JP2018161001A - Ipmロータおよび回転電機 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、接着剤や樹脂材料を使用せずに磁石をスロット内に固定する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1のIPMロータは、磁石の内周側を緩衝部材を介して付勢部材で押圧することにより磁石をスロット内の外周側に固定している。
図1は、本発明の第一実施形態のIPMロータを備える回転電機の全体構成を示す断面図である。
図1に示すように回転電機1は、ケース3と、ステータ5と、IPMロータ7と、シャフト9とを備える。回転電機1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車のような車両に搭載される走行用モータである。ただし、本実施形態の構成は、上記例に限られず、車両に搭載される発電用モータ等のその他の用途のモータにも適用可能である。また、本実施形態の構成は、車両に搭載される以外の回転電機であって、発電機を含むいわゆる回転電機全般に適用可能である。
図2に示すようにIPMロータ7は、ロータコア21と、磁石23と、押圧部材25とを備える。
ロータコア21は、環状に形成されている。ロータコア21は、複数枚の電磁鋼板が軸方向Zに沿って積層されることにより形成されている。ロータコア21の回転中心(中央部)には、ロータコア貫通孔31が形成されている。ロータコア貫通孔31には、シャフト9が例えば圧入等により固定されている。
押圧部材25は、各スロット35内で磁石23よりも内周側に挿入されて配置される(図2参照)。
図3に示すように、押圧部材25は、弾性力を有する非磁性材で形成されている。弾性力を有する非磁性材としては、SUS(ステンレス)や樹脂材料等が挙げられる。押圧部材25は、軸方向Zに延びる板状に形成されている。
平板部41は、軸方向Zに延びる平板状に形成されている。
複数の突出部43は、平板部41の外周側の主面に軸方向Zに沿って離間して設けられている。各突出部43は、平板部41の上面に突出して形成されている。各突出部43は、周方向θから視た断面形状が半円形状に形成されている。突出部43は、スロット35内に配置された状態で磁石23と当接する。
図4に示すように、磁石23は、スロット35内で軸方向Zに分割された複数の分割磁石37により構成されている。
押圧部材25は、複数の分割磁石37の内周側の内側面49を弾性力で押圧している。これにより、押圧部材25は、複数の突出部43が複数の分割磁石37に当接し、分割磁石37をスロット35内の外周側の外側面45に押圧した状態で固定している。押圧部材25は、複数の突出部43で分割磁石37の内周側の内側面49を押圧している。本実施形態においては、一つの分割磁石37に対して、三つの突出部43が当接して押圧している。隣り合う突出部43の間には、空間部Sが設けられている。
本実施形態のIPMロータ7は、ロータコア21と、ロータコア21に設けられているスロット35と、スロット35内に配置されている磁石23とを備える。さらに第一実施形態のIPMロータ7は、スロット35内の内周側と磁石23の内周側との間に配置されている押圧部材25を備える。押圧部材25は、磁石23の内周側を弾性力で押圧して磁石23をスロット35内の外周側に固定している。
このように、本実施形態のIPMロータ7は、押圧部材25を使用して磁石23をスロット35内に固定した。このため、本実施形態のIPMロータ7は、従来のIPMロータに比べて部材点数を減らして磁石23をスロット35内に固定することが可能になる。よって、本実施形態のIPMロータ7は、コストを抑えて磁石23をスロット35内に固定することができる。
この構成によれば、IPMロータ7は、磁石23が放熱しやすくなる。よって、本実施形態のIPMロータ7は、コストを抑えて磁石23の温度上昇を抑制することができる。
この構成によれば、押圧部材25は、一個の押圧部材25で複数の分割磁石37を安定して押圧することが可能になる。よって、本実施形態のIPMロータ7は、磁石23が分割されている場合でも、コストをさらに抑えて磁石23をスロット35内に安定して固定することができる。
この構成によれば、コストを抑えて磁石23をスロット35内に固定することができる回転電機1を提供できる。
続いて、第二実施形態のIPMロータおよび回転電機について説明する。
第一実施形態の押圧部材25は、押圧部材25は、平板部41と、複数の突出部43とを備えていた。しかしながら、押圧部材25の形状は、第一実施形態に限定されることはない。
図5は、第二実施形態のIPMロータに設けられている押圧部材の斜視図である。
図6は、第二実施形態の押圧部材および磁石がロータコアのスロット内に配置されている状態を示す断面図である。
図7に示す回転電機1は、第二実施形態に係るIPMロータ7を備えている。IPMロータ7は、一対の端面板61,61を備えている。
一対の端面板61,61は、ロータコア21の両端面29,29に接して配置されている。一対の端面板61,61は、ロータコア21のスロット35内に固定されている磁石101の抜け止めとして使用されている。各端面板61は、環状に形成されている。各端面板61の回転中心には、端面板貫通孔63が形成されている。端面板貫通孔63には、シャフト9が貫通して固定されている。
ポンプから冷却媒体Wが吐出されると、冷却媒体Wは第一通路53の一端側に供給され、第一通路53の他端側へ通流する。第一通路53を通流している冷却媒体Wは、IPMロータ7が回転すると、回転による遠心力により第二通路55の一端側に入り、第二通路55、ロータコア21の空間部S、第三通路57の順に流れて外部に出る。これにより、冷却媒体Wは、スロット35内の磁石101に触れて磁石101を直接冷却する。外部に出た冷却媒体Wは、ステータ5に飛散してステータ5を冷却する。
次に、第二実施形態のIPMロータ7および回転電機1の作用を説明する。
第二実施形態によれば、IPMロータ7の空間部Sは、冷却媒体Wが通流する通路Saを形成する。このため、IPMロータ7は、冷却媒体Wが通流する通路Saである空間部Sに、冷媒媒体Wとしてオイルや空気等を通流させることで、磁石101を効果的に冷却することが可能になる。よって、第二実施形態のIPMロータ7は、コストを抑えて磁石101を冷却することができる。
図8は、本発明の第三実施形態のIPMロータに設けられている押圧部材および磁石がロータコアのスロット内に配置されている状態を示す断面図である。
図8に示すように磁石105は、スロット35内に一個配置されている。押圧部材81は、スロット35内の内周側と磁石105の内周側との間に配置されている。押圧部材81は、第一実施形態の押圧部材25と同様に弾性力を有する非磁性材で形成されている。押圧部材81は、スロット35の外部から内部(図8中の左から右)に向けて薄くなるように形成されている。言い換えると押圧部材81は、断面で先細り形状に形成されている。押圧部材81は、その基端側の部分(図8中の左側部分)で磁石105の内周側を弾性力で押圧して磁石105をスロット35内の外周側に固定している。
次に、第三実施形態のIPMロータの作用を説明する。
第三実施形態のIPMロータでは、押圧部材81は、スロット35内に配置された状態でスロット35の外部から内部に向けて細くなるように形成されている。これによりIPMロータ7は、その製造に際して押圧部材81をスロット35内に容易に挿入して配置することが可能になる。よって、第三実施形態のIPMロータは、製造効率を上げることができる。その他の作用効果は第一実施形態で説明した通りなので、ここでは説明を省略する。
図9に示す押圧部材83は、軸方向Zに延びる円筒状に形成されている。
図10に示す押圧部材85は、軸方向Zに延びる角形の筒状に形成されている。
これらの押圧部材83,85は、変形された状態で磁石23(図4参照)の内周側を弾性力で全体的に押圧するように形成されている。このため、これらの押圧部材83,85は、製造が容易な形状で各分割磁石37を安定して押圧することが可能になる。よって、これらの押圧部材83,85を使用したIPMロータは、磁石23が分割されている場合でもコストを抑えて磁石23をスロット35内に安定して固定することができる。さらにこれらの押圧部材83,85は、中空状に形成されていることにより容易に変形することが可能になる。このため、これらの押圧部材83,85を使用してIPMロータを製造する際に、押圧部材83,85をスロット35内に容易に挿入することが可能になる。よって、IPMロータは、これらの押圧部材83,85を使用しても製造効率を上げることができる。
図11に示す押圧部材87は、軸方向Zに延びる円柱状に形成されている。
図12に示す押圧部材91は、軸方向Zに延びる角柱状に形成されている。
図13に示す押圧部材93は、軸方向Zに延びる半円筒状に形成されている。
これらの押圧部材87,91,93は、磁石23(図4参照)の内周側を弾性力で全体的に押圧するように形成されている。このため、これらの押圧部材87,91,93は、製造が容易な形状で各分割磁石37を安定して押圧することが可能になる。よって、これらの押圧部材87,91,93を使用したIPMロータは、磁石23が分割されている場合でも、コストを抑えて磁石23をスロット35内に安定して固定することができる。
7 IPMロータ
9 シャフト
21 ロータコア
23,101,105 磁石
25,75,81,83,85,87,91,93 押圧部材
29 ロータコアの端面
35 スロット
37,103 分割磁石
43,77 突出部
53 第一通路
55 第二通路
57 第三通路
61 端面板
W 冷却媒体
S 空間部
Sa 通路
Z 軸方向
θ 周方向
Claims (8)
- ロータコアと、
前記ロータコアの軸方向に沿って、前記ロータコアに設けられているスロットと、
前記スロット内に配置されている磁石と、
前記スロット内の内周側と前記磁石の内周側との間に配置され、前記磁石の内周側を弾性力で押圧して前記磁石を前記スロット内の外周側に固定している押圧部材と、
を備えることを特徴とするIPMロータ。 - 前記押圧部材は、前記スロット内に配置された状態で前記磁石と当接する複数の突出部を有し、
隣り合う前記突出部の間には空間部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のIPMロータ。 - 前記空間部は、冷却媒体を流す通路を形成することを特徴とする請求項2に記載のIPMロータ。
- 前記押圧部材は波形状に形成され、波形を構成している複数の前記突出部が前記磁石の内周側を押圧していることを特徴とする請求項3に記載のIPMロータ。
- 前記磁石は、前記軸方向および前記ロータコアの周方向の少なくともいずれかの方向に分割されている複数の分割磁石により構成され、
前記押圧部材の複数の前記突出部は、複数の前記分割磁石の内周側を押圧していることを特徴とする請求項4に記載のIPMロータ。 - 前記押圧部材は、前記スロット内に配置された状態で前記スロットの外部から内部に向けて薄くなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のIPMロータ。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のIPMロータを備えた回転電機。
- 請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のIPMロータを備え、
前記IPMロータは、
前記IPMロータの前記ロータコアの両端面に接して配置された一対の端面板と、
前記ロータコアの回転中心を通るシャフトと、
を有し、
前記シャフトには、前記冷却媒体を流す第一通路が前記軸方向に沿って設けられ、
前記一対の端面板の一方と前記ロータコアの前記両端面の一方との間には、一端側が前記第一通路に連通し、他端側が前記ロータコアの前記空間部に連通する第二通路が設けられ、
前記一対の端面板の他方と前記ロータコアの前記両端面の他方との間には、一端側が前記空間部に連通し、他端側が前記IPMロータの外部と連通する第三通路が設けられていることを特徴とする回転電機。
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