JP2018168450A - 電極集電体用アルミニウム合金箔 - Google Patents

電極集電体用アルミニウム合金箔 Download PDF

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Abstract

【課題】強度や伸び特性のバラツキが小さく安定した製造が可能であり、箔厚を薄くしても強度および伸びに優れる電極集電体用アルミニウム合金箔を提供すること。【解決手段】Fe:1.0〜2.0質量%、Cu:0.10〜0.30質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Mn:0.050質量%以下、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、厚さが20μm以下、引張強さが250MPa以上、伸びが2.5%以上であり、幅方向の端部から内側に10%以内の領域を端部領域、幅方向の中央から両端側にそれぞれ5%以内の領域を中央領域としたとき、上記端部領域と上記中央領域とにおいて測定した引張強さの差が15MPa以下であり、かつ、上記端部領域と上記中央領域とにおいて測定したCu固溶量の差が10ppm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、電極集電体用アルミニウム合金箔に関する。
従来、二次電池、電気二重層キャパシター、リチウムイオンキャパシター等に組み込まれる電極の集電体等として、アルミニウム合金箔が使用されている。例えば、リチウムイオン二次電池では、通常、集電体としてのアルミニウム合金箔の表面に、電極活物質を含む合材スラリーを塗布し、乾燥させ、プレス機にて圧縮加工を施すことにより正極が製造される。製造された正極は、一般に、セパレータ及び負極と積層された状態、または、積層後さらに巻回された状態でケースに収容される。
近年、電池容量の向上等を目的として、集電体として使用するアルミニウム合金箔の薄肉化が求められている。薄肉化をするに当たっては、電極製造工程での抗張力の低下による破断が起こらないように、アルミニウム合金箔の高強度化を図る必要がある。従来、集電体に用いられるアルミニウム合金箔としては、1050のような1000系アルミニウム合金や8021のような8000系アルミニウム合金が主流となっている。これらの合金をベースとして高強度化を図るため、CuやMn等の元素を微量添加することが行われている。例えば、特許文献1には、Fe:1.4〜1.7質量%、Cu:0.1〜0.5質量%を含有し、Si:0.4質量%以下に抑制し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、厚み方向のサブグレインのサイズを0.8μm以下、圧延方向を45μm以下とした高強度のアルミニウム合金箔が開示されている。
特開2014−47367号公報
しかしながら、従来技術は、以下の点で問題がある。アルミニウム合金箔は、高強度化のために、Mn、Mg、Cu等を添加すれば良いことが知られている。しかし、Mnを添加すると、電気抵抗の増加が著しく、組み立て後の電池特性において望ましくない。Mg添加は、アルミニウム合金箔の濡れ性を低下させ、これも電池特性低下に影響するため、望ましくない。Cu添加は、電気抵抗の増加や濡れ性低下が小さく、高強度化に有効ではある。しかし、単純にCuを添加させただけでは、強度や伸び等の機械的性質のバラツキが大きくなり、安定した製造が困難となる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、強度や伸び特性のバラツキが小さく安定した製造が可能であり、箔厚を薄くしても強度および伸びに優れる電極集電体用アルミニウム合金箔を提供しようとするものである。
本発明の第1の態様は、Fe:1.0〜2.0質量%、Cu:0.10〜0.30質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Mn:0.050質量%以下、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
厚さが20μm以下、
引張強さが250MPa以上、
伸びが2.5%以上であり、
幅方向の端部から内側に10%以内の領域を端部領域、幅方向の中央から両端側にそれぞれ5%以内の領域を中央領域としたとき、
上記端部領域と上記中央領域とにおいて測定した引張強さの差が15MPa以下であり、
かつ、上記端部領域と上記中央領域とにおいて測定したCu固溶量の差が10ppm以下である、電極集電体用アルミニウム合金箔にある。
上記電極集電体用アルミニウム合金箔は、上記特定の化学成分を有すると共に上記特性をすべて具備している。これにより、上記電極集電体用アルミニウム合金箔は、箔厚を薄くした場合にも高い強度と伸びを両立できると共に、幅方向での特性差も小さいものとなり、かつ、安定した製造が可能となる。
上記電極集電体用アルミニウム合金箔(以下、適宜、単に、アルミニウム合金箔という。)における化学成分の意義および限定理由は以下の通りである。
Fe:1.0〜2.0質量%
Fe(鉄)は、アルミニウム合金箔の強度を向上させるとともに、アルミニウム合金箔の回復を促進させるAl−Fe系化合物の形成のために必要な元素である。これらの機能は、Feの固溶量と析出状態の双方を制御し、アルミニウム合金箔製造時の加工ひずみの導入量を制御することによって得ることができる。
アルミニウム合金箔中に固溶しているFeは、転位の移動を抑制し、アルミニウム合金箔の強度が低下し過ぎることを防ぐ。一方、Al−Fe系化合物として析出した化合物は、Al素地(アルミニウムマトリックス)と整合性を持たない化合物として多数分散することにより、冷間圧延時に加工組織の回復の促進に寄与する。冷間圧延時には加工ひずみが導入されるが、同時に加工組織の回復もわずかながら進行する。詳細な機構は不明であるが、Al−Fe系化合物の存在によって回復が促進されることで絶えず加工ひずみを導入できる余地が生まれ、その結果、箔厚を薄くした場合にも高い伸びが維持できると考えられる。なお、アルミマトリックスと整合性を持たない化合物とは、GPゾーン等の時効析出物とは異なる、安定化したより粗大な金属間化合物等の析出物を意味する。
Fe含有量が1.0質量%未満になると、アルミニウムマトリックスと整合性を持たないAl−Fe系化合物の分布密度が少なく、アルミニウム合金箔の回復促進効果が不十分となり高い伸びが得られない。一方、Fe含有量が2.0質量%を超えると、鋳造時に数百μmを越える粗大なAl−Fe系化合物が形成され、箔圧延時にピンホール(穴あき)生成の原因となり、健全な箔材の製造が困難となる。上記の観点から、Fe含有量は、好ましくは、1.1質量%以上、より好ましくは、1.2質量%以上とすることができる。また、Fe含有量は、好ましくは、1.9質量%以下、より好ましくは、1.8質量%以下、さらに好ましくは、1.7質量%以下とすることができる。
Cu:0.10〜0.30質量%
Cu(銅)は、アルミニウム合金箔の強度向上に寄与する元素である。しかし、その寄与度が大きい元素であるため、幅方向において特性差が生じ易い。詳細な機構は不明であるが、CuはAl−Fe系化合物にも一部固溶する性質があり、本願のようなFe含有量の多い系では、Cu固溶量に分布が生じ、最終厚さにおけるアルミニウム合金箔において、幅方向に特性差が生じていると推測される。Cu含有量は、添加による強度向上効果を得る観点から、0.10質量%以上とする。なお、0.10質量%未満では、十分な強度向上効果が得られない。一方、Cu含有量が0.30質量%を超えると、Cu固溶量の分布が不均一となり、幅方向の強度差の制御が困難となる。上記の観点から、Cu含有量は、好ましくは、0.12質量%以上、より好ましくは、0.14質量%以上とすることができる。また、Cu含有量は、好ましくは、0.25質量%以下、より好ましくは、0.20質量%以下とすることができる。
Mn:0.050質量%以下
Mn(マンガン)含有量が0.050質量%を超えると比抵抗が増加する。そのため、電極の集電体として使用する観点から好ましくない。よって、Mn含有量を0.050質量%以下とする。Mn含有量は、好ましくは、0.030質量%以下、より好ましくは、0.010質量%以下であるとよい。なお、通常使用されるAl地金には不純物としてMnが含まれていることが多い。そのため、Mn含有量を0.001質量%未満に規制するためには、高純度地金を使用することになる。したがって、Mn含有量は、経済性などの観点から、好ましくは、0.001質量%以上とすることができる。
Si:0.01〜0.20質量%
Si(ケイ素)は、添加することで強度を向上させる元素であり、0.01〜0.20質量%含有することが好ましい。Si添加量が0.01質量%未満では、強度向上に殆ど寄与しない。また、通常使用するAl地金には不純物としてSiが含まれており、0.01質量%未満に規制するためには高純度の地金を使用することになるため、経済的に好ましくない。そのため、Si含有量の下限値は、より好ましくは0.02質量%とすることができる。一方、Si添加量が0.20質量%を超えると、更なる箔強度の向上が困難になることに加え、粗大なSi単相粒子が形成されて20μm以下の箔厚ではピンホールや箔切れの問題が生じ易くなる。そのため、Si含有量の上限値は、より好ましくは0.10質量%とすることができる。
上記化学成分は、Cr、Ni、Zn、Mg、B、V、Zr等の元素が不可避的不純物として含まれていてもよい。なお、これら元素は、アルミニウム合金箔の伸びを劣化させるおそれがある。そのため、これら元素は、それぞれ0.02質量%以下、これら元素の総量は、0.07質量%以下に規制することが好ましい。
上記アルミニウム合金箔は、集電体として使用した際に、電池容量を増やす目的で電池全体の体積に占める活物質の割合をより多くするなどの観点から、箔厚については20μm以下とする。箔厚は、好ましくは、18μm以下、より好ましくは、15μm以下である。なお、箔厚の下限は特に限定されないが、集電体としての使用に適するなどの観点から、箔厚は8μm以上とすることができる。
上記アルミニウム合金箔は、引張強さが250MPa以上、伸びが2.5%以上であることが好ましい。引張強さが250MPa未満では強度が不足し、電極製造工程において破断することがある。更に好ましくは、280MPa以上である。伸びが2.5%未満では、充放電に伴う活物質の膨張収縮による変形に追従できず破断が生じやすい。更に好ましくは、3.0%以上である。
また、電池製造工程において、アルミニウム合金箔は、張力をかけられた状態で活物質の塗工等が行われるが、幅方向における強度や伸びの差が大きいとシワが発生し、均一な塗工が困難となる。よって、アルミニウム合金箔の幅方向における引張り強さ及び伸びの最大値と最小値の差はそれぞれ、15MPa以内及び1.0%以内であることが好ましい。更に好ましくは、10MPa以内及び0.5%以内である。なお、引張強さ及び伸びは、JIS Z2241に準拠して測定される値である。
幅方向における引張り強さおよび伸びの最大値と最小値を見極める方法としては、アルミニウム合金箔の幅を100%として、その幅方向の端部から内側に10%以内の領域を端部領域、幅方向の中央から両端側にそれぞれ5%以内の領域を中央領域とし、この端部領域と中央領域から採取したサンプルで複数回の引張試験を実施し、その最大値と最小値とを求めて判断する。より具体的には、後述の実施例において説明する。
また、上記アルミニウム合金箔の幅方向の強度分布はCu固溶量の分布状態による寄与が大きく、幅方向での強度差を15MPa以内とするには、幅方向におけるCu固溶量の差を10ppmに収めることが望ましい。この場合も、上述した端部領域と中央領域から採取したサンプルを用いてCu固溶量を測定し、最大値及び最小値を求めその差を求めることができる。より具体的には、後述の実施例において説明する。
上記アルミニウム合金箔は、上記端部領域と上記中央領域とにおいて測定したXRD(X線回折)測定値について、上記端部領域における2θ=24.0〜24.3の積分強度値をA、上記中央領域における2θ=24.0〜24.3の積分強度値をBとしたとき、A/Bの値が0.7以上1.3以下であることが好ましい。XRD測定値は主に、アルミニウム合金に含まれる化合物の種類や量に相関がある物性値で、2θ=24.0〜24.3に現れる測定値は、Al−Fe−Cu系化合物の含有量に関する値である。Cuはこの化合物に取り込まれる他に、アルミニウムマトリックス中に固溶されるものもある。Al−Fe−Cu系化合物の含有量が均一であれば、残りのCu固溶量も均一であると見ることができる。
CuがAl−Fe系化合物に取り込まれずに、アルミニウムマトリックスに均一に固溶されることによって、高強度で均一な特性のアルミニウム合金箔が得られる。そのため、Al−Fe−Cu系化合物の含有量も均一であればよく、上述したごとく、A/Bの値が0.7以上1.3以下であることが好ましい。A/Bの値が0.7未満及び1.3超えの場合には、Cu固溶量の差が大きくなりすぎるおそれがある。
上記アルミニウム合金箔の製造方法としては、上記化学成分からなるアルミニウム合金鋳塊に均質化処理を施し、その鋼塊を熱間圧延して熱延板とし、その後、冷間圧延して箔にする方法をとることができる。均質化処理の条件は、550℃以上620℃以下で1〜10時間程度加熱する条件とする。550℃以上の加熱によって生成されたAl−Fe−Cu系化合物が分解し、Cuがアルミニウム合金素地に再固溶することによって、全体のCu固溶量が均一化する。好ましくは580℃以上である。また、温度が高すぎると、鋳肌近傍から溶融し、均一な組織が得られなくなる。含有する成分によって溶融温度は変わるが、620℃以下が好ましい。
上記熱間圧延は350℃以下の温度で実施される。つまり、熱間圧延時の温度は、温度測定が容易な熱間圧延の開始時と終了時における温度が350℃以下とされる。熱間圧延を350℃以下の温度で実施することで再結晶が起こることを防ぎ、熱間圧延時の加工ひずみを蓄積させる。冷間圧延時の回復を促進させる要素としては、Al−Fe系化合物の存在の他に、加工ひずみの蓄積の程度も関与している。加工ひずみが蓄積されるほど転位が動きやすくなり、回復が促進される。熱間圧延時の温度の下限値は、特に限定されるものではないが、変形抵抗増大による圧延機への負荷増加を抑制するなどの観点から、150℃とすることができる。
また、熱間圧延の開始温度に到達してからの保持時間は、特に限定されるものではないが、Al−Fe−Si系化合物の析出を抑制しやすくなるなどの観点から、12時間以内とすることができる。なお、熱間圧延は、一回で行ってもよいし、粗圧延後に仕上圧延を行う等、複数回に分けて行ってもよい。
上記熱間圧延後、冷間圧延することによりアルミニウム合金箔を得る。この際、冷間圧延の途中には焼鈍を行わない。途中焼鈍を行うことで加工ひずみが解放され、冷間圧延時の回復が起こり難くなり、最終箔厚での伸びの低下に繋がる。なお、冷間圧延終了後の最終焼鈍を実施すると加工ひずみが解放されて強度が低下するため、行わないことが好ましい。
冷間圧延後の箔厚は、上述のとおり、アルミニウム合金箔を集電体として使用する観点から、20μm以下である。箔厚は、好ましくは、18μm以下、より好ましくは、15μm以下とすることができる。また、箔厚の下限は特に限定されないが、集電体としての使用に適するなどの観点から、箔厚は、8μm以上とすることができる。なお、冷間圧延は、一回または複数回以上行うことができる。冷間圧延率は、結晶粒の微細化を促進させる観点から、好ましくは、95%以上、より好ましくは、98%以上であるとよい。なお、上記冷間圧延率は、100×(冷間圧延前の熱間圧延板の板厚−最終の冷間圧延後のアルミニウム合金箔の箔厚)/(冷間圧延前の熱間圧延板の板厚)から算出される値である。
実施例のアルミニウム合金箔およびその製造方法について以下に説明する。
表1に示す化学成分のアルミニウム合金を半連続鋳造法にて造塊し、面削することによりアルミニウム合金鋳塊を準備した。なお、表1に示す化学成分のアルミニウム合金のうち、合金A〜Gが実施例としての化学成分のアルミニウム合金であり、合金H〜Mが比較例としての化学成分のアルミニウム合金である。
Figure 2018168450
上記準備したアルミニウム合金鋳塊を、均質化処理を実施もしくは、実施せずに、熱間圧延し、厚さ5.0mmの熱間圧延板を得た。この際、熱間圧延は、粗圧延と仕上圧延を連続して行った。また、上記熱間圧延において、粗圧延に供する前のアルミニウム合金鋳塊は、350℃に加熱して6時間保持することによって粗圧延の開始温度(熱間圧延の開始温度)を350℃とした。また、粗圧延の終了温度(熱間圧延の途中温度)は320℃、仕上圧延の終了温度(熱間圧延の終了温度)は180℃とした。このように本例では、上記熱間圧延の開始温度および終了温度だけでなく、熱間圧延の途中温度である粗圧延の終了温度、つまり、仕上圧延の開始温度も350℃以下とした。
次いで、途中で焼鈍を行うことなく冷間圧延を繰り返し行い、幅1000mm、箔厚12μmのアルミニウム合金箔を得た。
得られたアルミニウム合金箔を用いて、ピンホール有無の確認、引張試験、Cu固溶量の測定、及びXRD測定を実施した。
ピンホールの有無については、幅1000mm、長さ1000mmの試験材をアルミニウム合金箔から切り出して用い、その一方の面から照明を当て、他方の面に光が漏れるか否かにより確認した。
引張試験については、アルミニウム合金箔の幅方向の端部から内側に10%以内の領域、つまり、左右の端部からそれぞれ100mmの領域である端部領域と、幅方向の中央から両端側にそれぞれ5%以内の領域、つまり、中央から両端側に50mmの位置までの100mmの領域である中央領域から引張試験片を採取して実施した。引張試験片は、左右の端部領域からそれぞれ3枚、中央領域から3枚、合計9枚の試験片を採取した。いずれの試験片も、引っ張り方向が圧延方向となるように、ダンベル社製レバー式裁断機SDL−200を用いてJIS5号試験片形状に打ち抜いて作製した。そして、すべての試験片を用いて引張試験を行った結果から、引張強さ及び伸びの最大値及び最小値を求めた。その結果を表2に示す。
Cu固溶量の測定に用いる試料は、上述した左右の端部領域及び中央領域から、それぞれ、100mm×300mmの大きさで1枚ずつ切り出し、合計3枚作製した。そして、3枚の測定結果から、最大値と最小値を求めた。
Cu固溶量の測定は、フェノール溶解−クエン酸抽出により測定した。具体的には、まず、予熱した500ml丸底フラスコにフェノールを50ml採取し脱水する。次いで、このフェノール内に、試料を投入し170℃〜180℃で加熱分解する。次いで、ベンジルアルコールを約25ml添加し、フェノールの固化防止を図った後冷却して、室温でベンジルアルコールをさらに加えて100mlを定容する。次に、このフェノール溶液を分液漏斗に入れ、クエン酸(5%)20mlを加え、10分間振とうさせる。その後、酢酸ブチル(分離促進剤)10ml加え、振り混ぜた後、静置する。油水分離後、乾燥ろ紙を通しながら水相を分離し、ICP測定を行う。この方法で測定したCu固溶量の測定結果は表2に示す。
XRD測定に用いる試料は、上述した左右の端部領域のうち一方及び中央領域から、それぞれ、20mm×20mmの大きさで1枚ずつ切り出し、合計2枚作製した。XRD測定は、株式会社リガク製(形式:RINT−2500)のX線回折装置を用いて、CuKα線、40kV、300mAの条件でX線回折を行い測定した。そして、端部領域における2θ=24.0〜24.3の積分強度値Aと、中央領域における2θ=24.0〜24.3の積分強度値BとからA/Bの値を求めた。A/Bの結果は表2に示す。
Figure 2018168450
表2に示されるように、実施例1〜7は、箔厚を薄くした場合にも高い強度と伸びを両立できていること、及び幅方向での特性差も小さいことが確認され、電極集電体として好適なものであることがわかった。
比較例8および9は、均質化処理が無い、もしくは処理温度が低いため、Cuの固溶状態が不均一となり、幅方向における強度や伸びの最大値が大きくなった。
比較例10は、Fe含有量が1.0質量%を下回る合金Hを用いたため、分散するAl−Fe系化合物が少なく、冷間圧延時に回復が促進されずに伸びが不合格だった。
比較例11は、Fe含有量が2.0質量%を超える合金Iを用いたため、鋳造時に粗大化合物が形成され、箔圧延時にピンホールが発生した。
比較例12は、Cu含有量が0.10質量%を下回る合金Jを用いたため、加工硬化し難く、引張強さが250MPaを下回った。
比較例13は、Cu含有量が0.30質量%を超える合金Kを用いたため、加工硬化が促進されすぎ、伸びが2.5%を下回った。
比較例14は、Si含有量が0.20質量%を超える合金Lを用いたため、粗大なSi単相粒子が形成され、箔圧延時にピンホールが発生した。
比較例15は、Mn含有量が0.05質量%を超えていたため、伸びが低下し、2.5%を下回った。
したがって、上述した例によれば、箔厚を薄くしても強度、伸びが高く、幅方向に特性の均一なアルミニウム合金箔が得られることが確認された。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。

Claims (2)

  1. Fe:1.0〜2.0質量%、Cu:0.10〜0.30質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Mn:0.050質量%以下、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
    厚さが20μm以下、
    引張強さが250MPa以上、
    伸びが2.5%以上であり、
    幅方向の端部から内側に10%以内の領域を端部領域、幅方向の中央から両端側にそれぞれ5%以内の領域を中央領域としたとき、
    上記端部領域と上記中央領域とにおいて測定した引張強さの差が15MPa以下であり、
    かつ、上記端部領域と上記中央領域とにおいて測定したCu固溶量の差が10ppm以下である、電極集電体用アルミニウム合金箔。
  2. 上記端部領域と上記中央領域とにおいて測定したXRD測定値について、
    上記端部領域における2θ=24.0〜24.3の積分強度値をA、上記中央領域における2θ=24.0〜24.3の積分強度値をBとしたとき、A/Bの値が0.7以上1.3以下である、請求項1に記載の電極集電体用アルミニウム合金箔。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110157957A (zh) * 2019-05-16 2019-08-23 昆山铝业有限公司 用于深冷绝热纸的铝箔及其制备方法

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