃度を上昇させ、そして半減期を伸ばすことが必要であろう。
発明の内容
本発明の発明者は驚くべきことに、親化合物としてのチゾキサニドを、チゾキサニドとして計算されるチゾキサニドホスフェート又はアルカンスルホネート誘導体に改変すると、その経口投与は効果的に生物学的利用能を改善し、血中濃度を上昇させ、そして半減期を延ばし、それによって治療効果、例えば抗菌及び抗ウイルス効果を改善することを見出した。いくつかの化合物は水溶性を有意に増強することもでき、筋肉内注射又は静脈内注射での使用のための溶液の液体製剤に調製することができる。当該製剤はチゾキサニドとして計算される生物学的利用能及び血中濃度を大幅に改善する。
本発明は、原生動物、蠕虫、ウイルス又は細菌に対する作用を発揮するように、イン・ビボでチゾキサニドの形態に変換され得る一方で、チゾキサニドとして計算される生物学的利用能及び血中濃度を有意に改善し、有効な血中濃度を長期間保持し、かつ血中濃度曲線をより安定にする、チゾキサニドホスフェート又はアルカンスルホネート化合物のクラスを提供する。
第1の態様では、本発明は、式I:
(式中、
X=P又はSであり、
X=Pである場合、
は単結合を表し、R1及びR2はそれぞれ独立してヒドロキシル又はC1~6アルコキシであり、当該C1~6アルコキシは、アリール、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル及びハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)からなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよく、当該アリールは、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル及びハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)からなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよい;あるいは
X=Sである場合、
は二重結合を表し、R1はOであり、R2はC1~6アルキル又はアリールであり、当該C1~6アルキル又はアリールは、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)及びtert−ブトキシカルボニルアミノからなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよい)
の、チゾキサニドホスフェート又はアルカンスルホネート化合物又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物に関する。
一実施形態では、
X=Pである場合、
は単結合を表し、R1及びR2はそれぞれ独立してヒドロキシル又はC1~4アルコキシであり、当該C1~4アルコキシは、フェニル、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル、及びハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)からなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよく、当該フェニルは、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル、及びハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)からなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよい;あるいは
X=Sである場合、
は二重結合を表し、R1はOであり、R2はC1~4アルキル又はフェニルであり、当該C1~4アルキル又はフェニルは、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)、tert−ブトキシカルボニルアミノからなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよい、
本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
別の実施形態では、
X=Pである場合、
は単結合を表し、R1及びR2はそれぞれ、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ベンジルオキシ、フェニルエトキシ、1−フェニルプロポキシ、1−フェニルブトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメチル、アミノメトキシ、アミノエトキシ、ヒドロキシルメトキシ(hydroxylmethoxy)、ヒドロキシルエトキシ(hydroxylethoxy)、ニトロメトキシ及びニトロエトキシ、からなる群から独立して選択される;あるいは
X=Sである場合、
は二重結合を表し、R1はOであり、R2は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、p−メチルフェニル、m−メチルフェニル、o−メチルフェニル、アミノメチル、アミノエチル、ヒドロキシルメチル(hydroxylmethyl)、ヒドロキシルメチル、ニトロメチル、ニトロエチル、tert−ブトキシカルボニルアミノメチル及びtert−ブトキシカルボニルアミノエチル、からなる群から選択される、
本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
別の実施形態では、
X=Pである場合、
は単結合を表し、R1及びR2はそれぞれ、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ及びベンジルオキシからなる群から独立して選択される;あるいは
X=Sである場合、
は二重結合を表し、R1はOであり、かつR2は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、p−メチルフェニル及びアミノエチル、からなる群から選択される、
本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
別の実施形態では、
X=Pである場合、
は単結合を表し、R1及びR2はそれぞれ、ヒドロキシル、メトキシ及びエトキシからなる群から独立して選択される;あるいは
X=Sである場合、
は二重結合を表し、R1はOであり、かつR2は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル及びアミノエチルからなる群から選択される、
本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
別の実施形態では、
X=Pである場合、
は単結合を表し、R1及びR2は、ヒドロキシル、メトキシ及びエトキシからなる群から選択される同一の置換基である;あるいは
X=Sである場合、
は二重結合を表し、R1はOであり、かつR2は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル及びアミノエチルからなる群から選択される、
本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
別の実施形態では、
X=Pであり、
は単結合を表し、R1及びR2 は、ヒドロキシル、メトキシ及びエトキシからなる群から選択される同一の置換基である、
本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
別の実施形態では、
X=Sであり、
は二重結合を表し、R1はOであり、かつR2は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル及びアミノエチルからなる群から選択される、
本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
別の実施形態では、
X=Pである場合、前記薬学的に許容される塩が、式Iの化合物及び好適な塩基によって形成される付加塩、例えば一ナトリウム塩、二ナトリウム塩、カルシウム塩、一カリウム塩、二カリウム塩、又はメグルミン塩である;あるいは
X=Sである場合、前記薬学的に許容される塩が、式Iの化合物及び好適な酸によって形成される付加塩、例えば塩酸塩、硫酸塩(sulphurate)、酢酸塩、又は硝酸塩である、
本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
好ましい実施形態では、前記好適な塩基は、有機塩基又は無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、又はメグルミンであり得る。例えば、式Iの化合物の前記薬学的に許容される塩は、式Iの化合物の、一ナトリウム塩、二ナトリウム塩、カルシウム塩、一カリウム塩、二カリウム塩、又はメグルミン塩である。例えば、X=Pである場合、前記薬学的に許容される塩は、式Iの化合物の、一ナトリウム塩、二ナトリウム塩、カルシウム塩、一カリウム塩、二カリウム塩、又はメグルミン塩である。
別の好ましい実施形態では、前記好適な酸は、有機酸又は無機酸、例えば塩酸、硫酸、酢酸、又は硝酸で有り得る。例えば、式Iの化合物の前記薬学的に許容される塩は、式Iの塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、又は硝酸塩であり、好ましくは式Iの化合物の塩酸塩である。例えば、X=Sである場合、前記薬学的に許容される塩は、式Iの化合物の塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、又は硝酸塩である。
別の実施形態では、本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物は、以下:
化合物1:ジベンジル2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート;
化合物2:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 二水素ホスフェート;
化合物3:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 水素ホスフェート一ナトリウム塩;
化合物4:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート二ナトリウム塩;
化合物5:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェートカルシウム塩;
化合物6:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル メタンスルホネート;
化合物7:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル エタンスルホネート;
化合物8:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 1−プロパンスルホネート;
化合物9:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 1−ブタンスルホネート;
化合物10:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル p−トルエンスルホネート;
化合物11:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル N−BOC−タウレート;
化合物12:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル タウレートヒドロクロリド;
化合物13:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル タウレート
化合物14:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 水素ホスフェート一カリウム;
化合物15:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート二カリウム;
化合物16:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 水素ホスフェート メグルミン塩;
化合物17:ジメチル 2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート;及び
化合物18:ジエチル 2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート、
からなる群から選択される。
第2の態様では、本発明は、本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物の調製方法を提供し、ここで、
X=Pである場合、当該方法は以下のステップを含む:非プロトン性溶媒(例えばジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、又はアセトニトリル)中で、四塩化炭素及び有機塩基(例えばトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下で、触媒としてジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いて、チゾキサニドを式IIのホスファイトと反応させて、式Iの化合物を得る、そして場合により、式Iの化合物を好適な塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、又はメグルミン)と反応させて、付加塩を形成する;あるいは
X=Sである場合、当該方法は以下のステップを含む:チゾキサニドを非プロトン性溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又はテトラヒドロフラン)中に、有機塩基(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU))、あるいは酸受容体としての無機塩基(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、または重炭酸ナトリウム)とともに、溶解又は懸濁させ、式IIIのR2−置換スルホニルクロリドと反応させて、式Iの化合物を得る、そして場合により、式Iの化合物を好適な酸(例えば塩酸、硫酸、酢酸、又は硝酸)と反応させて、付加塩を形成する。
(式中、R1、R2及び
結合は、請求項1で定義したものと同じ意味を有する)
第3の態様では、本発明は、本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物を含有する、医薬組成物を提供する。
好ましくは、前記医薬組成物は、薬学的に許容される担体又は賦形剤をさらに含有し;特に、前記医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、噴霧剤、液体製剤、又は複合製剤の形態である。
第4の態様では、本発明は、寄生生物(原生動物、蠕虫などを含む)による感染、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、インフルエンザ、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性感染症(例えば、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性胃腸炎)、あるいは細菌、例えばクロストリジウム・ディフィシル又は結核菌(薬剤耐性結核菌を含む)又はヘリコバクター・ピロリによって引き起こされる感染を、治療し及び/又は予防するための薬剤の製造における、あるいは、細菌によって引き起こされるバイオフィルム形成を阻害するための薬剤の製造における、第3の態様に記載の医薬組成物あるいは、第1の態様に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物の使用、を提供する。
第5の態様では、本発明は、疾患の治療及び/又は予防を必要とする哺乳動物において当該疾患を治療し及び又は予防するための方法であって、第3の態様に記載の医薬組成物あるいは、第1の態様に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物若しくは溶媒和物の、治療上及び/又は予防上有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含み、ここで、当該疾患が、寄生生物(原生動物、蠕虫などを含む)による感染、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、インフルエンザ、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性感染症(例えば、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性胃腸炎)、あるいは細菌、例えばクロストリジウム・ディフィシル又は結核菌(薬剤耐性結核菌を含む)又はヘリコバクター・ピロリによって引き起こされる感染を含む、方法を提供する。
第6の態様では、本発明は、細菌によって引き起こされるバイオフィルム形成の阻害を必要とする哺乳動物において当該バイオフィルム形成を阻害するための方法であって、第3の態様に記載の医薬組成物あるいは、第1の態様に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物若しくは溶媒和物の、治療上及び/又は予防上有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法を提供する。
第7の態様では、本発明は、寄生生物(原生動物、蠕虫などを含む)による感染、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、インフルエンザ、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性感染症(例えば、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性胃腸炎)、あるいは細菌、例えばクロストリジウム・ディフィシル又は結核菌(薬剤耐性結核菌を含む)又はヘリコバクター・ピロリによって引き起こされる感染の治療及び/又は予防における使用のための、あるいは、細菌によって引き起こされるバイオフィルム形成の阻害における使用のための、少なくとも1つの前記式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物若しくは溶媒和物に関する。
本文脈において、前記寄生生物は、以下のものを含む:ジアルジア、アメーバ、クリプトスポリジウム、サイクロスポーラ、トリコモナド、エンセファリトゾーン・インテスティナリス、戦争イソスポラ、ブラストシスチス・ホミニス、大腸バランチジウム、回虫、エンテロシトゾーン・ビエヌーシ、条虫(無鉤条虫、小形条虫を含む)、ディプラカントゥス・ナナス、ランブル鞭毛虫、リーシュマニア、又は肝蛭など。
本文脈において、前記好適な塩基は、有機塩基、又は無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、又はメグルミンであり得る。
本文脈において、前記好適な酸は、有機酸、又は無機酸、例えば塩酸、硫酸、酢酸、又は硝酸であり得る。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個、1〜4個又は1〜3個の炭素原子を有する、飽和、直鎖又は分岐鎖の一価ヒドロカルビルをいう。「C1~6アルキル」の典型例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、tert−アミル、neo−ペンチル、ヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「アリール」という用語は、1個の単環又は2個以上の縮合環、及び5〜14個の炭素原子を有する、不飽和芳香族炭素環をいう。前記アリールは好ましくは、5〜10個、5〜8個又は5〜6個の炭素原子を有する。「アリール」の典型例としては、フェニル、ナフチル、アントリルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「アミノ」という用語は、−NH2をいう。
本明細書で使用される「ヒドロキシル」という用語は、−OHをいう。
本明細書で使用される「ニトロ」という用語は、−NO2をいう。
本明細書で使用される「シアノ」という用語は、−CNをいう。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、−OR’(式中、R’は本明細書中で定義されたアルキルである)をいう。「アルコキシル」の典型例としては、メトキシル、エトキシル、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br又はIをいう。好ましいハロゲンはF、Cl又はBrである。
本明細書で使用される化合物の名称が化学式と一致しない場合、化学式が優先することになる。
発明の有益な効果
本発明は、原生動物、蠕虫、ウイルス又は細菌に対する作用を発揮するように、イン・ビボでチゾキサニドの形態に変換され得る、式Iのチゾキサニドホスフェート又はアルカンスルホネート化合物を提供する。さらに、式Iの化合物は、チゾキサニドとして計算される生物学的利用能及び血中濃度を有意に改善し、有効な血中濃度を長期間保持し、かつ血中濃度曲線をより安定にすることができる。
マウスにおける化合物1、2、6、7、8、及び9それぞれのニタゾキサニド(NTZ)の経口投与後の血中チゾキサニド(TIZ)の血中濃度−時間曲線。 マウスにおける化合物3、4、5、12、14、17及び18それぞれのニタゾキサニド(NTZ)の経口投与後の血中チゾキサニド(TIZ)の血中濃度−時間曲線。
発明を実施するための特定の形態
本発明の実施形態を以下の実施例を併せて詳細に説明する。しかしながら、当業者は、以下の実施例が発明を説明する目的のためにのみ提供され、本発明の範囲を定義するものとみなされるべきではないことを理解するであろう。特定の条件が実施例に示されていない場合、発明は従来の条件又は製造業者によって提示された条件に従って実施される。製造業者が示されていない試薬又は装置は、市販されている従来製品である。
実施例1:ジベンジル2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート(化合物1)の調製
アセトニトリル(150mL)中のチゾキサニド(3.12g、12mmol)の溶液に、N2の保護下、0℃で、四塩化炭素(9.61g、62.4mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(3.4g、26.4mmol)、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(180mg、1.32mmol)、及びジベンジルホスファイト(90%)(6.0g、20.6mmol)を順次加え、同じ温度で3時間撹拌する。反応溶液を450mLの氷水に注ぎ、150mLのジクロロメタンで3回洗浄した。有機相を合わせて、2mol/Lの塩酸、飽和NaHCO3水溶液、及び飽和食塩水溶液で順次洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸留により除去し、残渣をエーテル中で固化して、表題化合物を白色粉末として、79.3%の収率で得た。
融点(mp): 122〜123℃、 1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz), δppm, 13.64(1H, brs), 8.66(1H,s), 7.75(1H,d,J=7.6Hz), 7.64(1H,td,J=8.0Hz, 2.0Hz), 7.38-7.43(2H,m), 7.28-7.34(10H,m), 5.12(4H, m)。ESI−MS(+Q), 526(MH+), 548(MNa+)。
実施例2:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 二水素ホスフェート(化合物2)の調製
0℃、N2の保護下で、無水アセトニトリル(90mL)中の化合物1(5.0g、9.52mmoL)の懸濁液に、ブロモトリメチルシラン(3.70mL、28.33mmoL)を加え、0℃で3時間反応させ、次いで無水エタノール(2.7mL、47mmoL)を加え、次いで4時間撹拌した。得られた混合物を吸引濾過に供し、酢酸エチルで洗浄し、風乾して、生成物を黄色固体粉末として、2.63g、80%の収率で得た。
mp:224〜226℃、 1H−NMR(DMSO−d6, 400MHZ)δ: 8.69(1H,s), 7.67(1H, m), 7.62(1H,m), 7.42(1H,m), 7.32(1H,m).ESI−MS(−Q): 344 [M−H]+;264 [TIZ−H]+
実施例3:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 水素ホスフェート一ナトリウム塩(化合物3)の調製
実施例2で調製した化合物2(354.23mg、1mmol)をメタノール20mL中に懸濁し、2mol/LのNaOH水溶液(0.5mL、1mmol)を加えて、室温で20分間撹拌し、試料を完全に溶解させた。得られた溶液を乾燥するまで減圧下で濃縮し、そして真空中、50℃で乾燥させて、表題化合物367mgを、100%の収率で得た。
mp:260〜263℃、 IR(KBr)cm−1:3448, 1664, 1576, 1478, 1354, 1318, 1279, 1229, 923。
実施例4:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート二ナトリウム塩(化合物4)の調製
実施例2で調製した化合物2(354.23mg、1mmol)をメタノール20mL中に懸濁し、2mol/LのNaOH水溶液(1mL、2mmol)を加えて、室温で20分間撹拌し、試料を完全に溶解させた。得られた溶液を乾燥するまで減圧下で濃縮し、そして真空中、50℃で乾燥させて、表題化合物398mgを、100%の収率で得た。
mp:192〜194℃、 IR(KBr)cm−1:3424, 1656, 1477, 1356, 1309, 1215, 1096, 982, 907。
実施例5:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェートカルシウム塩(化合物5)の調製
実施例2で調製した化合物2(354.23mg、1mmol)をメタノール20mL中に懸濁し、2mol/Lの酢酸カルシウム水溶液(0.5mL、1mmol)を加えた。得られた混合物を室温で20分間撹拌し、次いで濃縮し、次いで50℃の真空中で乾燥させて、表題化合物313mgを80%の収率で得た。
mp:238〜241℃、 IR(KBr)cm−1:3558, 3268, 1662, 1601, 1524, 1468,1365,1316, 1220, 1170,1106,996,912,738。
実施例6:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル メタンスルホネート(化合物6)の調製
無水N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中のチゾキサニド(0.50g、1.89mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.38g、3.78mmol)を加えた。温度を0℃まで下げ、及びメタンスルホニルクロリド(0.24g、2.07mmol)を加えた。温度を室温まで徐々に上げ、室温で撹拌しながら反応を行った。TLC検出が原料の消失を示したら、反応溶液を水に加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を水及び飽和食塩水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物0.51gを、86.58%の収率で得た。
mp:188〜190℃、 1H−NMR(DMSO−d6, 400Hz)δ ppm:13.68(1H, s), 8.71(1H,s), 7.83(1H, dd, J=1.82, 8.02Hz), 7.77-7.72(1H,m), 7.58-7.54(2H,m), 3.37(1H,s).ESI−MS(+Q), m/z:344.1[M+H]+, 366.0[M+Na]+
実施例7:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル エタンスルホネート(化合物7)の調製
チゾキサニドと反応させるためにメタンスルホニルクロリドの代わりにエタンスルホニルクロリドを使用した以外は、実施例6の方法を実施して、表題化合物を、85.93%の収率で得た。
mp:178〜180℃、 1H−NMR(DMSO−d6, 400Hz)δppm: 13.69(s,1H), 8.71(s,1H), 7.82(dd, J=1.68, 7.56Hz, 1H), 7.76-7.71(m, 1H), 7.57-7.51(m, 2H), 3.55(q, J=8.0 Hz, 2H), 1.32(t, J=8.0 Hz, 3H)。ESI−MS m/z: 358.2[M+H]+, 380.3[M+Na]+
実施例8:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 1−プロパンスルホネート(化合物8)の調製
チゾキサニドと反応させるためにメタンスルホニルクロリドの代わりに1−プロパンスルホニルクロリドを使用した以外は、実施例6の方法を実施して、表題化合物を88.57%の収率で得た。
mp:144〜146℃、 1H−NMR(DMSO−d6,400Hz)δppm: 13.68(s,1H), 8.72(s,1H), 7.83-7.71(m,2H), 7.57-7.51(m,2H), 3.52(t,J=8.0Hz,2H), 1.82-1.76(m,2H), 0.96(t,J=6.0Hz,3H)。ESI−MS(+Q)m/z: 372.0[M+H]+, 394.2[M+Na]+
実施例9:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 1−ブタンスルホネート(化合物9)の調製
チゾキサニドと反応させるためにメタンスルホニルクロリドの代わりに1−ブタンスルホニルクロリドを使用した以外は、実施例6の方法を実施して、表題化合物を92.03%の収率で得た。
mp:142〜144℃、 1H−NMR(CDCl3,400Hz)δ ppm: 10.81(s,1H), 8.25(s,1H), 8.01(dd,J=1.82, 7.70Hz, 1H), 7.72-7.55(m,1H), 7.53-7.50(m,2H), 3.47(t,J=8.0,2H), 2.04-2.00(m,2H), 1.57-1.51(m,2H), 0.97(t,J=8.0,3H)。ESI−MS m/z: 386 [M+H]+, 408 [M+Na]+
実施例10:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル p−トルエンスルホネート(化合物9)の調製
チゾキサニドと反応させるためにメタンスルホニルクロリドの代わりにp−トルエンスルホニルクロリドを使用した以外は、実施例6の方法を実施して、表題化合物を84.81%の収率で得た。
mp:236〜238℃、 1H−NMR(DMSO−d6, 400Hz)δppm:13.37(s, 1H), 8.71(s, 1H), 7.71-7.67(m, 2H), 7.53-7.50(m, 3H), 7.33-7.28(m, 3H), 2.29(s, 3H)。ESI−MS m/z:420 [M+H]+, 442 [M+Na]+
実施例11:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル N−Boc−タウレート(化合物11)の調製
(1)N−Boc−タウリルクロリド(tauryl chloride)溶液の調製:温度計及び乾燥管を備えた乾燥した三ツ口フラスコ中に、新たに調整したN−Boc−タウリンテトラブチルアンモニウム(3.74g、8mmol)を加え、ジクロロメタン(28mL)で溶解し、次いでDMF 0.016mLを加えた。得られた溶液の温度を
0℃まで下げ、トリホスゲン(0.95g、3.2mmol)を加え、得られた混合物を室温まで徐々に温め、0.5時間反応させた。
(2)20mLのDMF中のチゾキサニド(1.59g、6mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(1.41g、14mmol)を加え、温度を0℃まで下げた。ステップ(1)で調製したN−Boc−タウリルクロリド(tauryl chloride)溶液を加え、得られた混合物を室温まで温めて、7時間反応させた。反応溶液を氷水に注ぎ、有機相を分離した。水相をジクロロメタンで2回洗浄した。洗浄液を有機相と合わせ、希塩酸で洗浄し、水で洗浄し、そして飽和NaCl溶液で洗浄して、Na2SO4で乾燥させ、次いで濃縮し、次いでフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液は酢酸エチルと石油エーテル1:1の体積比の混合物である)を行って、標的生成物を1.6g、56%の収率で得た。
mp:164〜166℃、 1H−NMR(DMSO−d6,400Hz)δppm: 13.70(s,1H), 8.71(s,1H), 7.84(m,1H), 7.73(m,1H), 7.56(m,2H), 7.08(t, J=5.6Hz), 3.64(m,2H),3.41(m,2H), 1.36(s,9H), ESI−MS m/z:473 [M+H]+。
実施例12:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル タウレートヒドロクロリド(化合物12)の調製
酢酸エチル(10mL)中の1mol/LのHClの溶液(当該酢酸エチル中HClの溶液はHClガスを酢酸エチル中に溶解させることによって作製された溶液をいう)を0℃に冷却し、実施例11で調製した2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニルN−Boc−タウレート(化合物11、472mg、1mmol)を加えた。得られた混合物を室温まで徐々に温めて、4時間反応させた。反応溶液を吸引しながら濾過して、固体を得た。当該固体を最初にメタノールに溶解させ、次いでイソプロパノールを加えることによって再結晶して、生成物380mgを、93%の収率で得た。
mp:168〜170℃、 1H−NMR(DMSO−d6, 400Hz)δ ppm: 13.73(s,1H), 8.72(s,1H), 8.35(brs,3H), 7.87(d,J=7.6Hz,1H), 7.75-7.79(m,1H), 7.58-7.65(m,2H), 3.96-4.00(m,2H), 3.32(m,2H)。ESI−MS m/z:373 [M+H]+
実施例13:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル タウレート(化合物13)の調製
実施例12で調製した2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル タウレートヒドロクロリド(化合物12)を酢酸エチルに溶解し、等モルのNaOH水溶液を加え、十分に撹拌した。得られた混合物を水で洗浄し、有機相をNa2SO4で乾燥させた。濃縮後、表題化合物を得た。
実施例14:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 水素ホスフェート 一カリウム(化合物14)の調製
実施例2で調製した化合物2(354.23mg、1mmol)をメタノール20mL中に懸濁し、2mol/LのKOH水溶液(0.5mL、1mmol)を加え、室温で20分間撹拌して、試料を完全に溶解させた。得られた溶液を乾燥するまで減圧下で濃縮し、そして真空中、50℃で乾燥させて、表題化合物383mgを100%の収率で得た。
mp:252〜264℃、 IR(KBr)cm−1:3423, 3333, 1671, 1528, 1465,1358, 1313, 921。
実施例15:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート二カリウム塩(化合物15)の調製
実施例2で調製した化合物2(354.23mg、1mmol)をメタノール20mL中に懸濁し、2mol/LのKOH水溶液(1mL、2mmol)を加えた。室温で20分間撹拌し、試料を完全に溶解させた。得られた溶液を乾燥するまで減圧下で濃縮し、そして真空中、50℃で乾燥させて、表題化合物422mgを100%の収率で得た。
mp:192〜194℃、 IR(KBr)cm−1: 3424, 1656, 1477, 1356, 1309, 1215, 1096, 982, 907。
実施例16:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 水素ホスフェートメグルミン塩(化合物16)の調製
実施例2で調製した化合物2(354.23mg、1mmol)をメタノール20mL中に懸濁し、メタノール10ml中のメグルミン(195.22mg、1mmol)の溶液を、室温で20分間撹拌し、得られた混合物を濃縮し、50℃で真空中で乾燥させて、表題化合物550mgを、無定形固体として、100%の収率で得た。
実施例17:ジメチル 2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート(化合物17)の調製
アセトニトリル(150mL)中のチゾキサニド(3.12g、12mmol)の溶液に、N2の保護下で0℃で、四塩化炭素(9.61g、62.4mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(3.4g、26.4mmol)、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(180mg、1.32mmol)、及びジメチルホスファイト(90%)(2.52g、20.6mmol)を順次加え、同じ温度で3時間撹拌し、次いで反応溶液を450mLの氷水に注ぎ、150mLのジクロロメタンで3回洗浄した。有機相を合わせて、次いで2mol/Lの塩酸、飽和NaHCO3水溶液、及び飽和食塩水溶液で順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸留することによって除去し、残渣をエーテル中で固化して、表題化合物3.2gを、白色粉末として、72%の収率で得た。
mp:165〜167℃、 1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ 11.78 - 11.52(m, 1H), 8.33(s, 1H), 8.00(d, J=8.1 Hz, 1H), 7.61(td, J=8.1, 1.8 Hz, 1H), 7.45-7.35(m, 2H), 3.96(s, 3H), 3.93(s, 3H)。ESI−MS m/z:374 [M+H]+, 396[M+Na]+
実施例18:ジエチル 2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート(化合物18)の調製
アセトニトリル(150mL)中のチゾキサニド(3.12g、12mmol)の溶液に、N2の保護下で0℃で、四塩化炭素(9.61g、62.4mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(3.4g、26.4mmol)、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(180mg、1.32mmol)、及びジエチルホスファイト(98%)(2.90g、20.6mmol)を順次加え、同じ温度で3時間の撹拌に続く。反応溶液を450mLの氷水に注ぎ、150mLのジクロロメタンで3回洗浄した。有機相を合わせて、2mol/Lの塩酸、飽和NaHCO3水溶液、及び飽和食塩水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸留することによって除去し、残渣をエーテル中で固化して、表題化合物3.6gを、白色粉末として、75%の収率で得た。
mp:138〜138℃、 1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ 11.83 - 11.68(m, 1H), 8.37(s, 1H), 8.03(d, J=7.6 Hz, 1H), 7.60(t, J=7.6 Hz, 1H), 7.46-7.34(m, 2H), 4.31(dd, J=15.0, 7.2 Hz, 4H), 1.38(t, J=7.2 Hz, 6H)。ESI−MS m/z:402 [M+H]+, 424[M+Na]+
実施例19:マウスにおける薬物の経口投与の薬物動態評価及び結果
試料調製:32.57μmolの試験化合物を、100μLのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、10mLの0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)溶液を添加して、3.257μmol/mLで試料を調製した。
試験化合物とは、本発明の実施例で調製した化合物及び陽性対照化合物のニタゾキサニドをいう。実験を2回のバッチ(twobatches)で行い、試験化合物の第1のバッチは化合物1、2、6、7、8、9及び陽性対照化合物ニタゾキサニドであり;試験化合物の第2のバッチは化合物3、4、5、12、14、17、18及び陽性対照化合物ニタゾキサニドであった。
実験方法:Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.より購入した、ICRマウス(SPSグレード、雄、25±2mg)を、各グループにつき3匹のマウスで、体重に応じてランダムにグループ分けした。ニタゾキサニド及び試験化合物を10mL/kgの投与量で各マウスに個別に胃内投与した(すなわち、各マウスに32.57μmol/kgの対応する薬剤)。ここで、ニタゾキサニドを陽性対照として使用し、そして0.1mlの血液を投与後0.08、0.25、0.5、1、2、4、6、8及び12時間で眼底の静脈から採取し、ヘパリンナトリウムを含む遠心管に入れて、20分間遠心分離した(3000gの相対遠心力(RCF))。血漿を採取し、−20℃の冷蔵庫でさらなる検出のために保存した。
検出中に、50μLの血漿を採取し、内部標準溶液(5000ng/mLのグリピジド水溶液、10μL)の添加、及びアセトニトリル(200μL)を添加し、次いでよく混合した。混合物を3分間ボルテックスし、10分間遠心分離した(8500gの相対遠心力(RCF))。上清(50μL)を水(50μL)とよく混合し、チゾキサニドの血中濃度を検出するために10μLをLC/MS/MS分析用に採取した。
結果を表1、表2、表3、表4、図1、及び図2に示す。
マウスにおける経口投与後の薬物動態スクリーニング結果を示す(表1、表2、表3、表4、図1、及び図2参照):
(1)ニタゾキサニド(NTZ)と同様に、化合物1、2、6、7、8、9及び化合物3、4、5、12、14、17、18は、マウスにおける経口投与後にイン・ビボで活性型のチゾキサニドへと変換され、その変換は比較的完全であった。
(2)マウスにおける経口投与後に、ニタゾキサニド置換ホスフェート化合物であるジベンジル2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート(化合物1)は、陽性対照薬剤ニタゾキサニドよりも短い血中のチゾキサニドのピーク到達時間(time to peak)(Tmax)を有し、ニタゾキサニドと同程度のCmaxを有し、ニタゾキサニドよりもわずかに高い濃度−時間曲線下面積(Area Under concentration−time Curve)(AUC)を有し、そしてニタゾキサニドよりも1.04倍高い(チゾキサニドとして計算された)生物学的利用能(F)を有した。他の2つのニタゾキサニド置換ホスフェート化合物であるジメチル2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート(化合物17)、及びジエチル2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート(化合物18)については、マウスにおける経口投与後に、それら化合物は陽性対照薬剤ニタゾキサニドよりも長い血中のチゾキサニドのTmaxを有し、ニタゾキサニドよりも明らかに高いCmax及びAUCを有し、そしてニタゾキサニドの12.8倍及び20.1倍である(チゾキサニドとして計算された)生物学的利用能(F)を有した。
(3)経口投与後に、ニタゾキサニド二水素ホスフェート(2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 二水素ホスフェート、化合物2)、並びに、一ナトリウム塩(化合物3)、二ナトリウム塩(化合物4)、カルシウム塩(化合物5)、及び一カリウム(化合物14)を含む、その塩は、陽性薬剤ニタゾキサニドよりも短い血中のチゾキサニドのピーク到達時間(Tmax)を有し、ニタゾキサニドよりも高いCmaxを有し、そしてニタゾキサニドと同程度の(チゾキサニドとして計算された)生物学的利用能(F)を有した。
(4)マウスにおける経口投与後に、メタンスルホネート(化合物6)、エタンスルホネート(化合物7)、チゾキサニドプロパンスルホネート(化合物8)、チゾキサニドブタンスルホネート(化合物9)及びタウレートヒドロクロリド(化合物12)を含む、チゾキサニドアルカンスルホネート化合物は、陽性薬剤ニタゾキサニドと比較して遅い血中のチゾキサニドのピーク到達時間(Tmax)を有し、陽性化合物ニタゾキサニドと比較して有意に増加したCmax値を有し(化合物6を除く)、そしてニタゾキサニドよりもはるかに高いイン・ビボでのチゾキサニドの平均滞留時間(Mean Retention Time)(MRT0-∞)及び濃度−時間曲線下面積(AUC)を有し、そしてニタゾキサニドの1.32倍、1.74倍、11.6倍、13.0倍及び39.6倍である(チゾキサニドとして計算された)生物学的利用能(F)を有し、かつ、いくつかの面でニタゾキサニドよりも優れていた。
実施例20:ラットにおけるニタゾキサニド及び化合物3の経口投与及び静脈内注射の薬物動態評価
Laboratory Animal Center of the Academy of Military Medical Sciencesより提供された、9匹のSDラット(SPFグレード、雄、200±10g)、を各グループにつき3匹のマウスをランダムにグループ分けした。
(1)化合物3の静脈内注射グループ:5mg/kgの用量(13.67μmol/kgのチゾキサニドの用量に相当);投与量:0.2mL/200gラット(試験溶液の調製:実施例3で調製した15.00mgの化合物3を正確に秤量し、100μLのDMSOを添加することによって溶解し、次いで滅菌水を加えて、5mg/mLの透明な溶液を調製した)、ラットの尾への化合物3の静脈内注射後に、投与後0.03、0.08、0.25、0.5、1、2、4、6、8、12、及び24時間で血液を採取した。血漿を分離し、さらなる検出のために−20℃の冷蔵庫で保存した。
(2)化合物3の経口投与グループ:15mg/kgの用量(41μmol/kgのチゾキサニドの用量に相当);投与量:2mL/200gラット(上記で調製した化合物3の溶液(5mg/mL)に、滅菌水を加えて、1.5mg/mLの透明な溶液を調製する);ラットにおける化合物3の経口投与後に(15mg/kgの用量)、投与後0.08、0.25、0.5、1、2、4、6、8、12及び24時間で血液を採取した。血漿を分離し、さらなる検出のために−20℃の冷蔵庫で保存した。
(3)ニタゾキサニドの経口投与グループ:12.5mg/kgの用量(41μmol/kgのチゾキサニドの用量に相当);投与量:2mL/200gラット(試験溶液の調製:10.96mgのニタゾキサニドを正確に秤量し、600μLのDMSOを加えることによって溶解し、そして8.768mLの滅菌水を加えて、1.25mg/mLの透明な溶液を調製した);ラットにおける12.5mg/kgでのニタゾキサニドの経口投与後に、投与前、及び投与後0.08、0.25、0.5、1、2、4、6、8、12及び24で、血液を採取した。血漿を分離し、さらなる検出のために−20℃の冷蔵庫で保存した。
血漿試料の処理:100μLの血漿を採取し、内部標準を含む300μLのアセトニトリル溶液(500nmol/Lのアセトニトリル中のトルブタミドの溶液)を加え、次いでよく混合する。混合物を1分間ボルテックスし、4℃で10分間遠心分離した(14000gの相対遠心力(RCF))。上清を採取し、チゾキサニド及びプロトタイプ薬剤の血中濃度を検出するために、20μLをLC/MS/MS分析用に採取した。結果を表5及び表6に示す。
ラットにおける化合物3の経口投与又は静脈内注射並びにニタゾキサニドの経口投与後の薬物動態評価結果を示す(表5、表6参照):
(1)ニタゾキサニドは懸濁液の形態での経口投与のみが可能であるが、化合物3は、溶解度>10mg/mLで、ニタゾキサニドよりもはるかに良好な溶解度を有し、溶液に調製して、経口的に又は静脈内若しくは筋肉内注射によって投与することができる。
(2)化合物3は、経口投与でも静脈内注射であってもその活性型のチゾキサニドへと速やかに変換され得る、そして、プロトタイプ薬剤の濃度はチゾキサニドよりも低い。
(3)化合物3の溶液(15mg/kg、41μmol/kgのチゾキサニドの用量に相当)及びニタゾキサニドの懸濁液(12.5mg/kg、41μmol/kgのチゾキサニドの用量に相当)の経口投与後に、化合物3は、活性生成物チゾキサニドについて3.05±1.86μg/mLのピーク血漿濃度、及び3433.1±718.9μg/L*hの濃度−時間曲線下面積(AUC)を有した。ニタゾキサニドは、活性生成物チゾキサニドについて0.989±0.23μg/mLのピーク血漿濃度、及び1996.9±974.1μg/L*hの濃度−時間曲線下面積(AUC)を有した。化合物3は、ニタゾキサニドのそれぞれ3.1倍及び1.7倍である、Cmax及びAUCを有した。静脈内注射と比較して、化合物3はラットにおける経口投与により12.2%の生物学的利用能を有する一方で、ニタゾキサニドは7.2%の生物学的利用能を有することが、計算により決定され得る。
(4)化合物3の溶液の静脈内注射(5mg/kg)後に、Cmax値は血中のチゾキサニドについて23.32μg/mLであり、そしてチゾキサニドとして計算された濃度−時間曲線下面積[AUC(0−∞)]は9204.1μg/L*hであった。一方で3倍モル用量でのニタゾキサニドの経口投与(12.5mg/kg)後に、血中のチゾキサニドについてのCmax値は0.989μg/mLであり、濃度−時間曲線下面積[AUC(0-∞)]は1996.9μg/L*hであった。化合物3の静脈内注射とニタゾキサニドの経口投与との比較で、前者は2つのパラメータ、すなわち、Cmax及びチゾキサニドとして計算された濃度−時間曲線下面積AUC(0−∞)に関して有意に優れていた。
結論:本発明で合成されたチゾキサニドアルカンスルホネート化合物(例えば化合物6、7、8、9及び12)並びにニタゾキサニド置換ホスフェート化合物(例えば化合物17、18)の経口投与後に、血中のチゾキサニドのCmaxは有意に増加し、そしてチゾキサニドとして計算された生物学的利用能(F)はニタゾキサニドよりもはるかに高かった。本発明で合成されたチゾキサニド二水素ホスフェート化合物(例えば化合物2)及びその塩(例えば化合物3、4、5、14)は、生物学的利用能(F)に関してはニタゾキサニドと同様であったが、溶解度に関してはニタゾキサニドよりもはるかに良好であり、それゆえ、経口的に投与するだけでなく静脈内に注射することもできる。静脈内投与されたチゾキサニド二水素ホスフェート一ナトリウム塩(化合物3)は、血中濃度及び生物学的利用能などのパラメータに関して、経口投与されたニタゾキサニドよりもはるかに良好であったことが、試験によって判明した。

Claims (12)

  1. 式I:
    (式中、
    X=P又はSであり、
    X=Pである場合、
    は単結合を表し、R1及びR2はそれぞれ独立してヒドロキシル又はC1~6アルコキシであり、当該C1~6アルコキシは、アリール、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル及びハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)からなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよく、当該アリールは、アリール、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル及びハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)からなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよい;あるいは
    X=Sである場合、
    は二重結合を表し、R1はOであり、R2はC1~6アルキル又はアリールであり、当該C1~6アルキル又はアリールは、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)及びtert−ブトキシカルボニルアミノからなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよい)
    の化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
  2. X=Pである場合、
    は単結合を表し、R1及びR2はそれぞれ独立してヒドロキシル又はC1~4アルコキシであり、当該C1~4アルコキシは、フェニル、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル及びハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)からなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよく、当該フェニルは、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル及びハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)からなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよい;あるいは
    X=Sである場合、
    は二重結合を表し、R1はOであり、R2はC1~4アルキル又はフェニルであり、当該C1~4アルキル又はフェニルは、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)及びtert−ブトキシカルボニルアミノからなる群から独立して選択された1〜2個の置換基によって場合により置換されていてもよい、
    請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
  3. X=Pである場合、
    は単結合を表し、R1及びR2はそれぞれ、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ベンジルオキシ、フェニルエトキシ、1−フェニルプロポキシ、1−フェニルブトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメチル、アミノメトキシ、アミノエトキシ、ヒドロキシルメトキシ(hydroxylmethoxy)、ヒドロキシルエトキシ(hydroxylethoxy)、ニトロメトキシ及びニトロエトキシ、からなる群から独立して選択される;あるいは
    X=Sである場合、
    は二重結合を表し、R1はOであり、かつR2は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、p−メチルフェニル、m−メチルフェニル、o−メチルフェニル、アミノメチル、アミノエチル、ヒドロキシルメチル(hydroxylmethyl)、ヒドロキシルメチル、ニトロメチル、ニトロエチル、tert−ブトキシカルボニルアミノメチル及びtert−ブトキシカルボニルアミノエチル、からなる群から選択される、
    請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
  4. X=Pである場合、
    は単結合を表し、R1及びR2はそれぞれ、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ及びベンジルオキシからなる群から独立して選択される;あるいは、X=Sである場合、
    は二重結合を表し、R1はOであり、かつR2は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、p−メチルフェニル及びアミノエチルからなる群から選択される;
    好ましくは、X=Pである場合、
    は単結合を表し、R1及びR2はそれぞれ、ヒドロキシル、メトキシ及びエトキシからなる群から独立して選択される;あるいは、X=Sである場合、
    は二重結合を表し、R1はOであり、かつR2は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル及びアミノエチルからなる群から選択される;
    好ましくは、X=Pである場合、
    は単結合を表し、R1及びR2は、ヒドロキシル、メトキシ及びエトキシからなる群から選択される同一の置換基である;あるいは、X=Sである場合、
    は二重結合を表し、R1はOであり、かつR2は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル及びアミノエチルからなる群から選択される;
    好ましくは、X=Pであり、
    は単結合を表し、R1及びR2は、ヒドロキシル、メトキシ及びエトキシからなる群から選択される同一の置換基である;
    好ましくは、X=Sであり、
    は二重結合を表し、R1はOであり、かつR2は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル及びアミノエチルからなる群から選択される、
    請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
  5. X=Pである場合、前記塩が式Iの化合物及び塩基によって形成される付加塩、例えば一ナトリウム塩、二ナトリウム塩、カルシウム塩、一カリウム塩、二カリウム塩、又はメグルミン塩である;あるいは
    X=Sである場合、前記塩が式Iの化合物及び酸によって形成される付加塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、又は硝酸塩である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
  6. 以下:
    化合物1:ジベンジル2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート;
    化合物2:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 二水素ホスフェート;
    化合物3:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 水素ホスフェート一ナトリウム塩;
    化合物4:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート二ナトリウム塩;
    化合物5:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェートカルシウム塩;
    化合物6:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル メタンスルホネート;
    化合物7:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル エタンスルホネート;
    化合物8:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 1−プロパンスルホネート;
    化合物9:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 1−ブタンスルホネート;
    化合物10:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル p−トルエンスルホネート;
    化合物11:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル N−BOC−タウレート;
    化合物12:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル タウレートヒドロクロリド;
    化合物13:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル タウレート
    化合物14:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 水素ホスフェート一カリウム塩;
    化合物15:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート二カリウム塩;
    化合物16:2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル 水素ホスフェートメグルミン塩;
    化合物17:ジメチル 2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート;及び
    化合物18:ジエチル 2−(5−ニトロチアゾール−2−イル−カルバモイル)フェニル ホスフェート、
    からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物を含有する、医薬組成物であって、
    好ましくは、当該医薬組成物は、薬学的に許容される担体又は賦形剤をさらに含有し;特に、当該医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、噴霧剤、液体製剤、又は複合製剤(compound preparation)の形態である。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物の調製方法であって、
    X=Pである場合、当該方法は以下のステップを含む:非プロトン性溶媒(例えばジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、又はアセトニトリル)中で、四塩化炭素及び有機塩基(例えばトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下で、触媒としてジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いて、チゾキサニドを式IIのホスファイトと反応させて、式Iの化合物を得る、そして場合により、式Iの化合物を塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、又はメグルミン)と反応させて、付加塩を形成する;あるいは
    X=Sである場合、当該方法は以下のステップを含む:チゾキサニドを、非プロトン性溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又はテトラヒドロフラン)中に、有機塩基(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU))、あるいは酸受容体としての無機塩基(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、または重炭酸ナトリウム)とともに、溶解又は懸濁させ、式IIIのR2−置換スルホニルクロリドと反応させて、式Iの化合物を得る、そして場合により、式Iの化合物を酸(例えば塩酸、硫酸、酢酸、又は硝酸)と反応させて、付加塩を形成する。
    (式中、前記R1及びR2、並びに
    は、請求項1で定義したものと同じ意味を有する)
  9. 寄生生物(原生動物、蠕虫などを含む)による感染、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、インフルエンザ、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性感染症(例えば、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性胃腸炎)、あるいは細菌、例えばクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)又は結核菌(Tubercle bacillus)(薬剤耐性結核菌を含む)又はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)によって引き起こされる感染を、治療し及び/又は予防するための薬剤の製造における、あるいは、細菌によって引き起こされるバイオフィルム形成を阻害するための薬剤の製造における、請求項7に記載の医薬組成物あるいは、請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物の使用。
  10. 疾患の治療及び/又は予防を必要とする哺乳動物において当該疾患を治療し及び/又は予防するための方法、あるいは、細菌によって引き起こされるバイオフィルム形成の阻害を必要とする哺乳動物において当該バイオフィルム形成を阻害するための方法であって、
    請求項7に記載の医薬組成物あるいは、請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物若しくは溶媒和物の、治療上及び/又は予防上有効量を、それを必要とする哺乳動物に、投与することを含み、
    ここで、当該疾患が、寄生生物(原生動物、蠕虫などを含む)による感染、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、インフルエンザ、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性感染症(例えば、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性胃腸炎)、あるいは細菌、例えばクロストリジウム・ディフィシル又は結核菌(薬剤耐性結核菌を含む)又はヘリコバクター・ピロリによって引き起こされる感染を含む、方法。
  11. 寄生生物(原生動物、蠕虫などを含む)による感染、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、インフルエンザ、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性感染症(例えば、ロタウイルス又はノロウイルスによって引き起こされるウイルス性胃腸炎)、あるいは細菌、例えばクロストリジウム・ディフィシル又は結核菌(薬剤耐性結核菌を含む)又はヘリコバクター・ピロリによって引き起こされる感染の治療及び/又は予防における使用のための、あるいは、細菌によって引き起こされるバイオフィルム形成の阻害における使用のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
  12. 前記寄生生物が、ジアルジア(Giardia)、アメーバ(Amoeba)、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)、サイクロスポーラ(Cyclospora)、トリコモナド(Trichomonad)、エンセファリトゾーン・インテスティナリス(Encephalitozoon intestinalis)、戦争イソスポラ(Isospora belli)、ブラストシスチス・ホミニス(Blastocystis hominis)、大腸バランチジウム(Balantidium coli)、回虫(Ascaris lumbricoides)、エンテロシトゾーン・ビエヌーシ(Enterocytozoon bieneusi)、条虫(Tapeworm)(無鉤条虫(Taenia saginata)、小形条虫(ymenolepis nana)を含む)、ディプラカントゥス・ナナス(Diplacanthus nanus)、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、リーシュマニア(Leishmania)、又は肝蛭(Fasciola hepatica)などを含む、請求項9に記載の使用、請求項10に記載の方法、あるいは請求項11に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、異性体、水和物若しくは溶媒和物。
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