以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施形態は、本発明の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
図1に示されるように、本実施形態に係る軌陸車10は、走行を行う走行体20と、走行体20に載置された上部作業体30とを備える。上部作業体30は、本発明の把持装置に相当する。
走行体20は、道路走行用の複数対(左右一対)の車輪21と、軌道走行用の複数対(左右一対)の鉄輪23とを備える。車輪21は、タイヤ22を有する。鉄輪23は、タイヤ22の接地面よりも上方に位置する格納状態(図1に示される状態)と、タイヤ22の接地面よりも下方に位置する走行状態(不図示)とに状態変化可能に設けられている。鉄輪23は、道路走行時に格納状態とされ、軌道走行時に走行状態とされる。
走行体20は、運転手が搭乗する走行用キャビン25を備える。走行用キャビン25は、ハンドルやクラッチやアクセルやブレーキなど、道路走行及び軌道走行に必要な運転装置(不図示)を有する。運転手は、運転装置を操作して、走行体20を走行させる。
走行体20は、複数対(左右一対)のアウトリガ24を備える。アウトリガ24は、タイヤ22の接地面よりも下方において接地する接地状態(図1)と、タイヤ22の接地面よりも上方に位置する格納状態(不図示)とに状態変化可能に設けられている。アウトリガ24は、道路走行時及び軌道走行時に収納状態とされ、上部作業体30が操作される際に接地状態とされる。接地状態のアウトリガ24は、上部作業体30が操作される際の軌陸車10の姿勢を安定させる。
上部作業体30は、走行体20に旋回可能に載置された旋回体31と、旋回体31から突出するブーム40と、ブーム40の先端に回動可能に設けられた把持機構50と、上部作業体30を駆動させる駆動装置60(図3)と、駆動装置60の駆動を制御する制御装置34(図3)と、を備える。
旋回体31は、走行体20上に載置され、旋回可能に走行体20に取り付けられている。旋回体31は、後述の第1アクチュエータ61(図3)により旋回される。
旋回体31は、ブーム40を支持する台座33と、操作用キャビン32とを備える。台座33は、ブーム40の一端を起伏可能に支持する。
操作用キャビン32は、箱状であり、操縦者を収容する。操縦者により操作される操作装置70(図3)が操作用キャビン32に設置されている。操作装置70は、旋回体31及びブーム40の操作に用いられる不図示の操作部を備える。また、操作装置70は、図3に示されるように、把持機構50の操作に用いられる第1操作レバー71、第2操作レバー72、及び第3押しボタン73を備える。
第1操作レバー71は、操作されることにより、操作量に応じた操作信号を制御装置34に入力する。制御装置34は、この操作信号に応じた速度及び向きで、把持機構50を回動させる油圧モータM(図3)を駆動する。すなわち、第1操作レバー71は、把持機構50を回動させるレバーである。
第2操作レバー72は、操作されることにより、操作量に応じた操作信号を制御装置34に入力する。制御装置34は、この操作信号に応じた速度及び向きで、後述の第1可動爪53A及び第2可動爪53Bを開閉させる第6アクチュエータ66及び第7アクチュエータ67を駆動する。すなわち、第2操作レバー72は、第1可動爪53A及び第2可動爪53Bを開閉させるレバーである。
第3押しボタン73は、姿勢検知センサ35により、上部作業体30における第2ブーム42が地面に対して垂直になっていること、または上部作業体30における第2ブーム42が地面に対して垂直になっておらず、かつ電柱11を掴んでいないことを検出したときに押されることにより、操作信号を制御装置34に入力する。姿勢検知センサ35は、アーム40などに設けられ、第1ブーム41や第2ブーム42の対地角などの姿勢を検出する。
制御装置34は、第3押しボタン73から操作信号が入力されると、後述の切替弁81のポートを閉ポート82から開ポート83に切り替えさせる駆動信号を出力する。すなわち、第3押しボタン73は、切替弁81を「閉状態」から「開状態」にするボタンである。さらに詳しく説明すると、第3押しボタン73は、モーメンタリ型の押しボタンである。したがって、切替弁81は、常時「閉状態」であり、第3押しボタン73が押されている間のみ「開状態」になる。切替弁81は、把持機構50を回動させる油圧モータMの一対のポートM1、M2に対してバイパス流路を形成する。詳しくは後述される。
ブーム40は、図1に示されるように、長尺状である。図示例では、ブーム40は、角筒状である。ブーム40は、旋回体31の台座33から突出する角筒状の第1ブーム41と、第1ブーム41の先端に設けられた角筒状の第2ブーム42とを備える。
第1ブーム41は、台座33と繋がる基端(図における右端)を中心に起伏可能に台座33に支持されている。第1ブーム41は、旋回体31に対して伏せた伏せ状態(図5(A))と、先端が旋回体31から起き上がった起立状態(図6(A))との間で起伏する。第1ブーム41は、後述の第2アクチュエータ62(図3)により起伏される。
第1ブーム41は、入れ子状に配置された3個のフレーム41A、41B、41Cからなる。フレーム41A、41B、41Cは、いずれも角筒状である。第1ブーム41は、フレーム41A、41B、41C同士が重なった縮小状態(図1)と、フレーム41A、41B、41Cの軸方向の端同士が重なった伸長状態(図5(A))との間で伸縮する。第1ブーム41は、後述の第3アクチュエータ63(図3)により伸縮される。
第2ブーム42は、その軸方向における中央部において、第1ブーム41の先端と回動可能に接続されている。第2ブーム42は、俯仰されることにより、第1ブーム41に沿う状態(図2)や、第1ブーム41に直交する状態(図5)となる。第2ブーム42は、後述の第4アクチュエータ64により俯仰される。
第2ブーム42は、図5(A)に示されるように、入れ子状に配置されたフレーム42A及びフレーム42Bを備える。フレーム42A及びフレーム42Bは、いずれも角筒状である。第2ブーム42は、フレーム42Bがフレーム42Aに対してスライドすることにより、縮小状態(図1)と、伸長状態(図5(A))との間で伸縮する。第2ブーム42は、後述の第5アクチュエータ65により伸縮される。
把持機構50は、図2に示されるように、第2ブーム42のフレーム42Bの先端に回動可能に設けられた本体51と、本体51から突出する固定爪52と、本体51から突出する第1可動爪53A及び第2可動爪53Bとを備える。
本体51は、第2ブーム42の軸54周りに回動可能に第2ブーム42に取り付けられている。本体51は、後述の油圧モータM(図3)により、軸54周りの回動方向55に回動される。
第1可動爪53A及び第2可動爪53Bは、固定爪52と対向して設けられている。第1可動爪53A及び第2可動爪53Bは、後述の第6アクチュエータ66及び第7アクチュエータ67により、電柱を把持する把持位置と、電柱を開放する開放位置との間で開閉される。
駆動装置60は、図3に示されるように、第1アクチュエータ61、第2アクチュエータ62、第3アクチュエータ63、第4アクチュエータ64、第5アクチュエータ65、第6アクチュエータ66、第7アクチュエータ67、及び油圧モータMを備える。第1〜第7アクチュエータ61〜67及び油圧モータMは、制御装置34により、駆動が制御される。
第1アクチュエータ61は、旋回体31を旋回させる。第1アクチュエータ61は、例えば油圧モータによって旋回する。第2アクチュエータ62は、第1ブーム41を起伏させる。第2アクチュエータ62は、例えば油圧シリンダによって起伏する。第3アクチュエータ63は、第1ブーム41を伸縮させる。第3アクチュエータ63は、例えば油圧シリンダによって伸縮する。第4アクチュエータ64は、第2ブーム42を俯仰させる。第4アクチュエータ64は、例えば油圧シリンダによって俯仰する。第5アクチュエータ65は、第2ブーム42を伸縮させる。第5アクチュエータ65は、例えば油圧シリンダによって伸縮する。第6アクチュエータ66は、第1可動爪53Aを開閉させる。第7アクチュエータ67は、第2可動爪53Bを開閉させる。第6アクチュエータ66及び第7アクチュエータ67は、例えば油圧シリンダによって各可動爪53を開閉する。なお、第3アクチュエータ63や第5アクチュエータ65や第6アクチュエータ66や第7アクチュエータ67は、伸長用のシリンダと、縮小用のシリンダとで構成されていてもよい。
油圧モータMは、把持機構50の本体51を回動させる。油圧モータMは、油圧装置80により作動油を供給されて動作する。なお、安全のため、油圧モータMの回転をロックするロック機構が把持機構50に設けられていてもよい。
油圧装置80は、図4に示されるように、切替弁81と、流量調整弁85と、カウンタバランスバルブ86と、リリーフバルブ87とを備える。
切替弁81は、油圧モータMと並列に接続されており、油圧モータMの一対のポートM1、M2間を接続するバイパス流路84を形成する。切替弁81は、閉ポート82及び開ポート83を備える電磁弁である。切替弁81は、制御装置34からの駆動電流に応じてポートを切り替える。制御装置34は、上部作業体30が一定の姿勢になっていることを姿勢検知センサ35が検知した上で、操作装置70の第3押しボタン73が押されることにより、駆動電流を出力する。すなわち、上部作業体30が一定の姿勢にならなければ第3押しボタン73を押しても、切替弁81は「閉状態」から「開状態」に切り換わらない。
切替弁81が「閉状態」であるとき、バイパス流路84は閉じられる。したがって、作動油を供給して油圧モータMを回動させることができる。この状態では、外力によって本体51を回動させることはできない。切替弁81が「開状態」になると、バイパス流路84が開かれる。油圧モータMの一対のポートM1,M2がバイパス流路84にそれぞれ接続されることにより、バイパス流路84を経由して油圧モータMから排出された油圧を循環することができる。その結果、外力によって本体51を回動させることができるようになる。
流量調整弁は、切替弁81と直列に接続されている。流量調整弁85は、切替弁81が「開状態」であってバイパス流路84が開かれているとき、バイパス流路84を通過する作動油の流量を絞る。その結果、油圧モータMの油圧が急激に開放されることが抑制される。すなわち、人力で把持機構50を回動させる際に、把持機構50の回動に抵抗が加えられる。
流量調整弁85は、絞り弁である。流量調整弁85における作動油の調整量は、制御装置34からの駆動電流により増減される。制御装置34は、操作装置70から入力する操作信号に基づいて、駆動電流を出力する。操作装置70は、例えば操作つまみを有しており、操作つまみの回転量に応じた操作信号を出力する。すなわち、操作つまみの操作量に応じて、バイパス流路84を通過する作動油の流量が調整され、その結果、把持機構50を外力によって回動する際の抵抗の度合が調整される。なお、絞り弁でなくとも流量を調整できるものであれば電磁弁でもよい。
カウンタバランスバルブ86は、第1パイロット操作チェック弁91と、第2パイロット操作チェック弁92とを備える。
第1パイロット操作チェック弁91と第2パイロット操作チェック弁92は、それぞれが設けられている各ポートが作動油の排出側となった際に作用する。各パイロット操作チェック弁91、92のパイロット部は、作動油の供給側に接続されている。各パイロット操作チェック弁91、92は、作動油の供給側圧力が低いときに、作動油の逆流を防止し、作動油の供給側圧力が高いときに、作動油の逆流を許容する。
カウンタバランスバルブ86は、油圧装置80において背圧を付与する。具体的に説明すると、例えば、カウンタバランスバルブ86は、把持機構50が把持した電柱を水平状態から垂直状態にする際、電柱の重量により把持機構50が急回動することを抑制する。
リリーフバルブ87は、チェックバルブとリリーフバルブとで構成された第3パイロット操作チェック弁93及び第4パイロット操作チェック弁94を備える。
第3パイロット操作チェック弁93及び第4パイロット操作チェック弁94の1次側は、作動油の供給側と接続されている。第3パイロット操作チェック弁93及び第4パイロット操作チェック弁94の2次側は、タンクと接続されている。第3パイロット操作チェック弁93及び第4パイロット操作チェック弁94のパイロット部は、逆方向の供給側と接続されている。
第3パイロット操作チェック弁93及び第4パイロット操作チェック弁94におけるチェックバルブの1次側はタンク回路に接続されている。第3パイロット操作チェック弁93及び第4パイロット操作チェック弁94におけるチェックバルブの2次側はカウンタバランスバルブ86と油圧モータM間に接続されている。チェックバルブは、第3パイロット操作チェック弁93及び第4パイロット操作チェック弁94がそれぞれ供給側にあるとき、油圧モータMが外力によって回動されるなどして供給圧が負圧になろうとすると、チェックバルブを開きタンク回路から供給側へ作動油を補給し、供給側が負圧になることを防止する。その結果、油圧装置80や油圧モータMの破損が防止される。
第3パイロット操作チェック弁93及び第4パイロット操作チェック弁94におけるリリーフバルブの1次側はカウンタバランスバルブ86と油圧モータM間に接続されている。第3パイロット操作チェック弁93及び第4パイロット操作チェック弁94におけるリリーフバルブの2次側はタンク回路に接続されている。リリーフバルブは、第3パイロット操作チェック弁93及び第4パイロット操作チェック弁94がそれぞれ排出側にあるとき、上部作業体30の急停止操作などによってカウンタバランスバルブ86と油圧モータM間にサージ圧が発生すると、リリーフバルブが1時側から2次側へ作動油を逃がし、サージ圧の発生を防止する。その結果、油圧装置80や油圧モータMの破損が防止される。
以下、図5及び図6を参照して、軌陸車10がコンクリート柱である電柱11を縦穴12に挿入する例が説明される。電柱11は、初め、縦穴12の近傍に載置されている。
運転手は、軌陸車10を運転し、電柱11が載置された現場まで軌道13上を走行させる。運転手は、現場に到着すると、図5(A)に示されるように、アウトリガ24を格納状態から接地状態にし、車体を安定させる。次に、操縦者は、操作用キャビン32に搭乗し、操作装置70を用いて上部作業体30を操作する。操縦者は、第1ブーム41を伸長させ、第2ブーム42を俯仰及び伸長させ、把持機構50を電柱11の真中へ移動させる。
次に、操縦者は、第3押しボタン73を押しながら第2操作レバー72を操作して第1可動爪53A及び第2可動爪53Bを開閉させ、図5(A)に示されるように、把持機構50に電柱11を把持させる。
把持機構50が電柱11を把持する際、第3押しボタン73が押されているから、バイパス流路84が開かれ、油圧モータMの油圧が開放される。したがって、把持機構50が電柱11を把持する際に、第1可動爪53A及び第2可動爪53Bが電柱11の側面と平行になっていなくても、電柱11が回動する代わりに本体51が回動し、その結果、電柱11の両端が大きく動くことが防止される。
なお、把持機構50が電柱11を把持した後、車外にいる作業者は、安全のため、チェーンブロックなどを用いて電柱11と把持機構50とを接続する。
次に、操縦者は、図5(B)に示されるように、第2ブーム42を縮小させて、電柱11を持ち上げる。その後、操縦者は、第3押しボタン73を押しながら操作装置70の不図示の操作レバー等を操作して、旋回体31を旋回させるとともに第1ブーム41を縮小させ、図5(C)に示されるように、電柱11を縦穴12の近くまで移動させる。
上部作業体30が電柱11を移動させる際、第3押しボタン73が押されているから、バイパス流路84が開かれ、油圧モータMの油圧が開放される。したがって、作業員14が手やロープなどで電柱11を押えることにより、電柱11が回動する代わりに本体51を回動させることができる。その結果、電柱11を回動させることなく電柱11を移動させることができる。また、流量調整弁85によってバイパス流路84を通過する作動油の流量が絞られるから、電柱11を押えて本体51を回動させる際に、適度な抵抗が付与される。その結果、本体51が周り過ぎて電柱11が回動してしまうことを抑制できる。
次に、操縦者は、操作装置70の不図示の操作レバーを操作し、図6(A)に示されるように、第1ブーム41を起こして電柱11を持ち上げる。その後、操縦者は、図6(B)に示されるように、把持機構50を回動させ、電柱11を水平状態から垂直状態にする。把持機構50の回動の際、油圧装置80のカウンタバランスバルブ86が働く。具体的に説明すると、把持機構50が回動される際、把持機構50は、電柱11の重量により急激に回動しようとするところ、カウンタバランスバルブ86により背圧が付与され、緩やかに回動する。
次に、操縦者は、図6(C)に示されるように、旋回体31を旋回させ、第1ブーム41を伸長させ、電柱11を縦穴12の真上に移動させる。その後、操縦者は、第1ブーム41を縮小させるとともに倒伏させ、かつ第2ブーム42を俯仰させ、電柱11を縦穴12に挿入する。
一連の建柱作業において、何らかの原因により油圧装置80の油圧が規定値近くまで上昇すると、リリーフバルブ87が動作する。その結果、作動油がタンクへ排出され、油圧が規定値を超えることが防止される。なお、何らかの原因としては、把持機構50の回動が急停止された場合などが想定される。
本実施形態では、油圧装置80が切替弁81を備えるから、油圧ポンプMの油圧を開放して外力によって本体51を回動させることができる。その結果、電柱11が回動して電柱11の両端が大きく動くことを抑制でき、作業の安全性が確保される。
また、第3押しボタン73は、モーメンタリ型の押しボタンであるから、バイパス流路が開かれるのを一瞬だけに抑えることができるため、誤って手などが触れても動作する危険性は少ない。また、誤って手などが触れたとしても、作業姿勢によっては制御装置によって作動を規制されるため安全は確保される。その結果、作業の安全性が確保される。
また、油圧装置80が流量調整弁85を備えるから、把持機構50の回り過ぎが防止され、作業の安全性が確保される。
また、切替弁81が閉じている場合、油圧装置80がカウンタバランスバルブ86を備えるから、電柱11を水平状態から垂直状態にする際に、電柱11が急激に回動することが防止され、作業の安全性が確保される。
また、油圧装置80がリリーフバルブ87を備えるから、何らかの原因によって油圧が上昇したとしても、油圧が規定値を超えることが防止される。その結果、油圧装置80や油圧モータMの損傷等が防止される。
上述の実施形態では、切替弁81が電磁弁である例が説明されたが、切替弁81は、手動でポートが切り替えられるものであってもよい。また、上述の実施形態では、流量調整弁85が電磁弁である例が説明されたが、流量調整弁85は、絞りで流量を調整できるものであってもよい。
上述の実施形態では、ブーム40が第1ブーム41及び第2ブーム42を備える例が説明されたが、ブーム40は、第1ブーム41のみを備えていてもよい。この場合、電柱11を把持する際、第2ブーム42が伸長される代わりに、第1ブーム41が倒伏される。また、電柱11を持ち上げる際、第2ブーム42が縮小される代わりに、第1ブーム41が起こされる。
上述の実施形態では、第3押しボタン73でバイパス流84を切り換える例が説明されたが、さらに上部作業体30の姿勢条件を加えてもよい。例えば、第2ブーム42の対地角が90°以外で電柱を掴んでいると、第3押しボタン73を押してもバイパス流路84の切換弁81が切り換わらないようにすることで、安全な姿勢時のみ外力によって把持機構30を回動できる。
上述の実施形態では、軌陸車10が走行用キャビン25及び操作用キャビン32の2つのキャビンを備える例が説明されるが、軌陸車10は、運転装置及び操作装置70の両方が設置された1つのキャビンを有するものであってもよい。