JP2018159458A - 波動歯車減速機および内燃機関の可変圧縮装置のアクチュエータ - Google Patents

波動歯車減速機および内燃機関の可変圧縮装置のアクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】 負荷トルク性能の向上および効率の低下を抑制できる波動歯車減速機および内燃機関の可変圧縮比装置のアクチュエータを提供する。【解決手段】 波動歯車減速機は、基準ピッチ円を通り歯面が平面に形成された外歯の歯中部と、前記歯中部よりも歯先側の外歯の歯先部と、前記歯中部よりも歯元側の外歯の歯元部とを有する可撓性外歯車と、前記基準ピッチ円を通り、歯面が平面に形成された内歯の歯中部と、前記歯中部よりも歯先側の内歯の歯先部と、前記内歯の歯中部よりも歯元側の内歯の歯元部と、を有する前記可撓性外歯車の外周に配置された剛性内歯車と、前記可撓性外歯車を半径方向に撓めて前記剛性内歯車に対して部分的に噛み合わせると共に、回転軸まわりに回転することで噛み合わせ部分を周方向に移動させる波動発生機と、を備え、前記外歯の歯元部及び前記内歯の歯先部が前記可撓性外歯車の内転サイクロイド軌跡の線分を有し、さらに前記外歯の歯先部及び前記内歯の歯元部が外転サイクロイド軌跡の線分を有する。【選択図】 図7

Description

本発明は、波動歯車減速機および内燃機関の可変圧縮装置のアクチュエータに関する。
特許文献1に記載の波動歯車減速機に使用される歯車としては、インボリュート歯形や、波動歯車運動の軌跡曲線を歯形に適用した特殊歯形が用いられてきた。
特開2012−251446号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、これらの歯形においては、インボリュート歯形は従来技術より容易に高精度の歯形が制作できるが、波動歯車運動に適さない歯形であるため許容トルクの上限が低い装置となる。また、特殊歯形においては、運動軌跡の曲線を歯形に適用していることから優れた許容トルクを有するが、常に極大接触面を有する歯形であることから効率が低下する恐れがあった。
本発明は、負荷トルク性能の向上および効率の低下を抑制できる波動歯車減速機および内燃機関の可変圧縮比装置のアクチュエータを提供することを一つの目的とする。
本発明の一つの態様において、波動歯車減速機は、基準ピッチ円を通り歯面が平面に形成された外歯の歯中部と、前記歯中部よりも歯先側の外歯の歯先部と、前記歯中部よりも歯元側の外歯の歯元部とを有する可撓性外歯車と、前記基準ピッチ円を通り、歯面が平面に形成された内歯の歯中部と、前記歯中部よりも歯先側の内歯の歯先部と、前記内歯の歯中部よりも歯元側の内歯の歯元部と、を有する前記可撓性外歯車の外周に配置された剛性内歯車と、前記可撓性外歯車を半径方向に撓めて前記剛性内歯車に対して部分的に噛み合わせると共に、回転軸まわりに回転することで噛み合わせ部分を周方向に移動させる波動発生機と、を備え、前記外歯の歯元部及び前記内歯の歯先部が前記可撓性外歯車の内転サイクロイド軌跡の線分を有し、さらに前記外歯の歯先部及び前記内歯の歯元部が外転サイクロイド軌跡の線分を有する。
よって、本発明の好ましい態様によれば、負荷トルク性能および効率性を共に向上できる。
実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータAを備えた内燃機関の概略図である。 実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータAの断面図である。 実施例1の波動歯車減速機21の分解斜視図である。 実施例1の可撓性外歯車36と剛性内歯車27との噛み合い状態を表す概略図である。 実施例1の可撓性外歯車36の外歯36aの形状を示す概略図である。 実施例1の剛性内歯車27の内歯27aの形状を示す概略図である。 実施例1の可撓性外歯車36の外歯36aと剛性内歯車27の内歯27aとの最深噛み合い状態を表す概略図である。 実施例1の可撓性外歯車36の外歯36aと剛性内歯車27の内歯27aとの微小解離状態を表す概略図である。 実施例1の可撓性外歯車36の外歯36aと剛性内歯車27の内歯27aとの解離進行状態を表す概略図である。 実施例1の可撓性外歯車36と剛性内歯車27と比較例の入力回転角に対する有効接触面積の変化を示す図である。
〔実施例1〕
図1は、実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータAを備えた内燃機関の概略図である。基本的な構成は、特開2011-169152号公報の図1に記載されているものと同じであるため、簡単に説明する。
内燃機関のシリンダブロックのシリンダ内を往復運動するピストン1には、ピストンピン2を介してアッパリンク3の上端が回転自在に連結されている。アッパリンク3の下端には、連結ピン6を介してロアリンク5が回転自在に連結されている。ロアリンク5には、クランクピン4aを介してクランクシャフト4が回転自在に連結されている。また、ロアリンク5には、連結ピン8を介して第1制御リンク7の上端部が回転自在に連結されている。第1制御リンク7の下端部は、複数のリンク部材を有する連結機構9と連結されている。連結機構9は、第1制御軸10、第2制御軸(制御軸)11および第2制御リンク12を有する。
第1制御軸10は、内燃機関内部の気筒列方向に延在するクランクシャフト4と平行に延在する。第1制御軸10は、第1ジャーナル部10a、制御偏心軸部10bおよび偏心軸部10cを有する。第1ジャーナル部10aは、内燃機関本体に回転自在に支持される。制御偏心軸部10bは、第1制御リンク7の下端部が回転自在に連結される。偏心軸部10cは、第2制御リンク12の一端部12aが回転自在に連結されている。第1アーム部10dは、一端が第1ジャーナル部10aと連結され、他端が第1制御リンク7の下端部と連結されている。制御偏心軸部10bは、第1ジャーナル部10aに対して所定量偏心した位置に設けられている。第2アーム部10eは、一端が第1ジャーナル部10aと連結され、他端が第2制御リンク12の一端部12aと連結されている。偏心軸部10cは、第1ジャーナル部10aに対して所定量偏心した位置に設けられている。第2制御リンク12の他端部12bは、アームリンク13の一端が回転自在に連結されている。アームリンク13の他端には、第2制御軸11が相対移動不能に連結されている。第2制御軸11は、後述するハウジング20内に複数のジャーナル部を介して回転自在に支持されている。
第2制御リンク12は、第1制御軸10および第2制御軸11を連結する。第2制御リンク12は、レバー形状であり、偏心軸部10cに連結された一端部12aは、略直線的に形成されている。一方、アームリンク13が連結された第2制御リンク12の他端部12bは、湾曲形成されている。一端部12aの先端部には、偏心軸部10cが回動自在に挿通される挿通孔が貫通形成されている。アームリンク13は、第2制御軸11とは別体として形成されている。第2制御軸11は、内燃機関用リンク機構のアクチュエータAの一部である波動歯車減速機21を介して電動モータ22から伝達されたトルクにより回転位置が変更される。第2制御軸11の回転位置が変更されると、第2制御リンク12を介して第1制御軸10が回転し、第1制御リンク7の下端部の位置を変更する。これにより、ロアリンク5の姿勢が変化し、ピストン1のシリンダ内におけるストローク位置やストローク量を変化させ、これに伴って機関圧縮比を変更する。
次に、実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータAの構成を説明する。
図2は実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータAの断面図、図3は実施例1の波動歯車減速機21の分解斜視図である。内燃機関用リンク機構のアクチュエータAは、電動モータ22、波動歯車減速機21、ハウジング20および第2制御軸11を有する。
電動モータ22は、例えばブラシレスモータであり、モータケーシング45、コイル46、ロータ47およびモータ出力軸48を有する。モータケーシング45は、有底円筒状に形成されている。コイル46は、モータケーシング45の内周面に固定されている。ロータ47は、コイル46の内側に回転自在に設けられている。モータ出力軸48は、一端部がロータ47の中心に固定されている。
モータ出力軸48は、モータケーシング45の底部に設けられたボールベアリング52により回転可能に支持されている。第2制御軸11は、ハウジング20に回転自在に支持されている。第2制御軸11は、軸部本体23および固定用フランジ24を有する。軸部本体23は、軸方向に延在する。固定用フランジ24は、軸部本体23の一端部に位置し、径方向外側に立ち上がる。第2制御軸11は、鉄系金属材料により軸部本体23および固定用フランジ24が一体形成されている。固定用フランジ24は、外周部の円周方向に複数のボルト挿通孔が等間隔に形成されている。このボルト挿通孔にボルトを挿通し、波動歯車減速機21の可撓性外歯車36のフランジ部36bと結合する。
次に、実施例1の波動歯車減速機21の構成を説明する。
波動歯車減速機21は、電動モータ22の先端側に取り付けられ、ハウジング20の内部に収容されている。波動歯車減速機21は、ハウジング20の開口溝部20a内に収容されている。開口溝部20a内であって、波動歯車減速機21の重力方向上方には、図外の油圧源等から潤滑油を供給する供給孔20bが開口する。供給孔20bから潤滑油が供給されると、下方の波動歯車減速機21に潤滑油が滴下され、各回転要素間を潤滑する。波動歯車減速機21は、ハウジング20の開口溝部20a内にボルト固定されている。波動歯車減速機21は、剛性内歯車27、可撓性外歯車36および波動発生器37を有する。
剛性内歯車27は、内周に複数の内歯27aを有する剛体円環状部材である。
可撓性外歯車36は、剛性内歯車27の内径側に配置されている。可撓性外歯車36は、外周面に内歯27aと噛み合う外歯36aを有する。可撓性外歯車36は、金属材料によって形成され、底部を有する撓み変形可能な薄肉円筒状部材である。可撓性外歯車36の外歯36aの歯数は、剛性内歯車27の内歯27aの歯数より2歯少ない。可撓性外歯車36の底部に形成されたフランジ部36b内周には、第2制御軸11が貫通する挿通孔36cが形成されている。よって、可撓性外歯車36の薄肉円筒状部材側から挿通孔36cに第2制御軸11を挿入し、第2制御軸11の固定用フランジ24とフランジ部36bとをボルトで結合するため、挿通孔36c内周を第2制御軸11で支持することができ、可撓性外歯車36の底部の剛性を確保できる。
波動発生器37は、楕円形上に形成され、外周面が可撓性外歯車36の内周面に沿って摺動する。波動生成プラグ371の中央には、モータ出力軸48が圧入により固定されている。波動発生器37は、波動生成プラグ371および深溝玉軸受372を有する。波動生成プラグ371は、楕円形状である。深溝玉軸受372は、波動生成プラグ371の外周および可撓性外歯車36の内周間の相対回転を許容する可撓性の薄肉内外輪を有する。
図4は、実施例1の可撓性外歯車36と剛性内歯車27との噛み合い状態を表す概略図である。外形が楕円形状である波動生成プラグ371は深溝玉軸受372の内輪へ嵌合されて楕円形状へと倣うため、波動発生器37の外形も楕円となる。また、可撓性外歯車36の内径へ波動発生器37を嵌合することにより、初期状態が円形である可撓性外歯車36も楕円形状へと変形する。楕円へ撓ませられた可撓性外歯車36は剛性内歯車27より2歯少ない歯数であるため、楕円長軸上で歯ピッチのずれにより噛み合い、楕円短軸上では歯ピッチは一致するが、可撓性外歯車36が軸方向へと撓められているために歯が重なることはなく干渉しない。このため、偶数倍の歯数差を持つ可撓性外歯車36と剛性内歯車27は、図4で示す噛み合い状態のように、噛み合わせることができる。
可撓性外歯車36の歯部は可撓性であるが、フランジ部36bは出力を取り出すために円形状から変形させることはできず、第2制御軸11と直接締結されるため、フランジ部36bを起点として薄肉円筒開口端部に向かって楕円形状へと広がる形となる。すなわち、開口端部付近での変形運動から取り出される可撓性外歯車36の回転運動をフランジ部36bから第2制御軸11へと伝達できる。
波動歯車減速機21への回転入力は波動発生器37により回転入力軸と直交する方向への往復変位運動へと変換される。回転伝達機構を有する波動生成プラグ371は接続された入力軸により駆動されるが、嵌合相手である深溝玉軸受372の内輪もこれに追従する。深溝玉軸受372の外輪は、内外輪間に挟まれた玉により内輪の形状が外輪へと伝達されるが、玉は並進および回転の6自由度を有するために内輪と外輪はそれぞれ独立した周方向自由度を持つ。回転入力により駆動された波動生成プラグ371は楕円体であるため、楕円周上の各位置によって異なる半径を持つ。この楕円の性質により、波動生成プラグ371の回転による半径の増減が玉を介して波動生成プラグ371の外輪へ伝達される。この時、可撓性薄肉構造の内外輪であることから、深溝玉軸受372の外輪の周方向自由度を規制した場合において外輪が半径の増減と同期した変形運動を行う。
また、深溝玉軸受372の外輪と可撓性外歯車36は嵌合されているため、外輪の変形運動に追従して可撓性外歯車36も変形運動を行う。この変形運動が、剛性内歯車27および可撓性外歯車36間における長軸上噛み合い位置を変化させる。これにより、剛性内歯車27上の定点から歯部を拡大して観測した場合、歯同士での軸直交方向への相対運動となる。そして、可撓性外歯車36が剛性内歯車27に対し差分による周方向位置が変化することにより周方向への運動が重ね合わされて、可撓性外歯車36の外歯36aは内歯27aの歯面に沿って内径側へ移動する。
実施例1では、負荷トルク性能および効率性を共に向上することを狙いとし、可撓性外歯車36の外歯36aを基準ピッチ円を通り歯面が平面に形成された歯中部と、外転サイクロイド曲線の線分を有する前記歯中部よりも歯先側の歯先部と、内転サイクロイド軌跡の線分を有する前記歯中部よりも歯元側の歯元部とを形成し、剛性内歯車27の内歯27aを、基準ピッチ円を通り、歯面が平面に形成された歯中部と、内転サイクロイド軌跡の線分を有する前記歯中部よりも歯先側の歯先部と、外転サイクロイド軌跡の線分を有する前記歯中部よりも歯元側の歯元部とを形成するようにした。
以下、波動歯車減速機21の製造方法のうち、剛性内歯車27および可撓性外歯車36の歯形を決定する工程を詳細に説明する。
(i) 第1決定工程
第1決定工程では、減速比i、剛性内歯車27および可撓性外歯車36の基準ピッチ円半径ri,reを決める。減速比iは、波動歯車減速機21に要求される減速比とする。剛性内歯車27の基準ピッチ円半径riは、波動歯車減速機21の基準体格となるものであり、例えば、衝撃荷重または疲労荷重(荷重+回転数)に基づいて決定する。変形前の可撓性外歯車36の基準ピッチ円半径reは、減速比iおよび剛性内歯車27の基準ピッチ円半径riから、下記の式(1)に示す関係を用いて決定する。
Figure 2018159458
(ii) 第2決定工程
第2決定工程では、内歯27aおよび外歯36aの基準ピッチ円上の圧力角及び歯厚を下記の式(2)および式(3)の関係を満たすように予め決定する。
Figure 2018159458
ここで、αINTは内歯27aの圧力角、αEXTは外歯36aの圧力角、SINTは内歯27aの歯厚、SEXTは外歯36aの歯厚、zは減速比iとz=2iの関係で表される外歯36aの歯数である。
(iii) 第3決定工程
第3決定工程では、第2決定工程で決めた歯形基本諸元を用いて、外歯36aの歯先外転サイクロイド軌跡の線分及び内歯27aの歯先内転サイクロイド軌跡の線分を決定する。
まず、内歯27aの歯先内転サイクロイド軌跡の線分は、剛性内歯車27の基準ピッチ円に対して可撓性外歯車36の基準ピッチ円の内転サイクロイド運動曲線を用いるが、この曲線は下記の式(4)で表される。
Figure 2018159458
ここで、θは、剛性内歯車27が太陽歯車、可撓性外歯車36が遊星歯車、波動発生器37が遊星キャリアに相当する遊星歯車装置系とした場合における、遊星キャリアの公転角、すなわち波動発生器37への入力回転角に相当する。
この際、歯先として使用する線分は、下記の式(5)の範囲により、決定される。
Figure 2018159458
ここで、n(→)は内転サイクロイド曲線の法線ベクトルを、e(→)xは水平面を構成する単位ベクトルを指す。
また、上記の曲線による並進運動に加えて外歯36aの自転運動を生じるため、外歯36aの歯先外転サイクロイド軌跡の線分は、下記の式(6)で表される外転サイクロイド運動曲線を用いて表す。
Figure 2018159458
このように、可撓性外歯車36及び剛性内歯車27の歯先歯面と、それぞれに接続される基準ピッチ円径近傍の歯中部の基本歯形である直線歯形が形成される。
また、外歯36a及び内歯27aの歯元曲線については、噛み合い相手の歯先曲線の写像で表されることから、外歯36a歯元曲線は前記式(4)、内歯27aの歯元曲線は前記式(6)を適用する形となる。基準ピッチ円近傍の直線区間は式(5)の条件を満たす範囲であれば歯末たけh a及び歯元たけh fの調整で任意に決定することができるが、基準とする歯たけは以下の式(7)、(8)で表されるものである。ここで、mは、モジュールである。
Figure 2018159458
図5は、第1−3決定工程に基づき、形成した実施例1の外歯36aの形状を示す概略図、図6は、同様に形成した実施例1の内歯27aの形状を示す概略図である。
図5により、外歯36aの形状を説明する。基準ピッチ円半径re近傍のd点より歯先までの歯先部a両側とも、外転サイクロイド軌跡の線分にて形成されている。また、基準ピッチ円半径re近傍のe点より歯元までの歯元部bは両側とも、内転サイクロイド軌跡の線分にて形成されている。
前記d点とe点間の歯中部cは、直線で構成された平面を形成している。n(→)は内転サイクロイド曲線の法線ベクトルを、e(→)xは水平面を構成する単位ベクトルを指す。
図6により、内歯27aの形状を説明する。基準ピッチ円半径ri近傍のi点より歯元までの歯元部fは両側とも、外転サイクロイド軌跡の線分にて形成されている。また、基準ピッチ円半径ri近傍のj点より、歯先までの歯先部gは両側とも、内転サイクロイド軌跡の線分にて形成されている。
前記i点とj点間の歯中部hは、直線で構成された平面を形成している。n(→)は内転サイクロイド曲線の法線ベクトルを、e(→)xは水平面を構成する単位ベクトルを指す。
図7は、実施例1の剛性内歯車27と可撓性外歯車36の最深の噛み合い状態を示す概略図である。
剛性内歯車27の内歯27aと可撓性外歯車36の外歯36aは、歯元部から歯先部まで全領域で接触しており、接触面積が大きく、面圧を下げることができる。
図8は、実施例1の剛性内歯車27と可撓性外歯車36の微小解離状態を示す概略図である。
剛性内歯車27の内歯27aと可撓性外歯車36の外歯36aは、直線である歯中部h、cを中心に接触しており、ある程度の接触面積を確保している。
図9は、実施例1の剛性内歯車27と可撓性外歯車36の解離進行状態を示す概略図である。
剛性内歯車27の内歯27aと可撓性外歯車36の外歯36aは、剛性内歯車27の内歯27aの内転サイクロイド軌跡の線分を有する歯先部gと可撓性外歯車36の外歯36aの外転サイクロイド軌跡の線分を有する歯先部aで点接触している。
図10は、実施例1の可撓性外歯車36と剛性内歯車27と比較例の入力回転角に対する有効接触面積の変化を示す図である。
実線は、実施例1の複合曲線歯形を示し、他の線は比較例を示している。大きな破線は歯の移動軌跡から算出した軌跡曲線歯形、小さな破線は直線歯形、一点鎖線はインボリュート歯形である。
直線歯形、インボリュート歯形は有効接触面積が、実施例1に比較して、小さく、許容負荷トルクの上限が低いことが分かる。
また、軌跡曲線歯形は、実施例1に比較して、入力回転角に対する有効接触面積は大きく、優れた許容負荷トルクを有するが、常に極大接触面を有するため、効率の低下を招いている。
以上から、実施例1の複合曲線歯形は、高許容負荷トルクかつ高効率の波動歯車減速機を成立させることができる。
実施例1の効果を以下に列挙する。
(1) 内歯27aの歯中部と外歯36aの歯中部h、cに直線歯部分を有し、外歯36aの歯元部bと内歯27aの歯先部gに外歯36aの内転サイクロイド軌跡の線分を有し、外歯36aの歯先部aと内歯27aの歯元部fに外転サイクロイド軌跡の線分を有する歯形、を備え、可撓性外歯車36の特定の外歯36aが剛性内歯車27の特定の内歯27aの最も歯底側に挿入した状態において、特定の外歯36aの歯先部aと特定の内歯27aの歯元部fが面接触し、特定の外歯36aの歯元部bと特定の内歯27aの歯先部gが面接触するとともに、特定の外歯36aの歯中部cと特定の内歯27aの歯中部hが面接触するようにした。
よって、両歯27a,36aの最深噛み合い状態において、歯元から歯先にかけて接触範囲が大であり、許容負荷トルクが大きくでき負荷トルク性能を向上できる。
(2) 歯中部c、hの直線歯部分から外歯36a及び内歯27a共に、内転サイクロイド軌跡と外転サイクロイド軌跡へ連続的につながっており、特定の外歯36aの歯先部aと特定の内歯27aの接触面積は、特定の外歯36aが特定の内歯27aの歯底から離れる速度の増加に伴って減少する。
よって、相対速度と接触距離が連続的に反比例するので、効率の低下を抑制できる。
(3) 内燃機関のリンク機構の姿勢を変更する第2制御軸11を回転させる内燃機関用リンク機構のアクチュエータAであって、モータ出力軸48を回転駆動する電動モータ22と、モータ出力軸48の回転速度を減速して第2制御軸11に伝達する波動歯車減速機21と、波動歯車減速機21をカバーするハウジング20と、を有し、波動歯車減速機21は、歯中部に直線歯部分を有し、歯元部に外歯36aの内転サイクロイド軌跡の線分を有し、歯先部に外転サイクロイド軌跡の線分を有する歯形である複数の外歯36aを有し、回転力を第2制御軸11に伝達する可撓性外歯車36と、可撓性外歯車36の外周に配置され、ハウジング20に固定され、歯中部に直線歯部分を有し、歯先部に外歯36aの内転サイクロイド軌跡の線分を有し、歯元部に外転サイクロイド軌跡の線分を有する歯形であって外歯36aよりも歯数の多い内歯27aを有する剛性内歯車27と、モータ出力軸48により回転駆動され、可撓性外歯車36を半径方向に撓めて剛性内歯車27に対して部分的に噛み合わせると共に、回転軸まわりに回転することで噛み合わせ部分を周方向に移動させる波動発生器37と、を有する。
よって、両歯27a,36aの最深噛み合い状態において、歯元から歯先にかけて接触することにより、接触範囲が大であり、許容トルクが大きくすることができ負荷トルク性能を向上できる。また、特定の外歯36aの歯先部aと特定の内歯27aの歯先部gとの接触面積は、特定の外歯36aが特定の内歯27aの歯底から離れる速度の増加に伴って減少することにより、相対速度と接触距離が連続的に反比例するので、効率の低下を抑制できる。
この結果、負荷トルク性能および効率性を共に向上できる。
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施するための実施例を説明したが、本発明の具体的な構成は実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、本発明の波動歯車減速機は、内燃機関用リンク機構のアクチュエータに限らず、特開2015-1190号公報や特開2011-231700号公報等に記載された内燃機関のバルブタイミング制御装置や、操舵角に対する転舵角を変更可能な可変舵角機構にも適用可能である。
A 内燃機関用リンク機構のアクチュエータ
11 第2制御軸(制御軸)
20 ハウジング
21 波動歯車減速機
22 電動モータ
27 剛性内歯車
27a 内歯
36 可撓性外歯車
36a 外歯
37 波動発生器
48 モータ出力軸
a 外歯の歯先部
b 外歯の歯元部
c 外歯の歯中部
f 内歯の歯元部
g 内歯の歯先部
h 内歯の歯中部

Claims (5)

  1. 可撓性の外歯車であって、基準ピッチ円を通り歯面が平面に形成された外歯の歯中部と、前記歯中部よりも歯先側の外歯の歯先部と、前記歯中部よりも歯元側の外歯の歯元部とを有する可撓性外歯車と、
    前記可撓性外歯車の外周に配置された剛性内歯車であって、前記基準ピッチ円を通り、歯面が平面に形成された内歯の歯中部と、前記歯中部よりも歯先側の内歯の歯先部と、前記内歯の歯中部よりも歯元側の内歯の歯元部と、を有する剛性内歯車と、
    前記可撓性外歯車を半径方向に撓めて前記剛性内歯車に対して部分的に噛み合わせると共に、回転軸まわりに回転することで噛み合わせ部分を周方向に移動させる波動発生機と、
    を備え、
    前記外歯の歯元部及び前記内歯の歯先部が前記可撓性外歯車の内転サイクロイド軌跡の線分を有し、さらに前記外歯の歯先部及び前記内歯の歯元部が外転サイクロイド軌跡の線分を有する、
    ことを特徴とする波動歯車減速機。
  2. 請求項1に記載の波動歯車減速機であって、
    前記可撓性外歯車の特定の外歯が前記剛性内歯車の特定の内歯の最も歯底側に挿入した状態において、
    前記特定の外歯の歯先部と前記特定の内歯の歯元部と面接触し、
    前記特定の外歯の歯元部と前記特定の内歯の歯先部と面接触し、
    前記特定の外歯の歯中部と前記特定の内歯の歯中部と面接触する、
    ことを特徴とする波動歯車減速機。
  3. 請求項2に記載の波動歯車減速機において、
    前記特定の外歯と前記特定の内歯の接触面積は、前記特定の外歯が前記特定の内歯の歯底から離れる速度の増加に従って減少する、
    ことを特徴とする波動歯車減速機。
  4. 内燃機関のピストンストローク量を可変する可変圧縮比装置のアクチュエータであって、
    回転することで前記内燃機関のピストンストローク量を変更する制御軸と、
    モータ出力軸を回転駆動する電動モータと、
    前記モータ出力軸の回転速度を減速して、前記制御軸に伝達する波動歯車減速機と、
    を有し、
    前記波動歯車減速機は、
    可撓性の外歯車であって、基準ピッチ円を通り歯面が平面に形成された外歯の歯中部と、前記歯中部よりも歯先側の外歯の歯先部と、前記歯中部よりも歯元側の外歯の歯元部とを有する可撓性外歯車と、
    前記可撓性外歯車の外周に配置された剛性内歯車であって、前記基準ピッチ円を通り、歯面が平面に形成された内歯の歯中部と、前記歯中部よりも歯先側の内歯の歯先部と、前記内歯の歯中部よりも歯元側の内歯の歯元部と、を有する剛性内歯車と、
    前記可撓性外歯車を半径方向に撓めて前記剛性内歯車に対して部分的に噛み合わせると共に、回転軸まわりに回転することで噛み合わせ部分を周方向に移動させる波動発生機と、
    を備え、
    前記外歯の歯元部及び前記内歯の歯先部が前記可撓性外歯車の内転サイクロイド軌跡の線分に沿っており、さらに前記外歯の歯先部及び前記内歯の歯元部が外転サイクロイド軌跡の線分に沿っている、
    ことを特徴とする内燃機関の可変圧縮比装置のアクチュエータ。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の可変圧縮比装置のアクチュエータであって、
    前記可撓性外歯車の特定の外歯が前記剛性内歯車の特定の内歯の最も歯底側に挿入した状態において、
    前記特定の外歯の歯先部と前記特定の内歯の歯元部と面接触し、
    前記特定の外歯の歯元部と前記特定の内歯の歯先部と面接触し、
    前記特定の外歯の歯中部と前記特定の内歯の歯中部と面接触する、
    ことを特徴とする内燃機関の可変圧縮比装置のアクチュエータ。
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