JP2018203178A - 電動ステアリングロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーバーラン発生時、駆動機構に過大な荷重が作用することを防止して、電動ステアリングロック装置のロバスト性を向上させる。【解決手段】キャリア7は、ロックロッド8がステアリングシャフトの被係合部に係合可能な状態になるロック位置と、ロック位置より前方の施錠側オーバーラン位置との間を移動可能である。キャリア7は、ロック位置では、ギア部材4の回転運動をその回転軸Xに沿った運動に変換する機構を介してギア部材4に係合しており、施錠側オーバーラン位置では、ギア部材4との係合が解除されて、ギア部材4の空転を許容している。ストッパ部26は、キャリア7がロック位置またはロック位置よりステアリングシャフト側に位置しているとき、ロックロッド8がステアリングシャフトの被係合部に係合する係合位置よりステアリングシャフト側へ移動することを阻止する。【選択図】図4B

Description

本発明は、自動車のステアリングシャフトの回動を電動でロック/アンロックする電動ステアリングロック装置に関する。
従来の電動ステアリングロック装置としては、特許文献1に開示されたものがある。この装置では、電動モータの出力軸の回転が、ウォームギアとウォームホイールによって減速されつつ方向が直角に変換されてギア部材に伝達される。ギア部材の内周には雌ネジ部が刻設されており、この雌ネジ部が、ドライバに形成された雄ネジ部に螺合している。そのためギア部材が回転すると、ドライバが、これに連結されたロックボルトとともに移動する。電動モータ、ギア部材、ドライバ及びロックボルトは、ケース内に収納されている。
特開2015−120502
上記電動ステアリングロック装置では、ロック動作の際に、何らかの原因により電動モータがオーバーランすると、ドライバとケースとが機械的に干渉してドライバの移動が制限され、雌ネジ部や雄ネジ部などの駆動機構に過大な荷重が作用するおそれがあった。
本発明の目的は、オーバーラン発生時、駆動機構に過大な荷重が作用することを防止して、電動ステアリングロック装置のロバスト性を向上させることにある。
本発明の一態様にかかる電動ステアリングロック装置は、電動機によって回転駆動されるギア部材と、ステアリングシャフトに向かう方向に沿って進退可能なロックユニットと、前記ギア部材と前記ロックユニットとを収容するハウジングと、を備えている。前記ロックユニットは、前記ステアリングシャフトの被係合部に係合可能なロック部材と、前記ロック部材を前記方向に沿って相対移動可能に保持するキャリアと、前記キャリアと前記ロック部材との間に介装され、前記ロック部材を前記キャリアに対して前記ステアリングシャフト側へ付勢する第1付勢部材と、を備えている。前記キャリアは、少なくとも、前記ロック部材が前記ステアリングシャフトの前記被係合部に係合可能な状態になるロック位置と、前記ロック位置よりも前記ステアリングシャフト側にある施錠側オーバーラン位置と、の間を前記方向に沿って移動可能であり、前記ロック位置では、前記ギア部材の回転運動を前記キャリアの前記方向に沿った運動に変換する機構を介して前記ギア部材に係合しており、前記施錠側オーバーラン位置では、前記機構を介した前記ギア部材との係合が解除されて、前記ギア部材の前記キャリアに対する空転を許容している。前記ハウジングは、前記キャリアが前記ロック位置または前記ロック位置より前記ステアリングシャフト側に位置しているときに、前記ロック部材に当接可能なストッパ部を有している。前記ストッパ部は、前記ロック部材に当接することで、前記ロック部材が前記ステアリングシャフトの前記被係合部に係合しているときの前記ロック部材の位置より前記ステアリングシャフト側へ移動することを阻止する。
本発明によれば、オーバーラン発生時、駆動機構に過大な荷重が作用することを防止して、電動ステアリングロック装置のロバスト性を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態にかかる電動ステリングロック装置の主要部の分解斜視図である。 キャリアがロック位置にあるときの電動ステアリングロック装置の縦断面図である。 図2AのIIb−IIb線断面図である。 キャリアがアンロック位置にあるときの電動ステアリングロック装置の縦断面図である。 図3AのIIIb−IIIb線断面図である。 キャリアが施錠側オーバーラン位置にあるときの電動ステアリングロック装置の縦断面図である。 図4AのIVb−IVb線断面図である。 キャリアが解錠側オーバーラン位置にあるときの電動ステアリングロック装置の縦断面図である。 図5AのVb−Vb線断面図である。 キャリアの位置とロックロッドの位置との関係を示すグラフである。 第1スプリング及び第2スプリングからキャリアに作用する力とキャリアの位置との関係を示すグラフである。 第2の実施形態にかかるカムフォロア及びとカム溝の構成を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)及び(c)は、(a)のVIII-VIII線矢視図であり、カム溝が形成された面の展開図である。 第3の実施形態にかかるキャリアの斜視図である。 第4の実施形態の電動ステアリングロック装置における、第1スプリング及び第2スプリングからキャリアに作用する力とキャリアの位置との関係を示すグラフである。 第5の実施形態にかかる電動ステリングロック装置の縦断面図である。
以下、本発明のいくつかの実施形態にかかる電動ステアリングロック装置1について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における「前」「後」など方向を表す用語は、各部の位置関係を説明するために便宜上定めたものであり、装置の実際の取り付け姿勢等を限定するものではない。
<第1の実施形態>
電動ステアリングロック装置1は、ステアリングシャフトSの回動を電動でロック/アンロックする装置である。図1乃至図5Bに示すように、電動ステアリングロック装置1は、そのハウジングであるハウジングケース2と、ハウジングリッド3とを備えている。
ハウジングケース2は、例えば金属製の矩形容器状の部材である。図2A乃至図5Bに示すように、ハウジングケース2の前部には、円弧状の凹部21が形成されている。凹部21には、不図示のコラムチューブが嵌め込まれる。コラムチューブを挟んで凹部21の反対側には、不図示の円弧状ブラケットが配置され、このブラケットと凹部21とによりコラムチューブを挟持するようにして、コラムチューブにハウジングケース2が固定される。コラムチューブ内には、ステアリングシャフトSが挿通されている。ステアリングシャフトSの一端には、不図示のステアリングホイールが取付けられており、他端は、不図示のステアリングギアボックスに連結されている。運転者がステアリングホイールを回動操作すると、ステアリングホイールの回転がステアリングシャフトSを経てステアリングギアボックスに伝達され、左右の前輪が転舵される。
ハウジングリッド3は、例えば金属製の矩形平板状の部材である。図2A乃至図5Bに示すように、ハウジングリッド3は、ハウジングケース2の後面開口部22を後方から覆うようにハウジングケース2の後端部内周に嵌め込まれ、ハウジングケース2に固定されている。
ハウジングケース2の内部には、図1乃至図5Bに示すように、アクチュエータ収納部2Aと、基板収納部2Bと、両収納部2A,2Bを連通する連通部2Cとが形成されている。アクチュエータ収納部2Aには、ギア部材4と、ギア部材4を回転駆動するための電動機である電動モータ5と、ロックユニット6とが収納されている。
ギア部材4は、例えば樹脂製の円環状の部材である。ギア部材4は、図1乃至図5Bに示すように、アクチュエータ収納部2Aの後部に、回転軸X周りに回転可能に支持されており、前側円環部41と後側円筒部42とそれらの間の中間部43とを備えている。前側円環部41は、アクチュエータ収納部2Aの後部に形成された半円筒状の保持面23によって、摺動回転可能に保持されている。後側円筒部42は、ハウジングリッド3の内側面に立設された保持筒部31の内周面によって、摺動回転可能に保持されている。中間部43の外周には、ウォームホイール44が形成されている。
ギア部材4の内周は、軸方向に沿って内径が一定の円筒面45と、中間部43から前側円環部41にかけて形成された雌ねじ部46とから構成されている。雌ねじ部46は、円筒面45から径方向内側へ突出した、回転軸Xを軸とする螺旋状の凸条47から構成されている。軸方向に隣り合う凸条47同士の間には、溝48が形成されている。溝48は、回転軸Xを軸とする螺旋に沿って連続して延びている。以下、この溝48を螺旋状溝48とも称する。凸条47の端部と、該端部と軸方向に隣り合う凸条47との間には、螺旋状溝48の端部開口が形成されている。螺旋状溝48の両端部は、各端部開口において周方向に開放されている。
電動モータ5は、図2A,図3A,図4A及び図5Aに示すように、その出力軸51がギア部材4の回転軸Xに直交する面と略平行になるように、ギア部材4の近傍に配置されている。出力軸51には、小径のウォームギア52が出力軸51と一体回転可能に取付けられている。ウォームギア52は、ギア部材4のウォームホイール44とかみ合っている。
ロックユニット6は、図1乃至図5Bに示すように、略円筒状のキャリア7と、ステアリングシャフトSの被係合部SE(有底または無底の係合凹部)に係合可能なロック部材であるロックロッド8とを有している。ロックユニット6は、ギア部材4の回転軸X周りの回転運動を回転軸Xに沿った直線運動に変換する機構を介してギア部材4に係脱可能に連結されている。(以下、回転運動を直線運動または曲線運動に変換する機構を「運動変換機構」とも称する。)ロックユニット6は、ギア部材4と係合した状態にあるとき、ギア部材4の回転に伴って、回転軸Xに沿って前後方向に前後進可能(ステアリングシャフトSに向かう方向に沿って進退可能)である。
キャリア7は、ギア部材4の内部に挿通されている。キャリア7は、例えば金属製(例えば亜鉛ダイカスト製)であり、前側円筒部71と後側円筒部72とそれらの間の中間部73とを備えている。前側円筒部71及び後側円筒部72の外周面は、軸方向に沿って外径が一定の円筒面74を構成している。中間部73の外周には、雄ねじ部75が形成されている。雄ねじ部75は、ギア部材4の雌ねじ部46とかみ合っている。雄ねじ部75は、円筒面74から径方向外側へ突出した、回転軸Xを軸とする螺旋状の凸条76から構成されている。
雄ねじ部75と雌ねじ部46とは、上述の運動変換機構を構成している。具体的には、キャリア7に対するギア部材4の回転軸X周りの回転運動に伴って、キャリア7の突起部である凸条76が螺旋状溝48に係合したままこれに沿って相対移動することで、ギア部材4の回転運動が回転軸Xに沿ったキャリア7の直線運動に変換される。よって、電動モータ5でギア部材4を回転軸X周りに回転駆動することにより、キャリア7を回転軸Xに沿って前後進させることができる。
前側円筒部71の側面には、前側円筒部71を前後方向と直交する方向に貫通する一対の長孔71aが形成されている。各長孔71aは、回転軸Xに平行に延びている。また、前側円筒部71の基板収納部2B側の側面には、矩形箱型の形状を有するストライカ部77が突設されている。ストライカ部77は、後述する第1及び第2マイクロスイッチ11,12のローラーアームに当接することで、それらをON状態にする。
ロックロッド8は、例えば鋼鉄など金属製の部材であり、プレート部81とプレート部81の後端から後方に延びるロッド部82とを備えている。プレート部81は、ハウジングケース2のアクチュエータ収納部2Aに形成された断面矩形状のロックボルト挿通孔24内に前後進可能に挿通されている。プレート部81の先端には、ステアリングシャフトSの被係合部SEに係合する係合部83が形成されている。ロッド部82には、前後方向と直交する方向に貫通する孔82aが形成され、孔82aには、軸部材であるピン84が圧入固定されている。ピン84は、キャリア7の2つの長孔71aを貫通するように挿通されている。ロックロッド8は、ピン84によってキャリア7に連結されている。
ピン84は、図2A及び図2Bに示すように、キャリア7の長孔71a内を長孔71aに沿って第1距離ST1だけ移動可能であり、長孔71aと交差する方向には移動不能である。すなわち、ロックロッド8は、キャリア7によって、回転軸X方向に沿って前後方向に第1距離ST1だけ相対移動可能、かつ、相対回転不能に保持されている。
図1乃至図5Bに示すように、ハウジングケース2のアクチュエータ収納部2Aの内側面には、回転軸Xと平行に延びるガイド溝25が形成されている。ピン84の端部84aは、ガイド溝25と係合したままガイド溝25に沿って前後方向に移動可能であり、ガイド溝25の延在方向と交差する方向には移動不能である。すなわち、ハウジングケース2に対するロックユニット6(ロックロッド8及びキャリア7)の回転軸X周りの回転は、ガイド溝25とピン84の端部84aとの係合によって阻止されている。
図2A乃至図5Bに示すように、キャリア7の中間部73には、キャリア7の内部中空空間を前後に二分する隔壁78が設けられている。隔壁78とロックロッド8のロッド部82の後端との間には、第1付勢部材である第1スプリング91が圧縮された状態で介装されている。第1スプリング91の前端91aは、ロッド部82の後端に形成された円柱状のスプリング受け85に固定されている。
また、ハウジングリッド3の内側面とキャリア7の隔壁78との間には、第2付勢部材である第2スプリング92が圧縮された状態で介装されている。第2スプリング92の後端92aは、ハウジングリッド3の保持筒部31の中心部に形成された円柱状のスプリング受け32に固定されている。
キャリア7は、その凸条76をギア部材4の螺旋状溝48に係合させた状態で、「ロック位置」と、ロック位置より後方の「アンロック位置」との間を前後方向に移動可能である。図6に示すように、キャリア7がロック位置にあるとき、ロックロッド8は、ハウジングケース2に対して「係合位置」に位置する。このとき、ロックロッド8の係合部83は、図2Aに示すように、ステアリングシャフトSの被係合部SEに係合する。キャリア7がアンロック位置にあるときは、図3A及び図3Bに示すように、ロックロッド8の係合部83はロックボルト挿通孔24内に退避する。
また、キャリア7は、図4A,図4B及び図6に示すように、ロック位置よりさらに前方へ、キャリア7の凸条76の後端部がギア部材4の螺旋状溝48の前端部から抜け出た状態となるまで前進可能である。そして、凸条76が螺旋状溝48から抜け出た状態で、ギア部材4がキャリア7を前進させる方向に回転し続けた場合は、凸条76の後端部は、雌ねじ部46の最前列の凸条47に沿って、該凸条47の前側側面の上を周方向に摺動しながら周回する。すなわち、キャリア7の雄ねじ部75とギア部材4の雌ねじ部46とが互いに反螺合方向に回転し、ギア部材4はキャリア7に対して機械的に干渉することなく空転する。このときのキャリア7の位置を「施錠側オーバーラン位置」と称する。施錠側オーバーラン位置は、上述のロック位置から前方に第2距離ST2だけ離れている。
また、キャリア7は、図5A,図5B及び図6に示すように、アンロック位置よりさらに後方へ、キャリア7の凸条76の前端部がギア部材4の螺旋状溝48の後端部から抜け出た状態となるまで後進可能である。そして、凸条76が螺旋状溝48から抜け出た状態で、ギア部材4がキャリア7を後進させる方向に回転し続けた場合は、凸条76の前端部は、ギア部材4の雌ねじ部46の最後列の凸条47に沿って、該凸条47の後側側面の上を周方向に摺動しながら周回する。すなわち、キャリア7の雄ねじ部75とギア部材4の雌ねじ部46とが互いに反螺合方向に回転し、ギア部材4はキャリア7に対して機械的に干渉することなく空転する。このときのキャリア7の位置を「解錠側オーバーラン位置」と称する。
また、電動ステアリングロック装置1は、後述するハーフロック機能を備えている。このため、図2A及び図2Bに示すように、キャリア7がロック位置にあるとき、ロックロッド8は、「係合位置」(同図に実線で示す位置)と、係合位置より後方の「非係合位置」(同図に二点鎖線で示す位置)との間を移動可能である。非係合位置では、ロックロッド8の係合部83は、ステアリングシャフトSの被係合部SE以外の部位(例えば外周円筒面)に乗り上げた状態となる。非係合位置は、係合位置から第3距離ST3だけ離れている。また、図6に示すように、第2距離ST2と第3距離ST3との和は、第1距離ST1より小さい(ST1>ST2+ST3)。
図2A,図2B,図4A及び図4Bに示すように、ガイド溝25の前端部25aは、ロックロッド8が係合位置にあるときにピン84の端部84aと当接して係合するストッパ部26を構成している。ストッパ部26は、キャリア7がロック位置またはその前方に位置しているときでも、ロックロッド8のピン84と係合することによって、ロックロッド8が係合位置より前進側へ移動することを阻止する。
ピン84がキャリア7の長孔71aの前端に位置しているとき(キャリア7に対してロックロッド8が前進限位置にあるとき)、第1スプリング91の全長はその自然長よりも短い。従って、第1スプリング91は、キャリア7に対してロックロッド8を常時前進方向へ弾性的に付勢しており、ロックロッド8は、通常、キャリア7の長孔71aの前端部にピン84が係合した状態でキャリア7とともに前後進する。
また、キャリア7が施錠側オーバーラン位置にあるとき(ギア部材4に対してキャリア7が前進限位置にあるとき)、第2スプリング92の全長はその自然長よりも短い。このため、第2スプリング92は、ハウジングケース2に対してキャリア7を常時前進方向へ弾性的に付勢している。
すなわち、図7に示すように、キャリア7は、その移動範囲全域(解錠側オーバーラン位置から施錠側オーバーラン位置まで)において、第2スプリング92から前進方向へ付勢される。また、ロック位置から施錠側オーバーラン位置にかけては、キャリア7は、第1スプリング91から後進方向へ付勢される。第1及び第2スプリング91,92の長さやばね定数は、キャリア7が施錠側オーバーラン位置にある(ロックロッド8が係合位置にある)とき、第1スプリング91の付勢力が第2スプリング92の付勢力より大きくなるように設定されている。このため、キャリア7が施錠側オーバーラン位置にあるときは、キャリア7に作用するスプリング91,92の付勢力の合力の方向は後進方向となり、キャリア7は、後進方向へ付勢される。
図2A,図3A,図4A及び図5Aに示すように、ハウジングケース2の基板収納部2Bには、基板10が収納されている。基板10には、キャリア7がロック位置にあることを検出する第1マイクロスイッチ11と、キャリア7がアンロック位置にあることを検出する第2マイクロスイッチ12とが実装されている。
各マイクロスイッチは、電動モータ5を駆動制御するCPUなどの制御部(不図示)に電気的に接続されている。第1マイクロスイッチ11は、キャリア7が前進してロック位置に到達すると、図2Aに示すように、ローラーアームのローラーがストライカ部77に乗り上げてON状態となり、検知信号を制御部に送信する。第2マイクロスイッチ12は、キャリア7が後進してアンロック位置に到達すると、図3Aに示すように、ローラーアームのローラーがストライカ部77に乗り上げてON状態となり、検知信号を制御部に送信する。制御部は、通信インターフェイス及び車両の通信ライン等を経て、車両に搭載された不図示の車両側制御部に電気的に接続されている。
次に、電動ステアリングロック装置1の動作について説明する。
<アンロック動作>
エンジンが停止している状態では、図2A及び図2Bに示すように、キャリア7はロック位置にあり、ロックロッド8は係合位置にある。ロックロッド8は、ハウジングケース2のロックボルト挿通孔24から突出して、その先端の係合部83が、ステアリングシャフトSの被係合部SEに係合している。これにより、ステアリングシャフトSの回動がロックされ、車両の盗難が防止される。このとき、第1マイクロスイッチ11はON状態となっており、そこから送信される検知信号によって制御部は、キャリア7がロック位置にあることを認識している。
この状態で、運転者がエンジンスタートスイッチをON操作すると、車両側制御部がこれを検知して電動ステアリングロック装置1に対してアンロック要求信号を送信する。すると、電動ステアリングロック装置1の制御部は、電動モータ5を起動させる。
電動モータ5が起動されると、その出力軸51の回転が、ウォームギア52とウォームホイール44によって減速されつつギア部材4に伝達される。ギア部材4が回転軸X周りに回転すると、ギア部材4に形成された雌ねじ部46とキャリア7に形成された雄ねじ部75とによって、ギア部材4の回転軸X周りの回転運動がキャリア7の回転軸Xに沿った直線運動に変換される。そして、キャリア7は、ピン84を介してキャリア7に連結されたロックロッド8とともに、第2スプリング92の付勢力に抗して後進する。
キャリア7が後進してアンロック位置に達すると、図3A及び図3Bに示すように、ロックロッド8の係合部83がロックボルト挿通孔24内に退避する。ロックロッド8のステアリングシャフトSへの係合は解除され、ステアリングシャフトSのロックが解除されて、運転者によるステアリングホイールの回転操作が可能となる。このとき、第2マイクロスイッチ12はON状態となり、そこから送信される検知信号によって制御部は、キャリア7がアンロック位置に移動したことを認識し、電動モータ5の駆動を停止して、車両側制御部にアンロック完了信号を送信する。この結果、図3A及び図3Bに示すアンロック状態が維持され、車両の走行が可能となる。
<ロック動作>
車両が停止し、運転者がエンジンスタートスイッチをOFF操作してエンジンを切ると、車両側制御部がこれを検知して電動ステアリングロック装置1に対してロック要求信号を送信する。すると、電動ステアリングロック装置1の制御部は、電動モータ5を逆転起動させる。
すると、電動モータ5の出力軸51の逆回転は、ウォームギア52とウォームホイール44とを経てギア部材4に伝達される。キャリア7は、ピン84を介してキャリア7に連結されたロックロッド8とともに前進する。
キャリア7が前進してロック位置に達すると、図2Aに示すように、第1マイクロスイッチ11がON状態となり、そこから送信される検知信号によって制御部は、キャリア7がロック位置に移動したことを認識する。そして、制御部は、電動モータ5の駆動を停止し、車両側制御部にロック完了信号を送信する。この結果、図2A及び図2Bに示すようにロックロッド8がハウジングケース2のロックボルト挿通孔24から突出して、その先端の係合部83が、ステアリングシャフトSの被係合部SEに係合する。これにより、ステアリングシャフトSの回動がロックされ、車両の盗難が防止される。
<ハーフロック機能>
ロック動作時のステアリングシャフトSの回転角によっては、ステアリングシャフトSの被係合部SEの位置が、ロックロッド8の係合部83と正対する位置からずれていることがある。この場合、上述のロック動作を行っても、ロックロッド8は、ステアリングシャフトSの被係合部SE以外の部位(例えば外周円筒面)と干渉してしまうため、係合位置まで前進できない。このため、ロックロッド8は、第1スプリング91により前進方向へ弾性的に付勢されたまま、ステアリングシャフトSの被係合部SE以外の部位に乗り上げた状態となる。このときロックロッド8は、図2A及び図2Bに二点鎖線で示すように、係合位置よりも第3距離ST3だけ後退した位置に位置している。
この状態で、ステアリングホイールが回動操作されてステアリングシャフトSが回転し、被係合部SEがロックロッド8の係合部83と正対する位置まで移動したときは、ロックロッド8が第1スプリング91に付勢されて係合位置まで前進する。そして、図2A及び図2Bに実線で示すように、ロックロッド8の係合部83が、ステアリングシャフトSの被係合部SEと係合し、これにより、ステアリングシャフトSの回動がロックされる。
<オーバーラン発生時の空転動作>
ロック動作の際、例えば第1マイクロスイッチ11の系統に接触不良や断線など何らかの故障が生じると、その検知信号が制御部に送信されなくなる。そのため、制御部はキャリア7がロック位置に移動したことを認識できず、適切なタイミングで電動モータ5の駆動を停止することができない。この場合、ギア部材4はキャリア7を前進させる方向に回転し続け、キャリア7は施錠側オーバーラン位置まで移動(オーバーラン)する。施錠側オーバーラン位置では、キャリア7の凸条76はギア部材4の螺旋状溝48から抜け出た状態となり(運動変換機構を介したキャリア7とギア部材4との係合が解除され)、ギア部材4は、電動モータ5の回転が停止するまでキャリア7に対して空転する。
アンロック動作の際、例えば第2マイクロスイッチ12の系統に何らかの故障が生じた場合も同様に、ギア部材4はキャリア7を後進させる方向に回転し続け、キャリア7は解錠側オーバーラン位置まで移動(オーバーラン)する。解錠側オーバーラン位置では、キャリア7の凸条76はギア部材4の螺旋状溝48から抜け出た状態となり(運動変換機構を介したキャリア7とギア部材4との係合が解除され)、ギア部材4は、電動モータ5の回転が停止するまでキャリア7に対して空転する。
<オーバーラン位置からの復帰動作>
キャリア7が施錠側オーバーラン位置に位置しているときは、図7に示すように、第2スプリング92からの前進方向への付勢力と第1スプリング91からの後進方向への付勢力との合力(後進方向への付勢力)が、キャリア7に作用する。従って、この状態でキャリア7を後進させる方向にギア部材4を回転させれば、キャリア7の凸条76の後端部は、ギア部材4の最前列の凸条47の前側側面に沿って移動し、螺旋状溝48の前端部の開口からその内部に進入する。これにより、キャリア7及びギア部材4は、凸条76と螺旋状溝48とが螺合(係合)した状態、すなわちキャリア7が運動変換機構を介してギア部材4に係合した状態に復帰する。
また、キャリア7は、解錠側オーバーラン位置に位置しているときは、図7に示すように、第2スプリング92から前進方向へ付勢されている。従って、この状態でキャリア7を前進させる方向にギア部材4を回転させれば、キャリア7の凸条76の前端部は、ギア部材4の最後列の凸条47の後側側面に沿って移動し、螺旋状溝48の後端部の開口からその内部に進入する。これにより、キャリア7及びギア部材4は、凸条76と螺旋状溝48とが螺合(係合)した状態、すなわちキャリア7が運動変換機構を介してギア部材4に係合した状態に復帰する。
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
電動ステアリングロック装置1では、キャリア7がロックロッド8に対して相対移動可能であり、ロックロッド8が係合位置に位置していても、キャリア7は、施錠側オーバーラン位置まで前進可能となっている。そして施錠側オーバーラン位置では、キャリア7の凸条76がギア部材4の螺旋状溝48から抜け出た状態となり、すなわち運動変換機構を介したキャリア7とギア部材4との係合が解除され、ギア部材4がキャリア7に対して空転可能になる。このため、オーバーランが発生し、キャリア7を前進させる方向にギア部材4が回転し続けた場合でも、凸条76及び螺旋状溝48を含む駆動機構に直接ギア部材4の回転力がかかることが回避される。これにより、駆動機構に過大な荷重が作用することを防止し、装置のロバスト性を向上させることができる。
また、電動ステアリングロック装置1では、ロックロッド8の係合位置より前進側への移動がストッパ部26によって阻止されているため、施錠側オーバーラン位置まで前進したキャリア7には、第1スプリング91の付勢力が後進方向へ作用する。このため、この付勢力を利用して、オーバーランしたキャリア7の凸条76をギア部材4の螺旋状溝48内に復帰させること、すなわちキャリア7が運動変換機構を介してギア部材4に係合した状態に復帰させることができる。また、第1スプリング91の付勢力を利用してオーバーランから復帰できるので、オーバーランのための余裕代(第2距離ST2)を小さくすることができ、その分、キャリア7のストロークを伸ばすことができる。これにより、インターフェイス設計の自由度が向上する。
さらに、電動ステアリングロック装置1では、キャリア7がロックロッド8に対して相対移動可能な距離(第1距離ST1)が、ロック位置と施錠側オーバーラン位置と間の距離(第2距離ST2)より大きい。このため、ロックロッド8が係合位置より前進側へ移動しなくても、キャリア7は、確実に施錠側オーバーラン位置まで前進して、ギア部材4のキャリア7に対する空転を許容することができる。これにより、オーバーラン発生時に駆動機構へ過大な荷重が作用することをより確実に防止することができる。
また、電動ステアリングロック装置1では、キャリア7がロック位置にあるとき、ロックロッド8は、係合位置と、ロックロッド8がステアリングシャフトSの被係合部SE以外の部位に乗り上げた状態となる非係合位置と、の間を移動可能である。非係合位置は、係合位置から後方に第3距離ST3だけ離れているが、第1距離ST1は、第2距離ST2と第3距離ST3との和より大きい(図6参照)。このため、ロックロッド8が非係合位置に位置しているときでも、キャリア7は施錠側オーバーラン位置まで前進することができる。これにより駆動機構へ過大な荷重が作用することをより確実に防止して、装置のロバスト性を一層向上させることができる。
さらに、電動ステアリングロック装置1では、キャリア7が施錠側オーバーラン位置にある(ロックロッド8は係合位置にある)とき、第1スプリング91の付勢力が第2スプリング92の付勢力より大きくなるように設定されている。このため、電動ステアリングロック装置1の取付姿勢に関わらず、施錠側オーバーラン位置にあるキャリア7をより確実に後進方向へ付勢することができる。これにより、施錠側オーバーランの空転状態から、凸条76と螺旋状溝48とが螺合(係合)した状態へ、より確実に復帰することができる。
また、電動ステアリングロック装置1では、キャリア7の長孔71aを貫通するピン84の端部84aにストッパ部26を当接させて、ロックロッド8の前進を阻止している。このため、ハーフロック機能を有する電動ステアリングロック装置1において、部品点数を増やさずに、上記の構成及び効果を得ることができる。また、ストッパ部26は、ロックロッド8の先端の係合部83から最も離れているピン84の端部84aに当接してロックロッド8の位置を規定するので、ロック位置でのロックロッド8の姿勢(特に回転軸X周りの角度)を安定させることができる。
<他の実施形態>
他のいくつかの実施形態について、図8乃至11を参照して説明する。これらの実施形態は、第1の実施形態と同様の構成を備えているため、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。以下、第1の実施形態と異なる構成及び追加的な作用効果についてのみ説明する。
第2の実施形態は、図8に示すように、雄ねじ部75及び雌ねじ部46の代りに、カムフォロア100とカム溝110とを備えている。カムフォロア100は、図8(a)に示すように、第3スプリング101とともに、キャリア7の外周面に形成されたカムフォロア収容穴79内に収容されている。第3スプリング101は、カムフォロア100を径方向外側へ付勢する。カムフォロア100は、第3スプリング101に付勢されて、カムフォロア収容穴79からキャリア7の外周面の径方向外側へ突出しており、その先端面は、カム溝110の底面に対して常時押圧されている。
カム溝110は、キャリア7の外周面に対峙するギア部材4の内周面上に形成されている。カム溝110は、図8(b)及び(c)に示すように、一対の円環状カム溝111と、円環状カム溝111同士を接続する螺旋状溝である螺旋状カム溝112とから構成される。一対の円環状カム溝111は、ギア部材4の前後方向に互いに離間して配置されており、各々、ギア部材4の周方向に連続して延びている。螺旋状カム溝112は、回転軸Xを軸とする螺旋状に連続して延びている。カムフォロア100は、螺旋状カム溝112に係合したまま螺旋状カム溝112に沿って相対移動可能な突起部を構成している。カムフォロア100がギア部材4の回転に伴って螺旋状カム溝112に沿って相対移動すると、キャリア7は、ギア部材4の回転軸Xに沿って前後進する。カムフォロア100と螺旋状カム溝112とが、運動変換機構として機能する。
上述のオーバーランが発生すると、カムフォロア100は、螺旋状カム溝112の端部112aから抜け出て円環状カム溝111内へ進入し、さらにギア部材4が同じ方向へ回転し続けると、カムフォロア100は円環状カム溝111内を周回する。このとき、キャリア7の軸方向位置は変わらず、ギア部材4は、キャリア7に対して空転する。図8(b)及び(c)中に二点鎖線で描かれた4つの円は、キャリア7の位置ごとのカムフォロア100とカム溝110の位置関係を示している。
この実施形態によれば、キャリア7が施錠側オーバーラン位置に位置しているとき、カムフォロア100が螺旋状カム溝112から抜け出た状態(運動変換機構を介したキャリア7とギア部材4との係合が解除された状態)で、ギア部材4がキャリア7に対して空転可能になる。従って、施錠側でオーバーランが発生し、キャリア7を前進させる方向にギア部材4が回転し続けた場合でも、カムフォロア100及びカム溝110を含む駆動機構に直接ギア部材4の回転力がかかることが回避される。これにより、駆動機構に過大な荷重が作用することを防止し、装置のロバスト性を向上させることができる。
また、この実施形態によれば、ギア部材4の内周面の周方向に対する螺旋状カム溝112の傾斜角度を軸方向に沿って変化させることが可能になる。これにより、ギア部材4の回転角当たりのキャリア7の移動量をキャリア7の軸方向位置に応じて変化させることが可能になる。
第3の実施形態では、図9に示すように、螺旋状の凸条76の代わりに一対の板状の突起片76Aが、キャリア7の外周に形成されている。これら突起片76Aは、ギア部材4の螺旋状溝48に係合したまま螺旋状溝48に沿って相対移動可能な突起部を構成している。キャリア7に対するギア部材4の回転軸X周りの回転運動に伴って突起片76Aが螺旋状溝48に沿って相対移動することで、ギア部材4の回転運動が当該回転軸Xに沿ったキャリア7の直線運動に変換される。
この実施形態によれば、螺旋状の凸条76よりも突起片76Aの構造が簡単であるため、キャリア7の材料費を抑えることができる。
第4の実施形態では、第2スプリング92の力学的特性が第1の実施形態の第2スプリング92と異なっている。具体的には、キャリア7がアンロック位置にあるとき、第2スプリング92の全長はその自然長より短く、第2スプリング92は、図10に実線で示すように、ハウジングケース2に対してキャリア7を前進方向へ付勢する。また、キャリア7がロック位置にあるときには、第2スプリング92は、キャリア7から離脱した状態となり、キャリア7に付勢力を作用させない。図示は省略するが、本実施形態の第2スプリング92の後端92aは、ハウジングリッド3に固定されており、前端92bは、キャリア7の隔壁78に離脱可能(キャリア7に対して前進方向の付勢力のみ伝達可能)に当接している。また、キャリア7がロック位置にあるとき、キャリア7の隔壁78からハウジングリッド3の内側面までの距離は、第2スプリング92の自然長より長い。従って、図10に示すように、アンロック位置にあるキャリア7には、第2スプリング92のみから前進方向へ付勢力が作用し、ロック位置にあるキャリア7には、第1スプリング91のみから後進方向へ付勢力が作用する。
この実施形態によれば、第1の実施形態のように第2スプリング92によってキャリア7を常時前進方向へ付勢するようにする場合よりも、第2スプリング92の自然長を短くすることができ、重量及び材料費を低減することができる。また、このように自然長の短い第2スプリング92を使用しても、ロック位置及びアンロック位置の各々で、キャリア7に対して前進方向または後進方向の付勢力を作用させることができるので、両位置におけるキャリア7のガタつきを抑えることができる。なお、第2スプリング92の設置方法は上記に限らず、前端92bをキャリア7の隔壁78に固定し、後端92aをハウジングリッド3に離脱可能(ハウジングリッド3に対して後進方向の付勢力のみ伝達可能)に当接させてもよい。
第5の実施形態では、図11に示すように、ロックロッド8が係合位置にあるときに、ストッパ部26がロックロッド8自体に当接して係合する。ロックロッド8のプレート部81は、その後端角部から前後方向と直交する方向に突出した円柱状の係合突起81aを有している。ハウジングケース2のアクチュエータ収納部2Aの内側面には、回転軸Xと平行に延びるガイド溝25が形成されており、係合突起81aは、ガイド溝25内をガイド溝25に沿って前後方向に移動する。ガイド溝25の前端部25aは、ストッパ部26を構成している。ストッパ部26は、ロックロッド8が係合位置にあるとき、係合突起81aに当接してこれと係合する。
この実施形態によれば、ストッパ部26が、第1の実施形態のピン84の端部84aよりもロックロッド8の係合部83に近いプレート部81の係合突起81aに当接してロックロッド8の位置を規定する。このため、係合位置でのロックロッド8の位置(特に前後方向と直交する方向の位置)を安定させることができる。なお、係合突起81aの断面形状は特に限定されず、楕円、半円、多角形などであってもよい。
第6の実施形態では、図示は省略するが、ギア部材4の内周に、二重螺旋などの多重螺旋状の溝が形成されており、キャリア7の外周には、これと螺合可能な多重螺旋状の凸条が形成されている。この凸条は、ギア部材4の多重螺旋状溝に係合したままその螺旋状溝に沿って相対移動可能である。多重螺旋状溝は、前側及び後側のそれぞれに複数の端部開口を備えている。複数の端部開口は、ギア部材4の周方向に沿って等間隔に配置されている。これら端部開口同士の間の周方向の間隔は、一重の螺旋状溝48のそれよりも短い。このため、オーバーラン位置にあるキャリア7をギア部材4と螺合した状態に復帰させる際のギア部材4の回転角(キャリア7の凸条の端部を多重螺旋状溝の端部開口に到達させるために必要なギア部材4の回転角)が、一重の螺旋状溝48の場合よりも小さくなる。このため、各オーバーラン位置からの復帰動作にかかる時間をより短くすることができる。
第7の実施形態では、図示は省略するが、運動変換機構としてラックピニオン機構を採用している。具体的には、キャリア7の側面に、キャリア7の直線運動の方向に沿って延びるラックギアが形成され、ギア部材4の外周に、ラックギアに噛合するピニオンギアが形成されている。歯車の種類は特に限定されない。ラックギア及びピニオンギアが平歯車であれば、ギア部材4は、その回転軸Xがキャリア7の直線運動の方向に垂直な平面と平行になるように配置することができる。また、ピニオンギアがはすば歯車であれば、ギア部材4は、その回転軸Xがキャリア7の直線運動の方向に垂直な平面と斜めに交差するように配置することができる。
上記ラックピニオン機構は、オーバーラン発生時に空転動作を行うことができる。例えば、ギア部材4がキャリア7を前進させる方向に回転し続けると、キャリア7が施錠側オーバーラン位置まで移動(オーバーラン)し、ピニオンギアがラックギアの後端部から外れて、ギア部材4がキャリア7に対して空転する。また、ギア部材4がキャリア7を後進させる方向に回転し続けると、キャリア7が解錠側オーバーラン位置まで移動(オーバーラン)し、ピニオンギアがラックギアの前端部から外れて、ギア部材4がキャリア7に対して空転する。
また、上記ラックピニオン機構は、オーバーラン位置からの復帰動作を行うことができる。例えば、キャリア7が施錠側オーバーラン位置に位置しているときは、第1及び第2スプリング91,92の合力(後進方向への付勢力)が、キャリア7に作用する。従って、この状態でキャリア7を後進させる方向にギア部材4を回転させれば、ラックギアの後端部が、ギア部材4のピニオンギアに噛合した状態、すなわちキャリア7がラックピニオン機構を介してギア部材4に係合した状態に復帰する。キャリア7が解錠側オーバーラン位置に位置しているときは、第2スプリング92から前進方向へ付勢されている。従って、この状態でキャリア7を前進させる方向にギア部材4を回転させれば、ラックギアの前端部が、ギア部材4のピニオンギアに噛合した状態、すなわちキャリア7がラックピニオン機構を介してギア部材4に係合した状態に復帰する。
この実施形態によれば、キャリア7の運動の方向をギア部材4の回転軸Xと非平行にも設定できるので、駆動機構の配置の自由度が向上する。また、例えば、円弧状に湾曲したラックギアを採用すれば、キャリア7及びロックロッド8(ロックユニット6)を円弧状の曲線に沿って移動させる、或いは円弧の中心軸回りに回転運動させることができる。なお、上記ラックギアの代わりに、はしご型のラックレールを採用してもよい。具体的には、キャリア7の側面に、キャリア7の運動の方向(移動方向)に沿って並んだ複数の穴を形成し、回転するピニオンギアの歯が、移動するキャリア7の複数の穴に順次係合するようにしてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。
第1乃至第7の実施形態では、ウォームホイール44及びウォームギア52からなる減速機構を介してギア部材4を駆動したが、ギア部材4の駆動方法は、特に限定されず、例えばブラシレスモータのロータに直接ギア部材4を連結してこれを駆動するようにしてもよい。
また、第1乃至第6の実施形態では、一重螺旋状の凸条76、多重螺旋状の凸条、カムフォロア100、一対の板状の突起片76Aなどの突起部をキャリア7側に設け、螺旋状溝48、螺旋状カム溝112などの螺旋状溝をギア部材4側に設けていた。しかしながら、運動変換機構の配置はこれに限らず、上記突起部をギア部材4側に設け、螺旋状溝をキャリア7側に設けてもよい。
さらに、第1乃至第6の実施形態では、円環状のギア部材4の内部にキャリア7を挿通させていたが、ギア部材4の前部を円柱状に形成し、キャリア7の後部を円環状に形成して、キャリア7の後部の内部にギア部材4の前部を挿通させてもよい。
また、第1乃至第7の実施形態では、マイクロスイッチ11,12を用いてキャリア7の位置検出を行っていたが、位置検出の方式は、特に限定されず、公知の磁気センサや光学センサ等を用いて位置検出を行ってもよい。
さらに、第1乃至第7の実施形態は、それらのうちいずれか2以上を組み合わせて適用してもよい。
1 電動ステアリングロック装置
2 ハウジングケース(ハウジング)
26 ストッパ部
3 ハウジングリッド(ハウジング)
4 ギア部材
5 電動モータ(電動機)
6 ロックユニット
7 キャリア
71a 長孔
8 ロックロッド(ロック部材)
84 ピン(軸部材)
91 第1スプリング(第1付勢部材)
92 第2スプリング(第2付勢部材)
S ステアリングシャフト
SE 被係合部
ST1 第1距離
ST2 第2距離
ST3 第3距離

Claims (5)

  1. 電動機によって回転駆動されるギア部材と、
    ステアリングシャフトに向かう方向に沿って進退可能なロックユニットと、
    前記ギア部材と前記ロックユニットとを収容するハウジングと、
    を備え、
    前記ロックユニットは、
    前記ステアリングシャフトの被係合部に係合可能なロック部材と、
    前記ロック部材を前記方向に沿って相対移動可能に保持するキャリアと、
    前記キャリアと前記ロック部材との間に介装され、前記ロック部材を前記キャリアに対して前記ステアリングシャフト側へ付勢する第1付勢部材と、
    を備え、
    前記キャリアは、少なくとも、前記ロック部材が前記ステアリングシャフトの前記被係合部に係合可能な状態になるロック位置と、前記ロック位置よりも前記ステアリングシャフト側にある施錠側オーバーラン位置と、の間を前記方向に沿って移動可能であり、前記ロック位置では、前記ギア部材の回転運動を前記キャリアの前記方向に沿った運動に変換する機構を介して前記ギア部材に係合しており、前記施錠側オーバーラン位置では、前記機構を介した前記ギア部材との係合が解除されて、前記ギア部材の前記キャリアに対する空転を許容しており、
    前記ハウジングは、前記キャリアが前記ロック位置または前記ロック位置より前記ステアリングシャフト側に位置しているときに、前記ロック部材に当接可能なストッパ部を有しており、
    前記ストッパ部は、前記ロック部材に当接することで、前記ロック部材が前記ステアリングシャフトの前記被係合部に係合しているときの前記ロック部材の位置より前記ステアリングシャフト側へ移動することを阻止することを特徴とする電動ステアリングロック装置。
  2. 前記ロック部材は、前記キャリアに対して第1距離だけ相対移動可能であり、
    前記施錠側オーバーラン位置は、前記ロック位置から前記第1距離より小さい第2距離だけ離れていることを特徴とする請求項1に記載の電動ステアリングロック装置。
  3. 前記キャリアが前記ロック位置にあるとき、前記ロック部材は、前記ステアリングシャフトの前記被係合部に係合する係合位置と、前記係合位置より後方で、前記ロック部材が前記ステアリングシャフトの前記被係合部以外の部位に乗り上げた状態となる、前記係合位置から第3距離だけ離れた非係合位置と、の間を移動可能であり、
    前記第1距離は、前記第2距離と前記第3距離との和より大きいことを特徴とする請求項2に記載の電動ステアリングロック装置。
  4. 前記ハウジングと前記キャリアとの間に介装され、前記キャリアを前記ハウジングに対して前記ステアリングシャフト側へ付勢する第2付勢部材を更に備え、
    前記キャリアが前記施錠側オーバーラン位置にあり、かつ、前記ロック部材が前記ストッパ部に当接した状態にあるとき、前記第1付勢部材の付勢力は、前記第2付勢部材の付勢力より大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電動ステアリングロック装置。
  5. 前記キャリアは、前記方向に沿って延びる長孔を有し、
    前記ロック部材は、前記長孔を貫通する軸部材を有し、
    前記軸部材は、前記長孔内で前記方向に沿って前記第1距離だけ移動可能であり、
    前記キャリアが前記ロック位置より前方に位置しているときに、前記ストッパ部は前記軸部材の端部に当接して前記ロック部材の前記ステアリングシャフト側への移動を阻止することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電動ステアリングロック装置。
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