JP2018193097A - 包装材料及び包装容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程中の摩擦等による微粒子の脱離を防止するため、撥水層の密着性が向上した包装材料及び包装容器を提供する。【解決手段】基材と、前記基材上に設けられる接着層と、前記接着層上に設けられ、親水性微粒子及びバインダーを有する撥水層とを備え、前記撥水層に対向する側の接着層の表面は、凸部及び凹部が設けられた凹凸面を成し、前記撥水層に含まれるバインダーが、一般式M(OR)nで表される第1の金属アルコキシドと、一般式M(OR1)n−m(R2)mで表される第2の金属アルコキシドを少なくとも含む包装材料。(上記式中でMは金属元素、Oは酸素、R、R1、R2はそれぞれ炭化水素基を表し、n及びmはそれぞれn>mを満たす自然数を表す。)【選択図】図1

Description

本発明は、包装材料及び包装容器に関する。
従来より、液体、半固体又はゲル状の内容物が封入された包装容器の蓋材には、該内容物の付着を抑制する機能を有するものがある。具体的にはヨーグルト、ゼリー、シロップなどの容器の蓋材や、お粥、スープなどのレトルト食品包装材、化学品や医薬品の液体、半固体、ゲル状物質などの保存容器用フィルム材料に内容物が付着することを防止する目的のものである。
そのような解決方法として、例えば下記特許文献1に記載される蓋材において、内容物と対向する面側の最外層として、疎水性酸化物微粒子により成る多孔質層が形成されている。この特許文献1では、上記多孔質層が撥水性を有する層として撥水性を奏することによって、内容物が蓋材に付着することを抑制している。
上記特許文献1に記載される蓋材を用いて内容物が収容される容器を封止する際には、該蓋材をローラ等の搬送機械によって搬送し、該蓋材を打ち抜き等によって個片化する。
しかし、この際に、多孔質層と搬送機械との摩擦等により、該多孔質層を形成する疎水性酸化物微粒子が蓋材から脱離することがある。その場合、多孔質層の撥水性が十分に奏されなくなり、多量の内容物が蓋材に付着するおそれがある。
特許第4348401号公報
本発明は、上記のような製造工程中の摩擦等による微粒子の脱離の問題を解決するため、撥水層の密着性が向上した包装材料及び包装容器を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る包装材料は、基材と、基材上に設けられる接着層と、接着層上に設けられ、親水性微粒子及びバインダーを有する撥水層とを備え、撥水層に対向する接着層の表面は凸部及び凹部が設けられた凹凸面であり、撥水層中のバインダーがM(OR)で表される第1の金属アルコキシドと、一般式M(ORn−m(Rで表される第2の金属アルコキシドの少なくとも二種を含む包装材料である。なお、上記式中でMは金属元素、Oは酸素、R、R、Rはそれぞれ炭化水素基を表し、nは金属元素Mの原子価であり、かつn及びmはそれぞれn>mを満たす自然数である。
この包装材料では、撥水層は親水性微粒子及びバインダーを有しており、第1の金属アルコキシドあるいは該金属アルコキシドの加水分解物が親水性微粒子間の強固な結合を形成し、第2の金属アルコキシドあるいは該金属アルコキシドの加水分解物が第1の金属アルコキシドあるいは該金属アルコキシドの加水分解物及び粒子表面に疎水性を付与することにより、十分な撥水性を有し、且つ密着性を向上できる。
本発明によれば、撥水層の密着性が向上することにより、製造工程において撥水性が低下することがなく、内容物が付着し難い包装材料及び包装容器を提供できる。
図1は、本実施形態に係る包装材料の概略断面図である。 図2は、本実施形態に係る包装材料の使用例を示す概略図である。
以下図面を参照しながら、本発明に係る撥水性積層体について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る撥水性積層体の基本的な実施態様における断面構造を示した断面模式図である。
図1は、本実施形態に係る包装材料の概略断面図である。
図1に示されるように、包装材料1は、基材2と、基材2上に設けられる接着層3と、接着層3上に設けられる撥水層4とを備えている。包装材料1の表面には、例えば印刷又は貼り合わせの加工を施して、文字及び模様等の意匠性が付与されていてもよい。
基材2は、支持体となる物であれば特に制限はなく、例えば紙、樹脂を含むフィルム、又は金属箔の少なくとも一種を有する。
紙としては、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙、又はクラフト紙等が挙げられる。
樹脂を含むフィルムとしては、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、セルロースアセテート、及びセロファン樹脂の少なくとも一種を含むフィルムが挙げられる。このフィルムは延伸フィルムでもよいし、非延伸フィルムでもよい。
金属箔としては、例えばアルミ箔又はニッケル箔等が挙げられる。
基材2自身が積層体である場合、例えば層間に接着剤等が用いられてもよい。
また、基材2は、バリア性フィルム、無機蒸着フィルム、又は金属箔等のバリア膜を有してもよい。このバリア膜としては、例えば液体及び空気が包装材料1を通過することを阻害する機能、及び光が包装材料1を透過することを抑制する機能等を有していてもよい。
バリア性フィルムとしては、例えばポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)、又はポリビニルアルコール(PVA)等から構成されるフィルムが挙げられる。また、バリア性フィルムとして、PETフィルム、ポリエチレン又はポリプロピレン等の延伸オレフィン樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、セルロースアセテートフィルム、又はセロファンフィルム等を用いてもよい。
この場合、これらのフィルムの表面にPVDCコート、PVAコート、アクリル酸系樹脂コート等を施してもよい。
また、バリア性フィルムとして、PVDC共押出フィルム、EVOH共押出フィルム、ナイロン(ONY)系共押出フィルム、又はOPP共押出フィルム等を用いてもよい。
無機蒸着フィルムは、例えば延伸オレフィン樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、セルロースアセテートフィルム、又はセロファンフィルムに対して、アルミニウム、アルミナ、又はシリカ等が蒸着されることによって形成されるフィルムである。
図2は、本実施形態に係る包装材料の使用例を示す概略図である。
図2に示されるように、バリア膜が含まれた基材2を備える包装材料1は、例えば内容物5が収容された容器6の蓋材として用いられる。この場合、包装材料1の接着層3が容器6の縁6aに接着することにより、包装材料1は容器6を封止している。
包装材料1がバリア膜を有している場合、このバリア膜は、内容物5の基材2内への浸透を阻害する機能、内容物5の酸化劣化を防止する機能、内容物5の水分の揮発を抑える機能、または、内容物5の光劣化を防止する機能の少なくとも一つを呈することができる。
図1に戻って、接着層3は、公知の材料を使用することができる。包装材料1によって容器等の対象物を包装する際に接着性を発揮する層であり、被着体となる容器の材質や、内容物、必要とされる接着強度などによって適宜選択される。
接着層3は、主成分としてホットメルト接着剤を含んでいる。ホットメルト接着剤には、ワックス、熱可塑性樹脂、及び粘着付与材の少なくとも一種が含まれている。
ワックスとしては、例えば天然ワックス又は合成ワックス等が用いられる。天然ワックスと合成ワックスとしては、例えばパラフィン、マイクロクリスタリン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタンワックス、又はフィッシャートロプスワックス等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン、ポリアセタール(POM)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メタクリル・スチレン共重合体(MS)、酢酸セルロース(CA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン(PU)、及びPCTFE,PTFE,FEP,PFA,ETFE,PVDF等のフッ素系樹脂から用途に応じて選定できる。
粘着付与材は、ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、及び石油樹脂等から用途に応じて選定できる。
撥水層4は、少なくとも撥水性を発揮する層であり、接着層3の表面を覆うように形成されている。撥水層4の厚さは、例えば0.1μm以上20μm以下である。撥水層4の厚さがこの範囲内である場合、包装材料1は、撥水性を十分に発揮できると共に、接着層3による良好な接着性を発揮する。
撥水層4は、親水性微粒子及びバインダーを有している。撥水層4内において、親水性微粒子とバインダーとの重量比(親水性微粒子:バインダー)は、例えば20:80〜80:20である。この場合、撥水層4は、撥水性を十分に発揮し、且つ、良好な耐摩耗性を示す。
親水性微粒子は、無機酸化物を主成分としている。この無機酸化物は、例えば酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化チタン、及び酸化マグネシウムの内少なくとも1種を含んでいる。無機酸化物が酸化珪素である場合、合成シリカ又は天然シリカが用いられる。合成シリカは、例えば燃焼法若しくはアーク法等の乾式製法、沈殿法、又はゲル法等の湿式製法によって合成される。
親水性微粒子の粒径は、例えば5nm以上5μm(5000nm)以下であればよい。親水性微粒子の平均粒径が上記範囲内であることにより、該親水性微粒子がバインダーによって良好に結合され、撥水層4から脱落しにくくなる。加えて、親水性微粒子は撥水層4中を良好に分散でき、該親水性微粒子をハンドリングよく用いることができる。また、親水性微粒子は互いに平均粒径が異なる複数の種類の粒子から構成されてもよい。撥水層4内に様々な平均粒径を有する微粒子が存在する場合、フラクタル構造が形成されやすくなり、結果として撥水層4の撥水性が高まる。
バインダーは、撥水層4内の親水性微粒子を強固に結合するために用いられる物質である。このバインダーとして、第1の金属アルコキシドと第2の金属アルコキシドの少なくとも2種以上の金属アルコキシドが用いられる。この金属アルコキシドは加水分解物でもよい。また、必要に応じてシランカップリング剤、又はバインダーの反応を制御するための触媒等の添加剤がさらに含まれてもよい。
バインダーに含まれる第1の金属アルコキシドと第2の金属アルコキシドを金属酸化物に換算した時の重量比(第1の金属アルコキシド:第2の金属アルコキシド)は、例えば90:10〜10:90が好ましい。この範囲内であることで、撥水性を維持しつつ撥水層の密着性が強固となる。
第1の金属アルコキシドは、M(OR)で示される。Mは金属原子であり、nは自然数である。Mは、例えば、Li、Na、Cu、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、P、Sb、Ta、W、La、Nd、Ti等である。nはMの原子価であり、Rは低級アルキル基であり、例えばメチル基、エチル基などである。
本実施形態では比較的安価でハンドリングのよい、例えばテトラエトキシシランなどを用いることができる。
なお第1の金属アルコキシドにおいて炭素数nが1〜4の低級アルキル基を有するものであれば、ハンドリングが良く反応速度も速いことから特に好ましい。
第2の金属アルコキシドは、M(ORn−m(Rで示され、nは2以上で、mは1以上で、かつn>mである自然数であり、Rは炭素数nが1〜4の低級アルキル基であり、Rは炭素数が4〜12の直鎖アルキル基である。本実施形態では比較的安価でハンドリングのよい、例えばn−プロピルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシランなどを用いることができる。
第2の金属アルコキシドが上記の組成を有するものであれば、親水性微粒子に対して架橋点が増えるため特に付着力が良く、また疎水基以外で加水分解点が多いため(例えばトリエトキシシランの場合3つある)、架橋密度が上がり強固な膜にすることができる。
撥水層4は親水性微粒子及びバインダーを有しており、且つ、第1の金属アルコキシドあるいは第1の金属アルコキシドの加水分解物が親水性微粒子間の強固な結合を形成する。
さらに、第2の金属アルコキシドあるいは第2の金属アルコキシドの加水分解物が、該第1の金属アルコキシドあるいは該第1の金属アルコキシドの加水分解物及び親水性微粒子表面に疎水性を付与する。すなわち、撥水層4の親水性微粒子は、第1の金属アルコキシドによってその結合が強固になり、かつ第2の金属アルコキシドによってその表面が疎水性になる。
このように2種類の金属アルコキシドの作用により、撥水層4は密着性が向上し、かつ製造工程中での摩擦による撥水性の劣化を防止することができる。
次に、本実施形態に係る包装材料1の形成方法の一例、及び該包装材料1による容器6
の封止方法の一例を、図1及び図2を用いながら説明する。
まず、図1に示すように、基材2を準備する。基材2は、単層でもよく、接着剤によって互いに接着された積層体でもよい。さらに基材2は、例えばPETフィルム等のプラスチックフィルムに金属又は金属酸化物等が蒸着されたフィルムでもよい。
次に、基材2の一方の主面上に接着層3を形成する。例えば、加熱されたグラビア版を用いたダイレクトグラビア方式で、ホットメルト接着剤を基材2上にコーティングする。これにより、凹凸面である表面を有する接着層3を形成する。
次に、親水性微粒子及びバインダーが混入された液体を準備する。この液体の溶媒は、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、若しくはイソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール溶媒、酢酸エチル、トルエン、アセトン等の有機溶媒、又は水である。
次に、上記液体を接着層3の表面にコーティングする。例えば、グラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、又は押出しラミネーション等の公知の方法によって、上記液体を表面にコーティングする。
次に、上記液体の溶媒を除去することにより、接着層3上に撥水層4を形成する。例えば、ヒータ若しくは温風等を用いた加熱乾燥、又は自然乾燥によって、上記溶媒を除去する。以上により、基材2、接着層3、及び撥水層4を有する包装材料1を形成する。
次に、図2に示すように、形成した包装材料1の撥水層4側と容器6とを対向させ、撥水層4と容器6の縁6aとを接触させる。そして、包装材料1を加熱すると共に容器6に押し付けることによって、包装材料1の軟化した接着層3が容器6の縁6aに接着する。
具体的には、包装材料1を容器6に押し付ける際に、撥水層4において容器6の縁6aに接する部分が割れ、クラックが生じる。このクラックから接着層3中の溶融したホットメルト接着剤が流れ込むことにより、接着層3が容器6の縁6aに接着する。これにより、図2に示される内容物5が封止された包装容器100を形成する。
なお、撥水層4において容器6の縁6aに接する部分の殆どは、ホットメルト接着剤の流入に伴って縁6aの外部に押し出される。
これにより、包装容器の製造工程において搬送機械等との摩擦が確実に発生する撥水層4は、バインダーによって強固且つ高密度に結合されている。このため、摩擦等の物理的刺激に対する耐性が高くなるので、撥水層4の耐摩耗性を向上でき、かつ十分な撥水性を維持することができる。
本発明の包装材料を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚み12μmのPETフィルムの片面に、厚さ7μmのアルミニウム箔をドライラミネートにて貼り付けた。そして、アルミニウム箔に、厚さ25μmの低密度ポリエチレンフィルム(LDPEフィルム)を押し出し法にて成膜することにより、図1に示される基材2を形成した。
この基材2のLDPEフィルム上に、接着層3をホットメルト樹脂を用いて形成した。この接着層3は、75線/インチのグラビア板を用いたグラビアコートによって形成されており、接着層3の表面に形成された複数の凸部11の頂点間距離を約0.5mmとした。
次に、平均粒径が4μmである親水性シリカ微粒子と、バインダー液として金属アルコキシド加水分解液とを2−プロパノールに加えて分散させることにより、該シリカ微粒子が分散した液体を作成した。また、金属アルコキシド加水分解液は、バインダーとして機能するテトラエトキシシラン(第1の金属アルコキシド)とオクチルトリエトキシシラン(第2の金属アルコキシド)を重量比で50:50となるように調整し、これに0.1規定濃度の塩酸溶液を加えて加水分解させることによって形成した。上記液体では、シリカ微粒子と、バインダーとの重量比は、50:50となるように調整した。
次に、上記液体を接着層3の表面に塗布した後、60℃の熱風に曝して2−プロパノール等の溶媒を蒸発させた。これにより、撥水層4が接着層3上に形成された包装材料1を得た。上記液体内の固形分塗布量が2g/mになるように、該液体をマイクログラビアコートによって塗布した。
(実施例2)
シリカ微粒子と、バインダーとの重量比を、20:80となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして包装材料1を形成した。
(実施例3)
シリカ微粒子と、バインダーとの重量比を、80:20となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして包装材料1を形成した。
(実施例4)
バインダーとして機能するテトラエトキシシランとオクチルトリエトキシシランを重量比で90:10となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして包装材料1を形成した。
(実施例5)
バインダーとして機能するテトラエトキシシランとオクチルトリエトキシシランを重量比で10:90、となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして包装材料1を形成した。
(比較例1)
シリカ微粒子を平均粒径15nmの疎水処理シリカとし、バインダーとの重量比を、100:0となるように調整したこと、すなわちバインダーを用いることなく撥水層4を形成したこと以外は、実施例1と同様にして包装材料1を形成した。
(比較例2)
シリカ微粒子を平均粒径15nmの疎水処理シリカとしたこと以外は、実施例1と同様にして包装材料1を形成した。
(比較例3)
バインダーとして機能するテトラエトキシシランとオクチルトリエトキシシランを重量比で0:100となるように調整したこと、すなわち第1の金属アルコキシドを用いることなく撥水層4を形成したこと以外は、実施例1と同様にして包装材料1を形成した。
(比較例4)
バインダーとして機能するテトラエトキシシランとオクチルトリエトキシシランを重量比で100:0となるように調整したこと、すなわち第2の金属アルコキシドを用いることなく撥水層4を形成したこと以外は、実施例1と同様にして包装材料1を形成した。
(評価方法)
上記実施例1〜5及び比較例1〜4で作製した包装材料を下記の方法で試験し、評価した。
(密着性試験)
上述の実施例1〜5及び比較例1〜4の包装材料1に対して、セロテープ(登録商標)粘着剥離試験を行った。この密着性試験では、まず各実施例及び各比較例の包装材料1から、所定の大きさの試験片を作成した。そして、撥水層の面に、セロテープ(登録商標)を貼り、剥がしたときのセロテープ(登録商標)への粒子の付着を目視にて評価し、次のA、Bで判定した。
A:セロテープ(登録商標)に粒子が取られない。
B:セロテープ(登録商標)に粒子が取られる。
(撥水性試験)
上述の実施例1〜5及び比較例1〜4の包装材料1において、撥水層4が設けられた側の撥水性を確認した。まず、40度に傾斜させた試料台に、包装材料1の基材2を貼り付けた。これにより、包装材料1の撥水層4を露出した状態とした。次に、包装材料1の撥水層4上に、ゲル状のヨーグルトを約0.5ミリリットル、包装材料1の2cm上から滴下した。ヨーグルトの滴下から所定時間経過した後に、包装材料1へのヨーグルトの付着状態を目視で観察及び評価した。
上記撥水性試験は、包装材料の形成後(初期撥水性)と、密着性試験の実施後(2回目撥水性)に、各実施例及び各比較例の包装材料に対して行った。この撥水性試験の評価結果は以下のように判定した。
A:液滴の付着なし。
B:わずかな付着はするが、液滴の大半は付着しない。
C:液滴の付着あり。
各実施例及び各比較例の評価結果をまとめ、下記表1に示す。
上記表1に示されるように、実施例1〜5及び比較例1,3において、包装材料1を形成した段階では初期撥水性試験でヨーグルトが包装材料1に付着しなかった。
また、実施例1〜5では、密着性試験を行った後の2回目撥水性試験であってもヨーグルトが包装材料1に付着しなかった。一方、比較例1,3では密着性試験を行った後の2回目撥水性試験でヨーグルトが包装材料1の一部に付着した。また、比較例2では初期撥水性試験でヨーグルトが包装材料1の一部に付着し、比較例4では初期撥水性試験でヨーグルトがほぼ全体に付着した。
これらの結果から、比較例1のように撥水層4にバインダーが含まれないこと、及び比較例3のように第1の金属アルコキシドが含まれないことにより、撥水層4を構成する微粒子が摩擦により脱離しやすくなったことがわかる。
また比較例2では疎水性シリカを用いたことで、包装材料1を形成した段階で少なくとも一部に付着が見られた。これは疎水性シリカが金属アルコキシドを含むバインダー中でうまく均一に分散せず部分的に凝集してしまい、撥水性を持たない表面ができてしまったことが考えられる。
さらに比較例4では第2の金属アルコキシドを含まないことで親水性微粒子の表面に疎水性を付与できなかったため、初期撥水性試験でヨーグルトがほぼ全体に付着した。
以上の結果から、本発明に係る包装材料は優れた撥水性を有し、かつ密着性が向上することがわかった。
1…包装材料
2…基材
3…接着層
4…撥水層
5…内容物
6…容器
6a…縁
11…凸部
12…凹部
100…包装容器

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材上に設けられる接着層と、前記接着層上に設けられ、親水性微粒子及びバインダーを有する撥水層とを備え、前記撥水層に対向する側の接着層の表面は、凸部及び凹部が設けられた凹凸面を成し、
    前記撥水層に含まれるバインダーが、一般式M(OR)で表される第1の金属アルコキシドと、一般式M(ORn−m(Rで表される第2の金属アルコキシドを少なくとも含む包装材料。
    (上記式中でMは金属元素、Oは酸素、R、R、Rはそれぞれ炭化水素基を表し、nは金属元素Mの原子価であり、かつn及びmはそれぞれn>mを満たす自然数)
  2. 前記撥水層のバインダーに含まれる前記第1の金属アルコキシドの炭化水素基Rが、炭素数1〜4の低級アルキル基である請求項1記載の包装材料。
  3. 前記撥水層のバインダーに含まれる前記第2の金属アルコキシドの炭化水素基Rが炭素数1〜4の低級アルキル基であり、且つ炭化水素基Rが炭素数4〜12の直鎖アルキル基である請求項1記載の包装材料。
  4. 前記撥水層において、前記親水性微粒子と前記バインダーとの重量比は、20:80〜80:20である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装材料。
  5. 前記撥水層のバインダーに含まれる前記第1の金属アルコキシドと前記第2の金属アルコキシドを金属酸化物に換算した時の重量比が10:90〜90:10である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装材料。
  6. 前記親水性微粒子の平均粒径が5nm〜5000nmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装材料を蓋材として用いた包装容器。
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