JP2018168158A - 抗体製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒトインターロイキンIベータ(IL−1β)に対するヒト抗体を含む新規の医薬製剤の提供。【解決手段】10〜150mg/mlのIL−1βに対する抗体を含む安定な液体医薬製剤であって、抗体がACZ885であり、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸ナトリウム、ならびに、リン酸ナトリウムおよび/またはリン酸カリウムからなる群から選択される緩衝系を含み、前記製剤のpHが5.5〜7.0であり、レポーター遺伝子アッセイで測定される、抗体の本来の活性の80〜125%を、2〜8℃で36ヶ月維持する、医薬製剤。【選択図】なし

Description

本発明は、新規の医薬製剤、特に活性成分がヒトインターロイキンIベータ(IL−1
β)に対するヒト抗体を含む新規の医薬製剤、特にWO2002/016436に記述さ
れた抗体に関する。
他のタンパク質治療薬と同様、抗体は複雑な分子であり、一般に、医薬製剤では、哺乳
類、特にヒトでの治療上有効量を得るために、大量の抗体を使用しなければならない。タ
ンパク質治療薬の液剤は、タンパク質治療薬の生物学的活性を損なわず保存すべきであり
、製造中および有効期限中におけるタンパク質治療薬の官能基の分解を防ぐべきである。
タンパク質の分解経路は化学的な不安定性または物理的な不安定性が関与し得る。
初期には、タンパク質治療製剤の不安定性に関する問題を解決するために、医薬品を凍
結乾燥し、投与の直前、または少し前に再構成する方法が提案されていた。しかしながら
、再構成された製剤は、有効な治療効果を有する安全な製剤をもたらすために、再現可能
で、安定しており、生理的に活性であることが求められる。
簡便に用いるため、タンパク質治療薬、すなわち抗体の液体医薬製剤は、長期的に安定
しており、安全かつ有効量の医薬品化合物を含んでいるべきである。
タンパク質治療薬の液剤において、長年にわたって大きな問題となっているのは、タン
パク質分子が物理的に互いに付着する、凝集の問題であり、例えば、望ましくない免疫反
応を示し得る不透明な不溶物または沈澱物の形成につながる。さらに、凝集体の形成によ
り引き起こされる大きな問題は、投与中に、製剤が注射器またはポンプを詰まらせ、患者
にとって危険となる可能性があることである。
したがって、タンパク質治療薬、特に、長期的に安定しており、高い抗体濃度でも凝集
がない抗体を含む製剤が必要である。本発明は、抗体を含み、タンパク質凝集が無く、安
定していて、粘性が十分に低く、したがって、哺乳類、特にヒト対象への投与に適する新
規の製剤を提供することにより、上で特定された要求に取り組む。
インターロイキン−1β(IL−1ベータまたはIL−1βまたはインターロイキン−
1βは本明細書において同じ意味である)は広範囲にわたり免疫性および炎症性の応答を
仲介する強力な免疫調節物質である。IL−1βの不適切な、または過剰な生産は、各種
疾病および疾患の病態、例えば敗血症、敗血性または内毒素性ショック、アレルギー、喘
息、骨減少症、虚血、脳卒中、関節リウマチ、および他の炎症性障害に関連する。IL−
1を媒介とした疾病および疾患の治療に使用するためにIL−1βに対する抗体が提案さ
れており、例えば、WO95/01997およびその導入における議論、ならびにWO0
2/16436を参照されたい。これらの内容を参照して組み込む。
本発明の製剤に特に好ましいIL−1βに対する抗体は、以下に配列番号1および配列
番号2で示されるACZ885抗体または、F(ab)2、Fab、scFv、VHドメ
イン、CDR等の、抗原への親和性を保持するACZ885抗体の機能性フラグメントで
ある。
本発明の目的は、安定して貯蔵、送達できる抗体製剤を提供することである。本発明に
よれば、安定的な製剤はその中の抗体が、貯蔵中にその物理的および化学的な安定性およ
び完全性を実質的に保持する製剤である。例えば、凍結乾燥および貯蔵、または液剤では
貯蔵に伴う、産物関連物質および産物由来不純物の範囲は約2〜5%であり、好ましくは
2〜3%である。生物活性アッセイを使用して、抗体製剤の安定性を測定してもよく、貯
蔵中の生物活性は本来の活性の約80〜125%である。貯蔵中の本発明の製剤における
抗体の生物活性は、レポーター遺伝子アッセイで、以下の実施例において記述されるよう
な遺伝子改変の細胞株を使用して測定される。
さらなる目的は、皮下投与に適した安定的な液状抗体製剤を提供することである。液剤
は、凍結乾燥およびその後の再構成にも適していることが好ましい。少なくとも、哺乳類
、特にヒト対象に投与される間安定している製剤を提供することも目的である。
一般に、皮下注射用の医薬製剤を小容積(通常、最大で1.0mL〜1.2mL)で使
用するのが好ましい。抗体、例えば高用量の抗体療法薬を含む製剤の場合には、皮下投与
には高濃度の抗体製剤(例えば、50mg/ml〜150mg/mlまたはそれを上回る
)が要求される。高い抗体濃度が必要なため、抗体を含む製剤には、抗体の物理的および
化学的安定性、凝集体の形成、および抗体製剤の製造、貯蔵、および送達に伴う困難に関
連する課題がある。
タンパク質製剤の粘度の増大は、患者への薬物送達を介しての、加工、例えば、液体の
加工可能性、例えば、高粘度であると、液剤はもはや困難なくして針のゲージを通過でき
なくなり、患者に不快感をもたらす原因となること;投与時間;自動注入器の使用可能度
との関連性においてマイナスである。さらに、適切な低粘性を有しながら比較的高濃度で
ある抗体製剤が容易に製造、貯蔵、および投与できることが前提条件として望まれている
。本明細書で用いられる用語「粘度」は、「動粘度」または「絶対粘度」であり得る。一
般に、動粘度はセンチストーク(cSt)で表される。動粘度のSI単位はmm2/sで
あり、1cStである。絶対粘度はセンチポアズ単位(cP)で表される。絶対粘度のS
I単位はミリパスカル秒(mPa−s)であり、1cP=1mPa−sである。
したがって、本発明は、IL−1β抗体を含み、安定していて、高い抗体濃度でも粘性
が十分に低く凝集の無い製剤を提供する。
液体医薬品の抗体製剤はあらかじめ定義された種々の特性を示すべきである。タンパク
質は、製造および貯蔵中に可溶性および不溶性の凝集体を形成しやすいことから、液剤医
薬品における主な関心事のうちの1つは、安定性である。さらに、様々な化学反応が溶液
において生じ(アミド分解、酸化、クリッピング(clipping)、異性化等)、分解産物レベ
ルの増加および/または生物活性の減失につながり得る。液体抗体製剤の有効期限は18
ヶ月を超えることが好ましい。液体ACZ885製剤の有効期限は24ヶ月を超えること
が最も好ましい。IL−1β抗体の有効期限および活性を実施例における生物活性アッセ
イにおいて定義するが、それらによる活性は、本来の活性の80%および125%の間で
保たれるべきである。
抗体製剤、特にACZ885抗体製剤は、2〜8℃で約36〜60ヶ月の有効期限を示
すべきである。好ましくは、ACZ885液剤の有効期限は、2〜8℃で約24〜36ヶ
月を示すべきである。好ましくはACZ885凍結乾燥剤の有効期限は、2〜8℃で最高
約60ヶ月を示すべきである。
通常、有効期限を決定する主要な要因は、副産物および分解産物の形成ならびに生物活
性の減失である。本発明の製剤はこれら望ましい安定レベルを達成する。
物理的および化学的安定性が十分であることとは別に、製剤は皮下適用で許容可能なp
H値および重量オスモル濃度(250〜500mOsm/kg)であるべきである。しか
し、注射後、痛覚または灼熱感を感じる期間を顕著に長引かせることなく、高重量オスモ
ル濃度(最高1100mOsm/kg)の製剤を皮下投与できると文献には報告されてい
る。抗体が高濃度であると、製剤の粘度および凝集もまた増大することが知られている。
本発明による適切な医薬製剤は、約16mPas未満、好ましくは3〜16mPasの粘
度を有し、3〜10mPasが好ましい。
本発明によれば、長期間の貯蔵の間抗体活性を保存するのに有利な特質を有しており、
高い抗体濃度にもかかわらず凝集を防ぎ、適切な粘度を有する、特に安定的な抗体製剤が
得られることが、驚くべきことに発見された。本発明はその最も広範な態様において、活
性成分としての抗体、ならびに緩衝系、安定剤および界面活性剤を含む医薬製剤(本発明
の製剤)を提供する。本発明の製剤は液体であるか、凍結乾燥されており、後で抗体濃度
が低い、同じ、または高い液剤に再構成させるのにも適している。再構成された製剤は、
製剤の抗体が、再構成された製剤内に分散するように、凍結乾燥物から調製された製剤で
ある。
本発明は、活性成分としてのIL−1βに対する抗体、および緩衝系を含む新規の製剤
に関し、製剤のpH値は、5.5〜7.5、好ましくは5.5〜7、また好ましくは6.
2〜6.8である。より具体的には、本発明は、活性成分としてACZ885抗体、およ
び緩衝系を含む新規の医薬製剤に関し、製剤のpH値は、5.5〜7.5、好ましくは5
.5〜7、また好ましくは6.2〜6.8である。
本発明者らは、いまや、pHが5.5〜7.5、好ましくは5.5〜7、また好ましく
は6.2〜6.8である製剤を得ることができる緩衝系を使用して、安定的な製剤が調製
できることを発見した。特定の態様においてpHは上で列挙した中いずれのpH値でもよ
く、例えば6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7および6.8である。
本発明による好ましい緩衝系は、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸ナトリウム、なら
びにリン酸ナトリウムおよび/またはリン酸カリウム緩衝系、および他の有機酸、または
無機酸、より好ましくはヒスチジンまたはクエン酸塩が挙げられ、最善の結果がヒスチジ
ンを使用して得られた。
本発明による製剤に使用される適切な緩衝系の濃度は、例えば緩衝剤および製剤の望ま
れる安定性次第であるが、約10mM〜約50mM、または約10mM〜約40mMであ
る。
好ましい実施形態において、緩衝系はヒスチジンであり、ヒスチジンは、10〜50m
M、好ましくは15〜40mM、また好ましくは20〜30mMの濃度で使用されること
が好ましい。
本発明の製剤は、さらに安定剤を含んでいても好ましい。本発明による安定剤はスクロ
ース、トレハロース、マンニトール、ソルビトールおよび塩酸アルギニンを含む。スクロ
ースまたはマンニトールを使用する場合、最善の結果が得られる。本発明による製剤に使
用された適切な安定剤の濃度は、約50〜300mM、好ましくは180〜300mMで
あり、最も好ましくは、スクロースまたはマンニトール約270mMである。特定の態様
では、凍結乾燥および再構成された液剤は安定剤としてスクロースまたはマンニトールを
含む。別の特定の態様において液剤は安定剤としてマンニトールを含む。
本発明の製剤はさらに、増量剤、塩、界面活性剤および保存剤を含む群から選択される
1つまたは複数の賦形剤を任意に含んでもよい。
増量剤は、医薬製剤の嵩を増加させ、凍結乾燥形態における製剤の物理的構造の一因と
なる化合物である。本発明による適切な増量剤はマンニトール、グリシン、ポリエチレン
グリコールおよびソルビトールを含む。本発明による製剤に使用される増量剤の濃度は、
20〜90mMである。
界面活性剤を使用すると、再構成されたタンパク質の凝集および/または再構成された
製剤における微粒子の形成を減少させることができる。添加された界面活性剤の量は、再
構成されたタンパク質の凝集を減少させ、再構成後の微粒子の形成を最小化できる量であ
る。
本発明による適切な界面活性剤は、ポリソルベート(例えばポリソルベート20または
80);ポロクサマー(例えばポロクサマー188);トリトン;ドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;オクチルグリコシドナトリウム;ラウリル−、
ミリスチル−、リノレイル−、またはステアリル−スルホベタイン、ラウリル−、ミリス
チル−、リノレイル−、またはステアリル−サルコシン、リノレイル−、ミリスチル−、
またはセチ−ルベタイン−、ラウロアミドプロピル−、コカミドプロピル−、リノルアミ
ドプロピル−、ミリスタミドプロピル−、パルミドプロピル−、またはイソステアルアミ
ドプロピル−ベタイン、(例えばラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピル−、パ
ルミドプロピル−、またはイソステアルアミドプロピル−ジメチルアミン、ココイルメチ
ルタウリンナトリウム、またはメチルオレイルタウリン二ナトリウム、およびMONAQ
UAT(登録商標)系(Mona Industries, Inc., Paters
on, New Jersey)、ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、お
よびエチレンおよびプロピレングリコールの共重合体(例えばPluronics、PF
68等)を含む。好ましい実施形態において、界面活性剤を、ポリソルベート20および
ポリソルベート80からなる群から選択してもよい。
本発明による製剤に使用される界面活性剤の濃度は、製剤の約0.001〜0.5%、
または約0.005〜0.10%であり、好ましくは0.01〜0.10%、最も好まし
くは約0.04〜0.06%容積重量である。界面活性剤を、あらかじめ凍結乾燥した製
剤、凍結乾燥製剤、および/または再構成製剤に所望により添加できるが、あらかじめ凍
結乾燥された製剤に添加するのが好ましい。
任意で、保存剤を発明品の製剤に使用してもよい。本発明の製剤で使用される適切な保
存剤はオクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、ベンザ
ルコニウム塩化物(アルキル基が長鎖化合物であるアルキルベンジルジメチルアンモニウ
ム塩化物の混合物)、および塩化ベンゼトニウムを含む。他のタイプの保存剤は、フェノ
ール、ブチルおよびベンジルアルコール等の芳香族アルコール、メチルまたは、プロピル
パラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール、およ
びm−クレゾール等のアルキルパラベンを含む。
Remington’s Science and Practice of Pha
rmacy、第21版(2005)またはArt, Science and Tech
nology of Pharmaceutical Compounding、第3版
(2008)に記述されるような、他の薬学的に許容される担体、賦形剤または安定剤は
、製剤の望ましい特性に悪影響を及ぼさない条件で本発明の製剤に含まれてもよい。許容
される担体、賦形剤または安定剤は、使用用量および濃度で受容者に無毒であり、緩衝剤
、保存剤、共溶媒、アスコルビン酸とメチオニンを含む酸化防止剤、EDTA等のキレー
ト化剤、金属錯体(例えばZn−タンパク質複合体)、ポリエステル等の生分解性高分子
、および/またはナトリウム等の塩形成対イオンをさらに含む。
本発明は、1つの態様において、抗体、好ましくはIL−1βに対する抗体、最も好ま
しくはACZ885、および緩衝系を含む安定的な液体の、凍結乾燥した、または再構成
された製剤を提供し、十分に安定しており、凝集が最小であり、かつ粘性を許容可能な程
度に低くするために、液体または再構成製剤のpHは5.5〜7.5、好ましくは5.5
〜7、また好ましくは6.2〜6.8である。本発明による製剤は凍結乾燥に適しており
、許容可能な期間、典型的には10分未満で水で再構成できる。本発明はIL−1βに対
する抗体、最も好ましくはACZ885抗体、および緩衝系を含む安定した再構成製剤を
提供し、再構成製剤は、抗体および緩衝系の凍結乾燥した混合物から調製され、再構成製
剤のpHは、5.5〜7.5、好ましくは5.5〜7、また好ましくは6.2〜6.8で
あり、再構成時間は10分未満である。安定した再構成製剤は、製剤中の抗体が、再構成
から使用するまでの期間、典型的には数時間から数日までの貯蔵期間中にその物理的およ
び化学的な安定性および完全性を本質的に保持する製剤である。
さらなる実施形態において本発明は、(a)IL−1βに対する抗体、最も好ましくは
ACZ885抗体、および緩衝系を含む製剤を凍結乾燥するステップと;(b)再構成溶
媒でステップ(a)の凍結乾燥した混合物を、再構成された製剤が安定するように再構成
するステップとを含む、製剤を調製する方法を提供する。
ステップ(a)の製剤は、安定剤、および上で記述した増量剤、塩、界面活性剤および
保存剤を含む群から選択される1つまたは複数の賦形剤をさらに含んでもよい。
再構成溶媒として、希釈した有機酸または水、すなわち滅菌水、注射用静菌水(BWF
I)を使用してもよい。再構成溶媒は、水、つまり滅菌水、注射用静菌水(BWFI)、
または約50〜約100mMの量の酢酸、プロピオン酸、コハク酸、塩化ナトリウム、塩
化マグネシウム、塩化ナトリウムの酸性溶液、塩化マグネシウムの酸性溶液、アルギニン
の酸性溶液からなる群から選択してもよい。
本発明はしたがって、
a)約10〜150mg/mlの濃度で使用されるIL−1βに対する抗体、好ましくは
ACZ885抗体と、
b)約10〜50mMの濃度で使用でき、緩衝系のpHが、5.5〜7.5、好ましくは
6.2〜6.8の範囲内の任意のpH値である緩衝系、好ましくはクエン酸塩、ヒスチジ
ン、コハク酸ナトリウム、またはリン酸ナトリウムおよび/もしくはリン酸カリウム緩衝
系、最も好ましくはヒスチジン緩衝系とを含み、任意で、
c)約50〜300mMの濃度の安定剤、好ましくはスクロース、トレハロース、マンニ
トール、ソルビトール、または塩酸アルギニン、最も好ましくはスクロースまたはマンニ
トール、任意で、
d)さらに増量剤、塩、界面活性剤および保存剤を含む群から選択される賦形剤、を含む
医薬製剤を提供する。
本発明のある実施形態では、増量剤(例えばマンニトールまたはグリシン)をあらかじ
め凍結乾燥した製剤の調製に使用する。増量剤により、過剰なポケットがない均一な凍結
乾燥ケーキの生成が可能となり得る。
本発明の好ましい液剤は、マンニトールを10〜150mg/ml、270mM、ヒス
チジンを20mMおよびポリソルベート80を0.04%の濃度で、ACZ885を含む
製剤を提供し、製剤のpHは6.5である。
本発明の好ましい再構成製剤は、再構成された形態で、スクロースを10〜150mg
/ml、270mM、ヒスチジンを30mMおよびポリソルベート80を0.06%の濃
度で、ACZ885を含む再構成製剤を産生する凍結乾燥剤を提供し、製剤のpHは6.
5である。
本発明はさらに、IL−1βに対する抗体、最も好ましくはACZ885での治療を必
要とする疾患を有する哺乳類、特にヒト対象に、本明細書に開示された治療上有効な量の
再構成製剤を投与することを含む、哺乳類、特にヒト対象を治療する方法を提供する。例
えば、その製剤を皮下に投与してもよい。
本発明の製剤はIL−1が媒介する疾病または医学上の状態、例えば炎症性の症状、ア
レルギーおよびアレルギー性疾患、過敏症状、自己免疫病、重度の感染症、ならびに臓器
移植または組織移植の拒絶反応の予防および治療に有用である。
本発明の目的は、IL−1が媒介する疾患または医学上の状態の治療に本発明の製剤を
使用することである。
例えば、本発明の製剤は、移植片拒絶または異種移植片拒絶反応を含む心臓、肺、心肺
同時、肝臓、腎臓、すい臓、皮膚または角膜の移植の移植患者の治療、ならびに骨髄移植
、および臓器移植に関した動脈硬化に伴うような、移植片対宿主病の予防に使用し得る。
本発明の製剤は、自己免疫病、および炎症性疾患の治療、予防、または回復に特に有用
であり、特に関節炎(例えばリウマチ性関節炎、慢性進行性関節炎および変形性関節炎)
等の自己免疫性成分などが病因の炎症性疾患、炎症性疾患を含むリウマチ性疾患、骨減少
症、炎症性疼痛、過敏症(気道過敏症および皮膚過敏症の両方を含む)およびアレルギー
が関与するリウマチ性疾患に有用である。本発明の製剤を使用し得る特定の自己免疫疾患
には、自己免疫性の血液疾患(例えば溶血性貧血、再生不良性貧血、真正赤血球性貧血お
よび特発性血小板減少症を含む)、全身性紅斑性狼瘡、多発性軟骨炎、皮膚硬化症、ヴェ
グナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、乾せん、スティーヴン・ジ
ョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫性炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎、クロ
ーン病および過敏性大腸症候群を含む)、内分泌性眼障害、グレーヴス病、サルコイドー
シス、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、若年性糖尿病(1型糖尿病)、ブドウ膜炎(
前部および後部)、乾性角結膜炎および春季角結膜炎、間質性肺線維症、乾せん性関節炎
、ならびに糸球体腎炎(ネフローゼ症候群、例えば、特発性ネフローゼ症候群または微小
変化型ネフローゼを伴う、および伴わない)がある。
また、本発明の製剤は、喘息、気管支炎、塵肺、肺気腫、および他の気道閉塞性または
気道炎症性疾患の治療、予防、または回復に有用である。
本発明の製剤は、IL−1が媒介する、またはIL−1の産生、特にIL−1β、また
はIL−1によるTNF放出の促進が関与する望ましくない急性および超急性の炎症反応
、例えば急性感染、例えば敗血症ショック(例えば、内毒素性ショックおよび成人型呼吸
窮迫症候群)、脳膜炎、肺炎、および重度の熱傷の治療に有用であり、感染、がん、また
は臓器不全による病的なTNF放出に関連した悪液質または消耗性症候群、特にHIV感
染に関連する、または付随するAIDS関連悪液質の治療に有用である。
本発明の製剤は、変形関節炎、骨粗しょう症、および他の炎症性の関節炎疹等の骨代謝
疾患、ならびに加齢性骨減少等の一般の骨減少症、特に歯周疾患の治療に特に有用である
本発明の製剤は、哺乳類等の、特にヒトの患者における自己炎症性症候群の予防および
治療に有用である。本発明によれば、自己炎症性症候群は、限定されるものではないが、
例えば、炎症の再発を特徴とする遺伝性疾患の群であり、これは、高力価の自己抗体また
は抗原特異的T細胞が欠如している自己免疫疾患とは対照的である。さらに、本発明によ
れば、自己炎症性症候群では、IL−1ベータ分泌の増加(前記疾病において変異してい
ると考えられるパイリンの負の調節的役割の減失)、NFkB活性化、および白血球のア
ポトーシス障害が見られる。本発明によれば、自己炎症性症候群には、マックル−ウェル
ズ症候群(MWS)、LADA(成人潜在性自己免疫性糖尿病)、家族性寒冷自己炎症症
候群(FCAS)、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、新生児期発症多臓器性
炎症性疾患(NOMID)、慢性乳児期発症神経皮膚関節症候群(CINCA)、家族性
地中海熱(FMF)、ならびに/または全身型若年性特発性関節炎(SJIA)等のある
種の若年性関節炎、全身型若年性特発性関節リウマチ等のある種の若年性関節リウマチ、
および/もしくは、ある種の成人性関節リウマチがある。
本発明の製剤は、若年性関節リウマチおよび成人性関節リウマチ、ならびに/またはマ
ックル−ウェルズ症候群の予防および治療に有用であることが好ましい。
本発明の製剤はまた、2型糖尿病の治療に有用であり得、臨床および前臨床研究により
、IL−1遮断によって膵島機能が向上することが示されている。本発明の製剤はまた、
網膜症、創傷治癒、血管疾患、(ステント術または血管形成後の動脈再狭窄を含む)、腎
機能障害、慢性腎疾患、および代謝異常症候群および肥満症等の様々な糖尿病関連の病態
の治療に有用である。本発明の製剤はまた、偏頭痛、滑膜炎、痛風、仮性痛風/痛風性関
節炎、または軟骨石灰化、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、人工呼吸誘発肺損傷、様々な
疼痛症状、例えばモルヒネ抵抗性疼痛、神経障害性疼痛、早産疼痛、椎間板性疼痛、炎症
性疼痛、頭痛、または偏頭痛の治療に有用であり得る。IL−1ベータは痛覚に関与し、
神経性シグナルを増幅する。さらに、本発明の製剤は、アテローム動脈硬化、急性腎仙痛
、胆石仙痛、またはこれら疾患に関した疼痛の治療に有用である。
本発明の製剤は、IL−1ベータが主要なサイトカインである、周期熱症候群:家族性
地中海熱(FMF)、腫瘍壊死因子受容体関連周期熱症候群(TRAPS)、メバロン酸
キナーゼ関連周期熱症候群と呼ばれる、高免疫グロブリンD症候群(HIDS)、家族性
寒冷自己炎症症候群、および周期性発熱アフタ性口内炎咽頭炎リンパ節炎(PFAPA)
症候群の治療に有用であり得る。IL−1ベータが主要なサイトカインであり、本発明に
従って、本発明の製剤で治療できる他の疾患には、抗合成酵素症候群、マクロファージ活
性化症候群MAS、ベーチェット病、ブラウ症候群、PAPA症候群、シュニッツラー症
候群、スイート症候群がある。本発明のIL−1ベータリガンド−受容体遮断およびIL
−1ベータ化合物を、巨細胞動脈炎(GCA)、ヘノッホ−シェーンライン紫斑、原発性
全身性血管炎、川崎病(粘膜皮膚リンパ節症候群)、高安動脈炎、結節性動脈周囲炎、本
態性クリオグロブリン血管炎、顕微鏡的多発性血管炎(MPA)およびチャーグ−ストラ
ウス症候群(CSS)、じんま疹様血管炎の治療に使用してもよい。さらに、本発明の製
剤は、サルコイドーシス、天疱瘡、強直性脊椎炎、アルツハイマー病、アミロイド症、続
発性アミロイドーシスおよび成人スティル病(AOSD)のような自己免疫疾患の治療に
有用である。
本発明の製剤を、HLA−B27関連疾患、限定されるものではないが、例えば乾せん
、強直性脊椎炎、ライター病および腸炎性関節炎を治療するために使用してもよい。本発
明によれば、IL−1ベータ化合物を、リウマチ熱、リウマチ性多発筋痛および巨細胞動
脈炎の治療に使用してもよい。最後に、本発明の製剤を感染、特に細菌感染およびウイル
ス感染、より詳細には、限定されるものではないが、例えば、血行性骨髄炎、感染性関節
炎、結核性関節炎等、関節炎の症状または観察に関連した細菌感染を治療するために使用
してもよい。
上記の適応症に対する適切な用量は、例えば、使用されるIL−1βに対する特定の抗
体、宿主、投与の方法および治療されている症状の性質および重症度により変わるであろ
う。予防的利用のための投薬頻度は、通常、週に約1回から3ヶ月に約1回までの範囲で
あり、より一般的には2週に約1回から10週に約1回まで、例えば、4〜8週に1回で
ある。
本発明の製剤は、1回で、または一連の治療で患者に適切に投与し、かつ診断後いつの
時点でも、患者に投与してよく、単独の治療として、または本明細書に記述したように、
症状の治療に有用な他の薬剤または治療と併用して投与してもよい。
予防療法では、一般的には、本発明の製剤を1ヶ月に1回から2〜3ヶ月に1回、また
はより低頻度で投与することを含む。
ACZ885を含む本発明の製剤を、好ましくは静注経路、皮下経路または筋注経路で
投与するのが好ましい。このような目的のために、注射器を使用してその製剤を注入して
もよい。例えば、ACZ885を含む製剤を、自動注入装置、無菌のパッケージに任意で
詰められてもよい通常の注射器、安全装置を任意で備えた注射器を使用して投与する。マ
イクロ針およびリザーバー型被覆パッチも適切な投与デバイスとして考えられる。
本発明の製剤をIL−1βに対する抗体、すなわちACZ885での治療が必要な哺乳
類、好ましくはヒトに既知の方法、例えば、急速静注、またはある期間にわたる持続静注
により、筋肉内、腹腔内、大脳脊髄内、皮下、関節内、滑液内、くも膜下腔内、経口、局
所、または吸入経路によって投与してもよい。
生体内投与に使用される製剤は無菌でなければならない。凍結乾燥および再構成前、ま
たは後で、ろ過滅菌膜によりろ過することで、容易に無菌にできる。あるいは、抗体以外
の成分を、例えば約120℃で約30分オートクレーブすることにより、全混合物を無菌
にできる。
ACZ885を含む本発明の製剤は、成人性リウマチ性関節炎(RA)、若年性関節リ
ウマチ(SJIA、pJIA)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、CAPS、マックル−
ウェルズ症候群(MWS)、変形関節炎(OA)、および潜在的2型糖尿病および痛風の
治療中に皮下投与により投与されるのが好ましい。
本発明はさらに、輸液で再構成製剤を希釈することにより得られる等張の液剤を提供す
る。
治療という用語は、治療的な処置、および予防または再発防止手段の両方を指す。
治療の対象となる哺乳類という用語は、哺乳類に分類されるあらゆる動物を指し、ヒト
、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ等の家畜、および動物園、スポーツ、またはペット用の動物を
含む。哺乳類はヒトであることが好ましい。
疾患は、IL−1βに対する抗体での治療が有益なあらゆる症状である。これには、哺
乳類において、問題の疾患の素因となる病態を含む慢性型および急性型の疾患または疾病
が含まれる。本明細書において治療されるべき疾患の非限定的な例には上述の疾病および
疾患が含まれる。
治療上有効量は、少なくとも、特定の疾患における測定可能な好転または予防をもたら
すために要求される、最低濃度である。
40℃で4週間貯蔵した後のACZ885製剤に対するRP−HPLC(上)およびSEC(下)で得られた結果の概要を示す図である。 40℃で4週間貯蔵した後のACZ885製剤の相対力価に関して得られた結果の概要を示す図である。
液剤の調製およびその凍結乾燥
再構成および続く希釈後の点滴静脈投与および再構成後の皮下投与の両方が可能である
ACZ885製剤を開発する。
異なった4つの緩衝系(クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸ナトリウム、およびリン酸
ナトリウム/リン酸カリウム緩衝系、濃度は各々40mM)を選択し、ACZ885製剤
に対する適合性を検査した。
振とうおよび凍結解凍周期をストレス試験として使用し、タンパク質凝集に関する適合
性について緩衝系をランク付けした。
表1に示すように、ヒスチジンまたはクエン酸塩緩衝剤をpH5.0〜7の範囲で使用
すると、タンパク質凝集を最も効率的に防げた。
0.5単位でpHを増加させて3.5〜8.0のpH範囲を調査した。図1に示すよう
に、40℃で4週間貯蔵した後、6.2〜6.8の異なるpHが、異なる分析技術を適用
した結果に基づき、最適であると結論づけられた。
ヒスチジンおよびクエン酸塩の緩衝剤試料の結果は類似していた。クエン酸塩緩衝剤は
、投与後の痛覚が増加したため、皮下製剤にはふさわしくない可能性がある。したがって
、ヒスチジンは皮下適用に関してクエン酸塩よりも好ましい可能性がある。
適切な緩衝系の選択後に、タンパク質凝集への安定剤の影響を調べた。スクロース、グ
リシン、マンニトール、ソルビトールまたはトレハロースを含む製剤を、5℃および40
℃で6週間および16週間貯蔵した後に分析した。黄色の呈色が、40℃で貯蔵されたス
クロースを含む製剤で認められたが、これはおそらくタンパク質のアミノ基またはヒスチ
ジンと還元糖との間のマイヤール反応が原因である。スクロースまたはマンニトールを含
む製剤を、凍結乾燥および再構成製剤用に選択した。マンニトールを含んでいる製剤を液
剤用に選択した。
本発明の製剤の物理的−化学的安定性に対する界面活性剤の濃度の影響を評価するため
にさらなる調査を行った。下記の微粒子状物質データは、界面活性剤を含まない製剤に対
して最高値を示し、Tweenが試料の物理安定度に有益であることを示した。0.10
%Tween濃度の微粒子状物質データが、低濃度と比較して高くなる傾向がある。
液剤の試料は、ACZ885を150mg/mL、ヒスチジンを20mM、マンニトー
ルを270mM、0.04%(m/v)のTween80を含み、pH6.5であるが、
これを5℃、25℃および40℃で24ヶ月まで貯蔵した。5℃では、多量の可溶性およ
び不溶性の凝集体は両方とも検出できなかった。以下に記述するように、レポーター遺伝
子アッセイを使用して測定した生物活性は、70〜125%の間であった。これらのデー
タ(表4〜6を参照)は、検査した製剤が、安定して24ヶ月間貯蔵できたことを示す。
凍結乾燥した製剤の再構成
本発明によるACZ885の液剤は凍結乾燥に適している。凍結乾燥は、調剤の技術分
野においてよく知られている通常の条件下で行うことができる。グリシン等の増量剤は、
凍結乾燥剤に重量および視感度を付加するために含まれていてもよい。
抗体、緩衝剤10〜40mM、安定剤および界面活性剤を混合した後、その製剤を凍結
乾燥させる。
再構成は一般的には完全な水和反応を確実とするために15〜25℃の温度で起こる。
凍結乾燥物は滅菌水で再構成する。
再構成後の目標濃度は、150mg/mlであり、各製剤は凍結乾燥されており水で元
に戻される。
安定性
異なった製剤を、2〜8℃、25℃および40℃で3ヶ月の間貯蔵する。
凍結乾燥および貯蔵に伴う凝集をタンパク質の安定性の指標として使用する。
レポーター遺伝子アッセイ
ACZ885の生物学的活性を、遺伝子改変した細胞株を使用して、レポーター遺伝子
アッセイで測定した。この細胞株はヒト胎児由来腎臓細胞由来であり、プロモーターNF
−カッパb(IL−1β反応プロモーター)をルシフェラーゼ遺伝子の上流に融合し、リ
ポーターコンストラクトを安定的に形質移入した。
形質移入はネオマイシン耐性遺伝子の同時導入により行った。この細胞株において、I
L−1βへの曝露により、用量依存的にルシフェラーゼの発現が刺激された。
IL−1βの定型的な、サブ極量への計量的な量のACZ885の添加は、18時間ま
での潜伏期間中にルシフェラーゼの発現の減少を引き起こした。インキュベーション時間
の終わりに、細胞可溶化物における酵素活性に基づいて、ルシフェラーゼの量を定量した
。ルシフェラーゼは、化学発光生成物であるオキシルシフェリンへの基質ルシフェリンの
変換を触媒した。次いで、結果のグロー型化学発光を適切なルミノメーターで測定した。
ルシフェラーゼ活性のIL−1β依存型誘導を阻害する能力をACZ885標準試料の
能力と比較して、ACZ885試験サンプルの生物学的効力を測定した。タンパク含有量
に基づいて試料および標準物質を正規化した。次いで、欧州薬局方によって平行線検定を
使用して、相対力価を算出した。最終結果を、標準試料と比較した試料の相対力価(パー
セントで表示)で表した。
試薬と緩衝剤
細胞培養液MEM+Earle塩+L−グルタミンの基本培地
熱失活させ、マイコプラズマをスクリーニングしたウシ胎児血清(FCS)
ジェネテシン
酵素不含、PBSベースの細胞解離緩衝液
アッセイ用基本培地 OptiMEM−I+GlutaMAX−I
グロー型化学発光用のルシフェラーゼ基質
組換えインターロイキン−1ベータ(IL−1β)
アッセイプロシージャステップ:
(1)標準試料および試験サンプルの様々な濃度を400ng/mlのACZ885の出
発溶液から1:2の希釈を数回実施して調製した。
(2)アッセイ培地で再懸濁した2×10細胞を96ウェルのマイクロタイタープレー
トの各ウェルに添加した。
(3)アッセイをIL−1ベータ溶液の添加により開始した。加湿したCOインキュベ
ーターにおけるインキュベーションは最大18時間であった。
(4)インキュベーション後、すべてのウェルにルシフェラーゼ基質溶液を添加した。プ
レートを遮光してさらに10分間インキュベートし、各ウェルのルミネセンスを適切なマ
イクロタイタープレートルミネセンスリーダによって測定した。
(6)試料の非加重平均相対力価を、少なくとも2つの独立した実験からEPによる平行
線評価を使用して算出した。
製剤3が最も凝集量が低かった。製剤1および3は、貯蔵中、本来の生物学的活性の約
90〜105%の活性を示した。
製剤の投与
ACZ885の適切な用量(つまり治療上効果的な量)は、例えば治療されるべき症状
、症状の重症度および経過、ACZ885の投与が予防目的か治療目的か、以前の治療、
患者の病歴、およびACZ885に対する反応、ならびに主治医の慎重さに依存する。
ACZ885 H鎖可変領域 配列番号1
ATGGAGTTTGGGCTGAGCTGGGTTTTCCTCGTTGCTCTTTTAAGAGGTGTCCAGTGTCAG-19 M E F G L S W V
F L V A L L R G V Q C Q-1
GTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCC V Q L V E S G G G V
V Q P G R S L R L S-21
TGTGCAGCGTCTGGATTCACCTTCAGTGTTTATGGCATGAACTGGGTCCGCCAGGCTCCA C A A S G F T F S V
Y G M X W V R Q A P-41
GGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCAATTATTTGGTATGATGGAGATAATCAATACTATGCA G K G L E W V A 1 1
W Y D G D N Q Y Y A-61
GACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTG D S V K G R F T 1 S
R D N S K N T L Y L-81
CAAATGAACGGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTATTGTGCGAGAGATCTTAGG Q M N G L R A E D T
A V Y Y C A R D L R-101
ACTGGGCCTTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTC T G P F D Y W G Q G T L V T V
S S-118
ACZ885 L鎖可変領域 配列番号2
ATGTTGCCATCACAA.CTCATTGGGTTTCTGCTGCTCTGGGTTCCAGCCTCCAGGGGTGAA-19
M L P S Q L I G F L L L W V P A S R G E-1
ATTGTGCTGACTCAGTCTCCAGACTTTCAGTCTGTGACTCCAAAGGAGAAAGTCACCATC 1 V L T Q S P D F Q
S V T P K E K V T 1-21
ACCTGCCGGGCCAGTCAGAGCATTGGTAGTAGCTTACACTGGTACCAGCAGAAACCAGAT T C R A S Q S 1 G S
S L H W Y Q Q K P D-41
CAGTCTCCAAAGCTCCTCATCAAGTATGCTTCCCAGTCCTTCTCAGGGGTCCCCTCGAGG Q S P K L L I K Y A
S Q S P S G V P S R-61
TTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACCCTCACCATCAATAGCCTGGAAGCTGAA F S G S G S G T D F
T L T I N S L E A E-81
GATGCTGCAGCGTATTACTGTCATCAGAGTAGTAGTTTACCATTCACTTTCGGCCCTGGG D A A A Y Y C H Q 5
S S L P F T F G P G-101 ACCAAAGMGATATCAAA-107 T K V D I K
本発明は、新規の医薬製剤、特に活性成分がヒトインターロイキンIベータ(IL−1β)に対するヒト抗体を含む新規の医薬製剤、特にWO2002/016436に記述された抗体に関する。
他のタンパク質治療薬と同様、抗体は複雑な分子であり、一般に、医薬製剤では、哺乳類、特にヒトでの治療上有効量を得るために、大量の抗体を使用しなければならない。タンパク質治療薬の液剤は、タンパク質治療薬の生物学的活性を損なわず保存すべきであり、製造中および有効期限中におけるタンパク質治療薬の官能基の分解を防ぐべきである。タンパク質の分解経路は化学的な不安定性または物理的な不安定性が関与し得る。
初期には、タンパク質治療製剤の不安定性に関する問題を解決するために、医薬品を凍結乾燥し、投与の直前、または少し前に再構成する方法が提案されていた。しかしながら、再構成された製剤は、有効な治療効果を有する安全な製剤をもたらすために、再現可能で、安定しており、生理的に活性であることが求められる。
簡便に用いるため、タンパク質治療薬、すなわち抗体の液体医薬製剤は、長期的に安定しており、安全かつ有効量の医薬品化合物を含んでいるべきである。
タンパク質治療薬の液剤において、長年にわたって大きな問題となっているのは、タンパク質分子が物理的に互いに付着する、凝集の問題であり、例えば、望ましくない免疫反応を示し得る不透明な不溶物または沈澱物の形成につながる。さらに、凝集体の形成により引き起こされる大きな問題は、投与中に、製剤が注射器またはポンプを詰まらせ、患者にとって危険となる可能性があることである。
したがって、タンパク質治療薬、特に、長期的に安定しており、高い抗体濃度でも凝集がない抗体を含む製剤が必要である。本発明は、抗体を含み、タンパク質凝集が無く、安定していて、粘性が十分に低く、したがって、哺乳類、特にヒト対象への投与に適する新規の製剤を提供することにより、上で特定された要求に取り組む。
インターロイキン−1β(IL−1ベータまたはIL−1βまたはインターロイキン−1βは本明細書において同じ意味である)は広範囲にわたり免疫性および炎症性の応答を仲介する強力な免疫調節物質である。IL−1βの不適切な、または過剰な生産は、各種疾病および疾患の病態、例えば敗血症、敗血性または内毒素性ショック、アレルギー、喘息、骨減少症、虚血、脳卒中、関節リウマチ、および他の炎症性障害に関連する。IL−1を媒介とした疾病および疾患の治療に使用するためにIL−1βに対する抗体が提案されており、例えば、WO95/01997およびその導入における議論、ならびにWO02/16436を参照されたい。これらの内容を参照して組み込む。
本発明の製剤に特に好ましいIL−1βに対する抗体は、以下に配列番号1および配列番号2で示されるACZ885抗体または、F(ab)2、Fab、scFv、VHドメイン、CDR等の、抗原への親和性を保持するACZ885抗体の機能性フラグメントである。
本発明の目的は、安定して貯蔵、送達できる抗体製剤を提供することである。本発明によれば、安定的な製剤はその中の抗体が、貯蔵中にその物理的および化学的な安定性および完全性を実質的に保持する製剤である。例えば、凍結乾燥および貯蔵、または液剤では貯蔵に伴う、産物関連物質および産物由来不純物の範囲は約2〜5%であり、好ましくは2〜3%である。生物活性アッセイを使用して、抗体製剤の安定性を測定してもよく、貯蔵中の生物活性は本来の活性の約80〜125%である。貯蔵中の本発明の製剤における抗体の生物活性は、レポーター遺伝子アッセイで、以下の実施例において記述されるような遺伝子改変の細胞株を使用して測定される。
さらなる目的は、皮下投与に適した安定的な液状抗体製剤を提供することである。液剤は、凍結乾燥およびその後の再構成にも適していることが好ましい。少なくとも、哺乳類、特にヒト対象に投与される間安定している製剤を提供することも目的である。
一般に、皮下注射用の医薬製剤を小容積(通常、最大で1.0mL〜1.2mL)で使用するのが好ましい。抗体、例えば高用量の抗体療法薬を含む製剤の場合には、皮下投与には高濃度の抗体製剤(例えば、50mg/ml〜150mg/mlまたはそれを上回る)が要求される。高い抗体濃度が必要なため、抗体を含む製剤には、抗体の物理的および化学的安定性、凝集体の形成、および抗体製剤の製造、貯蔵、および送達に伴う困難に関連する課題がある。
タンパク質製剤の粘度の増大は、患者への薬物送達を介しての、加工、例えば、液体の加工可能性、例えば、高粘度であると、液剤はもはや困難なくして針のゲージを通過できなくなり、患者に不快感をもたらす原因となること;投与時間;自動注入器の使用可能度との関連性においてマイナスである。さらに、適切な低粘性を有しながら比較的高濃度である抗体製剤が容易に製造、貯蔵、および投与できることが前提条件として望まれている。本明細書で用いられる用語「粘度」は、「動粘度」または「絶対粘度」であり得る。一般に、動粘度はセンチストーク(cSt)で表される。動粘度のSI単位はmm2/sであり、1cStである。絶対粘度はセンチポアズ単位(cP)で表される。絶対粘度のSI単位はミリパスカル秒(mPa−s)であり、1cP=1mPa−sである。
したがって、本発明は、IL−1β抗体を含み、安定していて、高い抗体濃度でも粘性が十分に低く凝集の無い製剤を提供する。
液体医薬品の抗体製剤はあらかじめ定義された種々の特性を示すべきである。タンパク質は、製造および貯蔵中に可溶性および不溶性の凝集体を形成しやすいことから、液剤医薬品における主な関心事のうちの1つは、安定性である。さらに、様々な化学反応が溶液において生じ(アミド分解、酸化、クリッピング(clipping)、異性化等)、分解産物レベ
ルの増加および/または生物活性の減失につながり得る。液体抗体製剤の有効期限は18ヶ月を超えることが好ましい。液体ACZ885製剤の有効期限は24ヶ月を超えることが最も好ましい。IL−1β抗体の有効期限および活性を実施例における生物活性アッセイにおいて定義するが、それらによる活性は、本来の活性の80%および125%の間で保たれるべきである。
抗体製剤、特にACZ885抗体製剤は、2〜8℃で約36〜60ヶ月の有効期限を示すべきである。好ましくは、ACZ885液剤の有効期限は、2〜8℃で約24〜36ヶ月を示すべきである。好ましくはACZ885凍結乾燥剤の有効期限は、2〜8℃で最高約60ヶ月を示すべきである。
通常、有効期限を決定する主要な要因は、副産物および分解産物の形成ならびに生物活性の減失である。本発明の製剤はこれら望ましい安定レベルを達成する。
物理的および化学的安定性が十分であることとは別に、製剤は皮下適用で許容可能なpH値および重量オスモル濃度(250〜500mOsm/kg)であるべきである。しかし、注射後、痛覚または灼熱感を感じる期間を顕著に長引かせることなく、高重量オスモル濃度(最高1100mOsm/kg)の製剤を皮下投与できると文献には報告されている。抗体が高濃度であると、製剤の粘度および凝集もまた増大することが知られている。本発明による適切な医薬製剤は、約16mPas未満、好ましくは3〜16mPasの粘度を有し、3〜10mPasが好ましい。
本発明によれば、長期間の貯蔵の間抗体活性を保存するのに有利な特質を有しており、高い抗体濃度にもかかわらず凝集を防ぎ、適切な粘度を有する、特に安定的な抗体製剤が得られることが、驚くべきことに発見された。本発明はその最も広範な態様において、活性成分としての抗体、ならびに緩衝系、安定剤および界面活性剤を含む医薬製剤(本発明の製剤)を提供する。本発明の製剤は液体であるか、凍結乾燥されており、後で抗体濃度が低い、同じ、または高い液剤に再構成させるのにも適している。再構成された製剤は、製剤の抗体が、再構成された製剤内に分散するように、凍結乾燥物から調製された製剤である。
本発明は、活性成分としてのIL−1βに対する抗体、および緩衝系を含む新規の製剤に関し、製剤のpH値は、5.5〜7.5、好ましくは5.5〜7、また好ましくは6.2〜6.8である。より具体的には、本発明は、活性成分としてACZ885抗体、および緩衝系を含む新規の医薬製剤に関し、製剤のpH値は、5.5〜7.5、好ましくは5.5〜7、また好ましくは6.2〜6.8である。
本発明者らは、いまや、pHが5.5〜7.5、好ましくは5.5〜7、また好ましくは6.2〜6.8である製剤を得ることができる緩衝系を使用して、安定的な製剤が調製できることを発見した。特定の態様においてpHは上で列挙した中いずれのpH値でもよく、例えば6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7および6.8である。
本発明による好ましい緩衝系は、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸ナトリウム、ならびにリン酸ナトリウムおよび/またはリン酸カリウム緩衝系、および他の有機酸、または無機酸、より好ましくはヒスチジンまたはクエン酸塩が挙げられ、最善の結果がヒスチジンを使用して得られた。
本発明による製剤に使用される適切な緩衝系の濃度は、例えば緩衝剤および製剤の望まれる安定性次第であるが、約10mM〜約50mM、または約10mM〜約40mMである。
好ましい実施形態において、緩衝系はヒスチジンであり、ヒスチジンは、10〜50mM、好ましくは15〜40mM、また好ましくは20〜30mMの濃度で使用されることが好ましい。
本発明の製剤は、さらに安定剤を含んでいても好ましい。本発明による安定剤はスクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトールおよび塩酸アルギニンを含む。スクロースまたはマンニトールを使用する場合、最善の結果が得られる。本発明による製剤に使用された適切な安定剤の濃度は、約50〜300mM、好ましくは180〜300mMであり、最も好ましくは、スクロースまたはマンニトール約270mMである。特定の態様では、凍結乾燥および再構成された液剤は安定剤としてスクロースまたはマンニトールを含む。別の特定の態様において液剤は安定剤としてマンニトールを含む。
本発明の製剤はさらに、増量剤、塩、界面活性剤および保存剤を含む群から選択される1つまたは複数の賦形剤を任意に含んでもよい。
増量剤は、医薬製剤の嵩を増加させ、凍結乾燥形態における製剤の物理的構造の一因となる化合物である。本発明による適切な増量剤はマンニトール、グリシン、ポリエチレングリコールおよびソルビトールを含む。本発明による製剤に使用される増量剤の濃度は、20〜90mMである。
界面活性剤を使用すると、再構成されたタンパク質の凝集および/または再構成された製剤における微粒子の形成を減少させることができる。添加された界面活性剤の量は、再構成されたタンパク質の凝集を減少させ、再構成後の微粒子の形成を最小化できる量である。
本発明による適切な界面活性剤は、ポリソルベート(例えばポリソルベート20または80);ポロクサマー(例えばポロクサマー188);トリトン;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;オクチルグリコシドナトリウム;ラウリル−、ミリスチル−、リノレイル−、またはステアリル−スルホベタイン、ラウリル−、ミリスチル−、リノレイル−、またはステアリル−サルコシン、リノレイル−、ミリスチル−、またはセチ−ルベタイン−、ラウロアミドプロピル−、コカミドプロピル−、リノルアミドプロピル−、ミリスタミドプロピル−、パルミドプロピル−、またはイソステアルアミドプロピル−ベタイン、(例えばラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピル−、パルミドプロピル−、またはイソステアルアミドプロピル−ジメチルアミン、ココイルメチルタウリンナトリウム、またはメチルオレイルタウリン二ナトリウム、およびMONAQUAT(登録商標)系(Mona Industries, Inc., Paterson, New Jersey)、ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、およびエチレンおよびプロピレングリコールの共重合体(例えばPluronics、PF68等)を含む。好ましい実施形態において、界面活性剤を、ポリソルベート20およびポリソルベート80からなる群から選択してもよい。
本発明による製剤に使用される界面活性剤の濃度は、製剤の約0.001〜0.5%、または約0.005〜0.10%であり、好ましくは0.01〜0.10%、最も好ましくは約0.04〜0.06%容積重量である。界面活性剤を、あらかじめ凍結乾燥した製剤、凍結乾燥製剤、および/または再構成製剤に所望により添加できるが、あらかじめ凍結乾燥された製剤に添加するのが好ましい。
任意で、保存剤を発明品の製剤に使用してもよい。本発明の製剤で使用される適切な保存剤はオクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、ベンザルコニウム塩化物(アルキル基が長鎖化合物であるアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩化物の混合物)、および塩化ベンゼトニウムを含む。他のタイプの保存剤は、フェノール、ブチルおよびベンジルアルコール等の芳香族アルコール、メチルまたは、プロピルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール、およびm−クレゾール等のアルキルパラベンを含む。
Remington’s Science and Practice of Pharmacy、第21版(2005)またはArt, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding、第3版(2008)に記述されるような、他の薬学的に許容される担体、賦形剤または安定剤は、製剤の望ましい特性に悪影響を及ぼさない条件で本発明の製剤に含まれてもよい。許容される担体、賦形剤または安定剤は、使用用量および濃度で受容者に無毒であり、緩衝剤、保存剤、共溶媒、アスコルビン酸とメチオニンを含む酸化防止剤、EDTA等のキレート化剤、金属錯体(例えばZn−タンパク質複合体)、ポリエステル等の生分解性高分子、および/またはナトリウム等の塩形成対イオンをさらに含む。
本発明は、1つの態様において、抗体、好ましくはIL−1βに対する抗体、最も好ましくはACZ885、および緩衝系を含む安定的な液体の、凍結乾燥した、または再構成された製剤を提供し、十分に安定しており、凝集が最小であり、かつ粘性を許容可能な程度に低くするために、液体または再構成製剤のpHは5.5〜7.5、好ましくは5.5〜7、また好ましくは6.2〜6.8である。本発明による製剤は凍結乾燥に適しており、許容可能な期間、典型的には10分未満で水で再構成できる。本発明はIL−1βに対する抗体、最も好ましくはACZ885抗体、および緩衝系を含む安定した再構成製剤を提供し、再構成製剤は、抗体および緩衝系の凍結乾燥した混合物から調製され、再構成製剤のpHは、5.5〜7.5、好ましくは5.5〜7、また好ましくは6.2〜6.8であり、再構成時間は10分未満である。安定した再構成製剤は、製剤中の抗体が、再構成から使用するまでの期間、典型的には数時間から数日までの貯蔵期間中にその物理的および化学的な安定性および完全性を本質的に保持する製剤である。
さらなる実施形態において本発明は、(a)IL−1βに対する抗体、最も好ましくはACZ885抗体、および緩衝系を含む製剤を凍結乾燥するステップと;(b)再構成溶媒でステップ(a)の凍結乾燥した混合物を、再構成された製剤が安定するように再構成するステップとを含む、製剤を調製する方法を提供する。
ステップ(a)の製剤は、安定剤、および上で記述した増量剤、塩、界面活性剤および保存剤を含む群から選択される1つまたは複数の賦形剤をさらに含んでもよい。
再構成溶媒として、希釈した有機酸または水、すなわち滅菌水、注射用静菌水(BWFI)を使用してもよい。再構成溶媒は、水、つまり滅菌水、注射用静菌水(BWFI)、または約50〜約100mMの量の酢酸、プロピオン酸、コハク酸、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムの酸性溶液、塩化マグネシウムの酸性溶液、アルギニンの酸性溶液からなる群から選択してもよい。
本発明はしたがって、
a)約10〜150mg/mlの濃度で使用されるIL−1βに対する抗体、好ましくはACZ885抗体と、
b)約10〜50mMの濃度で使用でき、緩衝系のpHが、5.5〜7.5、好ましくは6.2〜6.8の範囲内の任意のpH値である緩衝系、好ましくはクエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸ナトリウム、またはリン酸ナトリウムおよび/もしくはリン酸カリウム緩衝系、最も好ましくはヒスチジン緩衝系とを含み、任意で、
c)約50〜300mMの濃度の安定剤、好ましくはスクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、または塩酸アルギニン、最も好ましくはスクロースまたはマンニトール、任意で、
d)さらに増量剤、塩、界面活性剤および保存剤を含む群から選択される賦形剤、を含む医薬製剤を提供する。
本発明のある実施形態では、増量剤(例えばマンニトールまたはグリシン)をあらかじめ凍結乾燥した製剤の調製に使用する。増量剤により、過剰なポケットがない均一な凍結乾燥ケーキの生成が可能となり得る。
本発明の好ましい液剤は、マンニトールを10〜150mg/ml、270mM、ヒスチジンを20mMおよびポリソルベート80を0.04%の濃度で、ACZ885を含む製剤を提供し、製剤のpHは6.5である。
本発明の好ましい再構成製剤は、再構成された形態で、スクロースを10〜150mg/ml、270mM、ヒスチジンを30mMおよびポリソルベート80を0.06%の濃度で、ACZ885を含む再構成製剤を産生する凍結乾燥剤を提供し、製剤のpHは6.5である。
本発明はさらに、IL−1βに対する抗体、最も好ましくはACZ885での治療を必要とする疾患を有する哺乳類、特にヒト対象に、本明細書に開示された治療上有効な量の再構成製剤を投与することを含む、哺乳類、特にヒト対象を治療する方法を提供する。例えば、その製剤を皮下に投与してもよい。
本発明の製剤はIL−1が媒介する疾病または医学上の状態、例えば炎症性の症状、アレルギーおよびアレルギー性疾患、過敏症状、自己免疫病、重度の感染症、ならびに臓器移植または組織移植の拒絶反応の予防および治療に有用である。
本発明の目的は、IL−1が媒介する疾患または医学上の状態の治療に本発明の製剤を使用することである。
例えば、本発明の製剤は、移植片拒絶または異種移植片拒絶反応を含む心臓、肺、心肺同時、肝臓、腎臓、すい臓、皮膚または角膜の移植の移植患者の治療、ならびに骨髄移植、および臓器移植に関した動脈硬化に伴うような、移植片対宿主病の予防に使用し得る。
本発明の製剤は、自己免疫病、および炎症性疾患の治療、予防、または回復に特に有用であり、特に関節炎(例えばリウマチ性関節炎、慢性進行性関節炎および変形性関節炎)等の自己免疫性成分などが病因の炎症性疾患、炎症性疾患を含むリウマチ性疾患、骨減少症、炎症性疼痛、過敏症(気道過敏症および皮膚過敏症の両方を含む)およびアレルギーが関与するリウマチ性疾患に有用である。本発明の製剤を使用し得る特定の自己免疫疾患には、自己免疫性の血液疾患(例えば溶血性貧血、再生不良性貧血、真正赤血球性貧血および特発性血小板減少症を含む)、全身性紅斑性狼瘡、多発性軟骨炎、皮膚硬化症、ヴェグナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、乾せん、スティーヴン・ジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫性炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎、クローン病および過敏性大腸症候群を含む)、内分泌性眼障害、グレーヴス病、サルコイドーシス、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、若年性糖尿病(1型糖尿病)、ブドウ膜炎(前部および後部)、乾性角結膜炎および春季角結膜炎、間質性肺線維症、乾せん性関節炎、ならびに糸球体腎炎(ネフローゼ症候群、例えば、特発性ネフローゼ症候群または微小変化型ネフローゼを伴う、および伴わない)がある。
また、本発明の製剤は、喘息、気管支炎、塵肺、肺気腫、および他の気道閉塞性または気道炎症性疾患の治療、予防、または回復に有用である。
本発明の製剤は、IL−1が媒介する、またはIL−1の産生、特にIL−1β、またはIL−1によるTNF放出の促進が関与する望ましくない急性および超急性の炎症反応、例えば急性感染、例えば敗血症ショック(例えば、内毒素性ショックおよび成人型呼吸窮迫症候群)、脳膜炎、肺炎、および重度の熱傷の治療に有用であり、感染、がん、または臓器不全による病的なTNF放出に関連した悪液質または消耗性症候群、特にHIV感染に関連する、または付随するAIDS関連悪液質の治療に有用である。
本発明の製剤は、変形関節炎、骨粗しょう症、および他の炎症性の関節炎疹等の骨代謝疾患、ならびに加齢性骨減少等の一般の骨減少症、特に歯周疾患の治療に特に有用である。
本発明の製剤は、哺乳類等の、特にヒトの患者における自己炎症性症候群の予防および治療に有用である。本発明によれば、自己炎症性症候群は、限定されるものではないが、例えば、炎症の再発を特徴とする遺伝性疾患の群であり、これは、高力価の自己抗体または抗原特異的T細胞が欠如している自己免疫疾患とは対照的である。さらに、本発明によれば、自己炎症性症候群では、IL−1ベータ分泌の増加(前記疾病において変異していると考えられるパイリンの負の調節的役割の減失)、NFkB活性化、および白血球のアポトーシス障害が見られる。本発明によれば、自己炎症性症候群には、マックル−ウェルズ症候群(MWS)、LADA(成人潜在性自己免疫性糖尿病)、家族性寒冷自己炎症症候群(FCAS)、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、新生児期発症多臓器性炎症性疾患(NOMID)、慢性乳児期発症神経皮膚関節症候群(CINCA)、家族性地中海熱(FMF)、ならびに/または全身型若年性特発性関節炎(SJIA)等のある種の若年性関節炎、全身型若年性特発性関節リウマチ等のある種の若年性関節リウマチ、および/もしくは、ある種の成人性関節リウマチがある。
本発明の製剤は、若年性関節リウマチおよび成人性関節リウマチ、ならびに/またはマックル−ウェルズ症候群の予防および治療に有用であることが好ましい。
本発明の製剤はまた、2型糖尿病の治療に有用であり得、臨床および前臨床研究により、IL−1遮断によって膵島機能が向上することが示されている。本発明の製剤はまた、網膜症、創傷治癒、血管疾患、(ステント術または血管形成後の動脈再狭窄を含む)、腎機能障害、慢性腎疾患、および代謝異常症候群および肥満症等の様々な糖尿病関連の病態の治療に有用である。本発明の製剤はまた、偏頭痛、滑膜炎、痛風、仮性痛風/痛風性関節炎、または軟骨石灰化、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、人工呼吸誘発肺損傷、様々な疼痛症状、例えばモルヒネ抵抗性疼痛、神経障害性疼痛、早産疼痛、椎間板性疼痛、炎症性疼痛、頭痛、または偏頭痛の治療に有用であり得る。IL−1ベータは痛覚に関与し、神経性シグナルを増幅する。さらに、本発明の製剤は、アテローム動脈硬化、急性腎仙痛、胆石仙痛、またはこれら疾患に関した疼痛の治療に有用である。
本発明の製剤は、IL−1ベータが主要なサイトカインである、周期熱症候群:家族性地中海熱(FMF)、腫瘍壊死因子受容体関連周期熱症候群(TRAPS)、メバロン酸キナーゼ関連周期熱症候群と呼ばれる、高免疫グロブリンD症候群(HIDS)、家族性寒冷自己炎症症候群、および周期性発熱アフタ性口内炎咽頭炎リンパ節炎(PFAPA)症候群の治療に有用であり得る。IL−1ベータが主要なサイトカインであり、本発明に従って、本発明の製剤で治療できる他の疾患には、抗合成酵素症候群、マクロファージ活性化症候群MAS、ベーチェット病、ブラウ症候群、PAPA症候群、シュニッツラー症候群、スイート症候群がある。本発明のIL−1ベータリガンド−受容体遮断およびIL−1ベータ化合物を、巨細胞動脈炎(GCA)、ヘノッホ−シェーンライン紫斑、原発性全身性血管炎、川崎病(粘膜皮膚リンパ節症候群)、高安動脈炎、結節性動脈周囲炎、本態性クリオグロブリン血管炎、顕微鏡的多発性血管炎(MPA)およびチャーグ−ストラウス症候群(CSS)、じんま疹様血管炎の治療に使用してもよい。さらに、本発明の製剤は、サルコイドーシス、天疱瘡、強直性脊椎炎、アルツハイマー病、アミロイド症、続発性アミロイドーシスおよび成人スティル病(AOSD)のような自己免疫疾患の治療に有用である。
本発明の製剤を、HLA−B27関連疾患、限定されるものではないが、例えば乾せん、強直性脊椎炎、ライター病および腸炎性関節炎を治療するために使用してもよい。本発明によれば、IL−1ベータ化合物を、リウマチ熱、リウマチ性多発筋痛および巨細胞動脈炎の治療に使用してもよい。最後に、本発明の製剤を感染、特に細菌感染およびウイルス感染、より詳細には、限定されるものではないが、例えば、血行性骨髄炎、感染性関節炎、結核性関節炎等、関節炎の症状または観察に関連した細菌感染を治療するために使用してもよい。
上記の適応症に対する適切な用量は、例えば、使用されるIL−1βに対する特定の抗体、宿主、投与の方法および治療されている症状の性質および重症度により変わるであろう。予防的利用のための投薬頻度は、通常、週に約1回から3ヶ月に約1回までの範囲であり、より一般的には2週に約1回から10週に約1回まで、例えば、4〜8週に1回である。
本発明の製剤は、1回で、または一連の治療で患者に適切に投与し、かつ診断後いつの時点でも、患者に投与してよく、単独の治療として、または本明細書に記述したように、症状の治療に有用な他の薬剤または治療と併用して投与してもよい。
予防療法では、一般的には、本発明の製剤を1ヶ月に1回から2〜3ヶ月に1回、またはより低頻度で投与することを含む。
ACZ885を含む本発明の製剤を、好ましくは静注経路、皮下経路または筋注経路で投与するのが好ましい。このような目的のために、注射器を使用してその製剤を注入してもよい。例えば、ACZ885を含む製剤を、自動注入装置、無菌のパッケージに任意で詰められてもよい通常の注射器、安全装置を任意で備えた注射器を使用して投与する。マイクロ針およびリザーバー型被覆パッチも適切な投与デバイスとして考えられる。
本発明の製剤をIL−1βに対する抗体、すなわちACZ885での治療が必要な哺乳類、好ましくはヒトに既知の方法、例えば、急速静注、またはある期間にわたる持続静注により、筋肉内、腹腔内、大脳脊髄内、皮下、関節内、滑液内、くも膜下腔内、経口、局所、または吸入経路によって投与してもよい。
生体内投与に使用される製剤は無菌でなければならない。凍結乾燥および再構成前、または後で、ろ過滅菌膜によりろ過することで、容易に無菌にできる。あるいは、抗体以外の成分を、例えば約120℃で約30分オートクレーブすることにより、全混合物を無菌にできる。
ACZ885を含む本発明の製剤は、成人性リウマチ性関節炎(RA)、若年性関節リウマチ(SJIA、pJIA)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、CAPS、マックル−ウェルズ症候群(MWS)、変形関節炎(OA)、および潜在的2型糖尿病および痛風の治療中に皮下投与により投与されるのが好ましい。
本発明はさらに、輸液で再構成製剤を希釈することにより得られる等張の液剤を提供する。
治療という用語は、治療的な処置、および予防または再発防止手段の両方を指す。
治療の対象となる哺乳類という用語は、哺乳類に分類されるあらゆる動物を指し、ヒト、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ等の家畜、および動物園、スポーツ、またはペット用の動物を含む。哺乳類はヒトであることが好ましい。
疾患は、IL−1βに対する抗体での治療が有益なあらゆる症状である。これには、哺乳類において、問題の疾患の素因となる病態を含む慢性型および急性型の疾患または疾病が含まれる。本明細書において治療されるべき疾患の非限定的な例には上述の疾病および疾患が含まれる。
治療上有効量は、少なくとも、特定の疾患における測定可能な好転または予防をもたらすために要求される、最低濃度である
液剤の調製およびその凍結乾燥
再構成および続く希釈後の点滴静脈投与および再構成後の皮下投与の両方が可能であるACZ885製剤を開発する。
異なった4つの緩衝系(クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸ナトリウム、およびリン酸ナトリウム/リン酸カリウム緩衝系、濃度は各々40mM)を選択し、ACZ885製剤に対する適合性を検査した。
振とうおよび凍結解凍周期をストレス試験として使用し、タンパク質凝集に関する適合性について緩衝系をランク付けした。
表1に示すように、ヒスチジンまたはクエン酸塩緩衝剤をpH5.0〜7の範囲で使用すると、タンパク質凝集を最も効率的に防げた。
0.5単位でpHを増加させて3.5〜8.0のpH範囲を調査した。図1に示すように、40℃で4週間貯蔵した後、6.2〜6.8の異なるpHが、異なる分析技術を適用した結果に基づき、最適であると結論づけられた。
ヒスチジンおよびクエン酸塩の緩衝剤試料の結果は類似していた。クエン酸塩緩衝剤は、投与後の痛覚が増加したため、皮下製剤にはふさわしくない可能性がある。したがって、ヒスチジンは皮下適用に関してクエン酸塩よりも好ましい可能性がある。
適切な緩衝系の選択後に、タンパク質凝集への安定剤の影響を調べた。スクロース、グリシン、マンニトール、ソルビトールまたはトレハロースを含む製剤を、5℃および40℃で6週間および16週間貯蔵した後に分析した。黄色の呈色が、40℃で貯蔵されたスクロースを含む製剤で認められたが、これはおそらくタンパク質のアミノ基またはヒスチジンと還元糖との間のマイヤール反応が原因である。スクロースまたはマンニトールを含む製剤を、凍結乾燥および再構成製剤用に選択した。マンニトールを含んでいる製剤を液剤用に選択した。
本発明の製剤の物理的−化学的安定性に対する界面活性剤の濃度の影響を評価するためにさらなる調査を行った。下記の微粒子状物質データは、界面活性剤を含まない製剤に対して最高値を示し、Tweenが試料の物理安定度に有益であることを示した。0.10%Tween濃度の微粒子状物質データが、低濃度と比較して高くなる傾向がある。
液剤の試料は、ACZ885を150mg/mL、ヒスチジンを20mM、マンニトールを270mM、0.04%(m/v)のTween80を含み、pH6.5であるが、これを5℃、25℃および40℃で24ヶ月まで貯蔵した。5℃では、多量の可溶性および不溶性の凝集体は両方とも検出できなかった。以下に記述するように、レポーター遺伝子アッセイを使用して測定した生物活性は、70〜125%の間であった。これらのデータ(表4〜6を参照)は、検査した製剤が、安定して24ヶ月間貯蔵できたことを示す。
凍結乾燥した製剤の再構成
本発明によるACZ885の液剤は凍結乾燥に適している。凍結乾燥は、調剤の技術分野においてよく知られている通常の条件下で行うことができる。グリシン等の増量剤は、凍結乾燥剤に重量および視感度を付加するために含まれていてもよい。
抗体、緩衝剤10〜40mM、安定剤および界面活性剤を混合した後、その製剤を凍結乾燥させる。
再構成は一般的には完全な水和反応を確実とするために15〜25℃の温度で起こる。凍結乾燥物は滅菌水で再構成する。
再構成後の目標濃度は、150mg/mlであり、各製剤は凍結乾燥されており水で元に戻される。
安定性
異なった製剤を、2〜8℃、25℃および40℃で3ヶ月の間貯蔵する。
凍結乾燥および貯蔵に伴う凝集をタンパク質の安定性の指標として使用する。
レポーター遺伝子アッセイ
ACZ885の生物学的活性を、遺伝子改変した細胞株を使用して、レポーター遺伝子アッセイで測定した。この細胞株はヒト胎児由来腎臓細胞由来であり、プロモーターNF−カッパb(IL−1β反応プロモーター)をルシフェラーゼ遺伝子の上流に融合し、リポーターコンストラクトを安定的に形質移入した。
形質移入はネオマイシン耐性遺伝子の同時導入により行った。この細胞株において、IL−1βへの曝露により、用量依存的にルシフェラーゼの発現が刺激された。
IL−1βの定型的な、サブ極量への計量的な量のACZ885の添加は、18時間までの潜伏期間中にルシフェラーゼの発現の減少を引き起こした。インキュベーション時間の終わりに、細胞可溶化物における酵素活性に基づいて、ルシフェラーゼの量を定量した。ルシフェラーゼは、化学発光生成物であるオキシルシフェリンへの基質ルシフェリンの変換を触媒した。次いで、結果のグロー型化学発光を適切なルミノメーターで測定した。
ルシフェラーゼ活性のIL−1β依存型誘導を阻害する能力をACZ885標準試料の能力と比較して、ACZ885試験サンプルの生物学的効力を測定した。タンパク含有量に基づいて試料および標準物質を正規化した。次いで、欧州薬局方によって平行線検定を使用して、相対力価を算出した。最終結果を、標準試料と比較した試料の相対力価(パーセントで表示)で表した。
試薬と緩衝剤
細胞培養液MEM+Earle塩+L−グルタミンの基本培地
熱失活させ、マイコプラズマをスクリーニングしたウシ胎児血清(FCS)
ジェネテシン
酵素不含、PBSベースの細胞解離緩衝液
アッセイ用基本培地 OptiMEM−I+GlutaMAX−I
グロー型化学発光用のルシフェラーゼ基質
組換えインターロイキン−1ベータ(IL−1β)
アッセイプロシージャステップ:
(1)標準試料および試験サンプルの様々な濃度を400ng/mlのACZ885の出発溶液から1:2の希釈を数回実施して調製した。
(2)アッセイ培地で再懸濁した2×10細胞を96ウェルのマイクロタイタープレー
トの各ウェルに添加した。
(3)アッセイをIL−1ベータ溶液の添加により開始した。加湿したCOインキュベ
ーターにおけるインキュベーションは最大18時間であった。
(4)インキュベーション後、すべてのウェルにルシフェラーゼ基質溶液を添加した。プレートを遮光してさらに10分間インキュベートし、各ウェルのルミネセンスを適切なマイクロタイタープレートルミネセンスリーダによって測定した。
(6)試料の非加重平均相対力価を、少なくとも2つの独立した実験からEPによる平行線評価を使用して算出した。
製剤3が最も凝集量が低かった。製剤1および3は、貯蔵中、本来の生物学的活性の約90〜105%の活性を示した。
製剤の投与
ACZ885の適切な用量(つまり治療上効果的な量)は、例えば治療されるべき症状、症状の重症度および経過、ACZ885の投与が予防目的か治療目的か、以前の治療、患者の病歴、およびACZ885に対する反応、ならびに主治医の慎重さに依存する。
ACZ885 H鎖可変領域 配列番号1

DNA 配列番号3
atggagtttgggctgagctgggttttcctcgttgctcttttaagaggtgtccagtgtcag
gtgcagctggtggagtctgggggaggcgtggtccagcctgggaggtccctgagactctcc
tgtgcagcgtctggattcaccttcagtgtttatggcatgaactgggtccgccaggctcca
ggcaaggggctggagtgggtggcaattatttggtatgatggagataatcaatactatgca
gactccgtgaagggccgattcaccatctccagagacaattccaagaacacgctgtatctg
caaatgaacggcctgagagccgaggacacggctgtgtattattgtgcgagagatcttagg
actgggccttttgactactggggccagggaaccctggtcaccgtctcctc
ACZ885 L鎖可変領域 配列番号2

DNA 配列番号4
atgttgccatcacaactcattgggtttctgctgctctgggttccagcctccaggggtgaa
attgtgctgactcagtctccagactttcagtctgtgactccaaaggagaaagtcaccatc
acctgccgggccagtcagagcattggtagtagcttacactggtaccagcagaaaccagat
cagtctccaaagctcctcatcaagtatgcttcccagtccttctcaggggtcccctcgagg
ttcagtggcagtggatctgggacagatttcaccctcaccatcaatagcctggaagctgaa
gatgctgcagcgtattactgtcatcagagtagtagtttaccattcactttcggccctggg
accaaagtggatatcaaa

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 配列番号1および配列番号2に記載の配列を含むIL−1βに対する抗体、ならびに緩衝系を含み、pHが5.5〜7.5である医薬製剤。
[2] pHが5.5〜7である、前記[1]に記載の製剤。
[3] pHが6.2〜6.8である、前記[1]に記載の製剤。
[4] 緩衝系が、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸ナトリウム、ならびにリン酸ナトリウムおよび/またはリン酸カリウム緩衝系からなる群から選択される、前記[1]に記載の製剤。
[5] 緩衝系がヒスチジン緩衝系である、前記[4]に記載の製剤。
[6] 前記ヒスチジンが15〜50mMの量である、前記[5]に記載の製剤。
[7] さらに安定剤を含む、前記[1]に記載の製剤。
[8] 安定剤が、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトールおよび塩酸アルギニンからなる群から選択される、前記[7]に記載の製剤。
[9] 安定剤が50〜300mMの量のスクロースまたはマンニトールである、前記[8]に記載の製剤。
[10] 増量剤、塩、界面活性剤および保存剤を含む群から選択される1つまたは複数の賦形剤をさらに含む、前記[1]から[9]のいずれか一項に記載の製剤。
[11] 凍結乾燥剤から再構成させた前記[1]から[10]のいずれか一項に記載の製剤。
[12] 前記[1]から[11]のいずれか一項に記載の製剤から調製された凍結乾燥剤。
[13] (i)前記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の製剤を凍結乾燥することと、
(ii)再構成溶媒で前記凍結乾燥剤を再構成することとを含む、製剤を調製する方法。
[14] 10〜150mg/mlのACZ885、270mMのスクロース、30mMのヒスチジンおよび0.06%のポリソルベート80を含み、pHが6.5である製剤。[15] 10〜150mg/mlのACZ885、270mMのマンニトール、20mMのヒスチジンおよび0.04%のポリソルベート80を含み、pHが6.5である製剤。
[16] IL−1を媒介とした疾患または医学上の状態の治療のための、前記[1]〜[15]のいずれか一項に記載の製剤の使用。

Claims (16)

  1. 配列番号1および配列番号2に記載の配列を含むIL−1βに対する抗体、ならびに緩
    衝系を含み、pHが5.5〜7.5である医薬製剤。
  2. pHが5.5〜7である、請求項1に記載の製剤。
  3. pHが6.2〜6.8である、請求項1に記載の製剤。
  4. 緩衝系が、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸ナトリウム、ならびにリン酸ナトリウム
    および/またはリン酸カリウム緩衝系からなる群から選択される、請求項1に記載の製剤
  5. 緩衝系がヒスチジン緩衝系である、請求項4に記載の製剤。
  6. 前記ヒスチジンが15〜50mMの量である、請求項5に記載の製剤。
  7. さらに安定剤を含む、請求項1に記載の製剤。
  8. 安定剤が、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトールおよび塩酸アルギ
    ニンからなる群から選択される、請求項7に記載の製剤。
  9. 安定剤が50〜300mMの量のスクロースまたはマンニトールである、請求項8に記
    載の製剤。
  10. 増量剤、塩、界面活性剤および保存剤を含む群から選択される1つまたは複数の賦形剤
    をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の製剤。
  11. 凍結乾燥剤から再構成させた請求項1から10のいずれか一項に記載の製剤。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の製剤から調製された凍結乾燥剤。
  13. (i)請求項1〜10のいずれか一項に記載の製剤を凍結乾燥することと、
    (ii)再構成溶媒で前記凍結乾燥剤を再構成することとを含む、製剤を調製する方法
  14. 10〜150mg/mlのACZ885、270mMのスクロース、30mMのヒスチ
    ジンおよび0.06%のポリソルベート80を含み、pHが6.5である製剤。
  15. 10〜150mg/mlのACZ885、270mMのマンニトール、20mMのヒス
    チジンおよび0.04%のポリソルベート80を含み、pHが6.5である製剤。
  16. IL−1を媒介とした疾患または医学上の状態の治療のための、請求項1〜15のいず
    れか一項に記載の製剤の使用。
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