以下、図1〜図5を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る乗員健康管理装置100の適用例を示す図である。図1に示すように、乗員健康管理装置100は、一例として出発地から目的地までの目標経路を設定可能なナビゲーション装置を有する車両1に搭載される。
車両1は、例えば出発地(例えば自宅)P1から目的地(例えば勤務場所や訪問先)P2に至るまでの往路RT1を走行した後、目的地P2から出発地P1に帰還するまでの復路RT2を走行する。乗員健康管理装置100は、車両1の内部で体温や血圧などを測定して乗員の生体情報を取得し、取得された健康状態に基づいて、往路RT1または復路RT2の途中において、病院等の医療機関2での受診、または医薬品を販売する薬局や薬店等の販売店3での薬の購入を提案する。
図2は、本発明の実施形態に係る乗員健康管理装置100の概略構成を示すブロック図である。乗員健康管理装置100は、ナビゲーション装置と一部の機能を共通にする。図2に示すように、乗員健康管理装置100は、ECU(電子制御ユニット)10と、ECU10に有線または無線でそれぞれ電気的に接続された測定器21、GPS受信部22、マイク23、入力部24、データベース25、表示部26およびスピーカ27とを有する。
測定器21は、車両に搭載されて、所定のタイミングで乗員の健康状態を測定して生体情報を得る接触式または非接触式の各種センサにより構成される。生体情報は、乗員の体温、血圧、脈拍等、乗員の健康状態を表す物理量についての情報である。測定器21としては、一例を挙げると、体温を測定するサーモセンサ、ステアリングハンドルに取り付けられて心拍や血圧を測定する電極、乗員の顔面を撮影して心拍や脈拍を測定するカメラ等を用いることができる。生体情報の測定のタイミングは、例えば乗員(具体的には運転者)が乗車したとき、運転開始から所定時間経過したときなどである。生体情報の取得を、乗員が乗車してから所定時間毎に行うようにしてもよい。
GPS受信部(GPSセンサ)22は、GPS衛星から信号を受信する機器であり、GPS受信部22で受信した信号により車両の現在位置を測定することができる。マイク23は、乗員の発話した音声を取得する機器であり、マイク23からの音声信号は、例えばA/D変換器を介し音声データとしてECU10に入力され、ECU10で音声認識される。入力部24は、乗員が各種指令を入力する機器であり、例えばタッチパネルやステアリングハンドル等に設けられたスイッチにより構成できる。
データベース25は、地図情報を記憶する地図データベース251と、医療機関情報を記憶する医療機関データベース252と、販売店情報を記憶する販売店データベース253とを含む。これらの情報を、無線あるいは有線の通信手段を介して車両1の外部から取得し、データベース25に記憶するようにしてもよい。このように外部から取得した情報により、データベース25に記憶される情報を任意のタイミングで、あるいは定期的に更新するようにしてもよい。
地図データベース251に記憶される地図情報には、道路の位置や形状等の情報の他、各種施設や店舗の位置や形状、駐車場等の情報が含まれる。医療機関データベース252に記憶される医療機関情報には、病院や医院等の医療機関の位置、診療科目、受付時間、休診日、電話番号、駐車場の有無等の情報が含まれる。販売店データベース253に記憶される販売店情報には、医薬品を販売する薬局、薬店、コンビニエンスストアなどの販売店の位置、薬剤師の有無、営業時間、定休日、電話番号、駐車場の有無等の情報が含まれる。販売店情報には、各販売店が第1類医薬品、第2類医薬品および第3類医薬品のいずれを販売可能であるかの情報も含まれる。販売店との通信により、各販売店における医薬品の在庫の有無の情報を取得し、これを販売店データベース253に記憶することもできる。
表示部26は、液晶ディスプレイやタッチパネルにより構成される表示機器である。表示部26には、目的地までの目標経路の情報や、医療機関での受診や販売店での医薬品の購入等の健康管理に関する提案を表示することができる。スピーカ27は、各種情報を音声で出力する機器であり、例えば目標経路の情報や、上記健康管理に関する提案を音声で出力することができる。
ECU10は、プロセッサやメモリ等、すなわちCPU,ROM,RAMその他の周辺回路を有する演算処理装置を含んで構成される。ECU10は、機能的構成として、経路演算部11と、情報記憶部12と、提案決定部13と、検索部14と、出力部15と、応答受付部16とを有する。
経路演算部11は、GPS受信部22によって測定された車両の現在位置と地図データベース251に記憶された地図情報とに基づいて、現在位置から目的地に至るまでの目標経路を演算する。そして、その演算結果に基づき表示部26とスピーカ27とに制御信号を出力し、車両の現在位置情報とともに目標経路情報を表示部26に表示させるとともに、目標経路情報をスピーカ27から音声で出力させる。なお、目的地等、経路探索に関する各種情報は、入力部24を介して入力することができる。後述するように出力部15を介して提案された医療機関や販売店の位置を、乗員の承諾を待って目的地に自動的に設定することもできる。
情報記憶部12は、測定器21により測定された乗員固有の生体情報(測定データ)を取得し、測定の日時データとともに測定データを記憶する。測定器21が所定時間毎に生体情報を測定するとき、情報記憶部12は、全ての測定データを記憶するのではなく、そのうちの代表的な測定データを記憶するようにしてもよい。例えば、乗車後の最初に測定された測定データ、あるいは所定時間内に得られた複数の測定データの平均値を記憶するようにしてもよい。
提案決定部13は、乗員の健康管理に関する複数の提案、すなわち提案の候補の中から乗員に報知すべき提案を決定する。複数の提案には、図1に示す医療機関2での受診と、販売店3での医薬品の購入とが含まれる。より具体的には、医療機関2での受診と販売店3での医薬品の購入とを出発地P1から目的地P2に向かう往路RT1で行うことの提案と、目的地P2から出発地P1に帰還する復路RT2で行うことの提案とが含まれる。すなわち、図1の経路RT1a,RT1bに沿って往路RT1の途中で受診および医薬品を購入することの提案と、経路RT2a,RT2bに沿って復路RT2の途中で受診および医薬品を購入することの提案とが含まれる。医薬品の購入の提案には、第1類医薬品の購入の提案と、第2類医薬品の購入の提案と、第3類医薬品の購入の提案とが含まれる。
提案決定部13は、測定器21により測定、取得された生体情報に基づいて、上記複数の提案の中から乗員に報知すべき提案を決定する。例えば測定器21により取得(測定)された生体情報が体温であるとき、測定された体温と、体温に関する閾値とを比較することによって、乗員の健康状態を推定し、報知すべき提案を決定する。より具体的には、提案決定部13は、報知すべき提案を決定するために生体情報の範囲(正常範囲、異常範囲)を予め設定する。正常範囲は健康状態が良好と判定される範囲であり、異常範囲は健康状態が悪化と判定される範囲である。図3は、予め設定された正常範囲と異常範囲の一例を示す図である。この範囲は生体情報毎に定められ、図3は、体温Tを対象とした例である。
図3に示すように、体温は所定値(基準値)T0を中心としてT0±ΔT1(例えば36℃±1℃)が正常範囲であり、その外側が異常範囲である。換言すると、ΔT1は、乗員の体温が正常か否か、すなわち乗員の健康状態が良好であるか否かを判定するための閾値である。異常範囲のうち、T0±ΔT2(例えば36℃±2℃)を境にして、それよりも内側の範囲を第1範囲、外側の範囲を第2範囲と定義する。ΔT2は、乗員の健康状態の悪化の程度を判定するための閾値であり、第1範囲よりも第2範囲の方が、乗員の健康状態が悪化している。
例えば測定された体温が第2範囲にあるとき、提案決定部13は、乗員の健康状態の悪化の程度が大きいと推定する。この場合、乗員は医療機関で即座に診療されることが望ましいため、提案決定部13は、医療機関での受診、例えば往路での受診を報知すべき提案に決定する。一方、測定された体温が第1範囲にあるとき、直ちに医療機関で受診するほど病状が悪化していないと判定し、提案決定部13は、例えば復路での受診を報知すべき提案に決定、あるいは医療機関での受診ではなく往路または復路での医薬品の購入、好ましくは復路での医薬品の購入を、報知すべき提案に決定する。すなわち、時間的に余裕のある復路での医薬品の購入を提案する。医薬品の購入を報知すべき提案に決定するとき、測定された体温に応じて、第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品のいずれを提案すべきかを併せて決定する。例えば体温が所定値以上のとき、第1類医薬品を、所定値以下のときは第2医薬品あるいは第3医薬品を、提案すべき医薬品に決定する。
正常範囲、第1範囲および第2範囲は、平熱や基礎体温が高い等、乗員各自の生体情報の特性を考慮し、情報記憶部12に記憶された情報を用いて適宜設定する。例えば情報記憶部12に記憶された過去5回分の体温がいずれも36℃であり、測定された体温が38℃であるとき、提案決定部13は、これら6回分の平均値36.3℃を基準値T0に設定する。なお、測定された体温が正常範囲にない(異常値である)とき、その異常値を除外して算出した平均値を、基準値T0に設定してもよい。例えば上述の例で38℃が異常値と判定されるとき、それを除いた5回分の平均値36℃を基準値T0に設定してもよい。過去の生体情報に基づいて基準値T0を設定する代わりに、過去の生体情報に基づいてΔT1,ΔT2を適宜設定するようにしてもよい。提案決定部13は、生体情報が正常範囲にあるときには、健康管理に関する提案を行う必要がないと判断し、報知すべき提案なしと決定する。
検索部14は、提案決定部13での決定内容に応じて、乗員に提案すべき医療機関または販売店を検索する。例えば、往路での受診が提案内容に決定されたとき、検索部14は、医療機関データベース252を参照し、往路で立ち寄ることが可能な医療機関を検索する。一方、復路での医薬品の購入が提案内容に決定されたとき、検索部14は、販売店データベース253を参照し、復路で立ち寄ることが可能な販売店を検索する。
出力部15は、表示部26およびスピーカ27に制御信号を出力し、提案決定部13で決定された提案を、表示部26およびスピーカ27を介して乗員に報知する。このとき、検索部14で検索された情報を併せて報知ようにしてもよい。出力部15は、乗員に対し医療機関での受診を提案するとき、その提案を承諾するか否かを入力させるような指令を乗員に対し併せて出力する。例えば、マイク23や入力部24を介して提案の承諾または拒否の応答指令を入力するように乗員に対し指令を出力する。
応答受付部16は、出力部15から出力された提案に対する乗員の応答指令(提案の承諾または拒否の指令)を受け付ける。応答受付部16により受診の提案の承諾が受け付けられると、出力部15は、医療機関に予約手続を行うようにしてもよい。一方、応答受付部16により受診の提案の拒否が受け付けられると、提案決定部13は、販売店での医薬品の購入を、乗員に報知すべき提案に決定し、出力部15は、その提案を表示部26およびスピーカ27から出力させるように制御信号を出力する。なお、応答受付部16が提案の承諾を受け付けたときに、提案決定部13が測定器21による測定データを異常と判定し、その異常値を除去した測定データに基づいて、生体情報の正常範囲(図3の基準値T0等)を定めるようにしてもよい。一方、応答受付部16が提案の拒否を受け付けたときには、測定データを異常と判定せずに、その測定データを含めて正常範囲を定めるようにしてもよい。
図4は、予め記憶されたプログラムに従い、ECU10(CPU)で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えば乗員が乗車した後、測定器21で健康状態の測定が行われると開始される。まず、ステップS1で、測定器21により測定された現在の生体情報と、情報記憶部12に記憶された過去の生体情報とを取得する。生体情報として、以下では体温を例にして説明する。
次いで、ステップS2で、提案決定部13での処理により、現在の生体情報の値が予め定められた正常範囲にあるか否か、すなわち健康状態が良好か否かを判定する。ステップS2で否定されるとステップS3に進み、肯定されると処理を終了する。ステップS3では、健康状態の悪化の程度、すなわち生体情報の値が第1範囲内にあるか否かを判定する。ステップS3で否定されるとステップS4に進む。この場合、生体情報の値が第2範囲にあり、健康状態の悪化の程度が大きいと判断して、医療機関での受診を提案内容に決定する。さらに、出力部15での処理により、提案内容に応じた制御信号を表示部26とスピーカ27とに出力する。これにより、表示や音声の出力により医療機関での受診を乗員に提案することができる。
次いで、ステップS5で、応答受付部16での処理により、乗員が提案を承諾したか否か、すなわちマイク23あるいは入力部24を介して乗員から承諾の応答指令が入力されたか否かを判定する。ステップS5で肯定されるとステップS6に進み、出力部15での処理により、例えば医療機関に予約を依頼し、医療機関に対する予約手続を行う。このとき、経路演算部11での処理により、その医療機関を目的地とした目標経路を演算し、目標経路の情報を表示部26やスピーカ27を介して出力することもできる。
一方、ステップS3が否定あるいはステップS5が否定されるとステップS7に進む。ステップS7では、提案決定部13での処理により、販売店での医薬品の購入を提案内容に決定する。より詳しくは、第1医薬品、第2医薬品、第3医薬品のいずれかの購入を提案内容に決定する。さらに、検索部14での処理により、当該医薬品を販売している販売店を検索し、その販売店情報を取得する。次いで、出力部15での処理により、医薬品を購入すべきとの提案、およびその医薬品を取り扱う販売店の情報、すなわち販売店の名称、住所、営業時間等を、表示部26およびスピーカ27を介して乗員に報知する。このとき、経路演算部11での処理により、その販売店を目的地とした目標経路を演算し、目標経路の情報を表示部26やスピーカ27を介して出力することもできる。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)乗員健康管理装置100は、車内における乗員の健康状態を測定して生体情報を取得する測定器21と、測定器21により取得された生体情報に基づいて、乗員の健康管理に関する複数の提案、すなわち医療機関での受診と医薬品を販売する販売店での医薬品の購入とを含む複数の提案の中から、乗員に報知すべき提案を決定する提案決定部13と、提案決定部13で決定された提案を乗員に対し報知する出力部15および表示部26,スピーカ27とを備える(図1,2)。この構成により、医療機関での受診だけでなく、販売店での医薬品の購入を乗員に提案することができ、乗員に対し健康状態に応じた的確な提案を行うことができる。すなわち、乗員の健康管理に関する提案の候補に、医療機関での受診と販売店での医薬品の購入とが含まれるので、車内で測定された健康状態に応じてより的確な提案を行うことができる。
(2)乗員健康管理装置100は、測定器21により取得された生体情報を記憶する情報記憶部12をさらに備える(図2)。提案決定部13は、情報記憶部12に記憶された過去の生体情報と、測定器21により取得された現在の生体情報とに基づいて、乗員に報知すべき提案を決定する(ステップS4,ステップS7)。これにより、乗員に固有の生体情報の特性(例えば平熱や基礎体温の値等)を考慮して乗員への提案内容を決定することができ、乗員に対しより的確な提案を行うことができる。
(3)提案決定部13は、測定器21により取得された生体情報に基づいて乗員の健康状態の悪化の程度を推定し、推定された健康状態の悪化の程度に応じて、乗員に報知すべき提案を決定する(ステップS3,ステップS4,ステップS7)。これにより、例えば健康状態の悪化の程度が大きいときには医療機関での受診を、悪化の程度が小さいときには医薬品の購入を提案することが可能となり、乗員は健康状態の悪化の程度に応じた適切なアドバイスを受けることができる。
(4)提案決定部13で決定可能な複数の提案には、目的地に向かう往路での受診および医薬品の購入と、目的地から帰還する復路での受診および医薬品の購入とが含まれる。これにより、例えば健康状態の悪化の程度が小さい(症状が軽い)ときには、目的地に向かう往路(例えば通勤途中)ではなく、復路(例えば帰宅途中)での医薬品の購入等を提案することができる。すなわち、この場合には、時間的に余裕がある帰宅途中での医薬品の購入を提案することができ、販売店に立ち寄る時間についての適切な提案を行うことができる。
(5)提案決定部13で決定可能な複数の提案には、第1類医薬品、第2類医薬品および第3類医薬品の購入がさらに含まれる。出力部15は、提案決定部13により第1類医薬品、第2類医薬品または第3類医薬品の購入が乗員に報知すべき提案に決定されると、決定された医薬品を取り扱う販売店の情報を、併せて乗員に対し報知するように表示部26およびスピーカ27に制御信号を出力する(ステップS7)。これにより乗員の症状に応じた適切な医薬品の購入を提案することができる。また、その医薬品を扱う販売店を報知することができ、乗員が効率よく販売店に立ち寄ることができる。
(6)乗員健康管理装置100は、表示部26とスピーカ27とから報知された提案に対する承諾または拒否の応答指令を入力するマイク23あるいは入力部24を備える。提案決定部13は、医療機関での受診を乗員に報知すべき提案に決定した後、この提案が乗員によって拒否されると、次いで、販売店での医薬品の購入を乗員に報知すべき提案に決定する(ステップS5→ステップS7)。これにより、病院に行く時間がない、医者嫌い、面倒等の理由で乗員が医療機関での受診の提案(第1の提案)を拒否した場合に、販売店での医薬品の購入の提案(第2の提案)を行うことができ、乗員は健康管理にとって有用な情報を得ることができる。
なお、上記実施形態では、乗員の健康状態の測定と、乗員に報知すべき提案の決定と、その提案の報知とを、車両に搭載した乗員健康管理装置100で行うようにしたが、例えば乗員に報知すべき提案の決定を、車載装置と通信可能な別の装置で行うようにしてもよい。すなわち、クライアント・サーバ形式の乗員健康管理システムを構築し、乗員健康管理装置100(図2)の一部の機能をサーバで行わせるようにしてもよい。
図5は、その場合の乗員健康管理システム110の概略構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、乗員健康管理システム110は、車両1に搭載された車載装置101と、乗員健康管理サーバ50とを有する。車載装置101と乗員健康管理サーバ50とは、無線通信網を含むネットワーク4を介して通信可能に接続される。車載装置101は、図2の乗員健康管理装置100からデータベース25を省くとともに、ECU10から情報記憶部12と提案決定部13と検索部14とを省いて構成される。なお、他の構成は乗員健康管理装置101と共通である。
乗員健康管理サーバ50は、CPU,ROM,RAMその他の周辺回路を有する演算処理装置を含んで構成され、機能的構成として情報取得部51と、情報記憶部52と、提案決定部53と、検索部54と、データベース55とを有する。情報取得部51は、測定器21で測定して得られた生体情報を含む各種情報を、不図示の無線部を介して車載装置101から取得する。情報記憶部52、提案決定部53、検索部54およびデータベース55は、図2の乗員健康管理装置100の情報記憶部12、提案決定部13、検索部14およびデータベース55と同様に構成される。
なお、測定器21により測定して得られた生体情報を取得するとともに、取得した生体情報に基づいて、乗員の健康管理に関する複数の提案、すなわち医療機関での受診と医薬品を販売する販売店での医薬品の購入とを含む複数の提案の中から、乗員に報知すべき提案を決定する提案決定部53に対応する構成を有するのであれば、乗員健康管理サーバ50の構成は上述したものに限らない。また、車内における乗員の健康状態を即して生体情報を測定する測定器21に対応する構成を有するとともに、提案決定部53で決定された提案を取得し、取得した提案を乗員に対し報知する報知部、すなわち図2の出力部15、表示部26、スピーカ27に対応する構成を有するのであれば、車載装置101の構成も上述したものに限らない。
上記実施形態は、乗員健康管理装置100および乗員健康管理システム110だけでなく、乗員健康管理方法も含む。乗員健康管理方法として、車内における乗員の健康状態を測定して生体情報を取得し、取得された生体情報に基づいて、乗員の健康管理に関する複数の提案であって、医療機関での受診と医薬品を販売する販売店での医薬品の購入とを含む複数の提案の中から、乗員に報知すべき提案を決定し、決定された提案を乗員に対し報知することを含むのであれば、他の構成はいかなるものでもよい。
なお、以上では、提案決定部13,53で決定可能な提案として種々のものを挙げたが、少なくとも医療機関での受診と医薬品を販売する販売店での医薬品の購入とを含めるのであれば、乗員に報知すべき健康管理に関する提案としていかなる提案をも含めることもできる。上記実施形態では、出力部15からの制御信号により表示部26とスピーカ27とから健康管理に関する提案を報知するようにしたが、報知部の構成はこれに限らない。上記実施形態では、マイク23あるいは入力部24を介して、報知された提案に対する乗員による承諾または拒否の応答指令が入力されるようにしたが、応答指令部の構成もこれに限らない。上記実施形態では、車内に設けられた測定器21により体温や血圧等の生体情報を測定するようにしたが、生体情報は上述しものに限らず、したがって測定部の構成も上述したものに限らない。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。