JP2018500920A - ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターおよびその利用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウトのための自殺ベクター、その構築方法、および、それのビブリオ遺伝子ノックアウトでの利用を提供する。当該自殺ベクターpLP12は、環状ベクターであり、PBADプロモーター、抑制タンパク遺伝子araC、RP4伝達開始部位、クロロマイセチン耐性遺伝子、R6K複製開始部位、マルチクローニング部位領域および致死遺伝子vmi480を含む。マルチクローニング部位領域は、少なくとも2つのAhdI酵素切断部位を含む。当該自殺ベクターpLP12は、AhdI酵素切断を介した後、線形化された自殺ベクターpLP12Tを形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、微生物遺伝子操作分野に属し、具体的に、ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターおよびその利用に関する。
ビブリオは、海洋環境において最もよく見られる従属栄養細菌である。人間の病気を引き起こすビブリオは、少なくとも12種類ある。その中、コレラビブリオ、ビブリオ・バルニフィカス、腸炎ビブリオは、人間の健康に対して最も深刻な被害をもたらす。また、多くの種類のビブリオは、水産経済動物の病原体でもあり、それによるビブリオ病は、水産養殖に大量の経済損失を招いてしまう。科学者は、コレラビブリオおよび腸炎ビブリオの幾つかの肝心な病原性遺伝子をずっと前から発見していたが、腸内細菌科の病原性菌よりも、ビブリオの病原性機構に対する認知が依然として相当遅れている。円熟且つ便利な遺伝子操作技術が不足していることは、ビブリオ分子の病原性機構に対する研究の主な障害となる。
細菌recBCDの相同組み換え系(homologous recombination system)に基づく遺伝子ノックアウト技術は、現在複数種の細菌において実施可能な技術である。このような技術において、まず、目的遺伝子のフレーム内欠損結合断片がクロスオーバーPCR増幅により取得され、PCR産物と自殺ベクターとが同じ酵素を用いて酵素切断・精製を行った後で再連結され、大腸菌を形質転換して、外因性断片(exogenous fragment)をもつ自殺プラスミド(ベクター)を取得し、当該自殺プラスミドをさらにドナー菌接合を介して受容体標的細菌に導入する。当該プラスミドは、自身の制限により標的細菌において複製できない。正方向での選択圧(通常、プラスミドでの耐性遺伝子)において、相同組み換えによりゲノムが自殺プラスミドを統合した標的細菌のみが生き残れて挿入突然変異を形成する。逆方向での選択圧において、挿入突然変異細胞に2回目の相同組み換えが発生し、統合態の自殺プラスミドが染色体から離脱して、理論的に1つの野生型細胞および1つの遺伝子欠損突然変異細胞を形成することで、標的遺伝子のノックアウトを実現する。これから分かるように、自殺ベクターは、細菌recBCDの相同組み換え系に基づく遺伝子ノックアウト技術のコア要素である。
現在、細菌recBCDの相同組み換え系に基づく遺伝子ノックアウト技術がビブリオに利用されることは、まだ非常に珍しく、偶然に成功する事例の報告のみが多少出て来ている。大腸菌等の細菌の相同組み換えの利用に成功できる遺伝子ノックアウト技術は、ビブリオ遺伝子ノックアウトに明らかな欠陥が存在する。当該欠陥は、下記の(1)〜(5)を含む。(1)汎用性に欠けており、ある1つのビブリオにおける遺伝子欠如のみに限定される。(2)sacBが自殺ベクターの致死遺伝子として広く用いられるが、sacBによる致死効果がビブリオにおいて非常に弱いため、逆方向での選択プレートにおける正しい欠損突然変異クローンが出現する割合も非常に低くなり、欠損突然変異についての選別工数が大量に現れてしまう。(3)目的断片クロスオーバーPCR産物および自殺プラスミドに対してダブル酵素切断(ダブル酵素消化)を行う必要があり、時間および手間がかかる。(4)自殺プラスミド自身が大きくてmobIの可動性の遺伝子を持つため、プラスミド接合伝達の効率が低くなるとともに、非特異性統合を引き起こす可能性もある。(5)受容体菌がドナー菌および自殺ベクターとは異なる耐性マークを有さなければならないため、常用の技術の利用が制限される。したがって、従来の自殺ベクターは、ビブリオ遺伝子ノックアウトに用いられる場合に、明らかな限界性を表すため、新たな汎用型自殺ベクターを開発して上記欠陥を解消することで細菌recBCDの相同組み換え系に基づく遺伝子ノックアウト技術のビブリオでの幅広い利用を実現させる要望に迫られている。
本発明の目的は、従来技術の不足を解消し、ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tを提供することにある。
本発明の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12は、環状ベクターであり、PBADプロモーター、抑制タンパク遺伝子araC、RP4伝達開始部位(oriTRP4)、クロロマイセチン耐性遺伝子(cat)、R6K複製開始部位(oriVR6Kγ)、マルチクローニング部位領域(MCS)および致死遺伝子vmi480を含む。前記マルチクローニング部位領域(MCS)は、少なくとも2つのAhdI酵素切断部位を含む。前記致死遺伝子vmi480のヌクレオチド配列は、配列番号1の第21位−第617位の塩基配列に示される。前記致死遺伝子vmi480は、PBADプロモーターの下流に位置し、PBADプロモーターに制御される。
好ましくは、前記遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12のヌクレオチド配列は、配列番号1に示すように、3871bpの塩基を含む。
本発明は、さらに、遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tを提供する。それは、線形ベクターであり、上記遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12についてAhdIを用いてマルチクローニング部位領域における2つのAhdI酵素切断部位に対して酵素切断を行った線形ベクターが、遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tである。
好ましくは、前記遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tのヌクレオチド配列は、配列番号2に示すように、3848bpの塩基を含む。
前記PBADプロモーター系(PBADプロモーターおよび抑制タンパク遺伝子araCを含む)は、厳密に表現型を制御可能なプロモーター系に属する。ブドウ糖は、下流の致死遺伝子vmi480の発現を完全に閉鎖することができる。アラブ糖の誘導のもとで、vmi480発現が活性化される。アラブ糖の誘導濃度の相違により、vmi480の発現量も調整可能である。oriTRP4がATに富んだ配列であり、ドナー菌で提供された伝達メカニズムの作用のもとで、自殺プラスミドは、その部位から一本鎖伝達を形成する。クロロマイセチン耐性遺伝子は、1回目の統合プラスミド選別の耐性マークを提供する。oriVR6Kγは、プラスミドが自己複製を行う開始部位である。PBADプロモーター系の制御の下で、vmi480の発現を活性化してもよいし、発現を抑制してもよい。逆方向での選別を行う際、アラブ糖の誘導で、vmi480は、Vmi480の発現を活性化させ、猛烈な毒性を有する。2回目の相同組み換えの発生によりプラスミドを欠損した細胞のみが生き残れる。2回目の組み換えの結果、元の細胞が分裂して1つの野生型細胞と1つの遺伝子欠損型細胞を生成する。よって、遺伝子ノックアウトが実現される。マルチクローニング部位領域(MCS)は、プラスミドに対して酵素切断を行って、同様に酵素切断されたPCR産物に連結可能な自殺ベクターを簡便に生成できる。MCSは、2つのAhdI酵素切断部位を含む。AhdI酵素切断を行った後、線形の自殺型Tベクターを生成できる。このような場合、PCR産物に対して酵素切断を行う必要がなく、精製(purify)後当該ベクターに連結される。
本発明は、遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tの遺伝子ノックアウトでの利用をさらに提供する。
好ましくは、前記利用は、前記遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tのビブリオ遺伝子ノックアウトでの利用である。
さらに好ましくは、目的遺伝子のフレーム内欠損結合断片を遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tに連結して、目的遺伝子のフレーム内欠損結合断片を含むpLP12Tを取得してpLP12T−Xと命名し、pLP12T−Xが形質転換を介してドナー菌に入ってから、そのドナー菌を受容体菌に混合して、接合作用によりpLP12T−Xを伝達させて受容体菌に入れて、クロロマイセチン選択を介して、pLP12T−Xが受容体菌のゲノム標的部位に統合された細胞のみが生き残れる。pLP12T−Xが受容体菌のゲノム標的部位に統合した目的遺伝子挿入突然変異型菌株を取得し、それから、当該目的遺伝子挿入突然変異型菌株は、アラブ糖でのvmi480遺伝子の誘導で生成された毒素Vmi480の逆方向での選択圧によって、2回目の相同組み換えの発生により自殺ベクター部分を欠如した細胞のみが生き残れる。2回目の組み換えの後、元の目的遺伝子挿入突然変異型菌株は、1つの遺伝子欠損細胞および1つの正常の野生型細胞を生成することができる。よって、逆方向での選択プレートで成長したクローンは、主に目的遺伝子欠損クローンおよび正常の野生型細胞クローンである。選別、例えば、PCR検出により、目的遺伝子を欠損したクローンを取得できる。これにより、目的遺伝子をノックアウトする目的を最終的に達成し、目的遺伝子を欠損した菌株を取得する。
前記受容体菌は、ビブリオである。
前記ドナー菌は、欠損型大腸菌β2163である。欠損型大腸菌β2163がドナー菌として用いられる際、受容体菌が抗生物質耐性を有するか否かを考慮する必要がないため、接合による遺伝子ノックアウト方法の利用が大きく簡便になる。
既存の自殺ベクターおよび使用方法よりも、本発明は、下記の有利な作用効果を有する。
(1)本発明の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターは、常用のsacB遺伝子の代わりに、斬新な逆方向での選択遺伝子vmi480を用いる。vmi480は、致死作用が強く、致死対象が広く、致死効果の発揮がNaClに影響されないメリットがある。それは、本発明の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターが好塩ビブリオ遺伝子のノックアウトに広く利用されることの基礎となるものである。
(2)本発明の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターのマルチクローニング部位は、2つのAhdI部位を導入している。酵素切断後、Tベクターを形成してもよい。ベクターが1度形成された後、繰り返し使用される。PCR産物についての酵素切断を必要としないとともに、酵素切断部位を考慮する必要もないため、時間が大きく節約される。
(3)本発明の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターは一般的な自殺プラスミドにおける大量の冗長部分を要さないため、自殺ベクターが小さくなり、接合伝達の頻度および正しい統合の確率の向上に寄与する。
(4)PBADプロモーターおよび致死遺伝子の効率性に基づいて、逆方向での選択プレートにおける欠損突然変異クローンの比率が大きく向上し、クローンを選別する工数が大分減少する。
ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12の物理的地図であり、AhdI酵素切断が採用された後、自殺ベクターpLP12Tを形成することができる。 ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tの構築のフローチャートである。 ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターを用いる4種の異なるビブリオの総計6つの遺伝子ノックアウト検出結果を示す。M:分子量Marker;1−3:それぞれビブリオ−アルギノリチカスE0601のvah遺伝子野生株、挿入突然変異株、欠損突然変異株の検出結果に対応;4−6:それぞれコレラビブリオHN375のdegS遺伝子野生株、挿入突然変異株、欠損突然変異株の検出結果に対応;7−9:それぞれコレラビブリオHN375のvasC遺伝子野生株、挿入突然変異株、欠損突然変異株の検出結果に対応;10−12:それぞれ腸炎ビブリオE0680のpilO遺伝子野生株、挿入突然変異株、欠損突然変異株の検出結果に対応;13−15:それぞれ腸炎ビブリオE06135のascS遺伝子野生株、挿入突然変異株、欠損突然変異株の検出結果に対応;16−18:それぞれビブリオ・バルニフィカスATCC 27562のimpB遺伝子野生株、挿入突然変異株、欠損突然変異株の検出結果に対応;N:水をテンプレートとする陰性照合検出結果を表す。
以下では、具体的な実施例に合わせて、本発明をさらに記述する。本発明のメリットおよび特徴は、その記述により一層明瞭になる。これらの実施例は、単なる例示であり、本発明の範囲について如何なる制限も構成しない。当業者であれば分かるように、本発明の要旨および範囲を逸脱しない限り、本発明の解決手段の詳細および形態を補正や置換してもよいが、これらの補正および置換は、いずれも本発明の保護範囲内に収まる。
以下の実施例1は、ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tの構築であり、実施例2−7は、自殺ベクターpLP12Tの代表的なビブリオ遺伝子ノックアウトでの利用である。ビブリオ−アルギノリチカスは、海洋および川の口の環境に広く分布し、分離ビブリオで最もよく見られる種類であるとともに、複数種の水産養殖動物の条件病原性菌である。それによるビブリオ病の爆発は、巨大な経済損失を引き起こす。コレラビブリオ、ビブリオ・バルニフィカス、腸炎ビブリオは、人間の健康に対して最も深刻な被害をもたらすビブリオの種類である。また、これらの4種のビブリオは、互いに大きな遺伝差異を有する。したがって、これらの4種のビブリオを典型的な代表として選択し、ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tのビブリオ遺伝子ノックアウトでの汎用性を検証する。
本実施例におけるあらゆるPCR増幅プライマーは、表1に示される。
表1 本発明で用いられるプライマー
Figure 2018500920

Figure 2018500920

Figure 2018500920

アンダーライン部分は、酵素切断部位である。
実施例1 ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tの構築(流れは、図2に示される)
(1)プラスミドpSW23T(Vincent Burrusによって提供、文献Demarre G,et al.Research in Microbiology,2005,156:245−255を参照)をテンプレートとして、プライマーpSW23T−F/pSW23T−Rを用いてPCR増幅を行う。ポリメラーゼは、TaKaRa社の高性能のDNAポリメラーゼPrimeSTAR(特別な説明がなければ、本発明で用いられるポリメラーゼは、何れもその酵素である)である。PCR増幅条件は、酵素の説明書を参照した。PCR産物が取得され、当該PCR産物は、oriVR6Kγ、oriTRP4、cat、MCS部位の断片を含む。
(2)pSW25T−ccdB(Vincent Burrusによって提供、http://openwetware.org/wiki/Mazel/PSW25T−ccdB.docxを参照)をテンプレートとして、プライマーpSW25T−F/pSW25T−Rを用いてPCR増幅を行う。PCR産物が取得され、当該PCR産物は、PTACプロモーター、ccdBおよび1つのAhdI酵素切断部位断片を含む。
(3)上記ステップ(1)と(2)の2種のPCR産物のそれぞれに対してEcoRI/SphIダブル酵素切断を行い、酵素切断産物をさらにPCR産物精製試薬箱(Axygen)を用いて精製する。
(4)2つの精製産物をT4 DNA連結酵素(TaKaRa)で連結し、連結産物(プラスミドpLP10)で、大腸菌DH5α λpir細胞を形質転換して、LBプレート(20μg/mlクロロマイセチンを含む)に塗布する。プライマーpLP10L−TF1/pLP10L−TR1およびpLP10L−TF2/pLP10L−TR2により、プレートでのクローンをPCR選別する。正しい陽性クローンPCR産物の長さは、それぞれ1065bp、537bpである。PCR断片についてさらにシークエンシング検証を行い、正しいクローンを共同して特定する。当該正しいクローンは、連結産物−プラスミドpLP10を含む。正しいクローンを拡大培養し、プラスミドpLP10を抽出する。プラスミドpLP10のマルチクローニング部位AhdI−EcoRI−SacI−AhdI−NheIは、それぞれプライマーpSW23T−FおよびpSW25T−Fの5’端に酵素切断部位を導入することで形成される。
(5)プラスミドpLP10をテンプレートとして、プライマーpLP10−F/pLP10−Rを用いて逆方向PCR増幅を行って断片pLP10−1を取得することで、pLP10における完全なccdB遺伝子を除去する。大腸菌LP79(構築方法は、発明者の文章、Carraro N,Matteau D,Luo P,et al.PLOS Genetics,2014,10(10):e1004714を参照)ゲノムをテンプレートとして、vmi480−F/vmi480−Rを用いてPCR増幅を行って完全なvmi480遺伝子断片を取得する。そのヌクレオチド配列は、配列番号1の第21位−第617位の塩基配列に示される。大腸菌LP79は、事前に接合伝達により擬態ビブリオVM573からの遺伝子島MGIVmi1を取得しておく。当該遺伝子島は、vmi480致死遺伝子を含有する。
(6)PCR断片pLP10−1とvmi480遺伝子断片は、それぞれNdeI/XhoIダブル酵素切断を行って精製した後、T4 DNA連結酵素(リガーゼ)により連結され、連結産物(プラスミドpLP11)で、大腸菌DH5α λpir細胞を形質転換して、LBプレート(20μg/mlクロロマイセチン、0.3%D−ブドウ糖を含む)に塗布する。pLP11L−TF/pLP11L−TRプライマーにより、プレートでのクローンに対してPCR選別を行う。正しいクローン陽性PCR産物の長さは、515bpである。PCR断片に対してさらにシークエンシング検証を行い、共同して正しいクローンを特定する。当該正しいクローンは、連結産物−プラスミドpLP11を含有する。正しいクローンを拡大培養して、プラスミドpLP11を抽出する。
(7)プラスミドpLP11をテンプレートとして、プライマーpLP11−F/pLP11−Rを用いて逆方向PCR増幅を行って断片pLP11−1を取得することで、pLP11の完全なPTACプロモーター系を除去する。pBAD30プラスミド(普如汀生物、NTCC 1809)をテンプレートとして、プライマーpBAD30−PF/pBAD30−PRを用いて増幅し、pBAD30プラスミドにおけるPBADプロモーター部分を取得して、増幅断片pBAD30−1と命名する。増幅断片pBAD30−1の両端は、pLP11−1の両端と同じ配列をそれぞれ含有する。シームレスクローン試薬箱(Vazyme)を用いてpLP11−1およびpBAD30−1に対して体外組み換えを行い、組み換え産物(プラスミドpLP12)で、大腸菌DH5α λpir細胞を形質転換して、LBプレート(20μg/mlクロロマイセチン、0.3%D−ブドウ糖を含む)に塗布する。pLP12L−TF/pLP12L−TRプライマーにより、プレートでのクローンに対してPCR選別を行う。正しい陽性クローンPCR産物の長さは、1104bpである。PCR断片についてさらにシークエンシング検証を行い、共同して正しいクローンを特定する。当該正しいクローンは、組み換え産物−プラスミドpLP12を含有する。正しいクローンを拡大培養し、プラスミドpLP12、即ち、ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12を抽出する。そのヌクレオチド配列は、配列番号1に示される。具体的な構造は、図1に示される。
(8)ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12をテンプレートとしてPCR増幅を行い、プライマーSTVU−F/STVU−Rで増幅する。増幅産物についてPCR産物精製試薬箱の精製を介した後にAhdI酵素切断を行い、酵素切断の後にDNA濃縮試薬箱を用いて精製(中鼎)を行って、線形化されたビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12T(そのヌクレオチド配列は、配列番号2に示される)を取得する。pLP12T二本鎖の3’端のそれぞれに、突起する塩基Tが1つあるため、通常のDNAポリメラーゼ増幅によって生成されたPCR産物と直接連結可能である。両者とも酵素切断を行う必要がない。
実施例2 pLP12Tを用いたビブリオ−アルギノリチカス溶血素遺伝子(vah)のノックアウト
(1)クロスオーバーPCR方式による増幅を介してビブリオ−アルギノリチカスE0601のvah遺伝子フレーム内欠損結合断片を取得する。第1サイクルのPCRプライマーペアは、それぞれvah−MF1/vah−MR1、vah−MF2/vah−MR2であり、テンプレートは、ビブリオ−アルギノリチカスE0601ゲノムDNAである。第1サイクルでは、PCR産物vah1、vah2がそれぞれ産出される。vah1、vah2は、PCR産物精製試薬箱(Axygen)での精製を介した後、等体積混合して第2サイクルのPCRのテンプレートとする。第2サイクルのPCRは、プライマーvah−MF1/vah−MR2を使用し、通常のTaq DNAポリメラーゼ(TaKaRa)を用いて、PCR増幅条件は当該酵素の説明書を参照することにより、第2サイクルのPCR産物を取得する。
(2)第2サイクルのPCR産物は、精製された後、T4 DNA連結酵素を用いて、上記ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tに直接連結される。連結産物(プラスミドpLP12−vah)で、直接大腸菌DH5α λpir細胞を形質転換して、LBプレート(20μg/mlクロロマイセチン、0.3%D−ブドウ糖を含む)に塗布する。vah−MF1/vah−MR2プライマーにより、プレートでのクローンに対してPCR選別を行う。正しいクローンは、長さ660bpの増幅ストリップを生成する。PCR断片についてさらにシークエンシング検証を行い、共同して正しいクローンを特定する。当該正しいクローンは、連結産物−プラスミドpLP12−vahを含有する。正しいクローンを拡大培養し、プラスミドpLP12−vahを抽出する。
(3)pLP12−vahで、大腸菌β2163細胞(従来技術における菌株、構築方法はDemarre G,et al.A new family of mobilizable suicide plasmids based on broad host range R388 plasmid(IncW)and RP4 plasmid(IncP alpha)conjugative machineries and their cognate Escherichia coli host strains.Research in Microbiology,2005,156:245−255を参照)を電気的に形質転換する。電気的な形質転換の条件は、電圧1800V、感電時間5msである。感電後、細胞を37℃で1hr回復培養して、LBプレート(20μg/mlクロロマイセチン、0.3%D−ブドウ糖を含む)に塗布する。一晩培養(overnight culture)して、任意のクローンを選択し、精製および保存することで、自殺プラスミドpLP12−vahを含むドナー菌−大腸菌β2163(pLP12−vah)を取得する。
(4)大腸菌β2163(pLP12−vah)および受容体菌ビブリオ−アルギノリチカスE0601を一晩培養する。100μLのドナー菌を取って100μLの受容体菌に混合して、8000gで2min遠心処理して上清液を捨て、400μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再び8000gで2min遠心処理して丁寧に上清液を捨てる。10μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再懸濁液を全部吸入してLB寒天プレート上に滴下する。スーパークリーンベンチで空気乾燥させた後、37℃で6hr転置培養する。
(5)1mlの新鮮なLB培地を上記培養物に十分に吹き付け懸濁し、100μLを取ってLB寒天プレート(0.3%D−ブドウ糖、10μg/mlクロロマイセチンを含む)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、1回目の相同組み換えが発生して染色体に自殺プラスミドpLP12−vahが統合された挿入突然変異ビブリオ−アルギノリチカス細胞のみが成長できる。クローンをランダムに選択してPCR鑑定を行い、PCRプライマーとしてvah−MF1/vah−MR2を用いると、正しいクローンは1218bpおよび660bpの2つのストリップ(図3でのレーン2)を発生する。このようにして、vah挿入突然変異株を取得する。
(6)vah挿入突然変異株は、LB(0.3%D−ブドウ糖)で3時間培養された後、勾配希釈され、それぞれを100μL取ってLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレート上で、2回目の相同組み換えが発生して染色体に統合態の自殺プラスミドpLP12−vahを欠損した細胞のみが生き残れる。細菌細胞は、2回目の組み換えをした後、1つのvah遺伝子欠損の細胞と野生型vah遺伝子を含む1つの細胞とを生成する。
(7)vah−MF1/vah−MR2プライマーによりLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)でのクローンに対してPCR検出を行うと、正しいvah遺伝子欠損クローンは、660bpのストリップ(図3でのレーン3)を生成し、2回目の組み換えにより形成された野生型クローンは、1218bpのストリップ(図3でのレーン1)を生成する。正しいvah遺伝子欠損クローンについてPCR産物シークエンシング検証を経て、vah遺伝子欠損株を取得することにより、ビブリオ−アルギノリチカスvahの遺伝子ノックアウトを完成させる。本実施例では、逆方向での選択プレート(10−1希釈)でランダムに選択された16個のクローンのうちの12個が正しいvah遺伝子欠損クローンである。
実施例3 pLP12Tを用いたコレラビブリオペリプラズムセリンペプチダーゼ(degS)のノックアウト
(1)クロスオーバーPCR増幅によりコレラビブリオHN375のdegS遺伝子フレーム内欠損結合断片を取得する。第1サイクルのPCRプライマーペアは、それぞれdegs−MF1/degs−MR1、degs−MF2/degs−MR2であり、テンプレートはコレラビブリオHN375ゲノムDNAである。2つのPCR産物は、等体積混合された後に精製され、第2サイクルのPCRのテンプレートとする。第2サイクルのPCRは、プライマーとしてdegs−MF1/degs−MR2を使用し、通常のTaq DNAポリメラーゼを用いて第2サイクルのPCR産物を取得する。
(2)上記第2サイクルのPCR産物を、自殺ベクターpLP12Tに直接連結させる。連結産物(プラスミドpLP12−degS)で、大腸菌DH5α λpir細胞を形質転換して、LBプレート(20μg/mlクロロマイセチン、0.3%D−ブドウ糖を含む)に塗布する。degs−MF1/degs−MR2プライマーによりプレートでのクローンに対してPCR選別を行うと、正しいクローンは、長さ926bpの増幅ストリップを生成する。PCR断片についてさらにシークエンシング検証を行い、共同して正しいクローンを特定する。当該正しいクローンは、連結産物−プラスミドpLP12−degSを含有する。正しいクローンを拡大培養し、プラスミドpLP12−degSを抽出する。
(3)pLP12−degSで、大腸菌β2163細胞を電気的に形質転換する。電気的な形質転換の条件および感電後の細胞培養条件は、実施例2と同様である。任意のクローンを選択、精製および保存することで、自殺プラスミドpLP12−degSを含むドナー菌−大腸菌β2163(pLP12−degS)を取得する。
(4)大腸菌β2163(pLP12−degS)および受容体菌コレラビブリオHN375を一晩培養する。100μLのドナー菌を取って100μLの受容体菌に混合して、8000gで3min遠心処理して上清液を捨て、500μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再び8000gで2min遠心処理して上清液を丁寧に捨てる。10μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再懸濁液を全部吸入してLB寒天プレート上に滴下する。スーパークリーンベンチで空気乾燥させた後、37℃で7hr転置培養する。
(5)1mlの新鮮なLB培地を上記培養物に十分に吹き付け懸濁し、100μLを取ってLB寒天プレート(10μg/mlクロロマイセチン、0.3%D−ブドウ糖を含む)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、1回目の相同組み換えが発生して染色体に自殺プラスミドpLP12−degSが統合された挿入突然変異コレラビブリオ細胞のみが成長できる。クローンをランダムに選択してPCR鑑定を行い、PCRプライマーとしてdegS−MF1/degS−MR2を用いると、正しいクローンは1496bpと926bpの2つのストリップ(図3でのレーン5)を生成する。このようにして、degS挿入突然変異株を取得する。
(6)degS挿入突然変異株は、LB(0.3%D−ブドウ糖)で3時間培養された後、勾配希釈され、それぞれを100μL取ってLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、2回目の相同組み換えが発生して染色体に統合態の自殺プラスミドpLP12−degSを欠損した細胞のみが生き残れる。細菌細胞に2回目の組み換えが発生した後、degS遺伝子を欠損した1つの細胞と野生型degS遺伝子を含む1つの細胞が生成される。
(7)degS−MF1/degS−MR2プライマーによりLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)でのクローンに対してPCR検出を行うと、正しいdegS遺伝子欠損クローンは、926bpのストリップ(図3でのレーン6)を生成し、2回目の組み換えにより形成された野生型クローンは、1496bpのストリップ(図3でのレーン4)を生成する。正しいdegS遺伝子欠損クローンについてさらにPCR産物シークエンシング検証を経ると、degS遺伝子欠損株が取得され、コレラビブリオdegS遺伝子ノックアウトを完成させる。本実施例では、逆方向での選択プレート(10−1希釈)でランダムに選択された16個のクローンのうちの8個が正しいdegS遺伝子欠損クローンである。
実施例4 pLP12Tを用いたコレラビブリオVI型分泌システム遺伝子(vasC)のノックアウト
(1)クロスオーバーPCR増幅によりコレラビブリオHN375のvasC遺伝子フレーム内欠損結合断片を取得する。第1サイクルのPCRプライマーペアは、それぞれvasC−MF1/vasC−MR1、vasC−MF2/vasC−MR2であり、テンプレートは、コレラビブリオHN375ゲノムDNAである。2つのPCR産物は、精製された後、等体積混合して第2サイクルのPCRのテンプレートとする。第2サイクルのPCRプライマーvasC−MF1/vasC−MR2では、通常のTaq DNAポリメラーゼを用いて、第2サイクルのPCR産物を取得する。
(2)第2サイクルのPCR産物は、精製された後、実施例1で作製された遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tに直接連結される。連結産物(プラスミドpLP12−vasC)で、大腸菌DH5α λpir細胞を形質転換して、LBプレート(20μg/mlクロロマイセチン、0.3%D−ブドウ糖を含む)に塗布する。vasC−MF1/vasC−MR2プライマーによりプレートでのクローンに対してPCR選別を行うと、正しいクローンは、長さ925bpの増幅ストリップを生成する。PCR断片について、さらにシークエンシング検証を行い、共同して正しいクローンを特定する。当該正しいクローンは、連結産物(プラスミドpLP12−vasC)を含有する。正しいクローンを拡大培養し、プラスミドpLP12−vasCを抽出する。
(3)pLP12−vasCで、大腸菌β2163細胞を電気的に形質転換する。電気的な形質転換の条件および感電後の細胞培養条件は、実施例2と同様である。任意のクローンを選択、精製および保存すると、自殺プラスミドpLP12−vasCを含むドナー菌−大腸菌β2163(pLP12−vasC)が取得される。
(4)大腸菌β2163(pLP12−vasC)および受容体菌コレラビブリオHN375を一晩培養する。100μLのドナー菌を取って100μLの受容体菌に混合して、8000gで2min遠心処理して上清液を捨て、600μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再び8000gで2min遠心処理し、上清液を丁寧に捨てる。10μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再懸濁液を全部吸入してLB寒天プレート上に滴下する。スーパークリーンベンチで空気乾燥させた後、37℃で8hr転置培養する。
(5)1mlの新鮮なLB培地を上記培養物に十分に吹き付け懸濁し、100μLを取ってLB寒天プレート(0.3%D−ブドウ糖、10μg/mlクロロマイセチンを含む)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、1回目の相同組み換えが発生して染色体に自殺プラスミドpLP12−vasCが統合された挿入突然変異コレラビブリオ細胞のみが成長できる。クローンをランダムに選択してPCR鑑定を行い、PCRプライマーとしてvasC−MF1/vasC−MR2を用いると、正しいクローンは、1630bpと925bpとの2つのストリップ(図3でのレーン8)を生成する。このようにして、vasC挿入突然変異株を取得する。
(6)vasC挿入突然変異株は、LB(0.3%D−ブドウ糖)で3時間培養された後、勾配希釈され、それぞれを100μL取ってLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、2回目の相同組み換えが発生して染色体に統合態の自殺プラスミドpLP12−vasCを欠損した細胞のみが生き残れる。細菌細胞は、2回目の組み換えにより、vasC遺伝子を欠損した1つの細胞と野生型vasC遺伝子を含む1つの細胞を生成する。
(7)vasC−MF1/vasC−MR2プライマーによりLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)でのクローンに対してPCR検出を行うと、正しいvasC遺伝子欠損クローンは、925bpのストリップ(図3でのレーン9)を生成し、2回目の組み換えにより形成された野生型クローンは、1630bpストリップ(図3でのレーン7)を生成する。正しいvasC遺伝子欠損クローンについてさらにPCR産物シークエンシング検証を経ると、vasC遺伝子欠損株が取得されて、コレラビブリオvasC遺伝子ノックアウトを完成させる。本実施例では、逆方向での選択プレート(10−1希釈)でランダムに選択された16個のクローンのうちの7個が正しいvasC遺伝子欠損クローンである。
実施例5 pLP12Tを用いた腸炎ビブリオIV型鞭毛合成遺伝子(pilO)のノックアウト
(1)クロスオーバーPCR増幅により腸炎ビブリオE0680のpilO遺伝子フレーム内欠損結合断片を取得する。第1サイクルのPCRプライマーペアは、それぞれpilO−MF1/pilO−MR1、pilO−MF2/pilO−MR2であり、テンプレートは、腸炎ビブリオE0680ゲノムDNAである。2つのPCR産物は、精製された後、等体積混合して第2サイクルのPCRテンプレートとする。第2サイクルのPCRプライマーpilO−MF1/pilO−MR2では、通常のTaq DNAポリメラーゼを用いる。第2サイクルのPCR産物を取得する。
(2)第2サイクルのPCR産物は、精製された後、ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tに直接連結される。連結産物(プラスミドpLP12−pilO)で、大腸菌DH5α λpir細胞を形質転換して、LBプレート(20μg/mlクロロマイセチン、0.3%D−ブドウ糖を含む)に塗布する。pilO−MF1/pilO−MR2プライマーによりプレートでのクローンに対してPCR選別を行うと、正しいクローンは、大きさが815bpの増幅ストリップを生成する。PCR断片についてさらにシークエンシング検証を行って、共同して正しいクローンを特定する。当該正しいクローンは、連結産物−プラスミドpLP12−pilOを含有する。正しいクローンを拡大培養し、プラスミドpLP12−pilOを抽出する。
(3)pLP12−pilOで、大腸菌β2163細胞を電気的に形質転換する。電気的な形質転換の条件および感電後の細胞培養条件は、実施例2と同様である。任意のクローンを選択、精製および保存すると、自殺プラスミドpLP12−pilOを含むドナー菌−大腸菌β2163(pLP12−pilO)が取得される。
(4)大腸菌β2163(pLP12−pilO)および受容体菌腸炎ビブリオE0680を一晩培養する。100μLのドナー菌を取って100μLの受容体菌に混合して、8000gで2min遠心処理して上清液を捨て、400μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再び8000gで2min遠心処理して、上清液を丁寧に捨てる。10μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再懸濁液を全部吸入してLB寒天プレート上に滴下する。スーパークリーンベンチで空気乾燥させた後、37℃で8hr転置培養する。
(5)1mlの新鮮なLB培地を上記培養物に十分に吹き付け懸濁し、100μLを取ってLB寒天プレート(0.3%D−ブドウ糖、10μg/mlクロロマイセチンを含む)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、1回目の相同組み換えが発生して染色体に自殺プラスミドpLP12−pilOが統合された挿入突然変異腸炎ビブリオ細胞のみが成長できる。クローンをランダムに選択してPCR鑑定を行い、PCRプライマーとしてpilO−MF1/pilO−MR2を用いると、正しいクローンは、1214bpと815bpとの2つのストリップ(図3でのレーン11)を生成する。このようにして、pilO挿入突然変異株を取得する。
(6)pilO挿入突然変異株は、LB(0.3%D−ブドウ糖)で3時間培養された後、勾配希釈され、それぞれを100μL取ってLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、2回目の相同組み換えが発生して染色体に統合態の自殺プラスミドpLP12−pilOを欠損した細胞のみが生き残れる。細菌細胞に2回目の組み換えが発生すると、pilO遺伝子を欠損した1つの細胞と野生型pilO遺伝子を含む1つの細胞とが生成される。
(7)pilO−MF1/pilO−MR2プライマーによりLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)でのクローンに対してPCR検出を行うと、正しいpilO遺伝子欠損クローンは、815bpのストリップ(図3でのレーン12)を生成し、2回目の組み換えにより形成された野生型クローンは、1214bpのストリップ(図3でのレーン10)を生成する。正しいpilO遺伝子欠損クローンについてさらにPCR産物シークエンシング検証を経ると、pilO遺伝子欠損株が取得され、腸炎ビブリオpilO遺伝子ノックアウトを完成させる。本実施例では、逆方向での選択プレート(10−1希釈)でランダムに選択された16個のクローンのうちの7個が正しいpilO遺伝子欠損クローンである。
実施例6 pLP12Tを用いた腸炎ビブリオプレタンパク質伝達酵素遺伝子(ascS)のノックアウト
(1)クロスオーバーPCRにより腸炎ビブリオE06135のascS遺伝子を増幅して、ascSフレーム内欠損結合断片を取得する。第1サイクルのPCRプライマーペアは、それぞれascS−MF1/ascS−MR1、ascS−MF2/ascS−MR2であり、テンプレートは、腸炎ビブリオE06135ゲノムDNAである。2つのPCR産物は、等体積混合されて精製された後、第2サイクルのPCRのテンプレートとする。第2サイクルのPCRプライマーascS−MF1/ascS−MR2では、通常のTaq DNAポリメラーゼを用いて、第2サイクルのPCR産物を取得する。
(2)第2サイクルのPCR産物は、精製された後、上記ビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tに直接連結される。連結産物(プラスミドpLP12−ascS)で、大腸菌DH5α λpir細胞を形質転換して、LBプレート(20μg/mlクロロマイセチン、0.3%D−ブドウ糖を含む)に塗布する。ascS−MF1/ascS−MR2プライマーによりプレートでのクローンに対してPCR選別を行うと、正しいクローンは、703bpの増幅ストリップを生成する。PCR断片についてさらにシークエンシング検証を行い、共同して正しいクローンを特定する。当該正しいクローンは、連結産物−プラスミドpLP12−ascSを含有する。正しいクローンを拡大培養し、プラスミドpLP12−ascSを抽出する。
(3)pLP12−ascSで、大腸菌β2163細胞を電気的に形質転換する。電気的な形質転換の条件および感電後の細胞培養条件は、実施例2と同様である。任意のクローンを選択、精製および保存すると、自殺プラスミドpLP12−ascSを含むドナー菌−大腸菌β2163(pLP12−ascS)が取得される。
(4)大腸菌β2163(pLP12−ascS)および受容体菌腸炎ビブリオE06135を一晩培養する。100μLのドナー菌を取って100μLの受容体菌に混合して、8000gで2min遠心処理して上清液を捨て、400μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再び8000gで2min遠心処理して上清液を丁寧に捨てる。10μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再懸濁液を全部吸入してLB寒天プレート上に滴下する。スーパークリーンベンチで空気乾燥させた後、37℃で8hr転置培養する。
(5)1mLの新鮮なLB培地を上記培養物に十分に吹き付け懸濁し、100μLを取ってLB寒天プレート(0.3%D−ブドウ糖、10μg/mlクロロマイセチンを含む)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、1回目の相同組み換えが発生して染色体に自殺プラスミドpLP12−ascSが統合された挿入突然変異腸炎ビブリオ細胞のみが成長できる。クローンをランダムに選択してPCR鑑定を行い、PCRプライマーとしてascS−MF1/ascS−MR2を用いると、正しいクローンは、952bpと703bpとの2つのストリップ(図3でのレーン14)を生成する。このようにして、ascS挿入突然変異株を取得する。
(6)ascS挿入突然変異株は、LB(0.3%D−ブドウ糖)で4時間培養され、勾配希釈されてから、それぞれを100μL取ってLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、2回目の相同組み換えが発生して染色体に統合態の自殺プラスミドpLP12−degSを欠損した細胞のみが生き残れる。細菌細胞に2回目の組み換えが発生した後、ascS遺伝子を欠損した1つの細胞と野生型ascS遺伝子を含む1つの細胞とが生成される。
(7)ascS−MF1/ascS−MR2プライマーによりLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)でのクローンに対してPCR検出を行うと、正しいascS遺伝子欠損クローンは、703bpのストリップ(図3でのレーン15)を生成し、2回目の組み換えにより形成された野生型クローンは、952bpのストリップ(図3でのレーン13)を生成する。正しいascS遺伝子欠損クローンについてさらにPCR産物シークエンシング検証を行うと、ascS遺伝子欠損株が取得され、腸炎ビブリオascS遺伝子ノックアウトを完成させる。本実施例では、逆方向での選択プレート(10−1希釈)でランダムに選択された16個のクローンのうちの3個が正しいascS遺伝子欠損クローンである。
実施例7 pLP12Tを用いたビブリオ・バルニフィカスVI型分泌システム遺伝子(impB)のノックアウト
(1)クロスオーバーPCR増幅によりビブリオ・バルニフィカスATCC 27562のimpB遺伝子フレーム内欠損結合断片を取得する。第1サイクルのPCRプライマーペアは、それぞれimpB−MF1/impB−MR1、impB−MF2/impB−MR2であり、テンプレートは、ビブリオ・バルニフィカスATCC 27562ゲノムDNAである。2つのPCR産物は、精製された後、等体積混合して第2サイクルのPCRのテンプレートとする。第2サイクルのPCRは、プライマーimpB−MF1/impB−MR2を使用して、通常のTaq DNAポリメラーゼを用いて、第2サイクルのPCR産物を取得する。
(2)第2サイクルのPCR産物は、精製された後、実施例1で作製されたビブリオで汎用される遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tに直接連結される。連結産物(プラスミドpLP12−impB)で、直接大腸菌DH5α λpir細胞を形質転換して、LBプレート(20μg/mlクロロマイセチン、0.3%D−ブドウ糖を含む)に塗布する。impB−MF1/impB−MR2プライマーによりプレートでのクローンに対してPCR選別を行うと、正しいクローンは、長さ909bpの増幅ストリップを生成する。PCR断片についてさらにシークエンシング検証を行い、共同して正しいクローンを特定する。当該正しいクローンは、連結産物−プラスミドpLP12−impBを含有する。正しいクローンを拡大培養し、プラスミドpLP12−impBを抽出する。
(3)pLP12−impBで、大腸菌β2163細胞を電気的に形質転換する。電気的な形質転換の条件および感電後の細胞培養条件は、実施例2と同様である。一晩培養を経て、任意のクローンを選択、精製および保存すると、自殺プラスミドpLP12−impBを含むドナー菌−大腸菌β2163(pLP12−impB)が取得される。
(4)大腸菌β2163(pLP12−impB)および受容体菌ビブリオ・バルニフィカスATCC 27562を一晩培養する。ドナー菌を100μL取って100μLの受容体菌に混合して、8000gで3min遠心処理して上清液を捨て、600μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再び8000gで3min遠心処理して、上清液を丁寧に捨てる。10μLの新鮮なLB培地を加えて再懸濁し、再懸濁液を全部吸入してLB寒天プレート上に滴下する。スーパークリーンベンチで空気乾燥させた後、37℃で7hr転置培養する。
(5)1mLの新鮮なLB培地を上記培養物に十分に吹き付け懸濁し、100μLを取ってLB寒天プレート(0.3%D−ブドウ糖、10μg/mlクロロマイセチンを含む)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、1回目の相同組み換えが発生した後で染色体に自殺プラスミドpLP12−impBが統合された挿入突然変異ビブリオ・バルニフィカス細胞のみが成長できる。クローンをランダムに選択してPCR鑑定を行い、PCRプライマーとしてimpB−MF1/impB−MR2を用いると、正しいクローンは、1290bpと909bpとの2つのストリップ(図3でのレーン17)を生成する。このようにして、impB挿入突然変異株を取得する。
(6)impB挿入突然変異株は、LB(0.3%D−ブドウ糖)で3時間培養され、勾配希釈されてから、それぞれを100μL取ってLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)に塗布して、37℃で一晩培養する。このプレートでは、2回目の相同組み換えが発生して染色体に統合態の自殺プラスミドpLP12−impBを欠損した細胞のみが生き残れる。細菌細胞に2回目の組み換えが発生した後、impB遺伝子を欠損した1つの細胞と野生型impB遺伝子を含む1つの細胞とが生成される。
(7)impB−MF1/impB−MR2プライマーによりLB寒天プレート(0.2%L−アラブ糖)でのクローンに対してPCR検出を行うと、正しいimpB遺伝子欠損クローンは、909bpのストリップ(図3でのレーン18)を生成し、2回目の組み換えにより形成された野生型クローンは、1290bpのストリップ(図3でのレーン16)を生成する。正しいimpB遺伝子欠損クローンについてPCR産物シークエンシング検証を経ると、impB遺伝子欠損株が取得され、腸炎ビブリオimpB遺伝子ノックアウトを完成させる。本実施例では、逆方向での選択プレート(10−1希釈)でランダムに選択された20個のクローンのうちの6個が正しいimpB遺伝子欠損クローンである。
上記実施例2−7における逆方向での選択プレートの何れにもNaClが存在するが、欠損突然変異株が変わらずに高い出現比率を有するため、致死遺伝子が役割を果たすとともに、NaClの存在に影響されないことを表明した。
(付記)
(付記1)
環状ベクターである遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12において、
BADプロモーターと、抑制タンパク遺伝子araCと、RP4伝達開始部位と、クロロマイセチン耐性遺伝子と、R6K複製開始部位と、マルチクローニング部位領域と、致死遺伝子vmi480と、を含み、
前記マルチクローニング部位領域は、少なくとも2つのAhdI酵素切断部位を含み、
前記致死遺伝子vmi480のヌクレオチド配列は、配列番号1の第21位−第617位の塩基配列に示され、
前記致死遺伝子vmi480は、PBADプロモーターの下流に位置し、PBADプロモーターに制御されることを特徴とする、
遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12。
(付記2)
前記遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12のヌクレオチド配列は、配列番号1に示されることを特徴とする、付記1に記載の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12。
(付記3)
線形ベクターである遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tにおいて、
付記1に記載の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12について、AhdIを用いてマルチクローニング部位領域における2つのAhdI酵素切断部位に対して酵素切断を行った線形ベクターが、当該遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tであることを特徴とする、
遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12T。
(付記4)
前記遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tのヌクレオチド配列は、配列番号2に示されることを特徴とする、付記3に記載の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12T。
(付記5)
付記3に記載の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tの遺伝子ノックアウトでの利用。
(付記6)
前記利用は、前記遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tのビブリオ遺伝子ノックアウトでの利用であることを特徴とする、付記5に記載の利用。
(付記7)
目的遺伝子のフレーム内欠損結合断片を遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tに連結して、目的遺伝子のフレーム内欠損結合断片を含むpLP12Tを取得してpLP12T−Xと命名し、pLP12T−Xが形質転換を介してドナー菌に入ってから、そのドナー菌を受容体菌に混合して、接合作用によりpLP12T−Xを伝達させて受容体菌に入れて、クロロマイセチン選択を介して、pLP12T−Xが受容体菌のゲノム標的部位に統合された目的遺伝子挿入突然変異型菌株を取得し、それから、当該目的遺伝子挿入突然変異型菌株を、アラブ糖でのvmi480遺伝子の誘導で生成された毒素Vmi480の逆方向での選択圧において、選別により、目的遺伝子を欠損したクローンを取得し、これにより、目的遺伝子のノックアウトを実施して目的遺伝子を欠損した菌株を取得することを特徴とする、付記5に記載の利用。
(付記8)
前記受容体菌は、ビブリオであることを特徴とする、付記7に記載の利用。

Claims (8)

  1. 環状ベクターである遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12において、
    BADプロモーターと、抑制タンパク遺伝子araCと、RP4伝達開始部位と、クロロマイセチン耐性遺伝子と、R6K複製開始部位と、マルチクローニング部位領域と、致死遺伝子vmi480と、を含み、
    前記マルチクローニング部位領域は、少なくとも2つのAhdI酵素切断部位を含み、
    前記致死遺伝子vmi480のヌクレオチド配列は、配列番号1の第21位−第617位の塩基配列に示され、
    前記致死遺伝子vmi480は、PBADプロモーターの下流に位置し、PBADプロモーターに制御されることを特徴とする、
    遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12。
  2. 前記遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12のヌクレオチド配列は、配列番号1に示されることを特徴とする、請求項1に記載の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12。
  3. 線形ベクターである遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tにおいて、
    請求項1に記載の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12について、AhdIを用いてマルチクローニング部位領域における2つのAhdI酵素切断部位に対して酵素切断を行った線形ベクターが、当該遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tであることを特徴とする、
    遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12T。
  4. 前記遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tのヌクレオチド配列は、配列番号2に示されることを特徴とする、請求項3に記載の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12T。
  5. 請求項3に記載の遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tの遺伝子ノックアウトでの利用。
  6. 前記利用は、前記遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tのビブリオ遺伝子ノックアウトでの利用であることを特徴とする、請求項5に記載の利用。
  7. 目的遺伝子のフレーム内欠損結合断片を遺伝子ノックアウト用の自殺ベクターpLP12Tに連結して、目的遺伝子のフレーム内欠損結合断片を含むpLP12Tを取得してpLP12T−Xと命名し、pLP12T−Xが形質転換を介してドナー菌に入ってから、そのドナー菌を受容体菌に混合して、接合作用によりpLP12T−Xを伝達させて受容体菌に入れて、クロロマイセチン選択を介して、pLP12T−Xが受容体菌のゲノム標的部位に統合された目的遺伝子挿入突然変異型菌株を取得し、それから、当該目的遺伝子挿入突然変異型菌株を、アラブ糖でのvmi480遺伝子の誘導で生成された毒素Vmi480の逆方向での選択圧において、選別により、目的遺伝子を欠損したクローンを取得し、これにより、目的遺伝子のノックアウトを実施して目的遺伝子を欠損した菌株を取得することを特徴とする、請求項5に記載の利用。
  8. 前記受容体菌は、ビブリオであることを特徴とする、請求項7に記載の利用。
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