JP2018162382A - 燃料用木質スラリーの製造方法及び燃料用木質スラリーの使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼用木質スラリーにおいて、製造コストを削減しつつ輸送管理の負担を軽減し、燃焼効率を高める。【解決手段】燃料用木質スラリー36は、燃焼炉91において石炭81を粉砕した微粉炭84と併せて使用される。燃料用木質スラリー36は、含水率が40%以上の木質材料12の製造工程1と、木質材料12を芯温が−5℃に到達するまでに10分間以上を要するように冷却して凍結させる凍結工程2と、凍結した木質材料12の芯温が−5℃以下−15℃以上の状態で粉砕処理して燃料用木質スラリー36にする粉砕工程3とを経て製造される。【選択図】図1

Description

本発明は燃料用木質スラリーの製造方法及び燃料用木質スラリーの使用方法に関し、特に石炭焚き蒸気ボイラーにおいて使用される燃料用木質スラリーの製造方法及び燃料用木質スラリーの使用方法に関する。
近年、温暖化対策の観点から二酸化炭素(CO)排出量の削減要請が高まっている。石炭焚き蒸気ボイラーを用いる石炭火力発電では、石油火力発電又はLNG火力発電と比べて多くのCOを排出するため、バイオマス燃料と石炭とを併用するバイオマス混燃方式によりCO排出量を削減するようにしている。バイオマス燃料は、光合成に起因する有機物であって、木質類、農作物、草木類、厨芥類などがある。石炭火力発電で用いられるバイオマス燃料には木質系バイオマス燃料である木質チップが代表的であるが、国内での林地残材や間伐材の利用は回収・輸送コストが高く、近年海外からの輸入が増加している。
石炭焚き蒸気ボイラーにおいて用いられる石炭は、燃焼効率を上げるために石炭粉砕機でミリ単位以下まで粉砕して微粉炭とする。木質バイオマス燃料として用いられる木質チップは、材料となる木材等をインパクトミル等で細かく粉砕し、ペレタイザー等の造粒機でペレット状に圧縮し、木質ペレットの状態で輸送管理される。発電所に輸送された後、木質ペレットを再度粉砕して微細な木質チップとして微粉炭と混合し、燃焼用空気に載せてバーナで燃焼させている(例えば、特許文献1)。
特開2009−180476号公報
従来の木質系バイオマス燃料では、木質チップをペレット状にすることによりエネルギー密度を高めて輸送管理を容易にしているが、燃焼炉において燃焼させる前に再び粉砕機で細かくしなければならず製造コストがかかっていた。また、木質チップは微細であるほど混焼性、着火性及び燃焼性が高まり燃焼効率が良くなるため、より細かく微粉末化できる木質チップの製造方法が求められていた。さらに、木材を細かく粉砕する動力は、石炭を微粉炭とするための動力よりもはるかに大きな粉砕動力が必要となるため、木質チップの製造コストが高くなっていた。
そこで、本発明は製造コストを削減しつつ輸送管理がし易い燃料用木質スラリーの製造方法、及び燃焼効率の良い燃料用木質スラリーの使用方法を提供することを目的とする。
本発明のうち第1の発明に係る燃料用木質スラリーの製造方法は、石炭を粉砕した微粉炭と併せて使用する燃料用木質スラリーの製造方法であって、含水率が40%以上の木質材料を用意する工程と、前記木質材料を、芯温が−5℃に到達するまでに10分間以上を要するように冷却して凍結させる工程と、凍結した前記木質材料の芯温が−5℃以下−15℃以上の状態で粉砕処理する工程と、を備えることを特徴としている。
また、第2の発明に係る燃料用木質スラリーの使用方法は、前記第1の発明に係る燃料用木質スラリーの製造方法によって製造された燃料用木質スラリーを含水率30%以下まで乾燥させて木質チップにする工程と、前記木質チップと前記微粉炭とを併せて燃焼炉で燃焼させる工程と、を備えることを特徴としている。
さらに、第3の発明に係る燃料用木質スラリーの使用方法は、前記第2の発明に係る燃料用木質スラリーの使用方法であって、前記木質チップと前記微粉炭とを混合させて混合燃料にして前記燃焼炉で燃焼させることを特徴としている。
また、第3の発明に係る燃料用木質スラリーの使用方法は、前記第2又は第3の発明に係る燃料用木質スラリーの使用方法であって、前記燃焼炉の排熱によって前記燃料用木質スラリーを加熱して乾燥させることを特徴としている。
さらに、第5の発明に係る燃料用木質スラリーの使用方法は、前記第1の発明に係る燃料用木質スラリーの製造方法によって製造された燃料用木質スラリーと前記微粉炭とを併せて燃焼炉で燃焼させることを特徴としている。
本発明によれば、次のような効果が得られる。
前記の第1の発明に係る燃料用木質スラリーの製造方法によれば、木質材料を芯温が−5℃に到達するまでに10分間以上を要するように比較的ゆっくりと冷却して凍結させるため、凍結速度が遅い緩慢凍結となり、木質材料の内部に含まれる水分が凍結する際に氷結晶が肥大して木質材料の繊維を切断したり細胞壁を壊したりする。そのため、次工程の粉砕処理では木質材料が脆くなっており、粉砕機の負荷が低い状態でより微細な木質チップを含む燃料用木質スラリーを製造することができる。
かかる微細な木質チップを含む燃料用木質スラリーは、乾燥させて微粉炭と併せて燃焼させる際に、混焼性、着火性及び燃焼性を向上させることができる。さらに、木質材料の粉砕処理の際の粉砕機の負荷が低くなることにより、燃料用木質スラリーの製造コストを従来の混焼用木質燃料の製造コストよりも削減でき、さらに、削減された動力相当の二酸化炭素排出量を低減できるといった相乗効果を奏する。
また、粉砕処理は芯温が−5℃以下の状態で行うため、粉砕する際に発生する熱によって凍結した木質材料が溶けることを抑制でき、凍結した状態のまま粉砕処理を行うことができる。そのため、木質材料をより確実に微細に粉砕することができる。
さらに、粉砕処理は、芯温が−15℃以上の状態で行われるため、木質材料が過度に硬く凍結することがなく粉砕機の負荷低減が可能となり、燃料用木質スラリーの製造コストを削減できる。
また、スラリー状の燃料用木質スラリーとすることにより、木質チップをペレット化する場合と異なり輸送先で粉砕機を用いて再度粉砕するという工程が不要になるため、工程の効率化によりコストを削減することができる。さらに、燃料用木質スラリーは、スラリーポンプでの搬送やタンクローリーでの運搬が可能となり、搬送・輸送の効率化を図りコストを削減することができ、さらに、搬送・輸送の効率化分の二酸化炭素排出量を低減できるといった相乗効果を奏する。
前記の第2の発明に係る燃料用木質スラリーの使用方法によれば、第1の発明に係る燃料用木質スラリーを含水率30%以下まで乾燥させた木質チップを用いているため、水分が少ない微細な木質チップと微粉炭とが一緒に燃焼することとなり、着火性及び燃焼性を向上させることができる。
前記の第3の発明に係る燃料用木質スラリーの使用方法によれば、含水率30%まで乾燥させた木質チップと微細炭とを混合させて混合燃料にするため、混合燃料の状態で燃焼炉に供給することができるので、木質チップ専用の供給口が設けられていない従来の石炭専用の燃焼炉に対しても適用することができる。
前記の第4の発明に係る燃料用木質スラリーの使用方法によれば、燃料用木質スラリーの乾燥を、燃焼炉の排熱を利用した加熱により行うため、燃料用木質スラリーの乾燥に必要なエネルギーコストを削減することができる。さらに、燃料用木質スラリーの乾燥に必要なエネルギー相当の二酸化炭素排出量を低減できるといった相乗効果を奏する。
前記の第5の発明に係る燃料用木質スラリーの使用方法によれば、第1の発明に係る燃料用木質スラリーと微粉炭とを直接混合させて混合燃料としているため、燃料用木質スラリーを乾燥させる工程が不要となり、少ない工程で微細な木質チップを含む混合燃料を得ることができる。これにより、混合燃料の製造コストを削減することができる。
本願発明の実施の形態に係る燃料用木質スラリーの製造方法及び使用方法のフロー図である。 図1に示した燃料用木質スラリーの製造方法及び使用方法のフローチャートである。
本発明の実施の形態に係る燃料用木質スラリーの製造方法を図1及び図2に基づき説明する。燃料用木質スラリーの製造方法は、図2に示すS1乃至S3から構成される。燃料用木質スラリーは、石炭火力発電などに使用する石炭焚き蒸気ボイラーの燃焼炉で石炭を粉砕した微粉炭と併せて燃焼されるバイオマス燃料である。
図1に示すように、製造工程1では、バイオマス燃料の一例である木材11を所定の厚さで切断し、木質材料12とする。本実施の形態では、木材11には含水率が40%以上であるスギを用いる。
含水率とは、木材に含まれる水分量が、水を除いた木材そのものの重量に対してどの程度含まれているかを示す数値である。含水率は、乾燥後の水分を全く含んでいない木材の重さをWoとし、乾燥前の水分を含んだ状態の木材の重さをWuとすると、以下の式により表される。
Figure 2018162382
ここで、含水率が40%以下の木材を用いる場合には、当該木材を水に浸潤させることにより含水率を向上させればよい。その際に、浸潤させる水として10℃以下の冷水を用いると、木材の芯温を低下させ、次工程の凍結工程2の冷却エネルギーを低減できる。
また、木材の含水率は250%以下であることが望ましい。したがって、木材の含水率が250%を超える場合には、自然蒸発による放散又は乾燥工程によって含水率を250%以下まで下げればよい。
含水率が40%以下の木材を用いると、後述する凍結工程2で緩慢凍結によって木質材料の繊維を切断したり細胞壁を壊したりする効果を十分に得ることができない場合がある。
また、含水率が250%を超える木材を用いると、後述の乾燥工程6において乾燥に長時間を要したり、十分に乾燥せずに燃焼効率を低下させたりするおそれがある。
製造工程1では、保持ローラ13によって保持された状態でベルトコンベヤ14によって搬送されてきた木材11は、所定の位置で停止され、切断刃15によって所定の厚みに切断される。かかる製造工程1は、図2のS1に相当する。木質材料12は、厚みが5mm程度であって直径が50mm程度であることが望ましい。木質材料12の形状については、後述の凍結工程2及び粉砕工程3を考慮して、任意の形状を選択することができる。
凍結工程2では、木質材料12を冷凍庫21内で、芯温が−5℃に到達するまでに10分間以上を要するように冷却して緩慢凍結させる。
ここで、芯温とは、木質材料の略中心部の温度であり、例えば、木質材料12の径方向における略中央部であって、かつ厚み方向における略中央部の温度をいう。また、緩慢凍結とは、凍結速度を遅くすることで生成する氷結晶を大きくする凍結方法である。
凍結速度が遅い緩慢凍結の場合、外部からの冷却によって最初に木質材料12の細胞外に氷結晶が形成されて、細胞外凍結が起きる。細胞内腔に液体として存在する水分は、細胞膜を通して外に引き出されて氷結晶に達し、氷結晶が成長する。同時に細胞壁内や細胞間隙に存在する水分子も氷結晶に達することとなる。これによって、水分が失われた細胞が収縮すると同時に、成長した結晶によって細胞壁に物理的な力が作用し、それらが壊される。同時に、木質材料12を構成する繊維などについても肥大した氷結晶によって切断される。
木質材料12の細胞壁及び繊維等を氷結晶によって破壊するためには、芯温が−5℃に到達するまでに10分間以上を要するようにゆっくりと冷却する必要がある。より望ましくは、芯温が−5℃に到達するまでに30分間以上を要するように冷却する。
木質材料12の芯温が−5℃に到達するまでの時間が10分間未満の場合には、凍結速度が速い急速凍結となって、氷結晶が細胞内と細胞外とで同時に生成されるため、氷結晶の成長が抑制され、細胞壁及び繊維等が氷結晶によって破壊されることなくそのまま維持されてしまう。かかる凍結工程2は、図2のS2に相当する。
なお、冷凍庫21に載置される木質材料12の形状にばらつきがあると、小さい木質材料12の芯温は急速に低下してしまい緩慢凍結とならないため、各木質材料12の形状は略同一あることが望ましい。木材11の形状は様々であるため、例えば、木材11の径が大きい場合には木質材料12の厚みを薄くし、木材11の径が小さい場合には木質材料12の厚みを厚くしてもよい。これにより、冷凍庫21内の木質材料12を略均等に緩慢凍結させることができる。
本実施形態の冷凍庫21は機械式冷凍機であるが、例えば、凍結工程2を石炭火力発電所の敷地内で行う場合には冷媒として液体窒素を用いてもよい。石炭火力発電所においては、空気を分解して得られた酸素を用いて微粉炭などの燃料を効率良く燃焼させている。このとき、余剰となった窒素を液体窒素として冷凍庫21の冷媒として用いることにより、冷却エネルギーを削減することができる。また、木質材料12の芯温をセンサ等で検知して管理しつつ、液体窒素を二次冷媒としても木質材料12に吹き付けて冷却してもよい。
粉砕工程3では、凍結した木質材料12を芯温が−5℃以下−15℃以上の状態で粉砕機31により粉砕処理する。粉砕機31の雰囲気温度は、木質材料12の芯温が−5℃以下−15℃以上となるように設定されている。
凍結した木質材料12の芯温が−5℃以上の状態で粉砕処理を行うと、粉砕される際の摩擦熱によって木質材料12の温度が上昇して溶融してしまい、細かく粉砕すること困難になる。また、芯温が−15℃以下だと木質材料12が過度に硬化し、粉砕機31の負荷が高くなって製造コストの上昇の原因となる。なお、芯温を−5℃以下−15℃以上に保持するために、凍結工程2と同様に冷媒として液体窒素を用いてもよい。
本実施の形態では、粉砕機31としてスーパーオガナイザー(株式会社御池鐵工所)を用いることができる。かかる粉砕工程3は、図2のS3に相当する。
凍結した木質材料12は、ピンチローラー32で固定されたままベルトコンベヤ33によって運搬され、回転刃34Aと固定刃34Bとによって細かく粉砕される。木質材料12は、凍結工程2の緩慢凍結によって細胞壁及び繊維が氷結晶によって破壊されているため、粉砕機31の回転刃34Aと固定刃34Bの間隙を狭くすることで、粒径1mm程度まで細かく粉砕されてシャーベット状の凍結チップ35になり、それが溶融することでスラリー状の燃料用木質スラリー36となる。
なお、木材11の含水率が比較的低い場合などで、スラリー状とならなかった場合には、搬送・輸送の容易化のために水分を加えてもよい。
次に、燃料用木質スラリー36の使用方法について、図1及び図2に基づいて説明する。燃料用木質スラリー36の使用方法は、図2に示すS4乃至S8から構成される。
輸送工程4において、燃料用木質スラリー36は、第1スラリーポンプ41によってタンクローリー42まで搬送される。かかる輸送工程4は、図2のS4に相当する。燃料用木質スラリー36に含まれる木質チップは、凍結工程2によって細胞壁が破壊されて脆くなっているため、ポンプ搬送などの際に木質チップ同士で接触することにより、さらに細かくなる場合がある。タンクローリー42までのポンプ搬送とタンクローリー42での輸送は、いずれも常温で行えばよい。
貯蔵工程5では、タンクローリー42によって輸送された燃料用木質スラリー36を石炭火力発電所の敷地内に設けられた貯蔵タンク51に貯蔵する。かかる貯蔵工程5は、図2のS5に相当する。石炭火力発電所の敷地内で凍結工程2及び粉砕工程3を行う場合には、第1スラリーポンプ41で直接貯蔵タンク51に搬送してもよい。貯蔵タンク51の燃料用木質スラリー36は、第2スラリーポンプ52によって熱交換器61に運ばれる。
乾燥工程6では、第2スラリーポンプ52によって運ばれた燃料用木質スラリー36を、燃焼炉91の排熱を利用した熱交換器61によって含水率30%以下、より好ましくは10%以下まで乾燥させる。そうすることで、燃料用木質スラリー36の水分が蒸発して微細な木質チップ62となる。本実施形態のように、燃焼炉91の排熱を利用して燃料用木質スラリー36を加熱して乾燥させれば、木質チップ62の製造コストを削減することができる。かかる乾燥工程6は、図2のS6に相当する。
混合工程7では、木質チップ62と微粉炭84とを混合器71内で混合し、混合燃料とする。微粉炭84は粒径1mm程度であって、微粉炭製造工程8において、石炭81を粉砕機82の回転刃83で粉砕することによって製造される。木質チップ62は、サイクロン72によって捕集され、混合器71に供給される。かかる混合工程7は、図2のS7に相当する。
燃焼工程9では、混合器71で木質チップ62と微粉炭84とが混合された混合燃料が、燃焼用空気と共に燃焼炉91のバーナ部に供給される。混合燃料に含まれる木質チップ62は、粒径1mm程度と微細であるため、着火性及び燃焼性に優れており、安定して継続的に混合燃料の燃焼が可能となる。これにより、ボイラー92の高圧蒸気がタービン93に供給され発電機94が駆動される。燃焼炉91の排熱は、熱交換器61によって吸熱され、燃料用木質スラリー36を加熱して水分を蒸発させて乾燥させることに利用される。
上述した燃料用木質スラリー36の製造方法によると、木質材料12を、その芯温が−5℃に到達するまでに10分間以上を要するように比較的ゆっくりと冷却して凍結させるため、凍結速度が遅い緩慢凍結となり、木質材料12の内部に含まれる水分が凍結する際に氷結晶が肥大して、木質材料12の繊維を切断したり細胞壁を壊したりする。そのため次工程の粉砕工程3では、木質材料12が脆くなっており、粉砕機31の負荷が低い状態で、より微細な木質チップ62を含む燃料用木質スラリー36を製造することができる。
得られた燃料用木質スラリー36には微細な木質チップ62が含まれるので、乾燥させて木質チップ62と微粉炭84とを混合して燃焼させる際に着火性及び燃焼性を向上させることができる。さらに、粉砕機31の負荷が低くなることにより、燃料用木質スラリー36の製造コストを削減できる。
また、粉砕工程3は芯温が−5℃以下の状態で行われるため、粉砕する際に発生する熱によって凍結した木質材料12が溶けることを抑制でき、木質材料12を凍結した状態のまま粉砕することで、より確実に微細に粉砕することができる。
さらに、粉砕工程3は、芯温が−15℃以上の状態で行われるため、木質材料12が過度に硬く凍結することがなく粉砕機31の負荷低減が可能となり、燃料用木質スラリーの製造コストを削減できる。
また、スラリー状の燃料用木質スラリー36は、従来のように木質チップをペレット化する場合と異なり、石炭火力発電所内で粉砕機を用いて再度粉砕するという工程が不要になるため、工程の効率化によりコストを削減することができる。さらに、燃料用木質スラリー36は、第1スラリーポンプ41及び第2スラリーポンプ52での搬送やタンクローリー42での運搬が可能となり、輸送の効率化によるコスト削減を図ることができる。
上述した燃料用木質スラリーの使用方法によると、燃料用木質スラリー36を乾燥させた木質チップ62を用いるため、微細な木質チップ62と微粉炭84とが一緒に燃焼することとなり、着火性及び燃焼性を向上させることができる。
また、燃料用木質スラリー36の含水率を30%以下、より好ましくは10%以下まで乾燥させることにより、より燃焼性を高めることができる。
さらに、燃料用木質スラリー36を燃焼炉91の排熱を利用して乾燥させれば、木質チップ62の製造コストを削減することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
上述の実施の形態では、貯蔵工程5の後に乾燥工程6を経て混合工程7で微粉炭84と木質チップ62とが混合され混合燃料とされていたが、他の実施形態では、貯蔵工程5の後の乾燥工程6を省略し、燃料用木質スラリー36が直接混合器71に供給され、微粉炭84と混合されて混合燃料とされる。その後、燃料用木質スラリー36と微粉炭84とが混合された混合燃料は、燃焼工程9で燃焼炉91に供給される。
かかる燃料用木質スラリーの使用方法によると、燃料用木質スラリー36と微粉炭84とを直接混合させて混合燃料としているため、燃料用木質スラリー36を乾燥させる乾燥工程6が不要となり、少ない工程で微細な木質チップ62を含む混合燃料を得ることができる。これにより、混合燃料の製造コストを削減でき、さらに、不要となった乾燥工程6に要していたエネルギー相当の二酸化炭素排出量を低減できるといった相乗効果を奏する。
本発明による燃料用木質スラリーの製造方法及び燃料用木質スラリーの使用方法は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
また、上述の実施の形態では木材11としてスギを用いたが、ヒノキ、マツ、トドマツ、エゾマツ、ベイヒノキ、コベツガ、ポプラ、アカシヤ、又は建築用の端材などを用いてもよい。
さらに、上述の実施の形態では、木質チップと微粉炭とを混合させた混合燃料を燃焼炉に供給したが、これに限定されない。例えば、木質チップと微粉炭とを別系統で燃焼炉に供給して燃焼させてもよい。
また、上述の実施の形態では機械式冷凍機の冷凍庫21を用いたが、これに限定されない。例えば、−20℃〜−30℃程度のエタノールに浸漬又はシャワリングすることによって木質材料12を凍結させてもよい。
本願発明に係る燃料用木質スラリーの製造方法及び燃料用木質スラリーの使用方法は、石炭火力発電のバイオマス混焼方式における産業分野において利用される。
1 製造工程
2 凍結工程
3 粉砕工程
6 乾燥工程
7 混合工程
9 燃焼工程
12 木質材料
35 凍結チップ
36 燃料用木質スラリー
62 木質チップ
84 微粉炭
91 燃焼炉

Claims (5)

  1. 石炭を粉砕した微粉炭と併せて使用する燃料用木質スラリーの製造方法であって、
    含水率が40%以上の木質材料を用意する工程と、
    前記木質材料を、芯温が−5℃に到達するまでに10分間以上を要するように冷却して凍結させる工程と、
    凍結した前記木質材料の芯温が−5℃以下−15℃以上の状態で粉砕処理する工程と、を備えることを特徴とする燃料用木質スラリーの製造方法。
  2. 請求項1に記載の燃料用木質スラリーの製造方法によって製造された燃料用木質スラリーを含水率30%以下まで乾燥させて木質チップにする工程と、
    前記木質チップと前記微粉炭とを併せて燃焼炉で燃焼させる工程と、を備えることを特徴とする燃料用木質スラリーの使用方法。
  3. 前記木質チップと前記微粉炭とを混合させて混合燃料にして前記燃焼炉で燃焼させることを特徴とする請求項2に記載の燃料用木質スラリーの使用方法。
  4. 前記燃焼炉の排熱によって前記燃料用木質スラリーを加熱して乾燥させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の燃料用木質スラリーの使用方法。
  5. 請求項1に記載の燃料用木質スラリーの製造方法によって製造された燃料用木質スラリーと前記微粉炭とを併せて燃焼炉で燃焼させることを特徴とする燃料用木質スラリーの使用方法。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110923031A (zh) * 2019-12-06 2020-03-27 西安圣华农业科技股份有限公司 一种生物质燃料的制备方法

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